ペット用コインロッカー
【課題】
ペットの入店を制限される大型ショッピングモールや百貨店、更にはレストランや飲食店等に、飼い主が愛犬を連れて行った場合、安心して預けて置けるペット用コインロッカーを提供する。
【解決手段】
ペット用コインロッカー1の扉にはコインロッカー用の錠前3を付け、外壁や天井や扉等の全体や一部に窓や柵、網や板材の鎧戸式の様な何らかの開口部2を少なくとも一か所以上設置して採光や空気の流通を確保する。
ペットの入店を制限される大型ショッピングモールや百貨店、更にはレストランや飲食店等に、飼い主が愛犬を連れて行った場合、安心して預けて置けるペット用コインロッカーを提供する。
【解決手段】
ペット用コインロッカー1の扉にはコインロッカー用の錠前3を付け、外壁や天井や扉等の全体や一部に窓や柵、網や板材の鎧戸式の様な何らかの開口部2を少なくとも一か所以上設置して採光や空気の流通を確保する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用コインロッカーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年ペットブームは花盛りで、全国の大型ショッピングモールや百貨店等の多くがペットコーナーを設け、ペット自体やペット用品の販売に大きなスペースを取って力を注いでいる。しかしながら、一般的に、飼い主はペットを連れてその様な大型店に入ることを許されていない。これは、ペットの毛が抜けるとか排泄等の衛生面や人によっては犬嫌いとか恐怖感を抱く事もあるので当然のことである。一部の店では、バックの中に入れて持ち運べればOKとか、専用のカートに入れればOKとしている所も出てきているが、これは、ペット商品を扱いながらペット自体の入店をお断りしなくてはならないという矛盾に店側が下した苦渋の選択ともいえる。実際、ピカピカの店内の床に犬が排泄したりして泡を食っている例を見たりもしている。又良く見る例で、車で来店の客は、自動車の中にペットだけを残して買い物に行ったりしているが、夏や冬の温度の厳しい時は、ペットが気掛かりでゆっくりと買い物をしていられない。稀に、店舗の入り口に、犬だけを縛って待たせて買い物している人も見受けられるが、今日ペットも高価で子供代わりでかけがえのないものであるという面もあり、盗まれたり、苛められたり、逃げ出したりしないか気にかかる。増して、現在ペットを縛って置くポールやフックや場所でさえ確保している大型店は皆無であるので、一寸した大型犬の飼い主は、省エネや健康の為に散歩を兼ねて飼い犬と歩いてショッピングに行こうと思っても、犬の置き場所を考えると非常に困難で不便を感じている現状がある。
【0003】
一般のコインロッカーに関しては、駅や最寄りの基幹の場所に多数設置されており、人口の多い主要な駅周辺では空きロッカーを探すのが難しい程の繁盛ぶりである。広い意味では、サウナや銭湯の下駄箱もコインロッカーであり、鍵を持ち去られないように、靴を入れて鍵を掛ける時に保証金として百円玉を入れるようにしてあり、靴を出す際に鍵を差し込んで回すと百円玉が戻ってくるようなリターン型もある。一般的には、荷物を入れる時に数百円を入れて、荷物を出すとき一回だけ鍵を開けて扉を開閉出来る構造のものとなっている。何れにせよ、既存のコインロッカーは、荷物の一時預かりということだけに配慮された物で、ペット等の生き物を入れる事は全く考慮していないので、生鮮物を入れる冷蔵庫を兼ねるコインロッカーの発明は見られたが、通常は換気の為の開口部を設けたり、殺菌灯や温度管理を考慮したものは無かった。
【0004】
【特許文献1】特許公開2003−85644
【特許文献2】特許公開2003−88570
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上述べてきた現状から、主に犬の場合が多くなるが、ペットの入店を制限している大型ショッピングモールや百貨店、更にはレストランや飲食店等に、飼い主が愛犬等を連れて行った場合、安心して預けて置けるペット用コインロッカーを提供する事を課題にしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は第一義的には実用的にペットを入れるためのロッカーを提供することである。既存のコインロッカーは、基本的に物を入れる為の物であるので、換気や採光の為の開口部は一切考慮されていないので、扉を閉じれば中は暗黒の世界になり、時間が長くなるとペット自体が発する熱や二酸化炭素が内部に充満して呼吸困難を引き起こす可能性もありうる。