フィルタ付蓋組立体
ケージ用のフィルタ付蓋組立体(20)であって、フィルタ付蓋組立体(20)が有孔頂壁を備えた覆い(100)を有し、有孔頂壁がその上方に配置されたフィルタペーパ(200)を保護するようになった、フィルタ付蓋組立体。孔(120)は、動物が掴める位置に達するのを阻止するのに十分に小さく且つ孔(120)相互間の間隔部分を噛むのを阻止するのに十分なように間隔を置いて設けられるのが良い。覆い(100)は、フィルタペーパ(200)を覆いの上方に浮かした状態に保持する1つ又は2つ以上の隆起リブ(142,144)を更に有するのが良い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、静的ユニットとして使用でき又は換気ケージ・ラックシステムと関連して使用できるげっ歯類用ケージのためのフィルタ付蓋組立体に関し、特に、覆い(bonnet)であって、覆いによって支持されたフィルタペーパーを保護するよう構成された覆いに関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2008年8月21日に出願された米国特許仮出願第61/090,783号(発明の名称:FILTER TOP ASSEMBLY)の優先権主張出願である。
【背景技術】
【0003】
実験室は、動物、例えばマウスを換気ケージ内に収容する場合が多い。ケージは、ケージへの空気の流入流出を提供しなければならず、かかるケージは、空気がケージに出入りすることができるようにするフィルタ付蓋を有する場合がある。ケージに出入りする空気を濾過するためのフィルタペーパーが設けられる場合がある。
【0004】
フィルタペーパーを保護する一方で、クリーニングが容易な覆いを備えたケージ用のフィルタ付蓋組立体を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の好ましい実施形態は、底壁及び開口部を構成する複数個の側壁を備えたケージ下部に用いるための、且つ前記開口部を覆い、それにより前記ケージ下部を密閉することができる、フィルタ付ケージ蓋組立体の覆いに関する。覆いは、複数個の空気通路を備えた頂壁と、フィルタを支持するよう頂壁上に形成された1つ又は2つ以上の突出部とを有し、各突出部は、フィルタと複数個の空気通路との間にフィルタスペースを構成する。かくして、本発明の目的は、動物ケージ用の改良型フィルタ付蓋組立体を提供することにある。本発明の別の目的は、フィルタの保護手段を備えた動物ケージ用の改良型覆いを提供することにある。本発明の他の目的、特徴及び特性並びに構造体の関連要素の作動方法や機能、部品の組み合わせ及び製造の経済性は、添付の図面を参照して行なわれる以下の詳細な説明を考慮すると明らかになろう。なお、添付の図面は全て、本明細書の一部をなしている。
【0006】
本発明の一層の理解は、添付の図面に記載された好ましい実施形態を参照することによって得られる。図示の実施形態は、本発明を実施するシステムの単なる例示に過ぎないが、本発明の構成と作動方法の両方は、一般に、その別の目的及び別の利点と共に、図面及び以下の説明を参照すると容易に理解可能である。図面は、本発明の範囲を制限するものではなく、本発明の範囲は、添付され又は後で補正される特許請求の範囲に具体的に記載されており、図面は、本発明を明らかにすると共に例示するようになっているに過ぎない。
【0007】
本発明をより完全に理解するために、次に、以下の図面を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態としてのケージ組立体の斜視図である。
【図2】図1のケージ組立体のケージ下部の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態としてのフィルタ付蓋組立体の分解組立て斜視図である。
【図4】本発明の実施形態としての覆いの平面図である。
【図5】図4の覆いの5‐5線矢視断面図である。
【図6】図4の覆いの6‐6線矢視断面図である。
【図7】図5の符号7で囲んだ部分の拡大図である。
【図8】図4の符号Aで囲んだ部分の拡大図である。
【図9】図8の部分Aの9‐9線矢視断面図である。
【図10】図8の部分Aの10‐10線矢視断面図である。
【図11】図3の部分Hの逆から見た拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
必要条件に応じて、本発明の詳細な例示の実施形態が本明細書において開示される。しかしながら、本発明の技術、システム及び作動構造体は、多種多様な形態及びモードで具体化でき、これらのうちの幾つかは、開示した実施形態の形態及びモードとは極めて異なる場合がある。その結果、本明細書において開示する特定の構造的詳細及び機能的詳細は、例示に過ぎず、この点に関し、これらは、開示の目的のために最適な実施形態を提供すると共に本発明の範囲を定める特許請求の範囲の基礎となるものである。以下は、本発明の好ましい実施形態の詳細な説明である。
【0010】
図1を参照すると、ケージ組立体1の実施形態が示されており、このケージ組立体は、ケージ下部10及びフィルタ付蓋組立体(上部組立体)20を有している。ケージ下部10の実施形態が、底壁12及び開口部16を構成する側壁14を備えるものとして図2に示されている。フィルタ付蓋組立体20は、好ましくは、開口部16全体を覆ってケージ下部10を密閉し、好ましくは側壁14とシールを形成するのが良い。
【0011】
図3を参照すると、フィルタ付蓋組立体20の実施形態が詳細に示されている。フィルタ付蓋組立体20は、1つのユニットをなすよう互いに連結された3つの部分、即ち、覆い100、フィルタ200及びリテーナ(保持材)300を有するのが良い。フィルタ付蓋組立体20は、好ましくは、覆い100がケージ下部10、例えばケージ下部10の側壁14と直接的な接触関係をなすようケージ下部10に対して定位置に位置する。フィルタ200は、覆い100の上方に位置決めされるのが良く、リテーナ300は、フィルタ200の上方に位置決めされるのが良く、好ましくは、フィルタ200をリテーナ300と覆い100との間の定位置に固定する。
