説明

パチンコ遊技機

【課題】遊技性を損なうことなく遊技者側の操作負担を軽減したパチンコ遊技機を提供すること。
【解決手段】入賞口が設けられる遊技領域130に向けて玉を発射する発射手段421と、発射手段421により発射される玉の発射強度、発射間隔、及び発射場所のうちの少なくともいずれかを規定する発射条件を設定するための操作手段17と、を備えるパチンコ遊技機1では、発射手段421により順次発射される玉のうちのいずれかの対象玉について、発射条件を予め設定するための予約操作が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体であるパチンコ玉を発射して遊技され、遊技領域に設けられた入賞口にパチンコ玉が入ったときに入賞が発生するパチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機の多くは、パチンコ玉の発射スイッチとしての機能と、発射強度を調整するための機能と、を兼用する発射ハンドルを備えている。遊技の際には、発射ハンドルを操作することで、遊技領域にパチンコ玉を打ち出すことができる。さらに、発射ハンドルの操作量を適宜調整すれば発射強度を調整でき、これにより、遊技領域の特定の位置を狙ってパチンコ玉を打ち出し可能である。
【0003】
このようなパチンコ遊技機を長時間に渡って遊技すると、発射ハンドルを操作する手や腕に疲労が生じるおそれがある。また、手操作による発射ハンドルの操作では、その操作量にずれが生じ易く、パチンコ玉の打ち出し位置がずれてしまうことが多い。打ち出し位置の精度を確保するためには、発射ハンドルの操作量のずれを抑えれば良いが、そのためには、発射ハンドルを一層慎重に操作する必要があり遊技者側の疲労がさらに大きくなってしまう。
【0004】
そこで、発射ハンドルに代えて発射操作表示部を備え、その発射操作表示部を操作することで発射強度等を調整可能とした遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この遊技機は、設定された一定の発射強度によってパチンコ玉を打ち出し、これにより遊技者側の負担を軽減しようとしている。
【0005】
しかしながら、前記従来のパチンコ遊技機では、次のような問題がある。すなわち、パチンコ遊技機の遊技においては、遊技状況に応じて発射強度を変更したり、発射を中断する、いわゆる止打ちを行ったりする遊技方法が遊技性の1つとして挙げられるが、前記従来の遊技機では、遊技状況に応じた操作が難しく、遊技性が損なわれてしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−295666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、遊技性を損なうことなく遊技者側の操作負担を軽減したパチンコ遊技機を提供しようとする発明である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、入賞口が設けられる遊技領域に向けて玉を発射する発射手段と、
発射手段により発射される玉の発射強度、発射間隔、及び発射場所のうちの少なくともいずれかを規定する発射条件を設定するための操作手段と、を備え、
該操作手段は、前記発射手段により順次発射される玉のうちのいずれかである対象玉が発射される際に発射条件が切り替わるように、その発射条件を当該対象玉に予め対応付けて設定するための予約操作が可能であるパチンコ遊技機にある。
【0009】
本発明のパチンコ遊技機では、順次発射される玉のうちのいずれかの前記対象玉について、前記発射条件を設定する前記予約操作が可能である。前記予約操作により前記発射条件を設定すれば、当該対象玉が発射されるときの発射条件を切り替え可能である。
【0010】
この予約操作によれば、前記対象玉が発射されるまでの期間内に前もって前記発射条件を設定可能である。その予約操作に不慣れであったり、苦手に感じる遊技者であっても、事前に余裕をもって前記発射条件を設定可能である。このパチンコ遊技機の遊技では、遊技状況(玉の入賞状況)に応じて前記発射条件を設定可能であり、遊技状況を予測しながら適切な発射条件を予め設定するという新たな遊技性が実現されている。
【0011】
このように、本発明のパチンコ遊技機によれば、遊技性を損なうことなく遊技者側の操作負担を軽減したパチンコ遊技機である。
【0012】
本発明におけるパチンコ遊技機としては、入賞に応じてパチンコ玉等の遊技媒体が払い出されるパチンコ遊技機であっても良いが、遊技媒体の払出を伴わない、いわゆる封入式のパチンコ遊技機であっても良い。
【0013】
本発明における好適な一態様のパチンコ遊技機の操作手段は、前記対象玉の候補である玉候補を複数提示すると共に、該玉候補について、それぞれ、前記発射条件として設定可能な条件候補を複数提示し、いずれかの条件候補が選択されたとき、対応する玉候補を前記対象玉として選択された条件候補に当たる発射条件を設定する。
この場合には、前記条件候補を選択すると同時に前記対象玉を選択できるので、前記予約操作の手間を軽減できる。
【0014】
本発明における好適な一態様のパチンコ遊技機の操作手段は、前記発射条件として設定可能な条件候補を複数提示すると共に、当該条件候補の発射条件を調整するための調整操作が可能であり、
前記発射手段は、前記調整操作が行われていない場合には前記予約操作で設定された発射条件により玉を発射する一方、前記調整操作が行われている場合には、当該調整操作により調整された発射条件により玉を発射する。
この場合には、玉の発射状況を実際に確認しながら前記調整操作を実施できるようになる。
【0015】
