説明

ハイブリッドウォータースポーツ用履物

装置は、アッパー部分、ソール、及びフィンを含む。アッパー部分は足を少なくとも部分的に覆うように構成される。ソールはアッパー部分に結合されキャビティを画定する。フィンは第1の部分と第2の部分を有する。フィンは第1の構成と第2の構成との間で移動可能である。第1の構成にある場合、フィンはソールによって画定されたキャビティ内に実質的にあり、かつ、フィンの第1の部分はフィンの第2の部分に少なくとも部分的に重なる。第2の構成にある場合、フィンはソールによって画定されたキャビティの実質的に外側に伸長する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[1001] 本願は、「Hybrid Water Sport Footwear」なる名称で2008年7月30日に出願した米国特許出願第12/182,823号の優先権を主張し且つその継続出願であり、その全体を本願に参考として組み込む。
【0002】
[1002] 本発明は、概して、歩行及び水泳の両方に用いうる履物に関わり、より具体的には歩行モードと水泳モードの単純変換を可能にする水陸両用靴に関する。
【背景技術】
【0003】
[1003] 例えば水泳及びスキューバダイビングといったウォータースポーツに一般的に用いられる水泳用フィンは、足の表面積を実質的に増加することによって脚の推進力を増加するように機能する。多くの種類の水泳用フィンが知られているが、多くの水泳用フィンは扱い難く、歩行には実用的ではなく、さらには着用者に潜在的な危険を及ぼす可能性がある。このような欠点を解決するために、様々なタイプの水泳用フィンと靴の組み合わせが開発されており、それには、折りたたみ可能な設計や水泳モードと歩行モードで回転可能な設計が含まれる。
【0004】
[1004] 水泳用フィンと靴の公知の組み合わせには、例えば水泳モードと歩行モードを有するフィンブレード付き水陸両用靴状の構造が含まれる。歩行モードでは、水泳用フィンは着用者の足の甲に隣接して置かれうる。水泳モードでは、水泳用フィンは、靴状構造から伸びうる。このようなデバイスでは、拡張可能なフィンブレードは、リベット、ピン、ネジ又はナット、及びボルト組立体といったピボット点について靴のインステップに向かってフィンブレードを回転することによって水泳モードと歩行モードとの間で移動可能である。
【0005】
[1005] 水泳用フィンと靴の他の公知の組み合わせは、中空のソールのつま先にあるカットアウトを通り水泳モードと歩行モードとの間でフィンが移動することを可能にする。しかし、このような公知のデバイスは、フィンが歩行モードにある場合、フィンを折りたたんだり靴のソールにフィンをまとめたりしなければならない。このように折り畳むと、靴のソールには段差ができ、これは、フィンが歩行モードにある場合、不快感をもたらしうる。
【0006】
[1006] 水泳用フィンと靴の他の公知の組み合わせには、バネやピンによって中空のソールのつま先にあるカットアウトを通り伸長可能であるフリッパが含まれる。このようなデバイスは、フリッパを中空のソール内に抑える別個の保護具が必要である。フィンと靴のさらに別の公知の組み合わせには、靴から分離可能であり且つ別個のネジによって異なる位置で靴に固定可能なフィンが含まれる。このようなデバイスは、水泳モードと歩行モードとの間で移動させるには扱い難い場合がある。さらに、このようなデバイスは、紛失しうる及び/または腐食しうる金物類を有する。
【0007】
[1007] したがって、歩行と水泳に用いることができ、歩行モードと水泳またはダイビングモードとの間で変換し、水陸両用靴を所望のモードに維持するための便利で比較的安価で安全な手段を有する水陸両用靴が求められている。また、着用者にとって快適であり、歩行モードの際に着用者の活動を制限しない水陸両用靴が求められている。さらに、腐食しやすい金物類を用いることなく成形可能な熱可塑性材料から製造可能である、水泳用フィンと靴の組み合わせが求められている。また、信頼性があり、可逆性の保持機構と最小限の機械部品を有する、水泳用フィンと靴の組み合わせが求められている。
【発明の概要】
【0008】
[1008] 幾つかの実施形態では、装置は、アッパー部分、ソール、及びフィンを含む。アッパー部分は足を少なくとも部分的に覆うように構成される。ソールはアッパー部分に結合されキャビティを画定する。フィンは第1の部分と第2の部分を有する。フィンは第1の構成と第2の構成との間で移動可能である。第1の構成にある場合、フィンはソールによって画定されたキャビティ内に実質的にあり、かつ、フィンの第1の部分はフィンの第2の部分に少なくとも部分的に重なる。第2の構成にある場合、フィンはソールによって画定されたキャビティの実質的に外側に伸長する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】[1009] 図1は一実施形態による第1の構成にある装置の概略図を示す。
【図2】[1009] 図2は一実施形態による第2の構成にある装置の概略図を示す。
【図3】[1010] 図3は伸長位置にある水泳用フィンコンポーネントを有する水陸両用靴の一実施形態の組立分解等角図を示す。
【図4】[1011] 図4は伸長位置にある水泳用フィンコンポーネントを有する水陸両用靴の一実施形態の組立分解等角図を示す。
【図5】[1012] 図5は一実施形態による伸長位置にある水泳用フィンコンポーネントを有する水陸両用靴の等角図を示す。
【図6】[1013] 図6は格納位置にある水泳用フィンコンポーネントを有する図5に示す水陸両用靴の直角側面図(orthogonal side view)を示す。
【図7】[1014] 図7は格納位置にある水泳用フィンコンポーネントを有する図5に示す水陸両用靴の図6に示す側面とは反対の側面からの直角図(orthogonal view)を示す。
【図8】[1015] 図8は一実施形態による格納位置にある水泳用フィンコンポーネントの平面直角図(top orthogonal view)を示す。
【図9】[1015] 図9は一実施形態による伸長位置にある水泳用フィンコンポーネントの平面直角図を示す。
【図10】[1016] 図10は格納位置にある図8に示す水泳用フィンコンポーネントの正面直角図(frontal orthogonal view)を示す。
【図11】[1017] 図11は一実施形態による格納位置にある水泳用フィンコンポーネントの平面直角図を示す。
【図12】[1017] 図12は一実施形態による伸長位置にある水泳用フィンコンポーネントの平面直角図を示す。
【図13A】[1018] 図13Aは一実施形態による伸長位置にある水泳用フィンコンポーネントの近位端の部分平面直角図(partial top orthogonal view)を示す。
【図13B】[1018] 図13Bは一実施形態による格納位置にある水泳用フィンコンポーネントの近位端の部分平面直角図を示す。
【図14A】[1019] 図14Aは一実施形態による伸長位置にある水泳用フィンコンポーネントの近位端の部分平面直角図を示す。
【図14B】[1019] 図14Bは一実施形態による格納位置にある水泳用フィンコンポーネントの近位端の部分平面直角図を示す。
【図15A】[1020] 図15Aは一実施形態による伸長位置にある水泳用フィンコンポーネントの近位端の部分平面直角図を示す。
【図15B】[1020] 図15Bは一実施形態による伸長位置にある水泳用フィンコンポーネントの近位端の部分平面直角図を示す。
【図16】[1021] 図16は一実施形態による伸長位置にある水陸両用靴の平面図を示す。
【図17】[1021] 図17は一実施形態による格納位置にある水陸両用靴の平面図を示す。
【図18】[1022] 図18は一実施形態による格納位置にある水泳用フィンコンポーネントの平面直角図(top orthogonal view)を示す。
【図19】[1022] 図19は一実施形態による伸長位置にある水泳用フィンコンポーネントの平面直角図を示す。
【図20】[1023] 図20は一実施形態による水陸両用靴の一部を示す。
【図21】[1024] 図21は一実施形態による、トップソール及びミッドソールから構成される靴のソールのキャビティ内に配置されたカセットの組立分解等角図を示す。
【図22】[1025] 図22は一実施形態による、水泳用フィンカセットとキャビティを有する一体式靴ソールの組立体の等角略図を示す。
【図23】[1026] 図23は一実施形態による、水泳用フィンコンポーネント、カセット、及びキャビティを有する一体式靴ソールの組立体の平面直角略図を示す。
