説明

バッテリ充電装置

【課題】バッテリに無用な充電電流が流れる期間を短くして、バッテリ電圧の変動幅を狭くすることができるようにしたバッテリ充電装置を提供する。
【解決手段】発電機1の出力を整流してバッテリ3に供給する整流回路として、ブリッジの上側アーム及び下側アームが共にサイリスタTu〜Tw及びTx〜Tzにより構成された制御整流回路2を用いる。充電指令信号が発生している間に負の半波から正の半波に移行した相電圧によりアノードカソード間に順方向電圧が印加された上アーム側サイリスタ、及び充電指令信号が発生している間に正の半波から負の半波に移行した相電圧によりアノードカソード間に順方向電圧が印加された下アーム側サイリスタのみをオン状態にして、制御整流回路2からバッテリ3に充電電流を流すように制御整流回路2のサイリスタを制御するサイリスタ制御回路9u〜9w及び9x〜9zを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関などにより駆動される三相交流発電機の出力でバッテリを充電するバッテリ充電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関により駆動される三相交流発電機の出力でバッテリを充電するバッテリ充電装置として、特許文献1に示されているように、発電機の三相交流出力を整流し得た電流をバッテリに充電電流として供給する制御整流回路と、バッテリ電圧を設定値に保つために、バッテリ電圧に応じて制御整流回路のサイリスタのオンオフを制御するサイリスタ制御回路とを備えたものが用いられている。
【0003】
図4はこの種のバッテリ充電装置の基本的な構成を示したもので、同図において、1は内燃機関により駆動される三相交流発電機、2′は交流発電機1の出力を整流する制御整流回路、3は交流発電機1の出力を制御整流回路2′により整流して得た直流出力で充電されるバッテリ、4はバッテリ3の両端にスイッチ5を介して接続された負荷である。また6′はバッテリ電圧VBが設定値よりも低いことからバッテリが充電を必要とする状態にあることを検出した時に充電指令信号Vscを発生するバッテリ状態検出回路、7′はバッテリ状態検出回路6′が充電指令信号を発生しているときに制御整流回路2′のサイリスタにトリガ信号を供給するサイリスタ制御回路であり、制御整流回路2′と、バッテリ状態検出回路6′と、サイリスタ制御回路7′とにより充電制御装置8′が構成されている。
【0004】
交流発電機1は三相の発電コイルLu,Lv及びLwを有していて、図5(A)に示すように、U,V,W三相の交流電圧Vu,Vv,Vwを出力する。この例では、発電コイルLu〜Lwがスター結線されている。
【0005】
制御整流回路2′は、アノードが共通接続されたダイオードDxないしDzと、ダイオードDxないしDzのカソードにそれぞれアノードが接続され、カソードが共通接続されたサイリスタTuないしTwとからなっている。この制御整流回路においては、サイリスタTuのアノードとダイオードDxのカソードとの接続点、サイリスTvのアノードとダイオードDyのカソードとの接続点及びサイリスタTwのアノードとダイオードDzのカソードとの接続点がそれぞれ三相の交流入力端子2u,2v及び2wとなっていて、これらの入力端子にそれぞれ発電機1のU,V及びW三相の出力端子1u,1v及び1wが接続されている。またサイリスタTuないしTwのカソードの共通接続点及びダイオードDxないしDzのアノードの共通接続点がそれぞれプラス側直流出力端子2a及びマイナス側直流出力端子2bとなっていて、これらの直流出力端子間にバッテリ3が接続されている。
【0006】
バッテリ状態検出回路6′は、例えば図5(B)に示すように、時刻t1でバッテリ電圧が設定値よりも低くなった時に充電指令信号Vscを発生し、時刻t2でバッテリ電圧が設定値以上になった時に充電指令信号Vscの出力を停止する。
【0007】
サイリスタ制御回路7′は、バッテリ状態検出回路6′から充電指令信号Scが与えられているときに、U,V,W三相の電機子コイルLu,Lv,Lwのそれぞれの正の半波の期間にサイリスタTuないしTwのゲートにトリガ信号Vgを与える。
【0008】
制御整流回路2′のサイリスタTuないしTwは、それぞれのアノードカソード間に順方向電圧が印加されている状態で制御信号供給回路7からトリガ信号Vgが与えられたときにオン状態になってバッテリ3に充電電流を供給する。
【0009】
図5に示された例では、充電指令信号Vscが発生したときに、制御信号供給回路7′が、アノードカソード間に順方向電圧が印加されているサイリスタTvのゲートに制御信号Vgを与えるため、サイリスタTvがオン状態になり、V相の発電コイルLv−サイリスタTv−バッテリ3−ダイオードDx−U相の発電コイルLu−V相の発電コイルLvの経路と、V相の発電コイルLv−サイリスタTv−バッテリ3−ダイオードDz−W相の発電コイルLw−V相の発電コイルLvの経路とでバッテリ3に充電電流Ic(図5D)が流れる。
【0010】
また図示のように、発電機のW相の発電コイルの誘起電圧Vwの正の半波が開始された時に未だ充電指令信号Vscが発生していると、サイリスタ制御回路7′が、アノードカソード間に順方向電圧が印加されているサイリスタTwのゲートにトリガ信号を与えるため、サイリスタTwがオン状態になり、W相の発電コイルLw−サイリスタTw−バッテリ3−ダイオードDx−U相の発電コイルLu−W相の発電コイルLwの経路で充電電流Icが流れるようになる。
