説明

ホログラフィック記憶媒体

【課題】ホログラフィック記憶媒体に適する改善したポリマー系の提供。
【解決手段】データ記憶媒体の製造方法を本明細書に開示し、該方法は光活性材料と感光剤と有機バインダーを混合してホログラフィック組成物を形成し、光活性材料が感光剤との反応で色を変化させ、ホログラフィック組成物をホログラフィックデータ記憶媒体に成形することを含んでなる。情報を記録する方法も本明細書に開示し、該方法は光活性材料、感光剤及び有機ポリマーを含む物品に波長約350〜約1100nmの電磁エネルギーで照射し、光活性材料が感光剤と反応して色変化でき、データをホログラフィック形に記録するために光活性材料を反応させることを含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学データ記憶媒体に関するものであり、具体的には、ホログラフィック記憶媒体及びその製造及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホログラフィック記憶はホログラムとして表されるデータ記憶であって、ホログラムは二光線の交差によって感光性媒体中で生まれる三次元干渉縞の像である。干渉ビームとデジタル暗号化データを含む信号ビームの重畳は媒体内で干渉縞を形成し、これによって媒体の屈折率を変化又は調節する化学反応が生じる。この調節は信号からの強度と位相情報の双方をホログラムとして記録することに役立つ。ホログラムはその後記憶媒体を干渉ビームのみに曝露することによって回収でき、干渉ビームはホログラフィックデータと相互作用して、ホログラフィー像を記憶するために使用される初期信号ビームに比例するホログラフィック再生信号ビームを生成する。
【0003】
ホログラムの各々は1〜1×10ビット以上のいずれかのデータを含むことができる。CD又はDVDを始めとする表面記憶形式を超えるホログラフィック記憶の独特の利点は、信号及び/又は干渉ビーム角度、波長又は媒体位置の変動のような多重化技術を用いて、多数のホログラムを同容量の感光性媒体内に重複して記憶できることである。しかし、ホログラフィック記憶の実行可能な技術としての実現化への大きな障害は、信頼性と採算性のある記憶媒体の開発であった。
【0004】
初期のホログラフィック記憶媒体は、ドープ又は非ドープのニオブ酸リチウム(LiNbO)のような無機光屈折結晶を使用しており、入射ビームが屈折率変化を生成する。屈折率変化は、光誘導生成と次の電子捕捉によるものであり、電子捕捉は一次電気光学効果を通じて屈折率を最終的に変更する誘導内部電場を誘導する。しかし、LiNbOは高価で、比較的低効果を示し、経時的に減衰し、大きい屈折率変化を観測するためには厚い結晶を必要とする。
【0005】
より最近の研究は、光誘起重合プロセスによってより大きい屈折率変化を持続できるポリマーの開発に至っている。これら光ポリマーとよばれる材料は、LiNbO及びその変異型に比べて大きく改善した光感度と効率を有する。先行技術の方法では、「単一化学」系が使用されており、媒体は1種以上の光活性重合性液体モノマー又はオリゴマー、開始剤、不活性ポリマー充填剤及び適宜感光剤の均一混合物を含む。モノマー又はオリゴマーの混合物が混合物の大部分を占めるため、媒体は形と安定性を与えるために紫外線(UV)硬化工程を必要とするゲル様稠度を有し得る。残念なことに、UV硬化工程は光活性モノマー又はオリゴマーの大部分を破壊し、データ記憶に利用できる光活性モノマー又はオリゴマーが極めて少量しか残らない。さらに、高度に制御した硬化条件下であっても、UV硬化工程は重合とそれによる媒体試料間での低均一性をもたらし得る。
【0006】
したがって、ホログラフィック記憶媒体に適する改善したポリマー系への要望は残っている。特に、データ記憶媒体を記憶データを劣化させることなく同一波長で読み書きできることは有利であろう。
【特許文献1】米国特許第3635895号明細書
【特許文献2】米国特許第3658543号明細書
【特許文献3】米国特許第4001184号明細書
【特許文献4】米国特許第4217438号明細書
【特許文献5】米国特許第4578344号明細書
【特許文献6】米国特許第4623611号明細書
【特許文献7】米国特許第4661433号明細書
【特許文献8】米国特許第4663275号明細書
【特許文献9】米国特許第4677049号明細書
【特許文献10】米国特許第4702996号明細書
【特許文献11】米国特許第4709107号明細書
【特許文献12】米国特許第4737449号明細書
【特許文献13】米国特許第4859789号明細書
【特許文献14】米国特許第4920220号明細書
【特許文献15】米国特許第4990665号明細書
【特許文献16】米国特許第5002993号明細書
【特許文献17】米国特許第5037861号明細書
【特許文献18】米国特許第5064264号明細書
【特許文献19】米国特許第5106723号明細書
【特許文献20】米国特許第5108874号明細書
【特許文献21】米国特許第5169962号明細書
【特許文献22】米国特許第5173381号明細書
【特許文献23】米国特許第5177218号明細書
【特許文献24】米国特許第5177227号明細書
【特許文献25】米国特許第5206395号明細書
【特許文献26】米国特許第5208354号明細書
【特許文献27】米国特許第5246989号明細書
【特許文献28】米国特許第5260399号明細書
【特許文献29】米国特許第5260999号明細書
【特許文献30】米国特許第5268862号明細書
【特許文献31】米国特許第5325324号明細書
【特許文献32】米国特許第5328994号明細書
【特許文献33】米国特許第5349065号明細書
【特許文献34】米国特許第5384221号明細書
【特許文献35】米国特許第5387698号明細書
【特許文献36】米国特許第5407885号明細書
【特許文献37】米国特許第5438439号明細書
【特許文献38】米国特許第5440669号明細書
【特許文献39】米国特許第5442026号明細書
【特許文献40】米国特許第5450218号明細書
【特許文献41】米国特許第5460907号明細書
【特許文献42】米国特許第5488119号明細書
【特許文献43】米国特許第5523374号明細書
【特許文献44】米国特許第5563298号明細書
【特許文献45】米国特許第5583194号明細書
【特許文献46】米国特許第5604002号明細書
【特許文献47】米国特許第5623040号明細書
【特許文献48】米国特許第5641846号明細書
【特許文献49】米国特許第5719690号明細書
【特許文献50】米国特許第5744280号明細書
【特許文献51】米国特許第5759447号明細書
【特許文献52】米国特許第5759721号明細書
【特許文献53】米国特許第5858585号明細書
【特許文献54】米国特許第5978112号明細書
【特許文献55】米国特許第6046290号明細書
【特許文献56】米国特許第6046925号明細書
【特許文献57】米国特許第6090332号明細書
【特許文献58】米国特許第6124076号明細書
【特許文献59】米国特許第6221536号明細書
【特許文献60】米国特許第6267913号明細書
【特許文献61】米国特許第6322931号明細書
【特許文献62】米国特許第6402037号明細書
【特許文献63】米国特許第6423799号明細書
【特許文献64】米国特許第6432610号明細書
【特許文献65】米国特許第6441113号明細書
【特許文献66】米国特許第6482551号明細書
【特許文献67】米国特許第6483735号明細書
【特許文献68】米国特許第6492468号明細書
【特許文献69】米国特許第6501571号明細書
【特許文献70】米国特許第6512606号明細書
【特許文献71】米国特許第6627354号明細書
【特許文献72】米国特許第6650447号明細書
【特許文献73】米国特許第6733950号明細書
【特許文献74】米国特許第6743552号明細書
【特許文献75】米国特許第6784300号明細書
【特許文献76】米国特許出願公開第2002/0163873号明細書
【特許文献77】米国特許出願公開第2003/0022105号明細書
【特許文献78】米国特許出願公開第2003/0044691号明細書
【特許文献79】米国特許出願公開第2003/0086978号明細書
【特許文献80】米国特許出願公開第2003/0129408号明細書
【特許文献81】米国特許出願公開第2003/0183959号明細書
【特許文献82】米国特許出願公開第2003/0191240号明細書
【特許文献83】米国特許出願公開第2003/0206320号明細書
【特許文献84】米国特許出願公開第2003/0224250号明細書
【特許文献85】米国特許出願公開第2003/0199603号明細書
【特許文献86】米国特許出願公開第2004/0067433号明細書
【特許文献87】米国特許出願公開第2004/0137188号明細書
【特許文献88】米国特許出願公開第2004/0214106号明細書
【特許文献89】国際公開第02/19040号パンフレット
【特許文献90】国際公開第99/26112号パンフレット
【特許文献91】カナダ特許第2366846号明細書
【特許文献92】カナダ特許第2365934号明細書
【特許文献93】英国特許出願公開第2002752号明細書
【特許文献94】米国特許第3850633号明細書
【特許文献95】米国特許第4006023号明細書
【特許文献96】米国特許第4288861号明細書
【特許文献97】米国特許第4447521号明細書
【特許文献98】米国特許第5397662号明細書
【特許文献99】米国特許出願公開第2003/0129523号明細書
【特許文献100】米国特許出願公開第2004/0126694号明細書
【特許文献101】米国特許出願公開第2004/0197670号明細書
【特許文献102】米国特許出願公開第2006/0078803号明細書
【特許文献103】米国特許出願公開第2006/0083890号明細書
【特許文献104】欧州特許出願公開第0828182号明細書
【特許文献105】欧州特許出願公開第0889363号明細書
【特許文献106】欧州特許出願公開第1231511号明細書
【特許文献107】欧州特許出願公開第1288720号明細書
【特許文献108】欧州特許出願公開第1508833号明細書
【特許文献109】欧州特許出願公開第1580597号明細書
【特許文献110】国際公開第01/26105号パンフレット
【非特許文献2】Iain A.McCulloch、「Novel Photoactive Nonlinear Optical Polymers for Use in Optical Waveguides」、Macromolecules、1994年、第27巻、第1697−1702頁
【非特許文献3】Yugi Kubo等、「Synthesis and Characteristics of Near−Infrared Absorbing Metal Complex Dyes with Indoaniline−type Ligands」、Chemistry Letters、1987年、第1563−1566頁
【非特許文献4】Mark M.Wang等、「Three−dimensional Optical Data Storage in a Fluorescent Dye−doped Photopolymer」、Applied Optics、第39巻、第11号,2000年4月10日
【非特許文献5】Janet S.Splitter等、「The Photochemical Behavior of Some o−Nitrostilbenes」、Contribution from the Department of Chemistry and Radiation Laboratory、カリフォルニア大学、1955年4月11日、第1086−1115頁
【非特許文献6】Masahiro Irie、「Diarylethenes for Memories and Switches」、Chem.Rev.、2000年、第100巻、第1685−1716頁
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
データ記憶媒体の製造方法を本明細書に開示し、該方法は光活性材料と感光剤と有機バインダーを混合してホログラフィック組成物を形成し、光活性材料が感光剤との反応で色を変化させ、ホログラフィック組成物をホログラフィックデータ記憶媒体に成形することを含んでなる。
【0008】
情報を記録する方法も本明細書に開示し、該方法は光活性材料、感光剤及び有機ポリマーを含む物品に波長約350〜約1100nmの電磁エネルギーで照射し、光活性材料が感光剤と反応して色変化でき、データをホログラフィック形に記録するために光活性材料を反応させることを含んでなる。
【0009】
ホログラフィック記憶媒体を用いる方法も本明細書に開示し、該方法は光活性材料、感光剤、定着剤及び有機バインダーを含む物品に照射し、光活性材料が感光剤との反応で色を変化させ、照射を第1波長を有する電磁エネルギーで行い、第1照射で行う照射がデータの記憶を促進し、光活性材料を反応させ、データを読み取るために物品を第2波長で照射することを含んでなる。
【0010】
光活性材料、感光剤、定着剤及び有機バインダーを含むホログラフィック組成物を含んでなる物品も本明細書に開示し、該物品は光活性材料が感光剤と反応して色変化でき、物品がデータ記憶用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
ホログラフィック記憶媒体及び回収に用いる光学データ記憶媒体を本明細書に開示する。ホログラフィック記憶媒体の製造、データ記憶及びデータ回収の方法も開示する。ホログラフィック記憶媒体はバインダー組成物、光活性材料、感光剤及び適宜定着剤を含むホログラフィック組成物から製造し、光活性材料は染料を含む。一実施形態では、感光剤は記憶媒体にデータを書き込んだ後、好ましくは定着剤によって奪活(失活)し、それによってデータ書き込みに用いた波長と同様の波長を有する電磁照射によって照射したときの媒体へのさらなる損傷を抑制する。失活は熱的、化学的及び/又は電磁照射系の刺激に応答してなすことができる。このため、ホログラフィック記憶媒体には同一波長を有する電磁照射を用いて書き込み、読み取る(即ち、データは記憶し回収できる)ことができる。
【0012】
バインダー組成物は無機バインダー材料、有機バインダー材料又は無機バインダー材料と有機バインダー材料の混合物を含んでいてもよい。好適な無機バインダー材料の例はシリカ(ガラス)、アルミナなど又はこれらの無機バインダー材料の1種以上を含む混合物である。
【0013】
バインダー組成物に使用する具体的な有機バインダー材料は光透過性有機ポリマーである。有機ポリマーは熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー又は熱可塑性ポリマーと熱硬化性ポリマーの混合物であってもよい。有機ポリマーはオリゴマー、ポリマー、デンドリマー、アイオノマー、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、星型ブロック共重合体などの共重合体又はこれらの有機ポリマーの1種以上を含む混合物であってもよい。バインダー組成物に使用できる好適な熱可塑性有機ポリマーの例はポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリシロキサン、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルなど又はこれらの熱可塑性ポリマーの1種以上を含む混合物である。
【0014】
電磁照射透過性でない有機ポリマーも、透過性に改変できる場合にはバインダー組成物に使用できる。例えば、ポリオレフィンは大きい結晶子とスフェライトが存在するため、通常光透過性でない。しかし、ポリオレフィンは、共重合することによって、ナノメートルサイズの範囲まで分離でき、共重合体が光透過性になる。
【0015】
一実施形態では、有機ポリマーはフォトクロミック色素に化学的に結合できる。フォトクロミック色素はポリマーの骨格に結合できる。別の実施形態では、フォトクロミック色素はポリマー骨格に置換基として結合できる。化学的結合としては、共有結合、イオン結合などが挙げられる。
【0016】
データ記憶装置のバインダー組成物に用いる好適な有機ポリマーはポリカーボネート、脂環式ポリエステル、レゾルシノールアリーレートポリエステル、並びにポリカーボネートとポリエステルの混合物及び共重合体である。本明細書で用いる「ポリカーボネート」、「ポリカーボネート組成物」及び「芳香族カーボネート鎖単位を含む組成物」という用語としては、式(I)の構造単位を有する組成物が挙げられる。
【0017】
【化1】

