説明

フルカラー、プルパララックスホログラフィックステレオグラムを1ステップで記録するための方法及び装置

【課題】フルカラーホログラフィックステレオグラムをプリント可能で、複数の基本ホログラムを同時に露光でき、異なる基本ホログラムサイズでプリントし得るようにホログラムプリンタを迅速且つ容易に調節し得るようなフレキシビリティを有するホログラムプリンタを提供する。
【解決手段】参照ビームにより、ホログラフィック記録媒体を様々な角度から露光し得るような参照ビーム操向システムを用いた1ステップフルカラーフルパララックスホログラフィックステレオグラムプリント装置及び方法を提供する。ホログラフィックステレオグラムの解像度を制御するために、ホログラフィック記録媒体に密接して物体ビームの光路上に配置されたボクセル制御レンズを用い得る。相互に交換可能な帯域制限ディフューザ及び参照ビームマスキングプレートをも用い得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホログラフィーに関し、特に三次元コンピュータモデルのコンピュータによりレンダリングされたイメージ或いはコンピュータにより処理されたイメージを用いることにより可変サイズでしかも可変解像度のホログラフィックステレオグラム及びホログラフィック光学要素を生成しプリントするための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ホログラフィックステレオグラムは、対象の2次元情景のセットから合成或いは組み合わされたホログラムの一形式である。ホログラフィックステレオグラムは、密に配置された離散的な斜視図からなる2次元要素情景からしっかりした3次元対象の実物に見える虚像を形成することができる。更に、2次元要素情景が適切に生成された場合には、ホログラフィックステレオグラムは、動画の虚像をも生成することができる。ホログラフィックステレオグラムはこのような特別な効果を生み出し得るものであるが、ホログラフィックステレオグラムをプリントするための方法及び技術についての限界のために、ホログラフィックステレオグラムの生成は一般に高価、困難且つ多大な時間を有するものであった。
ホログラフィックステレオグラムを生成するための多数のステップを1つの光学プリントステップに減少させるための手法が開発されている。1ステップ技術は通常、対象のコンピュータにより処理されたイメージ又は対象のコンピュータモデルを用いて、ホログラムを、基本ホログラム或いはホーゲルと呼ばれる複数の互いに隣接する小さな基本要素から形成する。この1ステップ技術は、予備的なホログラムを生成する必要を解消する。
【0003】
ホログラフィックステレオグラムを生成するための多数のステップを1つの光学プリントステップに減少させるための手法が開発されている。1ステップ技術は通常、対象のコンピュータにより処理されたイメージ又は対象のコンピュータモデルを用いて、ホログラムを、基本ホログラム或いはホーゲルと呼ばれる複数の互いに隣接する小さな基本要素から形成する。この1ステップ技術は、予備的なホログラムを生成する必要を解消する。
【0004】
伝統的な1ステップ技術を用いてフルパララックスホログラフィックステレオグラムを生成するためには、対象或いは情景の3次元コンピュータモデルが生成される。対象或いは情景の3次元的コンピュータモデルを生成しそれを操作するために用いることのできる多数のコンピュータグラフィックモデリングプログラム、レンダリングプログラム、動画プログラム、3次元デジタル化システム或いは複数のプログラム或いはシステムの組合せが知られている。このようなプログラム或いはシステムの例は、限定的ではないが、コンピュータ支援設計(CAD)プログラム、科学的可視化プログラム或いは仮想現実プログラムなどがある。
【0005】
更に、1ステップ技術を用いてホログラフィックステレオグラムを生成するためには、対象或いは情景に対するホログラム面及び個々の基本ホログラムの位置を決定する必要がある。更に、基本ホログラムのための適切なコンピュータグラフィックカメラの詳細及び空間的光変調器(SLM)即ち2次元イメージを表示し得る装置のサイズ及び位置を決定する必要がある。
【0006】
上記した初期パラメータの全てが決定されると、各基本ホログラムについてSLM上の2次元的投射を、生成された対象或いは情景のコンピュータグラフィックモデル、基本ホログラムの位置及び基本ホログラムについてのコンピュータグラフィックカメラの詳細に基づいて計算される。各基本ホログラムについてのSLM上の2次元投射は、様々なコンピュータグラフィック手法を用いてレンダリングすることができる。3次元的対象から2次元的視野を生成し、色及び陰影の変化のような特性をコンピュータグラフィックモデルに付加するプロセスはしばしばレンダリングと呼ばれる。このようなレンダリングのための様々な方法が知られている。1つの方法は、コンピュータモデルに於いてサンプルされた光線を正確に模擬することによりイメージを計算する光線追跡と呼ばれる方法である。もう1つの方法は、一時に1ラスター即ち1ライン毎にイメージを計算する走査線変換と呼ばれるものである。通常走査線レンダリングは、光線追跡ほどのリアルな結果を生み出さない。しかしながら、走査線レンダリングは高速であることから動画パッケージに於いてしばしば用いられる。コンピュータグラフィックスを用いて、1ステップ、フルパララックスホログラフィックステレオグラムのためにイメージをレンダリングするもう1つの方法がHalleらの記事に記載されている。Halle, M. and Kropp, A, " Fast Computer Graphics Rendering for Full Parallax Spatial Displays ", Proc. Soc. Photo-Opt. Instrum. Eng.(SPIE), 3011:105-112 (February 10-11, 1997)(非特許文献1)は、引用により本明細書の一部とする。
【0007】
ホログラフィックステレオグラムは、多ステップ或いは1ステップ手法により生成された時、再構成されたイメージは、幾何学的なイメージの歪みを有する場合がある。このような幾何学的なイメージの歪みは、大型の掲示板サイズのホログラフィックディスプレイや、アルコーブ或いは部分円筒形等の他の幾何学的形状を伴うホログラフィックディスプレイに於いて極めて顕著に現れる。マルチプレックスホログラムに於ける幾何学的イメージの歪みを正すために他ステップ手法に組み込まれた1つの解決法が、オカダの記事に記載されている。Okada, K.ら, "A Method of Distortion Compensation of Multiplex Holograms", Optics Communications, vol. 48, no. 3, pp. 167-170 (December 1, 1983)(非特許文献2)は、引用により本明細書の一部とする。歪みを正すためのオカダの記事に於いて議論されている手法は、出来上がったホログラムの単一の或いは個々の視点の幾何学的及び時間的歪みを是正する方法からなる。これは、イメージの取得の後に行われる処理後方法であることから、1ステップホログラフィックステレオグラムをなす動画コンピュータグラフィックスを生成する場合に採用すると非効率的であるという問題がある。オカダの方法は、水平パララックスのみの透過型ホログラムを提供するのみである。
【0008】
完成したホログラフィックディスプレイに於ける歪みを減少させるための予め歪みを与えるような1ステップホログラフィックステレオグラムのための手法が開発されている。このような予め歪みを与えるような手法はBelleらの記事に記載されている。Belle, H. ら, "The Ultragram:A Generalized Holographic Stereogram", Proc. Soc. Photo-Opt. Instrum. Eng. (SPIE), vol. 1461, Practical Holography V, p. 142 (February 1991)(非特許文献3)は、引用により本明細書の一部とする。広く採用されているにも関わらず、フルパララックスホログラフィックステレオグラムを生成するための1ステップ法のための典型的な予め歪みを与える形式の手法は、コンピュータの処理速度及び伝統的な1ステップ法により得られる像の解像度の点で極めて限定されたものに留まっている。更に、予め歪みを与えるための、1ステップフルパララックスホログラフィックステレオグラムのための手法は、包括的であって、動画を伴う1ステップフルパララックスホログラフィックステレオグラムを生成することができない。
【0009】
1ステップでモノクロのホログラフィックステレオグラムをプリントするための装置が開発されている。このような従来技術に基づくプリンタは、通常、図1に示されるように、モノクロコヒーレント光源1と、レンズ42と、ミラー40と、光学系80と、シャッター10と、フィルムを変位させるための機構69と、通常フィルムからなるホログラフィック記録媒体70と、露光シーケンスのためのタイミングを制御するパーソナルコンピュータ85と、イメージの計算のための別個の高速コンピュータ87とを含む。図1に示された従来技術に基づくプリンタは、ヤマグチの2つの記事に記載されている。Yamaguchi, M. ら, "Development of a Prototype Full-Parallax Holoprinter", Proc. Soc. Photo-Opt Instrum. Eng. (SPIE), vol. 2406, Practical Holography IX, pp. 50-56 (February 1995)(非特許文献4)、及び Yamaguchi, M.ら, "High-Quality Recording of a Full-Parallax Holographic Stereogram with a Digital Diffuser", Optical Letters, vol. 19, no. 2, pp. 135-137 (January 20, 1994)(非特許文献5)は、引用により本明細書の一部とする。図1に示された従来技術に基づくプリンタは、モノクロのホログラフィックステレオグラムを生成することができるが、フルカラーのホログラフィックステレオグラムを生成することはできない。
【0010】
図1に示されたもののように、典型的な従来技術に基づくホログラムプリンタは、通常防振テーブル80により支持されている。更に、図1に示された従来技術に基づくプリンタは、コリメートし得るコヒーレントな光ビーム5を発生するための光源としてHeNeレーザを用いる。シャッター10が光源1の出力に配置されている。ビームスプリッタ15は、光源1からの光5を、物体ビーム20及び参照ビーム25に分割する。物体ビーム20及び参照ビーム25の変更特性は、1対のハーフウェーブプレート30及び1対のプラライザ35により調整される。ハーフウェーブプレート30及びポラライザ35は、両ビームの比率も制御する。従来技術に基づくプリンタは、幾つかのミラー40をも用いる。加えるに、従来技術に基づくプリンタは、光源1からの物体ビーム20を、図1に示された光学系89に向けて分配するための拡大レンズ42のシステムを用いる。図1に示された従来技術に基づくプリンタの光学系89は、帯域制限ディフューザ45と、液晶パネル(LCDパネル)50と、収束レンズ55とを含む。帯域制限ディフューザは、光を特定のパターン或いは方向に拡散するべく設計された画定論的理想パターンを有するディフューザである。
