説明

ヒドロゲルコンタクトレンズ及び包装システム及びそれらの製造方法

【課題】本発明は、ヒドロゲル含有コンタクトレンズ、それを含む包装システム及びそれらの製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、ヒドロゲル含有コンタクトレンズ、例えば、水溶性ポリマー成分を含む使い捨てコンタクトレンズ、及びそれと共に使用するための包装システム及びそれらの製造方法に関する。
【解決手段】目に使用するためのコンタクトレンズが、親水性ポリマー成分及び水溶性ポリマー成分を含むコンタクトレンズ体を含んで提供される。そのようなコンタクトレンズは、好ましくは湿性鋳造され、使い捨て又は一回使用のレンズとして特に有用である。さらに、新しいコンタクトレンズ包装システム及び製造方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒドロゲル含有コンタクトレンズ、それを含む包装システム及びそれらの製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、ヒドロゲル含有コンタクトレンズ、例えば、水溶性ポリマー成分を含む使い捨てコンタクトレンズ、及びそれと共に使用するための包装システム及びそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近において、ヒドロゲル含有コンタクトレンズの製造方法は、旋盤切断又は回転成形のいずれよりも経済的に開発されており、水和したレンズの最終形状のよりよい制御を提供する。この方法は、モノマー混合物の直接鋳造を伴い、前記混合物は非水性置換可能溶媒に溶解される。その混合物を、最終的に所望のヒドロゲル(すなわち、水膨張)レンズの正確な形状を有する鋳型に入れ、モノマー/溶媒混合物を、モノマーが重合する条件に付し、それによってポリマー/溶媒混合物を最終的に所望のヒドロゲルレンズの形状に製造する。
重合が完了した後、溶媒を水と置換して水和したレンズを製造し、その最終的なサイズ及び形状は、鋳造されたポリマー/溶媒物の原型のサイズ及び形状とほぼ同様である。
ヒドロゲルコンタクトレンズのそのような直接鋳造は、Larsenの米国特許第4,495,313号明細書及びLarsenらの米国特許第4,680,336、4,889,664、及び5,039,459号明細書に開示されている。さらに、考慮すべき他の特許は、Larsonの米国特許第4,565,348号明細書、Okkadaらの米国特許第4,347,198号明細書、Shepherdの米国特許第4,208,364号明細書、Muellerらの欧州特許第EP-A-0493,320A2号明細書、及びWichterleらの米国特許第RE27,401号明細書(米国特許第3,220,960号明細書)を含む。これらの特許の各開示は、その全てをここに参照として組み込まれる。
新しく有益なヒドロゲル含有コンタクトレンズ、そのようなレンズのための包装システム及びそのようなコンタクトレンズの製造方法を提供するのが好ましい。
【0003】
新しいヒドロゲル含有コンタクトレンズ、そのようなレンズと共に使用するための包装システム及びそのようなレンズの製造方法が発見された。本ヒドロゲル含有レンズは、経済性及びヒドロゲル含有コンタクトレンズの直接鋳造の形状制御に関する利点を有する。
さらに、レンズ形成中の鋳型に含まれる希釈剤及び材料を適切に選択すること、特に1種以上の水溶性ポリマー成分を用いることにより、そのような希釈剤又は材料が、目に使用するためのレンズと共に/の中に残ってもよい。従って、ヒドロゲル含有コンタクトレンズの本製造方法は、例えば、溶媒置換工程を除去することにより、この中の他で論ぜられる先行技術の直接鋳造方法に比べて複雑さが減り、且つ経済的である。本包装システムは、目に使用する前に、コンタクトレンズに希釈剤又は材料を有利に保持する。さらに、ヒドロゲル含有レンズは目に入れられると、モデュラス及び強度が都合よく増加した。長時間、例えば一日の使用後、希釈剤又は材料はレンズから取り除かれ、目において水又は涙液によって置換される。レンズは目から取り外されると、その強度が弱まり、着用者に対してレンズを処分又は交換すべきという徴候を提供する。さらに、着用者がそのレンズを再び使用すると、レンズは、例えば希釈剤又は材料の損失により、着用の快適さが弱まる。この快適さが減少する特徴は、着用者に対し、レンズを処分又は交換すべきという徴候を提供する。本レンズは、使い捨てレンズ、例えば一回の使用に好適又はそのために構築されたレンズとして提供されるときに、特に好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,495,313号明細書
【特許文献2】米国特許第4,680,336号明細書
【特許文献3】米国特許第4,889,664号明細書
【特許文献4】米国特許第5,039,459号明細書
【特許文献5】米国特許第4,565,348号明細書
【特許文献6】米国特許第4,347,198号明細書
【特許文献7】米国特許第4,208,364号明細書
【特許文献8】欧州特許第EP-A-0493,320A2号明細書
【特許文献9】米国特許第RE27,401号明細書(米国特許第3,220,960号明細書)
【発明の概要】
【0005】
一つの広い特徴では、本発明は、コンタクトレンズ体を含むコンタクトレンズを意味する。コンタクトレンズ体は、親水性ポリマー材料及び水溶性ポリマー成分(WSPC)を含む。そのようなコンタクトレンズ体は、目に使用するためのものである。一つの実施態様では、WSPCは、親水性ポリマー材料との本質的な混合物である。