式中、R基の全体の約60%以上は芳香族有機基であり、残余は脂肪族、脂環式又は芳香族基である。好ましくは、Rは芳香族有機基であり、さらに好ましくは式(II)の基である。
【0018】
【化2】

式中、A及びAの各々は単環二価アリール基であり、YはAとAを0、1又は2原子で隔てる橋かけ基である。具体的実施形態では、AとAとは1原子で隔てられる。この種の基の具体例は−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−C(O)−、メチレン、シクロヘキシル−メチレン、2−[2,2,1]−ビシクロヘプチリデン、エチリデン、イソプロピリデン、ネオペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデン、アダマンチリデンなどである。別の実施形態では、AとAとは0原子で隔てられ、その具体例はビフェニルである。橋かけ基Yはメチレン、シクロヘキシリデン又はイソプロピリデンのような飽和炭化水素基であってもよい。
【0019】
ポリカーボネートは、AとAとが1原子のみで隔てられたジヒドロキシ化合物の界面又は溶融反応で製造できる。本明細書で用いる「ジヒドロキシ化合物」という用語には、例えば次の一般式(III)を有するビスフェノール化合物が包含される。
【0020】
【化3】

式中、RとRは各々独立に水素、ハロゲン原子であって、好ましくは臭素又は一価炭化水素基を表し、pとqは各々独立に0〜4の整数であり、Xは式(IV)の1種以上の基を表す。
【0021】
【化4】

式中、RとRは各々独立に水素原子又は一価の線状又は環状炭化水素基であり、Rは二価炭化水素基、酸素又は硫黄である。
【0022】
式(III)で表されるビスフェノール化合物の例としては、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(又はビスフェノール−A)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン種、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン種又はこれらのビスフェノール化合物の1種以上を含む混合物が挙げられる。
【0023】
式(III)で表される他のビスフェノール化合物としては、式中のXが−O−、−S−、−SO−又は−S(O)−であるものが挙げられる。かかるビスフェノール化合物の例は、4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテルなどのビス(ヒドロキシアリール)エーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルファイド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルファイドなどのビス(ヒドロキシジアリール)スルファイド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフォキシドなどのビス(ヒドロキシジアリール)スルフォキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンなどのビス(ヒドロキシジアリール)スルホン又はこれらのビスフェノール化合物の1種以上を含む混合物である。
【0024】
ポリカーボネートの重縮合に利用できる他のビスフェノール化合物は式(V)で表される。
【0025】
【化5】

