プレゼンテーション装置
【課題】効果的なプレゼンテーションを実現する技術を提供することを課題とする。
【解決手段】プレゼンテーション用の原稿を示すプレゼンテーション装置1であって、少なくとも一方が透明な2つのシート3A〜D,4A〜Dを、原稿が記された書類9A〜Dを2つのシート3A〜D,4A〜Dの間で抜き差し可能なように重ねて形成した矩形のケース体2A〜Dを少なくとも3以上備え、各ケース体2A〜Dは、左右に並んだ状態で、或いは田型状に並んだ状態で、透明なシート3A〜Dで構成される面が同じ方向を向き且つ隣接するケース体2A〜Dと相対的に回動可能なように連結される。
【解決手段】プレゼンテーション用の原稿を示すプレゼンテーション装置1であって、少なくとも一方が透明な2つのシート3A〜D,4A〜Dを、原稿が記された書類9A〜Dを2つのシート3A〜D,4A〜Dの間で抜き差し可能なように重ねて形成した矩形のケース体2A〜Dを少なくとも3以上備え、各ケース体2A〜Dは、左右に並んだ状態で、或いは田型状に並んだ状態で、透明なシート3A〜Dで構成される面が同じ方向を向き且つ隣接するケース体2A〜Dと相対的に回動可能なように連結される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレゼンテーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
社内の会議や打合せ、社外の顧客に対する提案プランや新製品の説明、学会での研究発表などのプレゼンテーションは、各種の資料を参照しながら進められる。これらの資料を提示するものとしては、例えば、特許文献1に開示されているように、ファイルを開いた状態で表表紙の自由端と裏表紙の自由端とを係合し、両自由端を接地させてファイルを自立させるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−18566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プレゼンテーションの善し悪しは、発表者の技量や熟練度に依るところもあるが、原稿が整理されているか否かに拠るところがある。しかし、書類等を綴じてファイリングするバインダー類だと、資料が漫然と並べられて綴じられるだけなので、起承転結に則った効果的なプレゼンテーションを行なうことが難しい。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、効果的なプレゼンテーションを実現する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、プレゼンテーション用の原稿が記された書類を抜き差し可能なケース体を、透明なシートで構成される面が同じ方向を向くように3つ以上並べる。これらのケース体は、左右あるいは前後に並んでおり、隣接するケース体と相対的に回動可能なように連結される。
【0007】
詳細には、プレゼンテーション用の原稿を示すプレゼンテーション装置であって、少なくとも一方が透明な2つのシートを、前記原稿が記された書類を該2つのシートの間で抜き差し可能なように重ねて形成した矩形のケース体を少なくとも3以上備え、各ケース体は、左右に並んだ状態で、或いは田型状に並んだ状態で、透明なシートで構成される面が同じ方向を向き且つ隣接するケース体と相対的に回動可能なように連結される。
【0008】
プレゼンテーションでは、場面に応じた原稿がその都度用意されるため、上記プレゼンテーション装置においては、原稿が記された書類を抜き差し可能にしている。このような書類が差し込まれるケース体は、少なくとも一方が透明な2つのシートを重ねることで形成されている。このため、ユーザは、原稿がケース体の外側から読むことができるように、原稿が記された面を透明なシート側にして書類をケース体に差し込むことで、ケース体に収められた原稿をそのままの状態で読むことできる。なお、ケース体を構成する2つのシートは、何れも透明なものであってもよい。
【0009】
上記プレゼンテーション装置は、このようなケース体が少なくとも3以上備わっており、これらが隣接するケース体と相対的に回動可能なように連結されている。更に、各ケース体は、左右あるいは前後に並んだ状態において、透明なシートで構成される面が同じ向
きを向く状態で連結されている。このため、プレゼンテーションを行なう場面においては、互いに連結されたこれらのケース体を展開することで、各ケース体に収められた全ての原稿を見渡すことができる。従って、プレゼンテーションの進行に際し、説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】プレゼンテーション装置を示す図である。
【図2】組立前のプレゼンテーション装置を示す図である。
【図3】プレゼンテーション装置に書類を挿入する際の方法を示す図である。
【図4】プレゼンテーション装置の使用方法を示す図である。
【図5】プレゼンテーション装置の第一変形例を示す図である。
【図6】プレゼンテーション装置の第二変形例を示す図である。
【図7】プレゼンテーション装置の第一使用例を説明する図である。
【図8】プレゼンテーション装置の第二使用例を説明する図である。
【図9】プレゼンテーション装置の第三使用例を説明する図である。
【図10】変形例に係るプレゼンテーション装置の第一使用例を説明する図である。
【図11】変形例に係るプレゼンテーション装置の第二使用例を説明する図である。
【図12】プレゼンテーション装置で企画を説明する際の使用例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本願発明の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本願発明の一実施態様を例示的に示すものであり、本願発明はこのような実施形態に限定されるものではない。
【0013】
