説明

ヒンジキャップ

【課題】 打栓時にキャップ内を負圧状態にして、加温によるキャップ内の空気の圧力上昇を抑制し、開蓋を防止するとともに、シャワー時に、水がキャップ内に侵入することを確実に防止することができるヒンジキャップを提供すること。
【解決手段】 キャップ本体には、環状に突出した外方膨出部と、その内周側に中心に向けて高くなる傾斜頂面を形成した頂部とを有する蓋係合部が立設され、上蓋の外筒壁の下部には、蓋係合部の外方膨出部が嵌合する係止嵌合部が設けられ、係止嵌合部は、外方膨出部とシールを形成するシール面と、その内周側に蓋係合部の傾斜頂面に当接する傾斜上面とを具えており、傾斜上面には、半径方向にエアー溝が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の口部に装着されるキャップ本体にヒンジを介して上蓋が連設されたヒンジキャップに関し、とくに容器内に内容液を充填して打栓した後、高温シャワーや低温シャワーなどによる温度差に起因して生じる内外気圧差によって、シャワー水をキャップ内に吸い込んだり、キャップが開蓋したりしないようにしたヒンジキャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
つゆやたれ等の調味料を充填する容器に装着されるヒンジキャップは、殺菌のために高温で充填されたり、洗浄や冷却のために様々な温度のシャワー水をかけられたりして、充填工程において大きな温度差が生じ、キャップ内外の気圧差が大きくなる場合がある。
例えば、高温充填時や高温シャワー時には、キャップ内部の空気が暖められて膨張し、内圧が高まって上蓋を押し上げ、不用意に開蓋してしまう「上蓋開き」という問題がある。
また、冷却のためのシャワーや低温シャワーでは、キャップ内部の空気が冷えて収縮し、内圧が低下して負圧状態となり、外気とともにシャワー水を吸い込んでしまう「水吸い込み」の問題がある。
【0003】
上蓋が温度差によって不用意に開蓋する「上蓋開き」を防止するために、打栓されてキャップが押しつぶされたとき、キャップ内部の空気が排出され、打栓後に元の形状に復元する際に、速やかにシールが復活してキャップ内が負圧状態になることにより、高温シャワー等でキャップの温度が高くなっても内圧の上昇を抑え、開蓋を防止するようにしたヒンジキャップが従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−99319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術である上記特許文献1記載のヒンジキャップについて簡単に説明する。
図6に示すように、キャップ本体Aの蓋係合部118上面の平坦な蓋係合面125に当接する上蓋Bの係合部133の上内面133aに空気溝134を設け、注出筒106の内周面にリブからなる内圧逃がし部145が設けられている。
このヒンジキャップを打栓時に上部から押圧すると、上蓋Bが押しつぶされて、外筒壁131の下端が外方に広がるように変形し、上蓋Bの係合凸部135とキャップ本体Aの膨出部127とのシールが解除されるとともに、上蓋Bの内筒132が注出筒106の内圧逃がし部145に乗り上げ変形することにより、注出筒106と内筒132のシールが解除される。
その結果、注出筒106内側の空気室bが注出筒106の外側の空気室aと連通し、空気室aと外気が連通されて、キャップ内の空気が排出される。
【0006】
打栓後、押圧力が解除されると、上蓋Bが元の形状に復帰するが、完全に元の形状に復帰する前にそれぞれのシールが先に復活するので、キャップ内の気圧は負圧状態となる。