【図24】[1027] 図24は一実施形態による多要素からなる靴のソールのキャビティ内に配置されたフィンカセットの断面直角側面図(sectional orthogonal side view)を示す。
【図25】[1028] 図25は一実施形態による一体式の靴ソールのキャビティ内に配置されたフィンカセットの断面直角側面図を示す。
【図26】[1029] 図26は靴のミッドソールと伸長位置にある水泳用フィンコンポーネントの組立分解等角図を示す。
【図27】[1030] 図27は靴のミッドソールと伸長位置にある図26に示す水泳用フィンコンポーネントの拡大部分等角図を示す。
【図28】[1031] 図28は格納位置にある水泳用フィンコンポーネントの一実施形態の正面直角図を示す。
【図29】[1032] 図29は図28の拡大部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[1033] 幾つかの実施形態は、靴コンポーネントと水泳用フィンコンポーネントとを含む水陸両用靴を含む。靴コンポーネントは、靴のソールに取り付けられた(例えばしっかりと取り付けられた)靴アッパー(本明細書において靴トップ又はアッパー本体とも呼ぶ)から構成される。靴コンポーネントはつま先端とかかと端を有する。ソールキャビティが、靴のソールの上面、底面、及び2つの側壁によって画定される。ソールキャビティは閉じたかかと端から開いたつま先端まで長手方向に伸長し、フィンコンポーネントを受容するように構成される。フィンコンポーネントは近位端と遠位端を有し、遠位端は、水泳補助具として機能する1以上のブレード又はフリッパ部分を有する。フィンコンポーネントは、伸長位置と格納位置を有する。格納位置にある場合、フィンコンポーネントの近位端は、ソールキャビティのかかと端内に配置され、フィンコンポーネントはソールキャビティ内に配置される。伸長位置にある場合、フィンコンポーネントの近位端は、ソールキャビティのつま先端内に配置され、フィンコンポーネントの遠位端は、1以上のブレードがソールキャビティ内に配置されないようにソールキャビティの開いたつま先端を通り伸長する。
【0011】
[1034] 特定の実施形態では、フィンコンポーネントの遠位端は2つのブレードを有し、これらのブレードは、フィンコンポーネントが伸長されるにつれてはさみのように互いに対して移動し、かつ、フィンコンポーネントが格納されるにつれてはさみのように互いに対して移動し、それにより、フィンコンポーネントが格納位置にある場合、2つの個別のフィンブレードの少なくとも部分が重なる。
【0012】
[1035] 幾つかの実施形態では、靴のソールによって画定されたキャビティは、その長さに沿った各点において基本的に同じ幅であるように形作られる。他の実施形態では、靴のソールによって画定されたキャビティは、かかと端及び/又はつま先端において、水泳用フィンコンポーネントの近位端よりも細いように形作られる。このような実施形態では、水泳用フィンコンポーネントの近位端は、キャビティのかかと端及び/又はつま先端内に配置される場合、横方向に圧縮される。水泳用フィンコンポーネントの近位端は、圧縮変形から回復するように十分な弾性を有する材料から構成される。この弾性は、水泳用フィンコンポーネントの伸長及び格納を容易にすることに役立つ。さらに、水泳用フィンコンポーネントの近位端は、ユーザの足に、水泳の蹴り動作時に必要な抵抗を与える。
【0013】
[1036] 幾つかの実施形態では、水泳用フィンコンポーネントの近位端は、1以上のボイド又は穴を画定する。このような実施形態では、フィンコンポーネントの近位端には、横方向の圧縮性及び回復が与えられ、その度合いは、ボイド又は穴の数、寸法、及び形状、並びに構成材料の弾性によって左右される。
【0014】
[1037] 水泳用フィンコンポーネントの特定の他の実施形態では、近位端は、基本的にシェブロン、すなわち、「V」字型クロスバーを画定するように構成される。このような実施形態では、フィンコンポーネントの近位端は、横方向の圧縮性及び回復が与えられ、その度合いは、シェブロン、すなわち、「V」字型クロスバーの寸法及び形状、並びに構成材料の弾性によって左右される。
【0015】
[1038] 特定の実施形態では、ソールコンポーネントはキャビティを画定し、また、互いにしっかりと取り付けられる2以上のコンポーネントから作られる。例えば、3要素ソールコンポーネントはインナーソール、ミッドソール、及びアウターソールを有してよく、ミッドソールはかかと端内の領域からつま先端を通る長手軸に沿って延在する凹部を有するので、閉じたかかと端と開いたつま先端を有するミッドソールコンポーネントが与えられる。このような凹部が設けられたミッドソールコンポーネントとインナーソールコンポーネントの組み合わせは、フィンコンポーネントを収容するための必要なキャビティを画定する。アウターソールは、適切な靴底設計、ポッド(pod)構成等を有して、歩行モードでの水陸両用靴の使用を高めることができる。
【0016】
[1039] 本明細書において用いられるように、用語「靴」は任意のタイプの従来の履物を意味する。これには、サンダル、ランニングシューズ、ブーツ、スリッパ等が含まれる。さらに、用語「靴」は用語「従来の履物」及び/又は任意のタイプの従来の履物と同様の意味に用いられうる。
【0017】
[1040] 図1及び図2は、一実施形態による装置1の概略図である。装置1はソール2及びフィン4を含む。ソール2はキャビティ3を画定する。キャビティ3は、本明細書においてより詳細に説明するように、フィン4がキャビティ3内に配置可能であるように形作られる。ソール2は、足を受容するように構成された靴(図示せず)の上部分に取り付けられうる。このようにして、ユーザは、装置1を足に着用することができる。
【0018】
[1041] フィン4は、第1の部分5と第2の部分6を含む。フィン4の第1の部分5は、フィン4の第2の部分6とは物理的に異なる。換言すれば、フィン4の第1の部分5の遠位端部は、フィン4の第2の部分6の遠位端部に結合されていない。フィン4の第1の部分5は、フィン4の第2の部分6とは物理的に異なるので、フィン4の第1の部分5は、フィン4の第2の部分6に対して移動可能であり、その逆もまた同様である。
【0019】
[1042] フィン4は第1の構成(例えば図1を参照)と第2の構成(例えば図2を参照)を有する。フィン4は、第1の構成にある場合に、ソール2によって画定されたキャビティ3内に配置されるように構成される。フィン4の第1の部分5の一部は、フィン4がその第1の構成にある場合に、フィン4の第2の部分6の一部に重なる。他の実施形態では、フィンの第1の部分は、フィンがその第1の構成にある場合に、フィンの第2の部分に重ならない。フィン4が第1の構成にある場合は、装置1は従来の履物として用いることができる。例えば装置1は、ユーザが装置を従来の履物として用いることができるように足に取り付けられうる。
【0020】
[1043] 図2に示すように、フィン4の一部は、フィン4が第2の構成にある場合に、ソール2によって画定されたキャビティ3の外側に配置される。フィン4の第1の部分5及びフィン4の第2の部分6は、フィン4が第2の構成にある場合は重ならない。このようにすると、フィン4は、第2の構成において、第1の構成におけるフィン4の幅より大きい幅を有しうる。他の実施形態では、フィンの第1の部分の一部とフィンの第2の部分の一部は、第2の構成にある場合に重なる。装置1は、フィン4が第2の構成にある場合に水履物となるように構成されうる。例えば、フィン4は、第2の構成にある場合は、ユーザが大量の水を移動させることを支援するように構成される。このようにすると、装置1は水泳用フィンとして着用されうる。
【0021】
[1044] フィン4は、第1の構成と第2の構成との間で移動可能である。例えば、ユーザは、フィン4を第1の構成から第2の構成に移動させて、フィン4をキャビティ3の外側の領域に露出させる。幾つかの実施形態では、ユーザは、フィン4に取り付けられたロッドを第1の位置から第2の位置にスライドさせることによって、フィン4を第1の構成から第2の構成に移動させる。ロッドはフィン4に取り付けられているので、ロッドをスライドすることによってフィン4を、第1の構成から第2の構成に、対応してスライドさせる。本明細書においてさらに詳細に説明するように、他の実施形態では、ユーザは、例えばボタンを押すことによって、コードを引くことによって、フィンを引き出すことによってフィンを第1の構成から第2の構成に移動させる。
【0022】
[1045] ユーザがフィン4を第1の構成から第2の構成に移動させると、フィン4の第1の部分5及びフィン4の第2の部分6は、上述したように第1の構成におけるフィン4の幅よりも大きい幅を、第2の構成において、フィン4が有するように互いから離れるように移動する。上述したように、第2の構成となると、ユーザは装置1を水泳用フィンとして用いることができる。
