説明

ビンなどのオープナー

【課題】 本発明は、柄部や挟持部が同じサイズのオープナーであっても、使用時における部材の開き角度をより小さくすることができるオープナーを提供することを課題とする。また、手を栓や蓋に被せた状態でオープナーを容易且つ確実に回転させて栓や蓋を外すことができるオープナーを提供することを課題とする。
【解決手段】 一対の部材2,3から成り、部材2,3はそれぞれ柄部4,7と、栓又は蓋を挟持するための挟持部5,8と、ヒンジ部6,9とを有し、挟持部は柄部とヒンジ部の間に存在し、前記一対の部材2,3は開いた位置と閉じた位置の間でヒンジ軸線を中心に回転するようにヒンジ部においてヒンジ結合され、前記ヒンジ部は、部材の長さ方向に突出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャンパンのビンやその他のビンなどのオープナーに関する。
【背景技術】
【0002】
シャンパンのコルク栓を外すための器具は存在している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特表2007−506622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、柄部や挟持部が同じサイズのオープナーであっても、使用時における部材の開き角度をより小さくすることができるオープナーを提供することを課題とする。また、手を栓や蓋に被せた状態でオープナーを容易且つ確実に回転させて栓や蓋を外すことができるオープナーを提供することを課題とする。
【0004】
特許文献1のオープナーは、一対のアゴ部すなわち挟持部が直接的にヒンジ結合しており、ヒンジ部がアゴ部から突出していない。したがって、コルク栓を挟持するためにアゴ部を大きく広げなければならない。その結果、部材の広がる角度も大きいから特に手の小さな女性や子供にとって使用しづらい。
【0005】
また、自動車レースの表彰式で見かけるように、栓を押えておかないとシャンパンのコルク栓は勢い良く飛び出る。しかし、室内で栓を抜くときに栓を飛ばすことは危険であるし、できるだけ音をさせないように栓を抜くことが好ましい抜き方である。したがって、このようなときは手を栓に被せた状態でオープナーを回転させ、栓の飛び出しを防止する必要がある。
【0006】
そこで本発明は、柄部や挟持部が同じサイズのオープナーであっても、使用時における部材の開き角度をより小さくすることができるオープナーを提供しようとするものである。また、シャンパンの栓のように飛び出す虞のある栓が飛び出すことを防止するために、手を栓に被せた状態でオープナーを確実に回転することができるオープナーを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1は、オープナーが一対の部材から成り、部材はそれぞれ柄部と、栓又は蓋を挟持するための挟持部と、ヒンジ部とを有し、挟持部は柄部とヒンジ部の間に存在し、前記一対の部材は開いた位置と閉じた位置の間でヒンジ軸線を中心に回転するようにヒンジ部においてヒンジ結合され、前記ヒンジ部が部材の長さ方向に突出している構成である。
【0008】
請求項2は、両ヒンジ部が協働して指掛部を構成し、この指掛部は、使用時に指を掛けるために十分な長さで部材の長さ方向に突出している要素が請求項1に付加された構成である。
【0009】
請求項3は、指掛部の厚み、すなわちオープナーを水平としたときの上下方向の厚みが、挟持部の厚みの2分の1以上で挟持部の厚みの2倍以下である要素が請求項2に付加された構成である。
【0010】
請求項4は、柄部、挟持部及び指掛部の厚みがほぼ等しく、それぞれの外周面が、同じ曲率の弧状凸面をなしている要素が請求項2又は請求項3のいずれか一項に付加された構成である。
【0011】
請求項5は、両柄部がそれぞれ直線状に延び、両部材が閉じられたときに両柄部は沿うように平行であり、その閉じたときに両部材が開くことを防止するロック手段が両柄部の間に設けられている要素が請求項1乃至請求項4のいずれか一項に付加された構成である。
