説明

ビフェニルスルフィド化合物の製造方法

【課題】農園芸分野で有害となる種々の昆虫及び/又はダニ類に高い活性を有し、特に柑橘類の重要害虫であるミカンハダニに対しても優れた殺ダニ活性を有するビフェニルスルフィド化合物の製造方法、及びその製造中間体を提供する。
【解決手段】下記一般式[II](式中、Xは−B(OH)、ハロゲン原子等を表す)で表されるフェニルスルフィド化合物。及び、該フェニルスルフィド化合物を製造中間体として使用する、下記一般式[I](nは0又は1を、Xは水素原子又はハロゲン原子を、Xはハロゲン原子を、Xはハロゲン原子、ジフルオロメチル基又はジフルオロメトキシ基、Xは水素原子、ハロゲン原子を示しを示す。)で表されるビフェニルスルフィド化合物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規なビフェニルスルフィド化合物の製造方法及びそれを製造するための製造中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
農園芸分野では、各種害虫の防除を目的とした様々な殺虫・殺ダニ剤が開発され使用されている。しかしながら、従来から使用されてきた農園芸用殺虫・殺ダニ剤は、殺虫・殺ダニ効果、殺虫・殺ダニスペクトラム、残効性等の点において必ずしも満足すべきものではない。また、施用回数や施用薬量の低減等の要求を満足しているとはいえないものであった。
【0003】
近年、従来から使用されてきた殺虫・殺ダニ剤に対して抵抗性を獲得した害虫の出現も問題となっており、これらの抵抗性害虫に起因する各種病害虫の防除が年々困難になっている。
【0004】
そこで、従来から使用されてきた農園芸用殺虫・殺ダニ剤に抵抗性を獲得した各種害虫に対しても低薬量で十分な防除効果を示し、スペクトラムが広く、しかも環境への影響が少ない新規な殺虫・殺ダニ剤の開発が切望されている。
一方、既知の殺虫・殺ダニ剤として、3−アリールフェニルスルフィド誘導体が知られている(特許文献1)。特許文献1に記載の化合物群はナミハダニに対して高い効果を示すものの、柑橘類の重要な害虫であるミカンハダニに対する活性は必ずしも十分なものではない。
【0005】
【特許文献1】特開2000−198768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、特許文献1の殺虫・殺ダニ剤が有していた前記の如き問題を解決し、農園芸分野で有害となる種々の昆虫及び/又はダニ類に高い活性を有し、特に柑橘類の重要害虫であるミカンハダニに対しても優れた殺ダニ活性を有する化合物の製造法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記した好ましい特性を有する殺虫・殺ダニ剤を開発するために、特許文献1には記載のない、ビフェニルスルフィド化合物を種々合成し、その殺虫・殺ダニ活性について検討を重ねた。その結果、(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチルスルフィドにおいて、フェニル基の5位にトリ置換フェニル基を導入した新規なビフェニルスルフィド化合物を開発し、該化合物が、種々の有害昆虫及び/又はダニ類に高い活性を有し、特にミカンハダニに対して優れた殺ダニ活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、下記を特徴とする要旨からなる。
(1)下記一般式[II](式中、Xは−B(OH)、ハロゲン原子又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す)で表されるフェニルスルフィド化合物。
【化1】

【0009】
(2)下記一般式[III]で表わされる化合物(式中、Lはハロゲン原子又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示し、Xは水素原子又はハロゲン原子を示し、Xはハロゲン原子を示し、Xが水素原子である場合、Xはハロゲン原子、ジフルオロメチル基又はジフルオロメトキシ基、Xはハロゲン原子を示し、Xがハロゲン原子である場合、Xはハロゲン原子、Xは水素原子を示す。)と下記一般式[II−a]で表されるフェニルスルフィド化合物とを、溶媒中、塩基及び遷移金属触媒の存在下で反応させて下記一般式[I−a]で表わされる化合物(式中、X、X、X、Xは前記一般式[III]で表わされる化合物に同じ。)を製造することを特徴とするビフェニルスルフィド化合物の製造方法。
【化2】

【0010】
【化3】

【0011】
(3)Xが水素原子であり、Xが塩素原子であり、Xが塩素原子、ジフルオロメチル基又はジフルオロメトキシ基であり、Xがフッ素原子又は塩素原子である、前記(2)に記載のビフェニルスルフィド化合物の製造方法。
(4)下記一般式[IV]で表わされる化合物(式中、Xは水素原子又はハロゲン原子を示し、Xはハロゲン原子を示し、Xが水素原子である場合、Xはハロゲン原子、ジフルオロメチル基又はジフルオロメトキシ基、Xはハロゲン原子を示し、Xがハロゲン原子である場合、Xはハロゲン原子、Xは水素原子を示す。)と下記一般式[II−b]で表されるフェニルスルフィド化合物(式中、Lはハロゲン原子又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す。)とを、溶媒中、塩基及び遷移金属触媒の存在下で反応させて下記一般式[I−a]で表わされる化合物(式中、X、X、X、Xは前記一般式[IV]で表わされる化合物に同じ。)を製造することを特徴とするビフェニルスルフィド化合物の製造方法。
【化4】

