説明

ネビボロールの中間体

【課題】ネビボロールの合成中間体の提供。
【解決手段】(±)ギ酸[R*,S*,S*,S*]−α−α’−[イミノビスメチレン]ビス[6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−メタノール]、 ギ酸[2S,αR,2’R,α’R]−α−α’−[イミノビスメチレン]ビス[6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−メタノール]、又は ギ酸[2R,αS,2’S,α’S]−α−α’−[イミノビスメチレン]ビス[6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−メタノール]。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(IA):
【0002】
【化1】

【0003】
で表される[2S[2R[R[R]]]]α,α’−[イミノ−ビス(メチレン)]ビス[6−フルオロ−クロマン−2−メタノール](以後d−NBVとも言う)と、式(IB):
【0004】
【化2】

【0005】
で表されるその[2R[2S[S[S]]]]エナンチオマー(以後l−NBVとも言う)の調製法に関する。
【背景技術】
【0006】
ネビボロール(以後NBVとも言う)は、前記2種類のエナンチオマーの等量混合物であり、β−アドレナリン遮断特性によって特徴づけられ、本態性高血圧の治療に有用である。ネビボロールは塩基性であり、適切な酸で処理することにより薬学的に許容される酸付加塩の形態に変換することができる。ネビボロールの塩酸付加塩は市販されている。
【0007】
4個の不斉炭素原子により16種の立体異性体の混合物(非対称置換の場合)又は10種の立体異性体の混合物(対称置換の場合)が生じるため、α,α’−[イミノ−ビス(メチレン)]ビス[クロマン−2−メタノール]という分子構造体の合成は当業者にとって難しいことが当技術分野で知られている。α,α’−[イミノ−ビス(メチレン)]ビス[6−フルオロ−クロマン−2−メタノール]の構造が位相的対称性を有することは明らかなように、10種類の立体異性体が生成され得る。
【0008】
特許文献1は、6,6’ −ビスフルオロ誘導体を含む置換α,α’−[イミノ−ビス
(メチレン)]ビス[クロマン−2−メタノール]の調製のための方法を記述し、この方法はクロマン−2−カルボン酸を対応するアルデヒドに還元すること、続いてアルデヒドを(R,S)、(S,R)、(R,R)及び(S,S)立体異性体の混合形態の対応するオキシランに変換することを含む。オキシラン立体異性体は、カラムクロマトグラフィーにより、方法の重要な中間体であるラセミの(R,S)及び(S,R)オキシラン並びにラセミの(R,R)及び(S,S)オキシランに分離される。
【0009】
特許文献2は特許文献1における報告と同様の合成方法を開示し、特に(R,S,S,S)異性体(l−NBV)の調製を対象とする。
【0010】
当業者は、4個の立体中心が存在することに鑑み、l−NBV及びd−NBVの立体選択的調製方法を探求したきた。例えば、非特許文献1、2はエナンチオ選択的なd−NBVの全調製方法を、非特許文献3はキラルなクロマン中間体の構築方法を、非特許文献4及び特許文献3は、l−NBV及びd−NBVの合成に有用な(R)及び(S)6−フルオロクロマンカルボン酸中間体の合成及び分割を、それぞれ開示している。
【0011】
NBV調製のための他の全合成アプローチは、特許文献4、5、6に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許第145067号明細書
【特許文献2】欧州特許第334429号明細書
【特許文献3】中国特許第1629154号明細書
【特許文献4】国際公開第2004/041805号
【特許文献5】国際公開第2006/016376号
【特許文献6】国際公開第2006/025070号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Johannes C.W.ら、J.Am.Chem.Soc.、120、8340〜8347、1998
【非特許文献2】Chandrasekhar S.ら、Tetrahedron、56、6339〜6344、2000
【非特許文献3】アングァンユー(An-Guang Yu)ら、Synlett、9、1465〜1467、2005
【非特許文献4】ヤンユンシュー(Yang Yun-Xu)ら、Chinese Journal of Organic Chemistry、25(2)、201〜203、2005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明者らは今回、安価で市販されている出発材料から、或いは容易に入手可能な出発材料から開始する、l−NBVとd−NBVの効率的な代替的合成方法を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0015】
従って、本発明の第1の目的は、次式:
【0016】
【化3】

【0017】
で表されるd−NBV調製のための方法であって、
a)次式:
【0018】
【化4】

【0019】
で表される2,2−ジメチル−1,3ジオキソラン−4−カルバルデヒドをビニルグリニャール試薬と反応させて、式IIa:
【0020】
【化5】

【0021】
で表される化合物をジアステレオマーの混合形態(S,R+R,R)で得ることと;
b)式IIaで表される前記化合物を2−ブロモ−4−フルオロフェノールと反応させて、式IIIa:
【0022】
【化6】

【0023】
で表される化合物をジアステレオマーの混合形態(S,R+R,R)で得ることと;
c)前記式IIIaで表される化合物を、次式:
【0024】
【化7】

【0025】
(式中、各Yはシアミル基、イソプロピル−プレニル基、シクロヘキシル基、イソピノカンフェニル基及びテキシル基であるか:
或いは両Yは、それらが結合するホウ素原子と共にボラビシクロ[3.3.1]ノン−9−イル基又は次式:
【0026】
【化8】

【0027】
で表される残基を形成する)で表される有機ボラン化合物と反応させて、式IVa:
【0028】
【化9】

【0029】
(式中、Yは先と同様に定義される)で表される化合物をジアステレオマーの混合形態(S,R+R,R)で得ることと;
d)式IVaで表される前記化合物を環化して、式Va:
【0030】
【化10】

【0031】
で表される化合物をジアステレオマーの混合形態(S,R+R,R)で得、必要に応じて式Va(S,R+R,R)で表される化合物を、単一ジアステレオマーVa(S,R)と単一ジアステレオマーVa(R,R)に分離することと;
e)式Va(S,R+R,R)で表されるジアステレオマー混合物を加水分解或いはジアステレオマーVa(S,R)とジアステレオマーVa(R,R)を個々に加水分解して、式VIa(S,R+R,R):
【0032】
【化11】

【0033】
で表される対応するジアステレオマー混合物又はジアステレオマーVIa(S,R):
【0034】
【化12】

【0035】
及びジアステレオマーVIa(R,R):
【0036】
【化13】

【0037】
を個々に得ることと;
f)式VIa(S,R+R,R)で表されるジアステレオマー混合物に或いはジアステレオマーVIa(S,R)とジアステレオマーVIa(R,R)の個々に、良好な脱離基を導入することができる反応物質と反応させて、式VIIa(S,R+R,R):
【0038】
【化14】

【0039】
で表される対応するジアステレオマー混合物又はジアステレオマーVIIa(S,R):
【0040】
【化15】

【0041】
及びジアステレオマーVIIa(R,R):
【0042】
【化16】

【0043】
(式中、Lはトシル又はメシルを表す)を個々に得ることと;
g)式VIIa(S,R+R,R)で表されるジアステレオマー混合物に或いはジアステレオマーVIIa(S,R)とジアステレオマーVIIa(R,R)の個々に塩基を反応させて式VIIIa(S,R+R,R):
【0044】
【化17】

【0045】
で表される対応するジアステレオマー混合物又はジアステレオマーVIIa(S,R):
【0046】
【化18】

【0047】
及びジアステレオマーVIIIa(R,R):
【0048】
【化19】

【0049】
を個々に得、必要に応じて式VIIIa(S,R+R,R)で表されるジアステレオマー混合物を、単一ジアステレオマーVIIIa(S,R)と単一ジアステレオマーVIIIa(R,R)とに分離することと;
h)式VIIIa(S,R)で表される化合物又は式VIIIa(R,R)で表される化合物を個々に保護されたアミンH2N−P(式中、Pは窒素保護基を表す)と反応させて、式IXa(S,R):
【0050】
【化20】

【0051】
で表される化合物又は式IXa(R,R):
【0052】
【化21】

【0053】
で表される化合物を得ること;
i)式IXa(S,R)で表される化合物又は式IXa(R,R)で表される化合物を、式VIIIa(R,R)で表される化合物又は式VIIIa(S,R)で表される化合物とそれぞれ反応させて、式Xa(S,R,R,R)で表される化合物又は式Xa(R,R,R,S)で表される化合物を得る(化合物Xaの構造中に窒素原子を含む対称軸が存在するため、式Xa(S,R,R,R):
【0054】
【化22】

