説明

ネットワーク型コンテンツ再生システム

【課題】 より簡単にサーバーおよびクライアントの電源を指定時刻にオフ/オン状態にすることができるネットワーク型コンテンツ再生システムを提供すること。
【解決手段】 ネットワーク型コンテンツ再生システムは、サーバーと、該サーバーに接続可能な少なくとも1つのクライアントとを備える。クライアントは、サーバーの電源をオフ状態にする際のオフ条件を含むオフ条件登録要求をサーバーに送信するオフ条件登録要求手段を備える。サーバーは、オフ条件登録要求に応答して、オフ条件を登録するオフ条件登録手段と、オフ条件を満たしたか否かを判断するオフ条件判断手段と、オフ条件判断手段が、オフ条件を満たしたことを判断した場合に、サーバーの電源をオフ状態にするオフ手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを再生可能なコンテンツ再生システムに関し、詳細にはサーバーとサーバーに接続可能なクライアントとを備えるネットワーク型コンテンツ再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、サーバークライアントシステムを利用したネットワーク型コンテンツ再生システムが提案されている。下記特許文献1は、複数のコンテンツを蓄積するサーバーと、LAN(Local Area Network)経由で接続されたクライアントとを備えるコンテンツ再生システムを記載する。クライアントは所望のコンテンツをサーバーに要求し、これに応じてサーバーは要求されたコンテンツをクライアントに配信する。クライアントはサーバーから配信されたコンテンツを再生する。
【0003】
クライアントがコンテンツの再生を終了後、コンテンツ再生システムの電源をオフ状態にする(スタンバイ状態にする)場合には、利用者はサーバーおよびクライアントのそれぞれについて電源をオフ状態にする必要がある。一般的に、サーバーおよびクライアントはそれぞれ別の部屋に配置される場合が多いので、サーバーおよびクライアントのそれぞれについて電源をオフ状態にすることは非常に煩雑である。そのため、より簡易に(サーバーが配置された部屋に行くことなく)サーバーの電源をオフ状態にする方法が望まれている。同様の理由で、より簡単に(サーバーが配置された部屋に行くことなく)サーバーの電源をオン状態にする方法が望まれている。
【0004】
さらに、1つのサーバーに複数のクライアントが接続され、各クライアントがサーバーから配信されたコンテンツを再生することもある。この場合、あるクライアントのユーザーがサーバーの電源をオフ状態にすると、他のクライアントはコンテンツを受信できなくなり、コンテンツを再生中の場合には、コンテンツの再生が途中で停止してしまうという問題がある。
【0005】
また、一般的なオーディオ装置の場合、所定時刻になると電源をオフ状態またはオン状態にするタイマー機能(起床タイマー、就寝タイマー)を有するものがある。しかし、従来のタイマー機能をネットワーク型コンテンツ再生システムに用いる場合、サーバーおよびクライアントの両方にタイマーを設定する必要があり、煩雑である。そのため、より簡単に(サーバーが配置された部屋に行くことなく)サーバーおよびクライアントにタイマー設定可能なネットワーク型コンテンツ再生システムが求められている。
【0006】
【特許文献1】WO03/102919
【特許文献2】特開2002−73831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、より簡単にサーバーおよびクライアントの電源を指定時刻にオフ/オン状態にすることができるネットワーク型コンテンツ再生システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の好ましい実施形態によるネットワーク型コンテンツ再生システムは、サーバーと、該サーバーに接続可能な少なくとも1つのクライアントとを備える。該クライアントは、該サーバーの電源をオフ状態にする際のオフ条件を含むオフ条件登録要求を該サーバーに送信するオフ条件登録要求手段を備える。該サーバーは、該オフ条件登録要求に応答して、該オフ条件を登録するオフ条件登録手段と、該オフ条件を満たしたか否かを判断するオフ条件判断手段と、該オフ条件判断手段が、該オフ条件を満たしたことを判断した場合に、該サーバーの電源をオフ状態にするオフ手段とを備える。
【0009】
好ましい実施形態においては、上記オフ条件は、上記サーバーの電源がオフ状態になるオフ時刻、または該サーバーがオフ状態になるまでの時間である。上記オフ条件登録手段は、上記オフ条件登録要求に応答して、該サーバーのオフ時刻または該サーバーがオフ状態になるまでの時間を登録する。上記オフ条件判断手段が、現在時刻が該オフ時刻になったこと、または該オフ状態になるまでの時間を経過したことを判断した場合に、上記オフ手段が該サーバーの電源をオフ状態にする。
【0010】
利用者がクライアントにオフ条件(例えば、オフ時刻)を入力すると、クライアントはサーバーにオフ条件登録要求を送信し、サーバーはオフ条件を登録し、オフ条件を満足する(例えば、現在時刻がオフ時刻になる)と、サーバーの電源はオフ状態になる。従って、利用者が入力した時刻にサーバーの電源をオフ状態にすることができる。そのため、利用者はサーバーが配置された部屋に行ってサーバーの電源をオフ状態にさせる必要はなく、自分の部屋に配置されたクライアントにサーバーのオフ時刻を設定するだけで、入力した時刻にサーバーの電源をオフ状態にすることができる。なお、オフ条件登録要求は、オフ条件の登録の他に、オフ条件の変更または解除、あるいはオフ条件の設定禁止の有無を含む。
【0011】
好ましい実施形態においては、上記サーバーは、上記オフ条件を満たした場合に、該サーバーの電源をオフ状態にすることを通知するオフ通知を、該サーバーに接続されている前記クライアントに送信するオフ通知手段をさらに備える。上記クライントは、該オフ通知に応答して、該クライアントの電源をオフ状態にすることを通知するクライアントオフ通知を該サーバーに送信する手段と、該クライアントオフ通知を送信したあと、該クライアントの電源をオフ状態にするクライアントオフ手段とを備える。上記オフ手段は、該サーバーに接続されているクライアントから該クライアントオフ通知を受信したあと、該サーバーの電源をオフ状態にする。
【0012】
現在時刻がオフ時刻になると、サーバーはまず全クライアントにオフ通知を送信し、クライアントに電源をオフ状態にするように促す。クライアントは、オフ通知を受信すると、サーバーにクライアントオフ通知を送信した後、電源をオフ状態にする。従って、利用者がオフ時刻を設定すると、オフ時刻にサーバーの電源だけでなく、クライアントの電源も自動的にオフ状態にすることができる。しかも、サーバーは全てのクライアントからクライアントオフ通知が送信された後で、サーバーの電源をオフ状態にする。そのため、クライアントの電源がオン状態の時にサーバーの電源がオフ状態になってしまい、コンテンツの再生が途中で中断してしまうことはない。また、必要に応じて、何らかの理由(例えば、通信障害等)で全てのクライアントからは、クライアントオフ通知を受信できない場合、所定時間経過すればサーバーの電源をオフ状態にするようにしてもよい。さらに、あるクライアントの利用者が、サーバーのオフ時刻を設定するだけで、全てのクライアントを含むシステム全体の電源をオフ状態にすることができるので、1つのクライアントの利用者が電源を切り忘れている場合にもシステム全体の電源をオフ状態にすることができる。
【0013】
好ましい実施形態においては、上記サーバーは、上記オフ条件を含むオフ条件通知を該サーバーに接続されている上記クライアントに送信するオフ条件通知手段をさらに備える。上記クライアントは、該オフ条件通知を受信する受信手段と、該受信したオフ条件を表示する表示手段とをさらに備える。
【0014】
サーバーは、オフ条件を登録した後に全てのクライアントに、オフ条件(オフ時刻および設定したクライアントのクライアントID)を送信し、クライアントはオフ条件を表示装置に表示する。そのため、オフ時刻を入力したクライアントの利用者は、自分が入力したオフ時刻がサーバーに登録されたことを確認することができ、他のクライアントの利用者は自分以外の利用者によってサーバーのオフ時刻が登録されたことを把握できる。従って、他のクライアントの利用者は、登録されているオフ時刻が気に入らない場合に、オフ時刻を変更または解除することができるので、自分が知らない間に他の利用者によって勝手にサーバーの電源がオフされることを防止できる。
【0015】
本発明の別の好ましい実施形態によるネットワーク型コンテンツ再生システムは、サーバーと、該サーバーに接続可能な少なくとも1つのクライアントとを備える。該システムは、該クライアントの電源をオフ状態にする際のオフ条件を登録するオフ条件登録手段と、該オフ条件を満たしたか否かを判断するオフ条件判断手段と、該オフ条件判断手段が、該オフ条件を満たしたことを判断した場合に、該クライアントの電源をオフ状態にすることを通知するクライアントオフ通知を該サーバーに送信するクライアントオフ通知手段と、該クライアントオフ通知を送信したあと、該クライアントの電源をオフ状態にするクライアントオフ手段とを備える。該サーバーは、該クライアントオフ通知を受信する受信手段と、該サーバーに接続されているクライアントから該クライアントオフ通知を受信した場合に、該サーバーの電源をオフ状態にするサーバーオフ手段とを備える。
