ベンゾトリアゾール誘導体化合物
【課題】350nm以上の長波長領域の吸収を高め、かつ、400nm以上の可視光の吸収をなくした重合性の新規化合物を提供すること。
【解決手段】下記の一般式で表されることを特徴とするベンゾトリアゾール誘導体化合物。
[式中、R1は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基又はアシル基を表す。R2は炭素数1〜8のアルキレン基を表す。R3は水素原子又はメチル基を表す。]
【解決手段】下記の一般式で表されることを特徴とするベンゾトリアゾール誘導体化合物。
[式中、R1は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基又はアシル基を表す。R2は炭素数1〜8のアルキレン基を表す。R3は水素原子又はメチル基を表す。]
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なベンゾトリアゾール誘導体化合物に関し、また当該新規化合物を含有する350nm以上の長波長紫外線領域で高い吸収を示す紫外線吸収剤に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂は自然光の紫外線の作用によって劣化を生じて、軟化、脆化または変色などの現象を伴ってその機械的強度が著しく低下することはよく知られている。このような光による劣化を防ぐため、従来より各種の紫外線吸収剤が樹脂の加工工程中に添加され、使用されている。また、太陽光や照明器具から発生する紫外線を遮断する目的で、紫外線吸収剤が添加されたシートやフィルムが使用されている。このような紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、サリシレート系又はトリアジン系の化合物が知られている。
【0003】
しかし、従来より使用されている紫外線吸収剤は、それ自身の揮散、ブリードを生じるという特性を有しているために、ブリード、揮発への対応として添加量を増加した場合には光照射環境下で着色も増加してしまい、添加された樹脂の耐光性、熱変色性などの点でいまだ満足されるものではなかった。
【0004】
紫外線吸収剤のブリード、揮発を抑えるために、紫外線吸収剤に重合性基を導入し、単独重合もしくは共重合を行って紫外線吸収剤ポリマーとする試みが特許文献1〜5で提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭60−38411号公報
【0006】
【特許文献2】特開昭63−185969号公報
【0007】
【特許文献3】特開昭63−227575号公報
【0008】
【特許文献4】特開平3−281685号公報
【0009】
【特許文献5】特開平9−34057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、これらに記載された紫外線吸収剤ポリマーはブリードや揮発の防止効果はあったが、350nm以上の長波長領域の紫外線を吸収する能力が十分でないか、又は、400nm以上の可視光に吸収があるために添加された樹脂を黄色く着色する問題があった。
【0011】
そこで本発明における課題は、350nm以上の長波長領域の吸収を高め、かつ、400nm以上の可視光の吸収をなくした重合性の新規化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明では、下記一般式(1)で示される新規のベンゾトリアゾール誘導体化合物を、紫外線吸収剤モノマーとして用いることを上記課題の主要な解決手段とする。
【化1】
一般式(1)
[式中、R1は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基又はアシル基を表す。R2は炭素数1〜8のアルキレン基を表す。R3は水素原子又はメチル基を表す。]
【0013】
上記一般式(1)で示される新規のベンゾトリアゾール誘導体化合物は、好ましくはR1が炭素数2〜8のアルキル基で表される化合物である。
【0014】
上記一般式(1)で示される新規のベンゾトリアゾール誘導体化合物は、さらに好ましくはR1が炭素数2〜8のアルキル基であり、さらにR2がエチレン基で表される化合物である。
【発明の効果】
【0015】
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物一般式(1)は、最大吸収波長λmaxが350以上であり、その時の吸光度εは約30000であり、同時に、400nm以上の可視光の領域に吸収がない。すなわち、長波長領域の紫外線を吸収する能力が十分であり、樹脂に添加した場合に樹脂を黄色く着色することがない。
【0016】
また、重合性の二重結合を有していることから、単独重合もしくは共重合を行うことが可能であり、実験でも容易に重合可能であったことから、従来技術の課題を解決し得る紫外線吸収剤モノマーとして有用である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明につき詳細に説明する。本発明は紫外線吸収剤モノマーとして、下記一般式(1)によって示す化合物を用いたものである。以下に下記一般式(1)において表される化合物について説明する。
【0018】
【化1】
一般式(1)
【0019】
一般式(1)中、該任意の置換基の例としてR1は、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等の置換されても良い炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基;フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基等のアシル基が挙げられる。
【0020】
上記の置換基の中でも好ましくは、アルキル基である。
【0021】
該任意の置換基の例としてR2は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の置換されても良い炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキレン基が挙げられる。
【0022】
上記の置換基の中でも好ましくは、エチレン基である。
【0023】
R3は水素原子又はメチル基を表す。
【0024】
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物一般式(1)としては、例えば、次に示すものを挙げることができる。2−[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(4−ベンゾイルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、4−[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[2−(4−ベンゾイルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、2−[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(4−ベンゾイルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート等。
【0025】
ここに例示する化合物の中で、特に2−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレートが好ましく用いられる。
【0026】
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物一般式(1)を合成する方法に特に限定はなく、従来公知の方法を広く用いることができ、たとえば、下記(化2〜化5)に示した反応式を経て合成することができる。ただし、Xはハロゲン原子を表す。
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【0027】
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物の重合方法は、単独重合であっても共重合であってもよい。共重合可能な他の重合性モノマーは特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチルなどのメタクリル酸エステルが挙げられる。
【0028】