【0012】
図4〜図7に示されているような例示の実施形態では、覆い100は、ケージ下部10の開口部16を覆ってこれを効果的に密閉するような寸法形状のものである。覆い100は、好ましくは、弾性材料で作られる。好ましい材料としては、比較的軽量であり且つ耐久性のあるプラスチックが挙げられる。理解されるべきこととして、本発明の範囲から逸脱することなく他の材料も又使用できる。
【0013】
覆い100は、好ましくは、頂壁110を有し、この頂壁は、その表面を横切って複数個の空気通路、例えばスロット120を有しており、したがって、空気が覆い100の頂壁110を通ってケージ下部10内に流入することができ且つ/或いはこれから流出することができるようになっている。スロット120は、好ましくは、ケージ1内に入れられている動物、例えばマウス、ラット及び/又は他の実験用動物が覆い100上又はスロット120を通してフィルタ200を掴める位置に達するのを阻止すると共に更に動物がスロット120を通してフィルタ材料に接近するのを阻止するような寸法形状のものである。したがって、動物がフィルタ200に達するのを阻止することができる。好ましくは、隣り合うスロット120相互間の距離d1,d2は、動物が噛むことができ又はその爪で掴むことができる距離よりも大きい。したがって、動物は、掴める位置に達して覆い100及びフィルタ200を噛むのが阻止される。図示のように、スロット120は、スロット120がケージ下部10に向いた側に小さな開口部を有すると共にフィルタ200に向いた大きな開口部を有するよう傾斜した又は丸くなった壁を有するのが良い。
【0014】
覆い100の頂壁110は、ケージ下部10から遠ざかって突き出た1つ又は2つ以上の突出部142,144を有するのが良く、これら突出部は、様々な寸法形状のものである。これら突出部は、好ましくは、フィルタ200を頂壁110の上方に、かくしてスロット120から遠ざけて支持することによりフィルタ200をスロット120から離して浮かした状態に維持しやすくする。図3〜図7に示されている実施形態によれば、覆い100の突出部は、1つ又は2つ以上の周囲リブ142及び複数個の内部リブ144の形態をしている。周囲リブ142は、フィルタ200をその外周部の近くで支持することができ、内部リブ144は、フィルタ200の中間部の近くのところを支持することができる。フィルタ200が頂壁110に向かって垂れ下がり、かくして覆い100の1つ又は2つ以上のスロット120を覆う恐れは、フィルタ200の支持されていない表面領域が増大するにつれて高くなる。内部リブ144を設けることにより、フィルタ200は、好ましくは、垂れ下がるのが阻止され、かくして、スロット120を覆わないようになる。内部リブ144は又、覆い100及び組み立て状態のフィルタ付蓋組立体20の構造完全性を高めることができる。図6〜図8に詳細に示されているように、周囲リブ142の高さと内部リブ144の高さは、実質的に等しい。したがって、フィルタ200と覆い100の頂壁110との間の距離を実質的に一定に維持することができる。
【0015】
フィルタ200を頂壁110から離して浮かせた状態に維持するリブ142,144を設けることにより、覆い100とフィルタ200との間には隙間220が形成されると共にこれを維持することができる。隙間220を設けることにより、フィルタ付蓋組立体20を通る空気流を促進することができる。非限定的な例として、空気がケージ下部10の内部からスロット120を通って隙間220内に流れているときには、好ましくは、圧力差が生じない。したがって、スロット120を通る空気の流れを促進することができる。加うるに、隙間220を設けることにより、ケージ下部10からスロット120を通って隙間220内に移動する空気は、隙間220内で散らばることができる。次に、空気は、フィルタ200の実質的に表面領域全体を通して動くことができる。
【0016】
かかる構成は、フィルタ200が頂壁110と面一をなし、スロット120を通って動く空気がケージ下部10とフィルタ100との間の圧力差の増大に直面する構成と比べると、有益な場合がある。また、フィルタ200が頂壁110と面一をなしている場合、スロット120を通って流れる空気は、スロット120により露出されるフィルタ200の表面領域に限定される恐れがある。隙間220を提供することにより、空気は、フィルタ200の実質的に表面領域全体を通して、例えば、内部リブ144に接触していない周囲リブ142内の領域を通って自由に流れることができる。
【0017】
図3に示されているように、リテーナ300をフィルタ200及び覆い100の上に置くことができる。かくして、フィルタ200は、リテーナ300と覆い100との間にサンドイッチされる。リテーナ300は、好ましくは、フィルタ200全体を覆うような寸法形状のものであり、かくして、フィルタ200は、偶発的な接触から保護される。したがって、フィルタ付蓋組立体20をいったん組み立てると、フィルタ200は、技術者によるフィルタ付蓋組立体20の取り扱いによる接触に起因する損傷から保護可能である。また、リテーナ300は、孔が設けられているのが良く、かくして、その表面310全体にわたって設けられていて、空気が隙間220からリテーナ300を通って流れることができるようにする孔320を有する。図示の実施形態によれば、孔320は、全体として正方形の形をしていて、格子アレイ(列)を形成するのが良い。フィルタ付蓋組立体20のリテーナ300の例示の実施形態は、ラブ・プロダクツ・インコーポレイテッド(Lab Products, Inc.)に譲渡された米国特許第6,227,146号明細書に記載されたフィルタリテーナを含むのが良い。理解されるべきこととして、リテーナの孔320の寸法形状は、本発明の範囲から逸脱することなく様々であって良い。例えば、孔320は、細長くても良く、本発明の範囲から逸脱することなく円形、長円形又は多角形の形をしていても良い。
【0018】
