説明

フィルム止め部材

【課題】フィルム止め部材同士を接続する際の施工性とフィルム保持性に優れるとともに、多数の合成樹脂フィルムであっても確実かつ効果的に保持することができ、防錆性とスエジ加工性にも優れたフィルム止め部材を提供する。
【解決手段】その内部に装着されて拡大する弾性係止部材によって合成樹脂フィルムがクランプされるフィルム定着溝と、左右側壁部及び底壁部の一端部側が縮形されるようにスエジ加工されるとともに左右側壁部の一部を切り欠いて形成される側壁切欠部を備えて他方のフィルム止め部材にその長手方向から嵌合される縮形連結部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビニールハウスなどの外表面に被覆される合成樹脂フィルムをハウス構築材上に定着させる際に用いられるフィルム止め部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビニールハウスなどの温室設備の外表面に被覆される合成樹脂フィルムは、ビニールハウスの骨格をなすハウス構築材上にフィルム定着用のフィルム止め部材を介してハウス構築材上に定着させている。このフィルム止め部材は、長尺帯状のスチール板などを屈曲させてフィルムの定着部となるフィルム定着溝を長手方向に沿って設けた杆状体である。このフィルム定着溝の内部にフィルムを弛ませて挿入すると共に、同フィルムの上から所定の振り幅で蛇行したフィルム係止用のスプリングを挿入することにより、スプリングと定着溝の側壁部とでフィルムがクランプされるようになっている。
【0003】
このようなフィルム止め部材に関連して、例えば以下のような技術のものが提案されている。
【0004】
特許文献1には、長板状の底壁部の左右端縁をそれぞれ内側に向けて斜め上方に立設した左右側壁部の先端を内側に折り返して折込部を形成し、この折込部の折り返し内表面と側壁部表面とが略面一となるようにしたフィルム止め部材が提案されている。
【0005】
特許文献2には、定着溝の開口縁部で左右側壁部の先端を外側に湾曲させて湾曲部を形成し、定着溝にフィルムを挿入する際に、フィルムが開口縁部でひっかかること無くスムーズに挿入されるように構成したものが開示されている。
【特許文献1】特開2005−295997号公報
【特許文献2】登録実用新案第3031353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献などに記載の従来のフィルム止め部材のものでは以下のような課題があった。
(1)特許文献1や特許文献2に記載のフィルム止め部材では、フィルム止め部材同士を連結する場合にその連結部分で合成樹脂フィルムや弾性係止部材を収納するだけのスペースやその接続強度を確保するのが困難となるため取り付けの施工性やビニールハウスの耐久性に欠けることがあるという課題があった。
(2)特許文献1に記載の折込部の折り返し内表面と側壁部表面とが略面一となるようにしたフィルム止め部材では、折込部で金属部分が潰れた状態で重なっているため、強風などに対してビニールハウス全体を保持するために必要な曲げ剛性やねじれ剛性などの構造強度を有効に発揮しにくいという課題があった。
(3)さらに、定着溝の開口部における引っ掛かり抵抗が少ないために定着溝に保持する合成樹脂フィルムやスプリングが抜け落ち易く安定性やフィルム保持性に乏しいという問題もあった。
(4)特許文献2に示されるように左右側壁部の先端を外側に折り込んで折込部を形成した場合には、先端の折込部分に雨水などが溜まり易く、これが錆の要因となることに加えて、その湾曲した先端で合成樹脂フィルムを圧着保持するので摩擦抵抗が少なく、確実な把持が困難になる場合があるという問題があった。
(5)従来のフィルム止め部材では、スプリングを挿入できるように定着溝の開口幅を確保しつつも、挿入したスプリングが定着溝から抜け出ないように定着溝の左右側壁部を傾斜させなければならず定着溝を浅く形成せざるを得なかった。そのため、2枚目以降のフィルムを積層して定着させるだけの十分な広さをもった定着溝を確保するのが困難であるという課題があった。
(6)定着溝の左右側壁部を中途から底壁部と直角に立ち上げるようにして複数本のスプリングを収容させることもできるが、スプリングが定着溝の内部で傾斜した状態でとどまって、スプリングの押圧力が定着溝の左右側壁部へ伝わらず、フィルムを確実に定着できないことがあった。
(7)スプリングを定着溝の内部で斜めに傾いた状態のままにしておくと、長期間にわたってフィルムが局部的に押し付けられることになって、フィルムが破損するおそれがあった。このためスプリングを底壁部と平行にしようとすると、フィルムが側壁部とスプリングとに挟まれた状態のまま引きずられて、破損してしまうことがあった。
