説明

パチンコ遊技機の部品取外し装置

【課題】パチンコ遊技機の遊技盤の盤面上に取り付けられた複数の部品を、同時に取り外すことが容易な部品取外し装置を提供する。
【解決手段】遊技盤に設けられた複数の部品取付孔の各位置に対応して複数のピン41が突設された治具板4と、治具板4の下方の所定の部品取外し位置に遊技盤を配置する遊技盤配置部5と、治具板4を昇降させるエアシリンダ2、2とを備え、エアシリンダ2、2により治具板4が所定の下降位置まで下降したときに、各ピン41が、部品取外し位置に配置された遊技盤の対応する部品取付孔に挿入されて、部品取付孔に嵌入されている突起部を部品取付孔から押し出すように構成された部品取り外し装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機の遊技盤に取り付けられた部品を取り外す部品取外し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に示すように、遊技盤面のレール外側に、証紙貼付部材等の部品を、その部品の裏面に突設された嵌合突起を遊技盤に穿設された部品取付孔に嵌合することにより、着脱可能に取り付けて、使用後に取り外してリサイクル可能としたパチンコ遊技機がある。また、遊技盤に穿設された部品取付孔に嵌合することにより取り付けられた複数の部品を取り外すための治具台として、下記特許文献2に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−161991号公報(段落0016、図17、18参照)
【特許文献2】特開2006−187498号公報(要約、図6、7参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献2記載の治具台は、全ての取付爪が治具台上に重合された遊技盤の重量だけで一度に固定解除方向に変形するとは限らないため、さらに各部を叩いて押圧力を加えなければならない場合が生じ、複数の部品を同時に取り外すことが容易でないという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した問題を解決するものであり、遊技盤の盤面上に取り付けられた複数の部品を、同時に取り外すことが容易な部品取外し装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の部品取り外し装置は、パチンコ遊技機の遊技盤に貫通された部品取付孔に突起部を嵌入することにより前記遊技盤に取り付けられた複数の部品を、前記遊技盤から取り外すためのパチンコ遊技機の部品取外し装置であって、前記遊技盤に設けられた複数の前記部品取付孔の各位置に対応して複数の取外し用治具が突設された治具板と、前記治具板の下方の所定の部品取外し位置に前記遊技盤を配置する遊技盤配置部と、前記治具板を昇降させる昇降手段と、を備え、前記昇降手段により前記治具板が所定の下降位置まで下降したときに、前記各取外し用治具が、前記部品取外し位置に配置された前記遊技盤の対応する前記部品取付孔に挿入されて、前記部品取付孔に嵌入されている前記突起部を前記部品取付孔から押し出すように構成されたことを特徴とする。
【0007】
ここで、前記治具板が、交換可能に構成されるとともに、前記部品を取り外す対象である前記遊技盤と同機種の遊技盤の各部品取付孔に前記取外し用治具を突設したもので構成されることが好ましい。
【0008】
また、前記昇降手段が、前記治具板を前記下降位置まで下降させたときに、前記部品取外し位置に配置された前記遊技盤の一側部と前記遊技盤の中央部を挟んで前記一側部とは反対側の他側部とに対向する前記治具板の2箇所を、押圧するように構成されることが好ましい。
【0009】
また、取り外された前記部品を移送するシュータが複数設けられ、前記各シュータの入口部は、前記部品取外し位置に配置された状態の前記遊技盤の当該シュータで移送すべき前記部品の下方に、配置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の部品取外し装置によれば、昇降手段により治具板が所定の下降位置まで下降したときに、治具板の各取外し用治具が遊技盤の各部品取付孔から部品の突起部を押し出すので、遊技盤から複数の部品を同時に取り外すことが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る部品取外し装置の正面図であり、治具板が上昇位置にある状態の正面図である。
【図2】治具板が上昇位置にある状態の同部品取外し装置の側面図である。
【図3】同部品取外し装置の平面図である。
【図4】図1のIV-IV線要部断面図である。