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物の単独重合体又は共重合体は、樹脂中に添加しても良いし、樹脂上に塗布しても良い。添加又は塗布可能な樹脂は特に限定されるわけではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリ-3−メチルブチレン、ポリメチルペンテンなどのα−オレフィン重合体またはエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ臭化ビニル、ポリフッ化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、臭素化ポリエチレン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル三元共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、内部可塑性ポリ塩化ビニルなどの含ハロゲン合成樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、ポリスチレン、スチレンと他の単量体(無水マレイン酸、ブタジエン、アクリロニトリルなど)との共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン樹脂、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン樹脂などのスチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、メタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアセタール、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、強化ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリオキシベンゾイル、ポリイミド、ポリマレイミド、ポリアミドイミド、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、水溶性樹脂、粉体塗料用樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。
【0029】
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物の単独重合体又は共重合体の用途は特に限定されないが、例えば、偏光板保護フィルム、反射防止フィルムなどの光学フィルム、メガネ、コンタクトレンズなどのプラスチックレンズ、医薬品、食品、化粧品、衣類などを包装する包装材料、ビニールハウスなどの農業用フィルム、防虫シート、色素増感型太陽電池用積層フィルムなどが挙げられる。
【実施例】
【0030】
以下に本発明で実施したベンゾトリアゾール誘導体化合物の合成法及び化合物の特性を示す。ただし合成方法はこれに限定されるものではない。
【0031】
(実施例1)
[中間体;2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−5−オクチルオキシフェノールの合成]
1000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、常法にて合成した4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール176.0g(0.684モル)、メチルイソブチルケトン350ml、1−クロロオクタン142.0g(0.955モル)、炭酸ナトリウム62.0g(0.585モル)、ヨウ化カリウム5.2gを入れて、120〜130℃で12時間還流脱水した。水200mlを加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水200mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン350mlを減圧で回収し、イソプロピルアルコール450mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール200mlで洗浄し、乾燥して、2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノールを216.9g得た。
【0032】
10Lの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノール216.9g(0.587モル)、47%臭化水素酸125.8g(0.731モル)、スルホラン1800mlを入れて100〜105℃で48時間撹拌した。トルエン800ml、水3500mlを加えて、静置して下層の水層を分離して除去し、温水1300mlで2回洗浄し、トルエン800mlを減圧で回収した。イソプロピルアルコール800ml、水200mlを加えて、5℃まで冷却し、析出する結晶をろ過し、イソプロピルアルコール水溶液(80% V/V)200mlで洗浄し、乾燥して、2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノールを126.6g得た。
【0033】
1000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノール126.6g(0.356モル)、メチルイソブチルケトン450ml、2−クロロエタノール35.8g(0.445モル)、炭酸ナトリウム23.5g(0.222モル)、ヨウ化カリウム17.8gを入れて、113〜118℃で10時間還流脱水した。250mlの水を加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水150mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン450mlを減圧で回収後にイソプロピルアルコール500mlを加えて10℃まで冷却し、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール50mlで洗浄し、乾燥機で乾燥して、2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−5−オクチルオキシフェノールを95.3g得た。収率35%(4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオールから)であった。
【0034】
(実施例2)
[化合物(a);2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレートの合成]
【化6】
化合物(a)
【0035】
1000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−5−オクチルオキシフェノール95.3g(0.239モル)、トルエン550ml、メタクリル酸50.6g(0.588モル)、メタンスルホン酸29.8g(0.310モル)を入れて、110〜115℃で4時間還流脱水した。水200ml、炭酸ナトリウム32.8g(0.309モル)を加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、活性炭1.8gを加え、還流撹拌して脱色させた。熱時にろ過し、そのろ液からトルエン550mlを減圧で回収した後にイソプロピルアルコール750mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール100mlで洗浄した後、減圧下40℃で乾燥し、白色結晶を88.1g得た。全量をイソプロピルアルコールで再結晶して、減圧下40℃で乾燥し、化合物(a)を77.8g得た。収率70%(2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−5−オクチルオキシフェノールから)であった。 融点は92℃。
【0036】
また、化合物(a)の紫外〜可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長λmaxは350nmであり、この時の吸光度εは30900であった。スペクトルを図1に示す。スペクトルの測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置:UV−2450((株)島津製作所製)
測定波長:250〜450nm
溶媒:クロロホルム
濃度:10ppm
セル:1cm石英
なお、以下の実施例3〜5も本実施例と同様の測定条件で紫外〜可視吸収スペクトルの測定を行った。
【0037】
また、HPLC分析により、化合物(a)の純度を測定した。
<測定条件>
装置:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ製)
使用カラム:SUMIPAX ODS A−212 6×150mm 5μm
カラム温度:40℃
移動相: メタノール/水=99/1
流速:1.0ml/min
<測定結果>
HPLC面百純度:99.9%
なお、以下の実施例3も本実施例と同様の測定条件でHPLC測定を行った。
【0038】
また、化合物(a)の赤外線吸収スペクトルも測定した。測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置:FTIR−8400S((株)島津製作所製)
検体:1/200(KBr)
得られた赤外線吸収スペクトルを図5に示す。なお、以下の実施例も本実施例と同様の測定条件で赤外線吸収スペクトル測定を行った。
【0039】
また、化合物(a)のNMR測定を行った結果、上記構造を支持する結果が得られた。測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置:JEOL AL−300
共振周波数:300MHz(1H−NMR)
溶媒:クロロホルム−d
1H−NMRの内部標準物質として、テトラメチルシランを用い、ケミカルシフト値はδ値(ppm)、カップリング定数はHertzで示した。またsはsinglet、dはdoublet、tはtriplet、ddはdoublet doublet、bはbroad singlet、mはmultipletの略とする。以下の実施例すべてにおいても同様である。
得られたNMRスペクトルの内容は以下のとおりである。
