ブリスターパッケージ

【目的】特別な包装が不要で手軽に郵送可能なブリスターパッケージを提供することを目的とする。
【構成】小物体を保護するためのブリスターが取り付けられるブリスター台紙に、名宛人欄、差出人欄および切手欄を設けたものである。また、この場合、その全体あるいは主要部を郵便ポストに投函可能な大きさに構成したものである。

【考案の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】
本考案は、小物体の封入に用いられるパッケージ、さらに詳しくは、小物体をブリスターによって封入するブリスターパッケージに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
ブリスターパッケージは、例えばコンビニエンスストアの陳列棚に飾られる商品（小物体）の包装として広く用いられている。このパッケージは、一般に、ブリスター台紙上部につるし穴が設けられ、ブリスター台紙表面に、透明なプラスチック容器からなるブリスターが取り付けられるとともに、図案や絵などの印刷が施された構造になっている。
【０００３】
ところで、従来、このようなブリスターパッケージに封入された小物体を贈答品として遠隔地の友人などへ送りたい場合、従来、小物体を封入したブリスターパッケージ全体を封筒に入れたりして郵送しているのが普通であった。
【０００４】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにして小物体を送る場合には、下記のような問題があった。
【０００５】
すなわち、封筒を用いて郵送する場合、封筒が茶封筒など単色のものを使用すると味気がなくなってしまう。したがって、封筒自体もデザイン化されたものを使用することが望ましいが、市販の封筒にはデザイン化されたものは少なく、送る小物体に見合ったデザインが施されている封筒となれば、さらにその数が限定されてしまう。また、万一、送る小物体に見合ったデザインの封筒を見つけた場合でも、市販の封筒は規格化されているため、送るべきブリスターパッケージを封入するには、そのブリスターパッケージに見合った大きさにその封筒を加工しなければならなった。あるいは、市販の封筒を使用するのを最初から諦め、差出人自らが手作りで封筒を作り、その封筒の中にブリスターパッケージを封入して送らなければならなかった。
【０００６】
また、このようにして小物体に見合ったデザインで、かつブリスターパッケージに見合った大きさの封筒が見つかった場合であっても、ブリスターパッケージには凸部が不可避的に存在するため、封筒に入れて送る際、凸部の廻りで不必要に封筒が膨らみ、封筒が皺になったりして、封筒の外観が損なわれる結果となっていた。また、小物体に比べて包装が大きくなり過ぎて見かけ倒しになってしまうという問題もあった。
【０００７】
本考案は、かかる点に鑑みなされたもので、特別な包装が不要で手軽に郵送可能なブリスターパッケージを提供することを目的としている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
請求項１記載のブリスターパッケージは、小物体を保護するためのブリスターが取り付けられるブリスター台紙に、名宛人欄、差出人欄および切手欄を設けたものである。
【０００９】
請求項２記載のブリスターパッケージは、請求項１記載のブリスターパッケージにおいて、全体あるいは主要部の大きさを郵便ポストに投函可能な大きさとしたものである。
【００１０】
【作用】
上記した手段によれば、例えば、名宛人欄に郵便番号、宛先および宛名を、また、差出人欄に自分の名前や住所を書き込んで、必要な切手を貼り、その状態で郵送することができる。したがって、ブリスターパッケージに封入された小物体を送るのに、小物体に見合うデザインの封筒その他の包装を用意する必要がなくなる。また、ブリスターパッケージの全部あるいは主要部の大きさを、請求項２に記載のように、郵便ポストに投函可能な大きさに構成しておけば、郵便局に行く手間が省ける。
【００１１】
【実施例】
図１は実施例のブリスターパッケージにおける外観の分解図である。このブリスターパッケージ１はブリスター台紙２と、このブリスター台紙２表面に取り付けられるブリスター３とから構成されている。
【００１２】
ブリスター台紙２は、特に限定はされないが、横１２ｃｍ、縦２１ｃｍの大きさに構成され、上から５ｃｍの箇所に切取線４が設けられている。このブリスター台紙２上部には上縁に開口するＪフック５が形成され、また、ブリスター台紙２表面中程には郵便番号、宛先および宛名を記載するための名宛人欄６が印刷によって形成され、さらに名宛人欄６の左肩部には切手欄７が印刷によって形成され、切手欄７には郵送するのに必要な切手金額が印刷されている。さらに、ブリスター台紙２表面には、図２（正面図）に示すように装飾のための図案や絵８や商標名（図示せず）などが印刷されている。また、ブリスター台紙２裏面には、図３に示すように発売元に関する所定の表示、商品の取扱い説明、注意書きおよび差出人欄９、メッセージ欄１０およびバーコード１１が印刷されている。そして、差出人欄９には差出人の郵便番号、住所および氏名が、また、メッセージ欄１０には差出人が自由にメッセージを記載できるようになっている。また、余白部分には装飾のための図案や絵８が印刷されている。なお、ブリスター台紙２表面には圧着ブリスターコーティングが全面、あるいは名宛人欄６や切手欄７を除く箇所に施され、ブリスター台紙２裏面はプレスコートされている。