【0012】
【化5】

【0013】
(5)Xが水素原子であり、Xが塩素原子であり、Xが塩素原子、ジフルオロメチル基又はジフルオロメトキシ基であり、Xがフッ素原子又は塩素原子である、前記(4)に記載のビフェニルスルフィド化合物の製造方法。
(6)前記(2)〜(5)のいずれかに記載の製造方法で下記一般式[I−a]で表わされる化合物(式中、Xは水素原子又はハロゲン原子を示し、Xはハロゲン原子を示し、Xが水素原子である場合、Xはハロゲン原子、ジフルオロメチル基又はジフルオロメトキシ基、Xはハロゲン原子を示し、Xがハロゲン原子である場合、Xはハロゲン原子、Xは水素原子を示す。)を製造し、次いで得られた下記一般式[I−a]で表わされる化合物と酸化剤とを溶媒中で反応させて下記一般式[I−b]で表わされる化合物(式中、X、X、X、Xは前記一般式[I−a]で表わされる化合物に同じ。)を製造することを特徴とするビフェニルスルホキシド化合物の製造方法。
【化6】

【0014】
【化7】

【0015】
(7)Xが水素原子であり、X、X及びXがフッ素原子である、前記(6)に記載のビフェニルスルホキシド化合物の製造方法。
(8)X、X及びXがフッ素原子である、前記(6)に記載のビフェニルスルホキシド化合物の製造方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、農園芸分野で有害となる種々の昆虫及び/又はダニ類に高い活性を有し、特に柑橘類の重要害虫であるミカンハダニに対しても優れた殺ダニ活性を有する、新規なビフェニルスルフィド化合物の製造方法及びその製造中間体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明により得られる一般式[I−a]及び[I−b]で表される化合物を総称して一般式[I]で表される化合物(nは0又は1を示す。)という。また、化合物[I]ともいう。一般式[I]で表される化合物の具体例を表1に示す。なお、表1における化合物番号は以後の記載において引用される場合がある。
【化8】

【0018】
【表1】

一般式[I]で表される化合物は、以下に示す製造法に従って製造することができるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0019】
<製造方法1>
一般式[I−a]で表される化合物は下記に例示する反応工程からなる方法により製造することができる。
【0020】
【化9】

(式中、X、X、X及びXは、前記と同じ意味を表し、Lはハロゲン原子又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す。)
【0021】
(工程A)
一般式[III]で表される化合物と本発明化合物である一般式[II−a]で表される化合物とを、溶媒中、塩基及び遷移金属触媒の存在下で反応させることにより、一般式[I−a]で表される化合物を製造することができる。
【0022】
ここで使用する一般式[III]で表される化合物の使用量は、一般式[II−a]で表される化合物1モルに対して好ましくは0.8〜10モル、より好ましくは1〜1.5モルである。
【0023】
(工程B)
一般式[IV]で表される化合物と本発明化合物である一般式[II−b]で表される化合物とを、溶媒中、塩基及び遷移金属触媒の存在下で反応させることにより、一般式[I−a]で表される化合物を製造することができる。
ここで使用する一般式[II−b]で表される化合物の使用量は、一般式[IV]で表される化合物1モルに対して好ましくは0.8〜10モル、より好ましくは1〜1.5モルである。
【0024】
工程A及び工程Bで使用する遷移金属触媒としては、パラジウム−活性炭素、酢酸パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンザルアセトン)パラジウム等のパラジウム化合物類、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル等のニッケル化合物等が挙げられる。
【0025】
遷移金属触媒の使用量は一般式[III]で表される化合物又は一般式[II−b]で表される化合物1モルに対して好ましくは0.01〜1モル、より好ましくは0.03〜0.1モル使用する。
【0026】
工程A及び工程Bで使用する溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン又はクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;酢酸エチル、プロピオン酸エチル等のエステル類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;水、エタノール等のプロトン性溶媒;またこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0027】
上記における溶媒の使用量は一般式[III]で表される化合物又は[II−b]で表される化合物1モルに対して0.1〜100リットルである。より好ましくは1.0〜5.0リットルである。
【0028】
工程A及び工程Bで使用する塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩類;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩類等の無機塩基類;水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化物類;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルコール金属塩類;又はトリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機塩基類が挙げられる。
【0029】
塩基の使用量は一般式[III]で表される化合物又は[II−b]で表される化合物1モルに対して1〜4モルでよい。より好ましくは1.5〜2モルである。
【0030】
反応温度は−70℃から反応系における還流温度までの任意の範囲から選択すればよく、好ましくは−20℃〜150℃の温度範囲である。
【0031】
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、10分〜20時間の範囲から選択すればよく、好ましくは1〜3時間である。
【0032】
<製造方法2>
一般式[I−b]で表される化合物は、下記に例示する反応式からなる方法により製造することができる。
【0033】
【化10】

