説明

ハイブリッド抗体

【課題】減少した免疫原性を示し、一方で最適な結合プロフィールを維持する、起源の種由来の抗体に基づいて、非常に相同性の操作された抗体を提供すること。
【解決手段】ハイブリッド抗体および/またはハイブリッド抗体フラグメントならびにそれらを作製する方法を提供する。1つの実施形態において、ハイブリッド抗体および/またはハイブリット抗体フラグメントは、少なくとも2つの抗体に由来する2つ以上のフレームワーク領域を含む重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(関連出願)
本願は、2001年12月3日に出願された、米国仮出願番号60/336,591に対して優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本明細書は、標的物に優先的に結合し、そして異なる種において低減された免疫原性を有する、1つの種由来のハイブリッド抗体およびハイブリッド抗体フラグメントに関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
抗体は、脊椎動物において、B細胞として知られるリンパ球により、抗原による刺激に応答して産生されるタンパク質である。抗体(免疫グロブリン(Ig)としてもまた公知)分子の基本構造単位は、大文字の「Y」の形に集まる4つのポリペプチド鎖からなる。この4鎖のうちの2鎖は、同一の軽鎖(L鎖)であり、2鎖は同一の重鎖(H鎖)である。5つの異なった種類(アイソタイプ)の重鎖が存在し、これらが抗体を、5つのクラス(すなわち、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM)に分ける。さらに、軽鎖には2つの異なるアイソタイプがあり、κおよびλと呼ばれる。それぞれのクラスの重鎖が、どちらの軽鎖とも結合し得る。重鎖および軽鎖は、それぞれ、抗原との結合に関わる可変領域(各々VHおよびVL)、および定常(C)領域を含む。抗原結合部位は、6つの超可変領域(相補性決定領域(CDR)としてもまた公知)から構成される。重鎖由来の3つのCDRおよび軽鎖由来の3つのCDRは、それぞれの鎖において、4つの比較的保存されている逆並行βシート(フレームワーク領域(FR1、FR2、FR3およびFR4)と呼ばれる)の間に、それぞれ位置している。慣習的に、番号付けの規則が、VH鎖およびVH鎖の構成部分の位置を表すために利用されてきた。Kabatの定義は、配列の可変性に基づき、Chothiaの定義は、構造ループ領域の位置に基づく。
【0004】
B細胞によって合成されるIg鎖の各型に対して、遺伝子セグメントの別個のプール(生殖細胞系列遺伝子として公知)が存在し、このプールから、単一のポリペプチド鎖が合成される。各プールは、異なる染色体上に位置し、そして代表的に、V領域をコードする比較的多数の遺伝子セグメント、およびC領域をコードする、より少数の遺伝子セグメントを含む。各軽鎖V領域は、2種類の生殖細胞系列遺伝子セグメント(すなわち、長いV遺伝子セグメント、短い連結(J)遺伝子セグメントおよびCセグメント)から構築された核酸配列によって、コードされる。重鎖は、4種類の生殖細胞系列遺伝子セグメント(可変領域に対して3つ、および定常領域について1つ)によってコードされる。重鎖可変領域をコードする3つの生殖細胞系列遺伝子セグメントは、Vセグメント、Jセグメント、およびダイバーシティ(diversity)(D)セグメントである。ヒト生殖細胞系列のV遺伝子配列、D遺伝子配列およびJ遺伝子配列は、特徴付けられている。ヒト生殖細胞系列VH遺伝子セグメント(このような「セグメント」はまた、本明細書中で、ファミリーメンバーと称される)は、少なくとも80%の配列相同性に基づいて、7つのファミリー(VH1〜VH7)に分類される。例えば、Matsudaら,J.Exp.Med.(1998)188:2151−2162を参照のこと。約51個のVHセグメント(ファミリーメンバー)が存在する。重鎖可変領域の最初の2つのCDRおよび3つのフレームワーク領域は、VHによってコードされる。CDR3は、VHの数個のヌクレオチド(DHの全ておよびJHの一部)によってコードされ、一方でFR4は、JH遺伝子セグメントの残りの部分によってコードされる。軽鎖に関しては、Vカッパ(Vκ)遺伝子セグメントまたはVラムダ(Vλ)遺伝子セグメント(ファミリーメンバー)は、V領域の最初の2つのCDRおよび3つのフレームワーク領域を、CDR3の数個の残基と共にコードする。Jカッパ(Jκ)セグメントおよびJラムダ(Jλ)セグメントは、それぞれVκ領域またはVλ領域におけるCDR3領域の残りの部分をコードする。κ鎖をコードするDNAは、配列相同性に基づいて6つのファミリー(VκI〜VκVI)に分類される、約40個のVκセグメント(ファミリーメンバー)を含む。λ鎖をコードするDNAは、10のファミリーに分類される、約31個のVλセグメント(ファミリーメンバー)を含む。図1、2、3および6を参照のこと。
【0005】
抗体および抗体フラグメントは、種々のヒト疾患に関して、急性と慢性との両方の状況において、有望な治療剤になっている。抗体を作製するために利用されるいくつかの方法が存在し、この方法としては、ハイブリドーマ技術、細菌ディスプレイ、リボソームディスプレイ、酵母ディスプレイ、およびヒト抗体フラグメントの、複製可能なバクテリオファージの表面での組換え発現が挙げられる。モノクローナル抗体(mAb)(これは、ハイブリドーマによって産生され得る)は、多年にわたって、診断剤として首尾よく応用されてきたが、治療剤としてのこれらの使用は、出現したばかりである。mAbの大部分は、非ヒト(ほとんどがげっ歯類)起源であり、ヒトにおける免疫原性の問題を提起する。げっ歯類起源の抗体がヒトに投与される場合、抗げっ歯類抗体が産生され、これらは、血清からのげっ歯類抗体の増強したクリアランス、この抗体の治療効果の遮断、および過敏症反応を生じる。これらの制限は、「ヒト化」として公知の操作技術の開発を促した。
【0006】
最初のヒト化ストラテジーは、重鎖および軽鎖の可変ドメインは抗原との結合を担っており、そして定常ドメインはエフェクター機能を担っている、という知見に基づいていた。キメラ抗体は、例えば、げっ歯類mAbの可変ドメインの、ヒト抗体の定常ドメインへの移植(例えば、 Neuberger MSら,Nature 314,268−70,1985,および Takeda ら,Nature 314,452−4,1985)により、生成された。これらのキメラ抗体は、ヒトにおいて、よりよくエフェクター機能を誘導し、かつ免疫原性の減少を示すが、げっ歯類可変領域は、なお免疫応答の誘導の危険を与える。可変ドメインが、抗原結合ループ(相補性決定領域またはCDR)を乗せたβシートフレームワークからなることが認識されたとき、ヒト化抗体は、ヒトフレームワーク上にグラフトされたげっ歯類CDRを含むように設計された。いくつかの異なる抗原結合部位が、しばしば、全ヒトフレームワーク領域がげっ歯類配列に最も高い相同性を持つ抗体を使うことで、単一のヒトフレームワーク上に首尾よく移された(例えば、Jones PT ら,Nature 321,522−5,1986; Riechmann L.ら,Nature 332,323−327,1988;およびSato K.ら,Mol.Immunol.31,371−8,1994)。あるいは、コンセンサスヒトフレームワークが、いくつかのヒト重鎖に基づいて構築された(例えば、Carter P.ら,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 89,487−99,1992)。しかし、単純なCDRグラフティングは、しばしば抗原親和性の低下を引き起こした。βシートフレームワークとループとの間に起こり得る他の相互作用が、抗原結合部位の改造のために考慮されるべきであった(Chothia C ら,Mol.Biol.196,901−917,1987)。
【0007】
いくつかの抗体のヒト化に必要な必須のフレームワーク残基の比較、および抗体結晶構造に基づいたコンピューターモデリングは、「ベルニエ領域(Vernier zone)残基」(Foote J.ら,Mol Biol 224,487−99,1992)と呼ばれる、おそらく結合部位の完全性に寄与するフレームワーク残基一式を明らかにした。さらに、VH−VL境界区域におけるいくつかの残基は、抗原への親和性の保持に重要であり得る(Santos AD ら,Prog.Nucleic Acid Res Mol Biol 60,169−94 1998)。最初、フレームワーク残基は、徐々にげっ歯類配列へと戻し変異させられた(Kettleborough CA ら,Protein Engin.4,773−783,1991)。しかしこの変異による手法は、非常に時間のかかるもので、かつ、重要な残基の全てを網羅することはできない。
【0008】
特定の任意の抗体に対し、小さな一連の改変は、結合を最適にするために十分であり得るが、ベルニエおよびVH/VL残基の組から選び出すことは難しい。選択技術と組み合わせたコンビナトリアルライブラリーアプローチ(ファージディスプレイなど)は、全ての重要なフレームワーク残基においてげっ歯類配列とヒト配列との間のどちらかを示しかつ全てのヒト化形態の結合活性の同時決定を可能にする、ヒト化分子のライブラリーの生成により、ヒト化技術の大改革を行った(例えば、非特許文献1および非特許文献2)。
上記アプローチは、単一の抗体の可変重鎖または可変軽鎖由来のフレームワーク領域全体を利用して、CDRを受容する。減少した免疫原性を示し、一方で最適な結合プロフィールを維持する、起源の種由来の抗体に基づいて、非常に相同性の操作された抗体を提供することは、有利である。この抗体は、治療目的および診断目的で、標的種に投与され得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Rosok MJ,J Biol Chem,271,22611−8,1996
【非特許文献2】Baca M ら,J Biol Chem 272,10678−84,1997
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(要旨)
1つの局面において、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを産生するための方法が提供され、この方法は、以下の工程を包含する:標的に対する特異性を有する初期抗体を提供する工程;初期抗体の可変領域の少なくとも一部の配列を決定する工程;ならびに(i)FR1、FR2、FR3およびFR4からなる群より選択される可変領域の第一の部分を選択する工程;第一の選択された部分の配列を、標的種由来の抗体配列または抗体フラグメント配列の参照データベースに含まれる配列と比較する工程;ならびにデータベース中の抗体から、第一の部分に対して高度な相同性を示す配列を選択する工程;(ii)第一の部分とは異なる、可変領域の第二の部分を選択する工程であって、この第二の部分は、FR1、FR2、FR3およびFR4からなる群より選択される、工程;第二の部分の配列を、標的種由来の抗体配列または抗体フラグメント配列の参照データベースに含まれる配列と比較する工程;第二の部分に対して高度な相同性を示し、そして工程(i)において選択された抗体とは異なる抗体由来である配列を、データベースから選択する工程;ならびに(iii)選択されたフレームワーク配列を、初期抗体の1つ以上のCDRに作動可能に連結して、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成する工程。上記方法は、可変領域全体が合成されるまで、可変領域の残りの部分に対して続けられ得る。残りの部分は、上記工程(i)および(ii)においてデータベースから選択された部分と、同じ抗体由来であっても異なる抗体由来であってもよい。上記第一の部分、第二の部分、および/または残りの部分は、1つ以上のDCRを含み得る。第一の部分、第二の部分、および/または残りの部分において、フレームワーク領域の組み合わせは、上記工程における比較のために使用され得ることが理解されるべきである。初期抗体の可変領域は、可変軽鎖または可変重鎖であり得る。上記配列は、アミノ酸配列であっても核酸配列であってもよい。抗体は、当業者に公知である任意の公知の抗体形態(例えば、抗体全体、キメラ抗体、二価抗体など)であり得る。上記抗体フラグメントは、scFv、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、抗体軽鎖および抗体重鎖からなる群より選択され得る。標的種は、ヒトであり得る。
【0011】
1つの実施形態において、初期抗体由来のFR1領域配列は、高度な相同性を有する配列のための参照データベースを検索するために、個々に使用される。別の実施形態において、初期抗体由来のFR2領域配列は、高度な相同性を有する配列のための参照データベースを検索するために、個々に使用される。別の実施形態において、初期抗体由来のFR3領域配列は、高度な相同性を有する配列のための参照データベースを検索するために、個々に使用される。別の実施形態において、初期抗体由来のFR4領域配列は、高度な相同性を有する配列のための参照データベースを検索するために、個々に使用される。この参照データベースは、標的種の生殖細胞系列または再配列した抗体配列を含み得る。
【0012】
別の局面において、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法が提供され、この方法は、以下の工程を包含する:標的に対する特異性を有する、初期抗体を提供する工程;初期抗体の可変フレームワーク領域の少なくとも一部の配列を決定する工程;ならびに(i)FR1、FR2およびFR3からなる群より選択される可変領域の第一の部分を選択する工程;可変領域の第一の部分の配列を、標的種由来の抗体配列または抗体フラグメント配列の参照データベースに含まれる配列と比較する工程;ならびに第一の部分に対して高度な相同性を示す配列を、データベースから選択する工程;ならびにこの配列が由来する生殖細胞系列遺伝子ファミリーを決定する工程;(ii)第一の部分とは異なる、可変領域の第二の部分を選択する工程であって、この第二の部分は、FR1、FR2およびFR3からなる群より選択される、工程;第二の部分の配列を、標的種由来の抗体配列または抗体フラグメント配列の参照データベースに含まれる配列と比較する工程;第二の部分に対して高度な相同性を示し、そしてこの段落の工程(i)において選択された第一の配列と同じ生殖細胞系列遺伝子ファミリーに対応する配列を、データベースから選択する工程;ならびに(iii)選択されたフレームワーク配列を、初期抗体の1つ以上のCDRに作動可能に連結して、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成する工程。この局面において記載される方法は、フレームワーク領域の第三の部分に関して、続けられ得る。1つの実施形態において、FR4が添加され、そしてこの段落の工程(iii)の生成物に作動可能に連結され、そして可変領域全体が合成される。この方法は、ハイブリッド抗体全体が生成されるまで、拡張され得る。初期抗体の可変フレームワーク領域は、軽鎖であっても重鎖であってもよい。この段落の第一の部分、第二の部分、および/または第三の部分は、1つ以上のDCRを含み得る。第一の部分、第二の部分、および/または第三の部分において、フレームワーク領域の組み合わせは、この段落に示される工程における比較のために使用され得ることが理解されるべきである。