図1は、本願発明の実施形態に係るプレゼンテーション装置1を示す図である。プレゼンテーション装置1は、図1に示すように、4つのケース2A〜Dが横に並んで連結されている。ケース2A〜Dは、プレゼンテーションの際の原稿を書いた書類が差し込まれる部分であり、書類の正面を覆う正面シート3A〜D、及び書類の背面を覆う背面シート4A〜Dによって構成されている。
【0014】
図2は、組立前のプレゼンテーション装置1を示す図である。プレゼンテーション装置1は、図2に示すように、1枚の透明なシート部材5を折り曲げて組み立てられている。シート部材5は、1区画の大きさをA4版程度の大きさにした領域6A〜D−F,Rの8区画に区切られている。領域6A−Fが正面シート3Aを構成し、領域6A−Rが背面シート4Aを構成する。領域6B〜D−Fについても領域6A−Fと同様に正面シート3B〜Dを構成し、領域6B〜D−Rについても領域6B〜D−Rについても領域6A−Rと同様に背面シート4B〜Dを構成する。
【0015】
なお、領域6A〜D−F,Rのそれぞれの境界には折り目が入れられている。すなわち、図2に示されるように、領域6A−Fと領域6A−Rとの間には折り目7A−FRが入れられている。領域6B〜D−Fと領域6B〜D−Rとの間にも、領域6A−Fと領域6A−Rとの間と同様、折り目7B〜D−FRが入れられている。また、領域6A−Rと領域6B−Rとの間には折り目7AB、領域6B−Rと領域6C−Rとの間には折り目7BC、領域6C−Rと領域6D−Rとの間には折り目7CDが入れられている。なお、図2に示されるように、領域6A−Fと領域6B−Fとの間、領域6B−Fと領域6C−Fと
の間、領域6C−Fと領域6D−Fとの間には折り目が設けられていない代わりに切り欠き8AB,BC,CDがそれぞれ入れられている。
【0016】
プレゼンテーション装置1の組み立てに際しては、折り目7A−FRを基準に領域6A−Fと領域6A−Rとを重ね合わせ、図2の符号Aで示される部分で両者をミシン目状に溶着することにより、上方と右方とが開放されたケース2Aが形成される。ケース2B〜Dについてもケース2Aと同様にして組み立てられるが、ケース2Cとケース2Dに関しては、図2の符号C、Dで示される部分でミシン目状に溶着されるため、上方と左方とが開放された状態で形成される。
【0017】
このように構成されるプレゼンテーション装置1は、次のようにして使用する。図3は、プレゼンテーション装置1にプレゼンテーション用の原稿を記した書類を挿入する際の方法を示した図である。プレゼンテーション装置1を使用する際は、図3に示すように、正面シート3A〜Dを開いて書類9A〜Dをケース2A〜Dに入れる。このとき入れる書類9A〜Dは、プレゼンテーションを行なう際の順序に沿っていることが好ましく、例えば、ケースAからケースDまで順に起承転結の順序で書類9A〜Dを入れると使い勝手が良い。すなわち、プレゼンテーションを行なう場面において、互いに連結されたケースAからケースDを全て展開することにより、ケースA〜Dに収められた全ての原稿を見渡すことができるので、プレゼンテーションで説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【0018】
書類9A〜Dをケース2A〜Dに入れたら、図4に示されるように、折り目7AB,BC,CDを基準にケース2A〜Dを重ね合わせることでプレゼンテーション装置1をコンパクトにすることができる。よって、移動や保管の際に邪魔になることが無いので使い勝手が良い。
【0019】
なお、上記実施形態に係るプレゼンテーション装置1は、4つのケース2A〜Dを設けていた。しかし、本発明は、このような実施形態に限定されるものではない。例えば、図5に示すプレゼンテーション装置1’のように、ケース2Dを省き、3つのケース2A〜Cで構成してもよい。或いは、ケースを5つ以上並べても良い。少なくとも3以上のケース2A〜Cで構成していれば、プレゼンテーションで説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【0020】
また、上記実施形態に係るプレゼンテーション装置1は、4つのケース2A〜Dを横に並べて連結した状態に構成していたが、図6に示すプレゼンテーション装置1”のように、前に2つのケース2A,Bを並べ、後ろに2つのケース2C,Dを並べて連結した2段の田型状に構成してもよい。或いは、3段以上の田型状に構成しても良い。ケースが前後に並んでいる場合も、ケースが左右に並んでいる場合と同様、プレゼンテーションで説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【0021】
以下、上記実施形態に係るプレゼンテーション装置1の第一使用例について説明する。図7は、上記実施形態に係るプレゼンテーション装置1の第一使用例を示す図である。本第一使用例は、プレゼンテーション用の原稿が正面シート側のみ見えるように原稿の書類を各ケース2A〜Dに差し込んだ場合の使用例である。プレゼンテーション装置1は、4つのケース2A〜Dを備えているため、原稿を正面シート側のみ見えるようにした場合、全原稿は4つに区画されることになる。ここで、プレゼンテーション用の原稿が「起・承・転・結」の4項目に渡って展開されている場合、図7に示すように、ケース2Aについては「起」、ケース2Bについては「承」、ケース2Cについては「転」、ケース2Dについては「結」となるように原稿を整理することができる。従って、プレゼンテーション
で説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【0022】