【0016】
利用者がクライアントにオフ条件(例えば、オフ時刻)を設定すると、クライアントはオフ時刻を登録し、オフ条件を満足する(例えば、現在時刻がオフ時刻になる)と、クライアントの電源はオフ状態になる。しかも、クライアントは、電源をオフ状態にする前にサーバーにクライアントオフ通知を送信する。サーバーは全てのクライアントからクライアントオフ通知を受信した時点で、サーバーの電源をオフ状態にする。そのため、全ての利用者がクライアントの電源をオフ状態にした後で、サーバーの電源を自動的にオフ状態にすることができる。従って、利用者は、サーバーが配置された部屋に行ってサーバーの電源をオフ状態にする必要はなく、自分の部屋に配置されたクライアントにオフ条件を登録するだけで、サーバーの電源を自動的にオフ状態にすることができる。しかも、全てのクライアントの電源がオフ状態にならないと、サーバーの電源がオフ状態にならないので、あるクライアントがコンテンツの再生中に、サーバーの電源がオフ状態になってしまうことはない。
【0017】
本発明の別の好ましい実施形態によるネットワーク型コンテンツ再生システムは、サーバーと、該サーバーに接続可能なクライアントと、該サーバーに接続可能なコントローラとを備える。該コントローラは、上記クライアントの電源をオフ状態にする際のオフ条件を登録するオフ条件登録手段と、該オフ条件を満たしたか否かを判断するオフ条件判断手段と、該オフ条件判断手段が、該オフ条件を満たしたことを判断した場合に、該クライアントの電源をオフ状態にさせるクライアントオフ指示を、前記サーバーを介して該クライアントに送信する指示手段とを備える。該クライアントは、該クライアントオフ指示を受信した場合に、該クライアントの電源をオフ状態にすることを通知するクライアントオフ通知を該サーバーに送信するクライアントオフ通知手段と、該クライアントオフ通知を送信したあと、該クライアントの電源をオフ状態にするクライアントオフ手段とを備える。該サーバーは、該クライアントオフ通知を受信する受信手段と、該サーバーに接続されているクライアントから該クライアントオフ通知手段を受信した場合に、該サーバーの電源をオフ状態にするサーバーオフ手段とを備える。
【0018】
利用者がコントローラにオフ条件(例えば、オフ時刻)を設定すると、コントローラはオフ時刻および電源をオフ状態にするクライアントの識別情報を登録する。オフ条件を満足する(例えば、現在時刻がオフ時刻になる)と、コントローラは、サーバーを介してクライアントにクライアントオフ指示を送信し、クライアントは電源をオフ状態にする。しかも、クライアントが電源をオフ状態にする前にサーバーにクライアントオフ通知を送信するので、サーバーが全てのクライアントからオフ通知を受信すれば、サーバーの電源も自動的にオフ状態にすることができる。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によるクライアントは、サーバーに接続可能であり、再生するコンテンツの識別情報を登録する手段と、該コンテンツを格納するサーバーの識別情報を登録する手段と、該コンテンツの再生開始時刻を登録する手段と、該コンテンツを格納するサーバーの電源がオン状態であるか否かを判断する判断手段と、該サーバーの電源がオフ状態であると該判断手段が判断した場合に、該サーバーの電源をオン状態にさせる手段と、該再生開始時刻に、該サーバーから該コンテンツを受信する受信手段と、該受信したコンテンツを再生する再生手段とを備える。
【0020】
利用者がクライアントに再生開始時刻および再生するコンテンツを設定すれば、クライアントは再生開始時刻の所定時間前に電源がオン状態になり、サーバーからコンテンツを取得して再生開始時刻にコンテンツを再生できる。しかも、クライアントは、コンテンツを格納するサーバーの電源がオン状態であるかを判断して、電源がオフ状態であれば、サーバーの電源をオン状態にさせる。そのため、サーバーの電源を常時オン状態にしておく必要がない。さらに、利用者はサーバーが配置された部屋に行ってサーバーの電源をオン状態にしたり、サーバーに電源をオン状態にする時刻を設定する必要がなく、単にクライアントに再生開始時刻および再生するコンテンツを設定するだけでよい。
【0021】
本発明の好ましい実施形態によるクライアントは、複数のサーバーに接続可能であり、再生するコンテンツの識別情報を登録する手段と、該コンテンツの再生開始時刻を登録する手段と、該コンテンツを格納する第2のサーバーの識別情報を登録する手段と、自身の電源をオフ状態にする際に、接続している第1のサーバーの識別情報を登録する手段と、該第1のサーバーの電源がオン状態であるか否かを判断する第1の判断手段と、該第1のサーバーの電源がオフ状態であると該第1の判断手段が判断した場合、該第1のサーバーの電源をオン状態にさせる手段と、該第2のサーバーの電源がオン状態であるか否かを判断する第2の判断手段と、該第2のサーバーの電源がオフ状態であると該第2の判断手段が判断した場合に、該第2のサーバーの電源をオン状態にさせる手段と、該第1のサーバーと接続する手段と、該再生開始時刻に、該第2のサーバーから該第1のサーバー経由で該コンテンツを受信する受信手段と、該受信したコンテンツを再生する再生手段とを備える。
【0022】
ネットワーク上に複数のサーバーが存在する場合、クライアントは、再生開始時刻の所定時間前に電源をオン状態にして、電源がオフ状態になる際に接続していた第1のサーバーと再接続する。再生開始時刻に、クライアントは、再生すべきコンテンツを格納する第2のサーバーから第1のサーバーを介してコンテンツを取得する。クライアントは、第1のサーバーに必ず再接続するので、ネットワーク上にコントローラが存在しクライアントを監視/制御している場合に、クライアントが他のサーバーに接続してしまい、コントローラがクライアントの接続先が不明になり、クライアントを監視/制御できなくなることを防止できる。また、クライアントは、第1のサーバーおよび第2のサーバーの電源がオン状態であるかを判断し、電源がオフ状態であれば、電源をオン状態にさせる。従って、利用者はサーバーが配置された部屋に行ってサーバーの電源をオン状態にしたり、サーバーに電源をオン状態にする時刻を設定する必要がない。
【0023】
本発明の好ましい実施形態によるコントローラは、クライアントが接続されるサーバーに接続可能であり、再生するコンテンツの識別情報を登録する手段と、該コンテンツを格納するサーバーの識別情報を登録する手段と、該コンテンツの再生開始時刻を登録する手段と、該コンテンツを該再生開始時刻に再生させるクライアントの識別情報を登録する手段と、該サーバーの電源がオン状態であるか否かを判断する第1の判断手段と、該サーバーの電源がオフ状態であると該第1の判断手段が判断した場合に、該サーバーの電源をオン状態にさせる手段と、該クライアントの電源がオン状態であるか否かを判断する第2の判断手段と、該クライアントの電源がオフ状態であると該第2の判断手段が判断した場合に、該クライアントの電源をオン状態にさせる手段と、該再生開始時刻に、該コンテンツの再生指示を、該サーバーを介して該クライアントに送信する再生指示手段とを備える。
【0024】
利用者がコントローラに再生開始時刻および再生するコンテンツを設定すれば、再生開始時刻に、コントローラはクライアントにコンテンツの再生指示を送信し、クライアントはコンテンツをサーバーから取得して再生できる。しかも、コントローラは、再生指示するクライアントおよびコンテンツを格納するサーバーの電源がオン状態であるかを判断して、電源がオフ状態であれば、クライアントおよびサーバーの電源をオン状態にさせる。そのため、サーバーおよびクライアントの電源を常時オン状態にしておく必要がない。さらに、利用者はサーバー(およびクライアント)が配置された部屋に行ってサーバー(およびクライアント)の電源をオン状態にしたり、サーバー(およびクライアント)に電源をオン状態にする時刻を設定する必要がない。
【0025】
なお、上記各動作をコンピュータに実行させるためのサーバー、クライアントおよびコントローラ用のプログラムが提供され得る。
【発明の効果】
【0026】
本発明のネットワーク型コンテンツ再生システムは、クライアントがサーバーがオフする際のオフ条件を含むオフ条件登録要求をサーバーに送信し、サーバーがオフ条件登録要求に応答してオフ条件を登録し、オフ条件を満たした際に、サーバーの電源をオフするので、利用者はクライアントにオフ条件を入力するだけで、サーバーの電源をオフ状態にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、本発明の好ましい実施形態によるネットワーク型コンテンツ再生システム1の構成を示すブロック図である。ネットワーク型コンテンツ再生システム1は、少なくとも1つのクライアントCL(本実施形態では、3つのクライアントCL1〜CL3)、および少なくとも1つのサーバー(本実施形態では1つのサーバーSV)を備える。サーバーSVおよびクライアントCLはLAN50等のネットワークを介して接続されている。クライアントCLはサーバーSVにコンテンツを要求し、サーバーSVはクライアントCLからの要求に応じてクライアントCLにコンテンツを送信し、クライアントCLはサーバーSVからコンテンツを受信して再生する。