非常に有用な実施態様では、WSPCは、親水性ポリマー材料の重合中に用いられる希釈剤材料から生じる。WSPCは、希釈剤材料、例えば、親水性ポリマー材料の溶液重合中に用いられる希釈剤材料の少なくとも一部から有利に生じる。
一つの実施態様では、コンタクトレンズ体は、湿性鋳造を用いて製造される。
上記のように、本コンタクトレンズは、目における一回の使用後に処分するのに、有利に構築される。WSPCを含む本コンタクトレンズ体は、WSPCが水と置換されている同一のレンズ体に比べて、モデュラスを好ましく増加させた。
WSPCは都合よくは、親水性ポリマー材料によって本コンタクトレンズ体に物理的に固定化される。例えば、WSPC及び親水性ポリマー材料は、レンズ体において、相互浸透ネットワーク(interpenetrating network)又は擬似(psuedo)相互浸透ネットワーク、好ましくは擬似相互浸透ネットワークを形成し得る。
本コンタクトレンズ体は好ましくは、WSPCの少なくとも一部が、目におけるコンタクトレンズ体の使用中に、コンタクトレンズ体から離れる又は取り除かれるように形成又は構築される。
親水性ポリマー材料は好ましくは、少なくとも1種のモノマー成分の重合、例えば少なくとも1種の親水性モノマー成分と少なくとも1種の架橋性モノマー成分との重合によって得られる。
【0006】
親水性モノマー成分は、任意の好適なそのような成分から選択され得る。非常に有用な実施態様では、親水性モノマー成分は、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、N-ビニルピロリドン、アクリルアミド、ビニルアルコール、親水性ポリウレタン前駆体、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、アクリレート、メタクリレート、それらの置換対応物など及びそれらの混合物から選択される。
ここに用いられるように、“それらの置換対応物”の語句は、実在物を意味し、例えば、1種以上の置換基を含み且つ非置換実在物と実質的に同様の本発明における官能基に対して有効な化合物、例えば、ここに挙げられた化合物を意味する。
任意の好適なWSPCが、ここに記載されている本コンタクトレンズにおいて有効である条件のもとで用いられ得る。
一つの実施態様では、WSPCを生じさせるモノマー成分、例えば少なくとも1種のエチレン性不飽和親水性モノマー成分を重合して、直鎖又は分枝鎖の水溶性ポリマー又はコポリマーを形成することができる。
WSPCの製造に好適な親水性モノマー成分は、限定はしないが、親水性ビニルモノマー、例えばビニル(C4-C45)アルキルエーテル、ビニル(C7-C49)アルケン酸など及びそれらの混合物、ヒドロキシ置換(C5-C45)アルキル、アルコキシ-アルキル及びポリアルコキシ-アルキル及びモノ-又はビーシクロ脂肪性フマレート、マレアート、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド及びメタクリルアミドなど、及びそれらの混合物、アクリル酸、メタクリル酸、対応するアミノ又はモノ-及びジ-(低級アルキル)アミノ置換アクリルモノマーなど、及びそれらの混合物、及びビニル-ラクタムなど、及びそれらの混合物を含む。典型的なモノマーは、限定はしないが、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、及び3-ヒドロキシプロピルアクリレート及びメタクリレート、N-ビニルピロリドン、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、メトキシエチル-、エトキシエチル、メトキシ-エトキシエチル及びエトキシ-エトキシエチルアクリレート及びメタクリレート、N,N-ジメチル、N,N-ジエチル、2-ヒドロキシエチル-、2-ヒドロキシプロピル-、及び3-ヒドロキシプロピルアクリルアミド及びメタクリルアミド類似のアクリル(メタクリル)アミド、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパン-スルホン酸など及びそれらの混合物を含む。
一つの実施態様では、WSPCは好ましくは、1種以上のアクリル酸、アクリル酸の親水性誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸の親水性誘導体、モノマー成分のカチオン/アニオン対、カチオンモノマー成分、アニオンモノマー成分、非イオンモノマー成分、親水性ビニルモノマー成分、それらの塩及びそれらの混合物から生じる単位を含む。
一つの非常に有用な実施態様では、WSPCは、ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコールなど、及びそれらの混合物から選択される。
【0007】
本発明の別の広い特徴では、包装システムが、目に使用するためのコンタクトレンズ、液体媒体、及びコンタクトレンズと液体媒体とを保持する容器を含んで提供される。コンタクトレンズは、この中の他に記載されている親水性ポリマー材料及びWSPCを含むコンタクトレンズ体を含む。液体媒体、好ましくは水溶液媒体は、コンタクトレンズ体に存在するのとは別の量のWSPCを含む。
液体媒体は好ましくは、液体媒体が容器に入れられる前に、例えば、コンタクトレンズと接触してWSPCを含む。
都合よくは、容器は、例えば任意の好適な従来の容器シール組み立て部品、例えば従来の容器シール組み立て部品を用いて密閉され、好ましくは無菌化されて、コンタクトレンズ及び液体媒体を出荷及び保管中に無菌化したまま保護、保存及び保持する。
【0008】
本発明のさらに広い特徴では、コンタクトレンズの製造方法が提供される。そのような方法は、少なくとも1種の親水性モノマー成分をWSPCの存在下で重合し、親水性ポリマー材料及びWSPCを含むコンタクトレンズ体を形成することを含む。都合よくは、有効量の少なくとも1種の架橋性モノマー成分が、重合工程中に存在する。コンタクトレンズ体を、包装容器、好ましくはこの中の他に記載されているような包装システムに入れる。