本発明における好適な一態様のパチンコ遊技機は、前記発射手段により順次発射される複数の玉よりなる玉グループを生成するグループ手段と、
前記遊技領域に設けられた入賞口への入賞状況を表す遊技情報を管理する情報管理手段と、を備え、
前記操作手段は、前記玉グループに属する玉を前記対象玉として前記発射条件を予め設定する予約操作が可能であり、
前記情報管理手段は、前記玉グループに属する玉を発射する期間に関する前記遊技情報を管理するに当たって、当該玉グループに属する玉に設定された発射条件を対応付けて管理する。
【0016】
この場合には、前記玉グループについて、前記発射条件を対応付けて前記遊技情報を管理できるようになる。例えば、前記遊技情報に基づくランキング形式にて前記発射条件の有利度合いを提示すること等も可能になる。どのような発射条件を設定すれば良好な入賞状況が得られるのかの指標を遊技者側あるいは遊技場側に提示できるようになる。
【0017】
本発明における好適な一態様のパチンコ遊技機は、前記操作手段とは別に設けられ、前記発射手段による玉の発射条件を設定するための補助操作を可能とする補助操作手段と、
前記操作手段による予約操作、及び前記補助操作手段による補助操作のうちのいずれか一方のみによって発射条件が設定された玉については、当該発射条件により玉が発射されるように前記発射手段を制御する一方、
前記操作手段による予約操作、及び前記補助操作手段による補助操作の両方によって異なる発射条件が設定された玉については、前記補助操作により設定された発射条件により玉が発射されるように前記発射手段を制御する制御手段と、を備え、
前記操作手段は、前記発射強度あるいは前記発射間隔の範囲が設定されていると共に、当該範囲に属するいずれかの発射強度あるいは発射間隔を前記発射条件として設定する条件候補を複数提示し、遊技者によって選択されたいずれかの条件候補に当たる発射条件を設定可能であり、
前記制御手段は、前記補助操作により前記発射条件として設定された発射強度あるいは発射間隔が、前記条件候補に対応付けて予め設定された発射強度あるいは発射間隔の範囲のいずれに属するかを判断することにより、当該補助操作により設定された発射条件が前記条件候補のいずれに対応しているのかを特定し、特定された条件候補を他とは区別可能に表示する制御を行う一方、
特定された条件候補が選択されたとき、当該条件候補に対応する発射条件を前記補助操作により設定された発射条件に変更する制御を行う。
【0018】
前記操作手段とは別に前記補助操作手段を設け、補助操作を優先させて発射制御を行うので、例えば、従来の発射ハンドル等を前記補助操作手段として設ければ、従来と同様の感覚の遊技が可能になる。さらに、前記補助操作手段を利用して、前記条件候補に対応する発射条件の調整操作を行うことが可能になり、その調整操作の手間を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1における、パチンコ遊技機を示す正面図。
【図2】実施例1における、パチンコ遊技機の電気的な構成を示すシステム図。
【図3】実施例1における、記憶領域の構成を示す説明図。
【図4】実施例1における、操作画面を例示する正面図。
【図5】実施例1における、操作画面を例示する正面図。
【図6】実施例1における、操作画面を例示する正面図。
【図7】実施例1における、操作画面を例示する正面図。
【図8】実施例1における、操作画面を例示する正面図。
【図9】実施例1における、操作画面を例示する正面図。
【図10】実施例1における、調整画面を例示する正面図。
【図11】実施例2における、パチンコ遊技機を示す正面図。
【図12】実施例2における、発射条件の範囲を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、発射条件を設定可能なパチンコ遊技機1に関する例である。このパチンコ遊技機1の遊技では、遊技状況を予測しながら、遊技状況に応じた発射条件を予約操作により設定して遊技を楽しむことが可能である。この内容について、図1〜図10を用いて説明する。
【0021】
本例のパチンコ遊技機1は、図1のごとく、図示しない台枠に取り付けられた開閉扉13と、開閉扉13の内側の遊技盤の盤面に形成された略円形状の遊技領域130と、遊技領域130の下部両側に配置された一対のスピーカ131と、遊技領域130の下側に設けられた上皿135及び下皿137と、を備えている。開閉扉13には、遊技領域130に対応する略円形状の透明窓139と、透明窓139の上部両側に配置された装飾ランプ136と、が設けられている。特に、本例のパチンコ遊技機1は、上皿135の外枠、遊技者側に張り出した部分にタッチパネル式の操作パネル(操作手段)17が埋め込まれている点に外観的な特徴を有している。
【0022】
上皿135は、入賞に応じて払い出された賞球や、貸玉等を受け入れるための受け皿である。上皿135は、遊技者側に向けて張り出すように形成されている。上皿135の玉は、図示しない供給通路を経由して発射装置(発射手段)421に供給されるようになっている。
下皿137は、上皿135の玉が一杯になったときに賞球を払い出したり、遊技者の操作に応じて上皿135の玉を回収するための受け皿である。
【0023】
操作パネル17は、発射条件を設定するための操作手段である。この操作パネル17は、液晶ディスプレイの表示画面に沿ってタッチセンサシートが積層されたタッチパネルである。本例のパチンコ遊技機1の遊技では、この操作パネル17に対するタッチ操作によって玉の発射条件を適宜設定可能である。なお、発射条件の設定内容及び設定方法については、後で詳しく説明する。
【0024】