(式中、X、X、X及びXは、前記と同じ意味を表す。)
【0034】
一般式[I−a]で表される化合物と酸化剤とを、触媒の存在下又は非存在下、溶媒中で反応させることにより、[I−b]で表される化合物を製造することができる。
【0035】
酸化剤としては、例えば過酸化水素水、m−クロロ過安息香酸、過安息香酸、過ヨウ素酸ナトリウム、オキソン(OXONE、イー・アイ・デュポン社商品名;ペルオキソ硫酸水素カリウム含有物)、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、次亜塩素酸 tert−ブチル、次亜塩素酸ナトリウム等が挙げられる。
【0036】
ここで使用する酸化剤の使用量は、一般式[I−a]で表される化合物1モルに対して好ましくは1〜6モル、より好ましくは1モルである。
【0037】
触媒としては例えばタングステン酸ナトリウム等が挙げられる。
ここで、使用する触媒の使用量は一般式[I−a]で表される化合物1モルに対して好ましくは0.001〜1モルである。より好ましくは0.01〜0.05モルである。
【0038】
使用する溶媒としては、反応を阻害しない溶媒であれば良く、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化アルカン類;クロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;酢酸を挙げることができる。
【0039】
上記溶媒の使用量は[I−a]で表される化合物1モルに対して好ましくは0.1〜100リットルである。より好ましくは1.0〜5.0リットルである。
【0040】
反応温度は−30℃から反応系における還流温度までの任意の範囲から選択すればよく、好ましくは−10℃〜20℃の温度範囲である。
【0041】
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、好ましくは10分〜20時間の範囲から選択すればよい。
【0042】
次にビフェニルスルフィド化合物の製造中間体である本発明化合物の具体例を表2に示す。
【0043】
【表2】

