説明

ピペリジン誘導体及びピペラジン誘導体

下記一般式(I)で示される化合物:


[式(I)中、R、m、X、n、Y及びRは、明細書中に記載された意味を表す。]はシグマ受容体に対するアフィニティーを有し、中枢神経系疾患の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2005年9月23日出願のアメリカ合衆国仮出願、出願番号60/720,064、発明の名称「ピペリジン誘導体及びピペラジン誘導体」、に基づく優先権を主張し、その開示全体を引用により本明細書の一部とする。
【0002】
本発明は、新規1,4−ピペリジン及びピペラジン誘導体に関し、該新規誘導体の製造方法に関し、該製造方法に有用な新規中間体に関し、該誘導体を含有する医薬組成物に関し、及び、中枢神経系疾患の治療における該誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、ある種の中枢神経系疾患はシグマ受容体機能のモジュレーターを用いて治療することができるかもしれないとの見解が、科学文献に開示されていた。シグマリガンドに対するアフィニティーを有することが知られている化合物のうちには、ある種のピペリジン誘導体及びピペラジン誘導体がある。
【0004】
WO91/09594には、シグマ受容体に対するアフィニティーを有する化合物が開示されており、その中にはピペリジン誘導体又はピペラジン誘導体も存在し、そして、精神分裂病や他の精神病の治療に有用であることが開示されている。
【0005】
米国特許番号5,736,546には、置換基を持たない一つのフェニル基と、二つのアルコキシ基を置換基として持つもう一つのフェニル基とを有する、1,4−(ジフェニルアルキル)ピペラジンが開示されている。開示されている化合物の中には、1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−(3−フェニルプロピル)ピペラジンがある。この化合物は科学文献において、SA4503とも称される。US5,736,546に開示されている化合物は、痴呆、鬱病、精神分裂病、不安神経症、異常免疫反応に伴う疾患、内分泌過多(cryptorrhea)、及び、消化性潰瘍(digestive ulcer)の治療に有用であるとされている。
【0006】
WO2004/110387には、シグマリガンド、とくにSA4503、は、虚血性脳血管障害、外傷性脳損傷、又は、脊髄損傷等のような神経変性疾患の発症の後における神経再生を促進するための、患者の治療にもまた有用であることが開示されている。
【0007】
米国特許番号5,389,630には、脳保護作用を有するある種のジアミン化合物が開示されている。実施例50の化合物はピペラジン誘導体であるが、例示されている大多数の化合物はホモピペラジン誘導体である。該化合物の作用機序は示されていない。
【特許文献1】WO91/09594
【特許文献2】US5,736,546
【特許文献3】WO2004/110387
【特許文献4】US5,389,630
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これに対し、ある種の新規1,4−ピペリジン及びピペラジン誘導体は、シグマ受容体、特に、シグマ−1受容体、に対する高いアフィニティーを有することがいまや見出された。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、本発明は下記一般式(I):
【0010】
【化1】

【0011】
[式(I)中、
は、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基、及び、炭素数1〜4のハロアルコキシ基からなる群から独立に選択される一つ、二つ、又は三つの置換基を有するか又は有していないフェニル基を表し、
mは2、3、4又は5であり、
XはCH又はNであり、
nは0、1、2、3、4又は5であり、ただし、XがNの場合、nは2、3、4又は5であり、
YはO、NR、又はSであり、
は水素、炭素数1〜4のアルキル基若しくはフェニル(炭素数1〜4)アルキル基、又は、Rにおいて定義される基であり、そして
は、いずれも非芳香環炭素原子に水酸基を置換基として有していてもよい、インダン−1−イル基、インダン−2−イル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフト−1−イル基、若しくは1,2,3,4−テトラヒドロナフト−2−イル基;炭素数3〜6のシクロアルキル基;又は、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、シアノ基からなる群から独立に選択される一つ、二つ、又は三つの置換基を有するか又は有していないフェニル基;フェニル基、イミダゾリル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は炭素数1〜4のハロアルコキシ基を表す。]で表される化合物
または薬理学的に許容されるその塩である。
【発明の効果】
【0012】
本願発明の化合物はシグマ受容体、なかでもシグマ−1受容体、に対する高いアフィニティーを有することが見出された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本明細書中、断らないかぎり、ハロゲン原子はフッ素、塩素、及び臭素を含む。
炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基は、メチレンジオキシ基、及びエチレンジオキシ基を含む。
炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基が挙げられ、それ以外にも、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、2−ブチル基、及びt−ブチル基が挙げられる。
炭素数1〜4のハロアルキル基は、トリフルオロメチル基等のパーフルオロアルキル(炭素数1〜4)基を含む。
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基が挙げられ、それ以外にも、エトキシ基、プロポキシ基、及び2−プロポキシ基が挙げられる。
炭素数1〜4のハロアルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基等のパーフルオロアルコキシ(炭素数1〜4)基が挙げられる。
炭素数3〜6のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
【0014】
式(I)において、Rの具体例としては、フェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3−クロロフェニル、3−メチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−イソプロポキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,3,4−トリメトキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2−フルオロ−3,4−ジメトキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、4−クロロ−3−メトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、及び、3−トリフルオロメトキシフェニルが挙げられる。
【0015】
の例としてとくに、フェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、及び、2−トリフルオロメトキシフェニルが挙げられる。
【0016】
式(I)においてRが3,4−ジメトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−イソプロポキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、又は、3,4,5−トリメトキシフェニルである化合物がとくに言及される。
【0017】
mの例としては、2及び3である。mの例としてとくに2が挙げられる。
nの例としては、2及び3である。nの例としてとくに2が挙げられる。
【0018】
の具体例としては、水素が挙げられる。
【0019】
Yの例として、とくにO及びNHが挙げられる。
【0020】
の具体例としては、フェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、2−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−メチルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−t−ブチルフェニル、4−シアノフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−ビフェニル、4−(1−イミダゾリル)フェニル、2−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、及び、4−トリフルオロメトキシフェニルが挙げられる。
【0021】
の例として、とくにフェニル、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、4−クロロフェニル、4−メチルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−シアノフェニル、3,4,5−トリメトキシ基、及び、2−トリフルオロメチルフェニルが挙げられる。
【0022】
式(I)においてRが4−フルオロフェニルである化合物がとくに言及される。
【0023】
式(I)で表される化合物のある種のものは不斉中心を含んでいる。これらの化合物は、従って、立体異性体の態様で存在し及び単離されてもよい。本発明は式(I)で表される化合物の如何なる立体異性体であってもよい。
【0024】
また、式(I)で表される化合物又は薬理学的に許容されるその塩は溶媒和物の態様で単離されてもよく、従って、如何なるこのような溶媒和物も本発明の範囲に含まれる。
【0025】
式(I)で表される化合物のうちある種のものはまた、シグマ−2受容体に対するよりもシグマ−1受容体に対して良好な選択性を有することが見出された。このことは、シグマ−2受容体が、ラットにおいて、シグマ受容体が関与する頸部ジストニアにおいて重要な役割を果たすことが示されている(Matsumoto RRら、Pharmacol. Biochem. Behav.36、151−155、1996)ことから、とくに望ましいことである。例えば、DTG(1,3−ジ−2−トリル−グアニジン。シグマ−1受容体及びシグマ−2受容体の両方に対するアゴニスト。)のマイクロインジェクションはラットに頸部ジストニアを誘起したが、一方、SA−4503(選択的シグマ−1アゴニスト)のインジェクションは効果がなかった(Nakazawa Mら、Pharmacol Biochem. Behav.62、123−126、1999)。さらに、シグマ−2受容体は細胞増殖の調節に関与していると考えられている。細胞毒性効果がシグマ−2受容体リガンドと関連づけられている(Vilner and Bowen、Eur. J. Pharmacol Mol Pharmacol Sect 244、199−201、1993)。シグマ−2選択的ドラッグはアポトーシスや細胞内カルシウム放出を伴ってもよい機構をとおして腫瘍細胞の増殖を阻害することができる(Aydar Eら、Cancer Research 64、5029−5035、2004)。これらの化合物は従ってとくに好ましい。
【0026】
他の態様によれば、従って、本発明は
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−フルオロフェノキシ)エチル)ピペリジン、
1−(4−(トリフルオロメチル)フェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン、
4−(2−(2−フルオロフェノキシ)エチル)−1−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペリジン、
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、
1−(3−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、
1−(4−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、
1−(2−ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)エチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、
1−(3,4−ジフルオロフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、
1−フェネチル−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−クロロフェノキシ)エチル)ピペラジン、
4−(2−(4−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペラジン−1−イル)エチルオキシ)ベンゾニトリル、
及び薬理学的に許容されるその塩、から選択される化合物である。
【0027】
これらの化合物はいずれもシグマ−1受容体に対してシグマ−2受容体に対してよりも良好な選択性を有することが見出された。
【0028】
一般式(I)で表される化合物は常法により製造することができる。
【0029】
別の態様によれば、従って、本発明は
a)下記一般式(II):
【0030】
【化2】

