説明

ペットシート

【課題】ペットの排泄物を確実に受けて壁等が汚れてしまうのを防止することが可能なペットシートを提供する。
【解決手段】ペットシート1に、液体を吸収可能とさた吸収シート10と、外周端が吸収シート10の外周と連続すると共に内周端が吸収シート10の裏面に固定される耳部12と、耳部12と吸収シート10との間に配置され、一本の金属線材の端部14aが耳部12の裏面側に露出するように、矩形状に形成された保形部材14と、保形部材14における耳部12の裏面側に露出した部位を被覆し脱着可能に貼付けられた保護シート16と、保護シート16を剥して耳部12から裏面側に露出した保形部材14の端部14aを吸収シート10から遠ざかる方向へ引っ張ると、保形部材14が吸収シート10と耳部12との間から取出せるように、耳部12所定位置に破れ易く形成した取出部18と、を具備させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬等のペットの排泄物を吸収処理するペットシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、犬や猫等のペットが室内で排泄をする時に、床等に敷いて使用するペットシートが知られており、液体が透過可能な表面シートと、液体が透過不能な裏面シートと、表面シートと裏面シートとの間に配置され液体を吸収可能な高吸水性樹脂とを備え、全体がシート状に形成されている。ところで、ペットの中には、排尿する際に後脚を上げて横向きに排尿する習性を持つものがおり、ペットシートを床に敷いただけでは、排尿を全て受けることができず、壁等にかかってしまう問題があった。
【0003】
そこで、ペットシートの裏面に予め粘着テープを設け、使用する際に、ペットシートを床と壁とに跨るように折り曲げた上で、壁の部位が垂れ下がってこないように裏面の粘着テープで壁に貼り付けることができるようにしたものが提案されている(特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のペットシートでは、粘着テープによって壁に貼り付けるようにしているので、壁の材質や表面の形状等によってはペットシートをしっかりと貼ることができず、ペットシートが壁から剥れてしまってペットの排泄を確実に受けることができなくなってしまう問題がある。また、壁に貼り付けたペットシートを剥す際に、粘着テープが壁に貼り付いて残ってしまったり、粘着テープの粘着力によって壁紙や壁の塗装等が剥れてしまったりする問題がある。
【0005】
そこで、本願発明は上記の実情に鑑み、ペットの排泄物を確実に受けて壁等が汚れてしまうのを防止することが可能なペットシートの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明に係るペットシートは、「交差する二辺の長さが互いに異なる矩形状に形成され、表側からは液体を透過吸収可能とされ裏側からは液体を透過不能とされた吸収シートと、該吸収シートの外周に沿った所定幅に形成され、外周端が前記吸収シートの外周と連続すると共に少なくとも内周端が前記吸収シートの裏面に固定されるシート状の耳部と、該耳部と前記吸収シートとの間に配置され、一本の金属線材の少なくとも一方の端部が前記耳部の裏面側に露出するように、矩形状に形成された保形部材と、該保形部材における前記耳部の裏面側に露出した部位を被覆し、前記吸収シート及び前記耳部の裏面側に対して脱着可能に貼付けられた保護シートと、該保護シートを剥して前記耳部から裏面側に露出した前記保形部材の前記端部を前記吸収シートから遠ざかる方向へ引っ張ると、前記耳部の所定位置が前記吸収シートの外周に沿って破れて前記保形部材が前記吸収シートと前記耳部との間から取出せるように、破れ易く形成した取出部とを具備する」ことを特徴とする。
【0007】
ここで、「吸収シート」としては、「液体が透過可能な表面シートと、液体が透過不能な裏面シートと、表面シートと裏面シートとの間に配置され液体を吸収可能な吸収体(例えば、高吸水性樹脂、パルプ、多孔質材料)と、を備えたもの」、「液体を吸収可能な高分子吸収体をシート状に形成したもの」、等を例示することができる。
【0008】
また、「耳部」としては、「吸収シートと一体として吸収シートの裏面側へ折り曲げたもの」、「吸収シートとは別体としたのもの」、等を例示することができ、「吸収シートと一体のもの」とした場合、「吸収シートにおける表面シート及び裏面シートの少なくとも一方を高分子吸収体よりも外側へ延出させた部位により耳部を形成したもの」、「吸収シートを構成する全ての部材を延出させて耳部を形成したもの」、等を例示することができる。また、耳部の「所定幅」としては、10mm〜30mmの幅とすることが望ましく、これよりも幅が狭いと、吸収シーと耳部との間に保形部材を配置し辛くなる虞があり、これによりも広いと、耳部が不必要に大きくなりコストが増加する虞があるためである。更に、吸収シートに対する耳部の固定としては、「溶着」、「接着」、「粘着剤又は粘着テープによる粘着」、等を例示することができる。
