説明

ヒドロキシチロソールおよびそれを含有するオリーブ抽出物/濃縮物の新規の使用

本発明は、ヒトにおける加齢性黄斑変性症を治療または予防するため、動物(好ましくはヒト)、特に高齢の動物(好ましくは高齢のヒト)において目の健康を維持するため、動物(好ましくはヒト)の視覚を改善するため、動物(好ましくはヒト)において高解像度の視覚を維持するためおよび/または動物(好ましくはヒト)において視力を維持するため、ならびに動物(好ましくはヒト)において視機能を維持するためおよび/または動物(好ましくはヒト)において視覚機能を維持するためのヒドロキシチロソール(を含む組成物)の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ヒトにおける加齢性黄斑変性症を治療または予防するため、動物(好ましくはヒト)、特に高齢の動物(好ましくは高齢のヒト)において目の健康を維持するため、動物(好ましくはヒト)の視覚を改善するため、動物(好ましくはヒト)において高解像度の視覚を維持するためおよび/または動物(好ましくはヒト)において視力を維持するため、ならびに動物(好ましくはヒト)において視機能を維持するためおよび/または動物(好ましくはヒト)において視覚機能を維持するためのヒドロキシチロソール(を含む組成物)の使用に関する。
【0002】
加齢性黄斑変性症(AMD)とは、その名が示す通り、黄斑の加齢性変性状態である。黄斑は、光受容体(感光性細胞)の密度がその部分で最大であるために高解像度視覚にとって不可欠である網膜の中心部分を表わす。したがって、黄斑が機能障害を起こした場合、顔の認識や読書などの高解像度を必要とする視作業は漸進的により困難となり、進行したAMDの後期においてこれらの作業は不可能となるに至る。事実、この症状は、米国および世界中のその他の先進国において失明の主な原因である。
【0003】
主に55才から65才の間の年令を超えると、AMDは、黄斑部域内およびそのまわりのドルーゼと呼ばれる特徴的な黄色沈着物の発生から始まる。これらの早期変化をもつ大部分の人は、それでもなお十分な視覚を有するが、進行したAMDを発生させる危険性をはらんでいる。ドルーゼが大きく多数あり光受容体に隣接する色素沈着した細胞層(網膜色素上皮(RPE)と呼ばれる)内での障害が付随する場合、この危険性ははるかに高くなる。完全な失明の原因となる進行性AMDには、乾性と湿性の2つの形態がある。進行性AMDの「乾性」形態である中心地図状萎縮は、目の中心部分における光受容体および光受容体を支持する細胞の喪失を通してこれらの問題を引き起こす。現在、この症状のために利用可能な治療は全く無い。進行性AMDの「湿性」形態である血管新生または滲出性AMDは、黄斑の下および中への異常な血管成長(血管形成)に起因する失明を引き起こす。これらの新たに形成された血管は不完全であり、血液がそこから漏出し、その結果血液は網膜の下に蓄積し、黄斑の機能的層に対する不可逆的な損傷を導く。最終的に、この症状が未治療のまま放置されると、視覚は完全に失われる。この血管新生(「湿性」)形態のAMDに対する有効ではあるものの非常に高価な治療計画が近年利用可能となったが、今でもなお理想的な選択は、この疾患を予防するかまたは少なくともこの症状の発生の危険性を減少させることにあると思われる。
【0004】
AMDの病因およびその潜在的な予防または治療を理解するためには、光受容体が、光および酸素が同時に存在することを特徴とする網膜の環境内で酸化的損傷につねに曝露されているということを認識することが重要である。その結果、光受容体は損傷を受け機能障害状態となり、新しい受容体の形成が必要である一方、これらの「使用済み」の光受容体を廃棄しなければならない。この廃棄という作業は、RPE細胞によって達成される。これらの細胞は莫大な代謝負担の下で活動する。約10日の期間中に、各々の単一RPE細胞は約50個の光受容体を貧食し、消化し、血液流内に排除しなくてはならない。したがって、60年の間に、任意の1つのRPE細胞により100’000超の光受容体を処理しなくてはならない。この集中的な代謝活動の間、「使用済み」光受容体の消化および排除がつねに完全であるとはかぎらず、細胞残屑が蓄積して、漸進的な機能不良そして最終的にはRPEのみならず光受容体細胞の死滅をも引き起こす、ということは意外ではない。
【0005】
したがってAMDの予防のための論理的目標は、以下の通りであると思われる:
1:抗酸化物質による酸化的損傷を減少させること;
2:ルテインおよびゼアキサンチンなどの青色光を特異的に吸収できる黄色物質により大部分の損傷性青色光の量を減少させること;
3:極限的な代謝負担に一層良好に対処できるようにRPE細胞を支援すること;
4:血管形成を阻害することにより、新しい不完全な血管の生成を減少させること。
【0006】
キサントフィル・カロテノイド・ルテインおよびゼアキサンチンは、人体内のあらゆるところに見られる最高の濃度まで中心網膜内に自然に蓄積する。したがって、(網膜に対する損傷を引き起こし得る)その青色光の吸収および抗酸化特性のため、ルテインおよびゼアキサンチンがAMDの危険性削減に寄与できるということが示唆されている。ベータカロテンおよび亜鉛と組合せて食品抗酸化物質ビタミンCおよびEを補足することで、AMD進行の危険性が低下することがすでに実証されている。全生涯にわたりカロテノイドを削減した食餌が給餌されたサルにおいては、黄斑の下側の網膜色素上皮は、カロテノイドの給餌を受けたサルの場合に比べはるかに少ない細胞しか含んでいないという点で欠損している。
【0007】
その上、AMDの疾患経過における炎症の重要性が近年仮定されてきたことは、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害物質がAMD予防に有効であるという予想と一貫性があり、この予想は、特異的COX阻害物質がVEGF(血管内皮成長因子)をも阻害したという所見によって裏付けされた。したがって、アスピリンもまた、AMDの危険性を低下させるものとして示された。抗血管形成特性を有する別の物質は、大豆の主成分であるゲニステインである。したがって、ゲニステインは、AMDの危険性削減と関係があるかもしれず、この考え方は、アジアの高齢者には湿性AMDの有病率が、年令適合した欧州人の場合より低いという観察事実によって裏付けされている。
【0008】
上述の物質は主として、AMDを発生させる危険性を減少させるために適している。極く最近になって、血管新生AMDの治療のためのVEGF(血管内皮成長因子)に対する抗体が入手可能となった。しかしながらこれらは眼球内に注入されなくてはならず、これは患者にとって危険性が高く厄介な作業である。
【0009】
したがって、AMDを患っているかまたはその発症の危険性のある人のためのAMD予防用の危険のない療法に対する医療ニーズが、なおも未解決のままである。
【化1】

【0010】
最近になって、培養されたRPE細胞に対するアクロレインの作用が、本発明者らの知るかぎりにおいて初めて、ジァー(Jia)ら、Invest Ophthalmol Vis Sci.2007年1月、;第48号(1)中:339〜348頁:「たばこ煙中の毒性物質であるアクロレインが、RPE細胞中に酸化的障害およびミトコンドリア機能障害を引き起こす:(R)−α−リポ酸による保護(Acrolein、a Toxicant in Cigarette Smoke、Causes Oxidative Damage and Mitochondrial Dysfunction in RPE Cells:Protection by(R)−α−Lipoic Acid」によって記述された。この刊行物は、アクロレインがミトコンドリア毒性物質であり、リポ酸が酸化的RPE損傷を削減でき、それにより、リポ酸および類似の作用機序を有する化合物がAMDを治療または予防できるという結論が導かれる、ということを実証している。
【0011】
