説明

ヒートポンプ給湯システム

【課題】空調と給湯との両者を同時に行いたいという使用者の要求に応えること。
【解決手段】圧縮機2、給湯熱交換器6、膨張弁4、第1熱交換器3の順に冷媒Rを循環させる冷房・給湯循環状態と、給湯熱交換器6と第1熱交換器3とを並列状態で接続して、圧縮機2、給湯熱交換器6及び第1熱交換器3の両者、膨張弁4、第2熱交換器5の順に冷媒Rを循環させる暖房・給湯循環状態とに切換可能な循環状態切換手段102と、運転制御手段103が暖房・給湯同時運転を行う場合に、並列状態に接続された給湯熱交換器6と第1熱交換器3との両者に圧縮機2からの冷媒Rを分配させる分配割合を、第1熱交換器3よりも給湯熱交換器6に優先して分配させる給湯優先モードと、給湯熱交換器6よりも第1熱交換器3に優先して分配させる空調優先モードとに切換自在なモード切換手段104とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機、第1熱交換器、膨張弁、第2熱交換器、及び、給湯用水を加熱する給湯熱交換器から構成されるヒートポンプ回路を備えているヒートポンプ給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなヒートポンプ給湯システムは、圧縮機を駆動させてヒートポンプ回路にて冷媒を循環させて、冷房運転や暖房運転等の空調運転を行うとともに、給湯熱交換器において冷媒にて給湯に用いる給湯用水を加熱する給湯運転をも行うことができるものである。これにより、ヒートポンプ回路の冷媒という単一の熱源を用いて、省エネルギー化を図りながら、空調と給湯とを行うことができるシステムとなっている。
【0003】
このようなヒートポンプ給湯システムでは、空調と給湯とが同時に要求される場合があり、このような場合でも、空調と給湯との両者の要求を満たすことが求められている。そこで、従来、第1熱交換器として室内熱交換器が備えられ、第2熱交換器として室外熱交換器が備えられ、冷房運転、暖房運転、及び、給湯運転の単独運転に加えて、冷房運転と給湯運転とを同時に行う冷房・給湯同時運転と、暖房運転と給湯運転とを同時に行う暖房・給湯同時運転とを行うものがある(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載のシステムでは、ヒートポンプ回路における冷媒の循環状態を、圧縮機、給湯熱交換器、室外熱交換器を経由させ又は室外熱交換器を経由させず、膨張弁、室内熱交換器の順に冷媒を循環させる冷房・給湯循環状態と、圧縮機、給湯熱交換器、室内熱交換器、膨張弁、室外熱交換器の順に冷媒を循環させる暖房・給湯循環状態とに切換可能に構成されている。そして、冷房・給湯同時運転では、ヒートポンプ回路における冷媒の循環状態を冷房・給湯循環状態に切り換え、暖房・給湯同時運転では、ヒートポンプ回路における冷媒の循環状態を暖房・給湯循環状態に切り換えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−106360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載のシステムでは、暖房と給湯とが同時に要求された場合には、ヒートポンプ回路における冷媒の循環状態を、圧縮機、給湯熱交換器、室内熱交換器、膨張弁、室外熱交換器の順に冷媒を循環させる暖房・給湯循環状態に切り換えて、暖房・給湯同時運転を行うことで、暖房と給湯との両者を同時に行いたいという使用者の要求に応えようとするものである。しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、暖房・給湯同時運転を行う場合に、暖房負荷を賄えない、或いは、暖房負荷を賄うようにすれば給湯できなくなり、使用者の要求を満たすことができなくなるという問題点があった。
【0006】
この問題点について説明する。
暖房・給湯運転では、ヒートポンプ回路における冷媒の循環状態を暖房・給湯循環状態に切り換え、圧縮機、給湯熱交換器、室内熱交換器、膨張弁、室外熱交換器の順に直列的に冷媒を循環させる。したがって、給湯熱交換器には常時冷媒が供給されており、室内熱交換器には、給湯熱交換器にて湯水を加熱して温度が低下した冷媒が供給されることになる。したがって、室内熱交換器に供給される冷媒の温度低下により、室内に供給される空気を十分に加熱することができず、要求されている暖房負荷を賄えなくなる。また、特許文献1に記載のシステムでは、暖房・給湯運転において、要求されている給湯負荷に応じて、給湯熱交換器に供給する給湯用水の流量を調整しているので、給湯負荷が大きくなり、給湯熱交換器に供給する給湯用水の流量を増加させると、室内熱交換器に供給される冷媒の温度は更に低下することになり、暖房自体が行えなくなる可能性がある。逆に、暖房負荷を賄うために、給湯熱交換器への給湯用水の供給を停止すると、給湯熱交換器にて給湯用水を加熱できず、給湯を行えなくなる。
【0007】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、冷房と給湯との両者を同時に行うだけでなく、暖房と給湯との両者についても同時に行うことができ、空調と給湯との両者を同時に行いたいという使用者の要求に応えることができるヒートポンプ給湯システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明に係るヒートポンプ給湯システムの特徴構成は、圧縮機、第1熱交換器、膨張弁、第2熱交換器、及び、給湯用水を加熱する給湯熱交換器から構成されるヒートポンプ回路を備えているヒートポンプ給湯システムにおいて、
前記ヒートポンプ回路における冷媒の循環状態について、前記圧縮機、前記給湯熱交換器、前記膨張弁、前記第1熱交換器の順に冷媒を循環させる冷房・給湯循環状態と、前記給湯熱交換器と前記第1熱交換器とを並列状態で接続して、前記圧縮機、前記給湯熱交換器及び前記第1熱交換器の両者、前記膨張弁、前記第2熱交換器の順に冷媒を循環させる暖房・給湯循環状態とに切換可能な循環状態切換手段と、前記ヒートポンプ回路における冷媒の循環状態を前記循環状態切換手段により前記冷房・給湯循環状態に切り換える冷房・給湯同時運転、及び、前記ヒートポンプ回路における冷媒の循環状態を前記循環状態切換手段により前記暖房・給湯循環状態に切り換える暖房・給湯同時運転を実行可能な運転制御手段と、その運転制御手段が前記暖房・給湯同時運転を行う場合に、並列状態に接続された前記給湯熱交換器と前記第1熱交換器との両者に前記圧縮機からの冷媒を分配させる分配割合を、前記第1熱交換器よりも前記給湯熱交換器に優先して分配させる給湯優先モードと、前記給湯熱交換器よりも前記第1熱交換器に優先して分配させる空調優先モードとに切換自在なモード切換手段とを備えている点にある。
