説明

ピッキング用の表示装置

【課題】スイッチの操作効率を向上させることができるピッキング用の表示装置。
【解決手段】筐体状に構成された本体部1と、保持部2と、本体部1又は保持部2のいずれかに設けられるスイッチとを備え、本体部1は、筐体11と、ピッキング情報を表示する表示部12と、外部通信機器と通信して表示部12を制御する通信制御部14とを有し、スイッチは、非押下状態では、通信制御部14から外部通信機器への作業情報の送信を待機状態とし、押下状態になると、送信が実行されるように切換えられ、かつ、切換えが筐体11と保持部2との協働でなされるよう構成され、本体部は、保持部2に対して、スイッチが非押下状態となる待機位置に位置していて、かつ、保持部2が配置されている側に外部から押されることで、スイッチが筐体11と保持部2との協働で押下されて押下状態となる押下位置に移動するように保持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品のピッキング作業を支援するためのピッキング用の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のピッキング用の表示装置として、筐体状の本体部と、該本体部を支持体に取り付ける取付手段とを備え、本体部が取付手段を用いて支持体に取り付けられて固定されたピッキング用の表示装置が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2)。かかるピッキング用の表示装置は、物品のピッキング作業を支援するために用いられる。
【0003】
具体的には、ピッキング用の表示装置は、本体部が、筐体と、ピッキング情報を表示する表示部と、筐体内に収納され、外部通信機器と通信して前記表示部を制御する通信制御部と、非押下状態では、通信制御部から外部通信機器への作業情報の送信を待機状態とし、押下状態になると、前記送信が実行されるように切換えるよう構成され、筐体に設けられるスイッチとを備える。筐体は、正面視略長方形の箱体をなしており、スイッチ及び表示部が配置される前面部と、該前面部に対向する後面部と、前面部と後面部との左右(長手)方向並びに上下(短手)方向の端部同士を前後方向に連結する四つの側面部とを有する。かかる本体部は、前面部が手前側に配置されるように、後面部側が取付手段を用いて支持体の前面に取り付けられて支持されている。尚、ピッキング情報は、ピッキング対象となる物品を明示する情報、或いはピッキング対象の物品をピッキングする数量や個数などの情報である。作業情報は、例えばピッキング作業が完了したことを示す情報である。また、支持体は、例えば収納棚であり、仕切り部材によって上下左右が仕切られて、複数の収納スペース(以下、間口)が升目状に形成されて構成されている。
【0004】
このようなピッキング用の表示装置では、ピッキング作業において、まず通信制御部が外部通信機器(例えば制御用コンピュータなど)から送信されたピッキング情報を受信する。そして、通信制御部の制御に基づき、表示部がピッキング情報を表示する。作業者は、表示部のピッキング情報を見て、支持体の間口に物品を納める或いは間口から物品を取り出すピッキング作業を実施する。ピッキング作業を終えると、作業者は、作業が完了したことを外部通信機器に知らせるためにスイッチを押す。すると、通信制御部は、作業完了の信号を外部通信機器に送信し、表示部は、通信制御部の制御に基づいてピッキング情報を非表示にする。そして、外部通信機器は、次のピッキング情報を通信制御部に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−264836号公報
【特許文献2】特開2006−298560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のピッキング用の表示装置にあっては、ピッキング作業を終えた時に作業者が押すスイッチは、筐体の前面部の一部に配置されているので、ピッキング作業を終えた作業者は、前面部上のスイッチを探して押す必要があり、その分だけ作業時間にロスが生じて作業が滞ってしまう。即ち、従来のピッキング用の表示装置では、作業者によるスイッチの操作効率が悪いが故に作業効率が低下し、この点で改善の余地があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記点に鑑みてなされたもので、スイッチの操作効率を向上させることで、作業効率を向上させることができるピッキング用の表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るピッキング用の表示装置は、上記課題を解決するためになされたもので、筐体状に構成された本体部と、該本体部が保持される保持部と、本体部又は保持部のいずれかに設けられるスイッチとを備え、前記本体部は、筐体と、該筐体に設けられて、ピッキング情報を表示する表示部と、外部通信機器と通信して前記表示部を制御する通信制御部とを有し、前記スイッチは、非押下状態では、通信制御部から外部通信機器への作業情報の送信を待機状態とし、押下状態になると、前記送信が実行されるように切換えられ、かつ、前記切換えが筐体と保持部との協働でなされるよう構成され、本体部は、前記保持部に対して、前記スイッチが非押下状態となる待機位置に位置していて、かつ、保持部が配置されている側に外部から押されることで、スイッチが筐体と保持部との協働で押下されて押下状態となる押下位置に移動するように保持されていることを特徴とする。
【0009】
かかる構成からなるピッキング用の表示装置にあっては、表示部に表示されたピッキング情報に従って作業がなされ、例えば作業が終了した時などに、スイッチを押下して作業情報を外部通信機器に送信できる。
【0010】
ここで、本体部は、スイッチが非押下状態となる待機位置に位置していて、かつ、保持部が配置されている側に外部から押されることで、スイッチが筐体と保持部との協働で押下されて押下状態となる押下位置に移動するように保持部に保持されているので、本体部のどこを押してもスイッチを筐体と保持部との協働で押下できる。よって、スイッチを探す手間を省くことができ、作業効率を向上させることができる。
【0011】
また、本発明に係るピッキング用の表示装置では、前記筐体は、前面部と、該前面部に対向する後面部と、前面部と後面部とを連結し、対向配置される一対の側面部とを備え、前記スイッチは、前記後面部に配置され、前記保持部は、前記本体部の後方側に配置されており、保持部は、本体部の前記待機位置から前記押下位置への移動が後方向の移動となり、かつ、前記移動における筐体の一方の側面部側の移動距離よりも他方の側面部側の移動距離の方が大きくなるように本体部を保持することが好ましい。
【0012】
かかるピッキング用の表示装置にあっては、本体部の前記待機位置から前記押下位置への移動における、筐体の一方の側面部側の移動距離よりも他方の側面部側の移動距離の方が大きいので、移動距離を異ならせることによって、本体部を押す感覚を分かり易くすることができる。しかも、本体部を押す感覚を分かり易くすべく本体部全体を大きく移動させることを要さないので、ピッキング用の表示装置の大型化を抑制(即ち、小型化)することができる。
【0013】
また、本発明に係るピッキング用の表示装置では、前記筐体は、前面部と、該前面部に対向する後面部とを備え、前記表示部は、発光可能に構成される発光部を備え、前記発光部は、前後方向と交わる左右方向の中央部側の領域が左右方向の両端部よりも前方向に膨出するアーチ状をなす導光部であって、前記中央部側が筐体の前面部から筐体外に膨出するように筐体に取り付けられる導光部と、該導光部の左右方向の両端部近傍に設けられて導光部を照射する光源とを有していることが好ましい。
【0014】