【0011】
図1に示された帯域制限ディフューザ45は、用いられているモノクロ光源即ちHeNeレーザに適合するべく設計されている。図1の従来技術に基づくプリンタに用いられているLCDパネル50は、ツイステッドネマチック液晶を用いたグレースケールの電気的に制御されるパネルをなす。LCDパネル50は、アナログビデオ信号として高速コンピュータ87により計算されたイメージデータを受ける。図1に示された収束レンズ55は、LCDパネル50からのイメージをホログラフィック記録媒体70にフォーカスする。収束レンズ55は一般に、広い視野角を提供するように低いFナンバーを有する。光軸に沿って球面収差を是正する必要があることから、ヤマグチは球面収差を減少させるために3つのレンズからなる収束レンズ55を用いて、約0.8のFナンバーを達成している。
【0012】
露光されるべきでない基本ホログラム110の部分をなさないホログラフィック記録媒体70の部分の露光を防止するために、図1に示された従来技術のプリンタは、ホログラフィック記録媒体70に近接して、基本ホログラム110のサイズの開口を備えた物体ビームマスキングプレート60を用い、物体ビーム20が、ホログラフィック記録媒体70の他の部分を露光しないようにしている。
【0013】
図1に示された帯域制限ディフューザ45は、ホログラフィック記録媒体70上の基本ホログラムに対して、物体ビーム20の分布を均一化する。物体ビームが基本ホログラムの領域上にのみフォーカスされるように帯域制限ディフューザ45が設計されていれば、基本ホログラム外の領域が露光するのを防止するために物体ビームマスキングプレート60を用いる必要がなくなる。しかしながら、このような帯域制限ディフューザと共に用いる場合には、物体ビームマスキングプレート60は、基本ホログラム110よりも大きな開口を有するものであってよい。物体ビーム20によって基本ホログラム110が均一に照明されるような物体ビーム20及び帯域制限ディフューザ45は、それにマッチするように、基本ホログラム110のサイズの開口を備えた参照ビームマスキングプレート65を必要とする。物体ビーム20、帯域制限ディフューザ45及び参照ビームマスキングプレート65を所望の基本ホログラムのサイズに適合させる必要があることから、ホログラムプリンタにより露光される基本ホログラムのサイズを変更することは困難であった。このようなフレキシビリティの欠如のため、従来技術に基づくプリンタは、異なるサイズの基本ホログラムを有するホログラムを容易にプリントすることができず、単一の固定サイズの基本ホログラムを有するホログラムをプリントすることにその用途が限定されていた。
【0014】
図2〜4は、図1に示された光学系89と同様に機能する光学系の別の従来技術を示している。
【0015】
図2〜4に於いて、物体ビーム20が、その表面にサンプルイメージ点100を有するSLM90を介して向けられている。物体ビーム20は、SLM表面に対して直交しても、或いは直交方向に対してオフセットしていてもよい。SLM90はピクセル95のアレイを有するものであってよい。LCDパネル、映画フィルム及びトランスペーレンシーがSLM90として用いられている。
【0016】
図2に於いて、物体ビームは、研磨ガラスの一部分のような光を散乱させる単純なディフューザ105を介して向けられている。単純なディフューザ105が用いられた場合、基本ホログラム110外の露光されるべきでないホログラフィック記録媒体70の領域が露光するのを防止するために物体ビームマスキングプレート60を用いなければならない。
【0017】
図3に於いて、物体ビーム20は、ホログラフィック光学要素(HOE)115を介して向けられている。HOEは、光源から発生した光の向きを或る容量を以て変更するべく特別に設定されたものである。例えば、HOEを、光を単一の点に収束させるためのレンズとして機能するように設計することができる。別の例としては、HOEを、一点ではなく1つの領域上に光を収束させるレンズと組み合わされた帯域制限ディフューザとして機能するように設計することもできる。図3に示されたHOE115は、基本ホログラム110のサイズ及び寸法の領域を均等に露光するべく設計されている。このようなHOEが用いられた場合、図2に示された物体ビームマスキングプレート60を全く用いる必要がないか、或いは用いた場合でも露光されるべき基本ホログラム110のサイズよりも大きな開口を有するものであってよい。
【0018】
図4に於いては、物体ビーム20は、帯域制限デジタルディフューザからなるものであってよい帯域制限ディフューザ45及び収束レンズ55を介して向けられている。図4に示された帯域制限ディフューザ45は、物体ビーム20を、基本ホログラム110の領域上に収束させるべく設計されている。このように、図1に示された物体ビームマスキングプレート60は、全く使用する必要がないか、或いは使用した場合でも露光されるべき基本ホログラム110のサイズよりも大きな開口を有するものであってよい。
【0019】
図2〜4に於いて、サンプルイメージ点100は、各ホログラフィック記録媒体70上の基本ホログラム110に記録されたSLM90のイメージ点である。物体ビーム20と参照ビーム25との相互作用によって形成される干渉パターンが、ホログラフィック記録媒体70上の基本ホログラム110に記録されるように参照ビーム25が基本ホログラム110に向けられる。
【0020】
基本ホログラムの2次元アレイを露光するために、図1の従来技術のプリンタは、パルス制御モータ71を含むホログラフィックフィルム69を変位させるための機構を用いている。通常、従来技術のプリンタに於けるホログラフィック記録媒体70はホログラフィックフィルムからなる。フィルムは、物体ビームマスキングプレート60と参照ビームマスキングプレート65との間に保持される。両マスキングプレート60、65は、露光されるべき基本ホログラム110のサイズを有する開口を有する。両マスキングプレート60、65は、ソレノイド72により駆動される。パルス制御モータ71はフィルムを2方向に変位させる。
【0021】
図1に示された従来技術に基づくシステムに於いては、露光シーケンスのタイミングがパソコンにより制御される。このように、ソレノイド72、パルス制御モータ71及びシャッター110は、パソコン85により制御される。それに対して、露光されるべきイメージは、高速コンピュータ87によってオフラインで計算される。イメージ計算は、アナログビデオ信号によりLCDパネル50に転送される。
【0022】
ホログラフィックステレオグラムを再構成するために、照明光源を適切な角度を以て配置しなければならない。照明光源が適切に配置されないと、ホログラフィックステレオグラムが再構成されなかったり、拡大歪み等のような歪みが発生する。ホログラフィック技術及び機器の進歩にも関わらず、1ステップホログラフィックステレオグラムのディスプレイ照明幾何学的構成が依然として問題となる。ディスプレイ照明幾何学的構成即ちホログラフィックステレオグラムに対する照明光源の配置は、ホログラフィックステレオグラムの基本ホログラムのそれぞれを露光する参照ビームの角度の累積的な影響に依存する。例えば、ホログラフィックステレオグラム上の基本ホログラムの全てがコリメートされた参照ビームにより露光される角度が一定であって、ホログラフィックステレオグラムの面が平坦であったとすると、ホログラムが拡大歪み等のような歪みを伴わずに適切に再構成されるためには、ホログラフィックステレオグラムは、基本ホログラムのそれぞれを適切な角度を以て照明するコリメートされた照明光源を必要とする。
【0023】
しかも、実用上、点光源のような拡散光源を用いて照明されることが意図されるような反射型のホログラフィックステレオグラムを生成することが一般的に行われている。しかしながら、点光源を用いて、しかも極力歪みを伴わずに再構成できるように参照ビームの角度が自動的且つフレキシブルに変更し得るようなプリンタを設計する際の困難を、従来技術は克服していない。
【0024】
また、ホログラフィックイメージの解像度即ち基本ホログラム密度を制御することが依然として困難である。ホログラフィックイメージの鮮明度は、イメージの解像度及びぼやけの度合に依存する。ぼやけは、長い蛍光灯などのような大きな光源によりホログラムを照明したような場合に引き起こされる。また、光源のスペクトラル範囲が大きいことによってもぼやけが引き起こされる。顕微鏡対物レンズ等により引き延ばされたレーザ光源等のような小型且つモノクロの光源即ち小型の廉価な色消しハイパワーレンズを用いた場合にはぼやけが抑制され、ホログラフィックイメージの鮮明度は、ホログラムのイメージ解像度に主に依存する。
【0025】
3次元イメージのイメージ解像度は、イメージボリュームに於ける個々に識別可能なイメージ点の体積密度として定義される。フルパララックス及び水平パララックスホログラムを含む1ステップホログラフィックステレオグラムについて、この解像度は、イメージボリューム全体に渡って通常一定ではない。奥行きの小さい小さなイメージについて、奥行きについてのイメージ解像度の変動は殆ど目立たない。しかしながら、奥行きの大きなホログラフィックステレオグラムについては、奥行きについてのイメージ解像度の変化は極めて顕著となる。
【0026】
図5に示されるように、基本ホログラム110を露光した参照ビーム25を発生するために用いたのと同様な光源からなる照明光源130からの光が適切な共役角を以て基本ホログラム110を照明した場合、図2〜4に示されたサンプルイメージ点100の再構成125は、SLMのイメージの再構成120に関して、記録時に基本ホログラム110に対して現れたのと同様に基本ホログラム110に対して同一の見掛け上の距離及び位置を占めるように形成される。
【0027】
図6は、ホログラフィック記録媒体70上の互いに隣接する基本ホログラム110間の境界線から、SLMの再構成されたイメージ120の互いに隣接する再構成されたピクセル135間の境界を通過するように引かれた線を示している。少なくとも2つの基本ホログラムの境界から引かれた線の間の領域は、個別にアドレス可能なボリューム要素即ちボクセル140を表している。ボクセル140は、任意の3次元的対象或いは情景を表す要素ユニットである。図6に示されるように、基本ホログラム110がSLMピクセルよりも大きいと仮定すると、ボクセル140のサイズは、SLM120の再構成されたイメージの面からの距離に応じて増大する。ボクセル140のサイズが、3次元的対象又は情景の所望のディテールのサイズに比較して粗過ぎる場合には、複製されたイメージは劣悪若しくは識別不能なものとなる。対象又は情景の3次元的イメージが、広い範囲の奥行きにわたって延在する場合には、ボクセルのサイズの変化は、イメージの質を悪化させることから極めて好ましくないものとなる。