【0009】
更に、保形部材に用いる「金属線材」としては、「鉄線」、「銅線」、「アルミ線」、「真鍮線」、等を例示することができ、望ましくは、「0.5mm〜0.8mmの鉄線」、「0.6mm〜0.9mmの銅線」、「0.7mm〜1.0mmのアルミ線」、「0.6mm〜0.9mmの真鍮線」、等を例示することができる。これよりも線材の径が小さいと、折れ曲がった状態でペットシートを維持するのが困難となるためであり、これよりも線材の径が大きいと、ペットシートを折り曲げ難くなると共に線材のコストが高くなるためである。
【0010】
また、「保護シート」としては、保形部材における耳部の裏面側に露出した部位を被覆することができるものであれば良く、「耳部と同じ素材のもの」、「吸収シートの裏面シートと同じ素材のもの」、等を例示することができる。また、「脱着可能に貼付けられた」とは、手で剥せる程度の粘着力を有すると共に、隅部等の一部が貼付けられておらず、剥す際の指がかりとなるようにしたものである。
【0011】
また、「破れ易く形成した取出部」としては、「貫通したミシン目により形成したもの」、「一般部よりも厚さを薄く形成したもの」、等を例示することができる。
【0012】
本発明によると、吸収シートの裏面側に金属線材からなる保形部材を備えているので、ペットシートを折り曲げると保形部材も一緒に曲がり、従来のように壁に粘着テープ等で貼付けなくても、保形部材によってペットシートを折れ曲がった状態に維持してペットシートを壁に沿わすことができ、ペットが排泄する際に排泄物が壁にかかるのを確実に防止することができる。また、粘着テープ等を用いなくても、ペットシートを壁に沿うように折れ曲がった状態とすることができるので、壁の材質や表面の形状等に関係なく本発明のペットシートを壁際で良好に用いることができ、使い場所を選ばない汎用性の高いものとすることができると共に、粘着テープ等によって壁が汚れたり剥れたりするのを回避させることができ、壁を良好な状態に維持することができる。
【0013】
また、ペットシートにおける交差する二辺の長さが互いに異なるようにしているので、例えば、背丈の高いペットの場合には長辺側が折れるように折り曲げることで、壁に沿った部位の高さを高くすることができる。一方、背丈の低いペットの場合には短辺側が折れるように折り曲げることで、壁に沿って横方向へ長い範囲に対応させることができる。従って、ペットの大きさに合せた使い方ができるので、ペットの排泄物を確実に受けて吸収させることができ、壁等が汚れてしまうのを防止することができる。
【0014】
更に、耳部と吸収シートとの間に金属線材からなる保形部材を配置するようにしており、蓋然的に、保形部材がペットシートの外周に沿った矩形状に形成されているので、壁に沿うように折り曲げた時に、壁に沿って立上った上辺も保形部材で支持することができ、ペットシートの立上った上辺が垂れてしまうのを防止することができる。また、保形部材を矩形状としており、ペットシートの外周全周に亘って保形部材が配置されることとなるので、ペットシートをペットの排泄物を受け易い任意の形状にすることができ、使い勝手の良いペットシートとすることができる。
【0015】
また、耳部の裏面側に露出した保形部材の端部を保護シートで被覆するようにしているので、ペットが本発明のペットシートでじゃれた時に、保形部材の端部がペットに当って怪我をしてしまうのを回避させることができ、安全性の高いペットシートとすることができる。
【0016】
また、ペットシートを捨てるためにペットシートから金属線材からなる保形部材を取出す際に、裏側の保護シートを剥すと保形部材の端部が耳部の裏面側に露出した状態となるので、耳部や吸収シートを破らなくても、耳部の裏面側に露出した保形部材の端部を引っ張ると、引っ張られた保形部材によって耳部に形成された取出部が自動的に破れて保形部材を取出せるようになっており、金属線材からなる保形部材を容易に分離させることができ、簡単に分別できて資源を有効活用することができる。
【0017】
更に、本ペットシートを平らな状態で使用する場合、上述したように、ペットシートの外周に沿った矩形状の保形部材を備えているので、ペットシートを可及的に平らな状態とすることができると共に、風等によってペットシートがめくれてしまうのを防止することができ、ペットのトイレとして確実に機能させることができる。
【0018】
また、上述したように、吸収シートの裏面側に備えられた保形部材により折り曲げたペットシートの一方側を立上らせた状態に維持することができるので、折り曲げた状態のペットシートを複数組合せることで、例えば、三方が囲まれたようなペットのトイレ空間を形成することもでき、使い勝手の良いペットシートとすることができる。
【発明の効果】