【0009】
本特徴構成によれば、運転制御手段が、循環状態切換手段によりヒートポンプ回路における冷媒の循環状態を冷房・給湯循環状態に切り換えて冷房・給湯同時運転を行うことができる。循環状態切換手段が冷房・給湯循環状態に切り換えると、圧縮機、給湯熱交換器、膨張弁、第1熱交換器の順に冷媒を循環させるので、給湯熱交換器では、冷媒にて給湯用水を加熱できながら、第1熱交換器では、室内に供給する空気を冷媒にて冷却することができる。このようにして、運転制御手段が冷房・給湯同時運転を行うことで、冷房と給湯との両者を同時に行いたいという使用者の要求に応えることができる。
【0010】
運転制御手段が、循環状態切換手段によりヒートポンプ回路における冷媒の循環状態を暖房・給湯循環状態に切り換えて暖房・給湯同時運転を行うことができる。循環状態切換手段が暖房・給湯循環状態に切り換えると、給湯熱交換器と第1熱交換器とを並列状態で接続して、圧縮機、給湯熱交換器及び第1熱交換器の両者、膨張弁、第2熱交換器の順に冷媒を循環させるので、給湯熱交換器では、冷媒にて給湯用水を加熱できるとともに、第1熱交換器では、室内に供給する空気を冷媒にて加熱することができる。しかしながら、給湯熱交換器と第1熱交換器とを並列状態で接続しているので、圧縮機からの冷媒を給湯熱交換器と第1熱交換器とに分配されるに当たり、その分配割合によっては、給湯熱交換器において給湯用水を十分加熱できなくなる、又は、第1熱交換器において室内に供給する空気を十分加熱できなくなる。そこで、本特徴構成によれば、運転制御手段が暖房・給湯同時運転を行う場合には、圧縮機からの冷媒を給湯熱交換器と第1熱交換器とに分配させる分配割合を調整して、給湯優先モードと空調優先モードとに切換自在なモード切換手段が備えられている。
【0011】
給湯優先モードでは、圧縮機からの冷媒を給湯熱交換器と第1熱交換器とに分配させる分配割合を第1熱交換器よりも給湯熱交換器に優先して分配させる分配割合としており、給湯熱交換器において給湯用水を十分加熱して要求されている給湯負荷を賄うことができる。しかも、圧縮機からの冷媒が給湯熱交換器に優先して供給されるものの、残りの冷媒が第1熱交換器に供給されるので、第1熱交換器においてもその残りの冷媒にて室内に供給する空気を加熱して暖房することができる。また、空調優先モードでは、圧縮機からの冷媒を給湯熱交換器と第1熱交換器とに分配させる分配割合を給湯熱交換器よりも第1熱交換器に優先して分配させる分配割合としており、第1熱交換器において室内に供給する空気を十分に加熱して要求されている暖房負荷を賄うことができる。しかも、圧縮機からの冷媒が第1熱交換器に優先して供給されるものの、残りの冷媒が給湯熱交換器に供給されるので、給湯熱交換器においてもその残りの冷媒にて給湯用水を加熱して給湯を行うことができる。
このように、給湯優先モードでは、要求されている給湯負荷を賄うことができながら、暖房も行うことができ、逆に、空調優先モードでは、要求されている暖房負荷を賄うことができながら、給湯も行うことができる。そして、例えば、使用者が暖房と給湯とのどちらを優先させるかを選択することで、その使用者の選択に応じて、モード切換手段が給湯優先モードと空調優先モードとの間で切換を行うことができる。したがって、使用者の要求に応じて、暖房を優先させるか又は給湯を優先させるかを切り換えながら、暖房と給湯との両者を同時に行いたいという使用者の要求に応えることができる。
【0012】
本発明に係るヒートポンプ給湯システムの更なる特徴構成は、前記給湯優先モードでは、前記分配割合が、前記第1熱交換器にて取得される熱出力により要求されている空調負荷よりも小さく設定された制限空調負荷を賄うための給湯優先用分配割合に設定されており、前記空調優先モードでは、前記分配割合が、前記第1熱交換器にて取得される熱出力により要求されている空調負荷を賄うための空調優先用分配割合に設定されている点にある。
【0013】
本特徴構成によれば、給湯優先モードでは、分配割合が給湯優先用分配割合に設定されているので、要求されている給湯負荷を賄うとともに、暖房負荷についても制限空調負荷分を賄うことができる。また、空調優先モードでは、分配割合が空調優先用分配割合に設定されているので、要求されている暖房負荷を賄うとともに、その余剰分にて給湯負荷を賄うように割り当てることができる。このように、給湯優先モードと空調優先モードとの夫々に適した分配割合が設定されており、給湯優先モードと空調優先モードとの夫々において適切な運転を行うことができる。
【0014】
本発明に係るヒートポンプ給湯システムの更なる特徴構成は、前記圧縮機を駆動させるエンジンと、そのエンジンの排熱にて前記給湯用水を加熱する排熱熱交換器とが備えられている点にある。
【0015】
本特徴構成によれば、エンジンにて圧縮機を駆動させてヒートポンプ回路にて冷媒を循環させることで、冷房・給湯同時運転や暖房・給湯同時運転等の各種の運転を行うことができる。そして、エンジンにて圧縮機を駆動させる場合に、そのエンジンの排熱にて給湯用水を加熱する排熱熱交換器を備えているので、エンジンの排熱を有効に活用して給湯用水を加熱することができ、省エネ性の向上を図ることができる。
また、暖房・給湯同時運転を行う場合に、モード切換手段が空調優先モードに切り換えると、圧縮機からの冷媒が第1熱交換器に優先して供給されるので、給湯熱交換器において残りの冷媒にて給湯用水を加熱するだけでは要求されている給湯負荷を賄うことができない可能性がある。この場合に、給湯用水を、給湯熱交換器だけでなく、排熱熱交換器においても加熱することができ、暖房・給湯同時運転を行う場合に、モード切換手段が空調優先モードに切り換えても、要求されている給湯負荷を賄うことができる。
【0016】
本発明に係るヒートポンプ給湯システムの更なる特徴構成は、前記給湯熱交換器を通過した前記給湯用水を前記排熱熱交換器に供給するように構成されている点にある。
【0017】
本特徴構成によれば、まず、給湯熱交換器において冷媒にて給湯用水を加熱することができ、更に、その加熱された給湯用水を排熱熱交換器においてエンジンの排熱にて加熱することができるので、給湯用水を高温まで加熱することができる。したがって、給湯熱交換器において冷媒にて高温まで給湯用水を加熱しなくてもよいので、凝縮圧力が高くなり圧縮機の駆動力が大きくなるという問題を生じることなく、給湯用水を高温まで加熱することができ、高温の給湯用水が要求されている場合でも、その要求に適切に応えることができる。
【0018】
本発明に係るヒートポンプ給湯システムの更なる特徴構成は、貯湯タンクに貯留されている前記給湯用水を前記排熱熱交換器に供給し、前記排熱熱交換器を通過した前記給湯用水を前記貯湯タンクに戻す給湯用水循環手段を備え、前記運転制御手段は、給湯の要求が無くて前記エンジンにて前記圧縮機を駆動させる場合に、前記給湯用水循環手段を作動させて前記排熱熱交換器にて加熱された前記給湯用水を前記貯湯タンクに貯湯する貯湯運転を行うように構成されている点にある。
