バリケード
【課題】バリケードに用いることができる支持体に合わせてパネルを取付けることのできるバリケードを提供する。
【解決手段】二個並列された支持体1の間に連結金具3を介してパネル2が取付けられたバリケードPであって、前記パネル2は上下端に胴縁部23、24が設けられ、前記連結金具3は、前記上胴縁部23及び下胴縁部24に取付けられる胴縁取付部31と、前記各胴縁取付部31の一端に接続され、支持体1に上下に間隔をおいて設けられたクランプ11に取付けられるクランプ取付部32とを有するように構成する。更に、連結金具3として、胴縁取付部31とクランプ取付部32とが、上下方向の接続高さが変更可能に接続される可変連結金具5を用いてもよい。
【解決手段】二個並列された支持体1の間に連結金具3を介してパネル2が取付けられたバリケードPであって、前記パネル2は上下端に胴縁部23、24が設けられ、前記連結金具3は、前記上胴縁部23及び下胴縁部24に取付けられる胴縁取付部31と、前記各胴縁取付部31の一端に接続され、支持体1に上下に間隔をおいて設けられたクランプ11に取付けられるクランプ取付部32とを有するように構成する。更に、連結金具3として、胴縁取付部31とクランプ取付部32とが、上下方向の接続高さが変更可能に接続される可変連結金具5を用いてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路工事や建設工事等の現場で用いられるバリケードに関し、特にパネルが取付けられたバリケードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路工事、各種建設工事現場、イベント会場等では、危険防止や、無関係者の立ち入り禁止するために、該当区域の周囲にバリケードを設置して、立ち入り禁止区域を明示して通行を妨げる措置が採られている。バリケードの形態としては、側面視ほぼA字状をなす一対の支持体間に、鋼管等のいわゆる単管が上下に間隔をおいて架設されたものが多く用いられている。しかしながら、このような単管を架設したのみのバリケードでは、特に子供であれば、単管の間を容易に潜り抜けることができる。
【0003】
そこで、特許文献1には、杆材を支持体に取付けたバリケードにおいて、パネル固定具を介してパネル体の一側に杆材が沿設されたバリケードが示されている。これにより、立ち入り禁止区域を明示するのみならず、このバリケードを潜りにくくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−293333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記のようなパネル固定具を用いたバリケードにおいては、パネル体の一側に杆材が沿設されるので表裏が生じるため、一旦パネルを取付けてしまうと、前後の向きを変えるためには、パネルを取付け直したり、バリケード自体の前後を入れ替えたりする必要があった。また一般に、杆材が取付けられるバリケードの支持体は、形状によって杆材の取付位置も異なるため、杆材の高さ位置が異なり、パネル固定具の取付高さも異なることとなるので、任意の高さの杆材に対してパネルを取付けるためには、パネルの側端の上下方向に沿って枠材等のパネル固定金具が係止可能な部材を取付ける必要があり、バリケードが一時的な設置用途に用いられることからすると、取り扱いが煩わしいものであった。
【0006】
本発明は、前記の如き問題点を解消し、バリケードに用いることができる支持体に合わせてパネルを取付けることのできるバリケードを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。
すなわちこの発明に係るバリケードは、二個並列された支持体の間に連結金具を介してパネルが取付けられ、前記パネルは上下端に胴縁部が設けられ、前記連結金具は、前記上胴縁部及び下胴縁部に取付けられる胴縁取付部と、前記各胴縁取付部の一端に接続され、支持体に上下に間隔をおいて設けられたクランプに取付けられるクランプ取付部とを有することを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係るバリケードは、前記構成に加えて、上胴縁部及び下胴縁部に取付けられる前記連結金具の少なくともいずれか一方は、前記胴縁取付部とクランプ取付部とが、上下方向の接続高さが変更可能に接続される可変連結金具となされていることを特徴とするものである。
【0009】
また本発明に係るバリケードは、前記構成に加えて、前記可変連結金具は、胴縁取付部とクランプ取付部との接続側開口端がそれぞれ蓋材によって塞がれて開口端から内外に通じる貫通孔がそれぞれ設けられ、該貫通孔を通じて締結具によって蓋材同士が締結されると共に、前記貫通孔の少なくとも一方が長孔となされ、前記長孔の一端が前記接続側開口端を横切って延設され、かつ前記接続側開口端には、締結具の頭部が開口の内外へ移動するための切欠孔が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、二個並列された支持体の間に連結金具を介してパネルが取付けられ、前記パネルは上下端に胴縁部が設けられ、前記連結金具は、前記上胴縁部及び下胴縁部に取付けられる胴縁取付部と、前記各胴縁取付部の一端に接続され、支持体に上下に間隔をおいて設けられたクランプに取付けられるクランプ取付部とを有するので、支持体のクランプ位置に合わせてパネルと取付けることが可能となり、バリケードの前後での通り抜けを効率的に防ぐことができる。
【0011】
また本発明において、前記構成に加えて、上胴縁部及び下胴縁部に取付けられる前記連結金具の少なくともいずれか一方は、前記胴縁取付部とクランプ取付部とが、上下方向の接続高さが変更可能に接続される可変連結金具となされていれば、上下のクランプの高さが異なる支持体であっても、可変連結金具の接続位置を調整するのみで、前記支持体の間にパネルを取付けることが可能となり、一般的に鋼管が取付けられたバリケード用の支持体も利用することができる。
