説明

フローティング型コネクタ

【課題】コンタクトが嵌合方向に塑性変形することを防止可能なフローティング型コネクタを提供する。
【解決手段】可動側ハウジング20と、可動側ハウジング20を移動可能に受容する固定側ハウジング10と、レセプタクル側コンタクト30とを有して構成され、レセプタクル側コンタクト30が固定側ハウジング10と可動側ハウジング20とに跨って取り付けられた状態で弾性変形することにより、固定側ハウジング10に対して可動側ハウジング20が移動可能であり、可動側ハウジング20は、移動範囲規定受容部12dおよび移動範囲規定突出部23により固定側ハウジング10に保持されて受容されており、移動範囲規定受容部12dおよび移動範囲規定突出部23は、可動側ハウジング20がプラグコネクタとの嵌合方向に対して直交する面に沿って移動することを許容しつつ、可動側ハウジング20が嵌合方向に所定移動量を越えて移動することを規制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に対して固定された固定側ハウジングと相手方コネクタと嵌合する可動側ハウジングとを有し、可動側ハウジングが固定側ハウジングに対して移動自在な構成とすることにより、相手方コネクタとの嵌合結合時にコネクタが装着された基板同士に位置ずれがあった場合でも、これを吸収してコネクタ同士を確実に結合させることができるように構成されたフローティング型コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなフローティング型コネクタと称されるコネクタは、例えば基板に固定された固定側ハウジングと相手方コネクタと嵌合する嵌合部を有した可動側ハウジングとを有し、コンタクトが固定側ハウジングと可動側ハウジングとの双方に跨って保持された構成となっている。可動側ハウジングは、コンタクトの弾性力により固定側ハウジングに対して移動自在であるため、例えば基板に固定された相手方コネクタとの嵌合結合時に、フローティング型コネクタが装着された基板と相手方コネクタが装着された基板との間に位置ずれがあった場合でもこれが吸収され、相手方コネクタと容易に結合させることができるようになっている。
【0003】
このフローティング型コネクタの一例が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたフローティング型コネクタは、可動側ハウジングがコンタクトを介して固定側ハウジングに取り付けられ、コンタクトに形成された可動部が弾性変形することにより、固定側ハウジングに対して可動側ハウジングが、相手方コネクタとの嵌合方向およびこの嵌合方向に対して直交する面内で移動自在となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4546469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、フローティング型コネクタと相手方コネクタとが嵌合された状態において、相手方コネクタを嵌合方向に引くことでフローティング型コネクタ(可動側ハウジング)から相手方コネクタが抜去される。ここで、特許文献1のように、固定側ハウジングに対して可動側ハウジングが、相手方コネクタとの嵌合方向およびこの嵌合方向に対して直交する面内で移動自在に構成されている場合、基板同士の位置ずれを吸収可能ではあるが、一方で、可動側ハウジングから相手方コネクタが抜去される際に相手方コネクタと一緒に可動側ハウジングおよびコンタクトが嵌合方向に大きく引っ張られ、その結果コンタクトが塑性変形する虞があるという課題があった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、コンタクトが嵌合方向に塑性変形することを防止可能なフローティング型コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るフローティング型コネクタ(例えば、実施形態におけるレセプタクルコネクタ1)は、相手方コネクタ(例えば、実施形態におけるプラグコネクタ60)と嵌合する嵌合部(例えば、実施形態における本体部21)が形成されるとともに電気絶縁性を有する可動側ハウジングと、前記可動側ハウジングを移動可能に受容するとともに電気絶縁性を有する固定側ハウジングと、前記固定側ハウジングと前記可動側ハウジングとに跨って取り付けられる複数のコンタクト(例えば、実施形態におけるレセプタクル側コンタクト30)とを有して構成され、前記コンタクトはそれぞれ、一端側において前記固定側ハウジングに固定されて前記固定側ハウジングの外部に露出するリード部と、他端側において前記可動側ハウジングに固定されるとともに前記嵌合部に位置して前記相手方コネクタのコンタクトと当接可能な接触部と、前記リード部と前記接触部とを繋ぐとともに弾性変形可能に形成された中間部(例えば、実施形態における第1可撓部33、第2可撓部34、第3可撓部35および折曲部36)とから構成され、前記コンタクトが前記固定側ハウジングと前記可動側ハウジングとに跨って取り付けられた状態で前記中間部が弾性変形することにより、前記固定側ハウジングに対して前記可動側ハウジングが移動可能であり、前記可動側ハウジングは、前記固定側ハウジングおよび前記可動側ハウジングに備えられたハウジング保持手段により前記固定側ハウジングに保持されて受容されており、前記ハウジング保持手段は、前記可動側ハウジングが前記相手方コネクタとの嵌合方向に対して直交する面に沿って移動することを許容しつつ、前記可動側ハウジングが前記嵌合方向に所定移動量を越えて移動することを規制するように構成されたことを特徴とする。
