説明

ペット用排尿吸収具

【課題】 保管に要する占有空間を小さくして、収納性および運搬性を向上することのできるペット用排尿吸収具を提供する。
【解決手段】 折畳まれた状態から平坦状の展開状態に展開して使用される排尿吸収マット5であって、通気性および透水性を有する表面シート2と、当該表面シート2の周縁部に接合される不透水性の裏面シート3と、フラッフ状繊維から成り、当該表面シート2と当該裏面シート3との間に介在される吸収層4とを含む排尿吸収マット5と、可撓性および撥水性を有し、長手方向中央部が前記表面シート2に固着される帯状のシート体6とを含み、前記シート体6は、少なくとも長手方向一端部に、該シート体6の長手方向他端部と接合するための接合部を有し、前記排尿吸収マット5を展開させた状態で当該接合部によって長手方向両端部を接合して、立設可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用排尿吸収具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、愛玩動物であるペットを屋内で飼育する人が増加している。たとえば犬をペットとして屋内で飼育する場合、ペットが排泄する尿を吸収して回収するために、ペット用シートなどと称されるペット用排尿吸収具が用いられている。このペット用排尿吸収具(以下、単に「排尿吸収具」と記す場合がある。)は、排泄容器内、または直接床面に水平に敷設して使用されている。排尿吸収具は、不織布から成る表面シートと合成樹脂から成る不透水性の裏面シートとの間に吸収層を介在させた構成となっており、表面シート上にペットが排尿をした場合、その排尿は表面シートを透過して吸収層に浸透し、この吸収層によって排尿を吸収して保持することによって、吸収した排尿が外部へ漏れ出さないように回収することができるように構成されている。
【0003】
しかしながら、ペットはその習性として排尿行為を単に生理現象として行うだけでなく、自らの縄張りを主張するためのマーキングとして行う場合もあり、排尿吸収具を設置しているにも関わらず、部屋の壁面や家具などに排尿がなされ、屋内が汚損されるという問題がある。
【0004】
このような問題を解決するための従来技術として、たとえば特許文献1には、基板上面に吸水シートを敷設し、当該吸水シート体から突設するポール体を設けることによって、ペットが立設された物体に排尿を行うという習性を利用し、マーキングなどの場合であっても、ペットの排尿が吸水シート上になされ、周囲の床および壁などの汚損を防止することを目的としたペット用排尿吸収具に関する技術が開示されている。また、同様の技術は特許文献2にも開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1および2に記載の従来技術では、ポール体が折畳み可能に構成されていないので、使用前の排尿吸収具を保管しておくために大きな占有空間を要し、収納性および運搬性が悪いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平3−102832号公報
【特許文献2】実用新案登録第3050289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、保管に要する占有空間を小さくして、収納性および運搬性を向上することのできるペット用排尿吸収具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、折畳まれた状態から平坦状の展開状態に展開して使用される排尿吸収マットであって、通気性および透水性を有する表面シートと、当該表面シートの周縁部に接合される不透水性の裏面シートと、フラッフ状繊維から成り、当該表面シートと当該裏面シートとの間に介在される吸収層とを含む排尿吸収マットと、
可撓性および撥水性を有し、長手方向中央部が前記表面シートに固着される帯状のシート体とを含み、
前記シート体は、少なくとも長手方向一端部に、該シート体の長手方向他端部と接合するための接合部を有し、前記排尿吸収マットを展開させた状態で当該接合部によって長手方向両端部を接合して、立設可能であることを特徴とするペット用排尿吸収具である。
