説明

ホログラフィックストレージ媒体に記録する方法およびシステム

1つの局面および例に従うと、ホログラフィック媒体および/またはホログラフィックマスタデータを記録する方法は、少なくとも第一のホログラムまたは第一のホログラフィック媒体(例えば、「サブマスタ」)を用いて情報レイヤを記録することと、少なくとも第二のホログラフィック媒体(例えば、第二の「サブマスタ」)を用いて第二の情報レイヤを記録することとを含む。次いで、第一のホログラフィック媒体および第二のホログラフィック媒体からの第一の情報レイヤおよび第二の情報レイヤは、単一のホログラフィックマスタ媒体(例えば、「マスタ」)を用いて、連続して再構築および格納される。次いで、ホログラフィック媒体は、格納された第一の情報レイヤおよび第二の情報レイヤを、追加のホログラフィック媒体、例えば、HROMデバイスなどに記録するために使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2003年9月8日に出願され「METHODS FOR IMPLEMENTING PAGE BASED HOLOGRAPHIC ROM RECORDING AND READING」と題され、先に出願された米国特許出願第10/658,055号の一部継続出願であり、該出願は、2002年11月22日に出願され、「A METHOD FOR IMPLEMENTING A PAGE BASED HOLOGRAPHIC ROM」と題され、先に出願された米国仮出願第60/429,012号の利益を主張する。これらの出願の双方が、本明細書においてそれら全体が参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概してホログラフィックデータストレージ媒体およびシステムに関し、より詳しくは、ホログラフィック媒体を記録および/または読み出す方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の記載)
ホログラフィックデータストレージシステムは、ホログラフィックストレージ媒体において参照光線と干渉する信号光線の概念に基づいて情報またはデータを格納する。信号光線と参照光線との干渉は、データエレメントのホログラフィック表現、すなわちホログラムを、ストレージもしくは記録媒体、例えば、感光性ポリマまたは光屈折クリスタルのボリュームにインプリントされた(imprinted)屈折率および/または吸収性を変更するパターンとして、生成する。物体光線と呼ばれるデータコード化された信号光線を参照光線と結合することは、ストレージ媒体に干渉パターンを生成し得る。例えば、空間的光変調器(SLM)またはリソグラフィックデータマスクは、データコード化された信号光線を生成し得る。干渉パターンは、ホログラムを生成するストレージ媒体の材料変化を引き起こす。
【0004】
ストレージ媒体におけるホログラムの形成は、一般的には、信号光線および参照光線の相対振幅および偏光状態、ならびに信号光線と参照光線との間の位相差の関数である。ホログラムはまた、信号光線および参照光線がストレージ媒体に投影される波長および角度にも依存する。ホログラムがストレージ媒体において作成された後、参照光線をストレージ媒体に投影することは、元のデータコード化された信号光線と相互作用し、元のデータコード化された信号光線を再構築する。再構築された信号光線は、検出器、例えば、CMOS受光器アレイなどによって検出され得る。次いで、復元されたデータは、受光器アレイによって、元のコード化されたデータにデコードされる。
【0005】
基本的なホログラフィックシステムが、図1に図示される。ホログラフィックストレージシステムは、光源110、例えば、コヒーレントな光線を提供するレーザを含む。光線スプリッタ114は、レーザ光線を物体光線と参照光線とに分割するように配置される。物体光線はSLMまたはデータマスク116に配向され、ここで物体光線は2次元画像のとしての情報でコード化され、ミラー118およびレンズ120によって記録ストレージ媒体124に配向され、ここで物体光線は、ミラー130を経由して配向された参照光線と干渉する。複雑な干渉パターンが、ストレージ媒体124に記録され、ここで物体光線と参照光線とが相互作用する。第一の画像またはレイヤが記録された後、システムは、追加の画像がストレージ媒体124に記録されることを可能にするように変更され得る。例えば、参照光線の角度および/または波長を変更することによって、連続的な画像がストレージ媒体124に記録され得る。
【0006】
特定の画像が、画像を格納するために使用されるもとの参照光線に類似する参照光線を用いて記録媒体124から抽出され得る。光は、格納されたホログラムに従ってストレージ媒体124によって回折され、記録媒体124に格納された2次元画像は、レンズ126によって、受光器アレイ128に配向される。
【0007】
ホログラフィック読み出し専用メモリ(ホログラフィックROMまたはHROM)ストレージ媒体は周知である。過去において、ホログラフィック情報は、HROM上の様々な位置を物体光線および参照光線と連続的に整列させて連続的にデータビットを記録することによって、ディスクフォーマットHROMに、増分方法で記録された。例えば、空間的光変調器(SLM)または連続的なデータマスクを通過して与えられる情報を変えることによって、様々な情報が、各連続的な位置に記録され得る。Liu他による「Apparatus and Method for Storing and/or Reading Data on an Optical Disk」と題された特許文献1は、例示的な従来の記録技術の数例を記載し、該文献はその全体が本明細書において参考として援用される。さらに、複数のホログラムは、例えば、波長多重化、角度多重化、シフト多重化、共焦点多重化または他の多重化技術を介して、仮想画像レイヤにスタックされ得る。スタック内の各ホログラムは、情報のページを備え得、ここで「ページ」は、例えば、2048×2048アレイまたは10×10アレイのような、共に格納されたビットまたは画素データの集合である。Daiber他による「Volume Track Definition for Data Storage Media Used to Record Data by Selective Alternation of a Format Hologram」と題された特許文献2は、例示的な従来の体積記録技術の数例を記載して、該文献はその全体が本明細書において参考として援用される。さらに、記録技術およびHROMのビットワイズな検索を記載する別の参考文献は、Sony CorporationのErnest Chuang他によって、米国ハワイにおいて2002年7月8日に発表された「Holographic ROM System for High Speed Replication」を含む。
【0008】
ホログラムを記録するこのような方法の1つの欠点は、位置ごとのベースで、またはビットごとのベースで情報を増分的に記録するために、かなりの時間が必要とされることである。それゆえ、記録プロセスの改善が提案され、ここにおいてホログラフィック画像または情報の「レイヤ」は、ストレージ媒体全体にわたって同時に記録される。例示的な方法は、情報を用いてコード化された透過光学媒体、例えば、透過リソグラフィックデータマスクを通過する平面波を当てることにより、平面波物体光線/信号光線を生成することを含む。コード化された平面波物体光線は、ストレージ媒体の1つの面を照明する。例えば、円錐形の平面波参照光線は、ホログラフィックストレージ媒体の反対の面を照明し得る。物体光線と参照光線とは、ホログラフィックストレージ媒体内で干渉して、ストレージ媒体内に情報レイヤを生成する。
【0009】
媒体に格納されたデータの読み出しは、データを記録するために使用された同一の参照光線を用いて、または共役読み出し光線(すなわち、反対の方向に伝播される元の参照光線と類似する光線)を用いることによって、続いて達成されて、元の記録の経路を引き返す後方伝播信号光線を再構築し得る。格納された情報は、ビットワイズな様式で、例えば、上で参照されたSony Corporationのアプローチで説明されたように、ある時間に1ビット、またはある時間に数ビット、逐次的な様式で読み出される。システムのピックアップレンズは、読み出し光線を用いて生成されたデータの実像を、互いに対して変換および/または回転し得るホログラフィック媒体および/またはドライブのような適切な受光器上に集束し得る。
【0010】
上記の記録方法の1つの欠点は、情報が、典型的に、ある時間に1ビット、またはある時間に数ビットを逐次的な様式で読み出されることである。従って、相対的に高い並列読み出しレートをより容易に可能にするホログラフィックストレージ媒体を記録する必要性がある。特に、ある時間に少なくとも1ページの情報の並列な読み出し(例えば、並列で多くのビットの読み出す)に対する必要性がある。さらに、ビットごとの読み出しアーキテクチャは、一般的に、合理的な転送レートを得るためにディスクを回転させるインプリメンテーションを限定する。実用的であるために、新しい、よりコンパクトでポータブルなフォーマットを可能にし得るページワイズな読み出しに対する必要性がある。従来の提案された記録方法の別の欠点は、ホログラフィックストレージ媒体、例えば、HROM媒体において複数のデータを整列させ、記録するために必要なアラインメントと時間とを含む。
【特許文献1】米国特許第6,272,095号明細書
【特許文献2】米国特許第6,322,933号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一局面において、ホログラフィックストレージ媒体を記録する方法およびシステムが提供される。この局面の一実施例において、方法は、物体(データマスクまたはSLM)を、物体光線(しばしば「信号」光線と呼ばれる)を用いて照明することと、結果生じる変調された物体光線をホログラフィックストレージ媒体に記録することとを含む。一実施例において、データマスクは、複数のデータページに分割された情報レイヤを含む。参照光線は、ホログラフィックストレージ媒体にさらに伝播されて、ホログラフィックストレージ媒体を用いて、情報レイヤの複数のデータページを並列様式で記録する。
【0012】
別の局面において、物体の画像が増幅されるホログラフィック媒体を記録する方法およびシステムが提供される。一実施例において、システムは、光源と、光源からの物体光線を変調する物体と、変調された光線(例えば、物体の画像)を出力画像に(正または負に)増幅するように適合されたリレーシステムとを含む。参照光線もまた配向されるホログラフィックストレージ媒体に、出力画像は配向されて、結果として生じる干渉パターンを記録する。さらに、リレーシステムは、出力画像を、ホログラフィックストレージ媒体内に配置され得る出力フーリエ平面に集束させる。一実施例において、フィルタが出力フーリエ平面の前に位置する中間フーリエ平面に配置され得る。さらに位相マスクは、一実施例において出力画像の位置に配置され得る。物体は、複数のデータページを備えている情報レイヤを用いて物体光線を変調するように動作するSLMを含み得る。他の実施例において、リレーシステムは、物体光線を増幅することなしに使用され得、中間フーリエ平面または出力画像に配置される位相マスクの利点を提供し得る。
【0013】
本明細書に記載される別の局面において、ホログラフィック媒体および/またはホログラフィックマスタデータマスクを記録する方法およびシステムが提供される。本局面の一実施例において、方法は少なくとも1つの情報レイヤをホログラフィックマスタデータマスクに格納することと、ホログラフィックマスタデータマスクを照明して、格納された情報レイヤを再構築し、該情報レイヤの画像をホログラフィックストレージ媒体に配向することと、参照光線をホログラフィックストレージ媒体に伝播して、該媒体に情報レイヤを記録することとを含む。
【0014】
別の例において、ホログラフィック媒体および/またはホログラフィックマスタデータマスクを記録する方法は、第一のホログラフィック媒体(例えば、「サブマスタ」)を用いて、少なくとも第一のホログラムを記録することと、第二のホログラフィック媒体(例えば、第二の「サブマスタ」)を用いて、少なくとも第二のホログラムを記録することとを含む。次いで、第一のホログラフィック媒体および第二のホログラフィック媒体からの第一のホログラムおよび第二のホログラムは、単一のホログラフィックマスタ媒体(例えば、「マスタ」)を用いて逐次的に再構築され、格納される。次いで、ホログラフィックマスタ媒体は第一のホログラムおよび第二のホログラムをさらなるのホログラフィック媒体、例えば、HROMデバイスなどに格納するために使用され得る。ホログラフィックマスタデータマスクを生成するためにホログラフィックサブマスタを用いる例示的な方法は、格納される情報レイヤの回折効率および最終的なホログラフィックストレージデバイスの増加したストレージ容量に関する利益を提供し得る。
【0015】
本発明の別の局面において、ホログラフィック媒体を読み出す様々な方法が提供される。一実施例において、ホログラフィックストレージ媒体を読み出す方法は、参照光線を提供することと、ホログラフィックストレージ媒体からある距離で配置された検出器を用いてホログラフィックストレージ媒体内の格納された情報を検出することとを含む。一実施例において、ストレージ媒体は、その中に格納された複数のデータページに分割され、該距離の検出器において検出されるように適合される少なくとも1つの情報レイヤを含む(例えば、レンズまたは他の光学素子は読み出しに必要とされ得ない)。
【0016】
本発明は、以下の詳細な記載の考慮の際に、添付の図面および特許請求の範囲と関連するとより良く理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