(8)フィルム止め部材同士を連結するために端部をスエジ加工する場合、定着溝の開口部に設けた抜け止め部や折込部のせいで、側壁部のある左右方向だけでなく上下方向の圧縮度合いも考慮しなければならない。このため底壁部を波形状などにして圧縮度合いを高めないと、他方のフィルム止め部材の定着溝に挿入可能な大きさとならず、スエジ加工部分における定着溝の内部空間が狭くなり、スプリングを1本挿入するのも困難となることもあった。
(9)フィルム止め部材の端部を他方のフィルム止め部材の定着溝に差し込むことでフィルム止め部材同士を連結する場合に、端部をエジ加工する段階でわざわざ湾曲部を潰して、フィルム止め部材の定着溝に差し込みやすい形状としなければならず、加工性が悪いという問題があった。
【0007】
本発明は前記従来の課題を解決するためになされたもので、フィルム止め部材同士を接続する際の施工性とフィルム保持性に優れるとともに、多数の合成樹脂フィルムであっても確実かつ効果的に保持することができ、防錆性とスエジ加工性にも優れたフィルム止め部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)前記従来の課題を解決するためになされた本発明のフィルム止め部材は、合成樹脂製フィルムをハウス構築材上に被覆定着するためのフィルム止め部材であって、前記ハウス構築材にその背面側が固定される長尺帯板状の底壁部と、前記底壁部の長手側左右端縁をそれぞれ内側斜め上方に立ち上げて形成される左右側壁部と、前記左右側壁部の先端をそれぞれ折り返して形成される係止部と、前記係止部を有する左右側壁部及び前記底壁部とにより囲繞されその内部に装着されて拡大する弾性係止部材によって前記合成樹脂製フィルムがクランプされるフィルム定着溝と、前記左右側壁部及び前記底壁部の一端部側が縮形されるようにスエジ加工されるとともに前記左右側壁部の一部を切り欠いて形成される側壁切欠部を備えて他方の連結される止め部材のフィルム定着溝にその長手方向から嵌合される縮形連結部と、を有して構成される。
【0009】
(2)本発明のフィルム止め部材は、前記(1)において、前記係止部が前記左右側壁部の先端側をそれぞれ内側に湾曲させて円柱状空間を有するように折り返しその先端が前記底壁部に略平行となるように形成されていることにも特徴を有している。
【0010】
(3)本発明のフィルム止め部材は、前記(1)又は(2)において、前記左右側壁部が前記底壁部の縁端から湾曲して形成される湾曲部と、前記湾曲部に延設され前記係止部との間に前記底壁部面とのなす角度が45〜65度に形成される直線部とを有していることにも特徴を有する。
【0011】
(4)本発明のフィルム止め部材は前記(1)〜(3)において、前記底壁部内側の中央及びその両側には前記ハウス構築材に係止具を介して固定するための位置決め用孔列が設けられていることにも特徴を有している。
【0012】
(5)本発明のフィルム止め部材は前記(1)〜(4)において、前記縮形連結部は、前記底壁部を上方から押圧保持した状態で前記左右側壁部を左右方向に圧潰して形成されていることにも特徴を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、左右側壁部及び底壁部の一端部側が縮形加工されるとともに左右側壁部の一部を切り欠いて形成され他のフィルム止め部材のフィルム定着溝に嵌合される縮形連結部を有するので、所定の接続強度と合成樹脂フィルムと弾性係止部材とを収納するスペースを確保しながら軽量で、しかも生産性と取り付けの施工性に優れたフィルム止め部材を提供することができる。
【0014】
さらに、左右側壁部の先端側をそれぞれ内側に湾曲させて円柱状空間を有するように折り返してその先端が底壁部に略平行となるように係止部を形成することもでき、素材重量を最小限度に軽減しながらビニールハウス全体を維持するのに必要な構造強度を確保することができる。また、フィルム定着溝を広く確保できるので、2層以上の合成樹脂フィルムであっても確実かつ効果的に保持することができる。さらに、係止部に雨水などが溜まり難いので防錆性に優れている。また、これによってフィルム止め部材のねじれ剛性や曲げ剛性などが高められ、他のフィルム止め部材と接合する際に作業性に優れたフィルム止め部とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本実施形態のフィルム止め部材は、温室などのハウス構築材にその背面側が固定される長尺帯板状の底壁部と、前記底壁部の長手側左右端縁をそれぞれ内側斜め上方に立ち上げて形成される左右側壁部と、前記左右側壁部の先端をそれぞれ折り返して形成される係止部と、前記係止部を有する左右側壁部及び前記底壁部とにより囲繞されその内部に装着されて拡大する弾性係止部材によって前記合成樹脂製フィルムがクランプされるフィルム定着溝と、前記左右側壁部及び前記底壁部の一端部側が縮形されるようにスエジ加工されるとともに前記左右側壁部の一部を切り欠いて形成される側壁切欠部を備えて他方の連結される止め部材のフィルム定着溝にその長手方向から嵌合される縮形連結部と、を有することを特徴とする。このような縮形連結部を設けることによって、所定のスペースと接続強度を維持しながら、取り付けの施工性と生産性に優れたフィルム止め部材を提供することができる。すなわち、フィルム止め部材の一端部又は両端部に他のフィルム止め部材のフィルム定着溝に挿入可能な縮形連結部を形成して、フィルム係止用のスプリングを縮形連結部のフィルム定着溝に複数本安定して挿入することができる。そのため、縮形連結部においても複数枚のフィルムを確実に定着させることができる。