かかるピッキング用の表示装置にあっては、導光部が、左右方向の中央部側の領域が両端部側よりも前方向に膨出するアーチ状をなし、前記中央部側が筐体の前面部から筐体外に膨出するように筐体に取り付けられており、光源が、導光部の左右方向の両端部近傍から導光部を照射するので、導光部は、左右方向の中央部側が筐体の前面部と段差をなすように筐体外に膨出した状態で発光する。よって、作業者は、筐体の前面部を正面とした上下左右のあらゆる方向から、筐体外に膨出した導光部の発光を容易に認識することができ、従って、作業効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明に係るピッキング用の表示装置によれば、本体部は、スイッチが非押下状態となる待機位置で保持されていて、かつ、保持部が配置されている側に外部から押されることで、スイッチが筐体と保持部との協働で押下されて押下状態となる押下位置に移動可能な状態で保持部に保持されているので、本体部のどこを押してもスイッチを筐体と保持部との協働で押下できる結果、スイッチの操作効率を向上させることができて、作業効率を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るピッキング作業を支援するピッキング支援システムの概略図であって、(a)はピッキング支援システムの構成を示す概略ブロック図、(b)はピッキング用の表示装置が設けられる収納棚の正面図を示す。
【図2】本発明の一実施形態に係るピッキング用の表示装置の概略全体図であって、(a)は正面側の斜視図、(b)は背面側の斜視図を示す。
【図3】同実施形態に係るピッキング用の表示装置における本体部を示す図であって、(a)は正面図、(b)は背面図を示す。
【図4】同実施形態に係るピッキング用の表示装置における本体部を示す図であって、(a)は側面図、(b)は図3のA−A線断面図を示す。
【図5】同実施形態に係るピッキング用の表示装置における保持部を示す図であって、(a)は正面図、(b)は背面図を示す。
【図6】同実施形態に係るピッキング用の表示装置における保持部を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)及び図5のB−B線断面図を示す。
【図7】同実施形態に係るピッキング用の表示装置の本体部が保持部に保持されて待機位置に位置している状態を示す図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のC−C線断面図、(c)は(a)のD−D線断面図を示す。
【図8】同実施形態に係るピッキング用の表示装置の本体部が保持部に保持されて押下位置に位置している状態を示す図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のE−E線断面図、(c)は(a)のF−F線断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るピッキング用の表示装置の一実施形態について、図面を参酌しつつ説明する。
【0018】
図1(a)及び(b)に、本実施形態におけるピッキング用の表示装置を用いたピッキング支援システムが示されている。該ピッキング支援システムは、外部通信機器101〜10n,201〜20mと、該外部通機器に通信可能に接続され、収納棚Sの各間口S1〜Sxに設けられる複数のピッキング用の表示装置311〜31x,321〜32y,…,3m1〜3mzとからなる。尚、外部通信機器は、1又は複数のホストコンピュータ101〜10nと、該ホストコンピュータにLANケーブルを介して通信可能に接続される1又は複数の端末コンピュータ201〜20mとから構成されている。
【0019】
かかるピッキング支援システムの動作について簡単に説明しておくと、ホストコンピュータ101〜10n(端末コンピュータ201〜20m経由)から送信されるピッキング作業情報に基づき、物品のピッキングを行うべき棚Sの特定の間口に配置された表示装置が発光してピッキング数量を表示する。作業者は、この表示装置を見てピッキング作業を行う。また、作業者は、当該間口におけるピッキング作業を終えると、表示装置のスイッチ(作業完了確認スイッチ)を押す。そうすると、当該表示装置から、端末コンピュータ201〜20m経由でホストコンピュータ101〜10nに作業完了の情報が送信される。ホストコンピュータ101〜10nは、前記作業完了の情報を受信後、次にピッキング作業を行うべき棚Sの特定の間口に設置された表示装置に対して、次のピッキング作業に対応する情報を送信する。本ピッキング支援システムでは、上記動作を繰り返し行う。
【0020】
尚、かかるピッキング支援システムは、例えば、多種類の食品が収納棚に収納されている倉庫(例えば冷蔵庫など)内に設けられるもので、前記食品をピッキング対象物品としている。そのため、本実施形態におけるピッキング支援システムは、ピッキング作業中に、収納棚やピッキング支援システムを構成する部材に水滴が付着して濡れ易くなっている。
【0021】
図2に、本実施形態におけるピッキング用の表示装置が示されている。このピッキング用の表示装置は、筐体状の本体部1と、該本体部1が保持される保持部2とを備えており、支持体3(収納棚の各間口S1〜Sx)に取り付けられてピッキング作業に用いられる。
【0022】
図3及び図4に、本体部1が示されている。本体部1では、図3(a)の正面図を基準にして、上下方向と左右方向を規定し、紙面表裏方向を前後方向(厚み方向)と規定する。本体部1は、直方体状の筐体11と、筐体11内に収納され且つ前後方向の前方側に設けられ、ピッキング情報を表示する表示部12,13と、筐体11内に収納され前後方向の中央側に設けられ、外部通信機器(図示せず)と通信して表示部12,13を制御する通信制御部14とを有する。また、本体部1は、筐体11内に収納され且つ前後方向の後方側に設けられ、非押下状態では、通信制御部14から外部通信機器への作業情報の送信を待機状態とし、押下状態になると、前記送信が実行されるように切換えるよう構成されるスイッチ15を有する。
【0023】
筐体11は、正面視略長方形の箱体であり、正面視における左右方向の長さが上下方向の長さよりも長く形成されている。具体的には、筐体11は、正面視における前後方向の前方側(手前側)に設けられる前面部11aと、後方側(奥側)に設けられる後面部11bと、前面部11a及び後面部11bを前後方向で連結する側面部11c(図3(a)参照)とを備え、前面部11aと後面部11bとは、前後方向に離間して略平行に対向して配置されている。
【0024】
前面部11aは、正面視略長方形の平板状をなしている。前面部11aの中央部には、矩形状に前後方向に貫通する前面孔11dが形成されている。かかる前面孔11dは、前面部11aの中央部の大部分に(即ち大面積に亘って)設けられている。
【0025】
後面部11bは、正面視略長方形の平板状をなしている。後面部11bには、図3(b)に示すように、左右方向の中央側且つ上下方向の下方側に前後方向に貫通する断面略円形状の通信ケーブル孔11eと、該通信ケーブル孔11e周縁から前後方向後方側に突設される第一環状部11fとが形成されている。また、後面部11bには、上下方向の中央で左右方向の左側と右側とに対称的に設けられ、前後方向に沿う断面略円形状をなすスイッチ孔11gと、該スイッチ孔11gの周縁から前後方向前方側に突設される第二環状部11hとが形成されている。
【0026】
側面部11cは、前面部11aの周縁と後面部11bの周縁とを前後方向に連結する側周壁である。具体的には、側面部11cは、図3に示すように、上下方向(短手方向)に対向する上側面部11iと下側面部11jとを有すると共に、左右方向(長手方向)に対向する左側面部11kと右側面部11Lとを有する。
【0027】
上側面部11iは、平板状をなしており、前面部11aの上端と後面部11bの上端とを連結してなる。下側面部11jは、平板状をなしており、前面部11aの下端と後面部11bの下端とを連結し、上側面部11iと対向してなる。
【0028】
