パネルおよびパネル作成方法
【課題】 軽量且つ高剛性のパネルを低コストで作製すること。
【解決手段】 多角形状の平面部(4,4′)と、前記多角形状の平面部(4,4′)の一辺と底辺を共有する多角形状の底面(3c,3c′)を有し且つ前記平面部(4,4′)に対して所定の一方に凹んだ凹部(3,3′)と、を有し、前記平面部(4,4′)と前記凹部(3,3′)の多角形状の前記底面(3b,3b′)とが平面充填状態で配置された一対のパネル片(2,2′)を備え、
一方のパネル片(2)の前記凹部(3)の先端の接合部(3b)が、他方のパネル片(2′)の前記平面部(4′)の縁に設けられた被接合部(3d′)に接合されて形成されたパネル(1)。
【解決手段】 多角形状の平面部(4,4′)と、前記多角形状の平面部(4,4′)の一辺と底辺を共有する多角形状の底面(3c,3c′)を有し且つ前記平面部(4,4′)に対して所定の一方に凹んだ凹部(3,3′)と、を有し、前記平面部(4,4′)と前記凹部(3,3′)の多角形状の前記底面(3b,3b′)とが平面充填状態で配置された一対のパネル片(2,2′)を備え、
一方のパネル片(2)の前記凹部(3)の先端の接合部(3b)が、他方のパネル片(2′)の前記平面部(4′)の縁に設けられた被接合部(3d′)に接合されて形成されたパネル(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物や家具、自動車、航空機の壁材や構成部材として使用されるパネルおよび前記パネルの作成方法に関し、特に、ハニカムコアパネルに代表される軽量且つ高剛性のパネルおよび前記パネルの作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から建築物や自動車、航空機等の壁材や構成部材として、高剛性で軽量化されたパネルの開発が行われている。このような高剛性、軽量のパネルとしてはハニカムコアパネルが従来から知られている。ハニカムコアパネルは、一対の平板の間に正六角形の筒を直立させて空間充填状態(空間に隙間無く配置される状態)で配置し、六角筒の端縁を平板に接合して形成されている。しかし、直立した六角形の端縁には理論的には接合部(糊代)が無く、現実には六角筒の厚み分の糊代で接合しており、六角筒の端縁と平板とを全面に渡って接合することは非常に困難であり、コストが高くなっている。特に、ハニカムコアは六角筒が空間充填状態で直立しただけでは、横からの衝撃(剪断力)に弱く、上下から平板を接合してパネル状に構成しなければ曲げ剛性が出ない。このため、ハニカムコアパネルは、六角筒と平板との接合が特に重要で、接合が強固に行われないと強度不足になり、パネルとして用をなさないという問題もある。
【0003】
前記ハニカムコアパネル以外に、軽量且つ高剛性のパネルに関する技術として、下記の従来技術(J01)〜(J05)が従来公知である。
(J01)特許文献1(特公昭47−47514号公報)記載の技術
特許文献1には、多数の四角錐体を底部の四辺で接合(連接)して形成されたパネル片を互いに対向させて接合したパネルが記載されている。
(J02)特許文献2(特開平3−93513号公報)記載の技術
特許文献2には、六角形筒の先端部に形成された三角錐状の突出部を有するパネル片を互いに対向させて接合したパネルが記載されている。
【0004】
(J03)特許文献3(米国特許第2481046号明細書)記載の技術
特許文献3には、先端が平面状の三角錐台または四角錐台が周期的に配置された錐体形成パネルに対して両側から平板を対向させて、錐台の平面状先端部および錐台により囲まれた平面部で平板に接合するパネルが記載されている。
(J04)特許文献4(特開平3−125744号公報)および特許文献5(米国特許第2986241号明細書)記載の技術
特許文献4、5には、三角形状の本体と、三角形の3辺から折り曲げて形成された接合部とを有する錐壁形成片を多数組み合わせて三角錐が多数組み合わされたパネル状部材が記載されている。
(J05)特許文献6(特開2004−100326号公報)記載の技術
特許文献6には、四角錐の稜線部分のみにより構成された立体トラスと、立体トラスに対向する平板とを接合させて形成した型枠として使用可能なパネル状構造物が記載されている。また、特許文献6には、剛性を高めるために補強用の部材(11)を設けることが記載されている。
【0005】
【特許文献1】特公昭47−47514号公報(第1頁右欄第5行〜第37行、第1図)
【特許文献2】特開平3−93513号公報(第1図、第2図、第4図、第29図)
【特許文献3】米国特許第2481046号明細書(第1図〜第11図)
【特許文献4】特開平3−125744号公報(第1図、第2図)
【特許文献5】米国特許第2986241号明細書(第14図〜第16図)
【特許文献6】特開2004−100326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来技術(J01)では、多数の四角錐体を底部の四辺で多数連接して作製するため、パネルの作製に非常に手間がかかり、作業性が悪く、製造コストも高くなると言う問題がある。
前記従来技術(J02)では、外端部が六角筒でありハニカム形状であるため、ハニカムコアパネルとして使用するために平板と接合するには接合に手間とコストがかかるという問題がある。
前記従来技術(J03)では、三角錐台や四角錐台が周期的に形成された錐体形成パネル(波形パネル)をコアとして用い、その両側から平板を接合しているため、3枚の板体が必要となるため、コストが高くなるという問題がある。
【0007】
前記従来技術(J04)では、3角形のプレートを組み合わせて多数の三角錐が組み合わされたパネルを作製するため、作製する手間や時間、コストが膨大になるという問題がある。
前記従来技術(J05)では、四角錐の稜線部分のみにより構成された立体トラスを使用しているため、剛性に不安があり、剛性を高めるために補強用の部材(11)を設けるとコスト高になるという問題がある。
【0008】
本発明は、前述の事情に鑑み、次の記載内容(O01)を技術的課題とする。
(O01)軽量且つ高剛性のパネルを低コストで作製すること。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(本発明)
(第1発明)
前記技術的課題を解決するために、第1発明のパネルは、
多角形状の平面部と、前記多角形状の平面部の一辺と底辺を共有する多角形状の底面を有し且つ前記平面部に対して所定の一方に凹んだ凹部と、を有し、前記平面部と前記凹部の多角形状の前記底面とが平面充填状態で配置された一対のパネル片を備え、
一方のパネル片の前記凹部の先端の接合部が、他方のパネル片の前記平面部または前記凹部の縁に設けられた被接合部に接合されて形成されたことを特徴とする。
【0010】
(第1発明の作用)
前記構成要件を備えた第1発明のパネルでは、パネル片の凹部は、多角形状の平面部に対して所定の一方に凹んでいる。前記凹部の底面は、多角形状の平面部の一辺と底辺を共有する多角形状であり、前記平面部と前記凹部の多角形状の前記底面とが平面充填状態で配置されている。第1発明のパネルは、一方のパネル片の前記凹部の先端の接合部が、他方のパネル片の前記平面部または前記凹部の縁に設けられた被接合部に接合されて形成される。
したがって、第1発明のパネルは、凹んだ凹部を有する一対のパネル片を互いに対向する状態で、被接合部と接合部とが接合されているので、軽量且つ高剛性のパネルを容易に作製することができる。この結果、生産性を向上でき、パネルを低コスト化することができる。
【0011】
(第1発明の形態1)
第1発明の形態1のパネルは、
平板を所定の一方向に凹ませた加工部により構成された前記凹部と、凹まされなかった非加工部により構成された前記平面部と、を有することを特徴とする。
(第1発明の形態1の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態1のパネルでは、前記凹部は、平板を所定の一方向に凹ませた加工部により構成されており、前記平面部は、凹まされなかった非加工部により構成されている。
【0012】
(第1発明の形態2)
第1発明の形態2のパネルは、前記第1発明または第1発明の形態1において、
多角形平面状の前記接合部と、前記接合部と同一の多角形平面状の前記被接合部を有することを特徴とする。
(第1発明の形態2の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態2のパネルでは、前記被接合部が、多角形平面状の前記接合部と同一の多角形平面状であるため、接合しやすい。したがって、パネル作成の生産性を向上でき、低コストで作製することができる。
【0013】
(第1発明の形態3)
第1発明の形態3のパネルは、前記第1発明または第1発明の形態1,2において、
前記凹部の稜線に帯状の稜線接合部が形成された前記一対のパネル片を前記稜線接合部で接合させたことを特徴とする。
(第1発明の形態3の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態3のパネルは、前記凹部の稜線に帯状の稜線接合部が形成されており、前記一対のパネル片を前記稜線接合部で接合させて作成される。したがって、帯状の稜線接合部で接合されるので、容易に接合することができる。したがって、パネルを低コストで作製することができる。
【0014】
(第1発明の形態4)
第1発明の形態4のパネルは、前記第1発明および第1発明の形態1〜3のいずれかにおいて、
三角錐形状に凹んだ前記凹部と、三角形の前記平面部とを有することを特徴とする。
(第1発明の形態4の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態4のパネルは、前記凹部が三角錐形状に凹んだ形状に構成され、前記平面部が三角形で構成されている。したがって、第1発明の形態4のパネルは、四面体と八面体とにより構成されたオクテットトラス構造に類似した構造の高剛性のパネルとなる。
【0015】
(第1発明の形態5)
第1発明の形態5のパネルは、前記第1発明および第1発明の形態1〜3のいずれかにおいて、
四角錐形状に凹んだ前記凹部と、四角形の前記平面部とを有することを特徴とする。
(第1発明の形態5の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態5のパネルは、前記凹部が四角錐形状に凹んだ形状に構成され、前記平面部が四角形で構成されている。したがって、第1発明の形態5のパネルは、オクテットトラス構造に類似した構造の高剛性のパネルとなる。
【0016】
(第1発明の形態6)
