説明

ブロック塀の補強支持具

【課題】 耐震補強性に優れ、既存のブロック塀の耐震強度を損ねることなく、補強のみを行い、既存のブロック壁の強度性をより向上することができること、また補強工事に使用される部材に対し、収益性を付加することによりブロック塀の補強工事をためらっている人達を補強工事へ促進させることのできるブロック塀の補強支持具を提供する。
【解決手段】 ブロック塀Bの外面側に設けられる外面板と、内面側に設けられる内面板3と、これらをブロックB1を挟んだ状態で連結固定する連結固定部材4と、地盤Gに固定される支柱5とから成り、支柱5は内面板3に対し軸着されるものであり、支柱5の地盤Gへの固定箇所を変更自在としていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震などによりブロック塀が倒壊するのを防止するブロック塀の補強支持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大地震時に、ブロック塀が倒壊して通行人がブロックの下敷きになるような災害や、崩れたブロック塀が道路を遮断し、救急車や消防車などの緊急車両、更に避難者が通行できなくなり、二次災害が発生することが問題とされている。
このようなことから従来より地震などでブロック塀が倒壊するのを防止するブロック塀の補強支持構造が提案され(例えば特許文献1及び2参照)、現実にも大地震等に備えてブロック塀の補強工事が行われている。
【0003】
【特許文献1】実公昭55−51970号公報
【特許文献2】特開平11−81750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の既存のブロック塀の補強支持構造は、十分な耐震性を有するものは、既存のブロック塀やその基礎を一部壊して設置するような大掛かりな工事を必要とするものが多く、多くの工事費用を必要とするという問題点がある。更にブロック塀の補強支持構造が外面に出ると、ブロック塀の外観を損なうという問題もある。そして耐震補強工事は、ブロック塀の所有者の任意性に任されていることから、このような耐震補強工事を必要とするブロック塀はいまだ多数あるのが現状である。
【0005】
また従来のブロック塀の補強支持構造は、ブロック間の目地に配設される鉄筋にフック部材を係止し、固定するタイプのものが多かったため、目地のモルタルや、鉄筋を損壊する恐れがあった。またブロック塀の補強支持構造がブロック塀のすぐそばに設置され、設置位置を変更できないため、この部分に構築されるブロック塀の基礎を壊して設置する必要や、植木の根がある場所などには設置ができないような不便な点があった。そして上述したように既存のブロック塀の目地のモルタルや鉄筋や基礎の一部を壊すことは、ブロック塀の耐震強度を逆に弱くする行為であり、その後ブロック塀の補強支持構造を構築するとは言っても、あまり好ましい工法とは言えない。
【0006】
本発明ブロック塀の補強支持具は上記の従来の問題点に着目して為されたものであり、比較的にシンプルな構造で、安価に提供することが可能であること、更に耐震補強性に優れ、既存のブロック塀の耐震強度を損ねることなく、補強のみを行い、既存のブロック壁の強度性をより向上することができること、また補強工事に使用される部材に対し、収益性を付加することによりブロック塀の補強工事をためらっている人達を補強工事を促進させることをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、ブロック塀の外面側に設けられる外面板と、前記ブロック塀の内面側に設けられる内面板と、前記外面板と内面板とを前記ブロック塀のブロックを挟んだ状態で連結固定する連結固定部材と、一端が前記内面板に連結され他端が地盤に固定される支柱とから成るブロックの倒壊または傾倒を防止する補強支持具であり、前記支柱は前記内面板に対し軸着されるものであり、前記支柱の地盤への固定箇所を変更自在としていることを特徴とするブロック塀の補強支持具である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載したブロック塀の補強支持具において、前記外面板の表面は平滑面とし、広告またはディスプレイ等の表示部としていることを特徴とするブロック塀の補強支持具である。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載したブロック塀の補強支持具において、前記外面板及び内面板は、少なくとも三つ以上の前記ブロックにまたがって設置され、これら全ブロックの目地以外の箇所に対し貫通孔が穿孔され、これら貫通孔にそれぞれ前記連結固定部材が挿通されることを特徴とするブロック塀の補強支持具である。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載したブロック塀の補強支持具において、前記連結固定部材は、雌ネジが切られた長さ調節体と、この長さ調節体に螺合される長ネジとを有して成り、前記ブロック塀の厚さに応じて長さ調節自在であることを特徴とするブロック塀の補強支持具である。