説明

ピラゾール系化合物、それらの製造方法及びそれらを含有する除草剤

【課題】農耕地、非農耕地などの適用範囲及び土壌処理、茎葉処理などの適用方法が多岐にわたり、優れた除草効果を示す新規な化合物、及び該化合物を含有する除草剤の提供。
【解決手段】式(I):


(式中、Rはアルキルであり、Rは水素原子又はアルキルであり、Rはアルキルであり、Rはアルキルであり、Rは1つのアルコキシで置換されたアルキル、1つのアルコキシで置換されたアルコキシ又はアルコキシカルボニルであり、Rはアルキルスルホニルであり、Aは1又は2以上のアルキルで置換されたアルキレンである)で表されるピラゾール系化合物、及び該化合物を有効成分として含有する除草剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除草剤の有効成分として有用な新規ピラゾール系化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2には、各々ピラゾール系化合物が開示されている。しかしながら、それらには後記式(I)又は式(II)で表されるピラゾール系化合物は具体的に開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開公報第0352543号
【特許文献2】欧州特許出願公開公報第0282944号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から、雑草を防除する作業の省力化や農園芸用作物の生産性向上を図る為、雑草に対して優れた除草性能を有し、且つ栽培作物に対する安全性を有する除草剤が所望されている。これからの新しい除草剤の開発においては、その施用薬量を低く抑えつつも所望の除草効果を発揮できる化合物の創出が希求されている。また、実用的な残効性を示しつつも必要以上に土壌中に残留したり、雨水などにより施用箇所以外の土壌へ有効成分が流出するなどして環境へ悪影響を及ぼしたりする恐れの少ない化合物の創出が希求されている。さらには、高い動物安全性を備えた化合物の創出が望まれている。しかし、そのような目的に適した新規化合物の探索は試行錯誤に頼っている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明者等は、上記のような課題を解決するようなより優れた除草剤を見出すべく種々検討した結果、本発明を完成した。
即ち本発明は、式(I):
【0006】
【化1】

【0007】
(式中、Rはアルキルであり、Rは水素原子又はアルキルであり、Rはアルキルであり、Rはアルキルであり、Rは1つのアルコキシで置換されたアルキル、1つのアルコキシで置換されたアルコキシ又はアルコキシカルボニルであり、Rはアルキルスルホニルであり、Aは1又は2以上のアルキルで置換されたアルキレンである)で表されるピラゾール系化合物又はその塩、それらの製造方法、それらを有効成分として含有する除草剤、それらの除草有効量を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用し、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法に関する。
また本発明は、上記式(I)で表されるピラゾール系化合物又はその塩の製造中間体として有用であり、また、除草有効成分としても有用である式(II):
【0008】
【化2】

【0009】
(式中、Rはアルキルであり、Rは水素原子又はアルキルであり、Rはアルキルであり、Rは1つのアルコキシで置換されたアルキル、1つのアルコキシで置換されたアルコキシ又はアルコキシカルボニルであり、Rはアルキルスルホニルである)で表されるピラゾール系化合物又はその塩、それらの製造方法、それらを有効成分として含有する除草剤、それらの除草有効量を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用し、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法に関する。
【発明の効果】
【0010】
上記式(I)又は式(II)で表されるピラゾール系化合物又はその塩は、類似する従来化合物に比して雑草への著しい除草活性の向上を実現し、又、作物への高い安全性を有する。また、実用的な残効性を示しつつも必要以上に土壌中に残留したり、雨水などにより施用箇所以外の土壌へ有効成分が流出するなどして環境へ悪影響を及ぼしたりする恐れが少ない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記式(I)又は式(II)中、アルキル又はアルキル部分は、直鎖又は分枝状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、iso-ペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、n-ヘキシル、iso-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニルのようなC1−9のものが挙げられる。
【0012】
上記式(I)中、アルキレン部分としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレンのようなC1−9のものが挙げられる。
【0013】
上記式(I)又は式(II)で表されるピラゾール系化合物の塩としては、農業上許容されるものであればあらゆるものが含まれるが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;ジメチルアミン塩、トリエチルアミン塩のようなアミン塩;塩酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、硝酸塩のような無機酸塩;酢酸塩、メタンスルホン酸塩のような有機酸塩などが挙げられる。
【0014】
上記式(I)又は式(II)で表されるピラゾール系化合物には、光学異性体が存在する場合があり、本発明は各異性体の全てを包含する。本願明細書においては、特に断りの無い限り、異性体混合物として記載する。
【0015】
上記式(I)又は式(II)で表されるピラゾール系化合物又はその塩(以下、本発明化合物と略す)は、以下の製造方法及び通常の塩の製造方法に従って製造することができる。
【0016】
【化3】

【0017】
(式中、R、R、R、R、R、R及びAは前述の通りであり、Halはハロゲンである。)
上記反応は、必要に応じて溶媒の存在下で行うことができる。当該溶媒としては反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトンのようなケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)、スルホランのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタンのようなエーテル類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。これらの溶媒の中でも、好ましくは芳香族炭化水素類などが挙げられる。
【0018】
上記反応は、必要に応じて塩基の存在下で行なうことができる。当該塩基としては、有機塩基でも無機塩基でもいずれでもよい。有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような第三級アミン類;ピリジン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、2,6-ルチジンなどが挙げられる。無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸カルシウム、炭酸バリウムのようなアルカリ土類金属炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;シアン化ナトリウム、シアン化カリウムのようなアルカリ金属シアン化物などが挙げられる。これら塩基類は、式(II)の化合物に対して通常0.01〜100当量、好ましくは0.1〜10当量にて、これらの1種又は2種以上を適宜選択、混合して使用することができる。
【0019】
上記反応は、必要に応じて触媒の存在下で行うことができる。当該触媒としては、n-ブチルアンモニウムブロマイド、n-ブチルアンモニウムクロライド、テトラ-n-ブチルホスホニウムブロマイド、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムなどが挙げられる。これらの触媒の中でも、好ましくはn-ブチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。通常0.0001〜10当量、好ましくは0.001〜1当量にて、これらの1種又は2種以上を適宜選択、混合して使用することができる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜150 ℃、好ましくは50〜120℃、反応時間は、通常1分〜48時間、好ましくは30分〜5時間で行なうことができる。
上記反応で使用する式(II)の化合物は、下記反応[B]で塩として得られたものを使用してもよい。
上記式(II)で表されるピラゾール系化合物は、新規化合物を含み、下記反応[B]に従って製造することができる。
【0020】
【化4】

【0021】
(式中、R、R、R、R及びRは前述の通りである。)
即ち、式(II)で表される化合物は、式(IV)で表される化合物を転位反応させることにより製造することができる。
上記反応は、必要に応じて溶媒の存在下で行なうことができる。当該溶媒としては反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、DMF、DMSO、DMA、HMPA、スルホランのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、THF、ジメトキシエタンのようなエーテル類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。これらの溶媒の中でも、好ましくは芳香族炭化水素、非プロトン性極性溶媒などが挙げられ、更に好ましくは非プロトン性極性溶媒を混合させた芳香族炭化水素などが挙げられる。芳香族炭化水素に非プロトン性極性溶媒を混合させる場合、その混合比率は、例えば、芳香族炭化水素100容量部に対して通常1〜20容量部、好ましくは5〜10容量部である。
【0022】
上記反応は、必要に応じて塩基の存在下で行なうことができる。当該塩基としては、有機塩基でも無機塩基でもいずれでもよく、上記反応[A]において例示したものなどが挙げられる。これら塩基類は、式(IV)の化合物に対して通常0.01〜100当量、好ましくは0.1〜10当量にて、これらの1種又は2種以上を適宜選択、混合して使用することができる。これらの塩基の中でも、好ましくはアルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。塩基を使用した場合、式(II)の化合物は、塩の状態で得られる場合もある。式(II)の化合物が塩の状態であっても、式(II)の化合物の塩をそのまま上記反応[A]の原料として供することが可能である。
また上記反応では、必要に応じて触媒を添加することができる。当該触媒としては、アセトンシアノヒドリンを、式(IV)の化合物に対して0.01〜10当量用いることが出来る。
【0023】
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜150 ℃、好ましくは70 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間、好ましくは30分〜5時間で行なうことができる。
上記式(IV)で表される化合物は下記反応[C]に従って製造することができる。
【0024】
【化5】

【0025】
(式中、R、R、R、R、R及びHalは前述の通りである。)
即ち、式(IV)で表される化合物は、式(V)で表される化合物又はその塩、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などと、式(VI)で表される化合物とを反応させることにより製造することができる。
式(V)の化合物又はその塩は、式(VI)の化合物に対して、通常0.01〜100当量、好ましくは0.1〜10当量の範囲で用いることができる。
上記反応は、必要に応じて、溶媒の存在下で行なうことができる。当該溶媒としては反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、上記反応[B]において例示したものなどが挙げられる。又、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。これらの溶媒の中でも、好ましくは芳香族炭化水素などが挙げられる。
【0026】
上記反応は、必要に応じて、塩基の存在下で行なうことができる。当該塩基としては、有機塩基でも無機塩基でもいずれでもよく、上記反応[A]において例示したものなどが挙げられる。これら塩基類は、式(VI)の化合物に対して通常0.005〜50当量、好ましくは0.05〜5当量にて、これらの1種又は2種以上を適宜選択、混合して使用することができる。これらの塩基の中でも、好ましくは第三級アミン類などが挙げられる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜150 ℃、好ましくは10℃〜100℃、反応時間は、通常1分〜48時間、好ましくは30分〜5時間で行なうことができる。
上記式(VI)で表される化合物は下記反応[D]に従って製造することができる。
【0027】
【化6】

【0028】
(式中、R、R、R及びHalは前述の通りである。)
上記反応においては、ハロゲン化剤、例えばチオニルクロライド或いはオキサリルクロライド等を、式(VII)で表される化合物に対して通常0.01〜100当量、好ましくは0.1〜10当量反応させることが出来る。これらのハロゲン化剤の中でも、好ましくはチオニルクロライドなどが挙げられる。
【0029】
上記反応は、必要に応じて溶媒の存在下で行なうことができる。当該溶媒としては反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、上記反応[B]において例示したものなどが挙げられる。又、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。これらの溶媒の中でも、好ましくは芳香族炭化水素或いはハロゲン化炭化水素などが挙げられ、更に好ましくは、芳香族炭化水素などが挙げられる。
上記反応は、必要に応じて触媒を用いることができる。当該触媒としてはDMFなどが挙げられる。これら触媒は、式(VII)で表される化合物に対して通常0.001〜1当量、好ましくは0.01〜0.5当量にて用いることができる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜150 ℃、好ましくは10 ℃〜120 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間、好ましくは30分〜5時間で行なうことができる。
上記方法の他、式(IV)で表される化合物は、下記反応[E]に従って製造することができる。
【0030】
【化7】

【0031】
(式中、R、R、R、R及びRは前述の通りである。)
即ち、式(IV)で表される化合物は、式(V)で表される化合物又はその塩、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などと、式(VII)で表される化合物とを、脱水剤を用い反応させることにより製造することができる。
上記反応で用いる脱水剤としては、例えば、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)や1-エチル3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩などが挙げられる。
【0032】
上記反応は、必要に応じて溶媒の存在下で行なうことができる。当該溶媒としては反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、上記反応[B]において例示したものなどが挙げられる。又、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応は、必要に応じて塩基の存在下で行なうことができる。当該塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような第三級アミン類;ピリジン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、2,6-ルチジンなどが挙げられる。これら塩基類は、式(VII)で表される化合物に対して1〜100当量にて、これらの1種又は2種以上を適宜選択、混合して使用することができる。
【0033】
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
上記式(VII)で表される化合物は、下記反応[F]に従って製造することができる。
【0034】
【化8】