【0055】
で表される化合物は式Xa(R,R,R,S):
【0056】
【化23】

【0057】
で表される化合物と同じ立体異性体である)ことと;
j)式Xaで表される化合物を脱保護して、前記式IAで表されるd−NBVを得ることと;
k)必要に応じて、式IAで表される化合物を塩とすることと、を含む方法にある。
【0058】
本発明の第2の目的は、次式:
【0059】
【化24】

【0060】
で表されるl−NBV調製のための方法であって、
l)次式:
【0061】
【化25】

【0062】
で表される2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒドをビニルグリニャール試薬と反応させて、式IIb:
【0063】
【化26】

【0064】
で表される化合物をジアステレオマーの混合形態(R,S+S,S)で得ることと;
m)式IIbで表される前記化合物を2−ブロモ−4−フルオロフェノールと反応させて、式IIIb:
【0065】
【化27】

【0066】
で表される化合物をジアステレオマーの混合形態(R,S+S,S)で得ることと;
n)前記式IIIbで表される化合物を、次式:
【0067】
【化28】

【0068】
(式中、Yは先と同様に定義される)で表される有機ボラン化合物と反応させて、式IVb:
【0069】
【化29】

【0070】
(式中、Yは先と同様に定義される)で表される化合物をジアステレオマーの混合形態(R,S+S,S)で得ることと;
o)式IVbで表される前記化合物を環化して、式Vb:
【0071】
【化30】

【0072】
で表される化合物をジアステレオマーの混合形態(R,S+S,S)で得、必要に応じて式Vb(R,S+S,S)で表される化合物を、単一ジアステレオマーVb(R,S)と単一ジアステレオマーVb(S,S)に分離すること;
p)式Vb(R,S+S,S)で表されるジアステレオマー混合物を加水分解或いはジアステレオマーVb(R,S)とジアステレオマーVb(S,S)を個々に加水分解して、式VIb(R,S+S,S):
【0073】
【化31】

【0074】
で表される対応するジアステレオマー混合物又はジアステレオマーVIb(R,S):
【0075】
【化32】

【0076】
及びジアステレオマーVIb(S,S):
【0077】
【化33】

【0078】
を個々に得ることと;
q)式VIb(R,S+S,S)で表されるジアステレオマー混合物に或いはジアステレオマーVIb(R,S)とジアステレオマーVIb(S,S)の個々に、良好な脱離基を導入することができる反応物質と反応させて、式VIIb(R,S+S,S):
【0079】
【化34】

【0080】
で表される対応するジアステレオマー混合物又はジアステレオマーVIIb(R,S):
【0081】
【化35】

【0082】
及びジアステレオマーVIIb(S,S):
【0083】
【化36】

【0084】
(式中、Lは先と同様に定義される)を個々に得ることと;
r)式VIIb(R,S+S,S)で表されるジアステレオマー混合物に或いはジアステレオマーVIIb(R,S)とジアステレオマーVIIb(S,S)の個々に塩基を反応させて、式VIIIb(R,S+S,S):
【0085】
【化37】

【0086】
で表される対応するジアステレオマー混合物又はジアステレオマーVIIb(R,S):
【0087】
【化38】

【0088】
及びジアステレオマーVIIb(S,S):
【0089】
【化39】

【0090】
を個々に得、必要に応じて式VIIIb(R,S+S,S)で表されるジアステレオマー混合物を、単一ジアステレオマーVIIIb(R,S)と単一ジアステレオマーVIIIb(S,S)とに分離することと;
s)式VIIIb(R,S)で表される化合物又は式VIIIb(S,S)で表される化合物を個々に保護されたアミンH2N−P(式中、Pは窒素保護基を表す)と反応させて、式IXb(R,S):
【0091】
【化40】

【0092】
で表される化合物又は式IXb(S,S):
【0093】
【化41】

【0094】
で表される化合物を得ることと;
t)式IXb(R,S)で表される化合物又は式IXb(S,S)で表される化合物を、式VIIIb(S,S)で表される化合物又は式VIIIb(R,S)で表される化合物とそれぞれ反応させて、式Xb(R,S,S,S)で表される化合物又は式Xb(S,S,S,R)で表される化合物を得る(化合物Xbの構造中に窒素原子を含む対称軸が存在するため、式Xb(R,S,S,S):
【0095】
【化42】

【0096】
で表される化合物は式Xb(S,S,S,R):
【0097】
【化43】

【0098】
で表される化合物と同じ立体異性体である)ことと;
u)式Xbで表される化合物を脱保護して、前記式IBで表されるl−NBVを得ることと;
v)必要に応じて、式IBで表される化合物を塩とすること、とを含む方法にある。
【0099】
本発明の他の目的は、式IAで表されるd−NBVの調製方法であって、該a)〜d)の反応段階により式Vaで表される化合物をジアステレオマーの混合形態(S,R+R,R)で得ることを含み、また式Va(R,S+S,S)で表される該化合物を単一ジアステレオマーVa(R,S)と単一ジアステレオマーVa(S,S)とに分離することを含むことができる方法にある。
【0100】
本発明の他の目的は、式IBで表されるl−NBVの調製方法であって、l)〜o)の反応段階により式Vbで表される化合物をジアステレオマーの混合形態(S,R+R,R)で得ることを含み、また式Vb(R,S+S,S)で表される該化合物を単一ジアステレオマーVb(R,S)と単一ジアステレオマーVb(S,S)とに分離することを含むことができる方法にある。
【0101】
また、ジアステレオマーの混合形態又は単一ジアステレオマー形態の式VaとVbで表される化合物は、本発明に係るd−NBV又はl−NBV合成の重要な中間体であり、式IIa又はIIbで表される化合物と2−ブロモ−4−フルオロフェノール又はその誘導体との間の分子間ヘック(Heck)反応と、続くクロマン核の還元を経て得ることができる。
【0102】
従って、本発明の他の目的は、次式:
【0103】
【化44】

【0104】
で表されるd−NBV調製のための方法であって:
a)次式:
【0105】
【化45】

【0106】
で表される2,2−ジメチル−1,3ジオキソラン−4−カルバルデヒドをビニルグリニャール試薬と反応させて、式IIa:
【0107】
【化46】

【0108】
で表される化合物をジアステレオマーの混合形態(S,R+R,R)で得ることと;
w)式IIaで表される前記化合物を2−ブロモ−4−フルオロフェノール又は2−ブロモ−4−フルオロフェニル酢酸と、パラジウム触媒によるC−Cカップリング反応によって反応させて、式XIa:
【0109】
【化47】

【0110】
で表される化合物をジアステレオマーの混合形態(S,R+R,R)で得ることと;
x)式XIaで表される前記化合物を還元して、式Vaで表される化合物をジアステレオマーの混合形態(S,R+R,R)で得、必要に応じて式Va(R,S+S,S)で表される化合物を、単一ジアステレオマーVa(R,S)と単一ジアステレオマーVa(S,S)とに分離すること、とを含む方法にある。
【0111】
本発明の他の目的は、次式:
【0112】
【化48】

【0113】
で表されるl−NBV調製のための方法であって:
l)次式:
【0114】
【化49】

【0115】
で表される2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒドをビニルグリニャール試薬と反応させて、式IIb:
【0116】
【化50】

【0117】
で表される化合物をジアステレオマーの混合形態(R,S+S,S)で得ることと;
y)式IIbで表される前記化合物を2−ブロモ−4−フルオロフェノール又は2−ブロモ−4−フルオロフェニル酢酸と、パラジウム触媒によるC−Cカップリング反応によって反応させて、式XIb:
【0118】
【化51】