遊技領域130は、遊技媒体である玉が流下する領域である。遊技領域130には、液晶表示部190を含む表示装置19を中心として、左右両側に通過ゲート141等が配置され、下側に始動口12A〜Cや大入賞装置16や一般入賞口15等が配置されている。遊技領域130の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するための玉排出口138が開口している。
【0025】
通過ゲート141は、通過玉を検知するゲートである。玉を通過させるのみの通過ゲート141には、賞球の払い出しが設定されていない。通過ゲート141が通過玉を検知すると、普通図柄の当否判定(以下、普図判定という。)用の抽選乱数が抽出され、普図判定が実行される。
【0026】
始動口12は、特別図柄の当否判定(以下、特図判定という。)の契機となる入賞口である。始動口としては、入賞率が変動しない、いわゆるへそタイプの始動口12A・Bと、電動チューリップタイプの始動口12Cと、がある。始動口12Cは、その開口部120に一対の可動羽根121を取り付けた入賞口である。通常時の一対の可動羽根121は、隙間を空けて相互に対面するように起立する状態(図1中、点線で示す状態。)にある。この状態では、上方に向けて開口する玉1個分の隙間が一般入賞口15により閉塞され入賞率が極めて低い(ほぼゼロとなる)。一方、相互に離隔するように回動した一対の可動羽根121(図1中、実線で示す状態。)は、開口部120への玉の流入をガイドする受け皿のように作用する。この状態では、始動口12Cへの入賞が容易になり入賞率が一気に高くなる。始動口12Cは、普図判定の当選に応じて可動羽根121を開放する。可動羽根121の開放時間は、通常状態において0.2秒×1回、確変状態及び時短状態において1.5秒×3回となっている。
【0027】
始動口12に玉が入賞(始動入賞)すると、特図判定用の抽選乱数が抽出され、特図判定(大当たり抽選)が実行される。なお、始動口12Aを契機とした特図判定用の乱数、及び始動口12B・Cを契機とした特図判定用の乱数は、いずれも4個を上限として表示される。各保留数は、第1特図保留表示部195A、あるいは第2特図保留表示部195Bに保留される。なお、以下の説明では、始動口12Aの入賞を第1始動入賞、始動口12B又はCの入賞を第2始動入賞という。
【0028】
大入賞装置16は、大入賞口160を開口する、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置である。この大入賞装置16は、始動口12Cの下側に配置されている。大入賞装置16は、横長略矩形状を呈する大入賞口160と、該大入賞口160の下辺を支点として手前に回動する蓋部材161と、を有している。大入賞装置16では、遊技領域130をなす盤面と略面一をなすように蓋部材161が位置したときに大入賞口160が閉鎖状態となる。一方、蓋部材161が手前に回動したときに大入賞口160が開放状態となる。このように回動した蓋部材161は、玉を大入賞口160へ導くための受け皿となる。なお、大入賞装置16への入賞に対する払い出しは、1入賞当たり15個となっている。
【0029】
表示装置19は、図1のごとく、液晶表示部190の表示画面191が装飾枠199によって取り囲まれた表示装置である。この液晶表示部190は、特図判定の当否を遊技者に報知する機能を有している。表示画面191の上側の装飾枠199には、普図表示部181及び普図保留表示部182が配置されている。また、表示画面191の下側の装飾枠199には、特図保留数を表示する第1及び第2特図保留表示部195A・Bが配設されている。
【0030】
普図表示部181は、普図判定の当否結果の表示部である。本例の普図表示部181は、○×表示により構成されている。普図表示部181は、○か×を交互に点灯させることで変動動作を表示する。普図表示部181は、普図判定で当選したとき、最終的に○を点灯させ、ハズレのとき×を点灯させる。なお、普図変動時間は、通常状態下で30秒、時短状態を伴って発生する確変状態では1秒となっている。
普図保留表示部182は、普図の保留数の表示部である。普図保留表示部182は、4つのLEDが横に連設された表示部である。普図保留表示部182は、LEDの点灯個数により普図保留数(上限保留数4個)を表示する。
【0031】
第1及び第2特図保留表示部195A・Bは、何れも表示画面191の下縁に沿って配列された4個の保留ランプよりなる。第1特図保留表示部195Aが左側に配置され、第2特図保留表示部195Bが右側に配置されている。第1特図保留表示部195Aは、第1始動入賞(始動口12Aへの入賞)に応じた特図保留に対応し、第2特図保留表示部195Bは、第2始動入賞(始動口12B及びCへの入賞)に応じた特図保留に対応している。特図保留表示部195A・Bは、保留ランプの点灯個数により対応する特図保留数(上限保留数4個)を表示する。
【0032】
表示画面191では、図柄が変動表示され、停止表示された図柄の組合せに応じて特図判定の当否(大当たりかハズレか)が報知される。特図判定に当選した場合、所定の図柄変動時間に渡る図柄の変動表示後、ゾロ目の3桁の数字が表示される。本例では、通常大当たりに当選したとき偶数のゾロ目が表示される。確変状態(特定状態)を伴う確変大当たり(特定大当たり)に当選したときには、奇数のゾロ目が停止表示される。表示画面191による図柄変動時間は、特図保留数や各種の抽選状況に応じて変動する。
【0033】