左側面部11kは、平板状をなしており、前面部11aの左端と後面部11bの左端とを連結してなる。右側面部11Lは、平板状をなしており、前面部11aの右端と後面部11bの右端とを連結し、左側面部11kと対向してなる。かかる左側面部11kと右側面部11Lとの上下方向の長さは、上側面部11iと下側面部11jとの左右方向の長さよりも短い。また、左側面部11kの上方側と右側面部11Lの上方側とには、左右方向で筐体外向きに突設された突起部11mが形成されている。この突起部11mは、略半球状をなしており、先端側ほど断面形状が小さくなっている。このような側面部11cは、上側面部11iと下側面部11jと左側面部11kと右側面部11Lとの隣接する端部同士が連結して形成されている。また、各端部同士が交わって角をなす辺部は、R状(湾曲状)の角取り部11nとなるように形成されている(図3参照)。
【0029】
本実施形態における筐体11は、前面部11aと後面部11bと側面部11cとからなるが(図3参照)、前後方向に分割可能、つまり、前片部110と後片部111とが係脱可能に構成されている(図4参照)。前片部110は、前後方向の前方側が閉塞され、後方側が開放してなる。具体的には、図4(b)に示すように、前片部110は、前後方向の前方側の前面部11aと、該前面部11aの上下方向の端部と左右方向の端部と(即ち、前面部11aの周縁部)から前後方向の後方側に延設される前片側面部110Aと、前面部11aの左右方向の端部近傍から前後方向の後方側に対称的に延設される支持片110Bとからなる。
【0030】
前片側面部110Aは、側面部11cの前方側部分である。具体的には、前片側面部110Aは、四つの平板状の部分、即ち前片上側面部110aと前片下側面部110bと前片左側面部110cと前片右側面部110dとを有してなる。前片側面部110Aは、前後方向の後方側端部の筐体11内縁側に前後方向に沿う凸部110eを有する(図4(b)の左下にある部分拡大図参照)。また、前片左側面部110cの上方側と前片右側面部110dの上方側とには、左右方向で筐体外向きに突設された突起部11mが各々形成されている。
【0031】
図4(b)に示した支持片110Bは、前面部11aの背面に当該前面部11aの左右方向の端部近傍に離間して突設された一対の部材である。かかる一対の支持片110Bは、前後方向に沿う平板状の板状部110fと、該板状部110fの前後方向の後方側端部に形成され、左右方向の中央側に向かって突出する被載置部110gとを有する。
【0032】
後片部111は、前後方向の後方側が閉塞され、前方側が開放されてなる。具体的には、後片部111は、前後方向の後方側の後面部11bと、該後面部11bの上下方向の端部及び左右方向の端部(即ち、後面部11bの周縁部)から前後方向前方側に延設される後片側面部111Aとからなる。
【0033】
図4(a)に示すように、後片側面部111Aは、側面部11cの後方側部分である。具体的には、図4(a)及び(b)に示すように、後片側面部111Aは、四つの平板状の部分、即ち後片上側面部111aと後片下側面部111bと後片左側面部111cと後片右側面部111dとを有してなる。後片側面部111Aは、前後方向の前方側端部の筐体11内縁側に前後方向に沿う凹部111e(図4(b)の左下にある部分拡大図参照)を有する。
【0034】
かかる筐体11は、前片部110と後片部111とが前後方向に凹凸嵌合して形成され、内部に空間が設けられて構成されている。具体的には、図4(b)の左下にある部分拡大図に示すように、筐体11は、前片部110の前片側面部110Aにおける凸部110eが後片部111の後片側面部111Aにおける凹部111eに嵌め合わされて形成されている。そして、筐体11の側面部11cは、前片部110の前片側面部110Aと後片部111の後片側面部111Aとで構成されている。具体的には、筐体11の側面部11cは、前片部110の前片側面部110Aと後片部111の後片側面部111Aとが連接されて形成されている。
【0035】
ここで、筐体11は、パッキン16aで封止されている。具体的には、筐体11は、前片部110の前片側面部110Aにおける凸部110eと後片部111の後片側面部111Aにおける凹部111eとの間にパッキン16aを挟持している。つまり、前片部110と後片部111とが嵌合した状態で、凸部110eと凹部111eとの間に隙間が形成されており、該隙間にパッキン16aが設けられている(図4(b)の左下にある部分拡大図参照)。換言すれば、筐体11の前片部110と後片部111とは、パッキン16aを介して嵌合されている。尚、パッキン16aは、防水性と密封性とを有している。このようなパッキン16aは、例えばゴム製の詰め材や充填材などで構成されている。
【0036】
かかる筐体11は、内部空間の前後方向の中央側に通信制御部14を収納している(図4(b)参照)。また、筐体11は、内部空間の前後方向の前方側であって、通信制御部14の前方側に表示部12,13を収納している。更に、筐体11は、内部空間の前後方向の後方側であって、通信制御部14の後方側にスイッチ15を収納している。
【0037】
通信制御部14は、CPUを搭載したIC基板14aと、該IC基板14aに電気的に接続される通信ケーブル14bとを備える。IC基板14aは、正面視略矩形の平板状をなしており、後述の表示部12,13を制御可能に構成される。
【0038】
通信ケーブル14bは、外部通信機器とIC基板14aとが相互通信できるようにするための手段であり、例えばLANケーブルなどの接続ケーブルからなる。具体的には、通信ケーブル14bは、一端が例えばコネクタ等を介してIC基板14aに電気的に接続され、他端が外部通信機器に電気的に接続されてなる。
【0039】
かかる通信制御部14は、筐体11の内部空間に収納されている。具体的には、IC基板14aは、筐体11の前片部110の支持片110Bによって前後方向の中央側で支持される。詳細には、IC基板14aは、前片部110の支持片110Bにおける被載置部110gに載置(支持)され、支持片110Bの一対の板状部110fに挟まれて固定されている(図4(b)参照)。通信ケーブル14bは、図3(b)に示すように、後片部111の第一環状部11fによる孔と通信ケーブル孔11eとを通って、IC基板14aと外部通信機器とを接続している。尚、ケーブル孔11eは、通信ケーブル14b以外の部分が閉塞されている。
【0040】
表示部12,13は、ピッキング対象物品のピッキング数量や個数に関する数値情報を表示するように構成され、数字を表示するデジタル表示部12と、該デジタル表示部12の周囲に設けられ、対応する物品をピッキング対象とするか否かに関するピッキング可否情報を表示すべく発光可能に構成される発光部13とを有する。
【0041】
デジタル表示部12は、正面視略矩形のブロック体である。デジタル表示部12は、数値情報として、ピッキング物品の数量や個数を前面12aに表示可能に構成されている。また、デジタル表示部12は、通信制御部14(IC基板14a)と電気的に接続されて、通信制御部14によって表示が制御されるように構成されている。かかるデジタル表示部12は、筐体11内の前方側に収納されており、前面側が前面孔11d内に配置されている。具体的には、デジタル表示部12は、筐体11内であって、IC基板14aの前面側且つIC基板14aの中央部に配置されている(図4(b)参照)。即ち、デジタル表示部12は、筐体11の前面部11aに対して中央領域に配置されている。
【0042】
発光部13は、ピッキング可否情報として、ピッキング対象物品が収納された収納棚の間口の位置を発光によって示すように構成されている。発光部13は、アーチ状の導光部13aと、該導光部13aの後面に設けられる後面板13bと、導光部13aの左右方向の両端近傍に設けられ、導光部13aの端面を照射する光源であるLED13cとを有している。
【0043】
