説明

ペニスコネクター

【課題】吸収体を備えた袋部にペニス挿入口からペニスを挿入して使用する場合、ペニスと袋部乃至挿入口との位置関係を固定し、ペニスのずれを防止できるペニスコネクターを提供する。
【解決手段】ペニスコネクター10は、弾性板状の本体11の略中央にスリット12を形成したものである。ペニスコネクター10に挿入した着用者のペニスPを処理用品1の挿入口5に挿入し、処理用品1の結束バンド6をペニスコネクターの本体11の着用者側に引っ掛けて巻きつけ、その各先端の粘着層6を処理用品1の袋部3に貼着・固定する。ペニスPとペニスコネクター10と処理用品1が一体となり、着用者のペニスPは正規挿入位置に保持され、位置がずれが起きにくい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペニスの挿入口が形成された袋部内に体液の吸収体を設けてなる男性用体液処理用品の着用補助用具に係り、特にこの男性用体液処理用品を着用する際に、男性用体液処理用品の挿入口に挿入した着用者のペニスが挿入口に対してずれないように保持することで好適な装着状態を維持できるようにしたペニスコネクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の吸収体物品、例えばおむつ、大人用おむつ、女性用生理用品、女性用失禁用品等は、ナプキン形状であれ、テープ型形状であれ、あるいはパンツ型形状を持つものであれ、共通している構造は、液透過性トップシートと、液不透過性のバックシートとの間に、SAPとパルプを混合した吸収体を介在させるという基本構造を持っている。
【0003】
これらの吸収体製品のうち、男性用体液処理用品は、男性である着用者の体液排出はペニスを通じてを行うことが前提となるので、かかる人体の構造上の特徴に適した構造を有していることが必要とされる。このような男性用体液処理用品としては、下記特許文献1、2に示すように、吸収体を備えた袋部にペニス挿入口が形成された吸収体物品が知られている。
【特許文献1】特開平11−172502号公報
【特許文献2】特開2004−65857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の男性用体液処理用品では、ペニスから排出された体液が袋部内の吸収体に適正に吸収されるようにするため、袋部の挿入口からペニスを挿入して適正な位置に位置決めした状態で着用する必要がある。しかし、従来の男性用体液処理用品では、挿入口から挿入したペニスと袋部乃至挿入口との位置関係を適正に固定する手段がないため、例えば着用者が立ち姿勢から着座する等の行動をとった場合に、袋部に対して着用者の腰が引けることにより、袋体に挿入したペニスが袋体内で正規の位置から移動したり、あるいは挿入口からペニスが抜ける等、固定が不十分であるための位置ずれの問題が生じていた。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、吸収体を備えた袋部にペニス挿入口が形成された男性用体液処理用品の着用に用いることにより、挿入口から袋部内に挿入したペニスと袋部乃至挿入口との位置関係を固定し、該ペニスの袋部乃至挿入口に対するずれを防止し、またずれが生じてもある程度の位置復元性を発揮することができる柔軟性を備えた着用補助用具であるペニスコネクターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載されたペニスコネクターは、着用者のペニスを挿入する挿入口と体液の吸収体を有する袋部を備えた男性用体液処理用品の着用に用いられるペニスコネクターにおいて、
前記着用者のペニスに着脱可能に固定されるとともに、前記着用者のペニスが前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入された状態で前記男性用体液処理用品に着脱可能に固定されることにより、前記着用者のペニスが前記男性用体液処理用品の前記挿入口に正規に挿入された状態を保持することを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載されたペニスコネクターは、請求項1記載のペニスコネクターにおいて、
結束手段が設けられた前記男性用体液処理用品の着用に用いられ、
スリットが形成された板状の本体を有し、前記スリットに前記着用者のペニスを挿入して固定するとともに、前記着用者のペニスを前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入した状態で前記結束手段を前記本体の前記着用者側に係止させることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載されたペニスコネクターは、請求項1記載のペニスコネクターにおいて、
スリットが形成されるとともに前記男性用体液処理用品側には接合層が設けられた板状の本体を有し、前記スリットに前記着用者のペニスを挿入して固定するとともに、前記着用者のペニスを前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入した状態で前記接合層を前記男性用体液処理用品に貼着させることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載されたペニスコネクターは、請求項1記載のペニスコネクターにおいて、
結束手段が設けられた前記男性用体液処理用品の着用に用いられ、
前記着用者のペニスよりも細い開口が形成された板状の本体を有し、前記開口に前記着用者のペニスを挿入して固定するとともに、前記着用者のペニスを前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入した状態で前記結束手段を前記本体の前記着用者側に係止させることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載されたペニスコネクターは、請求項1記載のペニスコネクターにおいて、
前記着用者のペニスよりも細い開口が形成されるとともに前記男性用体液処理用品側には接合層が設けられた板状の本体を有し、前記開口に前記着用者のペニスを挿入して固定するとともに、前記着用者のペニスを前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入した状態で前記接合層を前記男性用体液処理用品に貼着させることを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載されたペニスコネクターは、請求項1記載のペニスコネクターにおいて、
結束手段が設けられた前記男性用体液処理用品の着用に用いられ、