【0028】
このように、従来技術に基づくホログラムプリンタは、商業的な目的には実用に耐えないような限界を有する。特に、これらの従来技術に基づくプリンタの欠点としては、フルカラーホログラフィックステレオグラムをプリントできない、複数の基本ホログラムを同時に露光できない、異なる基本ホログラムサイズを以てプリントし得るようにホログラムプリンタを迅速且つ容易に調節し得るようなフレキシビリティに欠ける、ホログラフィック記録媒体に対する参照ビームの入射角を容易に変更し得るようなフレキシビリティに欠ける、ホログラムの解像度を制御する能力に欠ける、見る位置によって変化するイメージや動画を表示するようなコンピュータ生成イメージを生成する能力に欠ける等の問題がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0029】
【非特許文献1】Halle, M. and Kropp, A, " Fast Computer Graphics Rendering for Full Parallax Spatial Displays ", Proc. Soc. Photo-Opt. Instrum. Eng.(SPIE), 3011:105-112 (February 10-11, 1997)
【非特許文献2】Okada, K.ら, "A Method of Distortion Compensation of Multiplex Holograms", Optics Communications, vol. 48, no. 3, pp. 167-170 (December 1, 1983)
【非特許文献3】Belle, H. ら, "The Ultragram:A Generalized Holographic Stereogram", Proc. Soc. Photo-Opt. Instrum. Eng. (SPIE), vol. 1461, Practical Holography V, p. 142 (February 1991)
【非特許文献4】Yamaguchi, M. ら, "Development of a Prototype Full-Parallax Holoprinter", Proc. Soc. Photo-Opt Instrum. Eng. (SPIE), vol. 2406, Practical Holography IX, pp. 50-56 (February 1995)
【非特許文献5】Yamaguchi, M.ら, "High-Quality Recording of a Full-Parallax Holographic Stereogram with a Digital Diffuser", Optical Letters, vol. 19, no. 2, pp. 135-137 (January 20, 1994)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
本発明は、ホログラフィックステレオグラムをプリントするために用いられた従来のホログラムプリンタ及び方法の上記したような限界及び問題を、次のような構造及び方法により解消する。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明は、参照ビームにより、ホログラフィック記録媒体を様々な角度から露光し得るような参照ビーム操向システムを用いた1ステップフルカラーフルパララックスホログラフィックステレオグラムプリント装置及び方法からなる。特に、コヒーレントなビームが、物体及び参照ビームに分割される。物体ビームは、レンダリングされたイメージが表示される物体ビームユニットを通過し、参照ビームは、参照ビーム操向システムを通過する。物体及び参照ビームは、ホログラフィック記録媒体上の基本ホログラムにて互いに干渉する。コンピュータは、記録媒体の露光時間及び運動を制御し、また物体ビームユニットに表示されるイメージをレンダリングする。特に、コンピュータは、イメージが物体ビームユニットに於いて表示される前にイメージを記憶する。
【0032】
更に、本発明は、ホログラフィックステレオグラムの解像度を制御するために、ホログラフィック記録媒体に密接して物体ビームの光路上に配置されたボクセル制御レンズを用いることも含む。
【0033】
更に、本発明は、相互に交換可能な帯域制限ディフューザ及び参照ビームマスキングプレートをも用いる。更に、本発明は、1ステップホログラフィックステレオグラムのための加工方法に視野領域手法を組み込むことにより、動画をなす1ステップホログラフィックステレオグラムを生成することができる。特許出願についての伝統的な習慣に従い、本出願に於いて用いられる単数形は、請求の範囲を含めて、少なくとも1つを意味することであることを了解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1a】先行技術に基づくホログラムプリンタの概略図である。
【図1b】先行技術に基づくホログラムプリンタの平面図である。
【図2a】簡単なディフューザを有する光学系を用いた1ステップ反射基本ホログラムの簡略図である。
【図2b】簡単なディフューザを有する光学系を用いた1ステップ反射基本ホログラムの平面図である。
【図3】ホログラフィック光学素子を有する光学系を用いた1ステップ反射基本ホログラムの簡略化した平面図である。
【図4】帯域制限ディフューザ及び収束レンズを有する光学系を用いた、1ステップ反射基本ホログラムの簡略化した平面図である。
【図5】ホログラフィックステレオグラムの基本ホログラムの再構成の簡略化した平面図である。
【図6】SLMの再構築イメージから離間しているボクセルのサイズの変化を説明する図である。
【図7】ホログラフィックステレオグラムの1ステップ、フルカラー、及びフルパララックスのプリンタの実施例の平面概略図である。
【図8】ホログラフィックステレオグラムの1ステップ、フルカラー、及びフルパララックスのプリンタの別の実施例の平面概略図である。
【図9】ボクセルのサイズの変化を制御するような本発明の実施例について示す図である。
【図10】図10は(a)及び(b)からなり、ボクセル制御レンズが用いられる際に基本ホログラムによって見るようなSLMの見掛けの距離が変化する様子を示す図である。
【図11】相互に概ね平行をなすボクセルの境界線を示す図である。
【図12】参照ビーム操向システムの実施例の概略図である。
【図13】参照ビーム操向システムの別の実施例の概略図である。
【図14】ビーム操向開口を利用した参照ビーム操向システムの実施例の概略図である。
【図15】参照ビーム操向ミラーシステムの実施例の斜視図である。
【図16】参照ビーム操向ミラーシステムの別の実施例の正面図である。
【図17】光ファイバ及び変位システムを利用した参照ビーム操向ミラーシステムの実施例の概略図である。
【図18】光ファイバ及び変位システムを利用した参照ビーム操向ミラーシステムの実施例の簡略化した斜視図である。
【図19】光ファイバ、変位システム及び光学コンバイナーユニットを利用した参照ビーム操向ミラーシステムの実施例の簡略化した斜視図である。
【図20】光ファイバを利用した物体ビームユニットの概略図である。
【図21】ホログラフィックステレオグラムの1ステップ、フルカラー、フルパララックスのプリンタのための光ファイバを利用した実施例の簡略化した平面図である。
【図22】触媒ホルダーの実施例の簡略化した斜視図である。
【図23】固定物体ビームユニット及び固定参照ビーム操向システムを有するプリンタの実施例の簡略図である。
【図24】可動物体ビームユニット及び可動参照ビーム操向システムを有するプリンタの実施例の簡略図である。
【図25】可動物体ビームユニット及び可動参照ビーム操向システムを有するプリンタの別の実施例の簡略図である。
【図26】可動物体ビームユニット及び可動参照ビーム操向システムを有するプリンタの更に別の実施例の簡略図である。
【図27a】可変帯域制限ディフューザ及び可変参照ビームマスキングプレートの簡略図である。
【図27b】可変帯域制限ディフューザ及び可変参照ビームマスキングプレートの簡略図である。
【図27c】可変帯域制限ディフューザ及び可変参照ビームマスキングプレートの簡略図である。
【図28】動画をなす、1ステップ、フルパララックスのホログラフィックステレオグラムを生成する過程を示すフロー図である。
【図29】異なる視野領域から見た時の異なるイメージを表示するホログラフィックステレオグラムの視野領域を示す図である。
【図30】視野領域の境界線から光線を投射する様子を示す図である。
【図31】視野領域マスクボリュームを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明について、図面と併せて以下に実施例を説明する。以下の例で開示される技術は発明者が発見した技術を代表するものであることは、当業者であれば当然理解するであろう。従って、以下の例は実用に際して例証的な形態を構成するものと考えることができる。しかしながら、本発明の開示に照らしてみると、開示された実施例に種々の改変を加えて実施したとしても、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく同様の或いは類似の結果が得られるであろうことは、当業者であれば容易に理解できよう。例えばHOE若しくはその他の適切な光学素子は、レンズ及び帯域限定ディフューザの組合せと置き換えられる。加えてHOEはまたレンズ若しくは複数のレンズの組合せともまた置き換えられる。更にSLMは以下に限定するものではないが、LCDパネル、デジタルマイクロミラーアレイ、フィルム、若しくは透過伝送機構を有し得る。加えてコンピュータ記憶装置は、以下に限定するものではないが、ハードディスク、SRAM若しくはDRAM、フラッシュメモリ、DVDドライブ、若しくはテープ装置を含む。更にモータは、以下に限定されるものではないがDCサーボモータ、ステッパモータ、若しくはアクチュエータを有する。
【0036】
本発明は、1ステップの、フルカラー、及びフルパララックスホログラフィックステレオグラムをプリントするためのシステム及び方法を提供する。ここに複数の図解実施例図7―図31が示されている。
【0037】
