説明

プラットホームドア用安全装置

【課題】 プラットホームドアの近傍の所定の領域内に存在する物体を従来より正確に検出することができるプラットホームドア用安全装置を提供する。
【解決手段】 プラットホームドア用安全装置は、自身に対する物体の距離を受光素子の出力のピークのタイミングに基づいて取得して距離の情報をそれぞれ有する画素の集合である距離画像を生成するタイムオブフライト方式の三次元センサーと、プラットホームドアの近傍の検出領域内に存在する物体を検出する領域内物体検出手段と、領域内物体検出手段によって物体の検出に使用される画素である検出用画素を選定する検出用画素選定手段とを備えており、検出用画素選定手段は、三次元センサーによって生成された距離画像の画素のうち、その距離画像より前に三次元センサーによって生成された距離画像からの距離の変化量が所定の基準を満たす(S103でYES)画素のみを検出用画素として選定する(S104)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラットホームドアの近傍の所定の領域内に存在する物体を検出するプラットホームドア用安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラットホームドア用安全装置として、プラットホームドアの近傍に光を発する発光部である投光器と、投光器から発せられて物体によって反射された光を受ける受光素子である撮像素子とを備えていて、自身に対する物体の距離を画素毎に表す画像である距離画像を撮像素子の出力に基づいて生成するタイムオブフライト方式の三次元センサーである距離画像センサと、距離画像センサによって生成された距離画像の画素に基づいてプラットホームドアの近傍の所定の領域内に存在する物体を検出する領域内物体検出手段である演算部とを備えている安全装置が知られている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−93514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のプラットホームドア用安全装置においては、距離画像センサが撮像素子の出力のピークのタイミングに基づいて自身に対する物体の距離を取得するタイムオブフライト方式の三次元センサーである場合、演算部によって物体が検出される領域(以下「検出領域」という。)外で物体が高速に移動するときに、その物体が演算部によって検出領域内に存在すると誤検出される現象が発生することがあるという問題を本願の発明者は認識している。以下、具体的に説明する。
【0005】
図12は、従来のプラットホームドア用安全装置の一例であるプラットホームドア用安全装置930が設置されたプラットホーム910の側面図である。
【0006】
図12に示すように、プラットホーム910には、プラットホームドア920が設置されている。
【0007】
プラットホームドア920は、ドア本体921、922と、ドア本体921、922をそれぞれ収納する戸袋923、924とを備えている。戸袋923、924には、ドア本体921、922をそれぞれ駆動する図示していない駆動部が内部に収納されている。
【0008】
プラットホームドア用安全装置930は、自身に対する物体の距離を画素毎に表す画像である距離画像を生成するタイムオブフライト(TOF)方式の三次元センサー940と、三次元センサー940によって生成された距離画像の画素に基づいて斜線で示した検出領域930a内に存在する物体を検出するコンピューター950とを備えている。
【0009】
ここで、距離画像の各画素は、三次元センサー940に対する物体の距離の情報をそれぞれ有する点である。そして、距離画像は、それらの画素の二次元上の集合であって、三次元センサー940に対する物体の位置を示す三次元データである。
【0010】
三次元センサー940は、プラットホームドア920の戸袋923の線路側に固定されている。三次元センサー940は、プラットホームドア920の近傍に光を発する図示していない発光部と、発光部から発せられて物体によって反射された光を受ける図示していない受光素子とを備えている。三次元センサー940は、所定の角度の範囲940aに存在する物体の距離を測定可能である。三次元センサー940は、IC(Integrated Circuit)を内蔵しており、受光素子の出力のピークのタイミングに基づいて自身に対する物体の距離を取得する。
【0011】
図12に示す位置P1、P2、P3にそれぞれ物体990が存在している場合のプラットホームドア用安全装置930の動作について説明する。位置P1、P2、P3は、それぞれ三次元センサー940から距離がL、2L、3Lの位置である。
【0012】
図13は、三次元センサー940の発光部の発光パターンと、位置P1、P2、P3にそれぞれ物体990が存在している場合の、物体990によって反射された光を受ける受光素子(以下「対象受光素子」という。)の受光パターンとを示すグラフである。位置P1、P2、P3に物体990が存在している場合の対象受光素子の受光パターンを示すグラフは、それぞれ上から2、3、4番目のグラフである。
【0013】
図13に示すように、三次元センサー940の発光部は、4Tの時間周期で発光する。そして、三次元センサー940の対象受光素子は、位置P1に物体990が存在している場合に発光部の発光時間からT遅れて4Tの時間周期で受光し、位置P2に物体990が存在している場合に発光部の発光時間から2T遅れて4Tの時間周期で受光し、位置P3に物体990が存在している場合に発光部の発光時間から3T遅れて4Tの時間周期で受光する。