第1発明の形態6のパネルは、前記第1発明および第1発明の形態1〜3のいずれかにおいて、
六角錐形状に凹んだ前記凹部と、六角形の前記平面部とを有することを特徴とする。
(第1発明の形態6の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態6のパネルは、前記凹部が六角錐形状に凹んだ形状に構成され、前記平面部が六角形で構成されている。したがって、第1発明の形態6のパネルは、ハニカム構造に類似する構造のパネルとなり、剛性を高めることができる。また、第1発明の形態6のパネルは、平面部を有する一対のパネル片を接合することでハニカム構造に類似する構造を作成できるため、従来のように多数の六角筒を空間充填状態で直立させて上下端に平板を接合する場合に比べ容易に作成でき且つ、従来のハニカムコアパネルにおける上下の平板に相当する部材を省略することができる。さらに、六角筒ではなく、六角錐形状の空間充填形であるため、剪断力に対する剛性も高めやすい。
【0017】
(第2発明)
前記技術的課題を解決するために第2発明のパネル作成方法は、
多角形状の平面部と、前記多角形状の平面部の一辺と底辺を共有する多角形状の底面を有し且つ前記平面部に対して所定の一方に凹んだ凹部と、を有し、前記平面部と前記凹部の多角形状の前記底面とが平面充填状態で配置された一対のパネル片を成形して作製するパネル片作製工程と、
一対の前記パネル片を、前記凹部の先端が対向する状態で配置して、一方の前記パネル片の前記凹部の先端の接合部を、他方の前記パネル片の前記平面部の縁に設けられた被接合部に接合させてパネルを作製するパネル接合工程と、
を実行することを特徴とする。
【0018】
(第2発明の作用)
前記構成要件を備えた第2発明のパネル作成方法では、パネル片作製工程において、多角形状の平面部と、前記多角形状の平面部の一辺と底辺を共有する多角形状の底面を有し且つ前記平面部に対して所定の一方に凹んだ凹部と、を有し、前記平面部と前記凹部の多角形状の前記底面とが平面充填状態で配置された一対のパネル片を成形して作製する。パネル接合工程において、一対の前記パネル片を、前記凹部の先端が対向する状態で配置して、一方の前記パネル片の前記凹部の先端の接合部を、他方の前記パネル片の前記平面部の縁に設けられた被接合部に接合させてパネルを作製する。
したがって、第2発明のパネル作成方法は、一対のパネル片を互いに対向する状態で、平面部の被接合部と凹部の接合部とを接合しているので、軽量且つ高剛性のパネルを容易に作製することができる。この結果、生産性を向上でき、パネルを低コスト化することができる。
【0019】
(第2発明の形態1)
第2発明の形態1のパネル作成方法は、前記第2発明において、
前記成形としての塑性加工により、平板状の板体を一方に凹ませて形成された加工部としての前記凹部と、非加工部としての前記平面部とを有する前記パネル片を作製する前記パネル片作製工程、
を実行することを特徴とする。
【0020】
(第2発明の形態1の作用)
前記構成要件を備えた第2発明の形態1のパネル作成方法では、前記パネル片作製工程において、前記成形としての塑性加工により、平板状の板体を一方に凹ませて形成された加工部としての前記凹部と、非加工部としての前記平面部とを有する前記パネル片を作製する。したがって、成形としての塑性加工によりパネル片を作製することができる。
【発明の効果】
【0021】
前述の本発明は、下記の効果(E01)を奏する。
(E01)軽量且つ高剛性のパネルを低コストで作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0023】
図1は本発明の実施例1のパネルの斜視説明図であり、図1Aは一対のパネル片が対向した状態の説明図、図1Bはパネル片を接合して作製されたパネルの説明図である。
図2はパネルの多角錐体状凹部の要部拡大説明図であり、図2Aはパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図2Bはパネル片が接合された状態での多角錐体状凹部の説明図である。
図1、図2において、実施例1のパネル1は、同様に構成された一対のパネル片2、2′を有する。前記パネル片2は、所定の一方向に凹んだ正三角錐(正四面体)状の凹部(多角錐体状凹部)3が、所定のパターンで複数配置されている。なお、前記パネル片2は、1枚の平板状の板体をプレス加工により塑性変形させて作成(成形)されており、前記凹部3はプレス加工の加工部により構成されている。前記正三角錐状凹部3は、3つの正三角形状の錐壁3aと、凹部3の突端に形成された突端頂点(接合部)3bと、正三角形状の空孔により構成された底面3cの頂点である3つの底頂点(被接合部)3dとを有する。
【0024】
前記正三角錐状凹部3は、前記各底頂点3dで、3つの底面3cの底頂点3dが集中するように配置されている。したがって、パネル片2では、3つの正三角錐状凹部3の三角形状底面3cにより囲まれた正三角形状の平面部4を有する。すなわち、前記正三角形状の平面部4の各辺は、前記各凹部3の底面3cの底辺と共通化され、正三角形状の平面部4の頂点(被接合部)が底頂点3dと共通化されている。このため、実施例1のパネル片では、正三角形状の底面3cと正三角形状の平面部4とにより平面充填状態となるように前記正三角錐状凹部3および平面部4が配置されている。
なお、パネル片2′は、前記パネル片2と同様に構成されており、凹部3′、突端頂点3b′、底面3c′、底頂点3d′、平面部4′を有する。
前記対向するパネル片2,2′は、突端頂点3b、3b′が、それぞれ底頂点3d′、3dに接触した状態で接合されて、実施例1のパネル1が作成される。すなわち、一方のパネル片2の凹部3が他方のパネル片2′の3つの凹部3′の間に嵌合した状態で接合される。
【0025】
なお、実施例1のパネル1では、突端頂点3b、3b′と底頂点3d′、3dとが接着剤により接合されている。また、実施例1のパネル1では接合される際に正三角錐状凹部3の稜線(突端頂点3bと各底頂点3dとを結ぶ3本の稜線)が互いに接触するので、突端頂点3b、3b′と底頂点3d′、3dとの接触部分だけでなく、稜線部分も接着剤で接合する。なお、各頂点3b、3b′、3d′、3dおよび稜線に接着剤を塗布することも可能であるが、接着剤が充填された接着剤槽にパネル片2,2′の突端頂点3b、3b′側の面を浸けることにより、各頂点3b、3b′、3d′、3dおよび稜線に容易に接着剤を塗布することができる。
【0026】
図3は、実施例1の多角錐体状凹部の説明図であり、図3Aは1つの多角錐体状凹部と接合された部分の平面部との説明図、図3Bは八面体状の空間の説明図である。
図2、図3において、実施例1のパネル1では、上下一対の平面部4、4′の間には、2つの平面部4,4′と、6つの前記正三角錐状凹部3の正三角形の錐壁とにより囲まれた正八面体が形成されている(図3Bの6つの白丸の頂点で示された八面体参照)。すなわち、実施例1のパネル1は、凹部3により構成される正三角錐(四面体)と、その間に囲まれる正八面体と、を有する1ユニットが複数ユニット空間充填状態で配置された構造となっている。このような構造は、稜線部分だけを抽出すれば、オクテットトラス構造となり、剛性は非常に高くなる。すなわち、実施例1のパネル1は、正四面体状の凹部3を所定のパターンで形成したパネル片2、2′を対向して接合することにより、作成されたオクテットトラス型のパネルで構成されている。
【0027】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のパネル1では、正四面体と正八面体とが組み合わされたオクテットトラス型のパネルであるので、剛性が高い。また、実施例1のパネル1は、1枚の板体を塑性加工して作成されたパネル片2,2′を2枚貼り合わせて作成されているので、軽量である。さらに、実施例1のパネル1では、1枚の板体をプレス加工により塑性変形させることにより、凹部3の底面3cおよび平面部4が所定のパターン(平面充填形)で配置されたパネル片2、2′を得ることができるため、容易且つ低コストでパネル片2,2′を得ることができる。
また、実施例1のパネルは、建築物で多く使用され、構造的に安定して剛性の高いオクテットトラス構造をパネル化することができる。したがって、実施例1のパネル1は、建築物で使用されるオクテットトラス構造のような骨組み部分だけでなく、面(錐壁3a)で支えるため、剛性を高めることができる。
【0028】
さらに、実施例1のパネル1では、四面体と八面体との組み合わせになっており、擬似等方的な剛性を有し(疑似等方性を有し)、一対のパネル片2、2′を接合する(貼り合わせる)だけで、剪断方向の力(パネル1の上面と下面を逆方向にずらす方向の力)に対する剛性も高いパネルを作成することができる。
また、実施例1のパネル1では、パネル片2、2′は、接合する(貼り合わせる)前の状態では、柔軟性があるため巻き取って筒状にすることができる。したがって、パネル片2,2′を目的地まで容易に運搬、搬送することができ、目的地で一対のパネル片2,2′を接合して強靱、高剛性のパネル1を作製することができる。この結果、実施例1のパネルは、コンパクト化して搬送し、目的地で高剛性の構造物を作成できるので、宇宙構造物の建設に利用することができる。
【0029】
(実施例1の変更例)
図4は実施例1の変更例の説明図であり、実施例1の図2Aに対応する図である。
図4において、実施例1の変更例では、前記凹部3、3′の錐壁を構成する三角形の3つの角α、β、γが、それぞれ異なる。すなわち、図4に示す実施例1の変更例では、実施例1のように錐壁3aが正三角形で構成された正四面体ではなく、錐壁3aや底面3cが同一または互いに異なる不等辺三角形により構成された四面体により構成されている。このとき、凹部3の不等辺三角形の空孔状底面3cに対応して、平面部4も不等辺三角形状となり、空孔状底面3cと平面部4とにより平面充填状態となるように配置される。
したがって、パネル片2の凹部3は、前記実施例1に例示したような錐壁が正三角形により構成された正四面体および正八面体とが組み合わされたものに限定されず、錐壁が不等辺三角形で構成された四面体および八面体とが組み合わされたパネルとすることも可能である。
【実施例2】
【0030】
図5は実施例2のパネルの説明図であり、図5Aは実施例1の図2Aに対応するパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図5Bは実施例1の図3Aに対応する1つの多角錐体状凹部と接合された部分の平面部の説明図である。
なお、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0031】