式中、Rはハロゲン原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基又はハロゲン置換炭化水素基であり、nは0〜4である。nが2以上のとき、Rは同一でも異なるものでもよい。式(V)で表されるビスフェノール化合物の例はレゾルシノール、5−メチルレゾルシン、5−エチルレゾルシン、5−プロピルレゾルシン、5−ブチルレゾルシン、5−t−ブチルレゾルシン、5−フェニルレゾルシン、5−クミルレゾルシンなどの置換レゾルシノール化合物、カテコール、ヒドロキノン、3−メチルヒドロキノン、3−エチルヒドロキノン、3−プロピルヒドロキノン、3−ブチルヒドロキノン、3−t−ブチルヒドロキノン、3−フェニルヒドロキノン、3−クミルヒドロキノンなどの置換ヒドロキノン又はこれらのビスフェノール化合物の1種以上を含む混合物である。
【0026】
次の式(VI)で表される2,2、2’、2’−テトラヒドロ−3、3、3’、3’−テトラメチル−1、1’−スピロビインダン−6、6’−ジオールなどのビスフェノール化合物も使用できる。
【0027】
【化6】

好適なポリカーボネートとしては、さらにアルキルシクロヘキサン単位含有ビスフェノールの誘導体が挙げられる。かかるポリカーボネートは式(VII)に相当する構造単位を有する。
【0028】
【化7】

式中、R−Rは各々独立に水素、C−C12ヒドロカルビル又はハロゲンであり、R−Rは各々独立に水素、C−C12ヒドロカルビルである。本明細書で用いる「ヒドロカルビル」は炭素と水素のみを含む残基をいう。残基は脂肪族又は芳香族であってもよく、直鎖、環状、二環式、枝分れ、飽和又は不飽和であってもよい。ヒドロカルビル残基は置換残基の炭素と水素の上にヘテロ原子を含んでいてもよい。ここで、かかるヘテロ原子を含むと具体的に記載するとき、ヒドロカルビル残基はカルボニル基、アミノ基、ヒドロキシル基なども含んでいてもよく、ヒドロカルビル残基の骨格内にヘテロ原子を含んでいてもよい。フェノール2モルと水素化イソホロン1モルの反応生成物などのアルキルシクロヘキサン含有ビスフェノールは高いガラス転移温度と高い熱変形温度を有するポリカーボネート樹脂の作成に有用である。かかるイソホロンビスフェノール含有ポリカーボネートは式(VIII)に相当する構造単位を有する。
【0029】
【化8】

式中、R−Rは上記で定義した通りである。これらイソホロンビスフェノール系樹脂としては、非アルキルシクロヘキサンビスフェノールを含んでなるポリカーボネート共重合体及びアルキルシクロヘキシルビスフェノール含有ポリカーボネートと非アルキルシクロヘキシルビスフェノールポリカーボネートの混合物が挙げられ、Bayer社からAPEC(商標)という商品名で市販されている。好ましいビスフェノール化合物はビスフェノールAである。
【0030】
典型的なカーボネート前駆体としては、塩化カルボニル(ホスゲン)及び臭化カルボニルなどのハロゲン化カルボニル、ビスフェノールA、ヒドロキノンなどの二価フェノールのビス−ハロギ酸塩などのビス−ハロギ酸塩、エチレングリコール及びネオペンチルグリコールなどのグリコールのビス−ハロギ酸塩、ジフェニルカーボネート、ジ(トリル)カーボネート及びジ(ナフチル)カーボネートなどのジアリールカーボネートが挙げられる。界面反応に好ましいカーボネート前駆体は塩化カルボニルである。
【0031】
カーボネートホモポリマーよりも共重合体が使用に好ましい場合、2種以上の異なる二価フェノールの共重合によって得られるポリカーボネート又は二価フェノールとグリコール又はヒドロキシ又は酸末端ポリエステル又は二塩基酸又はヒドロキシ酸又は脂肪族二塩基酸との共重合体も使用できる。一般に、有用な脂肪族二塩基酸は2〜約40個の炭素を有する。好ましい脂肪族二塩基酸はドデカン二酸である。
【0032】
枝分れ枝分れポリカーボネート並びに線状ポリカーボネート及び枝分れポリカーボネートもデータ記憶装置に使用できる。枝分れポリカーボネートは重合の際に枝分れ剤を添加することによって調製してもよい。これら枝分れ剤は3以上の官能基を含む多官能性有機化合物を含んでいてもよく、該官能基はヒドロキシル基、カルボキシル基、無水カルボン酸基、ハロホルミル基又はこれらの枝分れ剤の1種以上を含む組合せであってもよい。好適な枝分れ剤の例としては、トリメリト酸、無水トリメリト酸、トリメリト酸トリクロライド、トリス−p−ヒドロキシフェニルエタン、イサチン−ビス−フェノール、トリス−フェノールTC(1,3,5−トリス((p−ヒドロキシフェニル)イソプロピル)ベンゼン)、トリス−フェノールPA(4(4(1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−エチル)a,a−ジメチルベンジル)フェノール)、4−クロロホルミル無水フタル酸、トリメシン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸など又はこれらの枝分れ剤の1種以上の混合物が挙げられる。枝分れ剤はバインダー組成物中のポリカーボネートの全重量を基準にして約0.05〜約2.0重量%の量で添加してもよい。
【0033】
一実施形態では、ポリカーボネートはジヒドロキシ化合物とカルボン酸ジエステルとの溶融重縮合反応で製造してもよい。ポリカーボネートの製造に利用できる好適なカルボン酸ジエステルの例はジフェェニルカーボネート、ビス(2,4−ジクロロフェニル)カーボネート、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)カーボネート、ビス(2−シアノフェニル)カーボネート、ビス(o−ニトロフェニル)カーボネート、ジトリルカーボネート、m−クレシルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなど又はこれらのカルボン酸ジエステルの1種以上の混合物である。好ましいカルボン酸ジエステルはジフェニルカーボネートである。
【0034】
ポリカーボネートの好適な数平均分子量は約3000〜約1000000グラム/モル(g/モル)である。一実施形態では、ポリカーボネートの数平均分子量は約10000〜約100000g/モルであるのが好ましい。別の実施形態では、ポリカーボネートの数平均分子量は約20000〜約75000g/モルであるのが好ましい。さらに別の実施形態では、ポリカーボネートの数平均分子量は約25000〜約35000g/モルであるのが好ましい。
【0035】
バインダー組成物中での使用に好適な脂環式ポリエステルは光透過性、改善耐候性及び低吸水性によって特徴づけられるものである。ポリエステルがバインダー組成物中での使用のためにポリカーボネート樹脂と混合できるため、脂環式ポリエステルはポリカーボネート樹脂と優れた溶融相溶性を有することも一般に好ましい。脂環式ポリエステルは一般にジオールと二塩基酸又は酸誘導体との反応で調製する。
【0036】
バインダー組成物中で用いる脂環式ポリエステル樹脂の調製に用いるジオールは直鎖、枝分れ又は脂環式であって、好ましくは直鎖又は枝分れアルカンジオールであり、炭素原子数2〜12のものでよい。好適なジオールの例としては、エチレングリコール、1,2−及び1,3−プロピレングリコールなどのプロピレングリコール、ブタンジオール、即ち1,3及び1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル、2−メチル、1,3−プロパンジオール、1,3−及び1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、特にそのシス及びトランス異性体、トリエチレングリコール、1,10−デカンジオールなど又はこれらのジオールの1種以上の混合物が挙げられる。1,4−シクロヘキサンジメタノールはジオール成分として用いる場合、一般にトランス異性体に対するシス異性体の比が約1:4〜約4:1の混合物を用いるのが好ましい。この範囲内で、一般にトランス異性体に対するシス異性体の比が約1:3を用いるのが好ましい。
【0037】
脂環式ポリエステル樹脂の調製に有用な二塩基酸は脂肪族二塩基酸であり、各々が飽和環の飽和炭素に結合した2個のカルボキシル基を有するカルボン酸が挙げられる。好適な脂環式酸の例としては、デカヒドロナフタレンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロオクタンジカルボン酸が挙げられる。具体的な脂環式二塩基酸は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及びトランス−1、4−シクロヘキサンジカルボン酸である。ポリエステルが1以上の脂環式環含有モノマーを有する場合、線状脂肪族二塩基酸も有用である。線状脂肪族二塩基酸の具体例はコハク酸、アジピン酸、ジメチルコハク酸及びアゼライン酸である。二塩基酸とジオールの混合物は脂環式ポリエステルを作成するために用いてもよい。
【0038】
シクロヘキサンジカルボン酸及びその化学的等価物は例えば好適な炭素又はアルミナの好適な担体上に担持されたロジウムなどの好適な触媒を用いて、好適な溶媒、水又は酢酸中で室温、大気圧でシクロ芳香族二塩基酸とイソフタル酸、テレフタル酸のようなナフタレン酸の対応誘導体を水素化することによって調製できる。不活性液体媒体を用いることによって調製してもよく、酸は反応条件下で少なくとも部分的に溶解し、炭素又はシリカ中のパラジウム又はルテニウム触媒を用いる。
【0039】
典型的には、水素化の際に、カルボン酸基がシス又はトランス位にある2以上の異性体が得られる。シス及びトランス異性体は、溶媒を用いて又は用いないで結晶化し又は蒸留することによって分離できる。シス及びトランス異性体の混合物を用いてもよく、かかる混合物を使用するとき、好ましくは、シス及びトランス異性体の全重量を基準にしてトランス異性体が約75重量%以上をなし、シス異性体が残部をなす。異性体混合物又は1種以上の二塩基酸を用いる場合、2種のポリエステルのコポリエステル又は混合物を脂環式ポリエステル樹脂として用いてもよい。
【0040】
エステルなどの二塩基酸の化学的等価物脂環式ポリエステルの調製に用いてもよい。二塩基酸の好適な化学的等価物の例は、ジアルキルエステルなどのアルキルエステル、ジアリールエステル、無水物、塩酸、臭酸など又はこれらの化学的等価物の1種以上を含む混合物である。具体的な化学的等価物は脂環式二塩基酸のジアルキルエステル、最も好ましくは該酸のジメチルエステル、特にジメチル−トランス−1,4−シクロヘキサンジカーボネートを含む。ジメチル−1,4−シクロヘキサンジカーボネートはジメチルテレフタラートの環水素化によって得ることができる。
【0041】
ポリエステル樹脂はジオール又はジオール化学的等価成分と二塩基酸又は二塩基酸化学的等価成分の重縮合又はエステル交換重合を通じて得ることができ、式(IX)の繰返し単位を有する。
【0042】
【化9】