プリンタのための本発明の1つの実施例が図7に示されている。図7によれば、コンピュータ230及び制御装置305及び455を除くプリンタの部品の大部分は、例えば防振テーブル80上に於いて支持されることによって、振動より隔離される。テーブル80は、内部にハニカム構造を備えるスチールによって構成され得る。テーブル80の脚部は、振動を吸収し得る空気ピストンであり得る。異なるタイプの防振方法もまた利用可能であり得る。幾つかの実施例に於いて、コンピュータ230及び制御装置305及び455はテーブル80上に於いて支持され得る。コンピュータ230は、モータ制御装置のような装置を制御可能にし、若しくはイメージのようなものを出力することが可能な、複数のシリアルケーブル若しくはパラレルケーブルを有し得る。加えてコンピュータ230は三次元のコンピュータグラフィックスを十分に処理するための処理能力及び処理スピードを有し得る。更にコンピュータ230は1つ若しくはそれより多いCPUと、例えばハードディスク、RAID、フラッシュメモリ、若しくはSRAM若しくはDRAMのようなレンダリングされたイメージがストアされる、1つ若しくはそれより多い記憶装置を有し得る。複数のCPUが用いられる場合、それらは単独で、若しくはパラレルに作動し得る。複数の記憶装置が用いられる時にも、それらは単独で、若しくはパラレルに操作され得る。幾つかの実施例においてレーザ200はテーブル80によって支持されない。レーザ200は3つの異なった色を有するレーザであり得る。例えば1つのレーザ200がクリプトンイオンレーザ若しくはHeNeレーザであると光の赤いビームを生成し、別のレーザ200がアルゴンイオンレーザ若しくはYAGレーザであれば光の緑のビームを生成し、3番目のレーザ200がアルゴンイオンレーザ若しくはHeCdレーザであれば光の青いビームを生成する。他の光の波長もまた利用可能である。加えてレーザ200は固体素子ダイオード若しくはその他のタイプのレーザであり得る。レーザ200よりもたらされる光のビームは空気中を進行し得る。加えてレーザ200よりもたらされる光のビームは、空気の流れによる不安定性が減少するようにパイプを介して進行し得る。またビームは偏向を保つ光ファイバを介して伝達され得る。
【0038】
図7に於いて、レーザ200によって生成されたコヒーレントな光のビーム5は、可変ビームスプリッタ205へ向けられる。可変ビームスプリッタは前記ビームの一部を反射し、前記ビームの残りほとんどを透過することによってビームを分割するハーフミラーである。光ファイバがビームを伝達するのに用いられる時には、2つのパラレルなファイバが共に接触し、ファイバよりもたらされる光を合わせることで働く、光ファイバビームスプリッタが用いられ得る。レーザ200のそれぞれよりもたらされるコヒーレントな光のビーム5は、物体ビーム20及び参照ビーム25の2つのビームに分割される。幾つかの実施例において、物体ビーム20及び参照ビーム25のそれぞれは半波長プレート30及び偏向子35を介して方向付けられる。その他の実施例に於いて、偏向を保持する光ファイバケーブルがビームを伝達するのに用いられ、また前記ケーブルがその中心軸に対して回転可能であるならば、半波長プレート30は必要とされない。必要であれば、それぞれの物体ビームは、1つ若しくはそれより多いミラー40により反射され得る。本発明のミラー40は例えば第一の表面若しくは前面のミラーであり得る。各物体ビーム20は必要としない信号を除去する目的でローパス(low pass)空間フィルタ220を介して導かれる。ローパス空間フィルタ220は、顕微鏡物体レンズ及びピンホールを有し得る。各物体ビーム20はその時ビームシャッタ225を通過し得る。1つの実施例に於いて、ビームシャッタ225は高速な機械的アイリスシャッタであり得る。例えばそれらは写真業界で用いられる。その他の実施例では、ビームシャッタ225は液晶セル若しくは音響光学変調器結晶のような電気工学システムであり得る。更に別の実施例では、分離ビームシャッタ225を用いる代わりに、物体ビームユニット(一般的には700)に於けるSLM90が、3つの物体ビーム全てに対するシャッタとして機能し得る。シャッタ225はコンピュータ230によって制御される。物体ビーム20はその時物体ビームユニット700を介して導かれる。物体ビームユニット700中に於いて、物体ビーム20はSLM90の面に於いて収束するように導かれうる。SLM90は、それに限定するものではないが、透過LCDパネル、反射LCDパネル、光学的にアドレス指定されたLCDパネル、デジタルマイクロミラーアレイ、フィルム、映写若しくは透過伝送機構を有する。SLM90はコンピュータ230よりもたらされるビデオケーブルによって映像入力をレシーブする。加えて複数のSLMは、複数のCPUによってパラレルに生成された映像をレシーブし得る。更に、複数のSLMは記憶装置若しくはコンピュータ230の装置より映像をレシーブし得る。SLM90を通過した後、物体ビーム20はHOE115若しくはその他のシステムを通過し得る。その他のシステムとは図2〜4までに示されており、物質ビームを収束させ基本ホログラムの大きさである空域を均一に露光する目的で設計されたものである。或る実施例に於いて、HOE115は透過型ホログラムであり得る。透過型ホログラムとは基本ホログラム上へ、僅かに異なる角度で3つの異なる単色物体ビームを収束させ得るものであり、それによってどのような物体ビームからもたらされるゼロ次オーダーの光でも露光されるべく基本ホログラムと交差することを許されることなく露光される。物体ビームユニット700を通過した後、物体ビーム20はボクセル制御レンズ500を介して伝送され、媒体ホルダ300のホログラフィック記録媒体70上で基本ホログラム110を露光し得る。ホログラフィック記録媒体70は、限定されるものではないが、パンクロフォトポリマ、パンクロ若しくはモノクロハロゲン化銀写真エマルジョンニクロム酸ゲラチン若しくはその他の好適なフォトポリマであり得る。ホログラフィック記録媒体70は、ホログラフィック記録媒体を2つの方向に変換することが可能な媒体ホルダ300によって安全に支持され得る。媒体ホルダ300の動作は、コンピュータ230によって制御され得るフィルムホルダモータ制御装置305によって制御され得る。
【0039】
更に図7に示されているように、可変ビームスプリッタ205によりビームが物体ビーム20及び参照ビーム25に分割された後、それぞれの参照ビーム25はその強度がそれぞれ調整される可変減衰器210を通過する。参照ビームは、二色コンバイナ215若しくはその他の好適な光学コンバイナを通過する前に反射される。二色コンバイナは幾らかの波長を反射するがその他の波長に対してはトランスペアレントであるような、波長選択的ミラーである。図7に示された二色コンバイナ215は、3つの参照ビーム25を、ローパス空間フィルタ220を通過する前でビームシャッタ225を通過するような1つのビームへと統合する。参照ビーム25はその時、参照ビーム25がホログラフィック記録媒体70と直交する角度を制御する参照ビーム操向システム400を通過する。参照ビーム操向システムのビーム操向ミラーシステムはコンピュータ230により制御されるミラーシステムモータ制御装置455によって制御される。
【0040】
更に本発明は、個別の基本ホログラムが異なる色でプリントされることを可能とする。例えば各物質ビーム及び参照ビームの光路上にビームシャッタを配置し選択的に前記ビームシャッタを閉じることにより、或る基本ホログラムは赤色の物体及び参照ビームにより露光され、その他の基本ホログラムは緑色の物体及び参照ビームに露光され、更に別の基本ホログラムは青色の物体及び参照ビームに露光される。
【0041】
複数の基本ホログラムが同時に露光する本発明の実施例は、図8に示されている。レーザ200よりもたらされるビームは可変ビームスプリッタ205によって分割され、ミラー40により反射された後に再び追加された可変ビームスプリッタ205によって分割され、それにより2つ若しくはそれより多い物質ビーム20、及び2つ若しくはそれより多い参照ビーム25が各レーザ200より形成されることとなる。その他の実施例では、レーザ200よりもたらされるビームは、より多い物体ビーム20及びより多い参照ビーム25を形成するために更に分割される。各物体ビーム20はローパスフィルタ220及びビームシャッタ225を通過する。3つの物体ビーム20のそれぞれのセットは、ミラー40により反射され、媒体ホルダ300により支持されたホログラフィック記録媒体70に於いて基本ホログラム110を露光するためにミラー40により反射され、SLM90、HOE115、及びボクセル制御レンズ500を通過する。媒体ホルダの動作はコンピュータ230により制御されるフィルムホルダモータ制御装置により制御される。3つの参照ビーム25のそれぞれのセットは、可変減衰器210を通過し、二色コンバイナ215若しくはその他の好適なコンバイナによってビームへ統合される。2つの参照ビーム25はビームシャッタ225及びローパス空間フィルタ220を通過する。各参照ビーム25は、その時基本ホログラム110をヒットする前にビーム操向システム400を通過する。このように図8に描かれているように、複数の基本ホログラムが同時にプリントされ得る。
【0042】
様々なボクセルサイズが制御される本発明の1つの実施例が図9及び図10に示されている。図9及び図10に示されているように、この制御はSLM90及びホログラフィック記録媒体70の間の物質ビーム20の光路上にボクセル制御レンズ500が配置されることによって達成される。ボクセル制御レンズ500はホログラフィック記録媒体70に近接して配置される。ボクセル制御レンズ500は、SLM若しくは基本ホログラム110の見える地点より見られるSLMの映写された映像が、記録中に於いてホログラフィック記録媒体に比例してより明白な長い距離に於いて現れることを可能とし得る。そしてSLM90の表面に於けるサンプル映像ポイント100は、ホログラフィック記録媒体70からより遠い位置で再形成される。図10(a)はボクセル制御レンズを用いずにプリンタ中に於いてSLMの映像505がどのようにして基本ホログラム110に現れるかを示したものである。図10(b)はボクセル制御レンズ500を用いプリンタ中に於いてどのようにしてSLMの映像505が基本ホログラムに現れるかを図示したものである。図10に示されているように、ボクセル制御レンズはSLMの映像505を拡大し、映像により定められた角度αは変化しないが基本ホログラムにより定められた角度Φはボクセル制御レンズが用いられることにより角度θへと減少する。SLMの映像505とホログラフィック記録媒体70との間の距離は、ボクセル制御レンズ500の焦点距離若しくはホログラフィック記憶表面70と収束レンズ55若しくはその他の光学システムとの間の位置を変化させることによって変化され得る。その他の光学システムにはホログラフィック記録媒体70に光を収束させるための先行技術に於いて用いられてきた、図1〜3に示されるような単純なディフューザ若しくはHOEを含む。幾つかの実施例に於いて、ボクセル制御レンズ500は物体ビームユニット700の一部であり得る。
【0043】
本発明の特殊な実施例に於いて、ホログラフィック記録媒体70よりの距離を超えてボクセルサイズを完全に一定にすることが可能である。これはボクセル制御レンズ500及びSLMの実際の位置との間の距離に等しい頂点距離若しくはボクセル制御レンズを用いずにプリンタ中に於いて基本ホログラムにより見られるSLMの投影された映像の位置を備えるボクセル制御レンズ500を選択することによって達成される。そのようなボクセル制御レンズ500及び形状設計は、ホログラフィック記録媒体70に比例して無限距離に於けるSLM120を効果的に再構築し得る。SLM90上の画素95のサイズが基本ホログラム110のサイズと比較して小さい時、そのような実施例のためのボクセル140境界レンズは図6に示されているようにホログラフィック記録媒体70に近接して交差することはなく、しかしその代わり図11に示されている以外に長い距離へと広げられた線となり得る。