【0019】
このように、本発明によると、ペットの排泄物を確実に受けて壁等が汚れてしまうのを防止することが可能なペットシートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)は本発明の一実施形態であるペットシートを表側から見た斜視図であり、(b)はペットシートを裏側から見た斜視図であり、(c)はペットシートの要部拡大断面図である。
【図2】(a)は図1のペットシートの使用例を示す斜視図であり、(b)は(a)とは異なる使用例を示す斜視図である。
【図3】図1のペットシートにおける図2とは異なる使用例を示す斜視図である。
【図4】図1のペットシートの変形例を示す断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施形態であるペットシート10を、図1乃至図3を参照して詳細に説明する。なお、実施形態を説明する各図では、本発明を理解し易いように厚さや形状等を誇張して記載してある。本実施形態のペットシート1は、図1に示すように、交差する二辺の長さが互いに異なる矩形状(長方形状)で液体を吸収可能とされた吸収シート10と、吸収シート10の外周から所定幅(本例では、約25mm)で外側へ延出し吸収シート10の裏面側へ折り返されて周端から略一定の幅で吸収シート10の裏面に固着された耳部12と、耳部12と吸収シート10との間に配置され一本の金属線材を略矩形状に屈曲形成した保形部材14と、を主に備えている。
【0022】
本例のペットシートにおける吸収シート10は、図1(c)に示すように、液体が透過可能な表面シート10aと、液体が透過不能な裏面シート10bと、表面シート10aと裏面シート10bとの間に配置され液体を吸収可能な厚手のシート状の吸収体10cと、を備えている。これにより、吸収シート10は、表面シート10aが配置された表側からのみ液体を吸収することができるようになっている。
【0023】
この吸収シート10の表面シート10aと裏面シート10bは、吸収体10cよりも一回り大きく(本例では約25mm)形成されており、吸収体10cよりも外側へ延出した部位同士が互いに固着することで、吸収体10cを保持することができるようになっている。なお、本例では、表面シート10a及び裏面シート10bにおける吸収体10cよりも外側へ延出した部位が、耳部12を形成している。
【0024】
吸収シート10における表面シート10aは、液体を透過させることができるものであれば良く、例えば、紙、織布、不織布、等を例示することができ、パルプ、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル、レーヨン、等の繊維により形成されたものを例示することができる。また、裏面シート10bは、液体を透過させることができないものであれば良く、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、等のフィルムを例示することができる。
【0025】
また、吸収シート10における吸収体10cは、液体を吸収できるものであれば良く、ポリアクリル酸系、ポリスルホン酸系、無水マイレン酸系、アクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、デンプン系、セルロース系、等の高吸水性樹脂を例示することができ、公知のものを用いている。
【0026】
なお、吸収シート10における表面シート10aと裏面シート10bとの固着、及び、耳部12と吸収シート10との固着は、接着、又は溶着によって行われている。
【0027】
また、保形部材14は、本例では、0.5mm〜0.8mmの範囲内の断面円形状の鉄線により形成されており、一本の鉄線を吸収シート10の外形よりも若干小さい大きさで矩形状に屈曲形成したものである。また、保形部材14は、詳細な図示は省略するが、矩形状に形成した後に余った両端の端部14aが、耳部12と吸収シート10との間から耳部12の裏面側へ露出した状態となっている。
【0028】
また、本例のペットシート1は、図1(b)に示すように、保形部材14における耳部12の裏面側に露出した端部14aを裏側から被覆する保護シート16を更に備えている。この保護シート16は、端部14aを被覆できる最小限の大きさとされ、吸収シート10の裏面シート10bと同じ素材で形成されている。また、保護シーと16は、手で剥せる程度の粘着力を有した粘着剤により吸収シート10及び耳部12の裏面側に貼付けられている。なお、詳細な図示は省略するが、保護シート16の一部の隅部には、粘着剤が塗布されておらず、保護シート16を剥す際に指がかりとなるようになっている。
【0029】