【0019】
本特徴構成によれば、空調運転のみを行う場合等、給湯の要求が無くてエンジンにて圧縮機を駆動させる場合に、運転制御手段が、給湯用水循環手段を作動させて排熱熱交換器にて加熱された給湯用水を貯湯タンクに貯湯する貯湯運転を行うことができる。これにより、空調運転のみを行う場合には、エンジンの排熱を単に放熱させるのではなく、エンジンの排熱を貯湯タンクに蓄熱しておくことができるので、例えば、給湯が要求された場合等に、貯湯タンクに蓄熱している熱を用いることができ、省エネ性の向上を図ることができる。
【0020】
本発明に係るヒートポンプ給湯システムの更なる特徴構成は、前記循環状態切換手段は、前記冷房・給湯循環状態として、前記給湯熱交換器と前記第2熱交換器とを直列状態で接続して、前記圧縮機、前記給湯熱交換器、前記第2熱交換器、前記膨張弁、前記第1熱交換器の順に冷媒を循環させる直列用冷房・給湯循環状態と、前記給湯熱交換器と前記第2熱交換器とを並列状態で接続して、前記圧縮機、前記給湯熱交換器及び前記第2熱交換器の両者、前記膨張弁、前記第1熱交換器の順に冷媒を循環させる並列用冷房・給湯循環状態とに切換自在に構成されている点にある。
【0021】
本特徴構成によれば、循環状態切換手段が直列用冷房・給湯循環状態に切り換えた場合に、給湯熱交換器と第2熱交換器とを直列状態で接続して、圧縮機、給湯熱交換器、第2熱交換器、膨張弁、第1熱交換器の順に冷媒を循環させるので、給湯熱交換器だけでなく、第2熱交換器にも冷媒を供給させて第2熱交換器において冷媒から熱を放熱させることで、ヒートポンプ回路を効率よく作動させることができる。また、循環状態切換手段が並列用冷房・給湯循環状態に切り換えた場合に、給湯熱交換器と第2熱交換器とを並列状態で接続して、圧縮機、給湯熱交換器及び第2熱交換器の両者、膨張弁、第1熱交換器の順に冷媒を循環させるので、給湯熱交換器だけでなく、第2熱交換器にも冷媒を供給させて第2熱交換器において冷媒から熱を放熱させることで、ヒートポンプ回路を効率よく作動させることができる。
そして、循環状態切換手段は、例えば、給湯熱交換器に供給される給湯用水の給水温度、給湯熱交換器を通過した冷媒の給湯用熱交出口温度、及び、第2熱交換器に通風される流体の通風流体温度に基づいて、直列用冷房・給湯循環状態と並列用冷房・給湯循環状態との間で切換を行うことができる。したがって、給湯熱交換器だけでなく、第2熱交換器にも冷媒を供給させる場合に、給水温度、給湯用熱交出口温度、及び、通風流体温度等の温度条件に基づいて、直列用冷房・給湯循環状態と並列用冷房・給湯循環状態との間で切り換えることで、給湯熱交換器及び第2熱交換器における冷媒からの放熱を適切に行うことができ、ヒートポンプ回路を効率よく作動させることを適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態のヒートポンプ給湯システムにおける冷房・貯湯同時運転での状態を示す図
【図2】第1実施形態のヒートポンプ給湯システムにおける冷房・給湯同時運転での状態を示す図
【図3】第1実施形態のヒートポンプ給湯システムにおける暖房・貯湯同時運転での状態を示す図
【図4】第1実施形態のヒートポンプ給湯システムにおける暖房・給湯同時運転での状態を示す図
【図5】第1実施形態のヒートポンプ給湯システムにおける給湯運転での状態を示す図
【図6】第2実施形態のヒートポンプ給湯システムにおいて直列用冷房・給湯循環状態に切り換えた状態を示す図
【図7】第2実施形態のヒートポンプ給湯システムにおいて並列用冷房・給湯循環状態に切り換えた状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係るヒートポンプ給湯システムの実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
まず、図1〜図5は、ヒートポンプ給湯システム100の概略構成を示す図であり、冷媒R、排熱回収媒体C、給湯用水Mの通流する部位が異なっている。図1〜図5では、冷媒R、排熱回収媒体C、給湯用水Mの通流する部位を太線にて示しており、電動弁D1〜D7及び三方弁S1〜S5について、閉状態のものを黒塗りで示しており、開状態のものを白塗りで示している。
【0024】
第1実施形態におけるヒートポンプ給湯システム100は、図1〜図5に示すように、圧縮機2を駆動するエンジン1と、圧縮機2、第1熱交換器3、膨張弁4、第2熱交換器5、及び、給湯用水Mを加熱する給湯熱交換器6から構成されるヒートポンプ回路HPとを備えている。これにより、ヒートポンプ給湯システム100は、エンジン1により圧縮機2を駆動させてヒートポンプ回路HPにて冷媒Rを循環させ、冷房運転や暖房運転の空調運転を行うとともに、給湯熱交換器6において冷媒Rにて給湯に用いる給湯用水Mを加熱する給湯運転を行うように構成されている。また、ヒートポンプ給湯システム100は、エンジン1の排熱を回収した排熱回収媒体C(例えば、エンジン冷却水)にて給湯用水Mを加熱する排熱熱交換器7を備えており、ヒートポンプ回路HPの冷媒Rだけでなく、エンジン1の排熱によっても、給湯用水Mを加熱できるように構成されている。
【0025】
第1熱交換器3は、室内機に備えられた室内熱交換器にて構成されており、図外の室内ファンにて通風される空気と冷媒Rとを熱交換させるようにしている。第2熱交換器5は、室外機に備えられた室外熱交換器にて構成されており、図外の室外ファンにて通風される外気と冷媒Rとを熱交換させるようにしている。図示のものでは、第2熱交換器5として、第1室外熱交換器5aと第2室外熱交換器5bとの2つの室外熱交換器を備えた例を示しており、第1室外熱交換器5aと第2室外熱交換器5bとが並列状態で備えられている。
【0026】
ヒートポンプ回路HPは、冷媒Rを通流させる複数の流路部位P1〜P8を備えて構成されている。流路部位としては、圧縮機2の吐出側と第2熱交換器5とを接続する第1流路部位P1と、その第1流路部位P1の途中部位と給湯熱交換器6とを接続する第2流路部位P2と、給湯熱交換器6と第1熱交換器3とを接続する第3流路部位P3と、その第3流路部位P3の途中部位と第2熱交換器5とを接続する第4流路部位P4と、第1熱交換器3と圧縮機2の流入側とを接続する第5流路部位P5と、その第5流路部位P5の途中部位と第1流路部位P1の途中部位とを接続する第6流路部位P6と、第2熱交換器5と第5流路部位P5の途中部位とを接続する第7流路部位P7とが備えられている。また、第1室外熱交換器5a及び第2室外熱交換器5bに冷媒Rを通流させるために、第1室外熱交換器5a側に冷媒Rを通流させるための第1並列流路部位P8aと第2室外熱交換器5b側に冷媒Rを通流させるための第2並列流路部位P8bとに並列状態に接続された第8流路部位P8が備えられており、この第8流路部位P8により第1室外熱交換器5aと第2室外熱交換器5bとが並列状態で接続されている。