図5において、実施例2のパネル片12では、1枚の平板を塑性加工して形成された複数の多角錐体状凹部13は、実施例1の三角錐体状凹部3、3′において稜線部分に帯状の稜線接合部13eが形成された六角錐状に構成されている。したがって、凹部13,13′は、台形状の錐壁13aと、前記帯状の稜線接合部13eとを有し、多角錐体状凹部13の底面13cは三角形に近い六角形状に形成されている。そして、凹部13の先端部には正六角形平板状の接合部13bが形成されている。
前記パネル片12では、六角錐状の凹部13に応じて、凹部13により囲まれた平面部14は底面13cと同様の六角形状に形成されている。そして、実施例2のパネル片12では、前記平面部14の縁には、六角形状の底面13cの6つの底頂点13dの2つずつが集中する場所に、前記接合部13bと同じ正六角形状の被接合平面部(被接合部)16が形成されている。
したがって、実施例2のパネル11は、一対のパネル片12,12′の接合部13b、13b′が、それぞれ被接合平面部16,16′に接着剤により接合して作成される。このとき、実施例2のパネル11では、帯状の稜線接合部13e、13e′どうしが接着剤により接合される。
【0032】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2のパネル11では、点により構成された突端頂点3bや線により構成された稜線を接合する実施例1のパネル1に比べ、平板状の接合部13bおよび被接合平面部16や、帯状の稜線接合部(糊代部)13e、13e′を有するため、面で接合できる。この結果、接着剤も塗布しやすく、貼り合わせ作業を容易に行うことができる。その他、実施例2のパネル11は、実施例1のパネル1と同様の作用効果を奏する。
【0033】
(実施例2の変更例)
図6は実施例2の変更例の説明図であり、図6Aは接合部の変更例1の要部拡大説明図、図6Bは接合部の変更例2の要部拡大説明図、図6Cは接合部の変更例3の要部拡大説明である。
(実施例2の変更例1)
図6Aにおいて、実施例2のパネル11では、接合部13bと被接合平面部16′とを接着剤で接合したが、実施例2の変更例1では、塑性加工をする際に、被接合平面部16′に、軸部16aと軸部の先端に形成された軸部よりも大径の球状部16bとを有する接合突起16cを形成し、接合部13bに球状部16bよりも少し小径の接合突起貫通孔13b1を形成する。そして、接合時には、前記球状部16bを接合突起貫通孔13b1に押し込んで、弾性変形させて貫通させることにより、パネル片12,12′を接合する。
【0034】
(実施例2の変更例2)
図6Bにおいて、実施例2の変更例2では、塑性加工をする際に、被接合平面部16′および接合部13bにネジ貫通孔16d、13b2を形成する。そして、ネジ貫通孔16d、13b2を貫通するタッピングネジ17を使用して、パネル片12,12′をネジ止めにより接合する。なお、ネジ貫通孔16d、13b2に替えてネジ孔を形成することも可能である。
(実施例2の変更例3)
図6Cにおいて、実施例2の変更例3では、従来公知のスポット溶接機18を使用して、被接合平面部16′と接合部13bとをスポット溶接する。
【実施例3】
【0035】
図7は実施例3のパネルの説明図であり、図7Aはパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図7Bはパネル片が接合された状態の説明図である。
なお、図7では、一部の凹部の図示を省略している。
なお、この実施例3の説明において、前記実施例1、2の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例3は、下記の点で前記実施例1、2と相違しているが、他の点では前記実施例1、2と同様に構成されている。
図7において、実施例3のパネル片22では、1枚の平板を塑性加工して形成された複数の多角錐体状凹部23は、正四角錐台により構成されている。すなわち、前記凹部23は、等脚台形状の錐壁23aを有し、先端部に正四角形平板状の接合部23bが形成されている。
前記パネル片22では、凹部23の底面23cの四方には長方形状の(帯状の)平面部24が形成されている。そして、実施例3のパネル片22では、四角形状の接合部23bに対応して、平面部24の縁に正四角形状の被接合平面部26が形成されている。
【0036】
したがって、実施例3のパネル21は、一対のパネル片22,22′の接合部23b、23b′が、それぞれ被接合平面部26,26′に接合して作成される。なお、実施例1と同様に、正四角錐台により構成された凹部23の稜線どうしを接着することも可能である。したがって、実施例3のパネル21は、図7Bの白丸に示すように、前記4つの凹部23により囲まれた空間が形成される。この時、前記平面部24が無い場合には、4つの凹部23により囲まれた空間は四面体となり、四角錐体状の凹部23は八面体の下半分または上半分となる。この結果、実施例3のパネル21は、擬似的なオクテットトラス型の構造となっている。
【0037】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3のパネル21では、正四面体と正八面体の半分とが組み合わされた擬似的なオクテットトラス型のパネルであるので、剛性が高い。また、実施例3のパネル21は、1枚の板体を塑性加工して作成されたパネル片22,22′を2枚貼り合わせて作成されているので、軽量である。さらに、実施例3のパネル21では、1枚の板体をプレス加工により塑性変形させることにより、凹部23、平面部24および被接合平面部26が所定のパターン(平面充填形)で配置されたパネル片22、22′を得ることができるため、容易且つ低コストでパネル片22,22′を得ることができる。また、平板状の接合部23bおよび被接合平面部26を有するため、面で接合できる。この結果、接着剤も塗布しやすく、貼り合わせ作業(接合作業)を容易に行うことができる。また、実施例3のパネル片22、22′は、平面部24が設けられているため、平面部24が無い場合に比べて、塑性変形が容易であり、パネル片22,22′を容易に作成することができる。
【実施例4】
【0038】
図8は実施例4のパネルのパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図であり、実施例3の図7Aに対応する図である。
なお、図8では、一部の凹部の図示を省略している。
なお、この実施例4の説明において、前記実施例1〜3の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例4は、下記の点で前記実施例1〜3と相違しているが、他の点では前記実施例1〜3と同様に構成されている。
【0039】
図8において、実施例4のパネル片32では、1枚の平板を塑性加工して形成された複数の多角錐体状凹部33は、4つの三角形状の錐壁33aと、帯状の稜線部分に帯状の稜線接合部33eが形成された八角錐状に構成されている。そして、実施例4のパネル片32では、接合部33bは、八角形でなく、4つの稜線接合部33eの端縁と共通の四辺を有する四角形により構成されている。そして、実施例4のパネル片32では、平面部として、前記四角形状の接合部33bに対応する被接合平面部(被接合部、平面部)36のみを有している。すなわち、実施例4では、凹部33の縁の平面部36により被接合部(36)が構成されている。
したがって、実施例4のパネル31は、前記パネル片32、32′の接合部33b、33b′が被接合平面部36′、36に接合されると共に、稜線接合部33e、33e′どうしが接合(接着)されて、作成される。
【0040】
(実施例4の作用)
前記構成を備えたパネル31では、稜線接合部33e、33e′で面接合されるので、接合しやすい。その他、実施例4のパネル31は、実施例3と同様の作用効果を有する。
【実施例5】
【0041】
図9は実施例5のパネルの説明図であり、図9Aは実施例2の図5Aに対応する実施例5のパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図9Bは実施例5のパネルの1つの多角錐体状凹部と凹部に隣接する平面部の説明図である。
なお、この実施例5の説明において、前記実施例1〜4の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例5は、下記の点で前記実施例1〜4と相違しているが、他の点では前記実施例1〜4と同様に構成されている。
図9において、実施例5のパネル41のパネル片42は、実施例2の多角錐体状凹部23において、3つの三角形状の錐壁43aと、帯板状の稜線接合部23eよりも幅広の稜線接合部43eを有し、底面43cが正六角形状に形成され、接合部43bが正三角形状に形成されている。そして、実施例5のパネル片42では、三角形状の平面部44と、平面部44の縁に形成された被接合平面部(被接合部)46を有している。
【0042】
(実施例5の作用)
前記構成を備えた実施例5のパネル41では、多角錐体状凹部43の底面43cが正六角形状に形成されているので、ハニカムコアパネルに類似した構造となり、剛性が高くなっている。また、1枚の平板を塑性加工により底面43cが正六角形状の凹部43を形成したパネル片42を2枚貼り合わせる(接合する)ことにより、容易且つ低コストでパネル41を作製することができる。
【実施例6】
【0043】
図10は実施例6のパネルの1つの多角錐体状凹部と隣接して配置された平面部の説明図であり、実施例5の図9Bに対応する図である。
なお、この実施例6の説明において、前記実施例1〜5の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例6は、下記の点で前記実施例1〜5と相違しているが、他の点では前記実施例1〜5と同様に構成されている。
図10において、実施例6のパネル片52では、実施例5のパネル片42において、底面43cが正六角形ではなく、3角形に近い六角形状に形成されている。
(実施例6の作用)
前記構成を備えた実施例6のパネル51では、実施例5と同様の作用効果を有する。
【実施例7】
【0044】
図11は実施例7のパネルの1つの多角錐体状凹部と凹部に隣接して配置された平面部の説明図であり、実施例5の図9Bに対応する図である。
なお、この実施例7の説明において、前記実施例1〜6の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例7は、下記の点で前記実施例1〜6と相違しているが、他の点では前記実施例1〜6と同様に構成されている。