そこで、本発明のペット用コインロッカー(1)の扉にはコインロッカー用の錠前(3)を付け、外壁や天井や扉等の全体や一部に窓や柵、網や板材の鎧戸式の様な何らかの開口部(2)を少なくとも一か所以上設けて採光や空気の流通を確保する。図3により、開口部の例を説明すれば、Aは網式開口部(9)、Bは下開きの窓(10)、Cは引き戸式の窓(11)、Dは鎧戸式の開口部(12)。(図1、3、請求項1)又、壁面や天井、扉ともペットサークルの様に柵で構成する事も出来、同様の効果を得ることも出来る。現実的には、場所の節約の為、既存のコインロッカーの様に2段3段(下段は大型犬用、上のほうは小型犬用とロッカーの大きさを変えて)と重ねて、数列並べる事になる(請求項2、図2)ので、ペットが隣のペットと干渉しないよう少なくとも壁面の腰から下は壁にしたほうが良いと思われる。又、出し入れする扉が普通はユーザーから見て正面になるので、飼い主側からも見やすく、ペット側からも表が見えてストレスとならない様、透明で厚地のアクリル板(6)や柵の扉(23)等が良いと思われる。コインロッカー用の錠前(3)に付いては、色々な種類の物が実用化されているので適宜の物を使用すれば良く、本発明によって新しく開発した錠前というものは無い。店舗側において、料金を徴収して利益を上げるのが目的でなく、ペットと一緒に来たお客様に対する純然たるサービスであると認識をする際は、鍵保証金システムの、お金入れて鍵を閉めて鍵を取り、ペットを取り出すときに鍵を差し込んで回して開けるとお金がもどってくるリターン式の錠前を使用すればよい。ロッカーその物の製作は、基本的には現在普及している板金製のコインロッカ−の素材に何らかの開口部を設ける事でも成しうるが、床に合わせたステンレスやアルミ等のトレーを入れて置けば、ロッカーその物を製作する材質の選択肢が木材、FRP等と広がるし、その上にペットシート(21)を敷いておけば、大規模店舗のエントランスホール等の空調の効いて照明のある場所に置く場合は実用の範囲内のものになる。
【0007】
近年は、国民の清潔に対する意識は非常に高いものがあり、犬や各種のペットの感染症や耳ダニや寄生虫等の報告も寄せられており、ペットシートを交換しただけでは飼い主の安心感を得れない場合も有る。又、実際にこのロッカーで何かの病気を感染させられたと証明されれば損害賠償を請求される場合も起こりえる。そこで、一つ一つのロッカー内に個々に小さな殺菌灯(4)を設置して点灯することでロッカー内を無菌状態にし、ユ−ザーの信頼を得る。(請求項3)
殺菌灯は、紫外線灯が向くと思われ、小さなものも格安で発売されている。只、ペットの入っていないロッカー未使用時に使用し、ペットを取り出して扉を閉めた後に自動点灯するようにし、充分な照射時間後自動的に切れるようにする。製品の能力によるが、30秒とか一分の照射で殺菌が完了するものが多いので問題は少ないが、照射中でもユ−ザーがペットを入れる為に扉を開けると消灯するような電気回路を設定する。扉を開けた時、電気が遮断されるような回路にすればよい。これは紫外線等がペットに直接何らかの悪影響を及ぼす事の無いような配慮であるが、ペット病院等では殺菌灯を点灯したケージに犬を入れている場合もあるので、殺菌灯の点滅は、絶対的必要事項ではない。
【0008】
大型店のエントランスホール等のある程度空調や証明がある場所に、本発明のペット用コインロッカーが設置される場合は温度管理はほとんど考慮する必要が無いが、その様なものが無い全くの屋外に設置せざるおえない場合は、季節の温度により、ロッカー内の温度管理をしなくてはならない場合もでてくる。(請求項4)地域と予算により、暖房か冷房かの何方か一方で済む場合もあるであろうが、基本的には、エアコンの温風、冷風を配管して送って済ます事もできる。又、暖房に関してはヒーターを床下に設置し、ロッカー使用時だけ通電しサーモスタットで温度管理する方法もある。又、冷房に関しては、電子冷凍素子(ベルチェ効果)を床下に設置し、ロッカー使用時だけ通電し、サーモスタットで温度管理する事もできる。ロッカー使用時だけとしたのは省エネを考えてのことであり、本発明の温度管理の絶対的条件ではない。又、電気回路の設計は、〔0007〕で述べた遮断と反対に、コインを入れてロックをしたとき通電するように設計すればよく、当業者にとっては容易な物である。最後に床材に付いて述べれば、このように、ヒーターや電子冷凍素子の様に熱を伝導させて伝える場合は、熱を伝えやすい金属が有効となるが、アルミとか少し伝導率は落ちるが、ステンレスが良いと思う。出来れば、ステンレスやアルミ板の端はしをプレスや板金加工で折り曲げて少し高く角はカーブになって汚れがつきにくいトレー(5)を入れておけば、失禁等の際、ペットシートの吸収が間に合わない時でも外にこぼれず壁に付着したりしないし、また取り外して洗浄できるのでいつも清潔が保ちやすい。(図1)