【0028】
図2はサーバーSVの概略構成を示すブロック図である。サーバーSVは、HDD(ハードディスクドライブ)等の記録手段1、CPU処理部等の制御手段2、LANコントローラ等の通信手段3および時計装置4を備える。HDD1は、音楽、映像および/または静止画等のコンテンツを記録する。CPU処理部2は、サーバーSVの動作を制御するものであり、データベース管理部5、ネットワークプロトコル処理部6およびシステム動作部7を有する。データベース管理部5は、HDD1を管理する。具体的には、クライアントCLからの要求に応じて所望のコンテンツを選択する。ネットワークプロトコル処理部6は、入出力されるデータをプロトコル処理する。システム動作部7は、HDD1に格納されたサーバープログラムを読み出し、後述するサーバーSVの各種処理を実行する。LANコントローラ3は、サーバーSVとLAN50との間で信号を送受信する。LANコントローラ3は図示しないネットワークICを含む。ネットワークICはサーバーの電源がオン状態であっても通電しており、クライアントから送信されるマジックパケット(登録商標)を受信する。時計装置4はサーバーSVの現在時刻をカウントし、かつ、ある時点からの経過時間をカウントする。
【0029】
HDD1には、表1に示すオフ設定テーブルが格納されている。
【表1】

【0030】
表1に示す通り、オフ設定テーブルには、クライアントCLから送信されたオフ条件登録要求(後述)に含まれるオフ条件および/または設定禁止の有無が登録される。具体的には、オフ設定テーブルは、設定禁止(ロック)の有無と、設定禁止したクライアントの識別情報(例えば、クラインアントID)と、サーバーSVのオフ条件(例えば、オフ時刻)と、オフ条件登録要求したクライアントの識別情報(クライアントID)とを含む。設定禁止の有無には、オフ条件の登録、変更または解除を禁止するか否かが登録される。設定禁止とは、本例では、設定禁止を登録したクライアント以外のクライアントがオフ条件を設定、変更または解除することを禁止するものであり、設定禁止を登録したクライアント自身はオフ条件を設定、変更または解除することができる。設定禁止される場合はフラグがセットされ、設定禁止されない場合はフラグがリセットされる。また、設定禁止される場合に、設定禁止したクライアントの識別情報(例えば、クライアントID)が登録される。サーバーのオフ条件にはサーバーSVの電源をオフ状態にする際の条件が登録され、この条件を満足するとサーバーSVの電源がオフ状態になる。オフ条件は、例えば、サーバーSVがオフするオフ時刻、サーバーSVがオフするまでの時間、または所定のコンテンツリストに含まれるコンテンツを再生後にオフする等である(以下は、オフ時刻の場合について説明する)。ここで、サーバーSV、クライアントCLの電源をオフ状態するとは、例えば、CPU処理部2のみに電源を供給するスタンバイ状態になることを意味する。あるいは、後述するように再生開始時刻にサーバーを自動的に電源をオン状態にする実施例を考慮すると、CPU処理部2に電源を供給せずに、LANコントローラ3内のネットワークICのみが通電している状態である。ネットワークICが通電していれば、後述するマジックパケット(登録商標)を受信し、CPU処理部2を通電状態にできるからである。オフ時刻が登録される場合に、オフ条件登録要求を送信したクライアントの識別情報(例えば、クライアントID)が登録される。
【0031】
図3はクライアントCLの概略構成を示すブロック図である。クライアントCLは、マイコン処理部等の制御手段31と、フラッシュメモリ32と、順次入力された圧縮デジタルコンテンツを一時的に記憶して順次出力するメモリやRAM等のメモリ33と、圧縮デジタルコンテンツをデコードして非圧縮デジタルコンテンツを生成する音声処理部34と、デジタルコンテンツをアナログコンテンツに変換するD/A変換器(DAC)35と、LANコントローラ等の通信手段36と、利用者からのサーバーのオフ時刻の入力を受け付ける入力装置37と、LCDなどの表示装置38と、時計装置29とを備える。マイコン処理部31は、クライアントCLの動作を制御するものであり、ネットワークプロトコル処理部39およびシステム動作部30を有する。ネットワークプロトコル処理部39は、入出力されるデータをプロトコル処理する。システム動作部30は、メモリ33に格納されたクライアントプログラムを読み出し、後述するクライアントの各種処理を実行する。LANコントローラ36は、クライアントCLとLAN50との間で信号を送受信する。時計装置29は、サーバーSVの現在時刻をカウントし、かつ、ある時点からの経過時間をカウントする。
【0032】
メモリ33には、サーバーSVと同様に、表1に示すオフ設定テーブルが格納されている。各クライアントCLが、サーバーSVのオフ条件を把握するためである。詳細は後述するが、オフ設定テーブルの各内容はサーバーSVよりオフ条件通知と共に送信され、登録される。
【0033】
次に、本実施形態の概略動作を、図4を用いて説明する。まず、クライアントCLは、利用者がサーバーSVのオフ時刻を入力した場合に、サーバーSVにオフ条件登録要求を送信するオフ条件登録要求処理を実行する(S401)。これに応答して、サーバーSVは、オフ時刻を登録するオフ条件登録処理を実行する(S451)。クライアントCLは、サーバーSVに登録されたオフ時刻を表示するオフ条件表示処理を実行する(S402)。登録されたオフ時刻になると、サーバーSVおよびクライアントCLは電源をオフ状態にする(S403,S452)。以下、各処理の詳細を説明する。
【0034】
図5は、クライアントCLのオフ条件登録要求処理S401、サーバーSVのオフ条件登録処理S451およびクライアントCLのオフ条件表示処理S402を示すフローチャートである。まず、クライアントCLのオフ条件登録要求処理S401を説明する。クライアントCLは、オフ設定テーブルを参照して、設定禁止の有無を判断する(S501)。設定禁止されていなければS503に進み、設定禁止されている場合には、オフ設定テーブルを参照して、自身が設定禁止をサーバーに要求したか否かを判断する(S502)。自身が設定禁止していれば、前述の通り、オフ条件登録要求が可能であるのでS503に進むが、他のクライアントが設定禁止していれば、オフ条件登録要求は不可能であるのでS505に進み、オフ条件登録処理を終了する。S503において、クライントCLは、利用者からオフ時刻の入力があるか否かを判断する。具体的には、クライアントCLの表示装置38には、図6に示す内容が表示される。オフ時刻601は、サーバーSVのオフ時刻およびオフ条件登録要求したクライアント名を表し、ロック602は設定禁止の有無および設定禁止したクライアント名を表し、これらはオフ設定テーブルに基づいて表示される。オフ登録ボタン603は利用者がオフ時刻を登録または変更するためのボタン、オフ解除ボタン604は利用者がオフ時刻を解除するためのボタン、ロック登録ボタン605は利用者が設定禁止するためのボタンであり、ロック解除ボタン606は利用者が設定禁止を解除するためのボタンである。オフ時刻を登録する場合、利用者はオフ登録ボタン603を押した後、所望のオフ時刻(例えば、23:45)を、入力装置37を介して入力する。入力があれば(S503:Y)、クライアントCLは、サーバーSVにオフ条件登録要求を送信する(S504)。オフ条件登録要求は、サーバーSVのオフ時刻をサーバーに登録させるための要求であり、オフ時刻の情報を含む。オフ時刻の情報は、サーバーSVの電源がオフ状態になる時刻(例えば、23:45)を表す。
【0035】
次に、サーバーSVのオフ条件登録処理S451を説明する。サーバーSVは、クライアントCLからオフ条件登録要求を受信したか否かを判断する(S551)。クライアントCLからオフ条件登録要求を受信すれば、サーバーSVはオフ設定テーブルを参照して、設定禁止の有無を判断する(S552)。設定禁止されていなければ(S552:N)、S554に進む。設定禁止されていれば(S552:Y)、サーバーSVは、オフ条件登録要求を送信したクライアントと、設定禁止したクライアントとが同じであるかを判断する(S553)。オフ条件登録要求を送信したクライアントと、設定禁止したクライアントとが同じであれば、S554に進む。S554において、サーバーSVはオフ設定テーブルを更新する。具体的には、サーバーSVはオフ設定テーブルに、クライアントCLからのオフ条件登録要求に含まれるオフ時刻、およびオフ条件登録要求を送信したクライアントのクライアントIDを登録する。サーバーSVは、サーバーSVに接続されている全てのクライアントCLにオフ条件通知を送信する(S555)。オフ条件通知は、あるクライアントによってサーバーSVのオフ時刻が登録された(または変更、解除された)ことを接続されている全クライアントに知らせるための通知である。オフ条件通知は、サーバーSVに登録されたオフ時刻の情報およびオフ条件登録要求を送信したクライアントのクライアントIDを含む。一方、S553において、オフ条件登録要求を送信したクライアントと設定禁止したクライアントとが異なれば、他のクライアントによって設定禁止されているので、サーバーSVはオフ設定テーブルを更新せず、オフ条件登録処理を終了する。