都合よくは、重合工程は、溶液重合工程である。WSPCは好ましくは、重合工程中に用いられる希釈剤に含まれる。重合工程は好ましくは、コンタクトレンズ鋳型、例えば従来のコンタクトレンズ鋳型、例えば従来の熱可塑性コンタクトレンズ鋳型で行う。
一つの非常に有用な実施態様では、液体媒体、好ましくは水溶液媒体をさらに、包装容器に入れる。この液体媒体は好ましくは、コンタクトレンズ体に存在するのとは別の量のWSPCを含む。WSPC及び液体媒体は好ましくは、眼科的に許容される。
さらに、本方法は好ましくは、容器をコンタクトレンズ体、及び好ましくはそこに含まれる液体媒体と共に密閉することをさらに含む。
ここに記載されるそれぞれ及び全ての特徴、及びそのような特徴の2種以上のそれぞれ及び全ての組み合せは、そのような組み合せに含まれる特徴が互いに相反しない条件のもとで、本発明の範囲内に含まれる。
本発明のこれら及び他の特徴は、以下の詳細な記載、例及び請求項に、特に同じ部分は同じ参照番号を示す添付図面と共に考えるときに示される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に基づく包装システムの略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本コンタクトレンズは、親水性ポリマー材料及びWSPC、好ましくは有効量のWSPCを含むコンタクトレンズ体を含むことで、例えばコンタクトレンズのモデュラス又は強度を増加させ、及び/又は向上した潤滑をコンタクトレンズを着用している目に提供し、及び/又は快適さをコンタクトレンズを着用しているレンズ着用者に対して増大させる。そのような利点、例えば増大及び/又は向上は、WSPCを用いない同一のコンタクトレンズと比べたものである。
本コンタクトレンズにおいて有用な親水性ポリマー材料は、任意の好適なそのような材料から選択され得る。好ましくは、そのような親水性ポリマー材料は、例えば十分な水をとる又は吸収することで、拡張又は膨張するようなものである。そのような水膨張性材料はしばしば、ヒドロゲルと呼ばれる。いくつかの親水性ポリマー材料は、コンタクトレンズに従来から用いられており、そのような従来から用いられている材料が、本コンタクトレンズに用いられ得る。限定はしないが、有用な親水性ポリマー材料の具体例は、この中の他に記載のものと同一である。
【0011】
本発明の重要な特徴は、本コンタクトレンズにWSPCを含むことである。
本発明に有用なWSPCは、任意の好適なそのような成分から選択され得る。現在有用なWSPCは、眼科的に許容され、実質的に細胞障害性でないものが有利である。
非常に有用な実施態様では、WSPCは、コンタクトレンズに対して及び/又はコンタクトレンズの着用に対して及び/又はコンタクトレンズの着用者に対して、少なくとも1種の利点を提供するのに有効である。例えば、WSPCは、都合よくは有効量で存在し、WSPCが水に置換されている同一のコンタクトレンズと比べて、コンタクトレンズのモデュラス及び強度を増加させる。WSPCが選択され、コンタクトレンズに適量で存在してもよいのは、コンタクトレンズを目に使用中にWSPCが涙液に溶解し、潤滑剤又は潤滑試薬として有効となるからである。従って、レンズ着用者の目、例えば角膜及び/又は瞼は、本コンタクトレンズを着用するとさらに有効に潤滑され、WSPCが水に置換されている同一のコンタクトレンズに比べて、レンズ着用の快適さを高める。
WSPCは、使用中に、コンタクトレンズの光学透明性及び/又は光学倍率における有害な効果を実質的に有さないように選択され得る。
限定しない有用なWSPCの具体例は、この中の他に記載のものと同一である。WSPCは、本コンタクトレンズにおいて、所望の結果を提供するのに有効な任意の好適な量で含まれ得る。そのような量は、コンタクトレンズに存在する親水性ポリマー材料の約1%又は約5%又は約10%又は約15%又は約20%又は約30%又は約40%又は約50%又はそれ以上の範囲となり得る。
WSPCの一つの非常に有用な種類は、ポリエチレングリコールを含む。ポリエチレングリコールは、以下の式で表すことのできる化合物である。
HO-(CH2-CH2O)n-H
(式中、nは、ポリエチレングリコールの分子量が約300〜約10,000、好ましくは約400〜約2,000又は約5,000の範囲内であるような数字を表す。)そのようなポリエチレングリコールは市販の製品である。
【0012】
用いられるWSPCは、究極的には水置換可能性である。すなわち、親水性ポリマー材料とWSPCとを含むコンタクトレンズを目に入れた後、WSPCが究極的には、少なくとも部分的に、及び実質的には完全に、目において水と置換される。
しかし、WSPCを本コンタクトレンズに提供することで、親水性ポリマー材料が、WSPCを少なくとも限定的な範囲で物理的に固定するのが有利である。例えば、親水性ポリマー材料は、WSPCをコンタクトレンズに十分に固定することで、レンズを目に入れた後にのみ、WSPCが水で実質的に置換され得る。一つの有用な実施態様では、WSPCは、本コンタクトレンズにおいて、親水性ポリマー材料との相互浸透ネットワーク又は擬似浸透ネットワークで存在することで、例えば所望の程度のWSPCの物理的固定化を提供する。
【0013】