意外にも、ヒドロキシチロソールも同様に、強酸化物質アクロレインに曝露されている培養されたRPE細胞に対する酸化的RPEの損傷を減少させることができる、ということが最近発見された。ヒドロキシチロソールの作用の1つの潜在的機序は、遊離ラジカルを中性化しその他の毒性化合物を反応性の低い分子に転化する第2相酵素および抗酸化タンパク質をコードする遺伝子の主要調節因子であるNrf2を介したものであってよい。このプロセスにおいて、第2相酵素は、「中性化」要素を望ましくない物質に付着させ、それを身体がより排泄しやすいものにする。第2相酵素の例としては、酵素的身体解毒を媒介しかつ/または抗酸性剤の機能を果たし、したがって細胞を毒性損傷から保護するものとして公知であるグルタチオンS−トランスフェラーゼ、NAD(P)H:キノンオキシドレダクターゼ1、UDP−グルクロノシルトランスフェラーゼ、ガンマ−グルタメートシステインリガーゼ及びヘムオキシゲナーゼ−1がある。本発明者らのデータは、ヒドロキシチロソールがAPRE19細胞内のNrf2タンパク質レベルを増大させ、その後、GSH(グルタチオンの還元形態)およびSOD(スーパーオキシド・ジスムターゼ)レベルをプラスに調節するということを示していた。さらにヒドロキシチロソールでの治療は、細胞をミトコンドリア機能の減退から保護し、細胞の生存率を改善する。したがって、ヒドロキシチロソールはヒトにおいてAMDを治療および/または予防することができる。
【0012】
RPE細胞の酸化的ストレスおよび結果としての損傷は、AMD病因の一部である。アクロレインは、RPE細胞内で酸化的ストレスを引き起こす。したがって、この細胞培養モデルは、酸化的ストレス後の細胞死からRPE細胞を保護する化合物を同定するのに役立つことができる。任意の抗酸化物質がRPE細胞をアクロレイン誘発された酸化的ストレスから保護できるということを仮定することが可能であると思われる。本発明者らは、テストした抗酸化物質のアレイ全体の中で、HTが唯一保護可能であることを発見した。
【0013】
導入部で言及した通り、網膜の環境は光および酸素の同時存在によって特徴づけされる。この環境は、数多くの反応性酸素種および反応性の高い酸素ラジカル例えばヒドロキシルおよびスーパーオキシドラジカルの生成を導く。所与の例においてヒドロキシチロソールは、意外にも、アクロラインの毒性特性を改善できるものとして実証された。
【0014】
したがって、ヒドロキシチロソールおよびその誘導体ならびにそれを含有する任意のオリーブ汁/水性調製物/抽出物/濃縮物は、視機能および/または視覚機能を維持することができるかもしれない。視覚機能は、視機能すなわち速度および精度を考慮に入れた視作業の遂行のための前提条件である。視作業は、明確な(defined)フォントサイズで書かれたテキストの読み取り;さまざまな照明条件でのおよび近位ならびに遠位の物体について視力(鮮明像/合焦像を見ることができること);明確な照明条件で画像内の明確なサイズの細部を識別する能力(画像解像度、コントラスト視力(すなわち低い光条件(弱いコントラスト)で高い画像解像度で見る能力)))およびさまざまな照明条件間で速く順応する能力などの複数の能力を包含している。
【0015】
[ヒドロキシチロソールおよびその誘導体]
【化2】


ヒドロキシチロソール(式Iの化合物;3,4−ジヒドロキシフェニルエタノール)は、合成由来のものであってもよいし、或いはまたオリーブの葉、オリーブの実の抽出そしてオリーブ油生産の油廃液に由来するチロソールおよびオレウロペインといったその他の水溶性ポリフェノールと共に得られてもよい。
【0016】
オリーブの葉からのオレウロペインおよび/またはヒドロキシチロソールの抽出を扱う参考文献の例としては、当該オレウロペインの少なくとも90%が変換されるまで2〜12ヵ月にわたりオリーブ油廃液を酸性加水分解する方法を開示している国際公開第02/18310号パンフレット、米国特許公開第2002/0198415号明細書、国際公開第2004/005228号パンフレット、米国特許第6,416,808号明細書、および米国特許公開第2002/0058078号明細書がある。オリーブ、オリーブの果肉、オリーブ油および搾油機廃水からフェノール化合物を抽出する方法が、ユサナ社(Usana Inc.)米国特許第6,361,803号明細書および国際公開第01/45514号パンフレットおよび米国特許公開第2002/0004077号明細書中によって記述されている。欧州特許出願公開第A1582512号明細書は、オリーブの葉からのヒドロキシチロソールの抽出について記述している。種を除去したオリーブ油廃液からヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペインを得る方法は、米国特許出願公開第2004/0039066A1号明細書の段落[0080]〜[0091]で開示されている。
【0017】
誘導体は例えばエステルであり得る。ヒドロキシチロソールの好ましいエステルの一例が、オレウロペインである。
【0018】
油廃液は特に、米国特許第6,416,808号明細書(第4欄第37行〜第7欄第27行)、国際公開第2004/005228号パンフレット;米国特許第6,936,287号明細書;米国特許公開第2005−103711号明細書;米国特許公開第2003−108651号明細書;米国特許公開第2002−198415号明細書;米国特許第6,165,475号明細書;特開2001−252−054号明細書;特開2000−319161号明細書;国際公開第01/45514号パンフレット(ユサナ);米国特許第6,358,542号明細書(特に第4欄1行目〜第9欄50行目および実施例1〜5および11〜13を参照);米国特許第6,361,803号明細書(特に第3欄64行目〜第9欄47行目および実施例1〜5および11〜13を参照のこと);および国際公開第2006/084658号明細書中で開示されているプロセスの1つに従って製造されたものであってよい。
【0019】
油廃液は好ましくは、米国特許第6,416,808号明細書(第4欄37行目〜第7欄27行目)の中で開示されている通りに製造された。
【0020】
ヒドロキシチロソールの代りに、油廃液濃縮物も使用してよい。ただし、少なくとも1.5重量%、好ましくは少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも50重量%の純度でのヒドロキシチロソールの使用が好ましい。
【0021】
特に適切な油廃液濃縮物は、例えば米国ヘイワードのクレアグリ(CreAgri)から市販されている「HIDROX(登録商標)6%」である。「HIDROX(登録商標)6%」は、その合計重量を基準にして、5〜8重量%のタンパク質、45〜68重量%の炭水化物、17〜30重量%の脂肪、8〜15重量%の灰分、および最低6重量%の水溶性単純フェノールおよびポリフェノールを含有する。
【0022】
共に同様に米国ヘイワードのクレアグリから市販されている「HIDROX(登録商標)2%」および「HIDROX(登録商標)9%」も、グランビア(Glanbia)およびインデナ(Indena)(イタリア、ミラノ)から市販されている以下の製品と同様に、使用してよい;20〜35重量%のヒドロキシチロソールと4〜6重量%のチロソールを含有するOLIVACTIV(商標);(UVで測定して)30重量%以上という合計含量のフェノールと(HPLCで測定して)1.5重量%以上の量のヒドロキシチロソールと(HPLCで測定して)5.0重量%以上の量のベルバスコシドを有するOLEASELECT(商標)、そして1kgあたり22〜24gのヒドロキシチロソールと5.0〜65gのチロソールを含有する粉末であるOLIVE(OLEA)DRY。
【0023】