【0012】
更に本発明において、前記構成に加えて、前記可変連結金具は、胴縁取付部とクランプ取付部との接続側開口端がそれぞれ蓋材によって塞がれて開口の内外に通じる貫通孔がそれぞれ設けられ、該貫通孔を通じて締結具によって蓋材同士が締結されると共に、前記貫通孔の少なくとも一方が長孔となされ、前記長孔の一端が前記接続側開口端を横切って延設され、かつ前記接続側開口端には、締結具の頭部が開口の内外へ移動するための切欠孔が設けられていれば、胴縁取付部とクランプ取付部とがほぼ直線状に配置された接続状態から段違いに接続された状態まで可変的に接続することができるので、接続作業が更に容易となり、好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るバリケードの実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】図1の支持体の拡大斜視図である。
【図3】図1の連結金具付近の部分拡大斜視図である。
【図4】図1の他の連結金具付近の部分拡大斜視図である。
【図5】図1に示された連結金具の拡大斜視図である。
【図6】図5の分解説明図である。
【図7】図5の別の角度からの斜視図である。
【図8】図5の連結金具の可変状態を説明するための斜視図である。
【図9】図1の連結金具付近の取付状態を示す分解説明図である。
【図10】図1の他の連結金具付近の取付状態を示す分解説明図である。
【図11】図1のバリケードの組立方法の一形態を示す分解説明図である。
【図12】本発明に係るバリケードの他の実施の一形態を示す斜視図である。
【図13】本発明に係るバリケードの別の実施の一形態を示す斜視図である。
【図14】本発明に係るバリケードの更に別の実施の一形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照し、具体的に説明する。
【0015】
図1において、1はバリケード用の支持体、2はバリケード用支持体の間に取付けられるパネル、3は支持体1とパネル2とを連結するための連結金具であって、バリケードPは、主に支持体1、パネル2及び連結金具3とから構成され、設置面上に配置された支持体1の間に、連結金具3を介してパネル2が取付けられたものである。
【0016】
支持体1は、一般には図2に示すように、上下に間隔をおいてクランプ11が少なくとも二個設けられたものである。すなわち、本形態では、側面視A字状の本体が合成樹脂等によって成型され、その本体の上端部及び中間部にクランプ11が固定されたものである。したがって、一般に用いられる鋼管を上下二本取付ける形態のバリケードにおいて、その鋼管をクランプで支持する形態で支持体をそのまま用いることもできる。またクランプ11は、一般には、支持体1に固定される側面視円弧状の内周壁を有する受け部12と前記受け部12の一端に軸支されて側面視円弧状の内周壁を有する押さえ部13と、受け部12の他端に軸支されたボルト14とを備え、前記ボルト14を押さえ部13に係止させて、ナット15を螺着して、受け部12と押さえ部13との各内周壁の間に挿入された管状体を締結するものである。
【0017】
パネル2は、一般には、板材や線材を格子状に接合した格子体からなる正面視矩形状のものであって、上下端部に筒状の胴縁部が設けられているものが用いられる。板材としては、金属板、樹脂板、これらの積層した積層板等を用いることができる。また格子体としては、鋼線等の金属製線材を用いたものや、樹脂を格子状に成型したもの等をもちいることができる。
【0018】
パネル2は、本形態では、図1に示すように、多数の縦線材21と横線材22とが格子状に配置され、その交差部で溶接により接合されたものである。縦線材21及び横線材22は、一般には強度的に安定しておりコストの安い鋼線が好適に用いられるが、ステンレス合金やアルミニウム合金などの他の金属からなる線材を用いてもよい。また縦線材21及び横線材22の耐食性や耐候性を高めるために金属めっきや塗装を施してもよく、また合成樹脂を用いて格子状に成形したものを用いてもよい。
【0019】
かかるパネル2は、上端に上胴縁部23が設けられ、下端に下胴縁部24が設けられている。本形態では、上胴縁部23は縦線材21の上端部が側面視円形状に屈曲されて形成されたものであり、下胴縁部24は縦線材21の下端部が側面視円形状に屈曲されて形成されたものである。上胴縁部23、下胴縁部24の側面視の形状は、特に限定されるものではなく、三角形状、四角形状、五角形状等の多角形状でもよく、楕円形状でもよく、後述する連結金具3の形態と合わせて適宜選択することができる。
【0020】
連結金具3は、支持体1にパネル2を取付けるためのものであって、図3、4に示すように、本形態では、クランプ11の高さとパネル2の胴縁部の高さとを合わせて支持体1とパネル2とを連結する直線状連結金具4と、クランプ11の高さと前記胴縁部との高さとが異なっていても支持体1とパネル2とを連結することができる可変連結金具5とによって、支持体2の間にパネル2が取付けられている。
【0021】
次に、直線状連結金具4は、パネル2の上胴縁部23に取付けられる胴縁取付部41と、その一端から支持体1の上方のクランプ11に取付けられるクランプ取付部42とが直線状に接続されたものである。本形態では、胴縁取付部41は、上胴縁部23の内径と略同径の外径である円筒状となされ、上胴縁部23内に挿入されると共に、上胴縁部23に外嵌される押さえ金具6と、固定ボルトB1とによって上胴縁部23に固定される。また、クランプ取付部42も円筒状であって、支持体1の上方のクランプ11内に挿入され、クランプ11のボルト14に螺着されたナット15を締めて締結される。これにより、一般的なバリケードのような支持体間に鋼管を架設したものと比べると、バリケードの前後の通り抜けを防ぐことができると共に、意匠性を高めることができる。またパネル2に、工事中であることを注意喚起するための標示板や、通行方向を示す矢印の標示板を取り付けてもよい。
【0022】