δ11.3(s,OH),8.19(d,1H,J=9.9Hz,benzotriazol−H),7.78(dd,1H,J=9.92Hz,J=0.96Hz,J=0.87Hz,benzotriazol−H),7.0−7.3(m,2H,benzotriazol−H,phenol−H),6.67(d,1H,J=2.91Hz,phenol−H),6.59(dd,1H,J=10.2Hz,J=2.94Hz,J=3.06Hz,=CH2−H),6.17(s,1H,phenol−H),5.61(t,1H,=CH2−H),4.57(t,2H,O−CH2−CH2−O−H),4.32(t,2H,O−CH2−CH2−O−H),4.00(t,2H,pH−O−CH2−H),1.80(m,2H,CH2−H),1.2−1.6(m,10H,(CH2)5−H),0.89(s,3H,CH3−H)
【0040】
(実施例3)
[化合物(b);2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレートの合成]
【化7】
化合物(b)
メタクリル酸をアクリル酸とした以外は実施例2と同様にして、化合物(b)を収率43%(2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−5−オクチルオキシフェノールから)で得た。融点86℃、最大吸収波長λmaxが351nmの時の吸光度εは29700、HPLC面百純度98.7%であった。紫外〜可視吸収スペクトルを図2に示す。赤外線吸収スペクトルを図6に示す。
【0041】
また、化合物(b)のNMR解析を行った結果、上記構造を支持する結果が得られた。測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置: VARIAN Mercury300
共振周波数:300MHz(1H−NMR)
溶媒:クロロホルム−d
得られたNMRスペクトルの内容は以下のとおりである。なお、以下の実施例も本実施例と同様の測定条件でNMR測定を行った。
δ11.3(b,OH),8.21(d,1H,J=9.07Hz,benzotriazol−H),7.79(d,1H,J=9.07Hz,benzotriazol−H),7.18(d,1H,J=2.3Hz,phenol−H),7.16(d,1H,J=2.3Hz,phenol−H),7.15(d,1H,J=1.81,benzotriazol−H,),6.67(s,1H,phenol−H),6.60(m,1H,=CH2−H),6.20(q,1H,CH=−H),5.89(dd,1H,J=10.5Hz,J=0.66Hz,J=0.75Hz,=CH2−H),4.32(t,2H,O−CH2−CH2−O−H),4.00(t,2H,O−CH2−CH2−O−H),0.8−2(m,17H,n−C8H17−H)
【0042】
(実施例4)
[化合物(c);2−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレートの合成]
【化8】
化合物(c)
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール17.0g(0.066モル)、メチルイソブチルケトン35ml、1−ブロモブタン9.2g(0.067モル)、炭酸ナトリウム5.6g(0.053モル)、ヨウ化カリウム4.9gを入れて105〜115℃で4時間還流撹拌した。水35mlを加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水35mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン35mlを減圧で回収後にイソプロピルアルコール100mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール20mlで洗浄し、乾燥して、5−ブトキシ−2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを15.0g得た。
【0043】
500mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−ブトキシ−2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール15.0g(0.048モル)、47%臭化水素酸9.9g(0.058モル)、スルホラン145mlを入れて100〜105℃で48時間撹拌した。トルエン70ml、水200mlを加えて、静置して下層の水層を分離して除去し、温水100mlで2回洗浄し、トルエン70mlを減圧で回収した。イソプロピルアルコール30ml、水15mlを加えて、5℃まで冷却し、析出する結晶をろ過し、イソプロピルアルコール水溶液(70% V/V)20mlで洗浄し、乾燥して、5−ブトキシ−2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを6.2g得た。
【0044】
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−ブトキシ−2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール6.2g(0.021モル)、メチルイソブチルケトン50ml、2−クロロエタノール7.4g(0.092モル)、炭酸ナトリウム4.9g(0.046モル)、ヨウ化カリウム0.2gを入れて113〜118℃で10時間還流脱水した。水50mlを加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水50mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン50mlを減圧で回収後にイソプロピルアルコール25mlを加えて5℃まで冷却し、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール15mlで洗浄し、乾燥して、5−ブトキシ−2−(5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを3.4g得た。
【0045】
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−ブトキシ−2−(5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール3.4g(0.010モル)、トルエン40ml、メタクリル酸1.7g(0.020モル)、メタンスルホン酸0.2g(0.002モル)を入れて、110〜115℃で4時間還流脱水した。水30ml、炭酸ナトリウム0.7g(0.007モル)を加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、活性炭0.1gを加え、還流撹拌して脱色させた。熱時にろ過し、ろ液からトルエン40mlを減圧で回収した後にイソプロピルアルコール30mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール15mlで洗浄した後、減圧下40℃で乾燥し、白色結晶を2.7g得た。この2.7gをイソプロピルアルコールで再結晶して、減圧下40℃で乾燥し、化合物(c)を2.2g得た。収率8%(4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオールから)であった。融点101℃、最大吸収波長λmaxが351nmの時の吸光度εは29100であった。紫外〜可視吸収スペクトルを図3に示す。赤外線吸収スペクトルを図7に示す。
【0046】
また、HPLC分析により、化合物(c)の純度を測定した。
<測定条件>
装置:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ製)
使用カラム:Inertsil ODS−3 4.6×150mm 5μm
カラム温度:25℃
移動相: アセトニトリル/水=9/1(リン酸3ml/L)
流速:1.0ml/min
<測定結果>
HPLC面百純度:98.7%
なお、以下の実施例も本実施例と同様の測定条件でHPLC測定を行った。
【0047】
また、化合物(c)のNMR解析を行った結果、上記構造を支持する結果が得られた。得られたNMRスペクトルの内容は以下のとおりである。
δ=11.3(b,OH),8.21(d,1H,J=9.24Hz,benzotriazol−H),7.80(dd,1H,J=9.1Hz,J=0.66Hz,J=0.66Hz,benzotriazol−H),7.18(d,1H,J=2.31Hz,phenol−H),6.68(d,1H,J=2.64Hz,phenol−H),6.60(dd,1H,J=9.2Hz,J=2.64Hz,J=2.64Hz,benzotriazol−H,),6.18(s,1H,=CH2−H),5.62(m,1H,=CH2−H),0.9−2.1(m,3H,9H,CH3,n−C4H9−H)
【0048】
(実施例5)
[化合物(d);2−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレートの合成]
【化9】
化合物(d)
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール10.0g(0.039モル)、メチルイソブチルケトン40ml、ブロモエタン6.4g(0.059モル)、炭酸ナトリウム3.3g(0.031モル)、ヨウ化カリウム3.0gを入れて95〜110℃で6時間還流撹拌した。水20mlを加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水20mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン40mlを減圧で回収後にイソプロピルアルコール100mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール25mlで洗浄し、乾燥して、5−エトキシ−2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを8.2g得た。