式中、Rは炭素原子数2〜12のアルキル又はシクロアルキル基を表し、炭素原子数2〜12の直鎖、枝分れ又は脂環式アルカンジオール又はその化学的等価物の残基であり、Rは二塩基酸から誘導されるデカルボキシル化残基であるアルキル又は脂環式基であって、但しR又はRの少なくとも一方はシクロアルキル基である。
【0043】
好ましい脂環式ポリエステルは式(X)の繰返し単位を有するポリ(1,4−シクロヘキサン−ジメタノール−1,4−シクロヘキサンジカーボネート)である。
【0044】
【化10】

式(VII)中、Rはシクロヘキサン環であり、Rはシクロヘキサンジカーボネート又はその化学的等価物から誘導されるシクロヘキサン環であって、そのシス又はトランス異性体又はシス及びトランス異性体から選択する。脂環式ポリエステル樹脂は一般に好適な量のテトラ(2−エチルヘキシル)チタン酸塩のような好適な触媒、典型的には最終製品の全重量を基準にして約50〜400ppmのチタニウムの存在下で製造できる。
【0045】
約0.5〜約30重量%の脂肪酸及び/又は脂肪族ポリオールから誘導される単位を含んでおり、ポリエステル残部が芳香族ジオール及び芳香族ポリオールから誘導されるレゾルシノールアリールポリエステルであるコポリエステルも本明細書に検討する。
【0046】
バインダー組成物に使用できるポリアリレートは芳香族ジカルボン酸とビスフェノールのポリエステルをいう。アリールエステル結合に加えてカーボネート結合を含み、ポリエステルカーボネートとして知られるポリアリレート共重合体も好適である。これらアリールエステルは単独又は互いに組合せて、より好ましくはビスフェノールポリカーボネートと組合せて使用してもよい。これら有機ポリマーは芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成誘導体及びビスフェノール及びその誘導体から溶解又は溶融重合することによって調製できる。
【0047】
デカルボキシル化残基Rで表される芳香族ジカルボン酸の例はイソフタル酸又はテレフタル酸、1,2−ジ(p−カルボキシフェニル)エタン、4,4′−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4′ビスベンイン酸及びこれらの混合物である。これら酸はすべて1以上の芳香核を含む。1,4−、1,5−又は2,6−ナフタレンジカルボン酸のような縮合環含有酸も存在する。好ましいジカルボン酸はテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など又はこれらのジカルボン酸の1種以上の混合物である。
【0048】
有機ポリマーの混合物をデータ記憶装置のバインダー組成物として用いてもよい。好ましい有機ポリマー混合物はポリカーボネート(PC)−ポリ(1,4−シクロヘキサン−ジメタノール−1,4−シクロヘキサンジカーボネート)(PCCD)、PC−ポリ(シクロヘキサンジメタノール−コ−エチレンテレフタレート)(PETG)、PC−ポリエチレンテレフタレート(PET)、PC−ポリブチレンテレフタレート(PBT)、PC−ポリメチルメタクリレート(PMMA)、PC−PCCD−PETG、レゾルシノールアリールポリエステル−PCCD、レゾルシノールアリールポリエステル−PETG、PC−レゾルシノールアリールポリエステル、レゾルシノールアリールポリエステル−ポリメチルメタクリレート(PMMA)、レゾルシノールアリールポリエステル−PCCD−PETGなど又はこれらの1種以上の混合物である。
【0049】
2成分混合物、3成分混合物及び3種以上の樹脂を有する混合物はポリマー合金に用いてもよい。2成分混合物又は3成分混合物をポリマー合金に用いる場合、合金中のポリマー樹脂のいずれかは組成物全重量を基準にして約1〜約99重量%を構成していてもよい。この範囲内で、樹脂のいずれかの量は組成物全重量を基準にして約20重量%以上であって、好ましくは約30重量%以上、より好ましくは約40重量%以上である。この範囲内で、組成物全重量を基準にして約90重量%以下も望ましく、好ましくは約80重量%以下、より好ましくは約60重量%以下である。3成分混合物又は3種以上のポリマー樹脂を有する混合物を用いる場合、様々なポリマー樹脂が所望の比率において存在してもよい。
【0050】
バインダー組成物に用いてもよい好適な熱硬化性ポリマーの例はポリシロキサン、フェノール成分、ポリウレタン、エポキシド、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレートなど又はこれらの熱硬化性ポリマーの1種以上の混合物である。一実施形態では、有機材料は熱硬化性ポリマーの前駆体であってもよい。本明細書において定義する低分子量は約1000g/モル以下の分子量を有する分子である。 上記したように、光活性材料は染料である。ホログラフィック組成物を照射するとき、染料は感光剤のみによって活性化できる。染料は双安定性であって、即ち反応状態又は非反応状態のいずれにおいても存在できる。染料を感光剤の存在下で照射するとき、染料は色変化する。染料は第1色から第2色へと変化できる。代替的に、染料は無色状態(漂白状態)から着色状態へと変化できる。別の実施形態では、染料は着色状態から漂白状態へと変化できる。この色変化は媒体において用いられる材料の屈折率変化に相関する。この屈折率変化はデータ記憶に使用できるホログラムの製造に用いる。データは3次元に記憶する。記憶データを保存するために、反応又は非反応状態にある染料は長期間にわたって安定であることが望ましい。染料は感光剤の存在下のみにおいて反応することが望ましい。感光剤が存在しない又は奪活されたとき、染料がその非反応状態又は反応状態のいずれかにおいて存続することが望ましい。染料がホログラフィック組成物への加工温度にいかなる化学的変化をすることなく耐えることも望ましい。
【0051】
電磁照射によって照射する染料の一部は感光剤の存在下で色変化する。色変化は屈折率変化を生じることによってデータ記憶を促進する。色変化しない染料はバックグラウンドを形成する。一般に、色変化(即ちデータの書き込み)後、感光剤は失活する。定着剤は感光剤を失活するために適宜使用できる。この定着剤はバックグラウンドが色誘導照射によって色変化することを抑制するために使用することもできる。
【0052】
上記したように、好適な染料は双安定性であって、電磁照射によって照射すると感光剤の存在下で反応できるものである。染料は金属錯体又は有機化合物である。金属錯体としては、IB族金属錯体、IIB族金属錯体、VIII族金属錯体など又はこれらの錯体の1種以上を含む混合物である。
【0053】
光活性材料として使用できる好適な有機色素の例はアントラノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、クロコニン及びその誘導体、モノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ及びそれらの誘導体、ベンズイミダゾロン及びその誘導体、ジケトピロールピロール及びその誘導体、ジオキサジン及びその誘導体、ジアリーライド及びその誘導体、インダントロン及びその誘導体、イソインドリン及びその誘導体、イソインドリノン及びその誘導体、ナフトール及びその誘導体、ペリノン及びその誘導体、無水ペリレン酸と又はペリレン酸イミドのようなペリレン及びその誘導体、アンサントロン及びその誘導体、ジベンズピレンキノン及びその誘導体、ピラントロン及びその誘導体、ビオラントロン及びその誘導体、イソビオラントロン及びその誘導体、ジフェニルメタン、及びトリフェニルメタン型顔料、シアニン及びアゾメチン型顔料、インジゴイド型顔料、ビスベンゾイミダゾール型顔料、アズレニウム塩、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、ベンゾピリリウム塩、フタロシアニン及びその誘導体、ピラントロン及びその誘導体、キアシドン及びその誘導体、キノフタロン及びその誘導体、スクアライン及びその誘導体、スクアリリウム及びその誘導体、ロイコ色素及びその誘導体、重水素化ロイコ色素及びその誘導体、ロイコ−アジン色素、アクリジン、ジ−及びトリ−アリールメタン色素、キノンアミン、o−ニトロ−置換アリーリデン色素、アリールニトロン色素、或いはこれらの1種以上を含む混合物である。
【0054】
光活性材料として使用できる色素はロイコ色素である。ロイコ色素は一般に次に示す構造(XI)を有する。
【0055】
【化11】