更に、ペットシート1は、図1(c)に示すように、耳部12における吸収シート10との境界付近でペットシート1の全周に亘って貫通したミシン目により形成された取出部18を更に備えている。この取出部18は、貫通したミシン目により破れ易くなっており、裏面側に貼付けられた保護シート16を剥して、耳部12から裏面側へ露出した保形部材14の端部14aを吸収シート10から遠ざかる方向へ引っ張ると、保形部材14が当ることで破れて、保形部材14を取出し易くするためのものである。
【0030】
次に、本実施形態におけるペットシート1の使用例について説明する。このペットシート1は、図示するように、交差する二辺の長さが互いに異なるように長方形状に形成しているので、図2(a)に示すように、長辺側が折れるように折り曲げた上で、立上った部位が壁Wに接するように配置することで、背丈の高いペットでも、排泄物が壁Wにかかるのを防止することができるようになっている。
【0031】
一方、図2(b)に示すように、ペットシート1を、短辺側が折れるように折り曲げた上で、立上った部位が壁Wに接するように配置することで、背丈が低いペットや体長の長いペット(例えば、コーギー、ダックスフント、等)に対応させることができ、排泄物が壁Wにかかるのを防止することができるようになっている。
【0032】
また、本例のペットシート1は、上述したように、金属線材からなる保形部材14によって折り曲げた一方側を立上らせた状態に維持することができるので、図3に示すように、折り曲げた状態のペットシート1と平らなペットシート1とを複数組合せることで、三方が囲まれたようなペットのトイレ空間を形成することもできるようになっている。
【0033】
なお、本例のペットシート1を使用した後で廃棄する場合は、裏側の保護シート16を剥し、保形部材14の端部14aを裏面側に露出させる。次に、耳部12の裏面側に露出した保形部材14の端部14aを、吸収シート10から遠ざかるように外側へ引っ張ると、引っ張られた保形部材14により取出部18が順次周方向に沿って破れると同時に、破れた部位から保形部材14が外部へでることとなり、耳部12と吸収シート10との間から保形部材14を取出すことができるようになっている。そして、ペットシート1から保形部材10を取出すことで、廃棄するペットシート1を金属とその他の素材とに分離させることができるようになっている。
【0034】
このように、本実施形態のペットシート1によると、吸収シート10の裏面側に金属線材からなる保形部材14を備えているので、ペットシート1を折り曲げると保形部材14も一緒に曲がり、従来のように壁に粘着テープ等で貼付けなくても、保形部材14によってペットシート1を折れ曲がった状態に維持してペットシート1を壁Wに沿わすことができ、ペットが排泄する際に排泄物が壁Wにかかるのを確実に防止することができる。また、粘着テープ等を用いなくても、ペットシート1を壁Wに沿うように折れ曲がった状態とすることができるので、壁Wの材質や表面の形状等に関係なくペットシート1を壁W際で良好に用いることができ、使い場所を選ばない汎用性の高いものとすることができると共に、粘着テープ等によって壁Wが汚れたり剥れたりするのを回避させることができ、壁Wを良好な状態に維持することができる。
【0035】
また、ペットシート1を長方形状としており、折り曲げる辺によって立上った高さや壁Wに沿った横方向の長さ等を適宜選択することができるので、ペットの大きさに合せた使い方をすることができ、ペットの排泄物を確実に受けて吸収させることができる。
【0036】
更に、金属線材からなる保形部材14をペットシート1の外周に沿った矩形状に形成しているので、壁Wに沿うように折り曲げた時に、壁Wに沿って立上った上辺も保形部材14で支持することができ、ペットシート1の立上った上辺が垂れてしまうのを防止することができる。また、保形部材14を矩形状としてペットシート1の外周全周に亘って保形部材14を配置しているので、ペットシート1をペットの排泄物を受け易い任意の形状にすることができ、使い勝手の良いペットシート1とすることができる。
【0037】
また、耳部12の裏面側に露出した保形部材14の端部14aを、保護シート16で被覆するようにしているので、ペットがペットシート1でじゃれた時に、保形部材14の端部14aがペットに当って怪我をしてしまうのを回避させることができ、安全性の高いペットシート1とすることができる。
【0038】
また、裏側の保護シート16を剥して保形部材14の端部14aを引っ張ると、引っ張られた保形部材14によって耳部12に形成された取出部18が自動的に破れて保形部材14を取出せるようにしているので、金属線材からなる保形部材14を容易に分離させることができ、簡単に分別できて資源を有効活用することができる。
【0039】
更に、取出部18を、耳部12における吸収シート10との境界付近に形成しているので、保形部材14を取出すために取出部18を破っても、吸収シート10側に耳部12の一部が残ることとなるため、表面シート10aと裏面シート10bとの固着された部位がなくなって吸収シート10から吸収体10cが外部へ出てきてしまうのを回避させることができ、吸収シート10(ペットシート1)を廃棄し易くすることができる。