【0049】
500mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−エトキシ−2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール8.2g(0.029モル)、47%臭化水素酸6.2g(0.036モル)、スルホラン82mlを入れて100〜105℃で33時間撹拌させた。トルエン50ml、水165mlを加えて、静置して下層の水層を分離して除去し、温水80mlで洗浄し、トルエン50mlを減圧で回収した。イソプロピルアルコール35ml、水15mlを加えて、5℃まで冷却し、析出する結晶をろ過し、イソプロピルアルコール水溶液(70% V/V)20mlで洗浄し、乾燥して、5−エトキシ−2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを4.6g得た。
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−エトキシ−2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール4.6g(0.017モル)、メチルイソブチルケトン35ml、2−クロロエタノール1.7g(0.021モル)、炭酸ナトリウム1.1g(0.010モル)、ヨウ化カリウム0.9gを入れて、113〜118℃で8時間還流脱水した。水30mlを加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水30mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン35mlを減圧で回収し、5−エトキシ−2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]フェノール5.0gの固形分を得た。
【0050】
300mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−エトキシ−2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]フェノールの固形分5.0g(0.016モル)、トルエン100ml、メタクリル酸2.7g(0.031モル)、メタンスルホン酸2.0g(0.021モル)を入れて、110〜115℃で4時間還流脱水した。水80ml、炭酸ナトリウム1.9g(0.018モル)を加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、活性炭0.1gを加え、還流撹拌して脱色させた。熱時ろ過し、ろ液からトルエン100mlを減圧で回収した後にイソプロピルアルコール30mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール20mlで洗浄した後、減圧下40℃で乾燥し、白色結晶を3.2g得た。この3.2gをイソプロピルアルコールで再結晶して、減圧下40℃で乾燥し、化合物(d)を1.6g得た。収率11%(4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオールから)であった。融点156℃、最大吸収波長λmaxが350nmの時の吸光度εは29000、HPLC面百純度98.1%であった。紫外〜可視吸収スペクトルを図4に示す。赤外線吸収スペクトルを図8に示す。
【0051】
また、化合物(d)のNMR解析を行った結果、上記構造を支持する結果が得られた。得られたNMRスペクトルの内容は以下のとおりである。
δ=11.3(b,OH),8.21(d,1H,J=9.07Hz,benzotriazol−H),7.79(d,1H,J=9.72,benzotriazol−H),7.16(m,1H,phenol−H),6.68(d,1H,J=2.64Hz,phenol−H),6.59(dd,1H,J=9.2,J=2.8,J=2.64,phenol−H,),6.17(s,1H,C=CH2−H),5.61(t,1H,=CH2−H),4.58(m,2H,O−CH2−CH2−O−H),4.32(t,2H,O−CH2−CH2−O−H),4.08(q,2H,−CH2−CH3−H),1.67(s,3H,C=CH2−CH3−H),1.57(t,3H,CH2−CH3−H)
【0052】
(実施例6)
[共重合体(e);化合物(a)/メタクリル酸メチル共重合体(50wt%/50wt%)の合成]
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置、ガス吹き込み管を取り付け、化合物(a)20g、メタクリル酸メチル20g、酢酸エチル40g、2,2’‐アゾビス(2‐メチルブチロニトリル)0.6gを入れて、窒素ガス流量10ml/minで1時間フラスコ内を窒素置換後に、78〜88℃で10時間還流状態にて重合反応を行った。重合反応終了後、酢酸エチル20gを追加して共重合体(e)の溶液を得た。この溶液の不揮発分は40.2%であり、粘度は1190mPa・s/25℃であり、ポリマーの重量平均分子量(Mw)は75400、数平均分子量(Mn)は19100、多分散度(Mw/Mn)は3.95であった。
【0053】
上記の溶液を減圧下で脱溶剤して得られた共重合体(e)の紫外〜可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長λmaxは349nmであった。スペクトルを図9に示す。スペクトルの測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置:UV−2450((株)島津製作所製)
測定波長:250〜450nm
溶媒:クロロホルム
濃度:20ppm
セル:1cm石英
なお、以下の実施例も本実施例と同様の測定条件で紫外〜可視吸収スペクトルの測定を行った。
【0054】
(実施例7)
[共重合体(f);化合物(b)/メタクリル酸メチル共重合体(50wt%/50wt%)の合成]
化合物(a)を化合物(b)にした以外は実施例6と同様にして、共重合体(f)の溶液を得た。ポリマーの重量平均分子量(Mw)は57100、数平均分子量(Mn)は24700、多分散度(Mw/Mn)は2.32であった。また、共重合体(f)の紫外〜可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長λmaxは350nmであった。スペクトルを図10に示す。
【0055】
(実施例8)
[共重合体(g);化合物(c)/メタクリル酸メチル共重合体(50wt%/50wt%)の合成]
化合物(a)を化合物(c)にした以外は実施例6と同様にして、共重合体(g)の溶液を得た。ポリマーの重量平均分子量(Mw)は73500、数平均分子量(Mn)は25400、多分散度(Mw/Mn)は2.89であった。また、共重合体(g)の紫外〜可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長λmaxは349nmであった。スペクトルを図11に示す。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明のベンゾトリアゾール誘導体は、350nm以上の長波長紫外線領域で高い吸収を示し、同時に、400nm以上の可視光の領域に吸収がなく、また、重合性の二重結合を有していることから、紫外線吸収剤モノマーとして有効である。この紫外線吸収剤モノマーを単独重合もしくは共重合して得られた紫外線吸収剤ポリマーは、樹脂用の紫外線吸収剤として好適に利用でき、なかでも光学フィルム、プラスチックレンズ、包装材料、農業用フィルム、防虫シート、色素増感型太陽電池用積層フィルム等に好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】化合物(a)の紫外〜可視吸収スペクトルである。
【図2】化合物(b)の紫外〜可視吸収スペクトルである。
【図3】化合物(c)の紫外〜可視吸収スペクトルである。
【図4】化合物(d)の紫外〜可視吸収スペクトルである。
【図5】化合物(a)の赤外線吸収スペクトルである。
【図6】化合物(b)の赤外線吸収スペクトルである。
【図7】化合物(c)の赤外線吸収スペクトルである。
【図8】化合物(d)の赤外線吸収スペクトルである。
【図9】共重合体(e)の紫外〜可視吸収スペクトルである。
【図10】共重合体(f)の紫外〜可視吸収スペクトルである。
【図11】共重合体(g)の紫外〜可視吸収スペクトルである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なベンゾトリアゾール誘導体化合物に関し、また当該新規化合物を含有する350nm以上の長波長紫外線領域で高い吸収を示す紫外線吸収剤に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂は自然光の紫外線の作用によって劣化を生じて、軟化、脆化または変色などの現象を伴ってその機械的強度が著しく低下することはよく知られている。このような光による劣化を防ぐため、従来より各種の紫外線吸収剤が樹脂の加工工程中に添加され、使用されている。また、太陽光や照明器具から発生する紫外線を遮断する目的で、紫外線吸収剤が添加されたシートやフィルムが使用されている。このような紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、サリシレート系又はトリアジン系の化合物が知られている。
