説明

ヒールクッションシステムを持つ履物

【課題】 ヒールクッションシステムを持つ履物を提供する。
【解決手段】 ヒールクッションシステムは、ソールと、湾曲プレートと、トレッド部材とを含む。トレッド部材は、ソールのヒール部分を地面の上方に持ち上げる。湾曲プレートは、ソールに力が加わったときに撓む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は履物に関し、更に詳細には、ヒールクッションシステム(heel cushioning system)を持つスポーツシューズに関する。
【背景技術】
【0002】
クッションシステムを持つ物品が提案されてきた。Miller等(米国特許第5,797,199号)は、ポッドを持つシューズに関する。ソールには複数の凹状キャビティが設けられている。Miller等の特許には、熱可塑性材料製又はグラファイト材料製のインサートが教示されている。このインサートは、力が加わった後のミッドソールの復元を補助するのに使用できる。
【0003】
Hardy等(米国特許出願公開第2006/0277793号)は、ヒールグリッドシステムを持つシューズを教示する。Hardy等の特許には、グリッドシステムを含むミッドソールインサートが教示されている。グリッドシステムは、可撓性ファイバ製のグリッドを含む。Hardy等の特許には、更に、グリッドシステムの撓みを制限するのに使用できるベース構造が教示されている。Hardy等の特許には、湾曲形状を備えていてもよいベース構造が教示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,797,199号
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0277793号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
関連技術には、不規則な形状のインサートをインソールの下面で地面に対して実質的に開放した状態に支持するための手段が設けられていない。当該技術において、こうした問題を解決する設計が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ヒールクッションシステム持つ履物を開示する。一態様において、本発明は、フォアフット部分、アーチ部分、及び凹状の下面を持つヒール部分を含むソールと、ソールの上面に力が加わったときに撓むように形成された湾曲プレートとを含み、湾曲プレートは、ソールの凹状の下面に面する中央部分及びこの中央部分の外側に配置された周囲部分を含み、湾曲プレートは、更に、中央部分から周囲部分まで延びる少なくとも一つのレッグ部分を含み、中央部分は、踵によって加えられた所定の力の作用で変形するように形成されている、履物を提供する。
【0007】
別の態様では、本発明は、フォアフット部分、アーチ部分、及びヒール部分を含むソールと、ソールの上面に力が加わったときに撓むように形成された湾曲プレートとを含み、湾曲プレートは、更に、中央部分から遠ざかる方向に延びる少なくとも一つのレッグ部分を含み、更に、ソールの周囲ソール部分に配置された、隙間によって間隔が隔てられた第1トレッド部材及び第2トレッド部材を含み、少なくとも一つのレッグ部分の端部分が隙間と隣接して配置されている、履物を提供する。
【0008】
別の態様では、本発明は、フォアフット部分、アーチ部分、及びヒール部分を含むソールを含み、ソールは、ソールの長さと関連した長さ方向、ソールの幅と関連した、長さ方向に対してほぼ垂直な横方向、及び長さ方向及び横方向に対してほぼ垂直な垂直方向を含み、更に、湾曲プレートは、中央部分及びこの中央部分から外方に延びる少なくとも一つのレッグ部分を持ち、少なくとも一つのレッグ部分は、ソールの周囲ソール部分と隣接して配置された第1端部分及び中央部分と隣接して配置された第2端部分を含み、湾曲プレートの中央部分に所定の力が加わったとき、前記第1端部分と前記2端部分との間の垂直方向に沿った距離が大幅に減少する、履物を提供する。
【0009】
本発明のこの他のシステム、方法、特徴、及び利点は、添付図面及び詳細な説明を検討することにより、当業者に明らかになるであろう。このような追加のシステム、方法、特徴、及び利点は全て、この説明の中に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護される。
【0010】
本発明は、添付図面及び説明を参照することにより、更によく理解できる。添付図面における構成要素は、必ずしも等縮尺ではなく、その代わり、本発明の原理を例示するにあたり強調がなされている。更に、添付図面において、様々な図に亘り、同様の参照番号が対応する部分に附してある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、履物と関連したヒールクッションシステムの例示の実施例を下方から見た斜視図である。
【図2】図2は、履物と関連したヒールクッションシステムの例示の実施例を下方から見た斜視図である。
【図3】図3は、履物と関連したヒールクッションシステムの例示の実施例の分解図である。
【図4】図4は、ヒールクッションシステムを持つ履物の例示の実施例の側面図である。
【図5】図5は、ヒールクッションシステムを持つ履物の例示の実施例の断面図である。
【図6】図6は、非屈撓状態の湾曲プレートの例示の実施例の斜視図である。
【図7】図7は、屈撓状態の湾曲プレートの例示の実施例の斜視図である。
【図8】図8は、非屈撓状態のヒールクッションシステムの湾曲プレートの例示の実施例を側方から見た斜視図である。
【図9】図9は、屈撓状態のヒールクッションシステムの湾曲プレートの例示の実施例を側方から見た斜視図である。
【図10】図10は、非屈撓状態のヒールクッションシステムの湾曲プレートの例示の実施例を前方から見た斜視図である。
【図11】図11は、屈撓状態のヒールクッションシステムの湾曲プレートの例示の実施例を前方から見た斜視図である。
【図12】図12は、ヒールクッションシステムの圧縮性ミッドソール及び湾曲プレートが非屈撓状態にある、運動選手が着用する履物の例示の実施例の側面図である。
【図13】図13は、ヒールクッションシステムの圧縮性ミッドソール及び湾曲プレートが屈撓状態にある、運動選手が着用する履物の例示の実施例の側面図である。
【図14】図14は、ヒールクッションシステムの例示の実施例の分解図である。
【図15】図15は、ヒールクッションシステムの湾曲プレートの例示の実施例の平面図である。
【図16】図16は、非屈撓状態のヒールクッションシステムの湾曲プレートの例示の実施例を側方から見た斜視図である。
【図17】図17は、屈撓状態のヒールクッションシステムの湾曲プレートの例示の実施例を側方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1、図2、及び図3は、履物100の例示の実施例を示す。詳細には、図1及び図2は、履物100の例示の実施例の斜視図であり、図3は履物100の例示の実施例の分解図である。明瞭化を図るため、以下の詳細な説明は、スポーツシューズの形態の例示の実施例を論じるが、本発明は、登山靴、サッカーシューズ、フットボールシューズ、スニーカー、ラグビーシューズ、野球用シューズ、並びにこの他の種類のシューズを含むがこれらに限定されない任意の物品の形態をとってもよいということに留意されたい。図1、図2、及び図3に示すように、単に物品と呼んでもよい履物100は、左足で使用されるようになっているが、以下の議論は、右で使用されるようになった鏡像対称の履物100に同様に適用されるということは理解されるべきである。
【0013】
履物100はアッパー102を含む。アッパー102は、物品100の着用者の足を受け入れる形態を備えている。一般的には、アッパー102は、任意の種類のアッパーであってもよい。詳細には、アッパー102は、任意の設計、形状、大きさ、及び/又は色彩を備えていてもよい。例えば、物品100がバスケットボールシューズである場合には、アッパー102は、足首に高い支持を提供するハイトップアッパーであってもよい。物品100がランニングシューズである場合には、アッパー102はロートップアッパーであってもよい。
【0014】
履物100は、更に、ソール105を含む。別の実施例では、ソール105は様々な構成要素を含んでいてもよい。例えば、ソール105は、アウトソール、ミッドソール、及び/又はインソールを含んでいてもよい。一実施例では、ソール105は、ミッドソール110及びアウトソール113を含む。
【0015】
ソール105は、更に、フォアフット部分103を含む。フォアフット部分103は、物品100に入れた足のフォアフットと関連する。更に、ソール105は、物品100に入れた足の踵と関連するヒール部分104を含む。同様に、ソール105は、アーチ部分108を含む。アーチ部分108は、フォアフット部分103とヒール部分104との間に配置される。
【0016】