【0011】
更に、W相の発電コイルLwの誘起電圧の正の半波の期間にV相の発電コイルの誘起電圧の負の半波が開始されると、W相の発電コイル1w−サイリスタTw−バッテリ3−ダイオードDy−V相の発電コイルLv−W相の発電コイルLwの経路でも充電電流が流れる。時刻t3でW相の発電コイルの誘起電圧Vwが正の半波から負の半波に移行すると、サイリスタTwのアノードカソード間に逆方向電圧が印加されるため、サイリスタTwは、そのアノード電流が保持電流以下になった時点でターンオフする。
【0012】
図5に示した例において、バッテリ電圧を設定値まで上昇させるためには、同図(C)に示したように、時間tcの間バッテリに充電電流Ic′を流せばよいが、実際に流れる充電電流Icは、図5(D)に示したように、充電指令信号Vscが消滅した時刻t2でサイリスタTvに与えるトリガ信号Vgを消滅させた後、V相の発電コイルLvの誘起電圧が負の半波を迎える時刻では零にすることができず、制御信号Sgが消滅する時刻t2の直前に正の半波が立ち上がった発電コイルLwの誘起電圧が負の半波に移行する時刻t3までの間流れ続ける。この場合、時刻t2からt3の期間無用な充電電流が流れ続けてバッテリ電圧を上昇させることになる。
【0013】
上記のように、図4に示した従来のバッテリ充電装置では、充電指令信号Vscが消滅した時刻t2で、正の半波の期間にあるすべての相の発電コイルの誘起電圧が負の半波に移行するまでの間バッテリに充電電流が流れ続けるため、バッテリ電圧が充電を停止すべき値まで上昇して充電指令信号Vscが消滅した後も長い期間に亘って無用な充電電流が流れ、この無用な充電電流がバッテリ電圧を上昇させて、バッテリ電圧の変動幅を大きくするという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平8−214598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記のように、従来のバッテリ充電装置は、バッテリが充電を必要とする状態になったときに直ちにバッテリの充電を開始し、バッテリの充電が完了する直前に開始された特定の相の電機子コイルの正の半波が終了するまでの間バッテリに充電電流を流し続けるように構成されていた。そのため、従来のバッテリ充電装置によった場合には、バッテリの充電が完了した後に無用な充電電流が流れる期間が長くなり、その間バッテリ電圧が上昇するため、バッテリ電圧の変動幅が大きくなるという問題があった。
【0016】
本発明の目的は、バッテリに無用な充電電流が流れる期間を短くして、バッテリ電圧の変動幅を狭くすることができるようにしたバッテリ充電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、三相交流電圧を発生する交流発電機の出力でバッテリを充電するバッテリ充電装置に係わるものである。
【0018】
本発明に係わるバッテリ充電装置は、バッテリの電圧からバッテリが充電を必要としているか否かを検出してバッテリが充電を必要としていることを検出したとき及びバッテリが充電を必要としていないことを検出したときにそれぞれ充電指令信号及び充電停止指令信号を発生するバッテリ状態検出回路と、上アーム側サイリスタ及び下アーム側サイリスタによりそれぞれブリッジの上側アーム及び下側アームが構成されて交流発電機の三相出力を全波整流してバッテリに充電電流を供給するフルブリッジ型の制御整流回路と、充電指令信号及び充電停止指令信号に応じて制御整流回路の各サイリスタを制御するサイリスタ制御回路とを備えている。
【0019】
サイリスタ制御回路は、交流発電機が出力する三相の相電圧の内、充電指令信号が発生している間に負の半波から正の半波に移行した相電圧によりアノードカソード間に順方向電圧が印加された上アーム側サイリスタ、及び充電指令信号が発生している間に正の半波から負の半波に移行した相電圧によりアノードカソード間に順方向電圧が印加された下アーム側サイリスタのみをオン状態にして、交流発電機から制御整流回路を通してバッテリに充電電流を流すべく制御整流回路の上アーム側サイリスタ及び下アーム側サイリスタを制御するように構成されている。
【0020】
上記のように構成すると、充電指令信号が発生した後、何れかの上アーム側サイリスタのアノードカソード間に順方向電圧が印加され、次いで何れかの下アーム側サイリスタのアノードカソード間に順方向電圧が印加された時にバッテリへの充電電流の供給が開始され、バッテリが充電を必要としない状態になって充電指令信号が消滅した時にオン状態にある上アーム側サイリスタのアノードカソード間に印加されている相電圧が正の半波から負の半波に移行して該上アーム側サイリスタがターンオフした時にバッテリへの充電電流の供給が停止される。
【0021】
このように、本発明においては、充電指令信号が発生した時に直ちにバッテリへの充電電流の供給を開始するのではなく、充電指令信号が発生した時刻と、実際にバッテリへの充電電流の供給が開始される時刻との間に遅れ時間を持たせたので、バッテリに充電電流を流すトータルの時間を従来よりも短くすることができる。従って、バッテリに無用な充電電流が流れる時間を短くすることができ、従来のバッテリ充電装置によった場合に比べて、バッテリ電圧の変動幅を狭くすることができる。