【0003】
しかし、従来より使用されている紫外線吸収剤は、それ自身の揮散、ブリードを生じるという特性を有しているために、ブリード、揮発への対応として添加量を増加した場合には光照射環境下で着色も増加してしまい、添加された樹脂の耐光性、熱変色性などの点でいまだ満足されるものではなかった。
【0004】
紫外線吸収剤のブリード、揮発を抑えるために、紫外線吸収剤に重合性基を導入し、単独重合もしくは共重合を行って紫外線吸収剤ポリマーとする試みが特許文献1〜5で提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭60−38411号公報
【0006】
【特許文献2】特開昭63−185969号公報
【0007】
【特許文献3】特開昭63−227575号公報
【0008】
【特許文献4】特開平3−281685号公報
【0009】
【特許文献5】特開平9−34057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、これらに記載された紫外線吸収剤ポリマーはブリードや揮発の防止効果はあったが、350nm以上の長波長領域の紫外線を吸収する能力が十分でないか、又は、400nm以上の可視光に吸収があるために添加された樹脂を黄色く着色する問題があった。
【0011】
そこで本発明における課題は、350nm以上の長波長領域の吸収を高め、かつ、400nm以上の可視光の吸収をなくした重合性の新規化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明では、下記一般式(1)で示される新規のベンゾトリアゾール誘導体化合物を、紫外線吸収剤モノマーとして用いることを上記課題の主要な解決手段とする。
【化1】
一般式(1)
[式中、R1は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基又はアシル基を表す。R2は炭素数1〜8のアルキレン基を表す。R3は水素原子又はメチル基を表す。]
【0013】
上記一般式(1)で示される新規のベンゾトリアゾール誘導体化合物は、好ましくはR1が炭素数2〜8のアルキル基で表される化合物である。
【0014】
上記一般式(1)で示される新規のベンゾトリアゾール誘導体化合物は、さらに好ましくはR1が炭素数2〜8のアルキル基であり、さらにR2がエチレン基で表される化合物である。
【発明の効果】
【0015】
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物一般式(1)は、最大吸収波長λmaxが350以上であり、その時の吸光度εは約30000であり、同時に、400nm以上の可視光の領域に吸収がない。すなわち、長波長領域の紫外線を吸収する能力が十分であり、樹脂に添加した場合に樹脂を黄色く着色することがない。
【0016】
また、重合性の二重結合を有していることから、単独重合もしくは共重合を行うことが可能であり、実験でも容易に重合可能であったことから、従来技術の課題を解決し得る紫外線吸収剤モノマーとして有用である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明につき詳細に説明する。本発明は紫外線吸収剤モノマーとして、下記一般式(1)によって示す化合物を用いたものである。以下に下記一般式(1)において表される化合物について説明する。
【0018】
【化1】
一般式(1)
【0019】
一般式(1)中、該任意の置換基の例としてR1は、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等の置換されても良い炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基;フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基等のアシル基が挙げられる。
【0020】
上記の置換基の中でも好ましくは、アルキル基である。
【0021】
該任意の置換基の例としてR2は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の置換されても良い炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキレン基が挙げられる。
【0022】
上記の置換基の中でも好ましくは、エチレン基である。
【0023】
R3は水素原子又はメチル基を表す。
【0024】
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物一般式(1)としては、例えば、次に示すものを挙げることができる。2−[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(4−ベンゾイルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、4−[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[2−(4−ベンゾイルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、2−[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(4−ベンゾイルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート等。
【0025】
ここに例示する化合物の中で、特に2−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレートが好ましく用いられる。
【0026】
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物一般式(1)を合成する方法に特に限定はなく、従来公知の方法を広く用いることができ、たとえば、下記(化2〜化5)に示した反応式を経て合成することができる。ただし、Xはハロゲン原子を表す。
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【0027】
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物の重合方法は、単独重合であっても共重合であってもよい。共重合可能な他の重合性モノマーは特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチルなどのメタクリル酸エステルが挙げられる。
【0028】
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物の単独重合体又は共重合体は、樹脂中に添加しても良いし、樹脂上に塗布しても良い。添加又は塗布可能な樹脂は特に限定されるわけではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリ-3−メチルブチレン、ポリメチルペンテンなどのα−オレフィン重合体またはエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ臭化ビニル、ポリフッ化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、臭素化ポリエチレン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル三元共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、内部可塑性ポリ塩化ビニルなどの含ハロゲン合成樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、ポリスチレン、スチレンと他の単量体(無水マレイン酸、ブタジエン、アクリロニトリルなど)との共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン樹脂、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン樹脂などのスチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、メタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアセタール、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、強化ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリオキシベンゾイル、ポリイミド、ポリマレイミド、ポリアミドイミド、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、水溶性樹脂、粉体塗料用樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。
【0029】
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物の単独重合体又は共重合体の用途は特に限定されないが、例えば、偏光板保護フィルム、反射防止フィルムなどの光学フィルム、メガネ、コンタクトレンズなどのプラスチックレンズ、医薬品、食品、化粧品、衣類などを包装する包装材料、ビニールハウスなどの農業用フィルム、防虫シート、色素増感型太陽電池用積層フィルムなどが挙げられる。
【実施例】
【0030】
