説明

ペット用キャリーケージを用いたペット管理システム。

【課題】大災害発生時等に、緊急避難用として使用される、ペット用キャリーケージを用いたペット管理システムを提供する。
【解決手段】管理システムSは、情報管理者が運営、管理するコンピュータ10、商品販売者の端末装置20、委託業者の端末装置の60で構成される情報管理グループと、ペット飼い主、獣医師の端末装置30、保健所の端末装置40、動物愛護センターの端末装置50及び行方不明ペットを発見、通報する善意の発見者H1、H2…からなるペット支援グループで構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に大規模地震、風水害、火災等の災害発生時における、家庭で飼育されている犬、猫等いわゆるペットの緊急避難に際して好適に使用される、ペット用キャリーケージを用いたペット管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
我国は、国土全体に数多くの活断層が縦横に走っている地震列島で、近年では多数の犠牲者と家屋をはじめ多大の建築物が損壊された、1995年の阪神淡路大地震、また2004年には震度7を記録した新潟県中越大地震、2005年には九州西方沖地震が発生した。さらに我国は、例年初夏から晩秋にかけては台風の襲来もあり、毎年人的かつ物的に甚大な被害を蒙っている。
【0003】
一方、昨今ではペットブームが到来し、犬、猫、ハムスター、うさぎ、小鳥等の小動物が、いわば家族の一員のように愛玩、飼育され、その数は、推定2000万頭超ともいわれている。
【0004】
将来的にも、上記のような大規模な災害が発生することは十分に予測され、その際、人間は直ちに避難することが可能であるが、ペットは自力で避難することは困難なので、多数のペットが犠牲になることが憂慮されている。
【0005】
犬、猫等のペットを収容して単に運搬する、ペット用キャリーケージないしバッグとしては、例えば特開2002−159235、特開2002−159236、特開2002−159237、特開2003−250373、特開平8−172960等々が提案、開示されている。
【特許文献1】特開2002−159235号公報
【特許文献2】特開2002−159236号公報
【特許文献3】特開2002−159237号公報
【特許文献4】特開2003−250373号公報
【特許文献5】特開平8−172960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1〜特許文献5はいずれも、平常時に使用されるペットのキャリーケージないしバッグであり、大規模地震、風水害、火災等が発生したときに必要な緊急避難用のペット用キャリーケージないしバッグ等は、未だ提案されていないのが現状である。
【0007】
本発明者等は、上記現状に鑑みて鋭意検討を重ね、緊急避難用の筒状カバー付きペット用キャリーケージを完成した。本発明の主な目的は、大規模地震等の大災害発生時に、緊急避難用として好適に使用される、キャリーケージを用いたペット管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
その目的を達成するための本発明に係る第1の発明は、ペット用キャリーケージ及びペット関連商品を販売する商品販売者と、ペット及びペット用キャリーケージに関する情報管理、保険業務を行う情報管理者と、前記商品販売者及び情報管理者と業務契約した緊急時対応委託業者からなる、情報管理グループと、ペット及びペット用キャリーケージの飼い主、獣医師、保健所、公共の動物保護センター及び行方不明ペットの発見者等からなる、ペット支援グループからなる、ペット用キャリーケージを用いたペット管理システムであって、ペット用キャリーケージ等の商品販売者は、筒状カバー付きペット用キャリーケージを販売する毎に、該キャリーケージの管理番号と同一の管理番号入りのペット用識別タグを無償で付与すると共に、キャリーケージ購入者であるペット飼い主名、ペット名等の情報記載欄を設けたハガキを付与し、情報管理者は、ペット飼い主からの前記ハガキに記載された各種情報を登録するために、保有のコンピュータに管理番号、ペット飼い主の個人情報、ペット情報等を入力する入力手段と、前記入力情報をデータベースに蓄積する蓄積手段と、管理番号に関連する情報をデータベースで検索する検索手段と、ペット飼い主の個人情報、ペット情報等の管理、更新を行う管理手段と、前記キャリーケージ購入者であるペット飼い主、獣医師、保健所、公共の動物保護センター、緊急時対応委託業者及び商品販売者との通信手段とを、具備していることを特徴としている。