【0008】
上述のフローティング型コネクタにおいて、前記ハウジング保持手段は、前記固定側ハウジングおよび前記可動側ハウジングのうち一方のハウジングに前記面に沿って形成された移動範囲規定突出部と、前記固定側ハウジングおよび前記可動側ハウジングのうち他方のハウジングに外方に開口するとともに前記面に沿って形成され、前記移動範囲規定突出部を受容して内部に位置させる移動範囲規定受容部とを備え、前記移動範囲規定受容部は、前記面に沿う方向に所定の間隙を有して前記移動範囲規定突出部を受容することで前記移動範囲規定突出部の前記面に沿う方向への移動を許容するとともに、前記移動範囲規定突出部を前記嵌合方向に挟持して受容することで前記他方のハウジングに対して前記移動範囲規定突出部が前記嵌合方向へ前記所定移動量を越えて移動することを規制するように構成されたことが好ましい。
【0009】
また、前記ハウジング保持手段は、前記一方のハウジングに対して前記面に沿う方向に突出して形成された一方側係合部(例えば、実施形態における係合突起部21f、係合突起部23a、抜け止め係止部24aおよび抜け止め係止部25a)と、前記他方のハウジングに対して前記面に沿う方向に突出して形成されて、前記一方側係合部と係合することで前記移動範囲規定突出部が前記移動範囲規定受容部内から抜け出ることを防止する他方側係合部(例えば、実施形態における係合突起部11c、係合突起部11d、抜け止め係止部12eおよび抜け止め係止部12f)とを備えることが好ましい。
【0010】
上述のフローティング型コネクタにおいて、前記所定移動量は、前記中間部の前記嵌合方向に弾性変形可能な変形量よりも小さく設定されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るフローティング型コネクタは、ハウジング保持手段により、可動側ハウジングが相手方コネクタとの嵌合方向に対して直交する面に沿って移動することを許容されつつ、可動側ハウジングが嵌合方向に所定移動量を越えて移動することを規制されて構成される。この構成により、上記所定移動量を例えばコンタクトが嵌合方向に弾性変形な変形量よりも小さく設定することで、コネクタが装着された基板同士の位置ずれを吸収してコネクタを容易に嵌合できるようにするとともに、コンタクトが嵌合方向に塑性変形することを防止可能となる。
【0012】
上述のフローティング型コネクタにおいて、ハウジング保持手段は、一方のハウジングに嵌合方向に対して直交する面に沿って形成された移動範囲規定突出部と、他方のハウジングに外方に開口するとともに上記面に沿って形成され、移動範囲規定突出部を受容して内部に位置させる移動範囲規定受容部とを備えた構成が好ましい。このような構成とすることで、移動範囲規定突出部内に移動範囲規定突出部を挿入して位置させるという簡単な構成でありながら、コネクタが装着された基板同士の位置ずれを吸収しつつコンタクトが嵌合方向に塑性変形することを防止できる。
【0013】
また、ハウジング保持手段は、嵌合方向に対して直交する面に沿う方向に突出して形成された一方側係合部と、上記面に沿う方向に突出して形成されて、一方側係合部と係合することで移動範囲規定突出部が移動範囲規定受容部内から抜け出ることを防止する他方側係合部とを備えた構成が好ましい。この構成の場合には、一方側係合部と他方側係合部とによって、移動範囲規定受容部内から移動範囲規定突出部が抜け出ることが防止された仮保持状態とすることができるので、例えばコンタクトが取り付けられる前の段階における取り扱いが容易となる。
【0014】
上述のフローティング型コネクタにおいて、所定移動量が、中間部の嵌合方向に弾性変形可能な変形量よりも小さく設定された構成が好ましい。このように所定移動量を設定することで、コネクタが装着された基板同士の位置ずれを吸収しつつコンタクトが嵌合方向に塑性変形することを確実に防止可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(a)および(b)は、本発明を適用した一例としてのレセプタクルコネクタの斜視図である。
【図2】図1(b)中に示すII−II部分の断面図である。
【図3】(a)および(b)は、上記レセプタクルコネクタを構成する固定側ハウジングの斜視図である。
【図4】(a)および(b)は、上記レセプタクルコネクタを構成する可動側ハウジングの斜視図である。
【図5】上記レセプタクルコネクタを構成するレセプタクル側コンタクトの斜視図である。
【図6】上記レセプタクルコネクタを構成する固定金具の斜視図である。
【図7】上記レセプタクルコネクタの組立構成を示す斜視図である。
【図8】図1(b)中に示すXIII−XIII部分の断面図である。
【図9】図1(b)中に示すIX−IX部分の断面図である。