図11において、実施例7のパネル61では、多角錐体状凹部63は台形状の錐壁63aを有し、底面63cが正六角形状に形成され、接合部63bは三角形に近い六角形状に形成されている。そして、接合部63bが接合される被接合平面部(被接合部)66は、接合部63bに対応して三角形に近い六角形状に形成されている。なお、実施例7では、平面部64は六角形状に形成されている。
(実施例7の作用)
前記構成を備えた実施例7のパネル61では、実施例5と同様の作用効果を有する。
【実施例8】
【0045】
図12は実施例8のパネルのパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図であり、実施例5の図9Aに対応する図である。
なお、この実施例8の説明において、前記実施例1〜7の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例8は、下記の点で前記実施例1〜7と相違しているが、他の点では前記実施例1〜7と同様に構成されている。
【0046】
図12において、実施例8のパネル71のパネル片72では、多角錐体状凹部73は、3つの台形状の錐壁と3つの長方形状の錐壁(稜線接合部)73eとを有する六角錐体により構成されている。前記多角錐体状凹部73の接合部73bは正六角形状に形成され、底面73cは正六角形とは異なる六角形状に形成されている。また、実施例8のパネル片72は、六角形状の平面部74と、接合部73bが接合される正六角形状の被接合平面部76とを有する。
【0047】
(実施例8の作用)
前記構成を備えた実施例8のパネル71では、一対のパネル片72が接合されており、凹部73および凹部73と平面部74とにより囲まれた空間により、直立した六角錐体が空間充填形に配置されている。また、稜線接合部73eどうしが面接合されている。したがって、実施例8のパネル71は、ハニカムコアと類似の構成を有しており、高い剛性を有する。そのほか、実施例8のパネル71は、実施例5と同様の作用効果を有する。
【実施例9】
【0048】
図13は実施例9のパネルの説明図であり、図13Aはパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図13Bは図13Aのパネル片の平面図である。
なお、この実施例9の説明において、前記実施例1〜8の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例9は、下記の点で前記実施例1〜8と相違しているが、他の点では前記実施例1〜8と同様に構成されている。
【0049】
図13において、実施例9のパネル81のパネル片82では、一枚の板体を塑性変形して作成された多角錐体状凹部83は、6つの三角形状の錐壁83aと6つの長方形状の錐壁(稜線接合部)83eとを有する12角錐体状に形成されている。前記多角錐体状凹部83の接合部83bは正六角形状に形成され、底面83cは12角形状に形成されている。また、実施例9のパネル片82は、長方形状の平面部84と、接合部83bが接合される正六角形状の被接合平面部86とを有する。
【0050】
(実施例9の作用)
前記構成を備えた実施例9のパネル81は、12角錐体状の凹部83を有する一対のパネル片82が接合されて形成されており、稜線接合部83eどうしが面接合されているので、高い剛性を有する。そのほか、実施例9のパネル81は、その他の実施例と同様の作用効果を有する。
【0051】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H05)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、稜線接合部を有する場合、稜線接合部どうしが面接触するので、外力作用時に拘束される。したがって、接着剤等により接合しなくても面接触により剛性が上昇している。すなわち、接着剤等による接合を省略することもできる。
(H02)前記実施例において、実施例2の変更例を、実施例3〜8に適用することも可能である。
【0052】
(H03)前記実施例において、多角錐体状凹部として、三角錐、四角錐、六角錐、12角錐を例示したが、これに限定されず、凹部の底面と、平面部および被接合平面部とにより平面充填可能で、空間充填可能な錐体、錐台、または筒体(四角筒、六角筒等)を採用可能である。
(H04)前記実施例において、パネル片の材料は塑性加工可能な材料で有れば特に限定されないが、金属、樹脂(プラスチック)等を好適に使用可能である。
(H05)前記実施例において、1枚の板体を塑性加工(成形)してパネル片を作成する方法を例示したが、これに限定されず、従来公知の任意の方法を採用可能である。例えば、樹脂や金属を型に流し込んで作成(成形)したり、ブロー成形で作成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は本発明の実施例1のパネルの斜視説明図であり、図1Aは一対のパネル片が対向した状態の説明図、図1Bはパネル片を接合して作製されたパネルの説明図である。
【図2】図2はパネルの多角錐体状凹部の要部拡大説明図であり、図2Aはパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図2Bはパネル片が接合された状態での多角錐体状凹部の説明図である。
【図3】図3は、実施例1の多角錐体状凹部の説明図であり、図3Aは1つの多角錐体状凹部と接合された部分の平面部との説明図、図3Bは八面体状の空間の説明図である。
【図4】図4は実施例1の変更例の説明図であり、実施例1の図2Aに対応する図である。
【図5】図5は実施例2のパネルの説明図であり、図5Aは実施例1の図2Aに対応するパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図5Bは実施例1の図3Aに対応する1つの多角錐体状凹部と接合された部分の平面部の説明図である。
【図6】図6は実施例2の変更例の説明図であり、図6Aは接合部の変更例1の要部拡大説明図、図6Bは接合部の変更例2の要部拡大説明図、図6Cは接合部の変更例3の要部拡大説明である。
【図7】図7は実施例3のパネルの説明図であり、図7Aはパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図7Bはパネル片が接合された状態の説明図である。
【図8】図8は実施例4のパネルのパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図であり、実施例3の図7Aに対応する図である。
【図9】図9は実施例5のパネルの説明図であり、図9Aは実施例2の図5Aに対応する実施例5のパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図9Bは実施例5のパネルの1つの多角錐体状凹部と凹部に隣接する平面部の説明図である。
【図10】図10は実施例6のパネルの1つの多角錐体状凹部と隣接して配置された平面部の説明図であり、実施例5の図9Bに対応する図である。
【図11】図11は実施例7のパネルの1つの多角錐体状凹部と凹部に隣接して配置された平面部の説明図であり、実施例5の図9Bに対応する図である。
【図12】図12は実施例8のパネルのパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図であり、実施例5の図9Aに対応する図である。
【図13】図13は実施例9のパネルの説明図であり、図13Aはパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図13Bは図13Aのパネル片の平面図である。
【符号の説明】
【0054】
1,11,21,31,41,51,61,71,81…パネル、
2,2′,12,12′,22,22′,32,32′,42,42′,52,52′,62,62′,72,72′,82,82′…パネル片、
3,13,23,33,43,53,63,73,83…凹部、
3a,13a,23a,33a,43a,53a,63a,73a,83a…錐壁、
3b,13b,23b,33b,43b,53b,63b,73b,83b…接合部、
3c,13c,23c,33c,43c,53c,63c,73c,83c…底面、
3d,13d,23d,33d,43d,53d,63d,73d,83d…底頂点、
3d,16,16′,26,26′,36,36′,46,46′,56,56′,66,66′,76,76′,86,86…被接合部、
13b1…接合突起貫通孔、
13e,23e,33e,43e,73e,83e…稜線接合部、
16a…軸部、
16b…球状部、
16c…接合突起、
16d…ネジ貫通孔、
17…タッピングネジ、
18…スポット溶接機。
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物や家具、自動車、航空機の壁材や構成部材として使用されるパネルおよび前記パネルの作成方法に関し、特に、ハニカムコアパネルに代表される軽量且つ高剛性のパネルおよび前記パネルの作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から建築物や自動車、航空機等の壁材や構成部材として、高剛性で軽量化されたパネルの開発が行われている。このような高剛性、軽量のパネルとしてはハニカムコアパネルが従来から知られている。ハニカムコアパネルは、一対の平板の間に正六角形の筒を直立させて空間充填状態(空間に隙間無く配置される状態)で配置し、六角筒の端縁を平板に接合して形成されている。しかし、直立した六角形の端縁には理論的には接合部(糊代)が無く、現実には六角筒の厚み分の糊代で接合しており、六角筒の端縁と平板とを全面に渡って接合することは非常に困難であり、コストが高くなっている。特に、ハニカムコアは六角筒が空間充填状態で直立しただけでは、横からの衝撃(剪断力)に弱く、上下から平板を接合してパネル状に構成しなければ曲げ剛性が出ない。このため、ハニカムコアパネルは、六角筒と平板との接合が特に重要で、接合が強固に行われないと強度不足になり、パネルとして用をなさないという問題もある。
【0003】
前記ハニカムコアパネル以外に、軽量且つ高剛性のパネルに関する技術として、下記の従来技術(J01)〜(J05)が従来公知である。
(J01)特許文献1(特公昭47−47514号公報)記載の技術
特許文献1には、多数の四角錐体を底部の四辺で接合(連接)して形成されたパネル片を互いに対向させて接合したパネルが記載されている。
(J02)特許文献2(特開平3−93513号公報)記載の技術