さらなる適切な製品は、35重量%のポリフェノール、特に(Prolivol 1gあたり)20mgのヒドロキシチロソールおよび(Prolivol 1gあたり)3mgのチロソールを含有する、セピック(Seppic)社から入手可能なProlivol;ならびに1kgあたり1.0〜2.2gのヒドロキシチロソールと0.2〜0.7gのチロソールを含有する粉末であるOlive Braun Standard500(オビペクチン由来);1kgあたり2.0〜3.5gのヒドロキシチロソールおよび0.2〜1.0gのチロソールを含有する液体であるOlivexオリーブポリフェノール液P10(Albert Isliker製);1kgあたり22〜23gのヒドロキシチロソールおよび6.5〜8.0gのチロソールを含有する粉末であるOlivexオリーブポリフェノール(Albert Isliker製);および2.0〜6重量%のヒドロキシチロソールおよび0.7〜1.1重量%のチロソールを含有するOlive Polyphenols NLT(Lalilab Inc.製)。
【0024】
適切な市販の油廃液濃縮物の中で、ヒドロキシチロソールの量は、油廃液濃縮物の合計重量1kgあたり1.0〜220gの範囲内で変動する。チロソールの量は、好ましくは、油廃液濃縮物の合計重量1kgあたり0.2〜45gの範囲で変動する。ヒドロキシチロソール対チロソールの重量比は100:10〜100:40、最も好ましくは100:18〜100:35の間にある。
【0025】
本発明に関連して「高齢のヒト」という用語は、50〜125の範囲内の年令にある、好ましくは60〜90の範囲内の年令にあるヒトを意味する。
【0026】
本発明に関連して「治療」という用語は、眼疾患の進行を停止または遅延させるための経口的適用として定義される。
【0027】
本発明に関連して「予防」という用語は、眼疾患に罹患する危険性を減少させることを意図した診療行為として定義される。
【0028】
本発明に関連して「目の健康を維持する」という表現は、目、特にその異なる層を伴う網膜の無欠性が完全にまたは大部分または一部分機能状態にあり続けるようにすること、として定義される。
【0029】
本発明に関連して「視覚を改善する」という表現は一般に、ETDRS(早期治療糖尿病性網膜症試験)チャートなどの視覚的低解像度チャートによって測定される視機能を改善することを意味する。
【0030】
本発明に関連して「高解像度視覚を維持する」という表現は、特にチャートを読み取ることによって測定される読み取り能力を維持することを意味する。
【0031】
本発明に関連して「視力を維持する」という表現は、視力の減退を予防することを意味する。
【0032】
視力は、視覚機能の最も一般的な(ただしこれだけではない)臨床的尺度である。視力は、標準化された距離で白色背景上の黒色符号を黒色符号のサイズの変化に応じて識別する能力の定量的尺度である。視力は、かかるチャート(多くの場合、いわゆるスネレン視力表)上で高い信頼度でぎりぎり識別可能な最小サイズに相当する。
【0033】
視力は、多くの場合分数として表現される。測定単位としてメートルを用いて、この分数視力は、6/6に対して表現される。6/6の視力を有するとは、通常6メートルから識別されるはずの文字のサイズを、実際にこの距離から識別できることを意味している。これは最高の視力であり、10進法では1.0と表わされ、100%の視力を意味する。6/60の視力は、正常な視覚をもつ人が60メートルの距離で見ると思われる細部が6メートルのところから見えるということを意味し、これは10%視力に相当する。ただし視力は、100%を超えることも同様にあり得る。
【0034】
ヒト(70kgの人)に対するヒドロキシチロソールの一日投与量は、5から500mgまで、好ましくは15から100mgまで変動してよい。
【0035】
ヒドロキシチロソールの好ましい用量は、哺乳動物について、代謝体重1kgあたり0.28から1.9mgまで変動し、したがって、哺乳動物については、
「代謝体重」(kg単位)=(体重[kg単位])0.75
である。このことは例えば、70kgのヒトについて、好ましい一日用量は6.77〜45.98mgの間で変動し、20kgのイヌについては好ましい一日用量は2.23〜15.1mgの間で変動すると考えられることを意味している。
【0036】
本発明に関連して動物には、ヒト、ペット(イヌ、ネコ、鳥(例えばカナリア、オウム、セキセイインコ(budgerigars、shell parakeets)、家畜、ハヤブサおよびタカが包含されるが、ヒトが特に好ましい。
【0037】
本発明は同様に、ヒトにおける加齢性黄斑変性症を治療または予防するため、動物(好ましくはヒト)、特に高齢の動物(好ましくは高齢のヒト)において目の健康を維持するため、動物(好ましくはヒト)の視覚を改善するため、動物(好ましくはヒト)において高解像度の視覚を維持するためおよび/または動物(好ましくはヒト)において視力を維持するため、ならびに動物(好ましくはヒト)において視機能を維持するためおよび/または動物(好ましくはヒト)において視覚機能を維持するためのヒドロキシチロソールを含む栄養補給食品組成物にも関する。
【0038】
本明細書で使用されている栄養補給食品組成物という用語には、食物製品または食料、健康サプリメントまたは栄養サプリメント、あるいは食物製品または食料用のサプリメント組成物、飲料(例えばスポーツ飲料、機能水、ジュース、スムージー;インスタントドリンクただし、これらに限定されるわけではない)、乳製品(例えばシングルショットヨーグルトドリンク、ただしこれに限定されるわけではない)、栄養バーおよびスプレッドが含まれる。
【0039】
本明細書で使用されている食物製品という用語は、ヒトまたは動物による消費に適した任意の食品または飼料を意味する。食物製品は、調製され包装された食品(例えばマヨネーズ、サラダドレッシング、パンまたはチーズ食品)または動物の飼料(例えば押出し加工およびペレット化された動物の飼料、粗混合飼料またはペットフード組成物)であってよい。本明細書で使用する食料という用語は、ヒトまたは動物の消費向けに適した任意の物質を意味する。健康サプリメントという用語は、単一または多数の用量単位に包装されたヒトまたは動物の食事の補足のための少量の化合物を意味する。健康サプリメントは一般に有意な量のカロリーを提供しないがその他の微量栄養素(例えばビタミンまたはミネラル)を含み得る。栄養サプリメントという用語は、カロリー源と組合せた健康サプリメントを含む組成物を意味する。一部の実施形態においては、栄養サプリメントは、食事の代用品またはサプリメント(例えば栄養またはエネルギーバー、または栄養素飲料または濃縮物)である。
【0040】
食品または食料は例えば、飲料例えばノンアルコールおよびアルコール飲料ならびに飲料水および液体食品に添加すべき液体調製物であり、ノンアルコール飲料は例えばソフトドリンク、スポーツドリンク、フルーツジュース例えばオレンジジュース、アップルジュース、およびグレープフルーツジュース;野菜ジュース例えばトマトジュース;レモネード、紅茶、ニアウォータードリンク、および牛乳およびその他の乳飲料例えばヨーグルトドリンクおよびダイエットドリンクである。
【0041】
別の実施形態においては、食品または食料とは、本発明による組成物を含む固形または半固形食品を意味する。これらの形態には、焼成商品例えばケーキおよびクッキー、プリン、乳製品、糖菓、スナックフード、または冷凍糖菓または新型製品(例えばアイスクリーム、ミルクセーキ)、調理冷凍食、キャンディ、スナック製品(例えばチップス)、流動食例えばスープ、スプレッド、ソース、サラダドレッシング、加工肉製品、チーズ、ヨーグルトおよび任意のその他の脂肪または油含有食品、および食品成分(例えば小麦粉)が含まれるがこれらに限定されるわけではない。
【0042】
食物製品または食料という用語は、同様に、機能性食品および調理食物製品も含み、調理食物製品とは、ヒトによる消費向けに承認された任意の予備包装食品である。
【0043】