【図10】図1(b)中に示すX−X部分の断面図である。
【図11】(a)および(b)は、上記レセプタクルコネクタと嵌合するプラグコネクタの斜視図である。
【図12】レセプタクルコネクタとプラグコネクタとが嵌合された状態における図1(b)に示すXII−XII部分の断面図である。
【図13】(a)は本実施形態に係るレセプタクルコネクタとプラグコネクタとを模式的に示した側面図で、(b)および(c)は別の実施形態に係るレセプタクルコネクタとプラグコネクタとを模式的に示した側面図である。
【図14】(a)〜(c)は別の実施形態に係るレセプタクルコネクタとプラグコネクタとを模式的に示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。まず、レセプタクルコネクタ1の部品構成について、図1〜図6を参照しながら説明する。なお、本実施形態では説明の便宜上、各図中に付記する矢印方向で前後、左右および上下方向を定義して説明を行っている。
【0017】
レセプタクルコネクタ1は、図1および図2に示すように、下面側においてレセプタクル側基板9(図12参照)に対して固定される固定側ハウジング10と、この固定側ハウジング10に移動可能に取り付けられた可動側ハウジング20と、これら固定側ハウジング10および可動側ハウジング20の双方に跨って保持された複数のレセプタクル側コンタクト30と、固定側ハウジング10をレセプタクル側基板9に固定するための固定金具40とを有して構成されている。
【0018】
固定側ハウジング10は、図3に示すように、左右に延びる略矩形形状を有しており、電気絶縁性を有する樹脂等を用いて成形される。固定側ハウジング10は、断面視略L字状に形成されて左右に延びる本体部11と、本体部11の左右両端部に立設された一対の端側支持部12と、本体部11の中央部分よりもやや左側に立設された中央支持部13と、端側支持部12および中央支持部13の上端部を繋いで柱状に左右に延びて形成された連結支持部14とから構成される。
【0019】
本体部11には、端側支持部12と中央支持部13とによって区画形成されて、上方および後方に向けて開口された2つのコンタクト受容空間11a,11bが形成されている。本体部11の前部を形成する部分には、後方に突出して形成されてコンタクト受容空間11a,11b内に露出する係合突起部11c,11dが形成されている。コンタクト受容空間11a,11bの底部には、前後に延びて形成されるとともに左右に所定のピッチで並んだ複数のコンタクト収容部11eが形成されている。このコンタクト収容部11eの後端にはそれぞれ、レセプタクル側コンタクト30が圧入されるコンタクト圧入溝11fが、前後に延びて形成されている。また、本体部11の下面左右端部には、下方に突出する位置決め突起19が形成されている(図8および図9参照)。
【0020】
端側支持部12は、下部において前後に延びて形成された土台部12aと、この土台部12aの後端部から上方に延びて形成された支持柱部12bとから構成される。土台部12aの下面には、前方に開口して前後に延びる金具取付溝12cが形成されている。土台部12aの中央部分には、上方に開口して上下に延びた移動範囲規定受容部12dが形成されており、移動範囲規定受容部12dの上側前部には左右に延びた柱状の抜け止め係止部12fが形成され、移動範囲規定受容部12dの下側後部には当接支持部12gが形成されている。支持柱部12bの前面上端部には、前方に突出した抜け止め係止部12eが形成されている。中央支持部13は、下部において前後に延びて形成された土台部13aと、この土台部12aの後端部から上方に延びて形成された支持柱部13bとから構成される。
【0021】
可動側ハウジング20は、図4に示すように、左右に延びる略矩形形状を有しており、電気絶縁性を有した樹脂等を用いて成形される。可動側ハウジング20は、略矩形に形成された本体部21と、本体部21の左右両端部において前後に延びて形成されたガイド突起22と、本体部21の左右両端下面から下方に突出して形成された一対の移動範囲規定突出部23と、本体部21の下面から下方に板状に突出して形成された板状突出部24と、板状突出部24の右側において本体部21の下面から下方に板状に突出して形成された板状突出部25とから構成される。
【0022】
本体部21は、左右に延びる略直方体に形成されており、その内部には前後に貫通して形成されたコンタクト受容空間21a,21bが、前後に延びる仕切り壁21cによって
仕切られて形成されている。コンタクト受容空間21a,21bの前端間口には、テーパ部26が形成されている。コンタクト受容空間21a,21bの後部には、レセプタクル側コンタクト30の各々を受容するための空間を形成する仕切り壁21dが前後に延びて形成されており、この仕切り壁21dの下部にはコンタクト圧入溝21eが前後に延びて形成されている。本体部21の後面左右両端部には、後方に突出した係合突起部21fが形成されており、この係合突起部21fは固定側ハウジング10の抜け止め係止部12eと係合可能に形成されている。
【0023】