【0031】
の化合物を還元剤で還元するか、
b)式(I)においてXがNの化合物の場合には、下記一般式(III):
【0032】
【化3】

【0033】
の化合物(式(III)中、Z及びZはそれぞれ独立に脱離原子又は脱離基を表す。)を、下記一般式(IV):
【0034】
【化4】

【0035】
の化合物、若しくは、そのR上の一つ若しくは二つの置換基が保護されている対応する化合物と反応させるか、又は、
c)式(I)においてXがNの化合物の場合には、下記一般式(V):
【0036】
【化5】

【0037】
の化合物を下記一般式(VI):
【0038】
【化6】

【0039】
の化合物(式(VI)中、Zは脱離原子又は脱離基を表す。)と反応させ;
次に、すべての保護基を除去し、そして、所望により、薬理学的に許容される塩を形成させる、
、過程を含む、一般式(I)で表される化合物又は薬理学的に許容されるその塩を製造する方法である。
【0040】
上記工程a)において、還元剤としては、ボラン(BH)、ホウ水素化物還元剤、例えば、ホウ水素化ナトリウム、又は、アルカリ金属水素化アルミニウム、例えば、リチウムアルミニウムヒドリド、等が挙げられる。還元は、溶媒、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテルの存在下に好適に行うことができる。還元の温度としては、−25〜100℃の範囲内で、例えば、−10〜40℃において好適に行うことができる。
【0041】
一般式(II)の化合物は、一般式(VII):
【0042】
【化7】

【0043】
の化合物(式中、Zはp−トルエンスルホニルオキシ基等の脱離原子又は脱離基を表す。)と一般式(VIII):
【0044】
【化8】

【0045】
の化合物とを反応させて得ることができる。
【0046】
一般式(VII)の化合物は、一般式(IX):
【0047】
【化9】

【0048】
の対応する化合物から、例えば、p−トルエンスルホニルクロライド等のスルホニルハライドとの反応によって得ることができる。
【0049】
一般式(IX)の化合物は、一般式(X):
【0050】
【化10】

【0051】
の化合物を、一般式(XI):
【0052】
【化11】

【0053】
の化合物又はその反応性誘導体と、標準的なアミド結合カップリング条件を用いて、反応させることにより得ることができる。
【0054】
または、一般式(II)の化合物を、一般式(VII):
【0055】
【化12】

【0056】
の化合物を、一般式(XI)の化合物又はその反応性誘導体と、標準的なアミド結合カップリング条件を用いて、反応させることにより得ることができる。
【0057】
一般式(XII)の化合物は、一般式(XIII):
【0058】
【化13】

【0059】
の化合物(式中、Pはt−ブトキシカルボニル基等のアミノ基保護基を表す。)を脱保護することにより得ることができる。
【0060】
一般式(XIII)の化合物は、対応する一般式(XIV):
【0061】
【化14】

【0062】
の化合物から、一般式(II)の化合物を一般式(IX)の化合物から製造した方法に従って、得ることができる。
【0063】
上記工程b)において、Z及びZで表される脱離原子又は脱離基としては、例えば、ハイドロカルビルスルホニルオキシ基、例えば、メタンスルホニルオキシ若しくはp−トルエンスルホニルオキシ、又は、ハロゲン原子、例えば、塩素原子が挙げられる。
【0064】
反応は好ましくは0〜100℃の範囲内、例えば、50〜90℃にて行う。好ましい溶媒としては、例えば、有機溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド等のアミドが挙げられる。反応は好ましくは塩基、例えば、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、の存在下に行われる。反応はヨウ化ナトリウム等の触媒の存在下に行ってもよい。
【0065】
一般式(III)の化合物は、対応する一般式(XV):
【0066】
【化15】

【0067】
の化合物から、例えば、チオニルクロライドとの反応により、一般式(III)中のZとZが塩素原子である化合物を得ることができる。
【0068】
一般式(XV)の化合物は、一般式(XVI):
【0069】
【化16】