導光部13aは、例えばアクリルで形成される導光板である。導光部13aは、左右方向に長い正面視略矩形をなしている。具体的には、導光部13aは、左右方向の両端部よりも中央部側の領域(具体的には、中央部)が前方向に膨出してアーチ状をなすように構成されている(図4(b)参照)。より詳細には、導光部13aは、平板状の第一平坦部13Aと、該第一平坦部13Aを挟んで左右対称に、第一平坦部13Aよりも後方側に設けられ、平板状をなす二つの第二平坦部13Bと、第一平坦部13Aの第二平坦部13B側の端部及び第二平坦部13Bの第一平坦部13A側の端部を連結する第一湾曲部13Cとを有する。尚、第一湾曲部13Cは、第二平坦部13Bから第一平坦部13Aに向かうにつれ前後方向の前方側に膨出してなる。また、第一平坦部13Aの後面には、正面視略矩形の窪み部13dが前後方向の前方側に形成されている。かかる導光部13aの後面には、光を拡散させる処理としてシボ加工が全面(つまり、第一平坦部13Aの後面、第二平坦部13Bの後面、第一湾曲部13Cの後面)に施されている。
【0044】
後面板13bは、図4(b)に示すように、導光部13aの後面に沿うアーチ形状をなすアーチ部13eと、該アーチ部13eを支える足部13fとを有する。
【0045】
アーチ部13eは、左右方向に長い正面視略矩形をなしている。具体的には、アーチ部13eは、左右方向の両端部よりも中央部側の領域(具体的には、中央部)が前方向に膨出してアーチ状をなすように構成されている(図4(b)参照)。より詳細には、アーチ部13eは、平板状の第三平坦部13Dと、該第三平坦部13Dを挟んで左右対称に、第三平坦部13Dよりも後方側に設けられ、平板状をなす二つの第四平坦部13Eと、第三平坦部13Dの第四平坦部13E側の端部及び第四平坦部13Eの第三平坦部13D側の端部を連結する第二湾曲部13Fとを有する。尚、第二湾曲部13Cは、前後方向の前方側に膨出してなる。また、第三平坦部13Dの後面における中央部には、導光部13aの窪み部13dの正面視形状と略同形をなす正面視略矩形の孔13hが形成されている。アーチ部13eの左右方向の長さは、導光部13aの左右方向の長さと等しく、筐体11の左右方向の長さよりは短い。また、アーチ部13eの上下方向の長さは、導光部13aの上下方向の長さと等しく、筐体11の上下方向の長さよりは短い。アーチ部13eの厚みは、導光部13aの厚みよりも薄い。かかるアーチ部13eの表面(前面)13gは、黒色に着色されている。
【0046】
足部13fは、平板状をなしている。かかる足部13fは、アーチ部13eの後面の左右方向に複数(例えば4つ)並べて配置され、前後方向の後方側に沿って形成されている。具体的には、足部13fは、複数のうち、アーチ部13eの左右方向の中央側に設けられる足部13fほど前後方向の長さが長く、左右方向の端部側に設けられる足部13fほど前後方向の長さが短くなるようにアーチ部13e後面に配置されており、各足部13fの先端部は、いずれも基板14aの表面に当接するように構成されている(図4(b)参照)。
【0047】
LED13cは、汎用のLEDであり、光を照射可能に構成されている。また、LED13cは、通信制御部14(IC基板14a)に電気的に接続されて、通信制御部14に照射が制御されるように構成されている。
【0048】
かかる発光部13は、筐体11内の前後方向の前方側に収納され、デジタル表示部12を覆うようにして左右方向に沿って設けられている。具体的には、導光部13aの第二平坦部13Bと第一湾曲部13Cの後方部とが、筐体11内、即ち前面部11aの後面側且つ前面部11aの左右方向の端部側に収納されている。ここで、第一湾曲部13Cの後方部の前面と筐体11の前面部11aの後面とはパッキン16bを介して密着している(図4(b)参照)。
【0049】
また、第一平坦部13Aと第一湾曲部13Cの前方部と(以下、導光部アーチ部)が、筐体11の前面部11aの中央部に形成された前面孔11dから筐体11外に段差をなして膨出しており、この前面孔11dの周縁に囲まれた発光部13は、筐体11の前面部11aにおける中央部の大部分に(即ち大面積を占有して)形成されている(図3(a)、図4参照)。尚、導光部アーチ部(第一平坦部13Aと第一湾曲部13Cの前方部)は、前面孔11dの周縁に設けられたパッキン16bを介して筐体11を封止している。
【0050】
そして、後面板13bは、アーチ部13eの前面が導光部13aの後面に密着するようにして設けられている(図4(b)参照)。具体的には、アーチ部13eは、導光部13aの後面に配置され、第三平坦部13Dが第一平坦部13Aに対応し、第二湾曲部13Fが第一湾曲部13Cに対応し、第四平坦部13Eが第二平坦部13Bに対応して設けられている。ここで、アーチ部13eの第四平坦部13Eと足部13fとは、IC基板14aの前面に設置(若しくは、当接)されている。また、導光部13aの第一平坦部13Aの窪み部13dによる窪みと後面板13bの第三平坦部13Dの孔13hとは連通状態になっている。そして、IC基板14aの中央部に設けられたデジタル表示部12の前方側部分は、後面板13bの孔13hを貫通して導光部13aの窪み部13dに収納されている。また、LED13cは、導光部13aの第二平坦部13Bと離間した近傍に、第二平坦部13Bに向けて光を照射するようにして配置されている。具体的には、LED13cは、IC基板14aの前面における左右方向の両端側に突設されている(図4(b)参照)。尚、本実施形態においては、LED13cは、左右方向の両端側の各々に、上下方向に一列に3個のLED13cを並べて6個設けられている。
【0051】
図4(b)の右下にある部分拡大図に示すように、スイッチ15は、押しボタンであり、押している間だけスイッチがオンになる自動復帰型スイッチである。具体的には、スイッチ15は、固定部15aと該固定部15aに接触可能な可動部15bとを有しており、可動部15bが固定部15aに対して押下可能に構成されている。固定部15aは、所謂押釦式スイッチであって、円柱体をなしており、前面から後面にかけて径が略一定で構成されている。また、固定部15aは、後面に固定接点15Aを有する。
【0052】
可動部15bは、スイッチ孔11gを封止するパッキン部材としての役割を兼ねるものである。本実施形態では、可動部15bは、シリコンゴムにより形成されて弾性変形可能となされており、この可動部15bを介して押釦式スイッチ(固定部15a)を押下可能となされている。可動部15bは、環状の裾部15cと、円柱状部15eと、裾部15c及び円柱状部15eを連結する連結部15fとを有する。裾部15cは、環状のドーナツ形状をなしており、この環状の形状に沿って、断面略U字形状のU字溝15dが形成されて構成されている。円柱状部15eは、円柱体をなしており、前面から後面にかけて径が略一定で構成されている。また、円柱状部15eは、前面に可動接点15Bを有する。連結部15fは、環状をなしている。具体的には、連結部15fは、前後方向の前端の内径が大径をなし、前後方向の後端の内径が小径をなしており、前端から後端にかけて縮径している。また、連結部15fは、可撓性(或いは弾性)を有する。かかる連結部15fは、その前後方向の前端が裾部15cの内径側周縁部に接続され、円柱状部15eの前面側部分が中空側に突出するように、前後方向の後端が円柱状部15eの後面周縁に接続されて、裾部15cと円柱状部15eとを連結している。
【0053】
このような固定部15aと可動部15bとは、固定部15aの後面(固定接点15A)と可動部15bの円柱状部15eの前面(可動接点15B)とが離間して対向し、固定部15aが可動部15bによって被されるようにして構成されている。
【0054】
ここで、スイッチ15は、固定部15aがIC基板14aに電気的に接続されており、作業情報(例えばピッキング作業の完了信号)を外部通信機器に送信するトリガーとして構成されている。具体的には、スイッチ15は、可動部15bが固定部15aに対して押下されていないとき、OFF(即ち、スイッチ15の回路が遮断状態)の状態にある。この場合、通信制御部14は、外部通信機器に作業情報を送信待機とする。一方、スイッチ15は、可動部15bが固定部15aに対して押下されているとき、ON(即ち、スイッチ15の回路が導通状態)の状態にある。この場合、通信制御部14は、外部通信機器に作業情報(作業完了情報)を送信する。
【0055】