【0009】
また本発明は、前記接合部は、粘着テープによって形成されることを特徴とする。
また本発明は、前記接合部は、前記シート体に形成された切込みによって分断された部分であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、排尿吸収マットの表面シートに帯状のシート体の長手方向中央部が固着され、このシート体の少なくとも長手方向一端部に接合部が設けられるので、ペット用排尿吸収具を使用しない未使用状態においては、シート体を排尿吸収マットと共に折畳んで小形化することができる。したがって、保管に必要な占有空間を小さくして、収納性および運搬性を向上することができる。また、排尿吸収マットにシート体が固着されているので、保管している際に、構成物品の一部をなくしてしまい、排尿吸収マットとシート体との数が不整合な状態となることを防止することができる。
【0011】
また本発明によれば、接合部が、粘着テープによって形成されているので、粘着テープを貼着するだけでシート体を容易に立設することができる。
【0012】
また本発明によれば、接合部が、シート体に形成された切込みによって分断された部分であるので、切込みを係合するだけでシート体を容易に立設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態であるペット用排尿吸収具1の平面図である。
【図2】ペット用排尿吸収具1の一部を示す拡大断面図である。
【図3】ペット用排尿吸収具1の展開状態を示す斜視図である。
【図4】ペット用排尿吸収具1の折畳み方を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態であるペット用排尿吸収具1Aの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の一実施形態であるペット用排尿吸収具1の平面図である。図2は、ペット用排尿吸収具1の一部を示す拡大断面図である。ペット用排尿吸収具1は、床面やペットの排尿場所に設置された排泄容器内などにほぼ水平に敷設して使用する吸収性物品であり、犬および猫などのペットが排泄した尿を吸収して回収するために用いられる。
【0015】
ペット用排尿吸収具1は、通気性および透水性を有する表面シート2と、この表面シートに周縁部で接合される不透水性の裏面シート3と、表面シート2および裏面シート3の間に介在されるフラッフ状繊維から成る吸収層4と、一表面の長手方向中央部が前記表面シート2に固着される帯状のシート体6とを含む。前記表面シート2と、裏面シート3と、吸収層4とによって、排尿吸収マット5を構成する。
【0016】
以下の説明において、排尿吸収マット5が折畳まれた状態から平坦状に展開された展開状態におけるペット用排尿吸収具1の厚みに沿う方向を厚み方向Xとし、ペット用排尿吸収具1の長手方向に相当する方向を長手方向Yとし、厚み方向Xおよび長手方向Yに垂直な方向を幅方向Zとする。
【0017】
排尿吸収マット5の展開状態における長手方向、幅方向、および厚み方向は、それぞれペット用排尿吸収具1の長手方向Y、幅方向Z、および厚み方向Xと一致する。排尿吸収マット5の展開状態における長手方向、幅方向、および厚み方向の寸法は、それぞれ45cmから90cm、45cmから90cm、0.1cmから0.5cmの範囲内であればよく、本実施形態では、排尿吸収マット5の展開状態における長手方向、幅方向、および厚み方向の寸法は、60cm、60cm、および0.2cmである。
【0018】
表面シート2は、通気性および透水性を有するシートであればよく、たとえば合成繊維および再生繊維から成る繊維シートまたは繊維ウェッブの繊維同士を物理的に交絡させて形成される不織布などを用いることができる。本実施の形態では、不織布を用いて形成される。表面シート2は、通気性および透水性を有するシートであるので、表面シート2側から、排尿を吸収することができる。また、表面シート2の吸収層4に臨む内方面7は、吸収層4とほぼ全面にわたって接触している。
【0019】