目における水によるWSPCの置換、例えば制御された置換は、目において、WSPCがレンズ着用者に対してさらなる潤滑及び快適さを提供するのを可能にし得る。さらに、目におけるコンタクトレンズからのWSPCの除去は、レンズのモデュラス及び強度を減らし得る。従って、レンズ着用者が彼/彼女の目からWSPC消耗レンズを取り外した後、そのレンズは、目に入れられた前と比べて異なる強度特性を有する。これらの異なる特性は、着用者に対して、レンズを再利用するよりも処分すべきという徴候を提供する。言い換えれば、目におけるコンタクトレンズのWSPCの水との置換は、使い捨てコンタクトレンズの適切な使用により、レンズ着用者のコンプライアンスを有利に促す。本レンズは好ましくは、目における一回の使用の後に処分されるように構築される。
2種以上のWSPCの混合物が、本発明に基づく一つのコンタクトレンズに含まれてもよい。
本コンタクトレンズに用いられる親水性ポリマー材料は、任意の好適なモノマー又はモノマーの混合物から生じ得る。一つの実施態様では、用いられるモノマー混合物は、主成分として大部分の少なくとも1種の親水性モノマー、例えば2-ヒドロキシエチルメタクリレート(“HEMA”)、1種以上の架橋性モノマー、及び任意に少量の他のモノマー、例えばメタクリル酸を含む。HEMAは、一つの好ましい親水性モノマーである。用いることのできる他の親水性モノマーは、限定はしないが、2-ヒドロキシエチルアクリレート2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、N-ビニルピロリドン、グリセロールモノ-メタクリレート、グリセロールモノ-アクリレートなど、及びそれらの混合物を含む。
【0014】
単独又は組み合せのいずれかで用いることのできる架橋性モノマーは、限定はしないが、エチレングリコールジメタクリレート(“EGDMA”)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(“TMPTMA”)、グリセロールトリメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート(ポリエチレングリコールは、例えば約5,000までの分子量を有する)、他のポリアクリレート及びポリメタクリレートエステル、2種以上の末端メタクリレート基を含む末端がキャッピングされたポリオキシエチレンポリオールなど、及びそれらの混合物を含む。架橋性モノマーは、通常量、例えば反応モノマー混合物の質量の約0.01%以下〜約0.5%以上で用いられる。架橋性モノマーは、親水性モノマーでもよい。
用いることのできる他のモノマーは、メタクリル酸を含み、これは親水性ポリマー材料が平衡状態で吸収する量の水に影響を及ぼすのに用いられる。メタクリル酸は通常は、親水性モノマーの100部分当たり約0.2〜約8質量部の量で用いられる。重合混合物に存在することのできる他のモノマーは、メトキシエチルメタクリレート、アクリル酸、紫外吸収モノマーなど、及びそれらの混合物を含む。
重合触媒は、モノマー混合物に含まれる。重合触媒は、例えばラウロイル過酸化物、ベンゾイル過酸化物、過炭酸イソプロピル、アゾビシソ-ブチロニトリルなど、及びそれらの混合物である化合物とすることができ、それらは適度な高温下で遊離ラジカルを生じ、又は重合触媒は、例えば芳香族α-ヒドロキシケトン又は第三級アミン及びジケトンである光開始剤系とすることができる。光開始剤系の実例は、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン及びカンファーキノンとエチル4-(N,N-ジメチル-アミノ)ベンゾエートの組み合せである。触媒は、重合反応混合物に、触媒的有効量、例えば親水性モノマーの100部分当たり約0.1〜約2質量部で用いられる。
現在有用なWSPCは好ましくは、重合、例えば溶液重合中にコンタクトレンズに含まれ、親水性ポリマー材料を製造する。特に有用な実施態様では、コンタクトレンズにおけるWSPCが、親水性ポリマー材料のそのような重合中に用いられる希釈剤材料から生じる。
【0015】
別の広い特徴では、本発明は、コンタクトレンズの製造方法に関する。そのような方法は、少なくとも1種の親水性モノマー成分をWSPCの存在下で重合、好ましくは溶液重合し、親水性ポリマー材料とWSPCとを含むコンタクトレンズ体を形成することを含む。WSPCは好ましくは、重合工程中に用いられる希釈剤に含まれる。コンタクトレンズ体は、目に使用するためのものであり、例えば出荷及び/又は保管のための包装容器に都合よく入れられる。
重合工程は都合よくは、コンタクトレンズ鋳型、例えば従来のコンタクトレンズ鋳型で行う。重合工程は、親水性コンタクトレンズを製造するための従来の湿性鋳造方法における対応する工程と実質的に同様又は類似の手法で行ってもよい。本方法に有用な重合反応条件は、親水性コンタクトレンズを製造するための従来の湿性鋳造方法に用いられるものであり、従ってここに詳細しないものと実質的に同様である。
得られたコンタクトレンズ体は好ましくは、親水性ポリマー材料とWSPCとの相互浸透ネットワーク又は擬似相互浸透ネットワークを含む。本方法の一つの重要な特徴は、WSPCが、コンタクトレンズが包装容器内又は目の中に入れられる前に、例えば水と置換されないことである。この中の他に記載のように、目におけるコンタクトレンズのWSPCは、1種以上の利点を生む。
【0016】
さらに広い特徴では、本発明は、コンタクトレンズ、例えば本コンタクトレンズのための包装システムを意味する。そのような包装システムは、目に使用するためのコンタクトレンズ体、液体媒体、好ましくは水溶液媒体、及びコンタクトレンズと液体媒体とを保持する容器を含む。コンタクトレンズは、この中の他に記載のように、親水性ポリマー材料とWSPCとを含むコンタクトレンズ体を含む。