【図5】同部品取外し装置の治具板の斜視図である。
【図6】同部品取外し装置の治具板装着部と治具板装着部に装着前の治具板の断面図であり、図10のXIII-XIII線に相当する線で切断した断面図である。
【図7】同部品取外し装置により部品が取り外される遊技盤の斜視図である。
【図8】部品を取り外した状態の同遊技盤の斜視図である。
【図9】引出し部を引き出して遊技盤をセットした状態の同部品取外し装置の要部平面図である。
【図10】遊技盤を部品取外し位置に配置した状態の同部品取外し装置の要部断面図であり、図11のX-X線に相当する線で切断した要部断面図である。
【図11】治具板が下降位置にある状態の同部品取外し装置の正面図である。
【図12】治具板が下降位置にある状態の同部品取外し装置の側面図である。
【図13】図10のXIII-XIII線要部断面図であり、(a)は治具板が下降位置よりも上にある状態、(b)は治具板が下降位置にある状態の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜3に示すように、部品取外し装置1は、昇降手段に相当する2つのエアシリンダ2と、エアシリンダ2によって昇降される治具板装着部3と、治具板装着部3に装着された治具板4(図5参照)と、パチンコ遊技機の遊技盤200(図7参照)を治具板4の下方の所定の部品取外し位置に配置する遊技盤配置部5と、遊技盤配置部5の下方に配置されたシュータ61、62、63、64とを備えている。また、部品取外し装置1は、遊技盤配置部5上に立設されて各エアシリンダ2及び治具板装着部3を支持する支持枠体8と、遊技盤配置部5を支持するとともにシュータ61、62、63、64が連結されるベース枠体9とを備えている。遊技盤配置部5の下方には、ローラコンベヤ7が、後方に行くに従って上面が低くなるように傾斜して配置されている。
【0013】
ベース枠体9は、図3、4に示すように、平面視において矩形の四隅をなす各位置に立設された4本の柱部材91と、前側の柱部材91、91同士、及び、後側の柱部材91、91同士を、それぞれ、人の腰の高さ付近で互いに連結する棒状(実施形態では円管状)の連結部材92、92と、右側の柱部材91、91同士、及び、左側の柱部材91、91同士を、それぞれ、連結部材92、92と同じ高さで互いに連結する棒状の連結部材94、94とを備えている。また、ベース枠体9は、図2に示すように、連結部材94、94以外にも、右側の柱部材91、91同士、及び、左側の柱部材91、91同士を、それぞれ、互いに連結する複数の棒状の連結部材95を備えるとともに、前側の柱部材91、91から前方に延設された遊技盤配置部支持台93を備えている。連結部材92、92には遊技盤配置部5の後部が載置されて支持され、遊技盤配置部支持台93には遊技盤配置部5の前部が載置されて支持されている。遊技盤配置部支持台93は、遊技盤配置部5の前部が載置される天板部93aと、天板部93aを支持する4本の脚部93bとから構成されている。
【0014】
図4に示すように、連結部材92、92及び連結部材94、94で囲まれて形成される矩形状の開口部100は、連結部材92同士を連結する棒状の連結部材96、連結部材96と右側の連結部材94とを連結する棒状の連結部材97、及び、連結部材96と左側の連結部材94とを連結する棒状の連結部材98、99により、5つに区切られている。そして、連結部材92、92、96、97、98、99には、シュータ61、62、63、64の上端部が連結されて、シュータ61、62、63、64の入口部61a、62a、63a、64aは、開口部100を区切ることにより形成された5つの開口部のうちの4つの開口部101、102、103、104に、それぞれ配置されている。入口部61a、62a、63a、64aは、それぞれ、後述する部品取外し位置に配置された状態の遊技盤200の部品201a、201b、201c、201d(図7参照。一括して言及するときは、「部品201」という。)の下方に位置するように、配置されている。シュータ61、62、63、64は、いずれも上方が開放された滑り台状をなし、シュータ61、62の出口部61b、62bは下方に開放されて、それぞれ下方に配置された箱10、10(図1参照)に部品201A、201Bを落下させ、シュータ63、64の出口部63b、64bは上方に開放された箱状をなして、それぞれ部品201C、201Dを貯留することとなる。
【0015】
図3に示すように、遊技盤配置部5は、平面視において略矩形状の本体枠51と、本体枠51の内側に嵌め込まれた平面視において略矩形状の引出し部57とから構成されている。本体枠51の前後方向の長さは、引出し部57の前後方向の長さの約2倍とされている。本体枠51の前端部51aの両側には、それぞれ、エアシリンダ2、2に圧縮空気を送り込むための空気供給装置(図示せず)に接続されたスイッチ53が配設されている。なお、スイッチ53、53が同時に押されなければ、空気供給装置は作動しないように構成されている。