【0035】
(式中、R、R及びRは前述の通りであり、Lはアルキルなどの保護基である。)
式(VII)で表される化合物は、水の存在下、式(VIII)で表される化合物を加水分解反応させることにより製造することができる。
上記反応は、必要に応じて溶媒の存在下で行うことができる。当該溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;アセトニトリル、DMF、DMSO、DMA、HMPA、スルホランのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、THF、ジメトキシエタンのようなエーテル類;メタノール、エタノールのようなアルコール類;水などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0036】
上記反応は、必要に応じて塩基または酸の存在下で行うことができる。当該塩基としては、有機塩基でも無機塩基でもいずれでもよく、上記反応[A]において例示したものなどが挙げられる。酸としては、例えば、塩酸、硫酸、過塩素酸などが挙げられる。これら塩基類又は酸類は、式(VIII)で表される化合物に対して1〜100当量にて、これらの1種又は2種以上を適宜選択、混合して使用することができる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
上記式(VIII)で表される化合物のうち、RがR5−a−1である化合物は下記反応[G]に従って製造することができる。
【0037】
【化9】

【0038】
(式中、R5−a−1は1つのアルコキシで置換されたアルコキシであり、R6−a−1はアルキルチオであり、L、R及びRは前述の通りである。)
即ち、式(VIII-a-1)で表される化合物は、式(IX)で表される化合物と酸化剤とを溶媒の存在下で反応させることにより製造することができる。
【0039】
上記反応で使用する酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酢酸、メタクロロ過安息香酸などが挙げられる。
上記反応で使用する溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;ジエチルエーテル、ジオキサン、THF、ジメトキシエタンのようなエーテル類;酢酸などが挙げられる。当該溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0040】
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
上記反応は、必要に応じて触媒の存在下で行うことができる。当該触媒としてはタングステン酸ナトリウム又はその水和物などが挙げられる。
上記式(IX)で表される化合物は、下記反応[H]に従って製造することができる。
【0041】
【化10】

【0042】
(式中、L、R、R5−a−1及びR6−a−1は前述の通りである。)
即ち、式(IX)で表される化合物は、式(X)で表される化合物とアルカリ金属のチオアルコキシドとを反応させることにより製造することができる。
上記反応で使用するアルカリ金属のチオアルコキシドとしては、例えば、ナトリウムチオメトキシドやナトリウムチオエトキシドなどが挙げられる。
【0043】
上記反応は、必要に応じて溶媒の存在下で行うことができる。当該溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、アセトニトリル、DMF、DMSO、DMA、HMPA、スルホラン、ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。当該溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0044】
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
上記式(X)で表される化合物は、下記反応[I]に従って製造することができる。
【0045】
【化11】

【0046】
(式中、Rαは1つのアルコキシで置換されたアルキルであり、Xはハロゲン又はメタンスルホニルオキシ基などの脱離基であり、L、R及びR5−a−1は前述の通りである。)
即ち、式(X)で表される化合物は、式(XI)で表される化合物と式(XII)で表される化合物とを塩基の存在下反応させることにより製造することができる。
【0047】
上記反応で使用できる塩基としては、無機塩基又は有機塩基のいずれでもよい。有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、2,6-ルチジンなどが挙げられる。無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物などが挙げられる。これら塩基類は、式(XI)の化合物に対して0.5〜100当量にて、これらの1種又は2種以上を適宜選択、混合して使用することができる。
【0048】
上記反応は、必要に応じて、溶媒の存在下で行なうことができる。当該溶媒としては反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、上記反応[B]において例示したものなどが挙げられる。又、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応は、必要に応じて、触媒の存在下で行なうことができる。触媒としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラノルマルブチルアンモニウムなどが挙げられる。
【0049】
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
上記方法の他、式(VIII−a−1)で表される化合物は、下記反応[J]に従って製造することができる。
【0050】
【化12】

【0051】
(式中、L、R、R5−a−1、R、Rα及びXは前述の通りである。)
即ち、式(VIII−a−1)で表される化合物は、式(XIII)で表される化合物と式(XII)で表される化合物とを塩基の存在下反応させることにより製造することができる。
上記反応は、上記反応[I]と同様に行うことができる。
上記式(XIII)で表される化合物は、下記反応[K]に従って製造することができる。
【0052】
【化13】

【0053】
(式中、R、R及びLは前述の通りである。)
即ち、式(XIII)で表される化合物は、式(XIV)で表される化合物と三臭化ホウ素、塩化アルミニウム、臭化鉄のようなルイス酸とを反応させることにより製造することができる。
【0054】
上記反応は、必要に応じて、溶媒の存在下で行なうことができる。当該溶媒としては反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0055】
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
上記式(XIV)で表される化合物は、下記反応[L]に従って製造することができる。
【0056】
【化14】

【0057】
(式中、R、R及びLは前述の通りである。)
即ち、式(XIV)で表される化合物は、式(XV)で表される化合物に保護基Lを導入する反応により製造することができる。
上記反応は、必要に応じて溶媒の存在下で行うことができる。当該溶媒としては反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、DMF、DMSO、DMA、HMPA、スルホランのような非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0058】
上記反応は、必要に応じて、酸の存在下で行なうことができる。上記反応に使用できる酸としては、塩酸、硫酸などが挙げられる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
上記式(VIII)で表される化合物のうち、RがR5−a−2である化合物は下記反応[M]に従って製造することができる。
【0059】
【化15】

【0060】
(式中、R5−a−2は1つのアルコキシで置換されたアルキルであり、R5−a−3はブロモアルキルであり、L、R及びRは前述の通りである。)
上記反応は、必要に応じて溶媒の存在下で行なうことができる。当該溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、メタノール、エタノールのようなアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;ジエチルエーテル、ジオキサン、THF、ジメトキシエタンのようなエーテル類;アセトニトリル、DMF、DMSO、DMA、HMPA、スルホランのような非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0061】
上記反応は、必要に応じて塩基の存在下で行なうことができる。当該塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物などが挙げられる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0062】
上記式(VII)で表される化合物は、下記反応[N]に従って製造することができる。
【0063】
【化16】

【0064】
(式中、R、R及びRは前述の通りであり、Hal-1はハロゲンである。)
即ち、式(VII)で表される化合物は、触媒及び塩基の存在下で、式(XVII)で表される化合物と、一酸化炭素又はその等価体と、H2Oとを反応させることにより製造することができる。
上記反応で用いる塩基としては、無機塩基又は有機塩基のいずれでもよい。有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソブチルエチルアミン、ピリジン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、2,6-ルチジンなどが挙げられる。無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムのようなアルカリ金属炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどのアルカリ金属酢酸塩が挙げられる。これら塩基は、式(XVII)で表される化合物に対して通常0.1〜100当量、好ましくは0.5〜10当量にて、これらの1種又は2種以上を適宜選択、混合して使用することができる。これらの塩基の中でも、好ましくはアルカリ金属炭酸塩が挙げられる。
上記反応で用いる触媒としては、例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トランス−ジ(μ−アセテート)ビス[o−(ジ−o−トリルホスフィノ)ベンジル]ジパラジウム、パラジウム炭素などのパラジウム触媒;トリルテニウムドデカカルボニルなどのルテニウム触媒;クロロビス(シクロオクテン)ロジウム(I)などのロジウム触媒といった金属系触媒が挙げられる。これら触媒は、式(XVII)で表される化合物に対して通常10−10〜1当量、好ましくは10−5〜0.1当量にてにて、これら1種又は2種以上を適宜選択、混合して使用することができる。これらの触媒の中でも、好ましくはパラジウム触媒が挙げられる。
上記反応で用いることができる一酸化炭素の等価体としては、例えば、ヘキサカルボニルモリブデン、ギ酸、クロロホルムなどが挙げられる。一酸化炭素又はその等価体は式(XVII)で表される化合物に対して、1〜1000等量にて、必要に応じて加圧下で反応することができる。圧力は1〜100MPa、好ましくは1〜10MPaの範囲で適宜選択することができる。
【0065】
上記反応は、必要に応じて溶媒の存在下で行うことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブチルアルコール、i-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、t-ブチルアルコールなどのアルコール類;水;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、DMF、DMSO、DMA、HMPA、スルホランのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン、THF、1,2-ジメトキシエタンのようなエーテル類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。これらの溶媒の中でも、好ましくはアルコール類などが挙げられ、更に好ましくはCアルコールなどが挙げられる。
上記反応は、必要に応じて配位子の存在下で行うことができる。配位子としては、例えば、トリt−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンなどが挙げられる。これら配位子は、式(XVII)で表される化合物に対して10−10〜1当量、好ましくは10−5〜1当量にて、これら1種又は2種以上を適宜選択、混合して用いることができる。
上記反応は、必要に応じて助触媒の存在下で行うことができる。助触媒としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウムなどのアルカリ金属ハロゲン化物;テトラ(n−ブチル)アンモニウムブロマイドなどの4級アンモニウム塩が挙げられる。これら助触媒は、式(XVII)で表される化合物に対して通常0.001〜1当量、好ましくは0.01〜0.1当量にて、これら1種又は2種以上を適宜選択、混合して用いることができる。
上記反応は、必要に応じ不活性ガスの下で行うことができる。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどが挙げられる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜300 ℃、好ましくは120 ℃〜180 ℃、反応時間は通常1分〜72時間、好ましくは1時間〜24時間で行うことができる。
【0066】
上記式(XVII)で表される化合物のうち、RがR5−a−1である化合物は、下記反応[O]に従って製造することができる。
【0067】
【化17】

【0068】
(式中、Rα、Hal-1、R5−a−1、R及びRは前述の通りであり、Hal-2はハロゲンであり、Hal-1とHal-2とはお互いに同一であっても異なってもよい。)
上記反応は、必要に応じて塩基の存在下で行うことができる。塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸カルシウム、炭酸バリウムのようなアルカリ土類金属炭酸塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;水素化リチウム、水素化ナトリウム又は水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;ノルマルブチルリチウムのようなアルカリリチウム試薬;ナトリウムアミド(NaNH2);メチルマグネシウムブロマイド、イソプロピルマグネシウムクロライドなどのグリニヤール試薬が挙げられる。これらの塩基の中でも、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、更に好ましくはアルカリ金属水酸化物などが挙げられる。これら塩基は、式(XVIII)で表される化合物に対して通常0.02〜200当量、好ましくは0.2〜20当量にて用いることができる。また、これらの塩基は1種又は2種以上を適宜選択、混合して用いることができる。
上記反応で用いることができる式(XIX)で表される化合物の金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩が挙げられる。また、式(XIX)の化合物又はその金属塩は、式(XVIII)の化合物に対して、通常0.01〜100当量、好ましくは0.1〜10当量の範囲で用いることができる。
上記反応は、必要に応じて溶媒の存在下で行うことができる。溶媒としては反応に不活性の溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、メタノール、エタノール、2-メトキシエタノールのようなアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、シクロヘキシルメチルエーテルのようなエーテル類;DMF、DMSO、DMA、スルホランのような非プロトン性極性溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類又はベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類のような非極性溶媒などが挙げられる。また、式(XIX)で表される化合物が反応試薬と溶媒とを兼ねることもできる。溶媒としては、これら1種又は2種以上を適宜選択することができる。これらの溶媒の中でも、好ましくは非極性溶媒などが挙げられ、更に好ましくは芳香族炭化水素などが挙げられる。
上記反応は、必要に応じ不活性ガスの下で行うことができる。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどが挙げられる。
上記反応の反応温度は、通常0℃〜200℃、好ましくは70 ℃〜150℃で行うことなどが挙げられ、反応時間は、通常1分〜48時間、好ましくは30分〜10時間で行うことができる。
【0069】
上記式(XVIII)で表される化合物は、下記反応[P]に従って製造することができる。
【0070】
【化18】