【0009】
第2の発明は、第1の発明に係るペット用キャリーケージを用いたペット管理システムにおいて、前記情報管理者は、該情報管理者から遠隔地で営業する営業支店の端末装置に、ペット飼い主からのハガキによるキャリーケージの管理番号、ペット飼い主の個人情報、ペット情報等を、インターネット又はLANを介した通信手段又はその他の連絡手段で通知することを特徴としている。
【0010】
第3の発明は、第1及び第2の発明に係るペット用キャリーケージを用いたペット管理システムにおいて、前記情報管理者は、ペット飼い主に対して所定期間毎にペットの管理又は保険等の更新を、ペット飼い主が所望する連絡手段で通知し、所定の更新管理料又は保険料等を受領すると共に、前記商品販売者に対して、当該ペットについての更新情報を提供すると共に関連商品の販売、納入等をインターネット又はLANを介した通信手段又はその他の連絡手段で通知することを特徴としている。
【0011】
第4の発明は、第1〜第3の発明に係るペット用キャリーケージを用いたペット管理システムにおいて、前記商品販売者は、キャリーケージ不購入者でペットの管理を希望するペット飼い主には、キャリーケージ管理番号と異なる管理番号入りの識別タグを販売し、その管理番号を、前記情報管理者にインターネット又はLANを介した通信手段又はその他の連絡手段で通知し、情報管理者は、この情報をキャリーケージと同様の手段でコンピュータ管理することを特徴としている。
【0012】
第5の発明は、第1〜第4の発明に係るペット用キャリーケージを用いたペット管理システムにおいて、前記情報管理者は、国内における1〜複数の緊急時対応委託業者と情報管理者が非営業時の業務委託契約を締結していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る、ペット用キャリーケージを用いたペット管理システムは、上記の構成になるから以下の効果を奏する。即ち第1の発明によれば、情報管理者は、キャリーケージ購入者であるペット飼い主からの返送ハガキ及びインターネットを介して送信された情報に基づいて保有のコンピュータに、販売したキャリーケージの管理番号、飼い主の個人情報、ペット情報等を入力し、その入力情報をデータベースに蓄積し、災害発生時には、管理番号に関連する情報をデータベースで検索し、またペット飼い主の個人情報、ペット情報等の管理、更新を管理すると共に保険の契約業務等を行い、また地震、台風、大雨等の大災害が発生したとき、あるいは情報管理者が非営業時においても、ペット又はキャリーケージ管理番号の関連情報に基づいてペットと当該ペット飼い主の判別、またペット負傷時の獣医師の治療や保健所、公共の動物保護センターの対応等が混乱することなく円滑に遂行できる。
【0014】
第2の発明によれば、情報管理者は、該情報管理者から遠隔地で営業する営業支店の端末装置に、ペット飼い主からのハガキによるキャリーケージの管理番号、ペット飼い主の個人情報、ペット情報等を、インターネット又はLANを介した通信手段又はその他の連絡手段で通知することができるので、情報管理者と営業支店とが大地震、風水害等の被害を同時に被災することがないので、ペットとキャリーケージ管理番号の管理、判別機能その他の対応は、遅滞又は停止することなく円滑に稼働することができる。
【0015】
第3の発明によれば、情報管理者は、ペット飼い主に対して所定期間毎にペットの管理又は保険等の更新を、ペット飼い主が所望する連絡手段で通知し、所定の更新管理料又は保険料等を受領すると共に、前記商品販売者に対して、当該ペットについての更新情報を提供すると共に関連商品の販売、納入等をインターネット又はLANを介した通信手段又はその他の連絡手段で通知するので、例えば、管理又は保険等の更新を1年毎に行えば、更新管理料又は保険料等を受領できるので、情報管理者の経営が安定し、かつ商品販売者は、緊急用の水、フード、首輪、迷子札等を販売でき、商品販売者も売り上げの増額につながる。