液体媒体は、コンタクトレンズに存在するWSPCとは別の量のWSPCを含む。液体媒体のWSPCは、レンズ体のWSPCと同様である必要はないが、好ましくはレンズ体に存在するのと実質的に同様である。都合よくは、液体媒体は、液体媒体がレンズ体と接触して入れられる前に、WSPCを含む。液体媒体におけるWSPCの存在は、レンズ体からレンズ体におけるWSPCの移動を抑制するのに有効である。従って、レンズ体におけるWSPCの量及び濃度は、包装システムに実質的に保持され、この中の他に記載のように、コンタクトレンズを目に入れた後に、1種以上の利点を提供するのに有効である。液体媒体におけるWSPCの濃度は、レンズ体が液体媒体と接触して入れられる前に、レンズ体に存在するのとほぼ同じ、又は幾分多いか少なくてもよい。WSPC以外の液体媒体は、従来の親水性コンタクトレンズのための包装システムに用いられる液体媒体と、実質的に同様又は類似の組成を有していてもよい。食塩水、緩衝食塩水、他の水溶液などを、WSPCと共に用いてもよい。
容器は都合よくは、コンタクトレンズと液体媒体とを容器に入れた後に密閉され、出荷及び保管中にこれらの成分を保護する。容器及びシールは、従来の親水性コンタクトレンズを包装するのに用いられる従来のブリスターパックと、実質的に同様又は類似でもよい。
【0017】
図1を参照すると、本発明に基づく包装システムが、10で示されている。包装システム10は、容器12、親水性ポリマー材料とWSPCとを含むコンタクトレンズ体を含むコンタクトレンズ14、コンタクトレンズに存在するWSPCと別の量のWSPCを含む食塩水を含む液体媒体16、及び取り外し可能シール18を含む。
容器12及びシール18は、従来の親水性コンタクトレンズと共に用いられる従来のブリスターパックに用いられる容器及びシールと同様である。
容器12を非密閉状態にし、液体媒体16及びコンタクトレンズ14を、コンタクトレンズ鋳型から直接そこに入れる。シール18を上に置き、容器12の頂部を保護し、それによってコンタクトレンズ14を液体媒体16と接触させて含む区画20を密閉する。
コンタクトレンズ14は、シール18を開き(図1のシャドーラインによって示されるように)、区画20からレンズ14を取り出し、及びレンズを人の目に入れることによって用いることができる。続いて、容器12、液体媒体16及びシール18は、適切に処分することができる。
以下の非限定例は、本発明のいくつかの特徴を説明する。
【実施例】
【0018】
例1
一日使い捨てヒドロゲル含有コンタクトレンズを、ポリプロピレン鋳型において以下のように湿性鋳造する。98質量%の2-ヒドロキシエチルメタクリレート、1.6質量%のメタクリル酸及び0.4質量%のエチレングリコールジメタクリレートのモノマー混合物を、有効量の従来の熱開始剤と共に形成する。このモノマーを、約1,000の分子量を有する水溶性ポリエチレングリコールで20質量%だけ希釈する。希釈された溶液を、ポリプロピレンコンタクトレンズ鋳型に加え、熱硬化形成を用いて硬化する。必要に応じて、超紫外光開始剤を熱開始剤の代わりに含むことができ、その溶液を超紫外光硬化形成を用いて硬化することができる。硬化後、レンズを鋳型から取り外し、従来のブリスターパックと同様で、且つ食塩水で水和された包装システムに入れる。水和されたレンズは、乾燥鋳造レンズと同様の機械的特性を有して形成される。
例1A
それとは別に、且つ有利に、包装に用いられる食塩水が、約20%のポリエチレングリコールを含むように変え、これは包装内のコンタクトレンズ及び食塩水の両方と実質的に平衡である。食塩水におけるこのポリエチレングリコールの使用は、コンタクトレンズのポリエチレングリコールが包装内における保管中に拡散することを減らすか、又は実質的に除去するのに有効である。
【0019】
例2
一日使い捨てヒドロゲル含有コンタクトレンズを、ポリプロピレン鋳型において以下のように湿性鋳造する。98質量%の2-ヒドロキシエチルメタクリレート、1.6質量%のメタクリル酸及び0.4質量%のエチレングリコールジメタクリレートのモノマー混合物を、有効量の従来の熱開始剤と共に形成する。このモノマーを、約1,000の分子量を有する水溶性ポリエチレングリコールで30質量%だけ希釈する。希釈された溶液を、ポリプロピレンコンタクトレンズ鋳型に加え、熱硬化形成を用いて硬化する。必要に応じて、超紫外光開始剤を熱開始剤の代わりに含むことができ、その溶液を超紫外光硬化形成を用いて硬化することができる。硬化後、レンズを鋳型から取り外し、従来のブリスターパックと同様で、且つ食塩水で水和された包装システムに入れる。水和されたレンズは、乾燥鋳造レンズと同様の機械的特性を有して形成される。
例2A
それとは別に、且つ有利に、包装に用いられる食塩水が、約30%のポリエチレングリコールを含むように変え、これは包装内のコンタクトレンズ及び食塩水の両方と実質的に平衡である。食塩水におけるこのポリエチレングリコールの使用は、コンタクトレンズのポリエチレングリコールが包装内における保管中に拡散することを減らすか、又は実質的に除去するのに有効である。
【0020】
例3
一日使い捨てヒドロゲル含有コンタクトレンズを、ポリプロピレン鋳型において以下のように湿性鋳造する。98質量%の2-ヒドロキシエチルメタクリレート、1.6質量%のメタクリル酸及び0.4質量%のエチレングリコールジメタクリレートのモノマー混合物を、有効量の従来の熱開始剤と共に形成する。このモノマーを、約1,000の分子量を有する水溶性ポリエチレングリコールで40質量%だけ希釈する。希釈された溶液を、ポリプロピレンコンタクトレンズ鋳型に加え、熱硬化形成を用いて硬化する。必要に応じて、超紫外光開始剤を熱開始剤の代わりに含むことができ、その溶液を超紫外光硬化形成を用いて硬化することができる。硬化後、レンズを鋳型から取り外し、従来のブリスターパックと同様で、且つ食塩水で水和された包装システムに入れる。水和されたレンズは、乾燥鋳造レンズと同様の機械的特性を有して形成される。