移動範囲規定突出部23は、本体部21の下面から下方に略直方体に突出して形成されており、その前面には前方に突出した係合突起部23aが形成されている。この係合突起部23aは、固定側ハウジング10の抜け止め係止部12fと係合可能に形成されている。板状突出部24の前面側には、前方に突出した抜け止め係止部24aが形成されており、この抜け止め係止部24aは固定側ハウジング10に形成された係合突起部11cと係合可能に形成されている。同様に板状突出部25の前面側には、前方に突出した抜け止め係止部25aが形成されており、この抜け止め係止部25aは固定側ハウジング10に形成された係合突起部11dと係合可能に形成されている。
【0024】
レセプタクル側コンタクト30は、例えば板金(弾性体からなる導電性材料)を長板状(針金状)に打ち抜き加工した後、図5に示すように所定の形状に曲げ成形されて構成される。このレセプタクル側コンタクト30は、図5に示すように、略くの字状に折曲されて上下に弾性変形可能に形成された接触部31と、接触部31から後方に延びて形成された可動側被保持部32と、可動側被保持部32の後端部を下方に折曲して前後に延びて形成された第1可撓部33と、第1可撓部33の後端部を下方にほぼ直角に折曲して形成された第2可撓部34と、第2可撓部34の下端部を前方にほぼ直角に折曲して形成された第3可撓部35と、第3可撓部35の前端部を下方にほぼ直角に折曲して形成された折曲部36と、折曲部36の下端部を後方にほぼ直角に折曲して形成された固定側被保持部37と、固定側被保持部37の後端部を下方に折曲して前後に延びて形成されたリード部38とを有して構成される。
【0025】
可動側被保持部32には、部分的に左右幅が拡がった可動側圧入係止部32aが形成され、第3可撓部35には、部分的に左右幅が拡がった幅拡大部35aが形成され、固定側被保持部37には、部分的に左右幅が拡がった固定側圧入係止部37aが形成されている。このように、第3可撓部35に幅拡大部35aを形成して部分的にレセプタクル側コンタクト30の断面積を大きくすることで、より大きな電力等を伝送できるように構成されている。
【0026】
固定金具40は、例えば板金を打ち抜きおよび曲げ加工することにより、図6に示すような所定の形状に成形される。固定金具40は、前後に延びて形成された平板状の基部41と、基部41の中央から下方に折曲して形成された折曲部42と、折曲部42の下端部がほぼ直角に左方に折曲されて形成された結合部43とを備えて構成される。基部41の前端部には、左右に突出して形成された圧入係止部41aが形成されている。なお、図6には、固定側ハウジング10の左端部に形成された金具取付溝12cに取り付けられる固定金具40を図示しており、固定側ハウジング10の右端部には、固定金具40に対して左右対称に形成された固定金具40が取り付けられる。
【0027】
以上ここまでは、レセプタクルコネクタ1の部品構成について説明した。以下においては、このレセプタクルコネクタ1の組立構成について、図7〜10を追加参照しながら説明する。
【0028】
まず、図7に示すように、固定側ハウジング10の移動範囲規定受容部12dに対して移動範囲規定突出部23を上方から挿入して、固定側ハウジング10に対して可動側ハウジング20が取り付けられる。なお、このときの取付状態については、後ほど詳しく説明する。
【0029】
次に、図示しない組立治具を用いて、固定側ハウジング10に対して可動側ハウジング20を所定位置に保持しておき、図7に示すように固定側ハウジング10および可動側ハウジング20に対して後方からレセプタクル側コンタクト30を挿入する。そうすることで、固定側ハウジング10のコンタクト圧入溝11fに対してレセプタクル側コンタクト30の固定側圧入係止部37a、可動側ハウジング20のコンタクト圧入溝21eに対してレセプタクル側コンタクト30の可動側圧入係止部32aがそれぞれ前後に圧入されて固定される。
【0030】
このようにして、レセプタクル側コンタクト30が固定側ハウジング10と可動側ハウジング20とに跨って固定されると、図8および図9に示すように可動側ハウジング20のコンタクト受容空間21a,21b内に接触部31が位置するとともに、固定側ハウジング10の下面にリード部38が露出して位置する。
【0031】
この状態で、レセプタクル側コンタクト30のうちの可動側圧入係止部32aと固定側圧入係止部37aとの間に形成された部分(第1可撓部33、第2可撓部34、第3可撓部35および折曲部36)が弾性変形することで、後述するように固定側ハウジング10に可動側ハウジング20を取り付けることで設定される移動方向(左右および上下)に、可動側ハウジング20が移動可能となっている。なお、コンタクト受容空間21b内に位置するレセプタクル側コンタクト30のうちの一部(本実施形態では2本)は、他のレセプタクル側コンタクト30に対して前方にずれて固定されており、このようにすることで、後述するプラグコネクタ60のプラグ側コンタクト80との接触タイミングをずらした活線挿抜に対応した構造となっている。
【0032】