ソール105は、更に、内側部分106を含む。内側部分106は、足のインサイドと関連する。同様に、ソール105は、内側部分106の反対側に配置された外側部分107を含む。外側部分107は、足のアウトサイドと関連する。
【0017】
更に、ソール105は下面112を含む。一般的には、下面112は、地面と接触するように形成されている。地面の例には、天然芝、人工芝、土の地面、並びにその他の表面が含まれるが、これらに限定されない。幾つかの実施例では、下面112は、地面と接触するように形成された実質的に平らな表面を含んでいてもよい。他の実施例では、下面112は、地面と係合するための突出部分を含んでいてもよい。更に他の実施例では、下面112は、地面に関して凹状の表面を含んでいてもよい。例示の実施例では、ヒール部分104の下面112及びアーチ部分108は、地面に関して凹状の表面を含んでいてもよい。
【0018】
幾つかの実施例では、ソール105は上面114を含む。幾つかの場合において、上面114は、アッパー102と隣接して配置されていてもよい。更に、ソール105は、側壁部分115を備えて形成されていてもよい。「側壁部分」という用語は、この詳細な説明及び特許請求の範囲に亘って使用されているように、下面112から上面114まで延びるソール105の外部分に関する。換言すると、側壁部分115は、アッパー102と下面112との間を延びていてもよい。この形体では、側壁部分115がソール105を取り囲んでいてもよい。
【0019】
この詳細な説明に亘り、例示の実施例と対応する、方向に関する形容詞を一貫して便宜的に使用する。「長さ方向」という用語は、この詳細な説明及び特許請求の範囲に亘って使用されているように、物品のソールの長さの方向に関する。幾つかの場合において、長さ方向は、ソールのフォアフット部分からヒール部分まで延びる方向である。更に、「横方向」という用語は、この詳細な説明及び特許請求の範囲に亘って使用されているように、ソールの幅方向に関する。換言すると、横方向は、ソールの内側と外側との間を延びる横方向に関する。更に、「垂直方向」という用語は、この詳細な説明及び特許請求の範囲に亘って使用されているように、横方向及び長さ方向に対してほぼ垂直な方向に関する。例えば、ソールを地面に平らに置いた場合、垂直方向は、地面から上方に延びる方向である。
【0020】
履物には、履物のソールを支持するための手段が設けられていてもよい。幾つかの実施例では、履物は、ソールに対して追加の支持及び構造を提供するプレートを含んでいてもよい。幾つかの場合には、履物は、ソールの下面の輪郭と形態が一致する湾曲プレートを含んでいてもよい。他の場合には、履物はプレートの重量を低減する大きな隙間を持つプレートを含んでいてもよい。例示の実施例では、履物は、大きな隙間を持つ湾曲プレートを含んでいてもよい。この構成により、湾曲プレートは、ソールの重量を大幅に増大することなく、ソールに構造及び支持を提供できる。
【0021】
図1、図2、及び図3を参照すると、ソール105は湾曲プレート120と関連していてもよい。別の実施例では、湾曲プレート120は形状及び大きさが異なっていてもよい。幾つかの実施例では、湾曲プレート120は、大きな隙間を持つフレーム状形状を備えていてもよい。幾つかの場合には、湾曲プレート120は、ソール105の長さの一部に亘って長さ方向に延びていてもよい。他の場合には、湾曲プレート120は、ソール105のほぼ全長に亘って長さ方向に延びていてもよい。例示の実施例では、湾曲プレート120は、ソール105のほぼ全長に亘って延びるフレーム状形状を備えていてもよい。
【0022】
幾つかの実施例では、湾曲プレート120は、幅が実質的に一定であってもよい。他の実施例では、湾曲プレート120は、幾つかの部分が他の部分よりも広幅であってもよい。幾つかの場合には、湾曲プレート120は、フォアフット部分103のところが、アーチ部分108及びヒール部分104よりも広幅であってもよい。一実施例では、湾曲プレート120は、ヒール部分104のところで広幅になっており、アーチ部分108及びフォアフット部分103のところで狭幅になっていてもよい。
【0023】
幾つかの場合には、湾曲プレート120は、周囲部分122及びベース部分121を含む。幾つかの場合には、周囲部分122は、フレームベース部分121を含んでいてもよい。周囲部分122がベース部分121のフレームの周囲を取り囲んでいるため、大きな隙間を持つ湾曲プレート120を形成できる。この構成により、湾曲プレート120は、ソール105の重量を大幅に増大することなく、ソール105に対して構造及び支持を提供できる。
【0024】
一般的には、湾曲プレート120の周囲部分122は、ソール105の周囲ソール部分199と関連していてもよい。一実施例では、周囲部分122は、内側周囲部分126及び外側周囲部分127を含む。幾つかの場合には、内側周囲部分126は、周囲ソール部分199の内側部分106と関連していてもよい。同様に、外側周囲部分127は、周囲ソール部分199の外側部分107と関連していてもよい。周囲部分122は、更に、後周囲部分124及びフォアフット周囲部分123を含んでいてもよい。後周囲部分124は、周囲ソール部分199のヒール部分104と関連していてもよい。同様に、フォアフット周囲部分123は、ソール105のフォアフット部分103と関連していてもよい。この形体により、周囲部分122は、ベース部分121のフレームを形成する。
【0025】
幾つかの実施例では、ベース部分121は、ソール105の様々な部分と関連する部分を含んでいてもよい。一実施例では、ベース部分121は、アングル状(angled)部分130及び中央部分140を含む。幾つかの実施例では、アングル状部分130は、ソール105のフォアフット部分103と関連していてもよい。同様に、中央部分140は、ソール105のアーチ部分108及びヒール部分104と関連していてもよい。
【0026】
様々な実施例において、アングル状部分130は、様々な形状で形成されていてもよい。このような形状の例には、正方形形状、矩形形状、楕円形形状、三角形形状、規則的形状、不規則な形状、並びにこの他の種類の形状が含まれるが、これらの形状に限定されない。例示の実施例では、アングル状部分130は、湾曲した波のような形状を備えていてもよい。
【0027】
アングル状部分130は、更に、様々な大きさで形成されていてもよい。幾つかの実施例では、アングル状部分130は、比較的広幅でフォアフット部分103の大部分を覆っていてもよい。他の実施例では、アングル状部分130は、比較的狭幅であってもよい。幾つかの場合には、アングル状部分130は、ソール105の下面112から突出していてもよい。他の場合には、アングル状部分130は、地面に関して凹所をなしていてもよい。更に他の場合では、アングル状部分130は、地面に関して比較的平らであってもよい。一実施例では、アングル状部分130は、比較的狭幅であり且つ地面に関して平らであってもよい。
【0028】
アングル状部分130が比較的狭幅の形体を備えている場合には、湾曲プレート120は、アングル状部分130の両側に隙間を備えていてもよい。図3を参照すると、湾曲プレート120は、内側隙間146及び外側隙間147を含む。内側隙間146は、アングル状部分130と内側周囲部分126との間に配置される。同様に、外側隙間147は、アングル状部分130と外側周囲部分127との間に配置される。この形体を使用し、内側隙間146及び外側隙間147により湾曲プレート120の重量を低減してもよい。
【0029】
上文中に論じたように、ベース部分121は、更に、中央部分140を含む。幾つかの実施例では、中央部分140は、図3に示すように、凹状形状で形成されていてもよい。幾つかの場合には、中央部分140は、山141を含んでいてもよい。詳細には、山141は、物品100を地面に置いたとき、垂直方向で最も高い場所に配置される。
【0030】
中央部分140には、更に、湾曲プレート120の重量を低減するため、隙間が設けられていてもよい。これらの隙間は、ソール105の可撓性を向上する。幾つかの実施例では、中央部分140は、第1隙間142を含む。別の実施例では、第1隙間142は、ソール105の異なる部分と関連していてもよい。例示の実施例では、第1隙間142は、アーチ部分108と関連していてもよい。これにより、第1隙間142によってアーチ部分108の可撓性を向上できる。この構成を使用し、第1隙間142により湾曲プレート120の重量を低減してもよい。
【0031】
湾曲プレート120の構造的一体性を向上するため、ベース部分121及び周囲部分122を連結してもよい。様々な実施例では、ベース部分121及び周囲部分122を様々な方法で連結してもよい。例えば、一実施例では、ベース部分121のアングル状部分130は、フォアフット周囲部分123のところで周囲部分122に連結されていてもよい。更に、幾つかの実施例では、湾曲プレート120は、中央部分140を周囲部分122に接合する少なくとも一つのレッグ部分を含んでいてもよい。
【0032】