図3(b)及び図4(b)に示すように、スイッチ15は、筐体11内の前後方向の後方側に収納されており、IC基板14aの後方側で左右方向の左側と右側とに対称的に一つずつ設けられている。具体的には、図4(b)に示すように、固定部15aは、IC基板14aの後面の上下方向の中央側で左右方向の左側と右側とに一つずつ設けられている。詳細には、固定部15aの前面がIC基板14aの後面に配置されている。スイッチ15の可動部15bは、固定部15aから離間して該固定部15aを覆うように設けられている。即ち、裾部15cは固定部15aを取り囲んでIC基板14aの後面に設けられ、筐体11の後面部11bにおけるスイッチ孔11g周縁の第二環状部11hが裾部15cのU字溝15dに嵌合している。ここで、U字溝15dと第二環状部11hとはパッキン16cを介して密着している。また、円柱状部15eは、後面側部分が筐体11外に突出しないようにスイッチ孔11gに挿入され、前面(可動接点15B)が固定部15aの後面(固定接点15A)と離間して対向するように配置されている。尚、固定部15aと可動部15bとの中心軸線は一致している。
【0056】
図5及び図6に、保持部2が示されている。保持部2では、図5(a)の正面図を基準にして、上下方向、左右方向を規定し、紙面表裏方向を前後方向(厚み方向)と規定する。保持部2は、平面視略コ字形状のホルダ体21と、該ホルダ体21の正面視前面における左右方向の左側と右側とに対称的に設けられる押下部22と、該押下部22よりも左右方向の中央部側に対称的に設けられる押下位置決め手段23と、押下部22よりも左右方向の端部側に対称的に設けられる待機位置決め手段24とを有する。
【0057】
ホルダ体21は、左右方向に長い板状の本体板25と、該本体板25の左右方向の両端部に対向して設けられる一対の側面板26とを有する。また、ホルダ体21は、上下方向に沿う中心軸に関して左右対称の形状をなしている。
【0058】
本体板25は、平板状をなしており、本体板25の左右方向の長さは、上下方向の長さよりも長い。また、本体板25の左右方向の長さは、筐体11の左右方向の長さより若干長く、本体板25の上下方向の長さは、筐体11の上下方向の長さより若干長い又は略同一である。また、本体板25の上下方向の下端側で左右方向の中央部は、略半円形状に前後方向に切り欠かれている。更に、本体板25の左右方向の両端側には対称的にそれぞれ、二つのネジ孔25aが上下方向に離間して設けられている。そして、この左右方向の両端側に設けられるネジ孔25aの位置よりも僅かに左右方向の中央部側寄りの位置には対称的にそれぞれ、左右方向に細長い細孔25bとネジ孔25c(図6(b)の右側にある部分拡大図参照)とが上下方向に離間して設けられている。
【0059】
また、本体板25の後面の左右方向の中央側の上端には、引掛け部25dが左右方向に3つ並んで後方向に突出して設けられている。この引掛け部25dは、略直角に折曲した鉤爪状をなしており、上下方向の下向きに引掛け可能に構成されている(図5(b)、図6(b)参照)。また、本体板25の後面の上下方向中央部且つ左右方向の全長に亘って断面略コ字形状の溝部25eが設けられている。更に、本体板25の後面には、溝部25eよりも上下方向の上側と、左下側と、右下側との位置にそれぞれ、正面視略矩形の平板状をなすマグネット25fが埋設されている(図5(b)参照)。
【0060】
一対の側面板26は、本体板25の左右方向の左端部に設けられる左側面板26aと、本体板25の左右方向の右端部に設けられる右側面板26bとで構成される。左側面板26aは、平板状をなしており、その右面の上部には、左右方向に半球状の窪みをなす凹部26cが形成されている。右側面板26bは、平板状をなしており、その左面の上部には、左右方向に半球状の窪みをなす凹部26cが形成されている。左側面板26aの右面と右側面板26bの左面とは、一対の対向面をなしており、左右方向に離間して略平行に対向している(図6(a)参照)。
【0061】
押下部22は、正面視略円形状の円柱体である。具体的には、押下部22の径は、略一定であり、押下部22の前後方向の長さは、側面板26の前後方向の長さよりも短い。かかる押下部22は、本体板25の前面における上下方向の中央側で左右方向の左側と右側とに対称的に一つずつ設けられている(図5(a)、図6(a)参照)。
【0062】
押下位置決め手段23は、正面視略円形状の円柱体である。具体的には、押下位置決め手段23の径は、略一定であり、押下部22の径よりも大きい。押下位置決め手段23の前後方向の長さは、押下部22の前後方向の長さと略同一である。かかる押下位置決め手段23は、本体板25の前面における上下方向の下側で左右方向の左側と右側とに対称的に一つずつ設けられている(図5(a)、図6(a)参照)。
【0063】
待機位置決め手段24は、本実施形態においては、前方からの(即ち、本体部1からの)押圧力に抗しつつ弾性変形可能な板バネ部材である。この待機位置決め手段24は、図6(b)示すように、鉤爪部24aと該鉤爪部24aから延設されるアーチ部24bとを有する。鉤爪部24aは、上下方向に細長い板状体の上下方向の上端部を前後方向の後方側に略直角に折曲げた形状をなしている。即ち、鉤爪部24aは、上下方向に沿う第一直線部24cと前後方向に沿う第二直線部24dとを有している。第一直線部24cの上部には、正面視略円形の小孔24eが形成されている。アーチ部24bは、上下方向に細長い板状体を前後方向の前方側に湾曲させたアーチ状をなしている。そして、アーチ部24bの上下方向の上端部と第一直線部24cの上下方向の下端部とは、連接されている。
【0064】
このような待機位置決め手段24は、例えば可撓性を有する細長い板状の金属からなり、該金属を折り曲げ加工することで形成されている。かかる待機位置決め手段24は、本体板25の前面における上下方向の上部から中央部に亘って、左右方向の左側と右側とに対称的に一つずつ設けられている(図5(a)、図6(a)参照)。詳細には、待機位置決め手段24は、本体板25の細孔25bに第二直線部24dを挿入し、第一直線部24cの小孔24eにネジNを貫通させて本体板25のネジ孔25cに螺合させることでホルダ体21に取り付けられている(図6(b)参照の右側にある部分拡大図参照)。
【0065】
支持体3は、1又は複数の間口を備える棚Sである(図1(b)参照)。本実施形態では、支持体3は、棒状や平板状からなる複数の縦材と横材とを上下左右に組み合わせて棚状に形成されて、複数の間口を備えている。この支持体3は、所定の奥行きを有して形成され、また、支持体3には、縦材と横材とに上下左右を囲まれた領域が間口として複数形成されている。支持体3の各間口には、物品を収納するコンテナが載置されている。このような支持体3は、各間口の上又は下の横材の前後方向の前面に平板状の平板部31を備えている(図2(a)参照)。
【0066】
平板部31は、図2(a)に示すように、上下方向の中央部且つ左右方向に沿う断面略矩形のレール部32を前面に有する。また、平板部31は、上下方向にレール部32を挟んで離間する二つのネジ孔を前面に有しており、この二つのネジ孔は左右方向に所定間隔で複数設けられている。かかる平板部31は、磁石にくっ付く性質である強磁性を有する材質からなり、例えば鉄などの金属から構成される。
【0067】
次に、上記ピッキング用の表示装置の設置手順並びにピッキング作業について説明する。ピッキング作業にかかる前に、上記構成からなる保持部2は、上記支持体3に取り付けられる。具体的には、保持部2は、複数用意されて、支持体3の各間口における平板部31の各々に取り付けられる。詳細には、保持部2における本体板25の後面の引掛け部25dを支持体3における平板部31の上端に引掛ける。そして、本体板25の後面の溝部25eを平板部31のレール部32に嵌め合わせる。また、保持部2を平板部31にスライド移動させて、本体板25の後面のネジ孔25aと平板部31のネジ孔とを連通させる。そして、本体板25と平板部31との連通したネジ孔にネジを螺合させることで、保持部2は平板部31に取り付けられる。尚、本体板25の後面のマグネット25fが平板部31に対して磁力でくっ付いている。