次に、上記プレゼンテーション装置1の第二使用例について説明する。図8は、プレゼンテーション装置1の第二使用例を示す図である。本第二使用例は、プレゼンテーション用の原稿が正面シート側のみならず、背面シート側も見えるように原稿の書類を各ケース2A〜Dに差し込んだ場合の使用例である。プレゼンテーション装置1は、4つのケース2A〜Dを備えている。ここで、プレゼンテーション用の原稿を、ケース2A,2Dの正面シート側および背面シート側の両面、及びケース2B,2Cの正面シート側の計6面から見えるように差し込む。例えば、図8に示されるように、ケース2Aの背面側が「起」、ケース2A及びケース2Bの正面側が「承」、ケース2C及びケース2Dの正面側が「転」、ケース2Dの背面側が「結」となるように原稿を整理することができる。このように、プレゼンテーション用の原稿を6区画に渡って配置すれば、説明する内容の量に応じた原稿の整理ができるので、プレゼンテーションの進行に際し、説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。特に、ケース2Aを閉じた状態から開いた状態へ遷移させると、次に読むべき原稿が目に飛び込んでくるので、プレゼンテーションの内容を視覚的に印象付けることが可能であり、効果的なプレゼンテーションを実現することができる。
【0023】
次に、上記プレゼンテーション装置1の第三使用例について説明する。図9は、プレゼンテーション装置1の第三使用例を示す図である。本第三使用例は、プレゼンテーション用の原稿が正面シート側と背面シート側の全てから見えるように原稿の書類を各ケース2A〜Dに差し込んだ場合の使用例である。本第三使用例では、プレゼンテーション用の原稿を、ケース2A〜Dの正面シート側および背面シート側の計8面から見えるように差し込む。例えば、図9に示されるように、ケース2A,2Bの背面側が「起」、ケース2A及びケース2Bの正面側が「承」、ケース2C及びケース2Dの正面側が「転」、ケース2D,2Cの背面側が「結」となるように原稿を整理することができる。このように、プレゼンテーション用の原稿を8区画に渡って配置すれば、更に多くの内容の原稿でもその量に応じた原稿の整理ができるので、プレゼンテーションで説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【0024】
次に、上記実施形態の変形例に係るプレゼンテーション装置1”の第一使用例について説明する。図10は、上記実施形態に係るプレゼンテーション装置1”の第一使用例を示す図である。本使用例は、プレゼンテーション用の原稿が正面シート側のみ見えるように原稿の書類を各ケース2A〜Dに差し込んだ場合の使用例である。プレゼンテーション装置1”は、4つのケース2A〜Dを備えているため、原稿を正面シート側のみ見えるようにした場合、全原稿は4つに区画されることになる。ここで、プレゼンテーション用の原稿が「起・承・転・結」の4項目に渡って展開されている場合、図10に示すように、ケース2Aについては「起」、ケース2Bについては「承」、ケース2Cについては「転」、ケース2Dについては「結」となるように原稿を整理することができる。従って、プレゼンテーションで説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【0025】
次に、上記実施形態の変形例に係るプレゼンテーション装置1”の第二使用例について説明する。図11は、上記実施形態に係るプレゼンテーション装置1”の第一使用例を示す図である。本使用例は、プレゼンテーション用の原稿が正面シート側のみ見えるように原稿の書類を各ケース2A〜Dに差し込んだ場合の使用例である。プレゼンテーション装置1”は、4つのケース2A〜Dを備えているため、原稿を正面シート側のみ見えるようにした場合、全原稿は4つに区画されることになる。ここで、プレゼンテーション用の原稿が「起・承・転・結」の4項目に渡って展開されている場合、図10に示すように、ケ
ース2Aについては「起」、ケース2Bについては「承」、ケース2Cについては「転」、ケース2Dについては「結」となるように原稿を整理することができる。従って、プレゼンテーションで説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【0026】
次に、上記プレゼンテーション装置1”の第二使用例について説明する。図11は、プレゼンテーション装置1”の第二使用例を示す図である。本第二使用例は、プレゼンテーション用の原稿が正面シート側と背面シート側の全てから見えるように原稿の書類を各ケース2A〜Dに差し込んだ場合の使用例である。本第二使用例では、プレゼンテーション用の原稿を、ケース2A〜Dの正面シート側および背面シート側の計8面から見えるように差し込む。例えば、図11に示されるように、ケース2C,2Dの背面側が「起」、ケース2A,2Bの正面側が「承」、ケース2B,2Dの正面側が「転」、ケース2A,2Bの背面側が「結」となるように原稿を整理することができる。このように、プレゼンテーション用の原稿を8区画に渡って配置すれば、更に多くの内容の原稿でもその量に応じた原稿の整理ができるので、プレゼンテーションで説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【0027】
なお、上記各使用例は、使用方法を例示したものであり、上記実施形態や変形例は、このような使用方法に限定されるものではない。原稿の内容に応じた使用方法を適宜用いることが可能である。
【0028】
例えば、上記プレゼンテーション装置1は、次のようなプレゼンテーションを行なう際に極めて有用である。以下に示す使用例は、企業が顧客等に対して新規な企画のプレゼンテーションを行う場合を前提にしている。以下、新規な企画のプレゼンテーションを行う際の使用例を図12に沿って説明する。
【0029】
新規な企画のプレゼンテーション用の原稿を、各ケースに差し込む。ここで、各ケースと原稿との対応関係は以下の通りになるようにする。
(1)表紙:ケース2Bの背面側
(2)背景:ケース2Aの背面側
(3)目的:ケース2Dの背面側
(4)方法:ケース2Aの正面側
(5)スケジュール:ケース2Bの正面側
(6)予算:ケース2Cの正面側
(7)人員:ケース2Dの正面側