次に、パチンコ遊技機1の電気的な構成について、図2を用いて説明する。パチンコ遊技機1は、主回路20(主制御基板)を中心として電気的に構成されている。主回路20に対しては、玉の払出を制御する払出制御回路41、玉の打込を制御する発射制御回路(制御手段)42、遊技演出を制御する副制御回路43(副制御基板)、電源回路46のほか、入賞玉あるいは通過玉の検出器51〜53、始動口(電チュー)12Cを開放する電チューソレノイド56、大入賞装置16を開放させる大入賞ソレノイド55、特図保留表示部195A・B、普図表示部181、普図保留表示部182等が電気的に接続されている。
【0034】
入賞玉あるいは通過玉の検出器としては、図1及び図2に示すごとく、通過ゲート141の通過玉を検出するゲート通過検出器51、始動口12A〜Cへの入賞玉を検出する始動入賞検出器52A〜C、及び大入賞装置16への入賞玉を検出する大入賞検出器53等がある。
電チューソレノイド56は、始動口12Cの可動羽根121を開閉するためのソレノイドである。
大入賞ソレノイド55は、大入賞装置16の蓋部材161を回動駆動して、大入賞装置16を入賞可能な状態とするソレノイドである。
【0035】
払出制御回路41は、主回路20からの指示を受けて払出装置411を制御し、所定数の玉の払出を実行させる制御回路である。
発射制御回路42は、発射装置421を制御することで、玉の打ち出し強さ(発射強度)や、打ち出し間隔(発射間隔)等をコントロールする制御回路である。発射制御回路42には、操作パネル17が電気的に接続されている。発射制御回路42は、操作パネル17を利用して設定された発射条件により発射装置421を制御する。
副制御回路43には、駆動アンプを含むスピーカ装置451、装飾ランプ136などの装飾ランプ類452、及び液晶表示部190の表示等を制御する表示制御回路44が電気的に接続されている。
【0036】
主回路20は、図2に示すごとく、CPU(Central Processing Unit)21、記憶素子であるROM(Read Only Memory)22・RAM(Random Access Memory)24、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部26、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)25等を備えている。なお、副制御回路43についても主回路20と同様、CPU431、ROM432・RAM434、乱数発生部436、及びI/O435等を備えている。
【0037】
主回路20のROM22は、CPU21に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、図示しないが、特図判定の当選値が規定された抽選テーブル、普図判定の当選値が規定された抽選テーブル等を記憶している。主回路20のRAM24は、CPU21のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM24の記憶領域には、図3に示すごとく、特図乱数カウンタ領域24a、8個分の特図保留領域24c、特図読出領域24d、遊技フラグ領域24e、回数カウンタ領域24f等の記憶エリアが設定されている。
【0038】
特図乱数カウンタ領域24aには、特図判定用に乱数発生部26が発生する所定範囲の乱数値が記憶される。特図乱数カウンタ領域24aの乱数値は、CPU21の動作クロックを基準とした所定のタイミングで乱数発生部26が乱数を発生する毎に直ちに更新される。
【0039】
8個分の特図保留領域24cには、それぞれ、特図判定用の乱数と共に、その当否及び第1始動入賞(始動口12Aへの入賞)を契機とした乱数であるか第2始動入賞(始動口12B又はCへの入賞)を契機とした乱数であるかを示す契機フラグが記憶される。
特図読出領域24dは、特図の図柄変動を開始するに当たって特図保留領域24cから読み出されたデータを一時記憶する領域である。
【0040】
遊技フラグ領域24eには、遊技状態フラグ、変動フラグが記憶される。遊技状態フラグは、パチンコ遊技機1の遊技状態を示すフラグである。遊技状態フラグのフラグ値は、ゼロが通常状態、1が大当たり状態、2が確変状態を表している。変動フラグは、特図変動中であるか否かを表すフラグであり、オンが特図変動中を表している。
【0041】
回数カウンタ領域24fには、大当たり遊技のラウンド数が記憶される。ラウンド数は、ラウンド遊技を開始する毎に1回ずつ加算される。
なお、主回路20のRAM24には、図示しない普図判定のための普図乱数カウンタ領域、普図保留領域、普図読出領域なども設けられている。
【0042】
本例の主回路20は、図2のごとく、ROM22から読み出したプログラムをCPU21に実行させることにより、(a)大当たり抽選手段211、(b)保留制御手段212、(c)保留表示制御手段213、(d)演出抽選手段214、(e)大当たり状態発生手段216、(f)特別状態発生手段217としての機能を実現している。以下、(a)〜(f)の各手段について説明する。
【0043】
(a)大当たり抽選手段211
大当たり抽選手段211は、特図判定を実行する手段である。大当たり抽選手段211は、第1あるいは第2始動入賞が発生したとき、特図乱数カウンタ領域24aに格納された乱数値を参照し、特図判定用の抽選テーブルと照合することにより特図判定(大当たり抽選)を実行する。大当たり抽選手段211が参照した乱数値及び抽選の結果等は、特図保留領域24cの空き領域のうち番号が最も小さい保留領域に格納される。なお、特図判定の内容については、第1始動入賞と第2始動入賞とで異なるところがない。
【0044】
ここで、特図判定の当選としては、大当たり状態の終了後に確変状態が発生する確変大当たりと、通常状態に復帰する通常大当たりと、が設定されている。本例では、1/300の確率の大当たり当選のうち、確変大当たりの割合が2/3となっている。