【0012】
請求項6は、少なくとも1つの挟持部の内面に少なくとも2つの突起が設けられ、その少なくとも2つの突起の一方は挟持部の中央部に設けられ、他方の突起はそれよりもヒンジ部寄りに設けられ、前記一方の突起は他方の突起よりも突出度が大きい要素が請求項1乃至請求項5のいずれか一項に付加された構成である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1は、オープナーが一対の部材から成り、部材はそれぞれ柄部と、挟持部と、ヒンジ部とを有し、一対の部材が開いた位置と閉じた位置の間でヒンジ軸線を中心に回転するようにヒンジ部においてヒンジ結合され、ヒンジ部が部材の長さ方向に突出している。したがって、部材の長さ方向に突出したヒンジ部にヒンジ軸線が存在するので、従来のように挟持部が直接的にヒンジ結合している構成でなく、ヒンジ部が挟持部から離れた位置にある。これにより、柄部及び挟持部が同じサイズの本発明のオープナーと従来のオープナーで、同じ大きさの栓又は蓋を挟持部で挟んだときに、従来の挟持部が直接的にヒンジ結合している場合に比べて、本発明は使用時における部材の開き角度をより小さくすることができる。したがって、部材が大きく開いていないので操作がしやすく取り扱い易い。特に、手の小さな女性や子供にとっても取り扱い易いオープナーを提供することができる。
【0014】
請求項2は、両ヒンジ部が協働して指掛部を構成し、この指掛部は、使用時に指を掛けるために十分な長さで部材の長さ方向に突出している。すなわち、両ヒンジ部を指掛部として使用することができる。このことは、例えばシャンパンのコルク栓を外す場合に、手をコルク栓の上に被せてオープナーの挟持部を囲むように手で掴んでオープナーを回転するときに、指を指掛部に掛けて回転することができる。これにより、オープナーを容易且つ確実に回転させることができる。手をコルク栓の上に被せてオープナーを回転することにより、シャンパンなどのように圧力がかかっているコルク栓の飛び出しを確実に防止してコルク栓を外すことができる。
【0015】
請求項3は、指掛部の厚み、すなわちオープナーを水平としたときの上下方向の厚みが、挟持部の厚みの2分の1以上で挟持部の厚みの2倍以下である要素が請求項2に付加された構成である。指掛部の厚みが小さいと指を掛けてオープナーを回転するときに痛みを感じる。また、挟持部の厚みと指掛部の厚みとの差異が大きいと指掛部として取り扱いにくい。したがって、挟持部の厚みの2分の1以上で挟持部の厚みの2倍以下であると、指に痛みを感じることなく取り扱いが容易である。
【0016】
請求項4は、柄部、挟持部及び指掛部の厚みがほぼ等しく、それぞれの外周面が、同じ曲率の弧状凸面をなしている。外周面が弧状凸面をなしているので、柄部及び挟持部の断面形状はほぼかまぼこ状である。オープナーを握るときは外周面を手で包むようにして握るので、外周面の弧状凸面がその包むように丸めた手の内面になじんで握り易い。したがって、オープナーを回転するときに痛みを感じる虞がない。そして、オープナーのどの部分も厚みがほぼ等しく同じ曲率の弧状凸面である。したがって、オープナーを手で握って回転させるときに、オープナーのどの部分を握っても同じ弧状凸面であるから、使用者が自分の手に合ったどの部分を握っても一様な滑らかな凸面であるから痛みを感じることがない。特に、指掛部に掛けた指には大きな力が加わるが、ヒンジ部の外周面も柄部や挟持部の外周面と同じ弧状凸面をなしているので、指掛部に掛けた指が特に痛みを感じることがない。
【0017】
請求項5は、両柄部がそれぞれ直線状に延び、両部材が閉じられたときに両柄部は沿うように平行であり、その閉じたときに両部材が開くことを防止するロック手段が両柄部の間に設けられている。両柄部は直線状に延びて、両部材を閉じたときに両柄部が沿うように平行であるから、両部材はほぼ間隔を置かずに閉じることができる。そして、その閉じた状態で両柄部間にロック手段が設けられているので、コンパクトな状態で保管することができる。