【0036】
次に、クライアントCLのオフ条件表示処理S402を説明する。クライアントCLは、サーバーSVからオフ条件通知を受信したか否かを判断する(S505)。オフ条件通知を受信すれば、クライアントCLは、オフ設定テーブルを更新し、表示装置38にサーバーSVのオフ時刻を表示する(S506)。具体的には、クライアントCLは、オフ設定テーブルに、オフ条件通知に含まれるサーバーSVのオフ時刻の情報およびオフ条件登録要求を送信したクライアントのクライアントIDを登録する。そして、クライアントCLは、図7に示す通り、表示装置38にサーバーSVのオフ時刻(23:45)およびオフ条件登録要求したクライアントのクライアント名(CL1)を表示する。これにより、オフ条件登録要求を送信したクライアント(例えば、CL1)の利用者は、自分が入力したオフ時刻がサーバーSVに登録されたことを確認できる。他のクライアントの利用者は、クライアントCL1の利用者がサーバーSVのオフ時刻を登録したことを把握でき、サーバーSVのオフ時刻を変更または解除することができる。
【0037】
次に、サーバーSVおよびクライアントCLのオフ処理S403,S452を、図8を参照して説明する。サーバーSVは、オフ時刻が登録されているか否かをオフ設定テーブルを参照して判断する(S851)。オフ時刻が登録されていれば(S851:Y)、サーバーSVは時計装置4で表されている現在の時刻がオフ設定テーブルに登録されているオフ時刻であるか否かを判断する(S852)。すなわち、サーバーに登録されたオフ条件を満足したか否かを判断する。未だオフ時刻になっていなければ(S852:N)、オフ時刻まで所定時間(例えば、10分)未満であるか否かを判断する(S856)。10分未満であれば、サーバーSVはクライアントCLにオフ前通知を送信する(S857)。オフ前通知は、サーバーSVがオフ状態になるまでの残り時間をクライアントCLに知らせるための通知であり、オフするまでの残り時間情報(例えば、10分)を含む。オフ前通知は、所定時間(例えば、1分)毎に繰り返して送信される。クライアントCLは、サーバーSVからオフ前通知を受信したか否かを判断し(S801)、受信すれば(S801:Y)、図9に示す通り、表示装置38にサーバーSVの電源がオフ状態になるまでの残り時間901(10分)を表示する(S802)。例えば、クライアントCLは1分間隔でオフ前通知を受信するので、1分間隔でサーバーSVの電源がオフ状態になるまでの残り時間の表示を更新する。現在時刻がオフ時刻であると判断されると(S852:Y)、サーバーSVは、サーバーSVに接続されている全てのクライアントCLにオフ通知を送信する(S853)。オフ通知は、サーバーSVの電源がオフ状態になることをクライアントCLに知らせるための通知である。クライアントCLは、サーバーSVからオフ通知を受信したか否かを判断する(S803)。オフ通知を受信すると(S803:Y)、クライアントCLはコンテンツの再生動作を終了し(S804)、サーバーSVにクライアントオフ通知を送信する(S805)。クライアントオフ通知は、サーバーSVからのオフ通知に応答して、クライアントCLがオフすることをサーバーSVに知らせるための通知である。その後、クライアントCLの電源はオフ状態になる(S806)。サーバーSVは、サーバーSVに接続されている全てのクライアントCLからクライアントオフ通知を受信したか否かを判断する(S854)。全てのクライアントからクライアントオフ通知を受信すれば(S854:Y)、サーバーSVの電源はオフ状態になる(S855)。
【0038】
以上のように、サーバーSVは、クライアントCLによって登録されたオフ時刻になると(オフ時刻を満足すると)、接続されている全てのクライアントがオフになったことを確認した後で、電源をオフ状態にする。そのため、あるクライアントCL2が未だオン状態でありサーバーSVからコンテンツを取得している最中に、サーバーSVがオフ状態になってしまい、コンテンツの再生が途中で停止してまうことはない。また、クライアントCL1がオフ条件登録要求した場合に、クライアントCL2もサーバーSVのオフ時刻を表示して利用者に告知できる。そのため、クライアントCL2の利用者が、サーバーSVの電源がオフ状態になると困る場合には、クライアントCL2がサーバーのオフ時刻を変更または解除することができる。
【0039】
なお、S504のオフ条件登録要求は、オフ時刻の変更または解除であってもよい。既にサーバーSVのオフ時刻が登録されている状態で、利用者が図6のオフ登録ボタンを押してオフ時刻を入力すればオフ時刻の変更になる。また、利用者がオフ時刻を登録した後で、図6のオフ解除ボタンを押せば、S504のオフ条件登録要求としてオフ解除する旨の通知がサーバーSVに送信される。サーバーSVは、オフ設定テーブルのオフ時刻をクリアすることにより、オフ時刻を解除する。さらに、S504のオフ条件登録要求は、設定禁止の登録または解除であってもよい。利用者が図6のロック登録ボタン605を押せば、オフ条件登録要求として設定禁止の要求がサーバーSVに送信される。サーバーSVは、オフ設定テーブルの設定禁止のフラグをセットして、設定禁止を要求したクライアントのクライアントIDを登録する。同様に、利用者がロック解除ボタン606を押せば、サーバーSVはオフ設定テーブルの設定禁止のフラグをリセットし、設定禁止を解除する。なお、設定禁止は、設定禁止したクライアント自身もオフ時刻の登録、変更または解除できないようにしてもよい。また、いずれのクライアントであっても設定禁止を解除できるようにしてもよい。さらに、オフ条件がサーバーの電源がオフ状態になるまでの時間である場合には、表1のオフ設定テーブルにはオフ時刻の代わりにオフ状態になるまでの時間(例えば、30分)が登録される。そして、S852においては、「登録されたオフ状態になるまでの時間を経過したか否か」が判断される。
【0040】
次に、本発明の別の好ましい実施形態について説明する。本実施形態はクライアントおよびサーバーの電源をオフ(例えば、スタンバイ)状態からオン状態にし、登録された再生開始時刻に、クライアントがサーバーから取得したコンテンツを再生するものである。サーバーSVおよびクライアントCLの概略構成は、図1〜図3に示す構成と同じである。
【0041】
ここで、クライアントCLは、メモリ33に表2に示すオン設定テーブルをさらに格納している。オン設定テーブルは、指定されたコンテンツを格納するサーバーのサーバー識別情報(サーバーのMACアドレスとサーバーID)と、指定されたコンテンツのコンテンツ識別情報(コンテンツID)と、指定されたコンテンツリストのリスト識別情報(リスト構築キー)と、再生開始時刻と、ボリューム値とを含む。サーバーIDは、クライアントCLが指定されたコンテンツを格納するサーバーSVに接続し、コンテンツを取得するために用いられる。MACアドレスは、後述するWake On LANによってサーバーSVの電源をオン状態にさせるために用いられる。リスト構築キーは、サーバーSVがコンテンツリストを作成するためのキーであり、フィルタの種類(例えば、ジャンル、アルバムまたはアーティスト等)とキーワード(フィルタの種類がジャンルの場合は、ロック、ポップス等)とを含む。ボリューム値は、クライアントCLがコンテンツを再生する際のボリューム値を示す。
【表2】

【0042】
本実施形態の動作を説明する。図10は、クライアントCLのオン条件登録処理を示す。クライアントCLは、サーバーSVから表3に示すコンテンツリストを取得する(S1001)。具体的には、クライアントCLはリスト構築キーをサーバーSVに送信し、サーバーSVがリスト構築キーに基づいてコンテンツリストを作成し、クライアントCLに送信し、クライアントCLはコンテンツリストを受信する。
【表3】

【0043】
表3において、コンテンツリストは、複数のコンテンツのコンテンツ情報I01〜Imnを含む。各コンテンツ情報の詳細を表4に示す。
【表4】

【0044】
コンテンツ情報は、例えば、ファイル名と、コンテンツ名(曲名)と、アーティスト名と、アルバム名と、ジャンル名と、コンテンツの長さ(時間)と、ファイルフォーマット(MP3、WMA、MPEG2など)と、コンテンツ識別情報(コンテンツID)と、サーバー識別情報(サーバーのMACアドレスおよびサーバーID)とを含む。サーバー識別情報には、当該コンテンツを格納するサーバーのサーバー識別情報を含む。
【0045】