【0044】
しかしボクセル制御レンズ500の特徴は典型的にはボクセル制御レンズ500が無色であり3.0若しくはそれより低いfナンバーを有することが望ましいような結果に依存する。或る特殊な実施例に於いて、ボクセル制御レンズは無色であり2.4のfナンバーを有する。その他の実施例に於いて、ボクセル制御レンズは例えば0.5のようなより低いfナンバーを有する。それが視点のより大きな角度をもたらすことから、より低いfナンバーが望ましい。別の実施例ではボクセル制御レンズはモノクロではある。
【0045】
図12は本発明の更に別の実施例を示したものである。図12〜16を参照し、一般的には400である参照ビーム操向システムが、ビーム操向ミラーシステム450を参照ビーム25が基本ホログラム110へと向かって第一のビーム操向レンズ410及び第二のビーム操向レンズ405を介して向けられることに、用いられ得る。ホログラフィック記録媒体70上の基本ホログラム110は必要ならば中心軸420に対して普通の角度で傾斜され得る。
【0046】
一般的には450であるビーム操向ミラーシステムは様々な方法で具現される。或る特殊な実施例が図15に示されている。図15に於いて偏向ミラー460は第一の回転可能マウント465に固定してマウントされている。第一の回転可能マウント465が回転する時、偏向ミラー460はその中心点461を通過する第一の軸線451に沿って回転する。第一の回転可能マウント470のモータは、モータ制御装置455によって制御され、第一の回転可能マウント465を回転させる。第一の回転可能マウント470のためのモータは、支持材475に固定されて取り付けられる。第一の回転可能マウント465は、第一の軸線451に沿って回転するべくベアリング若しくはブッシングを備えた支持材475に回転可能に取り付けられる。支持体475は第二の回転可能マウント480の取付け装置によって固定して取り付けられる。第二の回転可能マウント480が回転する時、偏向ミラー460が偏向ミラー460の中心点461を通過し第一の軸線451に直交する第二の軸線452に沿って回転する。第二の回転可能マウント485のモータはモータ制御装置455によって制御され、第二の回転可能マウント480を回転させる。第二の回転可能マウントのためのモータは防震テーブル80に固定して取り付けられる。第一及び第二の回転可能マウントのためのモータ470及び485は、それに限定されるものではないがステッパモータ若しくはDCサーボモータであり得る。同一若しくは別個のモータ制御装置455はコンピュータ230により制御され、第一及び第二の回転可能マウント470及び480のためのモータを制御する。
【0047】
ビーム操向ミラーシステム450のその他の実施例はジンバルマウントに取り付けられた偏向ミラーである。図16に於いて偏向ミラー460その中心点461を通過する第一の軸線451に沿って回転するために第一の軸490に固定して取り付けられる。第一の軸490はモータ制御装置455によって制御される第一のモータのためのモータ491によって回転する。第一の軸のためのモータ491は第一のジンバルマウント494に取り付けられる。第一の軸490は第一のジンバルマウント494にベアリング若しくはブッシングによって固定して取り付けられる。第一のジンバルマウント494は第二の軸線452と一致するジンバルマウント494の直径の反対の端の第二の軸芯492に取付け装置によって固定されマウントされる。第二の軸芯492は第二の軸芯のためのモータ493によって回転され、モータ制御装置455により制御される。偏向ミラー460はその中心点461を通過し第一の軸線451と直交する第二の軸線452に沿って回転する。第二の軸芯492は第二のジンバルマウント496にベアリング若しくはブッシングによって回転可能に支持される。第一の軸芯及び第二の軸芯のためのモータ491及び493は、それに限定されるものではないが、ステッパモータ若しくはDCサーボモータであり得る。コンピュータ230により制御される同一若しくは別個のモータ制御装置455は第一及び第二の軸芯のためのモータ491及び493を制御し得る。
【0048】
図12〜16に示されるように、ビーム操向レンズ405及び410の中心軸線420は第一の軸線451及び第二の軸線452と交差し、基本ホログラムの中心を通過する。参照ビーム25は、偏向ミラー460の中心点461へ向かう。コンピュータ230はミラーシステムモータ制御装置若しくはビーム操向システム450の制御装置455を制御し、偏向ミラー460によって反射された参照ビーム25は所望の角度でホログラフィック記録媒体70上の基本ホログラム110にヒットする。偏向ミラー460は、第一のビーム操向レンズ410より第一のビーム操向レンズの焦点距離411の距離だけ離れた位置に配置される。第一のビーム操向レンズ410はその焦点距離411と第二のビーム操向レンズの焦点距離406との合計距離だけ第二のビーム操向レンズ405より離れた位置に配置される。第二のビーム操向レンズ405はその焦点距離406の距離だけホログラフィック記録媒体70より離れた位置に配置される。本発明のビーム操向システム400は参照ビーム25が異なる角度で基本ホログラム110と直交するべく操向されることを許可するものである。
【0049】
図13に示されるようにその他の実施例では、本発明のビーム操向システム400は無色若しくは単色の参照ビーム収束レンズ415を有し得る。参照ビーム25が参照ビーム収束レンズ415を通った後、ビーム操向レンズ410及び405を通過する前にビーム操向ミラーシステム450によって反射される。第一及び第二のビーム操向レンズ410及び405は、収束レンズ及び第一のビーム操向レンズ410を通過する参照ビーム25が、第二のビーム操向レンズ405の焦点面425で収束するべく配置される。加えて偏向ミラー460の図15及び16に於いて示された中心点461は、第一のビーム操向レンズ410より第一のビーム操向レンズの1つの焦点距離411の距離だけ離れた点に配置される。更には、露光する基本ホログラム110は第二のビーム操向レンズ406の焦点距離の1つ分の長さで第二のビーム操向レンズ305より離れた地点に配置される。
【0050】
その他の実施例に於いて図14に示されるように本発明のビーム操向システム400は、参照ビームマスキングプレートを必要としないビーム操向開口430を有し得る。或る実施例に於いて参照ビーム25は基本ホログラム110が露光する空間の開口を有するビーム操向開口430を通過する。参照ビームはそれを拡大若しくは縮小するレンズを通過する時、ビーム操向開口430は、露光すべき基本ホログラムに交差する参照ビームの断面が基本ホログラムのそれと同様の大きさ及び形を有するように大きさが決められる。参照ビーム25は2つの開口中継レンズ435を通過し、ビーム操向ミラーシステム450の図15及び図16に示された偏向ミラー460によって反射され、第一のビーム操向レンズ410を通過し、第二のビーム操向レンズ405を通過し、露光すべき基本ホログラム110と交差する。ビーム操向開口430は開口中継レンズの1つの焦点距離の長さだけ開口中継レンズ435より離れた位置に配置される。開口中継レンズ435は開口中継レンズの焦点距離436の2つ分の距離だけ互いに離れて設置される。図15及び16に示されている偏向ミラー460の中心点461は開口中継レンズの焦点距離436の1つ分の距離だけ参照ビームが通過する第二の開口中継レンズ435より離れて配置されている。
【0051】
参照ビーム操向システム400のその他の実施例が、図17、18、及び21に示されている。この実施例に於いて、光学結合レンズ670はビームシャッタを通過してきた参照ビーム25を光ファイバケーブル650の光ファイバ末端部660へと導く。光ファイバケーブル650は参照ビーム25を第二のビーム操向レンズ405の焦点面425に配置された光ファイバ先端部へと伝達する。参照ビーム25はビーム操向レンズ405を介して基本ホログラム110へと向かう。ビーム操向レンズ405は第二のビーム操向レンズの焦点距離406の1つ分の距離だけ露光すべき基本ホログラム110より離れた位置に配置される。光ファイバ先端部655は一般的には600で示される変位システムによって変位させられる。
【0052】
図19は参照ビーム操向システム400の別の実施例について示したものである。この実施例に於いてそれぞれ異なる色である3つの参照ビーム25は3つの光ファイバケーブル650の3つの光ファイバ末端部660へ向かって3つの光学結合レンズ670により導かれる。光ファイバケーブル650は参照ビーム25を光学結合ユニット640へと向かわせるべく光ファイバ先端部655に送る。光結合ユニット640は2つの二色コンバイナ215及びその他の好適な光学コンバイナを有し得る。コンバイナは3つの参照ビーム25を1つの参照ビーム25へと統合する。光学コンバイナユニット640はビーム操向レンズ405の図17に示された焦点面425に配置される。単一参照ビーム25は光学コンバイナユニット640よりもたらされ、基本ホログラム110へ向かってビーム操向レンズ405へ通過する。ビーム操向レンズ405は、ビーム操向レンズの焦点距離406の1つ分の距離で露光すべき基本ホログラム110より離れて配置される。光学コンバイナユニット640は第二の可動支点622に固定されたプラットホーム630に固定される。
【0053】
その他の実施例に於いて3つの参照ビーム25は光ファイバケーブル650により光学コンバイナユニット640へと伝達される。単一の参照ビーム25は光学コンバイナユニット640より出力され、変位システム600へ取り付け装置により取り付けられ支持された単一の光ファイバケーブル650へと光学結合レンズ670によって導かれる。単一の光ファイバケーブル650の光ファイバ先端部655は、ビーム操向レンズ405の焦点面425に配置される。
【0054】
更に別の実施例に於いて3つの参照ビーム25は光ファイバケーブル650により光学コンバイナユニット640へ伝達される。単一の参照ビーム25は光学コンバイナユニット640より出力され、変位システム600に固定された単一光ファイバケーブル650へ向かい光学結合レンズ670によって導かれる前に、ビームシャッタ225を通過する。光ファイバケーブル650の先端部655はビーム操向レンズ405の焦点面425に配置されている。図18及び図19に示されている変位システム600は直交する2つの方向に変位可能である。前記変位システムはX軸方向の変位ステージ及びY軸方向の変位ステージを有する。
X軸方向の変位ステージ680の図示された実施例は、第一の末端プレート608にブッシング、ベアリング、若しくはその他の回転可能な手段によって回転可能に支持され、第一の末端プレート608の1つに固定された第一の主ねじのためのモータ604によって前記主ねじの軸線601に沿って回転可能であり得る第一の主ねじ602を有する。2本の第一ガイドバー610は第一末端プレート608に固定され、それは第一主ねじ601の軸線に対して平行に設けられる。2本の第一ガイドバー610は第一可動支点612中の2つの孔を通過する。第一主ねじ600は第一の可動支点中の孔を通過する。つまりX軸方向移動ステージ680のこの実施例に於いて、第一の主ねじ602がそのために設けられたモータ604に沿って回転させられる時、第一の可動支点612は第一主ねじの軸線601に沿って移動し得る。