特許文献2には、六角形筒の先端部に形成された三角錐状の突出部を有するパネル片を互いに対向させて接合したパネルが記載されている。
【0004】
(J03)特許文献3(米国特許第2481046号明細書)記載の技術
特許文献3には、先端が平面状の三角錐台または四角錐台が周期的に配置された錐体形成パネルに対して両側から平板を対向させて、錐台の平面状先端部および錐台により囲まれた平面部で平板に接合するパネルが記載されている。
(J04)特許文献4(特開平3−125744号公報)および特許文献5(米国特許第2986241号明細書)記載の技術
特許文献4、5には、三角形状の本体と、三角形の3辺から折り曲げて形成された接合部とを有する錐壁形成片を多数組み合わせて三角錐が多数組み合わされたパネル状部材が記載されている。
(J05)特許文献6(特開2004−100326号公報)記載の技術
特許文献6には、四角錐の稜線部分のみにより構成された立体トラスと、立体トラスに対向する平板とを接合させて形成した型枠として使用可能なパネル状構造物が記載されている。また、特許文献6には、剛性を高めるために補強用の部材(11)を設けることが記載されている。
【0005】
【特許文献1】特公昭47−47514号公報(第1頁右欄第5行〜第37行、第1図)
【特許文献2】特開平3−93513号公報(第1図、第2図、第4図、第29図)
【特許文献3】米国特許第2481046号明細書(第1図〜第11図)
【特許文献4】特開平3−125744号公報(第1図、第2図)
【特許文献5】米国特許第2986241号明細書(第14図〜第16図)
【特許文献6】特開2004−100326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来技術(J01)では、多数の四角錐体を底部の四辺で多数連接して作製するため、パネルの作製に非常に手間がかかり、作業性が悪く、製造コストも高くなると言う問題がある。
前記従来技術(J02)では、外端部が六角筒でありハニカム形状であるため、ハニカムコアパネルとして使用するために平板と接合するには接合に手間とコストがかかるという問題がある。
前記従来技術(J03)では、三角錐台や四角錐台が周期的に形成された錐体形成パネル(波形パネル)をコアとして用い、その両側から平板を接合しているため、3枚の板体が必要となるため、コストが高くなるという問題がある。
【0007】
前記従来技術(J04)では、3角形のプレートを組み合わせて多数の三角錐が組み合わされたパネルを作製するため、作製する手間や時間、コストが膨大になるという問題がある。
前記従来技術(J05)では、四角錐の稜線部分のみにより構成された立体トラスを使用しているため、剛性に不安があり、剛性を高めるために補強用の部材(11)を設けるとコスト高になるという問題がある。
【0008】
本発明は、前述の事情に鑑み、次の記載内容(O01)を技術的課題とする。
(O01)軽量且つ高剛性のパネルを低コストで作製すること。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(本発明)
(第1発明)
前記技術的課題を解決するために、第1発明のパネルは、
多角形状の平面部と、前記多角形状の平面部の一辺と底辺を共有する多角形状の底面を有し且つ前記平面部に対して所定の一方に凹んだ凹部と、を有し、前記平面部と前記凹部の多角形状の前記底面とが平面充填状態で配置された一対のパネル片を備え、
一方のパネル片の前記凹部の先端の接合部が、他方のパネル片の前記平面部または前記凹部の縁に設けられた被接合部に接合されて形成されたことを特徴とする。
【0010】
(第1発明の作用)
前記構成要件を備えた第1発明のパネルでは、パネル片の凹部は、多角形状の平面部に対して所定の一方に凹んでいる。前記凹部の底面は、多角形状の平面部の一辺と底辺を共有する多角形状であり、前記平面部と前記凹部の多角形状の前記底面とが平面充填状態で配置されている。第1発明のパネルは、一方のパネル片の前記凹部の先端の接合部が、他方のパネル片の前記平面部または前記凹部の縁に設けられた被接合部に接合されて形成される。
したがって、第1発明のパネルは、凹んだ凹部を有する一対のパネル片を互いに対向する状態で、被接合部と接合部とが接合されているので、軽量且つ高剛性のパネルを容易に作製することができる。この結果、生産性を向上でき、パネルを低コスト化することができる。
【0011】
(第1発明の形態1)
第1発明の形態1のパネルは、
平板を所定の一方向に凹ませた加工部により構成された前記凹部と、凹まされなかった非加工部により構成された前記平面部と、を有することを特徴とする。
(第1発明の形態1の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態1のパネルでは、前記凹部は、平板を所定の一方向に凹ませた加工部により構成されており、前記平面部は、凹まされなかった非加工部により構成されている。
【0012】
(第1発明の形態2)
第1発明の形態2のパネルは、前記第1発明または第1発明の形態1において、
多角形平面状の前記接合部と、前記接合部と同一の多角形平面状の前記被接合部を有することを特徴とする。
(第1発明の形態2の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態2のパネルでは、前記被接合部が、多角形平面状の前記接合部と同一の多角形平面状であるため、接合しやすい。したがって、パネル作成の生産性を向上でき、低コストで作製することができる。
【0013】
(第1発明の形態3)
第1発明の形態3のパネルは、前記第1発明または第1発明の形態1,2において、
前記凹部の稜線に帯状の稜線接合部が形成された前記一対のパネル片を前記稜線接合部で接合させたことを特徴とする。
(第1発明の形態3の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態3のパネルは、前記凹部の稜線に帯状の稜線接合部が形成されており、前記一対のパネル片を前記稜線接合部で接合させて作成される。したがって、帯状の稜線接合部で接合されるので、容易に接合することができる。したがって、パネルを低コストで作製することができる。
【0014】
(第1発明の形態4)
第1発明の形態4のパネルは、前記第1発明および第1発明の形態1〜3のいずれかにおいて、
三角錐形状に凹んだ前記凹部と、三角形の前記平面部とを有することを特徴とする。
(第1発明の形態4の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態4のパネルは、前記凹部が三角錐形状に凹んだ形状に構成され、前記平面部が三角形で構成されている。したがって、第1発明の形態4のパネルは、四面体と八面体とにより構成されたオクテットトラス構造に類似した構造の高剛性のパネルとなる。
【0015】
(第1発明の形態5)
第1発明の形態5のパネルは、前記第1発明および第1発明の形態1〜3のいずれかにおいて、
四角錐形状に凹んだ前記凹部と、四角形の前記平面部とを有することを特徴とする。
(第1発明の形態5の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態5のパネルは、前記凹部が四角錐形状に凹んだ形状に構成され、前記平面部が四角形で構成されている。したがって、第1発明の形態5のパネルは、オクテットトラス構造に類似した構造の高剛性のパネルとなる。
【0016】
(第1発明の形態6)
第1発明の形態6のパネルは、前記第1発明および第1発明の形態1〜3のいずれかにおいて、
六角錐形状に凹んだ前記凹部と、六角形の前記平面部とを有することを特徴とする。
(第1発明の形態6の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態6のパネルは、前記凹部が六角錐形状に凹んだ形状に構成され、前記平面部が六角形で構成されている。したがって、第1発明の形態6のパネルは、ハニカム構造に類似する構造のパネルとなり、剛性を高めることができる。また、第1発明の形態6のパネルは、平面部を有する一対のパネル片を接合することでハニカム構造に類似する構造を作成できるため、従来のように多数の六角筒を空間充填状態で直立させて上下端に平板を接合する場合に比べ容易に作成でき且つ、従来のハニカムコアパネルにおける上下の平板に相当する部材を省略することができる。さらに、六角筒ではなく、六角錐形状の空間充填形であるため、剪断力に対する剛性も高めやすい。
【0017】
(第2発明)
前記技術的課題を解決するために第2発明のパネル作成方法は、
多角形状の平面部と、前記多角形状の平面部の一辺と底辺を共有する多角形状の底面を有し且つ前記平面部に対して所定の一方に凹んだ凹部と、を有し、前記平面部と前記凹部の多角形状の前記底面とが平面充填状態で配置された一対のパネル片を成形して作製するパネル片作製工程と、
一対の前記パネル片を、前記凹部の先端が対向する状態で配置して、一方の前記パネル片の前記凹部の先端の接合部を、他方の前記パネル片の前記平面部の縁に設けられた被接合部に接合させてパネルを作製するパネル接合工程と、
を実行することを特徴とする。
【0018】
(第2発明の作用)
前記構成要件を備えた第2発明のパネル作成方法では、パネル片作製工程において、多角形状の平面部と、前記多角形状の平面部の一辺と底辺を共有する多角形状の底面を有し且つ前記平面部に対して所定の一方に凹んだ凹部と、を有し、前記平面部と前記凹部の多角形状の前記底面とが平面充填状態で配置された一対のパネル片を成形して作製する。パネル接合工程において、一対の前記パネル片を、前記凹部の先端が対向する状態で配置して、一方の前記パネル片の前記凹部の先端の接合部を、他方の前記パネル片の前記平面部の縁に設けられた被接合部に接合させてパネルを作製する。
したがって、第2発明のパネル作成方法は、一対のパネル片を互いに対向する状態で、平面部の被接合部と凹部の接合部とを接合しているので、軽量且つ高剛性のパネルを容易に作製することができる。この結果、生産性を向上でき、パネルを低コスト化することができる。
【0019】
(第2発明の形態1)
第2発明の形態1のパネル作成方法は、前記第2発明において、
前記成形としての塑性加工により、平板状の板体を一方に凹ませて形成された加工部としての前記凹部と、非加工部としての前記平面部とを有する前記パネル片を作製する前記パネル片作製工程、
を実行することを特徴とする。
【0020】
(第2発明の形態1の作用)