次に、固定側ハウジング10の金具取付溝12cに対して、前方から固定金具40を挿入して固定する(図10参照)。そして、上述のようにして組み立てられたレセプタクルコネクタ1をレセプタクル側基板9に表面実装する際には、レセプタクル側基板9に形成された位置決め孔9a(図12参照)に固定側ハウジング10に形成された位置決め突起19を挿入することで、位置決めされて載置される。レセプタクル側基板9上にレセプタクルコネクタ1を載置させた状態で、固定金具40の結合部43をレセプタクル側基板9上のマウントパターン(図示せず)に半田付けするとともに、レセプタクル側コンタクト30のリード部38をレセプタクル側基板9上の配線パターン(図示せず)に半田付けすることで表面実装される。このように、固定金具40の結合部43をマウントパターンに半田付けすることで、レセプタクル側基板9にレセプタクルコネクタ1が強固に固定される。
【0033】
以上ここまでは、レセプタクルコネクタ1の組立構成について説明した。以下においては、このように構成されるレセプタクルコネクタ1と嵌合接続されるプラグコネクタ60について、図11を参照して簡単に説明する。
【0034】
プラグコネクタ60は、図11に示すように、プラグ側基板99(図12参照)に固定されるプラグハウジング70と、プラグハウジング70に保持された複数のプラグ側コンタクト80とを有して構成されている。
【0035】
プラグハウジング70は、電気絶縁性を有する樹脂等を用いて成形されており、左右に延びて形成されたハウジング基部71と、このハウジング基部71の左右両端部において上方に突出して形成された位置決め突起79とから構成される。ハウジング基部71の後部には、前後に延びて形成された嵌合凹部72が形成されており、この嵌合凹部72内には、板状となって前後に延びた嵌合突起73a,73bが立設されている。嵌合突起73a,73bの後端部には、テーパ部74が形成されている。嵌合凹部72の左右両端部には、可動側ハウジング20に形成されたガイド突起22と嵌合可能な一対の受容凹部72aが形成されている。
【0036】
プラグ側コンタクト80は、例えば板金(弾性体からなる導電性材料)を長板状(針金状)に打ち抜き加工した後、所定の形状に曲げ成形されて構成される。プラグ側コンタクト80は、図11に示すように、平板状に形成されて嵌合突起73a,73bの下面に露出する接触部81と、接触部81に繋がってプラグハウジング70に圧入される被保持部82と、被保持部82から前方に延びて形成されたリード部83とから構成される。
【0037】
プラグコネクタ60をプラグ側基板99に表面実装する際には、プラグ側基板99に形成された位置決め孔99a(図12参照)に位置決め突起79を挿入させて載置することで、プラグコネクタ60が位置決めされて載置される。そして、プラグ側コンタクト80のリード部83をプラグ側基板99上の配線パターン(図示せず)に半田付けすることで表面実装される。
【0038】
以上ここまでは、プラグコネクタ60について説明した。以下においては、上述のようにして組み立てられたレセプタクルコネクタ1とプラグコネクタ60とを嵌合させて、レセプタクル側基板9とプラグ側基板99とを電気的に接続する手順について図12を参照しながら説明する。
【0039】
基板同士を電気的に接続する場合には、可動側ハウジング20のコンタクト受容空間21a,21bに対して、プラグハウジング70の嵌合突起73a,73bを前方から挿入して嵌合させる。そうすることで、レセプタクル側コンタクト30の接触部31がプラグ側コンタクト80の接触部81と接触し上下方向に弾性変形させられるので、レセプタクル側コンタクト30とプラグ側コンタクト80とは適切な接触力をもって接触し、レセプタクルコネクタ1とプラグコネクタ60(レセプタクル側基板9とプラグ側基板99)とが電気的に接続される。
【0040】
ここで、レセプタクル側基板9およびプラグ側基板99が所定位置に位置している(左右または上下にずれていない)場合には、コンタクト受容空間21a,21bに対して嵌合突起73a,73bがそのまま前方から挿入されて嵌合される。一方で、レセプタクル側基板9に対してプラグ側基板99が左右または上下にずれている場合には、コンタクト受容空間21a,21bに対して嵌合突起73a,73bがそのまま嵌合せずに、コンタクト受容空間21a,21bの間口に形成されたテーパ部26と嵌合突起73a,73bの後端部に形成されたテーパ部74とが当接する。
【0041】
このとき、レセプタクル側コンタクト30により、可動側ハウジング20は固定側ハウジング10に対して左右および上下に移動自在であるため、両テーパ部26,74の当接により生じた可動側ハウジング20を左右または上下に移動させる力によって可動側ハウジング20はその方向へ移動され、その上でコンタクト受容空間21a,21bに対して嵌合突起73a,73bが嵌合される。このため、レセプタクル側基板9に対してプラグ側基板99が左右または上下に位置ずれている場合であっても、基板同士を容易且つ確実に電気接続させることが可能である。
【0042】
一方、上述のようにしてレセプタクルコネクタ1とプラグコネクタ60とが嵌合された状態で、プラグコネクタ60(プラグコネクタ60が表面実装されたプラグ側基板99)を前方に引くことにより、レセプタクルコネクタ1からプラグコネクタ60が抜去される。ところで、従来構成では、この抜去時にプラグコネクタと一緒に可動側ハウジングおよびレセプタクル側コンタクトが前方に大きく引っ張られ、その結果レセプタクル側コンタクトが塑性変形する虞があったが、この虞に対し本発明を適用したレセプタクルコネクタ1においては、このようにして起こる塑性変形を防止可能な構成を特徴構成として有している。それでは、レセプタクルコネクタ1の特徴構成について以下に説明する。