【0071】
(式中、R、R、Hal-1及びHal-2は前述の通りであり、Hal-3はハロゲンであり、Hal-1、Hal-2及びHal-3はお互いに同一であっても異なってもよい。)
上記反応に使用する酸としては、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化鉄、塩化ビスマス、塩化インジウム、塩化アンチモン、三臭化ホウ素、臭化鉄のようなルイス酸;メタンスルホン酸、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸などが挙げられ、式(XX)で表される化合物に対して通常0.01当量〜100当量、好ましくは0.1〜10当量の範囲で用いることができる。酸としては、必要に応じ1種又は2種以上を適宜選択することができる。これらの酸の中でも、好ましくは塩化鉄などが挙げられる。
上記反応に使用する、アルキルスルホニルハライド[(R)(Hal-3)]又はアルキルスルホン酸無水物[(RO]は、式(XX)で表される化合物に対して通常0.01〜100当量、好ましくは0.1当量〜10当量の範囲で用いることができる。アルキルスルホニルハライドにおけるハロゲンはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。アルキルスルホニルハライド又はアルキルスルホン酸無水物の中でも、好ましくはアルキルスルホニルハライドなどが挙げられる。
上記反応は、必要に応じて溶媒の存在下で行うことができる。溶媒としては反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素;二硫化炭素、ニトロメタンなどが挙げられる。溶媒としては、これら1種又は2種以上を適宜選択することができる。また、式(XX)で表される化合物が反応試薬と溶媒とを兼ねることもできる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜250 ℃、好ましくは100 ℃〜150 ℃であり、反応時間は通常1分〜48時間、好ましくは30分〜12時間で行うことができる。
上記のような反応を行った後などに得られる、式(XVIII)の化合物及び酸を含有する反応混合物を放冷する際、無機酸及びアルコール系溶媒を徐々に添加することにより、放冷が終了しても反応混合物が固化せず取扱い上有利になると共に、不純物の少ない式(XVIII)の化合物の生成物を容易に得ることが可能になる場合がある。ここで使用できる無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、或いはそれらの混合物などが挙げられ、好ましくは塩酸などが挙げられる。また、アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、i-プロパノール、tert-ブタノールなどが挙げられ、好ましくは、n-プロパノールやi-プロパノールなどのCアルコールなどが挙げられる。無機酸及びアルコール系溶媒の添加順序はいずれかを先としたり、或いは同時に添加したりしても良いが、好ましくは、添加によって急激に反応混合物の温度が下がり固化しない様、徐々に無機酸を加えた後、アルコール系溶媒を添加することなどが挙げられる。
【0072】
本発明化合物は、除草剤の有効成分として使用した場合に優れた除草効果を示す。その適用範囲は、水田、畑地、果樹園、桑園などの農耕地、山林、農道、グランド、工場敷地などの非農耕地と多岐にわたり、適用方法も土壌処理、茎葉処理、湛水処理等を適宜選択できる。
【0073】
本発明化合物は、例えばイヌビエ又はタイヌビエ(barnyardgrass (Echinochloa crus-galli L.、Echinochloa oryzicola vasing.))、メヒシバ(crabgrass (Digitaria sanguinalis L.、Digitaria ischaemum Muhl. 、Digitaria adscendens Henr. 、Digitaria microbachne Henr. 、Digitaria horizontalis Willd.))、エノコログサ(green foxtail (Setaria viridis L.))、アキノエノコログサ(giant foxtail (Setaria faberi Herrm.))、キンエノコロ (yellow foxtail (Setaria lutescens Hubb.))、オヒシバ(goosegrass (Eleusine indica L.))、カラスムギ(wild oat (Avena fatua L.))、セイバンモロコシ(johnsongrass (Sorghum halepense L.))、シバムギ(quackgrass (Agropyron repens L.))、ビロードキビ(alexandergrass (Brachiaria plantaginea))、ギネアキビ(guineagrass(Panicum maximum Jacq.))、パラグラス(paragrass (Panicum purpurascens))、アゼガヤ(sprangletop (Leptochloa chinensis))、イトアゼガヤ(red sprangletop (Leptochloa panicea))、スズメノカタビラ(annual bluegrass (Poa annua L.))、スズメノテッポウ(black grass (Alopecurus myosuroides Huds.))、カモジグサ(cholorado bluestem (Agropyron tsukushiense (Honda) Ohwi))、メリケンニクキビ(broadleaf signalgrass (Brachiaria platyphylla Nash))、シンクリノイガ(southern sandbur (Cenchrus echinatus L.))、ネズミムギ(italian ryegrass (Lolium multiflorum Lam.))、ギョウギシバ(bermudagrass (Cynodon dactylon Pers.))のようなイネ科雑草(gramineae);コゴメガヤツリ(rice flatsedge (Cyperus iria L.))、ハマスゲ(purple nutsedge (Cyperus rotundus L.))、キハマスゲ(yellow nutsedge (Cyperus esculentus L.))、ホタルイ(Japanese bulrush (Scirpus juncoides))、ミズガヤツリ(flatsedge (Cyperus serotinus))、タマガヤツリ(small-flower umbrellaplant (Cyperus difformis))、マツバイ(slender spikerush (Eleocharis acicularis))、クログワイ(water chestnut (Eleocharis kuroguwai))のようなカヤツリグサ科雑草(cyperaceae);ウリカワ(Japanese ribbon waparo (Sagittaria pygmaea))、オモダカ(arrow-head (Sagittaria trifolia))、ヘラオモダカ(narrowleaf waterplantain (Alisma canaliculatum))のようなオモダカ科雑草(alismataceae);コナギ(monochoria (Monochoria vaginalis))、ミズアオイ(monochoria species (Monochoria korsakowii))のようなミズアオイ科雑草(pontederiaceae);アゼナ(false pimpernel (Lindernia pyxidaria))、アブノメ(abunome (Dopatrium junceum))のようなゴマノハグサ科雑草(scrophulariaceae);キカシグサ(toothcup (Rotala india))、ヒメミソハギ(red stem (Ammannia multiflora))のようなミソハギ科雑草(lythraceae);ミゾハコベ(long stem waterwort(Elatine triandra SCHK.))のようなミゾハコベ科雑草(elatinaceae);イチビ(velvetleaf (Abutilon theophrasti MEDIC.))、アメリカキンゴジカ(prickly sida (Sida spinosa L.))のようなアオイ科雑草(malvaceae);オナモミ(common cocklebur (Xanthium strumarium L.))、ブタクサ(common ragweed (Ambrosia elatior L.))、エゾノキツネアザミ(thistle (Breea setosa (BIEB.) KITAM.))、ハキダメギク(hairy galinsoga(Galinsoga ciliata Blake)) 、カミツレ(wild chamomile(Matricaria chamomilla L.))のようなキク科雑草(compositae);イヌホウズキ(black nightshade (Solanum nigrum L.))、シロバナチョウセンアサガオ(jimsonweed (Datura stramonium))のようなナス科雑草(solanaceae);アオビユ(slender amaranth (Amaranthus viridis L.))、アオゲイトウ(redroot pigweed (Amaranthus retroflexus L.))のようなヒユ科雑草(amaranthaceae);サナエタデ(pale smartweed (Polygonum lapathifolium L.))、ハルタデ(ladysthumb(Polygonum persicaria L.))、ソバカズラ(wild buckwheat(Polygonum convolvulus L.)) 、ミチヤナギ(knotweed(Polygonum aviculare L.))のようなタデ科雑草(polygonaceeae);タネツケバナ(flexuous bittercress (Cardamine flexuosa WITH.))、ナズナ(shepherd's-purse(Capsella bursa-pastoris Medik.))、セイヨウカラシナ(indian mustard(Brassica juncea Czern.))のようなアブラナ科雑草(cruciferae);マルバアサガオ(tall morningglory (Ipomoea purpurea L.))、セイヨウヒルガオ(field bindweed (Calystegia arvensis L.))、アメリカアサガオ(ivyleaf morningglory (Ipomoea hederacea Jacq.))のようなヒルガオ科雑草(convolvulaceae);シロザ(common lambsquarters (Chenopodium album L.)) 、ホウキギ(mexican burningbush(Kochia scoparia Schrad.))のようなアカザ科雑草(Chenopodiaceae);スベリヒユ(common purslane (Portulaca oleracea L.))のようなスベリヒユ科雑草(Portulacaceae);エビスグサ(sicklepod (Cassia obtusifolia L.))のようなマメ科雑草(leguminosae);ハコベ(common chickweed (Stellaria media L.))のようなナデシコ科雑草(caryophyllaceae);ホトケノザ(henbit (Lamium amplexicaule L.))のようなシソ科雑草(labiatae);ヤエムグラ(catchweed (Galium spurium L.))のようなアカネ科雑草(rubiaceae);エノキグサ(threeseeded copperleaf (Acalypha australis L.))のようなトウダイグサ科雑草(euphorbiaceae);ツユクサ(common dayflower (Commelina communis L.))のようなツユクサ科雑草(Commelinaceae)などの各種有害雑草を防除することができる。よって、有用作物、例えばトウモロコシ(corn (Zea mays L.))、ダイズ(soybean (Glycine max Merr.))、ワタ (cotton (Gossypium spp.))、コムギ(wheat (Triticum spp.))、イネ(rice (Oryza sativa L.))、オオムギ(barley (Hordeum Vulgare L.))、ライムギ(rye(Secale cereale L.))、エンバク(oat (Avena sativa L.))、ソルガム(sorgo (Sorghum bicolor Moench))、アブラナ(rape (Brassica napus L.))、ヒマワリ(sunflower (Helianthus annuus L.))、テンサイ(suger beet (Beta Vulgaris L.))、サトウキビ(suger cane (Saccharum officinarum L.))、芝(japanese lawngrass (Zoysia japonica stend))、ピーナッツ(peanut (Arachis hypogaea L.))、アマ(flax (Linum usitatissimum L.))、タバコ(tobacco (Nicotiana tabacum L.))、コーヒー(coffee (Coffea spp.))などの栽培において選択的に有害雑草を防除する場合或は非選択的に有害雑草を防除する場合において有効に使用される。本発明化合物は、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、コムギ、イネ、アブラナ、ヒマワリ、テンサイ、サトウキビ、芝、ピーナッツ、アマ、タバコ、コーヒーなどの栽培、その中でもトウモロコシ、コムギ、イネ、芝などの栽培において選択的に有害雑草を防除する場合において有効に使用される。これらの作物の栽培、例えば、トウモロコシの栽培において上記有害雑草中、イネ科雑草やアオイ科雑草などは代表的な有害雑草であり、これらに含まれるエノコログサ、ギネアキビ、イチビなどは難防除有害雑草の1つとして挙げられる。本発明化合物は、作物の安全性を有する一方、上記有害雑草を防除する事は勿論、エノコログサ、ギネアキビ、イチビ、アキノエノコログサのような難防除有害雑草を防除する場合にも特に有効に使用される。
【0074】
本発明化合物は通常各種農業上の補助剤と混合して粉剤、粒剤、顆粒水和剤、水和剤、錠剤、丸剤、カプセル剤(水溶性フィルムで包装する形態を含む)、水性懸濁剤、油性懸濁剤、マイクロエマルジョン製剤、サスポエマルジョン製剤、水溶剤、乳剤、液剤、ペースト剤などの形態に製剤調製し、施用することができるが、本発明の目的に適合するかぎり、通常の当該分野で用いられているあらゆる製剤形態にすることができる。
製剤に使用する補助剤としては、珪藻土、消石灰、炭酸カルシウム、タルク、ホワイトカーボン、カオリン、ベントナイト、カオリナイト及びセリサイトの混合物、クレー、炭酸ナトリウム、重曹、芒硝、ゼオライト、澱粉などの固型担体;水、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ジオキサン、アセトン、イソホロン、メチルイソブチルケトン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アルコールなどの溶剤;脂肪酸塩、安息香酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩、アルキルジグリコールエーテル硫酸塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアリールリン酸塩、スチリルアリールリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリールエーテルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物のような陰イオン系の界面活性剤や展着剤;ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ポリグリセライド、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、オキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステルのような非イオン系の界面活性剤や展着剤;オリーブ油、カポック油、ひまし油、シュロ油、椿油、ヤシ油、ごま油、トウモロコシ油、米ぬか油、落花生油、綿実油、大豆油、菜種油、亜麻仁油、きり油、液状パラフィンなどの植物油や鉱物油などが挙げられる。これら補助剤は本発明の目的から逸脱しないかぎり、1種又は2種以上を適宜選択して使用することができ、また、例えば、増量剤、増粘剤、沈降防止剤、凍結防止剤、分散安定剤、薬害軽減剤、防黴剤、発泡剤、崩壊剤、結合剤など通常使用される各種補助剤も使用することができる。本発明化合物と各種補助剤との配合割合は0.1:99.9〜95:5、望ましくは0.2:99.8〜85:15である。
【0075】
本発明化合物を含有する除草剤の施用量は、気象条件、土壌条件、製剤形態、対象雑草の種類、施用時期などの相違により一概に規定できないが、一般に1ヘクタール当り本発明化合物が0.1〜5,000g、望ましくは0.5〜1,000g、更に望ましくは1〜500gとなるように施用する。本発明には、このような除草剤の施用による有害雑草の防除方法も含まれる。
【0076】
また、本発明化合物を含有する除草剤は、他の農薬、肥料、薬害軽減剤などと混用或は併用することができ、この場合に一層優れた効果、作用性を示すことがある。他の農薬としては、除草剤、殺菌剤、抗生物質、植物ホルモン、殺虫剤などが挙げられる。特に、本発明化合物と他の除草剤の有効成分化合物の1種又は2種以上とを混用或は併用した混合除草性組成物は、適用草種の範囲、薬剤処理の時期、除草活性等を好ましい方向へ改良することが可能である。尚、本発明化合物と他の除草剤の有効成分化合物は各々別々に製剤したものを散布時に混合して使用しても、両者を一緒に製剤して使用してもよい。本発明には、上記した混合除草性組成物も含まれる。
