フェライトビーズ
【課題】磁束の周波数変化がフェライトビーズの共振周波数に近づいてもフェライトビーズ全体で振動を起こさないようにする。
【解決手段】
図1(A)のようにドーナッツ形の断面形状を有し、内径D2および外径D1の一方が軸方向で連続的に変化する立体形状を有していることから、平均直径12dも上端面12bから下端面12cにかけて連続的に変化するので、通し穴12aに挿入されたリード線を流れる電流により磁束変化が生じても、平均直径および断面積が軸方向位置で連続的に変化し、磁束変化の周波数がフェライトビーズの構造、材質によって決まる共振周波数に近くても、フェライトビーズ全体が共振周波数で決まる振動を起こすことがないので、共振によるフェライトビーズの破壊を防止できる。
【解決手段】
図1(A)のようにドーナッツ形の断面形状を有し、内径D2および外径D1の一方が軸方向で連続的に変化する立体形状を有していることから、平均直径12dも上端面12bから下端面12cにかけて連続的に変化するので、通し穴12aに挿入されたリード線を流れる電流により磁束変化が生じても、平均直径および断面積が軸方向位置で連続的に変化し、磁束変化の周波数がフェライトビーズの構造、材質によって決まる共振周波数に近くても、フェライトビーズ全体が共振周波数で決まる振動を起こすことがないので、共振によるフェライトビーズの破壊を防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い周波数のノイズを抑圧するフェライトビーズに関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチング電源は入力電圧を短い周期で断続して変圧整流するが、交流電源の整流を行うときにノイズが発生する。従来はこのノイズを抑圧するために、図11に示すように例えば整流器1のリード線2にフェライトビーズ3を挿入したものを基板4に実装していた。フェライトビーズは高周波で抵抗成分が大きくなる性質があり、高周波ノイズを熱に変えて吸収している。
【0003】
図12は従来から用いられているフェライトビーズの形状であり、(A)〜(E)は平面図と共に正面図を示しており、(F)は平面図と正面図および右側面図と共に示している。フェライトビーズ3は本体3aに通し穴3bが貫通する構造を有する円筒形のものであり、図12(A),(B),(C)はそれぞれ穴径の異なるもの、(D)は軸方向の寸法が長いもの、(E)は軸方向の寸法が短いものである。一方、(F)は楕円形の本体3cに楕円形の通し穴3dが貫通する構造を有している。
【0004】
これらのフェライトビーズは図11のように通し穴にリード線を挿入することで、リード線を流れる電流による高周波ノイズを抑圧している。
【特許文献1】特開平6−005425号公報
【特許文献2】実開平5−159836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながらこのような従来のフェライトビーズを大電力のスイッチング電源に使用する場合、図13ようにリード線2に高周波の大電流を流すとリード線2に挿入しているフェライトビーズ3が高周波ノイズの磁束変化に応じフェライトビーズの持つ磁歪特性から矢印で示す直径方向の延び縮みが生じ、機械的振動が生ずる。
【0006】
フェライトビーズは外径をD1、内径をD2とするとき
D3=(D1−D2)/2
で決まる平均直径D3および材質、断面形状等に基づいた共振周波数を有し、その共振周波数に近い高周波電流が供給されたときフェライトビーズは共振現象により振動振幅が大きくなり、ヒビが入ったり、割れたりすることがある。
【0007】
したがって、本発明は、共振現象の起きにくいフェライトビーズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するために本願発明は、ドーナッツ形の断面形状を有し、内径および外径の少なくとも何れか一方が軸方向で連続的または段階的に変化する立体形状を備えたことを特徴とする。また内径が軸方向で一定であり、外径が軸方向で連続的または段階的に変化する立体形状であることを特徴とする。
【0009】
また、外径が軸方向で一定であり、内径が軸方向で連続的または段階的に変化する立体形状であることを特徴とする。また、内径および外径が軸方向で連続的または段階的に変化する立体形状であることを特徴とする。
【0010】
また、内径および外径の一方が軸方向で連続的または段階的に増加し、他方が連続的または段階的に減少する立体形状であることを特徴とする。また、内径および外径の両方が軸方向で連続的または段階的に増加または減少する立体形状であることを特徴とする。
【0011】
また内径または外径が50%以上で連続的または段階的に変化する立体形状であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に従えば、軸方向に平均直径および断面積が変化しているので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数を持たないため、高周波ノイズによって特定部分に共振が生じてもその振動は他の部分で吸収されてしまい、従来のようにフェライトビーズ全体の振動振幅が大きくならないことから、フェライトビーズを破損することがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1(A)は本発明を説明するためのフェライトビーズを示す斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図であり、ドーナッツ形の断面形状を有し、内径および外径の少なくとも何れか一方が軸方向で連続的に変化する立体形状を備えたものである。