【0016】
縮形連結部は、底壁部を上方から押圧保持した状態でフィルム定着溝を左右方向から押圧して左右側壁部を上方へ伸延させることにより形成することができる。すなわち、スエジ加工を行う際にフィルム定着溝に対して左右方向からのみ圧力をかけることにより、縮形連結部の上下幅はスエジ加工前より短くならないようにすると共に、圧力のかかった底壁部は左右側壁部側に逃がして、底壁部の形状を平面状に保ちながら縮形連結部の左右幅を短くすることができる。そして、左右側壁部をそれぞれ切り欠くことによって側壁切欠部を形成する。なお、予め、素材となる帯状スチール板を所定形状に切り欠いておき、これを折り曲げ加工して底壁部及び左右側壁部、係止部を形成した後、スエジ加工に所望の側壁切欠部が形成されるようにしてもよい。このようにして簡単な加工で手間をかけることなく縮形連結部を形成させることができ、フィルム止め部材の製造コストを低く抑えることができる。こうして、縮形連結部を他のフィルム止め部材のフィルム定着溝にその長手方向からスライドさせて挿入することで両者を確実に固定することができる。
【0017】
フィルム止め部材は屋外に設置される温室などのハウス構築材の骨組みに取り付けられ、合成樹脂フィルムや緊締バンドなどが被覆されて固定される。なお、フィルム止め部材は、スチールなどからなる金属板を屈曲させたり、アルミなどの金属を押出加工したりすることにより形成することができる。
【0018】
底壁部は、温室などのハウス構築材にその背面側がボルトナット、ジョイント金具などの係止具を介して固定される長尺帯板状であって、その左右両側端に設けられた左右側壁部との間にフィルム定着溝が形成されるようになっている。
【0019】
左右側壁部は、底壁部の長手側をなす左右端縁をそれぞれ内側斜め上方に立ち上げて形成される部分である。なお、この左右側壁部は、底壁部の縁端から湾曲して形成される湾曲部と、この湾曲部に延設され係止部との間に前記底壁部面とのなす角度が45〜65度に形成される直線部とを有するようにして、フィルム定着溝に2枚以上の合成樹脂フィルムやスプリングを保持できる広さと形状に設定することもできる。
【0020】
係止部は、例えば左右側壁部の先端側をそれぞれ内側に湾曲させて円柱状空間を有するように折り返して、その先端が底壁部に略平行となるように形成される部分であり、これによってフィルム止め部材に所定のねじれ剛性や曲げ剛性が付与されるようにして、そのビニールハウスの耐久性や、フィルム定着作業における施工性や、フィルム止め部材の製造時における加工性が良好になるようにしている。
【0021】
フィルム定着溝は、その断面が上部開口から底壁部に向かって拡大するように形成され、その内部で弾性的に拡大する弾性係止部材が収納される部分である。フィルム定着溝の上部開口にはクランプされる合成樹脂フィルムや弾性係止部材を係止するための形状を備えた係止部が設けられている。
【0022】
なお、ビニールハウスを形成するためには、例えば、合成樹脂フィルムが風などで外方へ膨らんだりすることを防止するための緊締バンドを装着したり、シートを二重張りにしたりする必要があるが、その場合についても、スプリングなどの弾性係止部材を複数用いることでフィルム止め部材に被覆定着することができる。
【0023】
すなわち、ハウス形成用の合成樹脂フィルムがすでに挿入されたフィルム定着溝の部内に、緊締バンドや他の合成樹脂フィルムを挿入するとともに、その上からやはり波形線状のスプリング(弾性係止部材)を配設して止着する。このように、一つのフィルム止め部材を用いて二重あるいは三重のシート材を止着する場合も多々あるので、フィルム止め部材のフィルム定着溝は、それに見合った深さを有する構成としている。
【0024】
本実施形態のフィルム止め部材は、前記係止部が前記左右側壁部の先端側をそれぞれ内側に湾曲させて円柱状空間を有するように折り返しその先端が前記底壁部に略平行となるようにすることもできる。これによって、合成樹脂フィルムを固定するのに必要な弾性係止部材を確実に係止してフィルム定着溝を広く確保できるので、多数の合成樹脂フィルムであっても確実かつ効果的に把持することができる。
【0025】