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載したブロック塀の補強支持具において、隣接する前記外面板同士と内面板同士とのいずれか一方または双方を連結する連結板が設けられることを特徴とするブロック塀の補強支持具である。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5に記載したブロック塀の補強支持具において、前記連結板の端部同士を接合するための継ぎ手部材が設けられるものであり、この継ぎ手部材は、前記ブロック塀の外面側に設けられる外面板と、前記ブロック塀の内面側に設けられる内面板と、前記外面板と内面板とを前記ブロック塀のブロックを挟んだ状態で連結固定する連結固定部材とを有して成ることを特徴とするブロック塀の補強支持具である。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかに記載したブロック塀の補強支持具において、前記外面板、内面板及び連結固定部材は、前記ブロック塀の異なる高さ位置に、多段に設けられることを特徴とするブロック塀の補強支持具である。
【0014】
請求項8の発明は、請求項7に記載したブロック塀の補強支持具において、前記多段に設けられる外面板または内面板のうち、少なくとも所定高さの一段には、前記連結板が架設されることを特徴とするブロック塀の補強支持具である。
【発明の効果】
【0015】
本発明のブロック塀の補強支持具によれば、地震時においてブロック塀に地震の揺れの力が加わってもブロック塀の補強支持具で支持しているため、揺れが少なく済み、倒壊から免れる。
全体的にシンプルな構造のため、安価に製造、提供することができ、既存のブロック塀に対し、簡易的に設置することができる。支柱が内面板に対し軸着され地盤への固定箇所を変更自在としているため、ブロック塀の基礎の一部を破壊して設置することが避けられ、また地盤に植木の根など障害物があった場合やブロック塀が傾いている場合にも、設置が可能である。そしてブロック塀の基礎の一部を破壊して設置することがないため、もともとのブロック塀の耐震性を損なうことなく、補強を行うことが可能である。
また設置工事が簡単でわかりやすく、比較的安価に提供することが可能であるため、ブロック塀の補強工事をためらっている人達を後押しし、補強工事をより普及させることができる。
建築事業者や、知識を有さないブロック壁の所有者にも、設置工事とは切り離して、ブロック塀の補強支持具のみを販売することも可能となる。
【0016】
外面板の表面は平滑面とし、広告またはディスプレイ等の表示部としているため、例えばこの表示部を他人の広告用として賃貸とした場合には、収入源とすることができる。また自分のディスプレイ用とした場合にも、ブロック塀の補強支持具に付加価値が付く。そしてこのことは、ブロック塀の補強工事をためらっている人々を後押しし、補強工事をより促進させることができる。
【0017】
外面板及び内面板を、少なくとも三つ以上のブロックにまたがって設置され、それぞれに連結固定部材が挿入されるようにした場合、取り付け箇所の三つ以上のブロックを互いに緊結することができる。
【0018】
従来のよく見受けられる補強支持具のように、ブロック間の目地部分にドリルで穴を開け、目地部分に配設される鉄筋にフック等を係止するようなことがないため、目地部分のモルタルや目地に配設される鉄筋を損壊することがない。
【0019】
連結固定部材が長さ調節自在であるため、いろいろな厚さのブロック塀に常に適した寸法で用いることができ、ボルトが壁面から突出しないため、これが人の体や衣服に当接して、傷を負わせたり、事故を起こしたりすることがない。
【0020】
隣接する外面板同士と内面板同士とのいずれか一方または双方を連結する連結板が設けられるため、ブロック壁の各箇所に設置した外面板、内面板、連結固定部材及び支柱が、全体的に連係して揺れに対応し、より耐震性が増す。
【0021】
連結板の端部同士を接合し、ブロック壁に固定される継ぎ手部材が設けられるため、ブロック壁の強度性がより増加する。
【0022】
外面板、内面板及び連結固定部材は、ブロック塀の異なる高さ位置に、多段に設けられるため、高いブロック塀や、倒壊しやすい塀の安全性をより高くすることができる。
【0023】
多段に設けられる外面板または内面板のうち、少なくとも所定高さの一段には、連結板が架設されるため、ブロック壁の各箇所に設置した外面板、内面板、連結固定部材及び支柱が、全体的に連係して揺れに対応し、高いブロック塀や、倒壊しやすいブロック塀の安全性をより高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態に係るブロック塀の補強支持具を図面にしたがって説明する。
図1〜5に示すものが本発明の実施の形態1であり、ブロック塀の補強支持具1は、ブロック塀Bの外面側に設けられる外面板2と、ブロック塀Bの内面側に設けられる内面板3と、外面板2と内面板3とをブロック塀Bを挟んだ状態で連結固定する連結固定部材4と、一端が内面板3に連結され他端が地盤Gに固定される支柱5とから成る。
【0025】
以下、上記各部材について詳細に説明する。