【0014】
なお、三次元センサー940の発光部から発せられた光は、進行距離が長いほど減衰する。したがって、位置P1、P2、P3にそれぞれ物体990が存在している場合の対象受光素子の出力は、位置P1、P2、P3の順に小さくなっている。
【0015】
三次元センサー940は、受光素子の出力について、所定の複数の周期分の出力を周期内の時間毎に積算して1フレームの距離画像を生成する。
【0016】
図14は、位置P1、P2、P3にそれぞれ物体990が存在している場合に所定の複数の周期分の出力を周期内の時間毎に積算したときの対象受光素子の出力を示すグラフである。位置P1、P2、P3に物体990が存在している場合の対象受光素子の出力を示すグラフは、それぞれ上から1、2、3番目のグラフである。
【0017】
図14に示すように、位置P1に物体990が存在している場合、対象受光素子の出力のピークのタイミングはTである。したがって、三次元センサー940は、位置P1に物体990が存在している場合、自身に対する物体990の距離であるLを、T×(1/2)×cとして算出することができる。ここで、cは、光の速度である。同様に、三次元センサー940は、位置P2に物体990が存在している場合、自身に対する物体990の距離を、2T×(1/2)×c、すなわち、2Lとして算出する。三次元センサー940は、位置P3に物体990が存在している場合、自身に対する物体990の距離を、3T×(1/2)×c、すなわち、3Lとして算出する。
【0018】
三次元センサー940は、各受光素子について以上のようにして物体990の距離を算出し、自身に対する物体990の距離を画素毎に表した1フレームの距離画像を生成する。
【0019】
図15は、物体990が位置P4、P5、P6、P7の順に高速に移動する場合のプラットホーム910の側面図である。物体990は、位置P4と、位置P7との間において、位置P5、P6以外にも多数の位置を通過する。しかしながら、理解を容易にするために、以下においては、位置P4、P5、P6、P7のみについて説明する。
【0020】
図15に示すように位置P4、P5、P6、P7の順に物体990が高速に移動する場合のプラットホームドア用安全装置930の動作について説明する。位置P4、P5、P6、P7は、それぞれ三次元センサー940から距離が3.01L、3L、2.99L、2.98Lの位置である。
【0021】
図16は、位置P4、P5、P6、P7にそれぞれ物体990が存在している場合の対象受光素子の受光パターンを示すグラフである。位置P4、P5、P6、P7に物体990が存在している場合の対象受光素子の受光パターンを示すグラフは、それぞれ上から1、2、3、4番目のグラフである。なお、三次元センサー940に対する位置P4、P5、P6、P7の方向がそれぞれ異なるので、位置P4、P5、P6、P7にそれぞれ物体990が存在している場合の対象受光素子は、それぞれ異なる受光素子である。
【0022】
図16に示すように、三次元センサー940の対象受光素子は、位置P4に物体990が存在している場合に発光部の発光時間から3.01T遅れて4Tの時間周期で受光し、位置P5に物体990が存在している場合に発光部の発光時間から3T遅れて4Tの時間周期で受光し、位置P6に物体990が存在している場合に発光部の発光時間から2.99T遅れて4Tの時間周期で受光し、位置P7に物体990が存在している場合に発光部の発光時間から2.98T遅れて4Tの時間周期で受光する。
【0023】
なお、三次元センサー940の発光部から発せられた光は、進行距離が長いほど減衰する。したがって、位置P4、P5、P6、P7にそれぞれ物体990が存在している場合の対象受光素子の出力は、位置P4、P5、P6、P7の順に大きくなっている。
【0024】
ここで、図16において、位置P4、P5、P6、P7にそれぞれ物体990が存在している場合の対象受光素子の受光パターンは、破線で示している。位置P4、P5、P6、P7の順に物体990が高速に移動する場合には位置P4、P5、P6に存在する時間が僅かである。したがって、位置P4、P5、P6、P7の順に物体990が高速に移動する場合の対象受光素子の受光パターンは、例えば、図16に斜線で示す範囲となる。すなわち、位置P4を物体990が移動する場合の対象受光素子の受光パターンは、2.01Tから2.21Tまでの時間の範囲のみである。位置P5を物体990が移動する場合の対象受光素子の受光パターンは、6.4Tから6.6Tまでの時間の範囲のみである。位置P6を物体990が移動する場合の対象受光素子の受光パターンは、11.39Tから11.59Tまでの時間の範囲のみである。位置P7に物体990が到達した場合の対象受光素子の受光パターンは、12Tより後の何れかの時間以降の範囲のみである。
【0025】
図17は、物体990が位置P4、P5、P6、P7の順に高速に移動する場合に所定の複数の周期分の出力を周期内の時間毎に積算したときの対象受光素子の出力を示すグラフである。位置P4、P5、P6を物体990が移動する場合の対象受光素子の出力を示すグラフは、それぞれ上から1、2、3番目のグラフである。位置P7に物体990が存在している場合の対象受光素子の出力を示すグラフは、上から4番目のグラフである。
【0026】