従来例は、このようにキャップ内が負圧状態になることによって、高温シャワー等でキャップの温度が高くなっても内圧の上昇を抑えることができるので、開蓋を防止するためには有効であるが、キャップ内の内圧、とくに空気室aの内圧が低くなりすぎると、外気とともにシャワー水や外部に付着した水を吸い込んでしまう、前記「水吸い込み」の問題が生じることがあった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決することを課題とし、打栓時にキャップ内を負圧状態にして、加温によるキャップ内の空気の圧力上昇を抑制し、開蓋を防止するとともに、シャワー時に、水がキャップ内に侵入することを確実に防止することができるヒンジキャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するため、ヒンジキャップとして、容器の口筒部に取着されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジを介して連設された上蓋とからなるヒンジキャップにおいて、キャップ本体には、容器の口部が嵌合する係合筒部の上部に、環状に突出した外方膨出部と、その内周側に中心に向けて高くなる傾斜頂面を形成した頂部とを有する蓋係合部が立設され、上蓋は、頂壁と、頂壁外周から垂下する外筒壁とを備え、外筒壁の下部には、蓋係合部の外方膨出部が嵌合する係止嵌合部が設けられ、係止嵌合部は、外方膨出部とシールを形成するシール面と、その内周側に蓋係合部の傾斜頂面に当接する傾斜上面とを具えており、傾斜上面には、半径方向にエアー溝が設けられていることを特徴とする構成を採用する。
【0009】
本発明のヒンジキャップの実施形態として、上蓋の頂壁から垂設された密封筒が嵌挿されるキャップ本体の注出筒の内周には、打栓時に密封筒の先端が乗り上げて注出筒とのシールを解除する縦リブが突設されており、打栓後に当該シールが復活するタイミングが、蓋係合部と係止嵌合部とのシールの復活より早くなるように、打栓時に上蓋を押し下げる全ストロークにおける、密封筒の先端と縦リブとの接触ストロークの割合が小さく設定されていることを特徴とする構成、また、キャップ本体の蓋係合部の外周側の肩部上面に傾斜肩面が設けられ、上蓋の外筒壁の下端面には、傾斜肩面に当接する当接部が円周上複数個所に突設されていることを特徴とする構成を採用する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のヒンジキャップは、キャップ本体の中心に向けて高くなる傾斜頂面と上蓋の傾斜上面が当接しているので、打栓時には、上方から傾斜頂面に作用する押圧力の反力が、傾斜上面に対して外筒壁を外方に大きく広げる方向に働く。
そして、打栓終了時には、打栓によって押しつぶされた上蓋の外筒壁が元の形状に復元する際、その復元力が両傾斜面に働いて摩擦力を大きくするので復元が遅くなり、蓋係合部と係止嵌合部とのシールの復活も遅くなって、キャップの内圧の減圧度が小さくなる。
そのため、キャップの内圧の負圧状態が、キャップ本体と上蓋が当接する蓋係合面に傾斜のない従来のものより弱くなり、シャワー時にシャワー水や外部に付着した水をキャップ内に吸い込み「水吸い込み」の問題を改善することができる。
【0011】
また、打栓後に密封筒と注出筒とのシールが復活するタイミングが、蓋係合部と係止嵌合部とのシールの復活より早くなるように、打栓時に上蓋を押し下げる全ストロークにおける、密封筒の先端と縦リブとの接触ストロークの割合を小さく設定した実施形態では、先に密封筒と注出筒とのシールが復活するので、注出筒の内側の空気室の圧力を低く保つことができ、キャップの温度上昇等による開蓋を確実に防止することができるとともに、注出筒の外側の空気室の減圧度は小さくなるので、「水吸い込み」の問題も改善することができる。
さらに、上蓋の外筒壁の下端面の円周上複数個所に、キャップ本体の傾斜肩面に当接する当接部が突設されている実施形態では、打栓時に外筒壁の外方への変形をさらに促すとともに、打栓終了後の上蓋の復元を遅くして、キャップ内圧の減圧度をより小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例であるヒンジキャップを閉蓋した状態を示す断面側面図である。
【図2】本発明の実施例であるヒンジキャップを開蓋したときの、上蓋の上面図である。
【図3】本発明の実施例であるヒンジキャップを打栓したときの状態を示す断面側面図である。
【図4】本発明の実施例であるヒンジキャップの要部拡大図であり、(a)は図1の要部K、(b)は図3の要部Lを示す図である。
