説明

ハンガーネット

【課題】 ハンガーネットにおいて、見た目をやさしくし、保管や輸送に便利にする。また、壁面の入隅部又は出隅部に取り付け可能にする。
【解決手段】 網1は、繊維紐2又は繊維糸を網状に配列してそれらの交差部を結合した繊維網にし、折り曲げ、折り畳みや湾曲を可能にし、繊維網にその上端に沿って横棒6を取り付け、横棒に繊維網を吊り下げ、横棒を壁面に取り付け可能にし、繊維網の目に釣り鉤を介して又は介せずに物品を掛ける構成にしている。また、横棒6、6a、6b、6cは、複数本に分割可能にし、横棒の分割した位置で横棒と繊維網を壁面の入隅部又は出隅部に合わせて折り曲げ可能にして、壁面の入隅部又は出隅部に取り付け可能にしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の物品を掛けて置くハンガーネットに関する。
【背景技術】
【0002】
ハンガーネットは、針金の枠の内側に多数の針金を縦横に配列して網に構成している。この金網のハンガーネットは、家庭や店舗の壁面に取り付けられる。そして、網目には、釣り鉤を引っ掛け、釣り鉤に物品を引っ掛ける。又は、釣り鉤を介せず、直接、物品を引っ掛ける。ハンガーネットは、家庭や店舗において、小物の日用品や台所用品、小物の商品のような各種の物品を掛けて置く。この種のハンガーネットは、特許文献1に例示される。
【0003】
ハンガーを兼ねた室内装飾品が特許文献2に開示されている。これは、多数の布の帯を縦横に配列して網状に編み合わせている。多数の縦帯と横帯の交差部は、それぞれ、左右の両側を糸で縫って筒部を設けている。各縦帯は、それぞれ、上端に環部を設け、環部に竿を横方向に貫通している。また、下端には、重りの金属環を取り付けている。この室内装飾品は、竿で吊り下げられる。そして、交差部の筒部には、釣り鉤、花びんや万年筆などを差し込む。
【0004】
【特許文献1】実開昭60−109470号公報
【特許文献2】実開昭52−109090号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[背景技術の課題]
金網のハンガーネットは、折り畳むことができず、軽量ではない。保管や輸送には、便利ではない。また、ハンガーネットの金網ないし針金は、家庭や店舗の室内では、見た目がやさしくない。更に、金網のハンガーネットは、人力で折り曲げられず、家庭や店舗の壁面の入隅部や出隅部には取り付けることができない。
【0006】
上記のハンガー兼用の室内装飾品は、手芸品であり、製作に多くの手間が掛かる。工業的に量産し難い。高価になる。また、この室内装飾品は、上端の竿が折り曲げられず、壁面の入隅部や出隅部には取り付けることができない。
【0007】
[課題を解決するための着想]
ゴルフ練習場では、ゴルフボールの飛行を規制するため、繊維紐又は繊維糸の網が使用されている。この繊維網は、金網とは異なり、人力で容易に折り曲げたり、折り畳んだり、湾曲したりすることができる。また、軽量であり、見た目がやさしい。ゴルフボール用の繊維網は、工業的に量産されている。高価ではない。
【0008】
そこで、ハンガーネットにおいて、金網に替えて、繊維網を用いることにした。また、針金の枠に替えて、繊維網を吊り下げる横棒を用いることにした。更に、横棒は、複数本に分割可能にすることにした。保管時や輸送時には、横棒は、分割して短くする。壁面の入隅部や出隅部に取り付けるときには、横棒を分割し、横棒の分割位置で、横棒と繊維網は、壁面の入隅部や出隅部に合わせて折り曲げる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1)網は、繊維紐又は繊維糸を網状に配列してそれらの交差部を結合した繊維網にし、折り曲げ、折り畳みや湾曲を可能にし、
繊維網にその上端に沿って横棒を取り付け、横棒に繊維網を吊り下げ、横棒を壁面に取り付け可能にし、
繊維網の目に釣り鉤を介して又は介せずに物品を掛ける構成にしていることを特徴とするハンガーネット。
2)上記のハンガーネットにおいて、
横棒は、複数本に分割可能にし、横棒の分割した位置で横棒と繊維網を壁面の入隅部又は出隅部に合わせて折り曲げ可能にして、壁面の入隅部又は出隅部に取り付け可能にしていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
ハンガーネットにおいて、網は、繊維網である。見た目がやさしい。折り曲げ、折り畳みや湾曲が可能で、軽量である。保管や輸送に便利である。
【0011】