裏面シート3は、不透水性で可撓性を有するシートなどを用いて形成することができ、本実施の形態では、たとえばポリエチレン製のシートが用いられる。また、裏面シート3の吸収層4に臨む内方面8は、吸収層4とほぼ全面にわたって接触している。
【0020】
吸収層4は、フラッフ状繊維および吸水性ポリマを含む。フラッフ状繊維は、たとえばパルプを1mm以上10mm以下の長さに切断したものであって、綿状にした綿状パルプを用いることができる。吸収層4は、フラッフ状繊維で形成されるので、吸収層4は繊維間に多数の空隙を有する。したがって、液体を面方向および厚み方向に効率よく移動させて吸収することができる。
【0021】
吸水性ポリマは、自重の約10倍以上300倍以下の水分を吸収してゲル状に凝固する高分子吸収体であり、吸水性ポリマとしては、たとえば抗菌性を有する吸水性ポリマや荷重下通液性を有する吸水性ポリマ等を用いることができる。前記抗菌性を有する吸水性ポリマの例としては商品名サンフレッシュST−900E(サンダイヤポリマー株式会社製)を挙げることができ、荷重下通液性を有する吸水性ポリマとしては、商品名サンウェットIM−930(サンダイヤポリマー株式会社製)を挙げることができる。本実施形態では、吸水性ポリマとして、アクリル酸ナトリウム塩およびアクリル酸カリウム塩などのポリマ吸収体に、抗菌剤を電気的に重合させて付着させた抗菌性を有する高機能ポリマ吸収体を用いている。このように吸水性ポリマが抗菌性も有することで、吸収層4における菌の繁殖を抑えることができる。
【0022】
また、本実施形態では、吸水性ポリマは、吸収層4内に均等に分散されている。このように構成されることによって、ペットの排尿が表面シート2上のいずれの部分から滴下された場合であっても、効率よく排尿を吸収し保持することができる。
【0023】
シート体6は、帯状のシート体であって、可撓性および撥水性を有するシートなどを用いて形成することができ、たとえばポリエチレン製のシートや光沢紙などが用いられる。本実施形態では、光沢紙が用いられる。また、シート体6の長手方向、幅方向、および厚み方向の寸法は、それぞれ45cmから90cm、6cmから12cm、0.2mmから0.5mmの範囲内であればよく、本実施形態では、長手方向、幅方向、および厚み方向の寸法は、それぞれ60cm、8cm、および0.25mmである。
【0024】
シート体6は、展開状態の排尿吸収マット5において、幅方向Z中央部であって、長手方向Yにおける排尿吸収マット5の全幅にわたって、表面シート2の吸収層4に臨む内方面7とは厚み方向X反対側の面である外方面9上に固着して形成される。本実施形態では、シート体6の長手方向の中央部に両面に粘着層を有する粘着テープ10が貼着され、粘着テープ10によって表面シート2の外方面9上に固着されている。なお、シート体6の長手方向、幅方向、および厚み方向は、それぞれペット用排尿吸収具1の長手方向Y、幅方向Z、および厚み方向Xと一致する。
【0025】
シート体6の長手方向一端部であって、外方面9と対向する面11とは厚み方向反対側の面12上には、接合部として、両面に粘着層を有する粘着テープ13が貼着して設けられる。粘着テープ13は、厚み方向両面のうち、シート体6の面12と対向する面14は粘着層が露出することによって、面12に貼着されており、面14と厚み方向反対側の面15には、剥離紙が剥離可能に貼着されている。
【0026】
シート体6には、複数の折れ線18,19が、シート体6の幅方向全幅にわたって、幅方向Zと平行に設定される。各折れ線18,19は、シート体6の長手方向の寸法を3等分する位置に選ばれる。本実施形態において、折れ線18は、粘着テープ13が設けられない他端部側の端辺である長手方向他端辺21から長手方向一端辺20に向かう方向に20cm離間した箇所に設定され、折れ線19は、粘着テープ13が設けられる一端部側の長手方向一端辺20から長手方向他端辺21に向かう方向に20cm離間した箇所に設定される。
【0027】
このように、本実施形態のシート体6は、両端辺20,21と複数の折れ線18,19とによって、3つの領域に区分される。以下では、シート体6の両端辺20,21と複数の折れ線18,19とによって区分された各領域のうち、長手方向一端辺20と折れ線19との間の領域を領域C、長手方向他端辺21と折れ線18との間の領域を領域D、折れ線18と折れ線19との間の領域を領域Eとする。