【図5】(a)は本発明の実施例を示す図3の要部Mの拡大図であり、(b)は比較例として同じ部位を示す要部(M1)の拡大図である。
【図6】従来例のヒンジキャップを示す図であり、(a)は断面側面図であり、(b)は図(a)の要部Pの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明のヒンジキャップについて、実施例を示した図面を参照して説明する。
【実施例】
【0014】
図1〜5において、Aは容器本体Dに打栓されるキャップ本体、Bはキャップ本体AにヒンジCを介して一体成形された上蓋である。
容器本体Dの口部1外周には、係合突条2が設けられている。
【0015】
図1〜3に示すように、キャップ本体Aは、容器内を密閉する底壁5と、底壁5に立設される注出筒6と、底壁5の周縁に連設され、容器本体Dの口部1を嵌合する係合筒部7とからなっている。
底壁5には、使用時に注出口を開口するための薄肉弱化部8が、注出筒6の内周側に設けられており、底壁5の上面には、弱化部8によって画成された除去部9を引上げて切断除去するプルリング10が支柱11を介して設けられている。
注出筒6のヒンジC側の内周面下部には、垂直方向に突出した縦リブ12が所定の高さに設けられている。
【0016】
係合筒部7は、リング状の上壁15と、上壁15の内周縁に垂設され、内周側で底壁5外周縁と接続する内筒16と、上壁15の外周縁に垂設された外筒17と、上壁15の上部に立設され、上蓋Bと係合する蓋係合部18とからなっており、内筒16と外筒17の間には、環状溝形状を呈する環状嵌合部19が形成されている。
外筒17の内周下部には、容器本体Dの口部1の係合突条2と係合する係止部20が突出して設けられており、係合筒部7は、打栓することにより環状嵌合部19に容器本体Dの口部1を嵌合し、係合突条2と係止部20とが係合して、キャップ本体Aが容器本体Dの口部1に装着される。
【0017】
図4に示すように、蓋係合部18の上部には、環状に突出した外方膨出部22と、その内周側に中心に向けて高くなる傾斜頂面23を形成した頂部24が設けられている。
外方膨出部22の下面には、後述する上蓋Bのシール面36と外側シール部Saを形成する膨出下部シール面25が形成されている。
外方膨出部22の下方は、縮径したくびれ部26に連続しており、さらにその下方では、上壁15の外周縁に続く下がり勾配の肩部上面に設けた傾斜肩面27に連設している。
【0018】
上蓋Bは、図1〜3に示すように、頂壁30と、頂壁30の周縁に垂設された外筒壁31とからなり、頂壁30下面には、キャップ本体Aの注出筒6の内周に嵌挿される密封筒32が垂設されている。
外筒壁31は、下端外周の所定箇所でヒンジCを介してキャップ本体Aと連設し、ヒンジCの反対側には摘み部33を具えている。
【0019】
外筒壁31の下部には、蓋係合部18の外方膨出部22が嵌合する係止嵌合部35が設けられ、係止嵌合部35は、外方膨出部22の膨出下部シール面25と外側シール部Saを形成するシール面36と、その内周側に連設され、蓋係合部18の傾斜頂面23に当接する傾斜上面37とを具えている。
傾斜上面37には、半径方向に延びるエアー溝38が円周上複数個所に設けられている。
【0020】
上蓋Bを閉じ、密封筒32がキャップ本体Aの注出筒6に嵌挿されると、密封筒32の下端外方にわずかに突出した先端部39と注出筒6の内周面とが当接して内側シール部Sbを形成し、キャップ内は、当該内側シール部Sbの外側の空気室aと、内側の空気室bとに分割して密封される。
上蓋Bの外筒壁31の下端面40は、キャップ本体Aの肩下がりの傾斜肩面27に沿ってわずかな隙間をもち、円周上複数個所に傾斜肩面27に当接する当接部41が突設されている。
【0021】
次に、本実施例の使用態様と作用効果について説明する。
まず、上蓋Bをキャップ本体Aに対して閉蓋することにより、図1に示すように、上蓋Bの密封筒32がキャップ本体Aの注出筒6に嵌挿され、先端部39が注出筒6の内周面に当接して内側シール部Sbを形成する。
同時に、キャップ本体Aの蓋係合部18が上蓋Bの係止嵌合部35に係合し、外方膨出部22が嵌合して、膨出下部シール面25がシール面36に圧接して外側シール部Saを形成する。