また、横棒は、複数本に分割可能である。保管や輸送に便利である。横棒と繊維網は、壁面の入隅部又は出隅部に合わせて折り曲げ可能である。家庭や店舗などの壁面の入隅部又は出隅部に取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施形態のハンガーネットは、図1と図2に示すように、網1、上側の横棒6と下側の横棒6、及び、吊り紐11を有している。
【0013】
網1は、化学繊維の紐2を縦横に配列し縦紐と横紐の交差部を溶着して結合している。化学繊維紐の網、繊維網にしている。この網1は、網目を方形状にし、外周形状を方形状にしている。化学繊維の紐2は、ポリアミド系合成繊維の糸を撚り合わせて構成している。繊維網1は、平面状であり、折り曲げ、折り畳みや湾曲が人力で可能であり、容易である。また、見た目がやさしい。軽量である。この網1は、工業的に量産されているゴルフボール用の繊維網を転用している。
【0014】
繊維網1は、上端に沿って上側の横棒6を、下端に沿って下側の横棒6を取り付けている。上側の横棒6は、網1の最上段の網目を縫って左右方向に貫通している。下側の横棒6は、網1の最下段の網目を縫って左右方向に貫通している。上側の横棒6と網1の最上段の網目には、左側、中央と右側の3個所に亘って吊り紐11を取り付けている。吊り紐11は、化学繊維、天然繊維又は合成樹脂の紐にしている。
【0015】
吊り紐11は、家庭や店舗などの壁面wに突出している掛け具hに掛けると、吊り紐11に上側の横棒6が吊り下がり、上側の横棒6に網1が吊り下がる。網1は、自重で垂れ下がり、下側の横棒6の重さで下側に引っ張られる。
【0016】
上側の横棒6と下側の横棒6は、同一の構造にしている。横棒6は、金属又は合成樹脂の円筒にし、網1の左右方向の長さより少し長くし、3本に分割可能にしている。左側の横棒6aと中央の横棒6bの間、中央の横棒6bと右側の横棒6cの間には、それぞれ、連結子7を介在している。連結子7は、図3に示すように、合成樹脂の円筒形状にし、左側部の外周と右側部の外周にそれぞれ横棒6a、6b、6cの分割端部を嵌め込み、中央の大径部にそれぞれ横棒6a、6b、6cの分割端面を押し付けている。横棒6は、2本又は3本に分割するときには、分割位置の連結子7の片側又は両側に嵌合している横棒6a、6b、6cを抜き取る。逆に、連結するときには、連結子7に横棒6a、6b、6cを嵌め込む。
【0017】
このハンガーネットは、図1と図2に示すように、家庭や店舗などの壁面wの平面部に突出している掛け具hに吊り紐11を掛け、壁面wの平面部に取り付ける。網1は、壁面wの平面部に沿って平面状になる。壁面wの平面部に吊り下がった網1は、網目に物品を引っ掛ける。又は、網目には、釣り鉤を引っ掛け、釣り鉤に物品を引っ掛ける。網1の目には、物品を掛けて置く。
【0018】
また、ハンガーネットは、図4に示すように、壁面wの入隅部に取り付ける。この取り付け例では、上側の横棒6と下側の横棒6は、それぞれ、中央の横棒6bと右側の横棒6cの間で分割して2本にする。そして、その分割位置で、上側の横棒6と下側の横棒6及び網1を、折り曲げる。吊り紐11は、壁面wの入隅部に突出している掛け具に掛ける。上側の横棒6と下側の横棒6及び網1は、壁面wの入隅部に合わせて2つ折り状になる。網1は、左側部と中央部が入隅部の左側の面に沿って平面状になり、右側部が入隅部の右側の面に沿って平面状になる。壁面wの入隅部に吊り下がった網1は、左側部と中央部の網目に、また、右側部の網目に、それぞれ、物品を引っ掛ける。又は、釣り鉤を介して物品を引っ掛ける。網1の左側部と中央部の網目と右側部の網目には、それぞれ、物品を掛けて置く。
【0019】
更に、ハンガーネットは、図5に示すように、壁面wの出隅部に取り付ける。この取り付け例では、上側の横棒6と下側の横棒6は、それぞれ、左側の横棒6aと中央の横棒6bの間で分割して2本にする。そして、その分割位置で、上側の横棒6と下側の横棒6及び網1を、折り曲げる。吊り紐11は、壁面wの出隅部に突出している掛け具に掛ける。上側の横棒6と下側の横棒6及び網1は、壁面wの出隅部に合わせて2つ折り状になる。網1は、左側部が出隅部の左側の面に沿って平面状になり、中央部と右側部が出隅部の右側の面に沿って平面状になる。壁面wの出隅部に吊り下がった網1は、左側部の網目に、また、中央部と右側部の網目に、それぞれ、物品を引っ掛ける。又は、釣り鉤を介して物品を引っ掛ける。網1の左側部の網目と中央部と右側部の網目には、それぞれ、物品を掛けて置く。
【0020】