上述したように、リテーナ300は、好ましくは、動物の方からは接近できない。具体的に説明すると、覆い100及びフィルタ200は、好ましくは、ケージ下部とリテーナ300との間に位置決めされ、かくして、動物が、掴める位置に達し、リテーナ300に噛み付き又は噛み砕くのが阻止される。かくして、孔320の幅及び長さは、スロット120の幅及び長さよりも大きくすることができ、孔320は、動物による損傷の恐れを増大させないで、スロット120よりも互いに密接に位置することができる。
【0019】
図6及び図7を参照すると、覆い100は、好ましくは、1つ又は2つ以上の突出部146を有し、リテーナ300は、好ましくは、覆い100の突出部146に対応した1つ又は2つ以上の溝を有する。溝346(図11)は、好ましくは、リテーナ300を覆い100に取り付けると、溝346が覆い100の突出部146を受け入れてリテーナ300を覆い100に固定することができるような寸法形状のものであると共に位置にある。好ましくは、フィルタ200は、溝346と突出部146の相互作用により覆い100とリテーナ300との間の定位置に更に固定可能である。かくして、リテーナ300、フィルタ200及び覆い100は、一体形構造体、即ちフィルタ付蓋組立体20を形成することができる。
【0020】
例示の実施形態によれば、リテーナ300は、フィルタ付蓋組立体20を組み立てたときに覆い100の周囲リブ142を受け入れるよう構成されると共に配置された1つ又は2つ以上の周囲溝342を更に有する。かかる構成により、覆い100とリテーナ300との間でフィルタ200に加わる圧力を増大させることができ、これは、フィルタ200を覆い100の頂壁110の上方に浮かした状態に維持するのを助けることができる。
【0021】
溝346及び/又は周囲溝342は、表面310から覆い100に向かって延びる突出部に設けられるのが良く、したがって、フィルタ200とリテーナ300の表面310との間にも隙間が設けられるようになり、それによりフィルタ200を通り、かくしてケージ下部10に出入りする空気流を一段と促進することができる。
【0022】
覆い100及び/又はリテーナ300は、好ましくは、透明なプラスチックで作られ、かかる透明なプラスチックは、実質的に剛性であるが、捩じり力をこれに加えたときに、適度な曲げを可能にする。スロット120の上述の寸法形状及び配置状態により、動物は、覆い100に噛み付き、噛み砕き或いは覆い100を掴める位置に達するのを阻止するのを容易にするので、フィルタ付蓋組立体20をラブ・プロダクツ・インコーポレイテッドに譲渡された米国特許第6,227,146号明細書に記載されているような金属シールド(遮蔽物)なしでケージ下部10上に設けることができる。プラスチック製のフィルタ付蓋組立体20を提供することにより、フィルタ付蓋組立体20の製造費を金属コンポーネント、例えば金属シールドを含む形態と比較して減少させることができ、少なくとも、その理由は、プラスチックよりも通常高価な金属を不要にすることができるからである。さらに、シールドを形成し、シールドを覆いに組み付けて取り付けるステップも又不要にすることができ、それにより、フィルタ付蓋組立体20の製造効率を向上させることができる。
【0023】
加うるに、覆い100とリテーナ300の両方を金属シールドのような相当大きな金属コンポーネントなしで従来型プラスチックで製造することにより、フィルタ付蓋組立体20の重量を減少させることができる。重量の減少は、動物を研究し、処理し、動物に対する試験を実施し、或いはケージをクリーニングすること等を行なうために数千個のフィルタ付蓋組立体をケージ下部から持ち上げたり取り出したりする場合の多い実験室スタッフにとって重大な場合がある。大抵の場合、フィルタ付蓋組立体を取り出した後、スタッフは、フィルタ付蓋組立体を裏返してこれを上下逆さまの状態で作業ステーション上に置き、したがって、リテーナは、底部に位置するようになる。したがって、金属シールドを使用しないようにすることによる軽量化は、実験室スタッフにとって気がかなり楽になる。
【0024】
覆い100は、好ましくは、頂壁110から下方に延びていて、ケージ下部10の側壁14のリップ(へり)18から間隔を置くように構成されると共に配置され、これらリップを包囲し、そしてこれらリップから張り出す1つ又は2つ以上のフランジを有する。かくして、フィルタ付蓋組立体20は、好ましくは、ケージ下部10から偶発的に外れることがないようになり、かかるフィルタ付蓋組立体を取り外すにはこれを持ち上げて外さなければならない。また、フランジと側壁14との間の隙間空間がケージ下部10上における覆い100のほんの僅かな運動を可能にすべきであるということに注目すべきである。しかしながら、覆い100は、好ましくは、覆い100とケージ下部10との間の側方相対運動にもかかわらず、側壁14のリップ18と接触状態のままであるのに十分側方に延びる周辺フランジを有する。したがって、覆い100とケージ下部10との間の「ペトリー皿(petrie dish)」形態の一体性を維持することができる。
【0025】
リテーナ300は、上述した覆い100の特性と同一の特性を持つ材料で形成されるのが良く、リテーナの剛性は、覆いの剛性と同一であっても良いし、これとは異なっていても良い。リテーナ300は、頂壁310と一体成形されると共にこれから連続して延びる側壁を有するのが良く、これら側壁は、図3に示されている覆い100の側壁とぴったりと合う。側方周辺フランジ362が好ましくは、リテーナ300の側壁から延びている。リブ364がリテーナ300のそれぞれのコーナ部から延びるのが良く、これらリブは、構造的完全性を向上させる。加うるに、リブ364は、連続して位置するリテーナ300を位置決めするための積み重ね案内としての役目を果たすことができる。
【0026】
好ましい実施形態では、フィルタ200は、デュポン(DuPont)社により商標REEMAY2024で市販されている形式のスパンボンドポリエステルの薄いシートである。11〜13ミルのフィルタ厚さが、覆い100の頂壁110にほぼ等しい面積を備えたフィルタにとって適当であることが判明した。REEMAY2024は、例示として使用されているに過ぎず、少なくともその特性又は類似の特性を備えた任意の濾過材を利用することができる。
【0027】