【0044】
化合物[I]を殺虫・殺ダニ剤の有効成分として使用するに際しては、化合物[I]それ自体で用いてもよいが、農薬補助剤として製剤化に一般的に用いられる担体、界面活性剤、及びその他補助剤を配合して、乳剤、懸濁剤、粉剤、粒剤、錠剤、水和剤、水溶剤、液剤、フロアブル剤、顆粒水和剤、エアゾール剤、ペースト剤、油剤、乳濁剤、くん煙剤等の種々の形態に製剤することができる。これらの配合割合は通常、有効成分0.1〜90質量%で農薬補助剤10〜99.9質量%が好ましい。
【0045】
ここにいう製剤化に際して用いられる担体としては、固体担体と液体担体に分けられる。固体担体としては、例えば澱粉、活性炭、大豆粉、小麦粉、木粉、魚粉、粉乳等の動植物性粉末、タルク、カオリン、ベントナイト、炭酸カルシウム、ゼオライト、珪藻土、ホワイトカーボン、クレー、アルミナ、硫安、尿素等の無機物粉末が挙げられる。液体担体としては、例えば水;イソプロピルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、イソホロン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類;ケロシン、軽油等の脂肪族炭化水素類;キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、メチルナフタリン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルアセトアミド等の酸アミド類;脂肪酸のグリセリンエステル等のエステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド等の含硫化合物類等が挙げられる。
【0046】
界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸金属塩、ジナフチルメタンジスルホン酸金属塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレート、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩等が挙げられる。
【0047】
その他の補助剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、トラガントガム、ポリビニルアルコール等の固着剤あるいは増粘剤、金属石鹸等の消泡剤、脂肪酸、アルキルリン酸塩、シリコーン、パラフィン等の物性向上剤、着色剤等を用いることができる。
【0048】
これらの製剤の実際の使用に際しては、そのまま使用するか、又は水等の希釈剤で所定濃度に希釈して使用することができる。化合物[I]を含有する種々の製剤、又はその希釈物の施用は、通常一般に行なわれている施用方法、即ち、散布(例えば噴霧、ミスティング、アトマイジング、散粉、散粒、水面施用、箱施用等)、土壌施用(例えば混入、潅注等)、表面施用(例えば塗布、粉衣、被覆等)、浸漬、毒餌、くん煙施用等により行うことができる。また、家畜に対して前記有効成分を飼料に混合して与え、その排泄物での有害虫、特に有害昆虫の発生、成育を防除することも可能である。また、いわゆる超高濃度少量散布法により施用することもできる。この方法においては、活性成分を100%含有することが可能である。有効成分の配合割合は必要に応じ適宜選ばれるが、粉剤及び粒剤とする場合は好ましくは0.1〜20質量%、また、乳剤及び水和剤とする場合は好ましくは1〜80質量%が適当である。
【0049】
殺虫・殺ダニ剤の施用は、希釈剤で希釈して使用する場合には一般に0.1〜5000ppmの有効成分濃度で行なう。製剤をそのまま使用する場合の単位面積あたりの施用量は、有効成分化合物として1ha当り好ましくは0.1〜5000gで使用されるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
なお、化合物[I]は単独でも十分有効であることはいうまでもないが、必要に応じて他の肥料、農薬、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、抗ウイルス剤、誘引剤、除草剤、植物生長調整剤などと混用、併用することができ、この場合に一層優れた効果を示すこともある。
ここで、混用又は併用することができる他の農薬を次に例示する。クロルフェナピル、アバメクチン、エマメクチン、ブロモプロピレート、ビストリフルロン、クロルフルアズウロン、ジフルベンズウロン、フルシクロクスウロン、フルフェノクスウロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズウロン、トリフルムロン、アルジカルブ、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メソミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカルブ、プロピキスル、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブ、トリアザメート、クロルデン、エンドスルファン、クロマフェノイド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、ベンスルタップ、カルタップ、チオシクラム、チオスルタップ、エチプロール、フィプロニル、フェノキシカルブ、ハイドロプレン、キノプレン、メトプレン、ピリプロキシフェン、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリダベン、テブフェンピラド、クロフェンテジン、エトキサゾール、ヘキサチアゾクス、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアクロプリド、チアメトキサム、エトフェンプロックス、ハルフェンプロックス、シラフルオフェン、ジエトフェンカルブ、アセフェート、アザメチホス、アジンホス・エチル、アジンホス・メチル、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス、クロルピリホス・メチル、クマホス、シアノホス、デメトン・S・メチル、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、ファムフル、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、イソカルボホス、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレッド、オメトエート、オキシジメトン・メチル、パラチオン、パラチオン・メチル、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミホス・メチル、プロフェノフォス、プロペタムホス、プロチオホス、ピラクロホス、ピダフェンチオン、キナルホス、スルホテップ、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン、アゾシクロチン、シヘキサチン、フェンブタンチン・オキシド、アラニカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、チオジカルブ、チオファノックス、アクリナトリン、アレスリン、アルファ−シペルメトリン、ベータ・シフルトリン、ベータ−シペルメトリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオレスメトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、シフェノトリン、デルタメトリン、エンペントリン、エスフェンバレレート、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、ガンマ・シハロトリン、イミプロトリン、ラムダ・シハロトリン、メトトリン、ペルメトリン、フェノトリン、プラレトリン、レスメトリン、タウフルバリネート、テフルトリン、テトラメスリン、テトラメスリン、ゼタ・シペルメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、ゼタ・シペルメトリン、ZXI−8901、ピメトロジン、アセキノシル、アセトプロール、イミシアホス、インドキサカルブ、キノメチオネート、サノピラフェン、ジエノクロル、ジフロビダジン、シフルメトフェン、スピロメシフェン、スピロジクロフェン、スピロテトラマト、トルフェンピラド、ビフェナゼート、ピラフルプロール、ピリダリル、ピリプロール、フルアクリピリム、フルアジナム、フルピラゾホス、フルベンジアミド、フルリムフェン、ブプロフェジン、フロニカミド、メタフルミゾン、リナキシピル、レピメクチン、CL900167、XDE−175。
以上の農薬は例えば、ザ・ペスティサイド・マニュアル(The Pesticide Manual)第13版[ブリティッシュ・クロップ・プロテクション・カウンシル(British Crop Protection Council)発行、2004年]、シブヤインデックス 第10版、第11版(SHIBUYA INDEX 10th Edition、11th Edition、発行者:SHIBUYA INDEX研究会)に記載されているか、公知のものである。
【0051】
化合物[I]は、半翅目害虫、鱗翅目害虫、鞘翅目害虫、双翅目害虫、膜翅目害虫、直翅目害虫、シロアリ目害虫、アザミウマ目害虫、ハダニ類、植物寄生性線虫類等の害虫に対して、優れた防除効果を示す。そのような害虫の例としては、以下の如き害虫類を例示することができる。
【0052】