【0027】
第1流路部位P1は、その途中部位に第1電動弁D1が備えられており、冷媒Rの通流方向の下流側端部が、第1室外熱交換器5aと第2室外熱交換器5bとを並列状態で接続する第8流路部位P8に接続されている。第2流路部位P2は、その一端部が第1流路部位P1において圧縮機2との接続箇所と第1電動弁D1の配設箇所との間の部位に接続されており、その途中部位に第2電動弁D2が備えられている。第3流路部位P3の途中部位には、第3電動弁D3が備えられている。第4流路部位P4は、その一端部が第3流路部位P3において給湯熱交換器6との接続箇所と第3電動弁D3の配設箇所との間の部位に接続されており、その第3流路部位P3と第4流路部位P4との接続箇所には第1三方弁S1が備えられている。第4流路部位P4は、その途中部位に第4電動弁D4が備えられており、その他端部が第1室外熱交換器5aと第2室外熱交換器5bとを並列状態で接続する第8流路部位P8に接続されている。第5流路部位P5の途中部位には、第5電動弁D5が備えられ、第6流路部位P6の途中部位にも、第6電動弁D6が備えられている。第6流路部位P6は、その一端部が第5流路部位P5において第1熱交換器3との接続箇所と第5電動弁D5の配設箇所との間の部位に接続され、且つ、その他端部が第1流路部位P1において圧縮機2との接続箇所と第1電動弁D1の配設箇所との間の部位に接続されている。第7流路部位P7の途中部位には、第7電動弁D7が備えられている。第7流路部位P7は、その一端部が第1室外熱交換器5aと第2室外熱交換器5bとを並列状態で接続する第8流路部位P8に接続され、且つ、その他端部が第5流路部位P5において圧縮機2との接続箇所と第5電動弁D5の配設箇所との間の部位に接続されている。
【0028】
ヒートポンプ給湯システム100は、ヒートポンプ回路HPに加え、エンジン1の排熱を回収した排熱回収媒体C(例えば、エンジン冷却水)を排熱熱交換器7に供給自在な排熱回路9を備えている。排熱回路9は、エンジン1の排熱を回収した排熱回収媒体Cを排熱熱交換器7に供給する排熱往き路10と、排熱熱交換器7を通過した排熱回収媒体Cをエンジン1に戻す排熱戻り路11と、エンジン1からの排熱往き路10の排熱回収媒体Cを排熱熱交換器7をバイパスして排熱戻り路11に供給する排熱バイパス路12とを備えている。また、排熱回路9は、排熱回収媒体Cが高温になり過ぎた場合に、図外の室外ファンにて通風される外気に放熱して排熱回収媒体Cの温度を低下させるために、排熱用放熱器8を備えている。この排熱放熱器8は、排熱流路13にて排熱戻り路11に対して並列状態で備えられている。
排熱往き路10と排熱バイパス路12との接続箇所に第2三方弁S2が備えられ、排熱戻り路11と排熱流路13の上流側端部との接続箇所に第3三方弁S3が備えられている。排熱戻り路11において排熱バイパス路12との接続箇所とエンジン1との接続箇所との間の部位に、排熱回路9にて排熱回収媒体Cを循環させる排熱循環ポンプ14が備えられている。
【0029】
ヒートポンプ給湯システム100は、ヒートポンプ回路HP及び排熱回路9に加え、給湯用水Mを給湯熱交換器6及び排熱熱交換器7に供給自在な給湯用水回路15を備えている。給湯用水回路15は、貯湯タンク16に貯留されている給湯用水Mを給湯熱交換器6及び排熱熱交換器7に供給し、排熱熱交換器7を通過した給湯用水Mを貯湯タンク16に戻す給湯用水循環路17(給湯用水循環手段に相当する)と、貯湯タンク16に給水する給水路18と、貯湯タンク16に貯留されている給湯用水M及び排熱熱交換器7を通過した給湯用水Mを給湯栓等の給湯利用箇所に給湯する給湯路19とを備えて構成されている。
【0030】
貯湯タンク16は、例えば、密閉型のタンクにて構成されており、温度が高い水(温水)は上方側に且つ温度が低い水は下方側に温度成層を形成する状態で給湯用水Mを貯留自在に構成されている。給湯用水循環路17の一端部は、貯湯タンク16の下部に接続されており、貯湯タンク16の下部から取り出した給湯用水Mを給湯熱交換器6及び排熱熱交換器7に供給自在に構成されている。また、給湯用水循環路17の他端部は、貯湯タンク16の上部に接続されており、給湯熱交換器6及び排熱熱交換器7にて加熱された給湯用水を貯湯タンク16の上部に戻すように構成されている。給湯用水循環路17には、給湯用水循環ポンプ20が備えられ、この給湯用水循環ポンプ20を作動させることで、貯湯タンク16の給湯用水Mを給湯熱交換器6及び排熱熱交換器7に供給し、排熱熱交換器7を通過した給湯用水Mを貯湯タンク16に戻すようにしている。給湯用水循環路17には、貯湯タンク16からの給湯用水Mを給湯熱交換器6をバイパスして排熱熱交換器7に供給する給湯用水バイパス路23が接続されており、その給湯用水循環路17と給湯用水バイパス路23との接続箇所に第4三方弁S4が備えられている。
【0031】
給水路18は、給湯用水循環路17において貯湯タンク16の下部との接続箇所と給湯熱交換器6との接続箇所との間の部位に接続されており、給湯用水循環路17の一部を通して貯湯タンク16の下部に給水自在に構成されている。給湯路19は、給湯用水循環路17において排熱熱交換器7との接続箇所と貯湯タンク16の上部との接続箇所との間の部位に接続されており、排熱熱交換器7を通過した給湯用水M又は貯湯タンク16の上部から取り出した給湯用水Mを給湯利用箇所に給湯自在に構成されている。給湯用水循環路17と給湯路19との接続箇所に第5三方弁S5が備えられており、この第5三方弁S5によって、排熱熱交換器7を通過した給湯用水Mを給湯路19に供給する状態と貯湯タンク16に貯留されている給湯用水Mを取り出して給湯路19に供給する状態とに切換自在に構成されている。また、給湯路19には、給湯路19の給湯用水Mを加熱して給湯利用箇所に給湯自在とする補助加熱器21が備えられ、その補助加熱器21よりも給湯用水Mの通流方向の下流側部位に、給湯路19の給湯用水Mに給水路18の給湯用水Mを混合させる混合流路22が接続されている。この混合流路22には、給湯路19の給湯用水Mに対して、給水路18の給湯用水Mを混合させる混合量を調整自在な混合量調整弁24が備えられている。
【0032】
ヒートポンプ給湯システム100の運転を制御する制御装置101が備えられており、この制御装置101が、エンジン1の運転、補助加熱器21の運転、排熱循環ポンプ14の作動、給湯用水循環ポンプ20の作動、第1〜第5電動弁D1〜D5の作動、及び、第1〜第5三方弁S1〜S5の作動を制御することで、ヒートポンプ給湯システム100の運転を制御している。