胴縁取付部41は、一般には鋼管が用いられ、パネル2の上胴縁部23に内挿される形態の方が、締結具等によって固定しなくても仮止めが可能であり、クランプ11で強固に締め付けることが可能となり、更に外観上も目立ちにくいので好ましいが、上胴縁部23にしっかり固定できる形態であれば、例えば、図示しないが、長手方向に沿ってスリットが設けられた断面C字状の形態でもよく、また上胴縁部23に外挿される形態でもよい。
【0023】
クランプ取付部32は、一般には支持体1のクランプ11に取付けられるものであれば、特に限定されるものではなく、本形態では、鋼管が用いられているが、アルミニウム合金、ステンレス合金等の他の金属からなる管状体を用いてもよい。
【0024】
可変連結金具5は、パネル2の下胴縁部24に取付けられる胴縁取付部51と、支持体1の下方のクランプ11に取付けられるクランプ取付部52とを備えている。本形態では、胴縁取付部51は、下胴縁部24の内径と略同径の外径である円筒状となされ、下胴縁部24内に挿入されると共に、下胴縁部24に外嵌される押さえ金具6と、固定ボルトB1とによって下胴縁部24に固定される。また、クランプ取付部52も円筒状であって、支持体1の下方のクランプ11内に挿入され、クランプ11のボルト14に螺着されたナット15を締めて締結される。これらの構造により、支持体1の上方のクランプ11とパネル2の上胴縁部23とが直線状連結金具4によって連結され、支持体1の下方のクランプ11とパネル2の上胴縁部24とが可変連結金具5によって連結されるので、表裏感が出ないように支持体1の間にパネル2を取付けることができる。なお、パネル2の上下の胴縁部は、図示しないが、半円筒形状としてもよい。
【0025】
次に、可変連結金具5について、図5―8を用いて更に詳しく説明する。図5は可変連結金具5の斜視図であって、(a)、(b)はそれぞれ別の角度から見た斜視図、図6は図5の分解説明図、図7は図5の更に別の角度から見た斜視図、図8は可変連結金具5の可変状態の例を示した斜視図である。可変連結金具5は、胴縁取付部51とクランプ取付部52とが接続される接続側開口端51a、52aが蓋材53、54によってそれぞれ塞がれており、この蓋材53、54のそれぞれに前記開口端から内外に通じる貫通孔55、56がそれぞれ設けられている。そして、蓋部54の内側にナットN2が接合されており、貫通孔55から貫通孔56に向けて挿通させた固定ボルトB2のねじ部にナットN2が螺着するようになされて、固定ボルトB2を締め付けることにより、蓋材53、54同士が締結され、胴縁取付部51とクランプ取付部52とが接続されるようになされている。
【0026】
更に胴縁取付部51の蓋材53の貫通孔55は長孔57となされており、長孔57の一端は、胴縁取付部51の接続側開口端51aを横切って延設されており、胴縁取付部51とクランプ取付部52とを略直線状に接続した状態と、胴縁取付部51とクランプ取付部52とを接続位置の異なる段付き状に接続した状態とを選択することが可能となる。
【0027】
本形態では、ナットN2が蓋部54に接合されたものであるが、例えば、図示しないが、固定ボルトB2の頭部に貫通孔55に回動不能に挿入される角根を設けた、角根付きの固定ボルトを用い、ナットN2は蓋部54に接合せずに、固定ボルトのねじ部に螺着させることにより、胴縁取付部51とクランプ取付部52とを締結するものでもよい。
【0028】
また本形態では、蓋材53の長孔57が横切られる接続側開口端51a付近には、切欠孔58が設けられており、固定ボルトB1の頭部がクランプ取付部52の内部と外部と間を移動して行き来できる大きさとなされている。したがって、固定ボルトB2のねじ部が長孔57に挿入された状態の範囲で、クランプ取付部52に対して縁取付部51の接続位置を任意に調整することができる。
【0029】
切欠孔58の大きさは、少なくとも固定ボルトB2の頭部が通過できる大きさであればよいが、固定ボルトB2の頭部が切欠孔58を跨ぐ位置でも固定ボルトB2の頭部をスパナ等で挟んで回転しないように支持できる程度の大きさの方が更に好ましい。なお切欠孔58の大きさをあまり大きくできない場合は、図示しないが、固定ボルトB2の頭部が通過できる大きさとしつつ、固定ボルトB2の頭部の側面に孔を設け、前記頭部に棒材等を差し込んで、締結時に頭部が回転しないように支持するようにしてもよい。また、図示しないが、胴縁取付部51の長手方向にそってスリットを設けた側面視C字状としてもよい。
【0030】
本形態では、可変連結金具5は、胴縁取付部51の貫通孔55が長孔となされているが、図示しないが、クランプ取付部52の貫通孔56を長孔とし、更に接続側開口端52aに切欠孔を設けた形態としてもよい。
【0031】
次に、バリケードPの組立方法の一形態について図9−11を用いて詳しく説明する。図9はパネル2の上胴縁23に対する直線状連結金具4の取付方法の一例を示す説明図、図10はパネル2の下胴縁24に対する可変連結金具5の取付方法の一例を示す説明図、図11はバリケードPの組立方法の一形態を示すものであって直線状連結金具4と可変連結金具5とを取付けたパネル2と支持体1との関係を示す分解説明図である。まず、図9に示すように、直線状固定金具4の胴縁取付部41をパネル2の上胴縁部23の左右側端からそれぞれ内挿して、逆U字状の押さえ金具6を上胴縁部23に外嵌し、固定ボルトB1を押さえ金具6、上胴縁部23及び胴縁取付部41に前後方向に挿通させて、ナットN1を螺着させる。
【0032】
次に、図10に示すように、可変連結金具5の胴縁取付部51とクランプ取付部52とを固定ボルトB2をナットN2に螺着させて仮止めして、胴縁取付部51とクランプ取付部52との相対位置が変更可能に接続する。続いて、可変連結金具5の胴縁取付部51をパネル2の下胴縁部24の左右側端からそれぞれに内挿して、U字状の押さえ金具6を下胴縁部24に外嵌し、固定ボルトB1を押さえ金具6、下胴縁部24及び胴縁取付部51を前後方向に挿通させて、ナットN1を螺着する。
【0033】