【0119】
で表される化合物をジアステレオマーの混合形態(S,R+R,R)で得ることと;
z)式XIbで表される前記化合物を還元して、式Vbで表される化合物をジアステレオマーの混合形態(S,R+R,R)で得、必要に応じて式Vb(R,S+S,S)で表される化合物を、単一ジアステレオマーVb(R,S)と単一ジアステレオマーVb(S,S)とに分離すること、とを含む方法にある。
【0120】
中間体XIaとXIbそれ自体を、中間体VaとVbの代わりにそれぞれ反応段階e〜k又はl〜vに付すことができ、その結果本発明に係る最終生成物を得ることができることは、当業者には明らかである。好ましくは、クロメンからクロマン核への還元は最終段階j/uにおいて水素化反応によって行うことができ、この水素化反応は、得られた化合物の[2S,αR,2’R,α’R]−α−α’−[[(フェニルメチル)イミノ]ビスメチレン]ビス[6−フルオロ−2H−1−ベンゾピラン−2−メタノール]又は[2R,αS,2’S,α’S]−α−α’−[[(フェニルメチル)イミノ]ビスメチレン]ビス[6−フルオロ−2H−1−ベンゾピラン−2−メタノール]を同時に脱保護/還元するので、l−NBV又はd−NBVを得ることができる。
【0121】
本明細書において、記号R及びSは不斉炭素原子の絶対配置を示す。黒三角は上配置の結合を示し、白三角は下配置の結合を示す。波線はその結合が上配置でも下配置でもよいことを示し、アスタリスクはそれが付く炭素原子が不斉炭素原子であることを意味する。
【0122】
「ラセミ混合物」とは、エナンチオマーである立体異性体の混合形態の化合物を意味する。「ジアステレオマー混合物」とは、エナンチオマーでない立体異性体の混合形態の化合物を意味する。
【0123】
本明細書において略語「Ph」はフェニル基を表す。本明細書において略語「Bn」はベンジル基を表す。本明細書において略語「Ts」はトシル基を表す。
【発明を実施するための形態】
【0124】
段階a/l:
式Ia又はIbで表される化合物から式IIa又はIIbで表される化合物を得るための反応は、臭化ビニルマグネシウム又は塩化ビニルマグネシウム等のビニルグリニャール試薬を有機溶媒の存在下−20℃〜25℃で加えることによって行われる。
【0125】
好ましい有機溶媒は、エーテル又はトルエン等の非プロトン性溶媒である。
【0126】
好ましくは、ビニルグリニャール試薬を式Ia又はIbで表される化合物の溶液に約0℃で5分間〜6時間滴下する。
【0127】
或いは、式Ia又はIbで表される化合物の溶液を、臭化ビニルマグネシウム又は塩化ビニルマグネシウムの溶液に約0℃で5分間〜6時間滴下する。
【0128】
その後反応系を通常の後処理の前に−20℃〜25℃で1〜24時間攪拌し続けることもできる。
【0129】
段階b/m:
式IIIa又はIIIbで表される化合物を得るための、式IIa又はIIbで表される化合物と2−ブロモ−4−フルオロ−フェノールとの反応は、光延条件下でトリフェニルホスフィン(TPP)やトリ−n−ブチルホスフィン(TBP)等のホスフィンと、ジイソプロピルアザジカルボン酸塩(DIAD)やジエチルアザジカルボン酸塩(DEAD)、1,1’−(アゾジカルボニル)−ジピペリジン(ADDP)等のアザ化合物の存在下で行われる。
【0130】
通常、この反応はTHF等のエーテル溶媒中又はトルエン等の非プロトン性溶媒中で−20℃〜50℃で行われる。
【0131】
本発明の好適な実施形態においては、式IIa又はIIbで表される化合物、2−ブロモ−4−フルオロ−フェノール及びTPPを含むTHF溶液に、約0℃でDIADを滴下する。添加終了時、反応系を直ちに後処理するか、或いは好ましくは0℃〜80℃で1〜24時間攪拌し、式IIIa又はIIIbで表される化合物を得る。
【0132】
段階c/n:
式IVa又はIVbで表される化合物を得るための、式IIIa又はIIIbで表される化合物の反応は、次式:
【0133】
【化52】