【0018】
請求項6は、少なくとも1つの挟持部の内面に少なくとも2つの突起が設けられ、その少なくとも2つの突起の一方は挟持部の中央部に設けられ、他方の突起はそれよりもヒンジ部寄りに設けられ、前記一方の突起は他方の突起よりも突出度が大きい構成である。仮に、中央部の突起がヒンジ部寄りの突起と同じ突出度であるときは、コルク栓を挟持して突起をコルク栓に差し込むときに、最初の段階でヒンジ部寄りの突起がコルク栓に深く差し込まれると、突起の多くは円錐形であるからそれ以上差し込まれない状態となる。そうすると、中央部の突起は突起の先端が少しだけ差し込まれるだけで十分に差し込まれない。そこで、中央部の突起の突出度をヒンジ部寄りの突起よりも大きくすることより、コルク栓を挟持するときにヒンジ寄りの突起と同じように中央部の突起をコルク栓に十分に差し込むことができる。これにより、コルク栓を確実に回転させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態について説明する。この実施形態のオープナー1は、シャンパンのコルク栓を外すためのものである。オープナー1は細長く延びる一対の部材2,3から成る。一方の部材2は、直線状に延びる柄部4と、この柄部4に連なる挟持部5と、この挟持部5に連なるヒンジ部6とから成る。また、部材3も、直線状に延びる柄部7と、この柄部7に連なる挟持部8と、この挟持部8に連なるヒンジ部9とから成る。この部材2,3の材料はアルミニウムであって、ダイキャストによって形成される。ただし、アルミニウム以外の材料を用いてもよく、複数の材料を組合わせて用いてもよい。例えば、柄部4,7の一部又は全部に部材2,3とは異なる材質のグリップを設けてもよい。異なる材質として例えば合成樹脂や木材を用いてもよい。
【0020】
図1に示すように、両部材2,3の挟持部5,8は円弧をなすように弧状に曲がっている。挟持部5、8の内面にはそれぞれ3つの突起10,11,12,13,14,15が設けられている。それらの突起の先端は鋭く尖っている。コルク栓に差し込むためである。挟持部5の中央部に設けられた突起11はその隣の突起10,12よりも突出度が大きい。それと対称になるように、挟持部8の中央部に設けられた突起14はその隣の突起13,15よりも突出度が大きい。ここで特に意味がある構成は、両部材2,3の中央部の突起11,14がそれよりもヒンジ部6,9寄りの突起10,13よりも突出度が大きい構成である。仮に、中央部の突起11,14がヒンジ部寄りの突起10,13と同じ突出度であるときは、コルク栓を挟持して突起をコルク栓に差し込むときに、最初の段階でヒンジ部寄りの突起10,13がコルク栓に深く差し込まれると、突起の多くは円錐形であるからそれ以上差し込まれない状態となる。そうすると、中央部の突起11,14は突起の先端が少しだけ差し込まれるだけで十分に差し込まれない。この結果、コルク栓を回転する力はほとんどヒンジ部寄りの突起10,13に集中し、この部分のコルク栓が破損する虞がある。これを防止するために、中央部の突起11,14の突出度をヒンジ部6,9寄りの突起10,13よりも大きくすることより、コルク栓を挟持するときにヒンジ部寄りの突起10,13と同じように中央部の突起11,14をコルク栓に十分に差し込むことができるようにしたものである。これにより、力がコルク栓に確実に伝えられてコルク栓が確実に回転し、コルク栓を抜くことができる。しかし、本発明がこの構成に限定されるものではない。
【0021】
図3に示すように、突起11,14はそれぞれ挟持部5,8と一体に形成されている。すべての突起はそれが設けられている挟持部と一体に形成されている。挟持部5,8のそれぞれの外周面16,17は弧状凸面をなしている。弧状凸面をなしているので、挟持部5,8の断面形状はほぼかまぼこ状である。挟持部5,8の外周面がこのような形状に形成されているので、この部分を手で包むように握ったときに手になじんで握り易い。