式中、Rは硫黄又は酸素であり、R、R、R、R、R、R、R及びRは同一又は異なるもので独立に水素、ヒドロキシル、アルキル、アミン、−N(CH、−N(C又はこれらの置換基の1種以上を含む組合せである。反応式(XI)におけるRは水素とすることができる。 好適なロイコ色素の例は以下の構造又はそれらのロイコ色素の1種以上を含む混合物である。
【0056】
【化12】

【0057】
【化13】

【0058】
【化14】

上記のロイコ色素は無色形態である。感光剤と反応させると、上記した無色ロイコ色素は次の構造(XXII)に見られる着色形態へと変化できる。
【0059】
【化15】

式中、R、R、R、R、R、R、R、R及びRは構造(XV)で示したものと同一である。
【0060】
反応種として有用なロイコ色素としては、アクリル化ロイコアジン、フェノキサジン及びフェノチアジンであって、一部分を構造式(XXIII)によって示すことができる。
【0061】
【化16】

式中、XはO、S及び−N−R19から選択され、Sが好ましく、RとR10は独立に水素及び炭素原子数1〜約4のアルキル基から選択され、R11、R12、R14及びR15は独立に水素及び炭素原子数1〜約4のアルキル基から選択され、R13は炭素原子数1〜約16のアルキル基、炭素原子数1〜約16のアルコキシ基及び炭素原子数約16以下のアリール基から選択され、R16は−−N(R)(R10)、水素、炭素原子数1〜約4のアルキル基から選択され、RとR10は各々独立に上記の通り選択され定義され、R17とR18は独立に水素及び炭素原子数1〜約4のアルキル基から選択され、R19は炭素原子数1〜約4のアルキル基、炭素原子数約11以下のアリール基(好ましくはフェニル基)から選択される。以下の化合物はこのタイプのロイコ染料に例である。
【0062】
【化17】

その他の有用なロイコ色素としては、特に限定されないが、構造(XXVI)のロイコクリスタル・バイオレット(4,4′,4″−メチリジントリス−(N,N−ジメチルアニリン))、ロイコマラカイトグリーン(p,p′−ベンジリデンビス−(N,N−ジメチルアニリン))、Leuco Atacryl Orange−LGM(Color Index Basic Orange 21、化合物番号48035(フィッシャー塩基型化合物))、
【0063】
【化18】

構造(XXVII)のLeuco Atacryl Brilliant Red−4G(Color Index Basic 赤14)
【0064】
【化19】

構造(XXVIII)のLeuco Atacryl Yellow−R(Color Index Basic Yellow 11、化合物番号48055)
【0065】
【化20】