【0013】
1つの実施形態において、参照データベースから選択される配列の2つ以上は、異なる抗体由来である。上記配列は、アミノ酸配列であっても核酸配列であってもよい。抗体は、当業者に公知である任意の公知の抗体形態(例えば、抗体全体、キメラ抗体、二価抗体など)であり得る。上記抗体フラグメントは、scFv、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、抗体軽鎖および抗体重鎖からなる群より選択され得る。標的種は、ヒトであり得る。
【0014】
1つの実施形態において、初期抗体由来のFR1領域配列は、高度な相同性を有し、そしてそれが属する生殖細胞系列遺伝子ファミリーが、他の選択された配列が対応するファミリーとして使用される配列のための参照データベースを検索するために、個々に使用される。別の実施形態において、初期抗体由来のFR2領域配列は、高度な相同性を有し、そしてそれが属する生殖細胞系列遺伝子ファミリーが、他の選択された配列が対応するファミリーとして使用される配列のための参照データベースを検索するために、個々に使用される。別の実施形態において、初期抗体由来のFR3領域配列は、高度な相同性を有し、そしてそれが属する生殖細胞系列遺伝子ファミリーが、他の選択された配列が対応するファミリーとして使用される配列のための参照データベースを検索するために、個々に使用される。別の実施形態において、初期抗体由来のFR4領域配列は、高度な相同性を有する配列のための参照データベースを検索するために、個々に使用される。この参照データベースは、標的種の生殖細胞系列または再配列した配列を含み得る。1つの実施形態において、選択される配列の少なくとも2つは、生殖細胞系列遺伝子ファミリーにおいて、同じファミリーメンバーに対応する。
【0015】
別の局面において、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントは、第一の抗体由来の第一の重鎖フレームワーク領域、および第二の抗体由来の第二の重鎖フレームワーク領域を含む。1つの実施形態において、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントは、第一の抗体、第二の抗体、および第一の抗体でも第二の抗体でもない第三の抗体からなる群より選択される抗体を起源とする、第三の重鎖フレームワーク領域を含む。別の実施形態において、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントは、第一の抗体、第二の抗体、第三の抗体、および第一の抗体でも第二の抗体でも第三の抗体でもない第四の抗体からなる群より選択される抗体由来の、第四の重鎖フレームワーク領域を含む。1つの実施形態において、フレームワーク領域は、ヒト起源であり、そしてCDRは、非ヒト起源である。
【0016】
別の局面において、ハイブリッド抗体は、第一の抗体由来の第一の軽鎖フレームワーク領域、および第二の抗体由来の第二の軽鎖フレームワーク領域を含む。1つの実施形態において、ハイブリッド抗体は、第一の抗体、第二の抗体、および第一の抗体でも第二の抗体でもない第三の抗体からなる群より選択される抗体を起源とする、第三の軽鎖フレームワーク領域を含む。別の実施形態において、ハイブリッド抗体は、第一の抗体、第二の抗体、第三の抗体、および第一の抗体でも第二の抗体でも第三の抗体でもない第四の抗体からなる群より選択される抗体を起源とする、第四の軽鎖フレームワーク領域を含む。1つの実施形態において、フレームワーク領域は、ヒト起源であり、そしてCDRは、非ヒト起源である。
【0017】
別の局面において、ハイブリッド抗体は、第一の抗体由来の第一の重鎖フレームワーク領域(この第一の重鎖フレームワーク領域は、特定のVHファミリーに対応する)、および第二の抗体由来の第二の重鎖フレームワーク領域(この第二の重鎖フレームワーク領域は、第一の重鎖フレームワーク領域と同じVHファミリーに対応する)を含む。1つの実施形態において、ハイブリッド抗体は、第一の抗体、第二の抗体、および第一の抗体でも第二の抗体でもない第三の抗体からなる群より選択される抗体を起源とする、第三の重鎖フレームワーク領域を含む。この第三の重鎖フレームワーク領域は、第一の重鎖フレームワーク領域と同じVHファミリーに対応する。別の実施形態において、ハイブリッド抗体は、第一の抗体、第二の抗体、第三の抗体、および第一の抗体でも第二の抗体でも第三の抗体でもない第四の抗体からなる群より選択される抗体由来の、第四の重鎖フレームワーク領域を含む。なお別の実施形態において、第二の重鎖フレームワーク領域および第三の重鎖フレームワーク領域のいずれかまたは両方は、第一の重鎖フレームワーク領域と同じVHファミリーのメンバーに対応する。1つの実施形態において、フレームワーク領域は、ヒト起源であり、そしてCDRは、非ヒト起源である。
【0018】
別の局面において、ハイブリッド抗体は、第一の抗体由来の第一の軽鎖フレームワーク領域(この第一の軽鎖フレームワーク領域は、特定のVκファミリーに対応する)、および第二の抗体由来の第二の軽鎖フレームワーク領域(この第二の軽鎖フレームワーク領域は、第一の軽鎖フレームワーク領域と同じVκファミリーに対応する)を含む。1つの実施形態において、ハイブリッド抗体は、第一の抗体、第二の抗体、および第一の抗体でも第二の抗体でもない第三の抗体からなる群より選択される抗体を起源とする、第三の軽鎖フレームワーク領域を含む。この第三のフレームワーク領域は、第一の軽鎖フレームワーク領域と同じVκファミリーに対応する。別の実施形態において、ハイブリッド抗体は、第一の抗体、第二の抗体、第三の抗体、および第一の抗体でも第二の抗体でも第三の抗体でもない第四の抗体からなる群より選択される抗体を起源とする、第四の軽鎖フレームワーク領域を含む。なお別の実施形態において、第二の軽鎖フレームワーク領域および第三の軽鎖フレームワーク領域のいずれかまたは両方は、第一の軽鎖フレームワーク領域と同じVκファミリーのメンバーに対応する。1つの実施形態において、フレームワーク領域は、ヒト起源であり、そしてCDRは、非ヒト起源である。
別の局面において、ハイブリッド抗体は、第1の抗体由来の第1の軽鎖フレームワーク領域および第2の抗体由来の第2の軽鎖フレームワーク領域を含み、この第1の軽鎖フレームワーク領域は、特定のVλファミリーに対応し、この第2の軽鎖フレームワーク領域は、第1の軽鎖フレームワーク領域と同じVλファミリーに対応する。1つの実施形態において、ハイブリッド抗体は、第1の抗体、第2の抗体および、第1の抗体でも第2の抗体でもない第3の抗体からなる群から選択される抗体から生じる第3の軽鎖フレームワーク領域を含む。第3のフレームワーク領域は、第1の軽鎖フレームワーク領域と同じVλファミリーに対応する。別の実施形態において、ハイブリッド抗体は、第4の軽鎖フレームワーク領域を含み、この第4の軽鎖フレームワーク領域は、第1の抗体、第2の抗体、第3の抗体および、第1の抗体でも第2の抗体でも第3の抗体でもない第4の抗体からなる群から選択される抗体から生じる。さらに別の実施形態において、第2の軽鎖フレームワーク領域および第3の軽鎖フレームワーク領域のいずれかまたは両方は、第1の軽鎖フレームワーク領域と同じVλファミリーのメンバーに対応する。1つの実施形態において、フレームワーク領域は、ヒト起源であり、CDRは、非ヒト起源である。
【0019】
別の局面において、本発明の開示に従うハイブリッド抗体および/またはハイブリッド抗体フラグメントを含む抗体または抗体フラグメントのライブラリーが、提供される。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成する方法であって、以下:
標的に対して特異性を有する初期抗体を提供する工程;
該初期抗体の可変領域の配列を決定する工程;ならびに
(i)FR1、FR2、FR3およびFR4からなる群より選択される該可変領域の第1の部分を選択する工程;
該第1の部分の配列と、標的種由来の抗体配列または抗体フラグメント配列の参照データベース中に含まれる配列とを比較する工程;
該第1の部分に対して高度の相同性を示す配列を該データベース中の抗体から選択する工程;
(ii)該第1の部分とは異なる該可変領域の第2の部分を選択する工程であって、該第2の部分が、FR1、FR2、FR3およびFR4からなる群より選択される、工程;
該第2の部分の配列と、該標的種由来の抗体配列または抗体フラグメント配列の参照データベースに含まれる配列とを比較する工程;
該第2の部分に対して高度の相同性を示し、かつ工程(i)において選択される該抗体とは異なる抗体に由来する配列を該データベースから選択する工程;ならびに
(iii)該選択されたフレームワーク配列と該初期抗体の1つ以上のCDRとを作動可能に連結して、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成する工程、
を包含する、方法。
(項目2)
項目1に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法であって、以下:
前記第1および第2の部分とは異なる前記可変領域の第3の部分を選択する工程であって、該第3の部分は、FR1、FR2、FR3およびFR4からなる群より選択される、工程;
該第3の部分の配列と、前記標的種由来の抗体配列または抗体フラグメント配列の参照データベース中に含まれる配列とを比較する工程;
該第3の部分に対して高度の相同性を示し、かつ工程(i)および(ii)における選択のために使用される該参照データベース中の抗体と同じか、または異なる抗体に由来する配列を該データベースから選択する工程;ならびに
該選択されたフレームワーク配列と該初期抗体の1つ以上のCDRとを作動可能に連結して、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成する工程、
をさらに包含する、方法。
(項目3)
項目2に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法であって、以下:
前記第1、第2および第3の部分とは異なる前記可変領域の第4の部分を選択する工程であって、該第4の部分は、FR1、FR2、FR3およびFR4からなる群より選択される、工程;
該第4の部分の配列と、前記標的種由来の抗体配列または抗体フラグメント配列の参照データベース中に含まれる配列とを比較する工程;
該第4の部分に対して高度の相同性を示し、かつ工程(i)、(ii)および項目2における選択のために使用される該参照データベース中の抗体と同じか、または異なる抗体に由来する配列を該データベースから選択する工程;ならびに
該選択されたフレームワーク配列と該初期抗体の1つ以上のCDRとを作動可能に連結して、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成する工程、
をさらに包含する、方法。
(項目4)
前記第1の部分が、CDRを含む、項目1に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目5)
前記第2の部分が、CDRを含む、項目1に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目6)
前記第1の部分が、FR1、FR2、FR3およびFR4からなる群の2つまたは3つのメンバーの組み合わせである、項目1に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目7)
前記第2の部分が、FR1、FR2、FR3およびFR4からなる群の2つまたは3つのメンバーの組み合わせである、項目1に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目8)
前記初期抗体の可変領域が、可変重鎖および可変軽鎖からなる群より選択される、項目1に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目9)
可変重鎖および可変軽鎖からなる群より選択される抗体フラグメントが生成される、請求項3に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目10)
前記配列が、アミノ酸配列または核酸配列である、項目1に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目11)
前記抗体フラグメントが、scFv、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、ダイアボディ、抗体軽鎖および抗体重鎖からなる群より選択される、項目1に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目12)
前記標的種が、ヒトである、項目1に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目13)
項目1に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成する方法であって、前記初期抗体由来のFR1領域配列を個々に使用して、高度の相同性を有する配列についての前記参照データベースを検索する、方法。
(項目14)
項目1に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成する方法であって、前記初期抗体由来のFR2領域配列を個々に使用して、高度の相同性を有する配列についての前記参照データベースを検索する、方法。
(項目15)
項目1に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成する方法であって、前記初期抗体由来のFR3領域配列を個々に使用して、高度の相同性を有する配列についての前記参照データベースを検索する、方法。
(項目16)
項目1に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成する方法であって、前記初期抗体由来のFR4領域配列を個々に使用して、高度の相同性を有する配列についての前記参照データベースを検索する、方法。
(項目17)
項目1に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成する方法であって、前記参照データベースが、前記標的種の生殖細胞系列配列または再配列された配列を含む、方法。
(項目18)
ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成する方法であって、以下:
標的に対して特異性を有する初期抗体を提供する工程;
該初期抗体の可変領域の配列を決定する工程;ならびに
(i)FR1、FR2およびFR3からなる群より選択される該可変領域の第1の部分を選択する工程;
該可変領域の第1の部分の配列と、標的種由来の抗体配列または抗体フラグメント配列の参照データベース中に含まれる配列とを比較する工程;
該第1の部分に対して高度の相同性を示す配列を該データベースから選択する工程;
該配列が、生殖細胞系列遺伝子ファミリー由来か否かを決定する工程;
(ii)該第1の部分とは異なる該可変領域の第2の部分を選択する工程であって、該第2の部分が、FR1、FR2およびFR3からなる群より選択される、工程;
該第2の部分の配列と、該標的種由来の抗体配列または抗体フラグメント配列の参照データベースに含まれる配列とを比較する工程;
該第2の部分に対して高度の相同性を示し、かつ工程(i)におけるデータベースから選択される該第1の配列と同じ生殖細胞系列遺伝子ファミリーに対応する配列を該データベースから選択する工程;ならびに
(iii)該選択されたフレームワーク配列と該初期抗体の1つ以上のCDRとを作動可能に連結して、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成する工程、
を包含する、方法。
(項目19)
項目18に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法であって、以下:
前記第1および第2の部分とは異なる前記可変領域の第3の部分を選択する工程であって、該第3の部分は、FR1、FR2およびFR3からなる群より選択される、工程;
該第3の部分の配列と、前記標的種由来の抗体配列または抗体フラグメント配列の参照データベース中に含まれる配列とを比較する工程;
該第3の部分に対して高度の相同性を示し、かつ該データベースからの該第1の配列と同じ生殖細胞系列遺伝子ファミリーに対応する配列を該データベースから選択する工程;
該選択されたフレームワーク配列と該初期抗体の1つ以上のCDRとを作動可能に連結して、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成する工程、
をさらに包含する、方法。
(項目20)
項目19に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法であって、以下:
FR4である可変領域の第4の部分を選択する工程;
該第4の部分の配列と、前記標的種由来の抗体配列または抗体フラグメント配列の参照データベースに含まれる配列とを比較する工程;
該第4の部分と高度の相同性を示す配列を該データベースから選択する工程;ならびに
該選択されたフレームワーク配列と該初期抗体の1つ以上のCDRとを作動可能に連結して、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成する工程、
をさらに包含する、方法。
(項目21)
前記第1の部分が、CDRを含む、項目18に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目22)
前記第2の部分が、CDRを含む、項目18に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目23)
前記第1の部分が、FR1、FR2またはFR3からなる群のメンバーの任意の組み合わせである、項目18に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目24)
前記第2の部分が、FR1、FR2またはFR3からなる群のメンバーの任意の組み合わせである、項目18に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目25)
前記初期抗体の可変領域が、可変重鎖および可変軽鎖からなる群より選択される、項目18に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目26)
可変重鎖および可変軽鎖からなる群より選択される抗体フラグメントが生成される、請求項20に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目27)
前記参照データベースから選択される配列が、異なる抗体由来である、項目18に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目28)
前記参照データベースから選択される配列の2つ以上が、異なる抗体由来である、項目19に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目29)
前記参照データベースから選択される配列の2つ以上が、異なる抗体由来である、項目20に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目30)
前記配列が、アミノ酸配列または核酸配列である、項目18に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目31)
前記抗体フラグメントが、scFv、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、ダイアボディ、抗体軽鎖および抗体重鎖からなる群より選択される、項目18に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目32)
前記標的種が、ヒトである、項目18に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目33)
前記初期抗体由来のFR1領域配列を個々に使用して、高度の相同性を有する配列について前記参照データベースを検索し、そして該配列が属する生殖細胞系列遺伝子ファミリーが、他の選択された配列が対応するファミリーとして使用される、項目18に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目34)
前記初期抗体由来のFR2領域配列を個々に使用して、高度の相同性を有する配列について前記参照データベースを検索し、そして該配列が属する生殖細胞系列遺伝子ファミリーが、他の選択された配列が対応するファミリーとして使用される、項目18に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目35)
前記初期抗体由来のFR3領域配列を個々に使用して、高度の相同性を有する配列について前記参照データベースを検索し、そして該配列が属する生殖細胞系列遺伝子ファミリーが、他方の選択された配列が対応するファミリーとして使用される、項目18に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目36)
前記参照データベースが、前記標的種の生殖細胞系列配列または再配列された配列を含む、項目18に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目37)
前記選択された配列が、前記生殖細胞系列遺伝子ファミリー中の同じファミリーメンバーに対応する、項目18に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目38)
前記選択された配列の2つ以上が、前記生殖細胞系列遺伝子ファミリー中の同じファミリーメンバーに対応する、項目19に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目39)
前記選択された配列の2つ以上が、前記生殖細胞系列遺伝子ファミリー中の同じファミリーメンバーに対応する、項目20に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成するための方法。
(項目40)
第1の抗体由来の第1の重鎖フレームワーク領域、および第2の抗体由来の第2の重鎖フレームワーク領域を含む、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目41)
前記第1の抗体、前記第2の抗体および該第1の抗体でも該第2の抗体でもない第3の抗体からなる群より選択される抗体由来の第3の重鎖フレームワーク領域をさらに含む、請求項40に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目42)
前記第1の抗体、前記第2の抗体、前記第3の抗体および該第1の抗体でも該第2の抗体でも該第3の抗体でもない第4の抗体からなる群より選択される抗体由来の第4の重鎖フレームワーク領域をさらに含む、項目41に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目43)
前記フレームワーク領域が、ヒト起源であり、かつ、前記CDRが、非ヒト起源である、項目40に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目44)
第1の抗体由来の第1の軽鎖フレームワーク領域、および第2の抗体由来の第2の軽鎖フレームワーク領域を含む、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目45)
前記第1の抗体、前記第2の抗体および該第1の抗体でも該第2の抗体でもない第3の抗体からなる群より選択される抗体由来の第3の軽鎖フレームワーク領域をさらに含む、請求項44に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目46)
前記第1の抗体、前記第2の抗体、前記第3の抗体および該第1の抗体でも該第2の抗体でも該第3の抗体でもない第4の抗体からなる群より選択される抗体由来の第4の軽鎖フレームワーク領域をさらに含む、項目45に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目47)
前記フレームワーク領域が、ヒト起源であり、かつ、前記CDRが、非ヒト起源である、項目44に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目48)
項目40に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを含む、抗体または抗体フラグメントのライブラリー。
(項目49)
項目44に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを含む、抗体または抗体フラグメントのライブラリー。
(項目50)
第1の抗体由来の第1の重鎖フレームワーク領域および第2の抗体由来の第2の重鎖フレームワーク領域を含む、ハイブリッド抗体またはハリブリッド抗体フラグメントであって、該第1の重鎖フレームワーク領域が、特定のVHファミリーに対応し、該第2の重鎖フレームワーク領域が、該第1の重鎖フレームワーク領域と同じVHファミリーに対応する、ハイブリッド抗体またはハリブリッド抗体フラグメント。
(項目51)
前記第1の抗体、前記第2の抗体および該第1の抗体でも該第2の抗体でもない第3の抗体からなる群より選択される抗体由来の第3の重鎖フレームワーク領域をさらに含む、請求項50に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントであって、該第3の重鎖フレームワーク領域が、前記第1の重鎖フレームワーク領域と同じVHファミリーに対応する、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目52)
前記第1の抗体、前記第2の抗体、前記第3の抗体および該第1の抗体でも該第2の抗体でも該第3の抗体でもない第4の抗体からなる群より選択される抗体由来の第4の重鎖フレームワーク領域をさらに含む、項目51に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目53)
前記第2の重鎖フレームワーク領域および前記第3の重鎖フレームワーク領域のいずれか、またはその両方が、前記第1の重鎖フレームワーク領域と同じ前記VHファミリーのメンバーに対応する、項目52に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目54)
前記フレームワーク領域が、ヒト起源であり、かつ、前記CDRが、非ヒト起源である、項目50に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目55)
第1の抗体由来の第1の軽鎖フレームワーク領域および第2の抗体由来の第2の軽鎖フレームワーク領域を含む、ハイブリッド抗体またはハリブリッド抗体フラグメントであって、該第1の軽鎖フレームワーク領域が、特定のVKファミリーに対応し、該第2の軽鎖フレームワーク領域が、該第1の軽鎖フレームワーク領域と同じVKファミリーに対応する、ハイブリッド抗体またはハリブリッド抗体フラグメント。
(項目56)
前記第1の抗体、前記第2の抗体、および該第1の抗体でも該第2の抗体でもない第3の抗体からなる群より選択される抗体由来の第3の軽鎖フレームワーク領域をさらに含む、項目55に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントであって、該第3の軽鎖フレームワーク領域が、該第1の軽鎖フレームワーク領域と同じVKファミリーに対応する、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目57)
前記第1の抗体、前記第2の抗体、前記第3の抗体および該第1の抗体でも該第2の抗体でも該第3の抗体でもない第4の抗体からなる群より選択される抗体由来の第4の軽鎖フレームワーク領域をさらに含む、項目56に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目58)
前記第2の軽鎖フレームワーク領域および前記第3の軽鎖フレームワーク領域のいずれか、またはその両方が、前記第1の軽鎖フレームワーク領域と前記VKファミリーのメンバーに対応する、項目57に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目59)
前記フレームワーク領域が、ヒト起源であり、かつ、前記CDRが、非ヒト起源である、項目55に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目60)
項目50に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを含む、抗体または抗体フラグメントのライブラリー。
(項目61)
項目55に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを含む、抗体または抗体フラグメントのライブラリー。
(項目62)