【0022】
両部材2,3のヒンジ部6,9は、図1に示すようにほぼ円形を基礎とした形状に形成されている。両ヒンジ部6,9は重ね合わされ、ヒンジ軸20により結合されている。両部材2,3は、このヒンジ軸20の中心線であるヒンジ軸線を中心に開閉する。前述したように、両ヒンジ部6,9はほぼ円形を基礎とした形状であるから、ヒンジ軸20を中心にヒンジ部6とヒンジ部9とが反対方向に回転して互いに位置がずれても、2枚の円板が同じ回転軸を中心に反対方向に回転するのと同様に、ヒンジ部6の一部がヒンジ部9の外縁からはみ出すことがない。したがって、この回転後のヒンジ部6,9を握ったり指を掛けたりしても痛みを感じることがない。この重ね合わされたヒンジ部6とヒンジ部9とが協働して指掛部18として機能する。
【0023】
両部材2,3の柄部4,7はほぼ同形の同じ長さに形成されている。両柄部4,7はそれぞれの挟持部5,8の端部から直線状に延びている。図1に示すように、両部材2,3が閉じられたときに、両柄部4,7は沿うように平行である。後述するように、柄部4,7の間には閉じた両部材2,3が開くことを防止するロック手段が設けられている。したがって、コンパクトな状態でオープナー1を保管できる。また、ポケットに入れて携帯するときも嵩張らない。後述するように、柄部4に設けられたボタン19は両柄部4,7のロック状態を解除するためのものである。
【0024】
図2に示すように、柄部4と挟持部5の厚み、すなわち図2において横方向のそれらの厚みは等しい。同じように、柄部7と挟持部8の厚みも等しい。また、柄部4の断面形状は挟持部5の断面形状とほぼ同じで、柄部7の断面形状と挟持部8の断面形状もほぼ同じである。部材2のヒンジ部6の厚みは挟持部5の厚みの半分であって、図2においてヒンジ部6は長さ方向に延びる中心線の左側に位置する。そして、部材3のヒンジ部9もヒンジ部6と同じ形状であり、図2において長さ方向に延びる中心線の右側に位置する。両ヒンジ部6,9が重なって指掛部18が構成される。この指掛部18の外周面は、両挟持部5,8と同じ曲率の弧状凸面をなしている。したがって、両挟持部5,8を手で握ったときに指掛部18に違和感なく指を掛けることができる。図4に示すように、オープナー1の柄部4,7と挟持部5,8と指掛部18の外周面はいずれも同じ曲率の弧状凸面をなしているから、手でどの部分を握ったり指を掛けたりしても違和感なく手にフィットし、コルク栓を確実に回転させることができる。指掛部18は、長さ方向に延びる中心線の左右に存在する2つのヒンジ部6,9を重ねたものに限定されるものでない。例えば、ヒンジ部6の厚みは挟持部5の厚みの半分として、このヒンジ部6の厚みの中心線と挟持部5の厚みの中心線が一致する位置にヒンジ部6を設け、ヒンジ部9は2つに分けてそれぞれヒンジ部6の厚みの半分とし、その2つに分けられたヒンジ部9でヒンジ部6を挟む構成であってもよい。
【0025】
次に、部材2,3のロック手段について説明する。図7は、部材2,3がロックされた状態を示す断面図である。一部にハッチングを省略した部分がある。部材3のヒンジ部9の内面21は平面に形成され、ヒンジ軸20の周囲にバネ溝22が設けられている。ヒンジ部9の内面21と当接するヒンジ部6の内面(図示せず。)にもバネ溝が設けられている。これら2つのバネ溝にコイルバネ23を組み込むことにより、このコイルバネ23の弾性力により部材2,3が開く方向に付勢されている。また、部材2,3の開きすぎを規制するための規制突起24が部材3の内面21に設けられている。そして、部材2の内面には、この規制突起24の案内溝(図示せず。)が設けられている。規制突起24が案内溝内を移動することによって部材2,3は開閉する。部材2,3が所定の角度まで開いたときに、規制突起24が案内溝の端部に当たることにより部材2,3がそれ以上の角度に開くことを規制する。所定の角度としては30度〜45度程度が好ましい。
【0026】