【0068】
そして、支持体3に取り付けられた保持部2の各々に対して、上記本体部1を一つずつ用意して取り付ける。具体的には、本体部1は、筐体11の左側面部11kの突起部11mをホルダ体21の左側面板26aの凹部26cに嵌め込むと共に、筐体11の右側面部11Lの突起部11mをホルダ体21の右側面板26bの凹部26cに嵌め込むことで保持部に保持される。これにより、本体部1は、保持部2に対して着脱自在に枢支される(本体部1の左右の突起部11mを結ぶ線を軸として回動可能なように、保持部2の左右の側壁板間に枢支される)。尚、かかる複数の本体部1は、外部通信機器に接続されている。具体的には、複数の本体部1は、ホストコンピュータに接続される1又は複数の端末コンピュータのうちの所定の端末コンピュータに通信ケーブル14bを介して接続されている。
【0069】
本体部1を保持部2に保持した状態では、図7に示すように、本体部1は、後面部11bの上下方向の中央部近傍が保持部2の待機位置決め手段24(アーチ部24b)によって支持され、下方側が上方側よりも前後方向の前方側に傾斜した状態で静止し(保持され)ている。このとき、スイッチ15の可動部15bは、固定部15aに接触しておらず、スイッチ15がOFFの状態、即ちスイッチ15が非押下状態にある(図7(c)の下側の部分拡大図参照)。つまり、本体部1は、スイッチ15が非押下状態となる待機位置で保持されている。よって、本体部1が待機位置にあるとき、スイッチ15がOFFの状態にあり、通信制御部14は作業情報としてのピッキング作業の完了信号を外部通信機器に送信しない。
【0070】
このように保持部2が支持体3に取り付けられて、その保持部2に本体部1が保持された後に、ピッキング作業が実施される。具体的には、複数の本体部1のうち所定の本体部1(物品を取り出すべき棚の所定の間口に設置された本体部1)のみに対して外部通信機器からピッキング情報(具体的には、前記数値情報と前記ピッキング可否情報)が送信される。前記所定の本体部1では、通信制御部14が前記ピッキング情報を受信する。
【0071】
そして、通信制御部14は、デジタル表示部12と発光部13のLED13cとを制御(操作)する。該制御に基づき、デジタル表示部12には、前記数値情報に基づく数値(ピッキング対象物品のピッキング数量や個数)が表示される。また、前記制御に基づき、LED13cが発光し、LED13cからの光が導光部13aに照射され、当該導光部13a(発光部13)が面的に発光することによって、前記ピッキング可否情報に基づく対応物品のピッキング可否が表示される。
【0072】
ここで、導光部13aでは、左右方向の外方から第二平坦部13Bに光が照射されると、アーチ状をなす導光部13aの全体(全面)が発光し、即ち、筐体外に段差をなして露出している導光部アーチ部(第一平坦部13Aと第一湾曲部13Cの前方部)の前面並びに上面並びに下面が発光する。かかる発光は、第一湾曲部13Cの裏面のシボ加工による光の拡散、即ち拡散光によって、導光部アーチ部の前面並びに上面並びに下面において均一的になされる。更に、導光部13aの後面を透過した光は、光の吸収率が高い(即ち光の反射率が低い)黒色の表面を有するアーチ部13e(後面板13b)の表面13gに至るので、アーチ部13e(後面板13b)の表面13gからの光の反射(反射光)は抑制される。即ち、アーチ部13e(後面板13b)の表面13gからの反射光の発生が軽減されることで、導光部13aの前面における光量のムラを抑制し、極めて均一的な発光が導光部13aの前面並びに上面並びに下面からなされる。
【0073】
作業者は、複数の本体部1のうち所定の本体部1のみの表示部としてのデジタル表示部12及び発光部13に表示されたピッキング情報に基づいて、かかる所定の本体部1に対応する間口内のコンテナから物品を取り出す或いはコンテナに物品を投入するピッキング作業を行う。
【0074】
ピッキング作業を終えると、作業者は、本体部1を保持部2に向けて押す。具体的には、作業者は、本体部1の前面部11aの一部或いは全部を保持部2の本体板25に向けて押す。押された本体部1は、ホルダ体21の右側面板26bの凹部26cと左側面板26aの凹部26cとを結ぶ軸線周りに、あたかも暖簾のように前後方向の後方側に旋回(スイング)する(例えば、図7(b)の本体部1の状態から図8(b)の本体部1の状態への移動参照)。即ち、本体部1の上部側よりも下部側の方が前後方向の後方側に大きく移動する。換言すれば、本体部1の上側面部11i側が移動する距離(移動量)よりも本体部1の下側面部11j側が移動する距離(移動量)の方が大きい。
【0075】
一方、このように本体部1を保持部2の本体板25に向けて押すと、図8に示すように、本体部1は、保持部2の待機位置決め手段24(アーチ部24b)を前後方向の後方側に撓ませて押し込む。そして、本体部1のスイッチ15の可動部15bにおける円柱状部15eは、保持部2の押下部22で押下される。すると、可動部15bが弾性変形する(特に、連結部15fが前後方向の前方側に撓む)ことで円柱状部15eの前面(可動接点15B)が固定部15aの後面(固定接点15A)に接触して押圧することによって、スイッチ15がONの状態、即ちスイッチ15が押下状態となり、通信制御部14は、作業情報としてのピッキング作業の完了信号を外部通信機器に送信する。尚、本体部1は、スイッチ15が保持部2の押下部22で押下されて押下状態となる押下位置まで待機位置から移動して所定の位置で止められる(図8(b)及び(c)参照)。即ち、本体部1が保持部2に対して所定の位置(角度)まで押され、スイッチ15がこの押下状態にあるとき、本体部1の後面部11bの下部は、保持部2の押下位置決め手段23に当接し、本体部1は保持部2に止められた状態になる。よって、作業者が本体部1を必要以上に強く押した場合にも、スイッチ15が必要以上に押されることがないので、スイッチ15やその周辺の部材を破損する恐れがない。
【0076】
また、通信制御部14は、作業情報を外部通信機器に送信した後、デジタル表示部12と発光部13のLED13cとを再び制御(操作)する。該制御に基づき、デジタル表示部12は、表示していた数値情報を非表示にすると共に、LED13cは発光を止めて、表示していたピッキング可否情報を非表示にする(つまり、導光部13aは光らなくなる)。
【0077】
尚、作業者が本体部1を押下位置まで押した後、本体部1から手を離すと、本体部1は、待機位置決め手段24(アーチ部24b)の弾性力或いは付勢力、及び可動部15bの弾性力(或いは、復元力)によって押下位置から待機位置まで押し戻される。即ち、本体部1は、押下位置まで押された後は、該押下位置から待機位置まで復帰して該待機位置で再び静止し(保持され)、スイッチ15はOFFの状態、即ち非押下状態となる。このように、本体部1は、待機位置と押下位置とを移動可能に構成されていると共に、スイッチ15は、筐体11と保持部2との協働で非押下状態と押下状態との切換えが可能に構成されている。
【0078】
以上のように、本実施形態に係るピッキング用の表示装置では、表示部としてのデジタル表示部12及び発光部13に表示されたピッキング情報に従って作業がなされ、作業が終了した時に、スイッチ15を押下して作業情報を外部通信機器に送信できる。
【0079】
ここで、本体部1は、スイッチ15が非押下状態となる待機位置で保持されていて、かつ、保持部2が配置されている側に外部から押されることで、スイッチ15が筐体11と保持部2との協働で押下されて押下状態となる押下位置に移動可能な状態で保持部2に保持されているので、本体部1のどこを押してもスイッチ15を筐体11と保持部2との協働で押下できる。よって、スイッチ15を探す手間を省くことができ、作業効率を向上させることができる。
【0080】