(8)参考資料:ケース2Cの背面側
【0030】
ここで、「(1)表紙」には、企画書の提出先の企業名や企画のタイトル、サブタイトル、企画者(社)名が記載されている。図12(a)は、表紙が見えるときのプレゼンテーション装置1の状態を示している。このような事項が記載された表紙が最初に目に飛び込むことで、プレゼンテーション装置1の内容を大まかに推測することができ、企画内容に興味を抱かせることができる。
【0031】
この状態からケース2Bを左へ開くと、図12(b)に示すように、「(2)背景」と「(3)目的」が目に飛び込むことになる。なお、「(2)背景」には、本企画を構築・提案するための諸々の背景が整理され、明確化されている。よって、プレゼンテーションを受けている顧客は、企画の意図を明確に把握できる。また、「(3)目的」には、本企画の企画意図・目的が明示されている。よって、顧客は、企画に対する期待感や方向性を企画者と共有できる。プレゼンテーション装置1が図12(a)から図12(b)の状態に遷移することにより、顧客は、プレゼンテーションの内容を大まかに把握することとな
り、顧客の興味がより深い方へ段階的に誘導されることとなる。
【0032】
ここで、ケース2Aを左へ開くと、図12(c)に示すように、より具体的な企画の内容が記載された「(4)方法」や「(5)スケジュール」が目に飛び込んでくることになる。よって、顧客は、プレゼンテーションの内容を大まかに把握したところで、より具体的な内容の理解をする段階へ誘導されることとなる。ここで、「(4)方法」には、企画の目的に寄与するためのコンセプトを元に、主要な技法・手段が記載されており、企画を具現化するために必要なツールが明示されている。また、「(5)スケジュール」には、本企画を遂行するための流れが時間軸を持って説明されている。プレゼンテーションがこのような具体的な話に移行することで、顧客の心理状態を単に興味を抱いた状態から企画の具体化という確信的な状態へ遷移させることができる。
【0033】
ここで、ケース2Dを右へ開くと、図12(d)に示すように、企画を実行するために要する「(6)予算」や「(7)人員」が目に飛び込んでくることになる。よって、顧客は、プレゼンテーションの内容を具体的に把握し、企画の内容を完全に把握したところで、企画を実行するために必要な事項を把握する段階へ誘導されることになる。ここで、「(6)予算」には、本企画を遂行するために必要な収支計画を明示されている。また、「(7)人員」には、本企画を遂行するために必要な人員構成および配置について明示されている。よって、顧客が企画の内容を理解し、完全に納得した段階で、この企画を遂行するために必要な事項の話に移行することで、最終的にこの企画を採用するかどうかの判断を行なうために必要な判断材料が提示されることとなる。なお、プレゼンテーション装置1を閉じると、最後に「(8)参考資料」が顧客の目に飛び込んでくるようになっている。ここには、本企画を立案・実施するにあたっての資料の出所およびデータが明示されているので、顧客が企画の内容について問い合わせ等を容易に行なえる。
【0034】
プレゼンテーション装置1をこのように使えば、パソコンやプロジェクター等の電子機器を用いなくても、企画の内容を説明した資料の内容が見開き操作によって段階的に顧客の目に飛び込んでくるようになるので、顧客の興味を惹きつけながら徐々に確信的な事項の説明に移行することができる。すなわち、上記のように、プレゼンテーションを8部構成の資料で進めることで、1)企画書に必要な最低限の構成要素を網羅し、かつ情報を整理することが可能となり、2)企画書をモジュール化することができ、企画構成にかかる労力の削減が可能となり、3)企画書を上記のとおりパターン化することにより、社員の誰がクライアントに対してプレゼンテーションを行なっても、プレゼンテーションのクオリティを一定の水準にすることができる、等の効果が期待できる。
【0035】
例えば、株式運用のコンサルティングでは、機関投資家に対するヒアリング・ミーティングにおいて、機関投資家に対して“エレベータの移動中に、投資家に説明できるくらい、正しいことをわかりやすく”説明するということが必須とされていますが、プレゼンテーション装置1を使ってこのような8部構成の資料でプレゼンテーションを行うと、最短3分程度でプレゼンテーションが可能となるので極めて有用である。
【0036】
その他の使用例として、例えば、葬儀の準備資料を説明する際に使用する場合などが挙げられる。葬儀の際に用いる祭壇や供花等を複数種類の中から選ぶような場合、遺族は、限られた時間内に速やかに選択することが求められる。このような場合に、葬儀の準備や進行を行う葬儀社の担当者が、上記プレゼンテーション装置1を用いて段階的に葬儀の具体的な内容を説明すれば、遺族は、葬儀を行なう上で決定すべき事項を容易に把握し、短時間で決定することができる。
【符号の説明】
【0037】
1,1”・・プレゼンテーション装置
2A〜D・・ケース
3A〜D・・正面シート
4A〜D・・背面シート
5・・シート部材
6A〜D−F,R・・領域
7A〜D−FR,7AB,7BC,CD・・折り目
8AB,8BC,8CD・・切り欠き
9A〜D・・書類
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレゼンテーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