【0016】
図2に示すように、本体枠51の後端部51cの左右上面、及び、本体枠51の前後方向における中央部の左右上面には、それぞれ、後述するガイド柱部82の下端部が連結されている。本体枠51の左右の枠部材51bの上面には、前後方向に並ぶガイド柱部82、82間に、それぞれ押さえ板55が取り付けられている。各押さえ板55は、図13(a)に示すように、後述する部品取り外し位置に配置された遊技盤200の上下の端部の上に突出するように配置されている。なお、遊技盤200における上下及び左右は、遊技盤200がパチンコ遊技機に取り付けられている状態での上下及び向かって左右をいう。
【0017】
図3に示すように、引出し部57は、平面視において矩形状の遊技盤セット枠52と、遊技盤セット枠52の前側に連結されて垂直方向に立ち上がる矩形状の把手部54とを備え、把手部54の上端中央部には、把手54aが取り付けられている。遊技盤セット枠52は、内周形状が遊技盤200の外周形状と略一致した矩形状をなし、遊技盤セット枠52の右後の角部内側には、遊技盤200のセット方向を決めるための突出部56が、遊技盤セット枠52の内方に突出して形成されている。突出部56は、図9に示すように、遊技盤200が遊技盤セット枠52に収納されたとき、遊技盤200の右上角部に形成された切欠部203に嵌合される。引出し部57は、遊技盤セット枠52の左右の枠部材52aが本体枠51の左右の枠部材51bに摺接しつつ、本体枠51の中を前後方向に摺動可能に構成されている。そして、遊技盤セット枠52は、引出し部57が本体枠51の後端部51c前面に当接するまで摺動されたとき、治具板装着部3と対向するように配置され、遊技盤セット枠52に収納された遊技盤200は、図10に示すように、治具板装着部3に装着された治具板4の下方の部品取外し位置に配置されることとなる。すなわち、引出し部57が本体枠51の後端部51c前面に当接する位置(最後退位置)に配置されたとき、遊技盤200は部品取外し位置に配置される。
【0018】
支持枠体8は、図1〜3に示すように、平面視において矩形状の上端枠81と、上端枠81の四隅から下方に延設されて遊技盤配置部5に連結されたガイド柱部82と、上端枠81の左右の枠部材81aを前後方向における中央部後寄りで左右方向に連結する棒状の連結部材83と、右側のガイド柱部82、82同士、及び、左側のガイド柱部82、82同士を、それぞれ互いに連結する棒状の連結部材84とから構成されている。各ガイド柱部82は、それぞれ対応する四隅に配置された柱部材91に連結されている。
【0019】
各エアシリンダ2は、図1に示すように、シリンダ22とシリンダ22に対して往復動するピストンロッド21とを備え、各シリンダ22のピストンロッド21出入側とは反対側の端部(上端部)が、所定の間隔を置いて左右に並んで、連結部材83(図3参照)に取り付けられている。ピストンロッド21の下端部は、後述するように、治具板装着部3に補強板34を介して連結されている。各エアシリンダ2には図示しないチューブが接続され、それらのチューブを介して、図示しない空気供給装置から空気がシリンダ22内に供給され、また、シリンダ22内部から空気が排出されることにより、各エアシリンダ2は、治具板装着部3に装着された治具板4を、図1及び図2に示す上昇位置と、図11、図12及び図13(b)に示す下降位置との間で昇降させるように構成されている。なお、上昇位置は、図2に示すように、後述する8つのガイドローラ35のうち、前側のガイド柱部82、82の後面、及び、後側のガイド柱部82、82の前面に沿って摺動する4つのガイドローラ35が、連結部材84、84に当接する位置である。すなわち、連結部材84、84は治具板4の上昇を止めるストッパの役目を果たす。また、下降位置は、図13(b)に示すように、治具板装着部3の下面が遊技盤配置部5の押さえ板55の上面に接する位置である。各エアシリンダ2は、治具板4を下降位置まで下降させてから一定時間経過後に、図示しないチューブを介してシリンダ22内部の空気が排出されて、ピストンロッド21が上昇し、治具板4を上昇位置に戻すように構成されている。
【0020】