【0014】
図1の例で、フェライトビーズ10は本体12の軸方向に内径D2を有する通し穴12aが設けられており、外径D1が軸方向で上端面12bから下端面12cまで連続的に変化し、この例では直線的に増加している。このような構成のフェライトビーズ12は軸方向の内径および外径から決まる平均直径D3が軸方向で直線的に変化し、かつ断面積も軸方向で直点的に変化しているので、各平均直径または各断面における共振周波数は軸方向位置で異なる値となり、フェライトビーズ全体で単一の共振周波数を持たない。
【0015】
このため、高周波電流の周波数がフェライトビーズにおける軸方向の何れかの位置における共振周波数に近くなり特定の部分だけは共振による振動力が生じても、他の部分は共振しないために振動は他の部分で吸収され、従来のようにフェライトビーズ全体の振動が大きくなりフェライトビーズが割れたりヒビが入ったりする事故が発生しない。
【0016】
図2(A)は他の実施形態を示す斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図であって、外径が軸方向で一定であり、内径が軸方向で連続的に変化する立体形状をしており、この例では上端面12bから下端面12c方向に内径が直線的に減少する構造の通し穴12aを有している。このような構造も平均直径12dおよび断面積は軸方向に連続的に変化するので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することがない。
【0017】
図3は他の実施形態を示す斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図であって、内径および外径の両方が軸方向で連続的に変化する立体形状をしているものであり、この例では外径が軸方向で直線的に増加し、内径が軸方向に上端面12bから下端面12cにかけて直線的に減少する構造の通し穴12aを有している。このような構造も平均直径12dおよび断面は軸方向に連続的に変化するので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することがない。
【0018】
なお、図3の構造のものは上端面12bの大きさと下端面12cの大きさによっては平均直径12dが軸方向で一定寸法になる場合もあるが、この場合でも軸方向で断面積は直線的に変化しているので、フェライトビーズ10の共振周波数が単一の周波数となることはない。
【0019】
図4は他の実施形態を示す斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図であって、内径および外径の両方が軸方向で連続的に変化する立体形状をしているもののうち、この例では外径および内径の両方が軸方向で上端面12bから下端面12cにかけて直線的に増加しているので、内径が軸方向に上端面12bから下端面12cにかけて直線的に増加する構造の通し穴12aを有している。このような構造も平均直径12dおよび断面積は軸方向に連続的に変化するので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することがない。
【0020】
図5(A)は他の実施形態を示す斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図であって、内径または外径が軸方向の50%以上で連続的に変化する立体形状のもののうち、この例では外径が軸方向で上端面12bから下端面12cにかけて50%程度直線的に増加した後に減少へ転ずる構造である。そして、内径が一定の通し穴12aを有している。このような構造も平均直径12dおよび断面積は軸方向に連続的に変化するので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することがない。なお、図5の例で内径は一定としているが、一定とせず軸方向に外形寸法を変化させても良い。
【0021】
図6(A)は他の実施形態を示す斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図であって、内径または外径が軸方向の50%以上で連続的に変化する立体形状のもののうち、この例では内径が軸方向で上端面12bから下端面12cにかけて50%程度直線的に減少した後に増加へ転ずる構造であるから、内径が上端面12bから下端面12cにかけて軸方向で50%程度直線的に減少した後に直線的に増加する通し穴12aを有している。このような構造も平均直径12dおよび断面積は軸方向に連続的に変化するので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することがない。なお、図6の例で外径は一定としているが、軸方向に外形寸法を変化させても良い。
【0022】