【0134】
(式中、Yは先と同様に定義される)で表される有機ボラン化合物と反応させることによって行われる。
【0135】
9−BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)、ジシアミルボラン、ジ(イソプロピル−プレニル)ボラン、ジシクロヘキシルボラン、ジイソピノカンフェニルボラン及びテキシルボラン等の試薬、ジアルコキシボラン類又は4,4,6−トリメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、1,3,2−ベンゾジオキサボロール(カテコールボラン)、ピナコールボラン及び1,3,2−ジチアボロラン等のヘテロサイクリックボラン類がハイドロボレーション剤として使用される。
【0136】
好ましくは、ハイドロボレーション剤は9−BBNである。
【0137】
通常、反応はTHF等のエーテル系溶媒中又はトルエン等の非プロトン性溶媒中で、−20℃〜100℃で行われる。
【0138】
本発明によるは、ハイドロボレーション反応は化学量論量のアルコキシボラン類(例えばカテコールボラン)と、触媒量のボラン類(例えばジシクロヘキシルボラン)とをハイドロボレーション剤として使用して−20℃〜50℃で行うこともできる。
【0139】
或いは、ハイドロボレーションはロジウム触媒条件下で、例えば式IIIa又はIIIbで表される化合物を化学量論量のカテコールボラン又はピナコールボランとウィルキンソン触媒[Rh(COD)Cl]2の存在下で反応させることにより行われる。
【0140】
段階d/o:
式Va又はVbで表される化合物を得るための、式IVa又はIVbで表される化合物の環化はB−アルキル鈴木条件下で行われる。
【0141】
通常この反応は、塩基性条件下、パラジウム触媒の存在下で行われる。
【0142】
本発明の好適な実施形態においては、前述の通りその場で調製される式IVa又はIVbで表される化合物の溶液を、0.01〜10mol%の無配位子パラジウム又はパラジウム錯体の存在下(酸化銀等の添加物又は塩化テトラブチルアンモニウムや臭化テトラブチルアンモニウム等の相間移動触媒の存在下であってもよい)、1〜3当量の塩基と反応させる。この反応は有機溶媒又は水の存在下、18℃〜200℃で行われる。
【0143】
塩基性条件は、好ましくは炭酸カリウムや炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化タリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム及びリン酸カリウム等の無機塩基やトリエチルアミン等のアミン類等の塩基を適量使用することにより得られる。
【0144】
炭素担持の酢酸パラジウムや塩化パラジウム、パラジウム(0)等の無配位子パラジウムは、塩化テトラブチルアンモニウムや臭化テトラブチルアンモニウム等の相間移動化合物0.01〜1mol%の存在下で使用することができる。
【0145】
このパラジウム錯体は、通常酢酸パラジウムや塩化パラジウム等のパラジウム源と、トリフェニルホスフィン、1,1−ビス−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−フェロセン、o−トリトリルホスフィン、m−トリトリルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジフェニルホスフィノフェロセン、2,4,6,−トリオキシ−1,3,5,7−テトラメチル−8−ホスファアダマンタン、ジベンジリデンアセトン(dba)、トリ−t−ブチルホスフィンやトリ−n−ブチルホスフィン等の配位子からその場で得ることができる。
【0146】
パラジウムテトラキス、PdCl2(PPh32、PdCl2(dppf)、ジ−t−bpfPdCl2、Pd2dba3、Pd(t−Bu3P)2等のPd(0)及びPd(II)パラジウム錯体は、プリフォームタイプの触媒として直接使用することができる。
【0147】
混合物であっても良いプロトン性溶媒と非プロトン性溶媒は、C−Cカップリング反応に使用される。
【0148】
好ましくは、DMF、DMA、DMSO、メタノール、エタノール、i−プロパノール、水、トルエン、アセトニトリル、THF等が使用される。
【0149】
生成物の単離と、必要な場合の単一ジアステレオマー分離は公知の方法に従って達成される。好ましくは、該ジアステレオマー分離は,クロマトグラフィーによって行われる。
【0150】
段階e/p:
式VIa又はVIbで表される化合物を得るための、式Va又はVbで表される化合物の脱保護は、酸性条件下で行われる。
【0151】
適切な酸は、有機酸又は無機酸である。本発明の目的のために酸性レジンを使用することもできる。
【0152】
通常脱保護は有機溶媒の存在下で行われ。好ましくはプロトン性又は非プロトン性溶媒が使用される。
【0153】
本発明の好適な実施形態においては、式Va又はVbで表される化合物の酢酸と脱塩水への溶解と、得られた混合物の25℃から還流温度で1〜24時間の撹拌とが提供される。
【0154】
生成物の単離と、必要な場合の単一ジアステレオマーの分離は公知の方法に従って達成される。好ましくは、該ジアステレオマー分離は、クロマトグラフィー又は結晶化によって行われる。
【0155】
段階f/q:
式VIIa又はVIIbで表される化合物を得るための、VIa又はVIbで表される化合物の良好な脱離基を導入できる反応物質との反応は、公知の技法に従って行われる。
【0156】
良好な脱離基を導入できる適切な反応物質は、塩化メシル又は塩化トシルである。
【0157】
通常その反応は、混合物であっても良いプロトン性又は非プロトン性溶媒中、塩化トシル等のトシル化剤と無機又は有機塩基の存在下で行われる。
【0158】
適切な塩基は、炭酸カリウムや炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基又はピリジンやトリエチルアミン、DIPEA、DMAP等の有機塩基である。
【0159】
適切な溶媒は、アルコール類や水等のプロトン性溶媒又はジクロロメタンやクロロホルム、DCE、トルエン、ピリジン、DMF、DMA、DMSO、アセトニトリル等の非プロトン性有機溶媒である。溶媒の混合物もまた適切な反応媒体として使用することができる(例えば、相間移動条件下の水とトルエン)。
【0160】
式VIa又はVIbで表される化合物を、本発明の精神から逸脱することなく、良好な脱離基を導入することが可能な他の反応に付すことができることを、当業者であれば理解するであろう。
【0161】
段階g/r:
式VIIIa又はVIIIbで表される化合物を得るための、式VIIa又はVIIbで表される化合物の反応は、公知の技法に従って塩基と反応させることにより行われる。
【0162】
本発明の実用的な一実施形態においては、式VIIa又はVIIbで表される化合物を炭酸カリウムや炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン、DIPEA等の無機塩基又は有機塩基と、プロトン性又は非プロトン性溶媒の存在下で約1〜24時間、0℃〜130℃で反応させる。
【0163】
本発明の好適な実施形態においては、式VIIa又はVIIbで表される化合物を、25℃で1〜20時間ジクロロメタンとメタノールとの混液中で炭酸カリウムと反応させることが提供される。
【0164】
また、トシル化反応とエポキシド環生成はワンポットで行うこともできる。
【0165】
例えば、式VIa又はVIbで表される化合物を、ジクロロメタンやトルエン等の溶媒と、TBACやTBAB、TEBA等の相間移動剤の存在下、18〜120℃で塩化トシル、水酸化ナトリウム水溶液等の塩基と反応させて直接式VIIIa又はVIIIbで表される化合物とすることができる。
【0166】
生成物の単離と、必要な場合の単一ジアステレオマーの分離は公知の方法に従って達成される。好ましくは、該ジアステレオマー分離は、クロマトグラフィーによって行われる。
【0167】
段階h/s:
式IXa(S,R)又はIXa(R,R)で表される化合物を得るための式VIIIa(S,R)又はVIIIa(R,R)で表される化合物の反応及び式IXb(R,S)又はIXb(S,S)で表される化合物を得るための式VIIIb(R,S)又はVIIIb(S,S)で表される化合物の反応は、公知の技法に従って保護されたアミンH2N−P(式中、Pは窒素保護基を表す)と反応させることにより行われる。
【0168】
適切な窒素保護基は、水素化により容易に開裂するベンジル、p−メトキシベンジル、トリチル、cbz基である。好ましい保護されたアミンH2N−Pはベンジルアミンである。
【0169】
通常、この反応は有機溶媒の存在下で行われる。好ましい溶媒はプロトン性又は非プロトン性溶媒である。
【0170】
本発明の好適な実施形態においては、式VIIIa(S,R)、VIIIa(R,R)、VIIIb(R,S)又はVIIIb(S,S)で表される化合物を、18℃から還流温度でメタノールやエタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒中でベンジルアミンと反応させて、得られた生成物IXa(S,R)、IXa(R,R)、IXb(R,S)又はIXb(S,S)を結晶化により分離することが提供される。
【0171】
段階i/t:
式Xa(S,R,R,R)又はXa(R,R,R,S)で表される化合物を得るための、式IXa(S,R)又はIXa(R,R)で表される化合物とVIIIa(R,R)又はVIIIa(S,R)で表される化合物との反応、及び式Xb(R,S,S,S)又はXb(S,S,S,R)で表される化合物を得るための、式IXb(R,S)又はIXb(S,S)で表される化合物とVIIIb(S,S)又はVIIIb(R,S)で表される化合物との反応は、有機溶媒の存在下で行われる。
【0172】
好ましい有機溶媒はアルコール類であり、望ましくはエタノールが使用される。
【0173】
反応温度は通常18℃から還流温度である。
【0174】
本発明の好適な実施形態においては、式Xa(S,R,R,R)、Xa(R,R,R,S)、Xb(R,S,S,S)及びXb(S,S,S,R)で表される化合物は、エタノール中の各出発材料を還流温度で1〜24時間撹拌することによって得られる。生成物は結晶化によって分離される。
【0175】
段階j/u:
式IAで表されるd−NBVを得るための式Xaで表される化合物の脱保護、及び式IBで表されるl−NBVを得るための式Xbで表される化合物の脱保護は、公知の技法に従って実行される。
【0176】
本発明の好適な実施形態においては、式Xa又はXbで表されるN−ベンジル誘導体は、水素化条件下で脱保護される。例えば、脱保護はアルコール類等の有機溶媒の存在下Pd/Cを触媒として使用することにより行われる。この反応は中性、酸性又は塩基性条件下で行うことができる。水素はまた、接触水素移動還元条件下でギ酸やギ酸アンモニウム、リン酸、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン等の水素源を使用することによって、その場で発生させることもできる。
【0177】
段階k/v:
式IA又はIBで表される化合物は、必要に応じて公知の方法に従って無機塩又は有機酸として塩とされる。本発明の好適な実施形態においては、式IA又はIBで表される化合物はアルコール系溶媒の存在下で塩酸塩とされる。
【0178】
段階w/v:
式XIa又はXIbで表される化合物を得るための、式IIa又はIIbで表される化合物の2−ブロモ−4−フルオロフェノール又は2−ブロモ−4−フルオロフェニル酢酸との反応はワンポット又は段階的手続きにより行われる。
【0179】
本発明の一実施形態においては、この手続きは式IIa又はIIbで表される化合物の、2−ブロモ−4−フルオロフェニル酢酸とのワンポットにおけるヘック反応と環化により式XIa又はXIbで表される化合物を得ることを含む。
【0180】
通常、この反応は前記段階d/oにおける記載に従って、塩基性条件でパラジウム触媒の存在下、ヘックC−Cカップリングにより行われる。
【0181】
本発明の他の実施形態においては、式XIa又はXIbで表される化合物は、次のスキームに従って2−ブロモ−4−フルオロフェノール又は2−ブロモ−4−フルオロフェニル酢酸と式IIa又はIIbで表される化合物と反応させて、式XIIa又はXIIbで表される化合物を得て、これを環化条件に付すことによる段階的手続きを経て得られる。
【0182】
【化53】