図5に示すように、治具板4は、略矩形状の板状の板本体42と、板本体42の一方の面に突設された複数のピン(取外し用治具に相当。)41とから構成される。詳しくは、治具板4は、図7に示す遊技盤200と同機種の遊技盤から盤面上の部品を全て取り外したものを板本体42とし、遊技盤200において取り外すべき部品201が取り付けられている部品取付孔202(図8参照)の各位置に対応する(すなわち、部品取付孔202と同位置の)部品取付孔44(図13(a)参照)に、それぞれピン41を突設したもので構成されている。各ピン41は、遊技盤における後面から前面側に突出するように突設される。なお、遊技盤における前面とは遊技領域が設けられる面をいい、後面とは前面と反対側の面をいう。各ピン41の板本体42からの突出長さは、部品取付孔202から部品201の突起部204(図8参照)を押出し可能な長さ(実施形態では、部品取付孔202の長さより若干長い長さ)とされている。また、治具板4は、後述するように遊技盤200が切欠部203を有していることから、切欠部203に相当する切欠部43を有している。
【0021】
図3及び図6に示すように、治具板装着部3は、上端枠81より一回り小さい矩形状の枠体31と、枠体31に固着され、枠体31で囲まれた開口部を閉塞する板部32とを備え、板部32の下面は枠体31の下面よりも上方に配置される。すなわち、枠体31と板部32とで、下方に開口する矩形状の凹部36が形成されている。なお、枠体31は、互いに連結された上部枠体31aと下部枠体31bとから構成されている。板部32の上面には、左右の端部の前後方向における中央部に、矩形状の補強板34がそれぞれ固着され、各エアシリンダ2のピストンロッド21の下端部が補強板34に連結されている。なお、図6及び図13では、右側のピストンロッド及び補強板34は紙面手前にあるので、二点鎖線で示されている。
【0022】
そして、図6及び図13(a)に示すように、治具板4は、ピン41が突出する面を下方に向けて、枠体31の板部32の下面側に(すなわち、凹部36の中に)嵌め込まれ、枠体31の下面側に設けられた回動可能な係止片33で係止されることにより、治具板装着部3に着脱可能に装着される。装着状態における治具板4の下面は、枠体31の下面と略面一をなしている。また、治具板4は、切欠部43が凹部36の右後の角部に位置するように、凹部36に収納され、遊技盤200が部品取外し位置に配置されたとき、切欠部43が遊技盤200の切欠部203の真上に配置されるとともに、図13(a)に示すように、各ピン41は遊技盤200の対応する部品取付孔202の真上に配置される。
【0023】
また、図1、図2及び図10に示すように、枠体31には、上面側の四隅にそれぞれ2つずつ、計8つのガイドローラ35が取り付けられ、各ガイドローラ35は、外周面に設けられた凸部が、ガイド柱部82に形成されているガイド溝に嵌合されて、ガイド柱部82に沿って摺動可能に構成されている。さらに、図1に示すように、枠体31の四隅の下面には、緩衝部37が下方に向けて突設されている。
【0024】
以上のように構成された部品取外し装置1は、図7に示すような遊技盤200の部品201を取り外すものである。遊技盤200は、センター役物や入賞装置はルータ孔208から取り外されているが、レール205、遊技釘206、風車207、及び、レール205で囲まれた遊技領域209の外側に配設された部品201は取り付けられた状態である。なお、部品201aは左上レールガイド、部品201bは返しゴム、部品201cは下レールガイド、部品201dは証紙プレートと称されるものであり、いずれも合成樹脂製で、図8に示すように、裏面側に上記特許文献1の嵌合突起と同様の突起部204が突設されており、この突起部204が遊技盤200の部品取付孔202に嵌入されることにより、遊技盤200に取り付けられている。
【0025】
部品取外し装置1を用いて、遊技盤200から部品201を取り外すときは、まず、図9に示すように、遊技盤200を、部品201が取り付けられている面を下方に向けて、切欠部203内に突出部56が収納されるように、遊技盤セット枠52内に収納する。すなわち、遊技盤200は裏返し状態で、遊技盤200の上部が引出し部57の右部に、遊技盤200の下部が引出し部57の左部に配置される。
【0026】
次に、引出し部57を本体枠51の後端部51c前面に当接するまで本体枠51内を摺動させつつ後退させることにより、図10に示すように、遊技盤200を部品取外し位置に配置する。このとき、図13(a)に示すように、治具板4の各ピン41は、遊技盤200の対応する部品取付孔202の真上に配置される。また、遊技盤200の部品201a、201b、201c、201dは、それぞれ、シュータ61、62、63、64の入口部61a、62a、63a、64aの上方に配置される。
【0027】
そして、本体枠51の前端部51aの両側に設けられたスイッチ53、53を同時に押す。すると、各エアシリンダ2のシリンダ22内に、図示しないチューブを介して圧縮空気が送り込まれ、ピストンロッド21が押し下げられて、治具板装着部3が図11、図12及び図13(b)に示す下降位置まで下降する。