前記着用者のペニスが挿入されて先端から突出する実質的に筒状の本体と該本体の基端に設けられたフランジ部を有し、前記着用者のペニスを前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入した状態で前記結束手段を前記フランジ部に係止させることを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載されたペニスコネクターは、請求項1記載のペニスコネクターにおいて、
前記着用者のペニスが挿入されて先端から突出する実質的に筒状の本体と該本体の基端に設けられたフランジ部と前記フランジ部の前記男性用体液処理用品側に設けられた接合層を有し、前記着用者のペニスを前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入した状態で前記接合層を前記男性用体液処理用品に貼着させることを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載されたペニスコネクターは、請求項1記載のペニスコネクターにおいて、
前記着用者のペニスが挿入されて先端から突出する実質的に筒状の本体と該本体の先端に設けられた係止部を有し、前記着用者のペニスを前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入することにより前記係止部を前記男性用体液処理用品の前記挿入口に係止させることを特徴としている。
【0014】
請求項9に記載されたペニスコネクターは、請求項1記載のペニスコネクターにおいて、
結束手段が設けられた前記男性用体液処理用品の着用に用いられ、
前記着用者のペニスに巻装される帯状の本体と該本体の一対の端部を結合する結合手段とを有し、前記本体を前記着用者のペニスに巻装して前記結合手段で固定するとともに、前記着用者のペニスを前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入した状態で前記結束手段を前記本体側に係止させることを特徴としている。
【0015】
請求項10に記載されたペニスコネクターは、請求項1記載のペニスコネクターにおいて、
前記着用者のペニスに巻装される帯状の本体と該本体の一対の端部を結合する結合手段と前記本体に設けられた接合層を有し、前記着用者のペニスを前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入した状態で前記接合層を前記男性用体液処理用品の表側に接合させることを特徴としている。
【0016】
請求項11に記載されたペニスコネクターは、請求項1記載のペニスコネクターにおいて、
前記着用者のペニスに巻装される帯状の本体と該本体の一対の端部を結合する結合手段とを有し、前記着用者のペニス及び前記本体の一部を前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入することにより前記本体の一部を前記男性用体液処理用品の前記挿入口に係止させることを特徴としている。
【0017】
請求項12に記載されたペニスコネクターは、請求項3又は5又は7又は10記載のペニスコネクターにおいて、
前記接合層を前記男性用体液処理用品に貼着させることにより、前記本体又は前記フランジ部によって前記男性用体液処理用品の前記挿入口を閉止することを特徴としている。
【0018】
請求項13に記載されたペニスコネクターは、請求項2乃至10のペニスコネクターにおいて、
前記本体が弾性を有する材料から構成されることを特徴としている。
【0019】
請求項14に記載されたペニスコネクターは、請求項2又は3記載のペニスコネクターにおいて、
前記スリットは、前記本体に形成した外縁に達しない1本の切り込みであり、前記切り込みに近接した前記本体の表面が前記スリットに挿入された前記着用者のペニスに接触して抜け止めとなることを特徴としている。
【0020】
請求項15に記載されたペニスコネクターは、請求項2又は3記載のペニスコネクターにおいて、
前記スリットは、前記本体に放射状に形成された複数の前記切り込みにより構成されており、複数の前記切り込みによって形成される複数の片部の表面が前記スリットに挿入された前記着用者のペニスに接触して抜け止めとなることを特徴としている。
【0021】
このように、本発明のペニスコネクターは、着用者のペニスを挿入する挿入口と体液の吸収体を有する袋部を備えた男性用体液処理用品の確実かつ安定した着用に有用なものであって、そのために前記着用者のペニスに着脱可能に固定される本体を有するとともに、この本体を前記男性用体液処理用品に着脱可能に固定するための固定手段を有している。前記本体としては、着用者のペニスに装着し易く、装着後にはペニスに対する位置ずれが起きにくい構造が好ましく、例えばスポンジ、ゴムその他の弾性材料からなる本体にペニスが挿通する挿通孔を設け、この孔にペニスが挿通した際には摩擦等の抵抗が生じてペニスに係止するような構成が採用できる。また該本体の前記男性用体液処理用品に対する前記固定手段としては、男性用体液処理用品に接合(所要の強度で一体化すること)と分離が可能な接合層を採用でき、かかる接合層としては、男性用体液処理用品に貼着する粘着層や、多数の微少な係止部材と被係止部材の引っ掛かりにより二面の接合が行われる面ファスナー等が採用できる。また、前記固定手段としては、挿入口に引っ掛かるストッパーのように本体側に設けられた構成でもよいし、また男性用体液処理用品側に設けられた構成要素と協働して上記固定機能を奏するもの(男性用体液処理用品に設けられた結束手段を本体側に係止して固定する構造等)でもよい。これによって、前記着用者のペニスが前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入された状態で、該ペニスに固定したペニスコネクターを前記男性用体液処理用品に固定すれば、前記着用者のペニスが前記男性用体液処理用品の前記挿入口に正規に挿入された状態に保持される。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に記載されたペニスコネクターによれば、着用者のペニスに着脱可能に固定されるとともに、着用者のペニスが前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入された状態で男性用体液処理用品に着脱可能に固定されるので、着用者のペニスが男性用体液処理用品の挿入口に正規に挿入された状態を保持することができる。
【0023】
請求項2に記載されたペニスコネクターによれば、本体のスリットに着用者のペニスを挿入して固定し、着用者のペニスを男性用体液処理用品の挿入口に挿入した状態で男性用体液処理用品の結束手段を本体の着用者側に係止させることにより、着用者のペニスが男性用体液処理用品の挿入口に正規に挿入された状態を保持することができる。
【0024】
請求項3に記載されたペニスコネクターによれば、本体のスリットに着用者のペニスを挿入して固定し、着用者のペニスを男性用体液処理用品の挿入口に挿入した状態で接合層を男性用体液処理用品に貼着させることにより、着用者のペニスが男性用体液処理用品の挿入口に正規に挿入された状態を保持することができる。