以下に本発明で実施したベンゾトリアゾール誘導体化合物の合成法及び化合物の特性を示す。ただし合成方法はこれに限定されるものではない。
【0031】
(実施例1)
[中間体;2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−5−オクチルオキシフェノールの合成]
1000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、常法にて合成した4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール176.0g(0.684モル)、メチルイソブチルケトン350ml、1−クロロオクタン142.0g(0.955モル)、炭酸ナトリウム62.0g(0.585モル)、ヨウ化カリウム5.2gを入れて、120〜130℃で12時間還流脱水した。水200mlを加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水200mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン350mlを減圧で回収し、イソプロピルアルコール450mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール200mlで洗浄し、乾燥して、2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノールを216.9g得た。
【0032】
10Lの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノール216.9g(0.587モル)、47%臭化水素酸125.8g(0.731モル)、スルホラン1800mlを入れて100〜105℃で48時間撹拌した。トルエン800ml、水3500mlを加えて、静置して下層の水層を分離して除去し、温水1300mlで2回洗浄し、トルエン800mlを減圧で回収した。イソプロピルアルコール800ml、水200mlを加えて、5℃まで冷却し、析出する結晶をろ過し、イソプロピルアルコール水溶液(80% V/V)200mlで洗浄し、乾燥して、2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノールを126.6g得た。
【0033】
1000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノール126.6g(0.356モル)、メチルイソブチルケトン450ml、2−クロロエタノール35.8g(0.445モル)、炭酸ナトリウム23.5g(0.222モル)、ヨウ化カリウム17.8gを入れて、113〜118℃で10時間還流脱水した。250mlの水を加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水150mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン450mlを減圧で回収後にイソプロピルアルコール500mlを加えて10℃まで冷却し、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール50mlで洗浄し、乾燥機で乾燥して、2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−5−オクチルオキシフェノールを95.3g得た。収率35%(4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオールから)であった。
【0034】
(実施例2)
[化合物(a);2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレートの合成]
【化6】
化合物(a)
【0035】
1000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−5−オクチルオキシフェノール95.3g(0.239モル)、トルエン550ml、メタクリル酸50.6g(0.588モル)、メタンスルホン酸29.8g(0.310モル)を入れて、110〜115℃で4時間還流脱水した。水200ml、炭酸ナトリウム32.8g(0.309モル)を加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、活性炭1.8gを加え、還流撹拌して脱色させた。熱時にろ過し、そのろ液からトルエン550mlを減圧で回収した後にイソプロピルアルコール750mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール100mlで洗浄した後、減圧下40℃で乾燥し、白色結晶を88.1g得た。全量をイソプロピルアルコールで再結晶して、減圧下40℃で乾燥し、化合物(a)を77.8g得た。収率70%(2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−5−オクチルオキシフェノールから)であった。 融点は92℃。
【0036】
また、化合物(a)の紫外〜可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長λmaxは350nmであり、この時の吸光度εは30900であった。スペクトルを図1に示す。スペクトルの測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置:UV−2450((株)島津製作所製)
測定波長:250〜450nm
溶媒:クロロホルム
濃度:10ppm
セル:1cm石英
なお、以下の実施例3〜5も本実施例と同様の測定条件で紫外〜可視吸収スペクトルの測定を行った。
【0037】
また、HPLC分析により、化合物(a)の純度を測定した。
<測定条件>
装置:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ製)
使用カラム:SUMIPAX ODS A−212 6×150mm 5μm
カラム温度:40℃
移動相: メタノール/水=99/1
流速:1.0ml/min
<測定結果>
HPLC面百純度:99.9%
なお、以下の実施例3も本実施例と同様の測定条件でHPLC測定を行った。
【0038】
また、化合物(a)の赤外線吸収スペクトルも測定した。測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置:FTIR−8400S((株)島津製作所製)
検体:1/200(KBr)
得られた赤外線吸収スペクトルを図5に示す。なお、以下の実施例も本実施例と同様の測定条件で赤外線吸収スペクトル測定を行った。
【0039】
また、化合物(a)のNMR測定を行った結果、上記構造を支持する結果が得られた。測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置:JEOL AL−300
共振周波数:300MHz(1H−NMR)
溶媒:クロロホルム−d
1H−NMRの内部標準物質として、テトラメチルシランを用い、ケミカルシフト値はδ値(ppm)、カップリング定数はHertzで示した。またsはsinglet、dはdoublet、tはtriplet、ddはdoublet doublet、bはbroad singlet、mはmultipletの略とする。以下の実施例すべてにおいても同様である。
得られたNMRスペクトルの内容は以下のとおりである。
δ11.3(s,OH),8.19(d,1H,J=9.9Hz,benzotriazol−H),7.78(dd,1H,J=9.92Hz,J=0.96Hz,J=0.87Hz,benzotriazol−H),7.0−7.3(m,2H,benzotriazol−H,phenol−H),6.67(d,1H,J=2.91Hz,phenol−H),6.59(dd,1H,J=10.2Hz,J=2.94Hz,J=3.06Hz,=CH2−H),6.17(s,1H,phenol−H),5.61(t,1H,=CH2−H),4.57(t,2H,O−CH2−CH2−O−H),4.32(t,2H,O−CH2−CH2−O−H),4.00(t,2H,pH−O−CH2−H),1.80(m,2H,CH2−H),1.2−1.6(m,10H,(CH2)5−H),0.89(s,3H,CH3−H)
【0040】
(実施例3)
[化合物(b);2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレートの合成]
【化7】
化合物(b)
メタクリル酸をアクリル酸とした以外は実施例2と同様にして、化合物(b)を収率43%(2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−5−オクチルオキシフェノールから)で得た。融点86℃、最大吸収波長λmaxが351nmの時の吸光度εは29700、HPLC面百純度98.7%であった。紫外〜可視吸収スペクトルを図2に示す。赤外線吸収スペクトルを図6に示す。
【0041】
また、化合物(b)のNMR解析を行った結果、上記構造を支持する結果が得られた。測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置: VARIAN Mercury300
共振周波数:300MHz(1H−NMR)
溶媒:クロロホルム−d
得られたNMRスペクトルの内容は以下のとおりである。なお、以下の実施例も本実施例と同様の測定条件でNMR測定を行った。