ホログラフィックストレージ媒体に記録および読み出しをする方法およびシステムが提供される。該媒体は、例えば、ホログラフィック読み出し専用媒体またはHROM媒体を含む。以下の記載は、当業者が様々な例を作成および使用することを可能にするために提示される。特定の技術およびアプリケーションの記載は例としてのみ提供される。本明細書に定義される例に対する様々な修正が当業者にとって容易に明らかであり、本明細書に記載される一般的な原理は、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、他の例およびアプリケーションに適用され得る。従って、本発明は、記載され示される例に限定されることを意図しないが、本明細書に開示される原理および特徴と矛盾しない最大の範囲に一致する。
【0018】
本発明の一局面において、ホログラフィックストレージ媒体上の様々な位置に中心を合わせられた複数のデータページを有する仮想レイヤまたはホログラフィック画像を記録することによって、読み出しが、ページワイズな(page−wise)様式で達成され得るように、データマスクが使用される。一実施例において、各レイヤ内の複数のデータページの並列な記録は、増加したストレージ容量を用いてHROM媒体の高速複製を可能にし、HROM媒体のページワイズな読み出しは、ビットワイズな(bitwise)読み出しよりも速い読み出しレートを可能にする。増加したストレージ容量は、複数のデータページをストレージ媒体に並列に記録することによって増加した回折効率に部分的に起因する。データ転送レートは、CD、磁気ディスクなどのような逐次ストレージデバイスのような媒体を移動させることなしに、データページ全体の並列検出に部分的に起因して増加する。実施例は、高性能カードストレージデバイスを作成するために特に適している;しかしながら、当業者によって認識されるように、実施例は、様々なストレージデバイスおよび構成、例えば、ディスクおよびテープ媒体に適用可能である。
【0019】
本発明の別の局面において、1つ以上のデータマスクは、ホログラフィック媒体に格納されて、ホログラフィックストレージ媒体を記録することに使用するためのホログラフィックマスタデータマスク(本明細書において、時折「マスタ」または「マスタホログラフィック媒体」と呼ばれる)を生成する。一実施例において、ホログラフィックマスタデータマスクは、複数の情報レイヤまたはデータレイヤを用いて製造され、格納されたデータレイヤのうちの1つ以上を、ホログラフィックストレージ媒体、例えば、HROM媒体に記録およびコピーするために使用される。ホログラフィックマスタデータマスクは、複数のデータマスクを移動し整列させる必要性なしに、異なるレイヤを記録する間の向上したアラインメントおよび速度で、様々なデータを抽出するように多重化され得る。さらに、ホログラフィックマスタデータマスクは、VanderLugtセットアップまたは他の変換光学システムを用いて、格納されたデータマスクの準フーリエ変換平面またはその近くに配置され得る。ホログラフィックマスタデータマスクは、フーリエ平面または光学システムの画面またはその近くに記録され得る。これらのシステムにおけるフーリエ変換の位置は、ホログラフィックマスタデータマスクを記録する間に、高次の変換成分を取り除き得、HROMなどを記録する場合の格納されたデータページ間の干渉を減少させ、それにより読み出し性能を向上させ得る。
【0020】
本発明の別の局面において、複数のサブマスタホログラフィック媒体を用いてホログラフィックマスタ媒体を形成するホログラフィック記録方法およびシステムが、提供される。一実施例において、方法は、所望のホログラムのセットを逐次的に複数の別々のホログラフィック媒体、例えば、複数の「サブマスタ」に記録することを含む。その後、サブマスタに記録されたホログラムは、第二のホログラフィックストレージ媒体、「マスタ」にコピーされる。マスタホログラフィック媒体は、さらなるホログラフィックストレージ媒体を複製するためにマスタデータマスクなどとして使用され得る。例示的な方法は、従来の方法およびシステムを介して増加したストレージ容量およびホログラム回折効率を、ホログラフィック媒体に提供し得る。
【0021】
本発明の別の局面において、ホログラフィック記録方法およびシステムは、物体光線経路に配置された光学リレーシステムを含んで、出力物体画像に対して入力物体画像を(正または負に)増幅する。リレーシステムの増幅は、物体画像のサイズを、格納され、適切なホログラフィック媒体から後に再構築される、所望の出力画像サイズまで増幅するように調節され得る。例えば、物体画像は、該物体のそれとは異なる所望のピクセルサイズおよびピッチまで増幅され得る。
【0022】
さらに、リレーシステムを含む例示的な方法およびシステムは、それら自体がさらなる利点(増幅なしで物体画像をリレーする例を含む)を導く。例えば、位相マスクは、出力画面に配置され得る。さらに、一実施例において、リレーシステムの出力画像の光路は、出力フーリエ平面に集束して、中間フーリエ平面は、出力フーリエ平面の前に含まれ得る。(例えば、ポリトピック多重化(polytopic multiplexing)のためのアパーチャを含む)フィルタは、中間フーリエ平面に配置され得、それにより出力フーリエ平面がストレージ媒体内側に配置されることを可能にする。
【0023】
1つ以上のデータマスクがホログラフィック媒体またはホログラフィックマスタデータマスクに格納される、本発明の別の局面において、データページは、波長多重化または角度多重化のような多重化技術を用いて、スタックに多重化される。さらに、データページは、ポリトピック多重化を用いて、空間的にオーバーラップして格納され得る。ポリトピック多重化は、例えば、2003年3月10日に出願され、「A METHOD FOR OVERLAPPING HOLOGRAMS USING LOCATION BASED FILTERING TO SEPARATE OUT THE SIGNAL」と題された、米国特許出願第60/453,529号に記載され、該出願は、本明細書に完全に記述されるかのごとく参考として援用される。
【0024】
以下の記載は、本発明の様々な例および局面を含む。当業者によって認識されるように、様々な例は、単独で使用され得るか、または特定のアプリケーションに依存する様々な他の方法およびシステムと組み合わせて使用され得る。
【0025】
体積ホログラフィは、同一のホログラフィックストレージ媒体の複数のレイヤを多重化するために使用され得る。例えば、第一の透過性マスク媒体またはデータマスクは、第一の情報レイヤを用いてコード化され得、第二の透過性マスク媒体は、第二の情報レイヤを用いてコード化され得る。第一の透過性マスク媒体および第二の透過性マスク媒体からの情報は、例えば、角度多重化技術または波長多重化技術を介して、ホログラフィックストレージ媒体上に多重化され得る。この方法で、それぞれ異なる情報を用いてコード化された複数の透過性マスク媒体は、複数の情報レイヤを生成するために使用され得る。すなわち、ホログラムのスタックが生成され得、ここにおいて、所与のスタックの異なるレイヤに格納された情報は、異なる透過性マスク媒体または連続する透過性マスク媒体によって生成される。スタックにおいて、用語「レイヤ」の使用は、体積ホログラフィック記録することの物理的な実態が、スタック内の全てのホログラムが、同一またはほぼ同一の体積内に存在し、かつ媒体内で物理的に離れたレイヤには存在しないということとする、論理的な説明または用語である。
【0026】
1つの例示的な記録方法において、単一のホログラム画像または情報レイヤに含まれる複数のデータページは、ホログラフィックストレージ媒体の少なくとも一部分に並列に記録される。さらに、複数のレイヤがホログラフィックストレージ媒体に記録されて、データページの複数のスタック(しばしばデータページの「ブック」と呼ばれる)を生成し得る。
【0027】
図2Aは、複数のデータページ210を含む例示的なデータマスク200を図示する。各データページ210は、数百以上の画素数の画素のアレイを含み得る。例えば、各データページ210は、2048×2048のピクセルのアレイを含み得るが、各データページ210の様々なサイズおよび形状が可能である。各データページは、データマスク200およびストレージ媒体内で、数マイクロメートル以上の距離だけ分離され得る。あるいは、例えば、ポリトピック多重化が使用される場合には、データページは以下にさらに詳細に記載するように、ストレージ媒体内にオーバーラップし得る。
【0028】
図2Bは、データマスクによってホログラフィックストレージ媒体に格納され得る複数の情報のデータページ212を有するホログラム画像または仮想情報レイヤ202の例示的な表現を示す。各レイヤ202が、同時にホログラフィック媒体の一部または全てに格納され、共通するレイヤの複数のデータページ212が並列に記録され得る。さらに、複数のレイヤ202は、データページ212と整列し、データページ212のスタック214を形成し得る。ここで1つのスタック214は、全体が矢印によって示される。読み出しの間に検出器は、ストレージ媒体の1つ以上のデータページ212のスタック214およびページワイズな様式で逐次的に検出または読み出しされる各データページ212と整列させ得る。例えば、スタック214の各レイヤ202およびデータページ212は、角度、波長または他の適切な方法によって、媒体に多重化され得、適宜読み出され得る。スタック214の全体が読み出された後、検出器および/または媒体は、平行移動、および/または回転させられ得、検出器を別のスタック214と整列させ得、ページワイズな読み出しは続く。以下に記載される、ポリトピック多重化と呼ばれる別の例において、データページ210は、格納される際、空間的にオーバーラップし得る。
【0029】
複数のデータページ212を含む情報レイヤ202を、ホログラフィックストレージ媒体にわたって格納することは、ホログラフィック媒体のダイナミックレンジをより効率的に利用し得、これにより媒体のストレージ容量を増加させる。一般的に、ストレージ容量および回折効率は、ホログラムの数、この例においては情報レイヤ202が、体積媒体の類似の位置に格納される場合には、減少する。例えば、回折効率は1/mに比例し、ここでmはその中に格納されるホログラムの数である。しかしながら、複数のデータページが媒体に、単一の画像の一部として並列に格納される場合には、ホログラフィックストレージ媒体内に記録される各データページ212に対する減少というよりむしろ、回折効率の減少は、複数のデータページ212の各レイヤ202に対して一度のみ発生する、すなわちm=1である。典型的には、レイヤ202に並列にデータページ212全てを記録することは、媒体の露光の均一性の向上に起因するより高い記録密度および媒体体積のより良好な使用を生じ、かつ可能にする。対照的に、各データページ212がそれ自体によって逐次的に記録される場合には、各データページ212が同時にすなわち並列に記録される場合よりも広い媒体のダイナミックレンジを用いる。ダイナミックレンジにおける違いは、少なくとも部分的に、媒体の伝播を伴い、媒体をより露光する信号光線および参照光線のオーバーラップに起因する。このことが、より効果的な露光を生じさせ、逐次的な記録の間に同一の情報を記録し、並列の記録よりも媒体のより広いダイナミックレンジを使用する。さらに、データページ212の局所的な逐次記録は、レイヤ202全体を並列に記録することに比べると、システムの信号対ノイズ比(SNR)を低下させ得る局所的なバルクインデックス変化を生成し得る。
【0030】
さらに、より速い読み出し時間は、例示的な方法を用いて達成され得る。各レイヤ202の複数のデータページ212を有するホログラフィックストレージ媒体の読み出しの間、システムは検出器をデータページ212またはデータページ212のスタック214と整列させ得、ページワイズな様式でデータページ212を読み出し得、例えば、ここで、各データページ212に格納される情報のアレイが並列に読み出される。一実施例において、検出器は、スタック214と整列し得、データページ214のスタック214全体が、(多重化などを介して)ページワイズに読み出される。次いで、検出器は、ストレージ媒体の別のスタック214に移動して、データページ212を読み出し得る。ページワイズな様式で読み出すことは、読み出しが逐次的またはビットワイズな様式で行われる方法およびシステムに比べて、読み出しレートを実質的に増加し得る。
【0031】
さらに、データページ212を並列に検出することは、ページワイズなエラー補正方法を考慮する。例えば、データページ212の画像を検出することは、様々なエラー補正およびチャネル変調技術を考慮し、検出された信号の復元およびそれらをより高い精度を有するストレージ情報にデコードすることを考慮する。例えば、「MICRO−POSITIONING MOVEMENT OF HOLOGRAPHIC DATA STORAGE SYSTEM COMPONENTS」と題された米国特許出願第10/305,769号は、いくつかのエラー補正方法を記載し、該出願は本明細書においてその全体が参考として援用される。
【0032】
図3は、複数のデータページを含むデータマスク200を、複数のデータページが有利に並列に記録されるホログラフィックストレージ媒体220上に記録する例示的なシステムの一部を図示する。本明細書に示され記載される例示的なシステムは、当業者に認識されるように、様々な追加の光学素子または異なる光学素子、例えば、レンズ、プリズム、アパーチャ、フィルタ、光線スプリッタ、回折格子などを含み得る。しかしながら、明確にする目的で、このような追加の機能は、記載から省略されている。
【0033】
この例において、データマスク200は、光源236によって提供され、光源236によって提供された参照光線240と干渉する物体光線242によって照明される。光源236は、レーザのような任意の適切な光源または他のコヒーレントな光源を含み得る。さらに、物体光線242および参照光線240は、同一の光源または異なる光源によって提供され得る。例示的な記録方法が、反射ジオメトリホログラフィックプロセス構成(対向する側から媒体に入射する物体光線および参照光線)で示され、ここで平面波参照光線は、ホログラフィックストレージ媒体220内部でデータコード化された物体光線と干渉する。例示されるシステムは、当業者によって認識されるように、本明細書に明示的には記載されない、様々な方法で構成され得、様々な他の機能を含み得る。例えば、透過ジオメトリホログラフィプロセスも、データマスク200の情報を格納するためにも使用され得、ここで平面波参照波光線は、媒体220のデータマスク200と同一の側から提供されることが容易に認識されるべきである。さらに、物体光線経路における光学システムは、示されるように単一のレンズ230を含み得るか、レンズを含み得ないか、または複数のレンズを含み得る。
