説明

ヘッド分離型カメラ

【課題】用途に応じて撮像画角を変更できる安価で経済的なヘッド分離型カメラを提供する。
【解決手段】所定のコンバーションレンズを嵌着したキャップ26を数種類用意し、各キャップ26を、ハウジング11に固定したCCDホルダ20の前端部外周に螺着できるようにしたから、撮像画角を変更するために数種類のカメラヘッドを用意したり、交換レンズを用意したりする必要が無く、安価で経済的なヘッド分離型カメラを提供することができる。また、コンバーションレンズが単玉レンズであるから、より安価で経済的となる。さらに、カメラヘッド部3の全体を防水としたから、水中や屋外での使用が可能となり利用範囲を拡大できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッド分離型カメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
信号入出力用ケーブルの先端に後端部を取り付けたハウジングと、該ハウジングに、撮像素子ユニットと該撮像素子ユニットの前方部に配置したレンズユニットとを収納したヘッド分離型カメラは、既に開発されている。また、特許第3020087号公報には、カメラヘッドのハウジングごと防水ケーシングに収納したヘッド分離型カメラが提示されている。
【0003】
ヘッド分離型カメラは、用途に応じて撮像画角を変更するために数種類のカメラヘッドを用意し、その信号入出力用ケーブルをカメラコントロールユニットに差し替えることにより、所定の用途に応じるようにしている。また、用途に応じて交換レンズを用意し、レンズユニットを交換することにより、所定の用途に応じることもできる。
【0004】
しかしながら、用途毎にカメラヘッドを用意すること、或いは交換レンズを用意することは、何れも高価で経済的ではないという問題点がある。
【特許文献1】特許第3020087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、用途に応じて撮像画角を変更できる安価で経済的なヘッド分離型カメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するための請求項1に記載のヘッド分離型カメラは、信号入出力用ケーブルの先端に後端部を取り付けたハウジングと、該ハウジングに、撮像素子ユニットと該撮像素子ユニットの前方部に配置したレンズユニットとを収納するとともに、前記ハウジングの前端部開口に前面ガラスを嵌着したキャップを取り付けたヘッド分離型カメラにおいて、前記キャップに代えて、所定のコンバーションレンズを嵌着したキャップを取り付けるようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載のヘッド分離型カメラは、請求項1に記載の構成において、前記コンバーションレンズは、単玉レンズであることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載のヘッド分離型カメラは、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記ハウジングとキャップとを防水とするとともに、該ハウジングとキャップの接合部に防水を施したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載のヘッド分離型カメラによれば、前面ガラスを嵌着したキャップに代えて、所定のコンバーションレンズを嵌着したキャップを数種類用意して、各キャップを前記ハウジングの前端部開口に取り付けるようにしたから、撮像画角を変更するために数種類のカメラヘッドを用意したり、交換レンズを用意したりする必要が無く、安価で経済的なヘッド分離型カメラを提供することができる。
【0010】
請求項2に記載のヘッド分離型カメラによれば、コンバーションレンズが単玉レンズであるから、より安価で経済的となる。
【0011】
請求項3に記載のヘッド分離型カメラによれば、ハウジングとキャップとを防水とするとともに、該ハウジングとキャップの接合部に防水を施したから、水中や屋外での使用が可能となり利用範囲を拡大できる。
【実施例】
【0012】
本発明の実施例について添付図面を参照して説明する。図1はヘッド分離型カメラ装置1の斜視図、図2はブロック図、図3はカメラヘッド部の断面図、図4は要部の断面図である。ヘッド分離型カメラ装置1は、コントロールユニット2とカメラヘッド部3とから構成されている。カメラヘッド部3は、入出力用ケーブル(以下、ケーブルという。)4によりコントローラユニット2と接続している。また、コントロールユニット2は図2のブロック図に示すように、撮像素子(以下、CCDという。)駆動回路、CCD13からの映像信号を処理する映像処理回路(1),(2)、ネットワーク処理回路及び電源回路等から構成されている。