本実施形態のフィルム止め部材は、左右側壁部が底壁部の縁端から湾曲して形成される湾曲部と、湾曲部に延設され係止部との間に底壁部面とのなす角度が45〜65度に形成される直線部とを有するように構成できる。これによって、複数組からなる合成樹脂フィルムと弾性係止部材を挿入するのに十分なスペースをフィルム定着溝内に確保することができ、しかも合成樹脂フィルムなどが容易に抜け落ちることのない安定状態に設定することができる。このように、底壁部に対する左右側壁部の傾斜角度を所定範囲内に設定することにより、フィルム定着溝の内部に挿入したスプリングを左右側壁部の傾斜面によって底壁部側に押しやって、フィルム定着溝の内部でスプリングを底壁部と水平に配置して、スプリングの押圧力を左右側壁部に均等に作用させて、合成樹脂フィルムを確実に定着させることができる
ここで、左右側壁部の直線部が底壁部面に対してなす角度が45度よりも小さくなると、3組以上の弾性係止部と合成樹脂フィルムをフィルム定着溝に収容するのが困難になる。逆に直線部の角度が65度を超えると、フィルム定着溝に装着される弾性係止部材の弾性力を左右側壁部に効果的に作用させることができずフィルム保持力が不安定になるからである。
【0026】
また、フィルム定着溝における深さと開口幅、最大幅との比率はそれぞれ、129〜133:175〜185:314〜316、より好ましくは、130:180:315となるように形成するのが望ましい。かかる比率とすることにより、弾性係止部材を挿入可能な開口幅と、複数本のスプリングを挿入可能な深さとを確保しながらフィルム定着溝の最大幅を可及的に小さくすることができ、フィルム止め部材の大型化を防ぐことができる。
【0027】
本実施形態のフィルム止め部材は、前記底壁部内側の中央及びその両側には前記止め部材本体を係止具を介して固定するための位置決め用孔列を設けることができる。これによって、不安定な足場などハウス構築材にフィルム止め部材を取り付ける作業などにおいても、ボルトナットなどの係止具を確実に取り付けることができる。また、係止具を中央及び左右の位置決め用孔列に交互に振り分けて配置することによって、係止具を一直線上に配置する場合に較べて、その取り付け強度を高めることができる。
【0028】
位置決め用孔列は、底壁部の中央及びその左右の一直線上に互いに平行に配置された凹部などのポンチ孔であって、回転する孔開けドリルなどの先端をはずれることなく保持して、足場の悪い場合でも容易に作業が行えるようにしたものである。
【0029】
本実施形態のフィルム止め部材においては、前記縮形連結部が前記底壁部を上方から押圧保持した状態で前記左右側壁部を左右方向に圧潰して形成することもできる。これによって、接合強度と、耐久性に優れたフィルム止め部材を効率的に製造することができる。
【0030】
以下に、本発明に係るフィルム止め部材の実施例について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0031】
図1は本実施例に係るフィルム止め部材が適用されるビニールハウスの説明図、図2は同フィルム止め部材の斜視図、図3は同フィルム止め部材同士の接合状態を示す斜視図、図4はその正面図である。
【0032】
図1に示すように、ビニールハウス1は複数のハウス構築材2を適宜個所で所定の緊締具により連結して構築されている。これらハウス構築材2を組み合わせて構築した構造物の外側にフィルム止め部材10がボルトナットなどの係止具を介して取り付けられる。そして、ハウス形成用の合成樹脂フィルムFがフィルム止め部材10のフィルム定着溝に弾性係止部材とともに装着固定されて被覆されるようになっている。なお、図中、4はビニールハウス1の妻面に形成した出入口である。
【0033】
ビニールハウス1に被覆される合成樹脂フィルムFは、所謂農業用フィルムであり、塩化ビニル系のフィルム(塩ビ系フィルム)や、ポリオレフィン系のフィルム(PO系フィルム)が好適に用いられる。本実施例では、塩ビ系フィルムよりも耐候性に富むPO系フィルムを用いている。しかし、このPO系フィルムは、塩ビ系フィルムよりも伸縮しにくく、また、擦りなどに弱く、傷つき易いという性質がある。
【0034】
合成樹脂フィルムFの構造物への被覆は、縦配置したハウス構築材2、2・・間に、後に詳述するフィルム止め部材10を架設しておき、このフィルム止め部材10に形成されたフィルム定着溝に合成樹脂フィルムFの一部を挿入するとともに、弾性係止部材となる波形線状のスプリングSを装着して張設するようにしている。そして、張設した合成樹脂フィルムFが風などの力を受けてフィルム止め部材10から外れてしまうことがないように、別途、緊締バンド3を合成樹脂フィルムの上から適宜箇所に張設している。
【0035】
図2に示すようにフィルム止め部材10は、ハウス構築材2にその背面側が固定される底壁部11、底壁部11の長手側をなす左右端縁をそれぞれ内側斜め上方に立ち上げて形成された左右側壁部12、13、左右側壁部12、13の先端側をそれぞれ内側に湾曲させて円柱状空間を有するように折り返してその先端が底壁部11に略平行となるように形成された係止部14、合成樹脂フィルムがクランプされるフィルム定着溝15、左右側壁部及び前記底壁部の一端部側にスエジ加工及び切削加工により形成された側壁切欠部を有して形成された縮形連結部16、底壁部11内側の中央及びその両側に各3列で設けられた深さが約0.5mm、直径が約0.5mmのポンチ穴からなる位置決め用孔列17a〜17cとを有している。