【0045】
(b)保留制御手段212
保留制御手段212は、大当たり抽選手段211が始動入賞に応じて参照した乱数値、抽選結果等を保留する手段である。本例の保留制御手段212は、第1始動入賞を契機とした乱数の第1保留数と、第2始動入賞を契機とした乱数の第2保留数と、を記憶している。保留制御手段212は、第1(第2)始動入賞が発生したとき、第1(第2)保留数が4個未満であれば、特図保留領域24cの空き領域のうち番号が最も小さい領域に特図判定用の乱数を記憶させる。第1(第2)始動入賞に応じた乱数を特図保留領域24cに記憶させたとき、第1(第2)保留数を1個ずつ加算する。なお、第1(第2)保留数が4個の場合には、新たな第1(第2)始動入賞が発生しても特図保留領域24cに記憶されることなく無効になる。
【0046】
保留制御手段212は、変動フラグがゼロであって、かつ、遊技状態フラグが1(大当たり状態)以外のとき、特図保留領域24cの領域1の保留データを読み出し、特図読出領域24dに記憶させる。このとき、読み出した保留データのうちの前記契機フラグが参照され、契機となった始動入賞が第1始動入賞であるか第2始動入賞であるかが判断される。第1(第2)始動入賞が契機の保留データであれば、第1(第2)保留数が1個減算される。特図保留領域24c中の領域1のデータを特図読出領域24dに読み出したとき、保留制御手段212は、領域2のデータを領域1に移行し、領域3のデータを領域2に移行し、領域4のデータを領域3へ移行する・・・というデータ移行を特図保留領域24cについて実行する。このように本例では、特図保留領域24cへと記憶した順、即ち、始動口12への入賞順に保留した図柄変動が実行される。
【0047】
一方、領域1に保留データが記憶されていなかった場合については、大当たり抽選手段211が始動入賞に応じて参照した乱数値等が特図保留領域24cの領域1を経由して特図読出領域24dに読み出される。なお、このように特図読出領域24dに記憶されたデータは、その後、対応する特図の図柄変動が終了したときに消去される。
なお、普図判定用の乱数についても、上記とほぼ同様に取り扱われる。
【0048】
(c)保留表示制御手段213
保留表示制御手段213は、特図保留表示部195A・Bを構成する保留ランプの点灯状態を制御する手段である。保留制御手段212は、第1(第2)特図保留表示部195A(195B)の保留ランプのうち、第1(第2)保留数に相当する個数分の保留ランプを左詰めで点灯させ、残りの保留ランプを消灯させる。
【0049】
(d)演出抽選手段214
演出抽選手段214は、リーチ演出を含む演出処理の中から特図変動中に実行する演出を選択する手段である。リーチ図柄やハズレ図柄など表示画面191に停止させる図柄の組み合わせも併せて抽選により決定される。特図判定に当選している場合には、表示画面191に大当たり図柄を表示させる演出が選択される。
(e)大当たり状態発生手段216
大当たり状態発生手段216は、大当たり状態を発生させる手段である。大当たり状態発生手段216は、表示画面191において大当たりの図柄が停止表示されたとき、大当たり状態を発生させる。大当たり状態は、大入賞口160が開口するラウンドが繰り返される非常に有利な状態である。大当たり状態としては、確変状態が後続する確変大当たり状態と、終了に応じて直ちに通常状態に復帰する通常大当たり状態と、がある。大当たりとしては、ラウンドの繰り返し回数が5回の5R大当たり(25%)と、16回の16R大当たり(75%)と、がある。各ラウンドは、入賞玉数が8個に到達するか、開放時間が30秒に達したときに終了する。
【0050】
(f)特別状態発生手段217
特別状態発生手段217は、通常状態よりも遊技者に有利な特別状態を発生させる手段である。本例では、特別状態として、表示画面191及び普図表示部181による図柄変動時間が短縮される時短状態を伴う確変状態が設定されている。特別状態発生手段217は、確変大当たり状態の終了後にこの確変状態を発生させ、その後、新たな大当たり当選まで確変状態を継続させる。確変状態下の大当たり判定では、大当たりの当選確率が1/30と高くなり有利である。確変状態は、新たに大当たり状態が発生するまで継続し、通常大当たり状態の発生に応じて終了する。なお、特別状態として、上記の時短状態を伴う確変状態に加えて、あるいは代えて、単独で発生する時短状態を設定することもできる。
【0051】
以上のような構成の本例のパチンコ遊技機1では、始動口12Aと始動口12Bとが液晶表示部190の両側に配置されており、玉の強度に応じて始動口12A及びBを打ち分け可能である。例えば、第1保留数が4個あるいは3個である一方、第2保留数が0個とか1個とかの場合であれば、無駄な第1始動入賞を発生させないように発射強度を強くして始動口12Bを狙い打ちする遊技方法が有利となる。
【0052】
このパチンコ遊技機1では、従来のような発射ハンドルではなく、操作パネル17による予約操作によって発射条件を設定可能である。図4〜図9のごとく、操作パネル17には、次の発射玉である「今回」、「1玉後」、「2玉後」・・・など順次発射される発射玉(対象玉)毎に、3段階の発射強度(ゼロを含む)を表す「強」、「弱」及び「止」、2段階の発射間隔を表す「早」又は「遅」の各タッチボタン30が配置された操作画面3が表示される。いずれかのタッチボタン30を操作すれば、対応する発射玉を対象玉として、発射強度あるいは発射間隔の発射条件を設定する予約操作が可能である。本例のパチンコ遊技機1では、発射条件として設定できる条件候補として各タッチボタン30が用意されている。