前記構成要件を備えた第2発明の形態1のパネル作成方法では、前記パネル片作製工程において、前記成形としての塑性加工により、平板状の板体を一方に凹ませて形成された加工部としての前記凹部と、非加工部としての前記平面部とを有する前記パネル片を作製する。したがって、成形としての塑性加工によりパネル片を作製することができる。
【発明の効果】
【0021】
前述の本発明は、下記の効果(E01)を奏する。
(E01)軽量且つ高剛性のパネルを低コストで作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0023】
図1は本発明の実施例1のパネルの斜視説明図であり、図1Aは一対のパネル片が対向した状態の説明図、図1Bはパネル片を接合して作製されたパネルの説明図である。
図2はパネルの多角錐体状凹部の要部拡大説明図であり、図2Aはパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図2Bはパネル片が接合された状態での多角錐体状凹部の説明図である。
図1、図2において、実施例1のパネル1は、同様に構成された一対のパネル片2、2′を有する。前記パネル片2は、所定の一方向に凹んだ正三角錐(正四面体)状の凹部(多角錐体状凹部)3が、所定のパターンで複数配置されている。なお、前記パネル片2は、1枚の平板状の板体をプレス加工により塑性変形させて作成(成形)されており、前記凹部3はプレス加工の加工部により構成されている。前記正三角錐状凹部3は、3つの正三角形状の錐壁3aと、凹部3の突端に形成された突端頂点(接合部)3bと、正三角形状の空孔により構成された底面3cの頂点である3つの底頂点(被接合部)3dとを有する。
【0024】
前記正三角錐状凹部3は、前記各底頂点3dで、3つの底面3cの底頂点3dが集中するように配置されている。したがって、パネル片2では、3つの正三角錐状凹部3の三角形状底面3cにより囲まれた正三角形状の平面部4を有する。すなわち、前記正三角形状の平面部4の各辺は、前記各凹部3の底面3cの底辺と共通化され、正三角形状の平面部4の頂点(被接合部)が底頂点3dと共通化されている。このため、実施例1のパネル片では、正三角形状の底面3cと正三角形状の平面部4とにより平面充填状態となるように前記正三角錐状凹部3および平面部4が配置されている。
なお、パネル片2′は、前記パネル片2と同様に構成されており、凹部3′、突端頂点3b′、底面3c′、底頂点3d′、平面部4′を有する。
前記対向するパネル片2,2′は、突端頂点3b、3b′が、それぞれ底頂点3d′、3dに接触した状態で接合されて、実施例1のパネル1が作成される。すなわち、一方のパネル片2の凹部3が他方のパネル片2′の3つの凹部3′の間に嵌合した状態で接合される。
【0025】
なお、実施例1のパネル1では、突端頂点3b、3b′と底頂点3d′、3dとが接着剤により接合されている。また、実施例1のパネル1では接合される際に正三角錐状凹部3の稜線(突端頂点3bと各底頂点3dとを結ぶ3本の稜線)が互いに接触するので、突端頂点3b、3b′と底頂点3d′、3dとの接触部分だけでなく、稜線部分も接着剤で接合する。なお、各頂点3b、3b′、3d′、3dおよび稜線に接着剤を塗布することも可能であるが、接着剤が充填された接着剤槽にパネル片2,2′の突端頂点3b、3b′側の面を浸けることにより、各頂点3b、3b′、3d′、3dおよび稜線に容易に接着剤を塗布することができる。
【0026】
図3は、実施例1の多角錐体状凹部の説明図であり、図3Aは1つの多角錐体状凹部と接合された部分の平面部との説明図、図3Bは八面体状の空間の説明図である。
図2、図3において、実施例1のパネル1では、上下一対の平面部4、4′の間には、2つの平面部4,4′と、6つの前記正三角錐状凹部3の正三角形の錐壁とにより囲まれた正八面体が形成されている(図3Bの6つの白丸の頂点で示された八面体参照)。すなわち、実施例1のパネル1は、凹部3により構成される正三角錐(四面体)と、その間に囲まれる正八面体と、を有する1ユニットが複数ユニット空間充填状態で配置された構造となっている。このような構造は、稜線部分だけを抽出すれば、オクテットトラス構造となり、剛性は非常に高くなる。すなわち、実施例1のパネル1は、正四面体状の凹部3を所定のパターンで形成したパネル片2、2′を対向して接合することにより、作成されたオクテットトラス型のパネルで構成されている。
【0027】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のパネル1では、正四面体と正八面体とが組み合わされたオクテットトラス型のパネルであるので、剛性が高い。また、実施例1のパネル1は、1枚の板体を塑性加工して作成されたパネル片2,2′を2枚貼り合わせて作成されているので、軽量である。さらに、実施例1のパネル1では、1枚の板体をプレス加工により塑性変形させることにより、凹部3の底面3cおよび平面部4が所定のパターン(平面充填形)で配置されたパネル片2、2′を得ることができるため、容易且つ低コストでパネル片2,2′を得ることができる。
また、実施例1のパネルは、建築物で多く使用され、構造的に安定して剛性の高いオクテットトラス構造をパネル化することができる。したがって、実施例1のパネル1は、建築物で使用されるオクテットトラス構造のような骨組み部分だけでなく、面(錐壁3a)で支えるため、剛性を高めることができる。
【0028】
さらに、実施例1のパネル1では、四面体と八面体との組み合わせになっており、擬似等方的な剛性を有し(疑似等方性を有し)、一対のパネル片2、2′を接合する(貼り合わせる)だけで、剪断方向の力(パネル1の上面と下面を逆方向にずらす方向の力)に対する剛性も高いパネルを作成することができる。
また、実施例1のパネル1では、パネル片2、2′は、接合する(貼り合わせる)前の状態では、柔軟性があるため巻き取って筒状にすることができる。したがって、パネル片2,2′を目的地まで容易に運搬、搬送することができ、目的地で一対のパネル片2,2′を接合して強靱、高剛性のパネル1を作製することができる。この結果、実施例1のパネルは、コンパクト化して搬送し、目的地で高剛性の構造物を作成できるので、宇宙構造物の建設に利用することができる。
【0029】
(実施例1の変更例)
図4は実施例1の変更例の説明図であり、実施例1の図2Aに対応する図である。
図4において、実施例1の変更例では、前記凹部3、3′の錐壁を構成する三角形の3つの角α、β、γが、それぞれ異なる。すなわち、図4に示す実施例1の変更例では、実施例1のように錐壁3aが正三角形で構成された正四面体ではなく、錐壁3aや底面3cが同一または互いに異なる不等辺三角形により構成された四面体により構成されている。このとき、凹部3の不等辺三角形の空孔状底面3cに対応して、平面部4も不等辺三角形状となり、空孔状底面3cと平面部4とにより平面充填状態となるように配置される。
したがって、パネル片2の凹部3は、前記実施例1に例示したような錐壁が正三角形により構成された正四面体および正八面体とが組み合わされたものに限定されず、錐壁が不等辺三角形で構成された四面体および八面体とが組み合わされたパネルとすることも可能である。
【実施例2】
【0030】
図5は実施例2のパネルの説明図であり、図5Aは実施例1の図2Aに対応するパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図5Bは実施例1の図3Aに対応する1つの多角錐体状凹部と接合された部分の平面部の説明図である。
なお、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0031】
図5において、実施例2のパネル片12では、1枚の平板を塑性加工して形成された複数の多角錐体状凹部13は、実施例1の三角錐体状凹部3、3′において稜線部分に帯状の稜線接合部13eが形成された六角錐状に構成されている。したがって、凹部13,13′は、台形状の錐壁13aと、前記帯状の稜線接合部13eとを有し、多角錐体状凹部13の底面13cは三角形に近い六角形状に形成されている。そして、凹部13の先端部には正六角形平板状の接合部13bが形成されている。
前記パネル片12では、六角錐状の凹部13に応じて、凹部13により囲まれた平面部14は底面13cと同様の六角形状に形成されている。そして、実施例2のパネル片12では、前記平面部14の縁には、六角形状の底面13cの6つの底頂点13dの2つずつが集中する場所に、前記接合部13bと同じ正六角形状の被接合平面部(被接合部)16が形成されている。
したがって、実施例2のパネル11は、一対のパネル片12,12′の接合部13b、13b′が、それぞれ被接合平面部16,16′に接着剤により接合して作成される。このとき、実施例2のパネル11では、帯状の稜線接合部13e、13e′どうしが接着剤により接合される。
【0032】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2のパネル11では、点により構成された突端頂点3bや線により構成された稜線を接合する実施例1のパネル1に比べ、平板状の接合部13bおよび被接合平面部16や、帯状の稜線接合部(糊代部)13e、13e′を有するため、面で接合できる。この結果、接着剤も塗布しやすく、貼り合わせ作業を容易に行うことができる。その他、実施例2のパネル11は、実施例1のパネル1と同様の作用効果を奏する。
【0033】
(実施例2の変更例)
図6は実施例2の変更例の説明図であり、図6Aは接合部の変更例1の要部拡大説明図、図6Bは接合部の変更例2の要部拡大説明図、図6Cは接合部の変更例3の要部拡大説明である。
(実施例2の変更例1)
図6Aにおいて、実施例2のパネル11では、接合部13bと被接合平面部16′とを接着剤で接合したが、実施例2の変更例1では、塑性加工をする際に、被接合平面部16′に、軸部16aと軸部の先端に形成された軸部よりも大径の球状部16bとを有する接合突起16cを形成し、接合部13bに球状部16bよりも少し小径の接合突起貫通孔13b1を形成する。そして、接合時には、前記球状部16bを接合突起貫通孔13b1に押し込んで、弾性変形させて貫通させることにより、パネル片12,12′を接合する。
【0034】
(実施例2の変更例2)
図6Bにおいて、実施例2の変更例2では、塑性加工をする際に、被接合平面部16′および接合部13bにネジ貫通孔16d、13b2を形成する。そして、ネジ貫通孔16d、13b2を貫通するタッピングネジ17を使用して、パネル片12,12′をネジ止めにより接合する。なお、ネジ貫通孔16d、13b2に替えてネジ孔を形成することも可能である。
(実施例2の変更例3)
図6Cにおいて、実施例2の変更例3では、従来公知のスポット溶接機18を使用して、被接合平面部16′と接合部13bとをスポット溶接する。