【0034】
この例において、データマスク200は、光源236から物体波242によって照明され。透過システム内を、ホログラフィックストレージ媒体220の中心から距離「d」にある画面222に伝播される。距離dは、正、ゼロ、または負(すなわち点線で示されるストレージ媒体220のもう一方の側)であり得る。画面222は、ストレージ媒体220内にも位置され得る。ホログラフフィックにインプリメントする複数のレイヤ(複数の画面)の1つの利点の可能性は、該レイヤが物理的にストレージ媒体上にある必要がないということである。例えば、現在の多層CD、ニアフィールド、または高NAシステムを用いると、レイヤは媒体上か媒体内側に存在する。データのデータマスク200を画像化または配置することによって、レイヤは、記録の間にデータマスク200画面222がどこに位置するかに依存して、ストレージ媒体220の外側、ストレージ媒体220の内側、またはストレージ媒体220上に配置されているように、検出器またはドライブに見え得る。従って、光がそれを介して進行する基板の量の変化に起因する球面収差の補償という通常の問題は、必須ではあり得ず、一部の例においては、1つまたは複数のピックアップレンズなしに検出され得る。さらに、ストレージ媒体220の外側にデータの画面222を配置することによって、様々な媒体欠陥または汚染の問題、例えば、ダスト、スクラッチなどが軽減され得る。
【0035】
さらに、画像化の場合、レンズシステム230は、マスクの増幅を正(拡大する)または負(収縮する)の両方に変え得る。一実施例において、レンズ230は、画像を10倍だけ縮小する。レンズシステム230は、レンズ、レンズアレイ、プリズム、光線スプリッタなどを含む1つ以上の光学素子を含み得る。さらに、データマスクを媒体の近く、例えば、媒体220から距離dに配置して、この位置で記録することによって、データマスクは、レンズなしで記録され得る。
【0036】
データマスク200は、ホログラフィックストレージ媒体に、任意の適切な方法で伝播され得る。複数のデータマスク200の場合には、逐次的なデータマスク200および201は、各データマスク200、201などが、読み出しの目的で効率的に多重化される手順を利用して、ホログラフィックストレージ媒体に格納され得る。データマスク200の複数のページを並列に記録する一例において、データマスク200は、各データページ210に対するレンズ素子を含むレンズアレイを用いて、媒体220上にフーリエ変換される。
【0037】
データマスク200の複数のデータページを並列に記録する方法は、VanderLugt画像化システムをさらに含み得る。例えば、VanderLugt画像化システムは、一般的に、データマスク200の前にレンズ230を有することにより、データマスク200が集束光線によって照明されることを含むか、またはデータマスク200が集束光線によって照明されるようにデータマスク200の前にレンズ230を有することを特徴とする。以下に記載される図5Aは、例示的なVanderLugt画像化構成を含む。VanderLugtシステムが、ストレージ媒体220がフーリエ変換平面にあるか、該平面近くにあることを可能にし、例えば、位相共役読み出しと共に用いられる場合には、画面がレンズの必要性なしに生成されるという点で、該システムは好ましい。ストレージ媒体220はまた、フーリエ平面近くに配置されることにより、アパーチャが記録の間に高次の変換成分を取り除くことを可能にし得る。さらに、フーリエ変換平面は、特定のアプリケーションに依存して、媒体内に含まれ得るか、または媒体近くに含まれ得る。フーリエ変換平面が媒体内に存在する場合には、フーリエ平面フィルタリングは、リレーシステムの別のフーリエ平面においてなされ得る。さらに、残りの次数の強度に対してDCスポットエネルギを低下させる位相マスクまたは他の素子が含まれて、情報のより良好な記録を可能にし得る。
【0038】
波長多重化の1つの例示的な方法において、光線240、242の波長は変えられ得、異なる情報を有するデータページを有する新しいデータマスク201が格納される。さらに、データマスク201は、(以下に記載されるように)使用され得る1つ以上のレイヤを有するホログラフィックデータマスクを含み得る。一実施例において、調整可能なレーザデバイスが、例えば、波長が、「System and Method for Bitwise Readout Holographic ROM」と題された米国特許出願第10/346,399号に記載されるようにダイオードの温度を調整することによって変更され得、該出願は、本明細書において完全に記載されるかのごとく、参考により援用される。さらに、様々な波長を有する一連の離散レーザ源が使用され得る。システムにおいて様々な波長をインプリメントする他の方法は、電気通信アプリケーションのために開発された技術を含む。例えば、これらは、電気吸収性変調と、波長を変えるためにレーザキャビティ上へのマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)構造の使用とを含む。関心のある中心波長は、350nm〜950nmのどれででもあり得、関心のある現実的なチューニング範囲は、1nmもの小ささであり得る。好ましい調整可能範囲は、約5nmから15nmまでの間である。読み出しレーザは、連続波またはパルス光線を含み得る。パルス光線は、エネルギの使用において、一般的により効率的である。角度多重化はまた、参照光線の入射角を変更することによって、達成され得る。さらに、位相コード多重化、ポリトピック多重化、シフト多重化、相関多重化または他の公知の多重化方法も単独でまたは組み合わせて使用され得る。
【0039】
別の例において、共焦点多重化が、連続する記録データマスク200と201とでの画面222の距離dを変更することによって、インプリメントされ得る。距離dは、再配置デバイスコントローラ232を介して変更され得、該コントローラ232は、データマスク200に垂直な方向、レンズ230の光学軸に沿って、レンズ230を平行移動させ、連続するレイヤ間の距離dの位置を変更する。再配置デバイスは、レンズ230(または複数のレンズ)を平行移動させることが可能で、適切なマイクロプロセッサによって制御される任意の適切なデバイスを含み得る。このことはまた、連続するレイヤ間でマスクを移動させることによっても達成され得る。読み出しの際に、検出器は、再配置デバイスによって同様に変更されて、格納された画像を画像化および検出し得る。例えば、波長多重化のために波長を変え、または共焦点多重化のために検出器の位置を変えること。さらに、共焦点多重化のために、例えば、画面上において、すなわち検出器アレイ上において、または中間画面においてピンホールのアレイのようなフィルタを有し、他の共焦点で格納されたホログラムからノイズを取り除くことが望ましい。これらおよび当該分野で周知の他の多重化方法は、単独でまたは任意の組み合わせでインプリメントされ、ストレージ媒体220内で高密度のストレージおよび容量を達成する。
【0040】
共焦点多重化の利点は、光学システムがほぼテレセントリックである(telecentric)ことを仮定すると、データマスク200が、著しい画質の損失なしで、かつ著しい増幅の変化なしで、例えば、100マイクロメートル以上の距離にわたって移動し得ることである。共焦点顕微鏡に類似するピンホールフィルタを用いて、ピクセル単位で他のデータを取り除くことによって、スタック内の複数のページは様々な深さで記録され得る。このことは、ホログラフィック媒体220に格納され得る密度を著しく増加させ得る。共焦点多重化はまた、Braggベース、例えば、角度、波長、シフトおよび/またはモーメントベースの多重化技術、例えば、フラクタル、アパーチャ、ペリストロピック(peristrophic)多重化技術と結合されて、記録密度を増加させる。
【0041】
データマスク200は、位相マスク、振幅マスクまたは振幅マスクおよび位相マスクの任意の組み合わせを含み得、ここで位相および/または振幅がデータを表す。例えば、バイナリ情報は、(1,0)または(1,−1,0)として格納され得、任意の適切な検出器、例えば、CCD画像センサ、CMOS画像センサまたはエリアアレイセンサのような他の適切なセンサにおいて、1,0として検出され得る。データマスク200は、従来のDVDディスク上で見出される情報と類似の情報を含み得、該情報は、1および0に対応する光点と暗点、データトラックおよびサーボパターン(servo pattern)をデータ内に含む。
【0042】
データマスク200は、当該分野で公知の任意の適切なリソグラフィック方法を介して製造され得る。あるいは、SLMまたはホログラフィックストレージ媒体は、物体光線をコード化するために使用され得る。一実施例において、複数のページを有するレイヤを有する1つ以上のデータマスク200は、ホログラフィック媒体に、ホログラフィックマスタデータマスクとして、ホログラフィックに格納され得、ホログラフィックストレージ媒体、例えば、HROMにデータを格納するために使用され得る。ホログラフィックに格納されたレイヤは、以下にさらに詳細に記載されるように、HROMに画像化され得、複数のページの場合には、HROMに多重化されて、複数のページを有する各ホログラムを格納する。
【0043】
一実施例において、ホログラフィックストレージ媒体220は、高性能カードストレージデバイスなどのようなカード媒体を含み得る。あるいは、ストレージ媒体220は、従来のCDまたはDVD媒体と類似するか、または異なるディスク媒体、テープあるいは光学媒体が製造され得る任意の他の都合の良い形式を含み得る。一般的に、ホログラフィックストレージ媒体220は、保護基板上または保護基板の間に、感光性ポリマを含む。保護基板は、ガラス、サファイア、ポリカーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)またはPMMA、プラスチック、石英、または使用される波長の光を一般的に透過する他の適切な材料から有利に選択され、これはホログラフィックストレージ媒体において十分な機械的特性を有する。あるいは、ストレージ媒体は、カートリッジまたは他の保護構造に少なくとも部分的に囲まれる。
【0044】
感光性ポリマレイヤは、所望の干渉パターンを記録可能な感光性ポリマを含み得る。例示的なホログラフィック媒体の1つは、InPhase Technologiesによって製造されたTapestryTMを含むが、ホログラムを記録可能な任意の体積型(volumetric)媒体が使用され得る。感光性ポリマおよびストレージ媒体の他の例は、米国特許第6,482,551号に記載され、該特許は本明細書において、その全体が参考として援用される。媒体の光学品質がかなり高い(例えば、波長電力/cmが4よりも大きい)ことにより、良好な画像再構築および良好なBragg選択性を達成することも望ましい。米国特許第5,932,045号は、例示的な媒体を製造する例示的な方法を記載し、本明細書においてその全体が参考として援用される。
【0045】
図4は、ホログラフィックストレージ媒体、例えば、図3のシステムを用いて記録されるストレージ媒体220を読み出す例示的なシステムを図示する。ストレージ媒体220に格納されるデータの読み出しは、多くの異なる方法で達成され得る。例えば、位相共役参照光線は、ホログラムの単一のページまたはスタックのサイズの参照波で使用され得る(平面波参照光線に対して、これは対向する方向の平面波を含み得る)。参照光線260は、光線スプリッタ270によって媒体に誘導され得、偏向され得る。光線スプリッタ270は、標準の光線スプリッタ、偏光光線スプリッタ、または参照光線260をストレージ媒体220に再配向するホログラフィック光学素子を含み得る。光線スプリッタ270とストレージ媒体220との間のアパーチャまたは角度フィルタの使用(ゼロ次数またはゼロ次数のごく一部だけを通過させる)は、適切なサイズの光線を得て、その他のデータページを取り除くために使用され得る。このようなフィルタまたはアパーチャはまた、媒体構造自体の一部であり得る。
【0046】
画像がストレージ媒体220の外側に距離dで格納された一例において、適切な検出器250は、光学レンズまたは他の光学素子を必要とせずに、画面距離および検出されるデータページに配置され得る。再配置デバイスコントローラ252は、検出器250とストレージ媒体220との間の距離を、適切な再配置デバイスを介して変更して平行移動検出器250によってスタックの様々な距離dで格納された様々なデータページを読み出すために使用され得る。あるいは、またはさらに、再配置デバイスコントローラはまた、適切な再配置デバイスを介してストレージ媒体220の位置を平行移動し得る。
【0047】
さらに、検出器250およびストレージ媒体220は、互いに平行にし、ストレージ媒体220の他のデータページおよびスタックと、検出器250を整列させることが可能である。例えば、ホログラムの他方のスタックが検出器250および参照光線照明を移動させることによって、所望されるスタックにアクセスされ得る。反対に、媒体が、コンパクトディスク(CD)またはデジタル多用途/ビデオディスク(DVD)システムのように、スタック位置まで移動されるか、またはヘッドと媒体の移動が組み合わされ得る。
【0048】
例示的なシステムのコストおよび/またはコンパクト性、例えば、ピックアップレンズなどのない読み出しドライブが、この方法で大きく改善され得る。描かれる例示的なシステムは、レンズなどのような光学素子を含む様々な他のデバイスまたは素子を含み得ることが理解されるべきである。例えば、様々なレンズ、アパーチャ、フィルタ、回折格子などが当該分野で公知の検出器にデータページを画像化するために使用され得る。
【0049】