【0023】
[1046] ユーザがフィン4を第2の構成から第1の構成に移動させると、キャビティ3を画定するソール2の側壁が、フィン4の第1の部分5とフィン4の第2の部分6が互いに向かうように押し込む。そうすると、フィン4の第1の部分5とフィン4の第2の部分6が重なる。このようにすると、フィン4の幅は、フィン4がソール2によって画定されたキャビティ3内に移動するにつれて減少する。換言すれば、第1の構成と第2の構成との間でフィン4を移動させることによって、フィン4の第1の部分5及びフィン4の第2の部分6を互いに対してはさみのように移動させる。第1の構成となると、ユーザは装置1を歩行用の靴として用いることができる。
【0024】
[1047] 図3は、水陸両用靴10の一実施形態のコンポーネント間の全体的な関係を示す組立分解等角図を示す。水陸両用靴10は、靴のソール12に取り付けられた靴のアッパー11を含み、靴の各コンポーネントはつま先端とかかと端を有する。靴のソール12は、上面、底面、及び2つの側面を有するソールキャビティ13を画定するように構成される。ソールキャビティ13は、閉じたかかと端14から開いたつま先端15に長手方向に延在する。ソールキャビティ13は、水泳用フィンコンポーネント17を受容するような寸法にされる。水泳用フィンコンポーネント17は、水泳用フィンコンポーネント17がソールキャビティ13から伸長したりその中に格納されたりできるようにソールキャビティ13内にスライド可能に配置される。靴のソール12は、かかと端からつま先端に長手軸に沿って延在し且つ靴のソール12の外側からソールキャビティ13の内部にまで側壁を完全に通り延在するサイドスロット16を画定する。
【0025】
[1048] 水泳用フィンコンポーネント17の近位端部のエッジには、水泳用フィンコンポーネント17がソールキャビティ13内に配置される場合に、ソールキャビティ13の内部から靴のソールの外側にサイドスロット16を通り延在するような寸法にされるグリップ部材20が取り付けられる。グリップ部材20は、例えば、ロッド又は円筒ピンであってよい。固定具21がグリップ部材20に結合される。グリップ部材20は、水泳用フィンコンポーネント17の伸長及び格納のための便利な方法をユーザに提供し、一方、固定具21は、水泳用フィンコンポーネント17を伸長又は格納位置に維持する。水泳用フィンコンポーネント17の遠位端は、水泳補助具として機能する第1のブレード18及び第2のブレード19を有する。水泳用フィンコンポーネント17が、格納位置にある場合、水泳用フィンコンポーネント17の近位端部はソールキャビティ13のかかと端内に配置され、水泳用フィンコンポーネント17全体がソールキャビティ13内に置かれる。他の実施形態では、水泳用フィンコンポーネントの一部は、水泳用フィンコンポーネントが格納位置にある場合、ソールキャビティの外側に配置される。水泳用フィンコンポーネント17が伸長位置にある場合、水泳用フィンコンポーネント17の近位端部はソールキャビティ13のつま先端内に置かれ、遠位端部は、ブレード18、19がソールキャビティ13の外側に配置されるようにソールキャビティ13の開いたつま先端15を通り伸長する。
【0026】
[1049] 靴のアッパー11は、ユーザの足に靴のアッパー11を取り付けるように構成されたストラップを有する靴として示される。しかし、靴のアッパー11は、任意のタイプ及び/又はスタイルの靴と同様であってよい。例えば、幾つかの実施形態では、靴のアッパーは、ユーザの足が靴のアッパー内に実質的に囲まれる閉じられた靴であってよい。他の実施形態では、靴のアッパーは、ユーザの足が靴のアッパーを囲む領域に実質的に露出されるサンダルであってよい。さらに別の実施形態では、靴のアッパーは任意の既知の靴であってよい。
【0027】
[1050] いくつかの実施形態では、1以上の様々な靴のコンポーネントが、靴の中から靴の周りの領域に水といった液体が通過できるように構成された1以上の排出管(outlet lumen)を画定しうる。このような排出管は、靴からの液体の排出を高める。例えば、靴のアッパー11は、ユーザの足を囲む領域から靴のアッパー11を囲む領域に液体を排出するように構成された排出管を有しうる。
【0028】
[1051] 幾つかの実施形態では、開いたつま先はカバー(図示せず)を有してよい。カバーは、靴のつま先端にある開口上に延在するように構成されうる。このようなカバーはソールキャビティ及び水泳用フィンコンポーネントを保護する。さらに、このようなカバーは、砂といった屑がソールキャビティ内に侵入することを阻止する。カバーは、水泳用フィンコンポーネントが格納位置から伸長位置に移動される場合に、フラップが蝶番によって動き、水泳用フィンコンポーネントの遠位端部がソールキャビティを出るように靴のつま先端に蝶番によって移動可能に結合されるフラップであってよい。他の実施形態では、カバーは、水泳用フィンコンポーネントが伸長位置と格納位置との間で移動される際に手動で取り外されて交換されてもよい。
【0029】
[1052] 図4は、一実施形態による水陸両用靴30の組立分解等角図を示す。水陸両用靴30は、靴のアッパー本体31、インナーソール32、ミッドソール33、及びアウターソール34を有する靴部から構成される。ミッドソール33は、ミッドソール33が開いたつま先端36と閉じたかかと端37を有するように、かかと端内からミッドソール33によって画定された長手軸に沿ってつま先端を通り延在するミッドソール凹部35を画定するように構成される。さらに、ミッドソール凹部35の内部からミッドソール33の側壁を通り延在するサイドスロット38が、ミッドソール33の長手軸に沿って配置される。図4に示すように、アウターソール34は、水泳用フィンコンポーネント42がミッドソール凹部35及びインナーソール32によって画定されたキャビティの中に又はその外に移動させることを可能とするように構成されたスロット付きつま先開口41を有する一体式ブルノーズ構造40を有する。このようなブルノーズ構造40は、つま先部分に補強と安定性を与える。
【0030】
[1053] 水陸両用靴30はさらに、水泳用フィンコンポーネント42を含む。水泳用フィンコンポーネント42は、2つの物理的に異なるブレード要素43及び44を有する遠位端部と、水泳用フィンコンポーネント42の厚みを通り延在するボイド46、47、48、及び49を画定する幾何学構成を有する近位端部とを含む。水泳用フィンコンポーネント42が、格納位置にある場合、水泳用フィンコンポーネント42は、ミッドソール凹部35及びアウターソール34によって画定されたキャビティ内に配置される。開いたサイドスロット38を通り延在するように構成された突出ロッド45は、水泳用フィンコンポーネント42の近位端部のエッジにしっかりと取り付けられる。固定具39が突出ロッド45に結合される。突出ロッド45は、水泳用フィンコンポーネント42の伸長及び格納のための便利な方法をユーザに提供するグリップ部材として機能し、一方、固定具39は、伸長位置又は格納位置における水泳用フィンコンポーネント42の保持を支援する。幾つかの実施形態では、突出ロッド45はネジ山を有し、固定具39は対応するナットである。
【0031】
[1054] 図5、図6、及び図7に完全に組み立てられた水陸両用靴50の実施形態の図を示す。図5は伸長位置にある水泳用フィンコンポーネント51を有する水陸両用靴50の等角図であり、図6は格納位置にある水泳用フィンコンポーネント51を有する水陸両用靴50の直角側面図であり、図7は格納位置にある水泳用フィンコンポーネント51を有する水陸両用靴50の図6に示す側面とは反対の側面の直角図である。固定具52が、水泳用フィンコンポーネント51が伸長位置にある場合(例えば図5を参照)、開いたサイドスロット53のつま先端に配置される。固定具52は、水泳用フィンコンポーネント51が格納位置にある場合(例えば図6を参照)、開いたサイドスロット53のかかと端に配置される。水泳用フィンコンポーネント51は、上述したブレードと構造的にも機能的にも類似する2つの別個のブレード要素を含む。
【0032】
[1055] 図8は靴のソール60によって画定されたキャビティ内の格納位置に配置された第1のブレード62及び第2のブレード63を含む水泳用フィンコンポーネント61の平面直角図を示す。図9は伸長位置に配置された図8の水泳用フィンコンポーネント61の平面直角図を示す。靴のソール60によって画定されたキャビティは、かかと端において、水泳用フィンコンポーネント61の近位端がキャビティのかかと端内に配置される場合に横方向に圧縮されるように、つま先端におけるよりも細い。図10は靴のソール60によって画定されたキャビティ内に配置された水泳用フィンコンポーネント61を有する靴のソール60の正面直角図を示す。