【実施例3】
【0035】
図7は実施例3のパネルの説明図であり、図7Aはパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図7Bはパネル片が接合された状態の説明図である。
なお、図7では、一部の凹部の図示を省略している。
なお、この実施例3の説明において、前記実施例1、2の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例3は、下記の点で前記実施例1、2と相違しているが、他の点では前記実施例1、2と同様に構成されている。
図7において、実施例3のパネル片22では、1枚の平板を塑性加工して形成された複数の多角錐体状凹部23は、正四角錐台により構成されている。すなわち、前記凹部23は、等脚台形状の錐壁23aを有し、先端部に正四角形平板状の接合部23bが形成されている。
前記パネル片22では、凹部23の底面23cの四方には長方形状の(帯状の)平面部24が形成されている。そして、実施例3のパネル片22では、四角形状の接合部23bに対応して、平面部24の縁に正四角形状の被接合平面部26が形成されている。
【0036】
したがって、実施例3のパネル21は、一対のパネル片22,22′の接合部23b、23b′が、それぞれ被接合平面部26,26′に接合して作成される。なお、実施例1と同様に、正四角錐台により構成された凹部23の稜線どうしを接着することも可能である。したがって、実施例3のパネル21は、図7Bの白丸に示すように、前記4つの凹部23により囲まれた空間が形成される。この時、前記平面部24が無い場合には、4つの凹部23により囲まれた空間は四面体となり、四角錐体状の凹部23は八面体の下半分または上半分となる。この結果、実施例3のパネル21は、擬似的なオクテットトラス型の構造となっている。
【0037】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3のパネル21では、正四面体と正八面体の半分とが組み合わされた擬似的なオクテットトラス型のパネルであるので、剛性が高い。また、実施例3のパネル21は、1枚の板体を塑性加工して作成されたパネル片22,22′を2枚貼り合わせて作成されているので、軽量である。さらに、実施例3のパネル21では、1枚の板体をプレス加工により塑性変形させることにより、凹部23、平面部24および被接合平面部26が所定のパターン(平面充填形)で配置されたパネル片22、22′を得ることができるため、容易且つ低コストでパネル片22,22′を得ることができる。また、平板状の接合部23bおよび被接合平面部26を有するため、面で接合できる。この結果、接着剤も塗布しやすく、貼り合わせ作業(接合作業)を容易に行うことができる。また、実施例3のパネル片22、22′は、平面部24が設けられているため、平面部24が無い場合に比べて、塑性変形が容易であり、パネル片22,22′を容易に作成することができる。
【実施例4】
【0038】
図8は実施例4のパネルのパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図であり、実施例3の図7Aに対応する図である。
なお、図8では、一部の凹部の図示を省略している。
なお、この実施例4の説明において、前記実施例1〜3の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例4は、下記の点で前記実施例1〜3と相違しているが、他の点では前記実施例1〜3と同様に構成されている。
【0039】
図8において、実施例4のパネル片32では、1枚の平板を塑性加工して形成された複数の多角錐体状凹部33は、4つの三角形状の錐壁33aと、帯状の稜線部分に帯状の稜線接合部33eが形成された八角錐状に構成されている。そして、実施例4のパネル片32では、接合部33bは、八角形でなく、4つの稜線接合部33eの端縁と共通の四辺を有する四角形により構成されている。そして、実施例4のパネル片32では、平面部として、前記四角形状の接合部33bに対応する被接合平面部(被接合部、平面部)36のみを有している。すなわち、実施例4では、凹部33の縁の平面部36により被接合部(36)が構成されている。
したがって、実施例4のパネル31は、前記パネル片32、32′の接合部33b、33b′が被接合平面部36′、36に接合されると共に、稜線接合部33e、33e′どうしが接合(接着)されて、作成される。
【0040】
(実施例4の作用)
前記構成を備えたパネル31では、稜線接合部33e、33e′で面接合されるので、接合しやすい。その他、実施例4のパネル31は、実施例3と同様の作用効果を有する。
【実施例5】
【0041】
図9は実施例5のパネルの説明図であり、図9Aは実施例2の図5Aに対応する実施例5のパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図9Bは実施例5のパネルの1つの多角錐体状凹部と凹部に隣接する平面部の説明図である。
なお、この実施例5の説明において、前記実施例1〜4の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例5は、下記の点で前記実施例1〜4と相違しているが、他の点では前記実施例1〜4と同様に構成されている。
図9において、実施例5のパネル41のパネル片42は、実施例2の多角錐体状凹部23において、3つの三角形状の錐壁43aと、帯板状の稜線接合部23eよりも幅広の稜線接合部43eを有し、底面43cが正六角形状に形成され、接合部43bが正三角形状に形成されている。そして、実施例5のパネル片42では、三角形状の平面部44と、平面部44の縁に形成された被接合平面部(被接合部)46を有している。
【0042】
(実施例5の作用)
前記構成を備えた実施例5のパネル41では、多角錐体状凹部43の底面43cが正六角形状に形成されているので、ハニカムコアパネルに類似した構造となり、剛性が高くなっている。また、1枚の平板を塑性加工により底面43cが正六角形状の凹部43を形成したパネル片42を2枚貼り合わせる(接合する)ことにより、容易且つ低コストでパネル41を作製することができる。
【実施例6】
【0043】
図10は実施例6のパネルの1つの多角錐体状凹部と隣接して配置された平面部の説明図であり、実施例5の図9Bに対応する図である。
なお、この実施例6の説明において、前記実施例1〜5の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例6は、下記の点で前記実施例1〜5と相違しているが、他の点では前記実施例1〜5と同様に構成されている。
図10において、実施例6のパネル片52では、実施例5のパネル片42において、底面43cが正六角形ではなく、3角形に近い六角形状に形成されている。
(実施例6の作用)
前記構成を備えた実施例6のパネル51では、実施例5と同様の作用効果を有する。
【実施例7】
【0044】
図11は実施例7のパネルの1つの多角錐体状凹部と凹部に隣接して配置された平面部の説明図であり、実施例5の図9Bに対応する図である。
なお、この実施例7の説明において、前記実施例1〜6の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例7は、下記の点で前記実施例1〜6と相違しているが、他の点では前記実施例1〜6と同様に構成されている。
図11において、実施例7のパネル61では、多角錐体状凹部63は台形状の錐壁63aを有し、底面63cが正六角形状に形成され、接合部63bは三角形に近い六角形状に形成されている。そして、接合部63bが接合される被接合平面部(被接合部)66は、接合部63bに対応して三角形に近い六角形状に形成されている。なお、実施例7では、平面部64は六角形状に形成されている。
(実施例7の作用)
前記構成を備えた実施例7のパネル61では、実施例5と同様の作用効果を有する。
【実施例8】
【0045】
図12は実施例8のパネルのパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図であり、実施例5の図9Aに対応する図である。
なお、この実施例8の説明において、前記実施例1〜7の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例8は、下記の点で前記実施例1〜7と相違しているが、他の点では前記実施例1〜7と同様に構成されている。
【0046】
図12において、実施例8のパネル71のパネル片72では、多角錐体状凹部73は、3つの台形状の錐壁と3つの長方形状の錐壁(稜線接合部)73eとを有する六角錐体により構成されている。前記多角錐体状凹部73の接合部73bは正六角形状に形成され、底面73cは正六角形とは異なる六角形状に形成されている。また、実施例8のパネル片72は、六角形状の平面部74と、接合部73bが接合される正六角形状の被接合平面部76とを有する。
【0047】
(実施例8の作用)
前記構成を備えた実施例8のパネル71では、一対のパネル片72が接合されており、凹部73および凹部73と平面部74とにより囲まれた空間により、直立した六角錐体が空間充填形に配置されている。また、稜線接合部73eどうしが面接合されている。したがって、実施例8のパネル71は、ハニカムコアと類似の構成を有しており、高い剛性を有する。そのほか、実施例8のパネル71は、実施例5と同様の作用効果を有する。
【実施例9】
【0048】
図13は実施例9のパネルの説明図であり、図13Aはパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図13Bは図13Aのパネル片の平面図である。
なお、この実施例9の説明において、前記実施例1〜8の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例9は、下記の点で前記実施例1〜8と相違しているが、他の点では前記実施例1〜8と同様に構成されている。
【0049】
図13において、実施例9のパネル81のパネル片82では、一枚の板体を塑性変形して作成された多角錐体状凹部83は、6つの三角形状の錐壁83aと6つの長方形状の錐壁(稜線接合部)83eとを有する12角錐体状に形成されている。前記多角錐体状凹部83の接合部83bは正六角形状に形成され、底面83cは12角形状に形成されている。また、実施例9のパネル片82は、長方形状の平面部84と、接合部83bが接合される正六角形状の被接合平面部86とを有する。
【0050】
(実施例9の作用)