図7に示すように、部材2に取り付けられたボタン19は、コイルバネ25によって表面方向に付勢されている。また、爪26が支軸27を中心にして回転可能に部材2に取り付けられている。さらに、爪26の端部に設けられた突部30が部材3の係止部31に圧接状態で係止し、コイルバネ25の弾性力によって部材2,3が開くことをロックしている。ロックを解除するときは、ボタン19を押圧して降下させる。図8に示すように、ボタン19が降下するとその突部28が爪26の受け部29を押圧し、爪26は支軸27を中心に反時計回りに回転する。この爪26の回転により、爪26の突部30が支軸27を中心に反時計回りに回転して係止部31との係止が外れロックが解除される。ロックが解除されると、コイルバネ23の弾性力により突部30が孔部36から抜け出て部材2,3は自然に広がる。図5に示すように部材2,3を開いた後で再びロックするときは、片手で部材2,3を握って一杯に閉じると、突部30の端部に形成された傾斜面37が孔部36の縁に当たって自動的に爪26が回転し、突部30は孔部36に挿入されて自動的にロックされる。また、部材2,3を開く方向に付勢するコイルバネ23のバネ定数はボタン19を支持するコイルバネ25のバネ定数よりも大きい。したがって、閉じている部材2,3を開くときに片手で部材2,3を握ってボタン19を押すが、そのときにコイルバネ23のバネ定数のほうが大きいのでボタン19を押した状態を維持したままで部材2,3を自動的に開いていくことができる。このようにして、部材2,3の開閉は片手で行うことができる。図1に示すように、部材2,3を閉じたときに柄部4,7は沿うように平行であって、爪26は柄部4,7に隠れるから外観が良好である。
【0027】
次に、本発明の使用方法について説明する。通常、シャンパンのコルク栓には飛び出しを防止するためのワイヤーが被されているので、コルク栓を外す前にこのワイヤーを取り除く。次いで、挟持部5,8でコルク栓を挟む。このとき、手でコルク栓の頭を押しながら挟むとコルク栓が不意に飛び出ることを防止できる。次に、柄部4,7を握って部材2,3が閉じる方向に力を加え、各突起10〜15をコルク栓に差し込む。次に、図6に示すように、手をコルク栓の上から被せて挟持部5,8を包むように握り、人差し指32を指掛部18に掛ける。また、親指35の腹を指掛部18に掛ける。これにより、人差し指32と親指35の腹とを指掛部18の両側に掛けた状態となる。また、少なくとも小指34は柄部4に掛けた状態にあることが好ましい。
【0028】
次に、ビン33の下方部分を手で持ち、オープナー1を持っている手でオープナー1を左右に少しずつ回転させる。このとき、オープナー1を時計回りに回転させるときは、手で挟持部5,8及び柄部4,7に力を加えると共に親指35の腹で指掛部18に力を加えることにより円滑且つ確実に回転可能である。また、オープナー1を反時計回りに回転させるときは、手で挟持部5,8及び柄部4,7に力を加えると共に人差し指32で指掛部18に力を加えることにより円滑且つ確実に回転可能である。何度か回転を繰り返したり回転と共に小刻みにコルク栓を引き上げることにより、ビン33の中の炭酸ガスの圧力でコルク栓が抜け始めるので、手でコルク栓を押えながらゆっくりと外していく。最後は、できるだけ音をさせないようにコルク栓を抜くのが好ましいので、コルク栓を倒しながらビン33の中の圧力を少しずつ減らしてコルク栓を抜く。この際、作業の当初から手をコルク栓の上に被せてあるので、そのままの状態でコルク栓を押えることができ、作業の途中でコルク栓が飛び出すことを防止できる。以上は、ビン33を固定してオープナー1を回転させる方法について説明したが、オープナー1を固定してビン33を回転させることによりコルク栓を抜くこともできる。
【0029】