図17に示すように、位置P4に対する対象受光素子の出力のピークのタイミングは2.21Tである。したがって、三次元センサー940は、位置P4に対して、自身に対する物体990の距離を、2.21T×(1/2)×c、すなわち、2.21Lとして算出する。同様に、三次元センサー940は、位置P5に対して、自身に対する物体990の距離を、2.6T×(1/2)×c、すなわち、2.6Lとして算出する。三次元センサー940は、位置P6に対して、自身に対する物体990の距離を、3.39T×(1/2)×c、すなわち、3.39Lとして算出する。三次元センサー940は、位置P7に対して、自身に対する物体990の距離を、2.98T×(1/2)×c、すなわち、2.98Lとして算出する。
【0027】
三次元センサー940は、各受光素子について以上のようにして物体990の距離を算出し、自身に対する物体990の距離を画素毎に表した1フレームの距離画像を生成する。すなわち、三次元センサー940は、位置P4、P5、P6を高速に移動する物体990の影響によって、図18に示すように位置P7だけでなく位置P4´、P5´、P6´にも物体990が存在することを表す1フレームの距離画像を生成する。
【0028】
図18は、三次元センサー940によって生成された距離画像の一例を示す図である。図19は、図18に示す位置P4´、P5´、P6´の説明のためのプラットホーム910の側面図である。
【0029】
図18に示す距離画像において、各画素が有する距離の情報は、ハッチングの違いによって描き分けられている。しかしながら、実際には、距離画像において、各画素が有する距離の情報は、例えば色の違いによって表される。
【0030】
図18および図19に示すように、位置P4´、P5´、P6´は、それぞれ位置P4、P5、P6を高速で移動する物体990が三次元センサー940によって誤って測定された位置である。したがって、三次元センサー940が図18に示す距離画像を生成した場合、コンピューター950は、検出領域930a外で高速に移動する物体990について、位置P4´で検出領域930a内に存在すると誤検出する。
【0031】
そこで、本発明は、プラットホームドアの近傍の所定の領域内に存在する物体を従来より正確に検出することができるプラットホームドア用安全装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明のプラットホームドア用安全装置は、プラットホームドアの近傍に光を発する発光部と、前記発光部から発せられて物体によって反射された光を受ける受光素子とを備えていて、自身に対する前記物体の距離を前記受光素子の出力のピークのタイミングに基づいて取得して前記距離の情報をそれぞれ有する点の二次元上の集合であって自身に対する前記物体の位置を示す三次元データを生成するタイムオブフライト方式の三次元センサーと、前記三次元センサーによって生成された前記三次元データの前記点に基づいて前記プラットホームドアの近傍の所定の領域内に存在する前記物体を検出する領域内物体検出手段と、前記三次元センサーによって生成された前記三次元データのうち前記領域内物体検出手段によって前記物体の検出に使用される点である検出用点を選定する検出用点選定手段とを備えており、前記検出用点選定手段は、前記三次元センサーによって生成された前記三次元データの前記点のうち、その三次元データより前に前記三次元センサーによって生成された前記三次元データからの前記距離の変化量が所定の基準を満たす点のみを前記検出用点として選定することを特徴とする。
【0033】
この構成により、本発明のプラットホームドア用安全装置は、三次元センサーによって生成された三次元データの点のうち、三次元センサーに対する物体の距離が急激に変化した点を検出用点として選定しないので、プラットホームドアの近傍の所定の領域外で物体が高速に移動する場合に、その物体がその領域内に存在すると誤検出する可能性を低減することができる。したがって、本発明のプラットホームドア用安全装置は、プラットホームドアの近傍の所定の領域内に存在する物体を従来より正確に検出することができる。
【0034】
また、本発明のプラットホームドア用安全装置の前記基準は、前記変化量が所定の負の値より大きいという基準であっても良い。
【0035】
この構成により、本発明のプラットホームドア用安全装置は、三次元センサーに対する物体の距離が急激に変化した点のうち、プラットホームドアの近傍の所定の領域内に物体が存在すると誤検出される可能性が高い点、すなわち、三次元センサーに急激に近づいた物体を表す点のみを検出用点から除外することができるので、三次元センサーに対する物体の距離が急激に変化した点のうち、三次元センサーに急激に近づいた物体を表す点だけでなく、三次元センサーに急激に遠ざかった物体を表す点も検出用点から除外する構成と比較して、検出用点の選定の処理時間を短縮することができる。
【0036】
また、本発明のプラットホームドア用安全装置は、前記領域内物体検出手段によって前記領域内に前記物体が検出された場合に安全のための所定の動作を実行する安全動作実行手段を備えていても良い。
【0037】
この構成の場合、本発明のプラットホームドア用安全装置は、プラットホームドアの近傍の所定の領域内に物体が存在すると誤検出されたときに車両の運行に支障があるので、プラットホームドアの近傍の所定の領域内に存在する物体を正確に検出する意義が大きい。
【0038】
また、本発明のプラットホームドア用安全装置の前記動作は、前記プラットホームドアを開く動作であっても良い。
【0039】
この構成の場合、本発明のプラットホームドア用安全装置は、プラットホームドアの近傍の所定の領域内に物体が存在すると誤検出されたときに車両の運行に大いに支障があるので、プラットホームドアの近傍の所定の領域内に存在する物体を正確に検出する意義が特に大きい。