外側シール部Saにより、キャップ内は外気から密封され、内側シール部Sbにより、注出筒6の外側に空気室a、内側に空気室bが形成される。
【0022】
容器本体Dに内容物が充填され、容器本体Dの口部1に、閉蓋したヒンジキャップの係合筒部7の環状嵌合部19をあてがい、上方から押圧して打栓し、ヒンジキャップを口部1に装着する。
打栓時には、図3、図4(b)に示すように、上蓋Bの頂壁30の上部より強い押圧力がかかり、係止嵌合部35の傾斜上面37が、蓋係合部18の傾斜頂面23に圧接しながら外方に摺動し、外筒壁31は、矢印F方向にわずかに外方に押し開かれるように撓みながら、上蓋Bが押しつぶされるとともに下降する。
外筒壁31下端の当接部41も、上蓋Bの下降とともに傾斜肩面27に圧接して外方に摺動し、傾斜肩面27に作用する押圧力の反力により、外筒壁31の外方への変形をさらに促す。
【0023】
このとき、外筒壁31が外方に撓むのに伴って、シール面36が外方に移動し、膨出下面シール面25と離隔して、外側シール部Saの密封が解除される。
さらに、傾斜上面37が外方に摺動することにより、エアー溝38の外周側が蓋係合部18の頂部24からずれて開放され、空気室aと外気が連通される。
その結果、上蓋Bの下降によって圧縮された空気室a内の空気は、エアー溝38、解除された外側シール部Saを通って、外部に排出される。
【0024】
一方、図5(a)に示すように、打栓時の上蓋Bの下降により密封筒32も下降し、先端部39が注出筒6内周の縦リブ12に乗り上げるようになり、密封筒32がわずかに撓んで内側シール部Sbの密封も解除される。
このため、キャップ内の空気室aと空気室bとの間にも空気の流通路が形成され、上蓋Bの下降によって圧縮された空気室b内の空気も、空気室aを通ってキャップ外に排出されるようになる。
【0025】
その後、打栓が終了し押圧力が解除されると、外方に撓んでいた上蓋Bの外筒壁31が復元して、上蓋Bが元の位置に戻るとともに元の形状に復帰する。
その際、外筒壁31の内方に向かう復元力は、傾斜頂面23および傾斜肩面27から外向きの反力を受けるとともに、傾斜頂面23および傾斜肩面27に作用して傾斜上面37および当接部41との間に摩擦力を発生させ、これらの反力および摩擦力は、外筒壁31の復帰を遅らせる役割を果たす。
このように、本実施例のヒンジキャップは、上蓋Bに、蓋係合部18の傾斜頂面23に当接する傾斜上面37、および傾斜肩面27に当接する当接部41を設けたことにより、図6に示される従来例のように、平坦な蓋係合面125に上蓋Bの上内面133aが当接するものに比較して、打栓時には外筒壁31が外方に大きく変形し、打栓後には元の形状への復帰が遅くなるので、外側シール部Saの復活も遅くなり、キャップ内の空気室aの減圧度が軽減されて大気圧に近くなり、シャワー水などの吸い込みを防止することができる。
【0026】
さらに、本実施例では、図5(a)に示すように、密封筒32の先端部39が縦リブ12に乗り上げてから最下降位置にくるまでの接触ストロークhが、打栓時に上蓋Bを押し下げる全ストロークHに占める割合を小さくするように調整しているから、注出筒6と密封筒32との内側シール部Sbの復活が、蓋係合部18と係止嵌合部35との外側シール部Saの復活より早くなり、空気室bの空気圧が空気室aよりも低く維持され、中心付近で比較的強い負圧状態をつくることができる。
【0027】
接触ストロークを小さくするためには縦リブ12の高さを低くするか、または、密封筒32の長さを短くすればよいが、本実施例では、図5(a)に示すように、縦リブ12の高さGを、図5(b)に示す比較例の縦リブ12の高さG1より低くすることによって、接触ストロークhを比較例のh1より小さくして、全ストロークHに占める接触ストロークhの割合(h/H)を小さくしている。
このように全ストロークHに占める接触ストロークhの割合を小さくすることによって、打栓後の比較的早い時期に内側シール部Sbによる空気室bの密封が復活し、その後ゆっくりと上蓋Bが元の形状に復元するにしたがって外側シール部Saが復活していくので、空気室aと空気室bの気圧を別々に制御して、空気室bに対応する中心付近をより強く減圧して開蓋を防止するとともに、空気室aの減圧を抑えて「水吸い込み」を防ぐことができる。