【0077】
本発明化合物と他の除草剤の有効成分との混合比は、気象条件、土壌条件、薬剤の製剤形態、施用時期、施用方法などの相違により一概に規定できないが、本発明化合物1重量部に対し、他の除草剤は有効成分を1種あたり0.001〜10,000重量部、望ましくは0.01〜1,000重量部配合する。また、施用適量は1ヘクタール当りの総有効成分化合物量として0.1〜10,000g、望ましくは0.2〜5,000g、更に望ましくは10〜3,000gである。本発明には、このような混合除草組成物の施用による有害雑草の防除方法も含まれる。
【0078】
他の除草剤の有効成分としては、下記するもの(一般名;一部ISO申請中を含む)が例示できるが、特に記載がない場合であってもこれら化合物に塩、アルキルエステル等が存在する場合は、当然それらも含まれる。
【0079】
(1)2,4−D、2,4−Dブトチル(2,4-D-butotyl)、2,4−Dブチル(2,4-D-butyl)、2,4−Dジメチルアンモニウム(2,4-D-dimethylammonimum)、2,4−Dジオールアミン(2,4-D-diolamine)、2,4−Dエチル(2,4-D-ethyl)、2,4−D−2−エチルヘキシル(2,4-D-2-ethylhexyl)、2,4−Dイソブチル(2,4-D-isobutyl)、2,4−Dイソオクチル(2,4-D-isoctyl)、2,4−Dイソプロピル(2,4-D-isopropyl)、2,4−Dイソプロピルアンモニウム(2,4-D-isopropylammonium)、2,4−Dナトリウム(2,4-D-sodium)、2,4−Dイソプロパノールアンモニウム(2,4-D-isopropanolammonium)、2,4−Dトロールアミン(2,4-D-trolamine)、2,4−DB、2,4−DBブチル(2,4-DB-butyl)、2,4−DBジメチルアンモニウム(2,4-DB-dimethylammonium)、2,4−DBイソオクチル(2,4-DB-isoctyl)、2,4−DBカリウム(2,4-DB-potassium)、2,4−DBナトリウム(2,4-DB-sodium)、ジクロロプロップ(dichlorprop)、ジクロロプロップブトチル(dichlorprop-butotyl)、ジクロロプロップジメチルアンモニウム(dichlorprop-dimethylammonium)、ジクロロプロップイソオクチル(dichlorprop-isoctyl)、ジクロロプロップカリウム(dichlorprop-potassium)、ジクロロプロップ−P(dichlorprop-P)、ジクロロプロップ−Pジメチルアンモニウム(dichlorprop-P-dimethylammonium)、ジクロロプロップ−Pカリウム(dichlorprop-P-potassium)、ジクロロプロップ−Pナトリウム(dichlorprop-P-sodium)、MCPA、MCPAブトチル(MCPA-butotyl)、MCPAジメチルアンモニウム(MCPA-dimethylammonium)、MCPA−2−エチルヘキシル(MCPA-2-ethylhexyl)、MCPAカリウム(MCPA-potassium)、MCPAナトリウム(MCPA-sodium)、MCPAチオエチル(MCPA-thioethyl)、MCPB、MCPBエチル(MCPB-ethyl)、MCPBナトリウム(MCPB-sodium)、メコプロップ(mecoprop)、メコプロップブトチル(mecoprop-butotyl)、メコプロップナトリウム(mecoprop-sodium)、メコプロップ−P(mecoprop-P)、メコプロップ−Pブトチル(mecoprop-P-butotyl)、メコプロップ−Pジメチルアンモニウム(mecoprop-P-dimethylammonium)、メコプロップ−P−2−エチルヘキシル(mecoprop-P-2-ethylhexyl)、メコプロップ−Pカリウム(mecoprop-P-potassium)、ナプロアニリド(naproanilide)、クロメプロップ(clomeprop)のようなフェノキシ系;2,3,6−TBA、ジカンバ(dicamba)、ジカンバブトチル(dicamba-butotyl)、ジカンバジグリコールアミン(dicamba-diglycolamine)、ジカンバジメチルアンモニウム(dicamba-dimethylammonium)、ジカンバジオールアミン(dicamba-diolamine)、ジカンバイソプロピルアンモニウム(dicamba-isopropylammonium)、ジカンバカリウム(dicamba-potassium)、ジカンバナトリウム(dicamba-sodium)、ジクロベニル(dichlobenil)、ピクロラム(picloram)、ピクロラムジメチルアンモニウム(picloram-dimethylammonium)、ピクロラムイソオクチル(picloram-isoctyl)、ピクロラムカリウム(picloram-potassium)、ピクロラムトリイソプロパノールアンモニウム(picloram-triisopropanolammonium)、ピクロラムトリイソプロピルアンモニウム(picloram-triisopropylammonium)、ピクロラムトロールアミン(picloram-trolamine)、トリクロピル(triclopyr)、トリクロピルブトチル(triclopyr-butotyl)、トリクロピルトリエチルアンモニウム(triclopyr-triethylammonium)、クロピラリド(clopyralid)、クロピラリドオールアミン(clopyralid-olamine)、クロピラリドカリウム(clopyralid-potassium)、クロピラリドトリイソプロパノールアンモニウム(clopyralid-triisopropanolammonium)、アミノピラリド(aminopyralid)のような芳香族カルボン酸系;その他ナプタラム(naptalam)、ナプタラムナトリウム(naptalam-sodium)、ベナゾリン(benazolin)、ベナゾリンエチル(benazolin-ethyl)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、ダイフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、ダイフルフェンゾピルナトリウム(diflufenzopyr-sodium)、フルオキシピル(fluroxypyr)、フルオキシピル−2−ブトキシ−1−メチルエチル(fluroxypyr-2-butoxy-1-methylethyl)、フルオキシピルメプチル(fluroxypyr-meptyl)、クロロフルレノール(chlorflurenol)、クロロフルレノールメチル(chlorflurenol-methyl)などのように植物のホルモン作用を攪乱することで除草効力を示すとされているもの。
【0080】
(2)クロロトルロン(chlorotoluron)、ジウロン(diuron)、フルオメツロン(fluometuron)、リニュロン(linuron)、イソプロチュロン(isoproturon)、メトベンズロン(metobenzuron)、テブチウロン(tebuthiuron)、ジメフロン(dimefuron)、イソウロン(isouron)、カルブチレート(karbutilate)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、メトクスロン(metoxuron)、モノリニュロン(monolinuron)、ネブロン(neburon)、シデュロン(siduron)、ターブメトン(terbumeton)、トリエタジン(trietazine)のような尿素系;シマジン(simazine)、アトラジン(atrazine)、アトラトン(atratone)、シメトリン(simetryn)、プロメトリン(prometryn)、ジメタメトリン(dimethametryn)、ヘキサジノン(hexazinone)、メトリブジン(metribuzin)、ターブチラジン(terbuthylazine)、シアナジン(cyanazine)、アメトリン(ametryn)、シブトリン(cybutryne)、トリアジフラム(triaziflam)、ターブトリン(terbutryn)、プロパジン(propazine)、メタミトロン(metamitron)、プロメトン(prometon)、インダジフラム(indaziflam)のようなトリアジン系;ブロマシル(bromacil)、ブロマシルリチウム(bromacyl-lithium)、レナシル(lenacil)、ターバシル(terbacil)のようなウラシル系;プロパニル(propanil)、シプロミッド(cypromid)のようなアニリド系;スエップ(swep)、デスメディファム(desmedipham)、フェンメディファム(phenmedipham)のようなカーバメート系;ブロモキシニル(bromoxynil)、ブロモキシニルオクタノエート(bromoxynil-octanoate)、ブロモキシニルヘプタノエート(bromoxynil-heptanoate)、アイオキシニル(ioxynil)、アイオキシニルオクタノエート(ioxynil-octanoate)、アイオキシニルカリウム(ioxynil-potassium)、アイオキシニルナトリウム(ioxynil-sodium)のようなヒドロキシベンゾニトリル系;その他ピリデート(pyridate)、ベンタゾン(bentazone)、ベンタゾンナトリウム(bentazone-sodium)、アミカルバゾン(amicarbazone)、メタゾール(methazole)、ペンタノクロール(pentanochlor)などのように植物の光合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0081】
(3)それ自身が植物体中でフリーラジカルとなり、活性酸素を生成させて速効的な除草効力を示すとされているパラコート(paraquat)、ジクワット(diquat)のような4級アンモニウム塩系。
【0082】
(4)ニトロフェン(nitrofen)、クロメトキシフェン(chlomethoxyfen)、ビフェノックス(bifenox)、アシフルオルフェン(acifluorfen)、アシフルオルフェンナトリウム(acifluorfen-sodium)、ホメサフェン(fomesafen)、ホメサフェンナトリウム(fomesafen-sodium)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、ラクトフェン(lactofen)、アクロニフェン(aclonifen)、エトキシフェンエチル(ethoxyfen-ethyl、HC−252)、フルオログリコフェンエチル(fluoroglycofen-ethyl)、フルオログリコフェン(fluoroglycofen)のようなジフェニルエーテル系;クロルフタリム(chlorphthalim)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルミクロラック(flumiclorac)、フルミクロラックペンチル(flumiclorac-pentyl)、シニドンエチル(cinidon-ethyl)、フルチアセットメチル(fluthiacet-methyl)のような環状イミド系;その他オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazon)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、カルフェントラゾンエチル(carfentrazone-ethyl)、チジアジミン(thidiazimin)、ペントキサゾン(pentoxazone)、アザフェニジン(azafenidin)、イソプロパゾール(isopropazole)、ピラフルフェンエチル(pyraflufen-ethyl)、ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ブタフェナシル(butafenacil)、サフルフェナシル(saflufenacil)、フルポキサム(flupoxam)、フルアゾレート(fluazolate)、プロフルアゾール(profluazol)、ピラクロニル(pyraclonil)、フルフェンピルエチル(flufenpyr-ethyl)、ベンカルバゾン(bencarbazone)などのように植物のクロロフィル生合成を阻害し、光増感過酸化物質を植物体中に異常蓄積させることで除草効力を示すとされているもの。
【0083】
(5)ノルフルラゾン(norflurazon)、クロリダゾン(chloridazon)、メトフルラゾン(metflurazon)のようなピリダジノン系;ピラゾリネート(pyrazolynate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、トプラメゾン(topramezone, BAS−670H)、ピラスルフォトール(pyrasulfotole)のようなピラゾール系;その他アミトロール(amitrole)、フルリドン(fluridone)、フルルタモン(flurtamone)、ジフルフェニカン(diflufenican)、メトキシフェノン(methoxyphenone)、クロマゾン(clomazone)、スルコトリオン(sulcotrione)、メソトリオン(mesotrione)、テンボトリオン(tembotrione)、テフリルトリオン(tefuryltrione, AVH−301)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、ジフェンゾコートメチルサルフェート(difenzoquat-metilsulfate)、イソキサクロロトール(isoxachlortole)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ピコリナフェン(picolinafen)、ビフルブタミド(beflubutamid)などのようにカロチノイドなどの植物の色素生合成を阻害し、白化作用を特徴とする除草効力を示すとされているもの。
【0084】
(6)ジクロホップメチル(diclofop-methyl)、ジクロホップ(diclofop)、ピリフェノップナトリウム(pyriphenop-sodium)、フルアジホップブチル(fluazifop-butyl)、フルアジホップ(fluazifop)、フルアジホップ-P(fluazifop-P)、フルアジホップ−P−ブチル(fluazifop-P-butyl)、ハロキシホップメチル(haloxyfop-methyl)、ハロキシホップ(haloxyfop)、ハロキシホップエトチル(haloxyfop-etotyl)、ハロキシホップ−P(haloxyfop-P)、ハロキシホップ−P−メチル(haloxyfop-P-methyl)、キザロホップエチル(quizalofop-ethyl)、キザロホップ−P(quizalofop-P)、キザロホップ−P−エチル(quizalofop-P-ethyl)、キザロホップ−P−テフリル(quizalofop-P-tefuryl)、シハロホップブチル(cyhalofop-butyl)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)、フェノキサプロップ−P(fenoxaprop-P)、フェノキサプロップ−P−エチル(fenoxaprop-P-ethyl)、メタミホッププロピル(metamifop-propyl)、メタミホップ(metamifop)、クロジナホッププロパルギル(clodinafop-propargyl)、クロジナホップ(clodinafop)、プロパキザホップ(propaquizafop)のようなアリールオキシフェノキシプロピオン酸系;アロキシジムナトリウム(alloxydim-sodium)、アロキシジム(alloxydim)、クレソジム(clethodim)、セトキシジム(sethoxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、ブトロキシジム(butroxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、プロホキシジム(profoxydim)、シクロキシジム(cycloxydim)のようなシクロヘキサンジオン系;その他、フラムプロップ−M−メチル(flamprop-M-methyl)、フラムプロップ−M(flamprop-M)、フラムプロップ−M−イソプロピル(flamprop-M-isopropyl)などのようにイネ科植物に特異的に除草効力が強く認められるもの。
【0085】