【0025】
請求項4に記載されたペニスコネクターによれば、
本体の開口に着用者のペニスを挿入して固定し、着用者のペニスを男性用体液処理用品の挿入口に挿入した状態で結束手段を本体の着用者側に係止させることにより、着用者のペニスが男性用体液処理用品の挿入口に正規に挿入された状態を保持することができる。
【0026】
請求項5に記載されたペニスコネクターによれば、本体の開口に着用者のペニスを挿入して固定し、着用者のペニスを男性用体液処理用品の挿入口に挿入した状態で接合層を男性用体液処理用品に貼着させることにより、着用者のペニスが男性用体液処理用品の挿入口に正規に挿入された状態を保持することができる。
【0027】
請求項6に記載されたペニスコネクターによれば、筒状の本体に着用者のペニスを挿入して該ペニスの先端を本体の先端から突出させ、着用者のペニスを男性用体液処理用品の挿入口に挿入した状態で、結束手段を本体の根元にあるフランジ部に係止させることにより、着用者のペニスが男性用体液処理用品の挿入口に正規に挿入された状態を保持することができる。
【0028】
請求項7に記載されたペニスコネクターによれば、筒状の本体に着用者のペニスを挿入して該ペニスの先端を本体の先端から突出させ、着用者のペニスを男性用体液処理用品の挿入口に挿入した状態で、本体の根元にあるフランジ部の接合層を男性用体液処理用品に貼着させることにより、着用者のペニスが男性用体液処理用品の挿入口に正規に挿入された状態を保持することができる。
【0029】
請求項8に記載されたペニスコネクターによれば、筒状の本体に着用者のペニスを挿入して該ペニスの先端を本体の先端から突出させ、着用者のペニスを男性用体液処理用品の挿入口に挿入すれば、本体の先端に設けられた係止部が男性用体液処理用品の挿入口に係止するので、着用者のペニスが男性用体液処理用品の挿入口に正規に挿入された状態を保持することができる。
【0030】
請求項9に記載されたペニスコネクターによれば、着用者のペニスに帯状の本体を巻装して結合手段で固定し、着用者のペニスを男性用体液処理用品の挿入口に挿入した状態で、男性用体液処理用品の結束手段を本体側(例えば本体に設けたフランジ部や、結合手段で結合された一対の端部)に係止させることにより、着用者のペニスが男性用体液処理用品の挿入口に正規に挿入された状態を保持することができる。
【0031】
請求項10に記載されたペニスコネクターによれば、着用者のペニスに帯状の本体を巻装して結合手段で固定し、着用者のペニスを男性用体液処理用品の挿入口に挿入した状態で、本体の接合層(例えば本体に設けたフランジ部や、結合手段で結合された一対の端部に設けられる)を男性用体液処理用品の表側に接合させることにより、着用者のペニスが男性用体液処理用品の挿入口に正規に挿入された状態を保持することができる。
【0032】
請求項11に記載されたペニスコネクターによれば、着用者のペニスに帯状の本体を巻装して結合手段で固定し、着用者のペニス及び本体の一部を男性用体液処理用品の挿入口に挿入することで、ペニスが挿入口から引き抜かれる方向に移動しようとしても、本体の一部(例えば本体に設けたフランジ部や、結合手段で結合された一対の端部)が挿入口に対する引っ掛かりとなるのでペニスが挿入口から抜けたり、位置ずれを起こすことはなく、着用者のペニスが男性用体液処理用品の挿入口に正規に挿入された状態を保持することができる。
【0033】
請求項12に記載されたペニスコネクターによれば、請求項3又は5又は7又は10記載のペニスコネクターにおいて、前記接合層を男性用体液処理用品に貼着させることにより、本体又はフランジ部によって男性用体液処理用品の挿入口を閉止することができるので、着用者のペニスの男性用体液処理用品に対する位置固定がさらに確実になってずれが防止され、また男性用体液処理用品の挿入口からの液漏れや臭い漏れが確実に防止される。
【0034】
請求項13に記載されたペニスコネクターによれば、請求項2乃至10のペニスコネクターにおいて、前記本体が弾性を有する材料から構成されているので、前記本体は着用者のペニスに確実に装着されて位置ずれしにくく、両者間の位置関係が固定されるだけでなく、弾性材料からなるのでずれた場合にも本来の位置関係に復帰する復元性があるという特徴があり、該本体を男性用体液処理用品に固定することで着用者のペニスが男性用体液処理用品の挿入口に正規に挿入された状態を確実に保持することができる。
【0035】
請求項14に記載されたペニスコネクターによれば、請求項2又は3記載のペニスコネクターにおいて、本体に形成した外縁に達しない1本の切り込みからなるスリットに着用者の終えニスを挿入することにより、切り込みに近接した本体の一部分が捲れ上がって着用者のペニスに所定の面積を以て接触するので、確実な抜け止めとして作用し、着用者のペニスが男性用体液処理用品の挿入口に正規に挿入された状態を確実に保持することができる。
【0036】
請求項15に記載されたペニスコネクターによれば、請求項2又は3記載のペニスコネクターにおいて、
本体に放射状に形成した複数の切り込みからなるスリットに着用者のペニスを挿入することにより、切り込みによって形成される複数の片部が捲れ上がって着用者のペニスの全周にわたって所定の面積を以て接触するので、確実な抜け止めとして作用し、着用者のペニスが男性用体液処理用品の挿入口に正規に挿入された状態を確実に保持することができる。
【0037】
以上説明したように、本発明のペニスコネクターによれば、着用者のペニスを挿入する挿入口が形成されるとともに体液の吸収体を有する袋部を備えた男性用体液処理用品の着用において、男性用体液処理用品に対する着用者のペニスの位置が固定され、ずれが生じにくく、着用者のペニスが男性用体液処理用品の挿入口に正規に挿入された状態を確実に保持することができる。また、本体を着用者のペニスに固定し、ペニスを挿入口から挿入して該本体を男性用体液処理用品に対して固定するだけで、確実な装着が非常に簡単に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
次に、本願発明における最良の実施の形態を説明する。
本実施形態のペニスコネクターは、男性用体液処理用品を着用する際の補助用具であって、特にペニスの挿入口が形成された袋部の内部に体液の吸収体が設けられた基本構造を有する男性用体液処理用品に対して有用である。本実施形態のペニスコネクターは、まずペニスコネクター自体をペニスに取り付け、着用者の下腹部に設ける男性用体液処理用品の挿入口から該ペニスを挿入するとともに、該ペニスコネクターを男性用体液処理用品に固定することにより、着用者のペニスを男性用体液処理用品の挿入口に所定の位置関係で挿入した状態を確実に保持するものである。
【0039】