フィルタ付蓋組立体20を組み立てるためには、フィルタ200をリテーナ300内に又は覆い100上に配置してフィルタ200が周囲リブ142及び内部リブ144によって支持されるようにするのが良い。好ましくは、フィルタ200は、周囲リブ142の全てを越えて延び、かくして、覆いの頂壁110の上方にはフィルタ200によって覆われていない領域が残らないようになる。上述したように、リブ142,144は、フィルタ200を支持し、フィルタ200を頂壁110から遠ざけて浮いた状態に維持することができる。好ましくは、フィルタ200は又、覆い100の突出部146を覆う。リテーナ300を覆い100上のフィルタ200の上に置くのが良く、或いは、リテーナ‐フィルタ組立体を覆い100上に置くのが良く、その結果、溝346が対応の突出部146と位置合わせされるようにする。
【0028】
リテーナ300又はリテーナ‐フィルタ組立体を好ましくは覆い100に押し付けて突出部146が溝346によって受け入れられてフィルタ200をこれらの間にサンドイッチする。周囲溝342も又、周囲リブ142及びフィルタ200の幾つかの部分を受け入れてフィルタ200の外周部をこれらの間にサンドイッチするのが良い。したがって、リテーナ300が例えば突出部146及び溝346及び/又は周囲リブ142及び周囲溝342により覆い100にいったん係合すると、フィルタ200は、定位置に固定可能であり、張力が増大されてフィルタ200を覆い100の頂壁110から浮かせた状態で維持するのを一層容易にすることができる。
【0029】
リテーナ300は、覆い100の側壁の外面に一体成形された小さな突出部又は戻り止め150によって定位置に更に保持されるのが良い。同様に、リテーナ300を覆い100に取り付けたときに戻止め150をぴったりと受け入れるように位置決めされると共に寸法決めされた孔又はスロット350をリテーナ300の側壁に形成するのが良い。変形実施形態では、戻止めは、リテーナ300の側壁の内面に形成されても良く、他方、スロット150は、覆い100の側壁に形成されても良い。また、リテーナ300を別の機構又は張力嵌めによって覆い100に取り付け保持するようこれを寸法決めすることが可能である。
【0030】
本発明の完全な開示を提供する目的でかなり詳細に説明した1つ又は2つ以上の実施形態を参照して本発明を説明したが、かかる実施形態は、例示に過ぎず、本発明の全ての観点の排他的な列挙を制限し又は表すものではない。したがって、本発明は、特許請求の範囲の記載にのみ基づいて定められるべきである。さらに、本発明の精神及び原理から逸脱することなくかかる細部の多くの変更を実施できることは当業者には明らかであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、静的ユニットとして使用でき又は換気ケージ・ラックシステムと関連して使用できるげっ歯類用ケージのためのフィルタ付蓋組立体に関し、特に、覆い(bonnet)であって、覆いによって支持されたフィルタペーパーを保護するよう構成された覆いに関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2008年8月21日に出願された米国特許仮出願第61/090,783号(発明の名称:FILTER TOP ASSEMBLY)の優先権主張出願である。
【背景技術】
【0003】
実験室は、動物、例えばマウスを換気ケージ内に収容する場合が多い。ケージは、ケージへの空気の流入流出を提供しなければならず、かかるケージは、空気がケージに出入りすることができるようにするフィルタ付蓋を有する場合がある。ケージに出入りする空気を濾過するためのフィルタペーパーが設けられる場合がある。
【0004】
フィルタペーパーを保護する一方で、クリーニングが容易な覆いを備えたケージ用のフィルタ付蓋組立体を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の好ましい実施形態は、底壁及び開口部を構成する複数個の側壁を備えたケージ下部に用いるための、且つ前記開口部を覆い、それにより前記ケージ下部を密閉することができる、フィルタ付ケージ蓋組立体の覆いに関する。覆いは、複数個の空気通路を備えた頂壁と、フィルタを支持するよう頂壁上に形成された1つ又は2つ以上の突出部とを有し、各突出部は、フィルタと複数個の空気通路との間にフィルタスペースを構成する。かくして、本発明の目的は、動物ケージ用の改良型フィルタ付蓋組立体を提供することにある。本発明の別の目的は、フィルタの保護手段を備えた動物ケージ用の改良型覆いを提供することにある。本発明の他の目的、特徴及び特性並びに構造体の関連要素の作動方法や機能、部品の組み合わせ及び製造の経済性は、添付の図面を参照して行なわれる以下の詳細な説明を考慮すると明らかになろう。なお、添付の図面は全て、本明細書の一部をなしている。
【0006】
本発明の一層の理解は、添付の図面に記載された好ましい実施形態を参照することによって得られる。図示の実施形態は、本発明を実施するシステムの単なる例示に過ぎないが、本発明の構成と作動方法の両方は、一般に、その別の目的及び別の利点と共に、図面及び以下の説明を参照すると容易に理解可能である。図面は、本発明の範囲を制限するものではなく、本発明の範囲は、添付され又は後で補正される特許請求の範囲に具体的に記載されており、図面は、本発明を明らかにすると共に例示するようになっているに過ぎない。
【0007】
本発明をより完全に理解するために、次に、以下の図面を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態としてのケージ組立体の斜視図である。
【図2】図1のケージ組立体のケージ下部の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態としてのフィルタ付蓋組立体の分解組立て斜視図である。
【図4】本発明の実施形態としての覆いの平面図である。
【図5】図4の覆いの5‐5線矢視断面図である。
【図6】図4の覆いの6‐6線矢視断面図である。
【図7】図5の符号7で囲んだ部分の拡大図である。