【0040】
また、本発明の安全装置用プログラムは、プラットホームドアの近傍に光を発する発光部と、前記発光部から発せられて物体によって反射された光を受ける受光素子とを備えていて、自身に対する前記物体の距離を前記受光素子の出力のピークのタイミングに基づいて取得して前記距離の情報をそれぞれ有する点の二次元上の集合であって自身に対する前記物体の位置を示す三次元データを生成するタイムオブフライト方式の三次元センサーと、コンピューターとを備えているプラットホームドア用安全装置の前記コンピューターに、前記三次元センサーによって生成された前記三次元データの前記点に基づいて前記プラットホームドアの近傍の所定の領域内に存在する前記物体を検出する領域内物体検出ステップと、前記三次元センサーによって生成された前記三次元データのうち前記領域内物体検出ステップによって前記物体の検出に使用される点である検出用点を選定する検出用点選定ステップとを実行させ、前記検出用点選定ステップは、前記三次元センサーによって生成された前記三次元データの前記点のうち、その三次元データより前に前記三次元センサーによって生成された前記三次元データからの前記距離の変化量が所定の基準を満たす点のみを前記検出用点として選定するステップであることを特徴とする。
【0041】
この構成により、本発明の安全装置用プログラムを実行するコンピューターは、三次元センサーによって生成された三次元データの点のうち、三次元センサーに対する物体の距離が急激に変化した点を検出用点として選定しないので、プラットホームドアの近傍の所定の領域外で物体が高速に移動する場合に、その物体がその領域内に存在すると誤検出する可能性を低減することができる。したがって、本発明の安全装置用プログラムを実行するコンピューターは、プラットホームドアの近傍の所定の領域内に存在する物体を従来より正確に検出することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明のプラットホームドア用安全装置は、プラットホームドアの近傍の所定の領域内に存在する物体を従来より正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本願発明の一実施の形態に係るプラットホームドア用安全装置が設置されたプラットホームの側面図である。
【図2】図1に示すプラットホームの一部の平面図である。
【図3】図1に示す三次元センサーの正面図である。
【図4】プラットホームドア用安全装置の検出領域を示した図1に示すプラットホームの側面図である。
【図5】プラットホームドア用安全装置の検出領域を示した図1に示すプラットホームの一部の平面図である。
【図6】図1に示すコンピューターのハードウェア構成のブロック図である。
【図7】図1に示すコンピューターの機能のブロック図である。
【図8】図7に示す検出用画素選定手段の動作のフローチャートである。
【図9】図7に示す検出用画素選定手段の動作のフローチャートであって、図8に示す動作とは異なる動作のフローチャートである。
【図10】参考発明の一実施の形態に係るプラットホームドア用安全装置の検出用画素選定手段の動作のフローチャートである。
【図11】図10に示す動作における一処理の説明図である。
【図12】従来のプラットホームドア用安全装置が設置されたプラットホームの側面図である。
【図13】図12に示す三次元センサーの発光部の発光パターンと、位置P1、P2、P3にそれぞれ物体が存在している場合の対象受光素子の受光パターンとを示すグラフである。
【図14】位置P1、P2、P3にそれぞれ物体が存在している場合に所定の複数の周期分の出力を周期内の時間毎に積算したときの図12に示す三次元センサーの対象受光素子の出力を示すグラフである。
【図15】物体が位置P4、P5、P6、P7の順に高速に移動する場合の図12に示すプラットホームの側面図である。
【図16】位置P4、P5、P6、P7にそれぞれ物体が存在している場合の図12に示す三次元センサーの対象受光素子の受光パターンを示すグラフである。
【図17】物体が位置P4、P5、P6、P7の順に高速に移動する場合に所定の複数の周期分の出力を周期内の時間毎に積算したときの図12に示す三次元センサーの対象受光素子の出力を示すグラフである。
【図18】図12に示す三次元センサーによって生成された距離画像の一例を示す図である。
【図19】図18に示す位置P4´、P5´、P6´の説明のためのプラットホームの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本願発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0045】
まず、本実施の形態に係るプラットホームドア用安全装置の構成について説明する。
【0046】
図1は、本実施の形態に係るプラットホームドア用安全装置30が設置されたプラットホーム10の側面図である。図2は、プラットホーム10の一部の平面図である。
【0047】
図1および図2に示すように、プラットホーム10には、プラットホームドア20が設置されている。
【0048】
プラットホームドア20は、ドア本体21、22と、ドア本体21、22をそれぞれ収納する戸袋23、24とを備えている。戸袋23、24には、ドア本体21、22をそれぞれ駆動する図示していない駆動部が内部に収納されている。
【0049】
プラットホームドア用安全装置30は、自身に対する物体の距離を画素毎に表す画像である距離画像を生成するタイムオブフライト(TOF)方式の三次元センサー40と、三次元センサー40によって生成された距離画像の画素に基づいて物体を検出するコンピューター50とを備えている。