【0016】
第4の発明によれば、商品販売者は、キャリーケージ不購入者でペットの管理を希望するペット飼い主には、キャリーケージ管理番号と異なる管理番号入りの識別タグを販売し、その管理番号を、前記情報管理者にインターネット又はLANを介した通信手段又はその他の連絡手段で通知し、情報管理者は、この情報をキャリーケージと同様の手段でコンピュータ管理するので、地震、風水害等の災害発生時以外において、ペットが行方不明になってもペットが識別タグを装着しているのでその捜索、発見が容易となる。
【0017】
第5の発明によれば、情報管理者は、国内における1〜複数の緊急時対応委託業者と情報管理者が非営業時の業務委託契約を締結しているので、例えば深夜等に大地震等の災害が発生し、ペットが行方不明になっても、緊急時対応委託業者が常時、情報の収集等適宜に対応することができ、ペットの探索等が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る、ペット用キャリーケージを用いたペット管理システムの好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、ペット用キャリーケージを用いた管理システムの構成を示すブロック図、図2は、同管理システムにおける全体動作の流れを示すフローチャート、図3は、本発明の管理システムに使用される、ペット用キャリーケージの全体斜視図、図4は、筒状カバーの展開平面図、図5(イ)、(ロ)は、表示体の平面図、図6(イ)、(ロ)は、ペット装着用識別タグの正面図と裏面図、図7は、ペット用キャリーケージの販売者から該ペット用キャリーケージ購入者であるペット飼い主に付与される返信用ハガキ表面の内容の一部を示す表面図、図8は、同ハガキ裏面における記載内容を示す裏面図、図9は、ペット用カルテの表面図、図10は、同ペット用カルテの裏面図、図11は、どうぶつ母子手帳の斜視図、図12は、同どうぶつ母子手帳の内容の一部を示す平面図である。
【0019】
本発明に係る、ペット管理システムに使用されるペット用キャリーケージ(以下、ケージCという)は、図3〜図5(イ)、(ロ)に示すように、天井部、床部及び側壁部で全体が箱状に形成されたケージ本体(以下、本体1という)、該本体1を囲繞する筒状カバー(以下、カバー2という)、本体1に貼着されるケージCの管理番号、緊急時の連絡先等を表示した表示体3、緊急用キャリーを示す表示体3’及びショルダーベルト4を主な構成部材としている。
【0020】
本体1を構成する天井部、床部及び側壁部は、硬質合成樹脂材例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)又はポリエチレン等の熱可塑性樹脂のうちから選択され、公知技術の押型成型法等によって一体的に製造されるもので、1aは前面枠、1a’は後面枠、1bは格子状の金属線条で形成された扉で本体1の前面開口部1cに装着され、ペットの出入時に開閉される。後面開口部1c’は、前面枠1aと同様に格子状の金属線条で形成された扉で閉塞され(不図示)ている。1dは扉1bのロック、1eは把持部である。
【0021】
図4に示すカバー2は、例えば、塩化ビニール、ポリプロピレン、ナイロン等の半透明又は不透明の軟質合成樹脂材、合成皮革又は帆布等を素材とし、図3及び図4に示すように、一側面に給水ボトル用ポケット2a及び面状ファスナー付きペットフード用ポケット2bが設けられ、他側面には、ペット飼い主及びペット情報が記載されるカルテ6(図7、参照)、該カルテ6の裏面には、緊急時対応メッセージ欄7(図8、参照)を設けた書面、どうぶつ母子手帳8(図11、参照)等を収納する開閉具付き収納部2cが設けられ、本体1の天井部に装着された把持部1eの対応部位には切欠部2dが形成されている。2e及び2e’は、カバー2の左右下端縁に縫着された弾性帯状体で、該弾性帯状体2eと2e’を介して本体1の天井部、左右側壁部及び床部を囲繞して筒状となすと共に、緊締、固定する。またカバー2の左右側面には、切欠部2f、2f’及び2h、2h’が設けられ、その近傍に縫着された面状ファスナー2j、2j’及び2k、2k’を、本体1の左右側壁部に形成された通気窓の枠体に止着し、強風等によりカバー2が本体1から飛ばされるのを防止する。2m、2m’及び2n、2n’は切欠部である。また本体1の天井部上面の対応部位には、緊急用キャリーを意味するEMERGENCY CARRY2g及び情報管理者の連絡用電話番号2t等が表示されている。