上記の基本構造を実現する本実施形態のペニスコネクター及びこれが適用される男性用体液処理用品の基本的形態としては、次のようなバリエーションが考えられる。
まず、ペニスに取り付けるペニスコネクターの構造としては次の4種類がある。
1.弾性を有する板状の本体にペニスを挿入するスリットが形成されたスリット式
2.弾性を有する板状の本体にペニスを挿入する開口(孔)が形成された開口式
3.ペニスが挿入される弾性を有する筒状の本体を備えた導入式
4.1本の帯状の本体をペニスに巻き付けて固定する開閉式
【0040】
次に、上記のペニスコネクターをペニスに固定した後、このペニスコネクターを男性用体液処理用品に取り付けるわけであるが、ペニスコネクターと男性用体液処理用品の固定構造としては次の3種類がある。
1.男性用体液処理用品に固定手段としての結束バンドが設けられ、これをペニスコネクターにかけ回して結束して固定するバンド方式
2.ペニスコネクターに固定手段として接合層が設けられ、これを男性用体液処理用品に接合して固定するシール方式
3.導入式のペニスコネクターにおいて、その先端にストッパー(かえし、引っ掛かり等として機能する構造部分)が設けられ、男性用体液処理用品の挿入口に挿入すると引き抜き動作に対するストッパーとなるストッパー方式
【0041】
以上、本実施形態の主要機能を実現するペニスコネクターと男性用体液処理用品の構造をいくつかに分類して簡単に説明したが、以下においては、上記4つの構造分類ごと、固定構造ごとに、さらに具体的なペニスコネクターの実施形態について説明する。
【0042】
1.スリット式のペニスコネクター(図1〜図3)
(1)バンド方式
図1(a)は、本例のペニスコネクターが適用される男性用体液処理用品1の正面図(着用者の体に接する側の面を見る図)である。この男性用体液処理用品1は、左右一対のウイング状の側部2,2を備えた袋体である袋部3を有している。袋部3は不織布とフィルムの積層体から構成され、内部に放出された体液を外に漏らさないような構造となっている。袋部3の内部には、各側部2ごとに体液の吸収体4が設けられている。袋部3の正面中央にはペニスの挿入口5が設けられ、袋部3の内部に連通している。挿入口5は細長い長円形又は両端が半円形の細長い矩形状である。袋部3の正面側には、前記挿入口5を囲んで結束手段として一対の結束バンド6,6が設けられている。結束バンド6は、1枚の帯状のシートの一端を二股状にカットして形成したものであり、該シートは挿入口5の周囲に沿って貼り付けられ、挿入口5の補強材を兼ねている。結束バンド6の先端部の片面には接合層7が設けられ、袋部3の表面に対して着脱可能に接合できるようになっている。ここで、で接合層7は、男性用体液処理用品に対して接合(所要の強度で一体化すること)と分離が可能な機能を有しており、男性用体液処理用品に接合する粘着層や、多数の微少な係止部材と被係止部材の引っ掛かりにより二面の接合が行われる面ファスナー等が採用できる。
【0043】
図1(b)に示すように、本例のスリット式のペニスコネクター10は、板状の本体11の略中央にスリット12を形成したものであり、その材質はスポンジ等の人体にソフトで弾性を有し、かつ人体に対してある程度の摩擦を生じるようなものであるため、男性用体液処理用品1の着用者のペニスPに挿入すれば細いスリット12とペニスPとの摩擦で抜けにくく、該ペニスPに着脱可能な状態で固定することができる。その固定力は、着用者に過度の圧迫感や締め付けによる苦痛を与えず、固定に違和感のない程度のものであって、かつ後述する男性用体液処理用品1に対する位置決めの際の固定手段としての十分機能し、着用者の日常的な動作に伴って外れることのない程度のものである。
【0044】
図1(c)に示すように、着用者のペニスPを男性用体液処理用品1の挿入口5に挿入した状態で、男性用体液処理用品1の結束バンド6を前記ペニスコネクターの本体11の着用者側に引っ掛けて巻きつけ、その各先端の接合層6を男性用体液処理用品1の袋部3に接合して固定する。これによって着用者のペニスPとペニスコネクター10と男性用体液処理用品1が一体となり、着用者のペニスPは男性用体液処理用品1の挿入口5に正規の状態(ペニスからの排尿を漏れなく男性用体液処理用品1が受け入れることができ、かつペニスが挿入口5から容易には外れないような状態)に挿入されて保持され、着用者が着席・起立動作を繰り返しても男性用体液処理用品1に対するペニスPの位置がずれたり、挿入口5から外れてしまう等の不都合は生じない。また、仮に位置が若干ずれても、本体11の弾性によって元の位置に戻る復元性を有する。
なお、男性用体液処理用品1の背面(着用者の体に接する側と反対の面)側には接合層があり、着用者が着用するパンツ等の下着の内面に固定することができる。
【0045】
図2は本体11a〜11g及びスリット12a〜12gの形状例を示している。
本体の外形は図2(a)に示すような三角形でもよいし、同図(b)、(c)、(d)、(e)に示すような正方形(矩形)でもよいし、同図(f)に示すような円形でもよいし、また同図(g)に示すように四方にフランジ13が張り出した略十字形状でもよい。もちろん、ここに示した形状以外の形状でもよい。いずれの形状においても、本体の周縁が前記結束バンド6が係止するフランジ部として機能するが、特に同図(e)に示すように本体11eの外縁に切欠14が形成されていると、左右の結束バンド6をペニスコネクターの本体11eに掛け回す位置が正確に規制されるとともに、結束バンド6を掛け回した際に該結束バンド6が該切欠14に食い込んで男性用体液処理用品1とペニスコネクター10eとの係合一体化が一層確実になる。また、同図(g)に示す略十字形状のペニスコネクター10gによればフランジ13のためにスリット12gから周縁までの寸法を他のものよりも長くとれるので結束バンド6の係止をより確実にできる。
【0046】
スリットの形状乃至パターンは、図2(b)に示すスリット12bのように1本でもよいし、図2中のその他の分図に示すように複数本を放射状に形成したものでもよい。1本のスリットの場合は、本体に対する単なる切り込みでもよいが、ペニスPを挿入する際の抵抗が大きければ、図2(b)に示すように中央部で最大となるような開口幅をもたせた開口溝状のスリット12bとしてもよい。放射状に配した複数本のスリット12a,12c,12d,12e,12f,12gの場合には、複数のスリットによって形成される複数の三角形状の片部の表面が、スリットに挿入された着用者のペニスPに面で接触して適度な抜け止めとなる。
【0047】
(2)シール方式
図3(a)に示すように、本例のペニスコネクター10hの本体11hは、弾性材料からなる板状で略台形状の外形を呈しており、一対の平行辺のうち、図中下側の短い平行辺に近接して複数本のスリット12hが放射状に形成されている。そして、図中上側の長い平行辺に近接してこれと平行に所定幅で固定手段としての接合層15が形成されている。
【0048】