【0070】
の化合物を一般式(XVII):
【0071】
【化17】

【0072】
の化合物(式中、Zはホウ素原子等のハロゲン原子等の脱離原子又は脱離基を表す。)と反応させることにより得ることができる。
【0073】
上記工程c)において、Zで表される脱離原子又は脱離基としては、例えば、ハイドロカルビルスルホニニオキシ基、例えば、p−トルエンスルホニルオキシが挙げられる。好ましい溶媒としては、例えば、アセトン等のケトンが挙げられる。反応は0〜100℃の範囲内で好適に行うことができる。
【0074】
薬理学的に許容される塩は、常法により生成することができ、例えば、式(I)で表される化合物を塩酸等の薬理学的に許容される酸と反応させて得られる。
【0075】
ある種の中間体、例えば、式(II)の化合物は新規化合物である。本発明は、本願明細書に開示するすべての新規中間体でもある。
【0076】
本発明の化合物は、どのような適切な経路で投与してもよく、例えば、消化管(例えば、直腸、口腔)内、鼻腔内、肺内、筋肉内、若しくは血管内へ、又は、経皮的に、投与することができる。該化合物は、いかなる適切な投与剤型であってもよく、例えば、錠剤、粉剤、カプセル剤、溶液剤、分散液剤、懸濁液剤、シロップ剤、スプレー剤、座剤、ゲル剤、エマルション剤、パッチ剤等が挙げられる。このような組成物は薬剤に通常使用される成分、例えば、希釈剤、キャリア剤、pH調節剤、甘味剤、増量剤、及びその他の活性成分、等を含有することができる。非経口投与が望ましい場合は、組成物は注射又は点滴に適した滅菌した溶液又は懸濁液形態とすればよい。このような組成物は、本発明の別の態様である。
【0077】
本発明の他の態様によれば、本発明は医薬組成物であって、上記式(I)で表される化合物若しくは薬理学的に許容されるその塩、及び、薬理学的に許容される希釈剤又はキャリア剤を含有してなる。
【0078】
別の態様によれば、本発明は、治療に使用するための、式(I)で表される化合物若しくは薬理学的に許容されるその塩である。
【0079】
別の態様によれば、本発明は、シグマ受容体機能のモジュレーターに反応する疾患の治療に使用する医薬製造のための、式(I)で表される化合物又は薬理学的に許容されるその塩、の使用である。
【0080】
他の態様によれば、本発明は、式(I)で表される化合物又は薬理学的に許容されるその塩、の有効量を患者に投与することからなる、シグマ受容体機能のモジュレーターに反応する病気の治療方法である。
【0081】
治療対象の患者としては、ヒトでもよく、ヒト以外の動物でもよく、例えば、ネコ、イヌ、馬、牛、羊等の動物でもよい。
【0082】
シグマ受容体のモジュレーターに反応する病気としては、例えば、シグマ受容体に関連付けられる神経学的疾患又は精神医学的疾患等の中枢神経系疾患が挙げられる。神経学的疾患としては、例えば、心臓バイパス・グラフト手術後の脳欠陥、脳虚血(例えば、脳梗塞又は心臓停止に伴うもの);脊髄外傷;頭部外傷;多発性硬化症、アルツハイマー病;ハンチントン舞踏病;筋萎縮性側索硬化症;AIDSにより誘起される痴呆症;筋痙攣;ひきつけ;薬剤への耐性、禁断症、及び中断(すなわち、アヘン剤、ベンゾジアゼピン、ニコチン、コカンイ、又はエタノールに対するもの);眼の損傷及び網膜症;認知障害;特発性及び薬剤起因性パーキンソン病;痛み;及び遅発性ジスキネジア等の運動障害が挙げられる。
【0083】
式(I)で表される化合物で治療される精神医学的疾患の例としては、精神分裂病、不安及び関連神経症(例えば、パニック発作、ストレス関連障害)、鬱病、双極性障害、精神病、及び強迫神経症が挙げられる。
【0084】
本発明の化合物は、特に、神経保護薬としての使用、並びに、神経変性疾患、特に、脳梗塞、外傷性脳損傷、脊髄損傷、及び多発性硬化症、の発症の後における神経再生と機能回復を促進するための患者の治療における使用、に有用である。
【0085】
式(I)で表される化合物の投与量は、治療する症状の性質や重篤さ、投与経路、及び投与対象の大きさや種に依る。一般には、0.01〜100mg/kg体重の範囲の量が投与される。
【0086】
本明細書中、「治療」とは予防的使用も含む。「有効量」とは治療される疾患の症状の進行を、低減するか阻止するのに有効な、式(I)で表される化合物の量をいう。
【0087】
本発明の化合物は、単独で、又は、異なる作用機序の他の治療薬と併用して、投与してもよい。
【0088】
化合物のシグマ受容体に結合する能力は以下の一つ又はそれ以上の試験により示すことができる。
【0089】
シグマ−1(σ1)及びシグマ−2(σ2)受容体結合アッセイはHEK−293(ヒト胎児腎臓由来)細胞の細胞膜を用いて行われる。
【0090】
膜の調製
コンフルエントなHEK−293細胞をPBS/5mM EDTA中で採集する。それを2000rpmで5分間遠心し、その後、PBSで2回洗う。細胞は5mM EDTA、0.5mM PMSF及び0.5μg/mlロイペプチン含有20mM トリスHCl(pH=7.5)中で、ダウンス型ホモジェナイザー(Dounce homogenizer)を用いて均質化し、5分間超音波処理する。
【0091】
核破片及び無傷細胞を3000rpm、10分間、4℃で遠心して除去する。上清を12000rpmで30分間遠心し、生じるペレットを25mMトリスHCl(pH=7.5)、25mM MgCl、0.5mM PMSF含有10%スクロース、2mM AEBSF、1mM EDTA、130μMベスタチン、14μM E−64、1μMロイペプチン及び0.3mMアプロチニンに再懸濁する。
【0092】
タンパクはバイオラッド プロテイン アッセイ ダイ試薬を用いて測定し、膜標品は等分し−80℃で冷凍する。
【0093】
σ1受容体結合アッセイ
結合アッセイは96穴プレートで行う。
σ1受容体はσ1選択的プローブ(+)−[H]ペンタゾシンを用いて標識する(ボーエン WDら、Mol Neuropharmacol 3、117−126、1993)。
全結合は50μgのHEK−293細胞膜と10nM(+)−[H]−ペンタゾシン(パーキン−エルマー、35Ci/mmol)及びアッセイバッファー(50mMトリスHCl、pH=8.3)とを全量200μlにてインキュベートして測定する。非特異的結合は10μM無標識ペンタゾシンの存在下で測定する。競合試験は、50μlの競合化合物を8つの異なる濃度で添加して行う。インキュベーションは120分間37℃で行う。アッセイの停止は氷冷10mMトリスHCl、pH=8.3で希釈し、モレキュラーデバイス(Molecular Devices)社のスキャトロン(Skatron)セルハーベスターを用いてグラスファイバーで減圧濾過して行う。フィルターは3回洗浄し、マイクロベータ(Microbeta)シンチレーションカウンターで膜結合放射能を測定する。
【0094】
フィルターは、使用する前に0.5%ポリエチレンイミンに1時間浸漬する。
特異的結合は、全結合から非特異的結合を差し引いて求める。IC50値([H]−ペンタゾシンの結合を50%阻害するのに必要な競合リガンド濃度)はグラフパッドプリズム(GraphPad Prism)ソフトウェアを用いて非線形回帰分析により解析する。
【0095】
σ2受容体結合アッセイ
結合アッセイは96穴プレートで行う。
σ2受容体は[H]DTG(ジ−o−トリルグアニジン)により、σ1受容体がσ1選択的化合物であるペンタゾシンによりマスクされる条件下で、標識する(ヘレウェル SBら、Eur.J.Pharmacol、268、9−18、1994)。
【0096】
全結合は50μgのHEK−293細胞膜と、10μMペンタゾシンの存在下の10nM[H]−DTG(パーキン−エルマー、58Ci/mmol)及びアッセイバッファー(50mMトリスHCl、pH=8.3)とを全量200μlにてインキュベートして測定する。非特異的結合は10μM無標識DTGの存在下で測定する。競合試験は、50μlの競合化合物を8つの異なる濃度で添加して行う。インキュベーションは120分間37℃で行う。アッセイの停止は氷冷10mMトリスHCl、pH=8.3で希釈し、モレキュラーデバイス社のスキャトロンセルハーベスターを用いてグラスファイバーで減圧濾過して行う。フィルターは3回洗浄し、マイクロベータシンチレーションカウンターで膜結合放射能を測定する。
【0097】
フィルターは、使用する前に0.5%ポリエチレンイミンに1時間浸漬する。
特異的結合は、全結合から非特異的結合を差し引いて求める。IC50値([H]−DTGの結合を50%阻害するのに必要な競合リガンド濃度)はグラフパッドプリズムソフトウェアを用いて非線形回帰分析により解析する。
【0098】
本明細書において例示される化合物はすべてσ1受容体結合アッセイにおいてIC50値が700nMより小さいことが判明した。
以下の例により本発明を具体的に説明する。
【実施例】
【0099】
実施例1
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−クロロフェノキシ)エチル)ピペリジン
工程1:2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イル]エタノン(A)
【0100】
【化18】

【0101】
3,4−ジメトキシフェニル酢酸(7.60g、38.7mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP;11.4g、93mmol)、及び4−ピペリジン−エタノール(5g、39mmol)のドライジクロロメタン(DCM;80mL)氷冷溶液中に、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドハイドロクロライド(EDAC・HCl;9.65g、50.3mmol)を1度に添加した。冷却槽を取り除き、反応混合物を室温まで温めた。5時間後、HPLC分析により3,4−ジメトキシフェニル酢酸が消費されたことが判明した。反応混合物は1NHCl(aq)(90mL)によって1度洗い、減圧下で濃縮した。残渣をクロマトグラフし、粘り気のある油状物として目的化合物を得た(A;10.67g、収率90%)。
【0102】
H−NMR(400MHz,CDCl)0.91(br m,1H),1.04(br m,1H),1.44(q,J=6.6Hz、2H),1.64(m,3H),1.73(br s,2H),2.56(br m,1H),2.92(br m,1H),3.64(m,4H),3.84(s,3H),3.84(s,3H),4.59(br m,1H),6.73(dd,J=2.0,8.2Hz,1H),6.78(d,J=2.0Hz,1H),6.79(d,J=8.2Hz,1H)。
m/z 308[M+1]
【0103】
工程2:トルエン−4−スルホニックアシド2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−アセチル]ピペリジン−4−イル}−エチルエステル(B)
【0104】
【化19】