【0036】
フィルム止め部材10は、例えば約2m〜10mの長さであり、図3に示すようにその両側又は一方の端部に設けられた縮形連結部16を他方のフィルム止め部材のフィルム定着溝15に嵌合することによって連結させ、所定の長さに設定することができる。
【0037】
フィルム止め部材10の左右側壁部12、13をその底壁部11の側端から立ち上げる際には、まず、底壁部11に対して略45度の傾斜角度で金属板を湾曲状に立ち上げて湾曲部を形成し、この湾曲部から連続した金属板を底壁部11に対して略60度の傾斜角度で直線状に立ち上げて、直線部を形成する。
【0038】
このように、左右側壁部12、13の立ち上げ角度を中途で変更して、湾曲部と直線部とを形成することにより、定着させる合成樹脂フィルムFが1枚の場合には、湾曲部の内側部分にスプリングSを収容して、合成樹脂フィルムFを確実に定着することができる。そして、定着させる合成樹脂フィルムFが複数枚になったとしても、湾曲部の内側部分に収容できないスプリングSを直線部の内側部分に収容して、複数枚の合成樹脂フィルムFを安定に定着させることができる。
【0039】
また、底壁部11の左右両端から左右側壁部12、13を立ち上げたとき、底壁部11と左右側壁部12、13との間に形成されるフィルム定着溝15の深さが13±0.1mmとなり、開口幅が18±0.5mmとなり、最大幅が31.5±0.1mmとなるように形成している。このように、フィルム定着溝15の深さと開口幅と最大幅との比率を略130:180:315(すなわち、略26:36:63)とすることにより、フィルム定着溝15において、スプリングSを挿入可能な開口幅と、複数本のスプリングSを収容可能な深さとを確保しながらその最大幅を可及的に小さくすることができ、フィルム止め部材10の大型化を防ぐことができる。
【0040】
左右側壁部12、13の先端にはそれぞれ係止部14が形成されている。すなわち、左右側壁部12、13の先端をそれぞれフィルム定着溝15の内側に円柱状空間を形成するように折り返してその端部が底壁部11に対して略平行となるようにしている。このようにフィルム定着溝15の開口部に係止部14が配置されるようにしているので、係止部14に合成樹脂フィルムFが引っかからないように気を配りながらフィルム定着作業を行う必要が無く、フィルム定着作業の作業効率を向上させることができる。また、合成樹脂フィルムFが開口部で引き裂かれて破損して無駄なフィルムが発生するのを防止することができる。
【0041】
また、図2〜図4に示すように上記構成からなるフィルム止め部材10の端部をスエジ加工により縮形連結部16を形成し、縮形連結部16をスエジ加工してないフィルム止め部材のフィルム定着溝15の端部にスライド挿入して、複数本のフィルム止め部材を適宜連結できるようにしている。特に、縮形連結部16となるフィルム止め部材10の端部をスエジ加工時に四方から縮形するように加圧した後、左右側壁部12、13の開口部側を所定深さ、例えばフィルム止め部材19本体の高さに対して1/3〜1/2となるような深さで切り欠くように加工して側壁切欠部を設けることができる。これによって、所定の連結強度を有した縮形連結部16を形成させることができるとともに、フィルム止め部材の製造コストを低く抑えることができる。
【0042】
また、縮形連結部16の上下幅及び左右幅がスエジ加工していないフィルム止め部材の本体部の上下幅及び左右幅よりも短くなるようにすることもできる。これにより、スエジ加工していないフィルム止め部材の端部にスエジ加工したフィルム止め部材の縮形連結部16をスライド挿入したときには、フィルム止め部材10のフィルム定着溝15の内部に縮形連結部16が完全に収容されることとなる。
【0043】
なお、本実施例では、金属板を屈曲させて上記構成のフィルム止め部材10を形成しているが、これに限らず、押出加工によって同様の構成のフィルム止め部材を形成することもできる。
【0044】
フィルム止め部材10に合成樹脂フィルムFを取り付ける場合は、図5に示すように、フィルム定着溝15の開口部側からその内部に合成樹脂フィルムFを挿入し、次に合成樹脂フィルムFの上からフィルム定着溝15の幅に合わせて所定の振り幅で蛇行させた専用のスプリングSを挿入し、スプリングSとフィルム定着溝15の左右側壁部12、13とで合成樹脂フィルムFをクランプして、合成樹脂フィルムFがフィルム止め部材10から外れないようにする。そして、フィルム止め部材10に複数枚の合成樹脂フィルムFを同時に取り付ける場合には、上述したフィルム定着作業を、1枚の合成樹脂フィルムFを定着させる度に繰り返して、定着させる合成樹脂フィルムFの枚数と同数のスプリングSをフィルム定着溝15に挿入して定着させる。