【0022】
本発明の好ましい態様では、上記サイリスタ制御回路が、制御整流回路の各上アーム側サイリスタを制御するために各上アーム側サイリスタに対して設けられた上アーム側サイリスタ制御回路と、制御整流回路の各下アーム側サイリスタを制御するために各下アーム側サイリスタに対して設けられた下アーム側サイリスタ制御回路とからなっている。
【0023】
各上アーム側サイリスタ制御回路は、各上アーム側サイリスタのアノードゲート間に設けられて、交流発電機から各上アーム側サイリスタのアノードに印加される相電圧が正の半波にあるときに各上アーム側サイリスタのアノード側から駆動信号が供給されることによりオン状態になって、各上アーム側サイリスタのアノード側からゲートにトリガ信号を供給する上アーム側サイリスタトリガ用スイッチと、各上アーム側サイリスタトリガ用スイッチに駆動信号を供給する回路にアノードが結合されるとともにカソードが制御整流回路のマイナス側の直流出力端子に接続されて、オン状態にあるときに各上アーム側サイリスタトリガ用スイッチに供給される駆動信号を各上アーム側サイリスタトリガ用スイッチから側路する上アーム側駆動信号側路用サイリスタとを備えている。
【0024】
各下アーム側サイリスタ制御回路は、各下アーム側サイリスタのアノードゲート間に設けられて、交流発電機から各下アーム側サイリスタのカソードに印加される相電圧が負の半波にあるときに各下アーム側サイリスタのアノード側から駆動信号が供給されることによりオン状態になって、各下アーム側サイリスタのカソード側からゲートにトリガ信号を供給する下アーム側サイリスタトリガ用スイッチと、各下アーム側サイリスタトリガ用スイッチに駆動信号を供給する回路にアノードが結合されるとともにカソードが各下アーム側サイリスタのカソードに接続されて、オン状態にあるときに各下アーム側サイリスタトリガ用スイッチに供給される駆動信号を各下アーム側サイリスタトリガ用スイッチから側路する下アーム側駆動信号側路用サイリスタとを備えている。
【0025】
また上記バッテリ状態検出回路が充電停止指令信号を発生しているときに各上アーム側駆動信号側路用サイリスタ及び各下アーム側駆動信号側路用サイリスタに同時にトリガ信号を与えるトリガ信号供給回路が設けられている。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、充電指令信号が発生した時に直ちにバッテリへの充電電流の供給を開始するのではなく、充電指令信号が発生した時刻と、実際にバッテリへの充電電流の供給が開始される時刻との間に遅れ時間を持たせたので、バッテリに充電電流を流すトータルの時間を従来よりも短くすることができる。従って、バッテリに無用な充電電流が流れる時間を短くして、バッテリ電圧の変動幅を狭くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係わるバッテリ充電装置の一実施形態の回路構成を示した回路図である。
【図2】(A)は、図1の実施形態において発電機が出力する三相交流電圧の波形を示した波形図、(B)は同実施形態においてバッテリ状態検出信号が発生する指令信号を模式的に示した波形図、(C)は同実施形態においてバッテリ電圧が設定値に達するまでに流す必要がある充電電流の波形を模式的に示した波形図、(D)は同実施形態においてバッテリに実際に流れる実充電電流の波形を模式的に示した波形図である。
【図3】(A)ないし(D)はそれぞれ図2(A)ないし(D)と同様の波形図、(E)ないし(J)は図1の実施形態の制御整流回路の上アーム側サイリスタ及び下アーム側サイリスタのオンオフ動作を示したタイミングチャート、(K)ないし(P)は図1の実施形態に設けられている駆動信号側路用サイリスタのオンオフ動作を示したタイミングチャートである。
【図4】従来のバッテリ充電装置の構成を示した回路図である。
【図5】(A)は、図4に示したバッテリ充電装置において発電機が出力する三相交流電圧の波形を示した波形図、(B)は同バッテリ充電装置に設けられているバッテリ状態検出回路が発生する指令信号を模式的に示した波形図、(C)は同バッテリ充電装置においてバッテリ電圧が設定値に達するまでに流す必要がある充電電流の波形を模式的に示した波形図、(D)は同バッテリ充電装置においてバッテリに実際に流れる充電電流の波形を模式的に示した波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下図面を参照して本発明の一実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係わるバッテリ充電装置の一実施形態の構成を示したものである。同図において、1は内燃機関等の原動機により駆動されて三相交流電圧を出力する三相交流発電機、2は上アーム側サイリスタTuないしTwと下アーム側サイリスタTxないしTwとにより構成されて、発電機1の出力を整流する制御整流回路、3は交流発電機1の出力を制御整流回路2により整流して得た直流出力で充電されるバッテリ、4はバッテリ3の両端にスイッチ5を介して接続された負荷である。また6はバッテリ3の電圧からバッテリ3が充電を必要としているか否かを検出してバッテリ3が充電を必要としていることを検出したとき及びバッテリ3が充電を必要としていないことを検出したときにそれぞれ充電指令信号及び充電停止指令信号を発生するバッテリ状態検出回路である。更に本実施形態においては、制御整流回路2を構成する各サイリスタに接続されたトランジスタTRuないしTRw、TRxないしTRz及びサイリスタSuないしSw,SxないしSzを含む部品群により、充電指令信号及び充電停止指令信号に応じて制御整流回路2の各サイリスタを制御するサイリスタ制御回路9u〜9w及び9x〜9zが構成されていて、制御整流回路2と、バッテリ状態検出回路6と、サイリスタ制御回路9u〜9w及び9x〜9zとにより、充電制御装置8が構成され、この充電制御装置と、交流発電機1とによりバッテリ充電装置が構成されている。以下各部の構成を詳述する。
