説明

パンツ型下着

【課題】従来の失禁用パンツは股間部やその周辺に吸収性パッドや撥水性生地が縫い付けられているので、着用すると圧迫感があったり、蒸れやすかったりして、どうしても着用感が悪い。
【解決手段】パンツ型下着1を着用すると、股間部が開口5に対応した位置にくる。従って、尿漏れや放尿後において尿の切れが悪い場合でも、漏れた尿はカバー7を通過して吸収シート11に速やかに吸収されて、吸収シート11に保持される。この吸収性シート11はトイレで適宜交換し、使用済みのものは水性トイレに流して処分する。また、股間部が開口5に対応し、股間部は薄手のカバー7に覆われ、しかもカバー7の左右両端と下着本体3との間に隙間が形成されるので、通気性が良く股間部やその周辺が蒸れるのを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパンツ型下着に係り、特に軽い尿漏れに対応できるパンツ型下着に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高齢や疾病の他、特段の原因がなくても軽い尿漏れがある者や放尿後の尿の切れが悪い者は意外と多いものである。このような者が失禁用パンツを着用するのは抵抗がある。例えば特許文献1に記載された失禁用パンツは股間部に吸収性パッド、更に撥水性生地が縫い付けられている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−105485
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の失禁用パンツはある程度以上の量の尿漏れに対応するものであり、このため失禁用パンツは股間部やその周辺に吸収性パッドや撥水性生地が縫い付けられている。従って、着用すると圧迫感があったり、蒸れやすかったりして、どうしても着用感が悪いという欠点がある。
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、ある程度の尿漏れや放尿後の切れが悪い場合に対応でき、しかも着用者に爽快感、即ちフンドシの開放感とパンツの安定感を与え、だれにでも抵抗無く着用することができ、さらに新しいファッション性を備えたパンツ型下着を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、下着本体と、前記下着本体の少なくとも股間部に対応する位置に形成された開口と、前記開口を覆う位置に固定され、且つ左右両端と下着本体との間が開放されたカバーと、前記カバーに収容され交換可能な吸収性シートとを有することを特徴とするパンツ型下着である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1のパンツ型下着において、カバーは下着本体に対し着脱自在であることを特徴とするパンツ型下着である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のパンツ型下着によれば、ある程度の尿漏れや放尿後の切れが悪い場合に対応できる。また、着用者に爽快感を与えるのである。さらにだれでも抵抗無く着用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施の形態1に係るパンツ型下着1を図1から図3にしたがって説明する。
符号3は綿布によって構成された下着本体を示し、この下着本体3はトランクス形で股間部から下腹部に対応する位置に開口5が形成されている。下着本体3の上端部には後記するカバー7に重なる部分を除き、ゴム紐が縫い付けられており伸縮部10が形成されている。即ち下着本体3の上端部のカバー7に重なる部分は伸縮部10が欠落している。
下着本体3には下方へいくに従って幅寸法が徐々に小さくなる綿布によって構成されたカバー7が取り付けられており、このカバー7によって開口5が覆われている。カバー7は下着本体3を構成する綿布によって構成されている。
カバー7は、その上端部と下端部のみが下着本体3に縫い付けられている。従って、図3に示すようにカバー7の左右両端と下着本体3との間に隙間8ができ、カバー7の左右両端と下着本体3との間は僅かに開放された状態となる。
【0009】
カバー7には収容ポケット9が設けられており、この収容ポケット9は下着本体3の開口5に対応する位置に形成されている。収容ポケット9には吸収性シート11が収容される。吸収性シート11はパルプ等によって構成され、高い吸水性を有し、且つ吸収した水分を保持する保水性を備えている。また、吸収性シート11は水溶性であり、水洗トイレに流すことが可能である。
【0010】
このパンツ型下着1を着用すると、股間部が開口5に対応した位置にくる。従って、尿漏れや放尿後において尿の切れが悪い場合でも、漏れた尿はカバー7を通過して吸収シート11に速やかに吸収され、吸収シート11に保持される。この吸収性シート11はトイレで使用済みのものを収容ポケット9から出し、水洗トイレに流して処分し、新しい吸収性シート11を収容ポケット11へ入れて交換する。このように収容性シート11は適宜交換するので、パンツ型下着1は常に清潔で、股間部が濡れた不快な感じがすることもない。
また、股間部が開口5に対応し、股間部は薄手のカバー7に覆われ、しかも前述にようにカバー7の左右両端と下着本体3との間に隙間8が形成されるので、通気性が良く股間部やその周辺が蒸れるのを防止することができる。
従って、パンツ型下着1は常に清潔に保つことができ、圧迫感が無くて履き心地が良く、装着者に爽快感を与えることになる。
【0011】
本発明の実施の形態2に係るパンツ型下着31を図1から図4にしたがって説明する。
パンツ型下着31は実施の形態1に係るパンツ型下着1とほぼ同様の構成を有するので、その相違点についてのみ説明し、同様の構成部分については実施の形態1と同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0012】
パンツ型下着31の下着本体3には開口5が形成されている。カバー7の上下の端部に面ファスナーの雄側部が33、35が固定され、また下着本体3には面ファスナーの雌側部37、39が固定されている。面ファスナーの雌側部37、39は雄側部33、35に対応し、雌側部37、39と雄側部33、35とが係合して、カバー7は開口5を覆う位置に固定される。またカバー7は面ファスナーを介して下着本体3に固定されるので着脱自在であり、必要に応じてカバー7を交換することが可能である。なお、下着本体3の面ファスナーの雌側部37が取り付けられた部分には伸縮部10が設けられていないので、この部分は伸縮しない。従って、面ファスナーの雌側部37と雌側部33との係合が外れることはなく、カバー7が不用意に外れるのを防止することができる。
【0013】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、下着本体3、カバー7は綿布以外の合成繊維によって構成しても良く、特にカバー7は速乾性で抗菌性を有する合成繊維等によって構成しても良い。また、吸収性シート11はより吸収性能及び保水性能を高めるために、パルプの他に高分子材料を混合しても良い。
なお、上記実施の形態ではトランクス形の下着本体3を示したが、本発明はこれに限定されず、下着本体をブリーフ形、女性用のパンティ形等にしてもよいのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1に係るパンツ型下着の斜視図である。
【図2】図1に示すパンツ型下着のカバーの一部を破断して除いた状態の正面図である。
【図3】図1に示すパンツ型下着の側面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るパンツ型下着の斜視図である。
【符号の説明】
【0015】
1、31 パンツ型下着 3 下着本体
5 開口 7 カバー
8 隙間 10 伸縮部
9 収容ポケット 11 吸収性シート
33、35 面ファスナーの雄側部
37、39 面ファスナーの雌側部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下着本体と、前記下着本体の少なくとも股間部に対応する位置に形成された開口と、前記開口を覆う位置に固定され、且つ左右両端と下着本体との間が開放されたカバーと、前記カバーに収容され交換可能な吸収性シートとを有することを特徴とするパンツ型下着。
【請求項2】
請求項1のパンツ型下着において、カバーは下着本体に対し着脱自在であることを特徴とするパンツ型下着。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−322100(P2006−322100A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−145740(P2005−145740)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(392035802)株式会社ニイチ (1)
【出願人】(300058271)藤江物産株式会社  (1)
【Fターム(参考)】