一例において、検出器250は、ストレージ媒体220に格納された単一のデータページと同一のピクセル数を含む。検出器250は、データページを格納するために使用されるデータマスクピクセルサイズおよびある場合には光学システム増幅に部分的に依存する適切なピクセルサイズを含み得る。他の例において、検出器250は、格納された画像よりも小さいサイズのより多いピクセルを含み得、検出器250が格納された画像をオーバーサンプルすることを可能にする。検出器250は、光学情報に感度の高いCMOSセンサ、CCD画像センサなどのような任意の適切な検出器を含み得る。さらに、検出器250に結合されたデコーディングユニットは、復元されるデータの対応する値を決定し得る。
【0050】
様々な例において、検出器はまた、ライン検出器CCDまたはCMOSライン検出器を含み得る。ライン検出器が、データページ全体を読み出すために、スキャンされ得(画像にわたって物理的に移動される)、これは、ストレージ媒体のサイズであり得るか、または任意の一部であり得る。データページは、ページワイズな様式で多重化され得、読み出され得、ラインカメラを用いて検出され得る。データページはまた、同様の様式で、CMOSまたはCCDカメラあるいは他のこのようなカメラで検出され得、これは再構築されるデータページを検出するためのピクセルのアレイを含む。
【0051】
スタックにおけるホログラム、すなわちストレージ媒体220の同一の位置で多重化されたデータページは、それらを格納するために使用された方法で参照光線を変えることによって、全てが読み出され得る。例えば、波長多重化に対しては波長を変え、または共焦点多重化に対しては検出器の位置を変える。さらに、共焦点多重化に対し、画面、すなわち検出器上または中間画面におけるピンホールのアレイのようなフィルタを有して、他の共焦点で格納されたホログラムからノイズを取り除くことが望ましい。レンズまたは他の光学素子が読み出しの間に使用される例において、フィルタは検出器の前の中間画面位置に存在し得る。
【0052】
ホログラフィックストレージ媒体、例えば、HROM媒体を読み出す別の例において、様々なデータページは、位相共役読み出しを用いることなしに読み出され得る。このことは、ドライブにレンズがあってもなくてもなされ得る。例えば、再び図3を参照して、ホログラムまたはレイヤが距離−d(破線で示されるストレージ媒体220の反対側の画像)に格納される場合、図3に示されるものと同一の参照光線がデータのレイヤを読み出すために使用され得る。ホログラムは、媒体から距離−d(媒体の他の側)に画像として見える。従って、検出器は、位置−dに配置され得る。ピックアップレンズを含む様々な光学素子はまた、所望されるように、画像化または変換されるために使用され得、それは当業者によって十分に理解される。
【0053】
本明細書の様々な例は、ホログラフィックストレージ媒体またはホログラフィックマスタデータマスクにおいて、高い記録密度を得るために複数のページを多重化することを含み得る。例えば、波長、角度、共焦点(媒体の中心から異なる距離で格納する)、ペリストロピック、ポリトピックなどである。さらに、多重化技術のうちの1つ以上が、結合されて、記録密度を増加させ得る、例えば、(波長、共焦点)、(角度、共焦点)、(波長、ポリトピック)または3つ全てなど。さらに、データページおよびレイヤは、安全性の目的などのために、視認可能な画像と結合され得る。
【0054】
本発明の様々な局面と連結して使用され得る他の例示的なホログラフィックデータストレージシステムは、「Method and Apparatus for Holographic Data Storage System」と題された、米国特許第5,920,536号、「Phase Correlation Multiplex Holography」と題された、同第5,719,691号および「Process for Holography Using Reference Beam Having Correlated Phase Content」と題された、同第6,191,875号に記載されるシステムを含み、これらの特許の全ては、それらの全体が、本明細書において参考として援用される。
【0055】
本発明の別の局面において、1つ以上のデータマスクがホログラフィックマスタデータマスクに記録される。次いで、ホログラフィックマスタデータマスクは、ホログラフィックストレージ媒体、例えば、HROMストレージ媒体などに、複数のホログラフィックレイヤを記録するために使用され得る。例えば、ホログラフィックマスタデータマスクは、ホログラフィックストレージ媒体にわたって情報レイヤ全体をホログラフィカルに記録するために使用され得る。各レイヤは、並列に記録される情報の複数のデータページに分割され得る。複数のレイヤは、波長、角度、ペリストロピック、共焦点、ポリトピック、位相コードまたは他の多重化技術を用いて、媒体上に多重化され得る。ホログラフィックマスタデータマスクの生成において、データページおよびデータページのスタックは、ホログラフィックマスタデータマスクに、注意深く整列され得、記録され得、アラインメントはホログラフィックマスタデータマスクを用いて維持され、ホログラフィックストレージ媒体を複製する。例えば、連続したデータマスクを整列させるよりもむしろ、記録される様々なデータマスクが、整列され、次いで、波長多重化または角度多重化によって、ホログラフィックマスタデータ内に記録され得る。正確なデータマスクは、それが画像化され格納されることが所望される場合には、適切な波長または角度を用いて呼び出され得る。このことは、複製プロセスの間に、データマスクの交換を非常に素早くかつ容易にし、短いサイクル時間を可能にする。媒体の読み出しにおいて、ホログラフィックマスタデータマスクによって生成されたページおよびページのスタックのアラインメントが増進されることにより、スタックの異なるページ間のドライブにおける機械的なアラインメントおよびサーボの時間が最小となり、読み出しが改良される。さらに、レイヤまたはレイヤ内のデータページのスタック間の注意深いアラインメントは、偽造のストレージ媒体、認証されないストレージ媒体、または海賊板ストレージ媒体を検出するために使用され得る。例えば、所定の方法でページスタック間またはレイヤ間のアラインメントを意図的に変更すること、特定のアラインメントを保持することによって、正当なストレージ媒体のサイン(signature)が媒体自体に生成され得る。
【0056】
図5Aは、データマスクをマスタホログラフィックデータマスクに記録する例示的なシステムを図示する。この例において、ホログラフィックマスタデータマスク520は、その中に格納されるデータマスク500の準フーリエ変換平面の近くに配置される。さらに、例示的なシステムは、VanderLugt画像化設定を含んで、準フーリエ変換配置を達成し得る。ポリトピックフィルタはまた、例示的なシステムに含まれ得る。
【0057】
平面波はデータマスク500を照明して、これはSLM、リソグラフィックデータマスクまたは他の適切な物体を含み得、ホログラムを、ホログラフィックマスタデータマスク520の一部に格納する。この例において、平面波は、レンズ530、例えば、集束レンズを通過する。平面波参照光線も、ホログラフィックマスタデータマスク520に入射して、例えば、波長または角度を変更されて、ホログラフィックマスタデータマスク520に複数のデータマスクを記録し得る。システムは、透過性ジオメトリまたは反射ジオメトリを含み得る。アパーチャ、角度フィルタまたは位相マスクはまた、図5Aのシステムに組み込まれ得る。
【0058】
ホログラフィックマスタデータマスク520および/または画像化システムは、図5Bに示されるように媒体にわたって複数のデータページ510を空間的に多重化またはポリトピックに多重化するために、移動し得る。例えば、システムは、第一の空間的位置に1つ以上のマスク500を整列させて、1つ以上の多重化技術を介して、ホログラフィックマスタデータマスク520に、データページ510のスタックを記録し得る。次いで、システムは、再配置されて、別のデータページ510のスタックなどを記録し、ホログラフィックマスタデータマスク520を完成する。格納されたデータページ510は、記録されるために使用されたものと同一の平面波参照を用いて、ホログラフィック媒体に画像化され得る。
【0059】
ホログラフィックマスタデータマスク520をデータマスク500の準フーリエ変換平面近くに配置することは、記録の間、およびデータページ510が、例えば、ホログラフィックマスタデータマスク520から読み出される場合、またはHROM媒体を用いて記録される場合には、同一のスタック内のページ間の干渉を減少させ得る。次に、これは、ホログラフィックマスタデータマスク520を用いて記録され製造されたHROM媒体の読み出しの間の同一のスタックのページ間の干渉を減少させ得る。より具体的には、ホログラフィックマスタデータマスク520からの読み出しの間に、フーリエフィルタは、HROM媒体などの表面近くの、ホログラフィックマスタデータマスク520のフーリエ変換平面内に有利に配置されて、高次の変換成分を取り除き得る。例えば、4−Fシステムは、4−Fシステムのフーリエ変換平面内のフーリエフィルタを用いて、VanderLugt画像化システムに画像化するために使用され得る。4−Fシステムは、一般的に、それらの焦点距離の合計だけ離れており、レンズの組の前方に一方の焦点距離で、およびレンズの組の後方にもう一方の焦点距離で位置する、2次元の入力および出力平面を有する2つのレンズを含む。4−Fシステムを用いて、フーリエ平面はまた媒体内側に配置され得る。
【0060】
フーリエ変換平面内、またはフーリエ変換平面近くでHROM媒体を記録することの別の利点は、読み出しの間の増加したHROM媒体と検出器との位置の許容範囲を含む。増加した位置の許容範囲は、フーリエ変換平面が一般的にシフト不変であることに少なくとも部分的に起因する。例えば、フーリエ変換平面が、例えば、x、y、zの任意において正しい位置から(例えば+/−100マイクロメートルだけ)外れても、かなり小さい(例えば約10マイクロメートル)ピクセルを有する検出器に対し整列された画像を依然復元することが可能である。フーリエ変換平面のシフト不変性は、読み出しに対し、従来のシステムよりも大きい許容範囲を生成する。さらに、フーリエ変換平面における情報が均一に分布されるので、媒体欠陥、例えば、スクラッチおよびダストは、データ復元に対しては画面における場合ほどには厳しい問題ではない。
【0061】
一実施例において、図5Aおよび図5Bを参照して記載されるシステムは、物体光線内に位相マスクを含み、位相共役読み出しを用い、ここで位相マスクは一定の著作権保護を提供し得る。格納された情報の良質な再構築のために、位相マスクは、記録に使用された場合の位相マスクと同一かまたはほぼ同一であることが望ましく、システム内の同一の位置またはほぼ同一の位置に配置されることが望ましい。位相マスクおよび位相マスク位置の知識が、格納された情報の保護を考慮する。さらに、このような保護は、例えば、カスタマXに対して、ある位相マスク(特定のドライブを用いて読み出し可能)を用いて、カスタマYに対して、別の位相マスク(異なるドライブを用いて読み出し可能)を用いて情報を記録することによって、カスタマ特定(customer specific)でなされ得る。カスタマXは、カスタマYのドライブ(または記録に使用される特定の位相マスクおよび位置の知識)なしに、カスタマYの媒体を読み出すことは出来ない。
【0062】
別の局面において、ホログラフィックマスタデータマスクを記録する例示的な方法は、各データマスクがマスタストレージ媒体の中心から異なる距離dに画像化される共焦点多重化を用いることを含む。例えば、図5Aに示されるデータマスク500、すなわちデータマスク500の画像のホログラフィックマスタデータマスク520に対する距離を異なるレイヤの記録の間に変更する。読み出しは、共焦点顕微鏡を用いて行われる方法と類似のフィルタを用いて共焦点で検出され得る。共焦点検出の例示的な記載は、米国特許第5,202,875号、同6,111,828号および同6,272,095号に記載され、これら全ては、本明細書において、それら全体として参考として援用される。共焦点多重化技術は、上記のように、体積ホログラフィック多重化技術と有利に結合され得る。ホログラフィカルに複数のレイヤ(画面)をインプリメントする利点の1つの可能性は、レイヤが物理的にストレージ媒体上にある必要が無いことである。例えば、現在の多層CD、ニアフィールドまたは高NAシステムを用いると、レイヤは媒体上または媒体内側にある。データのデータマスクを画像化または配置することによって、検出器またはドライブに対して、レイヤが、データマスク画面が記録の間にどこに位置するかに依存して、ストレージ媒体の外側、媒体内側、または媒体上に位置するように見え得る。従って、光が進行する基板の量に起因する球面収差の補償という通常の問題は、必要ではあり得ず、一部の場合には1つまたは複数のピックアップレンズなしで検出され得る。
【0063】
例えば、図3に示される調節可能なレンズシステムおよび上記のレンズシステムは、図5Aに示されるようなホログラフィックマスタデータマスク520に記録するために使用され得る。さらに、ホログラフィックマスタデータマスク520は、平行移動して、様々な距離dで格納される異なるデータページまたはレイヤを画像化し得る適切なピックアップレンズによって読み出され得る。あるいは、画面および検出器平面は、様々な距離で記録するために移動し得る。次いで、ホログラフィックマスタデータマスク520は、共焦点多重化を用いて、HROM媒体上に複数のレイヤをホログラフィカルに記録するために使用され得る。同様に、ホログラフィックストレージ媒体、例えば、HROM媒体は、媒体から様々な距離で、調節可能なレンズシステムを用いて記録および読み出され得る。
【0064】