例3A
それとは別に、且つ有利に、包装に用いられる食塩水が、約40%のポリエチレングリコールを含むように変え、これは包装内のコンタクトレンズ及び食塩水の両方と実質的に平衡である。食塩水におけるこのポリエチレングリコールの使用は、コンタクトレンズのポリエチレングリコールが包装内における保管中に拡散することを減らすか、又は実質的に除去するのに有効である。
【0021】
例4
一日使い捨てヒドロゲル含有コンタクトレンズを、ポリプロピレン鋳型において以下のように湿性鋳造する。98質量%の2-ヒドロキシエチルメタクリレート、1.6質量%のメタクリル酸及び0.4質量%のエチレングリコールジメタクリレートのモノマー混合物を、有効量の従来の熱開始剤と共に形成する。このモノマーを、約1,000の分子量を有する水溶性ポリエチレングリコールで50質量%だけ希釈する。希釈された溶液を、ポリプロピレンコンタクトレンズ鋳型に加え、熱硬化形成を用いて硬化する。必要に応じて、超紫外光開始剤を熱開始剤の代わりに含むことができ、その溶液を超紫外光硬化形成を用いて硬化することができる。硬化後、レンズを鋳型から取り外し、従来のブリスターパックと同様で、且つ食塩水で水和された包装システムに入れる。水和されたレンズは、乾燥鋳造レンズと同様の機械的特性を有して形成される。
例4A
それとは別に、且つ有利に、包装に用いられる食塩水が、約50%のポリエチレングリコールを含むように変え、これは包装内のコンタクトレンズ及び食塩水の両方と実質的に平衡である。食塩水におけるこのポリエチレングリコールの使用は、コンタクトレンズのポリエチレングリコールが包装内における保管中に拡散することを減らすか、又は実質的に除去するのに有効である。
【0022】
例5
一日使い捨てヒドロゲル含有コンタクトレンズを、ポリプロピレン鋳型において以下のように湿性鋳造する。48.8質量%の2-ヒドロキシエチルメタクリレート、0.5質量%のメタクリル酸、0.7質量%の商品名Craynor435で販売されている架橋性成分及び50質量%の約350の分子量を有するメチル端末化ポリエチレングリコール(PEGME-350)の混合物を、有効量の従来の熱開始剤と共に形成する。この混合物を、ポリプロピレンコンタクトレンズ鋳型に加え、熱硬化形成を用いて硬化する。必要に応じて、超紫外光開始剤を熱開始剤の代わりに含むことができ、その混合物を超紫外光硬化形成を用いて硬化することができる。
硬化後、レンズを鋳型から取り外し、従来のブリスターパックと同様で、且つ食塩水で水和された包装システムに入れる。水和されたレンズは、乾燥鋳造レンズと同様の機械的特性を有して形成される。
例5A
それとは別に、且つ有利に、包装に用いられる食塩水が、約50%のPEGME-350を含むように変え、これは包装内のコンタクトレンズ及び食塩水の両方と実質的に平衡である。食塩水におけるこのメチル端末化ポリエチレングリコールの使用は、コンタクトレンズのメチル末端化ポリエチレングリコールが包装内における保管中に拡散することを減らすか、又は実質的に除去するのに有効である。
【0023】
例6
一日使い捨てヒドロゲル含有コンタクトレンズを、ポリプロピレン鋳型において以下のように湿性鋳造する。37.3質量%の2-ヒドロキシエチルメタクリレート、0.6質量%のメタクリル酸、0.2質量%のエチレングリコールジメタクリレート、30.8質量%の約300の分子量を有するポリエチレングリコール及び31.1質量%の脱イオン水の混合物を、有効量の従来の熱開始剤と共に形成する。この混合物を、ポリプロピレンコンタクトレンズ鋳型に加え、熱硬化形成を用いて硬化する。必要に応じて、超紫外光開始剤を熱開始剤の代わりに含むことができ、その混合物を超紫外光硬化形成を用いて硬化することができる。硬化後、レンズを鋳型から取り外し、従来のブリスターパックと同様で、且つ食塩水で水和された包装システムに入れる。水和されたレンズは、乾燥鋳造レンズと同様の機械的特性を有して形成される。
例6A
それとは別に、且つ有利に、包装に用いられる食塩水が、約30.8%のポリエチレングリコールを含むように変え、これは包装内のコンタクトレンズ及び食塩水の両方と実質的に平衡である。食塩水におけるこのポリエチレングリコールの使用は、コンタクトレンズのポリエチレングリコールが包装内における保管中に拡散することを減らすか、又は実質的に除去するのに有効である。
【0024】
例7〜18
12人の各患者は、例1〜6及び1A〜6Aに基づいて製造されたレンズの異なる1種を溶液から取り外し、彼/彼女の目に入れる。各場合において、レンズが患者の目にある間に、ポリエチレングリコール又はメチル端末化ポリエチレングリコールが、レンズから目の中に拡散し、それによって、目の角膜及び瞼の潤滑が都合よく増加する。
患者がレンズを取り外し、食塩水の中にそれを入れ、及び次の日に再び着用する場合は、レンズは、ポリエチレングリコール、又はメチル端末化ポリエチレングリコールの損失及び潤滑の損失により、着用の快適さが著しく弱まる。さらに、ポリエチレングリコール、又はメチル端末化ポリエチレングリコールの損失により、レンズはより弱いモデュラス又は強度を有し、レンズが目に着用された後にさらに“弱さ”(“floppy”)が見れる。
実際、コンタクトレンズからのポリエチレングリコール、又はメチル端末化ポリエチレングリコールの損失は、トリガー(trigger)機構を生じ、及び/又は患者に対して一日使い捨て様式に従順となる徴候を提供する。
本発明は、種々の具体例及び実施態様に関して記載され、本発明がそれに限定されず、請求項の範囲において多様に実践され得ると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0025】
10 包装システム
12 容器