【0022】
図3及び図5(イ)、(ロ)に示す3及び3’は、表示体の一例を示すステッカーで、ステッカー3は、本体1の把持部1eの基板に貼着され、図5(イ)に示すように、ケージCの管理番号3c、緊急時の連絡先3a、電話番号3b等が表記されている。また図5(ロ)に示す、ステッカー3’の表面には「獣医師の考えた緊急キャリーケージ」としたメッセージと英文字「EMERGENCY CARRY」が表記され、本体1における視認容易な部位、例えば図3に示すように前面枠1aの上桟等に貼着される。
【0023】
図3における、4はショルダーベルトで、その両端には本体1の前面枠1a及び後面枠1a’に張設された金属線条に掛吊されるフック4a、4a’が装着され、そのほぼ中間には移動可能な肩当てパッド4bが設けられ、該肩当てパッド4bとフック4a又は4a’のほぼ中間には長さ調整具4cが摺動可能に装着されている。
【0042】
図6(イ)、(ロ)に示すのは、ケージCに収容されるペットに装着する識別タグ5で、(イ)はその正面部で、少なくともペットの名前5a、ケージCを購入した時に商品販売者から付与される管理番号5b’等が表記されている。(ロ)は識別タグ5の裏面部で、ペット飼い主の名前5c欄と共に、情報管理者の名前と連絡用電話番号5e等が表記されている。なお、5dはペットに装着する紐等の挿通孔である。また識別タグ5に加えてICチップ(不図示)をペットの適切部位に埋設することも可能である。なお、商品販売者は、希望者には識別タグ5のみを所定料金で販売することもあり、その際の管理番号5b’は、ケージCの購入時に付与する管理番号5bとは異なる管理番号5b’例えば、B000002等として、ケージCの購入者に付与する管理番号5bとを区別している。また商品販売者は、販売した識別タグ5に記載した当該の管理番号5b’を情報管理者にEメール又はその他の手段で通知する。
【0025】
図7は、商品販売者から該ケージCの購入者であるペット飼い主に付与される返信用ハガキLの表面部を示し、返信先の宛名(情報管理者)、郵便番号等が表記され、図8に示すハガキLの裏面部には、上段にペット飼い主の情報欄Laが設けられ、飼い主の名前、電話番号、住所、緊急連絡先等が記載され、下段にはペットの情報欄Lbが設けられ、ペットの名前、種類、品種、性別、生年月日、ICチップの種類等の他、ケージCを購入時に商品販売者から付与される管理番号5b等の記載欄が設けられている。ケージC購入者のペット飼い主は、このハガキLを情報管理者に郵送する。
【0026】
図9は、ペット用カルテ6の表面部を示し、管理番号記載欄、ペットの写真貼付欄の他、上段に返信用ハガキLで連絡されたペット飼い主の情報欄6aが設けられ、下段には同じく返信用ハガキLで通知されたペットの情報欄6bが設けられ、ハガキLの記載情報以外の詳細情報、例えばワクチンの種類、その最終接種日、血液型、現在治療中の病名、使用薬品名、かかりつけの動物病院名、同病院の電話番号等の詳細データ記載欄をも設けられている。
【0027】
図10は、ペット用カルテ6の裏面部を示し、緊急時対応メッセージ欄7、例えば「日頃心掛けておくポイント」として、具体的には、「ケージに入ることを慣れさせておきましょう。」、「ドライフード、飲料水、常備薬の用意をしておきましょう。」等々のメッセージを記載し、ペットの飼い主を啓蒙する。
【0028】
図11は、ペット用キャリーケージの商品販売者から該ペット用キャリーケージ購入者であるペット飼い主に付与される、どうぶつ母子手帳8の斜視図で、図12は、同どうぶつ母子手帳の内容8aの一部を示す平面図である。
【0029】