例えば、図3および図5Aを参照して記載されるように生成されたホログラフィックマスタから体積ホログラムをコピーすることは、反射ジオメトリおよび透過性ジオメトリに対して(それぞれ)図14Aおよび図14Bに図示される。一般的に、ホログラフィックマスタ1400は、複製のためにターゲット媒体1420(例えば、HROMデバイス)の近くに配置される。参照光線は、ホログラフィックマスタ1400とターゲット媒体1420とに配向される。参照光線は、ホログラフィックマスタ1400に格納されたホログラムを再構築し、同時に該ホログラムをターゲット媒体1420に格納するために十分である。特に、回折されたホログラムと、ホログラフィックマスタ1400を読み出すために使用される大きな参照光線との両方からの光が、ターゲット媒体内で干渉して、ターゲット媒体1420内に記録されているホログラムの同一のセットを生じるように、ターゲット媒体1420がホログラフィックマスタ1400に対して配置される。コピーの間のホログラフィックマスタ1400とターゲット媒体1420との間の変位によるいくらかの位置的オフセットがあり得る。さらに、図14Bに示されるような透過性ジオメトリの場合には、ターゲット媒体1420への参照光線の入射は、ホログラフィックマスタ1400のホログラム回折によって部分的に歪められ得るか、または減少され得る。
【0065】
ターゲット媒体1420に対して意図される複数のホログラムは、単一のマスタホログラム媒体、例えば、マスタ媒体1400に含まれ得る。マスタホログラフィック媒体1400が逐次的なページ記録プロセス(図3に関して上記されたように)によって記録される場合には、ホログラムは高容量のストレージデバイスに対して低い回折効率、例えば、1%未満を有し得る。相対的に弱いホログラム(例えば、低い回折効率を有する)は、ホログラフィック読み出しシステムにおいて検出可能であり得るが、それらは一般的には大量複製プロセスにおける使用に対して非効率的であるかまたは望ましくない。一般的に、物体光線および参照光線がほぼ等しい強度を有する場合に、最適のホログラフィック記録が生じる。例えば、マスタホログラムからの物体光線強度が参照光線の強度の1%未満である場合には、ターゲット媒体内の記録の効率は不十分であり、読み出し転送速度の減少などをし得る、媒体のダイナミックレンジの非効率な使用、長い複製サイクル時間、弱いホログラムを生じる。
【0066】
図15Aおよび図15Bは、ホログラフィックマスタデータマスクを含むホログラフィック媒体を製造する例示的な方法およびシステムを図示し、これらは先の方法に対して、向上したストレージ容量および向上したホログラム回折効率を提供し得る。例示的な方法は、一般的に、ホログラフィックマスタを製造する2段階または2つのプロセスの方法を含み、第一のプロセスにおいて、ホログラムまたは情報レイヤのセットが、複数のホログラフィックサブマスタにわたって記録され、第二のプロセスにおいて、ホログラムのセットがホログラフィックサブマスタからホログラフィックマスタに記録または転送される。次いでマスタは、ターゲットデバイス、例えば、HROMデバイスなどを製造するために使用され、該ターゲットデバイスは、ホログラムのセットの一部または全てを含み得る。
【0067】
図15Aを特に参照すると、情報レイヤの所望のセットが、第一のプロセスにおいて、複数のホログラフィック媒体またはサブマスタ1520a〜cに逐次的に記録される。例えば、少なくとも第一のホログラムは、第一のホログラフィック媒体1520aに記録され、少なくとも第二のホログラムは、第二のホログラフィック媒体1520bに記録され、以下同様である。特に、光源1510は、光線スプリッタ1514およびミラー1518によって、データマスク1500に配向される物体光線を提供する。レンズ1526は、物体光線を、データマスクを照明して、第一のサブマスタ1520aの近くのフーリエ平面で集束するように配向する。(例えば、本明細書または他で記載されるような)様々な光学素子およびリレーシステムは、光源1510とサブマスタ1520aの位置との間に含まれ得る。
【0068】
光源1510は、参照光線を、ミラー1512を経由してサブマスタ1520aに配向する。最終的なホログラフィックマスタ媒体に所望されるホログラムのセットの第一の部分は、第一のサブマスタ1520aに格納され得る。ホログラムの第一の部分は、任意の適切な多重化プロセスを介して、サブマスタ1520aに格納された複数のホログラムを含み得る。次いで、第二のサブマスタ1520bは、所望のホログラムのセットの第二の部分を記録するように適切に配置され得、全ての所望のホログラムがホログラフィックサブマスタに格納されるまで、サブマスタ1520cなどが続く。
【0069】
図15Aに示される例は、反射ジオメトリに対するものであり、フーリエ平面の近くでき記録するが、当業者によって認識されるように、方法は透過性ジオメトリまたは反射ジオメトリのいずれかおよび種々の記録構成および多重化方法に対して一般化され得る。例えば、ホログラムは、例えば、空間的、ポリトピック、角度または波長多重化方法のような方法のうちの1つまたは組み合わせで多重化され得る。
【0070】
次いで、第二のプロセスにおいて、ホログラフィックサブマスタ1520a〜1520cに格納されるホログラムのセットは、単一のホログラフィックマスタ1520(図15Bを参照)に再生され、記録され得る。該単一のホログラフィックマスタ1520は、例えば、HROMデバイスなどのような1つ以上のターゲットデバイス内のホログラムの一部または全てを記録するために、ホログラフィックマスタデータマスクとして使用され得る。この方法で製造されたマスタホログラフィック媒体(この例ではホログラフィックマスタ1520)は、多くの配布用コピー(例えば、HROMデバイスなど)を複製するために特に適切であり得る。例えば、各サブマスタ1520a〜1520cに記録されるホログラムの数を制限することは、ホロログラフィックマスタ1520に格納される各ホログラムにおけるより強い回折効率を保持することとなり得る。
【0071】
図15Bに図示されるように、光源1510は、サブマスタ1520aおよびマスタ1520の両方を照明するように、ミラー1512を経由して参照光線を配向する。サブマスタ1520aに格納されたホログラムは、再構築され、参照光線と干渉することにより、マスタ1520に格納される。図15Bに図示される、サブマスタ1520a〜1520cからマスタ1520にホログラムを転送するシステムは、図15Aのものと同一であり得るか、または異なり得る。
【0072】
一例において、回折されたホログラムからの光が、ホログラフィックマスタ1520内側で、参照光線と干渉して、ホログラフィックマスタ1520に同時に転送またはコピーされる複数の格納されたホログラムを生じるように、サブマスタ1520aに格納される複数のホログラムが参照光線によって同時に読み出される。一例において、これは、参照光線の必要な数(例えば、異なる角度または波長で)に対して繰り返されて、サブマスタ1520aからマスタ1520まで全てのホログラムを転送する。
【0073】
次いで、サブマスタ1520bは、マスタ1520近くに適切に配置され得、サブマスタ1520aと同様のプロセスが繰り返され得る。一部のアラインメントプロセスが、所望の許容範囲内で異なるサブマスタ(1520a〜1520c)の間での位置における一貫性を保証するために必要であり得るが、アラインメントプロセスはホログラフィックマスタ1520を生成するプロセスにのみ使用されることに留意されたい。このことは、一般的に、スワッピング(swapping)またはアラインメントが、複製プロセスの間に、複数のデータマスクまたはホログラフィックマスタに対して必要とされる代替的な場合に好ましい。従って、記載されるような例示的なホログラフィックマスタ媒体に関し、追加のデバイスの複製が単一のマスタから生成され得、ホログラムの適切なアラインメントが、サブマスタ1520a〜1520cからマスタ1520までの転送の間に、先に設定されている。
【0074】
さらに、例示的な方法は、最終的なマスタホログラフィック媒体および物体光線経路に対する複製された媒体またはターゲット媒体の配置におけるさらなる柔軟性を可能にする。全てのホログラムがマスタに逐次的に記録される、単一のステップのマスタリングに関し、媒体ダイナミックレンジの効率的な使用が、さらなる複製に対して強いホログラムを達成するために所望される。それゆえ、ホログラフィックマスタを物体光線のフーリエ平面の可能な限り近くで記録することが一般的に最適であり、ここで近接する空間的ホログラムの間のオーバーラップが最小化される。しかしながら、このことは、複製された媒体がその他の場所に(すなわちフーリエ平面から離れて)配置される必要があることを意味する。なぜなら、ホログラフィックマスタおよび複製された媒体は、複製の間に同一の物理的なスペースを共有し得ないからである。例えば、コンパクトな再生ドライブシステムに対して、回折されたホログラムのフーリエ平面の非常に近くに複製された媒体を有して、信号をフィルタする(例えば、ポリトピック多重化のために)一方で、光線の経路を可能な限り短く保つことが望ましくあり得る。
【0075】
従って、複数のホログラムの逐次的な記録に起因する近接のホログラムのオーバーラップに一般的に敏感な、本実施例の第一のサブマスタリングプロセス(図15Aに全体が示される)において、サブマスタ1520a〜1520cは、媒体ダイナミックレンジの効率的な使用を増加させるために、フーリエ平面において記録され得る。第二のプロセス(図15Bに全体が示される)において、マスタ1520は、位置がサブマスタ1520a〜1520cの位置または複製される媒体(例えば、ターゲット)の所望の位置と一致しないように柔軟に配置される。このことは、最終的な複製される媒体の位置に対する増加した自由度を提供する。なぜなら、2つのマスタリングステップのうちのそれぞれが、ソース媒体のフォワード読み出しまたは共役読み出しのいずれかを用いて行われ得るからである。
【0076】
図16A〜図16Cは、例示的なマスタリングおよび複製プロセスにおける、ホログラフィックサブマスタ1520a、ホログラフィックマスタ1520およびターゲット媒体1620の例示的な配置を図示する。例示的な方法は、図16Aに示されるように、物体光線のフーリエ平面に配置されるサブマスタ1520aを用いて、ホログラムまたは情報レイヤを記録することを含む。次いで、ホログラムは、図16Bに示されるように、フォワード参照光線によって、サブマスタ1520aからマスタ1520まで転送またはコピーされる。マスタ1520からターゲット媒体1620までのホログラムの複製が、図16Cに示され、ターゲット媒体1620は、マスタ1520から回折されたホログラムのフーリエ平面近くに配置されるが、その位置は、サブマスタ1520aと位置のオーバーラップにし、1つのステップのマスタリングによっては一般的に実行不可能な位置である。
【0077】
さらに、透過性ジオメトリの場合に対して、例示的な方法の各プロセスは、ターゲット媒体に入射する参照光線の部分が、図17に示されるように、ホログラム回折によって消耗されない参照光線の部分であることを保証するように配置されるソース(例えば、図16Bのサブマスタ1520aおよび図16Cのマスタ1520)およびターゲット媒体(例えば、図16Bのマスタ1520および図16Cのターゲット媒体1620)を用いて行われ得る。このようなシステムは、ターゲット媒体を記録するために使用される物体光線および参照光線の相対的強度に対するより優れた制御を可能にする。
【0078】
本明細書に記載される様々な例におけるソース媒体およびターゲット媒体のアラインメントは、当該分野で公知の様々な方法で実行され得る。データピクセルをホログラフィック記録システムに整列させる1つの例示的な方法は、2005年2月28日に出願され、「Processing Data Pixels in a Holographic Data Storage System」と題された、同時係属中の米国特許出願第11/069,007号に記載され、該出願は本明細書において完全に記載されるかのごとく、参考として援用される。これらおよび他のアラインメントプロセスは、記録の間およびホログラムの読み出しの間の両方で実行可能である。
【0079】
ホログラムのセットを複数のホログラフィックサブマスタにわたって格納して、次いで該ホログラムのセットを単一のホログラフィックマスタに再構築および格納するプロセスは、より強いホログラム(例えば、より大きい回折効率)が、マスタおよびマスタから複製された媒体において達成されることを可能にする。一般的にストレージ媒体のホログラムの強度(例えば、回折効率)に影響する2つの係数は、媒体内でホログラムが記録された変調デプスと、媒体の体積の単位におけるオーバーラップホログラム露光の数とである。
【0080】
ホログラムの指数回折格子の変調デプスmは、以下
【0081】
【数1】

のように書かれ、IおよびIは、記録の間の物体(または信号)光線および参照光線強度である。変調デプスは、物体光線および参照光線の強度が等しい場合に、1という最大値を有する。強度が不均衡である場合、変調強度は減少する。例えば、強度比率が100:1である場合には、変調デプスは約0.2であり、これは媒体のダイナミックレンジの約20%のみが、ホログラム指数変調に有効に寄与する。ダイナミックレンジの残りは、均一な光線によって照明されるかのように、本質的に浪費される。従って、ホログラフィックマスタ内の強い回折効率を有する強いホログラムは、効率的な複製に対し、そして次に強い複製されたホログラムの生成にて重要である。
【0082】
回折効率ηは、媒体のダイナミックレンジ(M/#)および媒体体積内でオーバーラップされるホログラム露光の数Mに関係する。これは、
【0083】
【数2】

のように書かれ得る。
【0084】
角度多重化およびポリトピック多重化の組み合わせによる特定の記録の例を考えると、図18に全体的に図示されるように、オーバーラップする露光の数Mは、2つの成分、ブック(またはスタック)当たりの数Npageおよび隣接するブックの空間的なオーバーラップ係数Noverlapに分けられる。
【0085】
【数3】

従って、ホログラフィックマスタ媒体を記録するために、複数のサブマスタ媒体を用いる例示的な方法およびシステムは、多くの方法で、回折効率を向上させ得るか、または最大化し得る。図15Aおよび図15Bを参照して、複数のサブマスタ1520a〜1520cを記録する第一のステップにおいて、各サブマスタ1520a〜1520cは、各ブック(またはスタック)の総ページ数の一部を含み得るが、ブックの位置の全てを含み得る。例えば、30ページは、10ページごとに、3つのサブマスタ1520a〜1520cに分割され得る。このことは、利用可能なダイナミックレンジM/#に、利用されるサブマスタの数を効果的に乗算する。さらに、サブマスタ1520a〜1520cが、物体光線サイズが最小になるフーリエ平面において記録され得るので、空間的なオーバーラップNoverlapは、最小化され得るかまたは減少され得る。高NAシステムにとって、フーリエ平面からほんの小さなオフセットで記録することでさえも、オーバーラップ係数を劇的に上昇させ得る。