次に、図11に示すように、上胴縁部23に取付けた直線状連結金具4のクランプ取付部42を支持体1の上方のクランプ11に取付け、下胴縁部24に取付けた可変連結金具5のクランプ取付部52を支持体1の下方のクランプ11に取付ける。この際、図8に示すように、クランプ取付部52は、胴縁取付部51に対して上下方向に位置変更可能であるので、下胴縁部24の高さと支持体1の下方のクランプ11の高さに合わせて、クランプ取付部52と胴縁取付部51との位置関係を調節して、可変連結金具5を取付けることができる。そして、各固定ボルトB1、B2を本締めして、各接続箇所を締結する。これにより、左右の支持体1のクランプ11の上方のクランプ11の高さを合わせた際、下方のクランプ11の高さが僅かに異なる場合であっても、可変連結金具5を用いて、無理なく支持体1とパネル2とを連結できるので、バリケードPの取付作業が容易であり、また局所的に不必要な応力が生じるような偏った連結状態を防ぐことができる。
【0034】
また、本形態では、上胴縁部23に直線状連結金具4が取付けられ、下胴縁部24に可変連結金具5が取付けられており、外観上、支持体1のクランプ11の高さとパネル2の上胴縁部23との高さが合うので好ましいが、上胴縁部23に可変連結金具5を取付け、下胴縁部24に直線状連結金具4を取付けた形態でもよい。
【0035】
更に、図12に示すように、支持体1としては、側面視A字状であって、鋼管を支持する上下二個のクランプを有する一般的なバリケード用の支持体1も用いることができる。すなわち、これら支持体1は、製造会社や製品仕様によって上下のクランプ11の間隔が多少異なるものであるが、それら支持体1に対してクランプ11の上下間隔に合わせてパネル2を取付けるための個別の連結金具を用意しなくても、前記可変連結金具5を用いることによって、これら支持体1の間にパネル2を取付けることができる。一般的に、支持体1でのクランプ11の上下間隔の違いは、クランプ11に取付けられる管状体の直径の範囲に収まる場合が多いことからすると、蓋材53に設けられる長孔57の長さは、管状体の直径程度にすればよいが、クランプ11の間隔の違いが、前記範囲に収まらない場合は、上下共に可変連絡金具5を用いてもよい。
【0036】
加えて、例えば、準備したパネル2に対して、支持体1の数量が足りない場合であっても、設置現場にある一般的なバリケードの支持体1を利用して、一方に予め準備した支持体1を用い、他方に設置現場にある支持体1を用いることによって、本発明に係るバリケードPを組み立てることができる。
【0037】
図13−14は、本発明に係るバリケードの別の形態を示す説明図であり、(a)はそれぞれ、組立前の一部分解斜視図、(b)はそれぞれ組立後の斜視図である。すなわち、図13は連設金具7を用いて二個のバリケードPを横方向に連設したものであり、図14は同じく連設金具7を用いて一個のバリケードPにパネル2を連設して、横方向に並設された三個の支持体1間に二個のパネル2が取付けられたものである。
【0038】
連設金具7は、本形態では、略筒状に形成されたものであって、その両端を接続される連結金具3のクランプ取付部32にそれぞれ内挿することによって、クランプ取付部32同士を接続するものである。これにより、バリケードの転倒防止が図られて工事現場での安全性が向上すると共に、通行者等が通ることができるスペースが削減されて、効果的にすり抜けを抑えることができる。連設金具7は、本形態であれば、連結金具3同士を連結するのみであるので、取付作業も容易であり、また連設金具7の外径が、クランプ取付部32の内壁部に当接されるか、又は圧接される程度に調節できるものとしておけば、連設金具7が抜けにくくなるので更に好ましい。なお、図示はしないが、例えば、一個の支持体1のクランプ11に左右からパネル2の胴縁部23、24に取付けた連結金具3のクランプ取付部32を取付ける形態でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、鋼管等の管状体と、側面視「A」字状の支持体とを用いて組み立てられる一般的なバリケードに対して、その支持体の形態、すなわち管状体を取付ける上下のクランプの間隔が多少異なっても、前記支持体の間に連結金具を用いてパネルを取付けることができるので、工事現場や建築現場等に新規にバリケードを設置する場合のみでなく、現場で既に用いられている管状体を用いたバリケードに対して、その管状体を外してパネルを付け替えたバリケードとしても好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 支柱体
11 クランプ
2 パネル
21 縦線材
22 横線材
23 上胴縁
24 下胴縁
3 連結金具
31 胴縁取付部
32 クランプ取付部
4 直線状連結金具
41 胴縁取付部
42 クランプ取付部
5 可変連結金具
51 胴縁取付部
52 クランプ取付部
51a 接続側開口端
53、54 蓋材
55、56 貫通孔
57 長孔
58 切欠孔
6 押さえ金具
7 連設金具
B1、B2 固定ボルト
N1、N2 ナット
P バリケード
W2 ワッシャ
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路工事や建設工事等の現場で用いられるバリケードに関し、特にパネルが取付けられたバリケードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路工事、各種建設工事現場、イベント会場等では、危険防止や、無関係者の立ち入り禁止するために、該当区域の周囲にバリケードを設置して、立ち入り禁止区域を明示して通行を妨げる措置が採られている。バリケードの形態としては、側面視ほぼA字状をなす一対の支持体間に、鋼管等のいわゆる単管が上下に間隔をおいて架設されたものが多く用いられている。しかしながら、このような単管を架設したのみのバリケードでは、特に子供であれば、単管の間を容易に潜り抜けることができる。
【0003】