図3(a)に示す例によれば、スリット12hに着用者のペニスPを挿入して固定し、次に着用者のペニスPを男性用体液処理用品1の挿入口5の下側に寄った位置から挿入し、前記接合層15を男性用体液処理用品1に接合させることによって、着用者のペニスPとペニスコネクター10hと男性用体液処理用品1が一体となる。着用者のペニスPは男性用体液処理用品1の挿入口5の下側から正規に挿入された状態に保持され、着用者が着席・起立動作を繰り返しても男性用体液処理用品1に対するペニスPの位置がずれたり、挿入口5から外れてしまう等の不都合は生じない。さらに、男性用体液処理用品1の挿入口5の上側の部分は、このペニスコネクター10hのスリット12hの上方の半部(接合層15がある部分)によって覆われるので、袋部3内から挿入口5を経て液や臭いが漏れることは確実に防止される。
【0049】
図3(b)に示す本例のペニスコネクター10jは、図3(a)のペニスコネクター10hを2枚用意し、これらを互いに短い平行辺でいったいに結合したような中央部がくびれた形状の本体11jを有している。この中央部に複数本のスリット12jが放射状に設けられており、上半部と下半部にはそれぞれ接合層15,15が設けられている。
【0050】
図3(b)に示す例によれば、スリット12jに着用者のペニスPを挿入して固定し、次に着用者のペニスPを男性用体液処理用品1の挿入口5の中央から挿入し、前記接合層15,15を男性用体液処理用品1に接合させることによって、着用者のペニスPとペニスココネクター10jと男性用体液処理用品1が一体となる。着用者のペニスPは男性用体液処理用品1の挿入口5の中央から正規に挿入された状態に保持され、着用者が着席・起立動作を繰り返しても男性用体液処理用品1に対するペニスPの位置がずれたり、挿入口5から外れてしまう等の不都合は生じない。さらに、男性用体液処理用品1の挿入口5の上側及び下側の各部分は、このペニスコネクター10jのスリット12jの上半部及び下半部(接合層15がある部分)によってそれぞれ覆われるので、袋部3内から挿入口5を経て液や臭いが漏れることは確実に防止される。
このように、図3に示すペニスコネクターによれば、男性用体液処理用品1の挿入口5に対するペニスPの挿入及び固定位置を調整でき、さらに挿入に必要な開口以外はペニスコネクター自体で閉止して液漏れや臭い漏れを防止することができる。
【0051】
2.開口式のペニスコネクター(図4)
(1)バンド方式
図4は、結束手段が設けられた男性用体液処理用品1の着用に用いられる開口式のペニスコネクター20を示す図である。開口式のペニスコネクター20は、着用者のペニスPよりも細い(ペニスPの外径よりも小さい内径の)開口22が形成された板状の本体21を有している。本体21は、図4(a)に示すように円形の本体21aでもよいし、同図(b)のように正方形(矩形)の本体21bでもよいし、同図(c)のように三角形の本体21cでもよく、その他の形状でもかまわない。着用に当たっては、開口21a,21b,21cに着用者のペニスPを挿入して固定するとともに、着用者のペニスPを男性用体液処理用品1の挿入口5に挿入した状態で、結束バンド6を本体21a,21b,21cの着用者側に引っ掛けて巻きつけ、その各先端の接合層7を男性用体液処理用品1の袋体に接合して固定する。
本例によっても、スリット式の場合と略同様の作用効果を得ることができる。
【0052】
(2)シール方式
図示はしないが、図3に示したスリット式の例において、スリットを図4に示すような円形の開口とすることもできる。このような開口式、シール方式のペニスコネクターによれば、図3のペニスコネクターと略同様の作用効果を得ることができる。
【0053】
3.導入式のペニスコネクター(図5〜図8)
(1)バンド方式
図5は、結束手段が設けられた男性用体液処理用品1の着用に用いられる導入式のペニスコネクター30aを示す図である。導入式のペニスコネクター30aは、着用者のペニスPが挿入されて先端から突出する実質的に筒状の本体31aと、該本体31aの基端に設けられたフランジ部32aを有している。着用者のペニスPを本体31aに挿入してペニスPの先端を本体31aの先端から突出させ、男性用体液処理用品1の挿入口5にペニスPの先端及び本体31aの先端を挿入し、この状態で結束バンド6をフランジ部32aの着用者側に引っ掛けて巻きつけ、その各先端の接合層7を男性用体液処理用品1の袋体に接合して固定する。
本例によっても、スリット式、開口式の場合と略同様の作用効果を得ることができる。
【0054】
(2)シール方式
図示はしないが、図5に示したバンド方式の導入式ペニスコネクター30aにおいて、フランジ部32aの前面(男性用体液処理用品1に面する側)に図3に示したような固定手段としての接合層を設けることもできる。例えば、接合層はフランジ部32aの形状に合せてリング状等に配することができる。これによれば、図3に示したシール方式のスリット式のペニスコネクター10h,10jと略同様の作用効果を得ることができる。
【0055】
(3)ストッパー方式
図6から図8は、男性用体液処理用品1に対する固定手段として本体の先端にストッパーを備えたストッパー方式の導入式ペニスコネクターを示す図である。
図6(a)は本例の導入式のペニスコネクターを適用できる男性用体液処理用品1’の正面図である。その構造は、図1に示した男性用体液処理用品1から結束バンド6を除き、挿入口5の裏側に補強用のシート8を設けたものである。対応する部分には図1と同様の符号を付して説明を省略する。
【0056】
図6(b)に示すように、本例のペニスコネクター30bは、着用者のペニスPが挿入されて先端から突出する実質的に筒状の本体31bと、該本体31bの基端に設けられたフランジ部32bと、本体31bの先端に設けられて本体31bよりも外径が拡大した小フランジ状の係止部であるストッパー33bとを有している。図6(c)に示すように、着用者のペニスPを本体31bに挿入してペニスPの先端を本体31bの先端から突出させ、男性用体液処理用品1の挿入口5にペニスPの先端が突出した本体31bの先端を挿入する。この状態では、ペニスP及び本体31bを挿入口5から引き抜くような力が加わっても、本体31bの先端のストッパー33bが挿入口5に引っ掛かるので抜けることはない。従って、以上説明した各例と同様、男性用体液処理用品1の挿入口5に挿入したペニスPの位置固定、男性用体液処理用品1の挿入口5からのペニスPのずれ防止が確実であり、また位置ずれした場合の復元性も有している。
【0057】
図7は、ストッパーの変形例を示している。図7(a)に示すペニスコネクター30cの本体31cに設けられたストッパー33cは、本体31cの先端に設けられた本体31cより径の大きい環状の部材である。図7(b)に示すペニスコネクター30dの本体31dに設けられたストッパー33dは、本体31dの先端に設けられた本体31dより径の大きい貫通した略円錐台状の部材である。いずれのストッパー33c,33dでも図6の例と略同様の作用効果を得ることができる。