【0105】
A(10.67g、34.7mmol)のドライDCM(100mL)溶液にトリエチルアミン(EtN;7.5mL、53.8mmol)を加えた。反応混合物を0℃に冷却した。p−トルエンスルホニルクロライド(10.0g、52.4mmol)を一度に加え、混合物を5分間撹拌した。冷却槽を外し、12時間撹拌しつつ反応混合物を室温まで温めた。TLC分析により反応はほぼ完了したことが判明した。反応混合物を1NHCl(aq)(100mL)にて1度洗い、減圧して濃縮し、クロマトグラフィで精製し、目的化合物(B;14.2g、収率88%)を油状物として得た。m/z462[M+1]
【0106】
工程3:1−{4−[2−(4−クロロフェノキシ)エチル]ピペリジン−1−イル}−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−エタノン(C)
【0107】
【化20】

【0108】
マグネチックスターラー付き20mL反応容器中にて、B(1.4g、3.0mmol)、ドライN,N−ジメチルホルムアミド(DMF;11mL)、炭酸カリウム(KCO;1.26g、9.1mmol)及び4−クロロフェノール(0.78g、6.1mmol)を15時間75℃に温めた。出発物質はLC分析により消費が示された。反応混合物を窒素気流下に加熱して濃縮した。残渣をDCM(10mL)に溶解し、水(10mL)で洗った。有機層を窒素気流下に加熱して濃縮し、残渣をクロマトグラフし、目的化合物(C;1.22g、収率96%)を油状物として得た。m/z418[M+1]
【0109】
工程4:1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−クロロフェノキシ)エチル)ピペリジン
【0110】
【化21】

【0111】
マグネチックスターラー付き20mL反応容器中にて、C(1.22g、2.9mmol)をドライテトラヒドロフラン(THF;6.7mL)中に撹拌しながら溶解した。溶液を0℃に冷却し、1.0Mボラン(BH)THF溶液(8.8mL、8.8mmol)をゆっくりと加えた。10分後、冷却槽を外し、反応混合物を室温で12時間撹拌した。LC分析によりCの完全消費が示された。メタノールをガス発生が止むまでゆっくりと加えた(3−6mL)。反応混合物を窒素気流下に加熱して濃縮した。残渣をクロマトグラフィにかけて目的化合物(0.17g、15%)を得た。
【0112】
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.5−1.9(m,7H),2.6−3.0(m,8H),3.71(s,3H),3.74(s,3H),4.01(m,2H),6.75(m,1H),6.81(d,1H),6.88(d,1H),6.96(m,2H),7.30(m,2H)。
m/z404[M+1]
【0113】
以下の化合物を実施例1に記載の方法と同様にして製造した。
【0114】
実施例2
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−フルオロフェノキシ)エチル)ピペリジン
【0115】
【化22】

【0116】
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.47−1.7(m,8H),2.7−3.1(m,7H),3.72(s,3H),3.75(t,s,3H),3.97(t,2H),6.76(m,1H),6.82(s,1H),6.86(d,1H),6.94(m,2H),7.09(t,2H)。
m/z388[M+1]
【0117】
実施例3
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(p−トリルオキシ)エチル)ピペリジン
【0118】
【化23】

【0119】
H NMR(400MHz,CDCl):δ1.4−1.9(m,7H),2.20(s,3H),2.6−3.0(m,8H),3.69(s,3H),3.72(s,3H),3.95(m,2H),6.73(m,1H),6.78(m,3H),6.85(d,1H),7.04(d,2H)。
m/z384[M+1]
【0120】
実施例4
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−イソプロピルフェノキシ)エチル)ピペリジン
【0121】
【化24】

【0122】
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.13(d,6H),1.5−1.9(m,8H),2.6−3.0(m,8H),3.69(s,3H),3.73(s,3H),3.94(m,2H),6.72(m,H),4.06(m,2H),6.72(m,1H),6.80(s,1H),6.85(d,1H),6.90(m,1H),6.09(t,1H),7.16(m,2H)。
m/z388[M+1]
【0123】
実施例5
4−(2−(2−フルオロフェノキシ)エチル)−1−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペリジン
【0124】
【化25】

【0125】
H NMR(400MHz,CDCl):δ1.4−1.9(m,8H),2.6−3.0(m,7H),3.69(s,3H),3.72(s,3H),4.06(m,2H),6.72(m,1H),6.80(s,1H),6.85(d,1H),6.90(m,1H),6.09(t,1H),7.16(m,2H)。
m/z388[M+1]
【0126】
実施例6
4−(2−(2−クロロフェノキシ)エチル)−1−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペリジン
【0127】
【化26】

【0128】
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.54−1.89(m,7H),2.58−2.66(t,1H),2.80−3.03(m,6H),3.71(s,3H),3.74(s,3H),4.09−4.13(m,2H),6.72(m,1H),6.82−6.90(m,2H),6.93(t,1H),7.12(d,1H),7.27(t,1H),7.38(d,1H)。
m/z404[M+1]
【0129】
実施例7
4−(2−(2−トリフルオロメチル)フェノキシ)エチル)−1−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペリジン
【0130】
【化27】

【0131】
H NMR(400MHz,CDCl):δ1.4−1.9(m,8H),2.6−3.0(m,7H),3.69(s,3H),3.72(s,3H),4.14(t,2H),6.73(d,1H),6.83(m,2H),7.06(t,1H),7.24(d,1H),7.59(m,2H)。
m/z438[M+1]
【0132】
実施例8
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
【0133】
【化28】

【0134】
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.4−1.9(m,8H),2.6−3.0(m,7H),3.69(s,3H),3.72(s,3H),3.99(m,2H),6.71(t,1H),6.80(s,1H),6.84−6.92(m,4H),7.26(m,2H)。
m/z370[M+1]
【0135】
実施例9
1−(2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)エチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
【0136】
【化29】

【0137】
目的化合物を実施例1に記載のものと類似の合成ルートを用いて、ただし、3,4−ジメトキシフェニル酢酸の代わりにメチレンジオキシフェニル酢酸を用いて、製造した。
【0138】
H NMR(400MHz,CDCl):δ1.5−1.99(m,8H),2.7−3.0(m,7H),3.98(m,2H),5.95(s,2H),6.66(m,1H),6.79−6.81(m,2H),6.91(m,3H),7.25(t,2H)。
m/z354[M+1]
【0139】
以下の化合物を実施例1に記載の方法と同様にして製造することができる:
4−[2−(4−クロロ−フェノキシ)エチル]−1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン、
4−(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−エチル]ピペリジン−4−イル}エトキシ)ベンゾニトリル、
1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−[2−(4−メトキシフェノキシ)エチル]ピペリジン、
4−[2−(ビスフェニル−4−イルオキシ)エチル]−1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン、
4−[2−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルオキシ)エチル]−1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン、
1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−[2−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)エチル]ピペリジン、
1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−[2−(4−イミダゾール−1−イルフェノキシ)エチル]ピペリジン、
1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−[2−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)エチル]ピペリジン、
1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]ピペリジン、
1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−[2−(2−トリフルオロメトキシフェノキシ)エチル]ピペリジン、
1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−[2−(3−フルオロ−4−メトキシフェノキシ)エチル]ピペリジン、
4−[2−(3−クロロ−4−メトキシフェノキシ)エチル]−1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン及び
4−[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)エチル]−1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン。
【0140】
実施例10
N−(2−(1−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペリジン−4−イル)エチル)ベンゼンアミン
【0141】
【化30】