次に、本発明の実施形態におけるサイズについて説明する。オープナー1の全長は約110mmであり、長さ方向に測った挟持部5又は挟持部8の長さは約40mmであり、柄部4又は柄部7の長さは約50mmである。指掛部18の挟持部5,8からの突出度は約20mmである。挟持部5又は挟持部8の長さと指掛部18の合計の長さは約60mmであって、柄部4又は柄部7はそれよりも短い。したがって、オープナー1の使用時に挟持部5,8を手で握って回転させるときに、柄部4,7が握っている手から大きく突出しないので邪魔にならない。また、部材2,3をロック状態としたときの幅は挟持部5,8の部分で最大となり約40mmである。また、オープナー1の厚みは柄部、挟持部及び指掛部のいずれも同じで約14mmである。柄部4,7や挟持部5,8はコルク栓を挟んだときに手のひらで包むように持つことができる大きさが好ましい。また、弧状凸面をなす挟持部5,8の断面の弧状部の半径は約7mmである。ただし、本発明が以上の数値に限定されないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の正面図
【図2】本発明の右側面図
【図3】図1におけるA−A端面図
【図4】本発明の斜視図
【図5】本発明を開いた正面図
【図6】本発明の使用状態図
【図7】部材のロック状態を示す断面図
【図8】部材のロック解除状態を示す断面図
【図9】コイルバネの斜視図
【符号の説明】
【0031】
1 オープナー
2 部材
3 部材
4 柄部
5 挟持部
6 ヒンジ部
7 柄部
8 挟持部
9 ヒンジ部
10〜15 突起
16 外周面
17 外周面
18 指掛部
19 ボタン
20 ヒンジ軸
21 ヒンジ部の内面
22 バネ溝
23 コイルバネ
24 規制突起
25 コイルバネ
26 爪
27 支軸
28 突部
29 受け部
30 突部
31 係止部
32 人差し指
33 ビン
34 小指
35 親指
36 孔部
37 傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の部材から成り、部材はそれぞれ柄部と、栓又は蓋を挟持するための挟持部と、ヒンジ部とを有し、挟持部は柄部とヒンジ部の間に存在し、前記一対の部材は開いた位置と閉じた位置の間でヒンジ軸線を中心に回転するようにヒンジ部においてヒンジ結合され、前記ヒンジ部は、部材の長さ方向に突出していることを特徴とするビンなどのオープナー。
【請求項2】
両ヒンジ部が協働して指掛部を構成し、該指掛部は、使用時に指を掛けるために十分な長さで部材の長さ方向に突出している請求項1記載のオープナー。
【請求項3】
指掛部の厚み、すなわちオープナーを水平としたときの上下方向の厚みは、挟持部の厚みの2分の1以上で挟持部の厚みの2倍以下である請求項2記載のオープナー。
【請求項4】
柄部、挟持部及び指掛部の厚みがほぼ等しく、それぞれの外周面が、同じ曲率の弧状凸面をなしている請求項2又は請求項3のいずれか一項記載のオープナー。
【請求項5】
両柄部はそれぞれ直線状に延び、両部材が閉じられたときに両柄部は沿うように平行であり、その閉じたときに両部材が開くことを防止するロック手段が両柄部の間に設けられている請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載のオープナー。
【請求項6】
少なくとも1つの挟持部の内面に少なくとも2つの突起が設けられ、その少なくとも2つの突起の一方は挟持部の中央部に設けられ、他方の突起はそれよりもヒンジ部寄りに設けられ、前記一方の突起は他方の突起よりも突出度が大きい請求項1乃至請求項5のいずれか一項記載のオープナー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−255935(P2009−255935A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−104792(P2008−104792)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(000001454)株式会社貝印刃物開発センター (123)
【Fターム(参考)】