【0028】
そして、図13(b)に示すように、治具板4の各ピン41が、対応する部品取付孔202に挿入されて、部品取付孔202に嵌入されている突起部204を部品取付孔202から押し出すことにより、全ての部品201が同時に取り外される。また、図13(b)では、治具板4と遊技盤200との間には係止片33や押さえ板55による隙間が表れているが、実際には、治具板4は、エアシリンダ2、2により補強板34及び板部32を介して上方から押圧されることにより、若干撓んで、遊技盤200との間の隙間が無くなって遊技盤200に押し付けられる。このように治具板4が遊技盤200に押し付けられることにより、より確実に全ての突起部204が部品取付孔202から押し出され、全ての部品201が同時に取り外される。なお、治具板装着部3が下降位置まで下降したとき、各緩衝部37は、遊技盤セット枠52に当接して、治具板装着部3及び遊技盤セット枠52に加わる衝撃を緩和する。
【0029】
また、図10に示すように、エアシリンダ2、2は、治具板4を下降位置まで下降させたときに、補強板34、34を介して治具板4を押圧する。補強板34、34の配置位置は、部品取外し位置に配置された遊技盤200の上部中央部と下部中央部とに対向する。すなわち、エアシリンダ2、2は、部品取外し位置に配置された遊技盤200の一側部(ここでは、上部中央部)と遊技盤200の中央部を挟んでその一側部とは反対側の他側部(ここでは、下部中央部)とに対向する治具板4の2箇所を押圧することとなる。この2箇所を押圧すれば、遊技盤200の周辺部(ここでは、上部と下部)に設けられた部品201の取付部位に押圧力がかかり易いため、遊技盤200から全ての部品201を同時に取り外すことができる。例えば、治具板4の1箇所のみを押圧する場合、通常、治具板4の中央部を押圧することになるが、治具板4の中央部にはルータ孔45が設けられているため、部品201が取り付けられている遊技盤200の周辺部に押圧力が伝わりにくく、全ての部品201を取り外せない虞がある。部品取外し位置に配置された遊技盤200の一側部と遊技盤200の中央部を挟んでその一側部とは反対側の他側部とに対向する治具板4の2箇所を押圧すれば、3箇所以上を押圧する場合に比して少ないエネルギーで、遊技盤200から全ての部品201を同時に取り外すことができる。なお、遊技盤200では、上部と下部とに部品201が設けられているため、遊技盤200の上部中央部と下部中央部とに対向する2箇所を押圧したが、例えば右部と左部とに部品201が設けられている遊技盤では、その遊技盤の右部中央部と左部中央部とに対向する2箇所を押圧する等、押圧箇所は変更可能である。
【0030】
遊技盤200から取り外された部品201a、201b、201c、201dは、それぞれ、その下方に位置する入口部61a、62a、63a、64aから、シュータ61、62、63、64内に落下して下方に滑り降り、部品201a、201bは、出口部61b、62bの下方にそれぞれ配置された箱10、10(図11参照)に落下し、部品201c、201dは、それぞれ出口部63b、64bに貯留される。このように、取り外された部品201は、シュータ61、62、63、64により種類毎に分類される。
【0031】
治具板4を含む治具板装着部3が下降位置まで下降してから一定時間経過後、各エアシリンダ2から空気が排出されて、治具板4を含む治具板装着部3は図1及び図2に示す上昇位置まで上昇する。治具板4が上昇するとき、遊技盤200は押さえ板55に押さえられて上昇が妨げられるので、各ピン41は部品取付孔202から脱する。したがって、遊技盤200が収納された引出し部57は、手前に引き出し可能となり、図2に示すように引出し部57を本体枠51の前端部51aに当接するまで前方に引き出せば、遊技盤200を遊技盤セット枠52から取り出すことができる。そして、取り出した遊技盤200を、ローラコンベヤ7の前端部に乗せれば、遊技盤200はローラコンベヤ7の上を自重で移動してローラコンベヤ7の後端部に至り、例えば次の作業者が受け取ることとなる。
【0032】
以上説明したように、部品取外し装置1は、エアシリンダ2、2により治具板4が図13(b)に示す下降位置まで下降したときに、各ピン41が、遊技盤200の対応する部品取付孔202に挿入されて、部品取付孔202に嵌入されている突起部204を部品取付孔202から押し出すように構成されているので、複数の部品201を同時に遊技盤200から取り外すことが容易である。
【0033】