【0029】
三相交流発電機1は、内燃機関等の原動機により駆動されて三相交流電圧を出力する発電機で、この発電機は、ロータの磁極が永久磁石により構成される磁石式交流発電機でもよく、界磁鉄心と該界磁鉄心に巻回された界磁巻線とにより界磁が構成される交流発電機(オルタネータ)でもよい。発電機1には、三相の発電コイルLu,Lv及びLwが設けられていて、これらの発電コイルが、図2(A)に示すように、U,V,W三相の交流電圧Vu,Vv及びVwを誘起する。この例では、発電コイルLu〜Lwがスター結線されている。
【0030】
制御整流回路2は、カソードが共通接続された上アーム側サイリスタTuないしTwによりブリッジの上側アームが構成され、サイリスタTuないしTwのアノードにそれぞれカソードが接続されるとともにアノードが共通接続された下アーム側サイリスタTxないしTwによりブリッジの下側アームが構成されたフルブリッジ型の三相全波整流回路からなっている。この制御整流回路においては、サイリスタTuのアノードとサイリスタTxのカソードとの接続点、サイリスTvのアノードとサイリスタTyのカソードとの接続点及びサイリスタTwのアノードとサイリスタTzのカソードとの接続点がそれぞれ三相の交流入力端子2u,2v及び2wとなっていて、これらの入力端子にそれぞれ発電機1のU,V及びW三相の出力端子1u,1v及び1wが接続されている。またサイリスタTuないしTwのカソードの共通接続点及びサイリスタTxないしTzのアノードの共通接続点がそれぞれプラス側直流出力端子2a及びマイナス側直流出力端子2bとなっていて、これらの直流出力端子2a,2b間にバッテリ3が接続されている。
【0031】
バッテリ状態検出回路6は、制御整流回路2のプラス側直流出力端子2aに一端が接続された抵抗器R1と、抵抗器R1の他端にカソードが接続され、アノードが抵抗器R2を通して制御整流回路のマイナス側直流出力端子2bに接続されたツェナーダイオードZDと、制御整流回路2のプラス側直流出力端子2aにエミッタが接続され、抵抗器R1とツェナーダイオードZDとの接続点にベースが接続されたPNPトランジスタTR1とにより構成されている。このバッテリ状態検出回路6は、バッテリ3の両端の電圧(バッテリ電圧)からバッテリが充電を必要とする状態にあることを検出したときにトランジスタTR1をオフ状態に保つことにより充電指令信号を発生し、バッテリ電圧からバッテリ3が充電を必要としていないことを検出したときに、トランジスタTR1をオン状態にすることにより充電停止指令信号を発生する。
【0032】
本実施形態では、バッテリ電圧が設定値よりも低いときにバッテリが充電を必要としていることを検出し、バッテリ電圧が設定値以上であるときにバッテリが充電を必要としていないことを検出する。即ち、バッテリ電圧が設定値よりも低く、バッテリ3が充電を必要とするときには、ツェナーダイオードZDがオフ状態にあるため、トランジスタTR1にベース電流が流れず、トランジスタTR1がオフ状態を保持する。このときトランジスタTR1のコレクタ(バッテリ状態検出回路の出力端子)の電位は零レベルを保持する。またバッテリ電圧が設定値以上になってバッテリが充電を必要としなくなったときには、ツェナーダイオードZDがオン状態になるため、トランジスタTR1にベース電流が流れて、トランジスタTR1がオン状態になり、バッテリ状態検出回路6の出力端子の電位が高レベルになる。本実施形態では、図2(B)に示したように、バッテリ状態検出回路の出力端子の電位が高レベルになっている状態を充電停止指令Vs1が発生している状態とし、図2(B)に示したように、バッテリ状態検出回路の出力端子の電位が零レベルになっている状態を充電指令信号Vs2が発生している状態としている。
【0033】
制御整流回路2の上アーム側サイリスタTuないしTwのそれぞれのアノードには、アノードをこれらのサイリスタのアノード側に向けたダイオードD1uないしD1wを通してNPNトランジスタTRuないしTRwのコレクタが接続され、トランジスタTRuないしTRwのエミッタがそれぞれ抵抗器R1uないしR1wを通してサイリスタTuないしTwのゲートに接続されている。またトランジスタTRuないしTRwのコレクタにそれぞれ抵抗器R2uないしR2wを通してダイオードD2uないしD2wのアノードが接続され、ダイオードD2uないしD2wのカソードがそれぞれトランジスタTRuないしTRwのベースに接続されている。更に抵抗器R2uないしR2wとダイオードD2uないしD2wのアノードとの接続点にサイリスタSuないしSwのアノードが接続され、サイリスタSuないしSwのカソードが制御整流回路2のマイナス側直流出力端子2bに接続されている。