【0009】
本発明のペット用コインロッカーは、ペットの一時預かりを初めて実現するものであるが、その様なロッカーが過去に存在しなかったので、一般市民にその存在と利用法が知られていない現状がある。又、大型店舗がお客様へのサービスとして設置するものなので、この様な施設が有ることを大いにアピールするのも他店に対する差別化対策になる。そこに本発明の二義的目的があり、具体的にはペット用コインロッカー設置店であることゆえのサービスの向上の誇示とお客様への施設空間に対する視覚的アメニティの増加ということで請求項5に記載するペット用コインロッカーの覆い装飾(以下、ハウスデコレーション、ハウスデコレと表現する。図4、図5、図6)も同時に発明している。この請求項2、3、4の様に実用段階まで組み立てられたペット用コインロッカーをデザインされたハウスデコレの中に入れてその存在をアピールするのも有効な手段であるからである。(請求項5)このロッカーそのものやハウスデコレにキャスター(22)を付けて移動を容易にするのも有効な方法である。このハウスデコレが有ることによって、その壁面に、ペットシートの供給ラック(16)を取り付けたり、使用済のペットシート等を捨てる屑籠(17)を目立たない様に置いたりする事ができる。ペットシートの供給ラックは、無料サービスでなければ、自販機とする事も出来る。
【発明の効果】
【0010】
本発明は以上述べてきたような技術を基に、予算に応じて安全で清潔なペット用のコインロッカーを提供する事が出来るので、このペット社会に於いて、飼い主たるお客様は、ペットと自分自身の散歩を兼ねて歩いて店舗に向かい、ペットをペット用コインロッカーに預けて安心して買い物や食事を楽しむことができる。その様な物が無くて、ペットの置き場所に困り、そういった行動が取れなかった事を考えると大きな社会的進歩となる。
設置者たる店舗側にとっては、ペットやペット関連用品を取り扱いながらもペットの扱いに何らの措置もせず、ペットの入店を禁止したり、制限したりの矛盾から開放される。ペット用コインロッカーが有料であれ無料であれ、使用の選択権はお客様たる飼い主の側にあり、何一つその様な事に配慮していない他店に対し大きな差別化をもたらす。従って有料であってもその店としてのサービス度は増大する。
【0011】
本発明は、既存のコインロッカーが物の保管だけの用途に限られていた事と、そもそも生き物たるペットをコインロッカー方式で預かるという発想が無かったので、過去のものと比較のしようがないが、ペットのコインロッカーが出来た事自体に新規性があり、ペット社会において、ペットの一時預かり場所ができるという大きな進歩性をもたらすものである。その為に、生き物を入れるロッカーとして、換気が出来、清潔で、外気温に対しペットの体調を気ずかう等様々な工夫をなし遂げた。更には、このペット用コインロッカーここに有りとも言うべき、ペット用コインロッカーを中に入れるハウスデコレも開発デザィンした。これにより、設置店舗は、その投資に見合うサービス向上を顧客にアピールする事が出来るし、結果としてその分お客様増大、売り上げの増加に直結する。従って、このペット用コインロッカー製造メーカーは勿論、新設リース会社の営業とか設置店舗に置ける集客の増大による消費の増加は、経済、産業にもいくばくかの貢献をなす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
最良の形態としては、基本的に大規模店舗のエントランスホールとか通路、地下街の一部など天井があって、直射日光にさらされず、季節に合わせて空調がある程度効いているところをペット用コインロッカーの設置場所として想定している。そのような場所においては、開口部からの外気による自然の換気でロッカーの温度管理を賄うことが出来、冷暖房等の余分な設備が必要無いからである。殺菌灯の設置は、任意ではあるが安全という意識をアピールする上でも設置したほうが良いと思われる。又、このペット用コインロッカーを中に入れるハウスデコレは絶対的必要条件ではないが、この施設を目立たすだけでなく、使用済みのペットシートを捨てる屑籠を目だたなくさせたり、ペットシートの自販機乃至は供給ラックを取り付けたり、注意書きのプレートを張りつけたり、ペット自体も囲われていることで安心感を得てストレスにならぬよう同時に設置すべきである。本発明者らは、ログハウス風(図4)、鉄パイプテント風(図5)、洋風屋台風(図6)等をデザイン考案していが、このハウスデコレも以上述べた様な役割を担い、ペット用コインロッカーと一体になって付加価値を高めるものなので、この発想そのものも発明となる。このようなハウスデコレの変化で、ペット用コインロッカーにもバリエーションが出来、店舗側に設置に対する選択肢を与える事ができる。このような施設は、ペットに関係の無い他のお客様にとっても微笑ましく、愛される施設にならなくてはならないのである。