一般的には、湾曲プレート120は、中央部分140を周囲部分122に接合する任意の数のレッグ部分を含んでいてもよい。一実施例では、湾曲プレート120は三つのレッグ部分を含む。詳細には、湾曲プレート120は、第1レッグ部分151、第2レッグ部分152、及び第3レッグ部分153を含み、明瞭化を図る目的で、これらを集合的に複数のレッグ部分150と呼ぶ。
【0033】
複数のレッグ部分150は、中央部分140から周囲部分122まで外方に延びていてもよい。図3を参照すると、第1レッグ部分151は、第1端部分161及び第2端部分162を含んでいてもよい。幾つかの実施例では、第1端部分161は、内側周囲部分126と隣接して配置されていてもよく、第2端部分162は、中央部分140と隣接して配置されていてもよい。同様に、第2レッグ部分152は、第1端部分171及び第2端部分172を含んでいてもよい。第1端部分171は、後周囲部分124と隣接して配置されていてもよく、第2端部分172は、中央部分140と隣接して配置されていてもよい。最後に、第3レッグ部分153は、第1端部分181及び第2端部分182を含んでいてもよい。第1端部分181は、外側周囲部分127と隣接して配置されていてもよく、第2端部分182は、中央部分140と隣接して配置されていてもよい。換言すると、複数のレッグ部分150の各レッグ部分は、中央部分140から外方に延びて周囲部分122の一部と接合してもよい。
【0034】
中央部分140が凹状形状をなして形成された実施例では、複数のレッグ部分150の相対的な高さは、これらの複数のレッグ部分150が中央部分140から外方に延びるに従って減少してもよい。例えば、第1レッグ部分151の相対的な高さは、第1レッグ部分151が中央部分140から外方に延びるに従って垂直方向で減少する。換言すると、第2端部分162の垂直方向高さは、第1レッグ部分151の第1端部分161よりも高くてもよい。同様に、第2レッグ部分152及び第3レッグ部分153の相対的な高さもまた、第2レッグ部分152及び第3レッグ部分153が中央部分140から外方に延びるに従って垂直方向で減少する。
【0035】
様々な実施例において、複数のレッグ部分150のレッグ部分は、様々な形状を備えて形成されていてもよい。幾つかの実施例では、複数のレッグ部分150の各レッグ部分は、幅が一定の形状を備えていてもよい。他の実施例では、複数のレッグ部分150の各レッグ部分は、第1端部分及び/又は第2端部分のところがテーパしていてもよい。更に他の実施例では、複数のレッグ部分150の各レッグ部分は、第1端部分及び/又は第2端部分のところが広幅になっていてもよい。例示の実施例では、複数のレッグ部分150の各レッグ部分は、第1端部分及び第2端部分のところが広幅になっており且つ第1端部分と第2端部分との間に配置された中間部分が狭幅になっていてもよい。
【0036】
一実施例では、第1レッグ部分151は第1中間部分163を含む。第1中間部分163は、第1端部分161と第2端部分162との間に配置されていてもよい。更に、第1中間部分163は、第1中間部分163が第1端部分161及び第2端部分162よりも薄いようにテーパしていてもよい。同様に、第2レッグ部分152及び第3レッグ部分153は、中間部分が第1端部分及び第2端部分よりも薄いように形成されていてもよい。この形体により、複数のレッグ部分150が中央部分140から外方に周囲部分122まで延びるに従って、複数のレッグ部分150の可撓性が増大する。これにより、中央部分140が周囲部分122に関して撓むことができる。
【0037】
更に、湾曲プレート120は、複数のレッグ部分150により、ソール105に支持及び構造を提供できると同時に軽量である。詳細には、湾曲プレート120は、複数のレッグ部分150間に隙間を備えて形成されていてもよく、これにより湾曲プレート120の重量を低減できる。一実施例では、湾曲プレート120は、第2隙間143及び第3隙間144を含む。幾つかの場合には、第2隙間143は、第1レッグ部分151と第2レッグ部分152との間に配置されていてもよい。同様に、第3隙間144は、第2レッグ部分152と第3レッグ部分153との間に配置されていてもよい。この構成により、湾曲プレート120は、軽量であり、ソール105に支持及び構造を提供できる。
【0038】
履物のソールは、湾曲プレート120を受け入れるようになっている。幾つかの実施例では、ソールは、湾曲プレート120を受け入れるためのキャビティを備えていてもよい。幾つかの場合では、湾曲プレート120を受け入れるためのキャビティがソールの下面に設けられていてもよい。他の場合には、ソールの側壁部分に、湾曲プレート120を受け入れるためのキャビティが設けられていてもよい。例示の実施例では、湾曲プレート120を受け入れるためのキャビティがソールの下面及び側面部分に設けられていてもよい。
【0039】
上文中に論じたように、ソール105のヒール部分104及びアーチ部分108は、凹状の下面を持つように形成されていてもよい。この凹状の下面は、湾曲プレート120の凹状形状の中央部分140を受け入れるように形成されていてもよい。この構成を使用し、ソール105が湾曲プレート120を受け入れるとき、湾曲プレート120の中央部分140をヒール部分104及びアーチ部分108の下面112に当てることができる。
【0040】
幾つかの実施例では、フォアフット部分103にも、湾曲プレート120を受け入れるためのキャビティが設けられていてもよい。幾つかの場合には、フォアフット部分103は、湾曲プレート120のアングル状部分130を受け入れる凹所を含んでいてもよい。他の実施例では、アングル状部分130は、フォアフット部分103の実質的に平らな下面112に配置されていてもよい。この形体により、湾曲プレート120をソール105の下面112に当てて装着してもよい。
【0041】
図3及び図4を参照すると、ソール105の側壁部分115もまた、湾曲プレート120の一部を受け入れるように形成されていてもよい。幾つかの実施例では、側壁部分115は、周囲部分122を受け入れるための複数のキャビティを備えていてもよい。例えば、側壁部分115は、内側周囲部分126、外側周囲部分127、フォアフット周囲部分123、及び後周囲部分124を夫々受け入れるため、内側部分106、外側部分107、フォアフット部分103並びにヒール部分104に凹所を持つように形成されていてもよい。しかしながら、他の実施例では、周囲部分122を受け入れる側壁部分115に凹所やキャビティがなくてもよい。この形体により、周囲部分122は、ソール105が湾曲プレート120を受け入れるとき、側壁部分115の周囲に亘って延びる。
【0042】
ソール105が湾曲プレート120を受け入れた後、湾曲プレート120をソール105に固定してもよい。一般的には、これは、当該技術分野で周知の任意の方法で行ってもよい。幾つかの実施例では、湾曲プレート120は、接着剤でソール105に固定されていてもよい。他の実施例では、湾曲プレート120は、釘、タック、ボルト、及びその他の種類のファスナを含むがこれらに限定されない複数のファスナでソール105に固定されてもよい。更に別の実施例では、湾曲プレート120は、ソール105に縫い付けられてもよい。湾曲プレート120の大部分が、アウトソールが重ねて固定されている場所を除いて地面に対して開放しているため、取り付け方法は、湾曲プレート120をソール105に大きな支持なしで固定できるように選択されるのが望ましい。
【0043】
湾曲プレート120をソール105に固定した状態で、ソール105のアウトソール113を湾曲プレート120と隣接して適用してもよい。換言すると、ソール105のアウトソール113を、このアウトソール113が地面と接触するように、湾曲プレート120の上に配置してもよい。幾つかの場合では、アウトソール113は、湾曲プレート120の隙間と関連していてもよい。湾曲プレート120の上に置かれるアウトソール113の任意の部分が、フォアフット領域に位置決めされるのが望ましい。アウトソール113を湾曲プレート120と地面との間に配置するのは、湾曲プレート120を地面にぶつかることによる損傷から保護するためである。ソール105の全体形状のため、好ましい実施例では、湾曲プレート120を部分的に覆うようにアウトソール113をフォアフット領域に位置決めしてもよい。
【0044】
一般的には、アウトソール113は、湾曲プレート120の隙間の任意の組み合わせと関連していてもよい。一実施例では、アウトソール113は、内側アウトソール部分116及び外側アウトソール部分117を含んでいてもよい。幾つかの場合には、内側アウトソール部分116は、湾曲プレート120の内側隙間146と関連していてもよい。同様に、外側アウトソール部分117は湾曲プレート120の外側隙間147と関連していてもよい。この構成により、内側アウトソール部分116及び外側アウトソール部分117は、アングル状部分130の両側に配置されていてもよい。
【0045】