【0045】
図6は本実施例に係るフィルム止め部材10(図6(c))を含み、フィルム定着溝の形状がそれぞれ異なる4種のフィルム止め部材の断面図であり、図7〜図9はそれぞれ各フィルム止め部材の機械的特性(曲げ剛性(lx、ly)及びねじれ剛性)の測定結果を示したグラフである。
【0046】
なお、表1は機械的特性の測定結果のデータであり、フィルム止め部材の各寸法緒元の他に、フィルム止め部材の底壁部の面に沿う方向の曲げ剛性(lx)及び底壁部の面に対する法線方向の曲げ剛性(ly)、ねじれ剛性(lp)の断面性能の測定データが示されている。
【0047】
【表1】

機械的特性の測定に供した各4種のフィルム止め部材(a)〜(d)のフィルム止め部材の断面は、図6に示すようにそれぞれ以下のような形態的特徴を有している。
(a)比較例1:左右側壁部の開口部先端を外側に湾曲するようにして係止部を形成したフィルム止め部材である。
(b)比較例2:左右側壁部上部にそれぞれ平行となるようにして箱状のフィルム定着部を形成したフィルム止め部材である。
(c)本実施例:左右側壁部の先端側をそれぞれ内側に湾曲させて円柱状空間を有するように折り返してその先端が底壁部に略平行となるような係止部を設けたフィルム止め部材である。
(d)比較例3:左右側壁部の先端側を外側に2段階に屈曲させて係止部とするとともに、フィルム定着溝を構成する左右側壁部の下部を湾曲状にして上部を直線状に形成するようにしたフィルム止め部材である。
【0048】
フィルム止め部材にスプリングSを装着しようとすると、図6に示すように、斜めの姿勢となる場合がある。このときのフィルム止め部材の側壁部分となす角度αとβとを比較すると、αよりも、フィルム定着溝(15)側となす角度βが大きい方が、スプリングSをフィルム定着溝(15)に押し込み易く、平行な安定した姿勢をとらせることが容易である。
【0049】
このαとβとの関係をみると、比較例2を除けばそのようなα<βの関係にあり、装着性としては問題が無いことが分る。
【0050】
また、ビニールハウス1を構築する場合、フィルム止め部材10は上下方向に所定間隔をあけて複数個用いる。例えば、NO.1〜NO.5の5本のフィルム止め部材10を用いる場合、フィルムを止める順番は、通常、一方から順番にではなく、NO.1、NO.5、NO.3、NO.2、NO.4というような張り方をする。塩ビ系フィルムよりも伸縮性が劣るPO系フィルムを用いる場合は、上記NO.3〜NO.5においては、フィルムがフィルム定着溝15の底部から浮いてしまうことが多い。したがって、スプリングSがフィルム定着溝(15)の上側位置で係止することになる。なお、スプリングSを複数個重ねて用いる場合も最上段のスプリングSはフィルム定着溝(15)の上側位置で係止することになる。
【0051】
このように、スプリングSがフィルム定着溝(15)の上側位置で係止している場合、風などの影響によって、そのまま抜け出るおそれがある。特に、比較例1、3ではそのおそれが大である。本実施例に係るフィルム止め部材10と比較例2とは、係止部(14)が内側に突出しているので、スプリングSの抜けを可及的に防止することが可能となっている。
【0052】
このように、スプリングSの装着性、抜け防止性能の面からみると、本実施例に係るフィルム止め部材10のみが両性能を十分に満たしており、他の比較例1〜3に比べて優位にあることが明らかである。
【0053】
また、図7〜図9に示されるように、フィルム止め部材(図6(c))は、曲げ剛性及びねじれ剛性の点で他のフィルム止め部材より優れていることが分かる。なお、図6(b)の箱型のフィルム定着溝を有したフィルム止め部材では、図6(c)のものとほぼ同様の機械的特性を有しているが、複数の合成樹脂フィルムをフィルム定着溝に装着する場合にスプリングを安定的に配置しにくいという欠点があり、図6(c)のものの方が使い勝手などの総合的な面で優れているといえる。
【0054】
表2は本実施例に係るフィルム止め部材10(c)と前述の比較例に係るフィルム止め部材(a)、(b)、(d)とにおける使用特性を評価したデータの比較表である。また、図10はフィルム部材(a)〜(d)の断面図であり、3枚のスプリングを内包させた場合としている。
【0055】
【表2】

表2においては、フィルム定着溝に装着される合成樹脂フィルムを3枚としてスプリングを3本用いた場合の評価、合成樹脂フィルムの収まり具合の評価、ポリオレフィンフィルムの保持強度に対する評価、フィルム展張時の破れ評価、フィルム貼り付け作業時に靴など踏みつけた場合の破れ評価、錆びに対する抵抗性評価、前記機械的特性の評価がそれぞれ示されている。これらの各評価においては、◎印のものを最良評価として◎→○→△→▲→×の順に評価をランク付けされたもので表示している。
【0056】