【実施例】
【0013】
実施例を図4によって説明する。ハウスデコレは、ログハウス調、中に三段、二列の本発明請求項1、を請求項2の様に組み立てたペット用コインロッカーが設置してある。ロッカー内には、殺菌灯が取り付けてあり、縁のほうが少し高くなった取り外しのきくステンレス製のトレーが床の上に置いてあり、そのトレーの上にペットシートを被せて置いてある。ハウスデコレの左の内側の壁にはペットシート供給用のラックが取り付けられ、下には使用済みのペットシート等を捨てるためのくず箱がおいてある。ハウスデコレの上のほうには、この施設の意味を知らせる看板になる装飾部(20)が書いてある。
【0014】
第二の実施例として、飼い主の安心や都会の犬捨て場にならない為に、ハウスデコレかその周辺に防犯カメラを設置してペット用コインロッカーを撮影し、ペットコーナーの売り場等にモニターを置いて常時放映する。このサービスにより、お客さまは買い物をしながらペットの様子を見ることが出来、店側はペット連れのお客様が来たことをいち早く察知したり、ペットや施設への悪戯の監視する事が出来る上、少なくとも一日以上の録画記録を残せば万一のペット置き去り防止の抑止と置き去り人の割り出しに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明請求項1のペット用コインロッカーを示す斜視図である。
【図2】は本発明請求項2に記載するペット用コインロッカーを示す斜視図である。
【図3】は本発明の開口部の例を示す正面図である。
【図4】は本発明の覆い装飾(ログハウス風)とロッカーの配置を示す斜視図。
【図5】は本発明の覆い装飾(鉄パイプテント風)とロッカーの配置を示す斜視図。
【図6】は本発明の覆い装飾(洋風屋台風)とロッカーの配置を示す正面図。
【符号の説明】
(1)はペット用コインロッカー (2)は開口部 (3)はコインロッカー用の錠前
(4)は殺菌灯 (5)はトレー (6)はアクリル板の扉
(7)は請求項2のペット用コインロッカー (8)は柵 (9)は網式開口部
(10)は下開きの窓 (11)は引き戸式の窓 (12)は鎧戸式の開口部
(13)はログハウス型の覆い装飾(ハウスデコレ) (14)は屋根
(15)は丸太の壁 (16)はペットシートの供給ラック (17)は屑籠
(18)はテント (19)は鉄パイプ (20)は装飾部 (21)はペットシート
(22)はキャスター (23)は柵の扉 (24)はヒンジ
(25)は地上設置型の一体になったペットシートの供給ラックと屑籠
(26)は鉄パイプテント風の覆い装飾 (27)は洋風屋台風の覆い装飾
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用コインロッカーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年ペットブームは花盛りで、全国の大型ショッピングモールや百貨店等の多くがペットコーナーを設け、ペット自体やペット用品の販売に大きなスペースを取って力を注いでいる。しかしながら、一般的に、飼い主はペットを連れてその様な大型店に入ることを許されていない。これは、ペットの毛が抜けるとか排泄等の衛生面や人によっては犬嫌いとか恐怖感を抱く事もあるので当然のことである。一部の店では、バックの中に入れて持ち運べればOKとか、専用のカートに入れればOKとしている所も出てきているが、これは、ペット商品を扱いながらペット自体の入店をお断りしなくてはならないという矛盾に店側が下した苦渋の選択ともいえる。実際、ピカピカの店内の床に犬が排泄したりして泡を食っている例を見たりもしている。又良く見る例で、車で来店の客は、自動車の中にペットだけを残して買い物に行ったりしているが、夏や冬の温度の厳しい時は、ペットが気掛かりでゆっくりと買い物をしていられない。稀に、店舗の入り口に、犬だけを縛って待たせて買い物している人も見受けられるが、今日ペットも高価で子供代わりでかけがえのないものであるという面もあり、盗まれたり、苛められたり、逃げ出したりしないか気にかかる。増して、現在ペットを縛って置くポールやフックや場所でさえ確保している大型店は皆無であるので、一寸した大型犬の飼い主は、省エネや健康の為に散歩を兼ねて飼い犬と歩いてショッピングに行こうと思っても、犬の置き場所を考えると非常に困難で不便を感じている現状がある。