【0055】
Y軸方向の移動ステージ680の図示された実施例には第二の末端プレート614にブッシング、ベアリング、若しくはその他の回転可能手段によって回転可能に支持され第二の末端プレート614の1つにマウントされた第二の主ねじのためのモータ620によって第二の主ねじ618の軸線617に対して回転し得る第二の主ねじ618を有する。その他の第二の末端プレート614は第一の可動支点にマウントされ、第二の主ねじの軸線617は第一の主ねじの軸線601に直交する。2本の第二のガイドバー616は第二の末端プレート614に固定され、第二のガイドバー616は第二主ねじの軸線617に平行に備え付けられている。2本の第二のガイドバー616は第二可動支点622中で2つの孔を通過する。第二の主ねじ618は、第二の可動支点622中の孔を通過する。それ故Y軸方向移動装置690の本実施例に於いては、第二の主ねじ618がそのために設けられたモータによって回転される時、第二の可動支点622が第二の主ねじの軸線617に沿って移動する。
【0056】
第一及び第二の主ねじのためのモータ604及び620は、限定されるものではないが、ステッパモータ、DCサーボモータ、若しくはリニアモータであり、コンピュータ230により制御され得る主ねじのためのモータのモータ制御装置606により制御され得る。
【0057】
タイプや焦点距離及びビーム操向レンズの数が変化し得るにも関わらず、幾つかの実施例に於いて、ビーム操向レンズが無色でありまた約3.0若しくはそれより少ないfナンバーを有することが望ましい。その他の実施例に於いては、ビーム操向レンズが無色で共集点f−θレンズであることが望ましく、それらはフラットフィールドレーザスキャンレンズとしてもまた知られている。同様の実施例に於いて、参照ビームのより広いレンズを許容するためにより低いfナンバーのレンズを有することもまた望ましい。或る特殊な実施例に於いては、ビーム操向レンズを有し、無色で約1.0のfナンバーを有することが望ましい。加えてビーム操向レンズは別の実施例に於いては単色であり得る。
【0058】
本発明のビーム操向システムは、ある角度からの照明ソースによって照らし出された場合、特定のイメージをディスプレイし、別の角度から照らし出された場合、別のイメージをディスプレイするホログラフィックステレオグラムを作り出すのに用いられる。例えば、SLM上の特定の映像と共に条件付けられた物体ビーム及び特定の角度の参照ビームによって基本ホログラムが露光された後、基本ホログラムはSLM上のその他の映像と共に条件付けられた物体ビーム及びその他の角度の参照ビームを露光される。加えて、ホログラフィック記録媒体上の基本ホログラムの組み合わせは、特定の角度の参照ビームによって露光され、それに対して、基本ホログラムのその他の組み合わせは異なる角度の参照ビームによって露光される。このように、本発明のプリンターは、照明ソースの角度に依存して異なる映像をディスプレイするホログラフィックステレオグラムを生成することが可能となる。さらには、ビーム操向システムを備えた同様のプリンターが、それぞれが異なる参照角度を有する複数のホログラフィックステレオグラムを生成するのに用いられ得る。よって、それぞれの映像は、正しい角度の照明ソースによって照らし出されるときにのみ現れる。そのような複数のホログラフィックステレオグラムが互いの上部に設けられている場合、異なった映像が、映像ソースがホログラフィック記録媒体と交差する角度を単純に変更することによってディスプレイされ得る。
【0059】
本発明のその他の実施例では、図20に示されるように、フルカラーのホログラフィックステレオグラムを生成するべく複数のSLM90が用いられる。図20においてXの形態をとる二色コンバイナ215もしくはその他の好適な光学コンバイナが、一つの物体ビームが赤であり、別の物体ビームが緑であり、また別の物体ビームが青であるような3つの物体ビーム20の組み合わせで用いられ得る。3つの物体ビーム20は、3つの独立したグレースケールSLM90を介して導かれる。本発明の一つの実施例において、SLMは、LCDパネルの最終的な大きさがほぼ10cm×10cmであり、1280×1024画素の高解像度LCDパネルである。しかし、より小さなLCDパネルが用いられ得る。例えば、画素数が同じもしくはそれより少ないが、大きさにおいては2センチ×2センチ、もしくはそれより小さいLCDパネルが用いられ得る。
【0060】
図20及び図21に示された実施例において、ビームシャッター225を通過した後、物体ビーム20は、光学結合レンズ670を介して光ファイバの末端660で収束するべく導かれる。物体光20はシングレットレンズ705の焦点面に配置された光ファイバ先端部655へと光ファイバケーブル650により伝送される。物体ビーム20はシングレットレンズ705の焦点面を通過し、必要ならばミラー40により反射され、また光に特異的なSLM90及び帯域限定ディフューザ45を通過する。シングレットレンズ705は、物体ビーム20を拡大し及び平行にし、物体ビーム20は、より均等にSLM90を照らし出しうる。物体ビーム20は、そのときXの形態をとる2枚の二色コンバイナ215を用いる光学コンバイナユニット640もしくはその他の光学コンバイナへ、3つの物体ビーム20を単一のビームへと混合するために導く。単一の物体ビーム20はその時、第一の映写レンズ715及び画素を備えたSLMディスプレイに起因する画素、もしくはコース上の人工物のような高周波数映像構成要素であるが限定されはしない、望まれない構成要素を取り除くフーリエ変換フィルタ710を通過しうる。物体ビーム20はそのとき、第二の映写レンズ720及び収束レンズ55を通過する。第一の映写レンズ715は、SLMの映像が全て第一の映写レンズの焦点面に位置するように配置される。フーリエ変換フィルタ710は第一の映写レンズ及び第二の映写レンズの両方の焦点面において配置される。収束レンズ55は、焦点面が露光される基本ホログラムにおいてホログラフィック記録媒体70と交差するように配置される。物体ビームユニット700のその他の実施例において、第一及び第二の映写レンズ715及び720、またフーリエ変換フィルタ720は用いられない。物体ビームユニット700のさらに別の実施例において、ボクセル制御レンズ500は、物体ビームユニット700中に含まれ、ホログラフィック記録媒体70に近接して配置される。
【0061】
本発明の別の実施例において、媒体ホルダ300は、ホログラフィック記録媒体70を変位させることに用いられ得る。図22〜図25に示されるように、媒体ホルダ300はY軸方向変位ステージ690に取り付けられ、X軸方向変位ステージ680に取り付けられたフレーム324を有する。
【0062】
図22〜図25に示されるように、Y軸方向変位ステージ680の実施例は、第一ホルダ誘導ロッド306が固定されている第一ホルダ末端プレート302を有しうる。第一ホルダの主ねじ308及び第一ホルダの駆動主ねじ309は、第一ホルダ末端プレート302に、ブッシングもしくはベアリングもしくはその他の好適な手段を用いて回転可能に支持される。第一ホルダの主ねじ308及び第一ホルダの誘導ロッド306は、第一ホルダの駆動主ねじ307の軸線に平行にされている。第一ホルダ駆動主ねじ309は、コンピュータ230により制御されたホルダモータ制御装置305により制御される第一駆動主ねじのためのモータ310によって回転させられる。前記モータ310はまた、タイミングベルトもしくはその他の連結を備えた主ねじ308及び309を共に駆動する。加えて、2つのモータ310は、各々主ねじへ接続され、主ねじを駆動させる。主ねじ309を駆動させる第一のホルダは、第一ホルダ可動支点312で支持されるねじこみを通過する。二つの第一ホルダ誘導ロッド306は、第一ホルダ駆動主ねじ309に近接し、同一の第一ホルダ可動支点312に於ける孔を通過する。第一ホルダの主ねじ308は、別の第一ホルダ駆動支点312においてねじ穴を通過し、二つの第一ホルダ誘導ロッド306は第一ホルダの主ねじ308に近接し、同様の第一ホルダ可動支点312において孔を通過する。
【0063】
X軸方向変位ステージ680の実施例は、図22から図26に示されているように、第二ホルダの主ねじ318と第二ホルダ末端プレート314にブッシング、ベアリング、もしくはその他の好適な手段と共に回転可能に取り付けられた第一ホルダ駆動主ねじ319を有する。第二ホルダ駆動主ねじ317の軸線は、第一ホルダ駆動主ねじ307の軸線と直交する。第二ホルダの主ねじ318及び第二ホルダの誘導ロッド316は、第二ホルダの駆動主ねじの軸線317と平行である。第二ホルダの駆動主ねじ319は、コンピュータ230により制御されたホルダモータ制御装置305により制御される、第二ホルダ駆動主ねじのためのモータ320によって回転させられる。第二ホルダ駆動主ねじ319は、第二ホルダ駆動支点322でねじ穴を通過する。二つの第二ホルダ誘導ロッド316は、第二ホルダ駆動主ねじ319に近接し、同一の第二ホルダ駆動支点322中において孔を通過する。第二ホルダの主ねじ318は、別の第二ホルダ駆動支点322のねじ穴を通過し、二つの第二ホルダ誘導ロッドは、第二ホルダの主ねじ318に近接し、同一の第二ホルダ可動支点322において孔を通過する。
【0064】
図22及び23に示されるように、X軸方向変位ステージ680は、Y軸方向変位ステージ690にマウントされている。一つの実施例において、第一ホルダの可動支点312は、第二ホルダの末端プレート314に固定されている。第二ホルダの可動支点322は、フレーム324に固定されている。第二のフレーム324は、限定するものではないが、締め金、留め金、ねじ、及びベルトを有する取り外し可能な連結器325によって第一のフレーム324へと締め付けられている。ホログラフィック記録媒体は、二つの取り外し可能な結合フレーム324の間で支持されている。別の実施例で、ホログラフィック記録媒体の自然な粘着特性が、フレーム324に保護されるトランスペアレントなプレートの一方の面において媒体を保持しうる。フレーム324は、応力緩和アルミニウム、応力緩和チタン、または合成物、もしくはその他の硬質で強固で重量の軽い物質から構成される。
【0065】
図23に示されるように、物体ビームユニット700及び参照ビーム操向システム400はベース326に固定される。
【0066】
図24及び図25に示されるように、一つもしくはそれより多い物体ビームユニット700は、X軸方向変位ステージ680の第二ホルダ可動支点322に固定されたユニットマウント328に固定され得る。同様に、一つもしくはそれより多い参照ビーム操向システム400は、別のX軸方向変位ステージ680のその他のホルダ可動支点322に固定された、その他の第二ユニットマウント328に固定され得る。加えて、いくつかの実施例において、フレーム324はY軸方向変位ステージ690の第一可動支点312に固定され得る。これにより、いくつかの実施例において、二つのフレーム324の間に締め付けられたホログラフィック記録システムは垂直方向に変位するが、それに対し物体ビーム700及び参照ビーム操向システム400は水平方向に変位する。