そこで、特許文献1には、杆材を支持体に取付けたバリケードにおいて、パネル固定具を介してパネル体の一側に杆材が沿設されたバリケードが示されている。これにより、立ち入り禁止区域を明示するのみならず、このバリケードを潜りにくくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−293333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記のようなパネル固定具を用いたバリケードにおいては、パネル体の一側に杆材が沿設されるので表裏が生じるため、一旦パネルを取付けてしまうと、前後の向きを変えるためには、パネルを取付け直したり、バリケード自体の前後を入れ替えたりする必要があった。また一般に、杆材が取付けられるバリケードの支持体は、形状によって杆材の取付位置も異なるため、杆材の高さ位置が異なり、パネル固定具の取付高さも異なることとなるので、任意の高さの杆材に対してパネルを取付けるためには、パネルの側端の上下方向に沿って枠材等のパネル固定金具が係止可能な部材を取付ける必要があり、バリケードが一時的な設置用途に用いられることからすると、取り扱いが煩わしいものであった。
【0006】
本発明は、前記の如き問題点を解消し、バリケードに用いることができる支持体に合わせてパネルを取付けることのできるバリケードを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。
すなわちこの発明に係るバリケードは、二個並列された支持体の間に連結金具を介してパネルが取付けられ、前記パネルは上下端に胴縁部が設けられ、前記連結金具は、前記上胴縁部及び下胴縁部に取付けられる胴縁取付部と、前記各胴縁取付部の一端に接続され、支持体に上下に間隔をおいて設けられたクランプに取付けられるクランプ取付部とを有することを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係るバリケードは、前記構成に加えて、上胴縁部及び下胴縁部に取付けられる前記連結金具の少なくともいずれか一方は、前記胴縁取付部とクランプ取付部とが、上下方向の接続高さが変更可能に接続される可変連結金具となされていることを特徴とするものである。
【0009】
また本発明に係るバリケードは、前記構成に加えて、前記可変連結金具は、胴縁取付部とクランプ取付部との接続側開口端がそれぞれ蓋材によって塞がれて開口端から内外に通じる貫通孔がそれぞれ設けられ、該貫通孔を通じて締結具によって蓋材同士が締結されると共に、前記貫通孔の少なくとも一方が長孔となされ、前記長孔の一端が前記接続側開口端を横切って延設され、かつ前記接続側開口端には、締結具の頭部が開口の内外へ移動するための切欠孔が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、二個並列された支持体の間に連結金具を介してパネルが取付けられ、前記パネルは上下端に胴縁部が設けられ、前記連結金具は、前記上胴縁部及び下胴縁部に取付けられる胴縁取付部と、前記各胴縁取付部の一端に接続され、支持体に上下に間隔をおいて設けられたクランプに取付けられるクランプ取付部とを有するので、支持体のクランプ位置に合わせてパネルと取付けることが可能となり、バリケードの前後での通り抜けを効率的に防ぐことができる。
【0011】
また本発明において、前記構成に加えて、上胴縁部及び下胴縁部に取付けられる前記連結金具の少なくともいずれか一方は、前記胴縁取付部とクランプ取付部とが、上下方向の接続高さが変更可能に接続される可変連結金具となされていれば、上下のクランプの高さが異なる支持体であっても、可変連結金具の接続位置を調整するのみで、前記支持体の間にパネルを取付けることが可能となり、一般的に鋼管が取付けられたバリケード用の支持体も利用することができる。
【0012】
更に本発明において、前記構成に加えて、前記可変連結金具は、胴縁取付部とクランプ取付部との接続側開口端がそれぞれ蓋材によって塞がれて開口の内外に通じる貫通孔がそれぞれ設けられ、該貫通孔を通じて締結具によって蓋材同士が締結されると共に、前記貫通孔の少なくとも一方が長孔となされ、前記長孔の一端が前記接続側開口端を横切って延設され、かつ前記接続側開口端には、締結具の頭部が開口の内外へ移動するための切欠孔が設けられていれば、胴縁取付部とクランプ取付部とがほぼ直線状に配置された接続状態から段違いに接続された状態まで可変的に接続することができるので、接続作業が更に容易となり、好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るバリケードの実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】図1の支持体の拡大斜視図である。
【図3】図1の連結金具付近の部分拡大斜視図である。
【図4】図1の他の連結金具付近の部分拡大斜視図である。
【図5】図1に示された連結金具の拡大斜視図である。
【図6】図5の分解説明図である。
【図7】図5の別の角度からの斜視図である。
【図8】図5の連結金具の可変状態を説明するための斜視図である。
【図9】図1の連結金具付近の取付状態を示す分解説明図である。
【図10】図1の他の連結金具付近の取付状態を示す分解説明図である。
【図11】図1のバリケードの組立方法の一形態を示す分解説明図である。
【図12】本発明に係るバリケードの他の実施の一形態を示す斜視図である。
【図13】本発明に係るバリケードの別の実施の一形態を示す斜視図である。
【図14】本発明に係るバリケードの更に別の実施の一形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照し、具体的に説明する。
【0015】
図1において、1はバリケード用の支持体、2はバリケード用支持体の間に取付けられるパネル、3は支持体1とパネル2とを連結するための連結金具であって、バリケードPは、主に支持体1、パネル2及び連結金具3とから構成され、設置面上に配置された支持体1の間に、連結金具3を介してパネル2が取付けられたものである。