ロイコエチルバイオレット(4,4′,4″−メチリジントリス−(N,N−ジエチルアニリン)、ロイコビクトリアブルー−BGO(Color Index Basic 青728a、化合物番号44040、4,4′−メチリジンビス−(N,N,−ジメチルアラニン)−4−(N−エチル−1−ナフタールアミン))、粗ロイコアトランティックフクシン(4,4′,4″−メチリジントリス−アニリン)が挙げられる。
【0066】
好適なロイコ色素の他の例はアミノトリアリールメタン、アミノキサンテン、アミノチオキサンテン、アミノ−9,10−ジヒドロアクリジン、アミノフェノキサジン、アミノフェノチアジン、アミノジヒドロフェナジン、アミノジフェニルメタン、ロイコインダミン、アミノヒドロケイ皮酸(例えばシアノエタン、ロイコメチン)、ヒドラジン、ロイコインジゴイド色素、アミノ−2,3ジヒドロアントラキノン、テトラハロ−p,p′−ビフェノール−2(p−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、フェネチルアニリンなど又はこれらのロイコ色素の1種以上を含む混合物である。
【0067】
具体的なアミノアリールメタンはビス(4−アミノ−2−ブチルフェニル)(p−ジメチルアミノフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)(p−アミノフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)(o−クロロフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)フェニルメタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)(o−クロロフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)(o−エトキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)(p−メトキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−アミノ−3−エチルフェニル)(o−クロロフェニル)メタン、ビス(p−アミノフェニル)(4−アミノ−m−トリル)メタン、ビス(p−アミノフェニル)(o−クロロフェニル)メタン、ビス(p−アミノフェニル)(p−クロロフェニル)メタン、ビス(p−アミノフェニル)(2,4−ジクロロフェニル)メタン、ビス(p−アミノフェニル)(2,5−ジクロロフェニル)メタン、ビス(p−アミノフェニル)(2,6−ジクロロフェニル)メタン、ビス(p−アミノフェニル)フェニルメタン、ビス(4−アミノ−o−トリル)(p−クロロフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−o−トリル)(2,4−ジクロロフェニル)メタン、ビス(p−アニリノフェニル)(4−アミノ−m−トリル)メタン、ビス(4−ベンジルアミノ−2−シアノフェニル)(p−アニリノフェニル)メタン、ビス(p−ベンジルエチルアミノフェニル)(p−クロロフェニル)メタン、ビス(p−ベンジルエチルアミノフェニル)(p−ジエチルアミノフェニル)メタン、ビス(p−ベンジルエチルアミノフェニル)(p−ジメチルアミノフェニル)メタン、ビス(4−ベンジルエチルアミノ−o−トリル)(メトキシフェニル)メタン、ビス(p−ベンジルエチルアミノフェニル)−フェニルメタン、ビス(4−ベンジルエチルアミノ−o−トリル)(o−クロロフェニル)メタン、ビス(4−ベンジルエチルアミノ−o−トリル)(p−ジエチルアミノフェニル)メタン、ビス(4−ベンジルエチルアミノ−o−トリル)(4−ジエチルアミノ−o−トリル)メタン、ビス(4−ベンジルエチルアミノ−o−トリル)(p−ジメチルアミノフェニル)メタン、ビス[2−クロロ−4−(2−ジエチルアミノエチル)エチルアミノフェニル](o−クロロフェニル)メタン、ビス[p−ビス(2−シアノエチル)アミノフェニル]フェニルメタン、ビス[p−(2−シアノエチル)エチルアミノ−o−トリル(p−ジメチルアミノフェニル)]メタン、ビス[p−(2−シアノエチル)メチルアミノフェニル](p−ジエチルアミノフェニル)メタン、ビス(p−ジブチルアミノフェニル)[p−(2−シアノエチル)メチルアミノフェニル]メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(p−ジフェニルアミノフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−2−ブトキシフェニル)(p−ジエチルアミノフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−2−フルオロフェニル)o−トリルメタン、ビス(p−ジエチルアミノフェニル)(p−アミノフェニル)メタン、ビス(p−ジエチルアミノフェニル)(4−アニリノ−l−ナフチル)メタン、ビス(p−ジエチルアミノフェニル)(m−ブトキシフェニル)メタン、ビス(p−ジエチルアミノフェニル)(o−クロロフェニル)メタン、ビス(p−ジエチルアミノフェニル)(p−シアノフェニル)メタン、ビス(p−ジエチルアミノフェニル)(2,4−ジクロロフェニル)メタン、ビス(p−ジエチルアミノフェニル)(4−ジエチルアミノ−l−ナフチル)メタン、ビス(p−ジエチルアミノフェニル)(4−エチルアミノ−l−ナフチル)メタン、ビス(p−ジエチルアミノフェニル)2−ナフチルメタン、ビス(p−ジエチルアミノフェニル)(p−ニトロフェニル)メタン、ビス(p−ジエチルアミノフェニル)2−ピリジルメタン、ビス(p−ジエチルアミノ−m−トリル)(p−ジエチルアミノフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(o−クロロフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(p−ジエチルアミノフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)(o−エトキシフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)フェニルメタン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−ブロモフェニル)フェニルメタン、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)(4−アニリノ−l−ナフチル)メタン、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)(p−ブチルアミノフェニル)メタン、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)(p−sec−ブチルエチルアミノフェニル)メタン、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)(p−クロロフェニル)メタン、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)(p−ジエチルアミノフェニル)メタン、ビス(p−ジメチルアニリノフェニル)(4−ジメチルアミノ−l−ナフチル)メタン、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)(6−ジメチルアミノ−m−トリル)メタン、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)(4−ジメチルアミノ−o−トリル)メタン、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)(4−エチルアミノ−l−ナフチル)メタン、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)(p−ヘキシルオキシフェニル)メタン、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)(p−メトキシフェニル)メタン、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)(5−メチル−2−ピリジル)メタン、9ビス(p−ジメチルアミノフェニル)2−キノリルメタン、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−o−トリルメタン、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)(1,3,3−トリメチル−2−インドリンイリデンメチル)メタン、ビス(4−ジメチルアミノ−o−トリル)(p−アミノフェニル)メタン、ビス(4−ジメチルアミノ−o−トリル)(o−ブロモフェニル)メタン、ビス(4−ジメチルアミノ−o−トリル)(o−シアノフェニル)メタン、ビス(4−ジメチルアミノ−o−トリル)(o−フルオロフェニル)メタン、ビス(4−ジメチルアミノ−o−トリル)1−ナフチルメタン、ビス(4−ジメチルアミノ−o−トリル)フェニルメタン、ビス(p−エチルアミノフェニル)(o−クロロフェニル)メタン、ビス(4−エチルアミノ−m−トリル)(o−メトキシフェニル)メタン、ビス(4−エチルアミノ−m−トリル)(p−メトキシフェニル)メタン、ビス(4−エチルアミノ−m−トリル)(p−ジメチルアミノフェニル)メタン、ビス(4−エチルアミノ−m−トリル)(p−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス[4−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ−m−トリル](p−ジエチルアミノフェニル)メタン、ビス[p−(2−ヒドロキシエチル)アミノフェニル](o−クロロフェニル)メタン、ビス[p−(ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノフェニル](4−ジエチルアミノ−o−トリル)メタン、ビス[p−(2−メトキシエチル)アミノフェニル]フェニルメタン、ビス(p−メチルアミノフェニル)(o−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(p−プロピルアミノフェニル)(m−ブロモフェニル)メタン、トリス(4−アミノ−o−トリル)メタン、トリス(4−アニリノ−o−トリル)メタン、トリス(p−ベンジルアミノフェニル)メタン、トリス[4−ビス(2−シアノエチル)アミノ−o−トリル]メタン、トリス[p−(2−シアノエチル)エチルアミノフェニル]メタン、トリス(p−ジブチルアミノフェニル)メタン、トリス(p−d1−n−ブチルアミノフェニル)メタン、トリス(4−ジエチルアミノ−2−クロロフェニル)メタン、トリス(p−ジエチルアミノフェニル)メタン、トリス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)メタン、トリス(p−ジヘキシルアミノ−o−トリル)メタン、トリス(4−ジメチルアミノ−o−トリル)メタン、トリス(p−ヘキシルアミノフェニル)メタン、トリス[p−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノフェニル]メタン、トリス(p−メチルアミノフェニル)メタン、トリス(p−ジオクタデシルアニリノフェニル)メタン、トリス(4−ジエチルアミノ−2−フルオロフェニル)メタン、トリス(4−ジメチルアミノ−2−フルオロフェニル)メタン、ビス(2−ブロモ−4−ジエチルアミノフェニル)フェニルメタン、ビス(2−ブトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(p−メトキシフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−2−メトキシフェニル)(p−ニトロフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−l−ナフチル)(4−ジエチルアミノ−o−トリル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)1−ナフチルメタン、4−[ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−メチル]−アセトアニリド、トリス(4−ジメチルアミノ−2−クロロフェニル)メタン、ビス(4−ジメチルアミノ−2,5−ジメチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジメチルアミノ−o−トリル)(o−ブロモフェニル)メタン、ビス(4−エチルベンジルアミノ−o−トリル)(p−メトキシフェニル)メタン、トリス(p−ジオクチルアミノ−o−トリル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−4−メトキシ−l−ナフチルメタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−3,4,5−トリメトキシフェニルメタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−p−ヒドロキシフェニルメタン、5−[ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−メチル]−2,3−クレゾール酸、4−[ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−エチル]−フェノール、4−[ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−メチル]−アセトアニリド、4−[ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−メチル]−フェニル酢酸、4−[ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−メチル安息香酸、4−[ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−メチル]−ジフェニルスルホン、4−[ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