【0033】
制御装置101には、ヒートポンプ回路HPにおける冷媒Rの循環状態を切換自在な循環状態切換手段102と、その循環状態切換手段102にてヒートポンプ回路HPにおける冷媒Rの循環状態を切り換えて各種の運転を行う運転制御手段103と、その運転制御手段103が暖房・給湯同時運転を行う場合に、給湯優先モードと空調優先モードとに切換自在なモード切換手段104とが備えられている。
【0034】
循環状態切換手段102は、第1〜第5電動弁D1〜D5の作動、及び、第1〜第5三方弁S1〜S5の作動を制御することで、ヒートポンプ回路HPにおける冷媒Rの循環状態について、冷房・給湯循環状態と暖房循環状態と暖房・給湯循環状態と給湯循環状態とに切換自在に構成されている。
【0035】
冷房・給湯循環状態では、図1及び図2に示すように、循環状態切換手段102が、第2電動弁D2、第3電動弁D3、及び、第5電動弁D5を開状態とするとともに、第3流路部位P3の冷媒Rをそのまま第3流路部位P3にて第1熱交換器3に供給する状態に第1三方弁S1を切り換えている。これにより、冷房・給湯循環状態では、圧縮機2、給湯熱交換器6、第3電動弁D3(膨張弁4に相当する)、第1熱交換器3の順に冷媒Rを循環させている。
【0036】
暖房循環状態では、図3に示すように、循環状態切換手段102が、第6電動弁D6、第3電動弁D3、第4電動弁D4、第7電動弁D7を開状態とするとともに、第3流路部位P3において第1熱交換器3側からの冷媒Rを第4流路部位P4に供給する状態に第1三方弁S1を切り換えている。これにより、暖房循環状態では、圧縮機2、第1熱交換器3、第4電動弁D4(膨張弁4に相当する)、第2熱交換器5の順に冷媒Rを循環させている。
【0037】
暖房・給湯循環状態では、図4に示すように、循環状態切換手段102が、第2電動弁D2、第6電動弁D6、第3電動弁D3、第4電動弁D4、第7電動弁D7を開状態とするとともに、第3流路部位P3において給湯熱交換器6側からの冷媒Rと第1熱交換器3側からの冷媒Rとを合流させて第4流路部位P4に供給する状態に第1三方弁S1を切り換えている。これにより、暖房・給湯循環状態では、給湯熱交換器6と第1熱交換器3とを並列状態で接続して、圧縮機2、給湯熱交換器6及び第1熱交換器3の両者、第4電動弁D4(膨張弁4に相当する)、第2熱交換器5の順に冷媒Rを循環させている。
【0038】
給湯循環状態では、図5に示すように、循環状態切換手段102が、第2電動弁D2、第4電動弁D4、第7電動弁D7を開状態とするとともに、第3流路部位P3において給湯熱交換器6側からの冷媒Rを第4流路部位P4に供給する状態に第1三方弁S1を切り換えている。これにより、給湯循環状態では、圧縮機2、給湯熱交換器6、第4電動弁D4(膨張弁4に相当する)、第2熱交換器5の順に冷媒Rを循環させている。
【0039】
運転制御手段103は、循環状態切換手段102にてヒートポンプ回路HPにおける冷媒Rの循環状態を切り換えるとともに、エンジン1の運転、第2〜第5三方弁S2〜S5の作動、排熱循環ポンプ14の作動、及び、給湯用水循環ポンプ20の作動を制御することで、冷房運転、暖房運転、給湯運転、貯湯運転等の各種の運転を行うように構成されている。そして、冷房運転又は暖房運転の空調運転の要求については、例えば、使用者が空調用リモコンを操作することで要求されており、給湯運転の要求については、例えば、給湯利用箇所の給湯栓が使用者により開操作される、或いは、使用者がリモコンを操作することで要求されている。また、運転制御手段103は、冷房運転のみ又は暖房運転のみを行う場合等、給湯の要求が無くてエンジン1にて圧縮機2を駆動させる場合に、貯湯運転を行うように構成されている。
【0040】
このようにして、運転制御手段103は、使用者の要求に応じて、冷房運転と貯湯運転とを同時に行う冷房・貯湯同時運転と、冷房運転と給湯運転とを同時に行う冷房・給湯同時運転と、暖房運転と貯湯運転とを同時に行う暖房・貯湯同時運転と、暖房運転と給湯運転とを同時に行う暖房・給湯同時運転と、単独での給湯運転との各種の運転を行うように構成されている。
【0041】
以下、各運転での動作について説明する。
(冷房・貯湯同時運転)
冷房・貯湯同時運転では、図1に示すように、ヒートポンプ回路HPについて、運転制御手段103が、エンジン1を運転させるとともに、循環状態切換手段102にてヒートポンプ回路HPにおける冷媒Rの循環状態を冷房・給湯循環状態に切り換えている。排熱回路9については、運転制御手段103が、エンジン1、排熱熱交換器7の順に排熱回収媒体Cが循環するように、第2三方弁S2及び第3三方弁S3の状態を切り換えて排熱循環ポンプ14を作動させている。給湯用水回路15については、運転制御手段103が、貯湯タンク16の下部から取り出した給湯用水Mを、給湯熱交換器6、排熱熱交換器7の順に通過させて貯湯タンク16の上部に戻すように、第4三方弁S4及び第5三方弁S5の状態を切り換えて給湯用水循環ポンプ20を作動させている。
【0042】
ヒートポンプ回路HPでは、給湯熱交換器6にて冷媒Rが給湯用水Mを加熱して放熱され、第1熱交換器3にて冷媒Rが図外の室内ファンにて通風される空気から吸熱して冷却し、その冷却された空気を室内に供給して冷房を行っている。給湯用水回路15では、貯湯タンク16の下部から取り出された給湯用水Mが、まず、給湯熱交換器6に供給されて冷媒Rにて加熱され、更に、排熱熱交換器7に供給されて排熱回収媒体Cにて加熱され、貯湯タンク16の上部に戻している。貯湯タンク16に高温の給湯用水M(例えば、60℃の温水)を貯湯している。このようにして、室内の冷房と貯湯タンク16への貯湯との両者を同時に行っている。
【0043】
(冷房・給湯同時運転)
冷房・給湯同時運転では、図2に示すように、ヒートポンプ回路HPについて、運転制御手段103が、エンジン1を運転させるとともに、循環状態切換手段102にてヒートポンプ回路HPにおける冷媒Rの循環状態を冷房・給湯循環状態に切り換えている。排熱回路9については、運転制御手段103が、エンジン1、排熱熱交換器7の順に排熱回収媒体Cが循環するように、第2三方弁S2及び第3三方弁S3の状態を切り換えて排熱循環ポンプ14を作動させている。給湯用水回路15については、運転制御手段103が、給水路18にて給水される給湯用水Mを、給湯熱交換器6、排熱熱交換器7の順に通過させて給湯路19に供給するように、第4三方弁S4及び第5三方弁S5の状態を切り換えて給湯用水循環ポンプ20を作動させている。
【0044】