【0034】
本実施形態では、ダイオードD1uないしD1wと抵抗器R2uないしR2wとダイオードD2uないしD2wとにより、交流発電機1から上アーム側サイリスタTuないしTwのそれぞれのアノードに印加される相電圧が正の半波にあるときに、トランジスタTuないしTwをオン状態にするために、上アーム側サイリスタTuないしTwのアノード側からトランジスタTRuないしTRwにベース電流(駆動信号)を供給する駆動信号供給回路が構成されている。トランジスタTRuないしTRwにより、上アーム側サイリスタTuないしTwのそれぞれのアノード側からゲートにトリガ信号を供給する上アーム側サイリスタトリガ用スイッチが構成され、交流発電機1から上アーム側サイリスタTuないしTwのそれぞれのアノードに印加される相電圧が正の半波にあるときに、トランジスタTRuないしTRwがオン状態になって、サイリスタTuないしTwのアノード側からゲートにトリガ信号を供給することにより、サイリスタTuないしTwをトリガするようになっている。
【0035】
本実施形態ではまた、トランジスタTRuないしTRwに駆動信号を供給する回路を構成するダイオードD2uないしD2wと抵抗器R2uないしR2wとの接続点に、上アーム側駆動信号側路用サイリスタSuないしSwのアノードが接続され、これらのサイリスタSuないしSwのカソードは制御整流回路のマイナス側直流出力端子に2bに接続されている。サイリスタSuないしSwのゲートには、バッテリ状態検出回路6のトランジスタTR1のコレクタから抵抗RuないしRwとダイオードDuないしDwとを通してトリガ信号が与えられる。
【0036】
本実施形態では、トランジスタTRuないしTRwにより、上アーム側サイリスタTuないしTwのそれぞれのアノードゲート間に設けられて、交流発電機1から上アーム側サイリスタTuないしTwのアノードに印加される相電圧が正の半波にあるときに上アーム側サイリスタTuないしTwのアノード側から駆動信号が供給されることによりオン状態になって、各上アーム側サイリスタのアノード側からゲートにトリガ信号を供給する上アーム側サイリスタトリガ用スイッチが構成されている。
【0037】
またサイリスタSuないしSwは、上アーム側サイリスタトリガ用スイッチを構成するトランジスタTRuないしTRwに駆動信号を供給する回路にアノードが結合されるとともにカソードが制御整流回路2のマイナス側直流出力端子2aに接続された上アーム側駆動信号側路用サイリスタであり、これらのサイリスタSuないしSwがオン状態にあるときに、対応するトランジスタTRuないしTRw(上アーム側サイリスタトリガ用スイッチ)に供給される駆動信号(ベース電流)がトランジスタTRuないしTRwからから側路されることにより、トランジスタTRuないしTRwがオフ状態にされるようになっている。
【0038】
本実施形態では、上アーム側サイリスタTuないしTwのそれぞれに対して設けられたトランジスタTRuないしTRw(上アーム側サイリスタトリガ用スイッチ)と、トランジスタTRuないしTRwにそれぞれ接続されたダイオードD1u〜D1w,D2u〜D2w及び抵抗器R1u〜R1w,R2u〜R2wと、上アーム側駆動信号側路用サイリスタSuないしSwとにより、上アーム側サイリスタTuないしTwをそれぞれ制御する上アーム側サイリスタ制御回路9uないし9wが構成されている。
【0039】
制御整流回路2の下アーム側サイリスタTxないしTzのそれぞれのアノードには、NPNトランジスタTRxないしTRzのコレクタが接続され、トランジスタTRxないしTRzのエミッタがそれぞれ抵抗器R1xないしR1zを通してサイリスタTxないしTzのゲートに接続されている。またトランジスタTRxないしTRzのコレクタベース間に抵抗器R2xないしR2zが接続され、抵抗器R2xないしR2zとトランジスタTRxないしTRzのベースとの接続点にサイリスタSxないしSzのアノードが接続されている。サイリスタSxないしSzのカソードは、下アーム側サイリスタTxないしTzのカソードに接続されている。サイリスタSxないしSzのゲートには、バッテリ状態検出回路6のトランジスタTR1のコレクタから抵抗RxないしRzとダイオードDxないしDzとを通してトリガ信号が与えられる。
【0040】
本実施形態では、トランジスタTRxないしTRzにより、下アーム側サイリスタTxないしTzのそれぞれのアノード側からゲートにトリガ信号を供給する下アーム側サイリスタトリガ用スイッチが構成されている。また抵抗器R2xないしR2zにより、交流発電機1から下アーム側サイリスタTxないしTzのそれぞれのカソードに印加される相電圧が負の半波にあるときに、トランジスタTRxないしTRzをオン状態にするために、下アーム側サイリスタTxないしTzのアノード側からトランジスタTRxないしTRzにベース電流(駆動信号)を供給する駆動信号供給回路が構成され、交流発電機1から下アーム側サイリスタTxないしTzのそれぞれのカソードに印加される相電圧が負の半波にあるときに、トランジスタTRxないしTRzがオン状態になってサイリスタTxないしTzのアノード側からゲートにトリガ信号を供給することにより、サイリスタTxないしTzをトリガするようになっている。
【0041】