【0086】
第二のプロセス(例えば、ホログラムをマスタ媒体に転送する)において、特定の入射角を有する広い平面波参照光線が、参照角度を有する全てのホログラムページを、特定のサブマスタ1520a〜1520cにおける全てのブックからマスタ1520まで同時に転送するために使用され得る。1つのホログラフィックマスタ1520のみが使用され、それによってダイナミックレンジM/#に対する乗数はない。しかしながら、空間的なオーバーラップNoverlapは、効果的に1になる。なぜならば、空間的に隣接する(ポリトピック多重化された)ページは、このステップにおいて別々には露光されないからである。同一の参照角度を有する全ての空間的なホログラムが、マスタ1520に並列に、1つのホログラムとして効果的に記録される。
【0087】
例示的な方法の望ましさは、45というダイナミックレンジ(M/#)を有する1.5mmの厚さの記録媒体を用いるポリトピック多重化ホログラフィックシステムによって例示され得、これは、現在の最先端のホログラフィック記録媒体の典型である。物体光線をフーリエ変換するために合理的に高いNA、例えば、約0.50のレンズを用いて、1.2のナイキスト面積係数(または1.08一次因子)だけ近接するホログラムスタックと間隔を開けると、オーバーラップ係数Noverlapは、物体光線のフーリエ平面で正確に記録する場合でさえも、約20であり得る。フーリエ平面から均等に4〜5mmのオフセットの媒体を用いて記録すると、Noverlapは、高NA変換の素早い発散に起因して、100以上まで素早く増加する。各ホログラムスタックが、Npage=40のホログラムを含む(例えば、角度多重化または波長多重化による)場合には、上式より、フーリエ平面で正確に記録された場合は、約0.3%であり、そしてフーリエ平面から数ミリメートル離れて記録される場合は、ほんの約0.01%であるホログラム回折効率を推定し得る。フーリエ平面において記録することに加え、ホログラムが、本明細書において記載されたように5つのサブマスタのページにさらに分割される(利用可能なM/#は5×45=225まで効果的に上昇する)場合には、回折効率は、約8%まで上昇し得る。
【0088】
本明細書に記載される2ステップのマスタリング方法によって、これらの複数のサブマスタに格納されるホログラムは、単一のホログラフィックマスタに再構築および記録される。サブマスタから約8%の回折効率を達成すると、マスタに記録する変調デプスは、約0.5であり、これによってマスタで利用可能な有効なM/#は、元の値45の半分になる。オーバーラップ係数は、ポリトピカルに多重化されたページを並列にマスタにコピーし、40ページが、30%を超える増加した回折効率でマスタに記録され得る場合には、無視され得る。このより高い回折効率は、複製プロセスに対してより高い変調デプスを可能にさえし、これにより、回折効率が最終の複製されたコピーまで、繰り返し増幅され、理論的には100%近くにさえも増幅され得る。
【0089】
対照的に、記載されたようなホログラフィックサブマスタの使用なしに、例えば、単一のホログラフィック媒体を用いて、ホログラムをページごとに記録し生成されたマスタでは、マスタ内のホログラムの回折効率は、合理的に高いデータ記録密度において、1%を十分に下回る(例えば、上記の例においては、フーリエ平面で記録する場合でさえ0.3%)。0.3%において、このようなマスタから複製する変調デプスは、約0.1であり、このことはマスタ媒体のM/#の10%のみが有効利用可能であることを意味する。次いで、40ページに対して、最終の複製されたホログラムの回折効率は、限定され、2%の回折効率を下回る。
【0090】
最終的な複製された媒体の回折効率は、利用可能な読み出しレーザ電力が限定され得る再生ドライブ、特に低電力消費デバイスにおける素早いデータ転送レートを可能にするために重要である。本発明の方法によって生成された媒体は、必要とされる検出器の積分時間における対応する減少とともに、強度において1オーダ超える大きさの増加したホログラム回折を有し得、従って達成可能な転送レートが増加する。従って、一例において、マスタ(またはターゲット媒体)に記録されるホログラムのセットの平均的な回折効率は、5%よりも大きく、ここでホログラフィック記録材料の面積記録密度は、10ビット/umよりも大きい。別の実施例において、ホログラムのセットの平均的な回折効率は、(M/N)よりも高く、ここでMは複数のホログラムなしのストレージ媒体(例えば、記録する前の空の媒体)のダイナミックレンジ(M/#)であり、Nはストレージ媒体に記録されたオーバーラップするホログラムの平均数である。
【0091】
従って、第一のプロセスにおいて、ホログラムの所望のセットを、1つ以上のホログラフィック媒体、例えば、複数のサブマスタに記録することは、ホログラムが単一の媒体に全て逐次的に記録された場合に比べて、より強いホログラム(例えば、より大きな回折効率)が各個別のサブマスタに記録されることを可能にし得る。より強いホログラムは、一般的に、複数のサブマスタからマスタまでの物体光線と参照光線との間のより最適な光線強度比率と、マスタのダイナミックレンジのより有効な使用を可能にする。さらに、第二のプロセスは、多くのホログラムを、サブマスタからマスタまで並列に転送するので、ホログラム記録の有効数は減少する。これらの利益の組み合わせは、サブマスタからマスタまでホログラム強度が増幅されることを可能にし得る。
【0092】
ここで図6を参照すると、ホログラフィックストレージ媒体620、例えば、HROMストレージ媒体に格納するために、ホログラフィックマスタデータマスク520(これは図5を参照して記載されるように、または図15Aおよび図15Bを参照して記載されるように製造され得る)を用いて記録する例示的なシステムおよび方法が示される。ホログラフィックマスタデータマスク520は、平面波光線を用いて照明され得、データマスクが、該ホログラフィックデータマスク520内にどのように格納されたかに依存して、多重化、例えば、波長多重化され得、様々なデータマスクをホログラフィックストレージ媒体620に画像化する。従って、ホログラフィックマスタデータマスク520は、複製されたホログラフィックストレージ媒体620に記録されたデータソースである。ホログラフィックマスタデータマスク520によってコード化された平面波は、レンズ630によって、ホログラフィック媒体620に画像化され得、リレーされ得、または伝播され得る。レンズ630は、高性能のフォトリソグラフィックレンズを含み得る。あるいは、ホログラフィックマスタデータマスク520は、ストレージ媒体620の近傍に配置され得、レンズなしで記録され得る(自然な光線伝播)。ホログラフィックストレージ媒体620は、平面波参照光線を用いてさらに照明され、コード化された光線と干渉し、ホログラフィックマスタデータ520からのデータを格納する。様々な他のシステムおよび構成が実行可能であり、ホログラフィックマスタデータマスク520を用いて記録することが考えられるということが認識されるべきである。
【0093】
ホログラフィックマスタデータマスク520の記録におけるフーリエ変換平面の利点は、大きなピクセルが使用され得、小さいホログラムがホログラフィックマスタデータマスク520に記録され得、次いで複製されたホログラフィック媒体620にコピーされ得ることを含む。さらに、VanderLugt画像化システムの利点は、該システムがストレージ媒体620の外側に、位相共役参照光線または標準の参照光線を用いて読み出され得る、準フーリエ平面(小さい)における情報レイヤを用いて画像を形成し得ることである。本発明のVanderLugtシステムは、一例であり、フーリエ変換または準フーリエ変換を生じる任意のシステムは同様の利点を含む。VanderLugtシステムは一つには、位相共役光線が読み出しに使用される場合には、レンズはドライブに必要とされないので望ましい。
【0094】
図7は、例えば、VanderLugt画像化システムを含む図6の例示的なシステムを用いて生成されるホログラフィックストレージ媒体620の位相共役読み出しを図示する。検出器250は、ホログラフィックストレージ媒体620に対向して配置され得る。この例において、ホログラフィック光学素子(HOE)回折格子780は、検出器250の近くに配置される。参照光線は、側方からHOE回折格子780を照明し、HOE回折格子780からストレージ媒体620まで配向され、それにより位相共役光線790を提供する。位相共役画像792は、反射されて、読み出しのために、ストレージ媒体620から検出器250に戻る。HOE回折格子780または他の類似の回折格子を使用して、読み出し参照光線を光学経路に入れるように誘導することは、相対的にコンパクトなシステムにおける読み出しを可能にする。
【0095】
他の例において、様々な角度における標準的な光線スプリッタ、偏光光線スプリッタ、波長板、回折格子などがまた、当業者によって認識されるように、参照光線をシステムに誘導するために使用され得る。
【0096】
レンズの使用なしに読み出され得るホログラフィックストレージ媒体を記録する例示的な方法は、図3を参照して上記されるように、ストレージ媒体の外側に位置し、ホログラフィックストレージ媒体からある距離において、複数の画面またはレイヤを格納することを含む。検出器は、画像が格納された距離に有利に配置され得、格納された画像の一部または全て、例えば、データページ全体またはより多く並列に検出し得る。一実施例において、ホログラフィックストレージ媒体の各ストレージレイヤは、図3に示されるデータマスクから同一の距離「d」に画像化される。ホログラフィックストレージ媒体がホログラフィックマスタデータマスクを含む例において、ホログラフィックマスタデータマスクを用いて記録された、ホログラフィックストレージ媒体、例えば、HROMの各レベルが記録されることにより、ホログラフィックマスタデータマスクがHROMから同一の距離dに画像化され得る。
【0097】
例示的な方法は、ストレージ媒体からのホログラフィック画像の読み出しの間にレンズを必要としない。具体的には、検出器は、ホログラフィックストレージ媒体から距離dに配置され得、画像は、レンズに対する必要性なしで検出器に対して直接読み出され得る。さらなる利点は、データのページ全体が、検出器に並列に読み出され得ることを含む。媒体から離れて画面上または画面前に画像化することによって、通常のホログラフィック再構築は、レンズに対する必要性なしで自然に画像化される。例えば、システムの画面が媒体の前に有り、それらの間にレンズがない場合には、位相共役波は、読み出しのためのその画面にレンズなして画像を生成するために使用され得る。ドライブが検出器をその画面に有する場合には、スタックのページが検出され得、ページのそのスタック内の情報が読み出される。他のスタックは、カメラを媒体に対して移動させることにより、複製の間に媒体上に記録された他方のスタックに対してアドレスされる。他の例において、位相共役波の使用は、レンズまたは光学画像化素子を用いた読み出しのために使用され得る。
【0098】
HROM媒体のようなホログラフィックストレージ媒体またはホログラフィックマスタデータマスクのための別の例示的な記録方法は、ポリトピック多重化を含む。上記の米国特許出願第60/453,529号(該出願は本明細書において参考として援用される)に記載されるポリトピック多重化は、個別のデータページスタックを空間的により小さく作成することよってレイヤ密度を増加させるための例示的な方法である。ポリトピック多重化は、波長、角度、フラクタルまたは他のホログラフィック多重化技術と関連して使用され得る。ポリトピック多重化方法は、ホログラムが、隣接するホログラムおよび/またはホログラムのスタック間の部分的な空間オーバーラップを用いて、ホログラフィック材料に空間的に多重化されることを可能にする。データページの各個別のスタックは、角度、波長、位相コード、ペリストロピックまたはフラクタル多重化のような代替的な多重化スキームをさらに利用する。一般的に、ホログラムは、ホログラムを書くデータビームのビームウェストに等しい量によって分離される。しかしながら、より従来的なアプローチとは異なり、ビームウェストは、ホログラフィック媒体の外側に意図的に配置されることにより、媒体内側のスタック間に有意なビームオーバーラップが存在する。再構築の際に、データページおよびその隣接するデータページは、全て同時に読み出されるが、再構築されたデータのビームウェストに配置されたアパーチャ(フィルタ)は、所望のデータのみが検出されるように、読み出される隣接部分を取り除く。ポリトピック多重化は、別のフーリエ平面に配置されたアパーチャを有する媒体内側のビームウェストによって、または隣接するデータページ再構築を取り除く角度フィルタを用いることによって、インプリメントされ得る。
【0099】
ホログラムは、標準の多重化技術の組み合わせによって、およびポリトピック多重化によって多重化され得る。記録密度における有意な増加は、厚い媒体およびスポットサイズが相対的に小さい場合の、高い開口数の光学システムに対して特に達成され得る。先の技術は、有意な量の光線発散に起因してホログラムのスタックを空間的に分離するようにそれらの能力において限定された。小さいビームウェストにもかかわらず高い開口数の光学素子は、非常に素早く拡大する。従来技術におけるスタックの空間的な分離は、一般的に拡大の後の媒体のビームサイズによって限定され、スポットサイズによっては限定されない。この時点までには、一般的に、媒体の厚さ(それゆえダイナミックレンジ)とレンズの開口数との間にトレードオフがあった。それゆえ、従来技術によって与えられるアプローチを用いて任意のホログラフィックストレージシステムに対して得られ得る達成可能な能力は飽和している。本明細書で記載されるポリトピック方法は、システムが高い開口数レンズをフルに利用し、媒体の厚さを無関係に選択し、それゆえビット密度および媒体ダイナミックレンジの両方を獲得することを可能にする。
【0100】