社内の会議や打合せ、社外の顧客に対する提案プランや新製品の説明、学会での研究発表などのプレゼンテーションは、各種の資料を参照しながら進められる。これらの資料を提示するものとしては、例えば、特許文献1に開示されているように、ファイルを開いた状態で表表紙の自由端と裏表紙の自由端とを係合し、両自由端を接地させてファイルを自立させるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−18566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プレゼンテーションの善し悪しは、発表者の技量や熟練度に依るところもあるが、原稿が整理されているか否かに拠るところがある。しかし、書類等を綴じてファイリングするバインダー類だと、資料が漫然と並べられて綴じられるだけなので、起承転結に則った効果的なプレゼンテーションを行なうことが難しい。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、効果的なプレゼンテーションを実現する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、プレゼンテーション用の原稿が記された書類を抜き差し可能なケース体を、透明なシートで構成される面が同じ方向を向くように3つ以上並べる。これらのケース体は、左右あるいは前後に並んでおり、隣接するケース体と相対的に回動可能なように連結される。
【0007】
詳細には、プレゼンテーション用の原稿を示すプレゼンテーション装置であって、少なくとも一方が透明な2つのシートを、前記原稿が記された書類を該2つのシートの間で抜き差し可能なように重ねて形成した矩形のケース体を少なくとも3以上備え、各ケース体は、左右に並んだ状態で、或いは田型状に並んだ状態で、透明なシートで構成される面が同じ方向を向き且つ隣接するケース体と相対的に回動可能なように連結される。
【0008】
プレゼンテーションでは、場面に応じた原稿がその都度用意されるため、上記プレゼンテーション装置においては、原稿が記された書類を抜き差し可能にしている。このような書類が差し込まれるケース体は、少なくとも一方が透明な2つのシートを重ねることで形成されている。このため、ユーザは、原稿がケース体の外側から読むことができるように、原稿が記された面を透明なシート側にして書類をケース体に差し込むことで、ケース体に収められた原稿をそのままの状態で読むことできる。なお、ケース体を構成する2つのシートは、何れも透明なものであってもよい。
【0009】
上記プレゼンテーション装置は、このようなケース体が少なくとも3以上備わっており、これらが隣接するケース体と相対的に回動可能なように連結されている。更に、各ケース体は、左右あるいは前後に並んだ状態において、透明なシートで構成される面が同じ向
きを向く状態で連結されている。このため、プレゼンテーションを行なう場面においては、互いに連結されたこれらのケース体を展開することで、各ケース体に収められた全ての原稿を見渡すことができる。従って、プレゼンテーションの進行に際し、説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】プレゼンテーション装置を示す図である。
【図2】組立前のプレゼンテーション装置を示す図である。
【図3】プレゼンテーション装置に書類を挿入する際の方法を示す図である。
【図4】プレゼンテーション装置の使用方法を示す図である。
【図5】プレゼンテーション装置の第一変形例を示す図である。
【図6】プレゼンテーション装置の第二変形例を示す図である。
【図7】プレゼンテーション装置の第一使用例を説明する図である。
【図8】プレゼンテーション装置の第二使用例を説明する図である。
【図9】プレゼンテーション装置の第三使用例を説明する図である。
【図10】変形例に係るプレゼンテーション装置の第一使用例を説明する図である。
【図11】変形例に係るプレゼンテーション装置の第二使用例を説明する図である。
【図12】プレゼンテーション装置で企画を説明する際の使用例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本願発明の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本願発明の一実施態様を例示的に示すものであり、本願発明はこのような実施形態に限定されるものではない。
【0013】
図1は、本願発明の実施形態に係るプレゼンテーション装置1を示す図である。プレゼンテーション装置1は、図1に示すように、4つのケース2A〜Dが横に並んで連結されている。ケース2A〜Dは、プレゼンテーションの際の原稿を書いた書類が差し込まれる部分であり、書類の正面を覆う正面シート3A〜D、及び書類の背面を覆う背面シート4A〜Dによって構成されている。
【0014】
図2は、組立前のプレゼンテーション装置1を示す図である。プレゼンテーション装置1は、図2に示すように、1枚の透明なシート部材5を折り曲げて組み立てられている。シート部材5は、1区画の大きさをA4版程度の大きさにした領域6A〜D−F,Rの8区画に区切られている。領域6A−Fが正面シート3Aを構成し、領域6A−Rが背面シート4Aを構成する。領域6B〜D−Fについても領域6A−Fと同様に正面シート3B〜Dを構成し、領域6B〜D−Rについても領域6B〜D−Rについても領域6A−Rと同様に背面シート4B〜Dを構成する。
【0015】
なお、領域6A〜D−F,Rのそれぞれの境界には折り目が入れられている。すなわち、図2に示されるように、領域6A−Fと領域6A−Rとの間には折り目7A−FRが入れられている。領域6B〜D−Fと領域6B〜D−Rとの間にも、領域6A−Fと領域6A−Rとの間と同様、折り目7B〜D−FRが入れられている。また、領域6A−Rと領域6B−Rとの間には折り目7AB、領域6B−Rと領域6C−Rとの間には折り目7BC、領域6C−Rと領域6D−Rとの間には折り目7CDが入れられている。なお、図2に示されるように、領域6A−Fと領域6B−Fとの間、領域6B−Fと領域6C−Fと
の間、領域6C−Fと領域6D−Fとの間には折り目が設けられていない代わりに切り欠き8AB,BC,CDがそれぞれ入れられている。
【0016】