第1の抗体由来の第1の軽鎖フレームワーク領域および第2の抗体由来の第2の軽鎖フレームワーク領域を含む、ハイブリッド抗体またはハリブリッド抗体フラグメントであって、該第1の軽鎖フレームワーク領域が、特定のVLファミリーに対応し、該第2の軽鎖フレームワーク領域が、該第1の軽鎖フレームワーク領域と同じVLファミリーに対応する、ハイブリッド抗体またはハリブリッド抗体フラグメント。
(項目63)
前記第1の抗体、前記第2の抗体、および該第1の抗体でも該第2の抗体でもない第3の抗体からなる群より選択される抗体由来の第3の軽鎖フレームワーク領域をさらに含む、項目62に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントであって、該第3の軽鎖フレームワーク領域が、該第1の軽鎖フレームワーク領域と同じVLファミリーに対応する、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目64)
前記第1の抗体、前記第2の抗体、前記第3の抗体および該第1の抗体でも該第2の抗体でも該第3の抗体でもない第4の抗体からなる群より選択される抗体由来の第4の軽鎖フレームワーク領域をさらに含む、項目63に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目65)
前記第2の軽鎖フレームワーク領域および前記第3の軽鎖フレームワーク領域のいずれか、またはその両方が、前記第1の軽鎖フレームワーク領域と同じ前記VLファミリーのメンバーに対応する、項目64に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目66)
前記フレームワーク領域が、ヒト起源であり、かつ、前記CDRが、非ヒト起源である、項目62に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント。
(項目67)
項目62に記載のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを含む、抗体または抗体フラグメントのライブラリー。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】図1Aは、Vk遺伝子座の生殖細胞系列遺伝子を示すチャートである。Vkエキソンアミノ酸配列アライメントを示す。アライメント、番号付けおよびループ領域は、Chothiaによって定義された構造的基準に従う。CDRは、Kabatらに従う。
【図1B】図1Bは、Vk遺伝子座の生殖細胞系列遺伝子を示すチャートである。Vkエキソンアミノ酸配列アライメントを示す。アライメント、番号付けおよびループ領域は、Chothiaによって定義された構造的基準に従う。CDRは、Kabatらに従う。
【図2A】図2Aは、VH遺伝子座の生殖細胞系列遺伝子を示すチャートである。VHエキソンアミノ酸配列アライメントを示す。アライメント、番号付けおよびループ領域は、Chothiaによって定義された構造的基準に従う。CDRは、Kabatらに従う。
【図2B】図2Bは、VH遺伝子座の生殖細胞系列遺伝子を示すチャートである。VHエキソンアミノ酸配列アライメントを示す。アライメント、番号付けおよびループ領域は、Chothiaによって定義された構造的基準に従う。CDRは、Kabatらに従う。
【図3A】図3Aは、Vλ遺伝子座の生殖細胞系列遺伝子を示すチャートである。Vλエキソンアミノ酸配列アライメントを示す。アライメント、番号付けおよびループ領域は、Chothiaによって定義された構造的基準に従う。CDRは、Kabatらに従う。
【図3B】図3Bは、Vλ遺伝子座の生殖細胞系列遺伝子を示すチャートである。Vλエキソンアミノ酸配列アライメントを示す。アライメント、番号付けおよびループ領域は、Chothiaによって定義された構造的基準に従う。CDRは、Kabatらに従う。
【図4A】図4Aは、ヒトマンノース結合レクチンに対して指向されるマウス抗体可変軽鎖(すなわち初期抗体の軽鎖)のアミノ酸配列(配列番号123)を、配列をフレームワーク部分とCDR部分とに分けて示す。
【図4B】図4Bは、ヒト抗体可変軽鎖配列遺伝子識別(GI)番号3747016のアミノ酸配列(配列番号124)を、配列をフレームワーク構成部分とCDR構成部分とに分けて示す。
【図4C】図4Cは、ヒト抗体可変軽鎖配列遺伝子識別(GI)番号5833827のアミノ酸配列(配列番号125)を、配列をフレームワーク構成部分とCDR構成部分とに分けて示す。
【図4D】図4Dは、ヒト抗体可変軽鎖配列遺伝子識別(GI)番号722614のアミノ酸配列(配列番号126)を、配列をフレームワーク構成部分とCDR構成部分とに分けて示す。
【図4E】図4Eは、ヒト抗体可変軽鎖配列遺伝子識別(GI)番号1785870のアミノ酸配列(配列番号127)を、配列をフレームワーク構成部分とCDR構成部分とに分けて示す。
【図4F】図4Fは、ハイブリッドヒト化抗体軽鎖のアミノ酸配列(配列番号128)を、配列をフレームワーク部分とCDR部分とに分けて示す。各フレームワーク領域の図4Aの初期マウスモノクローナル抗体軽鎖に対するパーセント相同性を、提供する。
【図4G】図4Gは、マウスモノクローナル抗体軽鎖のハイブリッドヒト化バージョン(図4Fを参照のこと)と初期マウスモノクローナル抗体軽鎖(図4Aを参照のこと)との間の、フレームワーク領域単独、CDR単独および全Vk鎖に関する相同性の程度を示すチャートである。マウスモノクローナル抗体軽鎖のハイブリッドヒト化バージョンと最も類似するヒト生殖細胞系列配列VkVI(A10/A26)との間の相同性の程度も示される。先行技術の方法によって得られた最も類似するヒト再配列CDR接合可変軽鎖と初期マウスモノクローナル抗体軽鎖との間の相同性の程度も示される。最も類似するヒト再配列CDR接合VL対最も類似するヒト生殖細胞系列配列VkVI(A14)もまた示される。
【図4H】図4Hは、図4aに示される初期マウスモノクローナル抗体の全可変軽鎖を使用して、Genbank中のBLASTクエリから得られるアミノ酸配列(配列番号129)を示す。
【図4I】図4Iは、図4aに示される初期マウスモノクローナル抗体の可変軽鎖の結合フレームワーク領域のみを使用して、Genbank中のBLASTクエリから得られるアミノ酸配列(配列番号130)を示す。
【図5A】図5Aは、ヒトマンノース結合レクチンに対して指向されるマウス抗体可変重鎖(すなわち初期抗体の重鎖)のアミノ酸配列(配列番号131)を、配列をフレームワーク部分とCDR部分とに分けて示す。
【図5B】図5Bは、ヒト抗体可変重鎖配列遺伝子識別(GI)番号563649のアミノ酸配列(配列番号132)を、配列をフレームワーク構成部分とCDR構成部分とに分けて示す。
【図5C】図5Cは、ヒト抗体可変重鎖配列遺伝子識別(GI)番号951263のアミノ酸配列(配列番号133)を、配列をフレームワーク構成部分とCDR構成部分とに分けて示す。
【図5D】図5Dは、ヒト抗体可変重鎖配列遺伝子識別(GI)番号484852のアミノ酸配列(配列番号134)を、配列をフレームワーク構成部分とCDR構成部分とに分けて示す。
【図5E】図5Eは、ヒト抗体可変重鎖配列遺伝子識別(GI)番号2367531のアミノ酸配列(配列番号135)を、配列をフレームワーク構成部分とCDR構成部分とに分けて示す。
【図5F】図5Fは、ハイブリッドヒト化抗体重鎖のアミノ酸配列(配列番号136)を、配列をフレームワーク構成部分とCDR構成部分とに分けて示す。各フレームワーク領域の図5aの初期マウスモノクローナル抗体重鎖に対するパーセント相同性を、提供する。
【図5G】図5Gは、マウスモノクローナル抗体重鎖のハイブリッドヒト化バージョン(図5Fを参照のこと)と初期マウスモノクローナル抗体重鎖(図5Aを参照のこと)との間の、フレームワーク領域単独、CDR単独および全VH鎖に関する相同性の程度を示すチャートである。マウスモノクローナル抗体重鎖のハイブリッドヒト化バージョンと最も類似するヒト生殖細胞系列配列VH4−31との間の相同性の程度も示される。先行技術の方法によって得られた最も類似するヒト再配列CDR接合可変重鎖と初期マウスモノクローナル抗体重鎖との間の相同性の程度も示される。最も類似するヒト再配列CDR接合VH対最も類似するヒト生殖細胞系列配列VH4−31もまた示される。
【図5H】図5Hは、図5Aに示されるマウス抗体の全可変重鎖を使用して、Genbank中のBLASTクエリから得られるアミノ酸配列(配列番号137)を示す。
【図5I】図5Iは、図5Aに示されるマウスモノクローナル抗体の可変重鎖の結合フレームワーク領域のみを使用して、Genbank中のBLASTクエリから得られるアミノ酸配列(配列番号138)を示す。
【図6】図6は、アミノ酸配列アライメントに関してJH、JKおよびJL遺伝子座の翻訳された生殖細胞系列遺伝子を示すチャートである。
【図7】図7は、ハイブリッドヒト化可変軽鎖の核酸配列(配列番号154)およびアミノ酸配列(配列番号155)ならびにハイブリッドヒト化可変重鎖の核酸配列(配列番号156)およびアミノ酸配列(配列番号157)を示し、そして初期マウス抗体配列と比べて変更された特定のヌクレオチドおよびアミノ酸の位置を示す。フレームワーク領域には下線を付し、そして変更されたアミノ酸は太字にする。
【図8】図8は、初期マウス抗体可変軽鎖および可変重鎖の部位特異的突然変異誘発に対して使用されたオリゴヌクレオチド鎖のヌクレオチド配列を示す。鎖は、以下のように指定される:VLについて、オリゴ1(配列番号158)、オリゴ2(配列番号159)、オリゴ3(配列番号160)、オリゴ4(配列番号161)、オリゴ5(配列番号162)、オリゴ6(配列番号163)、オリゴ7(配列番号164);VHについて、オリゴ8(配列番号165)、オリゴ9(配列番号166)、オリゴ10(配列番号167)、オリゴ11(配列番号168)、オリゴ12(配列番号169)、オリゴ13(配列番号170)、オリゴ14(配列番号171)。
【図9−1】図9Aは、h−DC−SIGN−Fcに対するマウス抗体の可変軽鎖(すなわち、この初期抗体の軽鎖)のアミノ酸配列(配列番号172)を示し、この配列を、フレームワーク部分とCDR部分とに分けて示している。図9Bは、ヒト抗体可変軽鎖配列遺伝子識別(GI)番号441333および5578780のアミノ酸配列(配列番号173および174)を示し、これらの配列を、フレームワーク部分とCDR部分とに分けて示している。図9Cは、ヒト抗体可変軽鎖配列遺伝子識別(GI)番号4324018および18041766のアミノ酸配列(配列番号175および176)を示し、これらの配列を、フレームワーク部分とCDR部分とに分けて示している。図9Dは、ヒト抗体可変軽鎖配列遺伝子識別(GI)番号553476および33251のアミノ酸配列(配列番号177)を示し、これらの配列を、フレームワーク部分とCDR部分とに分けて示している。
【図9−2】図9Eは、ヒト抗体可変軽鎖配列遺伝子識別(GI)番号446245のアミノ酸配列(配列番号178)を示し、これらの配列を、フレームワーク部分とCDR部分とに分けて示している。図9Fは、ハイブリッドヒト化抗体可変軽鎖のアミノ酸配列(配列番号179、180および181)を示し、これは、フレームワーク中の配列とCDR構成要素部分とを分離する。図9Aの初期マウスモノクローナル抗体軽鎖の各フレームワーク領域の%相同性が提供される。図9Hは、図9Aに示される初期マウスモノクローナル抗体(CDRを除く)の可変軽鎖全体を使用してGenbankにおいてBLAST照会から生じるアミノ酸配列(配列番号182)を示す。
【図9−3】図9Gは、フレームワーク領域のみ、CDRのみおよびV鎖全体について、マウスモノクローナル抗体軽鎖のハイブリッドヒト化バージョン(図9Fを参照のこと)と初期マウスモノクローナル抗体軽鎖(図9Aを参照のこと)との間の相同性の程度を示す表である。また、マウスモノクローナル抗体軽鎖のハイブリッドヒト化バージョンと、最も似ているヒト生殖細胞系列配列との間の相同性の程度も示される。また、先行技術の方法によって得られる、最も似ているヒト再配列CDR連結可変軽鎖と初期マウスモノクローナル抗体軽鎖との間の相同性の程度も示される。また、最も似ているヒト再配列CDR連結VL 対 最も似ているヒト生殖細胞系列配列も示される。
【図10−1】図10Aは、h−DC−SIGN−Fcに対するマウス抗体の可変重鎖(すなわち、この初期抗体の重鎖)のアミノ酸配列(配列番号183)を示し、この配列を、フレームワーク部分とCDR部分とに分けて示している。図10Bは、ヒト抗体可変重鎖配列遺伝子識別(GI)番号18698373および392677のアミノ酸配列(配列番号184および185)を示し、これらの配列を、フレームワーク部分とCDR部分とに分けて示している。図10Cは、ヒト抗体可変重鎖配列遺伝子識別(GI)番号886288および999106のアミノ酸配列(配列番号186および187)を示し、これらの配列を、フレームワーク部分とCDR部分とに分けて示している。
【図10−2】図10Dは、ヒト抗体可変重鎖配列遺伝子識別(GI)番号5542538のアミノ酸配列(配列番号188)を示し、ここれらの配列を、フレームワーク部分とCDR部分とに分けて示している。図10Eは、ヒト抗体可変重鎖配列遺伝子識別(GI)番号4530559、5834122および106709のアミノ酸配列(配列番号189、190および191)を示し、これらの配列を、フレームワーク部分とCDR部分とに分けて示している。図10Fは、ハイブリッドヒト化抗体重鎖のアミノ酸配列(配列番号192および193)を示し、これらの配列を、フレームワーク部分とCDR部分とに分けて示している。図10Aの初期マウスモノクローナル抗体重鎖に対する各フレームワーク領域の%相同性が提供される。図10Gは、図10Aに示されるマウス抗体の可変重鎖全体を使用してGenbankにおいてBLAST照会から生じるアミノ酸配列(配列番号194および195)を示す。
【図10−3】図10Hは、フレームワーク領域のみ、CDRのみおよびVH鎖全体について、マウスモノクローナル抗体重鎖のハイブリッドヒト化バージョン(図10Fを参照のこと)と初期マウスモノクローナル抗体重鎖(図10Aを参照のこと)との間の相同性の程度を示す表である。また、マウスモノクローナル抗体重鎖のハイブリッドヒト化バージョンと、最も似ているヒト生殖細胞系列配列との間の相同性の程度も示される。また、先行技術の方法によって得られる、最も似ているヒト再配列CDR連結可変重鎖と初期マウスモノクローナル抗体重鎖との間の相同性の程度も示される。また、最も似ているヒト再配列CDR連結VH 対 最も似ている生殖細胞系列配列も示される。
【図11】図11は、本開示に従う抗体および比較の抗体を含む競合ELISA実験の結果を示す。
【図12】図12は、マンナン結合レクチン(MBL)に対する初期抗体およびハイブリッド抗体の結合親和性試験の結果を示す。