14 コンタクトレンズ
16 液体媒体
18 シール
20 区画

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親水性ポリマー材料と水溶性ポリマー成分とを含むコンタクトレンズ体を含み、当該コンタクトレンズ体は目に使用するためのものである、コンタクトレンズ。
【請求項2】
水溶性ポリマー成分が、親水性ポリマー材料との本質的な混合物である、請求項1記載のコンタクトレンズ。
【請求項3】
水溶性ポリマー成分が、眼科的に許容される、請求項1記載のコンタクトレンズ。
【請求項4】
水溶性ポリマー成分が、親水性ポリマー材料の重合中に用いられる希釈剤材料から生じる、請求項1記載のコンタクトレンズ。
【請求項5】
水溶性ポリマー成分が、親水性ポリマー材料の溶液重合中に用いられる希釈剤材料から生じる、請求項1記載のコンタクトレンズ。
【請求項6】
コンタクトレンズ体が、湿性鋳造を用いて製造される、請求項4記載のコンタクトレンズ。
【請求項7】
目における一回の使用後に処分されるように構築される、請求項1記載のコンタクトレンズ。
【請求項8】
コンタクトレンズ体が、水溶性ポリマー成分が水と置換されている同一のレンズ体と比べて、増加したモデュラスを有する、請求項1記載のコンタクトレンズ。
【請求項9】
水溶性ポリマー成分が、親水性ポリマー材料によって物理的に固定化される、請求項1記載のコンタクトレンズ。
【請求項10】
コンタクトレンズ体が、水溶性ポリマー成分の少なくとも一部が、目におけるコンタクトレンズ体の使用中に、コンタクトレンズ体から離れるように形成される、請求項1記載のコンタクトレンズ。
【請求項11】
水溶性ポリマー成分及び親水性ポリマー材料が、相互浸透ネットワーク又は擬似相互浸透ネットワークを形成する、請求項1記載のコンタクトレンズ。
【請求項12】
水溶性ポリマー成分及び親水性ポリマー材料が、擬似相互浸透ネットワークを形成する、請求項1記載のコンタクトレンズ。
【請求項13】
親水性ポリマー材料が、少なくとも1種の親水性モノマー成分の重合によって得られる、請求項1記載のコンタクトレンズ。
【請求項14】
親水性ポリマー材料が、少なくとも1種の親水性モノマー成分及び少なくとも1種の架橋性モノマー成分の重合によって得られる、請求項13記載のコンタクトレンズ。
【請求項15】
親水性モノマー成分が、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、N-ビニルピロリドン、アクリルアミド、ビニルアルコール、親水性ポリウレタン前駆体、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、アクリレート、メタクリレート、それらの置換対応物など及びそれらの混合物から選択される、請求項14記載のコンタクトレンズ。
【請求項16】
水溶性ポリマー成分が、親水性ビニルモノマー、例えばビニル(C4-C45)アルキルエーテル、ビニル(C7-C49)アルケン酸など及びそれらの混合物、ヒドロキシ置換(C5-C45)アルキル、アルコキシ-アルキル及びポリアルコキシ-アルキル及びモノ-又はビ-シクロ脂肪族性フマレート、マレアート、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド及びメタクリルアミドなど、及びそれらの混合物、アクリル酸、メタクリル酸、対応するアミノ又はモノ-及びジ-(低級アルキル)アミノ置換アクリルモノマーなど及びそれらの混合物、及びビニル-ラクタムなど及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載のコンタクトレンズ。
【請求項17】
水溶性ポリマー成分が、ポリアルキレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載のコンタクトレンズ。
【請求項18】
目に使用するためのものであり、親水性ポリマー材料と水溶性ポリマー成分とを含むコンタクトレンズ体を含むコンタクトレンズ、
コンタクトレンズ体に存在するのとは別の量の水溶性ポリマー成分を含む液体媒体、及び
コンタクトレンズ及び液体媒体を保持する容器、
を含む、包装システム。
【請求項19】
容器が、コンタクトレンズを液体媒体に接触させて保持するように構築され、且つ液体媒体が、液体媒体をコンタクトレンズに接触させて入れる前に、水溶性ポリマー成分を含む、請求項18記載の包装システム。
【請求項20】
容器が密閉される、請求項18記載の包装システム。
【請求項21】
水溶性ポリマー成分が、眼科的に許容される、請求項18記載の包装システム。
【請求項22】
コンタクトレンズ体における水溶性ポリマー成分が、親水性ポリマー材料の重合中に用いられる希釈剤材料から生じる、請求項18記載の包装システム。
【請求項23】
コンタクトレンズ体が、湿性鋳造を用いて製造される、請求項18記載の包装システム。
【請求項24】
コンタクトレンズが、目における一回の使用後に処分されるように構築される、請求項18記載の包装システム。
【請求項25】
コンタクトレンズ体が、水溶性ポリマー成分が水と置換されている同一のレンズ体と比べて、増加したモデュラスを有する、請求項18記載の包装システム。
【請求項26】
コンタクトレンズ体における水溶性ポリマー成分が、親水性ポリマー材料によって物理的に固定化される、請求項18記載の包装システム。
【請求項27】
コンタクトレンズ体が、水溶性ポリマー成分の少なくとも一部が、目におけるコンタクトレンズ体の使用中に、コンタクトレンズ体から離れるように形成される、請求項18記載の包装システム。
【請求項28】
水溶性ポリマー成分及び親水性ポリマー材料が、相互浸透ネットワーク又は擬似相互浸透ネットワークを形成する、請求項18記載の包装システム。