【0003】
一般のコインロッカーに関しては、駅や最寄りの基幹の場所に多数設置されており、人口の多い主要な駅周辺では空きロッカーを探すのが難しい程の繁盛ぶりである。広い意味では、サウナや銭湯の下駄箱もコインロッカーであり、鍵を持ち去られないように、靴を入れて鍵を掛ける時に保証金として百円玉を入れるようにしてあり、靴を出す際に鍵を差し込んで回すと百円玉が戻ってくるようなリターン型もある。一般的には、荷物を入れる時に数百円を入れて、荷物を出すとき一回だけ鍵を開けて扉を開閉出来る構造のものとなっている。何れにせよ、既存のコインロッカーは、荷物の一時預かりということだけに配慮された物で、ペット等の生き物を入れる事は全く考慮していないので、生鮮物を入れる冷蔵庫を兼ねるコインロッカーの発明は見られたが、通常は換気の為の開口部を設けたり、殺菌灯や温度管理を考慮したものは無かった。
【0004】
【特許文献1】特許公開2003−85644
【特許文献2】特許公開2003−88570
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上述べてきた現状から、主に犬の場合が多くなるが、ペットの入店を制限している大型ショッピングモールや百貨店、更にはレストランや飲食店等に、飼い主が愛犬等を連れて行った場合、安心して預けて置けるペット用コインロッカーを提供する事を課題にしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は第一義的には実用的にペットを入れるためのロッカーを提供することである。既存のコインロッカーは、基本的に物を入れる為の物であるので、換気や採光の為の開口部は一切考慮されていないので、扉を閉じれば中は暗黒の世界になり、時間が長くなるとペット自体が発する熱や二酸化炭素が内部に充満して呼吸困難を引き起こす可能性もありうる。そこで、本発明のペット用コインロッカー(1)の扉にはコインロッカー用の錠前(3)を付け、外壁や天井や扉等の全体や一部に窓や柵、網や板材の鎧戸式の様な何らかの開口部(2)を少なくとも一か所以上設けて採光や空気の流通を確保する。図3により、開口部の例を説明すれば、Aは網式開口部(9)、Bは下開きの窓(10)、Cは引き戸式の窓(11)、Dは鎧戸式の開口部(12)。(図1、3、請求項1)又、壁面や天井、扉ともペットサークルの様に柵で構成する事も出来、同様の効果を得ることも出来る。現実的には、場所の節約の為、既存のコインロッカーの様に2段3段(下段は大型犬用、上のほうは小型犬用とロッカーの大きさを変えて)と重ねて、数列並べる事になる(請求項2、図2)ので、ペットが隣のペットと干渉しないよう少なくとも壁面の腰から下は壁にしたほうが良いと思われる。又、出し入れする扉が普通はユーザーから見て正面になるので、飼い主側からも見やすく、ペット側からも表が見えてストレスとならない様、透明で厚地のアクリル板(6)や柵の扉(23)等が良いと思われる。コインロッカー用の錠前(3)に付いては、色々な種類の物が実用化されているので適宜の物を使用すれば良く、本発明によって新しく開発した錠前というものは無い。店舗側において、料金を徴収して利益を上げるのが目的でなく、ペットと一緒に来たお客様に対する純然たるサービスであると認識をする際は、鍵保証金システムの、お金入れて鍵を閉めて鍵を取り、ペットを取り出すときに鍵を差し込んで回して開けるとお金がもどってくるリターン式の錠前を使用すればよい。ロッカーその物の製作は、基本的には現在普及している板金製のコインロッカ−の素材に何らかの開口部を設ける事でも成しうるが、床に合わせたステンレスやアルミ等のトレーを入れて置けば、ロッカーその物を製作する材質の選択肢が木材、FRP等と広がるし、その上にペットシート(21)を敷いておけば、大規模店舗のエントランスホール等の空調の効いて照明のある場所に置く場合は実用の範囲内のものになる。
【0007】