【図13】図13は、h−DC−SIGN−Fcに対する初期抗体およびハイブリッド抗体の結合親和性試験の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本明細書中に記載される技術は、標的種に投与される場合、標的対象に対して活性であり、かつ免疫原性の危険性を低下させるハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメント(本明細書中で「ハイブリッド」と集合的に称される)を提供する。本開示は、起源する種から得られる抗体または抗体フラグメントのフレームワーク領域と標的種の抗体または抗体フラグメントのフレームワーク領域との間の相同性を最大にする技術を提供する。標的種の2つ以上の抗体から相同性の高いフレームワーク領域の取りこみによって構築され、かつ本開示に従って操作されるハイブリッドは、標的対象に対して高度の親和性を維持し、一方、標的種に投与される場合、有害免疫反応の危険性を低下させる。さらに、生殖細胞系列遺伝子配列の同じファミリーに対応する標的種の1つ以上の抗体から相同性の高いフレームワーク領域の取りこみによって構築され、かつ本発明の開示に従って操作されるハイブリッドはまた、標的対象に対して高度の親和性を維持し、一方、標的種に投与される場合、有害免疫反応の危険性を低下させる。1つの実施形態において、標的種はヒトであり、そして操作される抗体は、ヒト化される。
【0022】
本明細書中で使用される技術用語および科学用語は、本明細書中で他の方法で規定されない限り、本教示が属する分野の当業者によって通常理解される意味を有する。当業者によって公知の種々の方法に対して、本明細書中で参考がなされる。参考がなされる公知の方法を示す刊行物および他の資料は、その全てが示されたかのように、その全体が本明細書中に参考として援用される。本明細書中に記載される方法の実施は、他に指示されない限り、化学、分子生物学、微生物学、組換えDNAおよび免疫学の従来技術を使用し、これらは、当該分野の技術の範囲内である。そのような従来技術は、文献において十分説明される。例えば、Sambrook、FritschおよびManiatis,Molecular Cloning;Laboratory Manual 第2版(1989);DNA Cloning,第IおよびII巻(D.N Glover編、1985);Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait編、1984);Nucleic Acid Hybridization(B.D.HamesおよびS.J.Higgins編、1984);Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.)のシリーズの特に第154および155巻(WuおよびGrossman編);PCR−A Practical Approach (McPherson,QuirkeおよびTaylor編、1991);Immunology,第2版、1989,Roittら、C.V.Mosby Company,and New York;Advanced Immunology,第2版、1991,Maleら、Grower Medical Publishing,New York.;DNA Cloning:A Practical Approach,第IおよびII巻、1985(D.N.Glover編);Oligonucleotide Synthesis,1984,(M.L. Gait編);Transcription and Translation,1984(HamesおよびHiggins編);Animal Cell Culture,1986(R.I.Freshney編);Immobilized Cells and Enzymes,1986(IRL Press);Perbal,1984,A Practical Guide to Molecular Cloning;ならびにGene Transfer Vectors for Mammalian Cells,1987(J.H.MillerおよびM.P.Calos編、Cold Spring Harbor Laboratory);WO97/08320;米国特許第5,427,908号;同第5,885,793号;同第5,969,108号;同第5,565,332号;同第5,837,500号;同第5,223,409号;同第5,403,484号;同第5,643,756号;同第5,723,287号;同第5,952,474号;Knappikら、2000,J.Mol.Biol.296:57−86;Barbasら、1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7978−7982;Schaffitzelら、1999,J.Immunol.Meth.10:119−135;Kitamura,1998,Int. J. Hematol,67:351−359;Georgiouら、1997,Nat.Biotechnol.15:29−34;Littleら、1995,J.Biotech.41:187−195;Chauthaiwaleら、1992,Microbiol.Rev.,56:577−591;Aruffo,1991,Curr.Opin.Biotechnol.2:735−741;McCafferty(編者)ら、1996,Antibody Engineering:A Practical Approachを参照のこと。これらの内容は、本明細書中において参考として援用される。
【0023】
当業者に公知の任意の適切な材料および/または方法は、本明細書中に記載される方法を実行する際に利用され得る;しかし、好ましい材料および/または方法が記載される。以下の記載および実施例において参照される材料、試薬などは、他の方法で留意されない限り、商業的供給源から入手可能である。
【0024】
ハイブリッド抗体およびハイブリッド抗体フラグメントは、全長の重鎖および軽鎖またはその任意のフラグメント(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、scFv、抗体軽鎖および抗体重鎖)を有する完全な抗体分子を含む。本明細書中に記載されるような可変領域および種々の由来の定常領域およびを有するキメラ抗体もまた、適する。
【0025】
まず、抗体を惹起し得る所定の標的対象が選択される。標的対象に対するモノクローナル抗体を作製するための技術は、当業者に周知である。このような技術の例としては、ディスプレイライブラリーに関するもの、xenoマウスまたはhumabマウス、ハイブリドーマなどが挙げられるが、これらに限定されない。標的対象は、抗原性を提示し得る任意の物質を含み、通常、タンパク質またはタンパク質多糖類である。例としては、レセプター、酵素、ホルモン、成長因子、ペプチドなどが挙げられる。天然に存在する抗体が本発明の開示に従う使用に適するだけでなく、所定の対象に対する設計抗体および設計抗体フラグメントもまた適することが、理解されるべきである。
【0026】
本明細書中に述べられた技術に供され得る抗体(Ab)としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、および抗体フラグメント(例えば、ファージディスプレイ技術またはファージミドディスプレイ技術由来のFab、Fab’、F(ab’)、Fd、scFv、ダイアボディ(diabody)、抗体軽鎖、抗体重鎖および/または抗体フラグメント)が挙げられる。まず第一に、初期抗体が起源となる種から得られる。より好ましくは、標的抗原への特異性を有している起源となる種の抗体の軽鎖、重鎖またはその両方の可変部分の核酸配列またはアミノ酸配列が必要とされる。起源となる種は、抗体または抗体ライブラリーを産生するために使用された任意の種、例えば、ラット、マウス、ウサギ、ニワトリ、サル、ヒトなどである。モノクローナル抗体を産生するための技術およびクローニングするための技術は、当業者に周知である。所望の抗体が得られたら、可変領域(VHおよびVL)が、CDRの可能な定義(例えば、Kabat単独、Chothia単独、KabatおよびChothiaの併用および当業者に公知の他の任意のもの)を使用して、構成部分(すなわち、フレームワーク(FR)およびCDR)に分けられる。一旦それが得られたら、適切な標的種フレームワークの選択が、必要である。1つの実施形態は、標的種由来の可変アミノ酸配列または可変遺伝子配列と、起源となる種の抗体配列由来の各個別のフレームワーク領域とのアラインメントを含む。アラインメントを検索するためのプログラム(例えば、BLASTなど)は当該分野で周知である。例えば、もし標的種がヒトであれば、このようなアミノ酸配列または遺伝子配列(生殖細胞系列配列または再配列抗体配列)の供給源は、NCBIのタンパク質データバンクであるGenbank(http://ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)、ヒト抗体遺伝子データベースであるVBASE(http://www.mrc−cpe.cam.ac.uk/imt−doc)およびKabat免疫グロブリンデータベース(http://www.immuno.bme.nwu.edu)またはそれらの翻訳産物のような、任意の適切な参照データベースにて見出し得る。アラインメントがヌクレオチド配列に基づいてなされた場合、選択された遺伝子は、その部分集合のどの遺伝子が起源となる種の抗体と最も近いアミノ酸相同性を有しているかを決定するために、分析されるべきである。データベース中の他の配列と比較して高い程度の相同性に近づくアミノ酸配列または遺伝子配列が、利用され得、かつ、本明細書中に記載される手順に従って操作され得ることが、企図される。さらに、より低い相同性を有するアミノ酸配列または遺伝子は、本明細書中に記載される手順に従って操作されかつ選択される場合に、所定の標的抗原に対し特異性を示す生産物をそれらがコードする場合に、利用され得る。特定の実施形態において、受容可能な相同性の範囲は、50%より高い。標的種はヒト以外であり得るということが、理解されるべきである。
【0027】
1つの局面において、標的種の参照するデータベース中の2つ以上の別個の抗体からの最も類似する適合と、起源となる種由来の個々のフレームワーク領域(すなわち、FR1、FR2、FR3またはFR4)との相同性の程度を決定したら、例えば、上位100ヒットを含み得る一組の相同性配列が選択される。これは、データベース中で起源となる種由来の抗体と最も近い相同性を有する適合を探す間に、各個別のフレームワーク領域を用いてなされる。選択された配列の少なくとも2つが、データベース中の異なる抗体から得られ得ることが企図される。例えば、FR1は抗体1由来であり得、FR2は抗体2由来であり得、FR3は抗体1、抗体2、または抗体1でも抗体2でもない第3の抗体のいずれか由来であり得、そして、FR4は、少なくとも2つのFRが異なる抗体由来であるという注意を伴って、抗体1、抗体2、抗体3、または抗体1でも抗体2でも抗体3でもない抗体4のいずれか由来であり得る。別の例として、FR1は抗体1由来であり得、FR3は抗体2由来であり得、FR2は抗体1、抗体2、または抗体1でも抗体2でもない第3の抗体のいずれか由来であり得、そしてFR4は、少なくとも2つのFRが異なる抗体由来であるという注意を伴って、抗体1、抗体2、抗体3、または抗体1でも抗体2でも抗体3でもない抗体4のいずれか由来であり得る。別の例として、FR1は、抗体1由来であり得、FR4は抗体2由来であり得、抗体2は抗体1、抗体2、または抗体1でも抗体2でもない第3の抗体のいずれか由来であり得、そして、抗体3は、少なくとも2つのFRが異なる抗体由来であるという注意を伴って、抗体1、抗体2、抗体3、または抗体1でも抗体2でも抗体3でもない抗体4のいずれか由来であり得る。適切なフレームワーク領域候補を選択した後、重鎖可変領域および軽鎖可変領域のいずれかまたは両方が、起源となる種由来のCDRを、ハイブリッドフレームワーク領域に移植することによって、以下にさらに議論するように産生される。
【0028】
別の局面において、生殖細胞系列配列または再配列抗体配列の最も類似する適合と、起源となる種由来の個々のフレームワーク領域(すなわち、FR1、FR2、FR3またはFR4)との相同性の程度を決定したら、例えば、上位100ヒットを含み得る一組の相同性配列が選択される。この点で、FR1、FR2およびFR3に関して、その組のメンバーが、起源の生殖細胞系列ファミリー(すなわち、VH1、VH2、VH3など、VI、VII、VIIIなど、およびVλ1、Vλ2、Vλ3など)に分類され、さらに、可能な場合はファミリーメンバーに分類される。ファミリーおよびファミリーメンバーのより完全な列挙については、図1、2および3を参照のこと。常なる場合ではないが、各個別のフレームワーク領域に対して最も類似する配列適合は、代表的に異なる抗体または抗体フラグメント由来である。1つの実施形態において、2つ以上のフレームワーク領域が、同一の可変ファミリー中の抗体由来である。別の実施形態において、2つ以上のフレームワーク領域が、同一のファミリーメンバーからの異なる抗体由来である。別の実施形態において、3つまでのフレームワーク領域が、同一の抗体由来であり得る。たとえデータベース中に、高い相同性の程度を有する異なるファミリーからのフレームワーク配列が存在し得ても、より好ましい候補配列は、実際、より低い相同性を有するが、他の選択されたフレームワークとしての同一のファミリー由来であり得る。同様に、高い相同性を有する同一のファミリー由来であるが同一のファミリーの異なるメンバー由来であるフレームワーク配列がデータベース中に存在し得る;より好ましい候補は、他の選択されたフレームワークと同一のファミリーメンバー由来であり得る。任意の選択基準は、起源となる種の抗体に含まれる体細胞変異にどのフレームワーク配列が最も近く似ているかを見るための検査に関する。体細胞変異は、抗体の配列を、たとえそれらが同一のファミリーメンバー由来であっても、異なるものにする。特定の実施形態において、起源となる種の配列中で生じる体細胞変異に近くなるように選択することが好ましい。
【0029】
FR4領域は、FR1、FR2およびFR3のファミリー間およびファミリーメンバー間で適合しない。実際、FR4はJセグメント(図6参照)によってコードされ、適切なFR4配列の選択は、初期抗体FR4配列と、参照データベース中の最も類似するFR4配列との間の相同性に基づいて決定され得る。1つの実施形態において、FR4は、初期抗体と、再配列抗体配列参照データベースにおいて見出されるものとの間の最大の相同性の程度に基づいて選択される。特定の実施形態において、初期抗体由来のFR4と標的種の参照データベースから選択されたFR4との間は、100%の相同性が好ましい。初期抗体と完全に相同である必要はないが、生殖細胞系列配列のデータベースに基づく選択もまた、適切であり得る。任意の選択基準は、起源となる種の抗体に含まれる体細胞変異にどのフレームワーク配列が最も近く似ているかを見るための検査に関する。体細胞変異は、抗体の配列を、たとえそれらが同一のファミリーメンバー由来であっても、異なるものにする。特定の実施形態において、起源となる種の配列中で生じる体細胞変異に近くなるように選択することが好ましい。
【0030】