【0033】
[1056] 水泳用フィンコンポーネント61の第1のブレード62及び第2のブレード63は、第1のブレード62及び第2のブレード63の外側エッジに沿ってそれぞれ配置される第1のブレードリブ64及び第2のブレードリブ65を含む。ブレードリブ64、65は多数の機能を果たす。水泳用フィンコンポーネント61が伸長位置にある場合(例えば図9を参照)、ブレードリブ64、65は、ある程度の剛性を与え、伸長位置において水陸両用靴が機能することを支援するブレード62、63を支持する。換言すれば、ブレードリブ64、65は、水を効果的に移動させるようにブレード62、63を支援する。さらに、水泳用フィンコンポーネント61が格納位置にある場合(例えば図8を参照)、ブレードリブ64、65は、キャビティのエッジによって与えられる圧力によって横方向に圧縮される。このようにすると、ブレードリブ64、65は、水泳用フィンコンポーネント61が格納位置にある場合の靴のソール60における水泳用フィンコンポーネント61の保持を支援する。
【0034】
[1057] 水泳用フィンコンポーネント61は、水泳用フィンコンポーネント61が伸長位置から格納位置に移動するにつれてブレード62、63がはさみのように重なることを可能にするように実質的に弾性である。このようなブレード62、63のはさみのような動作は、水泳用フィンコンポーネント61の様々な要素の弾性によるものであり、言い換えれば、構成材料の設計及び選択に応じる。格納位置における水泳用フィンコンポーネント61のブレード62、63間の重なり合いの関係は図8に示し、第1のブレード62の一部が第2のブレード63の一部の上方に配置される。
【0035】
[1058] 図11は靴のソール70によって画定されたキャビティ内の格納位置にあるブレード72及び73を含む水泳用フィンコンポーネント71の平面直角図を示す。図12は伸長位置にある図11の水泳用フィンコンポーネント71の平面直角図を示す。靴のソール70によって画定されたキャビティは、水泳用フィンコンポーネント71の近位端がキャビティのかかと端に置かれる場合に横方向に圧縮されないように、かかと端とつま先端において実質的に同じ幅である。
【0036】
[1059] 図4では単一のボイド46を第1の側面に、3つのボイド47、48、49を第2の側面に有するように示したが、水泳用フィンコンポーネントは、任意の数のボイドを画定しても、ボイドの任意の構成を有してもよい。例えば、図13A及び図13Bは、単一のボイド83を画定する近位端部82を有する水泳用フィンコンポーネントの一実施形態を示す。水泳用フィンコンポーネントが伸長位置にある場合(例えば図13Aを参照)、近位端部82は、近位端部82が緩められた非圧縮状態にあるように靴のソールによって画定されたキャビティのつま先端部80内に配置される。水泳用フィンコンポーネントが伸長位置にある場合、近位端部82によって画定されたボイド83は、実質的に円形である。水泳用フィンコンポーネントが格納位置にある場合(例えば図13Bを参照)、水泳用フィンコンポーネントの近位端部82は、近位端部82が靴のソールキャビティのかかと端部81の側面によって横方向に圧縮されるように靴のソールキャビティのかかと端部81内に配置される。水泳用フィンコンポーネントが格納位置にある場合、近位端部82によって画定されたボイド83は、形状が実質的に楕円形である。
【0037】
[1060] ボイド83と近位端部82の弾性は、水泳用フィンコンポーネントの伸長及び格納を容易にすることに役立つ。ボイド83はさらに、水泳用フィンコンポーネントの重量も軽減するのに役立つ。水泳用フィンコンポーネントの近位端部82は、「踏み板(foot plate)」としても機能し、水泳の蹴り動作時に必要な抵抗を提供する。換言すれば、水が水泳用フィンコンポーネントの遠位端部に抵抗を与えるにつれ、水泳用フィンコンポーネントの近位端部82は、靴のソールによって画定されたキャビティのつま先端部80内のその位置を維持する。これにより、水泳用フィンコンポーネントの遠位端部は、水泳用フィンコンポーネントの近位端部82に対して適切に剛性であり続け、それにより水に力を与えてユーザを推進させる。
【0038】
[1061] 図14A及び図14Bは、第1のオボイド又は卵形のボイド85と第2のオボイド又は卵形のボイド86を画定する近位端部84を有する水泳用フィンコンポーネントの一実施形態を示す。水泳用フィンコンポーネントが伸長位置にある場合(例えば図14Aを参照)、近位端部84は、水泳用フィンコンポーネントの近位端部84が緩められた非圧縮状態にあるように靴のソールによって画定されたキャビティのつま先端部101内に配置される。水泳用フィンコンポーネントの近位端部84が緩められた非圧縮状態にある場合、ボイド85、86は自然な形状を示す。水泳用フィンコンポーネントが格納位置にある場合(例えば図14Bを参照)、水泳用フィンコンポーネントの近位端部84は、水泳用フィンコンポーネントの近位端部84が靴のソールのキャビティのかかと端部102の側面によって横方向に圧縮されるように靴のソールによって画定されたキャビティのかかと端部201内に配置される。これにより、ボイド85、86が細長い形状を示すようにボイド85、86は圧縮される。上述したボイド83と同様に、ボイド85、86は、水泳用フィンコンポーネントの伸長及び格納を容易にし、かつ、水泳用フィンコンポーネントの重量を軽減することにも役立つ。
【0039】
[1062] 図15A及び図15Bは、シェブロン88、すなわち、V字形状を有する近位端部87を有する水泳用フィンコンポーネントの一実施形態を示す。水泳用フィンコンポーネントが伸長位置にある場合(例えば図15Aを参照)、近位端部87は、近位端部84が緩められた非圧縮状態にあるように靴のソールキャビティのつま先端部103内に配置され、シェブロン88は自然な形状を示す。水泳用フィンコンポーネントが格納された位置にある場合(例えば図15Bを参照)、近位端部87は、近位端部87が靴のソールキャビティのかかと端部104の側面によって横方向に圧縮されるように靴のソールキャビティのかかと端部104内に配置される。近位端部87の圧縮は、シェブロン88が細長い形状を示すようにシェブロン88を圧縮する。上述したボイド83と同様に、シェブロン88は、水泳用フィンコンポーネントの伸長及び格納を容易にし、かつ、水泳用フィンコンポーネントの重量を軽減することにも役立つ。
【0040】
[1063] 他の実施形態では、水泳用フィンコンポーネントの近位端部の幾何学構成は、シェブロン、V字型構成、H字型構成等、並びに様々な数、寸法及び/又は形状のボイドを含みうる。水泳用フィンコンポーネントの近位端部の幾何学構成は、構成材料の弾性からも得られる、適切な度合いの横方向の圧縮性を与えるように選択される。ボイドの適切な幾何学形状は、円形、楕円形、四角形、矩形、平行四辺形、三角形といった標準の形状に限定されず、及び/又はスロット及び/または標準ではない形状が含まれる。
【0041】
[1064] 図16及び図17は、それぞれ、一実施形態による伸長位置及び格納位置にある水泳用フィンコンポーネント260の平面図を示す。伸長位置にある場合、水泳用フィンコンポーネント260の一部は、ソール255によって画定されたキャビティの外側に配置される。格納位置にある場合、水泳用フィンコンポーネント260は、ソール255によって画定されたキャビティ内に実質的に配置される。水泳用フィンコンポーネント260は、第1のブレード262及び第2のブレード264を含む。第1のブレード262及び第2のブレード264は、それぞれ、上述した、水泳用フィンコンポーネント61の第1のブレード62と水泳用フィンコンポーネント61の第2のブレード63と構造的且つ機能的に同様である。したがって、第1のブレード262と第1のブレード62との類似性と、第2のブレード264と第2のブレード63との類似性は、ここでは詳細に説明しない。
【0042】
[1065] 水泳用フィンコンポーネント260の第1のブレード262はアパーチャ263を画定する。このアパーチャは、水泳用フィンコンポーネント260の第2のブレード264の突出部265を受容するように構成される。第2のブレード264の突出部265は、水泳用フィンコンポーネント260が伸長位置(図16)と格納位置(図17)との間で移動するにつれて第1のブレード262によって画定されたアパーチャ263内をスライドするように構成される。突出部265は、伸長位置と格納位置との間で水泳用フィンコンポーネント260が移動するにつれて水泳用フィンコンポーネント260に追加の支持を与えるように構成される。