半翅目害虫、例えばホソヘリカメムシ(Riptortus clavatus)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、メクラカメムシ類(Lygus sp.)、アメリカコバネナガカメムシ(Blissus leucopterus)、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)等のカメムシ類(異翅類;heteroptera)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、ヒメヨコバイ類(Empoasca sp.,Erythroneura sp.,Circulifer sp.)等のヨコバイ類、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)等のウンカ類、Psylla sp.等のキジラミ類、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia tabaci)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)等のコナジラミ類、ブドウネアブラムシ(Viteus vitifolii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、リンゴアブラムシ(Aphis pomi)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、Aphis fabae、ニセダイコンアブラムシ(Rhopalosiphum psedobrassicas)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ムギミドリアブラムシ(Schizaphis graminum)等のアブラムシ類、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki)、ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens)、サンホーゼカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)等のカイガラムシ類、サシガメ(Rhodnius sp.)等。
【0053】
鱗翅目害虫、例えばチャハマキ(Homona magnanima)、コカクモンハマキ(Adoxophyes orana)、テングハマキ(Sparganothis pilleriana)、ナシヒメシンクイ(Grapholitha molesta)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella)、コドリンガ(Laspeyresia pomonella)、Eucosma sp.、Lobesia botrana等のハマキガ類、ブドウホソハマキ(Eupoecillia ambiguella)等のホソハマキガ類、Bambalina sp.等のミノガ類、コクガ(Nemapogon granellus)、イガ(Tinea translucens)等のヒロズコガ類、ギンモンハモグリガ(Lyonetia prunifoliella)等のハモグリガ類、キンモンホソガ(Phyllonorycter rigoniella)等のホソガ類、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)等のコハモグリガ類、コナガ(Plutella xylostella)、Prays citriなどのスガ類、ブドウスカシバ(Paranthrene regalis)、Synanthedon sp.等のスカシバガ類、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)、ジャガイモガ(Phthorimaea operculella)、Stomopteryx sp.等のキバガ類、モモシンクイ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、イラガ(Monema flavescens)等のイラガ類、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、Ostrinia nubilalis、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、ハチミツガ(Galleria mellonella)、Elasmopalpus lignosellus、Loxostege sticticalisなどのメイガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、ヨモギエダシャク(Ascotis selenaria)等のシャクガ類、オビカレハ(Malacosoma neustria)等のカレハガ類、Manduca sexta等のスズメガ類、チャドクガ(Euproctis pseudoconspersa)、マイマイガ(Lymantria dispar)等のドクガ類、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等のヒトリガ類、タバコバッドワーム(Heliothis virescens)、ボールワーム(Helicoverpa zea)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsiron)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、イラクサキンウワバ(Trichoplusia ni)等のヤガ類等。
【0054】
鞘翅目害虫、例えばドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、マメコガネ(Popillia japonica)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)、Eutheola rugicepsなどのコガネムシ類、ワイヤーワーム(Agriotes sp.)、Conodeus sp.等のコメツキムシ類、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)、インゲンテントウムシ(Epilachnavarivestis)等のテントウムシ類、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)等のゴミムシダマシ類、ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)、マツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus)等のカミキリムシ類、インゲンマメゾウムシ(Acanthoscelides obtectus)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)等のマメゾウムシ類、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、コーンルートワーム(Diabrotica sp.)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、テンサイトビハムシ(Chaetocnema concinna)、Phaedon cochlearias、Oulema melanopus、Dicladispa armigeraなどのハムシ類、Apion godmaniなどのホソクチゾウムシ類、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)等のゾウムシ類、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)等のオサゾウムシ類、キクイムシ類、カツオブシムシ類、シバンムシ類等。
【0055】
双翅目害虫、例えばキリウジガガンボ(Tipra ano)、イネユスリカ(Tanytarsus oryzae)、イネシントメタマバエ(Orseolia oryzae)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)、イネミギワバエ(Hydrellia griseola)、オウトウショウジョウバエ(Drosophila suzukii)、フリッツフライ(Oscinella frit)、イネカラバエ(chlorops oryzae)、インゲンモグリバエ(Ophiomyia phaseoli)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、アカザモグリハナバエ(Pegomya hyoscyami)、タネバエ(Hylemia platura)、ソルガムフライ(Atherigona soccata)、イエバエ(Musca domestica)、ウマバエ(Gastrophilus sp.)、サシバエ(Stomoxys sp.)、ネツタイシマカ(Aedes aegypti)、アカイエカ(Culex pipiens)、シナハマダラカ(Anopheles slnensis)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)等。
【0056】
膜翅目害虫、例えばクキバチ類(Cephus sp.)、カタビロコバチ類(Harmolita sp.)、カブラハバチ類(Athalia sp.)、スズメバチ類(Vespa sp.)、ファイアーアント類等。
【0057】
直翅目害虫、例えばチャバネゴキブリ(Blatella germanica)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、ケラ(Gryllotalpa africana)、バッタ(Locusta migratoria migratoriodes)、Melanoplus sanguinipes等。
【0058】
シロアリ目害虫、例えば、ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)等。
【0059】
アザミウマ目害虫、例えば、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、クロトンアザミウマ(Heliothrips haemorrhoidalis)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、イネクダアザミウマ(Haplothrips aculeatus)等。
【0060】