また、本実施形態に係るピッキング用の表示装置にあっては、本体部1の移動による距離は、筐体11の一方の側面部側よりも他方の側面部側の方が大きい、即ち上側面部11i側よりも下側面部11j側の方が大きいので、移動距離を異ならせることによって、本体部1を押す感覚を分かり易くすることができる。しかも、本体部1を押す感覚を分かり易くすべく本体部1全体を大きく移動させることを要さないので、ピッキング用の表示装置の大型化を抑制(即ち、小型化)することができる。
【0081】
また、本発明に係るピッキング用の表示装置にあっては、導光部13aが、左右方向の中央部側が両端部側よりも前方側に膨出するアーチ状をなし、前記中央部側が筐体11の前面部11aから筐体外に膨出するように筐体11に取り付けられており、光源(LED)13cが、導光部13aの左右方向の両端部近傍から導光部13aを照射するので、導光部13aは、左右方向の中央部側が筐体11の前面部11aと段差をなすように筐体外に膨出した状態で発光する。よって、作業者は、筐体11の前面部11aを正面とした上下左右のあらゆる方向から、筐体外に膨出した導光部13aの発光を容易に認識することができ、従って、作業効率を向上させることができる。
【0082】
具体的には、導光部13aの導光部アーチ部(第一平坦部13Aと第一湾曲部13Cの前方部)は、筐体11の前面部11aの中央部に形成された前面孔11dから筐体11外に段差をなして膨出した状態にあるので、導光部13aがLED13cによって発光された際に、作業者は、筐体11の前面側の上下方向、前方向、左右方向のいずれの方向からでも発光を認識することができる。更に、発光部13は筐体11外に膨出して設けられており、発光面積を大きくすることができるので、作業者は発光を極めて認識し易い。
【0083】
また、本実施形態に係るピッキング用の表示装置では、通信制御部14が外部通信機器からピッキング可否情報を受信すると、通信制御部14による制御によって導光部13a(発光部13)の前面が発光する。よって、本ピッキング用の表示装置では、複数の本体部1が用意されて、そのうち所定の本体部1にのみピッキング可否情報が送信されたとき、どの間口でピッキング作業を実施すべきかを迅速に把握でき、作業効率を向上させることができる。
【0084】
また、本実施形態に係るピッキング用の表示装置では、発光部13は、筐体11の前面部11aにおける中央部の大部分に(即ち大面積を占有して)形成されているので、作業者が発光を認識し易くなっており、作業効率を向上させることができる。
【0085】
また、本実施形態に係るピッキング用の表示装置では、デジタル表示部12は、筐体11の前面部11aに対して中央領域に配置、即ちセンター表示されているので、作業者に表示部が見え易くなっており、作業効率を向上させることができる。
【0086】
また、本実施形態に係るピッキング用の表示装置では、発光部13における導光部13aの前面並びに上面並びに下面がムラなく均一に発光するので、ピッキング可否情報を見易くでき、作業効率を向上させることができる。
【0087】
更に、本実施形態に係るピッキング用の表示装置では、ピッキング作業が終了して、本体部1のスイッチ15がONにされて作業情報が外部通信機器に送信されると、通信制御部14の制御によって、デジタル表示部12に表示された数値情報が非表示にされ、発光部13のLED13cの発光が止められてピッキング可否情報が非表示にされる。よって、本ピッキング用の表示装置では、作業者が既に実施したピッキング作業を誤って再度実施するといった人為的ミスを防止して作業効率を向上させることができる。
【0088】
また、本実施形態に係るピッキング用の表示装置では、筐体11の前片部110と後片部111とがパッキン16aで封止され、導光部アーチ部(第一平坦部13Aと第一湾曲部13Cの前方部)は、前面孔11dの周縁に設けられたパッキン16bを介して筐体11を封止している。更に、第一湾曲部13Cの後方部の前面と筐体11の前面部11aの後面との間にもパッキン16bが設けられ、U字溝15dと第二環状部11hとの間にパッキン16cが設けられているので、筐体11の防水性及び密封性を向上させることができる。即ち、ピッキング作業が水滴などで濡れ易い場所で行われてピッキング用の表示装置に水がかかろうとも、筐体11内に水が侵入することがない、換言すれば、筐体11が防水(防滴)されているので、本体部1を壊れ難くし、製品寿命を長くすることができる。
【0089】
また、本実施形態に係るピッキング用の表示装置では、保持部2の本体板25が引掛け部25dとマグネット25fとネジ孔25aと溝部25eとを有している。それゆえ、これらを適宜用いることで支持体3への取り付けを極めて容易かつ確実に行うことができ、かつ、ピッキングする物品やこれを収納するケースなどの大きさに応じて棚の各間口の幅を変更する際に、表示装置の付け替えや移動が容易にできる。
【0090】
尚、本発明に係るピッキング用の表示装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0091】
例えば、本実施形態では、スイッチ15は筐体11内に収納される場合について説明したが、これに限らず、スイッチ15は保持部2に配置されることができる。この場合、スイッチ15は、固定部15aがIC基板14aにケーブル等を介して電気的に接続され、或いは、保持部2(本体板25)に新たにIC基板と通信ケーブル14bとを設けて、固定部15aが該IC基板に電気的に接続されて、筐体11と保持部2との協働で非押下状態と押下状態との切換えが可能に構成される。かかるスイッチ15は、本体部1を保持部2に保持した状態では、非押下状態をなし、本体部1を保持部2に向けて押すと、筐体11の後面部11bで押下されて押下状態となる。尚、本体部1には、筐体11の後面部11bにスイッチ15を押下する突起状の押下部を設けてもよい。
【0092】
また、本実施形態では、本体部1は、筐体11の左側面部11kと右側面部11Lとに突起部11mを有し、該突起部11mを用いて保持部2に枢支されるように保持される場合について説明したが、これに限らず、本体部1は、保持部2に軸支されるように保持されることができる。具体的には、本体部1は、筐体11の左側面部11kと右側面部11Lとに筐体外向きに左右方向に沿う棒状の突起部を有する。また、保持部2は、ホルダ体21の左側面板26aと右側面板26bとの上端の前後方向中央部から下方に所定長の切欠きを有する。かかる本体部1は、突起部が保持部2の切欠きに上方から嵌め入れられることで保持部2に保持される。
【0093】
その他、本体部1は、保持部2にスライド式に保持されることができる。具体的には、本体部1は、筐体11の左側面部11kと右側面部11Lとに上下方向に沿う直方体状の突起部を有する。また、保持部2は、ホルダ体21の左側面板26aの右面と右側面板26bの左面との上端から下端近傍に亘って設けられる溝部を有する。この溝部は、上下方向に沿って断面略コ字形状をなしており、下側ほど前後方向の溝幅が大きくなるように構成されている。かかる本体部1は、突起部を保持部2の溝部に上端側から下方にスライドさせて保持部2に保持される。尚、溝部は、下側ほど前後方向の溝幅が大きいので、本体部1が待機位置と押下位置との間を前後方向に移動する距離は、本体部1の上側面部11i側よりも下側面部11j側の方が大きくなる。
【0094】
また、本実施形態では、本体部1が待機位置と押下位置との間を前後方向に移動する距離は、本体部1の上側面部11i側よりも下側面部11j側の方が大きい場合について説明したが、これに限らず、本体部1の移動する距離は、本体部1の上側面部11i側と下側面部11j側とが略等しくなるようにすることができる。具体的には、本体部1は、筐体11の左側面部11kと右側面部11Lとに上下方向に沿う直方体状の突起部を有する。また、保持部2は、ホルダ体21の左側面板26aの右面と右側面板26bの左面との上端から下端近傍に亘って設けられる溝部を有する。この溝部は、上下方向に沿って断面略コ字形状をなしており、前後方向の溝幅が略均一に構成されている。かかる本体部1は、突起部を保持部2の溝部に上端側から下方にスライドさせて保持部2に保持される。また、本体部1は、溝部の前後方向の溝幅内で待機位置と押下位置とを前後方向に平行移動可能に保持部2に保持されている。