ヒートポンプ回路HPでは、給湯熱交換器6にて冷媒Rが給湯用水Mを加熱して放熱され、第1熱交換器3にて冷媒Rが図外の室内ファンにて通風される空気から吸熱して冷却し、その冷却された空気を室内に供給して冷房を行っている。給湯用水回路15では、給水路18にて給水される給湯用水Mが、まず、給湯熱交換器6に供給されて冷媒Rにて加熱され、更に、排熱熱交換器7に供給されて排熱回収媒体Cにて加熱され、給湯路19に供給される。そして、給湯路19の給湯用水Mは、混合流路22からの給湯用水Mと混合されて給湯設定温度に調整されて給湯利用箇所に給湯される。ここで、給湯設定温度については、リモコンにて使用者が設定自在に構成されており、給湯設定温度への調整については、例えば、運転制御手段103が、図外の温度センサや流量センサ等の検出情報に基づいて、混合量調整弁24の開度を制御することで、混合流路22からの給湯用水Mが混合された給湯用水Mの温度が給湯設定温度になるように、混合流路22からの給湯用水Mの混合量を調整するようにしている。ちなみに、要求されている給湯設定温度が高い場合等、要求されている給湯負荷を賄うことができない場合には、運転制御手段103が、補助加熱器21を運転させることで、要求されている給湯負荷を賄うようにしている。
このようにして、室内の冷房と給湯利用箇所への給湯との両者を同時に行っている。また、冷房・給湯同時運転では、運転制御手段103が、給湯用水回路15について第5三方弁S5の状態を切り換えることで、例えば、排熱熱交換器7を通過した給湯用水Mと貯湯タンク16に貯湯されている高温の給湯用水Mとを混合させて給湯路19に供給することもできる。
【0045】
(暖房・貯湯同時運転)
暖房・貯湯同時運転では、図3に示すように、ヒートポンプ回路HPについて、運転制御手段103が、エンジン1を運転させるとともに、循環状態切換手段102にてヒートポンプ回路HPにおける冷媒Rの循環状態を暖房循環状態に切り換えている。排熱回路9については、運転制御手段103が、エンジン1、排熱熱交換器7の順に排熱回収媒体Cが循環するように、第2三方弁S2及び第3三方弁S3の状態を切り換えて排熱循環ポンプ14を作動させている。給湯用水回路15については、運転制御手段103が、貯湯タンク16の下部から取り出した給湯用水Mを排熱熱交換器7に供給して、排熱熱交換器7を通過した給湯用水Mを貯湯タンク16の上部に戻すように、第4三方弁S4及び第5三方弁S5の状態を切り換えて給湯用水循環ポンプ20を作動させている。
【0046】
ヒートポンプ回路HPでは、第1熱交換器3にて冷媒Rが図外の室内ファンにて通風される空気を加熱して放熱され、その加熱された空気を室内に供給して暖房を行い、第2熱交換器5にて冷媒Rが外気から吸熱している。給湯用水回路15では、貯湯タンク16の下部から取り出された給湯用水Mが、排熱熱交換器7に供給されて排熱回収媒体Cにて加熱され貯湯タンク16の上部に戻されて、貯湯タンク16への高温の給湯用水M(例えば、60℃の温水)の貯湯を行っている。このようにして、室内の暖房と貯湯タンク16への貯湯との両者を同時に行っている。
【0047】
(暖房・給湯同時運転)
暖房・給湯同時運転では、図4に示すように、ヒートポンプ回路HPについて、運転制御手段103が、エンジン1を運転させるとともに、循環状態切換手段102にてヒートポンプ回路HPにおける冷媒Rの循環状態を暖房・給湯循環状態に切り換えている。排熱回路9については、運転制御手段103が、エンジン1、排熱熱交換器7の順に排熱回収媒体Cが循環するように、第2三方弁S2及び第3三方弁S3の状態を切り換えて排熱循環ポンプ14を作動させている。給湯用水回路15については、運転制御手段103が、給水路18にて給水される給湯用水Mを、給湯熱交換器6、排熱熱交換器7の順に通過させて給湯路19に供給するように、第4三方弁S4及び第5三方弁S5の状態を切り換えて給湯用水循環ポンプ20を作動させている。
【0048】
ヒートポンプ回路HPでは、第1熱交換器3にて冷媒Rが図外の室内ファンにて通風される空気を加熱して放熱され、その加熱された空気を室内に供給して暖房を行うとともに、給湯熱交換器6にて冷媒Rが給湯用水Mを加熱して放熱され、第2熱交換器5にて冷媒Rが外気から吸熱している。給湯用水回路15では、給水路18にて給水される給湯用水Mは、まず、給湯熱交換器6に供給されて冷媒Rにて加熱され、更に、排熱熱交換器7に供給されて排熱回収媒体Cにて加熱され、給湯路19に供給される。そして、上述の冷房・給湯同時運転と同様に、給湯路19の給湯用水Mは、混合流路22からの給湯用水Mと混合されて給湯設定温度に調整されて給湯利用箇所に給湯される。したがって、室内の暖房と給湯利用箇所への給湯との両者を同時に行うことができる。
【0049】
この暖房・給湯同時運転では、室内の暖房と給湯利用箇所への給湯とを同時に行うのであるが、要求されている暖房負荷が大きい等の状況によっては、その暖房負荷を賄うことができなくなる、或いは、その暖房負荷を賄うようにすれば給湯できなくなり、使用者の要求を応えることができなくなる可能性がある。
そこで、本実施形態では、モード切換手段104が、給湯優先モードと空調優先モードとに切換自在に構成されている。給湯優先モードに切り換えるか、或いは、空調優先モードに切り換えるかについては、例えば、リモコン等にモード切換スイッチを備え、使用者がそのモード切換スイッチを操作することで、給湯優先モードに切り換えるか、或いは、空調優先モードに切り換えるかを選択できるように構成されている。
【0050】
暖房・給湯同時運転では、循環状態切換手段102にて暖房・給湯循環状態に切り換えており、圧縮機2からの冷媒Rを、並列状態に接続された第1熱交換器3と給湯熱交換器6とに分配供給することで、暖房と給湯とを同時に行うようにしている。そこで、モード切換手段104は、第2電動弁D2及び第6電動弁D6の開度を制御することで、並列状態に接続された第1熱交換器3と給湯熱交換器6との両者に圧縮機2からの冷媒Rを分配させる分配割合を、第1熱交換器3よりも給湯熱交換器6に優先して分配させる給湯優先モードと、給湯熱交換器6よりも第1熱交換器3に優先して分配させる空調優先モードとに切換自在に構成されている。
【0051】
給湯優先モードでは、モード切換手段104が、第6電動弁D6の開度を第2電動弁D2の開度よりも開き側に制御して、圧縮機2からの冷媒Rを第1熱交換器3よりも給湯熱交換器6に優先して供給している。この給湯優先モードでは、その分配割合について、第1熱交換器3にて取得される熱出力により要求されている空調負荷よりも小さく設定された制限空調負荷(例えば、要求されている空調負荷よりも10〜30%ダウンさせた空調負荷)を賄うための給湯優先用分配割合に設定されている。ここで、要求されている空調負荷については、現在の室内温度と冷房設定温度との温度差等に基づいて求められる。これにより、給湯優先モードでは、モード切換手段104が、並列状態に接続された第1熱交換器3と給湯熱交換器6との両者に圧縮機2からの冷媒Rを分配させる分配割合が給湯優先用分配割合になるように、第2電動弁D2及び第6電動弁D6の開度を制御している。給湯優先モードでは、要求されている給湯負荷を適切に賄うことができる給湯を行うことができながら、残りの冷媒Rにて室内に供給する空気を加熱して、要求されている暖房負荷よりも小さいものの、制限空調負荷を賄うことができる暖房を行うことができる。