−メチル]−フェニルメチルスルホン、4−[ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−メチル]−メチルスルホンアニリド、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(2−ジエチルアミノ−4−メチル−5−チアゾリル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(2−ジエチルアミノ−5−メチル−6−ベンゾオキサゾールイル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(2−ジエチルアミノ−5−メチル−6−ベンゾチアゾリル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(1−エチル−2−メチル−3−インドリル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(1−ベンジル−2−メチル−3−インドリル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(1−エチル−2−メチル−5メトキシ−3−インドリル)メタン、ビス(1−o−キシリル−2−メチル−3−インドリル)(4−ジエチルアミノ−oトリル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(1−エチル−5−インドリニル)メタン、ビス(1−イソブチル−6−メチル−5−インドリニル)(4−ジエチルアミノ−o−トリル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(8−メチル−9−ジュロリンジニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−2−アセトアミドフェニル)(4−ジエチルアミノ−o−トリル)メタン、4−[ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)メチル]−N−エチルアセトアニリド、ビス[4−(1−フェニル−2,3−ジメチル−5−ピラゾリンイル)](4−ジエチルアミノ−o−トリル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(7−ジエチルアミノ−4−メチル−3−クマリンイル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(4−アクリルアミドフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(p−ベンジルチオフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(4−イソプロピルチオ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−(4−クロロベンジルチオフェニル)
メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(2−フリル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(3,4−メチレンジオキシフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(3,4−ジメトキシフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(3−メチル−2−チエニル)メタン、ビス(4−ジエチルアニリノ−o−トリル)(2,4−ジメトキシフェニル)メタン、ビス[4−(2−シアノエチル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ−o−トリル](p−ベンジルチオフェニル)メタン、ビス[4−(2−シアノエチル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ−o−トリル]2−チエニルメタン、ビス(4−ジブチルアミノ−o−トリル)2−チエニルメタン、ビス(4−ジエチルアミノ−2−エチルフェニル)(3,4−メチレンジオキシフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−2−フルオロフェニル)(p−ベンジルチオフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−2−フルオロフェニル)(3,4−メチレンジオキシフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)(p−メチルチオフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)2−チエニルメタン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−ヘキシルフェニル)(p−ブチルチオフェニル)メタン、ビス[4−(N−エチルアニリノ)−o−トリル](3,4−ジブトキシフェニル)メタン、ビス[4−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−フルオロフェニル](p−ベンジルチオフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−p−クロロフェニルメタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−p−ブロモフェニルメタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−p−フルオロフェニルメタン、ビス(4−ジエチルアニリノ−o−トリル)−p−トリルメタン、ビス(4−ジエチルアニリノ−o−トリル)−4−メトキシ−l−ナフチルメタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)3,4,5−トリメトキシフェニルメタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−p−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−3−メチルチエニルメタンなど又はこれらのアミノアリールメタンの1種以上を含む混合物である。
【0068】
ホログラフィック記憶組成物中の光活性材料として用いてもよい重水素化ロイコ色素の例としては、重水素化アミノトリアリールメタン、重水素化アミノキサンテン、重水素化アミノチオキサンテン、重水素化アミノ−9,10−ジヒドロアクリジン、重水素化アミノフェノキサジン、重水素化アミノフェノチアジン、重水素化アミノジヒドロフェナジン、重水素化アミノジフェニルメタン、重水素化ロイコインダミン、重水素化アミノヒドロケイ皮酸(シアノエタン、ロイコメチン)、重水素化ヒドラジン、重水素化ロイコインジゴイド色素、重水素化アミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン、重水素化テトラハロ−p,p′−ビフェノール、重水素化2(p−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、重水素化フェネチルアニリン又はこれらの重水素化ロイコ色素の1種以上を含む混合物が挙げられる。
【0069】
一実施形態では、光活性材料は有機材料バインダーに共有結合できる。別の実施形態では、ロイコ染料又はロイコ染料誘導体が有機材料バインダーに共有結合することが望ましい。有機材料バインダーがポリマーである場合、ロイコ染料又はロイコ染料誘導体は主鎖に結合でき又は主鎖の置換基とすることができる。
【0070】
光活性材料はホログラフィック記憶組成物中に、ホログラフィック組成物の全重量を基準にして0.1〜約50重量%の量で存在することが望ましい。一実施形態では、光活性材料はホログラフィック記憶組成物中に、ホログラフィック組成物の全重量を基準にして1〜約40重量%の量で存在する。別の実施形態では、光活性材料はホログラフィック記憶組成物中に、ホログラフィック組成物の全重量を基準にして2〜約20重量%の量で存在する。さらに別の実施形態では、光活性材料はホログラフィック記憶組成物中に、ホログラフィック組成物の全重量を基準にして3〜約10重量%の量で存在する。
【0071】
ホログラフィック組成物は感光剤も含む。感光剤は、光活性材料を照射すると該光活性材料の色変化を促進する。一実施形態では、感光剤は光活性材料と触媒的又は化学量論的に反応する種であって、それによって光活性材料の色変化を促進する。電磁照射完了によるデータ書き込み後、感光剤を失活させることが望ましい。一実施形態では、感光剤は感光剤と化学的に反応して感光剤を失活させる定着剤を用いることによって失活できる。別の実施形態では、感光剤は温度変化によって失活できる。さらに別の実施形態では、感光剤は電磁照射を用いることによって失活できる。
【0072】
本明細書において用いる「失活」という用語はデータ書き込み工程を行った後、光活性材料内での追加的な色形成を抑制することをいう。組成物の曝露エリアを色誘導電磁照射に対して比較的無反応性化するために有効な刺激を組成物に与えると、失活が起こる。上記したように、失活は熱的、化学的及び/又は電磁照射系刺激に応答してなすことができる。一般に、失活が起こると、ホログラフィック組成物は化学線を曝露した際の色変化に実質的に不反応性である。しかし、失活の程度は熱的、化学的及び/又は電磁照射系刺激の量によって変動し得る。
【0073】
好適な感光剤の例は光活性化酸化剤、一光子感光剤、二光子感光剤、三光子感光剤、多光子感光剤、酸、塩基、塩、フリーラジカル感光剤、カチオン性感光剤など又はこれらの感光剤の1種以上を含む混合物である。一実施形態では、感光剤は染料とすることができる。例えば、ある染料(例えばクマリン)は光活性材料である他の染料(例えばロイコ染料)の感光剤として作用できる。別の実施形態では、感光剤は光活性材料の活性を促進する電子供与体又は電子受容体とすることができる。
【0074】
好適な光酸化剤の例としては、ヘキサアリールビイミダゾール化合物(HABI)、半導体ナノ粒子、フリーラジカルとしての第1ハロゲンの生成に有効な40kcal/モル以上の結合解離エネルギーを有しかつそれに結合する水素を1以上有しないハロゲン化化合物、ハロゲン化スルホニル、Rがアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルカリル基又はアラルキルからなる群のいずれかであり、Xが塩素又は臭素であるR−SO−X、R′とX′がR−SO−XにおけるR及びXと同意義である式R′−S−X′のハロゲン化スルフェニル、テトラアリールヒドラジン、ベンゾチアゾリルジスルフィド、ポリメタクリルアルデヒド、アルキリデン2,5−シクロヘキサジエン−1−オン、アゾベンジル、ニトロソ、アルキル(T1)、過酸化物、ハロアミン又はこれらの光活性化酸化剤の1種以上を含む混合物が挙げられる。
【0075】
ロイコ色素、重水素化ロイコ色素又はトリアリールメタンに適した光活性化酸化剤はヘキサアリールビイミダゾールである。使用し得るヘキサアリールビイミダゾールの好適なとしては、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(p−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(p−カルボキシフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(p−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(13−シアノフェニル)−4,41,5,5′−テトラキス(p−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジメトキシフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2−ビス(o−エトキシフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(m−フルオロフェニル)−4,4,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−フルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(p−フルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ヘキアオキシフェニル)−4,4,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ヘキシルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(p−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2′−ビス(3,4−メチレンジオキシフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス[m−(βフェノキシエトキシフェニル)]ビイミダゾール、2,2′−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−メトキシフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(p−メトキシフェニル)−4,4′−ビス(o−メトキシフェニル)5,5′−ジフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2−ビス(p−フェニルスルホニルフェニル)−4,4,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(p−スルファモイルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−d1−4−ベフェニリル−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−d1−l−ナフチル−4,4′,5,5′−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−d1−9−フェナントリル−4,4′,5,5′−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ジフェニル−4,4′,5,5−テトラ−4−ビフェニルビイミダゾール、2,2′−ジフェニル−4,4′5,5′−テトラ−2,4−キシリルビイミダゾール、2,2′−d1−3−ピリジル−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−d1−3−チエニル−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ジ−o−トリル−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ジ−p−トリル−4,4′−d1−o−トリル−5,5′−ジフェニルビイミダゾール、2,2′−ジ−2,4−キシリル−4,4′,5,5−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′,4,4′,5,5′−ヘキサキス(p−ベンジルチオフェニル)ビイミダゾール、2,2′,4,4′,5,5′−ヘキサ−l−ナフチルビイミダゾール、2,2′,4,4′,5,5′−ヘキサフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−ニトロ−5−メトキシフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール及び2,2′−ビス(2−クロロ−5−スルホフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾールが挙げられる。