外面板2について説明する。外面板2は、一例として正方形の金属平板を用いるもので、四つの角部には、連結固定部材4の長ナット状の長さ調節体41が立設される。外面板2の大きさは、一辺が500mm、400mm、300mm及び150mmのものなどが用いられる。外面板2を形成する金属としては、鉄やステンレスが使用されるものであるが、金属板以外に強化プラスチック板などを適用することも可能である。
外面板2の表面は平滑であり、図5に示されるように表示部2aとして使用される。この表示部2aは、具体的には各種広告、看板、表札、発光ダイオードサイン、標識、案内図、絵などのデザインパネル及び照明などの設置部などとして利用可能である。
【0026】
内面板3について説明する。内面板3も、一例として正方形の金属平板を用いるもので、四つの角部には、連結固定部材4を挿し通すためのネジ孔31が穿孔されている。内面板3の内側(ブロック塀Bに面しない側)には、支柱5と連結するための支持片32が溶接などにより二枚並んで設けられる。これら支持片32には、支柱5を支持するためのボルト54が挿入されるボルト孔32aが穿孔される。内面板3の大きさは、一辺が300mm及び150mmのものなどが用いられる。内面板3を形成する金属としては、鉄やステンレスが使用されるものであるが、金属板以外に強化プラスチック板などを適用することも可能である。
【0027】
外面板2と内面板3とを前記ブロック塀BのブロックB1を挟んだ状態で連結固定する連結固定部材4について説明する。図2及び図3に示すように外面板2の四角に立設された連結固定部材4の一部材である長さ調節体41に対し、それぞれ長ネジ42が螺合される。一方、ブロック塀Bには、これら長さ調節体41及び長ネジ42が挿入される貫通孔B3が四つ穿孔される。具体的には上下左右の四つのブロックB1の目地B2以外の箇所に対し、貫通孔B3がそれぞれ一つずつ穿孔される。貫通孔B3に長さ調節体41及び長ネジ42が挿入され、ブロック塀Bの内面側に先端をわずかに突出させる。この突出した長ネジ42の先端に対し、内面板3を貫通孔B3において掛け止め、ワッシャ43及び袋ナット44でねじ止めされる。
以上のようにして、図1、図4及び図5に示されるように外面板2及び内面板3が、上下左右の四つのブロックB1にまたがって設置されることとなる。
【0028】
支柱5について説明する。支柱5は、一例として直径60mmの鉄製やステンレス製の丸パイプを用いる。上部は、くの字状に折れ曲がり、上端には図2に示されるように内面板3と接続するためのボルト孔51が穿孔されている。一方、下端にはピン孔52が穿孔され、ここに丸棒状の抜け止め金具53が貫通した状態で挿入され、固定されている。支柱5と内面板3との接続は、支柱5の上端を内面板3の支持片32間に挟んだ状態で互いのボルト孔32a,51を位置合わせしてボルト54を挿入し、ワッシャ55とナット56とによりネジ止めされる。ナット56を締結する前は、支柱5は内面板3に対し回動自在であり、すなわち図3に示されるように支柱5の地盤Gへの固定箇所を変更自在としている。支柱5のサイズは、長さ2000mm、1600mm、1200mm及び800mmなどが用意されるものであり、ブロック塀Bの高さや、内面板3の設置高さによって、適宜のサイズのものが使用される。支柱5の下端は、支柱5の長さにより500〜300mm程度地盤Gに埋め込まれるもので、地盤Gを掘って、支柱5を設置し、コンクリート6を打設することにより固定される。なお支柱5は、設置角度によって長さ調節可能なように伸縮自在な構成としてもよい。
【0029】
本実施の形態に係るブロック塀Bの補強支持具1は、一例として以上のように構成されるものであり、以下にこの使用態様について説明する。
まず設置時においては、支柱5が内面板3に対し軸着され地盤Gへの固定箇所を変更自在としているため、ブロック塀Bの基礎B5の一部を破壊して設置することが避けられ、また地盤Gに植木の根など障害物があった場合やブロック塀Bが傾いている場合にも、設置が可能である。更に設置時においてブロック塀Bの目地B2部位の鉄筋B4やモルタルを損壊する恐れもない。
【0030】
次に設置後においては、地震でブロック塀Bに揺れの力が加わってもブロック塀の補強支持具1で支持しているため、ブロック塀Bは揺れが少なく済み、倒壊から免れることができる。また外面板2や内面板3からボルトなどが突出することがないため、人体や衣服にこのボルトなどが引っ掛かり不慮の事故を起こすことが防止される。
【0031】
また外面板2の表面を広告やディスプレイなどの表示部2aとしているため、他人の広告用として、賃貸とした場合には、収入源とすることができ、ディスプレイとして使用した場合にもブロック塀Bに付加価値を付ける。そしてこのことは、ブロック塀Bの補強工事をためらっている人達を後押しし、補強工事をより普及させることができる。
【0032】
(実施の形態2)
図6〜図11に示すものが、本発明の実施の形態2に係るブロック塀の補強支持具1であり、この実施の形態は前述した実施の形態1に係るブロック塀の補強支持具1を、連結板7によって連結するようにしたものである。
具体的には、前述した外面板2、内面板3、連結固定部材4及び支柱5の他に、連結板7と継ぎ手部材8を具備して成る。
【0033】