【図8】図4の符号Aで囲んだ部分の拡大図である。
【図9】図8の部分Aの9‐9線矢視断面図である。
【図10】図8の部分Aの10‐10線矢視断面図である。
【図11】図3の部分Hの逆から見た拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
必要条件に応じて、本発明の詳細な例示の実施形態が本明細書において開示される。しかしながら、本発明の技術、システム及び作動構造体は、多種多様な形態及びモードで具体化でき、これらのうちの幾つかは、開示した実施形態の形態及びモードとは極めて異なる場合がある。その結果、本明細書において開示する特定の構造的詳細及び機能的詳細は、例示に過ぎず、この点に関し、これらは、開示の目的のために最適な実施形態を提供すると共に本発明の範囲を定める特許請求の範囲の基礎となるものである。以下は、本発明の好ましい実施形態の詳細な説明である。
【0010】
図1を参照すると、ケージ組立体1の実施形態が示されており、このケージ組立体は、ケージ下部10及びフィルタ付蓋組立体(上部組立体)20を有している。ケージ下部10の実施形態が、底壁12及び開口部16を構成する側壁14を備えるものとして図2に示されている。フィルタ付蓋組立体20は、好ましくは、開口部16全体を覆ってケージ下部10を密閉し、好ましくは側壁14とシールを形成するのが良い。
【0011】
図3を参照すると、フィルタ付蓋組立体20の実施形態が詳細に示されている。フィルタ付蓋組立体20は、1つのユニットをなすよう互いに連結された3つの部分、即ち、覆い100、フィルタ200及びリテーナ(保持材)300を有するのが良い。フィルタ付蓋組立体20は、好ましくは、覆い100がケージ下部10、例えばケージ下部10の側壁14と直接的な接触関係をなすようケージ下部10に対して定位置に位置する。フィルタ200は、覆い100の上方に位置決めされるのが良く、リテーナ300は、フィルタ200の上方に位置決めされるのが良く、好ましくは、フィルタ200をリテーナ300と覆い100との間の定位置に固定する。
【0012】
図4〜図7に示されているような例示の実施形態では、覆い100は、ケージ下部10の開口部16を覆ってこれを効果的に密閉するような寸法形状のものである。覆い100は、好ましくは、弾性材料で作られる。好ましい材料としては、比較的軽量であり且つ耐久性のあるプラスチックが挙げられる。理解されるべきこととして、本発明の範囲から逸脱することなく他の材料も又使用できる。
【0013】
覆い100は、好ましくは、頂壁110を有し、この頂壁は、その表面を横切って複数個の空気通路、例えばスロット120を有しており、したがって、空気が覆い100の頂壁110を通ってケージ下部10内に流入することができ且つ/或いはこれから流出することができるようになっている。スロット120は、好ましくは、ケージ1内に入れられている動物、例えばマウス、ラット及び/又は他の実験用動物が覆い100上又はスロット120を通してフィルタ200を掴める位置に達するのを阻止すると共に更に動物がスロット120を通してフィルタ材料に接近するのを阻止するような寸法形状のものである。したがって、動物がフィルタ200に達するのを阻止することができる。好ましくは、隣り合うスロット120相互間の距離d1,d2は、動物が噛むことができ又はその爪で掴むことができる距離よりも大きい。したがって、動物は、掴める位置に達して覆い100及びフィルタ200を噛むのが阻止される。図示のように、スロット120は、スロット120がケージ下部10に向いた側に小さな開口部を有すると共にフィルタ200に向いた大きな開口部を有するよう傾斜した又は丸くなった壁を有するのが良い。
【0014】
覆い100の頂壁110は、ケージ下部10から遠ざかって突き出た1つ又は2つ以上の突出部142,144を有するのが良く、これら突出部は、様々な寸法形状のものである。これら突出部は、好ましくは、フィルタ200を頂壁110の上方に、かくしてスロット120から遠ざけて支持することによりフィルタ200をスロット120から離して浮かした状態に維持しやすくする。図3〜図7に示されている実施形態によれば、覆い100の突出部は、1つ又は2つ以上の周囲リブ142及び複数個の内部リブ144の形態をしている。周囲リブ142は、フィルタ200をその外周部の近くで支持することができ、内部リブ144は、フィルタ200の中間部の近くのところを支持することができる。フィルタ200が頂壁110に向かって垂れ下がり、かくして覆い100の1つ又は2つ以上のスロット120を覆う恐れは、フィルタ200の支持されていない表面領域が増大するにつれて高くなる。内部リブ144を設けることにより、フィルタ200は、好ましくは、垂れ下がるのが阻止され、かくして、スロット120を覆わないようになる。内部リブ144は又、覆い100及び組み立て状態のフィルタ付蓋組立体20の構造完全性を高めることができる。図6〜図8に詳細に示されているように、周囲リブ142の高さと内部リブ144の高さは、実質的に等しい。したがって、フィルタ200と覆い100の頂壁110との間の距離を実質的に一定に維持することができる。
【0015】
フィルタ200を頂壁110から離して浮かせた状態に維持するリブ142,144を設けることにより、覆い100とフィルタ200との間には隙間220が形成されると共にこれを維持することができる。隙間220を設けることにより、フィルタ付蓋組立体20を通る空気流を促進することができる。非限定的な例として、空気がケージ下部10の内部からスロット120を通って隙間220内に流れているときには、好ましくは、圧力差が生じない。したがって、スロット120を通る空気の流れを促進することができる。加うるに、隙間220を設けることにより、ケージ下部10からスロット120を通って隙間220内に移動する空気は、隙間220内で散らばることができる。次に、空気は、フィルタ200の実質的に表面領域全体を通して動くことができる。
【0016】