【0028】
本実施例では、上蓋Bの外筒壁31の下端面40の円周上複数個所に傾斜肩面27に当接する当接部41が突設したが、当接部41は必ずしも必要ではなく、当接部41をなくして、閉蓋時に下端面40と傾斜肩面27との間に隙間がある状態を維持しても良い。
その場合、外筒壁31の下端面40との隙間を大きくとれば、上壁15の肩部は、本実施例の傾斜肩面27のように必ずしも傾斜させる必要はない。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明のヒンジキャップは、打栓時にキャップ内を負圧状態にして、加温によるキャップ内の空気の圧力上昇を抑制し、開蓋を防止するとともに、シャワー時に、水がキャップ内に侵入することを確実に防止することができるから、高温の内容物を充填したり、温度差の大きい高温シャワーなどを施す容器に装着するヒンジキャップとして広く用いることができ、とくに液体調味料容器のヒンジキャップとして好適である。
【符号の説明】
【0030】
A キャップ本体
B 上蓋
C ヒンジ
D 容器本体
Sa 外側シール部
Sb 内側シール部
a、b 空気室
1 口部
2 係合突条
5 底壁
6 注出筒
7 係合筒部
8 弱化部
9 除去部
10 プルリング
11 支柱
12 縦リブ
15 上壁
16 内筒
17 外筒
18 蓋係合部
19 環状嵌合部
20 係止部
22 外方膨出部
23 傾斜頂面
24 頂部
25 膨出下部シール面
26 くびれ部
27 傾斜肩面
30 頂壁
31 外筒壁
32 密封筒
33 摘み部
35 係止嵌合部
36 シール面
37 傾斜上面
38 エアー溝
39 先端部
40 下端面
41 当接部
106 注出筒
118 蓋係合部
125 蓋係合面
127 膨出部
131 外筒壁
132 内筒
133 係合部
133a 上内面
134 空気溝
135 係合凸部
145 内圧逃がし部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の口筒部に取着されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジを介して連設された上蓋とからなるヒンジキャップにおいて、
キャップ本体には、容器の口部が嵌合する係合筒部の上部に、環状に突出した外方膨出部と、その内周側に中心に向けて高くなる傾斜頂面を形成した頂部とを有する蓋係合部が立設され、
上蓋は、頂壁と、頂壁外周から垂下する外筒壁とを備え、
外筒壁の下部には、蓋係合部の外方膨出部が嵌合する係止嵌合部が設けられ、係止嵌合部は、外方膨出部とシールを形成するシール面と、その内周側に蓋係合部の傾斜頂面に当接する傾斜上面とを具えており、
傾斜上面には、半径方向にエアー溝が設けられていることを特徴とするヒンジキャップ。
【請求項2】
上蓋の頂壁から垂設された密封筒が嵌挿されるキャップ本体の注出筒の内周には、打栓時に密封筒の先端が乗り上げて注出筒とのシールを解除する縦リブが突設されており、打栓後に当該シールが復活するタイミングが、蓋係合部と係止嵌合部とのシールの復活より早くなるように、打栓時に上蓋を押し下げる全ストロークにおける、密封筒の先端と縦リブとの接触ストロークの割合が小さく設定されていることを特徴とする請求項1記載のヒンジキャップ。
【請求項3】
キャップ本体の蓋係合部の外周側の肩部上面に傾斜肩面が設けられ、上蓋の外筒壁の下端面には、傾斜肩面に当接する当接部が円周上複数個所に突設されていることを特徴とする請求項1または2記載のヒンジキャップ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−112391(P2013−112391A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261719(P2011−261719)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】