プレゼンテーション装置1の組み立てに際しては、折り目7A−FRを基準に領域6A−Fと領域6A−Rとを重ね合わせ、図2の符号Aで示される部分で両者をミシン目状に溶着することにより、上方と右方とが開放されたケース2Aが形成される。ケース2B〜Dについてもケース2Aと同様にして組み立てられるが、ケース2Cとケース2Dに関しては、図2の符号C、Dで示される部分でミシン目状に溶着されるため、上方と左方とが開放された状態で形成される。
【0017】
このように構成されるプレゼンテーション装置1は、次のようにして使用する。図3は、プレゼンテーション装置1にプレゼンテーション用の原稿を記した書類を挿入する際の方法を示した図である。プレゼンテーション装置1を使用する際は、図3に示すように、正面シート3A〜Dを開いて書類9A〜Dをケース2A〜Dに入れる。このとき入れる書類9A〜Dは、プレゼンテーションを行なう際の順序に沿っていることが好ましく、例えば、ケースAからケースDまで順に起承転結の順序で書類9A〜Dを入れると使い勝手が良い。すなわち、プレゼンテーションを行なう場面において、互いに連結されたケースAからケースDを全て展開することにより、ケースA〜Dに収められた全ての原稿を見渡すことができるので、プレゼンテーションで説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【0018】
書類9A〜Dをケース2A〜Dに入れたら、図4に示されるように、折り目7AB,BC,CDを基準にケース2A〜Dを重ね合わせることでプレゼンテーション装置1をコンパクトにすることができる。よって、移動や保管の際に邪魔になることが無いので使い勝手が良い。
【0019】
なお、上記実施形態に係るプレゼンテーション装置1は、4つのケース2A〜Dを設けていた。しかし、本発明は、このような実施形態に限定されるものではない。例えば、図5に示すプレゼンテーション装置1’のように、ケース2Dを省き、3つのケース2A〜Cで構成してもよい。或いは、ケースを5つ以上並べても良い。少なくとも3以上のケース2A〜Cで構成していれば、プレゼンテーションで説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【0020】
また、上記実施形態に係るプレゼンテーション装置1は、4つのケース2A〜Dを横に並べて連結した状態に構成していたが、図6に示すプレゼンテーション装置1”のように、前に2つのケース2A,Bを並べ、後ろに2つのケース2C,Dを並べて連結した2段の田型状に構成してもよい。或いは、3段以上の田型状に構成しても良い。ケースが前後に並んでいる場合も、ケースが左右に並んでいる場合と同様、プレゼンテーションで説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【0021】
以下、上記実施形態に係るプレゼンテーション装置1の第一使用例について説明する。図7は、上記実施形態に係るプレゼンテーション装置1の第一使用例を示す図である。本第一使用例は、プレゼンテーション用の原稿が正面シート側のみ見えるように原稿の書類を各ケース2A〜Dに差し込んだ場合の使用例である。プレゼンテーション装置1は、4つのケース2A〜Dを備えているため、原稿を正面シート側のみ見えるようにした場合、全原稿は4つに区画されることになる。ここで、プレゼンテーション用の原稿が「起・承・転・結」の4項目に渡って展開されている場合、図7に示すように、ケース2Aについては「起」、ケース2Bについては「承」、ケース2Cについては「転」、ケース2Dについては「結」となるように原稿を整理することができる。従って、プレゼンテーション
で説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【0022】
次に、上記プレゼンテーション装置1の第二使用例について説明する。図8は、プレゼンテーション装置1の第二使用例を示す図である。本第二使用例は、プレゼンテーション用の原稿が正面シート側のみならず、背面シート側も見えるように原稿の書類を各ケース2A〜Dに差し込んだ場合の使用例である。プレゼンテーション装置1は、4つのケース2A〜Dを備えている。ここで、プレゼンテーション用の原稿を、ケース2A,2Dの正面シート側および背面シート側の両面、及びケース2B,2Cの正面シート側の計6面から見えるように差し込む。例えば、図8に示されるように、ケース2Aの背面側が「起」、ケース2A及びケース2Bの正面側が「承」、ケース2C及びケース2Dの正面側が「転」、ケース2Dの背面側が「結」となるように原稿を整理することができる。このように、プレゼンテーション用の原稿を6区画に渡って配置すれば、説明する内容の量に応じた原稿の整理ができるので、プレゼンテーションの進行に際し、説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。特に、ケース2Aを閉じた状態から開いた状態へ遷移させると、次に読むべき原稿が目に飛び込んでくるので、プレゼンテーションの内容を視覚的に印象付けることが可能であり、効果的なプレゼンテーションを実現することができる。
【0023】
次に、上記プレゼンテーション装置1の第三使用例について説明する。図9は、プレゼンテーション装置1の第三使用例を示す図である。本第三使用例は、プレゼンテーション用の原稿が正面シート側と背面シート側の全てから見えるように原稿の書類を各ケース2A〜Dに差し込んだ場合の使用例である。本第三使用例では、プレゼンテーション用の原稿を、ケース2A〜Dの正面シート側および背面シート側の計8面から見えるように差し込む。例えば、図9に示されるように、ケース2A,2Bの背面側が「起」、ケース2A及びケース2Bの正面側が「承」、ケース2C及びケース2Dの正面側が「転」、ケース2D,2Cの背面側が「結」となるように原稿を整理することができる。このように、プレゼンテーション用の原稿を8区画に渡って配置すれば、更に多くの内容の原稿でもその量に応じた原稿の整理ができるので、プレゼンテーションで説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【0024】