【0183】
第1の段階は、上述したようにワンポットヘック反応条件下で行われる。好適な実施形態においては、2−ブロモ−4−フルオロフェノールと式IIa又はIIbで表される化合物との間のC−Cカップリング反応は、有機溶媒と水との混和物中のパラジウム触媒と塩基の存在下、50〜90℃で行われ、式XIIa又はXIIbで表される化合物、更には式XIIIa又はXIIIbで表される化合物を得る。
【0184】
式XIIIa又はXIIIbで表される化合物から式XIIa又はXIIbで表される化合物の分離と必要な場合の単一ジアステレオマーの分離は公知の方法に従って達成される。好ましくは、これら分離操作は両者共にクロマトグラフィーによって行われる。
【0185】
環化段階はルイス酸媒介条件下で行われる。本発明の好適な実施形態において、式XIIa又はXIIbで表される化合物を25〜150℃でトルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、メチル−テトラヒドロフラン等の有機溶媒中で塩化亜鉛と反応させて、式XIa又はXIbで表される化合物を得る。
【0186】
この反応は、塩化リチウム等の添加物の存在下で行うこともできる。
【0187】
生成物の単離と、必要な場合の単一ジアステレオマーの分離は公知の方法に従って達成される。該ジアステレオマー分離は、好ましくはクロマトグラフィーによって行われる。
【0188】
段階x/z:
式Va又はVbで表される化合物を得るための、式XIa又はXIbで表される化合物の還元は、公知の技法に従って行われる。
【0189】
通常、式XIa又はXIbで表される不飽和化合物は水素化条件下で還元されて、式Va又はVbで表される対応する飽和化合物を得る。
【0190】
例えば、水素化反応は、前記段階j/uの記載に従って行われる。
【0191】
生成物の単離と、必要な場合の単一ジアステレオマーの分離は公知の方法に従って達成される。該ジアステレオマー分離はクロマトグラフィーによって行われることが好ましい。
【0192】
本発明の他の態様において、d−NBVとl−NBVの調製における有用な中間体として次の化合物:
(S)−4−(1−((R,S)−2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)−アリル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン;
(R)−4−(1−((R,S)−2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)−アリル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン;
(R)−2−(ベンジルアミノ)−1−((S)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル)エタノール;
(S)−4−(1−((R,S)−2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)−3−(ボラビシクロ[3.3.1]ノン−9−イル)−プロピル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン;
(R)−4−(1−((R,S)−2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)−3−(ボラビシクロ[3.3.1]ノン−9−イル)−プロピル)−2,2− ジメチル−1,3−ジオキソラン;
(S,R)−4−フルオロ−2−((E/Z)−3−ヒドロキシ−3−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)プロパ−1−エニル)フェノール;
(S,R)−4−フルオロ−2−((E/Z)−3−ヒドロキシ−3−((S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)プロパ−1−エニル)フェノール;
(S,R)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2H−クロメン−2−オール;及び
(S,R)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2H−クロメン−2−オールを提供する。
【0193】
本発明は他の様相において、高純度最終生成物の調製において有用な新規なNBV塩として次の化合物:
(±)ギ酸[R*,S*,S*,S*]−α−α’−[イミノビスメチレン]ビス[6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−メタノール];
ギ酸[2S,αR,2’R,α’R]−α−α’−[イミノビスメチレン]ビス[6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−メタノール];及び
ギ酸[2R,αS,2’S,α’S]−α−α’−[イミノビスメチレン]ビス[6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−メタノール]
を提供する。
【0194】
本発明の目的である方法の実用的な実施形態は、式Ia又はIbで表される化合物を−20℃〜25℃で有機溶媒の存在下でビニルグリニャール試薬と反応させることを含み;その様にして得られる式IIa又はIIbで表される化合物をホスフィン、アザ化合物及び有機溶媒の存在下で光延条件下で2−ブロモ−4−フルオロ−フェノールと反応させて、式IIIa又はIIIbで表される化合物を得て、該化合物を更に−20℃〜100℃でエーテル又は非プロトン性溶媒の存在下、有機ボラン化合物と反応させ;その様にして得られる式IVa又はIVbで表される化合物を、パラジウム触媒と混合物であっても良いプロトン性又は非プロトン性溶媒の存在下、塩基性条件下で環化して、式Va又はVbで表される化合物をジアステレオマーの混合形態(S,R+R,R)で得て;次に該混合物を単一ジアステレオマーVa(S,R)とVa(R,R)又はVb(S,R)とVb(R,R)に公知の方法に従ってクロマトグラフィーにより分離し;式Va(S,R)とVa(R,R)又はVb(S,R)とVb(R,R)で表される化合物を、式VIa(S,R)とVIa(R,R)又はVIb(S,R)とVIb(R,R)で表される対応するジオールに酸性条件下で加水分解し、該ジオールを塩基の存在下でトシル化反応に付し、式VIIa(S,R)とVIIa(R,R)又はVIIb(S,R)とVIIb(R,R)で表されるエポキシド誘導体に変換して;続いて該化合物を公知の方法に従ってd−NBV、l−NBV又はそれらの塩に変換することを含む。
【0195】
本発明の目的である方法の実用的で好ましい実施形態は、式Ia又はIbで表される化合物を−20℃〜25℃でエーテル、好ましくはTHF又は非プロトン性溶媒の存在下、臭化ビニルマグネシウムと反応させることを含み;その様にして得られる式IIa又はIIbで表される化合物をTPPやDIADのTHF溶液の存在下の光延条件下で2−ブロモ−4−フルオロ−フェノールと反応させて、式IIIa又はIIIbで表される化合物を得て、該化合物を更に−20℃〜100℃でTHF又はトルエン中で9−BBNと反応させ;その様にして得られる式IVa又はIVbで表される化合物を、塩基性条件下(好ましくは炭酸カリウム)パラジウム触媒と、混合物であっても良いプロトン性又は非プロトン性溶媒(好ましくはDMF)の存在下で環化して、式Va又はVbで表される化合物をジアステレオマーの混合形態(S,R+R,R)で得て;次に該混合物を単一ジアステレオマーVa(S,R)とVa(R,R)又はVb(S,R)とVb(R,R)に公知の方法に従ってクロマトグラフィーにより分離し;式Va(S,R)とVa(R,R)又はVb(S,R)とVb(R,R)で表される化合物を、式VIa(S,R)とVIa(R,R)又はVIb(S,R)とVIb(R,R)で表される対応するジオールに酸性条件下で加水分解し、該ジオールを塩基の存在下でトシル化反応に付し、式VIIa(S,R)とVIIa(R,R)又はVIIb(S,R)とVIIb(R,R)で表されるエポキシド誘導体に変換して;続いて該化合物を公知の方法に従ってd−NBV、l−NBV又はそれらの塩に変換することを含む。
【0196】
本発明の目的である方法の他の実用的な実施形態は、式Ia又はIbで表される化合物を−20℃〜25℃で有機溶媒の存在下でビニルグリニャール試薬と反応させることを含み;その様にして得られる式IIa又はIIbで表される化合物をパラジウム触媒条件下、ワンポット又は段階的手段により2−ブロモ−4−フルオロ−フェノール又は2−ブロモ−4−フルオロフェニル酢酸と反応させて;式XIa又はXIbで表される化合物を得て、該化合物を更に接触水素移動還元条件下で還元して、式Va又はVbで表される化合物をジアステレオマーの混合形態(S,R+R,R)で得て;次に該混合物を単一ジアステレオマーVa(S,R)とVa(R,R)又はVb(S,R)とVb(R,R)に公知の方法に従ってクロマトグラフィーにより分離して;式Va(S,R)とVa(R,R)又はVb(S,R)とVb(R,R)で表される化合物を、式VIa(S,R)とVIa(R,R)又はVIb(S,R)とVIb(R,R)で表される対応するジオールに酸性条件下で加水分解し、該ジオールを塩基の存在下でトシル化反応に付し、式VIIa(S,R)とVIIa(R,R)又はVIIb(S,R)とVIIb(R,R)で表されるエポキシド誘導体に変換して;続いて該化合物を公知の方法に従ってd−NBV、l−NBV又はそれらの塩に変換することを含む。
【0197】
本発明をその好ましい実施形態と共に説明したが、当業者であれば、本発明の精神を逸脱せずに他の実施形態も実施可能であることに気付くことを理解すべきである。
【実施例】
【0198】
以下、実施例によって本発明を更によく説明する。
【0199】
実施例1
(R)−4−( 1−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)アリル)−2,2−ジメチル−1 ,3−ジオキソランの合成
(R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒド(11.0g、0.063mol、含有量75%、94%ee)THF溶液(40g)に、攪拌下0℃窒素雰囲気下で臭化ビニルマグネシウム溶液(1.0M THF溶液、88.7mL、0.0887mol)を90分間加えた。0℃で2時間攪拌した後、温度を10℃に上げ、飽和塩化アンモニウム溶液(60mL)を30分間かけて滴下した。反応液を20℃に急冷した後、酢酸エチル(100mL)と脱塩水(demi water;50mL)で希釈し、分層した。有機相を更に脱塩水(50mL)で洗浄した。その後有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、1−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)プロパ−2−エン−1−オール(11.7g)を淡黄色の油状物として得た。スペクトルデータは文献と一致した。
【0200】