表2から明らかなように、表2の(c)に示すフィルム止め部材は、前記評価のすべてにおいて最良(◎)となる評価である。特に、3枚の合成樹脂フィルムを保持する場合の保持強度や、本体強度などの点で優れていることが分かる。したがって、このフィルム止め部材は、素材重量を最小限度に軽減しながらビニールハウス1の全体を維持するのに必要な構造強度を確保することができるとともに、2層または3層以上の合成樹脂フィルムを確実かつ効果的に保持することができ、生産性と経済性に優れていることがわかる。
【0057】
図11は本実施例に係るフィルム止め部材10を含み、それぞれフィルム定着溝が異なるフィルム止め部材(a)〜(d)における縮形連結部(16)を示した一部拡大斜視図である。
【0058】
図示するように、本発明のフィルム止め部材は種々の異なるフィルム定着溝を備えた左右壁部の一部を切り欠くように加工することによって、容易に形成することができる。
【0059】
こうして、本実施例のフィルム止め部材10によれば、フィルム止め部材10の一端部又は両端部に他のフィルム止め部材10のフィルム定着溝15に挿入可能な縮形連結部16を形成して、フィルム係止用のスプリングSを縮形連結部16が形成される部分であっても、複数枚の合成樹脂フィルムFを確実に定着させることができ、ビニールハウス1などにおける取り付けの施工性と経済性、接合強度に優れたフィルム止め部材10を提供することができる。
【0060】
図12は本フィルム止め部材10に適用されるシート材留め具の斜視図、図13は同シート材留め具の止着状態を示す説明図である。
【0061】
本フィルム止め部材10は、左右側壁部の先端側をそれぞれ内側に湾曲させて円柱状空間を有するように折り返してその先端が底壁部に略平行となるように形成された係止折込部を配置しているので、図13に示すように、そのフィルム定着溝15に装着されるシート材留め具50を介してビニールハウス用の合成樹脂フィルムFや緊締バンド3などが定着される。
【0062】
シート材留め具50は、押し出し成形などにより製造されたアルミ製やアルミ合金製であって、図12に示すようにシート材である緊締バンド3に裏面が当接する帯板状の底面部51と、この底面部51の一方の長手側から立設した連結部52と、この連結部52の上端に一体的に形成され、底面部51と平行状態に連設された帯状の上面部53とからなり、横断面視で略乙字状に形成されている。なお、シート材留め具50の長さとしては、止着するシート材に合わせて適宜設定でき、合成樹脂フィルムFを止着するような場合はフィルム止め部材10と同じ長さとしてもよいし、本実施形態のように緊締バンド3を止着する場合であれば、適宜長さに切断したものとすればよい。
【0063】
図13に示すように、シート材留め具50の底面部51は、フィルム止め部材10のフィルム定着溝15内に配置可能であり、この底面部51の幅は、フィルム止め部材10の開口部の幅寸よりも広く形成されるとともに、フィルム止め部材10の底壁部11の幅寸よりは狭く形成されている。
【0064】
また、この底面部51の一方の長手側端縁を、所定のアールを有し外観的に略円形状とした膨出部51aとしており、底面部51をフィルム止め部材10のフィルム定着溝15内に配置したときに、この膨出部51aがフィルム止め部材10の左右側壁部12、13の内側に係合可能となっている。
【0065】
さらに、底面部51の一方の長手側縁部を、前記連結部52よりも外側に突出させ張り出し部51bを形成しており、この張り出し部51bを設けることにより、シート材留め具50をフィルム止め部材10のフィルム定着溝15に装着した際に、この張り出し部51bがフィルム止め部材10の他側の左右側壁部12、13に係合可能となる。
【0066】
前記上面部53には、フィルム止め部材10の他側の左右側壁部12、13の上端に係合する係合片部53aを前記連結部52の上端よりも底面部51の外側に突出形成するとともに、この係合片部53aの端縁についても所定のアールを有し外観的に略円形状とした膨出部53cが形成されている。
【0067】
また、図12に示すように、係合片部53aと連結部52との間には湾曲部54を形成しており、この湾曲部54のアールを、フィルム止め部材10に設けた係止部14と略等しくして、底面部51をフィルム止め部材10のフィルム定着溝15内に装着したときに、湾曲部54と係止部14とが可及的に密接するようにしている。
【0068】
上面部53には、前記係合片部53aの突出方向と反対側に突出した突出片部53bが形成されている。上述した底面部51と上面部53とを連結する連結部52は、フィルム止め部材10の左右側壁部12、13に対応するように内側に傾斜した形状としており、底面部51の幅を上述した範囲において可及的に広くできるようにしている。こうして、フィルム止め部材10のフィルム定着溝15内において、シート材留め具50によって緊締バンド3を押圧保持することが可能となる。
【0069】