【0053】
弱ボタン31は、始動口12Aを狙い打ちできる弱い発射強度の条件候補であり、強ボタン32は、始動口12Bを狙い打ちできる強い発射強度の条件候補である。また、早ボタン331は、1分当たり100発の早い発射間隔の条件候補であり、遅ボタン332(図9参照。)は、1分当たり30発の遅い発射間隔の条件候補である。
【0054】
遊技停止中の操作パネル17には、図4の操作画面3が表示される。この操作画面3では、発射強度ゼロに対応する止ボタン35が選択され、反転表示されている。
遊技を開始する際には、いずれかの発射玉に対応する強ボタン32あるいは弱ボタン31をタッチ操作することで、全ての発射玉について共通の発射条件を設定できる。例えば、弱ボタン31をタッチ操作すれば、図5のごとく、全ての発射玉について、発射強度「弱」の発射条件を設定する予約操作が可能である。なお、本例では、反射間隔については「早」が初期設定されている。遊技を開始する際に弱ボタン31が操作されると、同時に発射間隔「早」が選択されて早ボタン331が反転表示された状態となる。表示された早ボタン331をタッチ操作すれば、発射間隔「遅」が選択されて遅ボタン332が反転表示された状態に切替できる。
【0055】
発射条件を切り替えるときには、例えば、図6のごとく、操作画面3を操作すれば良い。同図は、「3玉後」に対応する強ボタン32がタッチ操作されたときの操作画面3である。同図の設定では、2玉後までは「弱」、3玉後で「強」、4玉後からは再度「弱」の発射強度となる。始動口12Aと始動ロ12Bとを交互に狙い打ちしたい場合等であれば、同図のような予約操作により容易に打ち分け可能となる。
【0056】
また、例えば、図6の操作画面3における3玉後の強ボタン32を再度タッチ操作すれば、図7のごとく3玉後以降の発射玉について「強」の発射条件を設定できる。このように選択済みの強ボタン32(図6参照。)を再度タッチ操作すれば、対応する発射玉以降の各発射玉について同様の発射条件を設定できる。例えば、始動口12Aに対応する第1保留数が上限近くになる手前辺りで始動口12Bへと狙いを切り替える場合には、図5の3玉後の発射玉に対応する強ボタン32を2度タッチ操作し、図7のような発射条件を設定するのが良い。一方、1玉だけ始動口12Bを狙った遊技を行いたい場合は、図5の3玉後の発射玉に対応する強ボタン32を1度だけタッチ操作し、図6のような発射条件を設定するのが良い。
【0057】
図7の操作画面3が表示された状態で1玉発射されると、図8の操作画面3に切換表示される。この操作画面3は、図7の操作画面3による設定内容が左側に1玉分スライドし、5玉後として新たな発射玉が表示されている。このように新たに現れた5玉後については、4玉後の発射玉(図7の操作画面3の5玉後の発射玉)と同様の発射条件が設定される。このような設定は、例えば、図7の操作画面3が表示されてから1玉発射された段階で未だ始動口12Aに入賞しておらず継続して始動口12Aを狙うような遊技状況を想定しており、再度の予約操作の手間を未然に回避している。もちろん、始動口12Bに入賞し、始動口12Bを狙う必要がなくなった場合には、操作画面3を操作して始動口12Aを狙えるように発射強度を「弱」に切り替えれば良い。なお、「弱」への切替操作についても、「強」の場合と同様、1度のタッチ操作では対応する発射玉のみを「弱」とし、2度のタッチ操作により対応する発射玉以降の発射玉を「弱」へと変更可能である。
【0058】
図9は、保留数が上限値に近くなってからリーチが発生したため、「2玉後」に対応する早ボタン331を2度タッチ操作し、それ以降の発射玉の発射間隔を「遅」に切り替えたときの操作画面3を示している。この予約操作は、保留数がオーバーフローしないように発射間隔を長くしようとする操作である。なお、保留数が上限数に到達したときには、「止」ボタンをタッチ操作して図4の停止状態に移行させることもできる。
【0059】
なお、1玉だけを「遅」に切り替えたい場合には1度のタッチ操作を行えば良い。この場合、2度のタッチ操作とは連続して2回タッチ操作することを示し、具体的には操作間隔が所定時間以内(例えば2秒)に操作されることを示す。つまり、2秒以内ならそれ以降の発射玉の発射間隔が「遅」に変更され、2秒以上ならその発射玉の発射間隔が「早」に切り替わることになる。これは「早」へのタッチ操作についても同様である。
【0060】
また、強ボタン32、弱ボタン31、遅ボタン332を長くタッチ操作(例えば2秒以上)すれば、図10のような発射条件を調整するための調整画面3Aを表示できる。同図は、遅ボタン332を長くタッチ操作したときに、遅ボタン332に対応した発射間隔と、強ボタン32に対応した発射間隔とを調整する際の例である。なお、発射強度については、タッチ操作した遅ボタン332に対応する次の発射玉に対応する発射強度が「強」であるために設定対象が「強」となっている。図10の調整画面3Aによれば、発射強度や発射間隔の微調整が可能である。この調整画面3Aにより発射条件が調整された場合には、図4〜図9に例示する予約操作によらず、調整された発射条件により玉の発射が行われる。すなわち、予約操作された発射条件による発射を一時中断して、調整された発射条件により玉を発射する。
【0061】
図10では、上段のスライドバー36において、間隔ボタン361のスライド操作により発射間隔を調整可能である。間隔ボタン361の操作に応じて調整された発射間隔は、間隔ボタン361に表示された数値(同図では「30発/分」と例示。)により確認可能である。また、発射強度については、現在設定中の発射強度を基準として同様の調整操作が可能である。
【0062】