次に、上記実施形態の変形例に係るプレゼンテーション装置1”の第一使用例について説明する。図10は、上記実施形態に係るプレゼンテーション装置1”の第一使用例を示す図である。本使用例は、プレゼンテーション用の原稿が正面シート側のみ見えるように原稿の書類を各ケース2A〜Dに差し込んだ場合の使用例である。プレゼンテーション装置1”は、4つのケース2A〜Dを備えているため、原稿を正面シート側のみ見えるようにした場合、全原稿は4つに区画されることになる。ここで、プレゼンテーション用の原稿が「起・承・転・結」の4項目に渡って展開されている場合、図10に示すように、ケース2Aについては「起」、ケース2Bについては「承」、ケース2Cについては「転」、ケース2Dについては「結」となるように原稿を整理することができる。従って、プレゼンテーションで説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【0025】
次に、上記実施形態の変形例に係るプレゼンテーション装置1”の第二使用例について説明する。図11は、上記実施形態に係るプレゼンテーション装置1”の第一使用例を示す図である。本使用例は、プレゼンテーション用の原稿が正面シート側のみ見えるように原稿の書類を各ケース2A〜Dに差し込んだ場合の使用例である。プレゼンテーション装置1”は、4つのケース2A〜Dを備えているため、原稿を正面シート側のみ見えるようにした場合、全原稿は4つに区画されることになる。ここで、プレゼンテーション用の原稿が「起・承・転・結」の4項目に渡って展開されている場合、図10に示すように、ケ
ース2Aについては「起」、ケース2Bについては「承」、ケース2Cについては「転」、ケース2Dについては「結」となるように原稿を整理することができる。従って、プレゼンテーションで説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【0026】
次に、上記プレゼンテーション装置1”の第二使用例について説明する。図11は、プレゼンテーション装置1”の第二使用例を示す図である。本第二使用例は、プレゼンテーション用の原稿が正面シート側と背面シート側の全てから見えるように原稿の書類を各ケース2A〜Dに差し込んだ場合の使用例である。本第二使用例では、プレゼンテーション用の原稿を、ケース2A〜Dの正面シート側および背面シート側の計8面から見えるように差し込む。例えば、図11に示されるように、ケース2C,2Dの背面側が「起」、ケース2A,2Bの正面側が「承」、ケース2B,2Dの正面側が「転」、ケース2A,2Bの背面側が「結」となるように原稿を整理することができる。このように、プレゼンテーション用の原稿を8区画に渡って配置すれば、更に多くの内容の原稿でもその量に応じた原稿の整理ができるので、プレゼンテーションで説明する内容の前後関係や進捗状況を捉えやすくなり、効果的なプレゼンテーションを実現することが可能となる。
【0027】
なお、上記各使用例は、使用方法を例示したものであり、上記実施形態や変形例は、このような使用方法に限定されるものではない。原稿の内容に応じた使用方法を適宜用いることが可能である。
【0028】
例えば、上記プレゼンテーション装置1は、次のようなプレゼンテーションを行なう際に極めて有用である。以下に示す使用例は、企業が顧客等に対して新規な企画のプレゼンテーションを行う場合を前提にしている。以下、新規な企画のプレゼンテーションを行う際の使用例を図12に沿って説明する。
【0029】
新規な企画のプレゼンテーション用の原稿を、各ケースに差し込む。ここで、各ケースと原稿との対応関係は以下の通りになるようにする。
(1)表紙:ケース2Bの背面側
(2)背景:ケース2Aの背面側
(3)目的:ケース2Dの背面側
(4)方法:ケース2Aの正面側
(5)スケジュール:ケース2Bの正面側
(6)予算:ケース2Cの正面側
(7)人員:ケース2Dの正面側
(8)参考資料:ケース2Cの背面側
【0030】
ここで、「(1)表紙」には、企画書の提出先の企業名や企画のタイトル、サブタイトル、企画者(社)名が記載されている。図12(a)は、表紙が見えるときのプレゼンテーション装置1の状態を示している。このような事項が記載された表紙が最初に目に飛び込むことで、プレゼンテーション装置1の内容を大まかに推測することができ、企画内容に興味を抱かせることができる。
【0031】
この状態からケース2Bを左へ開くと、図12(b)に示すように、「(2)背景」と「(3)目的」が目に飛び込むことになる。なお、「(2)背景」には、本企画を構築・提案するための諸々の背景が整理され、明確化されている。よって、プレゼンテーションを受けている顧客は、企画の意図を明確に把握できる。また、「(3)目的」には、本企画の企画意図・目的が明示されている。よって、顧客は、企画に対する期待感や方向性を企画者と共有できる。プレゼンテーション装置1が図12(a)から図12(b)の状態に遷移することにより、顧客は、プレゼンテーションの内容を大まかに把握することとな
り、顧客の興味がより深い方へ段階的に誘導されることとなる。
【0032】
ここで、ケース2Aを左へ開くと、図12(c)に示すように、より具体的な企画の内容が記載された「(4)方法」や「(5)スケジュール」が目に飛び込んでくることになる。よって、顧客は、プレゼンテーションの内容を大まかに把握したところで、より具体的な内容の理解をする段階へ誘導されることとなる。ここで、「(4)方法」には、企画の目的に寄与するためのコンセプトを元に、主要な技法・手段が記載されており、企画を具現化するために必要なツールが明示されている。また、「(5)スケジュール」には、本企画を遂行するための流れが時間軸を持って説明されている。プレゼンテーションがこのような具体的な話に移行することで、顧客の心理状態を単に興味を抱いた状態から企画の具体化という確信的な状態へ遷移させることができる。