【００１３】
一方、ブリスター台紙２に取り付けられるブリスター３は小物体１２を包装するためのものであって、ビニル樹脂、ポリスチレンまたはセルロースプラスチックのような熱可塑性プラスチックを素材とし、真空成形によって作られている。
この真空成形法とは、熱可塑性のプラスチックの板を加熱し、真空で型に密着させ、成形品にする方法である。なお、特に制限はされないが、この実施例では、小物体１２として赤ちゃん人形１２ａと、その付属品であるスイカ１２ｂを封入している。ブリスター３をブリスター台紙２に取り付けた状態におけるブリスター３のブリスター台紙２表面からの高さは、特に制限はされないが、４２ｍｍとなっている。
【００１４】
このように構成されたブリスターパッケージ１は、商品（小物体）を封入した状態でコンビニエンスストアなどの陳列棚に吊り下げられる。この吊下げ状態にあるとき、ブリスターパッケージ１は図案や絵などの働きによって商品の購買意欲を喚起させる働きをする。
【００１５】
一方、ブリスターパッケージ１に封入された商品を購入した人が友人などへそれを送る場合には、ブリスターパッケージ１は１枚のハガキとして機能する。すなわち、名宛人欄６に郵便番号、宛先および宛名を、また、差出人欄９に差出人の郵便番号、住所および氏名を書き込んで、必要な切手を貼り、切取線４の箇所で切り取って上部を取り除けば、このままの状態で郵便ポストに投函することが可能となる。
【００１６】
このようなブリスターパッケージ１によれば、下記のような効果を得ることができる。
【００１７】
すなわち、ブリスターパッケージ１に封入された小物体１２を送るのに、封筒その他の包装などを別途用意する必要がなくなる。また、ここではブリスターパッケージ１の主要部の大きさが、郵便ポストに投函可能な大きさになっているので、郵便局に行く手間が省ける。その結果、ブリスターパッケージ１に封入された小物体１２を手軽に郵送できることになる。
【００１８】
以上、本考案の実施例について説明したが、本考案は、かかる実施例に限定されず、種々の変形が可能である。
【００１９】
例えば、前記実施例においては、ブリスター台紙２上部を切取線４部分で取り除き、その他の主要部だけを郵送するような構造としたが、切取線４を設けずに、ブリスターパッケージ１をそのままの状態で郵送できるような構造としても良い。但し、この場合には、ブリスターパッケージ１全体を郵便ポストに投函できるような大きさに構成しておくことが望ましい。
【００２０】
また、前記実施例においては、名宛人欄６に郵便番号、宛先および宛名を、また、差出人欄９に差出人の郵便番号、住所および氏名を書き込むようにしたが、名宛人欄６には宛先および宛名だけ、差出人欄９には差出人の氏名だけが書けるようなものであっても良い。
【００２１】
さらに、前記実施例においては、メッセージ欄１０を設けて、そこへ差出人が自由にメッセージを記載できるようにしているが、このメッセージ欄１０は必須のものではない。
【００２２】
また、前記実施例においては、名宛人欄６、差出人欄９およびメッセージ欄１０を全て印刷によって形成したが、そのうちの全部または一部をブリスター台紙２とは別体のシールとしておき、送る際にそのシールを貼付するようにしても良い。
【００２３】
また、前記実施例においては、定められた小物体１２が商品として既に封入されているブリスターパッケージ１について述べたが、小物体が未封入の状態でブリスターパッケージだけで販売され、家庭で任意の小物体の封入を行うような形式のブリスターパッケージにも適用可能である。この場合、ブリスターとブリスター台紙とを当初は分離させておき、家庭内で任意の小物体を入れた後、ブリスターをブリスター台紙の所定部分に貼るような構造にしても良いし、また、予めブリスターをブリスター台紙に取り付けておくとともに、ブリスター台紙のブリスター対応部分に小物体挿入用の開口を設けておき、その開口から小物体を入れた後、その開口をシールなどによって閉塞するような構造としておいても良い。
【００２４】
【考案の効果】
本考案によれば、小物体を保護するためのブリスターが取り付けられるブリスター台紙に、名宛人欄、差出人欄および切手欄が設けられているので、ブリスターパッケージに封入された小物体を送るのに、封筒その他の包装などを別途用意する必要がなくなる。また、ブリスターパッケージの主要部の大きさが、郵便ポストに投函可能な大きさになっているので、郵便局に行く手間が省ける。その結果、ブリスターパッケージに封入された小物体を手軽に郵送できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本考案のブリスターパッケージの分解斜視図である。
【図２】本考案のブリスターパッケージの正面図である。
【図３】本考案のブリスターパッケージの裏面図である。
【符号の説明】
１ブリスターパッケージ
２ブリスター台紙
３ブリスター
６名宛人欄
７切手欄

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項１】小物体を保護するためのブリスターが取り付けられるブリスター台紙に、名宛人欄、差出人欄および切手欄が設けられていることを特徴とするブリスターパッケージ。
【請求項２】全体あるいは主要部が郵便ポストに投函可能な大きさに構成されていることを特徴とする請求項１記載のブリスターパッケージ。

【図１】