連結板7は、図6、図7及び図10に示されるように帯状の金属平板であり、タッピングビスSにより外面板2及び内面板3のほぼ中心を通るように固定される。具体的には連結板7は、一例として長さ1600mmと800mmとものが用意され、ブロック塀Bの高さや強度によって使い分けられる。連結板7の上方及び下方には、ブロックB1と外面板2及び内面板3との間に開く隙間に対し、矩形平板状のスペーサ45が設けられる。スペーサ45には、連結固定部材4を挿し通すためのネジ孔45aが左右に穿孔されており、予めタッピングビスSにより外面板2及び内面板3に対し固定される。連結板7と、外面板2及び内面板3とは、上記タッピングビスSによる固定の他に、現場において適宜溶接がなされるものである。なお図6及び図7中、符号hで示すものは、タッピングビスSをネジ止めするための下穴である。
【0034】
隣り合う連結板7は、図7及び図9に示されるような継ぎ手部材8によって接続される。継ぎ手部材8は、前記実施の形態1で示したブロック塀の補強支持具1の構成から、支柱5と、この支柱5を支持する内面板3の支持片32を取り除いた形態をするものである。具体的には継ぎ手部材8は、図7に示されるようにブロック塀Bの外面側に設けられる外面板81と、ブロック塀Bの内面側に設けられる内面板82と、外面板81と内面板82とをブロック塀BのブロックB1を挟んだ状態で連結固定する連結固定部材83とを有して成る。
【0035】
継ぎ手部材8の外面板81及び内面板82は、前述したように実施の形態1に係るブロック塀の補強支持具1のものとほぼ同一形態の矩形状の金属平板を用いるが、図10及び図11で示すように外面板2及び内面板3よりも小さいものを用いる。連結板7は、図7に示されるように端部が、外面板81及び内面板82のほぼ中央位置となるようにタッピングビスSにより固定される。
【0036】
継ぎ手部材8の連結固定部材83について説明すると、外面板81の四角に立設される長ナット状の長さ調節体と、これら長さ調節体の雌ネジに螺合される長ネジ85と、左右にネジ孔88aが穿孔されたスペーサ88と、長ネジ85の先端にネジ止めされるワッシャ86及び袋ナット87とから成る。
【0037】
以上のようにブロック塀の補強支持具1を構成した場合、各箇所に設置した外面板2、内面板3、連結固定部材4及び支柱5が、全体的に連係して揺れに対応するため、より地震に対し、強度性が増す。
【0038】
(実施の形態3)
図12に示すものが、本発明の実施の形態3に係るブロック塀の補強支持具1であり、このものは前述した実施の形態2に係るブロック塀の補強支持具1を、上下二段に設けたものである。
そして上段のブロック塀の補強支持具1の方が、下段のものよりも外面板2及び内面板3のサイズが大きいものを用いている。これは、ブロック塀Bの低い箇所の方が、揺れが小さいため地震時のブロック塀の補強支持具1にかかる応力も小さいためである。
【0039】
なお本実施の形態では、上段と下段の両方に連結板7を設けているが、どちらか一方に設けるようにしてもよい。またブロック塀Bの高さによっては、二段で実施する他に三段や四段等で実施することも可能である。
以上のようにブロック塀の補強支持具1を構成した場合、高いブロック塀Bや、倒壊しやすい塀の安全性をより高くすることができる。
【0040】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
また本発明のブロック塀の補強支持具1は、本来の使用態様としては、以上詳述したようにブロック塀Bに対し固定されるものであるが、例えば隣家が、その所有するブロック塀Bを補強することに応じてくれない場合や、そのような要求を行うことがためらわれる場合には、例えば内面板3と支柱5のみで構成し、ブロック塀Bに内面板3を当接させるだけで支持する使用形態を採ることが可能である。ちなみにこの場合、内面板3とブロック塀Bの間には、ゴムシート等を設け、ブロック塀Bに傷を付けないようにすることが好ましい。
このような実施形態を採った場合、既存のブロック塀Bの耐震性がいくらか増すし、またブロック塀Bが倒壊するにしても自分の敷地内側には倒壊しないようになる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のブロック塀の補強支持具は、比較的にシンプルな構造で、安価に提供することが可能で、そして耐震補強性に優れており、既存のブロック塀の補強工事を行ったり、新たにブロック塀を構築したりする建築産業分野等において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態1に係るブロック塀の補強支持具を用いてブロック塀を補強支持する様子を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るブロック塀の補強支持具を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るブロック塀の補強支持具を示す右側面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るブロック塀の補強支持具を示す背面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るブロック塀の補強支持具を示す正面図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