【0028】
ペット用排尿吸収具1は、床面や排泄容器内などに平坦状に展開して敷設して使用される。図3は、ペット用排尿吸収具1の展開状態を示す斜視図である。同図に示すように、展開状態においてシート体6は、長手方向端部同士を接合して、側面視が略三角形の形状に立設される。
【0029】
立設方法を具体的に説明すると、まずシート体6を折れ線18および19に沿って、領域Cと領域Dとが互いに近接する方向、すなわちシート体6の面12同士が近接する方向G1に折り、領域Cと領域Dとがある程度近接した段階で、シート体6の長手方向一端辺20から長手方向他端辺21に向かって所定距離D1だけ離隔された箇所(図1において線16で示す箇所)およびシート体6の長手方向他端辺21から長手方向一端辺20に向かう方向に所定距離D2離隔された箇所(図1において線17で示す箇所)で、領域Cの長手方向一端辺20側の端部Aと領域Dの長手方向他端辺21側の端部Bとを方向G1とは反対方向G2に折り返す。この段階で、粘着テープ13の剥離紙を剥離し、端部Aの面12と端部Bの面12とが対向するように、粘着テープ13によって、端部Aと端部Bとを貼着する。
【0030】
なお、端部Aは、領域C内のシート体6の長手方向一端辺20から長手方向他端辺21に向かう方向に、長手方向一端辺20から所定距離D1離隔された範囲までの領域であり、端部Bは、領域D内のシート体6の長手方向他端辺21から長手方向一端辺20に向かう方向に、長手方向他端辺21から所定距離D2離隔された範囲までの領域である。
【0031】
本実施形態において距離D1と距離D2とは、同じ距離に形成される。距離D1と距離D2とは、20mm〜30mmの範囲内であればよく、本実施形態では、25mmに形成される。
【0032】
なお、粘着テープ10は、折れ線18と19との間の領域である、領域Eに形成され、粘着テープ13は、端部Aに設けられる。
【0033】
このように立設された状態では、前述のようにシート体6の長手方向の中央部に両面に粘着層を有する粘着テープ10が形成され、粘着テープ10によって表面シート2の外方面9上に固着されているので、シート体6は排尿吸収マット5の長手方向および幅方向の略中央に、シート体6の面12同士が内向きに対向し、面11が外方に臨んだ状態で立設される。
【0034】
このようにシート体6を組立てることによって、ペットが立上がる物体に排尿を行うという習性を利用し、マーキングなどの場合であっても、ペットの排尿が排尿吸収マット5上になされるように誘導することができるので、排尿吸収具の設置場所以外での排尿行為によって、屋内を汚損するという不具合を防止することができる。
【0035】
展開状態の排尿吸収マット5上にシート体6を組立てて、立設させた状態において、ペットが排尿するとき、そのペットは習性上、立設されたシート体6の外方に臨む面11に向けて排尿する。シート体6は、撥水性を有するので、面11上に付着した尿は、面11に沿って排尿吸収マット5に向かって流下し、表面シート2を透過して吸収層4に吸収されて保持される。またこの場合に、排尿の一部が面11に接触することなく、下方に飛散しても、シート体6は排尿吸収マット5の長手方向および幅方向の略中央に立設されているので、立設されたシート体6に接触せずに飛散した排尿の一部も、排尿吸収マット5の表面シート2上に飛翔し、この表面シート2を透過して吸収層4に吸収され、保持される。
【0036】
図4は、ペット用排尿吸収具1の折畳み方を示す図である。図4に示すように、ペット用排尿吸収具1には、ペット用排尿吸収具1を9等分するように、長手方向Yおよび幅方向Zにそれぞれ平行な折れ線が2本ずつ形成されている。以下では、長手方向Yに平行な2本の折れ線をそれぞれL1,L2と称し、幅方向Zに平行な2本の折れ線をL3,L4と称する。
【0037】