図7(A)は他の実施形態を示す斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図であって、内径または外径が軸方向の50%以上で連続的に変化する立体形状のもののうち、この例では内径が一定の通し穴12aを有し、外径が軸方向で上端面12bから下端面12cにかけて50%以上直線的に増加した後に一定となる構造である。このような構造も平均直径12dおよび断面積は軸方向に連続的に変化するので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することがない。なお、図7の例で内径は一定としているが、軸方向に内径寸法を変化させても良い。
【0023】
図8(A)は他の実施形態を示す斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図であって、内径または外径が軸方向の50%以上で連続的に変化する立体形状のもののうち、この例ではは外径が一定で、内径が軸方向で上端面12aから所定の位置まで一定で、以降は軸方向で50%以上直線的に減少する構造であることから、内径が上端面12bから下端面12cにかけて軸方向で50%以上直線的に増加した後に一定になる構造の通し穴12aを有している。このような構造も平均直径12dおよび断面積は軸方向に連続的に変化するので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することがない。なお、図8の例で外径は一定としているが、軸方向に外径寸法を変化させても良い。
【0024】
図9(A)は他の実施形態を示す斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図であって、内径または外径が軸方向の50%以上で連続的に変化する立体形状をしており、この例ではは外径が一定で、内径が軸方向で上端面12aから第1の所定の位置まで一定で、以降第2の所定の位置まで軸方向で50%以上直線的に減少する構造である。
【0025】
このような構造も平均直径12dおよび断面積は軸方向に連続的に変化するので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することがない。なお、図9の例で外径は一定としているが、軸方向に外径寸法を変化させても良い。
【0026】
図10は他の実施形態を示す斜視図であり、内径12aが一定で、外径が軸方向で上端面12bから下端面12cにかけて段階的に増加すし、それぞれ外径の異なる周面14aから14dを有する構造である。この例では図示しない平均直径および断面積が段階的に変化するので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することがない。なお、図10の例では外径を変化させ、内径内径は一定としているが、外径が一定で内径を段階的に変化させても良い。
【0027】
また、図1から図9の例は内径または外径が連続的に変化しているが、図10のように段階的に変化しても平均直径および断面積が軸方向で変化することについては同様であるから、このような構造にすると全体が単一の共振周波数を持たないので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することを防止でき、振動によって生じていたフェライトビーズの破壊現象を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の原理を示す斜視図、平面図、正面図
【図2】他の実施形態を示す斜視図、平面図、正面図
【図3】他の実施形態を示す斜視図、平面図、正面図
【図4】他の実施形態を示す斜視図、平面図、正面図
【図5】他の実施形態を示す斜視図、平面図、正面図
【図6】他の実施形態を示す斜視図、平面図、正面図
【図7】他の実施形態を示す斜視図、平面図、正面図
【図8】他の実施形態を示す斜視図、平面図、正面図
【図9】他の実施形態を示す斜視図、平面図、正面図
【図10】他の実施形態を示す斜視図、平面図、正面図
【図11】フェライトビーズの実装状態を示す斜視図
【図12】従来のフェライトビーズの構造を示す斜視図
【図13】フェライトビーズの振動状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0029】
1:整流器
2:リード線
3、10:フェライトビーズ
3a、3c、12:本体
3b、3d、12a:通し穴
4:基板
12b:上端面
12c:下端面
14a〜14d:周面
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い周波数のノイズを抑圧するフェライトビーズに関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチング電源は入力電圧を短い周期で断続して変圧整流するが、交流電源の整流を行うときにノイズが発生する。従来はこのノイズを抑圧するために、図11に示すように例えば整流器1のリード線2にフェライトビーズ3を挿入したものを基板4に実装していた。フェライトビーズは高周波で抵抗成分が大きくなる性質があり、高周波ノイズを熱に変えて吸収している。
【0003】
図12は従来から用いられているフェライトビーズの形状であり、(A)〜(E)は平面図と共に正面図を示しており、(F)は平面図と正面図および右側面図と共に示している。フェライトビーズ3は本体3aに通し穴3bが貫通する構造を有する円筒形のものであり、図12(A),(B),(C)はそれぞれ穴径の異なるもの、(D)は軸方向の寸法が長いもの、(E)は軸方向の寸法が短いものである。一方、(F)は楕円形の本体3cに楕円形の通し穴3dが貫通する構造を有している。