かかる構成は、フィルタ200が頂壁110と面一をなし、スロット120を通って動く空気がケージ下部10とフィルタ100との間の圧力差の増大に直面する構成と比べると、有益な場合がある。また、フィルタ200が頂壁110と面一をなしている場合、スロット120を通って流れる空気は、スロット120により露出されるフィルタ200の表面領域に限定される恐れがある。隙間220を提供することにより、空気は、フィルタ200の実質的に表面領域全体を通して、例えば、内部リブ144に接触していない周囲リブ142内の領域を通って自由に流れることができる。
【0017】
図3に示されているように、リテーナ300をフィルタ200及び覆い100の上に置くことができる。かくして、フィルタ200は、リテーナ300と覆い100との間にサンドイッチされる。リテーナ300は、好ましくは、フィルタ200全体を覆うような寸法形状のものであり、かくして、フィルタ200は、偶発的な接触から保護される。したがって、フィルタ付蓋組立体20をいったん組み立てると、フィルタ200は、技術者によるフィルタ付蓋組立体20の取り扱いによる接触に起因する損傷から保護可能である。また、リテーナ300は、孔が設けられているのが良く、かくして、その表面310全体にわたって設けられていて、空気が隙間220からリテーナ300を通って流れることができるようにする孔320を有する。図示の実施形態によれば、孔320は、全体として正方形の形をしていて、格子アレイ(列)を形成するのが良い。フィルタ付蓋組立体20のリテーナ300の例示の実施形態は、ラブ・プロダクツ・インコーポレイテッド(Lab Products, Inc.)に譲渡された米国特許第6,227,146号明細書に記載されたフィルタリテーナを含むのが良い。理解されるべきこととして、リテーナの孔320の寸法形状は、本発明の範囲から逸脱することなく様々であって良い。例えば、孔320は、細長くても良く、本発明の範囲から逸脱することなく円形、長円形又は多角形の形をしていても良い。
【0018】
上述したように、リテーナ300は、好ましくは、動物の方からは接近できない。具体的に説明すると、覆い100及びフィルタ200は、好ましくは、ケージ下部とリテーナ300との間に位置決めされ、かくして、動物が、掴める位置に達し、リテーナ300に噛み付き又は噛み砕くのが阻止される。かくして、孔320の幅及び長さは、スロット120の幅及び長さよりも大きくすることができ、孔320は、動物による損傷の恐れを増大させないで、スロット120よりも互いに密接に位置することができる。
【0019】
図6及び図7を参照すると、覆い100は、好ましくは、1つ又は2つ以上の突出部146を有し、リテーナ300は、好ましくは、覆い100の突出部146に対応した1つ又は2つ以上の溝を有する。溝346(図11)は、好ましくは、リテーナ300を覆い100に取り付けると、溝346が覆い100の突出部146を受け入れてリテーナ300を覆い100に固定することができるような寸法形状のものであると共に位置にある。好ましくは、フィルタ200は、溝346と突出部146の相互作用により覆い100とリテーナ300との間の定位置に更に固定可能である。かくして、リテーナ300、フィルタ200及び覆い100は、一体形構造体、即ちフィルタ付蓋組立体20を形成することができる。
【0020】
例示の実施形態によれば、リテーナ300は、フィルタ付蓋組立体20を組み立てたときに覆い100の周囲リブ142を受け入れるよう構成されると共に配置された1つ又は2つ以上の周囲溝342を更に有する。かかる構成により、覆い100とリテーナ300との間でフィルタ200に加わる圧力を増大させることができ、これは、フィルタ200を覆い100の頂壁110の上方に浮かした状態に維持するのを助けることができる。
【0021】
溝346及び/又は周囲溝342は、表面310から覆い100に向かって延びる突出部に設けられるのが良く、したがって、フィルタ200とリテーナ300の表面310との間にも隙間が設けられるようになり、それによりフィルタ200を通り、かくしてケージ下部10に出入りする空気流を一段と促進することができる。
【0022】
覆い100及び/又はリテーナ300は、好ましくは、透明なプラスチックで作られ、かかる透明なプラスチックは、実質的に剛性であるが、捩じり力をこれに加えたときに、適度な曲げを可能にする。スロット120の上述の寸法形状及び配置状態により、動物は、覆い100に噛み付き、噛み砕き或いは覆い100を掴める位置に達するのを阻止するのを容易にするので、フィルタ付蓋組立体20をラブ・プロダクツ・インコーポレイテッドに譲渡された米国特許第6,227,146号明細書に記載されているような金属シールド(遮蔽物)なしでケージ下部10上に設けることができる。プラスチック製のフィルタ付蓋組立体20を提供することにより、フィルタ付蓋組立体20の製造費を金属コンポーネント、例えば金属シールドを含む形態と比較して減少させることができ、少なくとも、その理由は、プラスチックよりも通常高価な金属を不要にすることができるからである。さらに、シールドを形成し、シールドを覆いに組み付けて取り付けるステップも又不要にすることができ、それにより、フィルタ付蓋組立体20の製造効率を向上させることができる。
【0023】
加うるに、覆い100とリテーナ300の両方を金属シールドのような相当大きな金属コンポーネントなしで従来型プラスチックで製造することにより、フィルタ付蓋組立体20の重量を減少させることができる。重量の減少は、動物を研究し、処理し、動物に対する試験を実施し、或いはケージをクリーニングすること等を行なうために数千個のフィルタ付蓋組立体をケージ下部から持ち上げたり取り出したりする場合の多い実験室スタッフにとって重大な場合がある。大抵の場合、フィルタ付蓋組立体を取り出した後、スタッフは、フィルタ付蓋組立体を裏返してこれを上下逆さまの状態で作業ステーション上に置き、したがって、リテーナは、底部に位置するようになる。したがって、金属シールドを使用しないようにすることによる軽量化は、実験室スタッフにとって気がかなり楽になる。
【0024】