ペット用排尿吸収具1の折畳み方について説明する。以下では、排尿吸収マット5の展開状態において表面シート2同士が近接する方向に折ることを内折りと称する。ペット用排尿吸収具1の折畳み方は、まず折れ線L1に沿って、内折り(図4で示すH方向に折る)し、表面シート2同士が当接するまで折曲げる。そして、折れ線L2に沿って、内折り(図4で示すI方向に折る)し、表面シート2と裏面シート3とが当接するまで折曲げる。同様に折れ線L3およびL4に沿って内折り(図4で示すJ方向およびK方向に折る)し、裏面シート3と裏面シート3とが当接するまで折り曲げる。
【0038】
このように折畳むことによって、折畳む前の状態よりもその占有空間を9分の1にすることができる。したがって、ペット用排尿吸収具1を使用しない未使用状態においては、シート体6を排尿吸収マット5と共に折畳んで小形化することができ、保管に必要な占有空間を小さくして、収納性および運搬性を向上することができる。
【0039】
また、ペット用排尿吸収具1には、ペット用排尿吸収具1を9等分するように、長手方向Yおよび幅方向Zにそれぞれ平行な折れ線が2本ずつ形成されているので、ペット用排尿吸収具1を上記のように折畳むことによって、シート体6の幅方向全幅にわたって、幅方向Zと平行に、シート体6の長手方向の寸法を3等分する位置に折れ目が形成されることになる。このように折れ線18および19に沿って折れ目が形成されることになるので、シート体6の組立てを行いやすくすることができる。
【0040】
なお、ペット用排尿吸収具1の折畳み方は、上記順序に限らず、折れ線L1とL2に沿って折られる順序が逆でもよく、折れ線L3とL4とに沿って折られる順序が逆でもよい。また、折れ線L3およびL4に沿って折られるのが、折れ線L1およびL2沿って折られるのよりも先であってもかまわない。
【0041】
また、排尿吸収マット5にシート体6が粘着テープ10によって固着されているので、保管している際に、構成物品の一部をなくしてしまい、排尿吸収マット5とシート体6との数が不整合な状態となることを防止することができる。
【0042】
また、排尿吸収マット5やシート体6にペットを誘引する物質が塗布されている場合には、折畳むことによって、排尿吸収マット5やシート体6が大気と直接触れる面積を少なくすることができるので、当該物質が放散することを防止することができる。
【0043】
また、ペット用排尿吸収具1に排尿がされ、処分する場合にも、このように折畳むことができるので、ペットの排尿によるアンモニア臭などの人にとって不快な臭いが漏れ出すことを防止することができる。
【0044】
本実施形態では、シート体6は、粘着テープ10によって、表面シート2の外方面9上に固着されているが、粘着テープ10に限らず、シート体6は、表面シート2の外方面9上に固着されていればよい。たとえば、シート体6の外方面9と対向する面11または外方面9に粘着性物質を塗布することによって、固着してもよい。
【0045】
また、排尿吸収マット5には、たとえばペットが犬の場合、犬を誘引することのできる物質、たとえば犬が好む草むらの香りを放散する物質、たとえば商品名Pet.105−2127(寿香料株式会社製)や商品名ハーブ風のPet.105−2173(寿香料株式会社製)を含んで構成してもよい。誘引物質は、吸収層4に均等に分散されていてもよく、表面シート2または裏面シート3に塗布されていてもよい。このように犬が好む誘引物質を排尿吸収マット5が含んでいることによって、より確実にペット用排尿吸収具1に犬を誘引し、排尿吸収マット5上に排尿をさせることができる。
【0046】
また、シート体6には、たとえばペットが犬の場合、犬を誘引することのできる物質、たとえば尿素を含んで構成してもよい。具体的には、シート体6の面11上に尿素を塗布または貼付する。面11は、シート体6が立設された状態において、外方に臨む面であるので、面11上に尿素を塗布または貼付することによって、効率よく尿素を放散することができ、犬を誘引することができる。
【0047】
また、犬は自らがマーキングを行う位置よりも低い位置に尿素があれば、自分よりも大きな犬は周囲にいないと判断し、その場所にマーキングを行う習性を有するので、犬の大きさによって尿素の塗布または貼付する位置を変更することによって、マーキングによる排尿をより確実にペット用排尿吸収具1に対して行わせることができ、より効率よく屋内の汚損を防止することができる。