(7)クロリムロンエチル(chlorimuron-ethyl)、クロリムロン(chlorimuron)、スルホメツロンメチル(sulfometuron-methyl)、スルホメツロン(sulfometuron)、プリミスルフロンメチル(primisulfuron-methyl)、プリミスルフロン(primisulfuron)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)、ベンスルフロン(bensulfuron)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、メトスルフロン(metsulfuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron-ethyl)、ピラゾスルフロン(pyrazosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、リムスルフロン(rimsulfuron)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、プロスルフロン(prosulfuron)、フルピルスルフロンメチルナトリウム(flupyrsulfuron-methyl-sodium)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、トリフルスルフロンメチル(triflusulfuron-methyl)、トリフルスルフロン(triflusulfuron)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron-methyl)、ハロスルフロン(halosulfuron)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、チフェンスルフロン(thifensulfuron)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、エタメトスルフロン(ethametsulfuron)、エタメトスルフロンメチル(ethametsulfuron-methyl)、イオドスルフロン(iodosulfuron)、イオドスルフロンメチルナトリウム(iodosulfuron-methyl-sodium)、スルフォスルフロン(sulfosulfuron)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベヌロンメチル(tribenuron-methyl)、トリベヌロン(tribenuron)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、フォーラムスルフロン(foramsulfuron)、トリフルオキシスルフロン(trifloxysulfuron)、トリフルオキシスルフロンナトリウム(trifloxysulfuron-sodium)、メソスルフロンメチル(mesosulfuron-methyl)、メソスルフロン(mesosulfuron)、オルソスルファムロン(orthosulfamuron)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、プロピリスルフロン(propyrisulfuron、TH−547)、NC−620、国際公開公報WO2005092104に記載されている化合物のようなスルホニルウレア系;フルメツラム(flumetsulam)、メトスラム(metosulam)、ジクロスラム(diclosulam)、クロランスラムメチル(cloransulam-methyl)、フロラスラム(florasulam)、ペノクススラム(penoxsulam)、ピロクススラム(pyroxsulam)のようなトリアゾロピリミジンスルホンアミド系;イマザピル(imazapyr)、イマザピルイソプロピルアンモニウム(imazapyr-isopropylammonium)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマゼタピルアンモニウム(imazethapyr-ammonium)、イマザキン(imazaquin)、イマザキンアンモニウム(imazaquin-ammonium)、イマザモックス(imazamox)、イマザモックスアンモニウム(imazamox-ammonium)、イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザメタベンズメチル(imazamethabenz-methyl)、イマザピック(imazapic)のようなイミダゾリノン系;ピリチオバックナトリウム(pyrithiobac-sodium)、ビスピリバックナトリウム(bispyribac-sodium)、ピリミノバックメチル(pyriminobac-methyl)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリミスルファン(pyrimisulfan, KUH−021)のようなピリミジニルサリチル酸系;フルカーバゾン(flucarbazone)、フルカーバゾンナトリウム(flucarbazone-sodium)、プロポキシカーバゾンナトリウム(propoxycarbazone-sodium)、プロポキシカーバゾン(propoxycarbazone)のようなスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系;その他グリホサート(glyphosate)、グリホサートナトリウム(glyphosate-sodium)、グリホサートカリウム(glyphosate-potassium)、グリホサートアンモニウム(glyphosate-ammonium)、グリホサートジアンモニウム(glyphosate-diammonium)、グリホサートイソプロピルアンモニウム(glyphosate-isopropylammonium)、グリホサートトリメシウム(glyphosate-trimesium)、グリホサートセスキナトリウム(glyphosate-sesquisodium)、グルホシネート(glufosinate)、グルホシネートアンモニウム(glufosinate-ammonium)、グルホシネート-P(glufosinate-P)、グルホシネート-Pアンモニウム(glufosinate-P-ammonium)、グルホシネート-Pナトリウム(glufosinate-P-sodium)、ビラナホス(bilanafos)、ビラナホスナトリウム(bilanafos-sodium)、シンメチリン(cinmethylin)などのように植物のアミノ酸生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0086】
(8)トリフルラリン(trifluralin)、オリザリン(oryzalin)、ニトラリン(nitralin)、ペンディメタリン(pendimethalin)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、ベンフルラリン(benfluralin)、プロジアミン(prodiamine)、ブトラリン(butralin)、ジニトラミン(dinitramine)のようなジニトロアニリン系;ベンスリド(bensulide)、ナプロパミド(napropamide)、プロピザミド(propyzamide、プロナミド(pronamide))のようなアミド系;アミプロホスメチル(amiprofos-methyl)、ブタミホス(butamifos)、アニロホス(anilofos)、ピペロホス(piperophos)のような有機リン系;プロファム(propham)、クロルプロファム(chlorpropham)、バーバン(barban)、カルベタミド(carbetamide)のようなフェニルカーバメート系;ダイムロン(daimuron)、クミルロン(cumyluron)、ブロモブチド(bromobutide)、メチルダイムロン(methyldymron)のようなクミルアミン系;その他アシュラム(asulam)、アシュラムナトリウム(asulam-sodium)、ジチオピル(dithiopyr)、チアゾピル(thiazopyr)、クロルタールジメチル(chlorthal-dimethyl)、クロルタール(chlorthal)、ジフェナミド(diphenamid)などのように植物の細胞有糸分裂を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0087】
(9)アラクロール(alachlor)、メタザクロール(metazachlor)、ブタクロール(butachlor)、プレチラクロール(pretilachlor)、メトラクロール(metolachlor)、S−メトラクロール(S-metolachlor)、テニルクロール(thenylchlor)、ペトキサマイド(pethoxamid)、アセトクロール(acetochlor)、プロパクロール(propachlor)、ジメテナミド(dimethenamid)、ジメテナミド−P(dimethenamid−P)、プロピソクロール(propisochlor)、ジメタクロール(dimethachlor)のようなクロロアセトアミド系;モリネート(molinate)、ジメピペレート(dimepiperate)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、EPTC、ブチレート(butylate)、ベルノレート(vernolate)、ペブレート(pebulate)、シクロエート(cycloate)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、エスプロカルブ(esprocarb)、チオベンカルブ(thiobencarb)、ジアレート(diallate)、トリアレート(tri-allate)、オルベンカルブ(orbencarb)のようなチオカーバメート系;その他エトベンザニド(etobenzanid)、メフェナセット(mefenacet)、フルフェナセット(flufenacet)、トリディファン(tridiphane)、カフェンストロール(cafenstrole)、フェントラザミド(fentrazamide)、オキサジクロメフォン(oxaziclomefone)、インダノファン(indanofan)、ベンフレセート(benfuresate)、ピロキサスルフォン(pyroxasulfone、KIH−485)、ダラポン(dalapon)、ダラポンナトリウム(dalapon-sodium)、TCAナトリウム(TCA-sodium)、トリクロロ酢酸(trichloroacetic acid)などのように植物のタンパク質生合成あるいは脂質生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0088】
(10)MSMA、DSMA、CMA、エンドタール(endothall)、エンドタールジカリウム(endothall-dipotassium)、エンドタールナトリウム(endothall-sodium)、エンドタールモノ(N,N−ジメチルアルキルアンモニウム)(endothall-mono(N,N-dimethylalkylammonium))、エトフメセート(ethofumesate)、ソディウムクロレート(sodium chlorate)、ペラルゴン酸(pelargonic acid、ノナン酸(nonanoic acid))、ホスアミン(fosamine)、ホスアミンアンモニウム(fosamine-ammonium)、ピノキサデン(pinoxaden)、イプフェンカルバゾン(ipfencarbazone、HOK−201)、アクロレイン(aclolein)、スルファミン酸アンモニウム(ammonium sulfamate)、ボラックス(borax)、クロロ酢酸(chloroacetic acid)、クロロ酢酸ナトリウム(sodium chloroacete)、シアナミド(cyanamide)、メチルアルソン酸(methylarsonic acid)、ジメチルアルソン酸(dimethylarsinic acid)、ジメチルアルソン酸ナトリウム(sodium dimethylarsinate)、ジノターブ(dinoterb)、ジノターブアンモニウム(dinoterb-ammonium)、ジノターブジオールアミン(dinoterb-diolamine)、ジノターブアセテート(dinoterb-acetate)、DNOC、硫酸第一鉄(ferrous sulfate)、フルプロパネート(flupropanate)、フルプロパネートナトリウム(flupropanate-sodium)、イソキサベン(isoxaben)、メフルイジド(mefluidide)、メフルイジドジオールアミン(mefluidide-diolamine)、メタム(metam)、メタムアンモニウム(metam-ammonium)、メタムカリウム(metam-potassium)、メタムナトリウム(metam-sodium)、イソチオシアン酸メチル(methyl isothiocyanate)、ペンタクロロフェノール(pentachlorophenol)、ペンタクロロフェノールナトリウム(sodium pentachlorophenoxide)、ペンタクロロフェノールラウレート(pentachlorophenol laurate)、キノクラミン(quinoclamine)、硫酸(sulfuric acid)、ウレアサルフェート(urea sulfate)など。
【0089】
(11)ザントモナス キャンペストリス(Xanthomonas campestris)、エピココロシルス ネマトソルス(Epicoccosirus nematosorus)、エピココロシルス ネマトスペラス(Epicoccosirus nematosperus)、エキセロヒラム モノセラス(Exserohilum monoseras)、ドレクスレラ モノセラス(Drechsrela monoceras)などのように植物に寄生することで除草効力を示すとされているもの。
【0090】
次に本発明の望ましい態様の一例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)1-(4-(3-(エトキシメチル)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル メチル カーボネート(下記化合物No.1-1)
(2)メチル 3-(5-(1-(メトキシカルボニルオキシ)エトキシ)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボニル)-2-メチル-6-(メチルスルホニル)ベンゾエート(下記化合物No.1-2)
(3)1-(4-(3-(メトキシメチル)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル メチル カーボネート(下記化合物No.1-3)
(4)1-(4-(3-(エトキシメチル)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル エチル カーボネート(下記化合物No.1-4)
(5)エチル 1-(4-(3-(2-イソプロポキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル カーボネート(下記化合物No.1-5)
(6)1-(4-(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル メチル カーボネート(下記化合物No.1-6)
(7)1-(1-エチル-4-(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル メチル カーボネート(下記化合物No.2-1)
(8)メチル 3-(5-(1-(メトキシカルボニルオキシ)エトキシ)-1-エチル-1H-ピラゾール-4-カルボニル)-2-メチル-6-(メチルスルホニル)ベンゾエート(下記化合物No.2-2)
(9)エチル 1-(1-エチル-4-(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル カーボネート(下記化合物No.2-3)
【0091】
(10)エチル 1-(1-ノルマルプロピル-4-(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル カーボネート(下記化合物No.3-1)
(11)1-(1-イソプロピル-4-(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル メチル カーボネート(下記化合物No.4-1)
(12)(5-ヒドロキシ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)(3-(2-イソプロピルエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトン(下記化合物No.5-1)
(13)(5-ヒドロキシ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトン(下記化合物No.5-2)
(14)(5-ヒドロキシ-1-メチル-3-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトン(下記化合物No.5-3)
(15)(1-エチル-5-ヒドロキシ-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトン(下記化合物No.6-1)
(16)(5-ヒドロキシ-1-ノルマルプロピル-1H-ピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトン(下記化合物No.7-1)
(17)(5-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1H-ピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトン(下記化合物No.8-1)
(18)(5-ヒドロキシ-1-イソプロピル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトン(下記化合物No.8-2)
(19)(5-ヒドロキシ-1-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトンの金属塩
(20)(5-ヒドロキシ-1-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトンのカリウム塩
(21)(5-ヒドロキシ-1-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトンのナトリウム塩
【0092】
(22)上記(1)から(21)のピラゾール系化合物またはその塩及び農業用補助剤を含有する除草組成物。
(23)上記(1)から(21)のピラゾール系化合物またはその塩の除草有効量を、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用し、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(24)トウモロコシ圃場において望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する、上記(23)の方法。
(25)トウモロコシが形質転換されたものである、上記(24)の方法。
(26)ムギ類圃場において望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する、上記(23)の方法。
(27)イネ圃場において望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する、上記(23)の方法。
(28)非農耕地において望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する、上記(23)の方法。
(29)式(II):
【0093】
【化19】