覆い100は、好ましくは、頂壁110から下方に延びていて、ケージ下部10の側壁14のリップ(へり)18から間隔を置くように構成されると共に配置され、これらリップを包囲し、そしてこれらリップから張り出す1つ又は2つ以上のフランジを有する。かくして、フィルタ付蓋組立体20は、好ましくは、ケージ下部10から偶発的に外れることがないようになり、かかるフィルタ付蓋組立体を取り外すにはこれを持ち上げて外さなければならない。また、フランジと側壁14との間の隙間空間がケージ下部10上における覆い100のほんの僅かな運動を可能にすべきであるということに注目すべきである。しかしながら、覆い100は、好ましくは、覆い100とケージ下部10との間の側方相対運動にもかかわらず、側壁14のリップ18と接触状態のままであるのに十分側方に延びる周辺フランジを有する。したがって、覆い100とケージ下部10との間の「ペトリー皿(petrie dish)」形態の一体性を維持することができる。
【0025】
リテーナ300は、上述した覆い100の特性と同一の特性を持つ材料で形成されるのが良く、リテーナの剛性は、覆いの剛性と同一であっても良いし、これとは異なっていても良い。リテーナ300は、頂壁310と一体成形されると共にこれから連続して延びる側壁を有するのが良く、これら側壁は、図3に示されている覆い100の側壁とぴったりと合う。側方周辺フランジ362が好ましくは、リテーナ300の側壁から延びている。リブ364がリテーナ300のそれぞれのコーナ部から延びるのが良く、これらリブは、構造的完全性を向上させる。加うるに、リブ364は、連続して位置するリテーナ300を位置決めするための積み重ね案内としての役目を果たすことができる。
【0026】
好ましい実施形態では、フィルタ200は、デュポン(DuPont)社により商標REEMAY2024で市販されている形式のスパンボンドポリエステルの薄いシートである。11〜13ミルのフィルタ厚さが、覆い100の頂壁110にほぼ等しい面積を備えたフィルタにとって適当であることが判明した。REEMAY2024は、例示として使用されているに過ぎず、少なくともその特性又は類似の特性を備えた任意の濾過材を利用することができる。
【0027】
フィルタ付蓋組立体20を組み立てるためには、フィルタ200をリテーナ300内に又は覆い100上に配置してフィルタ200が周囲リブ142及び内部リブ144によって支持されるようにするのが良い。好ましくは、フィルタ200は、周囲リブ142の全てを越えて延び、かくして、覆いの頂壁110の上方にはフィルタ200によって覆われていない領域が残らないようになる。上述したように、リブ142,144は、フィルタ200を支持し、フィルタ200を頂壁110から遠ざけて浮いた状態に維持することができる。好ましくは、フィルタ200は又、覆い100の突出部146を覆う。リテーナ300を覆い100上のフィルタ200の上に置くのが良く、或いは、リテーナ‐フィルタ組立体を覆い100上に置くのが良く、その結果、溝346が対応の突出部146と位置合わせされるようにする。
【0028】
リテーナ300又はリテーナ‐フィルタ組立体を好ましくは覆い100に押し付けて突出部146が溝346によって受け入れられてフィルタ200をこれらの間にサンドイッチする。周囲溝342も又、周囲リブ142及びフィルタ200の幾つかの部分を受け入れてフィルタ200の外周部をこれらの間にサンドイッチするのが良い。したがって、リテーナ300が例えば突出部146及び溝346及び/又は周囲リブ142及び周囲溝342により覆い100にいったん係合すると、フィルタ200は、定位置に固定可能であり、張力が増大されてフィルタ200を覆い100の頂壁110から浮かせた状態で維持するのを一層容易にすることができる。
【0029】
リテーナ300は、覆い100の側壁の外面に一体成形された小さな突出部又は戻り止め150によって定位置に更に保持されるのが良い。同様に、リテーナ300を覆い100に取り付けたときに戻止め150をぴったりと受け入れるように位置決めされると共に寸法決めされた孔又はスロット350をリテーナ300の側壁に形成するのが良い。変形実施形態では、戻止めは、リテーナ300の側壁の内面に形成されても良く、他方、スロット150は、覆い100の側壁に形成されても良い。また、リテーナ300を別の機構又は張力嵌めによって覆い100に取り付け保持するようこれを寸法決めすることが可能である。
【0030】
本発明の完全な開示を提供する目的でかなり詳細に説明した1つ又は2つ以上の実施形態を参照して本発明を説明したが、かかる実施形態は、例示に過ぎず、本発明の全ての観点の排他的な列挙を制限し又は表すものではない。したがって、本発明は、特許請求の範囲の記載にのみ基づいて定められるべきである。さらに、本発明の精神及び原理から逸脱することなくかかる細部の多くの変更を実施できることは当業者には明らかであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁及び開口部を構成する複数個の側壁を備えたケージ下部に用いるための、且つ前記開口部を覆い、それにより前記ケージ下部を密閉することができる、フィルタ付ケージ蓋組立体の覆いであって、前記覆いは、
複数個の空気通路を備えた頂壁と、
前記フィルタを支持するよう前記頂壁上に形成された1つ又は2つ以上の突出部とを有し、各突出部は、前記フィルタと前記複数個の空気通路との間にフィルタスペースを構成する、ことを特徴とする覆い。
【請求項2】
前記複数個の空気通路は、内側寸法を備えた前記ケージ下部に面した内側開口部及び外側寸法を備えた外側開口部を構成し、前記内側寸法と前記外側寸法は、互いに異なる、請求項1記載の覆い。
【請求項3】
前記複数個の空気通路は、所定の間隔を置いて設けられ、前記複数個の空気通路は、ケージの中に入れられた動物が覆いを掴める位置に達するのを阻止すると共に前記複数個の空気通路を通して前記フィルタに接近するのを阻止するよう寸法決めされると共に配置されている、請求項1記載の覆い。
【請求項4】
前記所定の距離は、前記ケージの中に入れられている動物が噛むことができ又はその爪で掴むことができる距離よりも大きい、請求項3記載の覆い。
【請求項5】
前記突出部の各々は、前記覆いの周囲に沿って位置決めされた周囲リブ及び前記頂壁の表面を横切って選択的に位置決めされた内側リブを形成している、請求項1記載の覆い。