【0058】
図8に示すペニスコネクター30eは、図6の例と同様、着用者のペニスPが挿入されて先端から突出する実質的に筒状の本体31eと、該本体31eの基端に設けられた大径のフランジ部32eと、本体31eの先端に設けられて本体31eよりも外径が拡大した小径のフランジ状の係止部であるストッパー33eとを有している。大径のフランジ部32eの外径D2と、ストッパー33eの外径D1との関係は、一般的にはD1≦D2である。また本体の長さLは、着用者のペニスPのサイズに応じて定めることができる。
【0059】
図9は、男性用体液処理用品1の挿入口5の形状の変形例を示している。以上説明した各例では、図9(a)に示すような形状であったが、図9(b)に示すように挿入口もスリット9で構成すれば、さらにペニスPの固定が良くなり、位置ずれが生じにくく、また液漏れや臭い漏れも起こりにくい。
【0060】
4.開閉式のペニスコネクター(図10〜図20)
(1)バンド方式
図10及び図11は、開閉式のペニスコネクター40を示す図である。開閉式のペニスコネクター40は、着用者のペニスPの根元に巻装される帯状の本体41と、該本体41の一対の端部相互を結合する結合手段43と、本体41に設けられて固定手段の一部として機能するフランジ部42を有する。帯状の本体41は、ペニスPに巻き付けた際にすべりが生じずに固定されるような材質(摩擦のある素材)から構成され、この帯状の本体41をペニスPに巻き付けた後に環状に結合する結合手段43としては、粘着材、ループとフック、メカニカルコネクター等が利用可能である。また、本体41に設けられるフランジ部42は、本例では本体41から突出して設けられる張り出し状の片部(フラップ)を意味する部材であって、本体41よりもやや硬めの素材でできている。このフランジ部42は、本例のようなバンド方式の場合は、図12に示すようにペニスPに装着した際に着用者に近い側の縁辺に取り付けられている。
【0061】
これを装着する場合には、本体41を着用者のペニスPに巻装して結合手段43で固定するとともに、図12に示すように着用者のペニスPを男性用体液処理用品1の挿入口5に挿入し、さらに男性用体液処理用品1の結束バンド6を前記フランジ部42の後方(着用者側)に掛け回して男性用体液処理用品1に接合し、着用者のペニスPをペニスコネクター40を介して男性用体液処理用品1に正規の状態で取り付け、固定することができる。その他、以上説明したバンド方式の場合と同等の作用効果を得ることができる。
【0062】
図13は、開閉式である本例の他のペニスコネクター40aを示す図である。このペニスコネクター40aは、着用者のペニスPの根元に巻装される帯状の本体41と、該本体41の一対の端部相互を結合する結合手段43を有するが、前例のようなフランジ部はない。本体41の材質や結合手段43は前例と同様であるが、特に厚さ3mm程度のポリウレタンフォームなどは適している。このペニスコネクター40aをペニスに巻き付けて装着するには、図13に矢印に沿って巻き付け手順を示すように、本体41の矩形の両端部を角が一致するように重ね合せて結合手段43で結合し、この結合した部分が図示のように三角形状の突出部44になるとともに、ペニスの先端側にあたる側の開口が小径となり、ペニスの根元側にあたる反対側が大径となり、ペニスに巻き付けて装着した際にはペニスの先端から根元に向けて径が拡がり、三角形状の突出部44が根元側を向くようにする。
【0063】
図14は、この開閉式のペニスコネクター40aを用いて男性用体液処理用品1を装着した状態を示す図である。装着においては、図13を参照して上述したように本体41をペニスPの先端から根元に向けて径が拡がるとともに三角形状の突出部44が根元側を向くようにペニスPに巻装して結合手段43で固定するとともに、着用者のペニスP及び本体41の前半部分を男性用体液処理用品1の挿入口5に挿入し、さらに男性用体液処理用品1の結束バンド6を前記三角形の突出部44の後方(着用者側)に掛け回して男性用体液処理用品1に接合し、着用者のペニスPをペニスコネクター40aを介して男性用体液処理用品1に正規の状態で取り付け、固定する。結束バンド6は、着用者の側に向けて突出した突出部44に掛け回されているので、外れにくく、装着は確実である。
【0064】
(2)シール方式
図15に示す本例のペニスコネクター40bは、上述し、図11に示したバンド方式のものにおいて、前記フランジ部42の男性用体液処理用品1に対向する面に図示しない接合層を設けたものである。これを用いて男性用体液処理用品1を装着する場合には、本体41を着用者のペニスPに巻装して結合手段43で固定するとともに、図15に示すように着用者のペニスPを男性用体液処理用品1の挿入口5に挿入し、さらに前記フランジ部42の接合層を男性用体液処理用品1の挿入口5付近に接合し、着用者のペニスPをペニスコネクター40bを介して男性用体液処理用品1に正規の状態で取り付け、固定する。これによってペニスPが挿入された挿入口5の残った開口部分を閉止して液漏れや臭い漏れを防ぐことができる。その他、以上説明したシール方式の場合と同等の作用効果を得ることができる。
【0065】
図16に示す本例のペニスコネクター40cは、上述し、図13に示したペニスコネクター40aにおいて、結合手段42で結合した一対の端部の表側(三角形状の突出部44の表側)に図示しない接合層を設けたものである。これを装着する場合には、本体41を着用者のペニスPに巻装して結合手段43で固定するとともに、図16に示すように着用者のペニスPとペニスコネクター40cの前半部を男性用体液処理用品1の挿入口5に挿入し、さらに本体41の突出部44の表側に設けた接合層を男性用体液処理用品1の挿入口5付近に接合し、着用者のペニスPをペニスコネクター40cを介して男性用体液処理用品1に正規の状態で取り付け、固定する。本例によっても、以上説明したシール方式の場合と同等の作用効果を得ることができる。
【0066】
(3)ストッパー方式
図17に示す本例のペニスコネクター40は、上述し、図11に示したフランジ部42がペニスの根元側についているバンド方式のペニスコネクター40において、前記フランジ部42をストッパーとして用いるものである。これを用いて男性用体液処理用品1を装着する場合には、本体41を着用者のペニスPに巻装して結合手段43で固定するとともに、着用者のペニスPを男性用体液処理用品1の挿入口5に挿入するとともに、前記ペニスコネクター40のフランジ部42も挿入口5に挿入する。これによって着用者のペニスPをペニスコネクター40を介して男性用体液処理用品1に正規の状態で取り付け、固定することができる。従って、着用者の動作によってペニスPが挿入口5から引き抜かれるような力が加わったり、男性用体液処理用品1がずれ動いても、フランジ部42がストッパーとなって挿入口5の内部周辺に引っ掛かかり、外れることがない。その他、以上説明したストッパー方式の場合と同等の作用効果を得ることができる。