【0043】
[1066] 水泳用フィンコンポーネント260はさらに、第1のアパーチャ270及び第2のアパーチャ272を画定する。水泳用フィンコンポーネント260の第1のアパーチャ270は、図13A及び図13Bに関連して上述したボイド83と構造的に且つ機能的に同様である。したがって、水泳用フィンコンポーネント260が伸長位置にある場合、第1のアパーチャ270は、緩められた非圧縮状態にあり、実質的に円形である。水泳用フィンコンポーネント260が格納位置にある場合、第1のアパーチャ270は、ソール255によって画定されたキャビティの側壁によって横方向に圧縮される。上述したように、他の実施形態では、第1のアパーチャは任意の適切な形状であってよい。水泳用フィンコンポーネント260によって画定された第2のアパーチャ272は、伸長位置から格納位置に移動される際に第1のブレード262及び第2のブレード264が互いに向かって移動することを可能にするような形状にされ且つ構成される。
【0044】
[1067] 使用時、ユーザは、図16における矢印BBによって示される方向にソール255に対して水泳用フィンコンポーネント260を移動させることによって、水泳用フィンコンポーネント260を伸長位置(図16)から格納位置(図17)に移動させることができる。水泳用フィンコンポーネント260が図16における矢印BBによって示される方向に移動するに連れて、水泳用フィンコンポーネント260の大きい部分がソール255によって画定されたキャビティ内を移動する。これにより、ソール255の壁が、水泳用フィンコンポーネント260のブレード262、264を互いに対して移動させる。この移動は、第2のブレード264の突出部265を、第1のブレード262によって画定されたアパーチャ263内でスライドさせる。突出部265がアパーチャ263内をスライドするにつれて、第1のブレード262は、第2のブレード264の大きい部分に重なる。さらに、水泳用フィンコンポーネント260が図16における矢印BBによって示される方向に移動するにつれて、第1のアパーチャ270及び第2のアパーチャ272が圧縮される。このことにより、水泳用フィンコンポーネント260が、図17に示すようにソール255によって画定されたキャビティ内に配置されることが可能となる。他の実施形態では、水泳用フィンコンポーネントの一部が、水泳用フィンコンポーネントが格納位置にある場合に、靴のソールによって画定されたキャビティの外側に配置されたままである。
【0045】
[1068] 幾つかの実施形態では、アパーチャの代わりに、第1のブレード262は凹部(図示せず)を画定し、その中を突出部265がスライドするように構成される。他の実施形態では、アパーチャ(又は凹部)は、第2のブレードによって画定され、突出部は第1のブレード上に位置決めされる。
【0046】
[1069] 幾つかの実施形態は、水泳用フィンコンポーネントを伸長及び/又は格納位置に移動させる及び/又はロックすることを支援するグリップ部材及び/又はロック部材を含む。例えば、グリップ部材及びロック部材は、水陸両用靴を歩行モードと水泳モードとの間で再構成するように水泳用フィンコンポーネントを好都合に伸長する及び/又は格納することを可能にするように組み合わされてもよい。グリップ部材は、水泳用フィンコンポーネントを所定の位置にロックするように構成されてよい。好適なグリップ部材は、水泳用フィンコンポーネントの近位端のエッジにしっかりと取り付けられたロッド又は他のそのような突出部であってよい。グリップ部材は、靴のソールによって画定されたキャビティの側面にあるスロット又はチャネルを通り延在する。ロック部材はグリップ部材に結合される。ロック部材は、水泳用フィンコンポーネントを伸長又は格納位置に保持するように構成される。
【0047】
[1070] 図18及び図19は、一実施形態によるロック機構を有するグリップ部材142の一例を示す。水泳用フィンコンポーネント140は、ソール141によって画定されたキャビティ内に配置される。ソール141は、ソール141にあるサイドスロットのかかと端部の付近に配置される第1の磁石143(負の極性を有するものとして示す)と、ソール141におけるサイドスロットのつま先端部の付近に配置される第2の磁石145(負の極性を有するものとして示す)を含む。水泳用フィンコンポーネント140は、グリップ部材142を有する。グリップ部材142は、水泳用フィンコンポーネント磁石144(正の極性を有するものとして示す)を有する突出部であってよい。磁石144、145、143は、ソール141における第1の磁石143及び第2の磁石145は、それぞれ、水泳用フィンコンポーネント磁石144を引き寄せるように向けられる。このような磁力は、事実上、ロック機構として機能する。
【0048】
[1071] 他の実施形態では、磁石の極性は切り替えられてもよい。例えば、第1の磁石及び第2の磁石が正の極性を有し、水泳用フィンコンポーネント磁石が負の極性を有してよい。幾つかの実施形態では、ソールのかかと端部またはソールのつま先端部の一方のみが磁石を有する。このような実施形態では、水泳用フィンコンポーネントは、格納位置又は伸長位置のうちどちらか一方においてのみ磁気的にロック可能である。他の実施形態は、磁石は、ソール及び水泳用フィンコンポーネントの表面にしっかりと取り付けられるか、または、ソール及び水泳用フィンコンポーネント、又はこれらの組み合わせに含まれてもよい。さらに別の実施形態では、水泳用フィンコンポーネント又はソールのいずれかが磁石を有してよく、補完的なコンポーネントがそのような磁石によって引き寄せられる材料を含んでもよい。幾つかの実施形態では、磁石は強磁性材料であってよく、引き寄せられることが可能な材料は鉄又はその合金であってよい。
【0049】
[1072] 水泳用フィンコンポーネント磁石144は、図18及び図19では、第1の磁石143又は第2の磁石145のそれぞれと重ならないように示されるが、他の実施形態では、水泳用フィンコンポーネント磁石は、格納位置にある場合に第1の磁石に、又は、伸長位置にある場合に第2の磁石に重なるように構成される。換言すれば、このような実施形態では、水泳用フィンコンポーネント磁石は、格納位置にある場合に第1の磁石、又は、伸長位置にある場合に第2の磁石の上に配置される。さらに別の実施形態では、水泳用フィンコンポーネント磁石は、格納位置又は伸長位置のそれぞれにおいて水泳用フィンコンポーネントをロックするように構成された任意の方法で、格納位置にある場合に第1の磁石に対して、又は、伸長位置にある場合に第2の磁石に対して位置決めされることが可能である。
【0050】
[1073] 磁気グリップ部材を上で図示したが、図20は、一実施形態によるロック機構を有するグリップ部材の別の例を示す。図20は、ソールの側部206によって画定されたサイドスロット202内に配置された、水泳用フィンコンポーネントのグリップ部材206の側面斜視図を示す。グリップ部材206は、ソールの側部200によって画定されたサイドスロット202内を、ソールのかかと端部208とソールのつま先端部(図示せず)との間をスライドするように構成される。グリップ部材206がサイドスロット202内をかかと端部208とつま先端部との間でスライドすると、水泳用フィンコンポーネントは格納位置と伸長位置との間を移動する。
【0051】
[1074] ソールの側部200は、ソールのかかと端部208においてサイドスロット内に配置される2つのリッジ204を含む。2つのリッジ204は、図20において矢印AAによって示される方向におけるグリップ部材206の望ましくない移動を制限することに役立つ。このようにすると、リッジ204は、水泳用フィンがその格納位置から動き出ることを阻止することに役立つ。換言すれば、リッジ204は、水泳用フィンをその格納位置にロックすることに役立つ。
【0052】
[1075] グリップ部材206は、図20における矢印AAによって示される方向においてグリップ部材206に相当な力が加えられると、2つのリッジ204間を通過するように構成される。例えば、ユーザがグリップ部材206を図20における矢印AAによって示される方向にグリップ部材206を引く及び/又は押すと、グリップ部材206は、2つのリッジ204間を通過する。したがって、ユーザが水泳用フィンをその格納位置からその伸長位置に移動させたい場合、ユーザはグリップ部材206を図20における矢印AAによって示される方向に移動させる。これにより、グリップ部材206は、図20における矢印AAによって示される方向に、2つのリッジ204を通過して、サイドスロット202のつま先端部(図示せず)まで、サイドスロット202内をスライドする。これにより、水泳用フィンコンポーネントは、格納位置から伸長位置に移動する。
