説明

ピタット左右が揃うスリッパ、靴。

【課題】公共、家庭を問わず、何気ない大人たちの履物の乱雑な脱ぎ捨て乱れを抑止し、子供たちに履物を揃えるマナーを通して、心と形の躾教育に役立つピタット左右が揃うスリッパ、靴を提供する。
【解決手段】本発明によるピタット左右が揃うスリッパ、靴1は構造が簡単で、左右内側の目印絵柄部3を合わせて脱ぐと、スリッパ、靴の甲被部の内部や底部の内部に組み込まれたマグネット部2同士が磁力で吸着する為、左右のスリッパ、靴がピタットと自然に揃う。多少、外部からの力が与えられてもマグネットの保持力で乱れない。また構造的に履物本体表面に接合用のマグネット突起部がないため、歩行時、マグネットどうしの擦れ合いによるつまずきや転倒の恐れもない。そして拭いたり洗ったり手入れをする時、マグネットが履物内部に組み込まれているため、邪魔になったり傷めたりすることのないことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物を脱いで揃える時、足元の動きだけで、ピタット左右が揃うスリッパ、靴に関する。
【背景技術】
【0002】
履物を脱いで揃える事は、躾として幼児期から学んで行っているが、キチット揃えても僅かな外部からの力でずれたり離れたりして乱れる。揃えて脱いでも、ずれた場合や他人の乱した履物など腰をかがめ手を添えて直すことは心理的に抵抗があり、そのまま放っておくため、集会所やトイレなど一般的に乱れた履物を見る場面が多い。また、子供達にとっては履物を揃えること自体が微妙な調整を要するため、大人達が揃え直す場面が多い。このため、自分達が揃えたという達成感を子供達に与える事が出来にくく、履物を揃えることを通して得られる教育チャンスを逃している場合が多い。
【0003】
従来このような履物を揃える装置としては、特許文献1、特開2000−354501号広報に記載されたような、マジックテープのついたスリッパが開示されている。しかし、このスリッパの場合バラバラにならないように左右のスリッパを押し付けて密着させなければならない。特にトイレ病院で使うスリッパ履物などは、幼児子供達に限らず大人でも手足を使って押えて揃える事は心理的に億劫になり難しい。更に、接触面のマジックテープが外部にあるため汚れが付着しやすい。その為拭いたり洗ったりする時、取り付け器具が損傷しないように部分的な手入れが必要となり管理面での負担が増す。また使用時にマジックテープがはがれる際の不快な離脱音が発生するという問題がある。
【0004】
又、特許文献2、特開2006−247225号広報には、脱ぎ揃えた靴を整理整頓する機能を有する履物が開示されている。この技術はスリッパ、靴の甲被部及び底部の表面前後2ヶ所にマグネットやマジックテープをつけて履物を結合させる。但しこの方法は左右接触面の接合器具のマグネットが履物の表にあるため、歩行の際何らかの加減で擦れ合ってつまずく原因を招いたり、転倒する危険性がある。またマジックどうしも擦れ合って損傷する恐れがある。更に外部に取り付けることにより、履物の外観形状を変えるため、拭いたり洗ったり手入れをする時、履物表面にあるマグネット部分が邪魔になったり損傷するという問題がある。
【特許文献1】特開2000−354501号広報
【特許文献2】特開2006−247225号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来技術の問題点に鑑みて本発明は、構造が簡単で製造コストが安く、履物の内部に組み込まれたマグネットの吸着力と脱ぐ時の足元の動きだけで幼児から大人まで、履物をピタットと揃え、揃った形態を保持する事が出来るスリッパ、靴の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係わるピタット左右が揃うスリッパ、靴1は、左右スリッパ、靴本体接触面内部に抱合組み込まれたマグネット部2と、マグネット取り付け部分上の甲被表面にマグネットの位置が認識出来る目印又は絵柄部3を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によるピタット左右が揃うスリッパ、靴では、強く密着させなくても軽く足元で履物を寄せるだけで、マグネットの吸着力が働き左右の履物は密着して揃う。揃った後は、外部から少々の力が加わってもスリッパ、靴は散ちばらず、美しく保持することが出来る。又、上部かち見た状態で目印、絵柄を軽く合わせると見えないマグネットの力で履物が簡単にキチットと揃う楽しさ面白さ達成感が、好奇心を刺激して幼児、子供の躾教育に今まで以上の効果を上げる。また、拭いたり、洗ったり手入れをする時も、内部のマグネットに触れないため、邪魔になったり損傷させることもない。今まであるスリッパ、靴の機能、外観を変える事無くピタット左右の揃うスリッパ、靴は、心と履物の乱れを抑制出来、家庭や社会のマナーの向上やお互いの心の教育に寄与出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
【0008】
次に、本発明に係わる好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明によるピタット左右が揃うスリッパ、靴1の好適な実施の平面図である。
【0009】
まず、本実施例に係わるピタット左右が揃うスリッパ、靴1の重要構成部分であるマグネット部2は、薄い丸型、角型を使用し、左右スリッパ、靴の接触面甲被部1a、1bの内部または左右スリッパ、靴底部4の左右接触面内部に取りつける。
【0010】
図2は、本発明のピタット左右が揃うスリッパ、靴1の断面図である。構成部品はスリッパ、靴本体1とマグネット部2、左右の目印絵柄部3、スリッパ、靴底部4からなる。断面図はマグネット部2を甲被部1a1b内部へ取り付けた状態を示し、目印、絵柄部4の取り付け位置をあらわす。
【0011】
マグネット部2は薄型丸型、角型のマグネットを使用し、左右甲被接触面内部または、スリッパ、靴底部4に組み入れ固定するのが望ましい。
【0012】
左右の目印絵柄部3はスリッパ本体1への印刷、縫いつけ若しくは貼り付けが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明のピタット左右が揃うスリッパ、靴1は、足元の少しの動きだけでマグネットの吸着力がはたらきスリッパが密着し乱れない。公共施設、旅館、集会所の履物の整然とした姿は美観を保ち、人々のエチケットとマナーの向上に役立つ。また見えないマグネットの吸着力がキチットと履物を揃えるという不思議さが、好奇心に満ちた幼児、子供達に喜びと達成感を与える。この喜びと達成感が伴う、履物を通した教育的効果は計り知れず、将来にわたって広く利用される可能性多大ある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のピタット左右が揃うスリッパ、靴1の平面図。
【図2】同ピタット左右が揃うスリッパ、靴1の断面図。
【符号の説明】
【0015】
1 スリッパ、靴本体
1a 左スリッパ、靴前先甲被部、
1b 右スリッパ、靴前先甲被部
2 マグネット部
3 目印絵柄部
4 スリッパ、靴底部
A−B 横断線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリッパ、靴を脱いで揃える時、足元の動きだけでマグネットの吸着力が働いて履物がピタット揃えることが出来、且つ乱れないように左右接触部分の甲被部の内部又は底部の内部にマグネットを組み入れたスリッパ、靴。
【請求項2】
前記左右接触甲被部表面にスリッパ、靴の中に隠れているマグネットの存在と位置が認識出来る印、絵柄を付けたスリッパ、靴。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−82415(P2010−82415A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277366(P2008−277366)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(594041841)
【Fターム(参考)】