【0004】
これらのフェライトビーズは図11のように通し穴にリード線を挿入することで、リード線を流れる電流による高周波ノイズを抑圧している。
【特許文献1】特開平6−005425号公報
【特許文献2】実開平5−159836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながらこのような従来のフェライトビーズを大電力のスイッチング電源に使用する場合、図13ようにリード線2に高周波の大電流を流すとリード線2に挿入しているフェライトビーズ3が高周波ノイズの磁束変化に応じフェライトビーズの持つ磁歪特性から矢印で示す直径方向の延び縮みが生じ、機械的振動が生ずる。
【0006】
フェライトビーズは外径をD1、内径をD2とするとき
D3=(D1−D2)/2
で決まる平均直径D3および材質、断面形状等に基づいた共振周波数を有し、その共振周波数に近い高周波電流が供給されたときフェライトビーズは共振現象により振動振幅が大きくなり、ヒビが入ったり、割れたりすることがある。
【0007】
したがって、本発明は、共振現象の起きにくいフェライトビーズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するために本願発明は、ドーナッツ形の断面形状を有し、内径および外径の少なくとも何れか一方が軸方向で連続的または段階的に変化する立体形状を備えたことを特徴とする。また内径が軸方向で一定であり、外径が軸方向で連続的または段階的に変化する立体形状であることを特徴とする。
【0009】
また、外径が軸方向で一定であり、内径が軸方向で連続的または段階的に変化する立体形状であることを特徴とする。また、内径および外径が軸方向で連続的または段階的に変化する立体形状であることを特徴とする。
【0010】
また、内径および外径の一方が軸方向で連続的または段階的に増加し、他方が連続的または段階的に減少する立体形状であることを特徴とする。また、内径および外径の両方が軸方向で連続的または段階的に増加または減少する立体形状であることを特徴とする。
【0011】
また内径または外径が50%以上で連続的または段階的に変化する立体形状であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に従えば、軸方向に平均直径および断面積が変化しているので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数を持たないため、高周波ノイズによって特定部分に共振が生じてもその振動は他の部分で吸収されてしまい、従来のようにフェライトビーズ全体の振動振幅が大きくならないことから、フェライトビーズを破損することがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1(A)は本発明を説明するためのフェライトビーズを示す斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図であり、ドーナッツ形の断面形状を有し、内径および外径の少なくとも何れか一方が軸方向で連続的に変化する立体形状を備えたものである。
【0014】
図1の例で、フェライトビーズ10は本体12の軸方向に内径D2を有する通し穴12aが設けられており、外径D1が軸方向で上端面12bから下端面12cまで連続的に変化し、この例では直線的に増加している。このような構成のフェライトビーズ12は軸方向の内径および外径から決まる平均直径D3が軸方向で直線的に変化し、かつ断面積も軸方向で直点的に変化しているので、各平均直径または各断面における共振周波数は軸方向位置で異なる値となり、フェライトビーズ全体で単一の共振周波数を持たない。
【0015】
このため、高周波電流の周波数がフェライトビーズにおける軸方向の何れかの位置における共振周波数に近くなり特定の部分だけは共振による振動力が生じても、他の部分は共振しないために振動は他の部分で吸収され、従来のようにフェライトビーズ全体の振動が大きくなりフェライトビーズが割れたりヒビが入ったりする事故が発生しない。
【0016】
図2(A)は他の実施形態を示す斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図であって、外径が軸方向で一定であり、内径が軸方向で連続的に変化する立体形状をしており、この例では上端面12bから下端面12c方向に内径が直線的に減少する構造の通し穴12aを有している。このような構造も平均直径12dおよび断面積は軸方向に連続的に変化するので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することがない。
【0017】
図3は他の実施形態を示す斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図であって、内径および外径の両方が軸方向で連続的に変化する立体形状をしているものであり、この例では外径が軸方向で直線的に増加し、内径が軸方向に上端面12bから下端面12cにかけて直線的に減少する構造の通し穴12aを有している。このような構造も平均直径12dおよび断面は軸方向に連続的に変化するので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することがない。
【0018】