ハダニ類、例えばナミハダニ(Tetranychus urticae)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、イエローマイト(Eotetranychus carpini)、テキサスシトラスマイト(Eotetranychus banksi)、ミカンサビダニ(Phyllocoptruta oleivora)、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)、ヒメハダニ(Brevipalpus sp.)、ロビンネダニ(Rhizoglyphus robini)、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)、等。
【0061】
植物寄生性線虫類、例えばネコブセンチュウ類(Meloidogyne sp.)、ネグサレセンチュウ類(Pratylenchus sp.)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)、バナナネモグリセンチュウ(Radopholus similis)、イチゴセンチュウ(Aphelenchoides fragariae)、イネシンガレセンチュウ(Aphelenchoides besseyi)、マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus xylophilus)等。
【0062】
その他有害動物、不快動物、衛生害虫、寄生虫、例えばスクミリンゴガイ(Pomacea canaliculata)、ナメクジ(Incilaria sp.)、アフリカマイマイ(Achatina fulica)等の腹足綱類(Gastropoda)、ダンゴムシ(Armadillidium sp.)、ワラジムシ、ムカデ等の等脚目類(Isopoda)、Liposcelis sp.等のチャタテムシ類、Ctenolepisma sp.等のシミ類、Pulex sp.、Ctenocephalides sp.等のノミ類、Trichodectes sp.等のハジラミ類、Cimex sp.等のトコジラミ類、オウシマダニ(Boophilus microplus)、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)等の動物寄生性ダニ類、ヒョウヒダニ類等を挙げることができる。
【0063】
さらに、有機リン系化合物、カーバメート系化合物、合成ピレスロイド系化合物、アシルウレア系化合物或いは既存の殺虫剤に抵抗性を示す害虫に対しても有効である。
【実施例】
【0064】
次に、実施例を挙げて本発明について具体的に説明する。なお、本発明化合物である製造中間体の製造法も併せて記載する。
【0065】
実施例1
[4−フルオロ−2−メチル−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(化合物番号I−1)の製造:
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)べンゼンボロン酸0.6g、1−ブロモ−3,4,5−トリクロロベンゼン0.58g、炭酸ナトリウム0.5g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.13g、テトラヒドロフラン50ml、水50mlの混合物を2時間加熱還流した。室温に冷却後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン)で精製し、油状物の[4−フルオロ−2−メチル−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド0.85gを得た(収率94%)。
1H−NMRデータ(CDCl3/TMS δ(ppm)値)
2.53(3H,s),3.33(2H,q),7.08(1H,d),7.53(2H,s),7.58(1H,d)
【0066】
実施例2
[5−(4−ジフルオロメトキシ−3,5−ジクロロフェニル)−4−フルオロ−2−メチルフェニル]−2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(化合物番号I−2)の製造:
1−ブロモ−3,5−ジクロロ−4−ジフルオロメトキシベンゼン0.65g、2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)べンゼンボロン酸0.6g、炭酸ナトリウム0.5g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.13g、水50mlの混合物を2時間加熱還流した。室温に冷却後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン)で精製し、油状物の[5−(4−ジフルオロメトキシ−3,5−ジクロロフェニル)−4−フルオロ−2−メチルフェニル]−2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド0.82gを得た(収率91%)。
1H−NMRデータ(CDCl3/TMS δ(ppm)値)
2.53(3H,s),3.34(2H,q),6.64(1H,t),7.08(1H,d),7.52(2H,s),7.57(1H,d)
【0067】
実施例3
[4−フルオロ−2−メチル−5−(3,4,5−トリフルオロフェニル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(化合物番号I−3)の製造:
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)べンゼンボロン酸1.0g、1−ブロモ−3,4,5−トリフルオロベンゼン0.72g、炭酸ナトリウム0.80g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.2g、テトラヒドロフラン50ml、水50mlの混合物を2時間加熱還流した。室温に冷却後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン)で精製し、油状物の[4−フルオロ−2−メチル−5−(3,4,5−トリフルオロフェニル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド1.1gを得た(収率85%)
【0068】
実施例4
[4−フルオロ−2−メチル−5−(3,4,5−トリフルオロフェニル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド(化合物番号I−5)の製造:
実施例3の方法で合成した[4−フルオロ−2−メチル−5−(3,4,5−トリフルオロフェニル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド0.55gをクロロホルム20mlに溶解し、室温でm−クロロ過安息香酸0.27gを15分かけて加え、さらに1時間反応させた。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去し、[4−フルオロ−2−メチル−5−(3,4,5−トリフルオロフェニル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド0.55gを得た(収率97%)。
【0069】
実施例5
[4−フルオロ−2−メチル−5−(2,3,4−トリフルオロフェニル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(化合物番号(I−4))の製造:
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)べンゼンボロン酸1.0g、1−ブロモ−2,3,4−トリフルオロベンゼン0.72g、炭酸ナトリウム0.80g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.2g、テトラヒドロフラン50ml、水50mlの混合物を2時間加熱還流した。室温に冷却後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン)で精製し、油状物の[4−フルオロ−2−メチル−5−(2,3,4−トリフルオロフェニル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド0.95gを得た(収率73%)。
【0070】
実施例6
[4−フルオロ−2−メチル−5−(2,3,4−トリフルオロフェニル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド(化合物番号(I−6))の製造:
実施例5の方法で合成した[4−フルオロ−2−メチル−5−(2,3,4−トリフルオロフェニル)フェニル]2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド0.51gをクロロホルム20mlに溶解し、室温でm−クロロ過安息香酸0.25gを15分かけて加え、さらに室温で1時間反応させた。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去し、[4−フルオロ−2−メチル−5−(2,3,4−トリフルオロフェニル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド0.5gを得た(収率94%)。
【0071】
実施例7
[4−フルオロ−2−メチル−5−(3−クロロ−4−ジフルオロメチル−5−フルオロ)フェニル]−2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(化合物番号I−7)の製造:
発煙硝酸69gに0℃で2−クロロ−6−フルオロベンズアルデヒド30.9gを15分かけて加え、この混合物を室温で16時間撹拌させた。反応混合物を冷水に投入し、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2−クロロ−6−フルオロ−3−ニトロベンズアルデヒド23.2gを得た。