【0067】
図18に示す本例のペニスコネクター40aは、上述し、図13に示したペニスコネクター40aにおいて、前記三角形の突出部44をストッパーとして用いるものである。これを用いて男性用体液処理用品1を装着する場合には、本体41を着用者のペニスPに巻装して結合手段43で固定するとともに、着用者のペニスPを男性用体液処理用品1の挿入口5に挿入するとともに、前記本体41の少なくとも前記三角形の突出部44を挿入口5に挿入する。これによって着用者のペニスPをペニスコネクター40aを介して男性用体液処理用品1に正規の状態で取り付け、固定することができる。従って、着用者の動作によってペニスPが挿入口5から引き抜かれるような力が加わったり、男性用体液処理用品1がずれ動いても、前記三角形の突出部44が挿入口5の内部周辺に引っ掛かって外れることがない。その他、以上説明したストッパー方式の場合と同等の作用効果を得ることができる。
【0068】
図19に示す本例のペニスコネクター40dは、上述し、図11に示したペニスコネクター40において、フランジ部42が、図20に示すようにペニスPに装着した際に男性用体液処理用品1に近い側(ペニスの先端側)の縁辺に取り付けられている。これを用いて男性用体液処理用品1を装着する場合には、本体41を着用者のペニスPに巻装して結合手段43で固定するとともに、着用者のペニスPを男性用体液処理用品1の挿入口5に挿入するとともに、ペニスの先端及び前記本体41の少なくともフランジ部42を挿入口5に挿入する。これによって着用者のペニスPをペニスコネクター40dを介して男性用体液処理用品1に正規の状態で取り付け、固定することができる。従って、図20に示すように、着用者の動作によってペニスPが挿入口5から引き抜かれるような力が加わったり、男性用体液処理用品1がずれ動いても、フランジ部42が挿入口5の内部周辺に引っ掛かって外れることがない。その他、以上説明したストッパー方式の場合と同等の作用効果を得ることができる。
【0069】
開閉式におけるストッパー方式の他のバリエーションとしては、帯状の本体を一巻でなく、ペニスに複数回巻いてある程度の高さ(厚み)を構成し、ペニスPを男性用体液処理用品1の挿入口5に挿入する際にこの複数回巻いた本体の部分をも挿入口5から男性用体液処理用品1内に挿入し、ストッパーとして機能させることもできる。
【0070】
4.その他
以上1〜3では説明しなかったが、スリット式のペニスコネクターにおいて、板状の本体の前面(男性用体液処理用品1に対面する側の面)にスリットの周囲を囲むように短い管を取り付け、さらにこの管の先端に外方に張り出したフランジを設けてなるストッパーを取り付け、男性用体液処理用品1に対する固定構造に前記ストッパー方式を採用することも可能である。開口式のペニスコネクターについても同様である。
【0071】
なお、以上説明した各例では、本発明のペニスコネクターが適用できる男性用体液処理用品1,1’として、図1(a)及び図6(a)に示すように、左右一対のウイング状の側部2を備えた袋部3を有し、その袋部3に挿入口5があって内部に吸収体4が設けられているものを挙げた。しかし、袋部3の形状はウイング状の側部2の有無に係わらず、いかなるものでもよいし、その内部に設けられている吸収体4の材質や配置等にも特に限定はない。要するに、体液を収納可能な袋状の本体にペニスを挿入する挿入口5が設けられた基本構造を有するものであれば、下着から独立した製品でも、下着と一体化した製品でも、ペニスを該挿入口5に正規に位置決めして保持させるための器具として本発明のペニスコネクターは有効である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1(a)は本発明のペニスコネクターが適用可能な男性用体液処理用品の正面図(着用者に接する側の面を表す図)、同図(b)は本例のスリット式のペニスコネクターをペニスに着装した状態を示す断面図、同図(c)は本例のスリット式のペニスコネクターによりペニスに男性用体液処理用品を着装した状態を示す断面図である。
【図2】バンド方式で固定する本例のスリット式のペニスコネクターの変形例を示す図である。
【図3】シール方式で固定する本例のスリット式のペニスコネクターの変形例を示す図である。
【図4】バンド方式で固定する本例の開口式のペニスコネクターの変形例を示す図である。
【図5】(a)はバンド方式で固定する本例の導入式のペニスコネクターを示す斜視図、同図(b)は断面図である。
【図6】図6(a)は本発明のペニスコネクターが適用可能な男性用体液処理用品の正面図(着用者に接する側の面を表す図)、同図(b)は本例の導入式のペニスコネクターをペニスに着装した状態を示す断面図、同図(c)は本例の導入式のペニスコネクターによりペニスに男性用体液処理用品を着装した状態を示す断面図である。
【図7】ストッパー方式で固定する本例の導入式のペニスコネクターの変形例を示す図である。
【図8】ストッパー方式乃至バンド方式で固定する本例の導入式のペニスコネクターの斜視図である。
【図9】本例のペニスコネクタが適用される男性用体液処理用品の挿入口5の径条例を示す図である。
【図10】第1例の開閉式のペニスコネクターを示す図である。
【図11】第1例の開閉式のペニスコネクター及びその巻装状態を示す図である。
【図12】第1例の開閉式のペニスコネクターによりペニスに男性用体液処理用品を着装した状態を示す断面図である。
【図13】第2例の開閉式のペニスコネクター及びその巻装手順を示す図である。
【図14】第2例の開閉式のペニスコネクターによりペニスに男性用体液処理用品を着装した状態を示す断面図である。
【図15】第3例の開閉式のペニスコネクターによりペニスに男性用体液処理用品を着装した状態を示す断面図である。
【図16】第4例の開閉式のペニスコネクターによりペニスに男性用体液処理用品を着装した状態を示す断面図である。
【図17】第1例の開閉式のペニスコネクターをストッパ式に用いてペニスに男性用体液処理用品を着装した状態を示す断面図である。
【図18】第2例の開閉式のペニスコネクターをストッパ式に用いてペニスに男性用体液処理用品を着装した状態を示す断面図である。
【図19】第5例の開閉式のペニスコネクター及びその巻装状態を示す図である。
【図20】第5例の開閉式のペニスコネクターを用いてペニスに男性用体液処理用品を着装した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0073】
1,1’ 男性用体液処理用品
3 袋部
4 吸収体
5 挿入口
6 結束手段としての結束バンド
7 接合層
9 挿入口としてのスリット
10 スリット式のペニスコネクター
11 本体
12 スリット
13 フランジ
15 固定手段としての接合層
20 開口式のペニスコネクター
21 本体
22 開口
30 導入式のペニスコネクター