ペットフード組成物を含む動物用飼料には有利には、必要な食事必需品を供給するように意図された食品、ならびにおやつ(treat)(例えばドッグビスケット)またはその他の健康サプリメントが含まれる。本発明による組成物を含む動物用飼料は、乾燥組成物(例えば粗びき穀物)、半湿潤組成物、湿潤組成物またはそれらの任意の混合物の形態をとっていてよい。代替的または付加的には、動物用飼料は、サプリメント、例えばグレイビー、飲料水、ヨーグルト、粉末、懸濁液、咀嚼物(chew)、おやつ(例えばビスケット)またはその他の任意のデリバリー形態である。
【0044】
本発明の健康サプリメントは、経口デリバリーに適した任意の適当な形態でデリバリーされてよい。本発明の健康サプリメントの成分は、経口消費のために許容可能な賦形剤および/または担体の中に格納されている。担体ひいては健康サプリメント自体の実際の形態は重要ではない。担体は、液体、ジェル、ジェルキャップ、カプセル、粉末、固形錠剤(コーティングありまたは無し)、茶などであり得る。健康サプリメントは好ましくは、錠剤またはカプセルの形態をとり、最も好ましくは、硬質(シェル)ゼラチンカプセルの形態をとっている。適切な賦形剤および/または担体としてはマルトデキストリン、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、微結晶性セルロース、デキストロース、米粉、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、スクロース、植物ガム、ラクトース、メチルセルロース、ポビドン、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチなど(それらの混合物を含む)が含まれる。好ましい担体としては、炭酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、マルトデキストリン、およびそれらの混合物が含まれる。さまざまな成分および賦形剤および/または担体が混合され、従来の技術を用いて所望の形態に整形される。本発明の錠剤またはカプセルは、約6.0〜7.0のpHで溶解する腸溶コーティングでコーティングされてよい。小腸では溶解するものの胃の中では溶解しない適当な腸溶コーティングは、酢酸フタル酸セルロースである。処方および投与の技術についてのさらなる詳細は、レミントンの薬学(Remington’s Pharmaceutical Sciences(ペンシルバニア州イーストンのマックパブリッシング社(Maack Publishing Co.))中に見出すことができる。
【0045】
その他の実施形態においては、健康サプリメントは、消費者が食品または飲料の中に添加するのに適した粉末または液体として提供される。例えば、一部の実施形態では、健康サプリメントは、例えば飲料中への混合または半固体食品例えばプリン、トッピング、ソース、ピューレ、調理済みシリアルまたはサラダドレッシング内への撹拌、または例えば消費直前に放出するよう食品または飲料容器のキャップ内に封入された形態での食品への添加、によって使用すべき粉末の形態で、個体に投与することができる。健康サプリメントは、特に健康サプリメントによって食べ物に添加されるカロリー数を制限することが望まれる場合に、1つ以上の不活性成分を含んでいてよい。例えば、本発明の健康サプリメントは、例えばハーブ、ビタミン、ミネラル、エンハンサ、着色料、甘味料、着香料、不活性成分などを含めた任意の成分も含有していてよい。
【0046】
一部の実施形態においては、健康サプリメントはさらに三塩基性リン酸カルシウムまたは酢酸カルシウム;二塩基性リン酸カリウム;硫酸マグネシウムまたは酸化マグネシウム;塩(塩化ナトリウム);塩化カリウムまたは酢酸カリウム;アスコルビン酸;リン酸第二鉄;ナイアシンアミド;硫酸亜鉛または酸化亜鉛;パントテン酸カルシウム;グルコン酸銅;リボフラビン;ベータカロテン;塩酸ピリドキシン;チアミン硝酸塩;葉酸;ビオチン;塩酸クロムまたはピコリン酸クロム;ヨウ化カリウム;セレン酸ナトリウム;モリブデン酸ナトリウム;フィロキノン;ビタミンD3;シアノコバラミン;亜セレン酸ナトリウム;硫酸銅;ビタミンA;ビタミンC;イノシトール;ヨウ化カリウムを含む(ただし、これらに限定されるわけではない)ビタミンおよびミネラルを含んでいる。ビタミンおよびミネラルについての適切な投与量は、米国RDA指針を閲覧することによって得ることができる。
【0047】
その他の実施形態においては、本発明は、本発明による組成物を含む栄養サプリメント(例えばエネルギーバーまたは食事代用バーまたは飲料)を提供している。栄養サプリメントは、食事または軽食代用品として用いられてよく、一般に、栄養素カロリーを提供する。好ましくは、栄養サプリメントは炭水化物、タンパク質および脂肪を、バランスのとれた量で提供する。栄養サプリメントはさらに炭水化物、単糖、中鎖長糖または多糖類またはそれらの組合せを含み得る。単糖は、所望の官能特性について選択可能である。未調理コーンスターチは、複合糖質の一例である。熱は複合糖質を単糖類または二糖類である単炭水化物へと分解することから、その高分子量構造を維持すべきことが望まれる場合、未調理コーンスターチを調理も熱処理もされない食品処方物またはその分量の中にのみ含み入れるべきである。一実施形態においては、栄養サプリメントは、3つの鎖長レベル(単鎖、中鎖、複合鎖;例えばスクロース、マルトデキストリンおよび未調理コーンスターチ)の炭水化物供給源の組合せを含む。
【0048】
本発明の栄養サプリメント中に取込むべきタンパク質の供給源は、栄養処方物中に利用される任意の適切なタンパク質であり得、乳漿タンパク質、乳漿タンパク質濃縮物、乳漿粉末、卵、大豆粉、豆乳、大豆タンパク、大豆タンパク単離物、カゼイン酸塩(例えばカゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸カルシウム・ナトリウム、カゼイン酸カルシウム、カゼイン酸カリウム)、動物性および植物性タンパク質および炭水化物またはそれらの混合物を含み得る。タンパク質供給源を選択するにあたっては、タンパク質の生物価をまず考慮すべきであり、最高の生物価はカゼイン酸塩、乳漿、ラクトアルブミン、卵アルブミンおよび全卵タンパク質中に見出される。好ましい実施形態においては、タンパク質は、乳漿タンパク質濃縮物およびカゼイン酸カルシウムの組合せである。これらのタンパク質は高い生物価を有する。すなわちこれらは、高い割合の必須アミノ酸を有する。「健康及び疾病状態における現代栄養学(Modern Nutrition in Health and Disease)」、第8版、出版:Lea & Febiger、1986年、特に第1巻、30〜32頁を参照のこと。栄養サプリメントは同様に、その他の成分、例えばビタミン、ミネラル、抗酸化物質、繊維質およびその他の健康サプリメント(例えばタンパク質、アミノ酸、塩素、レシチン、オメガ−3脂肪酸)のうちの1つまたは組合せも含有し得る。これらの成分のうちの1つまたは複数のものの選択は、処方、設計、消費者のし好そしてエンドユーザーの問題である。本発明の健康サプリメントに添加されるこれらの成分の量は、当業者にとっては容易に理解できることである。かかる量の指針は、小児および成人についての米国RDA用量によって提供され得る。添加可能なさらなるビタミンおよびミネラルとしては、三塩基性リン酸カルシウムまたは酢酸カルシウム;二塩基性リン酸カリウム;硫酸マグネシウムまたは酸化マグネシウム;塩(塩化ナトリウム);塩化カリウムまたは酢酸カリウム;アスコルビン酸;リン酸第二鉄;ナイアシンアミド;硫酸亜鉛または酸化亜鉛;パントテン酸カルシウム;グルコン酸銅;リボフラビン;ベータカロテン;塩酸ピリドキシン;チアミン硝酸塩;葉酸;ビオチン;塩酸クロムまたはピコリン酸クロム;ヨウ化カリウム;セレン酸ナトリウム;モリブデン酸ナトリウム;フィロキノン;ビタミンD3;シアノコバラミン;亜セレン酸ナトリウム;硫酸銅;ビタミンA;ビタミンC;イノシトール;ヨウ化カリウムが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0049】