【0094】
(式中、R、R、R、R及びRは前述の通りである)で表されるピラゾール系化合物又はその塩と、式(III):
【0095】
【化20】

【0096】
(式中、R、Hal及びAは前述の通りである)で表される化合物とを反応させることを特徴とする、式(I):
【0097】
【化21】

【0098】
(式中、R、R、R、R、R、R及びAは前述の通りである)で表されるピラゾール系化合物又はその塩の製造方法。
(30)n-テトラブチルアンモニウムブロマイドと芳香族系溶媒の存在下で行う、上記(29)の方法。
(31)芳香族系溶媒がトルエンである、上記(30)の方法。
(32)式(IV):
【0099】
【化22】

【0100】
(式中、R、R、R、R及びRは前述の通りである)で表される化合物をアルカリ金属炭酸塩及び芳香族系溶媒の存在下で転位反応させることにより、式(II):
【0101】
【化23】

【0102】
(式中、R、R、R、R及びRは前述の通りである)で表されるピラゾール系化合物又はその塩を製造する方法。
(33)アルカリ金属炭酸塩が炭酸カリウムである、上記(32)の方法。
(34)芳香族系溶媒がトルエンである、上記(32)の方法。
(35)式(II)の塩がカリウム塩である、上記(32)の方法。
(36)式(VI):
【0103】
【化24】

【0104】
(式中、R、R、R及びHalは前述の通りである)で表される化合物と、式(V):
【0105】
【化25】

【0106】
(式中、R及びRは前述の通りである)で表される化合物又はその塩とを、塩基及び芳香族系溶媒の存在下で反応させることにより、式(IV):
【0107】
【化26】

【0108】
(式中、R、R、R、R及びRは前述の通りである)で表される化合物を製造する方法。
(37)塩基がトリエチルアミンである、上記(36)の方法。
(38)芳香族系溶媒がトルエンである、上記(36)の方法。
(39)式(VII):
【0109】
【化27】

【0110】
(式中、R、R、Rは前述の通りである)で表される化合物と、ハロゲン化剤とを、芳香族系溶媒の存在下で反応させることにより、式(VI):
【0111】
【化28】

【0112】
(式中、R、R、R及びHalは前述の通りである)で表される化合物を製造する方法。
(40)ハロゲン化剤がチオニルクロライドである、上記(39)の方法。
(41)芳香族系溶媒がトルエンである、上記(39)の方法。
(42)式(XVII):
【0113】
【化29】

(式中、R、R、R及びHal-1は前述の通りである。)で表される化合物を、Cアルコールを溶媒に用いて触媒及び塩基の存在下で、一酸化炭素又はその等価体と、H2Oとを反応させることにより、式(VII):
【0114】
【化30】

【0115】
(式中、R、R及びRは前述の通りである)で表される化合物を製造する方法。
(43)Cアルコールが、tert-ブチルアルコールである、上記(42)の方法。
(44)式(XVIII):
【0116】
【化31】

(式中、R、R、Hal-1及びHal-2は前述の通りである。)で表される化合物と、式(XIX):HO−Rα(式中、Rαは前述の通りである)で表される化合物とを、アルカリ金属水酸化物及び芳香族系溶媒の存在下で反応させることにより、式(XVII-a):
【0117】
【化32】

【0118】
(式中、Hal-1、R、R5−a−1及びRは前述の通りである。)で表される化合物を製造する方法。
(45)アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウムである、上記(44)の方法。
(46)芳香族系溶媒がトルエンである、上記(44)の方法。
(47)式(XX):
【0119】
【化33】

【0120】
(式中、R、Hal-1及びHal-2は前述の通りである。)で表される化合物と、(R)(Hal-3)(R及びHal-3は前述の通りである。)とを、塩化鉄の存在下で反応させることにより、式(XVIII):
【0121】
【化34】