【0016】
支持体1は、一般には図2に示すように、上下に間隔をおいてクランプ11が少なくとも二個設けられたものである。すなわち、本形態では、側面視A字状の本体が合成樹脂等によって成型され、その本体の上端部及び中間部にクランプ11が固定されたものである。したがって、一般に用いられる鋼管を上下二本取付ける形態のバリケードにおいて、その鋼管をクランプで支持する形態で支持体をそのまま用いることもできる。またクランプ11は、一般には、支持体1に固定される側面視円弧状の内周壁を有する受け部12と前記受け部12の一端に軸支されて側面視円弧状の内周壁を有する押さえ部13と、受け部12の他端に軸支されたボルト14とを備え、前記ボルト14を押さえ部13に係止させて、ナット15を螺着して、受け部12と押さえ部13との各内周壁の間に挿入された管状体を締結するものである。
【0017】
パネル2は、一般には、板材や線材を格子状に接合した格子体からなる正面視矩形状のものであって、上下端部に筒状の胴縁部が設けられているものが用いられる。板材としては、金属板、樹脂板、これらの積層した積層板等を用いることができる。また格子体としては、鋼線等の金属製線材を用いたものや、樹脂を格子状に成型したもの等をもちいることができる。
【0018】
パネル2は、本形態では、図1に示すように、多数の縦線材21と横線材22とが格子状に配置され、その交差部で溶接により接合されたものである。縦線材21及び横線材22は、一般には強度的に安定しておりコストの安い鋼線が好適に用いられるが、ステンレス合金やアルミニウム合金などの他の金属からなる線材を用いてもよい。また縦線材21及び横線材22の耐食性や耐候性を高めるために金属めっきや塗装を施してもよく、また合成樹脂を用いて格子状に成形したものを用いてもよい。
【0019】
かかるパネル2は、上端に上胴縁部23が設けられ、下端に下胴縁部24が設けられている。本形態では、上胴縁部23は縦線材21の上端部が側面視円形状に屈曲されて形成されたものであり、下胴縁部24は縦線材21の下端部が側面視円形状に屈曲されて形成されたものである。上胴縁部23、下胴縁部24の側面視の形状は、特に限定されるものではなく、三角形状、四角形状、五角形状等の多角形状でもよく、楕円形状でもよく、後述する連結金具3の形態と合わせて適宜選択することができる。
【0020】
連結金具3は、支持体1にパネル2を取付けるためのものであって、図3、4に示すように、本形態では、クランプ11の高さとパネル2の胴縁部の高さとを合わせて支持体1とパネル2とを連結する直線状連結金具4と、クランプ11の高さと前記胴縁部との高さとが異なっていても支持体1とパネル2とを連結することができる可変連結金具5とによって、支持体2の間にパネル2が取付けられている。
【0021】
次に、直線状連結金具4は、パネル2の上胴縁部23に取付けられる胴縁取付部41と、その一端から支持体1の上方のクランプ11に取付けられるクランプ取付部42とが直線状に接続されたものである。本形態では、胴縁取付部41は、上胴縁部23の内径と略同径の外径である円筒状となされ、上胴縁部23内に挿入されると共に、上胴縁部23に外嵌される押さえ金具6と、固定ボルトB1とによって上胴縁部23に固定される。また、クランプ取付部42も円筒状であって、支持体1の上方のクランプ11内に挿入され、クランプ11のボルト14に螺着されたナット15を締めて締結される。これにより、一般的なバリケードのような支持体間に鋼管を架設したものと比べると、バリケードの前後の通り抜けを防ぐことができると共に、意匠性を高めることができる。またパネル2に、工事中であることを注意喚起するための標示板や、通行方向を示す矢印の標示板を取り付けてもよい。
【0022】
胴縁取付部41は、一般には鋼管が用いられ、パネル2の上胴縁部23に内挿される形態の方が、締結具等によって固定しなくても仮止めが可能であり、クランプ11で強固に締め付けることが可能となり、更に外観上も目立ちにくいので好ましいが、上胴縁部23にしっかり固定できる形態であれば、例えば、図示しないが、長手方向に沿ってスリットが設けられた断面C字状の形態でもよく、また上胴縁部23に外挿される形態でもよい。
【0023】
クランプ取付部32は、一般には支持体1のクランプ11に取付けられるものであれば、特に限定されるものではなく、本形態では、鋼管が用いられているが、アルミニウム合金、ステンレス合金等の他の金属からなる管状体を用いてもよい。
【0024】
可変連結金具5は、パネル2の下胴縁部24に取付けられる胴縁取付部51と、支持体1の下方のクランプ11に取付けられるクランプ取付部52とを備えている。本形態では、胴縁取付部51は、下胴縁部24の内径と略同径の外径である円筒状となされ、下胴縁部24内に挿入されると共に、下胴縁部24に外嵌される押さえ金具6と、固定ボルトB1とによって下胴縁部24に固定される。また、クランプ取付部52も円筒状であって、支持体1の下方のクランプ11内に挿入され、クランプ11のボルト14に螺着されたナット15を締めて締結される。これらの構造により、支持体1の上方のクランプ11とパネル2の上胴縁部23とが直線状連結金具4によって連結され、支持体1の下方のクランプ11とパネル2の上胴縁部24とが可変連結金具5によって連結されるので、表裏感が出ないように支持体1の間にパネル2を取付けることができる。なお、パネル2の上下の胴縁部は、図示しないが、半円筒形状としてもよい。
【0025】
次に、可変連結金具5について、図5―8を用いて更に詳しく説明する。図5は可変連結金具5の斜視図であって、(a)、(b)はそれぞれ別の角度から見た斜視図、図6は図5の分解説明図、図7は図5の更に別の角度から見た斜視図、図8は可変連結金具5の可変状態の例を示した斜視図である。可変連結金具5は、胴縁取付部51とクランプ取付部52とが接続される接続側開口端51a、52aが蓋材53、54によってそれぞれ塞がれており、この蓋材53、54のそれぞれに前記開口端から内外に通じる貫通孔55、56がそれぞれ設けられている。そして、蓋部54の内側にナットN2が接合されており、貫通孔55から貫通孔56に向けて挿通させた固定ボルトB2のねじ部にナットN2が螺着するようになされて、固定ボルトB2を締め付けることにより、蓋材53、54同士が締結され、胴縁取付部51とクランプ取付部52とが接続されるようになされている。