またサイリスタSxないしSzはそれぞれ、下アーム側サイリスタトリガ用スイッチを構成するトランジスタTRxないしTRzに駆動信号を供給する回路にアノードが結合されるとともにカソードが下アーム側サイリスタTxないしTzのカソードに接続されて、オン状態にあるときにトランジスタTRxないしTRzに供給されるベース電流をそれぞれのトランジスタから側路する下アーム側駆動信号側路用サイリスタであり、これらのサイリスタSxないしSzがオン状態にあるときに、対応するトランジスタTRxないしTRz(下アーム側サイリスタトリガ用スイッチ)に供給される駆動信号(ベース電流)がトランジスタTRxないしTRzからから側路されることにより、トランジスタTRxないしTRzがオフ状態にされるようになっている。
【0042】
本実施形態では、下アーム側サイリスタTxないしTzのそれぞれに対して設けられたトランジスタTRxないしTRz (下アーム側サイリスタトリガ用スイッチ)と、トランジスタTRxないしTRz にそれぞれ接続された抵抗器R1x〜R1z及びR2x〜R2zと、下アーム側駆動信号側路用サイリスタSx〜Szとにより、下アーム側サイリスタTxないしTzをそれぞれ制御する下アーム側サイリスタ制御回路9xないし9zが構成されている。
【0043】
また上記上アーム側サイリスタ制御回路9u〜9wと、下アーム側サイリスタ制御回路9xないし9zとにより、サイリスタ制御回路が構成されている。このサイリスタ制御回路は、バッテリ状態検出回路6が充電指令信号を発生しているときに、交流発電機1が出力する三相の相電圧の内、充電指令信号が発生している間に負の半波から正の半波に移行した相電圧によりアノードカソード間に順方向電圧が印加された上アーム側サイリスタ、及び充電指令信号が発生している間に正の半波から負の半波に移行した相電圧によりアノードカソード間に順方向電圧が印加された下アーム側サイリスタのみをオン状態にして、交流発電機1から制御整流回路2を通してバッテリ3に充電電流を流すように、制御整流回路2の上アーム側サイリスタTuないしTw及び下アーム側サイリスタTxないしTzを制御する。
【0044】
更に、本実施形態では、抵抗器RuないしRw及びRxないしRzとダイオードDuないしDw及びDxないしDzとにより、バッテリ状態検出回路が充電停止指令信号を発生しているときに各上アーム側駆動信号側路用サイリスタ及び各下アーム側駆動信号側路用サイリスタに同時にトリガ信号を与えるトリガ信号供給回路が構成されている。
【0045】
本実施形態に係わるバッテリ充電装置の動作を図2及び図3を参照して説明する。本実施形態に係わるバッテリ充電装置において、交流発電機1は、電機子巻線LuないしLwから図2(A)及び図3(A)に示すように三相の交流発電機VuないしVwを出力する。バッテリ3の両端の電圧が設定値以上であって、バッテリ3が充電を必要としていないときには、バッテリ状態検出回路6のツェナーダイオードZDがオン状態にあるため、トランジスタTR1にベース電流が流れ、トランジスタTR1がオン状態にある。このときバッテリ3からトランジスタTR1のエミッタコレクタ間と抵抗器Ru〜RwとダイオードDu〜Dwとを通して上アーム側駆動信号側路用サイリスタSu〜Swにトリガ信号が与えられるため、発電機1から上アーム側サイリスタTuないしTwのアノードにそれぞれ印加される相電圧の正の半波の期間にあるときに、上アーム側駆動信号側路用サイリスタSu〜Swのうち、アノードカソード間に順方向電圧が印加されるサイリスタがオン状態になる。オン状態になった上アーム側駆動信号側路用サイリスタSu〜Swは、発電機1からアノードに印加される相電圧が正の半波の期間にある制御整流回路の上アーム側サイリスタTuないしTwのゲートにトリガ信号を供給するトランジスタTRuないしTRwのベース電流をこれらのトランジスタから側路する。そのため、バッテリ3が充電を必要としていないとき(図2Bにおいて充電停止指令信号Vs1が発生しているとき)には、上アーム側サイリスタTuないしTwにトリガ信号が供給されず、これらのサイリスタはオフ状態を保持する。
【0046】
またバッテリ3が充電を必要としていない状態にあって、トランジスタTR1がオン状態にあるときには、バッテリ3からトランジスタTR1のエミッタコレクタ間と抵抗器Rx〜RzとダイオードDx〜Dzとを通して下アーム側駆動信号側路用サイリスタSx〜Szにトリガ信号が与えられるため、発電機1から制御整流回路の下アーム側サイリスタTxないしTzのカソードにそれぞれ印加される相電圧の負の半波の期間にあるときに、下アーム側駆動信号側路用サイリスタSx〜Szのうち、アノードカソード間に順方向電圧が印加されるサイリスタがオン状態になる。オン状態になった下アーム側駆動信号側路用サイリスタSx〜Szは、発電機1からアノードに印加される相電圧が正の半サイクルの期間にある制御整流回路の下アーム側サイリスタTxないしTzのゲートにトリガ信号を供給するトランジスタTRxないしTRzのベース電流をこれらのトランジスタから側路する。そのため、バッテリ3が充電を必要としていないときには、制御整流回路の下アーム側サイリスタTxないしTzにトリガ信号が供給されず、これらのサイリスタもオフ状態を保持する。
【0047】