栄養サプリメントは、さまざまな形態でかつさまざまな生産方法により提供され得る。好ましい実施形態においては、食品バーを製造するため、液体成分が調理される。乾燥成分は液体成分と共にミキサーに加えられ、生地相に達するまで混合される;生地は押出し機に入れられ押出し加工される;押出し加工された生地は、適切な長さに切断され;製品は冷却される。バーは、本明細書中で具体的に列挙した成分に加えて、味を増強するためその他の栄養素と充填剤を含有していてよい。
【0050】
当業者であれば、栄養サプリメントの加工または製造のため例えば充填剤、乳化剤、防腐剤などのその他の成分を本明細書で記述されている成分に加えることができるということがわかる。
【0051】
さらに、栄養補給食品組成物の中に、フレーバ、着色剤、香辛料、ナッツなどを取込んでもよい。香味料は、風味のついた抽出物、揮発性油分、チョコレート香味料、ピーナッツバター香味料、クッキークラムス、クリスプライス、バニラまたは任意の市販の香味料の形態をとる可能性がある。有用な香味料の例としては、純粋アニス抽出物、人工バナナ抽出物、人工チェリー抽出物、チョコレート抽出物、純粋レモン抽出物、純粋オレンジ抽出物、純粋ペパーミント抽出物、人工パイナップル抽出物、人工ラム抽出物、人工ストロベリー抽出物または純粋バニラ抽出物;または揮発性油、例えばバーム油、ベイ油、ベルガモット油、セダー油、クルミ油、チェリー油、シナモン油、クローブ油またはペパーミント油;ピーナツバター、チョコレート香味料、バニラクッキークラム、バタースコッチまたはタフィーが含まれるが、これらに限定されるわけではない。一実施形態においては、健康サプリメントはココアまたはチョコレートを含有する。
【0052】
栄養補給食品組成物の安定性のために、乳化剤を添加してもよい。適切な乳化剤の例としては、レシチン(例えば卵または大豆由来のもの)、および/またはモノおよびジグリセリドが含まれるがこれらに限定されるわけではない。その他の乳化剤は当業者には直ちに明らかであり、適切な乳化剤の選択は、一部には処方および最終製品により左右される。製品の貯蔵寿命を延ばすために栄養サプリメントに対して防腐剤を添加してもよい。好ましくは、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウムまたはEDTAカルシウム二ナトリウムなどの防腐剤が使用される。
【0053】
上述の炭水化物に加えて、栄養補給食品組成物は、天然または人工(好ましくは低カロリー)甘味料例えば単糖類、チクロ、アスパルタミン、アスパルテーム、アセサルフェームKおよび/またはソルビトールを含有し得る。かかる人工甘味料は、栄養サプリメントが太り過ぎまたは肥満の個体または高血糖症となりがちな2型糖尿病の個体により消費されるように意図されている場合に、望ましい可能性がある。
【0054】
さらに、一部の食べ物には欠如している必須栄養素を適量得るために、本発明の栄養補給食品組成物に対し、マルチビタミンおよびミネラルサプリメントを添加してもよい。マルチビタミンおよびミネラルサプリメントは同様に、生活習慣に起因する栄養損失および栄養失調に対する疾病予防および防護のためにも有用であり得る。
【0055】
栄養補給食品組成物を介して投与されるヒドロキシチロソールの投与量および比率は、当然のことながら、特定の組成物の生理学的特性;レシピエントの年令、健康状態および体重;症候の性質および程度;併用治療の種類;治療の頻度;および正規の試験を用いてまたは栄養補給食品組成物の処方に関する通常の検討材料を用いてその分野の専門家が判定できる所望の効果などの公知の要因に応じて変動する。
【0056】
食品または飲料は、適切には1人分あたり約0.5mg〜約1000mgのヒドロキシチロソールを含有する。組成物が医薬組成物である場合には、かかる組成物は、1投与量単位あたり、例えばカプセルまたは錠剤1個あたり約1mg〜約2000mg、または液体処方物の日用量あたり約1mgから約3000mgの量でヒドロキシチロソールを含有していてよい。
【0057】
本発明は同様に、ヒトにおける加齢性黄斑変性症を治療または予防するため、動物(好ましくはヒト)、特に高齢の動物(好ましくは高齢のヒト)において目の健康を維持するため、動物(好ましくはヒト)の視覚を改善するため、動物(好ましくはヒト)において高解像度の視覚を維持するためおよび/または動物(好ましくはヒト)において視力を維持するため、ならびに動物(好ましくはヒト)において視機能を維持するためおよび/または動物(好ましくはヒト)において視覚機能を維持するためのヒドロキシチロソールを含む医薬組成物にも関する。
【0058】
本発明による医薬組成物は好ましくはさらに、薬学的に許容される担体を含む。適切な医薬担体は、例えばこの分野における標準的な参考文献である前出のレミントンの薬学の中で記述されている。かかる薬学的に許容される担体の例は、経口投与に適した無機および有機の両方の担体材料であり、水、ゼラチン、アラビアゴム、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油などを含む。
【0059】
医薬組成物はさらに、水、任意の由来のゼラチン、植物ゴム、リグニンスルホン酸塩、糖、デンプン、アラビアゴム、植物油、ポリアルキレングリコール、着香剤、防腐剤、安定剤、乳化剤、緩衝液、潤滑剤、着色剤、湿潤剤、充填剤などを含めた(ただし、これらに限定されるわけではない)従来の医薬添加剤およびアジュバント、賦形剤または希釈剤も含んでいてよい。
【0060】
医薬組成物中の個々の成分の投与量および比率は、正規の前臨床および臨床試験を用いて、または医薬組成物の処方に関する通常の検討材料を用いてその分野の専門家が判定できる。
【0061】
好ましい実施形態においては、ヒドロキシチロソールは、一日体重1kgあたり少なくとも0.3mg/kg、好ましくは1〜450mg/kg、最も好ましくは4〜140mg/kgの量で単回用量または多数回用量のいずれかの形態で医薬組成物を介して投与される。
【0062】
本発明による組成物は、例えば、食品または飼料(用の添加物/サプリメント)、食品または飼料プレミックス、強化食品または飼料、錠剤、丸薬、顆粒、糖衣錠、カプセルおよび発泡性処方物例えば粉末および錠剤としての固体形態かまたは、例えば飲料、ペーストおよび油性懸濁液などとしての溶液、エマルジョンまたは懸濁液の形態での液体形態で、人体を含めた動物の身体に対し経口投与するのに適している任意のガレヌス剤形であってよい。ペーストは、硬または軟(シェル)カプセルの中に充填され、したがってカプセルが例えば(魚、豚、家禽、乳牛)ゼラチン、植物性タンパク質またはリグニンスルホン酸塩のマトリクスを特徴とするようになっていてよい。栄養補給食品組成物および医薬組成物は、制御(遅延)放出型処方物の形態をとっていてよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】MTT検定により測定された細胞生存率のアクロレインによって誘発された減少に対するHTSの保護効果を示す。
【図2】JC−1検定によって測定されたミトコンドリア膜電位のアクロレインにより誘発される減少に対するHTSの保護効果を示す。
【図3】MTT検定により測定された細胞生存率のアクロレインによって誘発された減少に対するHTSの保護効果を示す。
【図4】JC−1検定によって測定されたミトコンドリア膜電位のアクロレインにより誘発される減少に対するHTSの保護効果を示す。
【図6】ARPE−19細胞における細胞内SOD、抗酸化力およびCa2+レベルのアクロレイン曝露(24時間)により誘発された急激な変化、およびHTS(48時間の前処理)による調節を示す。
【図7】ARPE細胞におけるGSHレベルのアクロレインにより誘発される変化およびHTSの保護効果を示す。