【0048】
図5は、本発明の他の実施形態であるペット用排尿吸収具1Aの平面図である。ペット用排尿吸収具1Aは、ペット用排尿吸収具1と略同一に構成されるので、対応する部分についてはそれぞれ同一の参照符を付し、重複する説明を省略する。ペット用排尿吸収具1Aは、ペット用排尿吸収具1とシート体についての構成が異なる。
【0049】
ペット用排尿吸収具1Aは、通気性および透水性を有する表面シート2と、この表面シートに周縁部で接合される不透水性の裏面シート3との間に、表面シート2および裏面シート3の間に介在されるフラッフ状繊維から成る吸収層4と、一表面の長手方向中央部が前記表面シート2に固着される帯状のシート体6Aとを含む。前記表面シート2と、裏面シート3と、吸収層4とによって、排尿吸収マット5を構成する。
【0050】
シート体6Aの長手方向一端部および他端部には、それぞれ切込み30aおよび切込み30bが形成される。この切込み30aおよび切込み30bによって分断された部分が、本実施形態における接合部である。切込み30aは、シート体6Aの幅方向一端辺から幅方向他端辺に向かって、シート体6Aの幅方向の寸法の2分の1の位置、すなわち4cmの位置まで形成される。
【0051】
切込み30bは、シート体6Aの幅方向他端辺から幅方向一端辺に向かって、シート体6Aの幅方向の寸法の2分の1の位置、すなわち4cmの位置まで形成される。
【0052】
切込み30aは、端部A内の長手方向Y中央部に形成され、切込み30bは、端部B内の長手方向Y中央部に形成される。なお、切込み30aと切込み30bとが形成される向きは、逆であってもよく、切込み30bが、シート体6Aの幅方向一端辺から幅方向他端辺に向かって形成され、切込み30aが、シート体6Aの幅方向他端辺から幅方向一端辺に向かって形成されてもよい。
【0053】
シート体6Aの立設方法を具体的に説明すると、まずシート体6Aを折れ線18および19に沿って、領域Cと領域Dとが互いに近接する方向、すなわちシート体6の面12同士が近接する方向G1に折り、切込み30aおよび30bを係合する。このように構成することによっても、シート体6と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 ペット用排尿吸収具
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収層
5 排尿吸収マット
6 シート体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折畳まれた状態から平坦状の展開状態に展開して使用される排尿吸収マットであって、通気性および透水性を有する表面シートと、当該表面シートの周縁部に接合される不透水性の裏面シートと、フラッフ状繊維から成り、当該表面シートと当該裏面シートとの間に介在される吸収層とを含む排尿吸収マットと、
可撓性および撥水性を有し、長手方向中央部が前記表面シートに固着される帯状のシート体とを含み、
前記シート体は、少なくとも長手方向一端部に、該シート体の長手方向他端部と接合するための接合部を有し、前記排尿吸収マットを展開させた状態で当該接合部によって長手方向両端部を接合して、立設可能であることを特徴とするペット用排尿吸収具。
【請求項2】
前記接合部は、粘着テープによって形成されることを特徴とする請求項1に記載のペット用排尿吸収具。
【請求項3】
前記接合部は、前記シート体に形成された切込みによって分断された部分であることを特徴とする請求項1に記載のペット用排尿吸収具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−90529(P2012−90529A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238055(P2010−238055)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000208628)第一衛材株式会社 (15)
【Fターム(参考)】