係るブロック塀の補強支持具の内面板、外面板及び連結固定部材の箇所を示す分解斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るブロック塀の補強支持具の継ぎ手部材の箇所を示す分解斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係るブロック塀の補強支持具を示す右側面図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係るブロック塀の補強支持具の継ぎ手部材を示す右側面図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係るブロック塀の補強支持具を示す背面図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係るブロック塀の補強支持具を示す正面図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係るブロック塀の補強支持具を示す右側面図である。
【符号の説明】
【0043】
1…ブロック塀の補強支持具 2…外面板 2a…表示部
3…内面板 31…ネジ孔 32…支持片 32a…ボルト孔
4…連結固定部材 41…長さ調節体 42…長ネジ
43…ワッシャ 44…袋ナット 45…スペーサ 45a…ネジ孔
5…支柱 51…ボルト孔 52…ピン孔 53…抜け止め金具
54…ボルト 55…ワッシャ 56…ナット
6…コンクリート 7…連結板 8…継ぎ手部材
81…外面板 82…内面板 82a…ネジ孔
83…連結固定部材 84…長さ調節体 85…長ネジ
86…ワッシャ 87…袋ナット 88…スペーサ 88a…ネジ孔
B…ブロック塀 B1…ブロック B2…目地
B3…貫通孔 B4…鉄筋 B5…基礎
G…地盤 h…下穴 S…タッピングビス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック塀の外面側に設けられる外面板と、前記ブロック塀の内面側に設けられる内面板と、前記外面板と内面板とを前記ブロック塀のブロックを挟んだ状態で連結固定する連結固定部材と、一端が前記内面板に連結され他端が地盤に固定される支柱とから成るブロックの倒壊または傾倒を防止する補強支持具であり、前記支柱は前記内面板に対し軸着されるものであり、前記支柱の地盤への固定箇所を変更自在としていることを特徴とするブロック塀の補強支持具。
【請求項2】
請求項1に記載したブロック塀の補強支持具において、前記外面板の表面は平滑面とし、広告またはディスプレイ等の表示部としていることを特徴とするブロック塀の補強支持具。
【請求項3】
請求項1または2に記載したブロック塀の補強支持具において、前記外面板及び内面板は、少なくとも三つ以上の前記ブロックにまたがって設置され、これら全ブロックの目地以外の箇所に対し貫通孔が穿孔され、これら貫通孔にそれぞれ前記連結固定部材が挿通されることを特徴とするブロック塀の補強支持具。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載したブロック塀の補強支持具において、前記連結固定部材は、雌ネジが切られた長さ調節体と、この長さ調節体に螺合される長ネジとを有して成り、前記ブロック塀の厚さに応じて長さ調節自在であることを特徴とするブロック塀の補強支持具。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載したブロック塀の補強支持具において、隣接する前記外面板同士と内面板同士とのいずれか一方または双方を連結する連結板が設けられることを特徴とするブロック塀の補強支持具。
【請求項6】
請求項5に記載したブロック塀の補強支持具において、前記連結板の端部同士を接合するための継ぎ手部材が設けられるものであり、この継ぎ手部材は、前記ブロック塀の外面側に設けられる外面板と、前記ブロック塀の内面側に設けられる内面板と、前記外面板と内面板とを前記ブロック塀のブロックを挟んだ状態で連結固定する連結固定部材とを有して成ることを特徴とするブロック塀の補強支持具。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載したブロック塀の補強支持具において、前記外面板、内面板及び連結固定部材は、前記ブロック塀の異なる高さ位置に、多段に設けられることを特徴とするブロック塀の補強支持具。
【請求項8】
請求項7に記載したブロック塀の補強支持具において、前記多段に設けられる外面板または内面板のうち、少なくとも所定高さの一段には、前記連結板が架設されることを特徴とするブロック塀の補強支持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−144341(P2009−144341A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−319789(P2007−319789)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【出願人】(307041447)
【Fターム(参考)】