さらに、スプリングSによってシート材留め具50が付勢されていることから、張り出し部51bもフィルム止め部材10の左右側壁部12、13の内側に押し付けられて係合し、たとえ上述した方向とは逆の力が緊締バンド3に作用したとしても、シート材留め具50は、フィルム止め部材10のフィルム定着溝15から容易に脱落することはない。
【0070】
以上説明したように本発明のフィルム止め部材は、左右側壁部及び底壁部の一端部側が縮形加工されるとともに左右側壁部の一部を切り欠いて形成され他のフィルム止め部材のフィルム定着溝に嵌合される縮形連結部を設けることを要旨とするものであり、これに該当するものは本発明の権利範囲である。例えば、本実施形態ではフィルム止め部材として単数列からなるフィルム定着溝を有するものについて述べたが、同一フィルム止め部材に2以上のフィルム定着溝を設けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本実施例に係るフィルム止め部材が適用されるビニールハウスの説明図である。
【図2】同フィルム止め部材の説明図である。
【図3】同フィルム止め部材同士の接合状態を示す斜視図である。
【図4】同フィルム止め部材同士の接合状態を示す正面図である。
【図5】同フィルム止め部材の合成樹脂フィルムの取り付け状態の説明図である。
【図6】フィルム定着溝の形状がそれぞれ異なるフィルム止め部材の断面図である。
【図7】各フィルム止め部材の曲げ剛性(lx)の測定結果を示すグラフである。
【図8】各フィルム止め部材の曲げ剛性(ly)の測定結果を示すグラフである。
【図9】各フィルム止め部材のねじれ剛性の測定結果を示すグラフである。
【図10】表2の総合評価に用いたフィルム止め部材の断面図である。
【図11】フィルム止め部材の縮形連結部を示した拡大斜視図である。
【図12】フィルム止め部材に適用されるシート材留め具の斜視図である。
【図13】同シート材留め具の止着状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0072】
1 ビニールハウス
2 ハウス構築材
3 緊締バンド
4 ビニールハウス出入口
10 フィルム止め部材
11 底壁部
12、13 左右側壁部
14 係止部
15 フィルム定着溝
16 縮形連結部
17a〜17c 位置決め用孔列
50 シート留め具
51 底面部
51a 膨出部
51b 張り出し部
52 連結部
53 上面部
53a 係合片部
53b 突出片部
F 合成樹脂フィルム
S スプリング(弾性係止部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製フィルムをハウス構築材上に被覆定着するためのフィルム止め部材であって、
前記ハウス構築材にその背面側が固定される長尺帯板状の底壁部と、
前記底壁部の長手側左右端縁をそれぞれ内側斜め上方に立ち上げて形成される左右側壁部と、
前記左右側壁部の先端をそれぞれ折り返して形成される係止部と、
前記係止部を有する左右側壁部及び前記底壁部とにより囲繞されその内部に装着されて拡大する弾性係止部材によって前記合成樹脂製フィルムがクランプされるフィルム定着溝と、
前記左右側壁部及び前記底壁部の一端部側が縮形されるようにスエジ加工されるとともに前記左右側壁部の一部を切り欠いて形成される側壁切欠部を備えて他方の連結される止め部材のフィルム定着溝にその長手方向から嵌合される縮形連結部と、
を有することを特徴とするフィルム止め部材。
【請求項2】
前記係止部が前記左右側壁部の先端側をそれぞれ内側に湾曲させて円柱状空間を有するように折り返しその先端が前記底壁部に略平行となるように形成されていることを特徴とする請求項1記載のフィルム止め部材。
【請求項3】
前記左右側壁部が前記底壁部の縁端から湾曲して形成される湾曲部と、前記湾曲部に延設され前記係止部との間に前記底壁部面とのなす角度が45〜65度に形成される直線部とを有していることを特徴とする請求項1又は2記載のフィルム止め部材。
【請求項4】
前記底壁部内側の中央及びその両側には前記ハウス構築材に係止具を介して固定するための位置決め用孔列が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の内いずれか1項に記載のフィルム止め部材。
【請求項5】
前記縮形連結部は、前記底壁部を上方から押圧保持した状態で前記左右側壁部を左右方向に圧潰して形成されていることを特徴とする請求項1〜4の内いずれか1項に記載のフィルム止め部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−274909(P2007−274909A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−102000(P2006−102000)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【出願人】(597088591)佐藤産業株式会社 (30)
【出願人】(503423317)
【Fターム(参考)】