クライアントCLは、利用者の入力に基づいて、取得したコンテンツリストの中から再生開始時刻に再生を開始するコンテンツを選択する(S1002)。コンテンツリストの中に所望のコンテンツがなければ、クライアントCLは、再びS1001においてコンテンツリストを取得し直し、コンテンツを選択する。クライアントCLは、コンテンツを指定すると、指定したコンテンツのコンテンツ情報に含まれるサーバー識別情報(サーバーIDおよびMACアドレス)を表2のオン設定テーブルに登録する(S1003)。あるいは、ネットワーク上にサーバーが1つしか存在しない場合には、自身が接続しているサーバーのMACアドレスおよびサーバーIDをオン設定テーブルに自動的に登録してもよい。さらに、クライアントCLは、指定したコンテンツのコンテンツ情報に含まれるコンテンツIDを表2のオン設定テーブルに登録する(S1004)。さらに、クライアントCLは、コンテンツリストを取得する際に使用したリスト構築キーを、表2のオン設定テーブルに登録する(S1004)。リスト構築キーを登録するのは、電源をオン状態になった際にオフ状態になる前に取得していたコンテンツリストを再取得するためである。さらに、クライアントCLは、利用者の入力に基づいて、指定したコンテンツの再生開始時刻を表2のオン設定テーブルに登録する。以上の動作によりオン条件登録処理が終了する。
【0046】
次に、クライアントCLおよびサーバーSVの電源がオン状態になり、再生開始時刻に、クライアントCLが指定したコンテンツを再生する動作を、図11を用いて説明する。クライアントCLは、時計装置29によって表された現在時刻に基づいて、オン設定テーブルに登録した再生開始時刻の所定時間前になると、電源がオン状態になる(S1101)。所定時間は、クライアントCLの電源がオン状態になった後、サーバーSVからコンテンツ情報を取得し、再生する準備が完了するまでに必要な時間であり、代表的には10〜300秒である。次に、クライアントCLは、再生するコンテンツを格納するサーバーSVの電源がオンであるか否かを判断する。具体的には、クライアントCLは、ネットワーク上にマジックワードをブロードキャストする(S1102)。サーバーSVは、電源がオン状態であればマジックワードを受信し、同じマジックワードと共に自身のサーバーIDおよびIPアドレスをクライアントCLに返信する。クライアントCLは、オン設定テーブルに登録されているサーバーIDを読み出し、このサーバーIDと同じサーバーIDを含むマジックワードが返信されれば、サーバーSVの電源がオンであると判断し、そうでなければサーバーSVの電源がオフであると判断する。
【0047】
サーバーSVの電源がオンであれば(S1103:YES)、クライアントCLはサーバーSVと接続する(S1105,S1152)。一方、サーバーSVの電源がオフであれば、クライアントCLはサーバーSVの電源をオン状態にさせる。具体的には、オン設定テーブルに登録されたサーバーのMACアドレスを読み出し、このMACアドレスを有するサーバーをオン状態にさせるサーバーとして特定する。クライアントCLは、例えば、このMACアドレスを有するサーバーSVのネットワークICに所定の信号(マジックパケット(登録商標))を送信し(S1104)、サーバーSVはマジックパケット(登録商標)をトリガーとし電源がオン状態になる(S1151)(Wake ON LANと呼ばれ、ネットワーク上に接続されスタンバイ状態である装置の電源を、他の装置からオン状態にする機能である。)あるいは、クライアントCLは、ネットワーク上の全装置(サーバーおよびまたはクライアント)のネットワークICに対して、マジックパケット(登録商標)およびMACアドレスを送信する。そして、サーバーSVのネットワークカードが自身のMACアドレスとクライアントCLから受信したMACアドレスとが等しいかを判断し、等しいと判断したサーバーSVのみが、マジックパケット(登録商標)をトリガとしてオン状態になってもよい。サーバーSVの電源がオン状態になった後、クライアントCLはサーバーSVと接続する(S1105、S1152)。
【0048】
クライアントCLはサーバーSVに対してコンテンツリストを要求し、取得する(S1106)。具体的には、クライアントCLはオン設定テーブルからリスト構築キーを読み出し、リスト構築キーを含むリスト要求コマンドをサーバーSVに送信する。サーバーSVは、リスト要求コマンドを受信し、リスト構築キーに基づいてコンテンツリストを作成し、クライアントCLに送信する(S1153)。クライアントCLはコンテンツリストを受信する。従って、クライアントCLは、オン条件登録処理でサーバーSVから取得したコンテンツリストを再取得することができる。クライアントCLは、コンテンツリストを再取得することにより、指定したコンテンツを再生後、コンテンツリストに含まれる再生したコンテンツの次のコンテンツを連続して再生することができる。
【0049】
クライアントCLはサーバーSVに対して表4に示すコンテンツ情報を要求し、取得する(S1107,S1154)。具体的には、クライアントCLは、オン設定テーブルからコンテンツIDを読み出し、サーバーSVにコンテンツIDを含むコンテンツ情報要求コマンドを送信する。サーバーSVは、受信したコンテンツIDに対応するコンテンツ情報を、クライアントCLに送信する。クライアントCLはコンテンツ情報を取得する。
【0050】
クライアントCLは、現在時刻がオン設定テーブルに登録された再生開始時刻であるか否かを判断し、再生開始時刻であると判断すると(S1108:Y)、サーバーSVからコンテンツを取得し、再生を開始する(S1109,S1155)。具体的には、クライアントCLは、サーバーSVにコンテンツ要求コマンドを送信する。サーバーSVは、これに応答して、指定されたコンテンツをHDD1から読み出し、クライアントCLに送信する。クライアントCLは、コンテンツを受信し、再生する。例えば、クライアントはコンテンツを一時的にメモリ33にコンテンツを保存した後、コンテンツを音声処理部34およびDAC35を介して外部に接続されたスピーカーから音声を再生する。
【0051】
以上のように、クライアントおよびサーバーが再生開始時刻になると、クライアントは、サーバーの電源をオン状態にし、指定されたコンテンツをサーバーから取得し再生することができる。しかも、利用者はクライアントCLに再生開始時刻を入力しと、再生するコンテンツをコンテンツリストから指定するだけでよい。
【0052】
次に、本発明の別の好ましい実施形態について説明する。本実施形態は、図10および図11に示した実施形態を、図12のように複数のサーバー(本例では、2つのサーバーSV1、SV2)および少なくとも1つのコントローラCRを備えるシステム100に適応させた例である。クライアントCLはサーバーSV1からコンテンツを取得してもよく、サーバーSV2からコンテンツを取得してもよい。コントローラCRは、少なくとも1つのサーバー(本例ではSV1)に接続されている。コントローラCRは、サーバーSV1に接続されているクライアント(例えば、CL1)のクライアント情報をサーバーSV1から取得し、表示装置に表示する(この動作を監視と呼ぶ)。あるいは、コントローラCRはサーバーSV1を介して、サーバーSV1に接続されているクライアントCL1にコンテンツの再生、停止、ボリューム調整等を指示する(この動作を制御と呼ぶ)。ここで、クライアントが電源オフする際にサーバーSV1に接続しており、再生開始時刻に再生するコンテンツを格納するサーバーがサーバーSV2である場合には、前の実施形態ではクライアントCLは電源オンした後、サーバーSV1ではなくサーバーSV2に接続することになる。コントローラCRは、再びサーバーSV1に接続したとしても、クライアントCL1はサーバーSV1に接続されていないので、クライアントCL1を監視または制御することができない。この問題を解決するために、本例では、クライアントCL1は電源オンした後、必ずオフする直前に接続していたサーバーSV1と接続する。再生開始時刻に再生するコンテンツは、サーバーSV2に格納されているので、サーバーSV1がサーバーSV2からコンテンツを取得し、クライアントCL1に転送する。以下、詳細に説明する。
【0053】
図13および図14は、本例の動作を示すフローチャートである。図13は、クライアントCLのオン条件登録処理を示すが、S1001〜S1005は図10と同じであるので説明を省略する。ここで、クライアントCLが電源オフする際に接続しているサーバーを第1のサーバー、再生開始時に再生するコンテンツを格納するサーバーを第2のサーバーと呼ぶ。なお、本例では、クライアントCLは、電源がオフ状態になる際にサーバーSV1に接続しており、再生開始時にサーバーSV2の格納するコンテンツを再生するものとする(つまり、第1のサーバーがサーバーSV1であり、第2のサーバーがサーバーSV2である)。クライアントCLがオフする際に(S1301:Y)、現在接続しているサーバーSV1のサーバー識別情報(MACアドレス)を表5に示す通り、オン設定テーブルに登録する(S1302)。
【表5】

【0054】
すなわち、表5において、クライアントCLは、現在接続している第1のサーバーSV1のMACアドレスと、再生開始時に再生するコンテンツを格納する第2のサーバーSV2のMACアドレスとを登録する(S1003,S1302)。ここで、S1001でサーバーSV1から取得したコンテンツリストの中にはサーバーSV1が格納するコンテンツおよびサーバーSV2が格納するコンテンツの両方のコンテンツ情報を含んでいる。従って、クライアントCLは、コンテンツリストの中からサーバーSV1が格納するコンテンツを指定してもよく、サーバーSV2が格納するコンテンツを指定してもよい。そのため、仮にクライアントCLがサーバーSV1に格納されたコンテンツを指定すれば、第1のサーバーおよび第2のサーバーは共にサーバーSV1になる。