【請求項29】
水溶性ポリマー材料が、少なくとも1種の親水性モノマー成分の重合によって得られる、請求項18記載の包装システム。
【請求項30】
親水性ポリマー材料が、少なくとも1種の親水性モノマー成分及び少なくとも1種の架橋性モノマー成分の重合によって得られる、請求項18記載の包装システム。
【請求項31】
親水性モノマー成分が、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、N-ビニルピロリドン、アクリルアミド、ビニルアルコール、親水性ポリウレタン前駆体、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、アクリレート、メタクリレート、それらの置換対応物など及びそれらの混合物から選択される、請求項30記載の包装システム。
【請求項32】
水溶性ポリマー成分が、親水性ビニルモノマー、例えばビニル(C4-C45)アルキルエーテル、ビニル(C7-C49)アルケン酸など及びそれらの混合物、ヒドロキシ置換(C5-C45)アルキル、アルコキシ-アルキル及びポリアルコキシ-アルキル及びモノ-又はビーシクロ脂肪性フマレート、マレアート、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド及びメタクリルアミドなど、及びそれらの混合物、アクリル酸、メタクリル酸、対応するアミノ又はモノ-及びジ-(低級アルキル)アミノ置換アクリルモノマーなど及びそれらの混合物、及びビニル-ラクタムなど及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項18記載の包装システム。
【請求項33】
水溶性ポリマー成分が、ポリアルキレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項18記載の包装システム。
【請求項34】
コンタクトレンズの製造方法であって、
水溶性ポリマー成分の存在下で少なくとも1種の親水性モノマー成分を重合し、親水性ポリマー材料および水溶性ポリマー成分を形成し、及び
コンタクトレンズ体を包装容器に入れる、
ことを含む、方法。
【請求項35】
重合工程が、溶液重合工程である、請求項34記載の方法。
【請求項36】
水溶性ポリマー成分が、重合工程中に用いられる希釈剤に含まれる、請求項34記載の方法。
【請求項37】
重合工程を、コンタクトレンズ鋳型で行う、請求項34記載の方法。
【請求項38】
有効量の少なくとも1種の架橋性モノマー成分が、重合工程中に存在する、請求項34記載の方法。
【請求項39】
水溶性ポリマー成分が、親水性ポリマー材料によって、コンタクトレンズ体に物理的に固定化される、請求項34記載の方法。
【請求項40】
水溶性ポリマー成分及び親水性ポリマー材料が、コンタクトレンズ体において、相互浸透ネットワーク又は擬似相互浸透ネットワークを形成する、請求項34記載の方法。
【請求項41】
親水性モノマー成分が、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、N-ビニルピロリドン、アクリルアミド、ビニルアルコール、親水性ポリウレタン前駆体、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、アクリレート、メタクリレート、それらの置換対応物など及びそれらの混合物から選択される、請求項34記載の方法。
【請求項42】
水溶性ポリマー成分が、親水性ビニルモノマー、例えばビニル(C4-C45)アルキルエーテル、ビニル(C7-C49)アルケン酸など及びそれらの混合物、ヒドロキシ置換(C5-C45)アルキル、アルコキシ-アルキル及びポリアルコキシ-アルキル及びモノ-又はビーシクロ脂肪性フマレート、マレアート、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド及びメタクリルアミドなど、及びそれらの混合物、アクリル酸、メタクリル酸、対応するアミノ又はモノ-及びジ-(低級アルキル)アミノ置換アクリルモノマーなど及びそれらの混合物、及びビニル-ラクタムなど及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項34記載の方法。
【請求項43】
水溶性ポリマー成分が、ポリアルキレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項34記載の方法。
【請求項44】
液体媒体を容器に入れることをさらに含む、請求項34記載の方法。
【請求項45】
液体媒体が、コンタクトレンズ体に存在するのとは別の量の水溶性ポリマー成分を含む、請求項44記載の方法。
【請求項46】
水溶性ポリマー成分及び液体媒体が、眼科的に許容される、請求項45記載の方法。
【請求項47】
容器を、そこに入れられるコンタクトレンズ体と共に密閉することをさらに含む、請求項34記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−95758(P2011−95758A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267782(P2010−267782)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【分割の表示】特願2006−509403(P2006−509403)の分割
【原出願日】平成16年3月29日(2004.3.29)
【出願人】(508316416)クーパーヴィジョン インターナショナル ホウルディング カンパニー リミテッド パートナーシップ (13)
【Fターム(参考)】