【0142】
実施例1に記載の方法と同様にして、ただし、工程3における4−クロロフェノールをアニリンに代えることにより、目的化合物を製造した:
【0143】
H NMR(400MHz,CDCl):δ1.4−1.9(m,8H),2.6−3.0(m,9H),3.69(s,3H),3.72(s,3H),5.35(m,1H),6.47(t,1H),6.51(d,2H),6.739(m,1H),6.80(s,1H),6.85(d,1H),7.03(m,2H)。
m/z369[M+1]
【0144】
以下の化合物を実施例10に記載の方法と同様にして製造することができる:
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(4−フルオロフェニル)アミン、
(4−クロロフェニル)−(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}エチル)アミン、
4−(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチルアミノ)ベンゾニトリル、
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(4−メトキシフェニル)アミン、
ビフェニル−4−イル−(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)アミン、
ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)アミン、
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(4−(トリフルオロメチルフェニル)アミン、
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−p−トリルアミン、
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(4−イソプロピルフェニル)アミン、
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(4−イミダゾール−1−イル−フェニル)アミン、
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(4−トリフルオロメトキシフェニル)アミン、
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(2−フルオロフェニル)アミン、
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(2−メトキシフェニル)アミン、
(2−クロロ−フェニル)−2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)アミン、
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(2−トリフルオロメチルフェニル)アミン、
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(2−トリフルオロメトキシフェニル)アミン、
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)アミン、
(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)アミン、
(3−クロロ−4−メトキシフェニル)−(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)アミン 及び
(3,4−ジクロロ−フェニル)−(2−{1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}エチル)アミン。
【0145】
実施例11
1−(2−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
工程1:4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エチル]ピペリジン−1−カルボキシリックアシドt−ブチルエステル(D)
【0146】
【化31】

【0147】
N−Boc−4−ピペリジン−エタノール(5.0g、21.8mmol)及びEtN(4.6mL、33.0mmol)のドライDCM(10mL)氷冷溶液中に、p−トルエンスルホニルクロライド(6.25g、32.8mmol)をゆっくりと加えた。添加後、室温に温め、撹拌しつつ20時間反応させた。反応混合物を水(40mL)、10%(wt/v)クエン酸(aq)(40mL)及び飽和NaHCO3(aq)(40mL)で洗った。DCM層をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下に濃縮し、淡黄色の油状物を得、クロマトグラフしして目的化合物(7.47g、収率89%)を無色透明の油状物として得た。
【0148】
H NMR(400MHz,CDCl):1.02(m,2H),1.43(s,9H),1.50−1.57(m,5H),2.44(s,3H),2.60(br t,2H),4.02(br d,2H),4.06(t,2H),7.34(d,2H),7.78(d,2H)。
【0149】
工程2:4−(2−フェノキシエチル)−ピペリジン−1−カルボキシリックアシドt−ブチルエステル(E)
【0150】
【化32】

【0151】
D(8.24g、21.5mmol)のドライDMF(85mL)溶液中に炭酸カリウム(KCO;8.9g、64mmol)及びフェノール(4.0g、42.5mmol)を加えた。反応混合物を4時間70〜75℃に加熱し、室温に冷却し、そして水(300mL)中に投入した。混合物をエチルアセテート(3×100mL)で抽出した。エチルアセテート抽出物を合わせ、0.25MKCO3(aq)(100mL)及び飽和塩化ナトリウム(100mL)で洗い、MgSOで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた油状物をシリカカラムに通して高極性物質を取り除き、目的化合物とフェノールとの混合物(7.95g)を分離した。この物質を、さらに精製することなしに次の工程にかけた。m/z205[M−COC(CH
【0152】
工程3:4−(2−フェノキシエチル)−ピペリジン塩酸塩(F)
【0153】
【化33】

【0154】
Eとフェノール(Eの理論値7.95g、21.5mmol)のDCM(80mL)溶液中にトリフルオロ酢酸(20mL)を徐々に加え、混合物を室温にて一晩撹拌した。出発物質の消費はTLC分析で確かめた。反応混合物を水(110mL)で洗い、水層をDCM(25mL)に戻し抽出した。合わせたDCM層を飽和NaHCO3(aq)(100mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濃縮して油状物(7.32g)を得た。油状物の一部(6.60g)をEtOAc(110mL)に溶かした。撹拌しながら2MHClのEtO(アルドリッチ;13.5mL)溶液を滴下した。混合物を1.5時間撹拌し、濾過し、EtOAcで洗い、そして減圧下に乾燥してF(4.0g、収率85%)を白色固体として得た。
【0155】
H NMR(400MHz,DMSO−d):1.39(m,2H),1.67(q,J=6.4Hz,2H),1.76(m,1H),1.84(br d,2H),2.83(br q,J=11.3Hz,2H),3.22(br d,J=12.9Hz,2H),4.00(t,J=6.3Hz,2H),6.90−6.93(m,3H),7.28(m,2H),8.73(br s,1H),8.96(br s,1H)。
【0156】
工程4:2−(2−メトキシフェニル)−1−[4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン−1−イル]エタノン(G)
【0157】
【化34】

【0158】
F(0.32g、1.3mmol)、(2−メトキシフェニル)酢酸(0.26g、1.6mmol)及びDMAP(0.55g、4.5mmol)のDCM(6.5mL)溶液中にEDAC・HCl(0.36g、1.9mmol)を加えた。反応混合物を室温にて一晩撹拌した。HPLC分析によりFの完全消費が示された。反応混合物を1NHCl(aq)(2×5mL)で洗い、MgSOで乾燥し、窒素気流下に加熱して濃縮し、目的化合物を得た。この物質を、さらに精製することなしに次の工程にかけた。m/z354[M+1]
【0159】
工程5:1−[2−(2−メトキシフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジンハイドロクロライド
【0160】
【化35】

【0161】
粗残渣G(理論値1.3mmol)のドライTHF(3mL)氷冷溶液中に、1.0MBHのTHF(アルドリッチ;4.1mL、4.1mmol)溶液を滴下した。添加後すぐに反応混合物を室温まで温め19時間撹拌を続けた。HPLC分析によりGの完全消費が示された。メタノールをガス発生が止むまでゆっくりと加えた(1−3mL)。反応混合物を窒素気流下に加熱して濃縮した。残渣をクロマトグラフィして目的化合物(0.35g、工程4から79%)を得た。
【0162】
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.5−1.7(m,8H),2.8−3.0(m,7H),3.77(s,3H),3.98(m,2H),6.84−6.95(m,5H),7.13−7.27(m,4H)。
m/z340[M+1]
【0163】
下記の化合物を実施例11に記載の方法と同様にして製造した。
【0164】
実施例12
1−(3−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
【0165】
【化36】

【0166】
H NMR(400MHz,CDCl):δ1.40−1.80(m,7H),2.10−2.40(m,1H),2.48(t,1H),2.89−3.18(m,6H),3.81(s,3H),4.02(m,2H)),6.76−6.97(m,6H),7.21−7.31(m,3H)。
m/z340[M+1]
【0167】
実施例13
1−(4−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
【0168】
【化37】

【0169】
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.40−1.90(m,9H),2.70−3.10(m,6H),3.70(s,3H),3.98(m,2H),6.84(d,2H),6.90(d,3H)),7.13(t,2H),7.23(m,2H)。
m/z340[M+1]
【0170】
実施例14
1−フェネチル−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
【0171】
【化38】

【0172】
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.5−1.9(m,9H),2.8−3.1(m,6H),4.01(m,2H),6.91(m,3H),7.2−7.3(m,7H)。
m/z310[M+1]
【0173】
実施例15
1−(3−(トリフルオロメチル)フェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
【0174】
【化39】

【0175】
H NMR(400MHz,CDCl):δ1.4−1.9(m,8H),2.6−3.7(m,7H),3.97(m,2H),6.90(m,3H),7.24(m,2H),7,51−7,61(m,4H)。
m/z378[M+1]
【0176】
実施例16
1−(4−(トリフルオロメチル)フェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
【0177】
【化40】