別の実施例では、内側アウトソール部分116及び外側アウトソール部分117は、異なる形状を持つように形成されていてもよい。幾つかの実施例では、内側アウトソール部分116及び外側アウトソール部分117は、内側隙間146及び外側隙間147とほぼ同じ形状を備えていてもよい。他の実施例では、内側アウトソール部分116及び外側アウトソール部分117は、内側隙間146及び外側隙間147と異なる形状を備えていてもよい。一実施例では、内側アウトソール部分116及び外側アウトソール部分117は、アーチ部分108内に延びない形状で形成されていてもよい。換言すると、内側アウトソール部分116及び外側アウトソール部分117は、アングル状部分130の両側でフォアフット部分103に装着されるような形状を備えていてもよい。これにより、内側隙間146及び外側隙間147の部分がアーチ部分108の下面112で見えるようにしたままにできる。
【0046】
幾つかの実施例では、内側アウトソール部分116及び外側アウトソール部分117は、ソール105のトラクション及び可撓性を増大するための手段を含んでいてもよい。幾つかの場合では、内側アウトソール部分116及び外側アウトソール部分117は、ソール105の側壁部分115に巻き付くように形成されていてもよい。これにより、側壁部分115でのソール105のトラクション性を向上できる。更に、内側アウトソール部分116及び外側アウトソール部分117は、切欠き部分118を含んでいてもよい。切欠き部分118により内側アウトソール部分116及び外側アウトソール部分117を曲げることができる。この構成により内側アウトソール部分116及び外側アウトソール部分117は、ソール105のトラクション及び可撓性を向上するための手段を備えることができる。
【0047】
上文中に論じたように、ソール105の部分が湾曲プレート120の隙間を通して見えていてもよい。図1及び図2を参照すると、ソール105のミッドソール110が湾曲プレート120の隙間を通して見えていてもよい。詳細には、アーチ部分108と隣接した第1隙間142を通してミッドソール110が見えていてもよい。幾つかの場合では、更に、フォアフット部分103及びヒール部分104の部分でミッドソール110が見えていてもよい。例えば、湾曲プレート120の複数のレッグ部分150間の第2隙間143及び第3隙間144を通してミッドソール110が見えていてもよい。更に、内側アウトソール部分116及び外側アウトソール部分117によって覆われていない内側隙間146及び外側隙間147の部分を通してミッドソール110が見えていてもよい。
【0048】
ソールには、トラクションを維持し且つソールのヒール部分を地面よりも僅かに高く持ち上げるための手段が設けられていてもよい。幾つかの実施例では、ソールは、ソールのトラクション性を向上するためのトレッド部材を含んでいてもよい。「トレッド部材」という用語は、この詳細な説明及び特許請求の範囲に亘って使用されているように、地面と係合するように形成されたソールの部分に関する。幾つかの場合には、トレッド部材は、このトレッド部材により、ソールのヒール部分が地面の上方に持ち上げられるように形成されていてもよい。
【0049】
幾つかの実施例では、ソール105は、複数のトレッド部材380と関連していてもよい。地面と係合するため、ソール105の組み立て時に、複数のトレッド部材380を湾曲プレート120の隙間を通して装着してもよい。
【0050】
様々な実施例において、複数のトレッド部材380に含まれるトレッド部材の数が異なっていてもよい。例示の実施例では、複数のトレッド部材380は、四つのトレッド部材を含む。詳細には、複数のトレッド部材380は、第1トレッド部材381、第2トレッド部材382、第3トレッド部材383、及び第4トレッド部材384を含む。
【0051】
複数のトレッド部材380を含む実施例において、これらのトレッド部材は、ソール105の様々な部分と関連していてもよい。一実施例では、複数のトレッド部材380は、ソール105のヒール部分104の周囲部分と関連していてもよい。詳細には、第1トレッド部材381及び第2トレッド部材382は、ヒール部分104の内側部分106と関連していてもよい。同様に、第3トレッド部材383及び第4トレッド部材384は、ヒール部分104の外側部分107と関連していてもよい。この構成により、複数のトレッド部材380は、ヒール部分104のトラクションを向上できる。
【0052】
様々な実施例において、複数のトレッド部材380は、正方形形状、矩形形状、楕円形形状、三角形形状、規則的形状、不規則な形状、並びにこの他の種類の形状を含むがこれらに限定されない様々な形状で形成されていてもよい。幾つかの実施例では、複数のトレッド部材380は、全体に矩形形状で形成されていてもよい。幾つかの場合には、トレッド部材の長さは、幅よりも大きい。更に、複数のトレッド部材380は、ヒール部分104を地面よりも上に持ち上げるのに十分な高さで形成されていてもよい。一実施例では、トレッド部材は、地面と対面する端部分が僅かにテーパしていてもよい。この形体は、トラクションをソール105に加えるのを補助する。この構成により、複数のトレッド部材380は、トラクションを提供できるとともに、ヒール部分104を地面の僅かに上に持ち上げる。
【0053】
幾つかの実施例では、複数のトレッド部材380は離間されていてもよい。換言すると、複数のトレッド部材380は、トレッド部材間に隙間を置いて配置されていてもよい。一実施例では、第1トレッド部材381は第2トレッド部材382から第1トレッド部材隙間391によって離間されていてもよい。同様に、第2トレッド部材382は第3トレッド部材383から第2トレッド部材隙間392によって離間されていてもよい。更に、第3トレッド部材383は、第4トレッド部材384から第3トレッド部材隙間393によって離間されていてもよい。
【0054】
湾曲プレート120がソール105と関連しているため、複数のトレッド部材380は、湾曲プレート120の隙間内に装着されていてもよい。図3を参照すると、第1トレッド部材381は、内側隙間146の一部内に装着されていてもよい。第2トレッド部材382は、第2隙間143内に装着されていてもよい。更に、第3トレッド部材383は第3隙間144内に装着されていてもよい。最後に、第4トレッド部材384は外側隙間147の一部と関連していてもよい。
【0055】
更に、複数のトレッド部材380が湾曲プレート120を通して挿入されるため、複数のレッグ部分150は、複数のトレッド部材380間の隙間を通って延びる。図1、図2、及び図3を参照すると、複数のレッグ部分150は、複数のトレッド部材380間の隙間を通って周囲部分122まで延びている。幾つかの場合では、複数のレッグ部分150の第1端部分は、複数のトレッド部材380間の隙間と隣接して配置されていてもよい。例えば、第1レッグ部分151の第1端部分161は、第1トレッド部材隙間391と隣接して配置されていてもよい。同様に、第2レッグ部分152の第1端部分171は、第2トレッド部材隙間392と隣接して配置されていてもよい。同様に、第3レッグ部分153の第1端部分181は、第3トレッド部材隙間393と隣接して配置されていてもよい。この構成により、中央部分140と周囲部分122との間の連結の構造的一体性を強化できる。これは、複数のレッグ部分150が複数のトレッド部材380間の隙間を通って延びるためである。トレッド部材380は、互いに間隔が隔てられていてもよいということに着目されたい。湾曲プレート120は、トレッド部材380間に位置決めされ、トレッド部材間の領域で地面に対して開放するように設計されていてもよい。トレッド部材380は、湾曲プレート120の縁部と重ならないように設計されていてもよい。
【0056】
幾つかの実施例では、複数のトレッド部材380は、中央部分140及び周囲部分122の構造的一体性を強化するための追加の手段を備えていてもよい。一実施例では、複数のトレッド部材380は、支持リブ250を含んでいてもよい。これらの支持リブ250は、複数のトレッド部材380からミッドソール110に亘り、中央部分140まで延びていてもよい。
【0057】
様々な実施例において、支持リブ250は様々な形状で形成されていてもよい。一実施例では、支持リブ250は、複数のトレッド部材380から中央部分140まで延びるブレード状部分を含んでいてもよい。幾つかの実施例では、中央部分140は、支持リブ250と対応する同様のブレード状突出部を備えて形成されていてもよい。この構成を使用することにより、支持リブ250は、湾曲プレート120の構造的安定性を向上できる。
【0058】
物品は、ソールのヒール部分に支持及びレジリエンスを提供するヒールクッションシステムを含んでいてもよい。幾つかの実施例では、ヒールクッションシステムは、ソール、湾曲プレート、及び複数のトレッド部材を含んでいてもよい。幾つかの場合には、複数のトレッド部材は、ソールのヒール部分を地面の上に持ち上げてもよい。ヒール部分が地面の上に懸架された状態で、湾曲プレートはヒール部分を支持できると同時にソールに可撓性を提供する。詳細には、湾曲プレートは、ソールに力が加わったとき、変形できる。この構成により、ヒールクッションシステムは、ソールのヒール部分に支持及びレジリエンスを提供できる。