図8は、望ましくない再構築をフィルタまたはブロックし得る位相共役参照光線を用いる例示的な読み出しシステムを図示する。図8に示されるように、ビームウェスト802におけるブロック820は、参照光線806がホログラフィックストレージ媒体800に入射する際に、望ましくない再構築をブロックアウトする。図8は、検出器830、フーリエ変換レンズ832、834、ビームスプリッタ836およびSLM838を含むフーリエ変換配列を示す。しかしながら、このシステムは画像化システムで同様に使用され得ることが認識されるべきである。
【0101】
この例において、スタックの完全な多重化(角度、波長など)が使用され得、スタックは互いから、媒体800の厚さによって決定されない最小の距離に配置され得る。このことは、厚い膜(>100マイクロメートル)の増加した使用を考慮し、400マイクロメートルよりも大きく数ミリメートルまでの膜に対して特に有用である。
【0102】
さらに、スタックは一時に完全に記録される必要が無い。材料的理由から、隣接するスタックを部分的に記録し、次いでスタックの隣が記録されるときに戻り、スタックを完全に記録することが望ましくあり得る。米国特許出願第09/588,908号、「Process for Holography Involving Skip−Sorted Hologram Storage」を参照されたい。上記出願は、本明細書において完全に記載されるかのごとく、本明細書によって、参考として援用される。
【0103】
例示的な方法はまた、高い開口数レンズまたはレンズとして機能するホログラフィック光学素子と共に使用され得る。ホログラムは、反射または透過ホログラフィジオメトリプロセスにおいて記録され得る。例示的なシステムおよびポリトピックな方法が位相共役参照光線なしで使用され得ることが当業者によって認識されるべきである。
【0104】
図9Aおよび図9Bは、別の例示的な記録読み出し方法を図示する。この例において、ポリトピック多重化が高次のフィルタリングを強化するために位相共役読み出し光線と共に使用され、ここでデータコード化信号光線は、先に議論されたような媒体900の背後とは反対に、媒体900の前で集束する。焦点位置は、ここで光線ブロック920が配置されるところである。このことは、SLMまたはデータマスクからの望ましくない高次の回折をブロックするさらなる利益を有する。次いで、図9Aに示されるように、光線は媒体に伝播し、参照光線を用いてホログラフィカルに記録される。次いで多重化されたホログラムは、Bragg多重化方法(角度、波長など)によって、1つの位置で記録され得る。媒体900は、ビームウェストの寸法によって所与の量だけ移動し、次いで別のスタックが記録され得る。読み出しの際に、位相共役読み出しが、入力参照光線として使用され、このことが、検出器950への、元の記録の経路を引き返す後方伝播信号光線を再構築する。ブロック920は、所望の信号光線から、望ましくない再構築を分離する。
【0105】
例示的な方法は、その位置またはその位置の近くで、フーリエ平面あるいは画面によってインプリメントされ得る。それは、単一のレンズ、2つ以上のレンズまたは読み出しの場合にはレンズのないVanderLugt画像化システムによってもインプリメントされ得る。このことはまた、リレーにおける準フーリエ平面フィルタおよびストレージ媒体近くまたはストレージ媒体内のホログラム平面のフーリエ平面を用いて、リレーされ得る。
【0106】
図4、図5A、図7、図9Aおよび図9Bを参照して記載されたものと同様の、レンズなしで格納された画像を検出する検出器は、一般的に、格納された画像と関連する特定の画像化仕様に適合され、該仕様は物体光線を変調し、画像を格納するために使用されるSLMによって決定され得る。例えば、SLMまたはデータマスクのピクセルサイズまたはピッチが、ピクセル適合された読み出しのための検出器のセンサアレイと適合される。あるいは、ピクセルサイズおよびピッチは、オーバーサンプルされた読み出しに対する所望の比率に対応し得る。典型的に、CMOS検出器技術は、現在、6μmのオーダでアレイにピクセルピッチを提供し得、一方でSLMデバイスは典型的に10μm以上のピクセルピッチを有するので、SLMおよびカメラデバイスの正確な適合を見出すことは、いつでも可能ではなく、費用対効果が悪い。従って、一部のアプリケーションにおいて、物体画像を、適切なホログラフィック媒体を用いて格納される出力画像サイズまで拡大することが、例えば、所望の検出器特性、サンプリング特性などに対する所望の読み出しサイズに適合させるために、望ましくあり得る。
【0107】
図10は、入力物体を、増幅された(正または負)出力画像にリレーするリレーシステム1030(例えば、データマスクまたは物体光線を変調する他の手段)を含む例示的なホログラフィック記録システムを図示する。この特定の例において、リレーシステム1030は、物体画像、例えば、データマスク1000のサイズを、ホログラフィック媒体1020への格納のために所望の増幅された画像サイズまで減少させるために、物体光線経路に含まれる。ホログラムは、その後増幅されたサイズで再構築され得、読み出され得る。さらに、リレーシステム1030の出力画像は、フーリエ平面に集束し得、ここで出力画像は実像または虚像であり得、出力フーリエ平面のいずれかの側にあり得る。リレーシステム1030を含む例示的なシステムは、出力フーリエ平面の前に中間フーリエ平面を配置することをさらに容易にし得、ここで、例えば、フィルタまたはアパーチャが配置され得る。
【0108】
一般的に、物体光線は、光源1010(例えば、コヒーレントな光源)から伝播されて、光線スプリッタ1014およびミラー1018を経由してレンズ1026に配向される。レンズ1026は、物体光線をデータマスク1000に配向し、情報レイヤで物体光線をコード化する。情報レイヤは本明細書に記載されるように1つ以上のデータのページを含み得る。さらに、レンズ1026は、物体光線をリレーシステム1030および出力フーリエ平面の前に配置された中間フーリエ平面に配向し、(以下にさらに詳細に議論されるように)ここでフィルタ1002が配置され得る。
【0109】
リレーシステム1030は、この例において、変調された物体光線をより小さな出力増幅された画像にまで負に増幅するように構成されている。様々な増幅率(正および負)が実行可能であり、考えられる。例えば、物体画像の増幅率は、0.2と5.0との間であり得る。さらに一部の例において、リレーシステム1030は、増幅なしに(例えば、1.0の増幅率)物体光線をリレーするように動作し得る。このようなシステムは、中間および/または出力フーリエ平面の位置および構成から利益があり得る(例えば、位相マスクおよび/またはフィルタの使用に関して)。
【0110】
リレーシステム1030の出力画像は、ホログラフィックストレージ媒体1020の近くまたは該媒体内に位置する出力フーリエ平面に集束するように配向される。出力画像はストレージ媒体1020において参照光線と干渉し、これによりストレージ媒体1020内に出力画像を格納する。この例において、参照光線は、共通光源1010から配向され、光線スプリッタ1014およびミラー1019を経由してストレージ媒体1020に配向される。図10は、透過ジオメトリの特定の場合に対し描かれているが、当業者によって認識されるように、記載される例は透過および反射ジオメトリホログラフィック記録システムの両方に対して等しく適用可能であることが認識される。
【0111】
一実施例において、(例えば、ポリトピック多重化などのための)フィルタ1002は、物体光線をフィルタするために、中間フーリエ平面に配置され得、これにより出力フーリエ平面がストレージ媒体1020の内側または非常に近くに位置することを可能にする。典型的に、ホログラムは、(例えば、ポリトピック多重化のための)フィルタがフーリエ平面近くで使用される場合には、画像のフーリエ平面またはその近くには記録され得ない。例えば、図9Aを参照して記載されるシステムを参照されたい。しかしながら、物体光線の最小ウェストから離れて記録することは、相対的に大きなホログラムを生じ、これは記録密度を低下させ、媒体のダイナミックレンジの非効率的な使用に導く、隣接するホログラム間のオーバーラップを増加させる。従って、フィルタ1002を中間フーリエ平面に配置することは、ストレージ媒体1020に対する出力フーリエ平面の配置におけるさらなる自由度を可能にする。
【0112】
一実施例において、フィルタ1002は、中間フーリエ平面に配置されたアパーチャを含む。アパーチャは、ポリトピック多重化のためのナイキストアパーチャサイズの0.5倍から4.0倍のサイズを有する少なくとも1つの寸法(例えば、直径、幅、高さなど)を含む(例えば、ここでナイキストアパーチャサイズは、ナイキストサンプリング条件を満足させる最小のアパーチャ寸法であることにより、データマスク1000上をサンプリングする空間周波数が、アパーチャ寸法を通過することを許される最大空間周波数の2倍になる)。当業者は、様々な他のフィルタおよび/またはアパーチャ寸法が、様々な他のアプリケーションおよび設計の考慮のために中間フーリエ平面に、またはその近くに配置され得ることを認識する。
【0113】
一実施例において、図10のシステムのデータマスク1000の照明は、リレーシステム103の所望の出力NAよりも低い開口数(NA)を有し得る。この特徴は、例えば、特定の照明角に対して設計されるSLMを使用するシステムにおいて望ましくあり得、予期される角度と異なる角度で照明される場合には、有害な効果(例えば、低いコントラスト)を有し得る。一実施例において、リレーシステムの出力NAは、0.2よりも大きく、データマスク1000またはデータマスクのNAは、0.2未満である。さらに、一例において、出力画像が、0.5波長未満の光学収差および1%未満の歪みを有する。
【0114】
反対に、Z1−Z2、4−FおよびVanderLugt画像化システム(それぞれ図11A〜図11Cに全体的に示される)のような従来の画像化システムは、大きな視野に対して高いNAでうまく機能せず、一般的に、(例えば、画像の後に光線の形状を集束させる)画像の位相を保持する(同時に出力画像およびフーリエ平面の両方で低い光学収差を維持しながら)ために最適化されない。例えば、画像化システムは、典型的に、その位相については厳格な関連なしに、主として、画像の強度を複製する意図で設計される。
【0115】
再び図10を参照して、リレーシステム1030を含む例示的な記録システムは、出力画像の非常に近くに参照光線の挿入を可能にする(例えば、リレーシステム1030なしの記録システムに対して)。リレーシステム1030の追加は、物理的なデータマスク1000がストレージ媒体1020から離れるように動くことを可能にし、このことが増幅される画像近傍でのさらなるスペースを可能にし得る。例えば、位相マスク(図示されない)が、所望の場合には、物体経路に配置され得、出力画面に正確に位置し得、これにより、画質に対する最小の劣化でストレージ媒体1020に、より均等にエネルギを分散する。他の実施例において、位相マスクは、データマスク1000に位置し得る。
【0116】
記録システムへのリレーシステム1030の追加は、読み出し方法およびシステムに複雑さを追加しないことに留意されたい。例えば、読み出しシステムは、ストレージ媒体1020を用いて格納されたホログラムを再構築するためにリレーシステム1030を必要とせず、本明細書に記載されるように、様々な光学システムによって、レンズなしで(例えば、共役読み出し)などで達成され得る。
【0117】
図10に示される光学リレーシステムは、物体の増幅された(この例では負の増幅)実像を出力フーリエ平面の前に生成する例示的なリレーシステムを図示する。他の例において、出力画像は、実像または虚像であり得、出力フーリエ平面のいずれかの側に位置され得る。図12A〜図12Cは、物体画像を増幅するための、ホログラフィック記録システム、例えば、図10を参照して記載されるホログラフィック記録システムと共に使用するための例示的なリレーシステム1230a〜1230cを図示する。特に、図12Aは、物体1200aの増幅された実像1201aを出力フーリエ平面の前に生成する例示的なリレーシステム1230aを図示する。図12Bは、物体1200bの増幅された虚像1201bを出力フーリエ平面の前に生成する例示的なリレーシステム1230bを図示する。図12Cは、物体1200cの増幅された実像1201cを出力フーリエ平面の後ろに生成する例示的なリレーシステム1230cを図示する。
【0118】
増幅された画像および出力フーリエ平面を達成するリレーシステムは、例えば、1つ以上のレンズ、プリズムおよび他の適切な光学素子の組み合わせを含む光学素子の多数の構築によって達成され得る。図13は、0.5という高い出力NAおよび−0.5倍の増幅率(すなわち物体画像を50%縮小する)を有し、一方で0.02波長の誤差(山から谷まで)および0.02%の歪みという画像化性能を達成するリレーシステムに対する1つの例示的なレンズ設計シミュレーションを図示する。入力NAは出力NAの半分である0.25で、設計は、ポリトピック多重化などのためのアパーチャの挿入のためのリレーシステムの前の中間フーリエ平面へのアクセスを考慮する。当業者は、本明細書に記載されるようなリレーシステムが、所望の機能を達成するために、光学素子の様々な組み合わせを含む多数の方法で達成され得ることを認識する。
【0119】
さらに、本明細書に記載されるようなリレーシステムを含むホログラフィック記録システムおよび方法は、ポリトピック多重化、角度多重化、波長多重化、シフト多重化、相関多重化、共焦点多重化またはペリストロピック多重化ホログラムのうちの1つ以上を経由してホログラフィック記録をさらに実行し得る。
【0120】
上記の詳細な記載は、例示的な実施形態を図示するために提供され、限定することを意図していない。本発明の範囲内で多数の修正および変更が可能であることは当業者にとって明白である。例えば、ホログラフィック媒体に記録し、ホログラフィック媒体から読み出す様々な方法が、ホログラフィックストレージシステムにおいて、単独で、または他の方法と組み合わせて、使用され得る。さらに、本明細書に記載される装置および方法は、いかなる特定のホログラフィックストレージシステムにも限定されるべきではなく、例えば、方法およびシステムは一般的に様々なシステム構成および多重化方法に適用可能である。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定され、本明細書の記載によっては限定されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】図1は、例示的なホログラフィック記録読み出しシステムを図示する。