【0053】
[1076] サイドスロット202のかかと端部208と同様に、サイドスロット202のつま先端部(図示せず)もサイドスロット202のかかと端部208の2つのリッジ204と構造的且つ機能的に同様である2つのリッジを有しうる。サイドスロット202のつま先端部における2つのリッジは、例えば水泳用フィンをその伸長位置にロックしうる。
【0054】
[1077] 他の実施形態では、ロック部材は、バネ張力機構、摩擦機構、ナット及びボルト機構、磁石、取り外し可能ピン、ボタン、タイ、ストラップ等を含む。例えば、ロック部材は、水泳用フィンコンポーネントを伸長位置に付勢するバネ荷重機構を含んでよい。ロック部材はさらに、靴の側面上のプッシュボタン、及び/又は、水泳用フィンコンポーネントを格納位置に保持するように構成された取り外し可能なピンを含んでよい。このような実施形態では、ボタンが押されると、及び/又は、ピンが取り外されると、水泳用フィンコンポーネントは、格納位置から伸長位置に移動する。さらに別の実施形態では、水泳用フィンコンポーネントの近位端部は、水泳用フィンコンポーネントのつま先端が押された場合に水泳用フィンコンポーネントが格納位置から伸長位置に移動するように、ボタンと同様に機能しうる。他の実施形態では、水泳用フィンコンポーネントは格納位置に付勢されていて、ボタンを押す又はピンを取り外すことによって水泳用フィンコンポーネントを伸長位置から格納位置に移動させる。
【0055】
[1078] さらに別の実施形態では、ロック部材は、靴の片側にあるプッシュボタン及びもう片側にあるグリップ部材を含む。水泳用フィンを伸長位置から格納位置、又は、格納位置から伸長位置に移動させるためには、上述したようにボタンを押してグリップ部材を移動させる必要がある。
【0056】
[1079] 幾つかの実施形態では、グリップ部材及びロック部材は、靴の外側、すなわち、もう一方の靴に面していない方の靴の側面に配置される。他の実施形態では、グリップ部材及びロック部材は、靴の内側、すなわち、もう一方の靴に面している靴の側面に配置される。さらに別の実施形態では、靴は、靴の両側に配置される2つのグリップ部材及び/又は2つのロック部材を含む。特定の実施形態では、グリップ部材は、ロック部材として固定ナットを受容するネジ切りされた遠位端を有するロッド状の突出部である。
【0057】
[1080] 水陸両用靴の様々なコンポーネントを様々な材料から形成することができる。例えば、幾つかの実施形態では、コンポーネントは、弾性プラスチック、熱硬化性ゴム、熱可塑性エラストマー、エラストマー重合体合金等から構成することができる。スチレンブロック共重合体、ポリオレフィン共重合体、エチレン酢酸ビニール(EVA)共重合体、硬化ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性コポリエステル、熱可塑性ポリアミド、塩化ポリビニール(PVC)合成物、並びにそれらの組み合わせ、混合物、及び合金といった材料も用いることができる。他の実施形態では、強化重合体合成物が用いられる。
【0058】
[1081] 特定の実施形態では、様々なコンポーネントの組み合わせが、一体式又はモノリシック構造の一部であってよい。特定の他の実施形態では、インナーソール又はフットベッド及びミッドソールが、単一の靴のソールコンポーネントとして組み合わせられる。このような一体式の構造は、次に限定されないが圧縮成形、射出成形、液状射出成形(LIM)、反応射出成形(RIM)等を含む重合体を成形する当技術において公知である様々な技術のいずれかを用いて好都合に達成されうる。特定の他の実施形態では、一体式の構造は、次に限定されないが接着、超音波溶接、振動及び摩擦溶接、レーザ溶接、溶媒溶接等を含む公知の技術を介して個別のコンポーネントを溶解することによって達成される。
【0059】
[1082] 幾つかの実施形態は、靴のソールキャビティの表面とその中に配置された水泳用フィンコンポーネントとの間のスリーブ及び/又はライナーとして機能する靴のソールキャビティ内の開放端を有するカセット又はカートリッジを有する。このようなカセット又はカートリッジは、靴のソールキャビティ内に実質的にはまり、且つ、カセットの外面が靴のソールキャビティの内面と実質的に接触するように形作られ且つ構成される。これらの靴のソールキャビティ及びカセット又はカートリッジは共に、カセット又はカートリッジ内に配置された水泳用フィンコンポーネントがスライドして伸長するまたは格納されることを可能にする開いたつま先端を有する。幾つかの実施形態では、そのようなカセット又はカートリッジは、側面を通り延在する、長手方向に向けられたカセットスロットを含み、このようなカセットスロットは、対応するソールキャビティのサイドスロットと位置合わせされ、それにより、これらのスロットは水泳用フィンコンポーネントの適切な近位エッジに取り付けられたロッド状のグリップ部材を収容することができる。さらに、このようなカセット又はカートリッジは、靴のソールキャビティがミッドソール凹部とインナーソールの組み合わせによって画定される実施形態、並びに靴のソールが一体式構造である実施形態において有用である。このようなカセットは、成形工程時に靴のソールに組み込まれるか、靴のソールキャビティ内にスライドされて接着剤、溶接等によって固定されうる。
【0060】
[1083] 幾つかの実施形態では、カートリッジ又はカセットは、水泳用フィンコンポーネントが伸長されるか又は靴のソールキャビティ内に格納される際の水泳用フィンコンポーネントのスライド動作を支援する低摩擦スリーブ又はライナーとして機能する。さらに、幾つかの実施形態では、カセット又はカートリッジは、格納位置にある場合に水泳用フィンコンポーネントの保護環境を与える。
【0061】
[1084] そのようなカセット又はライナーの構成に有用な材料は、次に限定されないが、ポリエチレン(PE、HDPE、LLDPE)といったポリオレフィン、ポリプロピレン(PP)、エチレン酢酸ビニール(EVA)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン三元重合体(ABS)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)等、並びに、これらの共重合体、合金、及び/又は混合体を含む。幾つかの実施形態では、スリーブは、隣接するコンポーネントを構成する材料の摩擦係数より低い摩擦係数を有する材料から構成される。幾つかの実施形態では、カセット又はカートリッジは、ASTM D2240タイプA及びタイプDのスケールによって測定されるように、より高いデュロメータ表示によって示されるように、水泳用フィンコンポーネント、ミッドソール、及びインナーソールを構成する材料より硬い材料から構成される。
【0062】
[1085] 図21は、トップソール110及びミッドソール111によって画定されたミッドソールキャビティ112内に配置されたカセット113の組立分解等角図を示す。カセット113は、つま先端114にアパーチャを画定し、水泳用フィンコンポーネントを収容するように構成され且つ収容できるような寸法にされたキャビティを画定する。水泳用フィンコンポーネントはキャビティ内にスライド可能に配置される。カセット113はさらに、その中をグリップ部材が延在することができるサイドスロット115を画定する。グリップ部材を用いて水泳用フィンコンポーネントを格納位置と伸長位置との間でスライドさせることができる。
【0063】
[1086] 図22は、靴のソールキャビティ121、靴のソールのサイドスロット122、及び靴のソールのつま先開口123を画定する一体式の靴ソール120の組立分解等角図を示す。靴のソールのつま先開口は、靴のソールキャビティ121へのアクセスを与える。カセットのサイドスロット115及び開いたつま先端114を画定するカセット113を、靴のソールのつま先開口123を通り靴のソールキャビティ121内に挿入しうる。カセット113が靴のソールキャビティ121内に配置されると、靴は水陸両用靴として用いることができる。
【0064】
[1087] 幾つかの実施形態では、カセット113は、靴が水陸両用靴として用いられない場合に、靴のソールキャビティ121から取り外されてよい。そのような実施形態では、カセットは、スペーサ(図示せず)によって交換されてよい。スペーサは、カセット113が靴のソールキャビティ121内に配置されていない場合の靴のソールキャビティ121を塞ぐ及び/又は維持する。スペーサは、ユーザが靴を水陸両用靴として用いたい場合に、靴のソールキャビティ121から取り外されてカセット131と交換されてよい。
【0065】