δ11.3(b,OH),8.21(d,1H,J=9.07Hz,benzotriazol−H),7.79(d,1H,J=9.07Hz,benzotriazol−H),7.18(d,1H,J=2.3Hz,phenol−H),7.16(d,1H,J=2.3Hz,phenol−H),7.15(d,1H,J=1.81,benzotriazol−H,),6.67(s,1H,phenol−H),6.60(m,1H,=CH2−H),6.20(q,1H,CH=−H),5.89(dd,1H,J=10.5Hz,J=0.66Hz,J=0.75Hz,=CH2−H),4.32(t,2H,O−CH2−CH2−O−H),4.00(t,2H,O−CH2−CH2−O−H),0.8−2(m,17H,n−C8H17−H)
【0042】
(実施例4)
[化合物(c);2−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレートの合成]
【化8】
化合物(c)
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール17.0g(0.066モル)、メチルイソブチルケトン35ml、1−ブロモブタン9.2g(0.067モル)、炭酸ナトリウム5.6g(0.053モル)、ヨウ化カリウム4.9gを入れて105〜115℃で4時間還流撹拌した。水35mlを加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水35mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン35mlを減圧で回収後にイソプロピルアルコール100mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール20mlで洗浄し、乾燥して、5−ブトキシ−2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを15.0g得た。
【0043】
500mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−ブトキシ−2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール15.0g(0.048モル)、47%臭化水素酸9.9g(0.058モル)、スルホラン145mlを入れて100〜105℃で48時間撹拌した。トルエン70ml、水200mlを加えて、静置して下層の水層を分離して除去し、温水100mlで2回洗浄し、トルエン70mlを減圧で回収した。イソプロピルアルコール30ml、水15mlを加えて、5℃まで冷却し、析出する結晶をろ過し、イソプロピルアルコール水溶液(70% V/V)20mlで洗浄し、乾燥して、5−ブトキシ−2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを6.2g得た。
【0044】
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−ブトキシ−2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール6.2g(0.021モル)、メチルイソブチルケトン50ml、2−クロロエタノール7.4g(0.092モル)、炭酸ナトリウム4.9g(0.046モル)、ヨウ化カリウム0.2gを入れて113〜118℃で10時間還流脱水した。水50mlを加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水50mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン50mlを減圧で回収後にイソプロピルアルコール25mlを加えて5℃まで冷却し、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール15mlで洗浄し、乾燥して、5−ブトキシ−2−(5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを3.4g得た。
【0045】
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−ブトキシ−2−(5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール3.4g(0.010モル)、トルエン40ml、メタクリル酸1.7g(0.020モル)、メタンスルホン酸0.2g(0.002モル)を入れて、110〜115℃で4時間還流脱水した。水30ml、炭酸ナトリウム0.7g(0.007モル)を加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、活性炭0.1gを加え、還流撹拌して脱色させた。熱時にろ過し、ろ液からトルエン40mlを減圧で回収した後にイソプロピルアルコール30mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール15mlで洗浄した後、減圧下40℃で乾燥し、白色結晶を2.7g得た。この2.7gをイソプロピルアルコールで再結晶して、減圧下40℃で乾燥し、化合物(c)を2.2g得た。収率8%(4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオールから)であった。融点101℃、最大吸収波長λmaxが351nmの時の吸光度εは29100であった。紫外〜可視吸収スペクトルを図3に示す。赤外線吸収スペクトルを図7に示す。
【0046】
また、HPLC分析により、化合物(c)の純度を測定した。
<測定条件>
装置:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ製)
使用カラム:Inertsil ODS−3 4.6×150mm 5μm
カラム温度:25℃
移動相: アセトニトリル/水=9/1(リン酸3ml/L)
流速:1.0ml/min
<測定結果>
HPLC面百純度:98.7%
なお、以下の実施例も本実施例と同様の測定条件でHPLC測定を行った。
【0047】
また、化合物(c)のNMR解析を行った結果、上記構造を支持する結果が得られた。得られたNMRスペクトルの内容は以下のとおりである。
δ=11.3(b,OH),8.21(d,1H,J=9.24Hz,benzotriazol−H),7.80(dd,1H,J=9.1Hz,J=0.66Hz,J=0.66Hz,benzotriazol−H),7.18(d,1H,J=2.31Hz,phenol−H),6.68(d,1H,J=2.64Hz,phenol−H),6.60(dd,1H,J=9.2Hz,J=2.64Hz,J=2.64Hz,benzotriazol−H,),6.18(s,1H,=CH2−H),5.62(m,1H,=CH2−H),0.9−2.1(m,3H,9H,CH3,n−C4H9−H)
【0048】
(実施例5)
[化合物(d);2−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレートの合成]
【化9】
化合物(d)
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール10.0g(0.039モル)、メチルイソブチルケトン40ml、ブロモエタン6.4g(0.059モル)、炭酸ナトリウム3.3g(0.031モル)、ヨウ化カリウム3.0gを入れて95〜110℃で6時間還流撹拌した。水20mlを加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水20mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン40mlを減圧で回収後にイソプロピルアルコール100mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール25mlで洗浄し、乾燥して、5−エトキシ−2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを8.2g得た。
【0049】
500mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−エトキシ−2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール8.2g(0.029モル)、47%臭化水素酸6.2g(0.036モル)、スルホラン82mlを入れて100〜105℃で33時間撹拌させた。トルエン50ml、水165mlを加えて、静置して下層の水層を分離して除去し、温水80mlで洗浄し、トルエン50mlを減圧で回収した。イソプロピルアルコール35ml、水15mlを加えて、5℃まで冷却し、析出する結晶をろ過し、イソプロピルアルコール水溶液(70% V/V)20mlで洗浄し、乾燥して、5−エトキシ−2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを4.6g得た。
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−エトキシ−2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール4.6g(0.017モル)、メチルイソブチルケトン35ml、2−クロロエタノール1.7g(0.021モル)、炭酸ナトリウム1.1g(0.010モル)、ヨウ化カリウム0.9gを入れて、113〜118℃で8時間還流脱水した。水30mlを加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水30mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン35mlを減圧で回収し、5−エトキシ−2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]フェノール5.0gの固形分を得た。