【0067】
図24に示された実施例において、ホルダモータ制御装置305によって制御される2つのモータ320は、X軸方向変位ステージ680の第二ホルダ駆動主ねじ319を駆動させる。図25に示された別の実施例において、第二ホルダ駆動主ねじ319の一つに固定されたベルトマウント332に連結されたタイミングベルト330と共に、一つのモータ320はX軸方向変位ステージ680の第二ホルダ駆動主ねじ319の両方を駆動させる。
【0068】
図26に示されたその他の実施例において、物体ビームユニット700及び参照ビーム操向システム400は、X軸方向変位ステージ680の第二ホルダ可動支点322に接続されたユニットマウント328に接続される。ホログラフィック記録媒体70は、ローラ342及び344と共に、Y軸ローラシステム350によって垂直に変位する。ホログラフィック記録媒体70は、上部ローラ342及び下部ローラでラップ(wrap)される。上部及び下部ローラ342及び344は、ローラの末端プレート340の間でブッシング、ベアリング、もしくはその他の好適な手段により回転可能に支持される。上部ローラ342は、コンピュータ230により制御されたモータ制御装置305により制御されるローラ346のためのモータにより回転される。
【0069】
変位システムの様々な実施例において用いられるモータは、それに限定するものではないがステッパーモータである。
【0070】
図23〜図26に示されるように基本ホログラムの同時若しくはパラレルなプリントが存在し得る。幾つかの実施例に於いて、プリンタは物体ビームユニット及び参照ビーム操向システムを含み、それらはY軸方向変位ステージに取り付けられたX軸方向変位ステージを備えた変位システムに取り付けられる。そのようなシステムに於いて、物体ビームユニット及び参照ビーム操向システムが基本ホログラムのアレイを記録する目的で変位システムによって移動するのに対して、ホログラフィック記録媒体は固定される。
【0071】
別の実施例に於いて、複数のホログラフィック記録媒体70の層は媒体ホルダ300によって支持され得る。加えてそれぞれの層は光の特定の波長に対して特に反応する。
【0072】
本発明の別の実施例に於いて提供された物質ビームのために、帯域限定ディフューザ45及び参照ビームマスキングプレート65の適切な組み合わせは特定の大きさ若しくは特定の形状の基本ホログラム110の均一な露光の余地があり、露光される傾向のある基本ホログラム110の一部ではないホログラフィック記録媒体70の露光部分を妨げるべく構成される。図27(a)、(b)、及び(c)に示されるように、帯域限定ディフューザ45及び参照ビームマスキングプレート65の適切な組み合わせは、異なる大きさ若しくは形状の基本ホログラム110の露光を可能とするべく構成される。帯域限定ディフューザ45及び参照ビームマスキングプレート65のセットが、全てのセットの帯域限定ディフューザ45が同一の外寸を有し、またホログラムプリンタ中に於いて同一位置に配置され得るように、また全てのセットに於ける参照ビームマスキングプレート65が同一の外寸を有しまたホログラムプリンタ中に於いて同一位置に配置され得るために構成される時、それらのセットはプリントされた基本ホログラムのサイズを容易に交換され得る。そのように帯域限定ディフューザ45及び参照ビームマスキングプレート65のマッチドセットはその他のセットと置き換えることが可能であり、より大きい基本ホログラムや、より小さい基本ホログラムや、若しくは形状の異なった基本ホログラムをプリントすることが可能となる。図27(b)に於いて示されるように帯域限定ディフューザ45はねじ込みフレーム515中に収容されたプレート510上にマウントされ得る。プレート510は抗反射コーティングを施したガラスのトランスペアレントシートであり得る。ねじ込みフレーム515はベース526及びねじ込みリング520を有する位置調節装置525にねじ込まれる。位置調節装置520は3つの調整可能なねじ530によって各々垂直に変位調整可能である。図27(c)に於いて示されるように、参照ビームマスキングプレート65はねじ込みプレートフレーム560の内部に収容され得る。ねじ込みプレートフレーム560は、ねじ込み位置調整装置565にねじ込まれ得る。
【0073】
フルカラーの実施例は、図7、8、19及び21に示されている。別の実施例においては、3本の異なる色のレーザを有するフルカラープリンタと、限定的ではないが例えばレーザから出射される3本のビームを結合するような二色コンバイナ等の光学コンバイナと、フルカラーSLMと、フルカラーホログラフステレオグラムをプリントするための色消し光学素子とが含まれる。また別の実施例においては、3本の異なる色のレーザを有するカラープリンタと、3つの帯域制限ディフューザ、3つのグレースケールSLM及び光学コンバイナを用いて3本の参照ビームを結合するような物体ビームユニットと、例えば色消しレンズのようにプリンタによって生成されたフルカラービームを操作或いは条件付けするような色消し光学素子と、3本の参照ビームを1本の結合フルカラー参照ビームに結合するような光学コンバイナとが含まれる。また、3本の異なる色のレーザを有するフルカラープリンタと、3本の異なる色の参照ビームを1本の結合フルカラー参照ビームに結合し且つ結合された物体ビームを基本ホログラム上に均等に分布させるようなHOEを有する物体ビームユニットと、3本の参照ビームを1本の結合フルカラー参照ビームに結合するような光学コンバイナと、フルカラービームを操作或いは条件付けするような色消し光学素子とを有する実施例もある。
【0074】
また或る側面においては、動画をなす、1ステップ、フルパララックスのホログラフィックステレオグラムを製造する方法が含まれる。ある実施例においては、多層視野領域或いは細分視野領域を用いる過程が含まれ、これらの視野領域は通常、動画をなす対象或いは異なるイメージを異なる視野領域を介して表示させることができるような、1ステップ、フルパララックスのホログラフィックステレオグラムを作り出すような静止画像即ちフルパララックスホログラフィックステレオグラムを製造するために必要ないものである。視野領域は通常、ホログラフィック記録媒体から離間して位置する平面領域であり、ホログラフィック記録媒体面において平面を見るような観察者の目は、基本ホログラムのアレイによって作り出されたホログラフィックイメージを見ることができる。従って、視野領域は、ホログラムの前面のウインドウに類似している。しかしながら、視野領域は平面であるよりもむしろ連続した点から構成されることもある。各基本ホログラムに対して3次元の対象或いは情景の視野を決定するような1ステップ、フルパララックスのホログラフィックステレオグラムを生成するような従来の技術とは異なり、露光プリンタは、観察者が各視野領域内で見ることができるであろう対象或いは情景の視野を決定することにより、動画をなす、1ステップ、フルパララックスのホログラフィックステレオグラムを生成する。
【0075】
図28〜31を参照されたい。SLMのイメージ505(図10(b)に図示)がホログラフィック記憶媒体の表面から無限距離の位置に出現するようにボクセル制御レンズ500を用いていると仮定すると、動画をなすホログラフィックステレオグラムが、ホログラフィック要素又は、異なるイメージを異なる視野領域に表示するようなホログラフィックステレオグラムを形成するためのステップは以下の通りである。
1)ホログラフィックステレオグラムのサイズ及び形状の選択、及び基本ホログラムのサイズ及び形状の選択。
2)所望効果の選択。効果の一例としては、観察者が変位する際の対象或いは情景の方向の変化(例えば位置又は回転)がある。或いは別の効果としては、観察者が変位する際の対象或いは情景の形状又は色の変化が挙げられる。
3)完成したホログラフィックステレオグラムについての参照照明幾何学的形状の選択。
4)ホログラフィック記録媒体に対する視野領域の形状、サイズ及び位置の選択。視野領域の平面においては、観察者は、視野領域の平面以外において見る場合に比べて、ホログラフィックステレオグラムが示す対象或いは情景間における変位をより鮮明に見ることができる。従って殆どの観察者が位置するような、ホログラフィック記録媒体から離間した位置を視野領域の位置として選択することが望ましい。
5)対象或いは情景、又はホログラフィックステレオグラムによって表示されるべき対象或いは情景の属性の選択。
6)生成されるホログラフィックステレオグラムによって表示されるような対象のホログラフィックイメージのホログラフィック記憶媒体に対する位置及び配置(即ちイメージの位置がホログラフィック記録媒体の前面なのか、後面なのか、或いはホログラフィック記録媒体にまたがって位置するのか)の選択。
7)コンピュータ230を用いた、対象或いは情景が伝統的なコンピュータグラフィックの技術及びプログラムを用いて行う各視野領域についてのコンピュータモデル及びモデル属性の形成。例えば、1つの視野領域805からしか見えないような835で示される対象Aのコンピュータモデルの形成、及び別の視野領域810からしか見えないような840で示される対象Bのコンピュータモデルの形成。
8)ホログラムプリンタの設定。例えば、ホログラフィック記録媒体70(図7に図示)の媒体ホルダ300(図7に図示)への装着、ビームシャッター225(図7に図示)と、モータコントローラ305と、455で示されるSLM90である(図7に図示)と、ビーム操向システム400(図7に図示)の較正及び初期設定、コンピュータグラフィックプログラム及びコンピュータ230(図7に図示)の初期設定が挙げられる。
9)1ステップ、フルパララックスのホログラフィックステレオグラム即ちホログラフィックステレオグラムにおける、各基本ホログラム110に対するコンピュータ230を用いた以下の操作。
A)基本プログラム110の境界線からの各視野領域805及び810の境界線を通過する線の投射。典型的なプリンタにおいて、SLMは基本ホログラムを露光する時に通常基本ホログラムの前に集中するので、基本ホログラムがボクセル制御レンズを通して見るようなSLMの仮想イメージも、図29に示されるように通常基本ホログラムの前に集中する。投射線は、図30に示されるように、SLMイメージの仮想2次元イメージ505(図10(b)に図示)と交差する。基本ホログラムは、投射線によって結合されるような815或いは820等のSLMの仮想イメージの部分しか見ることができない。図30に示されているように、投射線はマスクボリューム825、830を画定するが、これは与えられる視野領域に対して基本ホログラム毎に異なってよい。