同じファミリーおよび/または同じファミリーメンバーから、適切なフレームワーク候補を選択した後に、重鎖可変領域および軽鎖可変領域のいずれかまたは両方は、元々の種由来のCDRをハイブリッドフレームワーク領域に移植することによって、生成される。ハイブリッド抗体または上記局面のいずれかに関するハイブリッド可変鎖領域を有するハイブリッド抗体フラグメントのアセンブリは、当業者に公知の従来法を使用して、達成され得る。例えば、本明細書中に記載されるハイブリッド可変ドメインをコードするDNA配列(すなわち、標的種に基づくフレームワークおよび元々の種由来のCDR)は、オリゴヌクレオチド合成および/またはPCRによって生成され得る。CDR領域をコードする核酸はまた、適切な制限酵素を使用して元々の種の抗体から単離され得、そして適切な連結酵素を使用して連結することによって、標的種のフレームワークに連結され得る。あるいは、元々の種の抗体の可変鎖のフレームワーク領域は、部位特異的変異誘発によって変化され得る。
【0031】
ハイブリッドは、各フレームワーク領域に対応する複数の候補の中から選択することによって構築されるので、本明細書中に記載される原理に従う構築を受ける、多くの配列の組み合わせが存在する。従って、個々のフレームワーク領域の異なる組み合わせを有するメンバーを有する、ハイブリッドのライブラリーが構築され得る。このようなライブラリーは、配列の電子的データベース収集またはハイブリッドの物理的収集であり得る。
【0032】
物理的抗体または抗体フラグメントのライブラリーの構築は、好ましくは、合成オリゴヌクレオチドを使用して達成される。1例において、オリゴヌクレオチドは、重複する領域を有するように設計され、その結果、これらは、アニールし得、そしてポリメラーゼ(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR))によって満たされ得る。複数工程の重複伸長は、VL遺伝子挿入物およびVH遺伝子挿入物を生成するために実施される。これらのフラグメントは、ヒト定常領域と重複する領域を伴って設計され、その結果、これらは、重複伸長によって融合されて、全長軽鎖およびFd重鎖フラグメントを生成し得る。軽鎖Fd領域および重鎖Fd領域は、重複伸長によって一緒に連結されて、ディスプレイベクター中にクローニングされるべき単鎖Fabライブラリー挿入物を生成し得る。ヒト化ライブラリー遺伝子の構築のための代替的方法もまた、使用され得る。例えば、ライブラリーは、リガーゼ連鎖反応(LCR)アプローチを使用して、重複するオリゴヌクレオチドから構築され得る。例えば、ChalmersおよびCurnow、Biotechniques(2001)30−2、p249−252を参照のこと。
【0033】
種々の形態の抗体フラグメントが生成され得、そしてハイブリッド抗体ライブラリーまたはハイブリッド抗体フラグメントライブラリーを生成するために、適切なベクター中にクローニングされ得る。例えば、可変遺伝子は、必要な定常領域の残りの部分をインフレームで含むベクター中にクローニングされ得る。クローニングされ得るさらなるフラグメントの例としては、全長軽鎖、重鎖のFd部分、または軽鎖Fdコード配列および重鎖Fdコード配列の両方を含むフラグメントが挙げられる。あるいは、ハイブリダイゼーションに使用される抗体フラグメントは、単鎖抗体(scFv)であり得る。
【0034】
任意の選択ディスプレイ系が、本開示に従うライブラリーと合わせて使用され得る。大きいライブラリーの所望のメンバーを単離するための選択プロトコルは、ファージディスプレイ技術に代表されるように、当該分野で公知である。多様なペプチド配列が糸状バクテリオファージの表面上に提示されるこのような系(ScottおよびSmith(1990)Science、249:386)は、標的抗原に結合する特異的抗体フラグメントのインビトロでの選択および増幅のための、抗体フラグメント(およびこれらをコードするヌクレオチド配列)のライブラリーを作製するために有用であることが証明されている。VH領域およびVL領域をコードするヌクレオチド配列は、E.coliのペリプラズム空間にこれらを指向させるリーダーシグナルをコードする遺伝子フラグメントに連結され、そして結果として、得られた抗体フラグメントは、バクテリオファージの表面上に、代表的にはバクテリオファージ被膜タンパク質(例えば、pIIIまたはpVIII)への融合物として、提示される。あるいは、抗体フラグメントは、λファージまたはT7キャプシド(ファージ本体(phagebody))上に外部に提示される。ファージベースのディスプレイ系の利点は、これらが生物学的系であるので、選択されたライブラリーメンバーが、細菌細胞中で、選択されたライブラリーメンバーを含むファージを増殖させることによって、簡単に増幅され得ることである。さらに、ポリペプチドライブラリーメンバーをコードするヌクレオチド配列が、ファージまたはファージミドベクター上に含まれるので、配列決定、発現および引き続く遺伝子操作は、比較的簡単である。バクテリオファージ抗体ディスプレイライブラリーおよびλファージ発現ライブラリーの構築のための方法は、当該分野で周知である(例えば、McCaffertyら(1990)Nature、348:552;Kangら(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、88:4363を参照のこと)。
【0035】
あるディスプレイアプローチは、scFvファージライブラリの使用であった(例えば、Hustonら,1988,Proc.Natl.Acad.Sci U.S.A.,85:5879−5883;Chaudharyら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci U.S.A.,87:1066−1070を参照のこと)。バクテリオファージ被覆タンパク質に提示されるscFvライブラリの種々の実施形態が、記載されている。ファージディスプレイアプローチの改良もまた、例えば、WO96/06213およびWO92/01047(Medical Research Councilら)ならびにWO97/08320(Morphosys)(これらは本明細書中に参考として援用される)に記載されるように、公知である。Fabライブラリのディスプレイもまた、例えば、WO92/01047(CAT/MRC)およびWO91/17271(Affymax)に記載されるように、公知である。
【0036】
ディスプレイベクターにクローニングされるハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントは、良好な結合活性を維持した改変体を同定するために、適切な抗原に対して選択され得る。なぜなら、この抗体または抗体フラグメントは、ファージ粒子またはファージミド粒子の表面に存在するからである。例えば、Barbas IIIら(2001)Phage Display,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York(この内容は本明細書中に参考として援用される)。例えば、Fabフラグメントの場合、軽鎖および重鎖のFd産物は、lacプロモーターの制御下にあり、そして各鎖は、このlacプロモーターに融合されたリーダーシグナルを有し、細菌宿主の細胞膜周辺腔に指向される。この抗体フラグメントが適切に構築し得るのは、この空間である。重鎖フラグメントは、ファージ被覆タンパク質ドメインとの融合物として発現され、これにより構築された抗体フラグメントは、新たに作製されたファージ粒子またはファージミド粒子の被覆に組み込まれ得る。新たなファージミド粒子の生成は、全ての必要なファージ遺伝子を含むヘルパーファージの付加を必要とする。一旦、抗体フラグメントのライブラリがファージ表面またはファージミド表面に提示されると、パニングと呼ばれるプロセスが、続く。これは、i)ファージ粒子またはファージミド粒子の表面に表示された抗体が、所望の抗原に結合し、ii)非バインダーが洗い流され、iii)結合した粒子が抗原から溶出され、そしてiv)溶出した粒子が、さらなる回数の選別のための濃縮プールを増幅するために、新鮮な細菌宿主に曝露される、方法である。代表的には、抗体クローンを特異的結合についてスクリーニングする前に、3回または4回のパニングが実施される。この様式において、ファージ/ファージミド粒子は、結合表現型(抗体)と遺伝子型(DNA)との関連付けを可能にし、それにより抗体ディスプレイ技術の使用が非常に首尾良くなる。しかし、選別および/またはスクリーニングのために、他のベクター様式(例えば、抗体フラグメントライブラリの溶解性ファージベクター(改変T7またはλZap系)へのクローニング)が、このヒト化プロセスに使用され得る。
【0037】
所望のハイブリッド抗体および/またはハイブリッド抗体フラグメントの選別の後、これらが、当業者に公知の任意の技術(例えば、原核生物細胞発現または真核生物細胞発現など)によって多量に産生され得ることが企図される。例えば、ハイブリッド抗体またはフラグメントは、抗体重鎖をコードする発現ベクターを構築するための従来の技術を使用することによって産生され得、ここで、(本明細書中に記載される技術に従って操作されるような)元の種の抗体結合特異性を保つために必要であるCDRおよび、必要な場合、可変領域フレームワークの最小部分は、元の種の抗体由来であり、そして抗体の残りは、本明細書中で記載されるように操作され得る標的種の免疫グロブリン由来であり、それによりハイブリッド抗体の重鎖の発現のためのベクターを産生する。
【0038】
さらに、抗体軽鎖をコードする発現ベクターが構築され得、この抗体軽鎖では、本明細書中で提供されるように操作され得る元の種の抗体結合特異性を保持するのに必要な1つ以上のCDR、および必要に応じて可変領域フレームワークの最小限の部分は、元の種の抗体に由来し、抗体の残りの部分は、本明細書中で提供されるように操作され得る標的種免疫グロブリンに由来し、それにより、ハイブリッド抗体軽鎖の発現のためのベクターを生じる。
【0039】
この発現ベクターは、次いで、従来の技術によって適切な宿主細胞に移入され、最適に操作された抗体または抗体フラグメントの発現のためのトランスフェクト宿主細胞を生成し得る。このトランスフェクトまたは形質転換された宿主細胞は、次いで、当業者に公知の任意の適切な技術を用いて培養され、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを生成する。
【0040】
特定の実施形態では、宿主細胞は、2つの発現ベクターで共トランスフェクトされ得、第一のベクターは、重鎖由来ポリペプチドをコードし、そして第二のベクターは、軽鎖由来ポリペプチドをコードする。この2つのベクターは、異なる選択マーカーを含み得るが、重鎖コード配列および軽鎖コード配列を除いては、好ましくは同一である。この手順は、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの同等の発現を提供する。あるいは、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの両方をコードする単一のベクターが使用され得る。重鎖および軽鎖のためのコード配列は、cDNAもしくはゲノムDNAあるいはその両方を含み得る。
【0041】
特定の実施形態では、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントを発現するために使用される宿主細胞は、細菌細胞(例えば、Escherichia coli)、または好ましくは真核生物細胞のいずれかであり得る。好ましくは、哺乳動物細胞(例えば、チャイニーズハブスター卵巣細胞またはNSO細胞)が使用され得る。発現ベクターの選択は、宿主細胞の選択に依存し、そして選択された宿主細胞において所望の発現および調節の特徴を有するように選択され得る。
【0042】
一旦生成されると、ハイブリッド抗体または抗体フラグメントは、当該分野の標準的な手順(クロスフロー濾過、硫安沈降、アフィニティーカラムクロマトグラフィー(例えば、プロテインA)、ゲル電気泳動などが挙げられる)によって精製され得る。
【0043】
ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントは、ヒトモノクローナル抗体またはヒト化モノクローナル抗体のような他のタンパク質(またはそれらの部分)と共に使用され得るか、またはこれらに接着され得る。これら他のタンパク質は、抗体が指向される疾患について特徴的な他のマーカー(エピトープ)に反応し得るか、または例えば、標的種の分子または細胞(例えば、レセプター、標的タンパク質、疾患細胞など)を補充するように、選ばれた異なった特異性を有し得る。ハイブリッド抗体またはその抗体フラグメントは、このようなタンパク質(またはその部分)と共に、別々に投与される組成物としてか、あるいは、定型的な化学的方法または分子生物学的方法により結合される2つの因子を含む単一の組成物として、投与され得る。さらに、この抗体の診断上の価値および治療学的な価値が、検出可能なシグナル(インビトロまたはインビボのどちらか)を産生する標識、または治療特性を有する標識で抗体を標識することによって増強され得る。いくつかの標識、例えば、放射性ヌクレオチド(radionucleotide)は、検出可能シグナルを産生し、また治療特性を有し得る。放射性ヌクレオチド(radionuclide)標識の例としては、125I、131I、14Cが挙げられる。他の検出可能な標識の例としては、蛍光顕微鏡検査のための緑色蛍光タンパク質、フルオレセイン、フィコビリプロテイン(phycobiliprotein)またはテトラエチルローダミンのような蛍光クロモスフィア(chromosphere)、蛍光、吸光度、可視色によって検出するための蛍光もしくは有色産物を生成する酵素、または電子顕微鏡検査による実証のための高い電子密度の産物を生成する凝集;あるいは直接または間接の電子顕微鏡検査可視化のためのフェリチン、ペルオキシダーゼまたは金ビーズのような高い電子密度の分子が挙げられる。
【0044】
本明細書中のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体フラグメントは、代表的に、薬学的キャリアを含む組成物において患者に投与され得る。薬学的キャリアは、モノクローナル抗体を患者に送達するのに適した、適合性の、非毒性の任意の物質であり得る。滅菌水、アルコール、脂肪、ワックス、および不活性固体が、キャリアの中に含まれ得る。薬学的に受容されたアジュバント(緩衝剤、分散剤)も、薬学的組成物に組み込まれ得る。
【0045】