前記構成を備えた実施例9のパネル81は、12角錐体状の凹部83を有する一対のパネル片82が接合されて形成されており、稜線接合部83eどうしが面接合されているので、高い剛性を有する。そのほか、実施例9のパネル81は、その他の実施例と同様の作用効果を有する。
【0051】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H05)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、稜線接合部を有する場合、稜線接合部どうしが面接触するので、外力作用時に拘束される。したがって、接着剤等により接合しなくても面接触により剛性が上昇している。すなわち、接着剤等による接合を省略することもできる。
(H02)前記実施例において、実施例2の変更例を、実施例3〜8に適用することも可能である。
【0052】
(H03)前記実施例において、多角錐体状凹部として、三角錐、四角錐、六角錐、12角錐を例示したが、これに限定されず、凹部の底面と、平面部および被接合平面部とにより平面充填可能で、空間充填可能な錐体、錐台、または筒体(四角筒、六角筒等)を採用可能である。
(H04)前記実施例において、パネル片の材料は塑性加工可能な材料で有れば特に限定されないが、金属、樹脂(プラスチック)等を好適に使用可能である。
(H05)前記実施例において、1枚の板体を塑性加工(成形)してパネル片を作成する方法を例示したが、これに限定されず、従来公知の任意の方法を採用可能である。例えば、樹脂や金属を型に流し込んで作成(成形)したり、ブロー成形で作成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は本発明の実施例1のパネルの斜視説明図であり、図1Aは一対のパネル片が対向した状態の説明図、図1Bはパネル片を接合して作製されたパネルの説明図である。
【図2】図2はパネルの多角錐体状凹部の要部拡大説明図であり、図2Aはパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図2Bはパネル片が接合された状態での多角錐体状凹部の説明図である。
【図3】図3は、実施例1の多角錐体状凹部の説明図であり、図3Aは1つの多角錐体状凹部と接合された部分の平面部との説明図、図3Bは八面体状の空間の説明図である。
【図4】図4は実施例1の変更例の説明図であり、実施例1の図2Aに対応する図である。
【図5】図5は実施例2のパネルの説明図であり、図5Aは実施例1の図2Aに対応するパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図5Bは実施例1の図3Aに対応する1つの多角錐体状凹部と接合された部分の平面部の説明図である。
【図6】図6は実施例2の変更例の説明図であり、図6Aは接合部の変更例1の要部拡大説明図、図6Bは接合部の変更例2の要部拡大説明図、図6Cは接合部の変更例3の要部拡大説明である。
【図7】図7は実施例3のパネルの説明図であり、図7Aはパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図7Bはパネル片が接合された状態の説明図である。
【図8】図8は実施例4のパネルのパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図であり、実施例3の図7Aに対応する図である。
【図9】図9は実施例5のパネルの説明図であり、図9Aは実施例2の図5Aに対応する実施例5のパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図9Bは実施例5のパネルの1つの多角錐体状凹部と凹部に隣接する平面部の説明図である。
【図10】図10は実施例6のパネルの1つの多角錐体状凹部と隣接して配置された平面部の説明図であり、実施例5の図9Bに対応する図である。
【図11】図11は実施例7のパネルの1つの多角錐体状凹部と凹部に隣接して配置された平面部の説明図であり、実施例5の図9Bに対応する図である。
【図12】図12は実施例8のパネルのパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図であり、実施例5の図9Aに対応する図である。
【図13】図13は実施例9のパネルの説明図であり、図13Aはパネル片が離隔した状態での多角錐体状凹部の説明図、図13Bは図13Aのパネル片の平面図である。
【符号の説明】
【0054】
1,11,21,31,41,51,61,71,81…パネル、
2,2′,12,12′,22,22′,32,32′,42,42′,52,52′,62,62′,72,72′,82,82′…パネル片、
3,13,23,33,43,53,63,73,83…凹部、
3a,13a,23a,33a,43a,53a,63a,73a,83a…錐壁、
3b,13b,23b,33b,43b,53b,63b,73b,83b…接合部、
3c,13c,23c,33c,43c,53c,63c,73c,83c…底面、
3d,13d,23d,33d,43d,53d,63d,73d,83d…底頂点、
3d,16,16′,26,26′,36,36′,46,46′,56,56′,66,66′,76,76′,86,86…被接合部、
13b1…接合突起貫通孔、
13e,23e,33e,43e,73e,83e…稜線接合部、
16a…軸部、
16b…球状部、
16c…接合突起、
16d…ネジ貫通孔、
17…タッピングネジ、
18…スポット溶接機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多角形状の平面部と、前記多角形状の平面部の一辺と底辺を共有する多角形状の底面を有し且つ前記平面部に対して所定の一方に凹んだ凹部と、を有し、前記平面部と前記凹部の多角形状の前記底面とが平面充填状態で配置された一対のパネル片を備え、
一方のパネル片の前記凹部の先端の接合部が、他方のパネル片の前記凹部または前記平面部の縁の被接合部に接合されて形成されたパネル。
【請求項2】
平板を所定の一方向に凹ませた加工部により構成された前記凹部と、凹まされなかった非加工部により構成された前記平面部と、を有する請求項1記載のパネル。
【請求項3】
多角形平面状の前記接合部と、前記接合部と同一の多角形平面状の前記被接合部を有する請求項1または2に記載のパネル。
【請求項4】
前記凹部の稜線に帯状の稜線接合部が形成された前記一対のパネル片を前記稜線接合部で接合させた請求項1ないし3のいずれかに記載のパネル。
【請求項5】
三角錐形状に凹んだ前記凹部と、三角形の前記平面部とを有する請求項1ないし4のいずれかに記載のパネル。
【請求項6】
四角錐形状に凹んだ前記凹部と、四角形の前記平面部とを有する請求項1ないし4のいずれかに記載のパネル。
【請求項7】
六角錐形状に凹んだ前記凹部と、六角形の前記平面部とを有する請求項1ないし4のいずれかに記載のパネル。
【請求項8】
多角形状の平面部と、前記多角形状の平面部の一辺と底辺を共有する多角形状の底面を有し且つ前記平面部に対して所定の一方に凹んだ凹部と、を有し、前記平面部と前記凹部の多角形状の前記底面とが平面充填状態で配置された一対のパネル片を成形して作製するパネル片作製工程と、
一対の前記パネル片を、前記凹部の先端が対向する状態で配置して、一方の前記パネル片の前記凹部の先端の接合部を、他方の前記パネル片の前記平面部の縁に設けられた被接合部に接合させてパネルを作製するパネル接合工程と、
を実行するパネル作成方法。
【請求項9】
前記成形としての塑性加工により、平板状の板体を一方に凹ませて形成された加工部としての前記凹部と、非加工部としての前記平面部とを有する前記パネル片を作製する前記パネル片作製工程、
を実行する請求項8記載のパネル作成方法。
【請求項1】
多角形状の平面部と、前記多角形状の平面部の一辺と底辺を共有する多角形状の底面を有し且つ前記平面部に対して所定の一方に凹んだ凹部と、を有し、前記平面部と前記凹部の多角形状の前記底面とが平面充填状態で配置された一対のパネル片を備え、
一方のパネル片の前記凹部の先端の接合部が、他方のパネル片の前記凹部または前記平面部の縁の被接合部に接合されて形成されたパネル。
【請求項2】
平板を所定の一方向に凹ませた加工部により構成された前記凹部と、凹まされなかった非加工部により構成された前記平面部と、を有する請求項1記載のパネル。
【請求項3】
多角形平面状の前記接合部と、前記接合部と同一の多角形平面状の前記被接合部を有する請求項1または2に記載のパネル。
【請求項4】
前記凹部の稜線に帯状の稜線接合部が形成された前記一対のパネル片を前記稜線接合部で接合させた請求項1ないし3のいずれかに記載のパネル。
【請求項5】
三角錐形状に凹んだ前記凹部と、三角形の前記平面部とを有する請求項1ないし4のいずれかに記載のパネル。
【請求項6】
四角錐形状に凹んだ前記凹部と、四角形の前記平面部とを有する請求項1ないし4のいずれかに記載のパネル。
【請求項7】
六角錐形状に凹んだ前記凹部と、六角形の前記平面部とを有する請求項1ないし4のいずれかに記載のパネル。
【請求項8】
多角形状の平面部と、前記多角形状の平面部の一辺と底辺を共有する多角形状の底面を有し且つ前記平面部に対して所定の一方に凹んだ凹部と、を有し、前記平面部と前記凹部の多角形状の前記底面とが平面充填状態で配置された一対のパネル片を成形して作製するパネル片作製工程と、
一対の前記パネル片を、前記凹部の先端が対向する状態で配置して、一方の前記パネル片の前記凹部の先端の接合部を、他方の前記パネル片の前記平面部の縁に設けられた被接合部に接合させてパネルを作製するパネル接合工程と、
を実行するパネル作成方法。
【請求項9】
前記成形としての塑性加工により、平板状の板体を一方に凹ませて形成された加工部としての前記凹部と、非加工部としての前記平面部とを有する前記パネル片を作製する前記パネル片作製工程、
を実行する請求項8記載のパネル作成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−23661(P2007−23661A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−209031(P2005−209031)
【出願日】平成17年7月19日(2005.7.19)
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月19日(2005.7.19)
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]