2−クロロ−6−フルオロ−3−ニトロベンズアルデヒド23.2gをメタノール300mlに溶解し、スズ40.6gを加え、さらに濃塩酸100mlを30分かけて滴下した。室温に冷却後、反応混合物液を25%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、不溶物を濾別した。濾液を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去し、3−アミノ−2−クロロ−6−フルオロベンズアルデヒドジメチルアセタール20.2gを得た。
3−アミノ−2−クロロ−6−フルオロベンズアルデヒドジメチルアセタール20.2g、N,N−ジメチルホルムアミド100mlに溶解し、N−ブロモこはく酸イミド16.4gを加え、室温で30分撹拌した。反応混合物を水に投入し、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去し、3−アミノ−4−ブロモ−2−クロロ−6−フルオロベンズアルデヒドジメチルアセタール25.8gを得た。
3−アミノ−4−ブロモ−2−クロロ−6−フルオロベンズアルデヒドジメチルアセタール25.8gをN,N−ジメチルホルムアミド90mlに溶解し、亜硝酸t−ブチル12.0gを50℃で15分かけて滴下し、さらに30分撹拌させた。反応液を水に投入し、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去し、4−ブロモ−2−クロロ−6−フルオロベンズアルデヒドジメチルアセタール 8.7gを得た。
4−ブロモ−2−クロロ−6−フルオロベンズアルデヒドジメチルアセタール8.7g、エタノール20ml及び濃塩酸5mlの混合物を6時間加熱還流した。室温冷却後、水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、4−ブロモ−2−クロロ−6−フルオロベンズアルデヒド4.7gを得た。
4−ブロモ−2−クロロ−6−フルオロベンズアルデヒド4.7gをジクロロメタン50mlに溶解し、ジエチルアミノサルファートリフルオリド3.9gを室温で15分かけて加え、さらに1時間撹拌させた。反応混合物を水中に投入し、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、5−ブロモ−1−クロロ−2−ジフルオロメチル−3−フルオロベンゼン4.1gを得た。
5−ブロモ−1−クロロ−2−ジフルオロメチル−3−フルオロベンゼン0.78g、2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)べンゼンボロン酸0.80g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.31g、炭酸ナトリウム0.64g、テトラヒドロフラン50ml及び水50mlの混合物を3時間加熱還流した。室温に冷却後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン)で精製し、[4−フルオロ−2−メチル−5−(3−クロロ−4−ジフルオロメチル−5-フルオロフェニル)フェニル]2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド1.0g(収率84%)を得た。
1H−NMRデータ(CDCl3/TMS δ(ppm)値)を次に示す。
2.54(3H,s),3.34(2H,q),7.09(1H,t),7.10(1H,d),7,25(1H,d),7.40(1H,d),7.60(1H,d)
【0072】
実施例8
(5−ブロモ−4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(中間体化合物番号II−1)の製造:
クロロスルホン酸40gに、4−ブロモ−3−フルオロトルエン20gを系内温度が50〜60℃を維持するように加え、さらに50〜60℃で1時間反応させた。放冷後、氷水に投入し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去し、5−ブロモ−4−フルオロ−2−メチルベンゼンスルホニルクロリド29g
を得た。得られたスルホニルクロリドに、酢酸300mlを加え、さらに赤りん6.3g、ヨウ素0.5gを添加し、2時間加熱還流した。室温に冷却後、固体を濾別し、減圧下で溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で水洗後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去し、5−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1−アセチルチオベンゼン26.6gを得た。このチオベンゼンをメタノール300mlに溶解し、水酸化カリウム(10%)水溶液100mlを加え、この混合物を50℃で30分撹拌し、塩酸で中和した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で水洗した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去し、5−ブロモ−4−フルオロ−2−メチルベンゼンチオール19.8gを得た。このチオールをN,N−ジメチルホルムアミド250mlに加え、さらに炭酸カリウム13.6g、2,2,2−トリフルオロ−1−ヨードエタン28g、ロンガリット3.2gを添加し、室温で5時間反応させた。反応液を水に投入し、n−ヘキサンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン)で精製し、(5−ブロモ−4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド25.1gを得た(収率93%)。
1H−NMRデータ(CDCl3/TMS δ(ppm)値)を次に示す。
2.44(3H,s),3.33(2H,q),7.02(1H,d),7.70(1H,d)
【0073】
実施例9
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)ベンゼンボロン酸(中間体化合物番号II−2):
実施例8の方法で合成した5−ブロモ−4−フルオロ−2−メチルフェニル 2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド25.1gに窒素気流下で、乾燥エーテル350mlを加え、−60℃に冷却した。この混合液に窒素気流下で、n−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液、1.54モル/L)53.8mlを15分かけて滴下した。5分後さらに、トリメトキシボラン8.6g/50mlエーテル溶液を10分で滴下した。昇温し、−20℃付近で硫酸16g/100g水溶液を滴下し、室温で2時間反応させた。反応混合物を分液し、有機層を飽和食塩水で水洗後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で溶媒を留去し、2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)べンゼンボロン酸18.0gを得た(収率81%)。
【0074】
次に、代表的な製剤例を挙げて製剤方法を具体的に説明する。化合物、補助剤の種類及び配合比率は、これのみに限定されることなく広い範囲で変更可能である。以下の説明において、「部」は質量部を示す。
【0075】
実施例10
製剤例1 乳剤
化合物番号(I−1)の化合物 30部
シクロヘキサノン 20部
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 11部
アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム 4部
メチルナフタリン 35部
以上を均一に溶解して乳剤とした。又、化合物番号(I−1)に代えて、表1に記載の化合物各々を用いて同様に乳剤を得ることができる。
【0076】
実施例11
製剤例2 水和剤
化合物番号(I−1)の化合物 10部
ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩 0.5部
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 0.5部
珪藻土 24部
クレー 65部
以上を均一に混合粉砕して水和剤とした。又、化合物番号(I−1)に代えて、表1に記載の化合物各々を用いて同様に水和剤を得ることができる。
【0077】
実施例12
製剤例3 粉剤
化合物番号(I−3)の化合物 2部
珪藻土 5部
クレー 93部
以上を均一に混合粉砕して粉剤とした。又、化合物番号(I−3)に代えて、表1に記載の化合物各々を用いて同様に粉剤を得ることができる。
【0078】
実施例13
製剤例4 粒剤
化合物番号(I−3)の化合物 5部
ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩 2部
リグニンスルホン酸ナトリウム 5部
カルボキシメチルセルロース 2部
クレー 86部
以上を均一に混合粉砕した。この混合物に水20部相当量を加えて練合し、押出式造粒機を用いて14〜32メッシュの粒状に加工したのち、乾燥して粒剤とした。又、化合物番号(I−3)に代えて、表1に記載の化合物各々を用いて同様に粒剤を得ることができる。
【0079】
次に化合物[I]を有効成分とする殺虫・殺ダニ剤の奏する効果について試験例をもって説明する。
【0080】
試験例1 ミカンハダニ殺成虫試験
寒天培地上のカンキツのリーフディスクに、ミカンハダニ雌成虫を接種した。24時間後、製剤例2に準じて調整した供試薬剤の水和剤を所定濃度に希釈し、この希釈液をリーフディスク上に散布した(散布量2mg/cm)。処理後の2日間25℃の恒温室に置き、生存虫数を調査し、数1の計算式により死虫率を求めた。試験は1連制にて行なった。この試験における結果を表3に示す。
なお、使用した比較化合物(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)は、それぞれ特開2000−198768号公報明細書に例示された化合物番号[I−356]、[I−358]、[I−361]、[I−414]及び[I−599]の化合物である。
【0081】
【化11】