【0026】
更に胴縁取付部51の蓋材53の貫通孔55は長孔57となされており、長孔57の一端は、胴縁取付部51の接続側開口端51aを横切って延設されており、胴縁取付部51とクランプ取付部52とを略直線状に接続した状態と、胴縁取付部51とクランプ取付部52とを接続位置の異なる段付き状に接続した状態とを選択することが可能となる。
【0027】
本形態では、ナットN2が蓋部54に接合されたものであるが、例えば、図示しないが、固定ボルトB2の頭部に貫通孔55に回動不能に挿入される角根を設けた、角根付きの固定ボルトを用い、ナットN2は蓋部54に接合せずに、固定ボルトのねじ部に螺着させることにより、胴縁取付部51とクランプ取付部52とを締結するものでもよい。
【0028】
また本形態では、蓋材53の長孔57が横切られる接続側開口端51a付近には、切欠孔58が設けられており、固定ボルトB1の頭部がクランプ取付部52の内部と外部と間を移動して行き来できる大きさとなされている。したがって、固定ボルトB2のねじ部が長孔57に挿入された状態の範囲で、クランプ取付部52に対して縁取付部51の接続位置を任意に調整することができる。
【0029】
切欠孔58の大きさは、少なくとも固定ボルトB2の頭部が通過できる大きさであればよいが、固定ボルトB2の頭部が切欠孔58を跨ぐ位置でも固定ボルトB2の頭部をスパナ等で挟んで回転しないように支持できる程度の大きさの方が更に好ましい。なお切欠孔58の大きさをあまり大きくできない場合は、図示しないが、固定ボルトB2の頭部が通過できる大きさとしつつ、固定ボルトB2の頭部の側面に孔を設け、前記頭部に棒材等を差し込んで、締結時に頭部が回転しないように支持するようにしてもよい。また、図示しないが、胴縁取付部51の長手方向にそってスリットを設けた側面視C字状としてもよい。
【0030】
本形態では、可変連結金具5は、胴縁取付部51の貫通孔55が長孔となされているが、図示しないが、クランプ取付部52の貫通孔56を長孔とし、更に接続側開口端52aに切欠孔を設けた形態としてもよい。
【0031】
次に、バリケードPの組立方法の一形態について図9−11を用いて詳しく説明する。図9はパネル2の上胴縁23に対する直線状連結金具4の取付方法の一例を示す説明図、図10はパネル2の下胴縁24に対する可変連結金具5の取付方法の一例を示す説明図、図11はバリケードPの組立方法の一形態を示すものであって直線状連結金具4と可変連結金具5とを取付けたパネル2と支持体1との関係を示す分解説明図である。まず、図9に示すように、直線状固定金具4の胴縁取付部41をパネル2の上胴縁部23の左右側端からそれぞれ内挿して、逆U字状の押さえ金具6を上胴縁部23に外嵌し、固定ボルトB1を押さえ金具6、上胴縁部23及び胴縁取付部41に前後方向に挿通させて、ナットN1を螺着させる。
【0032】
次に、図10に示すように、可変連結金具5の胴縁取付部51とクランプ取付部52とを固定ボルトB2をナットN2に螺着させて仮止めして、胴縁取付部51とクランプ取付部52との相対位置が変更可能に接続する。続いて、可変連結金具5の胴縁取付部51をパネル2の下胴縁部24の左右側端からそれぞれに内挿して、U字状の押さえ金具6を下胴縁部24に外嵌し、固定ボルトB1を押さえ金具6、下胴縁部24及び胴縁取付部51を前後方向に挿通させて、ナットN1を螺着する。
【0033】
次に、図11に示すように、上胴縁部23に取付けた直線状連結金具4のクランプ取付部42を支持体1の上方のクランプ11に取付け、下胴縁部24に取付けた可変連結金具5のクランプ取付部52を支持体1の下方のクランプ11に取付ける。この際、図8に示すように、クランプ取付部52は、胴縁取付部51に対して上下方向に位置変更可能であるので、下胴縁部24の高さと支持体1の下方のクランプ11の高さに合わせて、クランプ取付部52と胴縁取付部51との位置関係を調節して、可変連結金具5を取付けることができる。そして、各固定ボルトB1、B2を本締めして、各接続箇所を締結する。これにより、左右の支持体1のクランプ11の上方のクランプ11の高さを合わせた際、下方のクランプ11の高さが僅かに異なる場合であっても、可変連結金具5を用いて、無理なく支持体1とパネル2とを連結できるので、バリケードPの取付作業が容易であり、また局所的に不必要な応力が生じるような偏った連結状態を防ぐことができる。
【0034】
また、本形態では、上胴縁部23に直線状連結金具4が取付けられ、下胴縁部24に可変連結金具5が取付けられており、外観上、支持体1のクランプ11の高さとパネル2の上胴縁部23との高さが合うので好ましいが、上胴縁部23に可変連結金具5を取付け、下胴縁部24に直線状連結金具4を取付けた形態でもよい。
【0035】
更に、図12に示すように、支持体1としては、側面視A字状であって、鋼管を支持する上下二個のクランプを有する一般的なバリケード用の支持体1も用いることができる。すなわち、これら支持体1は、製造会社や製品仕様によって上下のクランプ11の間隔が多少異なるものであるが、それら支持体1に対してクランプ11の上下間隔に合わせてパネル2を取付けるための個別の連結金具を用意しなくても、前記可変連結金具5を用いることによって、これら支持体1の間にパネル2を取付けることができる。一般的に、支持体1でのクランプ11の上下間隔の違いは、クランプ11に取付けられる管状体の直径の範囲に収まる場合が多いことからすると、蓋材53に設けられる長孔57の長さは、管状体の直径程度にすればよいが、クランプ11の間隔の違いが、前記範囲に収まらない場合は、上下共に可変連絡金具5を用いてもよい。