ハイブリッド抗体組成物またはハイブリッド抗体フラグメント組成物は、種々の様式で患者に投与され得る。好ましくは、薬学的組成物は、非経口的投与(例えば、皮下投与、筋肉内投与、または静脈内投与)され得る。従って、非経口投与のための組成物は、受容可能なキャリア(好ましくは水性キャリア)中に溶解された抗体、抗体フラグメント、またはそのカクテルの溶液を含み得る。種々の水性キャリア(例えば、水、生理緩衝化食塩水、0.4%生理食塩水、0.3%グリシンなど)が、使用され得る。これらの溶液は、滅菌されており、一般的に粒子物質を含まない。これらの組成物は、従来の周知の滅菌技術により滅菌され得る。これらの組成物は、生理的条件に近づくために必要とされる薬学的に受容可能な補助物質(例えば、pH調整剤および緩衝剤、張度調整剤など(例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなど))を含み得る。これらの処方物中の抗体または抗体フラグメントの濃度は、広範に、例えば、約0.5重量%未満、通常は少なくとも約1重量%であるか、または少なくとも約1重量%から、15重量%または20重量%まで変化し得、選択される特定の投与様式に従って、主に流体体積、粘度などに基づいて選択される。
【0046】
非経口投与可能な組成物を調製するための実際の方法、および被験体に投与するために必要な調整は、当業者にとって公知であるかまたは明らかであり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Science、第17版、Mack Publishing Company,Easton,Pa(1985)(これは、本明細書中に参考として援用される)により詳細に記載されている。
【0047】
以下の実施例は、例示目的のために提供される。以下の実施例は、本明細書中に記載される主題のうちのいずれかを限定するものとしては解釈されるべきではない。
【実施例】
【0048】
(実施例1)
ヒトマンノース結合レクチンに対するマウスモノクローナル抗体(「初期抗体」)を、本明細書中に記載される技術と合わせて使用した。VH領域およびVL領域をクローン化して配列決定し、FR1、FR2、FR3、およびFR4と呼ばれる個々のフレームワーク領域を、併用Kabat/Chothia番号付けシステムを使用してCDRから区別した。モノクローナル抗体の可変軽鎖配列について、図4Aを参照のこと。NCBIタンパク質データバンクのBLASTサーチを、各個別の軽鎖フレームワーク領域をクエリーとして使用して、FR1で開始して行った。抗体配列遺伝子識別番号3747016を、初期抗体軽鎖のFR1と良好な相同性を有するFR1を有するとして選択した。図4Bを参照のこと。3747016は、ヒト生殖細胞系列Vk IIIファミリー(メンバーL2またはL16のいずれか)に属する(図1を参照のこと)。そのFR1は、初期抗体のFR1と78%の相同性を有する。抗体配列遺伝子識別番号5833827を、初期抗体のFR2と良好な相同性(73%)を有するFR2を有するとして選択した。図4Cを参照のこと。5833827は、Vk IIIファミリー(メンバーL2またはL16のいずれか)に属する。抗体配列遺伝子識別番号722614を、初期抗体のFR3と良好な相同性(81%)を有するFR3を有するとして選択した。図4Dを参照のこと。722614は、Vk IIIファミリー(メンバーL6)に属する。抗体配列遺伝子識別番号1785870を、初期抗体のFR4と良好な相同性(100%)を有するFR4を有するとして選択した。
【0049】
ハイブリッドヒト化可変軽鎖を、Promega Corp(Madison,Wisconsin)から市販されているAltered Sites II in vitro Mutagenesis Systemを使用して、初期抗体可変軽鎖フレームワーク領域の部位特異的変異誘発によって構築した。図7は、ハイブリッドヒト化可変軽鎖のそれぞれの核酸配列およびアミノ酸配列を示す。図7は、初期抗体配列と比較して変化した特定のヌクレオチド位置およびアミノ酸位置を示す。フレームワーク領域に下線が付されている。変化したヌクレオチドおよび変化したアミノ酸は、太字である。要約すると、Altered Sites II systemに従って、初期抗体VLをプラスミドpALTER−EX2(これは、クロラムフェニコール耐性遺伝子およびテトラサイクリン耐性遺伝子を含み、このクロラムフェニコール遺伝子は、変異鎖の選択を提供するためにクララムフェニコール修復オリゴヌクレオチドを使用して回復され得るフレームシフト変異を含む)と連結することによって、クローニングおよび形質転換を達成した。連結後、JM109 E.coli細胞をこのプラスミドで形質転換し、培養し、生じたプラスミドを単離した。単離したpALTER−EX2−VLプラスミドを、NaOH(アルカリ)を使用して変性させた。アニーリング反応および変異誘発反応は、アルカリ変性pALTER−EX2−VLを、ホスホリル化修復オリゴヌクレオチド、ノックアウトオリゴヌクレオチドおよび変異原性オリゴヌクレオチド(図8を参照のこと)+10×アニーリング緩衝液(Promega Corp.から市販されている)と混合することを包含した。この混合物を75℃まで5分間加熱し、室温まで冷却させた。T4ポリメラーゼ、T4リガーゼおよび10×合成緩衝液をこのアニーリング混合物に添加した。これらを37℃にて90分間インキュベートして、変異体鎖を合成した。ES1301 mutSコンピテント細胞(Promega Corp.から市販されている)を変異原性反応混合物の産物で形質転換することによって、変異生成物を分析した。これらの細胞は、インビボミスマッチ修復を抑制する。生じたミニプレッププラスミドを、JM109コンピテント細胞(Promega Corp.から市販されている)中に形質転換した。生じたJM109から精製したプラスミドを、配列決定分析によってスクリーニングした。生じた可変軽鎖は、図4Fに示されるようなCDRに作動可能に連結された、選択されたフレームワークを含んだ。
【0050】
図4Gは、フレームワーク領域単独(81%)、CDR単独(100%)および全VL鎖(86%)について、初期抗体軽鎖のハイブリッドヒト化バージョン(図4Fを参照のこと)と、初期抗体の軽鎖との間の相同性の程度を示すチャートである。フレームワーク領域単独(70%)、CDR単独(78%)およびVk鎖遺伝子(72%)について、初期抗体軽鎖のハイブリッドヒト化バージョンと、最も近いヒト生殖細胞系列ファミリーメンバーVkVl(A10/A26)との間の相同性の程度もまた示す。初期抗体のフレームワーク領域に対して最も類似のヒト再配列抗体軽鎖を同定し、そしてこの軽鎖(すなわち、ヒト再配列CDR接合VLおよび初期抗体軽鎖)へと初期抗体CDRを接合することによって構築されたヒト化軽鎖の間の相同性の程度もまた示し、フレームワーク領域単独(77%)、CDR単独(100%)および全VL鎖(83%)について、示される。最後に、フレームワーク領域単独(70%)、CDR単独(60%)およびVk鎖遺伝子(67%)について、このヒト再配列CDR接合Vkと最も近いヒト生殖細胞系列ファミリーメンバー(A14)との間の相同性の程度。このチャートから見られ得るように、本発明の開示に従って作製された、上で例示されるハイブリッド抗体軽鎖は、比較配列と比較される場合、フレームワーク領域と全体の可変重鎖との両方において、より高い相同性を示す。
【0051】
図4Hおよび図4Iは、クエリーとして全体の初期抗体軽鎖またはCDRを含まない結合フレームワーク領域のいずれかを使用する間に、GenBankにおいて最も類似する抗体間のフレームワーク相同性を示す。
【0052】
図5Aは、初期抗体の可変重鎖配列を示す。上記のように、NCBIタンパク質データバンクのBLAST検索を、各個々の可変重鎖フレームワーク領域をクエリーとして使用して、FR1で開始して行った。抗体配列遺伝子同定番号563649を、初期抗体重鎖のFR1に対して良好な相同性(91%)を有するFR1を有するように選択した。図5Bを参照のこと。563649は、ヒト生殖細胞系列VH4(メンバー31)に属する(図2を参照のこと)。抗体配列遺伝子同定番号951263を、初期抗体重鎖のFR2に対して良好な相同性(78.5%)を有するFR2を有するように選択した。図5Cを参照のこと。951263は、ヒト生殖細胞系列ファミリーVH4(メンバー31)に属する。抗体配列遺伝子同定番号484852を、初期抗体重鎖のFR3に対して良好な相同性(81%)を有するFR3を有するように選択した。図5Dを参照のこと。484852は、ヒト生殖細胞系列VH4(メンバー4またはメンバー31)に属する。抗体配列遺伝子同定番号2367531を、初期抗体重鎖のFR4に対して良好な相同性(100%)を有するFR4を有するように選択した。図5Eを参照のこと。2367531は、VH3(メンバー23)に属する。
【0053】
ハイブリッドヒト化可変重鎖を、Promega Corp(Madison,Wisconsin)から市販されているAltered Sites II in vitro Mutagenesis Systemを使用して、初期抗体可変重鎖フレームワーク領域の部位特異的変異誘発によって構築した。図7は、ハイブリッドヒト化可変重鎖のそれぞれの核酸配列およびアミノ酸配列を示し、そして初期抗体配列と比較した場合、変更された特定のヌクレオチドおよびアミノ酸の位置を示す。フレームワーク領域は下線を付され、そして変更されたヌクレオチドおよびアミノ酸は太字である。要約すると、Altered Sites II systemに従って、初期抗体VHをプラスミドpALTER−EX2(これは、クロラムフェニコール耐性遺伝子およびテトラサイクリン耐性遺伝子を含む。このクロラムフェニコール遺伝子は、変異体鎖の選択を提供するためにクロラムフェニコール修復オリゴヌクレオチドを使用して回復され得るフレームシフト変異を含む)と連結することによって、クローニングおよび形質転換を達成した。連結後、JM109 E.coli細胞をこのプラスミドで形質転換し、培養し、そして生じたプラスミドを単離した。この単離したpALTER−EX2−VHプラスミドを、NaOH(アルカリ)を使用して変性させた。アニーリング反応および変異誘発反応は、アルカリ変性pALTER−EX2−VHを、ホスホリル化修復ノックアウトオリゴヌクレオチドおよび変異原性オリゴヌクレオチド(図8を参照のこと)+10×アニーリング緩衝液(Promega Corp.から市販されている)と混合する工程を包含した。この混合を75℃まで5分間加熱し、そして室温まで冷却させた。T4ポリメラーゼ、T4リガーゼおよび10×合成緩衝液を、このアニーリング混合物に添加し、これを37℃にて90分間インキュベートして、変異体鎖を合成した。ES1301 mutSコンピテント細胞(Promega Corp.から市販されている)を変異原性反応混合物の産物で形質転換することによって、変異生成物を分析した。これらの細胞は、インビボミスマッチ修復を抑制する。生じたミニプレッププラスミドを、JM109コンピテント細胞(Promega Corp.から市販される)中に形質転換した。生じたJM109細胞から精製したプラスミドを、配列決定分析によってスクリーニングした。生じた可変重鎖は、図5Fに示されるようなCDRに作動可能に連結された、選択されたフレームワークを含んだ。
【0054】
図5Gは、フレームワーク領域単独(86.4%)、CDR単独(100%)および全VH鎖(90%)について、初期抗体重鎖のハイブリッドヒト化バージョン(図5Fを参照のこと)と、初期抗体の重鎖との間の相同性の程度を示すチャートである。フレームワーク領域単独(92.8%)、CDR単独(70%)およびVH鎖(86.6%)について、初期抗体のハイブリッドヒト化バージョンと、最も近いヒト生殖細胞系列ファミリーメンバーVH4−31との間の相同性の程度をまた示す。初期抗体のフレームワーク領域に対して最も類似のヒト再配列抗体重鎖を同定し、そしてこの重鎖(すなわち、ヒト再配列CDR接合VH)へと初期抗体CDRを接合することによって構築された初期抗体とヒト化鎖との間の相同性の程度をまた示し、フレームワーク領域単独(80%)、CDR単独(100%)および全VH鎖(86%)について、示される。最後に、フレームワーク領域単独(97%)、CDR単独(70%)および全VH鎖遺伝子(89.6%)について、このヒト再配列CDR接合VHと最も近いヒト生殖細胞系列ファミリーメンバー(VH4−31)との間の相同性の程度。チャートから見られ得るように、本発明の開示に従って作製された上に例示されるハイブリッド抗体は、比較配列と比較される場合、フレームワーク領域と全体の可変重鎖との両方において、より高い相同性を示す。
【0055】
図5Hおよび図5Iは、クエリーとして全体の初期抗体軽鎖か、またはCDRを含まない結合フレームワーク領域のいずれかを使用する間に、GenBankにおいて最も類似する抗体間のフレームワーク相同性を示す。
【0056】
結合親和性、会合速度定数および解離速度定数を、BlAcore 3000システム(Biacore Inc.,Piscataway,N.J.)を使用して、抗原としてマンナン結合レクチン(MBL)を使用して、そして製造者の指示書に従って、本開示に従って調製された初期抗体およびハイブリッド抗体(h3F8)について測定する。結果を、図12に示す。同じハイブリッド抗体およびその平均を使用する2つの試験を示す。
【0057】
(実施例2)
h−DC−SIGN−Fc(「初期抗体」)に対するマウスモノクローナル抗体を、本明細書中に記載される技術と組み合せて使用した。VH領域およびVL領域を、クローン化し、そして配列決定し、そしてFR1、FR2、FR3およびFR4と呼ばれる個々のフレームワーク領域を、混合Kabat/Chothia番号付けシステムを使用してCDRから区別した。モノクローナル抗体の可変軽鎖配列について、図9Aを参照のこと。NCBIタンパク質データバンクのBLAST検索を、各個々の可変軽鎖フレームワーク領域をクエリーとして使用して、FR1で開始して行った。
【0058】
(FR1)
抗体配列遺伝子同定番号441333を、初期抗体軽鎖のFR1に対して良好な相同性を有するFR1を有するとして選択した。図9Bを参照のこと。441333は、ヒト生殖細胞系列VII(図1を参照のこと)、メンバーA17に属し、そしてそのFR1は、初期抗体のFR1に対して82%の相同性を有する。抗体配列遺伝子同定番号5578780を、初期抗体軽鎖のFR1に対して良好な相同性を有するFR1を有する二次抗体として選択した。図9Bを参照のこと。5578780は、ヒト生殖細胞系列ファミリーVII(図1を参照のこと)、メンバーA3またはA9に属し、そしてそのFR1は、初期抗体のFR1に対して78%の相同性を有する。
【0059】
(FR2)
抗体配列遺伝子同定番号4324018を、初期抗体のFR2に対して良好な相同性(86%)を有するFR2を有するとして選択した。図9Cを参照のこと。4324018は、ファミリーVII、メンバーA3に属する。抗体配列遺伝子同定番号18041766は、初期抗体軽鎖のFR2に対して良好な相同性を有するFR2を有する二次抗体として選択した。図9Bを参照のこと。18041766は、ヒト生殖細胞系列ファミリーVII(図1を参照のこと)、メンバーA3に属し、そしてそのFR1は、初期抗体のFR1に対して86%の相同性を有する。
【0060】
(FR3)