【図8】ウェスタンブロット法により検定されたARPE細胞におけるタンパク質カルボニルのアクロレインにより誘発される変化およびHTSの保護効果を示す。
【図9】ウェスタンブロット法によって検定されたARPE細胞における全Nrf2発現のアクロレインにより誘発される変化およびHTSの保護効果を示す。
【図10】ARPE−19細胞におけるミトコンドリア複合体のアクロレインにより誘発される減少のHTSによる保護を示す。
【0064】
本発明についてここで、以下の非限定的な実施例を用いてさらに説明する。
【実施例】
【0065】
[実施例1:軟ゼラチンカプセル]
カプセル1個あたり50mgというヒドロキシチロソール用量を提供する軟ゼラチンカプセルを従来の手順により調製する。適切な日用量は1〜5カプセルである。
【0066】
その他の成分:グリセロール、水、ゼラチン、植物油。
【0067】
[実施例2:硬ゼラチンカプセル]
カプセル1個あたり75mgというヒドロキシチロソール用量を提供する硬ゼラチンカプセルを従来の手順により調製する。適切な日用量は1〜5カプセルである。
【0068】
その他の成分:
充填剤:ラクトースまたはセルロースまたはセルロース誘導体(適量)
潤滑剤:必要に応じて、ステアリン酸マグネシウム(0.5%)
【0069】
[実施例3:錠剤]
活性成分として錠剤一個あたり100mgのヒドロキシチロソールそして賦形剤として500mgまでの微結晶性セルロース、二酸化シリコーン(SiO)、ステアリン酸マグネシウム、クロスカルメロースナトリウムを提供する錠剤を、従来の手順によって調製する。
【0070】
[実施例4:ソフトドリンク]
ヒドロキシチロソールを含むソフトドリンクを以下の通りに調製してよい:
【0071】
【表1】

【0072】
果汁濃縮物および水溶性フレーバを、空気を取込むことなく混合する。脱イオン水の中に顔料を溶解させる。水中にアスコルビン酸およびクエン酸を溶解させる。安息香酸ナトリウムを水中に溶解させる。撹拌下でペクチンを加え、沸とうさせながら溶解させる。溶解を冷却させる。オレンジ油と油溶性フレーバを予混合する。Fに記されている活性成分をAの果汁濃縮混合物中へと撹拌する。
【0073】
ソフトドリンクを調製するために、全ての成分A−Fを混合してから、Turrax及び次に高圧ホモジナイザー(p=200バール、p=50バール)を用いて均質化する。
【0074】
[実施例5:ヒトARPE−19細胞を用いた細胞培養試験]
ヒトARPE−19細胞(ヒト網膜色素上皮細胞系統)を、10%のウシ胎仔血清、0.348%の重炭酸ナトリウム、2mMのL−グルタミン、100U/mLのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシンで補足したDMEM−F12培地(ダルベッコ改変イーグル培地)中に維持した。細胞培養を、空気95%およびCO5%の加湿雰囲気中で37℃に維持した。培地は、3〜4日に一回交換した。ARPE−19細胞を10世代以内で使用した。
【0075】
[試薬]
シノファームケミカルリエージェント社(Sinopharm Chemical Reagent Co.,Ltd)(中国上海)からアクロレインを購入した。特に指定のない限り、全ての試薬をシグマアルドリッチ社(Sigma−Aldrich Chemical Co.)(ミズーリ州セントルイス)から購入した。ヒドロキシチロソールを化学的に合成した。
【0076】
[アクロレイン曝露およびHTS補足]
96ウェルの平板または6ウェルの平板内で成長させた集密性80%の単層を用いて全ての実験を実施した。DMSO(ジメチルスルホキシド)の中にヒドロキシチロソール(HTS)を溶解させた。実験の直前に毎回PBS(リン酸緩衝液塩)の中でアクロレインを溶解させた。急性毒性試験のために、細胞を24時間アクロレインに曝露した。48時間または7日間HTSで細胞を前処理することにより急性毒性モデルを用いてHTS(ヒドロキシチロソール)の保護効果を試験した。
【0077】
[細胞生存率についてのMTT検定]
細胞生存率の定量的指標として、MTT検定還元検定を使用した。マイクロプレート分光光度計(カリフォルニア州サニーベールのMolecular Dabices製Spectra Max340)を用いて555nmで光学密度を読み取った。吸光度値を、未処理細胞で正規化して、細胞生存率の変化を計算した。
【0078】
[ミトコンドリア膜電位についてのJC−1検定]
脂溶性カチオンプローブ5,5’,6,6’−テトラクロロ−1,1’,3,3’−テトラエチルベンズイミダゾール−カルボシアニンイオジン(JC−1)を用いて、生きたAPRE−19細胞の中でミトコンドリア電位変化(Δψ)を査定した。定量的蛍光測定のために、細胞をJC−1染色の後一回洗い流し、485nmの励起および535nmと590nmの発光でマルチラベルカウンター(マサチューセッツ州ウェルスレイのパーキンエルマーライフサイエンシーズ(PerkinElmer Life Sciences)製のWallac 1420)でスキャンして、緑色および赤色JC−1蛍光をそれぞれに測定した。1mm間隔そして1mmのおおよそのビーム面積で5×5パターンで矩形に配置された25の部域において、各ウェルをスキャンした(底面スキャン)。JC−1染色ARPE−19の顕微鏡観察のために、電荷結合素子(CCD)デジタルカメラ(ミシガン州スターリングハイツのダイアグノスティックインスツルメンンツ社(Diagnostic Instruments))が装備された顕微鏡(ニューヨーク州ソーンウッドのカールツアイスメディテック社(Carl Zeiss Meditec、Inc.)製Axiover25)上でFITCおよびTRITC蛍光フィルタキューブを用いて画像を収集し、画像管理ソフトウェア(カリフォルニア州マウンテンビューのアドビシステムズ(Adobe Systems)製、フォトショップ(Photoshop)ver.7.0)で処理した。
【0079】
[全抗酸化力]
ARPE−19細胞の細胞内全抗酸化力を、市販の検定キット(全抗酸化力、中国南京市のJiancheng Biochemical Inc.製A−015)により、キット使用説明書にしたがって検定した。
【0080】
[スーパーオキシド・ジスムターゼ(SOD)の測定]
キット使用説明書にしたがって、スーパーオキシド・ジスムターゼ検定キット(中国南京市のJiancheng Biochemical Inc.製A001)により細胞内SOD活性を測定した。
【0081】
[GSHレベルについての検定]
チオール特異的試薬ジチオニトロ安息香酸(DTNB)に基づいた検定を用いて、市販の検定キット(中国南京市のJiancheng Biochemical Inc.)でGSHレベルを検定し、付加物を412nmでの分光光度法により測定した。
【0082】
[タンパク質カルボニルの検出]
タンパク質の酸化の尺度であるタンパク質カルボニルを決定するため、細胞を100mmの平板上で成長させた。可溶性タンパク質中のタンパク質カルボニルを、Oxyblotタンパク質酸化検出キット(カリフォルニア州サンディエゴのCell BioHTSbs)で検定した。
【0083】
[核因子−E2−reHTSted因子2(Nrf2)の全レベル]
100mmの平板上で細胞を成長させ、RIPA緩衝液[1%(vol/vol)のIgepal CA630、0.5%(wt/vol)のデオキシコール酸ナトリウム、0.1%(wt/vol)のSDS、および5μg/μlのプロテアーゼ阻害物質混合物を含む150mMのPBS]、pH7.4の中で均質化し(1:10)、全Nrf2レベルのウェスタン分析のために50μgのタンパク質を用い、1:500の力価で抗−Nrf2抗体(サンタクルス(Santa Cruz))でプローブ探査した。アマシャム・ファルマシア(Amersham Pharmacia)製のECLウェスタンブロット検出キット(Western Blotting Detection kit)により化学発光での検出を行なった。