また、ハンガーネットは、図6に示すように、壁面wの隣接した入隅部と出隅部に取り付ける。この取り付け例では、上側の横棒6と下側の横棒6は、それぞれ、左側の横棒6aと中央の横棒6bの間、中央の横棒6bと右側の横棒6cの間で分割して3本にする。そして、その2個所の分割位置で、それぞれ、上側の横棒6と下側の横棒6及び網1を、折り曲げる。吊り紐11は、壁面wの入隅部と出隅部に突出している掛け具に掛ける。上側の横棒6と下側の横棒6及び網1は、壁面wの入隅部と出隅部に合わせて3つ折り状になる。網1は、左側部が入隅部の左側の面に沿って平面状になり、中央部が入隅部の右側の面、出隅部の左側の面に沿って平面状になり、右側部が出隅部の右側の面に沿って平面状になる。壁面wの入隅部と出隅部に吊り下がった網1は、左側部の網目に、中央部の網目に、また、右側部の網目に、それぞれ、釣り鉤を介して又は介せずに物品を引っ掛ける。網1の左側部の網目、中央部の網目と右側部の網目には、それぞれ、物品を掛けて置く。
【0021】
このハンガーネットは、保管時や輸送時には、上側の横棒6と下側の横棒6は、それぞれ、3本に分割する。上側の横棒6と下側の横棒6及び網1は、横棒6の2個所の分割位置で折り曲げ、3つ折りに折り畳む。上側の横棒6と下側の横棒6は、それぞれ、3本が重なり、束状になる。折り畳んだ網1は、下側の横棒6の3本の束に巻き付ける。吊り紐11は、下側の横棒6の束に巻き付けた網1に巻き付ける。嵩張らない。
【0022】
又は、上側の横棒6と下側の横棒6は、それぞれ、網1から抜き取り、3本に分割する。そして、合計6本の横棒6a、6b、6cは、束ねる。吊り紐11付の網1は、小さく折り畳む。嵩張らない。
【0023】
[変形例]
1)上記の実施形態において、上側の横棒6ないし網1の上端は、壁面wの掛け具hに取り付けるに当り、吊り紐11を介するが、吊り紐11を介しない。上側の横棒6ないし網1の上端は、直接、掛け具h又は壁面wに取り付ける。
2)上記の実施形態において、横棒6は、分割可能本数が3本であるが、2本又は4本にする。
3)上記の実施形態において、横棒6は、筒にし、分割部に連結子7を介在しているが、連結子7を介在しない。横棒6a、6b、6cは、一端に凸部を、他端に凹部を形成し、凸部と凹部の一方を他方に嵌め込む。分割時には、凸部と凹部の一方を他方から抜き出す。
4)上記の実施形態において、網1は、下端に下側の横棒6を取り付けているが、取り付けない。下側の横棒6は、用いない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態におけるハンガーネットの正面図。
【図2】同ハンガーネットの側面図。
【図3】同ハンガーネットの横棒の分割部の拡大縦断面で、(a)は連結状態を、(b)は分割状態を示す図。
【図4】同ハンガーネットを壁面の入隅部に取り付けた状態を示す平面図。
【図5】同ハンガーネットを壁面の出隅部に取り付けた状態を示す平面図。
【図6】同ハンガーネットを壁面の入隅部と出隅部に取り付けた状態を示す平面図。
【符号の説明】
【0025】
1 網、繊維網、化学繊維紐の網
2 化学繊維の紐
6 横棒、上側の横棒、下側の横棒、金属又は合成樹脂の円筒
6a 左側の横棒
6b 中央の横棒
6c 右側の横棒
7 連結子
11 吊り紐
w 壁面
h 掛け具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
網は、繊維紐又は繊維糸を網状に配列してそれらの交差部を結合した繊維網にし、折り曲げ、折り畳みや湾曲を可能にし、
繊維網にその上端に沿って横棒を取り付け、横棒に繊維網を吊り下げ、横棒を壁面に取り付け可能にし、
繊維網の目に釣り鉤を介して又は介せずに物品を掛ける構成にしていることを特徴とするハンガーネット。
【請求項2】
横棒は、複数本に分割可能にし、横棒の分割した位置で横棒と繊維網を壁面の入隅部又は出隅部に合わせて折り曲げ可能にして、壁面の入隅部又は出隅部に取り付け可能にしていることを特徴とする請求項1に記載のハンガーネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−34296(P2009−34296A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−200329(P2007−200329)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(591114630)
【Fターム(参考)】