近年は、国民の清潔に対する意識は非常に高いものがあり、犬や各種のペットの感染症や耳ダニや寄生虫等の報告も寄せられており、ペットシートを交換しただけでは飼い主の安心感を得れない場合も有る。又、実際にこのロッカーで何かの病気を感染させられたと証明されれば損害賠償を請求される場合も起こりえる。そこで、一つ一つのロッカー内に個々に小さな殺菌灯(4)を設置して点灯することでロッカー内を無菌状態にし、ユ−ザーの信頼を得る。(請求項3)
殺菌灯は、紫外線灯が向くと思われ、小さなものも格安で発売されている。只、ペットの入っていないロッカー未使用時に使用し、ペットを取り出して扉を閉めた後に自動点灯するようにし、充分な照射時間後自動的に切れるようにする。製品の能力によるが、30秒とか一分の照射で殺菌が完了するものが多いので問題は少ないが、照射中でもユ−ザーがペットを入れる為に扉を開けると消灯するような電気回路を設定する。扉を開けた時、電気が遮断されるような回路にすればよい。これは紫外線等がペットに直接何らかの悪影響を及ぼす事の無いような配慮であるが、ペット病院等では殺菌灯を点灯したケージに犬を入れている場合もあるので、殺菌灯の点滅は、絶対的必要事項ではない。
【0008】
大型店のエントランスホール等のある程度空調や証明がある場所に、本発明のペット用コインロッカーが設置される場合は温度管理はほとんど考慮する必要が無いが、その様なものが無い全くの屋外に設置せざるおえない場合は、季節の温度により、ロッカー内の温度管理をしなくてはならない場合もでてくる。(請求項4)地域と予算により、暖房か冷房かの何方か一方で済む場合もあるであろうが、基本的には、エアコンの温風、冷風を配管して送って済ます事もできる。又、暖房に関してはヒーターを床下に設置し、ロッカー使用時だけ通電しサーモスタットで温度管理する方法もある。又、冷房に関しては、電子冷凍素子(ベルチェ効果)を床下に設置し、ロッカー使用時だけ通電し、サーモスタットで温度管理する事もできる。ロッカー使用時だけとしたのは省エネを考えてのことであり、本発明の温度管理の絶対的条件ではない。又、電気回路の設計は、〔0007〕で述べた遮断と反対に、コインを入れてロックをしたとき通電するように設計すればよく、当業者にとっては容易な物である。最後に床材に付いて述べれば、このように、ヒーターや電子冷凍素子の様に熱を伝導させて伝える場合は、熱を伝えやすい金属が有効となるが、アルミとか少し伝導率は落ちるが、ステンレスが良いと思う。出来れば、ステンレスやアルミ板の端はしをプレスや板金加工で折り曲げて少し高く角はカーブになって汚れがつきにくいトレー(5)を入れておけば、失禁等の際、ペットシートの吸収が間に合わない時でも外にこぼれず壁に付着したりしないし、また取り外して洗浄できるのでいつも清潔が保ちやすい。(図1)
【0009】
本発明のペット用コインロッカーは、ペットの一時預かりを初めて実現するものであるが、その様なロッカーが過去に存在しなかったので、一般市民にその存在と利用法が知られていない現状がある。又、大型店舗がお客様へのサービスとして設置するものなので、この様な施設が有ることを大いにアピールするのも他店に対する差別化対策になる。そこに本発明の二義的目的があり、具体的にはペット用コインロッカー設置店であることゆえのサービスの向上の誇示とお客様への施設空間に対する視覚的アメニティの増加ということで請求項5に記載するペット用コインロッカーの覆い装飾(以下、ハウスデコレーション、ハウスデコレと表現する。図4、図5、図6)も同時に発明している。この請求項2、3、4の様に実用段階まで組み立てられたペット用コインロッカーをデザインされたハウスデコレの中に入れてその存在をアピールするのも有効な手段であるからである。(請求項5)このロッカーそのものやハウスデコレにキャスター(22)を付けて移動を容易にするのも有効な方法である。このハウスデコレが有ることによって、その壁面に、ペットシートの供給ラック(16)を取り付けたり、使用済のペットシート等を捨てる屑籠(17)を目立たない様に置いたりする事ができる。ペットシートの供給ラックは、無料サービスでなければ、自販機とする事も出来る。
【発明の効果】
【0010】
本発明は以上述べてきたような技術を基に、予算に応じて安全で清潔なペット用のコインロッカーを提供する事が出来るので、このペット社会に於いて、飼い主たるお客様は、ペットと自分自身の散歩を兼ねて歩いて店舗に向かい、ペットをペット用コインロッカーに預けて安心して買い物や食事を楽しむことができる。その様な物が無くて、ペットの置き場所に困り、そういった行動が取れなかった事を考えると大きな社会的進歩となる。