【0043】
レセプタクルコネクタ1においては、固定側ハウジング10に形成された移動範囲規定受容部12dの左右幅が、可動側ハウジング20に形成された移動範囲規定突出部23の左右幅よりも若干大きく形成されているため、移動範囲規定受容部12dに移動範囲規定突出部23が挿入されると、その左右方向の隙間分だけ固定側ハウジング10に対して移動範囲規定突出部23(可動側ハウジング20)が左右に移動可能に保持される。上記の左右方向の隙間は、レセプタクル側コンタクト30が左右方向に弾性変形可能な変形量よりも小さく設定されている。
【0044】
また、移動範囲規定受容部12dに移動範囲規定突出部23が挿入された状態においては、図10に示すように、抜け止め係止部12fと移動範囲規定突出部23、当接支持部12gと移動範囲規定突出部23、抜け止め係止部12eと本体部21とがそれぞれ当接し、移動範囲規定受容部12dによって移動範囲規定突出部23が前後に挟持されるように構成されている。そのため、固定側ハウジング10に対して移動範囲規定突出部23(可動側ハウジング20)が、前後方向への移動が規制されて保持される。
【0045】
さらに、移動範囲規定受容部12dに移動範囲規定突出部23が挿入された状態においては、図9に示すように係合突起部11cと抜け止め係止部24a、係合突起部11dと抜け止め係止部25a、図10に示すように抜け止め係止部12fと係合突起部23a、抜け止め係止部12eと係合突起部21fとがそれぞれ上下に対向して位置し、これらが互いに係合することで移動範囲規定受容部12d内から移動範囲規定突出部23が上方に抜け出ることが防止(固定側ハウジング10に対する可動側ハウジング20の上方への移動が規制)されるようになっている。一方、土台部12aおよび土台部13aの上面と本体部21の下面とが当接することで、固定側ハウジング10に対する可動側ハウジング20の下方への移動が規制されるようになっている。このように、抜け止め係止部と係合突起部とを係合させるとともに面同士を当接させることで、固定側ハウジング10に対して可動側ハウジング20が上下方向に移動可能な距離は、レセプタクル側コンタクト30が上下方向に弾性変形可能な変形量よりも小さく設定されている。
【0046】
このように構成されたレセプタクルコネクタ1は、移動範囲規定受容部12d内に移動範囲規定突出部23を挿入して位置させるという簡易な構成でありながら、基板同士の位置ずれを吸収してレセプタクルコネクタ1とプラグコネクタ60とを容易に嵌合させることができるとともに、可動側ハウジング20の前後方向への移動を規制することで、レセプタクルコネクタ1とプラグコネクタ60との嵌合時および抜去時にレセプタクル側コンタクト30が大きく変形されて塑性変形することを防止可能な構成となっている。
【0047】
以上、レセプタクルコネクタ1の特徴構成について説明した。このレセプタクルコネクタ1は、上述した特徴構成以外にも以下のような特徴を有している。
【0048】
上述したようにして、移動範囲規定受容部12dに移動範囲規定突出部23が挿入されて固定側ハウジング10と可動側ハウジング20とが組み立てられると、図7に示すように、固定側ハウジング10におけるコンタクト受容空間11a,11bの向きと可動側ハウジング20におけるコンタクト受容空間21a,21bの向きとが一致するので、固定側ハウジング10および可動側ハウジング20に対して後方から同時に(1工程で)レセプタクル側コンタクト30を挿入可能である。よって、レセプタクルコネクタ1の組立工数を減らして組立作業を簡素化できるとともに、組立設備を簡素化することも可能となる。また、組立作業の簡素化に伴って、レセプタクルコネクタ1の組立工程を自動化することもできる。
【0049】
レセプタクルコネクタ1に対してプラグコネクタ60が嵌合される際、レセプタクルコネクタ1にはリード部38を中心とする回転モーメントが作用することとなるが、可動側ハウジング20の移動範囲規定突出部23を固定側ハウジング10の当接支持部12gに当接させることで回転モーメントの半径を小さくして、リード部38に過大な力が作用することを防止している。また、可動側ハウジング20本体部21と固定側ハウジング10の連結支持部14とを当接させることで、プラグコネクタ60が嵌合される際に可動側ハウジング20に対して後方に向けて作用する力を、固定側ハウジング10における広い面で受けることが可能となり、レセプタクルコネクタ1の強度向上が図られている。一方、図8に示すように、固定側ハウジング10の本体部11と可動側ハウジング20の板状突出部24,25とを当接させることで、レセプタクルコネクタ1に対してプラグコネクタ60が抜去される際にリード部38に作用する回転モーメントの半径を小さくして、リード部38に過大な力が作用することを防止している。
【0050】