次に、本発明に係るケージCの使用態様について説明する。本体1の前面枠1aから後面枠1a’に向け、筒状に形成されたカバー2の後端部から、該カバー2の切欠部2dが把持部1eの位置に到達するまで挿入した後、カバー2の左右側面の切欠部2f、2f’及び2h、2h’が合致する本体1の通気窓の枠体に、面状ファスナー2j、2j’及び2k、2k’を介して止着し、ショルダーベルト4のフック4a、4a’を、本体1の前面枠1a及び後面枠1a’に張設された金属線条に掛吊する。そしてケージCの購入者もしくはペット飼い主は、ポケット2aには給水ボトル、ポケット2bには少なくとも1週間ないし10日間分のペットフードを常時備蓄し、さらに収納部2cには、カルテ6、どうぶつ母子手帳8等の書面類を収納しておく。またペットも日頃からケージCの使用に慣れさせておくようにする。
【0030】
本発明に係る、ペット用キャリーケージを用いたペット管理システム(以下、システムSという)は、上述したケージC等を用いて作動するシステムであり、情報管理グループは、図1に示す情報管理者が運営、管理するコンピュータ10、商品販売者20の端末装置、緊急時対応委託業者(以下、委託業者という)60から構成され、ペット支援グループは、ペット飼い主、獣医師の端末装置30、保健所端末装置40、動物愛護センターの端末装置50及び行方不明ペットを発見、通報する善意の発見者H1、H2…から構成されている。P1、P2、P3…は、商品販売者20からケージC又は識別タグ5等のペット関連商品を購入した顧客端末で、T1、T2…は、携帯電話顧客であり、図1に示すように、情報管理者のコンピュータ10と獣医師の端末装置30、保健所端末装置40、動物愛護センター端末装置50、委託業者60…、顧客端末P1、P2、P3…等は、インターネットN又はLAN(Local Area Network)を介しネットワーク化されている。
【0031】
情報管理者が運営、管理するコンピュータ10は、ペットとペット飼い主の個人情報等を入力する入力手段10a、入力情報を記憶しデータベース10bに蓄積する蓄積手段10c、データの検索手段10d、ペット情報等の更新、管理を行う管理手段10e及び携帯電話等を含む各種の通信手段10f、委託業者60…に所属する緊急時対応チームのスタッフが常時、所持する携帯電話10hの他、通常の周辺機器を具備している。
【0032】
本発明に係るシステムSの全体的な動作態様を、図2のフローチャートに基づいて説明する。商品販売者は、ケージCを販売と同時に、識別タグ5と返信用ハガキLを付与するか又は識別タグ5を所定料金で販売し(S1)、ハガキLを受領したペット飼い主(顧客)は、図8に示す所定の情報を、これに記載して情報管理者に郵送(S2)し、送付されたハガキLを受領した情報管理者は、その記載内容に基づいて各種情報を入力手段10aで入力してこれを蓄積し、また商品販売者は、識別タグ5のみの購入者には、管理番号5b’を付与すると共に、情報管理者に管理番号5b’、ペット名5a、飼い主(オーナー)名5c、連絡用電話番号5等を端末装置20等で送信し、情報管理者は、これを入力手段10aで入力し、これを蓄積手段10cで蓄積する(S3)。
【0033】
情報管理者は、入力手段10aで入力し、蓄積手段10cで蓄積したケージCの購入者又は、識別タグ5購入者の関連情報を、情報管理者から遠隔地で営業する営業支店の端末装置に、通信手段10fを介して配信(S4)すれば、各営業支店はそれぞれの端末装置でこれを受信して蓄積(S5)する。また情報管理者は、例えば1年間、平穏に過ぎてペットの管理又は保険等の更新時期が到来すれば、ペット飼い主(顧客)及び商品販売者にペット飼い主(顧客)等と予め決めていた連絡手段で、当該の更新情報を提供し(S4’)、商品販売者は、ペット関連商品の注文等を連絡する。
【0034】
飼い主(顧客)の居住地に大地震又は風水害等の緊急事態が発生(S6)した時、例えばペットが行方不明又は負傷等のトラブルが発生(S7)した時、飼い主(顧客)は情報管理者にペットの捜索等を要請(S8)し、これを受けて情報管理者は、インターネットN又はLANを介して各営業支店端末、獣医師端末30、保健所端末40、動物愛護センター端末50等に、ペット発見又は連絡有無の確認(S9)、(S10)を行う。
【0035】