【0013】
カメラヘッド部3の主要構成部品は、ハウジング11と該ハウジング11に収納されるレンズユニット12、CCD13及びCCDユニット14である。ハウジング11の後端部には、ケーブルホルダ15が固定されている。ケーブルホルダ15には、ケーブル4が挿通されて保持されている。ハウジング11の後端部外周と該後端部から挿通されるケーブル4の一部に、ゴムスリーブ16が被着されている。ハウジング11の内部のケーブルホルダ15の前側には、CCDユニット14の基板ホルダ17が固定されている。基板ホルダ17には、CCDユニット14の回路基板18とCCD基板19が取り付けられている。
【0014】
上記ハウジング11の前端部開口には、CCDホルダ20が嵌着され前記基板ホルダ17に固定されている。CCDホルダ20にはCCD13が保持されるとともに、光学水晶フィルタ21がCCD13の前方に取り付けられている。さらに、CCDホルダ20のハウジング11の前端開口から突出する円筒部22の内周には、雌ネジ23が形成されている。該雌ネジ23には、レンズユニット12の後端部がねじ込まれて、該レンズユニット12が取り付けられている。そして、CCDホルダ20の前端部外周には、キャップ24が螺着されてレンズユニット12の前端部を覆っている。キャップ24の開口には前面ガラス25が嵌着されている。
【0015】
上記ハウジング11とケーブルホルダ15、CCDホルダ20の接合部、該CCDホルダ20とキャップ24との接合部及び該キャップ24と前面ガラス25との嵌着部には、それぞれOリングが嵌装されていて、カメラヘッド部3の全体が防水されている。
【0016】
上記に説明したカメラヘッド部3は、図4に示すように前面ガラス25を嵌着したキャップ24に代えて、単玉のコンバーションレンズ31を嵌着したキャップ26を、CCDホルダ20の前端部外周に螺着することができる。この場合のコンバーションレンズ31は、凹レンズであり画角が広がり広角仕様のカメラヘッドとなる。コンバーションレンズの種類毎に嵌着したキャップを用意して、交換することにより、簡単にカメラヘッドを望遠等の仕様に変換することができる。
【0017】
上記に説明したヘッド分離型カメラ装置1は、所定のコンバーションレンズを嵌着したキャップ26を数種類用意し、各キャップ26をハウジング11に固定したCCDホルダ20の前端部外周に螺着できるようにしたから、撮像画角を変更するために数種類のカメラヘッドを用意したり、交換レンズを用意したりする必要が無く、安価で経済的なヘッド分離型カメラを提供することができる。また、コンバーションレンズが単玉レンズであるから、より安価で経済的となる。さらに、カメラヘッド部3の全体を防水としたから、水中や屋外での使用が可能となり利用範囲を拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ヘッド分離型カメラ装置の斜視図である。
【図2】同、ブロック図である。
【図3】カメラヘッド部の断面図である。
【図4】要部の断面図である。
【符号の説明】
【0019】
1 ヘッド分離型カメラ装置
2 コントロールユニット
3 カメラヘッド部
11 ハウジング
12 レンズユニット
13 CCD
14 CCDユニット
24,26 キャップ
31 コンバーションレンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号入出力用ケーブルの先端に後端部を取り付けたハウジングと、該ハウジングに、撮像素子ユニットと該撮像素子ユニットの前方部に配置したレンズユニットとを収納するとともに、前記ハウジングの前端部開口に前面ガラスを嵌着したキャップを取り付けたヘッド分離型カメラにおいて、
前記キャップに代えて、所定のコンバーションレンズを嵌着したキャップを取り付けるようにしたことを特徴とするヘッド分離型カメラ。
【請求項2】
前記コンバーションレンズは、単玉レンズであることを特徴とする請求項1に記載のヘッド分離型カメラ。
【請求項3】
前記ハウジングとキャップとを防水とするとともに、該ハウジングとキャップの接合部に防水を施したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘッド分離型カメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−166931(P2008−166931A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−351732(P2006−351732)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000000424)株式会社エルモ社 (104)
【Fターム(参考)】