【0050】
ここで、距離画像の各画素は、三次元センサー40に対する物体の距離の情報をそれぞれ有する点である。そして、距離画像は、それらの画素の二次元上の集合であって、三次元センサー40に対する物体の位置を示す三次元データである。
【0051】
三次元センサー40は、プラットホームドア20の戸袋23の線路側に固定されている。
【0052】
図3は、三次元センサー40の正面図である。図4は、プラットホームドア用安全装置30の検出領域30aを示したプラットホーム10の側面図である。図5は、プラットホームドア用安全装置30の検出領域30aを示したプラットホーム10の一部の平面図である。
【0053】
図3〜図5に示すように、三次元センサー40は、プラットホームドア20の近傍に光を発する発光部である複数のLED(Light Emitting Diode)41と、複数のLED41から発せられて物体によって反射された光を受ける複数の受光素子42と、受光素子42の前に配置されているバンドパスフィルタ43とを備えている。三次元センサー40は、所定の角度の範囲40aに存在する物体の距離を測定可能である。三次元センサー40は、ICを内蔵しており、上述した従来の三次元センサー940と同様に、受光素子42の出力のピークのタイミングに基づいて自身に対する物体の距離を取得する。
【0054】
複数のLED41は、複数の受光素子42を囲むように配置されている。LED41は、所定の波長の光のみを発するものである。
【0055】
複数の受光素子42は、上下左右に整列して配置されていて、範囲40aのうち各々の担当の範囲からの光を受ける。複数のLED41は、複数の受光素子42の各々の担当の範囲に光を同時に発する。
【0056】
バンドパスフィルタ43は、LED41が発する光の波長を含む所定の範囲の波長の光のみを通すものである。
【0057】
図6は、コンピューター50のハードウェア構成のブロック図である。
【0058】
図6に示すように、コンピューター50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)51と、本願発明の安全装置用プログラム52aなどのプログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)52と、CPU51の作業領域として用いられる書き換え可能な揮発性記憶装置であるRAM(Random Access Memory)53と、プラットホームドア20の駆動部や三次元センサー40などの外部の装置と通信を行うためのUSB(Universal Serial Bus)などの通信部54とを備えている。CPU51は、ROM52に記憶されているプログラムを実行することによってコンピューター50を動作させる演算処理装置である。RAM53は、CPU51によってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0059】
安全装置用プログラム52aは、コンピューター50の製造段階でコンピューター50にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)などの記憶媒体から、または、ネットワーク上からコンピューター50に追加でインストールされるようになっていても良い。
【0060】
図7は、コンピューター50の機能のブロック図である。
【0061】
図7に示すように、コンピューター50は、CPU51がROM52に記憶されている安全装置用プログラム52aを実行することによって、三次元センサー40によって生成された距離画像の画素に基づいてプラットホームドア20の近傍の所定の領域、すなわち、図4および図5において斜線で示した検出領域30a内に存在する物体を検出する領域内物体検出手段50a、三次元センサー40によって生成された距離画像のうち領域内物体検出手段50aによって物体の検出に使用される画素である検出用点としての検出用画素を選定する検出用点選定手段としての検出用画素選定手段50b、および、領域内物体検出手段50aによって検出領域30a内に物体が検出された場合に安全のための所定の動作を実行する安全動作実行手段50cとして機能する。
【0062】
次に、プラットホームドア用安全装置30の動作について説明する。
【0063】
プラットホームドア用安全装置30のコンピューター50は、プラットホームドア20が閉じたときなどに、三次元センサー40の複数のLED41から図4および図5に示すように範囲40aに光を発する。
【0064】
次いで、三次元センサー40は、複数のLED41から発せられて物体によって反射された光を複数の受光素子42によって受ける。
【0065】
そして、三次元センサー40は、上述した従来の三次元センサー940と同様に、受光素子42の出力について、所定の複数の周期分の出力を周期内の時間毎に積算し、複数のLED41から光を発した時間と、複数の受光素子42がそれぞれ光を受けた時間との差に基づいて、物体の三次元上の位置を取得して、1フレームの距離画像を生成する。
【0066】
三次元センサー40は、以上のようにして生成した距離画像を次々にコンピューター50に送信する。例えば、三次元センサー40は、毎秒20フレームの距離画像をコンピューター50に送信する。したがって、上記の周期の1周期分の期間は、1/20秒を更に細かく分割した期間である。
【0067】