獣医師、保健所、動物愛護センター等に行方不明又は負傷等のペットが発見されて届けられた時、ペットの識別タグ5に表記されている管理番号5b又は5b’等を確認(S11)したら、それぞれの端末装置30、40、50又は携帯電話その他の通信手段で管理番号5b又は5b’等の検索を情報管理者に依頼(S12)し、情報管理者はこれを通信手段10fでこれを受信し、データベース10bに蓄積されている該当番号5b又は5b’について、ペットの飼い主(顧客)名、連絡先等を検索手段10dで検索し(S13)、当該する飼い主(顧客)にペットが発見された旨を送信(S14)すると共に、発見されたペットの管理番号5b又は5b’等の検索依頼元(獣医師、保健所、動物愛護センター等)に飼い主(顧客)名の判明等を通信手段10fで送信(S15)し、各営業支店端末に検索の完了(S16)を送信して終了する。
【0036】
また、善意の発見者H1、H2……により、行方不明のペットが発見され、情報管理者に管理番号5b又は5b’等が、携帯電話等により連絡(S17)があったとき、情報管理者は、善意の発見者H1、H2……に情報提供に対する謝意を表明すると共に、直ちに、提供された管理番号5b又は5b’についての飼い主(顧客)名、連絡先等を検索手段10dで検索し(S13)、飼い主(顧客)名が判明したら、当該する飼い主(顧客)にペットが発見された旨を送信(S14)すると共に、各営業支店端末に検索の完了(S16)を送信して終了する。なお、ペットがICチップを装着しているときは、スキャナーで各種情報を読み込み、そのデータを活用して上述の検索(S13)作業が進められる。
【0037】
図1及び図2に示す委託業者60…は、北海道から沖縄県まで1ないし複数設置され、情報管理者及び各営業支店と予め、例えば月間契約料、緊急時対応実費の支払い等について契約すると共に、個人情報保護法に関する覚書の締結等を行う。委託業者60…は、販売者が非営業時、例えば、休日又は夜間等に大地震等が発生したとき、飼い主(顧客)からのペット捜索依頼や善意の発見者H1、H2……等からの通報や情報提供等に対応するためのもので、情報管理者及び各営業支店が非営業時は、その通信手段10fは、留守番電話に切替えられ(S18)、委託業者60…の最寄りの電話番号が流され、飼い主(顧客)等は、携帯電話等で知らされた委託業者60に用件を通報し、これを受けた委託業者60は、該委託業者60内における緊急対応スタッフの携帯電話10h…に連絡(S19)して緊急呼集し、事後処理、例えば飼い主(顧客)、善意の発見者H1、H2……からの連絡、及び獣医師端末30、保健所端末40、動物愛護センター端末50等からの送信等を受信し、情報管理者及び各営業支店の営業時刻になったら、直ちに事後処理の内容等を、インターネットN又はLAN等を介し情報管理者10及び各営業支店の端末装置に送信し、案件が未解決のときは、情報管理者及び各営業支店は、継続して該案件が完了するまでその処理にあたる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】は、本発明に係る、ペット用キャリーケージを用いたペット管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】は、同管理システムにおける全体動作の流れを示すフローチャートである。
【図3】は、ペット用キャリーケージの全体斜視図である。
【図4】は、筒状カバーの展開平面図である。
【図5】(イ)、(ロ)は、表示体の平面図である。
【図6】(イ)、(ロ)は、ペット装着用識別タグの正面図と裏面図である。
【図7】は、返信用ハガキ表面の内容の一部を示す表面図である。
【図8】は、同ハガキ裏面における記載内容を示す裏面図である。
【図9】は、ペット用カルテの表面図である。
【図10】は、同ペット用カルテの裏面図である。
【図11】は、どうぶつ母子手帳の斜視図である。
【図12】は、同どうぶつ母子手帳の内容の一部を示す平面図である。
【符号の説明】
【0039】
S システム
N インターネット
10 情報管理者のコンピュータ
20 商品販売者の端末装置
30 獣医師の端末装置
40 保健所の端末装置
50 動物愛護センターの端末装置
60… 緊急時対応委託業者
P1、P2、P3… 顧客端末
T1、T2… 携帯電話顧客
H1、H2… 善意の発見者