【請求項6】
ケージ下部とともに用いられる請求項1記載の覆いであって、
前記ケージ下部は、前記開口部に設けられていて、前記覆いに係合可能なリップを有し、前記覆いは、前記頂壁から下方に延びる1つ又は2つ以上のフランジ及び側方に延びる1つ又は2つ以上の周辺フランジを有し、前記1つ又は2つ以上のフランジは、前記フィルタ付蓋を前記ケージ下部に固定するよう前記リップに係合するように構成されると共に配置され、前記1つ又は2つ以上の周辺フランジは、前記覆いと前記ケージ下部との側方相対運動を制限するよう構成されると共に配置されている、覆い。
【請求項7】
リテーナとともに用いられる請求項1記載の覆いであって、前記リテーナは、
リテーナ表面と、
前記リテーナ表面に設けられた1つ又は2つ以上の溝とを有し、前記1つ又は2つ以上の溝は、前記1つ又は2つ以上の溝が前記リテーナを前記覆いに固定すると共に更にフィルタを前記覆いと前記リテーナとの間に保持するために前記覆いの1つ又は2つ以上の突出部を受け入れることができるよう前記覆いの1つ又は2つ以上の突出部と鏡像関係をなすよう構成されると共に配置され、前記リテーナは、前記覆い又は前記フィルタに選択的に係合可能であると共に前記フィルタの上方に選択的に位置決め可能である、覆い。
【請求項8】
前記リテーナ表面には、1つ又は2つ以上のリテーナ孔が設けられている、請求項7記載の覆い。
【請求項9】
前記リテーナ孔は、格子アレイを形成するよう構成されると共に配置されている、請求項8記載の覆い。
【請求項10】
前記リテーナは、前記覆いに向かって延びる1つ又は2つ以上のリテーナ突出部を有し、前記1つ又は2つ以上のリテーナ突出部は、前記リテーナと前記フィルタとの間にリテーナスペースを構成する、請求項7記載の覆い。
【請求項1】
底壁及び開口部を構成する複数個の側壁を備えたケージ下部に用いるための、且つ前記開口部を覆い、それにより前記ケージ下部を密閉することができる、フィルタ付ケージ蓋組立体の覆いであって、前記覆いは、
複数個の空気通路を備えた頂壁と、
前記フィルタを支持するよう前記頂壁上に形成された1つ又は2つ以上の突出部とを有し、各突出部は、前記フィルタと前記複数個の空気通路との間にフィルタスペースを構成する、ことを特徴とする覆い。
【請求項2】
前記複数個の空気通路は、内側寸法を備えた前記ケージ下部に面した内側開口部及び外側寸法を備えた外側開口部を構成し、前記内側寸法と前記外側寸法は、互いに異なる、請求項1記載の覆い。
【請求項3】
前記複数個の空気通路は、所定の間隔を置いて設けられ、前記複数個の空気通路は、ケージの中に入れられた動物が覆いを掴める位置に達するのを阻止すると共に前記複数個の空気通路を通して前記フィルタに接近するのを阻止するよう寸法決めされると共に配置されている、請求項1記載の覆い。
【請求項4】
前記所定の距離は、前記ケージの中に入れられている動物が噛むことができ又はその爪で掴むことができる距離よりも大きい、請求項3記載の覆い。
【請求項5】
前記突出部の各々は、前記覆いの周囲に沿って位置決めされた周囲リブ及び前記頂壁の表面を横切って選択的に位置決めされた内側リブを形成している、請求項1記載の覆い。
【請求項6】
ケージ下部とともに用いられる請求項1記載の覆いであって、
前記ケージ下部は、前記開口部に設けられていて、前記覆いに係合可能なリップを有し、前記覆いは、前記頂壁から下方に延びる1つ又は2つ以上のフランジ及び側方に延びる1つ又は2つ以上の周辺フランジを有し、前記1つ又は2つ以上のフランジは、前記フィルタ付蓋を前記ケージ下部に固定するよう前記リップに係合するように構成されると共に配置され、前記1つ又は2つ以上の周辺フランジは、前記覆いと前記ケージ下部との側方相対運動を制限するよう構成されると共に配置されている、覆い。
【請求項7】
リテーナとともに用いられる請求項1記載の覆いであって、前記リテーナは、
リテーナ表面と、
前記リテーナ表面に設けられた1つ又は2つ以上の溝とを有し、前記1つ又は2つ以上の溝は、前記1つ又は2つ以上の溝が前記リテーナを前記覆いに固定すると共に更にフィルタを前記覆いと前記リテーナとの間に保持するために前記覆いの1つ又は2つ以上の突出部を受け入れることができるよう前記覆いの1つ又は2つ以上の突出部と鏡像関係をなすよう構成されると共に配置され、前記リテーナは、前記覆い又は前記フィルタに選択的に係合可能であると共に前記フィルタの上方に選択的に位置決め可能である、覆い。
【請求項8】
前記リテーナ表面には、1つ又は2つ以上のリテーナ孔が設けられている、請求項7記載の覆い。
【請求項9】
前記リテーナ孔は、格子アレイを形成するよう構成されると共に配置されている、請求項8記載の覆い。
【請求項10】
前記リテーナは、前記覆いに向かって延びる1つ又は2つ以上のリテーナ突出部を有し、前記1つ又は2つ以上のリテーナ突出部は、前記リテーナと前記フィルタとの間にリテーナスペースを構成する、請求項7記載の覆い。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−500022(P2012−500022A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523822(P2011−523822)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/004780
【国際公開番号】WO2010/021742
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(510101491)ラブ プロダクツ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/004780
【国際公開番号】WO2010/021742
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(510101491)ラブ プロダクツ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]