31 本体
32 フランジ部
33 ストッパー
40 開閉式のペニスコネクター
41 本体
42 フランジ部
43 結合手段
44 突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者のペニスを挿入する挿入口と体液の吸収体を有する袋部を備えた男性用体液処理用品の着用に用いられるペニスコネクターにおいて、
前記着用者のペニスに着脱可能に固定されるとともに、前記着用者のペニスが前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入された状態で前記男性用体液処理用品に着脱可能に固定されることにより、前記着用者のペニスが前記男性用体液処理用品の前記挿入口に正規に挿入された状態を保持するペニスコネクター。
【請求項2】
結束手段が設けられた前記男性用体液処理用品の着用に用いられ、
スリットが形成された板状の本体を有し、前記スリットに前記着用者のペニスを挿入して固定するとともに、前記着用者のペニスを前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入した状態で前記結束手段を前記本体の前記着用者側に係止させることを特徴とする請求項1記載のペニスコネクター。
【請求項3】
スリットが形成されるとともに前記男性用体液処理用品側には接合層が設けられた板状の本体を有し、前記スリットに前記着用者のペニスを挿入して固定するとともに、前記着用者のペニスを前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入した状態で前記接合層を前記男性用体液処理用品に接合させることを特徴とする請求項1記載のペニスコネクター。
【請求項4】
結束手段が設けられた前記男性用体液処理用品の着用に用いられ、
前記着用者のペニスよりも細い開口が形成された板状の本体を有し、前記開口に前記着用者のペニスを挿入して固定するとともに、前記着用者のペニスを前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入した状態で前記結束手段を前記本体の前記着用者側に係止させることを特徴とする請求項1記載のペニスコネクター。
【請求項5】
前記着用者のペニスよりも細い開口が形成されるとともに前記男性用体液処理用品側には接合層が設けられた板状の本体を有し、前記開口に前記着用者のペニスを挿入して固定するとともに、前記着用者のペニスを前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入した状態で前記接合層を前記男性用体液処理用品に接合させることを特徴とする請求項1記載のペニスコネクター。
【請求項6】
結束手段が設けられた前記男性用体液処理用品の着用に用いられ、
前記着用者のペニスが挿入されて先端から突出する実質的に筒状の本体と該本体の基端に設けられたフランジ部を有し、前記着用者のペニスを前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入した状態で前記結束手段を前記フランジ部に係止させることを特徴とする請求項1記載のペニスコネクター。
【請求項7】
前記着用者のペニスが挿入されて先端から突出する実質的に筒状の本体と該本体の基端に設けられたフランジ部と前記フランジ部の前記男性用体液処理用品側に設けられた接合層を有し、前記着用者のペニスを前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入した状態で前記接合層を前記男性用体液処理用品に接合させることを特徴とする請求項1記載のペニスコネクター。
【請求項8】
前記着用者のペニスが挿入されて先端から突出する実質的に筒状の本体と該本体の先端に設けられた係止部を有し、前記着用者のペニスを前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入することにより前記係止部を前記男性用体液処理用品の前記挿入口に係止させることを特徴とする請求項1記載のペニスコネクター。
【請求項9】
結束手段が設けられた前記男性用体液処理用品の着用に用いられ、
前記着用者のペニスに巻装される帯状の本体と該本体の一対の端部を結合する結合手段とを有し、前記本体を前記着用者のペニスに巻装して前記結合手段で固定するとともに、前記着用者のペニスを前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入した状態で前記結束手段を前記本体側に係止させることを特徴とする請求項1記載のペニスコネクター。
【請求項10】
前記着用者のペニスに巻装される帯状の本体と該本体の一対の端部を結合する結合手段と前記本体に設けられた接合層を有し、前記着用者のペニスを前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入した状態で前記接合層を前記男性用体液処理用品の表側に接合させることを特徴とする請求項1記載のペニスコネクター。
【請求項11】
前記着用者のペニスに巻装される帯状の本体と該本体の一対の端部を結合する結合手段とを有し、前記着用者のペニス及び前記本体の一部を前記男性用体液処理用品の前記挿入口に挿入することにより前記本体の一部を前記男性用体液処理用品の前記挿入口に係止させることを特徴とする請求項1記載のペニスコネクター。
【請求項12】
前記接合層を前記男性用体液処理用品に接合させることにより、前記本体又は前記フランジ部によって前記男性用体液処理用品の前記挿入口を閉止することを特徴とする請求項3又は5又は7又は10記載のペニスコネクター。
【請求項13】
前記本体が弾性を有する材料から構成されることを特徴とする請求項2乃至10のペニスコネクター。
【請求項14】
前記スリットは、前記本体に形成した外縁に達しない1本の切り込みであり、前記切り込みに近接した前記本体の表面が前記スリットに挿入された前記着用者のペニスに接触して抜け止めとなることを特徴とする請求項2又は3記載のペニスコネクター。
【請求項15】
前記スリットは、前記本体に放射状に形成された複数の前記切り込みにより構成されており、複数の前記切り込みによって形成される複数の片部の表面が前記スリットに挿入された前記着用者のペニスに接触して抜け止めとなることを特徴とする請求項2又は3記載のペニスコネクター。

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−115926(P2006−115926A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−304454(P2004−304454)
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【出願人】(592034744)株式会社日本吸収体技術研究所 (28)
【Fターム(参考)】