【0178】
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.4−1.7(m,8H),2.6−3.1(m,7H),3.97(m,2H),6.90(m,3H),7.25(m,2H),7.47(t,2H),7.64(t,2H)。
m/z378[M+1]
【0179】
実施例17
1−(2−(トリフルオロメチル)フェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン
【0180】
【化41】

【0181】
H NMR(400MHz,CDCl):δ1.4−1.7(m,8H),2.7−3.2(m,7H),3.97(t,2H),6.91(m,3H),7.25(m,2H),7,44(t,1H),7.49(d,1H),7.63(t,1H),7.68(d,1H)。
m/z378[M+1]
【0182】
以下の化合物を実施例11に記載の方法と同様にして製造することができる:
1−[2−(2−フルオロ−3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン、
4−(2−フェノキシエチル)−1−[2−(2,3,4−トリメトキシフェニル)エチル]ピペリジン、
1−[2−(2−フルオロフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン、
1−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン、
1−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン、
1−[2−(3,4−ジフルオロフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン、
4−(2−フェノキシエチル)−1−(2−m−トリルエチル)ピペリジン、
1−[2−(3−クロロフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン、
1−[2−(4−クロロ−3−メトキシフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン、
4−(2−フェノキシエチル)−1−[2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチル]ピペリジン
4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]−1−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]ピペリジン、
4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]−1−[2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)エチル]ピペリジン、
4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]−1−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]ピペリジン、
4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]−1−[2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチル]ピペリジン、
1−(2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルエチル)−4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペリジン、及び、
1−(2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルエチル)−4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペリジン。
【0183】
実施例18
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジヒドロクロライド
工程1:2−[(2−ヒドロキシ−エチル)−(2−フェノキシ−エチル)−アミノ]−エタノール(H)
【0184】
【化42】

【0185】
2−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)エタノール(32g、310mmol)、1−(2−ブロモエトキシ)ベンゼン(51g、256mmol)及び炭酸カリウム(70g、512mmol)のエタノール(200mL)中の反応混合物を一晩環流し、濃縮し、そして水とエチルアセテートとの間に分層した。有機層を塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し、目的化合物を得た(45g、78%)。
【0186】
工程2:ビス−(2−クロロエチル)−(2−フェノキシエチル)アミンハイドロクロライド(I)
【0187】
【化43】

【0188】
2−[(2−ヒドロキシエチル)−(2−フェノキシエチル)−アミノ]エタノール(H;43.9g、194mmol)のクロロホルム(140mL)氷冷溶液中に、チオニルクロライド(SOCl;114.8g、965mmol)を滴下した。反応混合物はつぎに1.5時間環流させ、そして濃縮した。残渣をつぎにエチルアセテートとイソプロピルエーテルとの混合物中に懸濁した。沈殿物を濾過し、バキュームオーブン中で乾燥し、目的化合物を淡褐色結晶として定量的に得た。この産物をさらに精製することなしに使用した。
【0189】
工程3:1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジヒドロクロライド
【0190】
【化44】

【0191】
ビス−(2−クロロエチル)−(2−フェノキシエチル)アミン(0.895g、3mmol)、2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミン(0.548g、3mmol)、炭酸カリウム(KCO;1.277g、9mmol)及びヨウ化ナトリウム(NaI;0.899g、6mmol)のDMF(6mL)中の反応混合物を70−80℃で5時間撹拌し、水でクエンチし、エチルアセテートで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣を6NHClaq(pH=3−4)中に懸濁し、濾過した。濾過ケーキをつぎにエチルアセテートとエタノールで洗浄し、乾燥して目的化合物を青白色固体として得た(330mg、23%)。
【0192】
H NMR(400MHz,CDOD):δ3.08(m,2H),3.50(m,2H),3.74−3.84(m,16H),4.44(t,2H),6.85−7.05(m,6H),7.32(m,2H)。
m/z371[M−2HCl+1]
【0193】
以下の化合物を実施例18に記載の方法と同様にして製造した。
【0194】
実施例19
1−(2−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジヒドロクロライド
【0195】
【化45】

【0196】
H NMR(400MHz,CDOD):δ3.13(m,2H),3.46(m,2H),3.5−3.9(m,13H),4.45(t,2H),6.90−7.06(m,5H),7.24−7.35(m,4H)。
m/z341[M−2HCl+1]
【0197】
実施例20
1−(3−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジヒドロクロライド
【0198】
【化46】

【0199】
H NMR(400MHz,CDOD):δ3.12(m,2H),3.52(m,2H),3.65−3.95(m,13),4.44(t,2H),6.83−6.91(m,3H),7.01−7.05(m,3H),7.23−7.35(m,3H)。
m/z341[M−2HCl+1]
【0200】
実施例21
1−(4−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジヒドロクロライド
【0201】
【化47】

【0202】
H NMR(400MHz,CDOD):δ3.08(m,2H),3.48(m,2H),3.6−3.0(m,13H),4.45(t,2H),6.90(m,2H),7.03(m,3H),7.23(m,2H),7.32(m,2H)。
m/z341[M−2HCl+1]
【0203】
実施例22
1−(2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)エチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジヒドロクロライド
【0204】
【化48】

【0205】
H NMR(400MHz,CDOD):δ3.05(m,2H),3.46(m,2H),3.6−3.9(m,10H),4.42(t,2H),5.93(s,2H),6.38(s,2H),6.84(s,1H),7.01−7.04(m,3H),7.32(dd,2H)。
m/z355[M−2HCl+1]
【0206】
実施例23
1−(2−フルオロフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジヒドロクロライド
【0207】
【化49】

【0208】
H NMR(400MHz,CDOD):δ3.21(m,2H),3.50(m,2H),3.6−3.9(m,10H),4.39(m,2H),6.98−7.21(m,5H),7.30−7.40(m,4H)。
m/z329[M−2HCl+1]
【0209】
実施例24
1−(3,4−ジフルオロフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジヒドロクロライド
【0210】
【化50】

【0211】
H NMR(400MHz,CDOD):δ3.14(m,2H),3.51(9m,2H),3.6−3.9(m,10H),4.43(t,2H),6.98−7.05(m,3H),7.06−7.35(m,5H)。
m/z347[M−2HCl+1]
【0212】
実施例25
1−(3−(トリフルオロメチル)フェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジヒドロクロライド
【0213】
【化51】

【0214】
H NMR(400MHz,CDOD):δ3.25(m,2H),3.54(m,2H),3.7−3.9(m,10H),4.45(m,2H),7.02(m,3H),7.34(m,2H),7.55−7.69(m,4H)。
m/z379[M−2HCl+1]
【0215】
実施例26
1−(2−(トリフルオロメトキシ)フェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジヒドロクロライド
【0216】
【化52】

【0217】
H NMR(400MHz,CDOD+CDCl):δ3.22(m,2H),3.42(m,2H),3.6−3.8(m,10H),4.43(t,2H),6.99(m,3H),7.27−7.39(m,5H),7.47(d,1H)。
m/z395[M−2HCl+1]
【0218】
実施例27
1−フェネチル−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジンジヒドロクロライド
【0219】
【化53】