【0052】
空調優先モードでは、モード切換手段104が、第2電動弁D2の開度を第6電動弁D6の開度よりも開き側に制御して、圧縮機2からの冷媒Rを給湯熱交換器6よりも第1熱交換器3に優先して供給している。この空調優先モードでは、その分配割合について、第1熱交換器3にて取得される熱出力により要求されている空調負荷を賄うための空調優先用分配割合に設定されている。これにより、空調優先モードでは、モード切換手段104が、並列状態に接続された第1熱交換器3と給湯熱交換器6との両者に圧縮機2からの冷媒Rを分配させる分配割合が空調優先用分配割合になるように、第2電動弁D2及び第6電動弁D6の開度を制御している。空調優先モードでは、要求されている暖房負荷を適切に賄うことができる暖房を行うことができながら、残りの冷媒Rにて給湯用水Mを加熱して給湯することができる。
【0053】
本実施形態では、給水路18にて給水される給湯用水Mが、給湯熱交換器6だけでなく、排熱熱交換器7においても加熱されて給湯路19に供給されるので、空調優先モードに切り換えた場合でも、給湯利用箇所に給湯設定温度の給湯用水Mを給湯することができ、要求されている給湯負荷を賄うことができる給湯を行うことができる。また、要求されている給湯設定温度が高い場合等、要求されている給湯負荷が大きくて給湯熱交換器6及び排熱熱交換器7にて加熱するだけでは要求されている給湯負荷を賄うことができない場合でも、運転制御手段103が、補助加熱器21を運転させることで、要求されている給湯負荷を賄うようにしている。
【0054】
給湯優先モード及び空調優先モードにおける分配割合については、一定の分配割合とする、或いは、変更設定できるように構成することができる。分配割合を変更設定する場合には、例えば、使用者の要求に応じて変更設定することもできる。
【0055】
(給湯運転)
給湯運転では、図5に示すように、ヒートポンプ回路HPについて、運転制御手段103が、エンジン1を運転させるとともに、循環状態切換手段102にてヒートポンプ回路HPにおける冷媒Rの循環状態を給湯循環状態に切り換えている。排熱回路9については、運転制御手段103が、エンジン1、排熱熱交換器7の順に排熱回収媒体Cが循環するように、第2三方弁S2及び第3三方弁S3の状態を切り換えて排熱循環ポンプ14を作動させている。給湯用水回路15については、運転制御手段103が、給水路18にて給水される給湯用水Mを、給湯熱交換器6、排熱熱交換器7の順に通過させて給湯路19に供給するように、第4三方弁S4及び第5三方弁S5の状態を切り換えて給湯用水循環ポンプ20を作動させている。
【0056】
ヒートポンプ回路HPでは、給湯熱交換器6にて冷媒Rが給湯用水Mを加熱して放熱され、第2熱交換器5にて冷媒Rが外気から吸熱している。給湯用水回路15では、給水路18にて給水される給湯用水Mが、まず、給湯熱交換器6に供給されて冷媒Rにて加熱され、更に、排熱熱交換器7に供給されて排熱回収媒体Cにて加熱され、給湯路19に供給される。そして、上述の冷房・給湯同時運転と同様に、給湯路19の給湯用水Mは、混合流路22からの給湯用水Mと混合されて給湯設定温度に調整されて給湯利用箇所に給湯される。このようにして、給湯利用箇所への給湯を行っている。
【0057】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、図2に示すように、循環状態切換手段102が冷房・給湯循環状態に切り換えた場合に、圧縮機2、給湯熱交換器6、第3電動弁D3(膨張弁4に相当する)、第1熱交換器3の順に冷媒Rを循環させている。
これに代えて、この第2実施形態では、循環状態切換手段102が、冷房・給湯循環状態として、図6に示す直列用冷媒・給湯循環状態と、図7に示す並列用冷媒・給湯循環状態とに切換自在に構成されている。
【0058】
ヒートポンプ回路HPは、第1〜第8流路部位P1〜P8に加えて、第3流路部位P3の途中部位と第1流路部位P1の途中部位とを接続する第9流路部位P9が備えられている。この第9流路部位P9は、その途中部位に第8電動弁D8が備えられ、その一端部が第3流路部位P3において給湯熱交換器6との接続箇所と第1三方弁S1の配設箇所との間の部位に接続され、且つ、その他端部が第1流路部位P1において第1電動弁D1の配設箇所と第8流路部位P8との接続箇所との間の部位に接続されている。また、第3流路部位P3には、第9流路部位P9との接続箇所と第1三方弁S1の配設箇所との間の部位に第9電動弁D9が備えられている。
【0059】
直列用冷媒・給湯循環状態では、図6に示すように、循環状態切換手段102が、第2電動弁D2、第8電動弁D8、第4電動弁D4、第3電動弁D3、第5電動弁D5を開状態とするとともに、第4流路部位P4の冷媒Rを第3流路部位P3において第1熱交換器3側に供給する状態に第1三方弁S1を切り換えている。これにより、直列用冷媒・給湯循環状態では、給湯熱交換器6と第2熱交換器5とを直列状態で接続して、圧縮機2、給湯熱交換器6、第2熱交換器5、第4電動弁D4及び第3電動弁D3の一方又は両者(膨張弁4に相当する)、第1熱交換器3の順に冷媒Rを循環させる。
【0060】
並列用冷媒・給湯循環状態では、図7に示すように、循環状態切換手段102が、第1電動弁D1、第2電動弁D2、第9電動弁D9、第4電動弁D4、第3電動弁D3、第5電動弁D5を開状態とするとともに、第3流路部位P3において給湯熱交換器6側からの冷媒Rと第4流路部位P4の冷媒Rとを合流させて第3流路部位P3において第1熱交換器3側に供給する状態に第1三方弁S1を切り換えている。これにより、給湯熱交換器6と第2熱交換器5とを並列状態で接続して、圧縮機2、給湯熱交換器6及び第2熱交換器5の両者、又は、給湯熱交換器6及び第2熱交換器5の夫々に単独、第3電動弁D3(膨張弁4に相当する)、第1熱交換器3の順に冷媒Rを循環させる。
【0061】
直列用冷媒・給湯循環状態と並列用冷媒・給湯循環状態との間での切換については、循環状態切換手段102が、給湯熱交換器6に供給される給湯用水Mの給水温度t1、給湯熱交換器6を通過した冷媒Rの給湯用熱交出口温度t2、及び、第2熱交換器5に通風される流体(外気)の通風流体温度(外気温度)t3に基づいて、直列用冷媒・給湯循環状態と並列用冷媒・給湯循環状態との間で切換を行うように構成されている。
【0062】