[1088] 図23は、靴のソール120、カセット113、及び水泳用フィンコンポーネント124間の関係を示す。水泳用フィンコンポーネント124はカセット113内に配置され、カセット113は靴のソールキャビティ121内に配置される。グリップ部材125が、カセットサイドスロット115及び靴のソールサイドスロット122を通り延在することができる。グリップ部材125は、ユーザが水泳用フィンコンポーネントを伸長位置と格納位置との間で移動させることを可能にする。
【0066】
[1089] 図24は、インソール131、ミッドソール132、及びボトムソール136を有するソール組立体130の一実施形態の断面直角側面図を示す。ソール組立体130は靴のソールキャビティ133を画定する。カートリッジ又はカセット134は、靴のソールキャビティ133内に配置される。図24は様々な部品から構成されるが、図25は一体式の靴のソール135を有するソール組立体の一実施形態の断面直角側面図を示す。カートリッジ又はカセット137は、靴のソール135によって画定されたキャビティ138内に配置される。
【0067】
[1090] 図26及び図27は、一実施形態によるミッドソール90及び水泳用フィンコンポーネント93を示す。ミッドソール90は、ミッドソール90によって画定されるミッドソール凹部91の底面に配置されたガイドレール92を有する。水泳用フィンコンポーネント93は、フィンブレード間の領域に対して長手方向に延在するチャネル94を画定する。チャネル94はガイドレール92を受容するように構成される。このようにすると、水泳用フィンコンポーネント93はミッドソール90にスライド可能に結合される。ガイドレール92は、水泳用フィンコンポーネント93の伸長及び格納を容易にすることに役立つ。図26及び図27には実質的に矩形又は四角形の断面を有するものとして示すが、ガイドレール及び対応するチャネルは、任意の適切な形状又は断面を有してよい。他の適切な断面形状は、次に限定されないが、台形、半円形、三角形、及び/又はこれらの組み合わせを含む。
【0068】
[1091] 図28及び図29は、一実施形態による水陸両用靴95を示す。水陸両用靴95は、水泳用フィンコンポーネント96を含み、水泳用フィンコンポーネント96はその外側エッジに沿って第1のリブ97及び第2のリブ98を有する。第1のリブ97及び第2のリブ98は、それぞれ、靴のソールキャビティ96の側面に沿って画定される第1のガイドチャネル99及び第2のガイドチャネル100内にスライド可能に配置される。図29は、第2のガイドチャネル100内に配置された第2のリブ98を示す図28の一部の拡大図を示す。リブ97、98は、伸長及び格納時に水泳用フィンコンポーネントを安定させる。図28及び図29は、実質的に矩形の幾何学断面を有するリブ97、98及びガイドチャネル99、100を示すが、他の実施形態では、例えば台形、半円形、三角形、及び/又は、それらの組み合わせといった他の適切な断面形状を用いてもよい。
【0069】
[1092] 上述の実施形態では、特定の形状を有するものとして示したが、水泳用フィンコンポーネントのブレードは、ユーザが効率よく水を移動させることを可能にするのに適した任意の形状を有してよい。例えば、幾つかの実施形態では、ブレードは実質的に円形、楕円形、四角形、矩形、及び/又は任意の十分な形状でありうる。幾つかの実施形態では、ブレードはさらに、水泳の蹴り動作の際に水の移動を最適化するのに役立つ少なくとも1つのボイドを含む。
【0070】
[1093] 幾つかの実施形態では、ガイドチャネル99、100は、低摩擦材料から形成されるか及び/又は低摩擦材料でコーティングされうる。例えば、低摩擦材料はガイドチャネル99、100内に挿入しても及び/又はガイドチャネルに低摩擦材料から成形されうる。これにより、水泳用フィンコンポーネントがその伸長位置とその格納位置との間で移動される場合に、水泳用フィンコンポーネント96のリブ97、98がガイドチャネル99、100内を容易にスライドすることを可能にする。
【0071】
[1094] 幾つかの実施形態では、靴は、変換キットを用いて水陸両用靴に変換されることが可能である。変換キットは、近位端部及び遠位端部を有する水泳用フィンコンポーネントを含みうる。水泳用フィンコンポーネントの遠位端部は少なくとも1つのフィンブレードを含む。水泳用フィンコンポーネントの近位端部の第1のエッジはグリップ部材を含む。グリップ部材は、本明細書において説明したように、水泳用フィンコンポーネントを、格納位置と伸長位置との間で移動させる。
【0072】
[1095] 変換キットはさらに開いた端を有するカセットを含む。水泳用フィンコンポーネントは、カセットによって画定されたキャビティ内にスライド可能に配置されるように構成される。水泳用フィンコンポーネントは、水泳用フィンコンポーネントがカセットによって画定されたキャビティ内に配置される格納位置と、水泳用フィンコンポーネントの遠位端部がカセットによって画定されたキャビティの外側に配置される伸長位置との間で移動することができる。
【0073】
[1096] カセットは、靴のソールによって画定されたキャビティ内に配置されるように構成される。靴のソールによって画定されたキャビティは、カセットの外面に接触するように構成され且つそのような寸法にされる。カセット及び靴のソールは、長手方向に向けられたスロットを有し、これらのスロットは、水泳用フィンコンポーネントのグリップ部材がスロット内をスライド可能に移動することを可能にするように構成される。このようにすると、グリップ部材は、水泳用フィンコンポーネントを格納位置と伸長位置との間で移動させる。グリップ部材はロック機構に結合されて、フィンを格納位置と伸長位置の両方において固定することを可能にする。
【0074】
[1097] このようなキットは、ソール又はソール組立体内に適切なキャビティの作成を可能にする任意の靴構成に適応可能である。さらに、カセットは、靴の製造時又は製造後にキャビティ内に配置されうる。
【0075】
[1098] 様々な実施形態を説明してきたが、これらの実施形態は例示的に提示されたに過ぎず限定ではないことを理解すべきである。特定の事象が特定の順番で発生するように説明された方法では、特定の事象の順番は変更してもよい。また、特定の事象は、可能な場合には並列処理で同時に行われても、上述したように直列に行われてもよい。
【0076】
[1099] 例えば、水泳用フィンコンポーネントのブレードは、様々な方法で互いに結合されうる。幾つかの実施形態では、例えば、水泳用フィンコンポーネントのブレードは蝶番によって互いに結合される。他の実施形態では、ブレードは互いに結合されないで、互いに独立して動作してもよい。これによりユーザは片方のブレードを、もう片方のブレードではなく、伸長させることができる。
【0077】
[1100] さらに、ユーザが水泳用フィンコンポーネントを移動させる方法も任意の適切な方法でありうる。例えば、幾つかの実施形態では、水泳用フィンコンポーネントは、バネによって留められていてもよい。このような実施形態では、水泳用フィンコンポーネントは、格納位置又は伸長位置に付勢されることが可能である。他の実施形態では、水泳用フィンコンポーネントは、格納位置から伸長位置に所定の力を超えて移動させることができる。例えば、水泳用フィンコンポーネントは、ユーザがシューキック(shoe kick)を着用している場合に格納位置から伸長位置に移動させるように構成されうる。蹴る力によって、水泳用フィンコンポーネントを格納位置から伸長位置に移動させる。
【0078】
[1101] 幾つかの実施形態では、水泳用フィンコンポーネントは、格納位置にある場合に丸まるように構成される。水泳用フィンコンポーネントは、格納位置から伸長位置に移動されると広げられる。このような実施形態から用いられるロック機構は、格納位置にある場合に水泳用フィンコンポーネントを丸まった状態に維持するように構成されたタイ及び/又はストラップといった上述した任意のロック機構でありうる。
【0079】
[1102] 様々な実施形態を、特定の特徴及び/又はコンポーネントの組み合わせを有するものとして説明してきたが、必要に応じて、任意の実施形態からの任意の特徴及び/又はコンポーネントの組み合わせを有する他の実施形態が可能である。例えば、上述した実施形態のいずれも、水陸両用靴95のリブ97、98に類似したリブを有してよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足を少なくとも部分的に覆うように構成されたアッパー部分と、
前記アッパー部分に結合され、キャビティをその中に画定するソールと、
第1の部分及び第2の部分を含むフィンであって、前記フィンが前記キャビティ内に実質的にあり、かつ、前記第1の部分が前記第2の部分に少なくとも部分的に重なる第1の構成と、前記フィンが前記キャビティの実質的に外側に伸長する第2の構成との間で移動可能である、フィンと、