【0055】
図14は、再生開始時刻にクライアントCLが電源オンして、コンテンツを再生する動作を示す。オン設定テーブルに登録した再生開始時刻の所定時間前になると、クライアントCLは電源をオン状態にし(S1101)、第1のサーバーSV1および第2のサーバーSV2がオン状態であるか否かを、マジックワードをブロードキャストすることによって判断する(S1401)。クライアントCLは、第1のサーバーSV1の電源がオン状態ではないと判断した場合(S1402:NO)、第1のサーバーSV1のMACアドレスをオン設定テーブルから読み出し、このMACアドレスに対してマジックパケット(登録商標)を送信することにより、第1のサーバーSV1の電源をオン状態にさせる(S1403,S4131)。
【0056】
クライアントCLは、第1のサーバーと第2のサーバーとが同じサーバーであるか否かを判断する(S1404)。具体的には、クライアントCLは、オン設定テーブルに登録された第1のサーバーのMACアドレスと第2のサーバーのMACアドレスとが同じであるかを判断する。第1のサーバーと第2のサーバーとが同じサーバーである場合には、S1407に進む。しかし、本例では、第1のサーバーはサーバーSV1であり、第2のサーバーはサーバーSV2であるので、S1405に進む(S1404:N)。クライアントCLは、第2のサーバーSV2がオフ状態であると判断した場合(S1405:N)、第2のサーバーSV2のMACアドレスをオン設定テーブルから読み出し、このMACアドレスに対してマジックパケット(登録商標)を送信することにより、第2のサーバーSV2の電源をオン状態にさせる(S1406,S1451)。
【0057】
第1のサーバーSV1と第2のサーバーSV2とがオン状態になると、クライアントCLは、第1のサーバーSV1と接続する(S1407,S1432)。クライアントCLは、第1のサーバーSV1にコンテンツリストおよびコンテンツ情報を要求し、取得する(S1408,S1409,S1433,S1434)。第1のサーバーSV1は、全てのサーバーが所有するコンテンツのコンテンツ情報を格納しており、クライアントCLにコンテンツリストおよびコンテンツ情報を返信することができる。オン設定テーブルに登録した再生開始時刻になると(S1410:Y)、クライアントCLは、第1のサーバーSVにコンテンツを要求し、第1のサーバーSV1はコンテンツの要求を受信する(S1411,S1435)。第1のサーバーSV1は、クライアントCLから要求されたコンテンツが、自身が格納するコンテンツか否かを判断する(S1436)。自身が格納するコンテンツであれば(S1436:Y)、サーバーSV1はHDD1からコンテンツを読み出し、クライアントCLに送信する(S1439,S1412)。しかし、本例では、要求されたコンテンツはサーバーSV2が格納しているので(S1436:N)、サーバーSV1はサーバーSV2と接続する(S1437,S1452)。サーバーSV1はサーバーSV2にコンテンツを要求し、サーバーSV2はコンテンツを送信し、サーバーSV1はコンテンツを受信する(S1438、S1453)。サーバーSV1は、サーバーSV2から取得したコンテンツをクライアントに転送し(S1439)、クライアントCLはコンテンツを取得し、再生する(S1412)。
【0058】
以上のように、本実施形態では、クライントCLは電源がオン状態になった後に、オフ状態になる直前に接続していた第1のサーバーSV1に必ず再接続する。従って、コントローラCRが第1のサーバーSV1に再接続した際にも、クライアントCLを第1のサーバーSV1を介して監視および/または制御することができる。
【0059】
次に、本発明のさらに別の好ましい実施形態について説明する。本実施形態におけるシステム構成は、図12の構成と同じである。本例では、再生開始時刻になると、コントローラCRが、サーバーSVおよびクライアントCLの電源をオン状態にさせた後、クライアントCLにコンテンツ再生を指示することにより、クライアントCLが指定されたコンテンツの再生を開始する。
【0060】
図15は、コントローラCRの構成を説明する概略図である。コントローラCRは、マイコン処理部等の制御手段151と、フラッシュメモリ152と、メモリ153と、LANコントローラ等の通信手段156と、利用者から入力を受け付ける入力装置157と、LCDなどの表示装置158と、時計装置155とを備える。マイコン処理部151は、コントローラCRの動作を制御するものであり、ネットワークプロトコル処理部159およびシステム動作部150を有する。ネットワークプロトコル処理部159は、入出力されるデータをプロトコル処理する。システム動作部150は、メモリ153に格納されたコントローラプログラムを読み出し、後述するコントローラの各種処理を実行する。LANコントローラ156は、コントローラCRとLAN50との間で信号を送受信する。時計装置155は現在時刻をカウントする。
【0061】
図16は、コントローラCRによるオン条件登録処理を示すフローチャートである。S1001〜S1005は、図6に示すクライアントCLによるオン条件登録処理と同じである。コントローラCRは、指定された再生開示時刻に再生を指示するクライアントCLを指定する(S1601)。コントローラCRは、自身が接続しているサーバーSVから、当該サーバーに接続されている全てのクライアントのクライアント情報を取得する。クライアント情報を表6に示す。クライアント情報(例えば、クライアント名)が表示装置158に表示され、利用者が所望のクライアントを選択することによって、クライアントが指定される。
【表6】

【0062】
クライアント情報中の「flag」はサーバーSV1との接続の有無を示す。「type」はサーバーSV1に接続された装置のタイプ(クライアント、コントローラまたはサーバー)を示す。「status」は、再生、停止、完了、一時停止、早送り、巻き戻し等の現在の状態を示す。「volume」は現在の音量を示す。「product ID」はクライアントタイプ毎に付与される機種情報である。「firmware ID」はクライアントにインストールされているファームウェアのバージョンを示す。「hostname」はクライアント機器に付与されたクライアント名である。「contentID」は再生中のコンテンツを識別するための識別番号を示す。「curkey」は、再生中のコンテンツリストを作成するためのリスト構築キーである。「MACadrress」は、クライアントのMACアドレスを示す。「clientID」は、クライアントに付与されたクライアントIDを示す。「IPadrress」はクライアントのIPアドレスを示す。
【0063】
コントローラCRは、指定されたクライアントのクライアント情報に含まれるクライアント識別情報(MACアドレス、クライアントIDおよびIPアドレス)を表7に示す通り、オン設定テーブルに登録する(S1602)。
【表7】

【0064】
次に、オン条件登録処理で登録した再生開始時刻に、コントローラCRがクライアントCLおよびサーバーSVをオン状態にさせた後、コントローラCRがクライアントCLに指定されたコンテンツの再生を指示する動作を、図17を用いて説明する。コントローラCRは、オン設定テーブルに登録された再生開始時刻の所定時間前になると、電源がオン状態になり(S1701)、ネットワーク上にマジックワードをブロードキャストすることにより、オン設定テーブルに登録されたサーバーSVおよびクライアントCLの電源がオン状態であるか否かを判断する(S1702)。コントローラCRは、サーバーSVがオン状態でないと判断すると(S1703:N)、サーバーSVのMACアドレスをオン設定テーブルから読み出し、このMACアドレスに対してマジックパケット(登録商標)を送信し、サーバーSVの電源をオン状態にさせる(S1704,S1731)。コントローラCRは、クライアントCLがオン状態でないと判断すると(S1705:N)、クライアントCLのMACアドレスをオン設定テーブルから読み出し、このMACアドレスに対してマジックパケット(登録商標)を送信し、クライアントCLの電源をオン状態にさせる(S1706,S1751)。
【0065】