なお、図3の構造のものは上端面12bの大きさと下端面12cの大きさによっては平均直径12dが軸方向で一定寸法になる場合もあるが、この場合でも軸方向で断面積は直線的に変化しているので、フェライトビーズ10の共振周波数が単一の周波数となることはない。
【0019】
図4は他の実施形態を示す斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図であって、内径および外径の両方が軸方向で連続的に変化する立体形状をしているもののうち、この例では外径および内径の両方が軸方向で上端面12bから下端面12cにかけて直線的に増加しているので、内径が軸方向に上端面12bから下端面12cにかけて直線的に増加する構造の通し穴12aを有している。このような構造も平均直径12dおよび断面積は軸方向に連続的に変化するので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することがない。
【0020】
図5(A)は他の実施形態を示す斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図であって、内径または外径が軸方向の50%以上で連続的に変化する立体形状のもののうち、この例では外径が軸方向で上端面12bから下端面12cにかけて50%程度直線的に増加した後に減少へ転ずる構造である。そして、内径が一定の通し穴12aを有している。このような構造も平均直径12dおよび断面積は軸方向に連続的に変化するので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することがない。なお、図5の例で内径は一定としているが、一定とせず軸方向に外形寸法を変化させても良い。
【0021】
図6(A)は他の実施形態を示す斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図であって、内径または外径が軸方向の50%以上で連続的に変化する立体形状のもののうち、この例では内径が軸方向で上端面12bから下端面12cにかけて50%程度直線的に減少した後に増加へ転ずる構造であるから、内径が上端面12bから下端面12cにかけて軸方向で50%程度直線的に減少した後に直線的に増加する通し穴12aを有している。このような構造も平均直径12dおよび断面積は軸方向に連続的に変化するので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することがない。なお、図6の例で外径は一定としているが、軸方向に外形寸法を変化させても良い。
【0022】
図7(A)は他の実施形態を示す斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図であって、内径または外径が軸方向の50%以上で連続的に変化する立体形状のもののうち、この例では内径が一定の通し穴12aを有し、外径が軸方向で上端面12bから下端面12cにかけて50%以上直線的に増加した後に一定となる構造である。このような構造も平均直径12dおよび断面積は軸方向に連続的に変化するので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することがない。なお、図7の例で内径は一定としているが、軸方向に内径寸法を変化させても良い。
【0023】
図8(A)は他の実施形態を示す斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図であって、内径または外径が軸方向の50%以上で連続的に変化する立体形状のもののうち、この例ではは外径が一定で、内径が軸方向で上端面12aから所定の位置まで一定で、以降は軸方向で50%以上直線的に減少する構造であることから、内径が上端面12bから下端面12cにかけて軸方向で50%以上直線的に増加した後に一定になる構造の通し穴12aを有している。このような構造も平均直径12dおよび断面積は軸方向に連続的に変化するので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することがない。なお、図8の例で外径は一定としているが、軸方向に外径寸法を変化させても良い。
【0024】
図9(A)は他の実施形態を示す斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図であって、内径または外径が軸方向の50%以上で連続的に変化する立体形状をしており、この例ではは外径が一定で、内径が軸方向で上端面12aから第1の所定の位置まで一定で、以降第2の所定の位置まで軸方向で50%以上直線的に減少する構造である。
【0025】
このような構造も平均直径12dおよび断面積は軸方向に連続的に変化するので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することがない。なお、図9の例で外径は一定としているが、軸方向に外径寸法を変化させても良い。
【0026】
図10は他の実施形態を示す斜視図であり、内径12aが一定で、外径が軸方向で上端面12bから下端面12cにかけて段階的に増加すし、それぞれ外径の異なる周面14aから14dを有する構造である。この例では図示しない平均直径および断面積が段階的に変化するので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することがない。なお、図10の例では外径を変化させ、内径内径は一定としているが、外径が一定で内径を段階的に変化させても良い。