【0059】
一実施例では、履物100の様々な構成要素がヒールクッションシステム400を含んでいてもよい。図4及び図5を参照すると、ヒールクッションシステム400は、ソール105、湾曲プレート120、及び複数のトレッド部材380を含む。上文中に論じたように、複数のトレッド部材380は、ソール105の下面112と地面との間の距離を増大できる。例えば、図4は、ヒール部分104の下面112を地面の上に持ち上げる第3トレッド部材383及び第4トレッド部材384の一実施例を示す。図5の断面図は、ヒール部分104の下面112を地面の上に持ち上げる第1トレッド部材381及び第4トレッド部材384の一実施例を示す。複数のトレッド部材380のうちの残りのトレッド部材は、ヒール部分104を地面の上方に持ち上げるように形成されていてもよいということは理解されるべきである。この形体により、湾曲プレート120の中央部分140は、複数のトレッド部材380によって地面の上に懸架されていてもよい。
【0060】
中央部分140が地面の上に懸架された状態で、湾曲プレート120は、力がソール105の上面に加えられたときに撓むように形成されていてもよい。幾つかの実施例では、湾曲プレート120は屈撓性を備えていてもよく、これらの屈撓性により、中央部分140はばねのような挙動を示すことができる。
【0061】
様々な実施例において、山141は、ソール外面から垂直方向に様々な距離まで延びている。「ソール外面」という用語は、この詳細な説明及び特許請求の範囲に亘って使用されているように、地面と係合するように形成された表面に関する。幾つかの場合では、ソール外面は、ミッドソール又はアウトソールの外面と対応する。他の場合では、ソール外面は一つ又はそれ以上の滑り止め部材又はトレッド部材の外面と対応してもよい。
【0062】
幾つかの実施例では、山141はソール外面450から0.10インチ乃至2インチ(2.54mm乃至50.8mm)の範囲の値だけ持ち上がっていてもよい。例示の実施例では、山141はソール外面450から約1インチ(約25.4mm)の値だけ持ち上がっていてもよい。換言すると、山141は、ソール105を地面に置いたとき、地面の上方に約1インチ(約25.4mm)だけ持ち上がっていてもよい。
【0063】
図6を参照すると、中央部分140は、湾曲プレート120が非屈撓状態にあるとき、実質的に凹状形状をなして形成されていてもよい。「非屈撓状態」という用語は、この詳細な説明及び特許請求の範囲に亘って使用されているように、中央部分140に応力が加わっていない状態に関する。更に、山141は、湾曲プレート120が非屈撓状態にあるとき、上方に延びていてもよい。中央部分140が実質的に凹状形状をなして配置されているため、複数のレッグ部分150もまた上方に延びていてもよい。これは、複数のレッグ部分150が中央部分140に接合されているためである。詳細には、複数のレッグ部分150は、中央部分140が自由に浮動しないように中央部分140を固定してもよい。中央部分140がヒール部分104のほぼ全体に亘って延びているのでなく、複数のレッグ部分150によって固定されているため、中央部分140は、力が加わった場合に非常に容易に撓むことができる。
【0064】
ソール105の上面に力が加わったとき、中央部分140は、図7に示すように、屈撓状態まで下方に撓んでもよい。「屈撓状態」という用語は、この詳細な説明及び特許請求の範囲に亘って使用されているように、中央部分140が全体に垂直に変形された状態に関する。中央部分140が下方に撓むとき、山141が平らになる。明瞭化を図る目的で、図7は、中央部分140の位置の一実施例を非屈撓状態で示す。
【0065】
幾つかの実施例では、複数のレッグ部分150は、力が加わった場合の湾曲プレート120の撓みを容易にする。これは、力が加わったときに複数のレッグ部分150が下方に撓むことにより達成できる。幾つかの場合では、複数のレッグ部分150の薄い中間部分が下方に撓み、中央部分140の撓みを容易にする。
【0066】
力を取り除いたとき、湾曲プレート120は、弾性により非屈撓状態を回復する。換言すると、中央部分140は、力が取り除かれたとき、実質的に凹状形状を回復する。更に、中央部分140が実質的に凹状形状に戻るとき、複数のレッグ部分150は上方に移動する。この構成を使用し、ヒールクッションシステム400は、ソール105のヒール部分104に支持及びレジリエンスを提供できる。
【0067】
異なる実施例では、ヒールクッションシステム400の部分は、ヒールクッションシステム400の変形特性を変化できるように、様々な相対的な剛性を持つように形成されていてもよい。例えば、一実施例では、ソール105は湾曲プレート120よりも剛性であってもよい。しかしながら、別の実施例では、湾曲プレート120がソール105よりも剛性であってもよい。更に別の実施例では、湾曲プレート120及びソール105の剛性が実質的に同じであってもよい。
【0068】
更に、幾つかの場合では、トレッド部材380がソール105及び湾曲プレート120の両方よりも剛性であってもよい。この構成により、物品に力が加えられたとき、トレッド部材380が圧縮されないようにするのを補助する。ヒールクッションシステム400の部分の相対的な剛性を変えることによって、ヒールクッションシステム400の屈撓性を精密に調節できる。
【0069】
一般的には、ヒールクッションシステム400の各構成要素は、任意の材料で形成されていてもよい。例えば、ヒールクッションシステム400の構成要素は、エラストマー、シロキサン、天然ゴム、他の合成ゴム、アルミニウム、鋼、天然皮革、合成皮革、又はプラスチックを含むがこれらの材料に限定されない任意の適当な材料から形成されていてもよい。
【0070】
物品100のアッパー102は、任意の適当な材料で形成されていてもよい。アッパー102についての適当な材料の例には、ナイロン、天然皮革、合成皮革、天然ゴム、又は合成ゴムが含まれるがこれらの材料に限定されない。更に、アッパー102は、任意の適当な編製材料、織製材料、又は不織材料で形成されていてもよい。
【0071】
図8乃至図11は、ヒールクッションシステム400の例示の実施例を例示する。図8及び図9は、ヒールクッションシステム400の例示の実施例を側方から見た斜視図であり、図10及び図11は、ヒールクッションシステム400の例示の実施例を前方から見た斜視図である。明瞭化を図る目的で、ソール105は、図8乃至図11において仮想線で示してある。更に、物品100は、例示の目的でこれらの図には示してない。
【0072】
図8及び図10を参照すると、湾曲プレート120は、非屈撓状態で配置されている。幾つかの実施例では、湾曲プレート120は、力がソール105の上面114に加えられていないとき、非屈撓状態に置かれる。例えば、幾つかの場合において、湾曲プレート120は、物品100の着用者(例示の目的で図示していない)が直立している場合、非屈撓状態に置かれる。
【0073】
上文中に論じたように、中央部分140は、湾曲プレート120が非屈撓状態にあるとき、実質的に凹状形状をなしている。この形体では、山141は上方に延びている。これは、湾曲プレート120が非屈撓状態にあるためである。更に、湾曲プレート120が非屈撓状態にあるとき、複数のレッグ部分150は、これらの複数のレッグ部分150が中央部分140から外方に延びるにつれて実質的に下方に延びている。
【0074】
運動選手が運動を行うと、力が履物のソールに加わる。例えば、幾つかの場合では、運動選手がウォーキング中又はランニング中に強く踏み出すとき、履物のソールに下方への力が加わる。屈撓手段が設けられていない場合には、ソールには、下方への力により大きな衝撃が加わる。これとは対照的に、ヒールクッションシステムは、ソールに対して屈撓性を提供する。ヒールクッションシステムにより、ソールは、ソールに加わった力による衝撃を受け入れてこれを小さくするように撓むことができる。下方への力は、地面に対して垂直な力ではないということに着目されたい。ソールエレメントのフットストライク(着地の衝撃力を受け、推進力を保つこと)に応じて、加えられた力は、地面に対して様々な角度をなす。
【0075】
図9及び図11を参照すると、ソール105の上面114に下方への力が加わっている。下方への力が上面114に加わったとき、複数のトレッド部材380は、これらの複数のトレッド部材380の剛性により、圧縮されない。これにより、ヒール部分104の下面112は、力が上面114に加わるとき、地面の上方に懸架されたままである。しかしながら、ミッドソール110は、上面114に加わった下方への力に応じて変形する。
【0076】
ミッドソール110が変形すると、湾曲プレート120は屈撓状態となる。屈撓状態では、湾曲プレート120の中央部分140は、下方に撓む。詳細には、山141は、湾曲プレート120が屈撓状態にある場合には、圧縮され、平らになる。この形体では、湾曲プレート120は、撓むことにより、上面114に加えられた力の幾分かを吸収できる。