コンピューター50の検出用画素選定手段50bは、三次元センサー40から距離画像を受信すると、三次元センサー40によって生成された距離画像の画素のうち、その距離画像より1フレーム前に三次元センサー40によって生成された距離画像からの距離の変化量が所定の基準を満たす画素のみを検出用画素として選定する。すなわち、検出用画素選定手段50bは、三次元センサー40から次々に受信した距離画像に対して、次々に図8に示す処理を実行する。なお、検出用画素選定手段50bは、最初のフレームの距離画像については、1フレーム前の距離画像が存在しないので、全ての画素を検出用画素として選定する。
【0068】
図8は、検出用画素選定手段50bの動作のフローチャートである。
【0069】
図8に示すように、検出用画素選定手段50bは、今回のフレームの距離画像の全画素に対して、1フレーム前の距離画像からの距離の変化量を算出する(S101)。なお、距離画像のフレーム間の時間が明確であるので、S101において算出された変化量は、三次元センサー40と、物体とを結ぶ直線上における物体の速度として把握されることができる。
【0070】
次いで、検出用画素選定手段50bは、今回のフレームの距離画像のうち1つ目の画素を対象にする(S102)。
【0071】
次いで、検出用画素選定手段50bは、現在対象にしている画素について、所定の基準、すなわち、S101において算出した変化量が所定の負の値より大きいという基準を満たすか否かを判断する(S103)。
【0072】
なお、S103における判断に使用される値は、検出領域30a内に存在する人が領域内物体検出手段50aによって適切に検出されるように設定されることが望ましい。例えば、プラットホームドア20と車両90(図5参照。)とによって挟まれた狭い空間での人の移動速度が最高10m/sであると想定される場合、S103における判断に使用される値は、三次元センサー40から遠ざかる物体を表す画素と、三次元センサー40に対する位置に変化がない物体を表す画素と、三次元センサー40に10m/s以下の速度で近づく物体を表す画素とを検出用画素として検出用画素選定手段50bが選定するように、設定されることが望ましい。
【0073】
検出用画素選定手段50bは、S101において算出した変化量が所定の負の値より大きいとS103において判断すると、現在対象にしている画素を検出用画素として選定する(S104)。
【0074】
一方、検出用画素選定手段50bは、S101において算出した変化量が所定の負の値以下であるとS103において判断すると、現在対象にしている画素を検出用画素として選定しない(S105)。
【0075】
検出用画素選定手段50bは、S104またはS105の処理を終了すると、今回のフレームの距離画像の全画素を対象にしたか否かを判断する(S106)。
【0076】
検出用画素選定手段50bは、今回のフレームの距離画像の全画素を対象にしていないとS106において判断すると、今回のフレームの距離画像のうち、現在対象にしている画素の次の画素を新たな対象にして(S107)、再びS103の処理に戻る。
【0077】
一方、検出用画素選定手段50bは、今回のフレームの距離画像の全画素を対象にしたとS106において判断すると、図8に示す処理を終了する。
【0078】
検出用画素選定手段50bが図8に示す処理を終了すると、コンピューター50の領域内物体検出手段50aは、今回のフレームの距離画像の画素のうち、検出用画素選定手段50bによって選定された検出用画素に基づいて、検出領域30a内に存在する物体を検出する。すなわち、領域内物体検出手段50aは、三次元センサー40から次々に受信した距離画像に対して検出用画素が検出領域30a内に存在するか否かを判断し、検出用画素が検出領域30a内に存在すると判断した場合に、検出領域30a内に物体が存在すると判断する。
【0079】
そして、コンピューター50の安全動作実行手段50cは、領域内物体検出手段50aによって検出領域30a内に物体が検出された場合に、例えばプラットホームドア20を開く動作や、警報を鳴らす動作など、安全のための所定の動作を実行する。
【0080】
以上に説明したように、プラットホームドア用安全装置30は、三次元センサー40によって生成された距離画像のうち、三次元センサー40に対する物体の距離が急激に変化した画素を検出用画素として選定しない(S105)ので、プラットホームドア20の近傍の検出領域30a外で物体が高速に移動する場合に、その物体が検出領域30a内に存在すると誤検出する可能性を低減することができる。したがって、プラットホームドア用安全装置30は、プラットホームドア20の近傍の検出領域30a内に存在する物体を従来より正確に検出することができる。
【0081】
また、プラットホームドア用安全装置30は、1フレーム前の距離画像からの距離の変化量が所定の負の値より大きいという基準が検出用画素として選定する基準であるので、三次元センサー40に対する物体の距離が急激に変化した画素のうち、プラットホームドア20の近傍の検出領域30a内に物体が存在すると誤検出される可能性が高い画素、すなわち、三次元センサー40に急激に近づいた物体を表す画素のみを検出用画素から除外することができる。したがって、プラットホームドア用安全装置30は、三次元センサー40に対する物体の距離が急激に変化した画素のうち、三次元センサー40に急激に近づいた物体を表す画素だけでなく、三次元センサー40に急激に遠ざかった物体を表す画素も検出用画素から除外する構成と比較して、検出用画素の選定の処理時間を短縮することができる。
【0082】