【0040】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0041】
すなわち、上記の実施形態では、保形部材14として用いる金属線材として、長手方向に同一断面形状のものを示したが、これに限定するものではなく、図4に示すように、長手方向の所定位置に、例えば、切欠きや窪み等を形成することで一般部よりも曲げ易くした曲げ部14bを備えるようにしても良く、これにより、ペットシート1を折り曲げて使用する際に、折り曲げ易くすることができ、ペットシート1を使い易くすることができる。なお、保形部材14に曲げ部14bを備えるようにした場合、曲げ部14bの位置が判るように、吸収シート10の表面に線や記号等からなる識別部10dを備えるようにすることが望ましく、これにより、使用者に対して曲げ易い位置を認識させることができるので、保形部材14を所望の位置で上手に折り曲げることができずに保形部材14(ペットシート1)が波打ったように曲がってしまうのを防止することができ、ペットシート1を綺麗に折り曲げることができる。
【0042】
また、上記の実施形態では、耳部12を吸収シート10の表面シート10a及び裏面シート10bを吸収体10cよりも外側へ延長させた部位により吸収シート10と一体的に構成したものを示したが、これに限定するものではなく、耳部12を所定幅の帯状又は枠状の部材として、外周端側及び内周端側を夫々吸収シート10に固着するようにしても良く、上記と同様の作用効果を奏することができる。
【0043】
更に、上記の実施形態では、保形部材14として、鉄線を用いたものを示したが、これに限定するものではなく、銅線、アルミ線、真鍮線、等を用いるようにしても良い。また、保形部材14として断面円形状のものを示したが、これに限定するものではなく、断面が矩形状のものを用いても良い。
【0044】
また、上記の実施形態では、取出部18を、耳部12における吸収シート10との境界付近に形成したものを示したが、これに限定するものではなく、耳部12の内周端付近に形成したり、耳部12の内周端側と吸収シート10との固着部分を点線状に固着することで破れ易く形成したりしても良く、上記と同様の作用効果を奏することができる。
【0045】
また、上記の実施形態では、吸収シート10の表面が無地のものを示したが、これに限定するものではなく、長辺及び短辺の中央に直線状の、又は、所定間隔の升目状の線を施すようにしても良く、施された線を目安に折り曲げることでペットシート1を綺麗に折り曲げ易くすることができる。また、吸収シート10の表面に、絵や模様等を施すようにしても良く、ペットシート1の見栄えを良くすることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 ペットシート
10 吸収シート
10a 表面シート
10b 裏面シート
10c 吸収体
10d 識別部
12 耳部
14 保形部材
14a 端部
14b 曲げ部
16 保護シート
18 取出部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】
【特許文献1】実公平3−6205号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差する二辺の長さが互いに異なる矩形状に形成され、表側からは液体を透過吸収可能とされ裏側からは液体を透過不能とされた吸収シートと、
該吸収シートの外周に沿った所定幅に形成され、外周端が前記吸収シートの外周と連続すると共に少なくとも内周端が前記吸収シートの裏面に固定されるシート状の耳部と、
該耳部と前記吸収シートとの間に配置され、一本の金属線材の少なくとも一方の端部が前記耳部の裏面側に露出するように、矩形状に形成された保形部材と、
該保形部材における前記耳部の裏面側に露出した部位を被覆し、前記吸収シート及び前記耳部の裏面側に対して脱着可能に貼付けられた保護シートと、
該保護シートを剥して前記耳部から裏面側に露出した前記保形部材の前記端部を前記吸収シートから遠ざかる方向へ引っ張ると、前記耳部の所定位置が前記吸収シートの外周に沿って破れて前記保形部材が前記吸収シートと前記耳部との間から取出せるように、破れ易く形成した取出部と
を具備することを特徴とするペットシート。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−70637(P2013−70637A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210378(P2011−210378)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(311013269)
【Fターム(参考)】