【0082】
【数1】

【0083】
【表3】

【0084】
試験例2 ナミハダニ防除試験(浸漬処理)
製剤例2に準じて調製した水和剤を所定の濃度に水で希釈した。その薬液に、予めナミハダニ成虫を接種しておいたダイズ苗を浸漬し、風乾した。処理後のダイズ苗は25℃の恒温室に置き、13日後に生存虫数を調査し、数2の計算式により防除価を求めた。試験は1連制にて行なった。この試験における結果を表4に示す。
【数2】

【0085】
【表4】

【0086】
試験例3 トビイロウンカ殺虫試験
製剤例2に準じて調製した水和剤を所定の濃度に水で希釈した。その薬液に、イネ芽だし籾を浸漬し、容量60mlのプラスティックカップに入れた。これにトビイロウンカ3齢幼虫を10頭放ち、蓋をして25℃の恒温室に置いた。6日後に生存虫数を数え、数3の計算式により死虫率を求めた。試験は1連制で行なった。この試験における結果を表5に示す。
【0087】
【数3】

【0088】
【表5】

【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明により得られる新規なビフェニルスルフィド化合物は、有害となる種々の昆虫及び/又はダニ類に高い活性を有し、特に柑橘類の重要害虫であるミカンハダニに対しても優れた殺ダニ活性を有し、殺虫・殺ダニ剤の有効成分として農園芸分野で広く使用される。
なお、2005年9月21日に出願された日本特許出願2005−273483号の明細書、特許請求の範囲、図面および要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式[II](式中、Xは−B(OH)、ハロゲン原子又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す)で表されるフェニルスルフィド化合物。
【化1】

【請求項2】
下記一般式[III]で表わされる化合物(式中、Lはハロゲン原子又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示し、Xは水素原子又はハロゲン原子を示し、Xはハロゲン原子を示し、Xが水素原子である場合、Xはハロゲン原子、ジフルオロメチル基又はジフルオロメトキシ基、Xはハロゲン原子を示し、Xがハロゲン原子である場合、Xはハロゲン原子、Xは水素原子を示す。)と下記一般式[II−a]で表されるフェニルスルフィド化合物とを、溶媒中、塩基及び遷移金属触媒の存在下で反応させて下記一般式[I−a]で表わされる化合物(式中、X、X、X、Xは前記一般式[III]で表わされる化合物に同じ。)を製造することを特徴とするビフェニルスルフィド化合物の製造方法。
【化2】

【化3】

【請求項3】
が水素原子であり、Xが塩素原子であり、Xが塩素原子、ジフルオロメチル基又はジフルオロメトキシ基であり、Xがフッ素原子又は塩素原子である、請求項2に記載のビフェニルスルフィド化合物の製造方法。
【請求項4】
下記一般式[IV]で表わされる化合物(式中、Xは水素原子又はハロゲン原子を示し、Xはハロゲン原子を示し、Xが水素原子である場合、Xはハロゲン原子、ジフルオロメチル基又はジフルオロメトキシ基、Xはハロゲン原子を示し、Xがハロゲン原子である場合、Xはハロゲン原子、Xは水素原子を示す。)と下記一般式[II−b]で表されるフェニルスルフィド化合物(式中、Lはハロゲン原子又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す。)とを、溶媒中、塩基及び遷移金属触媒の存在下で反応させて下記一般式[I−a]で表わされる化合物(式中、X、X、X、Xは前記一般式[IV]で表わされる化合物に同じ。)を製造することを特徴とするビフェニルスルフィド化合物の製造方法。
【化4】

【化5】

【請求項5】
が水素原子であり、Xが塩素原子であり、Xが塩素原子、ジフルオロメチル基又はジフルオロメトキシ基であり、Xがフッ素原子又は塩素原子である、請求項4に記載のビフェニルスルフィド化合物の製造方法。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれかに記載の製造方法で下記一般式[I−a]で表わされる化合物(式中、Xは水素原子又はハロゲン原子を示し、Xはハロゲン原子を示し、Xが水素原子である場合、Xはハロゲン原子、ジフルオロメチル基又はジフルオロメトキシ基、Xはハロゲン原子を示し、Xがハロゲン原子である場合、Xはハロゲン原子、Xは水素原子を示す。)を製造し、次いで得られた下記一般式[I−a]で表わされる化合物と酸化剤とを溶媒中で反応させて下記一般式[I−b]で表わされる化合物(式中、X、X、X、Xは前記一般式[I−a]で表わされる化合物に同じ。)を製造することを特徴とするビフェニルスルホキシド化合物の製造方法。
【化6】

【化7】

【請求項7】
が水素原子であり、X、X及びXがフッ素原子である、請求項6に記載のビフェニルスルホキシド化合物の製造方法。
【請求項8】
、X及びXがフッ素原子である、請求項6に記載のビフェニルスルホキシド化合物の製造方法。

【公開番号】特開2012−111776(P2012−111776A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−27072(P2012−27072)
【出願日】平成24年2月10日(2012.2.10)
【分割の表示】特願2007−536475(P2007−536475)の分割
【原出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【出願人】(000000169)クミアイ化学工業株式会社 (86)
【出願人】(000102049)イハラケミカル工業株式会社 (48)
【Fターム(参考)】