この第2実施形態では、給湯熱交換器6に供給される給湯用水Mの給水温度t1を検出する第1温度センサT1、給湯熱交換器6を通過した冷媒Rの給湯用熱交出口温度t2を検出する第2温度センサT2、第2熱交換器5に通風される流体(外気)の通風流体温度(外気温度)t3を検出する第3温度センサT3が備えられている。
循環状態切換手段102は、第1温度センサT1による給水温度t1が第3温度センサT3による外気温度t3よりも低く、且つ、第3温度センサT3による外気温度t3が第2温度センサT2による給湯用熱交出口温度t2よりも低い場合に、図6に示すように、直列用冷媒・給湯循環状態に切り換えている。そして、循環状態切換手段102は、第2温度センサT2による給湯用熱交出口温度t2が第3温度センサT3による外気温度t3よりも高い場合にも、図6に示すように、直列用冷媒・給湯循環状態に切り換えている。これにより、給湯熱交換器6、第2熱交換器5の順に直列に冷媒Rを供給することで、給湯熱交換器6にて冷媒Rが給湯用水Mを加熱して放熱し、更に、第2熱交換器5にて給湯熱交換器6にて放熱した冷媒Rが外気を加熱して放熱して、ヒートポンプ回路HPを効率よく作動させている。
【0063】
また、循環状態切換手段102は、第1温度センサT1による給水温度t1が第3温度センサT3による外気温度t3よりも高く、且つ、第3温度センサT3による外気温度t3が第2温度センサT2による給湯用熱交出口温度t2よりも高い場合に、図7に示すように、並列用冷媒・給湯循環状態に切り換えている。そして、循環状態切換手段102は、第2温度センサT2による給湯用熱交出口温度t2が第3温度センサT3による外気温度t3よりも低い場合にも、図7に示すように、並列用冷媒・給湯循環状態に切り換えている。これにより、給湯熱交換器6と第2熱交換器5とに並列に冷媒Rを供給することで、給湯熱交換器6にて冷媒Rが給湯用水Mを加熱して放熱するとともに、第2熱交換器5にて冷媒Rが外気を加熱して放熱し、ヒートポンプ回路HPを効率よく作動させている。
【0064】
〔別実施形態〕
(1)上記第1及び第2実施形態では、冷房運転や暖房運転を行う場合に、貯湯運転も同時に行うようにしているが、貯湯運転は行わずに、冷房運転や暖房運転を単独にて行うこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、圧縮機、第1熱交換器、膨張弁、第2熱交換器、及び、給湯用水を加熱する給湯熱交換器から構成されるヒートポンプ回路を備え、冷房と給湯との両者を同時に行うだけでなく、暖房と給湯との両者についても同時に行うことができ、空調と給湯との両者を同時に行いたいという使用者の要求に応えることができる各種のヒートポンプ給湯システムに適応可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 エンジン
2 圧縮機
3 第1熱交換器
4 膨張弁
5 第2熱交換器
6 給湯用熱交換器
7 排熱熱交換器
16 貯湯タンク
17 給湯用水循環路(給湯用水循環手段)
102 循環状態切換手段
103 運転制御手段
104 モード切換手段
HP ヒートポンプ回路
C 排熱回収媒体
M 給湯用水
R 冷媒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、第1熱交換器、膨張弁、第2熱交換器、及び、給湯用水を加熱する給湯熱交換器から構成されるヒートポンプ回路を備えているヒートポンプ給湯システムであって、
前記ヒートポンプ回路における冷媒の循環状態について、前記圧縮機、前記給湯熱交換器、前記膨張弁、前記第1熱交換器の順に冷媒を循環させる冷房・給湯循環状態と、前記給湯熱交換器と前記第1熱交換器とを並列状態で接続して、前記圧縮機、前記給湯熱交換器及び前記第1熱交換器の両者、前記膨張弁、前記第2熱交換器の順に冷媒を循環させる暖房・給湯循環状態とに切換可能な循環状態切換手段と、
前記ヒートポンプ回路における冷媒の循環状態を前記循環状態切換手段により前記冷房・給湯循環状態に切り換える冷房・給湯同時運転、及び、前記ヒートポンプ回路における冷媒の循環状態を前記循環状態切換手段により前記暖房・給湯循環状態に切り換える暖房・給湯同時運転を実行可能な運転制御手段と、
その運転制御手段が前記暖房・給湯同時運転を行う場合に、並列状態に接続された前記給湯熱交換器と前記第1熱交換器との両者に前記圧縮機からの冷媒を分配させる分配割合を、前記第1熱交換器よりも前記給湯熱交換器に優先して分配させる給湯優先モードと、前記給湯熱交換器よりも前記第1熱交換器に優先して分配させる空調優先モードとに切換自在なモード切換手段とを備えているヒートポンプ給湯システム。
【請求項2】
前記給湯優先モードでは、前記分配割合が、前記第1熱交換器にて取得される熱出力により要求されている空調負荷よりも小さく設定された制限空調負荷を賄うための給湯優先用分配割合に設定されており、前記空調優先モードでは、前記分配割合が、前記第1熱交換器にて取得される熱出力により要求されている空調負荷を賄うための空調優先用分配割合に設定されている請求項1に記載のヒートポンプ給湯システム。
【請求項3】
前記圧縮機を駆動させるエンジンと、そのエンジンの排熱にて前記給湯用水を加熱する排熱熱交換器とが備えられている請求項1又は2に記載のヒートポンプ給湯システム。
【請求項4】
前記給湯熱交換器を通過した前記給湯用水を前記排熱熱交換器に供給するように構成されている請求項3に記載のヒートポンプ給湯システム。
【請求項5】
貯湯タンクに貯留されている前記給湯用水を前記排熱熱交換器に供給し、前記排熱熱交換器を通過した前記給湯用水を前記貯湯タンクに戻す給湯用水循環手段を備え、前記運転制御手段は、給湯の要求が無くて前記エンジンにて前記圧縮機を駆動させる場合に、前記給湯用水循環手段を作動させて前記排熱熱交換器にて加熱された前記給湯用水を前記貯湯タンクに貯湯する貯湯運転を行うように構成されている請求項3又は4に記載のヒートポンプ給湯システム。
【請求項6】
前記循環状態切換手段は、前記冷房・給湯循環状態として、前記給湯熱交換器と前記第2熱交換器とを直列状態で接続して、前記圧縮機、前記給湯熱交換器、前記第2熱交換器、前記膨張弁、前記第1熱交換器の順に冷媒を循環させる直列用冷房・給湯循環状態と、前記給湯熱交換器と前記第2熱交換器とを並列状態で接続して、前記圧縮機、前記給湯熱交換器及び前記第2熱交換器の両者、前記膨張弁、前記第1熱交換器の順に冷媒を循環させる並列用冷房・給湯循環状態とに切換自在に構成されている請求項1〜5の何れか1項に記載のヒートポンプ給湯システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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