一般的に、基板に対して平行に相手方コネクタを嵌合させるライトアングルタイプのコネクタでは、相手方コネクタと嵌合されるコネクタの基板からの高さが高くなるに従って嵌合時に大きな回転モーメントを受けやすいが、レセプタクルコネクタ1においては上記のような構成が採用されているため、レセプタクル側基板9からのハイトを確保しつつ挿抜時に作用する回転モーメントに抗してリード部38の半田結合を維持することができる。また、プラグコネクタ60をこじるようにしてレセプタクルコネクタ1に挿抜されることがあるが、このようなプラグコネクタ60のこじりに対しても、リード部38の半田結合を確実に維持することが可能である。
【0051】
レセプタクルコネクタ1においては、移動範囲規定受容部12dの左右幅と移動範囲規定突出部23の左右幅との差(図7参照)、および、例えば係合突起部11cと抜け止め係止部24aとの上下方向における形成位置(図9参照)を変更するだけで、固定側ハウジング10に対する可動側ハウジング20の左右および上下への移動範囲を簡単に変更可能である。また、このようにして、ハウジング同士が嵌合されることでこれらが分離しないように仮保持されるとともに移動範囲が規定されるので、例えば固定側ハウジング10とレセプタクル側基板9とを固定するための固定金具40を、可動側ハウジング20に近接させて固定側ハウジング10に取り付けて、この固定金具40により可動側ハウジング20の移動範囲を規制する必要がない。そのため、固定金具40を複雑な形状とする必要がなく、固定側ハウジング10をレセプタクル側基板9に固定するという本来の機能を果たすべくシンプルな形状とすることができる。さらに、ハウジング同士を嵌合させることで、レセプタクル側コンタクト30を挿入する前の段階において分離しないように仮保持されるので、取り扱いがしやすくなる。
【0052】
上述の実施形態においては、図13(a)に示すように、レセプタクル側基板9に対して直交する面に沿って可動側ハウジング20を移動可能に保持して構成されたレセプタクルコネクタ1に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこの構成のコネクタに限定して適用されるものではない。例えば、図13(b)、図13(c)および図14(a)〜(c)に示すような構成のコネクタにも適用可能である。図13(b)は、いわゆるスタックタイプと称されるもので、固定側ハウジング110に対して可動側ハウジング120が、レセプタクル側基板109に対して平行に移動可能に保持されたレセプタクルコネクタ101に本発明を適用した例である。この構成においては、可動側ハウジング120と嵌合するプラグコネクタ170は、プラグ側基板199にこれと平行な向きで実装されており、可動側ハウジング120は、プラグコネクタ170との嵌合方向への移動が規制されている。
【0053】
図13(c)は、固定側ハウジング210に対して可動側ハウジング220が、レセプタクル側基板209に対して平行に移動可能に保持されたレセプタクルコネクタ201に本発明を適用した例である。この構成においては、可動側ハウジング220と嵌合するプラグコネクタ270は、プラグ側基板299にこれと直行する向きで実装されており、可動側ハウジング220は、プラグコネクタ270との嵌合方向への移動が規制されている。
【0054】
図14(a)は、プラグ側基板399に対してこれと直交する向きで実装され、可動側ハウジング370がプラグ側基板399に対して直交する面に沿って移動可能となって固定側ハウジング390に保持されたプラグコネクタ360に、本発明を適用した例である。この構成においては、可動側ハウジング370と嵌合するレセプタクルコネクタ310は、レセプタクル側基板309にこれと直行する向きで実装されており、可動側ハウジング370は、レセプタクルコネクタ310との嵌合方向への移動が規制されている。
【0055】
図14(b)は、プラグ側基板499に対してこれと平行な向きで実装され、可動側ハウジング470がプラグ側基板499に対して平行に移動可能となって固定側ハウジング490に保持されたプラグコネクタ460に、本発明を適用した例である。この構成においては、可動側ハウジング470と嵌合するレセプタクルコネクタ410は、レセプタクル側基板409にこれと平行に実装されており、可動側ハウジング470は、レセプタクルコネクタ410との嵌合方向への移動が規制されている。
【0056】
図14(c)は、プラグ側基板599に対してこれと直交する向きで実装され、可動側ハウジング570がプラグ側基板599に対して直交する面に沿って移動可能となって固定側ハウジング590に保持されたプラグコネクタ560に、本発明を適用した例である。この構成においては、可動側ハウジング570と嵌合するレセプタクルコネクタ510は、レセプタクル側基板509にこれと平行に実装されており、可動側ハウジング570は、レセプタクルコネクタ510との嵌合方向への移動が規制されている。
【0057】
また、上述の実施形態においては、可動側ハウジング20に移動範囲規定突出部23を形成し、固定側ハウジング10に移動範囲規定受容部12dを形成した構成例について説明したが、本発明はこの構成例に限定されるものではない。この構成例とは反対に、可動側ハウジング20に移動範囲規定受容部12dを形成し、固定側ハウジング10に移動範囲規定突出部23を形成した構成でも良い。
【0058】