コントローラCRは、サーバーSVと接続する(S1707,S1732)。クライアントCLは、サーバーSVと接続する(S1752,S1733)。コントローラCRは、サーバーSVにコンテンツリストおよびコンテンツ情報を要求し、取得する(S1708,S1709,S1734,S1735)。現在時刻がオン設定テーブルに登録された再生開始時刻であると判断すると(S1710:Y)、コントローラCRはサーバーSVを介してクライアントCLに指定されたコンテンツを再生指示する(S1711)。具体的には、コントローラCRは、サーバーSVに再生指示コマンド(オン設定テーブルに登録されたコンテンツIDおよびクライアントIDを含む)を送信し、サーバーSVは再生指示コマンドを受信する。サーバーSVは、受信した再生指示コマンドに含まれるクライアントIDを参照して、再生を指示するクライアントを特定し、当該クライアントCLに再生コマンド(コンテンツIDを含む)を転送する(S1736)。クライアントCLは、再生指示コマンドを受信し、サーバーSVに、指定されたコンテンツを要求および取得し、再生を開始する(S1753,S1737)。具体的には、クライアントCLは、再生指示コマンドから読み出したコンテンツIDを含むコンテンツ要求コマンドをサーバーSVに送信し、サーバーSVは受信したコンテンツIDに対応するコンテンツをクライアントCLに返信する。
【0066】
以上のように、本実施形態では、指定された再生開始時刻にコントローラがサーバーおよびクライアントの電源をオン状態にさせて、コントローラからの指示によりクライアントが指定されたコンテンツを再生することができる。なお、S1733,S1752において、ネットワーク上にサーバーが1つしか存在しない場合には、クライアントは、オン状態になったあとにマジックワードをブロードキャストすることによって探索したサーバーに自動的に接続すればよい。しかし、サーバーが複数存在する場合、クライアントはどのサーバーに接続すべきであるかを判断できない。これを解決するためには、コントローラがクライアントに接続指示すればよい。すなわち、コントローラは、IPアドレスがオン設定テーブルに登録されているクライアントと接続する。コントローラは、サーバーのサーバーID(またはIPアドレス)を含む接続指示コマンドをクライアントに送信し、クライアントはこれを受信する。クライアントは、受信した再生指示コマンドに含まれるサーバーID(またはIPアドレス)を参照して、サーバーと接続し、サーバーはこの接続を受け入れる。
【0067】
次に、図5〜図9に示した実施形態の変形例を、図18を参照して説明する。本例は、オフ時刻をサーバーSVではなくクライアントCLに登録し、オフ時刻になったクライアントの電源がオフ状態になり、全てのクライアントの電源がオフ状態になった後で、サーバーが自動的にオフ状態になるものである。クライアントCLは、利用者からのオフ時刻の入力があるか否かを判断する(S1801)。利用者からの入力があれば(S1801:Y)、クライアントCLはオフ設定テーブルを更新する(S1802)。オフ設定テーブルは、表1に示すテーブルにおいてオフ時刻のみが登録される。クライアントCLは、オフ時刻が登録されていれば(S1803:Y)、時計装置で表される現在時刻がオフ設定テーブルに登録されたオフ時刻であるか否かを判断する(S1804)。現在時刻がオフ時刻であれば、クライアントCLは、コンテンツの再生を終了し(S1805)、サーバーSVにオフ通知を送信し(S1806)、電源をオフ状態にする(S1807)。オフ通知は、クライアントの電源をオフ状態にすることをサーバーに知らせるための通知である。サーバーSVは、サーバーSVに接続されている全てのクライアントからオフ通知を受信したか否かを判断する(S1851)。全てのクライアントからオフ通知を受信した場合(S1851:Y)、サーバーSVは電源をオフ状態にする。以上のように、本例では、クライアントにオフ条件を登録し、全てのクライアントがオフした後でサーバーが電源を自動的にオフ状態にするようにしている。そのため、全てのクライアントがオフしているにも関わらず、サーバーの電源がオン状態であることを防止できる。なお、オフ時刻の代わりに、オフするまでの時間、所定のコンテンツを再生後にオフ状態になる、所定のコンテンツリストのコンテンツを再生した後にオフ状態になる等のオフ条件が設定されてもよい。
【0068】
次に、図5〜図9に示した実施形態の別の変形例を、図19を参照して説明する。本例は、例えば図12に示すようなコントローラを有するシステム構成において、オフ時刻をコントローラに登録し、オフ時刻になるとコントローラがサーバ経由でクライアントにオフ指示を送信するものである。コントローラCRは、利用者からオフ時刻の入力があれば(S1901:Y)、表8に示すオフ設定テーブルを更新する(S1902)。
【表8】

【0069】
表8のオフ設定テーブルは、オフ時刻とオフ状態にするクライアントの識別情報(クライアントID)を含む。利用者は表示装置に表示されたクライアント名の中からオフ状態にするクライアントを指定し、オフ時刻を入力し、この利用者の入力内容がオフ設定テーブルに登録される。オフ時刻が登録されており(S1903:Y)、現在時刻がオフ時刻であると判断されると(S1904:Y)、コントローラCRは、サーバーSVにクライアントオフ指示を送信する(S1905)。このクライアントオフ指示にはオフさせるクライアントのクライアントIDが含まれる。サーバーSVは、クライアントオフ指示を、受信したクライアントIDを有するクライアントCLに転送する(S1931)。クライアントCLは、クライアントオフ指示を受信すると(S1951)、コンテンツの再生を終了し(S1952)、サーバーSVにクライアントオフ通知を送信した後(S1953)、電源をオフする(S1954)。サーバーSVは、サーバーSVに接続されている全てのクライアントCLからクライアントオフ通知を受信すると(S1932:Y)、電源をオフする。以上のように、コントローラにオフ時刻を登録することにより、オフ時刻に指定したクライアントをオフ状態にできる。さらに、全てのクライアントがオフ状態になれば、サーバーSVが自動的に電源をオフ状態にすることができる。
【0070】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。電源をオフするとはスタンバイ状態だけに限られず、メイン電源自体をオフしても、装置がPCである場合にはシャットダウンであってもよい。また、上記のサーバー、クライアントおよびコントローラを動作させるためのコンピュータプログラムという形態で提供されても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、音楽および/または映像をサーバーからクライアントに配信するネットワーク型コンテンツ再生システムのタイマー(起床タイマー、就寝タイマー)機能に好適に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】ネットワーク型コンテンツ再生システムを示すブロック図である。
【図2】サーバーの構成を示すブロック図である。
【図3】クライアントの構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態の動作の概略を示すシーケンス図である。
【図5】S401,S402およびS451の詳細を示すフローチャートである。
【図6】オフ条件入力及び表示画面を示す図である。
【図7】オフ条件入力及び表示画面を示す図である。
【図8】S403およびS452の詳細を示すフローチャートである。
【図9】オフ条件入力及び表示画面を示す図である。
【図10】クライアントのオン条件登録処理を示すフローチャートである。
【図11】クライアントが再生開始時刻にサーバーをオンさせコンテンツを取得するフローチャートである。
【図12】複数のサーバーおよびコントローラを含むネットワーク型コンテンツ再生システムを示すブロック図である。
【図13】クライアントのオン条件登録処理を示すフローチャートである。
【図14】クライアントが再生開始時刻にサーバーをオンさせコンテンツを取得するフローチャートである。
【図15】コントローラの構成を示すブロック図である。
【図16】コントローラのオン条件登録処理を示すフローチャートである。
【図17】コントローラが再生開始時刻にサーバーおよびクライアントをオンさせクライアントにコンテンツ再生指示するフローチャートである。
【図18】クライアントにオフ条件を登録する実施例を示すフローチャートである。
【図19】コントローラにオフ条件を登録する実施例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
1 記録手段
2 制御手段
3 通信手段
10 ネットワーク型コンテンツ再生システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバーと、該サーバーに接続可能な少なくとも1つのクライアントとを備え、
該クライアントが、該サーバーの電源をオフ状態にする際のオフ条件を含むオフ条件登録要求を該サーバーに送信するオフ条件登録要求手段を備え、
該サーバーが、該オフ条件登録要求に応答して、該オフ条件を登録するオフ条件登録手段と、
該オフ条件を満たしたか否かを判断するオフ条件判断手段と、
該オフ条件判断手段が、該オフ条件を満たしたことを判断した場合に、該サーバーの電源をオフ状態にするオフ手段とを備える、ネットワーク型コンテンツ再生システム。
【請求項2】
前記オフ条件が、前記サーバーの電源がオフ状態になるオフ時刻、または該サーバーがオフ状態になるまでの時間であり、
前記オフ条件登録手段が、前記オフ条件登録要求に応答して、該サーバーのオフ時刻または該サーバーがオフ状態になるまでの時間を登録し、