なお、プラットホームドア用安全装置30は、三次元センサー40に対する物体の距離が急激に変化した画素のうち、三次元センサー40に急激に近づいた物体を表す画素だけでなく、三次元センサー40に急激に遠ざかった物体を表す画素も検出用画素から除外する構成であっても良い。検出用画素選定手段50bは、図8に示す処理の代わりに、図9に示す処理を実行することによって、三次元センサー40に対する物体の距離が急激に変化した画素のうち、三次元センサー40に急激に近づいた物体を表す画素だけでなく、三次元センサー40に急激に遠ざかった物体を表す画素も検出用画素から除外することができる。
【0083】
図9は、検出用画素選定手段50bの動作のフローチャートであって、図8に示す動作とは異なる動作のフローチャートである。
【0084】
図9に示す動作は、図8に示す動作にS121の処理を追加した動作である。すなわち、検出用画素選定手段50bは、S101において算出した変化量が所定の負の値より大きいとS103において判断すると、現在対象にしている画素について、S101において算出した変化量が所定の正の値より小さいという基準を満たすか否かを判断する(S121)。検出用画素選定手段50bは、S101において算出した変化量が所定の正の値より小さいとS121において判断すると、現在対象にしている画素を検出用画素として選定する(S104)。一方、検出用画素選定手段50bは、S101において算出した変化量が所定の正の値以上であるとS121において判断すると、現在対象にしている画素を検出用画素として選定しない(S105)。
【0085】
また、プラットホームドア用安全装置30は、領域内物体検出手段50aによって検出領域30a内に物体が検出された場合に安全動作実行手段50cが安全のための所定の動作を実行するので、プラットホームドア20の近傍の検出領域30a内に物体が存在すると誤検出された場合に車両90の運行に支障がある。例えば、プラットホームドア20が閉まった後、車両90が出発する前に、プラットホーム10上の人物が検出領域30a外で車両90の乗客に対して手を振って見送る場合、検出領域30a外で高速に移動する手が検出領域30a内に存在すると領域内物体検出手段50aによって誤検出されると、安全動作実行手段50cが安全のための所定の動作を実行するので、車両90が出発することができない。したがって、プラットホームドア用安全装置30は、プラットホームドア20の近傍の検出領域30a内に存在する物体を正確に検出する意義が大きい。
【0086】
プラットホームドア用安全装置30は、領域内物体検出手段50aによって検出領域30a内に物体が検出された場合に安全動作実行手段50cが安全のための所定の動作としてプラットホームドア20を開く動作を実行する場合、プラットホームドア20の近傍の検出領域30a内に物体が存在すると誤検出された場合に車両90の運行に大いに支障があるので、プラットホームドア20の近傍の検出領域30a内に存在する物体を正確に検出する意義が特に大きい。
【0087】
なお、プラットホームドア用安全装置30は、領域内物体検出手段50aによって検出領域30a内に物体が検出された場合に安全のための所定の動作を実行するようになっていなくても良い。
【0088】
(参考発明)
本願発明者は、プラットホームドアの近傍の所定の領域内に存在する物体を従来より正確に検出することができる発明として、本願発明とは異なる発明(以下「参考発明」という。)も行っている。
【0089】
以下、参考発明の一実施の形態(以下「参考発明実施形態」)について説明する。
【0090】
参考発明実施形態に係るプラットホームドア用安全装置は、検出用画素選定手段50bの動作を除いて、上述したプラットホームドア用安全装置30と同様である。
【0091】
参考発明実施形態に係るプラットホームドア用安全装置の検出用画素選定手段50bは、三次元センサー40から距離画像を受信すると、三次元センサー40によって生成された距離画像の画素のうち、自身と所定の距離以上の差がある周囲の画素の数が所定の数未満である画素のみを検出用画素として選定する。すなわち、検出用画素選定手段50bは、三次元センサー40から次々に受信した距離画像に対して、次々に図10に示す処理を実行する。
【0092】
図10は、参考発明実施形態に係るプラットホームドア用安全装置の検出用画素選定手段50bの動作のフローチャートである。
【0093】
図10に示すように、検出用画素選定手段50bは、今回のフレームの距離画像のうち1つ目の画素を対象にする(S201)。
【0094】
次いで、検出用画素選定手段50bは、現在対象にしている画素の周囲の画素のうち、現在対象にしている画素と所定の距離以上の差がある画素の数を取得する(S202)。例えば、現在対象にしている画素が図11に示す画素220である場合、検出用画素選定手段50bは、画素220の周囲の画素221〜228について、画素220との距離の差をそれぞれ算出し、算出した距離の差が所定の距離以上であるか否かを判断することによって、画素220の周囲の画素221〜228のうち、画素220と所定の距離以上の差がある画素の数を取得する。なお、検出用画素選定手段50bによって対象にされている画素が距離画像の輪郭を形成している画素である場合には、周囲の画素の数は8未満である。
【0095】
なお、S202における判断基準として使用される距離は、検出領域30a内に存在する人が領域内物体検出手段50aによって適切に検出されるように設定されることが望ましい。
【0096】
次いで、検出用画素選定手段50bは、S202において取得した数が所定の数未満であるか否かを判断する(S203)。
【0097】