【0050】
300mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−エトキシ−2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]フェノールの固形分5.0g(0.016モル)、トルエン100ml、メタクリル酸2.7g(0.031モル)、メタンスルホン酸2.0g(0.021モル)を入れて、110〜115℃で4時間還流脱水した。水80ml、炭酸ナトリウム1.9g(0.018モル)を加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、活性炭0.1gを加え、還流撹拌して脱色させた。熱時ろ過し、ろ液からトルエン100mlを減圧で回収した後にイソプロピルアルコール30mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール20mlで洗浄した後、減圧下40℃で乾燥し、白色結晶を3.2g得た。この3.2gをイソプロピルアルコールで再結晶して、減圧下40℃で乾燥し、化合物(d)を1.6g得た。収率11%(4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオールから)であった。融点156℃、最大吸収波長λmaxが350nmの時の吸光度εは29000、HPLC面百純度98.1%であった。紫外〜可視吸収スペクトルを図4に示す。赤外線吸収スペクトルを図8に示す。
【0051】
また、化合物(d)のNMR解析を行った結果、上記構造を支持する結果が得られた。得られたNMRスペクトルの内容は以下のとおりである。
δ=11.3(b,OH),8.21(d,1H,J=9.07Hz,benzotriazol−H),7.79(d,1H,J=9.72,benzotriazol−H),7.16(m,1H,phenol−H),6.68(d,1H,J=2.64Hz,phenol−H),6.59(dd,1H,J=9.2,J=2.8,J=2.64,phenol−H,),6.17(s,1H,C=CH2−H),5.61(t,1H,=CH2−H),4.58(m,2H,O−CH2−CH2−O−H),4.32(t,2H,O−CH2−CH2−O−H),4.08(q,2H,−CH2−CH3−H),1.67(s,3H,C=CH2−CH3−H),1.57(t,3H,CH2−CH3−H)
【0052】
(実施例6)
[共重合体(e);化合物(a)/メタクリル酸メチル共重合体(50wt%/50wt%)の合成]
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置、ガス吹き込み管を取り付け、化合物(a)20g、メタクリル酸メチル20g、酢酸エチル40g、2,2’‐アゾビス(2‐メチルブチロニトリル)0.6gを入れて、窒素ガス流量10ml/minで1時間フラスコ内を窒素置換後に、78〜88℃で10時間還流状態にて重合反応を行った。重合反応終了後、酢酸エチル20gを追加して共重合体(e)の溶液を得た。この溶液の不揮発分は40.2%であり、粘度は1190mPa・s/25℃であり、ポリマーの重量平均分子量(Mw)は75400、数平均分子量(Mn)は19100、多分散度(Mw/Mn)は3.95であった。
【0053】
上記の溶液を減圧下で脱溶剤して得られた共重合体(e)の紫外〜可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長λmaxは349nmであった。スペクトルを図9に示す。スペクトルの測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置:UV−2450((株)島津製作所製)
測定波長:250〜450nm
溶媒:クロロホルム
濃度:20ppm
セル:1cm石英
なお、以下の実施例も本実施例と同様の測定条件で紫外〜可視吸収スペクトルの測定を行った。
【0054】
(実施例7)
[共重合体(f);化合物(b)/メタクリル酸メチル共重合体(50wt%/50wt%)の合成]
化合物(a)を化合物(b)にした以外は実施例6と同様にして、共重合体(f)の溶液を得た。ポリマーの重量平均分子量(Mw)は57100、数平均分子量(Mn)は24700、多分散度(Mw/Mn)は2.32であった。また、共重合体(f)の紫外〜可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長λmaxは350nmであった。スペクトルを図10に示す。
【0055】
(実施例8)
[共重合体(g);化合物(c)/メタクリル酸メチル共重合体(50wt%/50wt%)の合成]
化合物(a)を化合物(c)にした以外は実施例6と同様にして、共重合体(g)の溶液を得た。ポリマーの重量平均分子量(Mw)は73500、数平均分子量(Mn)は25400、多分散度(Mw/Mn)は2.89であった。また、共重合体(g)の紫外〜可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長λmaxは349nmであった。スペクトルを図11に示す。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明のベンゾトリアゾール誘導体は、350nm以上の長波長紫外線領域で高い吸収を示し、同時に、400nm以上の可視光の領域に吸収がなく、また、重合性の二重結合を有していることから、紫外線吸収剤モノマーとして有効である。この紫外線吸収剤モノマーを単独重合もしくは共重合して得られた紫外線吸収剤ポリマーは、樹脂用の紫外線吸収剤として好適に利用でき、なかでも光学フィルム、プラスチックレンズ、包装材料、農業用フィルム、防虫シート、色素増感型太陽電池用積層フィルム等に好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】化合物(a)の紫外〜可視吸収スペクトルである。
【図2】化合物(b)の紫外〜可視吸収スペクトルである。
【図3】化合物(c)の紫外〜可視吸収スペクトルである。
【図4】化合物(d)の紫外〜可視吸収スペクトルである。
【図5】化合物(a)の赤外線吸収スペクトルである。
【図6】化合物(b)の赤外線吸収スペクトルである。
【図7】化合物(c)の赤外線吸収スペクトルである。
【図8】化合物(d)の赤外線吸収スペクトルである。
【図9】共重合体(e)の紫外〜可視吸収スペクトルである。
【図10】共重合体(f)の紫外〜可視吸収スペクトルである。
【図11】共重合体(g)の紫外〜可視吸収スペクトルである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式(1)で表されることを特徴とするベンゾトリアゾール誘導体化合物。
【化1】
一般式(1)
[式中、R1は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基又はアシル基を表す。R2は炭素数1〜8のアルキレン基を表す。R3は水素原子又はメチル基を表す。]
【請求項2】
上記一般式(1)におけるR1が炭素数2〜8のアルキル基である請求項1記載のベンゾトリアゾール誘導体化合物。
【請求項3】
上記一般式(1)におけるR1が炭素数2〜8のアルキル基であり、R2がエチレン基である、請求項1記載のベンゾトリアゾール誘導体化合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかの項に記載のベンゾトリアゾール誘導体化合物を含有する紫外線吸収剤。
【請求項1】
下記の一般式(1)で表されることを特徴とするベンゾトリアゾール誘導体化合物。
【化1】
一般式(1)
[式中、R1は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基又はアシル基を表す。R2は炭素数1〜8のアルキレン基を表す。R3は水素原子又はメチル基を表す。]
【請求項2】
上記一般式(1)におけるR1が炭素数2〜8のアルキル基である請求項1記載のベンゾトリアゾール誘導体化合物。
【請求項3】
上記一般式(1)におけるR1が炭素数2〜8のアルキル基であり、R2がエチレン基である、請求項1記載のベンゾトリアゾール誘導体化合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかの項に記載のベンゾトリアゾール誘導体化合物を含有する紫外線吸収剤。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−25681(P2012−25681A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−163809(P2010−163809)
【出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【出願人】(301000675)シプロ化成株式会社 (33)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【出願人】(301000675)シプロ化成株式会社 (33)
【Fターム(参考)】
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