C ケージ
1 本体
2 カバー
2a 給水ボトル用ポケット
2b ペットフード用ポケット
2c 収納部
2d 切欠部
3、3’ 表示体
3a 販売者名
3b 電話番号
3c ケージ管理番号
4 ショルダーベルト
4a、4a’ 係止用フック
4b 肩当てパッド
4c 長さ調整具
5 識別タグ
5a ペット名
5b、5b’ 管理番号
6 カルテ
7 メッセージ欄
8 どうぶつ母子手帳
L ハガキ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペット用キャリーケージ及びペット関連商品を販売する商品販売者と、ペット及びペット用キャリーケージに関する情報管理、保険業務を行う情報管理者と、前記商品販売者及び情報管理者と業務契約した緊急時対応委託業者からなる、情報管理グループと、
ペット及びペット用キャリーケージの飼い主、獣医師、保健所、公共の動物保護センター及び行方不明ペットの発見者等からなる、ペット支援グループからなる、
ペット用キャリーケージを用いたペット管理システムであって、
ペット用キャリーケージ等の商品販売者は、筒状カバー付きペット用キャリーケージを販売する毎に、該キャリーケージの管理番号と同一の管理番号入りのペット用識別タグを無償で付与すると共に、キャリーケージ購入者であるペット飼い主名、ペット名等の情報記載欄を設けたハガキを付与し、
情報管理者は、ペット飼い主からの前記ハガキに記載された各種情報を登録するために、保有のコンピュータに管理番号、ペット飼い主の個人情報、ペット情報等を入力する入力手段と、
前記入力情報をデータベースに蓄積する蓄積手段と、
管理番号に関連する情報をデータベースで検索する検索手段と、
ペット飼い主の個人情報、ペット情報等の管理、更新を行う管理手段と、
前記キャリーケージ購入者であるペット飼い主、獣医師、保健所、公共の動物保護センター、緊急時対応委託業者及び商品販売者との通信手段とを、
具備していることを特徴とする、ペット用キャリーケージを用いたペット管理システム。
【請求項2】
前記情報管理者は、該情報管理者から遠隔地で営業する営業支店の端末装置に、ペット飼い主からのハガキによるキャリーケージの管理番号、ペット飼い主の個人情報、ペット情報等を、インターネット又はLANを介した通信手段又はその他の連絡手段で通知することを特徴とする、請求項1に記載のペット用キャリーケージを用いたペット管理システム。
【請求項3】
前記情報管理者は、ペット飼い主に対して所定期間毎にペットの管理又は保険等の更新を、ペット飼い主が所望する連絡手段で通知し、所定の更新管理料又は保険料等を受領すると共に、前記商品販売者に対して、当該ペットについての更新情報を提供すると共に関連商品の販売、納入等をインターネット又はLANを介した通信手段又はその他の連絡手段で通知することを特徴とする、請求項1〜請求項2に記載のペット用キャリーケージを用いたペット管理システム。
【請求項4】
前記商品販売者は、キャリーケージ不購入者でペットの管理を希望するペット飼い主には、キャリーケージ管理番号と異なる管理番号入りの識別タグを販売し、その管理番号を、前記情報管理者にインターネット又はLANを介した通信手段又はその他の連絡手段で通知し、情報管理者は、この情報をキャリーケージと同様の手段でコンピュータ管理することを特徴とする、請求項1〜請求項3に記載のペット用キャリーケージを用いたペット管理システム。
【請求項5】
前記情報管理者は、国内における1〜複数の緊急時対応委託業者と情報管理者が非営業時の業務委託契約を締結していることを特徴とする、請求項1〜請求項4に記載のペット用キャリーケージを用いたペット管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−209322(P2007−209322A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−61822(P2006−61822)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【出願人】(506059218)
【出願人】(506058668)
【Fターム(参考)】