2−ブロモ−4−フルオロ−フェノール(12.07g、0.063mol)とトリフェニルホスフィン(16.18g、0.063mol)を含むTHF(85mL)溶液に攪拌しつつ窒素下18℃で、1−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4-イル)−プロパ−2−エン−1−オール(10.0g、0.054mol)の粗生成物を加えた。その後反応液を0℃に冷却し、ジイソピル−アザ−ジカルボン酸(12.78g、0.063mol)を30分間かけて滴下した。添加終了時に温度を徐々に18℃に上げ、混合物を更に1時間攪拌状態とした。粗反応系を減圧濃縮した後、MTBE(31g)を加えた。15分間攪拌した後スラリーを濾過し、フィルターパネルをMTBE(2×10g)で洗浄した。次に母液を真空濃縮し、ヘプタン(23g)を加えた。30分間攪拌した後、スラリーを濾過し、固形物をヘプタン(11g)で洗浄した。その後母液を真空濃縮し、溶離液としてヘプタン:酢酸エチル:トリエチルアミン(9.5:0.5:0.01)混液を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。(R)−4−(1−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)アリル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン(14.28g)をジアステレオマー混合物として単離した(収率80%)。
【0201】
NMR: δH(400 MHz; CDCl3) 6.96-6.85 (6H, m), 5.97-5.82 (2H, m), 5.38-5.31 (4H, m), 4.70- 4.65 (1H, m), 4.60-4.55 (1H, m), 4.43 (1H, dd, J 12, 6), 4.29 (1H, dd, J12, 6), 4.19-4.07 (3H, m), 3.99-3.95 (1H, m), 1.47 (3H, s), 1.45 (3H, s), 1.40 (6H, s); m/z (EI) 330.0289 (M+. C14H16BrFO3の値は 330.0262).
【0202】
実施例2
6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2H−クロメンの合成
(R)−4−(1−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)−アリル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン(1.00g、3.02mmol)THF(3mL)溶液を9−BBN溶液(0.5M THF溶液、12.08mL、6.04mmol)に攪拌しつつ窒素下0℃で10分間加えた。添加終了時に反応液を25℃に加熱し、6時間攪拌状態とした。
【0203】
DMF(3mL)にK2CO3(0.337g、2.438mmol)とPdCl2(dppf)(31.2mg、0.038mmol)を含む混合物に窒素下、ハイドロボレーション溶液の一部(4mL、0.755mmol)を加えた。添加終了時、混合液を65℃に加熱し、同温で17時間攪拌状態とした。その後温度を75℃に上げ、反応液を更に5時間攪拌した。反応結果を確認した後、ヘプタン(5mL)と脱塩水(5mL)とを攪拌下添加し、分相した。水相を更にヘプタン(2×5mL)で抽出し、有機相を合一して脱塩水(10mL)で洗浄した。分離した有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、真空濃縮し、黄色の油状物として粗残渣を得た。溶離液としてヘプタン:酢酸エチル:トリエチルアミン(9:1:0.01の比率)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2H−クロメン(110mg)をジアステレオマー混合物として得た(収率58%)。
【0204】
NMR ジアステレオ. RR: δH(400 MHz; CDCl3) 6.81-6.72 (3H, m, Ar), 4.32-4.28 (1H, m), 4.10 (1H, dd, J 7, 7), 4.02 (1H, dddd, J 11, 6, 2), 3.91 (1H, dd, J 7, 7), 2.91-2.72 (2H, m), 1.96-1.74 (2H, m), 1.46 (3H, s), 1.41 3H, s);
NMR ジアステレオ. SR: δH(400 MHz; CDC13) 6.81-6.70 (3H, m, Ar), 4.19 (1H, dd, J8, 6), 4.14- 4.10 (1H, m), 4.06 (1H, dd, J 8, 5), 3.88 (1H, ddd, J 10, 7, 2.3),2.88-2.72 (2H, m), 2.26-2.18 (1H, m), 1.83-1.73 (1H, m), 1.45 (3H, s), 1.39 (3H, s); m/z (EI) 252.1139 (M+. C14H17FO3の値は 252.1157).
【0205】
実施例3
6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2H−クロメンの合成
(R)−4−(1−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)アリル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン(3.8g、11.47mmol)のTHF(2mL)溶液を1時間かけて9−BBN溶液(0.5M THF溶液、25.2mL、12.6mmol)に攪拌しつつ窒素下25℃で加えた。添加終了時に反応液を25℃で23時間攪拌した。
【0206】
ハイドロボレーション溶液の一部(16mL、5.74mmol)を窒素下、K2CO3(0.793g、5.74mmol)、2,4,6−トリオキシ−1,3,5,7−テトラメチル−8−ホスファアダマンタン(94.8mg、0.324mmol)及び酢酸パラジウム(64.4mg、0.287mmol)を脱塩水(7mL)に含む混合物に加えた。添加終了時に混合液を65℃に加熱し、同温で18時間攪拌状態とした。反応結果を確認した後、ヘプタン(20mL)と脱塩水(20mL)を攪拌下加え、分相した。水相を更にヘプタン(2×10mL)で抽出し、有機層を合一し、脱塩水(2×10mL)で洗浄した。分離した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、真空濃縮し、黄色の油状物としての粗残渣を得た。溶離液としてヘプタン:酢酸エチル(9.5:0.5の比率)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2H−クロメン(460mg)をジアステレオマーの混合物として得た(収率32%)。
【0207】
NMR ジアステレオ. RR: δH(400 MHz; CDCl3) 6.81-6.72 (3H, m, Ar), 4.32-4.28 (1H, m), 4.10 (1H, dd, J 7, 7), 4.02 (1H, dddd, J 11, 6, 2), 3.91 (1H, dd, J 7, 7), 2.91-2.72 (2H, m), 1.96-1.74 (2H, m), 1.46 (3H, s), 1.41 3H, s);
NMR ジアステレオ. SR: δH(400 MHz; CDCl3) 6.81-6.70 (3H, m, Ar), 4.19 (1H, dd, J8, 6), 4.14- 4.10 (1H, m), 4.06 (1H, dd, J 8, 5), 3.88 (1H, ddd, J 10, 7, 2.3),2.88-2.72 (2H, m), 2.26-2.18 (1H, m), 1.83-1.73 (1H, m), 1.45 (3H, s), 1.39 (3H, s); m/z (EI) 252.1139 (M+. C14H17FO3の値は 252.1157).
【0208】
実施例4
(R)−1−((R)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル)エタン−1 ,2−ジオールの合成
実施例3で得られたジアステレオマー混合物を、公知の方法に従って単一ジアステレオマーに分離した。
【0209】
(R)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2H−クロメン(2.92g、11.6mmol)を酢酸(24mL)と脱塩水(9mL)に溶解した。反応液を激しく攪拌し、65℃に加熱した。65℃に3時間保持した後、反応液を25℃に冷却した。その後溶液を真空濃縮し、ガラス様の油状物を得た。溶離液としてヘプタン:酢酸エチル(1:1)混液を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより粗生成物を分離し、(R)−1−((R)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル)エタン−1,2−ジオール(0.64g)を白色固体として得た(収率26%)。
【0210】
NMR: δH(400 MHz; CDCl3) 6.82-6.73 (3H, m), 4.10-4.03 (1H, m), 3.89-3.75 (3H, m), 2.93- 2.74 (2H, m), 2.65 (1H, b), 2.10 (1H, b), 2.04-1.90 (2H, m). キラルHPLC:ee 94%.
【0211】
実施例5
(R)−1−((S)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル)エタン−1 ,2−ジオールの合成
実施例3で得られたジアステレオマー混合物を、公知の方法に従ってそれぞれ単一ジアステレオマーに分離した。
【0212】
(S)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2H−クロメン(1.10g、4.4mmol)を酢酸(9mL)と脱塩水(3mL)に溶解した。反応液を激しく攪拌し、65℃に加熱した。60℃に2.5時間保持した後、反応液を25℃に冷却した。次に溶液を真空濃縮し、ガラス様の油状物を得た。溶離液としてヘプタン:酢酸エチル(1:1)混液を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより粗生成物を分離し、(R)−1−((S)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル)エタン−1,2−ジオール(0.40g)を白色固体として得た(収率43%)。
【0213】
NMR: δH(400 MHz; CDCl3) 6.83-6.69 (3H, m, Ar), 4.05-3.98 (1H, m), 3.90-3.80 (3H, m), 2.91-2.74 (2H, m), 2.18-2.11 (1H, m), 1.91-1.81 (1H, m). キラル HPLC: ee 94%.
【0214】
実施例6
(R)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−オキシラン−2−イル)−2H−クロメンの合成
(R)−1−((R)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル)エタン−1,2−ジオール(0.27g、1.27mmol)をジクロロメタン(7mL)に窒素雰囲気下溶解し、ピリジン(100μL)を攪拌下添加した。次に反応液を0℃に冷却し、塩化トシル(0.24g、1.27mmol)のジクロロメタン(3mL)溶液を2時間かけて加えた。その後温度を20℃に上げ、15時間攪拌状態とした。反応液を水(10mL)で急冷し、更にジクロロメタン(10mL)で希釈した。分離した水層をジクロロメタン(15mL)で更に抽出した。有機層を合一し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空濃縮し、無色油状物を得た。
【0215】