設置者たる店舗側にとっては、ペットやペット関連用品を取り扱いながらもペットの扱いに何らの措置もせず、ペットの入店を禁止したり、制限したりの矛盾から開放される。ペット用コインロッカーが有料であれ無料であれ、使用の選択権はお客様たる飼い主の側にあり、何一つその様な事に配慮していない他店に対し大きな差別化をもたらす。従って有料であってもその店としてのサービス度は増大する。
【0011】
本発明は、既存のコインロッカーが物の保管だけの用途に限られていた事と、そもそも生き物たるペットをコインロッカー方式で預かるという発想が無かったので、過去のものと比較のしようがないが、ペットのコインロッカーが出来た事自体に新規性があり、ペット社会において、ペットの一時預かり場所ができるという大きな進歩性をもたらすものである。その為に、生き物を入れるロッカーとして、換気が出来、清潔で、外気温に対しペットの体調を気ずかう等様々な工夫をなし遂げた。更には、このペット用コインロッカーここに有りとも言うべき、ペット用コインロッカーを中に入れるハウスデコレも開発デザィンした。これにより、設置店舗は、その投資に見合うサービス向上を顧客にアピールする事が出来るし、結果としてその分お客様増大、売り上げの増加に直結する。従って、このペット用コインロッカー製造メーカーは勿論、新設リース会社の営業とか設置店舗に置ける集客の増大による消費の増加は、経済、産業にもいくばくかの貢献をなす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
最良の形態としては、基本的に大規模店舗のエントランスホールとか通路、地下街の一部など天井があって、直射日光にさらされず、季節に合わせて空調がある程度効いているところをペット用コインロッカーの設置場所として想定している。そのような場所においては、開口部からの外気による自然の換気でロッカーの温度管理を賄うことが出来、冷暖房等の余分な設備が必要無いからである。殺菌灯の設置は、任意ではあるが安全という意識をアピールする上でも設置したほうが良いと思われる。又、このペット用コインロッカーを中に入れるハウスデコレは絶対的必要条件ではないが、この施設を目立たすだけでなく、使用済みのペットシートを捨てる屑籠を目だたなくさせたり、ペットシートの自販機乃至は供給ラックを取り付けたり、注意書きのプレートを張りつけたり、ペット自体も囲われていることで安心感を得てストレスにならぬよう同時に設置すべきである。本発明者らは、ログハウス風(図4)、鉄パイプテント風(図5)、洋風屋台風(図6)等をデザイン考案していが、このハウスデコレも以上述べた様な役割を担い、ペット用コインロッカーと一体になって付加価値を高めるものなので、この発想そのものも発明となる。このようなハウスデコレの変化で、ペット用コインロッカーにもバリエーションが出来、店舗側に設置に対する選択肢を与える事ができる。このような施設は、ペットに関係の無い他のお客様にとっても微笑ましく、愛される施設にならなくてはならないのである。
【実施例】
【0013】
実施例を図4によって説明する。ハウスデコレは、ログハウス調、中に三段、二列の本発明請求項1、を請求項2の様に組み立てたペット用コインロッカーが設置してある。ロッカー内には、殺菌灯が取り付けてあり、縁のほうが少し高くなった取り外しのきくステンレス製のトレーが床の上に置いてあり、そのトレーの上にペットシートを被せて置いてある。ハウスデコレの左の内側の壁にはペットシート供給用のラックが取り付けられ、下には使用済みのペットシート等を捨てるためのくず箱がおいてある。ハウスデコレの上のほうには、この施設の意味を知らせる看板になる装飾部(20)が書いてある。
【0014】
第二の実施例として、飼い主の安心や都会の犬捨て場にならない為に、ハウスデコレかその周辺に防犯カメラを設置してペット用コインロッカーを撮影し、ペットコーナーの売り場等にモニターを置いて常時放映する。このサービスにより、お客さまは買い物をしながらペットの様子を見ることが出来、店側はペット連れのお客様が来たことをいち早く察知したり、ペットや施設への悪戯の監視する事が出来る上、少なくとも一日以上の録画記録を残せば万一のペット置き去り防止の抑止と置き去り人の割り出しに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明請求項1のペット用コインロッカーを示す斜視図である。
【図2】は本発明請求項2に記載するペット用コインロッカーを示す斜視図である。
【図3】は本発明の開口部の例を示す正面図である。