なお、S203における判断基準として使用される数は、例えば3など、適切な数が設定されれば良い。
【0098】
検出用画素選定手段50bは、S202において取得した数が所定の数未満であるとS203において判断すると、現在対象にしている画素を検出用画素として選定する(S204)。
【0099】
一方、検出用画素選定手段50bは、S202において取得した数が所定の数以上であるとS203において判断すると、現在対象にしている画素を検出用画素として選定しない(S205)。
【0100】
検出用画素選定手段50bは、S204またはS205の処理を終了すると、今回のフレームの距離画像の全画素を対象にしたか否かを判断する(S206)。
【0101】
検出用画素選定手段50bは、今回のフレームの距離画像の全画素を対象にしていないとS206において判断すると、今回のフレームの距離画像のうち、現在対象にしている画素の次の画素を新たな対象にして(S207)、再びS202の処理に戻る。
【0102】
一方、検出用画素選定手段50bは、今回のフレームの距離画像の全画素を対象にしたとS206において判断すると、図10に示す処理を終了する。
【0103】
本参考発明は、高速で移動する物体の位置を三次元センサー40が誤って測定する場合に、三次元センサー40によって生成される距離画像において、三次元センサー40によって誤った位置に測定された物体を表す画素の距離が周囲の画素と極端に異なるときがあることに着目した発明である。
【0104】
本参考発明は、本願発明と比較して検出用画素の選定に多くの処理時間が必要であるが、フレーム毎に、他のフレームとは無関係に検出用画素を選定することができる。
【符号の説明】
【0105】
20 プラットホームドア
30 プラットホームドア用安全装置
30a 検出領域(所定の領域)
40 三次元センサー
41 LED(発光部)
42 受光素子
50 コンピューター
50a 領域内物体検出手段
50b 検出用画素選定手段(検出用点選定手段)
50c 安全動作実行手段
52a 安全装置用プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラットホームドアの近傍に光を発する発光部と、前記発光部から発せられて物体によって反射された光を受ける受光素子とを備えていて、自身に対する前記物体の距離を前記受光素子の出力のピークのタイミングに基づいて取得して前記距離の情報をそれぞれ有する点の二次元上の集合であって自身に対する前記物体の位置を示す三次元データを生成するタイムオブフライト方式の三次元センサーと、前記三次元センサーによって生成された前記三次元データの前記点に基づいて前記プラットホームドアの近傍の所定の領域内に存在する前記物体を検出する領域内物体検出手段と、前記三次元センサーによって生成された前記三次元データのうち前記領域内物体検出手段によって前記物体の検出に使用される点である検出用点を選定する検出用点選定手段とを備えており、
前記検出用点選定手段は、前記三次元センサーによって生成された前記三次元データの前記点のうち、その三次元データより前に前記三次元センサーによって生成された前記三次元データからの前記距離の変化量が所定の基準を満たす点のみを前記検出用点として選定することを特徴とするプラットホームドア用安全装置。
【請求項2】
前記基準は、前記変化量が所定の負の値より大きいという基準であることを特徴とする請求項1に記載のプラットホームドア用安全装置。
【請求項3】
前記領域内物体検出手段によって前記領域内に前記物体が検出された場合に安全のための所定の動作を実行する安全動作実行手段を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラットホームドア用安全装置。
【請求項4】
前記動作は、前記プラットホームドアを開く動作であることを特徴とする請求項3に記載のプラットホームドア用安全装置。
【請求項5】
プラットホームドアの近傍に光を発する発光部と、前記発光部から発せられて物体によって反射された光を受ける受光素子とを備えていて、自身に対する前記物体の距離を前記受光素子の出力のピークのタイミングに基づいて取得して前記距離の情報をそれぞれ有する点の二次元上の集合であって自身に対する前記物体の位置を示す三次元データを生成するタイムオブフライト方式の三次元センサーと、コンピューターとを備えているプラットホームドア用安全装置の前記コンピューターに、
前記三次元センサーによって生成された前記三次元データの前記点に基づいて前記プラットホームドアの近傍の所定の領域内に存在する前記物体を検出する領域内物体検出ステップと、前記三次元センサーによって生成された前記三次元データのうち前記領域内物体検出ステップによって前記物体の検出に使用される点である検出用点を選定する検出用点選定ステップとを実行させ、
前記検出用点選定ステップは、前記三次元センサーによって生成された前記三次元データの前記点のうち、その三次元データより前に前記三次元センサーによって生成された前記三次元データからの前記距離の変化量が所定の基準を満たす点のみを前記検出用点として選定するステップであることを特徴とする安全装置用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−86740(P2013−86740A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231500(P2011−231500)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】