この油状物を攪拌下メタノール(3mL)とジクロロメタン(6mL)に、窒素雰囲気下で溶解し、炭酸カリウム(0.32g、2.35mmol)を加えた。反応液を25℃、15時間攪拌状態とした。その後反応液を水(10mL)とジクロロメタン(10mL)で希釈した。分離した水層をジクロロメタン(20mL)で抽出した。有機層を合一し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空濃縮し、(R)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−オキシラン−2−イル)−2H−クロメンの粗生成物を黄色油状物として得た。溶離液としてヘプタン:酢酸エチル(9:1)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより分離し、(R)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−オキシラン−2−イル)−2H−クロメン(0.16g)を無色油状物として得た(収率66%)。
【0216】
NMR: δH(400 MHz; CDCl3) 6.81-6.72 (3H, m), 3.88-3.82 (1H, m), 3.21-3.17 (1H, m), 2.89- 2.76 (4H, m), 2.1-2.00 (1H, m), 1.97-1.87 (1H, m).
【0217】
実施例7
(S)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−オキシラン−2−イル)−2H−クロメンの合成
(R)−1−((S)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル)エタン−1,2−ジオール(0.27g、1.27mmol)を窒素雰囲気下でジクロロメタン(10mL)に溶解し、攪拌下ピリジン(510μL)を添加した。次に反応液を1℃に冷却し、塩化トシル(0.24g、1.27mmol)のジクロロメタン(3mL)溶液を2.5時間かけて加えた。反応液を飽和塩化アンモニウム(1mL)で急冷し、ジクロロメタン(10 mL)と脱塩水(10mL)で更に希釈した。分離した水層をジクロロメタン(15mL)で更に抽出した。有機層を合一し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空濃縮し、無色油状物を得た。
【0218】
この油状物をメタノール(3mL)とジクロロメタン(6mL)に攪拌下、窒素雰囲気下で溶解し、炭酸カリウム(0.32g、2.35mmol)を加えた。反応液を25℃で15時間攪拌状態とした。次に反応液を水(10mL)とジクロロメタン(10mL)で希釈した。分離した水層を更にジクロロメタン(20mL)で抽出した。有機層を合一し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空濃縮し、(S)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−オキシラン−2−イル)−2H−クロメン粗生成物を黄色油状物として得た。溶離液としてヘプタン:酢酸エチル(9:1)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーで分離することにより、(S)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−オキシラン−2−イル)−2H−クロメン(30mg)を無色油状物として得た(収率12%)。
【0219】
NMR: δH(400 MHz; CDCl3) 6.84-6.73 (3H, m), 3.87-3.81 (1H, m), 3.15-3.10 (1H, m), 2.91- 2.78 (4H, m), 2.18-2.10 (1H, m), 1.96-1.84 (1H, m).
【0220】
実施例8
(R)−2−(ベンジルアミノ)−1−((S)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル)エタノールの合成
(S)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−オキシラン−2−イル)−2H−クロメン(30mg、0.154mmol)をメタノール(2mL)に溶解し、攪拌しつつ維持した。ベンジルアミン(40mg、0.374mmol)を加え、反応液を攪拌状態とした。反応結果を確認した後、溶液を減圧濃縮し、粗残渣を更に30℃の真空中で乾燥し、(R)−2−(フェニルメチルイミノ)−1−((S)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル)エタノール(30mg)を白色固体として得た(収率64%)。
【0221】
LC-MS: m/z (ESI) 302 (MH+, 100%);
NMR: δH(400 MHz; CDCl3) 7.37-7.27 (5H, m, Ar), 6.82-6.67 (3H, m, Ar), 3.9-3.7 (4H, m), 3.0-2.95 (1H, dd), 2.88-2.71 (3H, m), 2,18-2,09 (1H, m), 1,9-1,75 (1H, m).
【0222】
実施例9
[2S,αR,2’R,α’R]−α−α’−[[(フェニルメチル)イミノ]ビスメチレン]ビス[6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−メタノール]の合成
(R)−2−(ベンジルアミノ)−1−((S)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル)エタノール(30mg、0.099mmol)を無水エタノール(3mL)に溶解した。続いて(R)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−オキシラン−2−イル)−2H−クロメン(40mg、0.206mmol)を反応液に攪拌下加えた。混合液を4時間還流し、その後温度を20℃に下げた。粗混合物を減圧濃縮し、精製し、[2S, αR,2’R,α’R]−α−α’−[[(フェニルメチル)イミノ]ビスメチレン]ビス[6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−メタノール](46mg)を得た(収率93%)。
【0223】
LC-MS: m/z (ESI) 496 (MH+, 100%).
【0224】
実施例10
ギ酸[2S, αR,2’R, α’R]−α−α’−[イミノビスメチレン]ビス[6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−メタノール]の合成
[2S,αR,2’R,α’R]−α−α’−[[(フェニルメチル)イミノ]ビスメチレン]ビス[6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−メタノール](46mg、0.093mmol)をメタノール(4mL)に溶解した。次にギ酸アンモニウム(44mg、0.698mmol)を反応液に加え、続いて炭素担持パラジウム触媒(10%)を加えた。次に反応液を11時間還流し、25℃に冷却し、濾過し、真空濃縮した。粗残渣を逆相クロマトグラフィーで精製し、ギ酸[2S,αR,2’R,α’R]−α−α’−[イミノビスメチレン]ビス[6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−メタノール](22mg)を得た(収率52%)。
【0225】
LC-MS: m/z (ESI) 406 (MH+, 100%). キラル HPLC: 94% ee.
NMR: δH(400 MHz; CD3OD) 8.52 (1H, s), 6.84-6.74 (6H, m), 4.12-3.89 (4H, m), 3.52-3.18 (4H, m), 2.96-2.77 (4H, m), 2.28-2.20 (1 H, m), 2.05-1.86 (2H, m), 1.83-1.72 (1H, m).
【0226】
実施例11
実施例1〜10に記載の手続きに従って、(S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒドから出発し、化合物[2R,αS,2 ’S,α’S]−α−α’−[イミノビスメチレン]ビス[6−フルオロ−3 ,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−メタノール](l−NBV)を調製した。
【0227】
実施例12
6−フルオロ−2−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2H−クロメンの合成
1−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4-イル)−プロパ−2−エン−1−オール(0.3g、1.90mmol)、炭酸水素ナトリウム(0.22g、2.58mmol)、酢酸2-ブロモ-4-フルオロフエニル(0.3g、1.29mmol)、酢酸パラジウム(14mg、0.06mmol)及びCYTOP216、 2,4,6−トリオキシ−1,3,5,7−テトラメチル−8−ホスファアダマンタン(19mg、0.06mmol)をDMF(5mL)に窒素下懸濁した。反応液を120℃で19時間攪拌し、25℃に冷却し、続いて酢酸エチル(20mL)と脱塩水(20mL)で希釈した。分相し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮乾固した。粗反応混合物を次にシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(ヘプタン:酢酸エチル9:1)、6−フルオロ−2−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2H−クロメンを淡黄色の油状物として単離した(60mg、収率19%)。
【0228】
NMR ジアステレオ SR: δH(600 MHz; CDCl3) 6.76(lH,dt, Ar, JHF 8.9, J 8.9, J 3.1),6.67(lH,dd, Ar, J 8.5, JHF4.5), 6.66 (lH,dd, Ar, JHF 9.0, J 3.0), 6.40 (lH,dd,CH=, J 10.1, J 1.9), 5.91 (1H, dd, CH=, J 10.1, J 3.2, J 0.9), 4.72 (1H, m, OCH, J 7.5, J 3.2, J 1.8), 4.27 (1H, m, OCH, J 7.5, J 6.2, J 4.9), 4.12 (1H, dd, CH2O, J 8.8, J 6.2), 4.065 (1H, dd, CH2O, J 8.8, J 4.9), 1.44 (3H, s, CH3), 1.36 (3H, s, CH3). m/z (EI) 250.10037 (M+. C14H15FO3の値は 250.100525).
NMR ジアステレオ RR: δH(400 MHz; CDCl3) 6.79(1H, dt, Ar, JHF 8.9, J 8.9, J 2.8), 6.76(1H, dd, Ar, J 8.8, JHF4.8), 6.67(1H, dd, Ar, JHF 8.8, J 2.8), 6.46 (1H, dd, CH=, J 10.0, J 1.8), 5.72(1H, dd, CH=, J 10.0, J 3.6), 4.94(1H, m, OCH, J 5.4, J 3.6, J 1.8), 4.35(1H, m, OCH, J 6.5, J 5.4), 4.06 (IH, dd, CH2O, J 8.8, J 6.4), 3.97(1H, dd, CH2O, J 8.8, J 6.4), 1.40 (3H, s, CH3), 1.36 (3H, s, CH3). m/z(EI) 250.10076 (M+. C14H15FO3の値は 250.100525).
【0229】
実施例13