また、治具板4は、係止片33で係止されることにより、治具板装着部3に着脱可能に装着されている。すなわち、治具板4は交換可能であり、しかも、その治具板4により部品201を取り外す対象である遊技盤200と同機種の遊技盤の各部品取付孔にピン41を突設したもので構成されている。このため、部品取外し装置1は、治具板4を交換することで複数機種の遊技盤に対応可能であるとともに、機種に応じた治具板4の作成が容易である。
【0034】
また、エアシリンダ2、2が治具板4を下降位置まで下降させたときに、部品取外し位置に配置された遊技盤200の一側部と遊技盤200の中央部を挟んでその一側部とは反対側の他側部とに対向する治具板4の2箇所を押圧するように構成されているので、3箇所以上を押圧する場合に比して少ないエネルギーで、遊技盤200から全ての部品201を同時に取り外すことができる。
【0035】
また、シュータ61、62、63、64の入口部61a、62a、63a、64aが、それぞれ、部品取外し位置に配置された状態の遊技盤200の部品201a、201b、201c、201dの下方に、配置されているので、取り外された部品201が、シュータ61、62、63、64により種類毎に分類される。
【0036】
なお、昇降手段として、エアシリンダ2、2以外の流体圧シリンダを用いてもよいし、流体圧シリンダ以外のものを用いてもよい。
【0037】
また、本実施形態では、取外し用治具としてピン41を用いたが、取外し治具は、ピン形状のものに限られるものではなく、突起部204の形状に応じた形状のものに変更可能である。
【0038】
また、本実施形態では、全ての部品201の同時取外しの確実性を向上させるために、治具板4が下降位置まで下降したときに上方から押圧され遊技盤200に押し付けられるように構成したが、必ずしも治具板4が遊技盤200に押し付けられるように構成する必要は無い。治具板4が下降位置まで下降したときに、各ピン41が対応する部品取付孔202に同時に挿入されて突起部204を押し出すことにより、全ての部品201は同時に取り外されるからである。
【符号の説明】
【0039】
1…部品取外し装置
2…エアシリンダ(昇降手段)
3…治具板装着部
4…治具板
5…遊技盤配置部
41…ピン(取外し用治具)
61、62、63、64…シュータ
61a、62a、63a、64a…入口部
200…遊技盤
201…部品
202…部品取付孔
204…突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パチンコ遊技機の遊技盤に貫通された部品取付孔に突起部を嵌入することにより前記遊技盤に取り付けられた複数の部品を、前記遊技盤から取り外すためのパチンコ遊技機の部品取外し装置であって、
前記遊技盤に設けられた複数の前記部品取付孔の各位置に対応して複数の取外し用治具が突設された治具板と、
前記治具板の下方の所定の部品取外し位置に前記遊技盤を配置する遊技盤配置部と、
前記治具板を昇降させる昇降手段と、
を備え、
前記昇降手段により前記治具板が所定の下降位置まで下降したときに、前記各取外し用治具が、前記部品取外し位置に配置された前記遊技盤の対応する前記部品取付孔に挿入されて、前記部品取付孔に嵌入されている前記突起部を前記部品取付孔から押し出すように構成されたことを特徴とする部品取外し装置。
【請求項2】
前記治具板が、交換可能に構成されるとともに、前記部品を取り外す対象である前記遊技盤と同機種の遊技盤の各部品取付孔に前記取外し用治具を突設したもので構成されたことを特徴とする請求項1記載の部品取外し装置。
【請求項3】
前記昇降手段が、前記治具板を前記下降位置まで下降させたときに、前記部品取外し位置に配置された前記遊技盤の一側部と前記遊技盤の中央部を挟んで前記一側部とは反対側の他側部とに対向する前記治具板の2箇所を、押圧するように構成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の部品取外し装置。
【請求項4】
取り外された前記部品を移送するシュータが複数設けられ、
前記各シュータの入口部は、前記部品取外し位置に配置された状態の前記遊技盤の当該シュータで移送すべき前記部品の下方に、配置されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の部品取外し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−115318(P2012−115318A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265364(P2010−265364)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】