【図2】図2Aは、複数のデータページを含む、例示的なデータマスクを図示する。図2Bは、各レイヤに複数のデータページを有する情報レイヤの例示的なスタックを図示する。
【図3】図3は、ホログラフィックマスタデータマスクまたはホログラフィック媒体を生成する例示的なホログラフィックデータ記録システムを図示する。
【図4】図4は、ホログラフィックデータを、検出器を用いて直接検出する例示的なシステムを図示する。
【図5】図5Aおよび図5Bは、マスタホログラフィックデータマスクを記録する例示的なシステムを図示する。
【図6】図6は、マスタホログラフィックデータマスクをホログラフィックストレージ媒体に画像化する例示的なシステムを図示する。
【図7】図7は、ホログラフィック光学素子を含むホログラフィックストレージ媒体を読み出す例示的なシステムを図示する。
【図8】図8は、ホログラフィックストレージ媒体から画像を読み出す例示的なシステムおよび方法を図示する。
【図9】図9Aおよび図9Bは、ホログラフィックストレージ媒体を記録および読み出す例示的なシステムおよび方法を図示する。
【図10】図10は、物体の拡大出力図を提供するためにリレーシステムを含むホログラフィックストレージ媒体を記録する例示的なシステムおよび方法を図示する。
【図11】図11A〜図11Cは、物体を画像化する例示的なレンズ構成を図示する。
【図12】図12A〜図12Cは、物体を画像化および拡大する例示的なリレーシステムを図示する。
【図13】図13は、拡大出力画像を生成するリレーシステムのレジ的なシミュレーションを示す。
【図14】図14Aおよび図14Bは、反射および透過ジオメトリに従って、ホログラフィックマスタデータマスクから、ホログラフィックストレージ媒体を形成する例示的な方法を図示する。
【図15A】図15Aは、ホログラムを複数のホログラフィックサブマスタ媒体に記録し、該ホログラムを単一のホログラフィックマスタ媒体にコピーする例示的な方法を図示する。
【図15B】図15Bは、ホログラムを複数のホログラフィックサブマスタ媒体に記録し、該ホログラムを単一のホログラフィックマスタ媒体にコピーする例示的な方法を図示する。
【図16】図16A〜図16Cは、マスタホログラフィックデータマスクおよび複数のサブマスタ媒体からホログラフィック媒体を製造するデータマスクおよびホログラフィック媒体の例示的な配置を図示する。
【図17】図17は、ホログラフィック媒体を記録および製造する例示的な方法を図示する。
【図18】図18は、ホログラフィック媒体を記録および製造する例示的な方法を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラフィックストレージ媒体を製造する方法であって、
第一のホログラムを、第一のホログラフィック媒体に記録することと、
第二のホログラムを、第二のホログラフィック媒体に記録することと、
該第一のホログラフィック媒体から該第一のホログラムを、ホログラフィックマスタ媒体に再構築および記録することと、
該第二のホログラフィック媒体から該第二のホログラムを、該ホログラフィックマスタ媒体に再構築および記録することと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記ホログラフィックマスタ媒体を照明して、前記第一のホログラムおよび前記第二のホログラムを再構築することと、該第一のホログラムおよび該第二のホログラムをターゲットホログラフィック媒体に記録することとをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一のホログラムを再構築および記録することは、前記第一のホログラフィック媒体を、前記ホログラフィックマスタ媒体に対して配置することと、単一の参照光線を用いて、該第一のホログラフィック媒体および該ホログラフィックマスタ媒体の両方を照明して、該第一のホログラムを再構築することとを含み、これらにより該再構築されたホログラムは、該参照光線と干渉して、該第一のホログラムを該ホログラフィックマスタ媒体に記録する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第一のホログラフィック媒体および前記第二のホログラフィック媒体を、前記ホログラフィックマスタ媒体と連続的に整列させて、該ホログラフィックマスタ媒体に記録された前記ホログラムを整列させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第一のホログラムは、透過ジオメトリで前記ホログラフィックマスタ媒体に記録される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第一のホログラフィック媒体および前記ホログラフィックマスタ媒体は、該マスタ媒体上に入射する参照光線の一部分が、該第一のホログラフィック媒体の該ホログラム読み出しによって消耗されないように配置される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
一式のホログラムは、複数の第一のホログラムおよび複数の第二のホログラムに分割され、該複数の第一のホログラムは、前記第一のホログラフィック媒体に記録され、該複数の第二のホログラムは、前記第二のホログラフィック媒体に記録される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の第一のホログラムは、前記ホログラフィックマスタ媒体に同時に再構築および記録され、前記複数の第二のホログラムは、該ホログラフィックマスタ媒体に同時に再構築および記録される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の第一のホログラムおよび前記複数の第二のホログラムは、1つ以上の多重化技術によって、前記ホログラフィックマスタ媒体から再構築される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上の多重化技術は、ポリトピック多重化、角度多重化、波長多重化、共焦点多重化またはペリストロピック多重化を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第一のホログラムを前記第一のホログラフィック媒体に記録することは、該第一のホログラフィック媒体内側に配置された物体光線のフーリエ平面によって特徴付けられる該物体光線を用いて該第一のホログラフィック媒体を照明することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記物体光線は、前記第一のホログラフィック媒体に配置された前記フーリエ平面の前の第二のフーリエ平面においてアパーチャを介してフィルタされている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記アパーチャのサイズの少なくとも1つの寸法が、ポリトピック多重化に対するナイキスト一次因子の0.5倍から4.0倍である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第一のホログラムを再構築および記録することは、該第一のホログラムの共役読み出しを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第一のホログラムは、並列に記録される複数のデータページに分割されたデータの情報レイヤを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
2つ以上のホログラムは、複数のホログラムをターゲットホログラフィック媒体に格納するために、前記マスタ媒体に格納され、多重化される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
請求項1の方法によって製造されるホログラフィックストレージ媒体。
【請求項18】
請求項2の方法によって製造されるホログラフィックストレージ媒体。
【請求項19】
光源と、
それにより格納され、ターゲットホログラフィックストレージ媒体にリレーされ、記録されるように適合された複数のホログラムを有するホログラフィックマスタ媒体とを備え、該複数のホログラムは、複数のホログラフィックサブマスタ媒体から該ホログラフィックマスタ媒体に記録され、該サブマスタ媒体の各々は、該複数のホログラムのうちの一部分を含む、
ホログラフィック記録システム。
【請求項20】
前記ホログラフィックマスタは、透過ジオメトリによって前記ターゲットターゲットホログラフィックストレージ媒体に記録するために配置される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記ホログラフィックマスタ媒体は、前記ターゲット媒体に入射する前記光源からの参照光線の一部分が該ホログラフィックマスタ媒体の前記ホログラムの読み出しによって消耗されないように配置される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記ホログラフィックマスタ媒体によって変調された物体光線の経路に沿って配置されるフィルタをさらに含み、該フィルタは、前記ターゲットホログラフィック媒体の近くまたは該ターゲットホログラフィック媒体に配置されるフーリエ平面の前の中間フーリエ平面に配置される、請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
前記フィルタはアパーチャを備え、該アパーチャの寸法はポリトピック多重化に対するナイキストアパーチャサイズの0.5倍から4.0倍である、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記複数のホログラムは、複数のデータページにグループ化された情報レイヤを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項25】
前記複数のホログラムは、ポリトピック多重化、角度多重化、波長多重化、共焦点多重化またはペリストロピック多重化のうちの1つ以上によって格納される、請求項19に記載のシステム。
【請求項26】
ホログラフィック記録材料と、
該ホログラフィック記録材料に格納されることにより、第一の参照光線によって照明される場合に、第一のセットのホログラムが並列に再構築され、第二の参照光線によって照明される場合に、第二のセットのホログラムが並列に再構築される、複数のホログラムと
を備え、
該第一のセットのホログラムおよび該第二のセットのホログラムの平均的な回折効率は5%よりも大きく、該ホログラフィック記憶材料の記録面密度は10ビット/平方マイクロメートルよりも大きい、ストレージデバイス。
【請求項27】
前記第一の参照光線および前記第二の参照光線は、前記ホログラフィック媒体に対する該参照光線の角度が変わる、請求項26に記載のストレージデバイス。
【請求項28】
前記第一のセットのホログラムおよび前記第二のセットのホログラムは、それらが前記参照光線の波長を変化することによって再構築され得るように格納される、請求項26に記載のストレージデバイス。
【請求項29】
各セットのホログラムは、それらがポリトピック多重化によって並列に再構築され得るように格納される、請求項26に記載のストレージデバイス。
【請求項30】
近接のホログラムとの間隔は、少なくとも一方向において、ポリトピック多重化に対するナイキスト一次因子の0.5倍から4.0倍までである、請求項29に記載のストレージデバイス。
【請求項31】
その中に記録された複数のホログラムを有するホログラフィック記録材料を備え、
媒体が、媒体面積の相当な部分上を所定の特徴の参照光線で照明される場合に、第一のセットのホログラムが並列に再構築され、
該参照光線の特徴を変えることが、並列に再構築される第二のセットのホログラムという結果を生じ、
該第一のセットのホログラムおよび該第二のセットのホログラムの平均的な回折効率は、(M/N)よりも高く、ここでMは、該複数のホログラムがない場合の該ホログラフィック記録材料のダイナミックレンジ(M/#)であり、Nは該ホログラフィック記録媒体に記録されたオーバーラップするホログラムの平均数である、
ストレージデバイス。
【請求項32】
前記第一の参照光線および前記第二の参照光線は、前記ホログラフィック記録材料に対する該参照光線の角度が変わる、請求項31に記載のストレージデバイス。
【請求項33】
前記第一のセットのホログラムおよび前記第二のセットのホログラムは、それらが前記参照光線の波長を変化することによって、再構築され得るように格納される、請求項31に記載のストレージデバイス。
【請求項34】
各セットのホログラムは、それらがポリトピック多重化によって並列に再構築され得るように格納される、請求項31に記載のストレージデバイス。
【請求項35】
近接のホログラムとの間隔は、少なくとも一方向において、ポリトピック多重化に対するナイキスト一次因子の0.5倍から4.0倍までである、請求項34に記載のストレージデバイス。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2008−546004(P2008−546004A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512502(P2008−512502)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/019236
【国際公開番号】WO2006/125079
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(501182197)インフェイズ テクノロジーズ インコーポレイテッド (28)
【Fターム(参考)】