B)例えば825のような、基本ホログラム110に対する所望の視野領域マスクボリュームについて、限定的ではないが例えば、光線追跡、走査線変換等の伝統的なレンダリング技術を用いて、基本ホログラムの斜視図からコンピュータグラフィックモデルのSLMの仮想イメージ505の一部分上への対象835または情景840の投射の完全な2次元のイメージを生成するために行うような、投射されたマスクボリューム825により取り囲まれた対象または情景(図30に図示)の適当なコンピュータモデルの一部のレンダリング。例えば、仮にある人がマスクボリューム825の内部から特定の基本ホログラムを見るとしたら、A対象835のみが見られる。マスクボリューム825からB対象840は見えない。従って、マスクボリューム825内の観察者には、SLMの仮想イメージの下部は見えない。同様に、仮にある人がマスクボリューム830の内部から特定な基本ホログラムを見るとしたら、B対象840のみが見える。マスクボリューム830からA対象835は見えない。従って、マスクボリューム830内の観察者には、SLMの仮想イメージの上部は見えない。
C)基本ホログラムが全ての視野領域805及び810についてのレンダリングを完了する時の、視野領域に対するレンダリングされたイメージの組合せ。
D)視野領域805及び810に対してレンダリングされたイメージの組合せをSLM70上に表示し、光を所定時間ビームシャッター225に通過させて基本ホログラムを露光する。
E)他の基本ホログラムが露光されるように触媒ホルダを変位させる。
F)全ての基本ホログラムが露光されるのでAからEまでのステップを繰り返す。
【0076】
或る実施例では、基本ホログラムをホログラフィック記録媒体に露光させる前に複数の基本ホログラムに対するレンダリングが完了する。
【0077】
また或る実施例では、視野を変化させるようなホログラフィックステレオグラムを生成する方法と同様な方法を用いて、ホログラフィック光学要素(HOE)を生成する。例えば、発散する白色光を一点に収束させるレンズのような役割を果たすHOEを生成したい場合には、上記の視野領域の方法と同様の方法を用いて、但し視点を視野領域よりも光の焦点を合わせるべき位置に決定することによって、HOEを生成するとよい。或いは、与えられたボクセルの正確なサイズ、形状及び位置を用いて白色コンピュータグラフィック対象を決定し、そのような対象のホログラフィックステレオグラムをプリントすることによってもHOEを生成することができる。
【0078】
或る実施例においては、同一のコンピュータ230が、ビームシャッターを制御するモータと、ビーム操向ミラーシステムのモータコントローラと、変位システムのモータコントローラとを制御するようにプログラムされ、コンピュータグラフィックの生成及びレンダリングを管理し、SLMのディスプレイを制御する。また別の実施例においては、同一のコンピュータが動画をなすために必要な計算をすることもある。コンピュータ230を、両端が直列または並列の通信ポートに接続されているケーブルを介して、ビームシャッター、ビーム操向用のシステムのモータコントローラ及びSLMに接続することも可能である。ケーブルの一端はコンピュータの通信ポートに接続され、ケーブルの他端はコンピュータに制御される装置に接続される。或いは、マルチプルコンピュータ230が用いられることもある。
【0079】
本発明の方法及び装置について図面と併せて実施例を説明してきたが、本発明の概念、精神及び範囲から逸脱することなく、例えば限定的ではないが異なる組合せのレンズを設定するような改変を加えて実施することができることは、当業者であれば容易に理解できよう。当業者に自明な全ての置換及び部分的な変更は、本発明の請求項によって画定されるような発明の概念、精神及び範囲に含まれるものと考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラフィックステレオグラムをプリントするための装置であって、
コヒーレントビームを発生するべく構成された光源と、
前記コヒーレントビームを物体ビーム及参照ビームに分割するべく構成されたビームスプリッタと、
基本ホログラムを有するホログラフィック記録媒体を保持するべく構成された媒体ホルダと、
レンダリングされたイメージを表示し、前記レンダリングされたイメージに応じて前記物体ビームを加工するべく構成された物体ビームユニットと、
前記ホログラフィック記録媒体上の選択された基本ホログラムにて前記物体ビームと干渉するように前記参照ビームの向きを定め、その選択された基本ホログラムへの前記参照ビームの入射方向を、二自由度で制御するべく構成された参照ビーム操向システムと、
前記物体ビーム及び参照ビーム間の干渉並びに前記レンダリングされたイメージの前記物体ビームユニットへの送り出しを制御するべくプログラムされたコンピュータとを有することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記物体ビームユニットが、前記ビームの光路内に設けられた帯域制限ディフューザ及び前記物体ビーム内の光路内の設けられた収束レンズとを有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記物体ビームユニットが、
複数の物体ビームを発生するべく構成された複数の光源と、
それぞれ対応する物体ビームを伝達するべく構成された複数の光ファイバケーブルと、
前記各物体ビームの光路内に配置された単一のレンズ、SLM及び帯域制限ディフューザと、
前記複数の物体ビームを、混合物体ビームに混合するべく構成され、前記複数の物体ビームのそれぞれの光路内に配置された光学コンバイナユニットと、
前記混合物体ビームを、前記選択された基本ホログラムに交差する方向に向ける手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記物体ビームユニットが、前記ホログラフィック記録媒体に近接して設けられたボクセル制御レンズを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記コンピュータが、前記物体ビームユニットに送り出された前記イメージをレンダリングすべくプログラムされた少なくとも1つのCPUを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記物体ビームユニットが複数のSLMを含み、前記SLMが、前記少なくとも1つの記憶装置からレンダリングされたイメージを受け取るべく構成されたことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ビーム操向ミラーシステムが、
中心点、前記中心点を通過する第一の軸線、及び前記第一軸線に対して直行し、かつ前記中心点を通過する第2の軸芯を有するミラーと、
前記ミラーを前記第一の軸芯廻りに回転するべく構成され、前記ミラーを支持する第一のマウントと、
前記ミラーを前記第二の軸線廻りに回転させるべく構成され、前記第一のマウントを支持する第二のマウントとを有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
ホログラフィックステレオグラムをプリントするための装置であって、
コヒーレントビームを発生するべく構成された光源と、
前記コヒーレントビームを物体ビーム及び参照ビームに分割するべく構成されたビームスプリッタと、
基本ホログラムを有するホログラフィック記録媒体を保持するべく構成された媒体ホルダと、
レンダリングイメージを表示し、前記レンダリングイメージを用いて前記物体ビームを加工するべく構成された物体ビームユニットと、
前記ホログラフィック記録媒体上の選択された基本ホログラムにて前記物体ビームと干渉するように前記参照ビームの向きを定め、その選択された基本ホログラムへの前記参照ビームの入射方向を、二自由度で制御するべく構成された参照ビーム操向システムと、
前記ホログラフィック記録媒体に近接して前記物体ビームの光路上に配置された取り外し可能なボクセル制御レンズと
前記参照ビームと前記物体ビームとの間の干渉及び前記レンダリングイメージの前記物体ビームユニットへの送り出しを制御するべくプログラムされたコンピュータとを有することを特徴とする装置。
【請求項9】
ホログラフィックステレオグラムをプリントするための装置であって、
各々が異なる色のコヒーレントなビームを生成するべく構成された複数の光源と、
前記複数のビームを混合ビームへと混合するべく構成された光学コンバイナと、
前記コヒーレントビームを物体ビーム及び参照ビームに分割するべく構成されたビームスプリッタと、
色を記録し、基本ホログラムを有するホログラフィック記録媒体を保持するべく構成された媒体ホルダと、
レンダリングイメージを表示し、前記レンダリングイメージを用いて前記物体ビームを加工するべく構成された物体ビームユニットと、
前記ホログラフィック記録媒体上の選択された基本ホログラムにて前記物体ビームと干渉するように前記参照ビームの向きを定め、その選択された基本ホログラムへの前記参照ビームの入射方向を、二自由度で制御するべく構成された参照ビーム操向システムと、
前記参照ビームと前記物体ビームとの間の干渉及び前記レンダリングイメージの前記物体ビームユニットへの送り出しを制御するべくプログラムされたコンピュータとを有することを特徴とする装置。
【請求項10】
ホログラフィックステレオグラムをプリントするための装置であって、
各々が異なる色のコヒーレントなビームを生成するべく構成された複数の光源と、
前記コヒーレントビームを物体ビーム及び参照ビームに分割するべく構成されたビームスプリッタと、
前記参照ビームを一つの混合参照ビームへと混合するべく構成された光学コンバイナと、
色を記録可能なホログラフィック記録媒体を保持するべく構成された媒体ホルダと、
前記物体ビームを混合して一つの混合物体光を生成するべく構成された物体ビームユニットと、
前記ホログラフィック記録媒体上の選択された基本ホログラムにて前記物体ビームと干渉するように前記混合参照ビームの向きを定め、その選択された基本ホログラムへの前記混合参照ビームの入射方向を、二自由度で制御するべく構成された参照ビーム操向システムと、
前記混合参照ビームと前記混合物体ビームとの間の干渉及び前記レンダリングイメージの前記物体ビームユニットへの送り出しを制御するべくプログラムされたコンピュータとを有することを特徴とする装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27a】
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【図27b】
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【図27c】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2010−217928(P2010−217928A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151656(P2010−151656)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【分割の表示】特願2000−582854(P2000−582854)の分割
【原出願日】平成11年6月21日(1999.6.21)
【出願人】(501198730)ゼブラ・イメージング・インコーポレイテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】ZEBRA IMAGING INC.
【Fターム(参考)】