【0122】
(式中、Hal-1、Hal-2、R及びRは前述の通りである)で表される化合物を製造する方法。
(48)式(XVIII):
【0123】
【化35】

【0124】
(式中、R、R、Hal-1及びHal-2は前述の通りであり、Hal-1とHal-2とはお互いに同一であっても異なってもよい。)で表される化合物及び酸を含有する混合物に、無機酸及びアルコール系溶媒を同時に或いは別々に反応混合物へ添加して、式(XVIII)で表される化合物の生成物を得る方法。
(49)上記(48)の混合物が(47)の反応で得られたものである、上記(48)の方法。
(50)無機酸が塩酸である、上記(48)の方法。
(51)アルコール系溶媒がCアルコールである、上記(50)の方法。
【実施例】
【0125】
次に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、本発明化合物の合成例を記載する。
合成例1
1-(1-エチル-4-(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)エチル メチル カーボネート(下記化合物No.2-1)の合成
5-ヒドロキシ-1-エチルピラゾール-4-イル 3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル ケトン (300 mg)を2-ブタノン(10 mL)に溶解し、炭酸カリウム(130 mg)及びテトラブチルアンモニウムブロマイド(15 mg)を加えた。室温で10分間攪拌した後、1-クロロエチル メチルカーボネート (85 %純度、270 mg)を室温で加え、3時間加熱還流した。反応終了後室温まで冷却し、反応液を水中投入後、酢酸エチルで抽出し、有機層を1N-塩酸、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をn-ヘキサン:酢酸エチル1:1のカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物 (180 mg) を淡黄色固体として得た。
【0126】
合成例2
1-(1,3-ジメチル-4-(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル メチル カーボネート(下記化合物No.1-6)の合成
(1)3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)安息香酸(1 g)をクロロホルム(20 mL)に溶解し、オキサリルクロライド(500 mg)を加えた。触媒量のジメチルホルムアミドを添加し、3時間室温で攪拌した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をテトラヒドロフラン(5 mL)に溶解し、5-ヒドロキシ-1,3-ジメチルピラゾール(450 mg)をテトラヒドロフラン(15 mL)に溶解した溶液にゆっくりと加えた。トリエチルアミン(0.65 mL)を加え、5時間加熱還流した。反応終了後、室温まで冷却し、水中投入後、希塩酸で酸性とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去した。
得られた残渣をアセトニトリル(20 mL)に溶解し、氷浴下でトリエチルアミン(0.65 mL)とアセトンシアノヒドリン(100 mg)を加え、室温で18時間攪拌した。反応溶液を水中投入し、少量の酢酸エチルで洗浄後、水層を希塩酸で酸性にした。酢酸エチルで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)で精製し、5−ヒドロキシ-1,3-ジメチルピラゾール-4-イル 3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル ケトン(500 mg、下記化合物No.5-2)を淡黄色固体として得た。
(2)5-ヒドロキシ-1,3-ジメチルピラゾール-4-イル 3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル ケトン(300 mg)を2-ブタノン(10 mL)に溶解し、炭酸カリウム(130 mg)及びテトラブチルアンモニウムブロマイド(15 mg)を加えた。室温で10分間攪拌した後、1-クロロエチル メチルカーボネート(85 %純度、270 mg)を室温で加え、3時間加熱還流した。反応終了後室温まで冷却し、反応液を水中投入後、酢酸エチルで抽出し、有機層を1N-塩酸溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ノルマルヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、目的物(200 mg)を淡黄色固体として得た。
【0127】
合成例3
1-(1-エチル-4-(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)エチル メチル カーボネートの合成
(1)2,6-ジクロロトルエン(100 g)とメタンスルホニルクロライド(85.3 g)を混合し80 ℃まで加熱した後、塩化鉄(III)(101 g)を加えてさらに120 ℃まで加熱し、6時間加熱撹拌した。反応終了後、90 ℃まで冷却し、反応混合物の温度が急激に低下して固化しない程度にゆっくりと10 %塩酸(230 mL)を加え、さらに80 ℃にてイソプロパノール(230 mL)をゆっくりと加えた。室温まで冷却した後、激しく撹拌しながら1,3-ジクロロ-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゼンの種結晶を加え、固体を析出させた。析出した固体を濾取し溶媒(水:イソプロパノール=1:1, 300 mL)で洗浄した。得られた固体を加熱しながら酢酸エチル(600 mL)に溶解し、不溶物を濾過することで取り除いた。濾液を濃縮し、1,3-ジクロロ-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゼン(105 g)を淡黄色固体として得た。
1H-NMR 400 MHz (CDCl3 δppm):2.57(3H, s), 3.28(3H, s), 7.50(1H, d, J=8.4Hz),7.97(1H, d, J=8.4Hz).
(2)1,3-ジクロロ-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゼン (13.1 g)とトルエン(40 mL)を混合し、2-メトキシエタノール(4.49 g)及び水酸化ナトリウム(4.55 g)を加え、3時間加熱還流した。反応終了後、室温まで冷却し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣にメタノール(12 mL)と水(48 mL)の混合溶媒を加え、しばらく攪拌した後、生じた固体を濾取した。更に水で洗浄し、乾燥後、1-クロロ-3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゼン(12.4 g)を淡黄色固体として得た。
1H-NMR 300MHz (CDCl3 δppm):2.41(3H, s), 3.25 (3H, s), 3.48 (3H, s), 3.78-3.81 (2H, m), 4.20-4.22 (2H, m), 7.33 (1H, d, J=8.4 Hz), 7.76 (1H, d, J=8.7 Hz)
(3)tert-ブタノール237.5 mLに水12.5 mLを加え窒素ガスを5分間吹き込み溶存酸素を除去し、反応溶媒を準備した。オートクレーブ500 mL容器に1-クロロ-3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゼン 50.0 g、炭酸ナトリウム28.5 g、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン1.5 g、前記反応溶媒、5%Pd/C 1.5 gを入れ、オートクレーブを密閉した。攪拌しながら、窒素置換(5.0 MPa)を2回行い、引き続き一酸化炭素置換(5.0 MPa)を2回行った。最後に一酸化炭素を充填(2.5 MPa)した。電気炉でオートクレーブを160 ℃に加熱し、7時間攪拌(300 rps)した。室温まで冷却後、容器内に残った一酸化炭素ガスを除去した。内容物を水と酢酸エチルの中に投入し、不溶物をセライトでろ過した後、ろ液を分液し、水層を酢酸エチルで2回洗浄した。水層を塩酸で酸性(pH=1)とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)安息香酸(50.1 g)を得た。更に、得られた固体をヘキサン150 mLで洗浄後濾取し、減圧下乾燥することで、3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)安息香酸(48.1 g)を白色固体として得た。
1H-NMR 300MHz (CDCl3 δppm):2.63 (3H, s), 3.31 (3H, s), 3.50 (3H, s), 3.82-3.85 (2H, m), 4.22-4.25 (2H, m), 7.92 (2H, s).
(4)3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)安息香酸(100 g)とトルエン(300 mL)を混合し、チオニルクロライド(47.5 g)とDMF(2.5 g)を加え、100 ℃で2時間加熱攪拌した。反応終了後、減圧下でトルエン180 mLを留去し、3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイルクロライドの溶液を得た。
(5)1-エチル-5-ヒドロキシピラゾール(42.8 g)にトルエン(150 mL)とトリエチルアミン(38.6 g)を加え均一溶液とし、30 ℃以下に維持しながら、上記(4)で得られた酸クロライド溶液を滴下した。更にトルエン(20 mL)で容器内を洗浄して、残った酸クロライド溶液を反応溶液に滴下した。室温で1時間攪拌した後、更に80 ℃で0.5時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水(150 mL)中に投入し分液した。分液後の水層をトルエン(200 mL)で1回抽出し、少量の飽和食塩水で洗浄した後、有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別し、トルエン(50 mL)で洗浄して、1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル 3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾエートのトルエン溶液を得た。
トルエン溶液からごく少量サンプリングし、その溶液からトルエンを留去して、1H-NMRスペクトルを測定することによりその生成を確認した。
1H-NMR 400 MHz (CDCl3 δppm):1.46(3H, t, J=7.6Hz), 2.64(3H, s), 3.31(3H, s), 3.48(3H, s), 3.81(2H, t, J=4.4Hz), 4.16(2H, q, J=7.6Hz), 4.24(2H, t, J=4.4Hz), 6.30(1H, d, J=2.0Hz), 7.53(1H, d, J=2.0Hz), 7.95(1H, d, J=8.4Hz), 7.97(1H, d, J=8.4Hz).
(6)共沸脱水装置を取り付けた容器に(5)で得られたトルエン溶液を移し、混在する水と共にトルエンの一部(約100 mL)を留去した。溶液を80 ℃まで冷却した後、DMF(40 mL)と粉末状炭酸カリウム(33.6 g)を加えた。強く攪拌しながら、加熱還流を行い共沸脱水により、トルエン(約100 mL)を留去した。3時間共沸脱水した後、減圧下で一部溶媒留去し、(5-ヒドロキシ-1-エチルピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトンのカリウム塩を含むトルエン溶液を得た。
(7)クロロギ酸1-クロロエチル エステル(250 g)をジエチルエーテル(1 L)に溶解し、氷冷下でメタノール(59 g)、トリエチルアミン(195 g)を順次滴下した。滴下終了後、室温で1時間攪拌した。系内に水(250 mL)を加えて分液し、有機層を希塩酸で洗浄した。溶媒を留去して得られた残渣を減圧蒸留し、1-クロロエチル メチル カーボネート(217.6 g、b.p.85-90 ℃/0.085-0.093 MPa)を得た。
1H-NMR 400 MHz (CDCl3 δppm):1.79(3H,d,J=4.4Hz),3.82(3H,s),6.39(1H,q,J=6.0Hz).
(8)(6)で得られたトルエン溶液を90 ℃まで冷却し、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロマイド(5.6 g)を加え、1-クロロエチル メチル カーボネート(62.5 g)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、反応溶液を100 ℃で3時間攪拌した後、50 ℃まで冷却した。そこへヘキサン(150 mL)を加え、引き続き30分間撹拌した。さらに水(100 mL)、3N-塩酸(100 mL)を順に加え、室温で30分間撹拌した。析出した結晶を濾取、水洗、さらにヘキサン:トルエン=1:2の混合液(300 mL)で洗浄し、乾燥させ目的物(120.9 g)を淡褐色固体として得た。
【0128】
合成例4
1-(1-エチル-4-(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)エチル メチル カーボネートの合成
(1)メタノール(20 mL)中で5-ヒドロキシ-1-エチルピラゾール-4-イル 3-(2-メトキシエトキシ-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル ケトン(1 g)及び水酸化カリウム(180 mg)を混合し、1時間加熱還流した。得られた溶液を室温まで冷却後、減圧下で溶媒を留去し、(1-エチル-5-ヒドロキシピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトン(1 g)のカリウム塩を淡褐色油状物として得た。
1H-NMR 400 MHz (CD3OD δppm):1.21(3H, t, J=7.2Hz), 2.27(3H, s), 3.27(3H, s), 3.42(3H, s), 3.76(4H, m), 4.19(2H, m), 7.15(1H, d, J=7.6Hz), 7.75(1H, d, J=7.6Hz).
(2)(1)で得られた(5-ヒドロキシ-1-エチルピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトン(1 g)のカリウム塩を2-ブタノン(10 mL)に溶解し、テトラブチルアンモニウムブロマイド(15 mg)を加える。以降は合成例1と同様に反応させ、目的物を得る。
【0129】
合成例5
1-(1-エチル-4-(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)エチル メチル カーボネートの合成
(1)上記合成例4における水酸化カリウムを水酸化ナトリウムとすること以外は、合成例4と同様に反応を行い、(1-エチル-5-ヒドロキシピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトン(1 g)のナトリウム塩を得た。
1H-NMR 400 MHz (CD3OD δppm):1.20(3H, t, J=7.2Hz), 2.27(3H, s), 3.26(3H, s), 3.42(3H, s), 3.74(2H, q, J=7.2Hz), 3.77(2H, m), 4.18(2H, m), 7.16(1H, d, J=8.4Hz), 7.74(1H, d, J=8.4Hz).
(2)(1)で得られた(1-エチル-5-ヒドロキシピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトン(1 g)のナトリウム塩(300 mg)を、上記合成例4(2)と同様に反応させ、目的物を得る。
【0130】
合成例6
1-(1-エチル-4-(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)エチル メチル カーボネートの合成
(1)3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)安息香酸(500 mg)をクロロホルム(20 mL)に溶解し、オキサリルクロライド(500 mg)及び触媒量のDMFを加え室温で3時間攪拌した。減圧下で溶媒と過剰の試薬を留去し、3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイルクロライド(520 mg)をオイル状の生成物として得た。
1H-NMR 400 MHz (CDCl3 δppm):2.50(3H, s), 3.26(3H, s), 3.44(3H, s), 3.77(2H, m), 4.18(2H, m), 7.92,(1H, d, J=8.8Hz), 7.96(1H, d, J=8.8Hz).
(2)上記(1)で得られた3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイルクロライドのトルエン溶液を調製し、上記合成例3(5)以降と同様に反応させ、目的物を得る。
【0131】
次に、本発明化合物の代表例を第1表から第8表に挙げ、それらの1H-NMRスペクトルデータを第9表に挙げる。これらの化合物は、上記合成例或いは上記した種々の製造方法に基づいて合成することができる。尚、第1表から第9表中、No.は化合物番号を示す。又、表中、Meはメチル基を、Etはエチル基を、n-Prはノルマルプロピル基を、i-Prはイソプロピル基を各々示す。なお、-A-の左側はピラゾール側に結合し、-A-の右側はカーボネート側に結合する。
【0132】
【表1】

【0133】
【表2】

【0134】
【表3】

【0135】
【表4】

【0136】
【表5】

【0137】
【表6】

【0138】
【表7】

【0139】
【表8】

【0140】
【表9】

【0141】
【化36】

【0142】
試験例1
1/170,000ヘクタールポットに畑作土壌をつめ、各種植物の種子を播種した。その後、植物が一定の葉令((1)イヌビエ(barnyardgrass (Echinochloa crus-galli L.));1.2〜3.0葉期、(2)メヒシバ(crabgrass (Digitaria sanguinalis L.));1〜3.0葉期、(3)エノコログサ(green foxtail (Setaria viridis L.));1.5〜3.0葉期、(4)アオゲイトウ(redroot pigweed (Amaranthus retroflexus L.));子葉〜1.5葉期、(5)アメリカキンゴジカ(prickly sida (Sida spinosa L.));子葉〜2.0葉期、(6)イチビ(velvetleaf (Abutilon theophrasti MEDIC.));子葉〜1.3葉期、(7)イネ(rice (Oryza sativa L.));1.2〜2.5葉期、(8)トウモロコシ(corn (Zea mays L.));2〜3.3葉期、(9)ダイズ(soybean (Glycine max Merr.));初生葉〜0.3葉期、(9)コムギ(wheat (Triticum spp.));2〜3葉期)に達したとき、本発明化合物を通常の製剤方法に準じて調製した水和剤又は乳剤を所定有効成分量となるように秤量し、1ヘクタール当り500リットル相当の水(農業用展着剤(クサリノー:日本農薬株式会社製)を0.1容量%含有)に希釈した。調製した散布液を小型スプレーで茎葉処理した。
薬剤処理後20〜22日目に各種植物の生育状態を肉眼観察し、0(無処理区と同等)〜100(完全枯殺)の生育抑制率(%)で除草効果を評価し、第10表の結果を得た。
【0143】
【表10】

【0144】
試験例2
1/170,000ヘクタールポットに畑作土壌をつめ、各種植物の種子(イヌビエ(barnyardgrass (Echinochloa crus-galli L.))、メヒシバ(crabgrass (Digitaria sanguinalis L.))、エノコログサ(green foxtail (Setaria viridis L.))、アオゲイトウ(redroot pigweed (Amaranthus retroflexus L.))、アメリカキンゴジカ(prickly sida (Sida spinosa L.))、イチビ(velvetleaf (Abutilon theophrasti MEDIC.))、イネ(rice (oryza sativa L.))、トウモロコシ(corn (Zea mays L.))、ダイズ(soybean (Glycine max Merr.))、コムギ(wheat (Triticum spp.))を播種した。播種翌日、本発明化合物を通常の製剤方法に準じて調製した水和剤又は乳剤を所定有効成分量となるように秤量し、1ヘクタール当り500リットル相当の水に希釈し、小型スプレーで土壌処理した。
薬剤処理後21〜22日目に各種植物の生育状態を肉眼観察し、0(無処理区と同等)〜100(完全枯殺)の生育抑制率(%)で除草効果を評価し、第11表の結果を得た。
【0145】
【表11】