【0077】
幾つかの場合では、ソール105に下方への力が加わるとき、複数のレッグ部分150が実質的に垂直方向に撓んでもよい。例えば、図10及び図11を参照すると、湾曲プレート120が力の作用で撓むとき、第1レッグ部分151の第1端部分161と第2端部分162との間の垂直方向距離が大幅に減少する。同様に、湾曲プレート120が撓むとき、第3レッグ部分153の第1端部分181と第2端部分182との間の垂直方向距離が大幅に減少する。第2レッグ部分152の端部分間の垂直方向距離もまた同様に減少するということは理解されるべきである。この構成により、複数のレッグ部分150のうちの各レッグ部分が実質的に垂直に撓み、湾曲プレート120の屈撓を容易にする。幾つかの場合では、複数のレッグ部分150の各々が圧縮ばねのような挙動を示し、中央部分140が垂直方向下方に撓むことができるようにし、更に垂直方向上方への復元力を提供する。
【0078】
下方への力が取り除かれたとき、中央部分140は、図8及び図10に示す非屈撓状態を回復する。詳細には、中央部分140の山141が垂直方向上方に延びる状態を復元する。更に、複数のレッグ部分150は、垂直方向に更に大きく延びていてもよい。ヒールクッションシステム400は、この構成を使用し、ヒール部分104に復元力を提供してもよい。
【0079】
上文中に論じたように、ヒールクッションシステム400の剛性を変えることにより、ヒールクッションシステムの変形特性を変化してもよい。例えば、幾つかの場合では、ミッドソールはかなり圧縮性の材料で形成されていてもよい。圧縮性材料で形成されている場合、ミッドソールは、力がソールの上面に加えられたとき、大きく圧縮できる。幾つかの場合では、ミッドソールが大きく圧縮することにより、複数のレッグ部分を複数のトレッド部材間の隙間を通して下方に押すように湾曲プレートを撓ませることができる。
【0080】
図12及び図13を参照すると、ソール105のミッドソール110は、圧縮性材料で形成されていてもよい。図12は、応力が加わっていない状態のソール105の例示の実施例を示す。力が加わっていないため、ミッドソール110は圧縮されておらず、湾曲プレート120は非屈撓状態にある。
【0081】
図13を参照すると、ソール105の上面114に下方への力が加えられている。圧縮性材料で形成されているため、ミッドソール110は、下方への力が加えられると大きく圧縮する。しかしながら、複数のトレッド部材380により剛性を保持し、ヒール部分104の下面112を地面の上に懸架し続ける。この形体により、湾曲プレート120は、力が上面114に加えられるのに応じて屈撓状態に移動する。
【0082】
幾つかの場合では、複数のトレッド部材380間の隙間を通して複数のレッグ部分150が下方に押されるように、湾曲プレート120が撓んでもよい。例えば、第3レッグ部分153の第1端部分181は、第3トレッド部材383と第4トレッド部材384との間の第3トレッド部材隙間393を通して下方に押されてもよい。複数のレッグ部分150の残りのレッグ部分もまた、複数のトレッド部材380間の隙間を通して下方に押されてもよい。隙間のこの構成により、湾曲プレート120は、力を吸収するために大きく撓むことができる。隙間のこの構成により、湾曲プレート120は、ミッドソール110の圧縮を吸収する屈撓状態に形成されてもよい。
【0083】
上文中に説明した実施例は、ソールのほぼ全体に亘って延びるように形成された湾曲プレートを含むけれども、湾曲プレートの幾つかの部分しか含まない他の実施例も可能である。換言すると、幾つかの場合では、湾曲プレートは、ソールのフォアフット部分と関連したアングル状部分を備えていなくてもよい。その代わり、湾曲プレートは、ソールのヒール部分及び/又はアーチ部分のみに亘って配置されていてもよい。この他の実施例では、湾曲プレートの中央部分は、それでも、物品のヒールのクッションを助長する。
【0084】
図14は、履物1400の例示の実施例の分解斜視図である。一実施例では、物品1400とも呼ぶ履物1400の様々な構成要素は、ヒールクッションシステム1500を含む。幾つかの場合では、ヒールクッションシステム1500は、ソール1405、湾曲プレート1420、及び複数のトレッド部材1480を含む。湾曲プレートがソールのフォアフット部分内に延びる上述の実施例とは対照的に、湾曲プレート1420は、ソール1405のアーチ部分1408及びヒール部分1404のみと関連している。
【0085】
幾つかの実施例では、湾曲プレート1420は、中央部分1440及び周囲部分1422を含む。幾つかの場合では、中央部分1440はほぼ菱形形状で形成されていてもよい。更に、周囲部分1422を中央部分1440の外側に、中央部分1440を実質的に取り囲むように配置してもよい。
【0086】
中央部分1440は、湾曲プレート1420の重量を低減するための隙間を備えていてもよい。幾つかの実施例では、中央部分1440は、一つ又はそれ以上の隙間を含んでいてもよい。例えば、例示の実施例では、中央部分1440は複数の隙間1441を含んでいてもよい。
【0087】
様々な実施例において、複数の隙間1441は、設けられた隙間の数が異なっていてもよく、隙間は様々な大きさ及び形状で形成されていてもよい。このような形状には、正方形形状、矩形形状、楕円形形状、三角形形状、規則的形状、不規則な形状、並びにこの他の種類の形状が含まれるが、これらの形状に限定されない。一実施例では、複数の隙間1441は、約5個の隙間を含んでいてもよい。幾つかの場合では、複数の隙間1441は、三角形形状で形成されていてもよい。この形体により中央部分1440の可撓性を高め、及び従って中央部分1440の屈撓性を向上する。
【0088】
湾曲プレート1420の構造的一体性を高めるため、図14及び図15に示すように、中央部分1440は、複数のレッグ部分1450によって周囲部分1422に連結されていてもよい。一般的には、任意の数のレッグ部分が湾曲プレートの中央部分を周囲部分に連結していてもよい。一実施例では、複数のレッグ部分1450は、第1レッグ部分1451、第2レッグ部分1452、及び第3レッグ部分1453を含んでいてもよい。幾つかの場合では、第1レッグ部分1451は、中央部分1440から周囲部分1422の内側周囲部分1426まで延びていてもよい。同様に、第2レッグ部分1452は、中央部分1440から周囲部分1422の後周囲部分1424まで延びていてもよい。同様に、第3レッグ部分1453は、中央部分1440から周囲部分1422の外側周囲部分1427まで延びていてもよい。この形体を使用し、複数のレッグ部分1450が中央部分1440を周囲部分1422に固定してもよい。
【0089】
幾つかの実施例では、湾曲プレートは、湾曲プレートの構造的安定性を向上するための追加の手段を備えていてもよい。例えば、湾曲プレートは、湾曲プレートの構造的安定性を向上するための突出部分を備えていてもよい。例示の実施例では、湾曲プレート1420は突出部分1430を含む。
【0090】
突出部分1430は、第2レッグ部分1452から外方に延びている。幾つかの場合には、突出部分1430は、第2レッグ部分1452から外方に延びる四つの突出部分を含む。しかしながら、他の場合では、湾曲プレートは、湾曲プレートの構造的安定性を強化するため、これよりも多数の又は少数の突出部分を含んでいてもよい。第2レッグ部分1452から外方に延びることによって、突出部分1430は、第2レッグ部分1452の安定性を向上できる。これは、第2レッグ部分1452が中央部分1440及び周囲部分1422に接合するためである。湾曲プレート1420の構造的安定性を強化することにより、湾曲プレート1420は、ソール1405に支持及び構造を提供できる。
【0091】
一般的には、ソール1405は、アウトソール、ミッドソール、及び/又はインソールを含むがこれらに限定されない様々な構成要素を含む。図14を参照すると、ソール1405は、アウトソール1413及びミッドソール1410を含む。例示の実施例では、ミッドソール1410のヒール部分1404及びアーチ部分1408は、地面に関して凹状の下面を持つように形成されている。
【0092】
更に、ソール1405は、湾曲プレート1420を受け入れるための手段を含んでいてもよい。幾つかの実施例では、ソール1405は、湾曲プレート1420を受け入れるためのキャビティを備えて形成されていてもよい。他の実施例では、ソール1405は、湾曲プレート1420の部分と係合する突出部分を含んでいてもよい。例示の実施例では、ソール1405は、湾曲プレート1420を受け入れてこれと係合するためのキャビティ及び突出部分の両方を含んでいてもよい。
【0093】