【0027】
また、図1から図9の例は内径または外径が連続的に変化しているが、図10のように段階的に変化しても平均直径および断面積が軸方向で変化することについては同様であるから、このような構造にすると全体が単一の共振周波数を持たないので、フェライトビーズ全体が単一の共振周波数で振動することを防止でき、振動によって生じていたフェライトビーズの破壊現象を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の原理を示す斜視図、平面図、正面図
【図2】他の実施形態を示す斜視図、平面図、正面図
【図3】他の実施形態を示す斜視図、平面図、正面図
【図4】他の実施形態を示す斜視図、平面図、正面図
【図5】他の実施形態を示す斜視図、平面図、正面図
【図6】他の実施形態を示す斜視図、平面図、正面図
【図7】他の実施形態を示す斜視図、平面図、正面図
【図8】他の実施形態を示す斜視図、平面図、正面図
【図9】他の実施形態を示す斜視図、平面図、正面図
【図10】他の実施形態を示す斜視図、平面図、正面図
【図11】フェライトビーズの実装状態を示す斜視図
【図12】従来のフェライトビーズの構造を示す斜視図
【図13】フェライトビーズの振動状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0029】
1:整流器
2:リード線
3、10:フェライトビーズ
3a、3c、12:本体
3b、3d、12a:通し穴
4:基板
12b:上端面
12c:下端面
14a〜14d:周面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドーナッツ形の断面形状を有し、内径および外径の少なくとも何れか一方が軸方向で連続的または段階的に変化する立体形状を備えたことを特徴とするフェライトビーズ。
【請求項2】
請求項1記載のフェライトビーズに於いて、前記内径が軸方向で一定であり、外径が軸方向で連続的または段階的に変化する立体形状であることを特徴とするフェライトビーズ。
【請求項3】
請求項1記載のフェライトビーズに於いて、前記外径が軸方向で一定であり、内径が軸方向で連続的または段階的に変化する立体形状であることを特徴とするフェライトビーズ。
【請求項4】
請求項1記載のフェライトビーズに於いて、前記内径および外径が軸方向で連続的または段階的に変化する立体形状であることを特徴とするフェライトビーズ。
【請求項5】
請求項4記載のフェライトビーズに於いて、前記内径および外径の一方が軸方向で連続的または段階的に増加し、他方が連続的または段階的に減少する立体形状であることを特徴とするフェライトビーズ。
【請求項6】
請求項4記載のフェライトビーズに於いて、前記内径および外径の両方が軸方向で連続的または段階的に増加または減少する立体形状であることを特徴とするフェライトビーズ。
【請求項7】
請求項2乃至4のいずれかに記載のフェライトビーズに於いて、前記内径または外径が50%以上で連続的または段階的に変化する立体形状であることを特徴とするフェライトビーズ。
【請求項1】
ドーナッツ形の断面形状を有し、内径および外径の少なくとも何れか一方が軸方向で連続的または段階的に変化する立体形状を備えたことを特徴とするフェライトビーズ。
【請求項2】
請求項1記載のフェライトビーズに於いて、前記内径が軸方向で一定であり、外径が軸方向で連続的または段階的に変化する立体形状であることを特徴とするフェライトビーズ。
【請求項3】
請求項1記載のフェライトビーズに於いて、前記外径が軸方向で一定であり、内径が軸方向で連続的または段階的に変化する立体形状であることを特徴とするフェライトビーズ。
【請求項4】
請求項1記載のフェライトビーズに於いて、前記内径および外径が軸方向で連続的または段階的に変化する立体形状であることを特徴とするフェライトビーズ。
【請求項5】
請求項4記載のフェライトビーズに於いて、前記内径および外径の一方が軸方向で連続的または段階的に増加し、他方が連続的または段階的に減少する立体形状であることを特徴とするフェライトビーズ。
【請求項6】
請求項4記載のフェライトビーズに於いて、前記内径および外径の両方が軸方向で連続的または段階的に増加または減少する立体形状であることを特徴とするフェライトビーズ。
【請求項7】
請求項2乃至4のいずれかに記載のフェライトビーズに於いて、前記内径または外径が50%以上で連続的または段階的に変化する立体形状であることを特徴とするフェライトビーズ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−173455(P2006−173455A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−365950(P2004−365950)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【出願人】(000103208)コーセル株式会社 (80)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【出願人】(000103208)コーセル株式会社 (80)
【Fターム(参考)】
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