【0084】
[細胞内カルシウム検定]
キットの使用説明書にしたがって市販の検定キット(中国南京市のJiancheng Biochemical Inc.製C004)により細胞内Ca++レベルを決定した。
【0085】
[ミトコンドリア複合体I、IIおよびIIIの活性についての検定]
ARPE−19細胞を100mmの平板内で培養し、PBS中で洗浄し、適切な等張緩衝液(0.25Mのスクロース、5mMのトリス−HCl、pH7.5、および0.1mMのフッ化フェニルメチルスルホニル)の中に再懸濁させ、均質化した。ミトコンドリアを、細胞ホモジネートの分画遠心法によって単離した。わずかな修正を加えながら従来の検定を用いて、NADH−CoQオキシドレダクターゼ(複合体I)、スクシネート−CoQオキシドレダクターゼ(複合体II)、CoQ−シトクロムcレダクターゼ(複合体III)を分光分析により検定した。
【0086】
[統計的分析]
図の凡例の中に規定されている通り、2つまたは3つの別々の実験の平均±SDとしてデータを提示した。一元配置ANOVAを用いて、Prismソフトウェア(バージョン4.0a)により、統計的有意性を計算し、0.05未満のp値を有意とみなした。
【0087】
[結果]
図中、以下の略語が使用される;
「C」=対照;
「A」=アクロレイン;
「H」=ヒドロキシチロソール;
「H+A」=ヒドロキシチロソール+アクロレイン
「C+H」=対照+ヒドロキシチロソール
「HTSx−A」=アクロレインを伴う、異なる濃度のヒドロキシチロソール
【0088】
[ARPE−19細胞中の細胞生存率のアクロレイン誘発された減少に対するHTSの保護効果]
96ウェルの平板中に、1ウェルあたり4×10の割合で、ARPE−19細胞を播種した。細胞が80%の集密性を有した時点で、異なるHTSレベルで細胞を48時間前処理し、その後、75μMのアクロレインで24時間処理した。HTS自体は、使用された濃度で(ARPE−19中の10〜100μMのHTS)、細胞生存率に対し明白な効果を全く有していなかった(図1)。HTSでのARPE−19細胞の前処理は、75μMのアクロレイン誘発された毒性に対する有意な保護を結果としてもたらした。10〜20μMの範囲内で、HTSは、アクロレインに誘発された細胞生存率の急激な減少に対し保護することができた。ARPE−19細胞を7日間前処理した場合、20μMでHTSは、アクロレイン毒性を完全に除去した(図3)。
【0089】
図1は、MTT検定により測定された細胞生存率のアクロレインによって誘発された減少に対するHTSの保護効果を示す。48時間のHTS前処理を受けたARPE−19細胞。値は、4回の別々の実験からのデータの平均±SDである。各実験はトリプリケートで実施された。##P<0.01対対照(HTS0μM)。P<0.05対HTS無しのアクロレイン75μM。
【0090】
図3は、MTT検定により測定された細胞生存率のアクロレインによって誘発された減少に対するHTSの保護効果を示す。7日間のHTS前処理を受けたARPE−19細胞。値は、4回の別々の実験からのデータの平均±SDであり、各実験はトリプリケートで実施された。##P<0.01対HTS0。P<0.05及び**p<0.01対HTS無しのアクロレイン。
【0091】
[ARPE−19細胞におけるミトコンドリア膜電位のアクロレインにより誘発される減少に対するHTSの保護効果]
細胞生存率に対する結果と同様に、HTS自体は、使用された濃度(ARPE−19細胞中10〜100μMのHTS)において両方のARPE−19細胞内でミトコンドリア膜電位に対する明白な効果を全く有していなかった。細胞生存率に対する保護と同様に、7日間にわたる長期前処理は、HTSの保護効果を増強した。図2、4および10に示されているように、HTSはアクロレインにより誘発されるミトコンドリア膜電位の急激な減少を有意に防護した。10μM未満の濃度のHTSは、ARPE−19内でのアクロレインに誘発された細胞毒性に対する保護効果を全く示さなかった。
【0092】
図2は、JC−1検定によって測定されたミトコンドリア膜電位のアクロレインにより誘発される減少に対するHTSの保護効果を示す。48時間のHTS前処理を受けたARPE−19細胞。値は3つの別々の実験からのデータの平均±SDである;各実験は、トリプリケートで実施された。#p<0.05および##P<0.01対HTS0。P<0.05対HTS0+アクロレイン75μM。
【0093】
図4は、JC−1検定によって測定されたミトコンドリア膜電位のアクロレインにより誘発される減少に対するHTSの保護効果を示す。7日間のHTS前処理を受けたARPE−19細胞。値は、トリプリケートで実施された3つの実験を代表する1つの実験からのデータの平均±SDである。##p<0.01対対照。p<0.05および**p<0.01対HTS無しのアクロレイン。
【0094】
[HTSは、ARPE細胞における細胞内SODのアクロレインにより誘発される減少を調節する]
75μMのアクロレインでの処理は、ARPE−19細胞における細胞内SOD活性の有意な減少を引き起こした(図6A)。100μMでのHTS前処理は、SOD活性の減少を妨げた(図6A)。アクロレイン無しの100μMのHTSでの処理は、未処理の正常なARPE−19細胞における細胞内SOD活性を増大させた(図6A)。
【0095】
[HTSはARPE−19細胞における細胞内全抗酸化力のアクロレインにより誘発される減少を調節する]
75μMでアクロレインは、ARPE−19細胞における細胞内抗酸化力を減少させた。100μMでのHTSでの前処理は、細胞のアクロレインにより誘発される減少を妨げた(図6B)。ここでもまた、SOD活性の場合と同様、アクロレイン無しの100μMでのHTSが細胞内全抗酸化力を上昇させたことから、この保護は、HTS自体の抗酸化活性に起因するものであり得る(図6B)。
【0096】
図6は、ARPE−19細胞における細胞内SOD、抗酸化力およびCa2+レベルのアクロレイン曝露(24時間)により誘発された急激な変化、およびHTS(48時間の前処理)による調節を示す。値は、3つの別々の実験からのデータの平均±SDであり、各実験はトリプリケートで実施された。#p<0.05および##p<0.01対対照、p<0.05および**p<0.01対HTS無しの75μMのアクロレイン。
【0097】
[HTSは、ARPE−19細胞におけるアクロレインによって引き起こされた細胞内Ca2の増加を調節する]
ミトコンドリア機能障害は通常、酸化的ストレスおよびミトコンドリア機能障害のバイオマーカーである細胞質Ca2+レベルの増大を結果としてもたらす。75μMのアクロレインによるARPE−19細胞の処理は、細胞内Ca2+レベルの有意な増大を引き起こした(図6C)。75μMのアクロレインの前に100μMのHTSで前処理すると、Ca2+の増大が著しく阻害された。アクロレイン無しの100μMでのHTSは、ARPE−19細胞における細胞内Ca2+レベルを有意に変化させなかった。
【0098】
[HTSはARPE−19細胞におけるGSHレベルのアクロレインにより誘発される減少を阻害した]
48時間HTSでARPE−19細胞を前処理すると、GSHレベルを増大させる傾向が見られた(図7)。24時間75μMでアクロレインはGSHレベルの有意な減少を引き起こし、HTSは48時間100μMで、GSHレベルに対し完全な保護を提供した(図7)。
【0099】
図7は、ARPE細胞におけるGSHレベルのアクロレインにより誘発される変化およびHTSの保護効果を示す。48時間にわたるHTS前処理および24時間にわたるアクロレイン曝露。値は、4つの別々の実験からのデータの平均±SDであり、各実験はトリプリケートで実施された。##p<0.01対対照、p<0.05対HTS無しの75μMのアクロレイン。
【0100】