上述の実施形態では、移動範囲規定受容部12dに移動範囲規定突出部23を挿入することで、移動範囲規定突出部23を前後に挟持して固定側ハウジング10に対して可動側ハウジング20が前後に移動することを規制する構成例を説明したが、本発明はこの構成例に限定されるものではない。例えば、レセプタクル側コンタクト30が前後に弾性変形可能な変形量を越えない範囲において、固定側ハウジング10に対する可動側ハウジング20の前後への移動を許容する構成でも良い。
【0059】
なお、上述の実施形態においては、レセプタクル側基板9の位置決め孔9aに対して固定側ハウジング10の位置決め突起19を挿入させて位置決めを行う構成を例示して説明したが、本発明はこの構成のレセプタクルコネクタ1に限定して適用されるものではない。例えば固定側ハウジングを吸着してレセプタクル側基板9上の所定位置に精度良く載置させることができれば、位置決め突起15を形成することなく固定側ハウジングを構成することも可能であり、このような構成の固定側ハウジングを備えたレセプタクルコネクタにも本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 レセプタクルコネクタ(フローティング型コネクタ)
10 固定側ハウジング
11c,11d 係合突起部(他方側係合部)
12d 移動範囲規定受容部
12e,12f 抜け止め係止部(他方側係合部)
20 可動側ハウジング
21 本体部(嵌合部)
21f 係合突起部(一方側係合部)
23 移動範囲規定突出部
23a 係合突起部(一方側係合部)
24a,25a 抜け止め係止部(一方側係合部)
30 レセプタクル側コンタクト(コンタクト)
31 接触部
33 第1可撓部(中間部)
34 第2可撓部(中間部)
35 第3可撓部(中間部)
36 折曲部(中間部)
38 リード部
60 プラグコネクタ(相手方コネクタ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手方コネクタと嵌合する嵌合部が形成されるとともに電気絶縁性を有する可動側ハウジングと、
前記可動側ハウジングを移動可能に受容するとともに電気絶縁性を有する固定側ハウジングと、
前記固定側ハウジングと前記可動側ハウジングとに跨って取り付けられる複数のコンタクトとを有して構成され、
前記コンタクトはそれぞれ、一端側において前記固定側ハウジングに固定されて前記固定側ハウジングの外部に露出するリード部と、他端側において前記可動側ハウジングに固定されるとともに前記嵌合部に位置して前記相手方コネクタのコンタクトと当接可能な接触部と、前記リード部と前記接触部とを繋ぐとともに弾性変形可能に形成された中間部とから構成され、
前記コンタクトが前記固定側ハウジングと前記可動側ハウジングとに跨って取り付けられた状態で前記中間部が弾性変形することにより、前記固定側ハウジングに対して前記可動側ハウジングが移動可能であり、
前記可動側ハウジングは、前記固定側ハウジングおよび前記可動側ハウジングに備えられたハウジング保持手段により前記固定側ハウジングに保持されて受容されており、
前記ハウジング保持手段は、前記可動側ハウジングが前記相手方コネクタとの嵌合方向に対して直交する面に沿って移動することを許容しつつ、前記可動側ハウジングが前記嵌合方向に所定移動量を越えて移動することを規制するように構成されたことを特徴とするフローティング型コネクタ。
【請求項2】
前記ハウジング保持手段は、
前記固定側ハウジングおよび前記可動側ハウジングのうち一方のハウジングに前記面に沿って形成された移動範囲規定突出部と、
前記固定側ハウジングおよび前記可動側ハウジングのうち他方のハウジングに外方に開口するとともに前記面に沿って形成され、前記移動範囲規定突出部を受容して内部に位置させる移動範囲規定受容部とを備え、
前記移動範囲規定受容部は、前記面に沿う方向に所定の間隙を有して前記移動範囲規定突出部を受容することで前記移動範囲規定突出部の前記面に沿う方向への移動を許容するとともに、前記移動範囲規定突出部を前記嵌合方向に挟持して受容することで前記他方のハウジングに対して前記移動範囲規定突出部が前記嵌合方向へ前記所定移動量を越えて移動することを規制するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のフローティング型コネクタ。
【請求項3】
前記ハウジング保持手段は、
前記一方のハウジングに対して前記面に沿う方向に突出して形成された一方側係合部と、
前記他方のハウジングに対して前記面に沿う方向に突出して形成されて、前記一方側係合部と係合することで前記移動範囲規定突出部が前記移動範囲規定受容部内から抜け出ることを防止する他方側係合部とを備えることを特徴とする請求項2に記載のフローティング型コネクタ。
【請求項4】
前記所定移動量は、前記中間部の前記嵌合方向に弾性変形可能な変形量よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフローティング型コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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