【図4】は本発明の覆い装飾(ログハウス風)とロッカーの配置を示す斜視図。
【図5】は本発明の覆い装飾(鉄パイプテント風)とロッカーの配置を示す斜視図。
【図6】は本発明の覆い装飾(洋風屋台風)とロッカーの配置を示す正面図。
【符号の説明】
(1)はペット用コインロッカー (2)は開口部 (3)はコインロッカー用の錠前
(4)は殺菌灯 (5)はトレー (6)はアクリル板の扉
(7)は請求項2のペット用コインロッカー (8)は柵 (9)は網式開口部
(10)は下開きの窓 (11)は引き戸式の窓 (12)は鎧戸式の開口部
(13)はログハウス型の覆い装飾(ハウスデコレ) (14)は屋根
(15)は丸太の壁 (16)はペットシートの供給ラック (17)は屑籠
(18)はテント (19)は鉄パイプ (20)は装飾部 (21)はペットシート
(22)はキャスター (23)は柵の扉 (24)はヒンジ
(25)は地上設置型の一体になったペットシートの供給ラックと屑籠
(26)は鉄パイプテント風の覆い装飾 (27)は洋風屋台風の覆い装飾
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットの一時預かり用のロッカーで、扉にコインロッカー用の錠前を付け、壁面や天井、扉等の一部や全体に通気性や採光を確保する為の柵やネット、窓等による開口部を少なくとも一か所以上設けた事を特徴とするペット用コインロッカー。
【請求項2】
請求項1、3、4のペット用コインロッカーを数段重ねたり、数列並べたりして一塊とした形状であることを特徴とするペット用コインロッカー。
【請求項3】
請求項1、2、4に記載するペット用コインロッカーにして、そのロッカー内での感染症予防の為に殺菌灯を設置した事を特徴とするペット用コインロッカー。
【請求項4】
請求項1、2、3に記載するペット用コインロッカーにして、冷房装置又は暖房装置の何方か一方、又は両方が設備してあり、季節の温度によりキーがロックされてロッカーが使用されている間だけ必要な方の電源が入る仕組みになっている事を特徴とするペット用コインロッカー。
【請求項5】
請求項1、2、3、4に記載するペット用コインロッカーを入れる為の覆い装飾で、ペットに囲われている事で安心感を与え、ペットシートのホルダーや屑籠等を設置したりする為のデザインされたペット用コインロッカーの覆い装飾。
【請求項1】
ペットの一時預かり用のロッカーで、扉にコインロッカー用の錠前を付け、壁面や天井、扉等の一部や全体に通気性や採光を確保する為の柵やネット、窓等による開口部を少なくとも一か所以上設けた事を特徴とするペット用コインロッカー。
【請求項2】
請求項1、3、4のペット用コインロッカーを数段重ねたり、数列並べたりして一塊とした形状であることを特徴とするペット用コインロッカー。
【請求項3】
請求項1、2、4に記載するペット用コインロッカーにして、そのロッカー内での感染症予防の為に殺菌灯を設置した事を特徴とするペット用コインロッカー。
【請求項4】
請求項1、2、3に記載するペット用コインロッカーにして、冷房装置又は暖房装置の何方か一方、又は両方が設備してあり、季節の温度によりキーがロックされてロッカーが使用されている間だけ必要な方の電源が入る仕組みになっている事を特徴とするペット用コインロッカー。
【請求項5】
請求項1、2、3、4に記載するペット用コインロッカーを入れる為の覆い装飾で、ペットに囲われている事で安心感を与え、ペットシートのホルダーや屑籠等を設置したりする為のデザインされたペット用コインロッカーの覆い装飾。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2007−159551(P2007−159551A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−380982(P2005−380982)
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(595177718)
【出願人】(505445326)
【出願人】(505445337)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(595177718)
【出願人】(505445326)
【出願人】(505445337)
【Fターム(参考)】
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