なお、図10の調整画面3Aを利用して発射条件を調整している間も玉が継続的に発射される。遊技者は、実際に発射される玉を確認しながら、発射強度や発射間隔等の発射条件を適切に調整可能である。なお、右上に配置された確定ボタン38を操作すれば、そのときの調整状態が確定されたうえで元の画面に復帰する。また、予約操作された発射条件による発射を再開する。
【0063】
なお、強ボタン32や、弱ボタン31を長くタッチ操作した場合についても上記と同様に調整画面が表示されるが、この場合、発射強度のスライドバー37が上段に表示され、発射間隔のスライドバー36が下段に表示される。なお、本例では、早ボタン331に対応する発射間隔を100発/分に固定し調整不能としたが、遅ボタン332に対応する発射間隔と同様、調整可能にしても良い。
【0064】
なお、本例の構成に代えて、以下のような構成を採用することもできる。
本例では、対象となる遊技機として、始動口12A、Bを打ち分けるような遊技機を例示している。これに代えて、例えばアレンジパチンコ等を対象として、遊技領域の下段に沿って配列された、いわゆるポケットと呼ばれる複数の穴に対応させるように発射強度を設定して本発明を適用しても良い。すなわち、発射強度を2段階から選択可能としたが、3段階以上であっても良い。他の発射条件についても同様である。
【0065】
例えば、16玉の発射を1ゲームとして取り扱うアレンジパチンコであれば、その16玉(所定数)単位で発射条件の予約操作を可能とし、その発射された玉が入賞するまでの期間に対応する入賞数、払出数、出玉率等の入賞状況を示す遊技情報を予約操作された発射条件に対応付けて管理し(情報管理手段の機能)、その遊技情報によりソート(例えば、出玉率や入賞数のランキング)して予約操作された発射条件を提示することも良い。このようにすれば、どのような予約操作が有利か把握可能となる。
【0066】
アレンジパチンコ以外の遊技機についても、所定数単位の玉数で区分けして予約操作を受け付け、その結果となる遊技情報とを対応付けて管理、提供しても良い。この場合、所定期間としては、例えば、予約操作した最初の玉の発射後、開始設定期間(例えば2秒)が経過してから、最後の玉の発射後、終了設定期間(例えば2秒)が経過するまでを所定期間とすれば良い。もちろん、最初の玉を発射してから最後の玉を発射するまでを所定期間として設定しても良く、開始設定期間等の有無や数値は適宜変更可能である。
【0067】
本発明は、発射強度だけでなく発射間隔の設定も可能であるので、例示したタイプ以外のパチンコ遊技機にも有用である。また、点数による遊技を可能とするいわゆる封入式のパチンコ遊技機を対象としても良く、これらを考慮し、遊技媒体と点数とを包含する遊技価値と表現する。
【0068】
さらに本例では、玉の発射を遊技領域130の左側から発射する構成のみを例示している。これに代えて、例えば、遊技領域130の右側から発射する構成を追加採用する等、発射口を複数設け、発射場所を選択可能にしても良い。
操作手段として、タッチパネル式の操作パネル17を例示したが、例えば、操作パネル17に表示されたタッチボタン30と同様に配列された押し釦を設け、発射条件の条件候補を提示しても良い。
【0069】
本例では、1玉単位で予約操作を可能としたが、例えば、3玉単位等、複数の玉を1単位とした予約操作であっても良い。さらに、例えば、「2玉後」をタッチ操作することで複数の玉の範囲を指定して玉グループを生成するグループ手段を設けることも良い。この場合には、玉グループに属する各発射玉について、予約操作に応じて一律の発射条件を設定できるようになる。また、玉数により区分けして表示可能としたが、例えば次の発射玉のみについて予約操作を可能としたり、「X玉後」を指定した上で予約操作を行う等、玉数により操作部を区分けする必要は必ずしも無い。
【0070】
(実施例2)
本例は、実施例1のパチンコ遊技機に対して、従来と同様の発射ハンドル(補助操作手段)134を取り付けた例である。この内容について、図4、図11及び図12を参照して説明する。
本例のパチンコ遊技機1は、発射ハンドル134を操作して発射強度を調整できると共に、実施例1と同様に操作パネル17による発射条件の設定も可能になっている。
【0071】
本例のパチンコ遊技機1では、図12のように発射強度に関する発射条件の範囲が予め設定されている。同図では、最大の発射強度を100%とした相対的な割合により、発射強度「強」の発射条件の範囲、及び発射強度「弱」の発射条件の範囲が表現されている。
【0072】
発射ハンドル134の操作に応じて玉を打ち出している最中では、そのときの発射強度がいずれの範囲に属するのかが特定され、その範囲に対応するタッチボタン30(図4)が点滅表示される。例えば、発射ハンドル134によって設定された発射強度が「弱」の範囲に属する場合であれば、全ての弱ボタン31(図4)が点滅表示される。この点滅表示中のいずれかの弱ボタン31をタッチ操作すれば、そのときの発射強度を弱ボタン31の発射条件として設定できる。このような設定後であれば、発射ハンドル134を操作しなくても弱ボタン31の選択により、その発射強度を再現できる。
【0073】
なお、予約操作後であっても、発射ハンドル134が操作された場合には、そのハンドル操作(補助操作)が優先されて玉が発射される。そのときには、上記のごとく、ハンドル操作により設定された発射強度に対応するタッチボタン(強ボタン32か弱ボタン31)が点滅表示される。
【0074】
一方、ハンドル操作が行われない状態では、強ボタン32、弱ボタン31に対して初期値となる発射強度が設定されている。また、予め設定された時間に渡って玉が発射されない等のリセット条件が成立したときには、強ボタン32、弱ボタン31に設定される発射強度が初期化されて初期値に復帰する。