【0220】
H NMR(400MHz,CDOD+CDCl):δ3.15(m,2H),3.48(m,2H),3.7−4.0(m,10H),4.43(t,2H),6.99(m,3H),7.25−7.34(m,7H)。
m/z311[M−2HCl+1]
【0221】
以下の化合物を実施例18に記載の方法と同様にして製造することができる:
1−[2−(2−フルオロ−3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、
1−(2−フェノキシエチル)−4−[2−(2,3,4−トリメトキシフェニル)エチル]ピペラジン、
1−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、
1−[2−(4−フルオロフェニル)−エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、
1−(2−フェノキシエチル)−4−(2−m−トリルエチル)ピペラジン、
1−(2−フェノキシエチル)−4−[2−(2−トリフルオロメチル−フェニル)エチル]ピペラジン、
1−(2−フェノキシエチル)−4−[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル]ピペラジン、
1−(2−フェノキシエチル)−4−[2−(3−トリフルオロメトキシフェニル)エチル]ピペラジン、
1−[2−(3−クロロ−フェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、及び、
1−[2−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)エチル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン。
【0222】
実施例28
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−クロロフェノキシ)エチル)ピペラジンジヒドロクロライド
【0223】
工程1:2−(4−クロロフェノキシ)エチル 4−メチルベンゼンスルホネート(J)
【0224】
【化54】

【0225】
2−(4−クロロフェノキシ)エタノール(2.0g、11.6mmol)のDCM(10mL)溶液中にEtN(5mL)と4−メチルベンゼン−1−スルホニルクロライド(TsCl;2.43g、12.8mmol)を順に添加した。反応混合物を室温にて一晩撹拌し、水とエチルアセテートとの間に分層した。有機層を水、5%炭酸水素ナトリウム(NaHCO)及び塩水で洗い、そして濃縮した。得られた残渣をヘキサンで洗い目的化合物を定量的に得た。
【0226】
工程2:1−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペラジンジヒドロクロライド(L)
【0227】
【化55】

【0228】
2−(3,4−ジメトキシフェニル)エタノール(6.0g、32.8mmol)及びチオニルクロライド(19g、164mmol)のクロロホルム(20mL)中の反応混合物を4時間環流下に撹拌し、濃縮し、そして水とエチルアセテートとの間に分層した。有機層をNaHCOと塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して4−(2−クロロエチル)−1,2−ジメトキシベンゼン(K)を定量的に得た(6.6g)。
【0229】
4−(2−クロロエチル)−1,2−ジメトキシベンゼン(3.6g、17.9mmol)、ピペラジン−1−カルボキシリックアシドt−ブチルエステル(4.0g、21.5mmol)、KCO(4.97g、36mmol)及びNaI(2.7g、18mmol)のDMF(20mL)中の反応混合物を80℃で3時間撹拌し、室温まで冷やして、水とエチルアセテートとの間に分層した。有機層を水と塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し4−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−エチル]−ピペラジン−1−カルボキシリックアシドt−ブチルエステル(4.8g、76%)を得、4NHClのジオキサン溶液中に溶解した。溶液を室温にて4時間撹拌し、濃縮し、そして高真空オーブン中で乾燥し、目的化合物を定量的に得た。
【0230】
工程3:1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−クロロフェノキシ)エチル)ピペラジンジヒドロクロライド
【0231】
【化56】

【0232】
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペラジンジヒドロクロライド(502mg、1.55mmol)及び2−(4−クロロフェノキシ)エチル 4−メチルベンゼンスルホネート(460mg、1.4mmol)のアセトン(20mL)溶液中にNaI(465mg、3.1mmol)及びKCO(1.1g、7.0mmol)を加えた。反応混合物を一晩環流し、濃縮した。残渣をエチルアセテートと水の間に分層した。有機層を水と塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し、1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−クロロフェノキシ)エチル)ピペラジンを得、6NHClaq(pH=3)中に懸濁した。沈殿物を濾過、冷エタノールで洗い、そして乾燥して目的化合物を得た(350mg、52%)。
【0233】
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ2.96(m,2H),3.4(m,12H),3.70(s,3H),3.74(s,3H),4.36(b,2H),6.76(d,1H),6.89(m,2H),7.03(m,2H),7.34(m,2H)。
m/z405[M−2HCl+1]
【0234】
実施例29
1−(2−(2−クロロフェノキシ)エチル)−4−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペラジンジヒドロクロライド
【0235】
【化57】

【0236】
目的化合物を実施例28に記載の方法と同様にして、ただし、2−(4−クロロフェノキシ)エチル 4−メチルベンゼンスルホネートの代わりに2−(2−クロロフェノキシ)エチル 4−メチルベンゼンスルホネートを工程1で使用して、製造した。
【0237】
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ2.96(b,2H),3.4(m,12H),3.70(s,3H),3.72(s,3H),4.44(b,2H),6.76(d,1H),6.89(m,2H),6.98(m,1H),7.20(d,1H),7.33(m,1H),7.46(d,1H)。
m/z405[M−2HCl+1]
【0238】
実施例30
4−(2−(4−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペラジン−1−イル)エチルオキシ)ベンゾニトリルジヒドロクロライド
【0239】
工程1:4−(2−ブロモエトキシ)ベンゾニトリル(M)
【0240】
【化58】

【0241】
4−ヒドロキシベイゾニトリル(1.19g、10mmol)、1,2−ジブロモエタン(9.39g、50mmol)及びKCO(4.14g、30mmol)のDMF(20mL)中の反応混合物を100℃で5時間撹拌し、室温まで冷やした。反応混合物にエチルアセテートと水を加えた。有機層を塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィで精製して4−(2−ブロモエトキシ)ベンゾニトリル(1.2g、53%)を得た。
【0242】
工程2:4−(2−(4−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペラジン−1−イル)エチルオキシ)ベンゾニトリルジヒドロクロライド
【0243】
【化59】

【0244】
目的化合物を実施例28(工程3)に記載の方法と同様にして、ただし、2−(4−クロロフェノキシ)エチル 4−メチルベンゼンスルホネートの代わりに4−(2−ブロモエトキシ)ベンゾニトリルを使用して、製造した(収率41%)。
【0245】
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ2.95−3.00(m,3H),3.20−3.60(m,11H),3.70(s,3H),7.73(s,3H),4.46(b,2H),6.77(d,1H),6.88(d,2H),7.17(d,2H),7.79(d,2H)。
m/z396[M−2HCl+1]
【0246】
以下の化合物を実施例30に記載の方法と同様にして、ただし、4−ヒドロシキベンゾニトリルを対応する置換フェノールに置き換えて、製造した。
【0247】
実施例31
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−イソプロピルフェノキシ)エチル)ピペラジンジヒドロクロライド
【0248】
【化60】

【0249】
H NMR(400MHz,CDOD):δ1.20(d,6H),2.69(s,1H),2.85(m,1H),3.09(m,2H),3.51(m,2H),3.73−3.80(m,15H),4.14(m,2H),6.85−6.97(m,5H),7.18(q,2H)。
m/z413[M−2HCl+1]
【0250】
実施例32
1−(2−(2−トリフルオロメチル)フェノキシ)エチル)−4−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペラジンジヒドロクロライド
【0251】
【化61】