を含む装置。
【請求項2】
前記フィンの前記第1の部分と前記フィンの前記第2の部分は物理的に異なる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第1の位置から第2の位置への制御要素の移動によって前記フィンを前記第1の構成から前記第2の構成に移動させるように前記フィンに結合された制御要素をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記フィンは、前記第1の構成及び前記第2の構成の両方において前記キャビティ内に実質的に維持される第1の端と、前記第2の構成において前記キャビティの外側にある第2の端とを含み、前記装置は、前記フィンの前記第1の端に隣接して結合された制御要素をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記フィンは、前記第1の構成又は前記第2の構成の少なくとも1つにおいて解放可能にロックされるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記フィンは、前記フィンの前記第1の部分のエッジに沿って実質的に剛性のリブを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記フィンは、前記フィンの前記第1の部分のエッジに沿って実質的に剛性のリブを含み、前記キャビティは、ガイドチャネルを画定し、前記実質的に剛性のリブは、前記第1の構成と前記第2の構成との間で移動する際に、該ガイドチャネルに沿って移動するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記フィンは、前記フィンの前記第1の部分のエッジに沿って実質的に剛性のリブを含み、前記キャビティは、ガイドチャネルを画定し、前記実質的に剛性のリブは、前記第1の構成と前記第2の構成との間で移動する際に、該ガイドチャネルに沿って移動するように構成され、前記ガイドチャネルは低摩擦材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の構成又は前記第2の構成の少なくとも1つにおいて前記フィンを解放可能にロックするように構成された磁気ロック機構をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記フィンの前記第1の部分は、前記フィンの前記第2の部分にスライド可能に結合される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記フィンは、前記ソールの前記キャビティから取り外すことが可能であり、スペーサが前記ソール内に置かれる、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
足カバーに結合されるように構成されたハウジングであって、キャビティと、前記キャビティと連通する開口と、前記キャビティと連通するスロットとを画定するハウジングと、
フィンの少なくとも一部が前記キャビティ内にある第1の構成と、前記フィンが前記開口を通り伸長し前記キャビティの実質的に外側にある第2の構成との間で移動するように構成されたフィンと、
前記フィンに結合された制御要素であって、前記スロット内にスライド可能に配置され、前記フィンを前記第1の構成と前記第2の構成との間で移動させるように構成される、制御要素と、
を含む装置。
【請求項13】
前記ハウジングは、靴、サンダル、ブーツ、又は靴下のうち少なくとも1つに着脱可能に結合されるように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の構成又は前記第2の構成の少なくとも1つにおいて前記フィンを解放可能にロックするように構成された磁気ロック機構をさらに含む、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
アッパー部分と、
前記アッパー部分に結合されたソールと、
前記ソールにスライド可能に結合されたフィンであって、表面を有する第1の部分と表面を有する第2の部分とを含み、前記フィンの前記第2の部分は、前記フィンの前記第1の部分の前記表面が前記フィンの前記第2の部分の前記表面上をスライドするように構成されるように、前記フィンの前記第1の部分に移動可能に結合される、フィンと、
を含み、
前記フィンは、前記第1の構成と第2の構成との間で移動可能であり、前記フィンは、前記第1の構成にある場合の第1の幅と前記第2の構成にある場合の第2の幅を有し、前記第2の幅は前記第1の幅より大きい、装置。
【請求項16】
前記フィンは、前記フィンが前記第1の構成にある場合に、前記ソールによって画定されるキャビティ内に実質的に配置される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記フィンは、前記フィンが前記第2の構成にある場合に、前記ソールによって画定されるキャビティの実質的に外側に伸長する、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記アッパー部分は、ユーザに足に取り付けられるように構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記ソールは、前記第2の幅より小さい幅を画定する、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記ソールは、前記第1の幅より大きい幅を画定する、請求項15に記載の装置。
【請求項21】
前記ソールは、アパーチャを流体が流れるように構成された少なくとも1つのアパーチャを画定する、請求項15に記載の装置。
【請求項22】
前記フィンを前記第1の構成又は前記第2の構成の少なくとも1つに維持することに役立つように構成されたロック機構をさらに含む、請求項15に記載の装置。
【請求項23】
第1の位置から第2の位置への制御要素の移動によって前記フィンを前記第1の構成から前記第2の構成に移動させるように前記フィンに結合された制御要素をさらに含む、請求項15に記載の装置。
【請求項24】
前記フィンの前記第1の部分は突出部を含み、前記フィンの前記第2の部分はアパーチャを画定し、前記フィンの前記第1の部分の前記突出部は、前記フィンの前記第2の部分によって画定された前記アパーチャ内をスライド可能に配置されるように構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項25】
前記フィンはアパーチャを有し、前記アパーチャは前記ソールのガイドレールをスライドして受容するように構成され、前記ガイドレールは前記フィンを支持することに役立つように構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項26】
前記ソールは第1のガイドチャネル及び第2のガイドチャネルを画定し、前記第1のガイドチャネルは前記フィンの前記第1の部分のリブをスライドして受容するように構成され、前記第2のガイドチャネルは前記フィンの前記第2の部分のリブをスライドして受容するように構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項27】
前記ソールは、前記フィンの前記第1の部分のリブをスライドして受容するように構成された第1のガイドを画定し、前記第1のガイドチャネルは低摩擦材料を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項28】
前記第1の構成又は前記第2の構成の少なくとも1つにおいて前記フィンを解放可能にロックするように構成された磁気ロック機構をさらに含む、請求項15に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公表番号】特表2011−529723(P2011−529723A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521166(P2011−521166)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/050368
【国際公開番号】WO2010/014383
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(511027529)フィニーズ エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】