抗体配列遺伝子同定番号553476および33251を、初期抗体のFR3に対して良好な相同性(93%)を有するFR3を有するとして選択した。図9Dを参照のこと。722614は、ファミリーVII、メンバーA3に属する。
【0061】
(FR4)
抗体配列遺伝子同定番号446245を、初期抗体のFR4に対して良好な相同性(100%)を有するFR4を有するとして選択した。図9Eを参照のこと。
【0062】
ハイブリッドヒト化可変軽鎖を、Promega Corp(Madison,Wisconsin)から市販されているAltered Sites II in vitro Mutagenesis Systemを使用して、初期抗体可変軽鎖フレームワーク領域の部位特異的変異誘発によって構築した。図9Fは、ハイブリッドヒト化可変軽鎖のアミノ酸配列を示し、そして初期抗体配列と比較した場合、変更された特定のアミノ酸の位置を示す。フレームワーク領域は太字であり、そして変更したアミノ酸は下線が付される。要約すると、Altered Sites II systemに従って、初期抗体VLをプラスミドpALTER−EX2(これは、クロラムフェニコール耐性遺伝子およびテトラサイクリン耐性遺伝子を含み、このクロラムフェニコール遺伝子は、変異体鎖の選択を提供するためにクロラムフェニコール修復オリゴヌクレオチドを使用して回復され得るフレームシフト変異を含む)と連結することによって、クローニングおよび形質転換を達成した。連結後、JM109 E.coli細胞をこのプラスミドで形質転換し、培養し、生じたプラスミドを単離した。単離したpALTER−EX2−VLプラスミドを、NaOH(アルカリ)を使用して変性させた。アニーリング反応および変異誘発反応は、アルカリ変性pALTER−EX2−VLを、ホスホリル化修復オリゴヌクレオチド、ノックアウトオリゴヌクレオチドおよび変異原性オリゴヌクレオチド(図8を参照のこと)+10×アニーリング緩衝液(Promega Corp.から市販されている)と混合する工程を包含した。この混合を75℃まで5分間加熱し、そして室温まで冷却させた。T4ポリメラーゼ、T4リガーゼおよび10×合成緩衝液を、このアニーリング混合物に添加し、これを37℃にて90分間インキュベートして、変異体鎖を合成した。ES1301 mutSコンピテント細胞(Promega Corp.から市販されている)を変異原性反応混合物の産物で形質転換することによって、変異生成物を分析した。これらの細胞は、インビボミスマッチ修復を抑制する。生じたミニプレッププラスミドを、JM109コンピテント細胞(Promega Corp.から市販される)中に形質転換した。生じたJM109細胞から精製したプラスミドを、配列決定分析によってスクリーニングした。生じた可変軽鎖は、図9Fに示されるようなCDRに作動可能に連結された、選択されたフレームワークを含んだ。
【0063】
図9Gは、フレームワーク領域単独(90%)、CDR単独(100%)および全VL鎖(93%)に関する、初期抗体軽鎖のハイブリッドヒト化型(図9Fを参照のこと)と初期抗体の軽鎖との間の相同性の程度を示すチャートである。フレームワーク領域単独(93%)、CDR単独(70%)およびVk鎖遺伝子(87%)に関する、初期抗体軽鎖のハイブリッドヒト化型と、最も近縁な生殖細胞系列ファミリーメンバーVkII(A17)との間の相同性の程度もまた示される。初期抗体フレームワーク領域に最も類似のヒト再配列抗体軽鎖を同定すること、およびこの軽鎖中に初期抗体CDRをグラフトすることにより構築されたヒト化軽鎖(すなわち、ヒト再配列CDRグラフト化VL)と、初期抗体軽鎖との間の相同性の程度もまた、フレームワーク領域単独(85%)、CDR単独(100%)および全VL鎖(89%)に関して示されている。最後は、フレームワーク領域単独(88%)、CDR単独(70%)およびVk鎖遺伝子(84%)に関する、このヒト再配列CDRグラフト化Vkと、最も近縁の生殖細胞系列ファミリーメンバーVkII(A17)との間の相同性の程度である。このチャートから見られるように、本開示に従って作製された上記に例示したハイブリッド抗体軽鎖は、匹敵し得る配列と比較したとき、フレームワーク領域および全体の可変重鎖の両方で、より大きな相同性を示している。
【0064】
図9Hは、クエリーとしてCDRなしに組み合わせたフレーム領域を用いて、GenBank中の最も類似の抗体間のフレームワーク相同性を示す。
【0065】
図10Aは、初期抗体の可変重鎖配列を示す。上記のように、NCBIタンパク質データバンクのBLAST検索は、FR1で開始するクエリーとして、各個々の可変重鎖フレームワーク領域を用いて実施された。
【0066】
(FR1)
抗体配列遺伝子識別番号18698373を、初期抗体重鎖のFR1に良好な相同性(80%)を有するFR1を有するとして選択した。図10Bを参照のこと。18698373は、ヒト生殖細胞系列ファミリーVH7、メンバー81に属する(図2を参照のこと)。抗体配列遺伝子識別番号392677を、初期抗体重鎖のFR1に良好な相同性をもつFR1を有する第2の抗体として選択した。図9Bを参照のこと。392677は、ヒト生殖細胞系列ファミリーVH1、メンバー2に属し(図2を参照のこと)、そしてそのFR1は、初期抗体のFR1に対して76%の相同性をもつ。
【0067】
(FR2)
抗体配列遺伝子識別番号886288を、初期抗体重鎖のFR2に良好な相同性(100%)を有するFR2を有するとして選択した。図10Cを参照のこと。886288は、ヒト生殖細胞系列ファミリーVH1、メンバー2に属する。抗体配列遺伝子識別番号999106を、初期抗体重鎖のFR2に良好な相同性をもつFR2を有する第2の抗体として選択した。図10Bを参照のこと。999106は、ヒト生殖細胞系列ファミリーVH1、メンバー46に属し(図2を参照のこと)、そしてそのFR2は、初期抗体のFR2に対して100%の相同性をもつ。
【0068】
(FR3)
抗体配列遺伝子識別番号5542538を、初期抗体重鎖のFR3に良好な相同性(81%)を有するFR3を有するとして選択した。図10Dを参照のこと。5542538は、ヒト生殖細胞系列ファミリーVH1、メンバー2に属する。
【0069】
(FR4)
抗体配列遺伝子識別番号4530559を、初期抗体重鎖のFR4に良好な相同性(100%)を有するFR4を有するとして選択した。図10Eを参照のこと。4530559は、(ヒト生殖細胞系列ファミリー)VH1、メンバー2に属する。
【0070】
ハイブリッドヒト化可変重鎖は、Promega Corp(Madison、Wisconsin)から市販されているAltered Sites II in vitro Mutagenesis Systemを用いて、初期抗体可変重鎖フレームワーク領域の部位特異的変異誘発により構築された。図10Fは、ハイブリッドヒト化可変重鎖のアミノ酸配列を示し、そして初期抗体配列と比較したとき、改変された特定のヌクレオチドおよびアミノ酸の位置を示している。フレームワーク領域は太字で、そして改変されたアミノ酸には下線を引いてある。要約すれば、上記Altered Sites II systemに従って、クローニングと形質転換を、初期抗体VHをプラスミドpALTER−EX2(これは、クロラムフェニコールおよびテトラサイクリン耐性の遺伝子を含み、このクロラムフェニコール遺伝子は、変異体鎖の選択を提供するためのクロラムフェニコール修復オリゴヌクレオチドを用いて回復され得るフレームシフト変異を含む)と連結することより達成した。連結後、JM109 E.coli細胞をこのプラスミドで形質転換し、培養し、そして得られたプラスミドを単離した。単離されたpALTER−EX2−VHプラスミドは、NaOH(アルカリ)を用いて変性した。アニーリングおよび変異誘発反応は、アルカリ−変性pALTER−EX2−VHを、リン酸化修復、ノックアウトおよび変異誘発オリゴヌクレオチド(図8を参照のこと)、プラス10×アニーリング緩衝液(Promega Corp.から市販されている)と混合することを包含した。混合物を75℃まで5分間加熱し、そして室温まで冷却させた。T4ポリメラーゼ、T4リガーゼおよび10×合成緩衝液を、アニーリング混合物に添加し、これを、37℃で90分間インキュベートし、変異体鎖を合成した。変異した産物は、ES1301 mutSコンピテント細胞(Promega Corp.から市販されている)を、変異誘発反応混合物の産物で形質転換することにより分析した。これらの細胞は、インビボミスマッチ修復を抑制する。得られるミニプレッププラスミドを、JM109コンピテント細胞(Promega Corp.から市販されている)中に形質転換した。得られるJM109細胞から精製されたプラスミドを、配列決定分析によりスクリーニングした。得られる可変重鎖は、図10Fに示されるような、CDRに作動可能に連結された選択フレームワークを含んでいた。
【0071】
図10Hは、フレームワーク領域単独(87%)、CDR単独(100%)および全VH鎖(91%)に関する、初期抗体重鎖のハイブリッドヒト化型(図10Fを参照のこと)と初期抗体の重鎖との間の相同性の程度を示すチャートである。フレームワーク領域単独(72%)、CDR単独(44%)およびVH鎖(64%)に関する、初期抗体のハイブリッドヒト化型と、最も近縁な生殖細胞系列ファミリーメンバーVH4−31との間の相同性の程度もまた示される。初期抗体と、初期抗体フレームワーク領域に最も類似のヒト再配列抗体重鎖を同定すること、およびこの重鎖中に初期抗体CDRをグラフトすることにより構築されたヒト化(すなわち、ヒト再配列CDRグラフト化VH)との間の相同性の程度もまた、フレームワーク領域単独(80%)、CDR単独(100%)および全VH鎖(87%)に関して示されている。最後は、フレームワーク領域単独(69%)、CDR単独(44%)および全VH鎖遺伝子(62%)に関する、このヒト再配列CDRグラフト化VHと、最も近縁の生殖細胞系列ファミリーメンバー(VH1−46)との間の相同性の程度である。このチャートから見られ得るように、本開示に従って作製された上記に例示したハイブリッド抗体は、匹敵し得る配列と比較したとき、フレームワーク領域および全体の可変重鎖の両方で、より大きな相同性を示している。
【0072】
図10Gは、クエリーとしてCDRなしに組み合わせたフレームワーク領域を用いたときの、BenBank中の最も類似の抗体間のフレームワーク相同性を示す。
【0073】
(競合ELISA)
ELISAプレートを、炭酸塩コーティング緩衝液中の2μg/mlのヤギ抗ヒトIgGでコートし、洗浄緩衝液で2回洗浄した。37℃におけるブロッキング緩衝液でのブロッキングの後、このウェルを洗浄緩衝液で2回洗浄し、そして次に、0.25μg/mlのhDC−SIGN−Fc(ブロッキング緩衝液中)とともに37℃で1時間インキュベートし、洗浄緩衝液で4回洗浄した。
【0074】
競合アッセイには、4μg/mlまたは1μg/mlいずれかのビオチン結合AZN−D1を、ブロッキング緩衝液中の異なる濃度のAZN−D1または本開示に従うハイブリッド抗体(hD1V1)または5G1.1抗体(米国特許第6,355,245号に記載の抗体、その開示は、この参考として本明細書中に援用される)と混合し、そしてRT(室温)で2時間インキュベートし、次いで、ウェルを洗浄緩衝液で6回洗浄し、RTで45分間、ブロッキング緩衝液中で、1:1000 SA−HRP(ストレプトアビジン−西洋ワサビペルオキシダーゼ)とインキュベートした。洗浄緩衝液で8回洗浄した後、ウェルを、0.03%過酸化水素を含むpH5.0の0.1Mクエン酸−リン酸緩衝液中でOPD(o−フェニレンジアミン)により発色し、492nmで読み取った。
【0075】
(抗hDC−SIGN ELISA REAGENTS)
(炭酸塩コーティング緩衝液、pH9.6)
NaCO 1.6g+NaHCO 2.9g
800mLのHOを加え、pH9.6にし、次いでHOで1Lにする。
【0076】
(ブロッキング緩衝液)
BSA 1g+PBS 100mL
BSAをPBSに加え、そして使用の前に完全に溶解させる。4℃で貯蔵する。
【0077】
(洗浄緩衝液)
(0.05% Tween/PBS):Tween 20 0.5g+PBS 1L
TweenをPBSに添加し、そして使用間前に完全に混合する。
【0078】
(クエン酸緩衝液)
クエン酸。50mL中2.1g。
【0079】
クエン酸ナトリウム(2水和物)。50mL中1.47g。
【0080】
一緒に溶液を加え、そしてpHを4.0〜4.2に調節する。
すべてのインキュベーションは、4℃で一晩、または室温で2時間、または37℃で1時間実施し得る。
【0081】
競合ELISA実験の結果を図11に示す。
【0082】
結合親和性、会合速度定数および解離速度定数は、初期抗体、および抗原としてh−Dc−SIGN−Fcを用い、それらの開示および以下の製造業者の指示書に従って調製された2つのハイブリッド抗体(D1V1およびD1V2)について決定される。これら結果を図13に示す。
【0083】
種々の改変が本明細書に開示の実施形態になされ得ることが理解される。従って、上記の説明は、制限として解釈されるべきではなく、好ましい実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付の特許請求の範囲の範囲および精神内でその他の改変を想定する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書中に記載の方法。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図4E】
image rotate

【図4F】
image rotate

【図4G】
image rotate

【図4H】
image rotate

【図4I】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5D】
image rotate

【図5E】
image rotate

【図5F】
image rotate

【図5G】
image rotate

【図5H】
image rotate

【図5I】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9−1】
image rotate

【図9−2】
image rotate

【図9−3】
image rotate

【図10−1】
image rotate

【図10−2】
image rotate

【図10−3】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−144551(P2012−144551A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−56050(P2012−56050)
【出願日】平成24年3月13日(2012.3.13)
【分割の表示】特願2009−92502(P2009−92502)の分割
【原出願日】平成14年12月3日(2002.12.3)
【出願人】(502116287)アレクシオン ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】