【0252】
H NMR(400MHz,CDOD):δ3.09(m,2H),3.51(m,2H),3.6−4.0(m,16H),4.62(t,2H),6.85−6.96(m,3H),7.16(t,1H),7.26(d,1H),7.63(m,2H)。
m/z439[M−2HCl+1]
【0253】
以下の化合物を実施例28及び30に記載の方法と同様にして製造することができる:
1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]ピペラジン、
1−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−[2−(4−メトキシフェノキシ)エチル]ピペラジン、
1−[2−(ビフェニル−4−イルオキシ)エチル]−4−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペラジン、
1−[2−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルオキシ)エチル]−4−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペラジン、
1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−4−[2−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)エチル]ピペラジン、
1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−4−(2−p−トリルオキシエチル)ピペラジン、
1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−4−[2−(4−イミダゾール−1−イルフェノキシ)エチル]ピペラジン、
1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−4−[2−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)エチル]ピペラジン、
1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−4−[2−(2−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン、
1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−4−[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]ピペラジン、
1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−4−[2−(2−トリフルオロメトキシフェノキシ)エチル]ピペラジン、
1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−4−[2−(2−フルオロ−4−メトキシフェノキシ)エチル]ピペラジン、
1−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)エチル]−4−[2−(3−フルオロ−4−メトキシフェノキシ)エチル]ピペラジン、
1−[2−(3−クロロ−4−メトキシ−フェノキシ)エチル]−4−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペラジン、
1−[2−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)エチル]−4−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペラジン、
1−[2−(4−イソプロポキシ−フェニル)エチル]−4−(2−フェノキシ)エチル]ピペラジン、
1−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[2−(4−イソプロポキシ−フェニル)エチル]ピペラジン、
1−[2−(2−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[2−(4−イソプロポキシ−フェニル)エチル]ピペラジン、
1−[2−(2−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[2−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)エチル]ピペラジン、
1−[2−(2−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[2−(4−メトキシ−フェニル)エチル]ピペラジン、
1−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[2−(4−メトキシ−フェニル)エチル]ピペラジン、
1−(2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルエチル)−4−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]ピペラジン、
1−(2−フェノキシエチル)−4−[2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチル]ピペラジン、
4−(2−{4−[2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチル]ピペラジン−1−イル}エトキシ)ベンゾニトリル、
1−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)エチル]ピペラジン、
1−[3−(3,4−ジメトシキ−フェニル)プロピル]−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、
1−[3−(3,4−ジメトシキ−フェニル)プロピル]−4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン、
1−(3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルプロピル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、
1−(3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルプロピル)−4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ピペラジン、
1−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[3−(4−メトキシフェニル)プロピル]ピペラジン、
1−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[3−(4−イソプロポキシフェニル)プロピル]ピペラジン、
1−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)プロピル]ピペラジン、
1−[2−(4−フルオロ−フェノキシ)エチル]−4−[3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロピル]ピペラジン、及び、
1−[2−(4−t−ブチル−フェノキシ)エチル]−4−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]ピペラジン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I):
【化1】

[式(I)中、
は、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、及び、炭素数1〜4のハロアルコキシ基からなる群から選択される一つ、二つ、又は三つの置換基を有するか又は有していないフェニル基を表し、
mは2、3、4又は5であり、
XはCH又はNであり、
nは0、1、2、3、4又は5であり、ただし、XがNの場合、nは2、3、4又は5であり、
YはO、NR、又はSであり、
は水素、炭素数1〜4のアルキル基若しくはフェニル(炭素数1〜4)アルキル基、又は、Rにおいて定義される基であり、そして
は、いずれも非芳香環炭素原子に水酸基を置換基として有していてもよい、インダン−1−イル基、インダン−2−イル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフト−1−イル基、若しくは1,2,3,4−テトラヒドロナフト−2−イル基;炭素数3〜6のシクロアルキル基;又は、炭素数1〜2のアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、シアノ基からなる群から選択される一つ、二つ、又は三つの置換基を有するか又は有していないフェニル基;フェニル基、イミダゾリル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、及び、炭素数1〜4のハロアルコキシ基を表す。]で表される化合物
または薬理学的に許容されるその塩。
【請求項2】
が、フェニル基、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3−クロロフェニル基、3−メチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、2,3,4−トリメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、2−フルオロ−3,4−ジメトキシフェニル基、3−クロロ−4−メトキシフェニル基、4−クロロ−3−メトキシフェニル基、2−トリフルオロメトキシフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基、又は3−トリフルオロメトキシフェニル基である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が、フェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル基、2−フルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基又は2−トリフルオロメトキシフェニル基である請求項1記載の化合物。
【請求項4】
が、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、又は4−トリフルオロメトキシフェニル基である請求項1記載の化合物。
【請求項5】
m若しくはnが2であるか、又は、m及びnが2である請求項1〜4のいずれか記載の化合物。
【請求項6】
Yが、O又はNHである請求項1〜4のいずれか記載の化合物。
【請求項7】
Yが、O又はNHである請求項5記載の化合物。
【請求項8】
が、フェニル基、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル基、2−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基、2−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−シアノフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ビフェニル基、4−(1−イミダゾリル)フェニル基、2−フルオロ−4−メトキシフェニル基、3−フルオロ−4−メトキシフェニル基、3−クロロ−4−メトキシフェニル基、2−トリフルオロメトキシフェニル基又は4−トリフルオロメトキシフェニル基である請求項1〜4のいずれか記載の化合物。
【請求項9】
m若しくはnが2であるか、又は、m及びnが2である請求項8記載の化合物。
【請求項10】
Yが、O又はNHである請求項8記載の化合物。
【請求項11】
Yが、O又はNHである請求項9記載の化合物。
【請求項12】
が、フェニル基、2−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−シアノフェニル基又は2−トリフルオロメチルフェニル基である請求項1〜4のいずれか記載の化合物。
【請求項13】
m若しくはnが2であるか、又は、m及びnが2である請求項12記載の化合物。
【請求項14】
Yが、O又はNHである請求項12記載の化合物。
【請求項15】
Yが、O又はNHである請求項13記載の化合物。
【請求項16】
が、4−フルオロフェニル基である請求項1〜4のいずれか記載の化合物。
【請求項17】
m若しくはnが2であるか、又は、m及びnが2である請求項16記載の化合物。
【請求項18】
Yが、O又はNHである請求項16記載の化合物。
【請求項19】
Yが、O又はNHである請求項17記載の化合物。
【請求項20】
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−フルオロフェノキシ)エチル)ピペリジン、
1−(4−(トリフルオロメチル)フェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペリジン、
4−(2−(2−フルオロフェノキシ)エチル)−1−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペリジン、
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、
1−(3−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、
1−(4−メトキシフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、
1−(2−ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)エチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、
1−(3,4−ジフルオロフェネチル)−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、
1−フェネチル−4−(2−フェノキシエチル)ピペラジン、
1−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4−(2−(4−クロロフェノキシ)エチル)ピペラジン、
4−(2−(4−(3,4−ジメトキシフェネチル)ピペラジン−1−イル)エチルオキシ)ベンゾニトリル、
及び薬理学的に許容されるそれらの塩、から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項21】
a)下記一般式(II):
【化2】

の化合物を還元剤で還元するか、
b)式(I)においてXがNの化合物の場合には、下記一般式(III):
【化3】

の化合物(式(III)中、Z及びZはそれぞれ独立に脱離原子又は脱離基を表す。)を、下記一般式(IV):
【化4】

の化合物、若しくは、そのR上の一つ若しくは二つの置換基が保護されている対応する化合物と反応させるか、又は、
c)式(I)においてXがNの化合物の場合には、下記一般式(V):
【化5】

の化合物を下記一般式(VI):
【化6】

の化合物(式(VI)中、Zは脱離原子又は脱離基を表す。)と反応させ;
次に、すべての保護基を除去し、そして、所望により、薬理学的に許容される塩を形成させる、過程を含む請求項1〜20のいずれか記載の化合物の製造方法。
【請求項22】
下記一般式(II):
【化7】

で表される化合物(式(II)中、R、m、n、Y及びRは、請求項1〜20のいずれかにおける定義と同様である。)、またはその塩。
【請求項23】
請求項1〜20のいずれか記載の化合物、及び薬理学的に許容される希釈剤又はキャリアを含有する、医薬組成物。
【請求項24】
請求項1〜20のいずれか記載の化合物の有効量を患者に投与する、シグマ受容体機能のモジュレーターに反応する病気を治療するための方法。
【請求項25】
ヒトの患者、又は、ヒト以外の治療対象、の治療のために使用するための、請求項1〜20のいずれか記載の化合物。
【請求項26】
シグマ受容体機能のモジュレーターに反応する病気を治療するための医薬の製造における請求項1〜20のいずれか記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2009−528976(P2009−528976A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543809(P2008−543809)
【出願日】平成18年9月18日(2006.9.18)
【国際出願番号】PCT/IB2006/004324
【国際公開番号】WO2008/096189
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(301004743)株式会社エムズサイエンス (8)
【Fターム(参考)】