例示の実施例では、ソール1405の下面には、第1キャビティ1491を含んでいてもよい。第1キャビティ1491は、ソール1405のアーチ部分1408及びヒール部分1404と隣接して配置されていてもよい。下面1412は、アーチ部分1408及びヒール部分1404のところに全体に凹状の輪郭を含むが、第1キャビティ1491は更に、下面1412に関して凹所をなしていてもよい。幾つかの実施例では、第1キャビティ1491は、中央部分1440及び複数のレッグ部分1450とほぼ対応する形状を備えていてもよい。これにより、第1キャビティ1491は、中央部分1440及び複数のレッグ部分1450が下面1412とほぼ面位置であるように、湾曲プレート1420を受け入れることができる。しかしながら、他の実施例では、下面1412は、湾曲プレート1420の部分を受け入れるように形成された一つ以上のキャビティを含んでいてもよい。
【0094】
ミッドソール1410の側壁部分1415は、湾曲プレート1420の一部を受け入れるキャビティを含んでいてもよい。例示の実施例では、側壁部分1415は、第2キャビティ1492を含む。第2キャビティ1492は、側壁部分1415の一部の周囲に延びていてもよい。これにより、第2キャビティ1492は、湾曲プレート1420の周囲部分1422の一部を受け入れることができる。幾つかの場合には、第2キャビティ1492は、周囲部分1422が側壁部分1415と実質的に面一であるように、周囲部分1422を受け入れてもよい。更に周囲部分1422の部分は、下面1412によって受け入れられてもよい。例えば、下面1412に配置された第3キャビティ1493及び第4キャビティ1494が周囲部分1422の端部分を受け入れてもよい。
【0095】
湾曲プレート1420と係合するため、下面1412には、更に、複数の突出部分1495が設けられていてもよい。幾つかの実施例では、複数の突出部分1495がヒール部分1404及びアーチ部分1408と隣接して配置されていてもよい。一実施例では、複数の突出部分1495は、複数の隙間1441と係合するように形成されていてもよい。換言すると、中央部分1440が下面1412と向き合うため、複数の突出部分1495が複数の隙間1441に嵌着してもよい。
【0096】
上文中に論じたように、ソール1405は、ソール1405のヒール部分1404を地面の僅かに上に持ち上げることができる複数のトレッド部材1480を含んでいてもよい。幾つかの実施例では、これらの複数のトレッド部材1480は、周囲ソール部分1499に配置されていてもよい。この形体は、ヒール部分1404を地面の上に持ち上げるばかりでなく、ソール1405にトラクションを提供する。トレッド部材1480は、互いから間隔が隔てられていてもよいということに着目されたい。湾曲プレート1420は、トレッド部材1480間に位置決めされ、トレッド部材間の領域で地面に対して開放していてもよい。トレッド部材1480は、湾曲プレート1420の縁部と重ならないように設計されていてもよい。
【0097】
一実施例では、複数のトレッド部材1480は、第1トレッド部材1481及び第2トレッド部材1482を含む。第1トレッド部材1481及び第2トレッド部材1482は、ソール1405の内側部分1406及び外側部分1407の夫々に配置されていてもよい。幾つかの場合では、第1トレッド部材1481及び第2トレッド部材1482は、トレッド部材隙間1483によって離間されていてもよい。更に、第1トレッド部材1481及び第2トレッド部材1482は、湾曲プレート1420の部分と係合するキャビティを持つように形成されていてもよい。例えば、第1トレッド部材1481及び第2トレッド部材1482は、湾曲プレート1420の突出部分1430を受け入れることができるキャビティを含んでいてもよい。
【0098】
ソール1405が湾曲プレート1420を受け入れるとき、複数のトレッド部材1480を湾曲プレート1420の隙間に嵌着してもよい。一実施例では、第1トレッド部材1481を、湾曲プレート1420の内側隙間1446に嵌着していてもよい。同様に、第2トレッド部材1482を、湾曲プレート1420の外側隙間1447に嵌着していてもよい。更に、第2レッグ部分1452を、トレッド部材隙間1483に嵌着してもよい。複数のトレッド部材1480が湾曲プレート1420の隙間を通して挿入された状態で、これらの複数のトレッド部材1480は、ソール1405が地面と接触したとき、地面の上方に湾曲プレート1420の中央部分1440を懸架してもよい。この形体を使用し、ヒールクッションシステム1500を組み立ててソール1405のヒール部分1404に対して支持及びレジリエンスを提供してもよい。
【0099】
ヒールクッションシステム1500が組み立てられた状態で、アウトソール1413を湾曲プレート1420と隣接して適用してもよい。ソール1405のトラクション性を向上するため、アウトソール1413は、ミッドソール1410及び湾曲プレート1420の部分に被さっていてもよい。例えば、アウトソール1413は、ソール1405のフォアフット部分1403及び複数のトレッド部材1480の部分を覆っていてもよい。更に、アウトソール1413の内側アウトソール部分1416及び外側アウトソール部分1417が、周囲部分1422の部分を覆っていてもよい。
【0100】
図15及び図16を参照すると、複数のレッグ部分1450が中央部分1440から外方に延びている。幾つかの場合では、レッグ部分の第1端部分及び第2端部分は、ほぼ同じ垂直方向平面内にあってもよい。例えば、周囲部分1422と隣接して配置された第1レッグ部分1451の第1端部分1561は、中央部分1440と隣接して配置された第1レッグ部分1451の第2端部分1562と垂直方向高さがほぼ同じであってもよい。幾つかの実施例では第2レッグ部分1452及び第3レッグ部分1453は、第1端部分1561及び第2端部分1562と同様に、ほぼ同じ垂直方向高さで形成されていてもよい。
【0101】
複数のレッグ部分1450は、中央部分1440に接合するため、上方に延びていないが、複数のレッグ部分1450は、中央部分1440が自由に浮動しないように中央部分1440を固定し続ける。これにより、ソール1405の上面に力が加わったとき、中央部分1440は容易に撓むことができる。ソール1405は、明瞭化を図る目的で、ここには図示していない。幾つかの場合では、複数のレッグ部分1450が下方に撓むことにより、中央部分1440の屈撓を容易にする。
【0102】
図16を参照すると、湾曲プレート1420が非屈撓状態にあるとき、中央部分1440は実質的に凹状形状をなしていてる。詳細には、中央部分1440は、外縁部分1642から山1641まで上方に延びていてもよい。この形体により、図14に示すようにソール1405を地面に置いたとき、山1641を地面の上方に持ち上げることができる。
【0103】
一般的には、山1641は、ソール外面から、0.10インチ乃至2インチ(2.54mm乃至50.8mm)の範囲の様々な距離だけ持ち上がっていてもよい。一実施例では、山1641は、非屈撓状態において、ソール外面から約1インチ(約25.4mm)だけ持ち上がっていてもよい。この形体により、湾曲プレート1420の中央部分1440は、物品のヒールのクッション性を高める。
【0104】
図17は、ソール1405の上面に力が下方に加えられた場合の湾曲プレート1420の例示の実施例を前方から見た斜視図である。明瞭化を図る目的で、ソール1405及び物品1400は図17には示してない。しかしながら、湾曲プレート1420の中央部分1440は、図14に関して論じたように、複数のトレッド部材1480によって地面の上に懸架されているということに着目されるべきである。
【0105】
下方への力が加わったとき、湾曲プレート1420が撓み、ソールの上面に加わった力の幾分かを吸収してもよい。詳細には、中央部分1440はばねのような挙動を示し、屈撓状態で下方に撓む。屈撓状態では、山1641は圧縮されており、平らになっている。幾つかの場合では、下方への力が加わったとき、複数のレッグ部分1450もまた下方に大きく撓む。換言すると、複数のレッグ部分1450は、中央部分1440を垂直方向下方に撓ませることができる圧縮ばねのように作用してもよい。複数のレッグ部分1450のこの形体は、下方への力が取り除かれたとき、更に、垂直方向上方への復元力を提供してもよい。この形体により、ヒールクッションシステム1500の湾曲プレート1420は、図14に示すように、ソール1405のヒール部分1404に支持及びレジリエンスを提供できる。
【0106】
本発明の様々な実施例を説明したが、以上の説明は例示であって、限定を意図したものではなく、本発明の範囲内でこの他の多くの実施例が可能であるということは当業者には明らかであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその等価物のみによって制限される。更に、添付の特許請求の範囲内で様々な変形及び変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0107】
100 履物
102 アッパー
103 フォアフット部分
104 ヒール部分
105 ソール
106 内側部分
107 外側部分
108 アーチ部分
110 ミッドソール
112 下面
113 アウトソール