【0146】
試験例3
1 / 1,000,000ヘクタールポットに水田土壌を詰め、タイヌビエ(barnyardgrass (Echinochloa oryzicola vasing.))及びホタルイ(Japanese bulrush (Scirpus juncoides))の種子を播種し、その上に軽く覆土した。その後湛水深0.5〜1cmの状態で温室内に静置し、翌日又は2日後にウリカワ(Japanese ribbon waparo (Sagittaria pygmaea))の塊茎を植え込んだ。その後湛水深を3〜4cmに保ち、タイヌビエ及びホタルイが0.5葉期、ウリカワが初生葉期に達した時点で、本発明化合物を通常の製剤方法に準じて調製した水和剤又は乳剤の水希釈液を、所定有効成分量になるようにピペットで均一に滴下処理した。また、1 / 1,000,000ヘクタールポットに水田土壌を詰め、代かきを行い、湛水深を3〜4cmとし、翌日に2葉期のイネ(rice (Oryza sativa L.))(品種:日本晴)を移植深3cmに移植した。移植後4日目に本発明化合物を前述と同様に処理した。
薬剤処理後13〜17日目にタイヌビエ、ホタルイ及びウリカワの生育状態を、薬剤処理後20〜23日目にイネの生育状態を各々肉眼観察し、0(無処理区と同等)〜100(完全枯殺)の抑草率(%)で評価し、第12表の結果を得た。
【0147】
【表12】

【0148】
試験例4
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、各種植物の種子を播種する。その後、植物((1)イチビ(velvetleaf (Abutilon theophrasti MEDIC.))、(2)ギネアキビ(guineagrass(Panicum maximum Jacq.))、(3)エノコログサ(green foxtail (Setaria viridis L.)))、(4)トウモロコシ(corn (Zea mays L.)))が一定の葉令に達したとき、通常の製剤方法に準じて調製した、前記本発明化合物No.2-1の水和剤、下記対照化合物1の乳剤、下記対照化合物2の水和剤を所定有効成分量(3.5〜15 g/ha)となるように秤量し、1ヘクタール当り300リットル相当の水(農業用展着剤(MSO Concentrate;Cognis Corporation製)を0.5 容量%含有)に希釈する。調製した散布液を小型スプレーで茎葉処理する。
薬剤処理後14〜28日目に各種植物の生育状態を肉眼観察し、0(無処理区と同等)〜100(完全枯殺)の生育抑制率(%)で除草効果を評価する。本発明化合物No.2-1は下記対象化合物に比較して、卓越した除草効果と優れた作物安全性を示す。
【0149】
【化37】

【0150】
【化38】

【0151】
試験例5
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、各種植物の種子を播種した。その後、植物が一定の葉令((1)イチビ(velvetleaf (Abutilon theophrasti MEDIC.)):3.0〜3.5葉期、(2)アキノエノコログサ(giant foxtail(Setaria faberi Herrm.)):4.0〜4.5葉期、(3)エノコログサ(green foxtail (Setaria viridis L.)):5.0〜5.5葉期)、(4)トウモロコシ(corn (Zea mays L.)):4.0〜4.3葉期))に達したとき、通常の製剤方法に準じて調製した、前記本発明化合物No.2-1、前記対照化合物1及び前記対照化合物2各々の水和剤を所定有効成分量となるように秤量し、1ヘクタール当り300リットル相当の水(農業用展着剤(Destiny HC:WINFIELD SOLUTIONS, LLC製)を0.5 容量%含有)に希釈した。調製した散布液を小型スプレーで茎葉処理した。
薬剤処理後7〜20日目に各種植物の生育状態を肉眼観察し、0(無処理区と同等)〜100(完全枯殺)の生育抑制率(%)で除草効果を評価し、第13表から第16表の結果を得た。
【0152】
【表13】

【0153】
【表14】

【0154】
【表15】

【0155】
【表16】

【0156】
試験例6
カラム(直径9.5 cm×高さ40 cm、処理面積0.007 m2)に土(滅菌土:砂=3:1)を詰め(4L)、上部から土壌水分を均一に保つ目的で薬剤処理前にペリスターポンプにて水道水を滴下した。その後、各薬剤(化合物No.2-1、上記対照化合物1及び2)が250 g/ha相当の濃度になるよう調製した散布液10 mLをそれぞれピペットで滴下処理した。薬剤処理後、再度ペリスターポンプを用い、400 mL/hrの速度で約3時間水を滴下した。滴下後、1日間放置した後、カラムを縦に2分割し、ソルガム(品種:ラッキーソルゴー)の種子を1列に播種した。播種後14日目に各種植物の生育状態を薬剤投下地点より3 cm間隔で肉眼観察し、0(無処理区と同等)〜100(完全枯殺)の生育抑制率(%)で発芽及び生育の程度を評価し、第17表の結果を得た。
【0157】
【表17】

【0158】
上記の結果では、対照化合物No.1及び2の生育抑制率は化合物No.2-1のそれに比べ、深い深度まで認められる。よって、対照化合物No.1及び2はより深い深度まで有効成分が移動していることが明らかである。それに対して化合物No.2-1は施用した土壌の浅い部分(0〜9 cm層)に留まっている。本結果から、化合物No.2-1は、降雨や散水などでの施用箇所から下方への移動が少なく、地下水汚染等の環境へ及ぼす可能性が対照化合物No.1及び2と比べて著しく低い優れた化合物であると考えられる。
【0159】
次に、本発明の製剤例を記載する。
製剤例1
(1)本発明化合物 75 重量部
(2)ゲロポンT−77(商品名;ローヌ・プーラン社製) 14.5 重量部
(3)NaCl 10 重量部
(4)デキストリン 0.5 重量部
以上の各成分を高速混合細粒機に入れ、さらにそこへ20%の水を加え造粒、乾燥して顆粒水和剤が得られる。
【0160】
製剤例2
(1)カオリン 78 重量部
(2)ラベリンFAN(商品名;第一工業製薬(株)製) 2 重量部
(3)ソルポール5039(商品名;東邦化学工業(株)製) 5 重量部
(4)カープレックス(商品名;DSLジャパン(株)製) 15 重量部
以上、(1)〜(4)の成分の混合物と本発明化合物とを9:1の重量割合で混合して水和剤が得られる。
【0161】
製剤例3
(1)ハイフィラーNo.10(商品名;松村産業(株)製) 33 重量部
(2)ソルポール5050(商品名;東邦化学工業(株)製) 3 重量部
(3)ソルポール5073(商品名;東邦化学工業(株)製) 4 重量部
(4)本発明化合物 60 重量部
以上の(1)〜(4)の各成分を混合して水和剤が得られる。
【0162】
製剤例4
(1)本発明化合物 4 重量部
(2)ベントナイト 30 重量部
(3)炭酸カルシウム 61.5重量部
(4)トキサノンGR−31A(商品名;三洋化成工業(株)製) 3 重量部
(5)リグニンスルホン酸カルシウム塩 1.5 重量部
予め粉砕した(1)と、(2)及び(3)とを混合し、そこへ(4)、(5)及び水を加えて混合し、押出し造粒する。その後、乾燥、整粒して粒剤が得られる。
【0163】
製剤例5
(1)本発明化合物 30 重量部
(2)ジークライト(商品名;ジークライト(株)製) 60 重量部
(3)ニューカルゲン WG−1(商品名;竹本油脂(株)製) 5 重量部
(4)ニューカルゲン FS−7(商品名;竹本油脂(株)製) 5 重量部
(1)、(2)及び(3)を混合し、粉砕機を通した後、(4)を加えて混練後、押出し造粒する。その後、乾燥、整粒して顆粒水和剤が得られる。
【0164】
製剤例6
(1)本発明化合物 28 重量部
(2)ソプロポールFL(商品名;ローヌ・プーラン社製) 2 重量部
(3)ソルポール355 (商品名;東邦化学工業(株)製) 1 重量部
(4)IPソルベント1620(商品名;出光石油化学(株)製) 32 重量部
(5)エチレングリコール 6 重量部
(6)水 31 重量部
以上の(1)〜(6)の成分を混合し、湿式粉砕機(ダイノ−ミル)を用いて粉砕して水性懸濁剤が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、Rはアルキルであり、Rは水素原子又はアルキルであり、Rはアルキルであり、Rはアルキルであり、Rは1つのアルコキシで置換されたアルキル、1つのアルコキシで置換されたアルコキシ又はアルコキシカルボニルであり、Rはアルキルスルホニルであり、Aは1又は2以上のアルキルで置換されたアルキレンである)で表されるピラゾール系化合物又はその塩。
【請求項2】
式(I)のピラゾール系化合物が、1−(4−(3−(エトキシメチル)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル メチル カーボネート、
メチル 3-(5-(1-(メトキシカルボニルオキシ)エトキシ)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボニル)-2-メチル-6-(メチルスルホニル)ベンゾエート、
1-(4-(3-(メトキシメチル)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル メチル カーボネート、
1-(4-(3-(エトキシメチル)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル エチル カーボネート、
エチル 1-(4-(3-(2-イソプロポキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル カーボネート、
1-(4-(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル メチル カーボネート、
1-(1-エチル-4-(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル メチル カーボネート、
メチル 3-(5-(1-(エトキシカルボニルオキシ)エトキシ)-1-エチル-1H-ピラゾール-4-カルボニル)-2-メチル-6-(メチルスルホニル)ベンゾエート、
エチル 1-(1-エチル-4-(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル カーボネート、
エチル 1-(1-ノルマルプロピル-4-(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル カーボネート又は
1-(1-イソプロピル-4-(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル メチル カーボネートである、請求項1に記載されたピラゾール系化合物又はその塩。
【請求項3】
式(I)のピラゾール系化合物が、1-(1-エチル-4-(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)-1H-ピラゾール-5-イルオキシ)エチル メチル カーボネートである、請求項1に記載されたピラゾール系化合物又はその塩。
【請求項4】
式(II):
【化2】

(式中、Rはアルキルであり、Rは水素原子又はアルキルであり、Rはアルキルであり、Rは1つのアルコキシで置換されたアルキル、1つのアルコキシで置換されたアルコキシ又はアルコキシカルボニルであり、Rはアルキルスルホニルである)で表されるピラゾール系化合物又はその塩と、式(III):
【化3】

(式中、Rはアルキルであり、Halはハロゲンであり、Aは1又は2以上のアルキルで置換されたアルキレンである)で表される化合物とを反応させることを特徴とする、式(I):
【化4】

(式中、R、R、R、R、R、R及びAは前述の通りである)で表されるピラゾール系化合物又はその塩の製造方法。
【請求項5】
式(II):
【化5】

(式中、Rはアルキルであり、Rは水素原子又はアルキルであり、Rはアルキルであり、Rは1つのアルコキシで置換されたアルキル、1つのアルコキシで置換されたアルコキシ又はアルコキシカルボニルであり、Rはアルキルスルホニルである)で表されるピラゾール系化合物又はその塩。
【請求項6】
式(II)のピラゾール系化合物が、(5-ヒドロキシ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)(3-(2-イソプロピルエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトン、
(5-ヒドロキシ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトン、
(5-ヒドロキシ-1-メチル-3-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトン、
(1-エチル-5-ヒドロキシ-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトン、
(5-ヒドロキシ-1-ノルマルプロピル-1H-ピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニルケトン、
(5-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1H-ピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトン又は
(5-ヒドロキシ-1-イソプロピル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトンである、請求項5に記載されたピラゾール系化合物又はその塩。
【請求項7】
式(II)のピラゾール系化合物又はその塩が、(5-ヒドロキシ-1-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)ケトンの金属塩である、請求項5に記載されたピラゾール系化合物又はその塩。
【請求項8】
請求項1、2、3、5、6又は7のピラゾール系化合物若しくはその塩を有効成分として含有する除草剤。
【請求項9】
請求項1、2、3、5、6又は7のピラゾール系化合物若しくはその塩の除草有効量を、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用し、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。

【公開番号】特開2010−180198(P2010−180198A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118000(P2009−118000)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(000000354)石原産業株式会社 (289)
【Fターム(参考)】