【0095】
また、本実施形態では、スイッチ15は、円柱状部15eが筐体11外に突出することなく筐体11内に収納される場合について説明したが、これに限らず、スイッチ15は、例えば円柱状部15eの後面側部分がスイッチ孔11gから筐体11外に突出するように構成されてもよい。この場合、保持部2の押下部22は、突出して構成されなくともよく、例えばフラットな面や、スイッチ15の筐体11外に突出した部分の高さよりも高さが低い溝部から構成されることができる。
【0096】
また、本実施形態では、スイッチ15は、2つ設けられる場合について説明したが、これに限らず、スイッチ15は、1つだけ又は3つ以上設けられてもよい。
【0097】
また、本実施形態では、スイッチ15は、自動復帰型スイッチで構成される場合について説明したが、これに限らず、スイッチ15は、押すたびにオンとオフが反転する位置保持型スイッチで構成されることができる。
【0098】
また、本実施形態では、アーチ部13eの表面(前面)13gは、黒色に着色される場合について説明したが、これに限らず、アーチ部13eの表面(前面)13gは、白色や銀色などに着色されることができる。その他にも、アーチ部13eの表面(前面)13gに黒色のシート部材を配置してもよいし、或いは、アーチ部13e自体を黒色や白色や銀色などの材料で構成してもよい。
【0099】
また、本実施形態では、保持部2は、待機位置決め手段24と押下位置決め手段23とを備える場合について説明したが、これに限らず、保持部2は、待機位置決め手段24と押下位置決め手段23とのいずれも備えなくともよいし、いずれか一方のみを備えて構成されてもよい。例えば、スイッチ15がスイッチ孔11gから筐体11外に突出して構成されるような場合、かかる突出したスイッチ15によって待機位置の位置決め及び押下位置の位置決めがなされるので、保持部2は、待機位置決め手段24と押下位置決め手段23とを備えない構成を採用することができる。或いは、待機位置決め手段24、押下位置決め手段23は、保持部側にではなく、本体部1の後面部11bに設けられるようにしてもよい。
【0100】
また、本実施形態では、保持部2の本体板25は、引掛け部25dとマグネット25fとネジ孔25aと溝部25eとを有する場合について説明したが、これに限らず、本体板25は、支持体3に取り付けるべく支持体3の形状に応じて、様々な変更が可能である。例えば、本体板25は、引掛け部25dとマグネット25fとネジ孔25aと溝部25eとのうち、いずれか一つ或いは二つ以上の組合せを有して構成されてもよい。また、引掛け部25dの形状は、略直角に折曲した鉤爪状でなくとも直線形状や上方に凸をなすように湾曲したフック形状などでもよい。更に、本体板25は、マグネット25fに代えて、或いは、マグネット25fと共に、別の取付手段としてネジ留め手段や、両面テープなどの貼付手段などを具備することができる。
【0101】
また、本実施形態では、本体部1が待機位置と押下位置との間を前後方向に移動する距離は、本体部1の上側面部11i側よりも下側面部11j側の方が大きい場合について説明したが、これに限らず、本体部1の移動する距離は、本体部1の下側面部11j側よりも上側面部11i側の方が大きい、或いは、本体部1の左右方向の一側面部側よりも他側面部側の方が大きくなるように本体部1と保持部2とを構成することができる。例えば、本実施形態に係る本体部1と保持部2との正面視の左右方向を上下方向に変更して、本体部1と保持部2とを構成することができる。この場合、本体部1の移動する距離は、本体部1の左右方向の一側面部側よりも他側面部側の方が大きくなるようにすることができる。
【0102】
また、本実施形態では、保持部2と支持体3とが別体で構成され、保持部2が支持体3に取り付けられる場合について説明したが、これに限らず、保持部2と支持体3とは一体的に構成されることができる。
【0103】
また、本実施形態では、ピッキング支援システムは、1又は複数のホストコンピュータ101〜10nと、1又は複数の端末コンピュータ201〜20mと、複数のピッキング用の表示装置311〜31x,321〜32y,…,3m1〜3mzとから構成される場合について説明したが、これに限らず、ピッキング支援システムを構成するホストコンピュータ、端末コンピュータ、ピッキング用の表示装置の台数は各々、任意に設定・変更できる。例えば、ピッキング支援システムは、ホストコンピュータが1台、端末コンピュータが1台、ピッキング用の表示装置が6台で構成されることや、ホストコンピュータが5台、端末コンピュータが10台、ピッキング用の表示装置が60台などで構成されることができる。
【符号の説明】
【0104】
1…本体部、2…保持部、3…支持体、11…筐体、11a…前面部、11b…後面部、11c…側面部、11m…突起部、12…表示部、13…発光部、13a…導光板、13b…後面板、13c…LED、14…通信制御部、14a…IC基板、14b…通信ケーブル、15…スイッチ、15a…固定部、15b…可動部、16a〜16c…パッキン、21…ホルダ体、22…押下部、23…押下位置決め手段、24…待機位置決め手段、25…本体板、25d…引掛け部、26…側面板、26c…凹部、31…平板部、32…レール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体状に構成された本体部と、該本体部が保持される保持部と、本体部又は保持部のいずれかに設けられるスイッチとを備え、
前記本体部は、筐体と、該筐体に設けられて、ピッキング情報を表示する表示部と、外部通信機器と通信して前記表示部を制御する通信制御部とを有し、
前記スイッチは、非押下状態では、通信制御部から外部通信機器への作業情報の送信を待機状態とし、押下状態になると、前記送信が実行されるように切換えられ、かつ、前記切換えが筐体と保持部との協働でなされるよう構成され、
本体部は、前記保持部に対して、前記スイッチが非押下状態となる待機位置に位置していて、かつ、保持部が配置されている側に外部から押されることで、スイッチが筐体と保持部との協働で押下されて押下状態となる押下位置に移動するように保持されていることを特徴とするピッキング用の表示装置。
【請求項2】
前記筐体は、前面部と、該前面部に対向する後面部と、前面部と後面部とを連結し、対向配置される一対の側面部とを備え、
前記スイッチは、前記後面部に配置され、前記保持部は、前記本体部の後方側に配置されており、
保持部は、本体部の前記待機位置から前記押下位置への移動が後方向の移動となり、かつ、前記移動における筐体の一方の側面部側の移動距離よりも他方の側面部側の移動距離の方が大きくなるように本体部を保持することを特徴とする請求項1に記載のピッキング用の表示装置。
【請求項3】
前記筐体は、前面部と、該前面部に対向する後面部とを備え、
前記表示部は、発光可能に構成される発光部を備え、
前記発光部は、前後方向と交わる左右方向の中央部側の領域が左右方向の両端部よりも前方向に膨出するアーチ状をなす導光部であって、前記中央部側が筐体の前面部から筐体外に膨出するように筐体に取り付けられる導光部と、該導光部の左右方向の両端部近傍に設けられて導光部を照射する光源とを有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のピッキング用の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−91564(P2013−91564A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236043(P2011−236043)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000103426)オークラ輸送機株式会社 (84)
【出願人】(308012495)積水樹脂キャップアイシステム株式会社 (5)
【Fターム(参考)】