[HTSは、ARPE−19細胞におけるタンパク質カルボニルのアクロレインにより誘発される減少を阻害した]
24時間75μMでアクロレインは、タンパク質の酸化の指標であるタンパク質カルボニルの有意な増大を引き起こした(図8)。48時間にわたる100μMのHTSでの前処理は、タンパク質カルボニルのアクロレインにより誘発される増大に対する有意な阻害を示した(図8)。
【0101】
図8は、ウェスタンブロット法により検定されたARPE細胞におけるタンパク質カルボニルのアクロレインにより誘発される変化およびHTSの保護効果を示す。48時間にわたるHTS前処理および24時間にわたるアクロレイン曝露。4つの別々の類似の実験からのタンパク質カルボニルの代表的定量的データ。
【0102】
[HTSは、ARPE−19細胞における全Nrf2発現のアクロレインにより誘発される減少を調節する]
24時間75μMでアクロレインは、ARPE−19細胞における両方の全Nrf2発現の有意な減少を引き起こし、48時間100μMでHTSは、全Nrf2のアクロレインにより誘発される減少から細胞を有意に保護した(図9)。
【0103】
図9は、ウェスタンブロット法によって検定されたARPE細胞における全Nrf2発現のアクロレインにより誘発される変化およびHTSの保護効果を示す。48時間にわたるHTS前処理および24時間にわたるアクロレイン曝露。
【0104】
[HTSは、ARPE−19細胞におけるミトコンドリア複合体I、IIおよびIIIのアクロレインにより誘発される減少を調節する]
24時間75μMでアクロレインは、ARPE−19細胞1においてミトコンドリア複合体I、IIおよびIIIの活性の有意な減少を引き起こした(図10A、BおよびC)。100μMのHTSでの前処理は、複合体I(図10A)、複合体II(図10B)および複合体III(図10C)について有意な保護を示した。
【0105】
図10は、ARPE−19細胞におけるミトコンドリア複合体のアクロレインにより誘発される減少のHTSによる保護を示す。(A)複合体I、(B)複合体II、および(C)複合体III。ARPE−19細胞は異なる濃度のHTSで前処理され、次に75μMのアクロレインで処理された。値は、複合体Iについては4つの別々の実験から、そして複合体IIおよびIIIについては3つの別々の実験からのデータの平均±SDであり、各実験はデュプリケートで実施された。#p<0.05および##p<0.01対対照、**p<0.01対HTS無しの75μMのアクロレイン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトにおける加齢性黄斑変性症を治療または予防するため、動物において目の健康を維持するため、動物の視覚を改善するため、動物において高解像度の視覚を維持するため、動物において視力を維持するため、動物において視機能を維持するためおよび/または動物において視覚機能を維持するためのヒドロキシチロソールを含む栄養補給食品組成物。
【請求項2】
動物がヒトである、請求項1に記載の栄養補給食品組成物。
【請求項3】
ヒトにおける加齢性黄斑変性症の治療または予防(のための組成物の製造)のため、動物において目の健康を維持するため、動物の視覚を改善するため、動物において高解像度の視覚を維持するため、動物において視力を維持するため、動物において視機能を維持するためおよび/または動物において視覚機能を維持するためのヒドロキシチロソール(を含む組成物)の使用。
【請求項4】
動物がヒトである、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
ヒトにおける加齢性黄斑変性症の治療または予防のためのヒドロキシチロソールを含む栄養補給食品組成物。
【請求項6】
ヒトにおける加齢性黄斑変性症の治療または予防(のための組成物の製造)のためのヒドロキシチロソール(を含む組成物)の使用。
【請求項7】
動物、特に(高齢の)ヒトにおいて、目の健康を維持するためのヒドロキシチロソールを含む栄養補給食品組成物。
【請求項8】
動物、特に(高齢の)ヒトにおいて、目の健康を維持する(ための組成物の製造)のためのヒドロキシチロソール(を含む組成物)の使用。
【請求項9】
動物、特にヒトの視覚を改善するためのヒドロキシチロソールを含む栄養補給食品組成物。
【請求項10】
動物、特にヒトの視覚を改善する(ための組成物の製造の)ためのヒドロキシチロソール(を含む組成物)の使用。
【請求項11】
動物、特にヒトにおいて高解像度の視覚を維持するためのヒドロキシチロソールを含む栄養補給食品組成物。
【請求項12】
動物、特にヒトにおいて高解像度の視覚を維持する(ための組成物の製造の)ためのヒドロキシチロソール(を含む組成物)の使用。
【請求項13】
動物、特にヒトにおいて視機能を維持するためのヒドロキシチロソールを含む栄養補給食品組成物。
【請求項14】
動物、特にヒトにおいて視機能を維持する(ための組成物の製造)のためのヒドロキシチロソール(を含む組成物)の使用。
【請求項15】
動物、特にヒトにおいて視力を維持するためのヒドロキシチロソールを含む栄養補給食品組成物。
【請求項16】
動物、特にヒトにおいて視力を維持する(ための組成物の製造)のためのヒドロキシチロソール(を含む組成物)の使用。
【請求項17】
動物、特にヒトにおいて視覚機能を維持するためのヒドロキシチロソールを含む栄養補給食品組成物。
【請求項18】
動物、特にヒトにおいて視覚機能を維持する(ための組成物の製造)のためのヒドロキシチロソール(を含む組成物)の使用。
【請求項19】
ヒトに対してヒドロキシチロソール(を含む組成物)を有効量投与することにより、前記ヒトにおける加齢性黄斑変性症を治療または予防するための方法。
【請求項20】
動物に対してヒドロキシチロソール(を含む組成物)を有効量投与することによって、動物において目の健康を維持するため、動物の視覚を改善するため、動物において高解像度の視覚を維持するため、動物において視力を維持するため、動物において視機能を維持するためおよび/または動物において視覚機能を維持するための方法。
【請求項21】
動物がヒトである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
動物/(高齢の)ヒトに対してヒドロキシチロソール(を含む組成物)を有効量投与することにより、前記動物、特に(高齢の)ヒトにおける目の健康を維持するための方法。
【請求項23】
動物/ヒトに対してヒドロキシチロソール(を含む組成物)を有効量投与することにより、前記動物、特にヒトの視覚を改善するための方法。
【請求項24】
動物/ヒトに対してヒドロキシチロソール(を含む組成物)を有効量投与することにより、前記動物、特にヒトにおいて高解像度の視覚を維持するための方法。
【請求項25】
動物/ヒトに対してヒドロキシチロソール(を含む組成物)を有効量投与することにより、前記動物、特にヒトにおいて視機能を維持するための方法。
【請求項26】
動物/ヒトに対してヒドロキシチロソール(を含む組成物)を有効量投与することにより、前記動物、特にヒトにおいて視力を維持するための方法。
【請求項27】
動物/ヒトに対してヒドロキシチロソール(を含む組成物)を有効量投与することにより、前記動物、特にヒトにおいて視覚機能を維持するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−524439(P2010−524439A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503358(P2010−503358)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003405
【国際公開番号】WO2008/128552
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】