【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物において、
フォアフット部分、アーチ部分、及び凹状の下面を持つヒール部分を含むソールと、
前記ソールの上面に力が加わったときに撓むように形成された湾曲プレートとを含み、
前記湾曲プレートは、前記ソールの前記凹状の下面に面する中央部分と、前記中央部分の外方に配置された周囲部分とを含み、
前記湾曲プレートは、更に、前記中央部分から前記周囲部分まで延びる少なくとも一つのレッグ部分を含み、
前記中央部分は、踵によって加えられた所定の力の作用で変形するように形成されている、履物。

【請求項2】
請求項1に記載の履物において、
前記湾曲プレートは、前記ソールよりも剛性である、履物。

【請求項3】
請求項1に記載の履物において、
前記ソールは、少なくとも一つのトレッド部材と関連している、履物。

【請求項4】
請求項1に記載の履物において、
前記凹状の下面及び前記プレートの前記中央部分は、前記ヒール部分にキャビティを形成する、履物。

【請求項5】
請求項1に記載の履物において、
前記湾曲プレートは、前記ソールの内側部分、外側部分、及び後部分と関連した第1レッグ部分、第2レッグ部分、及び第3レッグ部分を含む、履物。

【請求項6】
請求項1に記載の履物において、
前記湾曲プレートは、前記ソールのアーチ部分及びフォアフット部分を通って延びる、履物。

【請求項7】
履物において、
フォアフット部分、アーチ部分、及びヒール部分を含むソールと、
前記ソールの上面に力が加わったときに撓むように形成された湾曲プレートとを含み、
前記湾曲プレートは、更に、前記中央部分から遠ざかる方向に延びる少なくとも一つのレッグ部分を含み、更に、
前記ソールの周囲ソール部分に配置された、隙間によって間隔が隔てられた第1トレッド部材及び第2トレッド部材を含み、
前記少なくとも一つのレッグ部分の端部分が前記隙間と隣接して配置されている、履物。

【請求項8】
請求項7に記載の履物において、
前記ソールは、前記ヒール部分を地面に関して持ち上げるように形成された四つのトレッド部材を含む、履物。

【請求項9】
請求項7に記載の履物において、
前記少なくとも一つのレッグ部分は、前記ソールよりも剛性である、履物。

【請求項10】
請求項7に記載の履物において、
前記少なくとも一つのレッグ部分は、前記湾曲プレートよりも剛性である、履物。

【請求項11】
請求項7に記載の履物において、
前記ソールが圧縮されたとき、前記少なくとも一つのレッグ部分の一部を前記第1トレッド部材と前記第2トレッド部材との間に挿入できる、履物。

【請求項12】
請求項7に記載の履物において、
前記湾曲プレートは、前記中央部分の外側に配置された周囲部分を含み、前記周囲部分は、前記中央部分を部分的に取り囲む、履物。

【請求項13】
請求項12に記載の履物において、
前記少なくとも一つのレッグ部分は、前記隙間と隣接して前記周囲部分に連結されている、履物。

【請求項14】
履物において、
フォアフット部分、アーチ部分、及びヒール部分を含むソールを含み、
前記ソールは、前記ソールの長さと関連した長さ方向を含み、
前記ソールは、前記ソールの幅と関連した横方向を含み、前記横方向は、前記長さ方向に対してほぼ垂直であり、
前記ソールは、前記長さ方向及び前記横方向に対してほぼ垂直な垂直方向を含み、
前記湾曲プレートは、中央部分及びこの中央部分から外方に延びる少なくとも一つのレッグ部分を含み、
前記少なくとも一つのレッグ部分は、前記ソールの周囲ソール部分と隣接して配置された第1端部分と、前記中央部分と隣接して配置された第2端部分とを含み、
前記湾曲プレートの前記中央部分に所定の力が加えられたとき、前記垂直方向に沿った前記第1端部分と前記第2端部分との間の距離が大幅に減少する、履物。

【請求項15】
請求項14に記載の履物において、
前記湾曲プレートは、前記中央部分の外方に配置された周囲部分を含み、前記少なくとも一つのレッグ部分は、前記周囲部分を前記中央部分に連結する、履物。

【請求項16】
請求項14に記載の履物において、
前記湾曲プレートに前記所定の力が加えられたとき、前記第1端部分と地面との間の距離は実質的に一定のままである、履物。

【請求項17】
請求項14に記載の履物において、
前記中央部分は、前記所定の力が取り除かれたとき、前記ソールに復元力を提供するように形成されている、履物。

【請求項18】
請求項14に記載の履物において、
前記ソールは、第1トレッド部材及び第2トレッド部材を含み、前記第1トレッド部材及び前記第2トレッド部材は隙間によって間隔が隔てられており、前記第1端部分は前記隙間と隣接して配置されている、履物。

【請求項19】
請求項14に記載の履物において、
前記ソールは、凹状の下面を有し、前記中央部分は前記凹状の下面に面する、履物。

【請求項20】
請求項14に記載の履物において、
前記中央部分は隙間を含む、履物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2012−517292(P2012−517292A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549227(P2011−549227)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/023004
【国際公開番号】WO2010/091058
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)
【Fターム(参考)】