これに対し、図2(B)に示した時刻t1でバッテリ3の両端の電圧が設定値よりも低くなって、バッテリが充電を必要とする状態になったときには、ツェナーダイオードZDがオフ状態になるため、トランジスタTR1がオフ状態になり、バッテリ状態検出回路6は、図2(B)に示すように0レベルの充電指令信号Vs2が発生する状態になる。このとき上アーム側駆動信号側路用サイリスタSuないしSwにトリガ信号が供給されないため、これらのサイリスタは、制御整流回路2の上アーム側サイリスタTuないしTwのそれぞれのアノードに交流発電機から印加される相電圧が正の半波から負の半波に移行したときにオフ状態になる。上アーム側駆動信号側路用サイリスタSuないしSwがオフ状態にあるときには、交流発電機1から制御整流回路2の上アーム側サイリスタTuないしTwのアノードに印加される相電圧の正の半波の期間に、トランジスタTRuないしTRwを通して上アーム側サイリスタTuないしTwにトリガ信号が与えられるため、これらのサイリスタTuないしTwは、発電機からアノードに印加される相電圧が負の半波から正の半波に移行した際にオン状態になる。
【0048】
同様に、バッテリが充電を必要とする状態になったときには、下アーム側駆動信号側路用サイリスタSxないしSzにトリガ信号が供給されないため、これらのサイリスタは、制御整流回路2の下アーム側サイリスタTxないしTzのそれぞれのカソードに交流発電機から印加される相電圧が負の半波から正の半波に移行したときにオフ状態になる。下アーム側駆動信号側路用サイリスタSxないしSzがオフ状態にあるときには、交流発電機1から制御整流回路2の下アーム側サイリスタTxないしTzのカソードに印加される相電圧の負の半波の期間に、トランジスタTRxないしTRzを通して下アーム側サイリスタTxないしTzにトリガ信号が与えられるため、これらのサイリスタTxないしTzは、発電機からカソードに印加される相電圧が正の半波から負の半波に移行した際にオン状態になる。
【0049】
図2に示した時刻t1でバッテリ充電指令信号Vs2が発生したときには、V相の相電圧Vvが上アーム側サイリスタTvに順方向に印加されるが、このとき、上アーム側駆動信号側路用サイリスタSvが未だオン状態にあり、上アーム側サイリスタTvにトリガ信号が供給されないため、上アーム側サイリスタTvはターンオンすることができない。そのため、時刻t1で充電指令信号Vs2が発生してもバッテリ3には充電電流が供給されない。また時刻t1において、U相の負の半波の相電圧により、下アーム側サイリスタTxにも順方向電圧が印加されるが、このとき下アーム側駆動信号側路用サイリスタSxが未だオン状態にあって、下アーム側サイリスタTxにトリガ信号が供給されない状態にあるため、下アーム側サイリスタTxもオン状態になることができない。
【0050】
時刻t2でW相の相電圧Vwが負の半波から正の半波に移行すると、上アーム側サイリスタTwに順方向電圧が印加され、またこのとき上アーム側駆動信号側路用サイリスタSwが既にオフ状態になっているため、上アーム側サイリスタTwがターンオンし得る状態になるが、このときU相の相電圧Vuが順方向に印加されている下アーム側サイリスタTuがオフ状態にあるため、上アーム側サイリスタTwは未だオン状態になることができない。
【0051】
時刻t3において、V相の相電圧Vvが正の半波から負の半波に移行すると、V相の相電圧が順方向に印加される下アーム側サイリスタTyがターンオンするため、上アーム側サイリスタTwがターンオンし、発電コイルLw−サイリスタTw−バッテリ3−サイリスタTy−発電コイルLv−発電コイルLwの経路でバッテリに充電電流Ic(図2D)が流れる。尚図2(C)に示したIc′は、バッテリの端子電圧を設定値に到達させるために流す必要がある充電電流を示している。
【0052】
時刻t4でバッテリ3の端子電圧が設定値に達すると、充電停止指令信号Vs1が発生するため、上アーム側駆動信号側路用サイリスタSuないしSw及び下アーム側駆動信号側路用サイリスタSxないしSzにトリガ信号が供給されるようになるため、制御整流回路の上アーム側サイリスタTuないしTw及び下アーム側サイリスタSuないしSwにトリガ信号が供給されなくなり、これらのサイリスタは、それぞれに印加される電圧が逆方向に反転したときにターンオフする。図2に示した例では、時刻t5で上側サイリスタTwに印加されているW相の相電圧が正の半波から負の半波に移行した時点でサイリスタTwがターンオフして充電電流Icを零にする。
【0053】
参考のため、図2(A)ないし(D)に示した動作が行なわれる際の制御整流回路2の上アーム側サイリスタTuないしTw及び下アーム側サイリスタTxないしTzのオンオフ動作を図3(E)ないし(J)にそれぞれ示し、上アーム側駆動信号側路用サイリスタSuないしSw及び下アーム側駆動信号側路用サイリスタSxないしSzのオンオフ動作を図3(K)ないし(P)にそれぞれ示した。
【0054】
上記のように、本発明に係わるバッテリ充電装置においては、時刻t1で充電指令信号Vs2が発生した時に直ちにバッテリ3への充電電流の供給を開始するのではなく、充電指令信号が発生した時刻t1と、実際にバッテリへの充電電流の供給が開始される時刻t3との間に遅れ時間を持たせたので、バッテリ3に充電電流を流すトータルの時間を従来よりも短くすることができる。従って、バッテリ3に無用な充電電流が流れる時間を短くして、バッテリ電圧の変動幅を狭くすることができる。