【0033】
ここで、ケース2Dを右へ開くと、図12(d)に示すように、企画を実行するために要する「(6)予算」や「(7)人員」が目に飛び込んでくることになる。よって、顧客は、プレゼンテーションの内容を具体的に把握し、企画の内容を完全に把握したところで、企画を実行するために必要な事項を把握する段階へ誘導されることになる。ここで、「(6)予算」には、本企画を遂行するために必要な収支計画を明示されている。また、「(7)人員」には、本企画を遂行するために必要な人員構成および配置について明示されている。よって、顧客が企画の内容を理解し、完全に納得した段階で、この企画を遂行するために必要な事項の話に移行することで、最終的にこの企画を採用するかどうかの判断を行なうために必要な判断材料が提示されることとなる。なお、プレゼンテーション装置1を閉じると、最後に「(8)参考資料」が顧客の目に飛び込んでくるようになっている。ここには、本企画を立案・実施するにあたっての資料の出所およびデータが明示されているので、顧客が企画の内容について問い合わせ等を容易に行なえる。
【0034】
プレゼンテーション装置1をこのように使えば、パソコンやプロジェクター等の電子機器を用いなくても、企画の内容を説明した資料の内容が見開き操作によって段階的に顧客の目に飛び込んでくるようになるので、顧客の興味を惹きつけながら徐々に確信的な事項の説明に移行することができる。すなわち、上記のように、プレゼンテーションを8部構成の資料で進めることで、1)企画書に必要な最低限の構成要素を網羅し、かつ情報を整理することが可能となり、2)企画書をモジュール化することができ、企画構成にかかる労力の削減が可能となり、3)企画書を上記のとおりパターン化することにより、社員の誰がクライアントに対してプレゼンテーションを行なっても、プレゼンテーションのクオリティを一定の水準にすることができる、等の効果が期待できる。
【0035】
例えば、株式運用のコンサルティングでは、機関投資家に対するヒアリング・ミーティングにおいて、機関投資家に対して“エレベータの移動中に、投資家に説明できるくらい、正しいことをわかりやすく”説明するということが必須とされていますが、プレゼンテーション装置1を使ってこのような8部構成の資料でプレゼンテーションを行うと、最短3分程度でプレゼンテーションが可能となるので極めて有用である。
【0036】
その他の使用例として、例えば、葬儀の準備資料を説明する際に使用する場合などが挙げられる。葬儀の際に用いる祭壇や供花等を複数種類の中から選ぶような場合、遺族は、限られた時間内に速やかに選択することが求められる。このような場合に、葬儀の準備や進行を行う葬儀社の担当者が、上記プレゼンテーション装置1を用いて段階的に葬儀の具体的な内容を説明すれば、遺族は、葬儀を行なう上で決定すべき事項を容易に把握し、短時間で決定することができる。
【符号の説明】
【0037】
1,1”・・プレゼンテーション装置
2A〜D・・ケース
3A〜D・・正面シート
4A〜D・・背面シート
5・・シート部材
6A〜D−F,R・・領域
7A〜D−FR,7AB,7BC,CD・・折り目
8AB,8BC,8CD・・切り欠き
9A〜D・・書類
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレゼンテーション用の原稿を示すプレゼンテーション装置であって、
少なくとも一方が透明な2つのシートを、前記原稿が記された書類を該2つのシートの間で抜き差し可能なように重ねて形成した矩形のケース体を少なくとも3以上備え、
各ケース体は、左右に並んだ状態で、透明なシートで構成される面が同じ方向を向き且つ隣接するケース体と相対的に回動可能なように連結される、
プレゼンテーション装置。
【請求項2】
プレゼンテーション用の原稿を示すプレゼンテーション装置であって、
少なくとも一方が透明な2つのシートを、前記原稿が記された書類を該2つのシートの間で抜き差し可能なように重ねて形成した矩形のケース体を少なくとも3以上備え、
各ケース体は、田型状に並んだ状態で、透明なシートで構成される面が同じ方向を向き且つ隣接するケース体と相対的に回動可能なように連結される、
プレゼンテーション装置。
【請求項1】
プレゼンテーション用の原稿を示すプレゼンテーション装置であって、
少なくとも一方が透明な2つのシートを、前記原稿が記された書類を該2つのシートの間で抜き差し可能なように重ねて形成した矩形のケース体を少なくとも3以上備え、
各ケース体は、左右に並んだ状態で、透明なシートで構成される面が同じ方向を向き且つ隣接するケース体と相対的に回動可能なように連結される、
プレゼンテーション装置。
【請求項2】
プレゼンテーション用の原稿を示すプレゼンテーション装置であって、
少なくとも一方が透明な2つのシートを、前記原稿が記された書類を該2つのシートの間で抜き差し可能なように重ねて形成した矩形のケース体を少なくとも3以上備え、
各ケース体は、田型状に並んだ状態で、透明なシートで構成される面が同じ方向を向き且つ隣接するケース体と相対的に回動可能なように連結される、
プレゼンテーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−110858(P2011−110858A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270454(P2009−270454)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(503238766)株式会社ビサイド (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(503238766)株式会社ビサイド (1)
【Fターム(参考)】
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