前記オフ条件判断手段が、現在時刻が該オフ時刻になったこと、または該オフ状態になるまでの時間を経過したことを判断した場合に、前記オフ手段が該サーバーの電源をオフ状態にする、請求項1に記載のネットワーク型コンテンツ再生システム。
【請求項3】
前記サーバーが、前記オフ条件を満たした場合に、該サーバーの電源をオフ状態にすることを通知するオフ通知を、該サーバーに接続されている前記クライアントに送信するオフ通知手段をさらに備え、
前記クライントが、該オフ通知に応答して、該クライアントの電源をオフ状態にすることを通知するクライアントオフ通知を該サーバーに送信する手段と、
該クライアントオフ通知を送信したあと、該クライアントの電源をオフ状態にするクライアントオフ手段とを備え、
前記オフ手段が、該サーバーに接続されているクライアントから該クライアントオフ通知を受信したあと、該サーバーの電源をオフ状態にする、請求項1または2に記載のネットワーク型コンテンツ再生システム。
【請求項4】
前記サーバーが、前記オフ条件を含むオフ条件通知を該サーバーに接続されている前記クライアントに送信するオフ条件通知手段をさらに備え、
前記クライアントが、該オフ条件通知を受信する受信手段と、
該受信したオフ条件を表示する表示手段とをさらに備える、請求項1〜3のいずれかに記載のネットワーク型コンテンツ再生システム。
【請求項5】
クライアントが接続可能であり、
サーバーの電源をオフ状態にする際のオフ条件を含むオフ条件登録要求を該クライアントから受信する手段と、
該オフ条件登録要求に応答して、該オフ条件を登録する手段と、
該オフ条件を満たしたか否かを判断するオフ条件判断手段と、
該オフ条件判断手段が、該オフ条件を満たしたことを判断した場合に、該サーバーの電源をオフ状態にする手段とを備える、サーバー。
【請求項6】
サーバーに接続可能であり、
該サーバーの電源をオフ状態にする際のオフ条件を含むオフ条件登録要求を該サーバーに送信するオフ条件登録要求手段と、
該サーバーの電源をオフ状態にすることを通知するオフ通知を該サーバーから受信する受信手段と、
該オフ通知に応答して、該クライアントの電源をオフ状態にするクライアントオフ手段とを備える、クライアント。
【請求項7】
自身の電源をオフ状態にする際のオフ条件を含むオフ条件登録要求をクライアントから受信するステップと、
該オフ条件登録要求に応答して、該オフ条件を登録するステップと、
該オフ条件を満たしたか否かを判断するステップと、
該オフ条件を満たしたことを判断した場合に、該サーバーの電源をオフ状態にするステップとを含むサーバーの動作をコンピュータに実行させる、サーバー用プログラム。
【請求項8】
サーバーの電源をオフ状態にする際のオフ条件を含むオフ条件登録要求を該サーバーに送信するステップと、
該サーバーの電源をオフ状態にすることを通知するオフ通知を該サーバーから受信するステップと、
該オフ通知に応答して、該クライアントの電源をオフ状態にするステップとを含むクライアントの動作をコンピュータに実行させる、クライアント用プログラム。
【請求項9】
サーバーと、該サーバーに接続可能な少なくとも1つのクライアントとを備え、
該クライアントが、該クライアントの電源をオフ状態にする際のオフ条件を登録するオフ条件登録手段と、
該オフ条件を満たしたか否かを判断するオフ条件判断手段と、
該オフ条件判断手段が、該オフ条件を満たしたことを判断した場合に、該クライアントの電源をオフ状態にすることを通知するクライアントオフ通知を該サーバーに送信するクライアントオフ通知手段と、
該クライアントオフ通知を送信したあと、該クライアントの電源をオフ状態にするクライアントオフ手段とを備え、
該サーバーが、該クライアントオフ通知を受信する受信手段と、
該サーバーに接続されているクライアントから該クライアントオフ通知を受信した場合に、該サーバーの電源をオフ状態にするサーバーオフ手段とを備える、ネットワーク型コンテンツ再生システム。
【請求項10】
サーバーと、該サーバーに接続可能なクライアントと、該サーバーに接続可能なコントローラとを備え、
該コントローラが、前記クライアントの電源をオフ状態にする際のオフ条件を登録するオフ条件登録手段と、
該オフ条件を満たしたか否かを判断するオフ条件判断手段と、
該オフ条件判断手段が、該オフ条件を満たしたことを判断した場合に、該クライアントの電源をオフ状態にさせるクライアントオフ指示を、前記サーバーを介して該クライアントに送信する指示手段とを備え、
該クライアントが該クライアントオフ指示を受信した場合に、該クライアントの電源をオフ状態にすることを通知するクライアントオフ通知を該サーバーに送信するクライアントオフ通知手段と、
該クライアントオフ通知を送信したあと、該クライアントの電源をオフ状態にするクライアントオフ手段とを備え、
該サーバーが、該クライアントオフ通知を受信する受信手段と、
該サーバーに接続されているクライアントから該クライアントオフ通知手段を受信した場合に、該サーバーの電源をオフ状態にするサーバーオフ手段とを備える、ネットワーク型コンテンツ再生システム。
【請求項11】
サーバに接続可能であり、
クライアントの電源をオフ状態にする際のオフ条件を登録するオフ条件登録手段と、
該オフ条件を満たしたか否かを判断するオフ条件判断手段と、
該オフ条件判断手段が、該オフ条件を満たしたことを判断した場合に、該クライアントの電源をオフ状態にすることを通知するクライアントオフ通知を該サーバーに送信するクライアントオフ通知手段と、
該クライアントオフ通知を送信したあと、該クライアントの電源をオフ状態にするクライアントオフ手段とを備える、クライアント。
【請求項12】
サーバーに接続可能であり、
再生するコンテンツの識別情報を登録する手段と、
該コンテンツを格納するサーバーの識別情報を登録する手段と、
該コンテンツの再生開始時刻を登録する手段と、
該コンテンツを格納するサーバーの電源がオン状態であるか否かを判断する判断手段と、
該サーバーの電源がオフ状態であると該判断手段が判断した場合に、該サーバーの電源をオン状態にさせる手段と、
該再生開始時刻に、該サーバーから該コンテンツを受信する受信手段と、
該受信したコンテンツを再生する再生手段とを備える、クライアント。
【請求項13】
複数のサーバーに接続可能であり、
再生するコンテンツの識別情報を登録する手段と、
該コンテンツの再生開始時刻を登録する手段と、
該コンテンツを格納する第2のサーバーの識別情報を登録する手段と、
自身の電源をオフ状態にする際に、接続している第1のサーバーの識別情報を登録する手段と、
該第1のサーバーの電源がオン状態であるか否かを判断する第1の判断手段と、
該第1のサーバーの電源がオフ状態であると該第1の判断手段が判断した場合、該第1のサーバーの電源をオン状態にさせる手段と、
該第2のサーバーの電源がオン状態であるか否かを判断する第2の判断手段と、
該第2のサーバーの電源がオフ状態であると該第2の判断手段が判断した場合に、該第2のサーバーの電源をオン状態にさせる手段と、
該第1のサーバーと接続する手段と、
該再生開始時刻に、該第2のサーバーから該第1のサーバー経由で該コンテンツを受信する受信手段と、
該受信したコンテンツを再生する再生手段とを備える、クライアント。
【請求項14】
クライアントが接続されるサーバーに接続可能であり、
再生するコンテンツの識別情報を登録する手段と、
該コンテンツを格納するサーバーの識別情報を登録する手段と、
該コンテンツの再生開始時刻を登録する手段と、
該コンテンツを該再生開始時刻に再生させるクライアントの識別情報を登録する手段と、
該サーバーの電源がオン状態であるか否かを判断する第1の判断手段と、
該サーバーの電源がオフ状態であると該第1の判断手段が判断した場合に、該サーバーの電源をオン状態にさせる手段と、
該クライアントの電源がオン状態であるか否かを判断する第2の判断手段と、
該クライアントの電源がオフ状態であると該第2の判断手段が判断した場合に、該クライアントの電源をオン状態にさせる手段と、
該再生開始時刻に、該コンテンツの再生指示を、該サーバーを介して該クライアントに送信する再生指示手段とを備える、コントローラ。
【請求項15】
再生するコンテンツの識別情報を登録するステップと、
該コンテンツを格納するサーバーの識別情報を登録するステップと、
該コンテンツの再生開始時刻を登録するステップと、
該コンテンツを格納するサーバーの電源がオン状態であるか否かを判断するステップと、
該サーバーの電源がオフ状態であると判断した場合に、該サーバーの電源をオン状態にさせるステップと、
該再生開始時刻に、該サーバーから該コンテンツを受信するステップと、
該受信したコンテンツを再生するステップとを含むクライアントの動作をコンピュータに実行させる、クライアント用プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2006−155122(P2006−155122A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−343440(P2004−343440)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】