6−フルオロ−2−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2H−クロメンの合成
パートA:1−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−プロパ−2−エン−1−オール(5.0g、0.0316mol)、 2−ブロモ−4−フルオロフェノール(5.0g、0.0262mol)、炭酸カリウム(9.0g、0.0652mol)、酢酸パラジウム(290mg、0.0013mol)及びCYTOP216、 2,4,6−トリオキシ−1,3,5,7−テトラメチル−8−ホスファアダマンタン(380mg、0.0013mol)を窒素下でTHF(10mL)と脱塩水(10mL)からなる混合溶媒に加えた。反応液を78℃14時間攪拌し、25℃に冷却し、続いて酢酸エチル(50mL)と脱塩水(40mL)で希釈した。分離した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空濃縮し、粗反応混合物(9.18g)を得た。シリカゲルクロマトグラフィー精製(ヘプタン:酢酸エチル4:1)により非環化ジオールXIIaの4−フルオロ−2−((E/Z)−3−ヒドロキシ−3−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−プロパ−1−エニル)−フェノール(4.52g、収率64%、E/Z=86/14、ジアステレオ A/ジアステレオ B=60/40)とヘミアセタ−ルXIIIaの6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2H−クロメン−2−オール(1.60g、23%、ジアステレオ A/ジアステレオ B=57/43)の混合物を得た。
【0230】
NMR トランスジオールXIIa (E): δH(400 MHz; CDCl3) 7.04-6.98 (2H, m), 6.93-6.76 (4H, m, Ar), 6.73-6.68 (2H, m, Ar), 6.21-6.09 (2H, m), 6.00-5.90 (2H, b), 4.48-4.42 (1H, b), 4.28-4.22 (1H, b), 4.25-4.18 (2H, m), 4.05-3.94 (3H, m), 3.88-3.83 (1H, m), 2.63 (1H, s), 2.05 (1H, s), 1.48 (3H, s), 1.47 (3H, s), 1.38 (6H, s); LC-MS: m/z (ESI) 291.1 (MNa+).
NMR ヘミアセタールXIIIa: δH(400 MHz; CDCl3) 6.84-6.74 (6H, m, Ar), 4.29-4.25 (1H, m), 4.21-4.10 (4H, m), 3.9-3.85 (1H, m), 3.40 (1H, d, J 2), 3.16 (1H, d, J 2), 3.13-3.00 (2H, m), 2.73-2.65 (2H, m), 2.11-2.03 (1H, m), 1.89-1.83 (1H, m), 1.78-1.69 (2H, m), 1.55 (3H, s), 1.51 (3H, s), 1.47 (3H, s), 1.42 (3H, s); m/z (EI) 268.11135 (M+. C14H17FO4の値は 268.11109).
【0231】
パートB:4−フルオロ−2−((E/Z)−3−ヒドロキシ−3−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−プロパ−1−エニル)−フェノールを塩化亜鉛を用いた環化段階に付した。
【0232】
塩化亜鉛(0.85g、6.21mmol)と塩化リチウム(0.37g、8.73mmol)を窒素雰囲気下トルエンに懸濁した。スラリーを激しく攪拌し、還流し、共沸蒸留により水を分離した。この乾燥トルエン混合物に、触媒の塩化テトラブチルアンモニウムを加え、次に4−フルオロ−2−((E/Z)−3−ヒドロキシ−3−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−プロパ−1−エニル)−フェノール(1.0g、3.73mmol)トルエン溶液(4.8g)を加えた。加熱3時間後、不均一な反応液を25℃に冷却し、固形残渣を濾過し、トルエン(5mL)で洗浄した。有機相を減圧下45℃で濃縮乾固し、6−フルオロ−2−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2H−クロメン(0.16g、17%)をジアステレオマー64:36の混合物として得た。
【0233】
NMR ジアステレオ SR: δH(600 MHz; CDCl3) 6.76(lH,dt, Ar, JHF 8.9, J 8.9, J 3.1),6.67(lH,dd, Ar, J 8.5, JHF4.5), 6.66 (lH,dd, Ar, JHF 9.0, J 3.0), 6.40 (lH,dd,CH=, J 10.1, J 1.9), 5.91 (1H, dd, CH=, J 10.1, J 3.2, J 0.9), 4.72 (1H, m, OCH, J 7.5, J 3.2, J 1.8), 4.27 (1H, m, OCH, J 7.5, J 6.2, J 4.9), 4.12 (1H, dd, CH2O, J 8.8, J 6.2), 4.065 (1H, dd, CH2O, J 8.8, J 4.9), 1.44 (3H, s, CH3), 1.36 (3H, s, CH3). m/z (EI) 250.10037 (M+. C14H15FO3の値は 250.100525).
NMR ジアステレオ RR: δH(400 MHz; CDCl3) 6.79(1H, dt, Ar, JHF 8.9, J 8.9, J 2.8), 6.76(1H, dd, Ar, J 8.8, JHF4.8), 6.67(1H, dd, Ar, JHF 8.8, J 2.8), 6.46 (1H, dd, CH=, J 10.0, J 1.8), 5.72(1H, dd, CH=, J 10.0, J 3.6), 4.94(1H, m, OCH, J 5.4, J 3.6, J 1.8), 4.35(1H, m, OCH, J 6.5, J 5.4), 4.06 (1H, dd, CH2O, J 8.8, J 6.4), 3.97(1H, dd, CH2O, J 8.8, J 6.4), 1.40 (3H, s, CH3), 1.36 (3H, s, CH3). m/z(EI) 250.10076 (M+. C14H15FO3の値は 250.100525).
【0234】
実施例14
6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2H−クロメンの合成
6−フルオロ−2−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2H−クロメン(50mg、0.18mmol、90.4%A)のジアステレオマー75:25混合物をエタノールに溶解し、窒素雰囲気下25℃で攪拌した。ギ酸アンモニウム(60.5mg、0.96mmol)と炭素担持10%パラジウム(50mg)を溶液に攪拌下加え、反応液を15時間還流した。反応液を調べ出発材料の変換完了を確認した。固形物を濾別し、濾液を減圧濃縮し、6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4-イル)−2H−クロメン(40mg、0.115mmol、72.6%A、収率64%)をジアステレオマー75:25の混合物として得た。
【0235】
NMR ジアステレオ. RR: δH(400 MHz; CDCl3) 6.81-6.72 (3H, m, Ar), 4.32-4.28 (1H, m), 4.10 (1H, dd, J 7, 7), 4.02 (1H, dddd, J 11, 6, 2), 3.91 (1H, dd, J 7, 7), 2.91-2.72 (2H, m), 1.96-1.74 (2H, m), 1.46 (3H, s), 1.41 3H, s).
NMR ジアステレオ. SR: δH(400 MHz; CDCl3) 6.81-6.70 (3H, m, Ar), 4.19 (1H, dd, J8, 6), 4.14- 4.10 (1H, m), 4.06 (1H, dd, J 8, 5), 3.88 (1H, ddd, J 10, 7, 2.3),2.88-2.72 (2H, m), 2.26-2.18 (1H, m), 1.83-1.73 (1H, m), 1.45 (3H, s), 1.39 (3H, s); m/z (EI) 252.1139 (M+. C14H17FO3の値は 252.1157).
【0236】
実施例15
(R)−1−(6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル)−エタン−1,2−ジオールの合成
6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2H−クロメン(40mg、0.16mmol、ジアステレオマー比75:25)を酢酸(2mL)と脱塩水(0.7mL)に溶解した。反応液を激しく攪拌し、65℃に加熱した。65℃3時間の後、反応液を25℃に冷却した。次に溶液を真空中35℃で濃縮し、(R)−1−(6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル)−エタン−1,2−ジオールをガラス様の油状物として得た(収率89%、ジアステレオマー比73:27)。
【0237】
NMR ジアステレオ RR: δH(400 MHz; CDCl3) 6.82-6.73 (3H, m), 4.10-4.03 (1H, m), 3.89-3.75 (3H, m), 2.93-2.74 (2H, m), 2.65 (1H, b), 2.10 (1H, b), 2.04-1.90 (2H, m).
NMR ジアステレオ SR: δH(400 MHz; CDCl3) 6.83-6.69 (3H, m, Ar), 4.05-3.98 (1H, m), 3.90-3.80 (3H, m), 2.91-2.74 (2H, m), 2.18-2.11 (1H, m), 1.91-1.81 (1H, m). Chiral HPLC: ee 78%.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(±)ギ酸[R*,S*,S*,S*]−α−α’−[イミノビスメチレン]ビス[6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−メタノール]、
ギ酸[2S,αR,2’R,α’R]−α−α’−[イミノビスメチレン]ビス[6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−メタノール]、又は
ギ酸[2R,αS,2’S,α’S]−α−α’−[イミノビスメチレン]ビス[6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−メタノール]。

【公開番号】特開2013−100372(P2013−100372A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−41640(P2013−41640)
【出願日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【分割の表示】特願2009−537552(P2009−537552)の分割
【原出願日】平成19年11月23日(2007.11.23)
【出願人】(307041023)
【氏名又は名称原語表記】ZaCh System S.p.A.
【Fターム(参考)】