【0055】
上記の実施形態では、バッテリ電圧が設定値よりも低いときにバッテリが充電を必要としていることを検出し、バッテリ電圧が設定値以上であるときにバッテリが充電を必要としていないことを検出するようにバッテリ状態検出回路6を構成したが、バッテリ電圧が設定された範囲の下限値よりも低くなったときにバッテリが充電を必要としていることを検出し、バッテリ電圧が設定された範囲の上限値を超えたときにバッテリが充電を必要としていないことを検出するように、バッテリ状態検出回路6を構成してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 三相交流発電機
2 制御整流回路
3 バッテリ
4 負荷
5 スイッチ
6 バッテリ状態検出回路
8 充電制御装置
9u〜9w 上アーム側サイリスタを制御するサイリスタ制御回路
9x〜9z 下アーム側サイリスタを制御するサイリスタ制御回路
Tu〜Tw 上アーム側サイリスタ
Tx〜Tz 下アーム側サイリスタ
Su〜Sw 上アーム側駆動信号側路用サイリスタ
Sx〜Sz 下アーム側駆動信号側路用サイリスタ
TRu〜TRw トランジスタ(上アーム側サイリスタトリガ用スイッチ)
TRx〜TRz トランジスタ(下アーム側サイリスタトリガ用スイッチ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三相交流電圧を発生する交流発電機の出力でバッテリを充電するバッテリ充電装置であって、
前記バッテリの電圧から前記バッテリが充電を必要としているか否かを検出して前記バッテリが充電を必要としていることを検出したとき及び前記バッテリが充電を必要としていないことを検出したときにそれぞれ充電指令信号及び充電停止指令信号を発生するバッテリ状態検出回路と、
上アーム側サイリスタ及び下アーム側サイリスタによりそれぞれブリッジの上側アーム及び下側アームが構成されて前記交流発電機の三相出力を全波整流して前記バッテリに充電電流を供給するフルブリッジ型の制御整流回路と、
前記充電指令信号及び充電停止指令信号に応じて前記制御整流回路の各サイリスタを制御するサイリスタ制御回路とを備え、
前記サイリスタ制御回路は、前記交流発電機が出力する三相の相電圧の内、前記充電指令信号が発生している間に負の半波から正の半波に移行した相電圧によりアノードカソード間に順方向電圧が印加された上アーム側サイリスタ、及び前記充電指令信号が発生している間に正の半波から負の半波に移行した相電圧によりアノードカソード間に順方向電圧が印加された下アーム側サイリスタのみをオン状態にして、前記交流発電機から前記制御整流回路を通して前記バッテリに充電電流を流すべく前記制御整流回路の上アーム側サイリスタ及び下アーム側サイリスタを制御するように構成されていること、
を特徴とするバッテリ充電装置。
【請求項2】
前記サイリスタ制御回路は、制御整流回路の各上アーム側サイリスタを制御するために各上アーム側サイリスタに対して設けられた上アーム側サイリスタ制御回路と、制御整流回路の各下アーム側サイリスタを制御するために各下アーム側サイリスタに対して設けられた下アーム側サイリスタ制御回路とからなり、
各上アーム側サイリスタ制御回路は、各上アーム側サイリスタのアノードゲート間に設けられて、前記交流発電機から各上アーム側サイリスタのアノードに印加される相電圧が正の半波にあるときに各上アーム側サイリスタのアノード側から駆動信号が供給されることによりオン状態になって、各上アーム側サイリスタのアノード側からゲートにトリガ信号を供給する上アーム側サイリスタトリガ用スイッチと、各上アーム側サイリスタトリガ用スイッチに駆動信号を供給する回路にアノードが結合されるとともにカソードが前記制御整流回路のマイナス側直流出力端子に接続されて、オン状態にあるときに各上アーム側サイリスタトリガ用スイッチに供給される駆動信号を各上アーム側サイリスタトリガ用スイッチから側路する上アーム側駆動信号側路用サイリスタとを備えてなり、
各下アーム側サイリスタ制御回路は、各下アーム側サイリスタのアノードゲート間に設けられて、前記交流発電機から各下アーム側サイリスタのカソードに印加される相電圧が負の半波にあるときに各下アーム側サイリスタのアノード側から駆動信号が供給されることによりオン状態になって、各下アーム側サイリスタのカソード側からゲートにトリガ信号を供給する下アーム側サイリスタトリガ用スイッチと、各下アーム側サイリスタトリガ用スイッチに駆動信号を供給する回路にアノードが結合されるとともにカソードが各下アーム側サイリスタのカソードに接続されて、オン状態にあるときに各下アーム側サイリスタトリガ用スイッチに供給される駆動信号を各下アーム側サイリスタトリガ用スイッチから側路する下アーム側駆動信号側路用サイリスタとを備えていること、
を特徴とする請求項1に記載のバッテリ充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−17298(P2013−17298A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148162(P2011−148162)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000001340)国産電機株式会社 (191)
【Fターム(参考)】