【0036】
加えて、例えば、準備したパネル2に対して、支持体1の数量が足りない場合であっても、設置現場にある一般的なバリケードの支持体1を利用して、一方に予め準備した支持体1を用い、他方に設置現場にある支持体1を用いることによって、本発明に係るバリケードPを組み立てることができる。
【0037】
図13−14は、本発明に係るバリケードの別の形態を示す説明図であり、(a)はそれぞれ、組立前の一部分解斜視図、(b)はそれぞれ組立後の斜視図である。すなわち、図13は連設金具7を用いて二個のバリケードPを横方向に連設したものであり、図14は同じく連設金具7を用いて一個のバリケードPにパネル2を連設して、横方向に並設された三個の支持体1間に二個のパネル2が取付けられたものである。
【0038】
連設金具7は、本形態では、略筒状に形成されたものであって、その両端を接続される連結金具3のクランプ取付部32にそれぞれ内挿することによって、クランプ取付部32同士を接続するものである。これにより、バリケードの転倒防止が図られて工事現場での安全性が向上すると共に、通行者等が通ることができるスペースが削減されて、効果的にすり抜けを抑えることができる。連設金具7は、本形態であれば、連結金具3同士を連結するのみであるので、取付作業も容易であり、また連設金具7の外径が、クランプ取付部32の内壁部に当接されるか、又は圧接される程度に調節できるものとしておけば、連設金具7が抜けにくくなるので更に好ましい。なお、図示はしないが、例えば、一個の支持体1のクランプ11に左右からパネル2の胴縁部23、24に取付けた連結金具3のクランプ取付部32を取付ける形態でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、鋼管等の管状体と、側面視「A」字状の支持体とを用いて組み立てられる一般的なバリケードに対して、その支持体の形態、すなわち管状体を取付ける上下のクランプの間隔が多少異なっても、前記支持体の間に連結金具を用いてパネルを取付けることができるので、工事現場や建築現場等に新規にバリケードを設置する場合のみでなく、現場で既に用いられている管状体を用いたバリケードに対して、その管状体を外してパネルを付け替えたバリケードとしても好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 支柱体
11 クランプ
2 パネル
21 縦線材
22 横線材
23 上胴縁
24 下胴縁
3 連結金具
31 胴縁取付部
32 クランプ取付部
4 直線状連結金具
41 胴縁取付部
42 クランプ取付部
5 可変連結金具
51 胴縁取付部
52 クランプ取付部
51a 接続側開口端
53、54 蓋材
55、56 貫通孔
57 長孔
58 切欠孔
6 押さえ金具
7 連設金具
B1、B2 固定ボルト
N1、N2 ナット
P バリケード
W2 ワッシャ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二個並列された支持体の間に連結金具を介してパネルが取付けられ、前記パネルは上下端に胴縁部が設けられ、前記連結金具は、前記上胴縁部及び下胴縁部に取付けられる胴縁取付部と、前記各胴縁取付部の一端に接続され、支持体に上下に間隔をおいて設けられたクランプに取付けられるクランプ取付部とを有することを特徴とするバリケード。
【請求項2】
上胴縁部及び下胴縁部に取付けられる前記連結金具の少なくともいずれか一方は、前記胴縁取付部とクランプ取付部とが、上下方向の接続高さが変更可能に接続される可変連結金具となされていることを特徴とする請求項1に記載のバリケード。
【請求項3】
前記可変連結金具は、胴縁取付部とクランプ取付部との接続側開口端がそれぞれ蓋材によって塞がれて開口端から内外に通じる貫通孔がそれぞれ設けられ、該貫通孔を通じて締結具によって蓋材同士が締結されると共に、前記貫通孔の少なくとも一方が長孔となされ、前記長孔の一端が前記接続側開口端を横切って延設され、かつ前記接続側開口端には、締結具の頭部が開口の内外へ移動するための切欠孔が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のバリケード。
【請求項1】
二個並列された支持体の間に連結金具を介してパネルが取付けられ、前記パネルは上下端に胴縁部が設けられ、前記連結金具は、前記上胴縁部及び下胴縁部に取付けられる胴縁取付部と、前記各胴縁取付部の一端に接続され、支持体に上下に間隔をおいて設けられたクランプに取付けられるクランプ取付部とを有することを特徴とするバリケード。
【請求項2】
上胴縁部及び下胴縁部に取付けられる前記連結金具の少なくともいずれか一方は、前記胴縁取付部とクランプ取付部とが、上下方向の接続高さが変更可能に接続される可変連結金具となされていることを特徴とする請求項1に記載のバリケード。
【請求項3】
前記可変連結金具は、胴縁取付部とクランプ取付部との接続側開口端がそれぞれ蓋材によって塞がれて開口端から内外に通じる貫通孔がそれぞれ設けられ、該貫通孔を通じて締結具によって蓋材同士が締結されると共に、前記貫通孔の少なくとも一方が長孔となされ、前記長孔の一端が前記接続側開口端を横切って延設され、かつ前記接続側開口端には、締結具の頭部が開口の内外へ移動するための切欠孔が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のバリケード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−112981(P2013−112981A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259408(P2011−259408)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】
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