【0075】
また、ハンドル操作中に操作画面3を操作した場合は、発射ハンドル134から手を離しても発射が継続される一方、ハンドル操作中に一度も操作画面3が操作されなかった場合には、発射ハンドル134から手を離した時点で発射が中断される。
なお、発射ハンドル134により設定された発射強度に対応するタッチボタン30を点滅表示させるため、強ボタン32、弱ボタン31に対応する発射強度の範囲を設定している。これに代えて、点滅表示を省略し、発射強度に範囲を設けない構成を採用することもできる。
【0076】
以上、実施例1及び2のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
遊技機のスペックや設定した値等、例示した全ての数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。勿論、設定情報等も、直接的、間接的を問わず適宜最適な設定方法にて設定すれば良い。
【符号の説明】
【0077】
1 パチンコ遊技機
12 始動口(入賞口)
130 遊技領域
134 発射ハンドル(補助操作手段)
16 大入賞装置
160 大入賞口
17 操作パネル(操作手段)
19 表示装置
195 特図保留表示部
20 主回路
211 大当たり抽選手段
212 保留制御手段
213 保留表示制御手段
214 演出抽選手段
216大当たり状態発生手段
217 特別状態発生手段
3 操作画面
3A 調整画面
30 タッチボタン(条件候補)
31 弱ボタン
32 強ボタン
331 早ボタン
332 遅ボタン
42 発射制御回路(制御手段)
421 発射装置(発射手段)
43 副制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入賞口が設けられる遊技領域に向けて玉を発射する発射手段と、
発射手段により発射される玉の発射強度、発射間隔、及び発射場所のうちの少なくともいずれかを規定する発射条件を設定するための操作手段と、を備え、
該操作手段は、前記発射手段により順次発射される玉のうちのいずれかである対象玉が発射される際に発射条件が切り替わるように、その発射条件を当該対象玉に予め対応付けて設定するための予約操作が可能であるパチンコ遊技機。
【請求項2】
前記操作手段は、前記対象玉の候補である玉候補を複数提示すると共に、該玉候補について、それぞれ、前記発射条件として設定可能な条件候補を複数提示し、いずれかの条件候補が選択されたとき、対応する玉候補を前記対象玉として選択された条件候補に当たる発射条件を設定する請求項1に記載のパチンコ遊技機。
【請求項3】
前記操作手段は、前記発射条件として設定可能な条件候補を複数提示すると共に、当該条件候補の発射条件を調整するための調整操作が可能であり、
前記発射手段は、前記調整操作が行われていない場合には前記予約操作で設定された発射条件により玉を発射する一方、前記調整操作が行われている場合には、当該調整操作により調整された発射条件により玉を発射する請求項1又は2に記載のパチンコ遊技機。
【請求項4】
前記発射手段により順次発射される複数の玉よりなる玉グループを生成するグループ手段と、
前記遊技領域に設けられた入賞口への入賞状況を表す遊技情報を管理する情報管理手段と、を備え、
前記操作手段は、前記玉グループに属する玉を前記対象玉として前記発射条件を予め設定する予約操作が可能であり、
前記情報管理手段は、前記玉グループに属する玉を発射する期間に関する前記遊技情報を管理するに当たって、当該玉グループに属する玉に設定された発射条件を対応付けて管理する請求項1〜3の何れか1項に記載のパチンコ遊技機。
【請求項5】
前記操作手段とは別に設けられ、前記発射手段による玉の発射条件を設定するための補助操作を可能とする補助操作手段と、
前記操作手段による予約操作、及び前記補助操作手段による補助操作のうちのいずれか一方のみによって発射条件が設定された玉については、当該発射条件により玉が発射されるように前記発射手段を制御する一方、
前記操作手段による予約操作、及び前記補助操作手段による補助操作の両方によって異なる発射条件が設定された玉については、前記補助操作により設定された発射条件により玉が発射されるように前記発射手段を制御する制御手段と、を備え、
前記操作手段は、前記発射強度あるいは前記発射間隔の範囲が設定されていると共に、当該範囲に属するいずれかの発射強度あるいは発射間隔を前記発射条件として設定する条件候補を複数提示し、遊技者によって選択されたいずれかの条件候補に当たる発射条件を設定可能であり、
前記制御手段は、前記補助操作により前記発射条件として設定された発射強度あるいは発射間隔が、前記条件候補に対応付けて予め設定された発射強度あるいは発射間隔の範囲のいずれに属するかを判断することにより、当該補助操作により設定された発射条件が前記条件候補のいずれに対応しているのかを特定し、特定された条件候補を他とは区別可能に表示する制御を行う一方、
特定された条件候補が選択されたとき、当該条件候補に対応する発射条件を前記補助操作により設定された発射条件に変更する制御を行う請求項1〜4の何れか1項に記載のパチンコ遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−111164(P2013−111164A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258802(P2011−258802)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】