【0076】
ホログラフィック組成物中の多光子感光剤として使用できる半導体ナノ粒子としては、2以上の光子の吸収(好ましくは同時吸収)によって接近できる1以上の電気的励起状態を有するものが挙げられる。ナノ粒子は光活性材料中に実質的に溶解性(つまり実質的に非凝集性)であることが望ましい。好適なナノ粒子は一般に約1nm〜約300nmの平均径を有する。サイズ分布が相当狭いナノ粒子は競合的一光子吸収を避けるために望ましい。ナノ粒子は1以上の半導体材料を含むことができる。有用な半導体材料としては、例えばII族とVI族半導体が挙げられる。II族とVI族半導体の好適な例はZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、MgTeなど又はこれらのII族半導体ナノ粒子の1種以上を含む混合物である。III〜V族の好適な例としては、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlAs、AlP、AlSb、AlSなど又はこれらのIII〜V族半導体微粒子の1種以上を含む混合物が挙げられる。IV族半導体の好適な例としては、Ge、Siなど又はこれらのIV族半導体ナノ粒子の1種以上を含む混合物が挙げられる。
【0077】
有用な半導体ナノ粒子としては、量子ドットと呼ばれるナノ結晶が挙げられ、ナノ結晶は好ましくはバルク励起子半導体のボーア半径以下の径を有しており、材料の分子形とバルク形の間の材料中間体クラスを構成する。量子ドットにおいて、3次元すべてにおける電子とホール双方の量子閉じ込めは粒子径の減少とともに半導体の有効バンドギャップの増加をもたらす。結果的に、粒子径が小さくなるにつれて、粒子の吸収限界と放射波長の双方が高エネルギーへと移動する。この効果は粒子の有効酸化及び還元電位を調節し、感光剤系の他の成分の吸収帯に適合するために使用できる。
【0078】
特に望ましい半導体ナノ粒子は第2半導体材料の「シェル」で囲んだ1以上の第1半導体材料の「コア」(以後、「コア/シェル」半導体粒子とする)を含む。囲むシェル材料はコア材料に近似した原子空間を有するように選択できる。発光の向上が望まれる場合、コア/シェルペアのバンドギャップとバンドオフセットはコア内に位置する電子とホールの双方にとってエネルギー的に好ましくなるよう選択できる。電子−ホールペアの電荷分離確率の向上が望まれる場合、コア/シェルペアのバンドギャップとバンドオフセットはシェル内に位置する電子とコア内に位置するホールの双方又はその逆にとってエネルギー的に好ましくなるよう選択できる。
【0079】
一実施形態では、ナノ粒子表面の少なくとも一部は反応種における適合性及び分散性又は溶解性を補助できるように修飾する。この表面修飾は当分野において公知の種々異なる方法によってなすことができる。一般に、好適な表面処理剤は光活性材料中の溶解性を与えるように選択される1以上の基(溶解又は安定基)と半導体表面への親和性を有する1以上の基(結合基)を含む。好適な結合基としては、半導体表面との相互作用に利用できる1以上の電子対(例えば、酸素、硫黄、窒素又はリン含有基)を含むものが挙げられる。かかる結合基を含む好適な表面処理剤の例としては、アミン、チオール、ホスフィン、アミン酸化物、ホスフィン酸化物等が挙げられる。かかる結合基は主に結合基の窒素、硫黄、酸素又はリン原子の孤立電子対の配位結合を介して半導体表面に付着する。しかし、他の化学的結合(例えば、共有結合又はイオン結合)又は物理的相互作用を介してナノ粒子表面に付着できる結合基を含む表面処理剤も上記のように使用できる。
【0080】
上記したように、一光子感光剤、二光子及び三光子感光剤はホログラフィック組成物において光活性材料を活性化するために使用できる。一光子感光剤の例としては、電磁スペクトルの紫外又は可視領域の波長を有する放射線に曝露すると、フリーラジカル源を発生するフリーラジカル感光剤及び酸(プロトン酸又はルイス酸が挙げられる)を発生するカチオン性感光剤が挙げられる。
【0081】
好適なフリーラジカル感光剤の例としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、アリールグリオキサル酸、アシルホスフィン酸化物、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、チオキサントン、クロロアルキルトリアジン、ビスイミダゾール、トリアシルイミダゾール、ピリリウム化合物、スルホニウム及びヨードニウム塩、メルカプト化合物、キノン、アゾ化合物、有機過酸化物及びそれらの混合物が挙げられる。
【0082】
有用なカチオン性感光剤の例としては、オニウムカチオンと金属又は半金属のハロゲン含有錯アニオンを有するメタロセン塩、有機金属錯カチオン及び金属又は半金属のハロゲン含有錯アニオンを有するメタロセン塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩など又はこれらのカチオン性感光剤の1種以上を含む混合物が挙げられる。
【0083】
一光子感光剤の他の例はケトン、クマリン色素(例えばケトクマリン)、キサンテン色素、アクリジン色素、チアゾール色素、チアジン色素、オキサジン色素、アジン色素、アミノケトン色素、ポルフィリン、芳香族多環式炭化水素、p−置換アミノスチリルケトン化合物、アミノトリアリールメタン、メロシアニン、スクアリリウム色素、シアニン色素、ピリジニウム色素など又はこれらの一光子感光剤の1種以上を含む混合物である。
【0084】
ケトン感光剤の一クラスは以下の一般構造(XXIX)によって示すものを含む。
【0085】
ACO(X)B (XXIX)
式中、XはCO又はCRであって、RとRは同一でも異なるものでもよく、水素、アルキル、アルカリル基又はアラルキルであり、bはゼロであり、AとBは同一でも異なるものでもよく、置換(1以上の非相互作用置換基を有する)又は非置換のアリール、アルキル、アルカリル基又はアラルキル基又はAとBが共に置換又は非置換の脂環式、芳香族、複素芳香族又は融合芳香環であってもよい環状構造を形成できる。
【0086】
上記式の好適なケトンの例としては、2,2−、4,4−又は2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ジ−2−ピリジルケトン、ジ−2−フラニルケトン、ジ−2−チオフェニルケトン、ベンゾイン、フルオレノン、カルコン、ミッシェルケトン、2−フルオロ−9−フルオレノン、2−クロロチオキサントン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、1−又は2−アセトナフトン、9−アセチルアントラセン、2−、3−又は9−アセチルフェナントレン、4−アセチルビフェニル、プロピオフェノン、n−ブチロフェノン、バレロフェノン、2−、3−又は4−アセチルピリジン、3−アセチルクマリン等のようなモノケトン(b=0)又はこれらのケトンの1種以上を含む混合物が挙げられる。好適なジケトンの例としては、アントラキノン等のアラルキルジケトン、フェナントレンキノン、o−、m−及びp−ジアセチルベンゼン、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−、1,7−及び1,8−ジアセチルナフタレン、1,5−、1,8−及び9,10−ジアセチルアントラセンなど又はこれらのジケトンの1種以上を含む混合物が挙げられる。好適なα−ジケトン(b=1かつx=CO)の例としては、2,3−ブタンジオン、2,3−ペンタンジオン、2,3−ヘキサンジオン、3,4−ヘキサンジオン、2,3−ヘプタンジオン、3,4−ヘプタンジオン、2,3−オクタンジオン、4,5−オクタンジオン、ベンジル、2,2′−、33′−及び4,4′−ジヒドロキシルベンジル、フリル、ジ−3,3′−インドリルエタンジオン、2,3−ボルナンジオン(カンホルキノン)、ビアセチル、1,2−クロロヘキサンジオン、1,2−ナフサキノン、アセナフサキノンなど又はこれらのα−ジケトンの1種以上を含む混合物が挙げられる。
【0087】
好適なケトクマリンとp−置換アミノスチリルケトン化合物の例としては、3−(p−ジメチルアミノシンナモイル)−7−ジメチル−アミノクマリン、3−(p−ジメチルアミノシンナモイル)−7−ジメチル−アミノクマリン、3−(p−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジメチル−アミノクマリン、3−(p−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジメチル−アミノクマリン、9′−ジュロリジン−4−ピペリジノアセトフェノン、9′−ジュロリジン−4−ピペリジノアセトフェノン、9−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H,6H,10H[1]ベンゾピラノ[6,7,8−i,j]キノリジン−10−オン、9−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H、6H,10H[1]ベンゾピラノ[6,7,8−i,j]キノリジン−10−オン、9−(4−ジシアノエチルアミノシンナモイル)−1,2,4,5−テトラ−ヒドロ−3H,6H,10H[1]ベンゾピラノ[6,7,8−i,j]−キノリジン−10−オン、9−(4−ジシアノエチルアミノシンナモイル)−1,2,4,5−テトラ−ヒドロ−3H,6H,10H[1]ベンゾピラノ[6,7,8−i,j]−キノリジン−10−オン、2,3−ビス(9′−ジュロリジン)シクロペンタノン、2,3−ビス(9′−ジュロリジン)シクロペンタノン、9−エトキシカルボニル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H,6H,10H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−i,j]キノリジン−10−オン、9−エトキシカルボニル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H,6H,10H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−i,j]キノリジン−10−オン、2−(4′−ジエチルアミノベンジルリジン)−1−インダノン、2−(4′−ジエチルアミノベンジルリジン)−1−インダノン、9−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H,6H,10H[1]ベンゾ−ピラノ[6,7,8−i,j]キノリジン−10−オン、9−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H,6H,10H[1]ベンゾピラノ[6,7,8−i,j]キノリジン−10−オン、5,10−ジエトキシ−12,16,17−トリクロロビオラントレン、及び5,10−ジエトキシ−12,16,17−トリクロロビオラントレンなど又はこれらのケトクマリン及びp−置換アミノスチリルケトン化合物の1種以上を含む混合物が挙げられる。
【0088】
好適な一光子感光剤の他の例としては、ローズベンガル(つまり、4,5,6,7−テトラクロロ−2′,4′,5′,7′−テトラヨードフルオレセインジナトリウム塩、3−メチル−2−[(1E,3E)−3−(3−メチル−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−イリデン)プロパ−1−エニル]−1,3−ベンゾチアゾール−3−イウムイオジド、カンホルキノン、グリオキサル、ビアセチル、3,3,6,6−テトラメチルシクロヘキサンジオン、3,3,7,7−テトラメチル−1,2−シクロヘプタンジオン、3,3,8,8−テトラメチル−1,2−シクロオクタンジオン、3,3,18,18−テトラメチル−1,2−シクロオクタデカンジオン、ジピバロイル、ベンジル、フリル、ヒドロキシベンジル、2,3−ブタンジオン、2,3−ペンタンジオン、2,3−ヘキサンジオン、3,4−ヘキサンジオン、2,3−ヘプタンジオン、3,4−ヘプタンジオン、2,3−オクタンジオン、4,5−オクタンジオン、1、2−クロロヘキサンジオンなど又はこれらの1種以上を含む混合物が挙げられる。
【0089】
上記したように、電子供与体化合物は感光剤組成物に使用できる。好適な電子供与体化合物の例としては、アミンアミド、エーテル、尿素、スルフィン酸とその塩、フェロシアン塩、アスコルビン酸とその塩、ジチオカルバミン酸とその塩、キサントゲン酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩など又はこれらの電子供与体の1種以上を含む混合物が挙げられる。電子供与体化合物は非置換であっても、1以上の非相互作用置換基で置換してもよい。具体的な電子供与体化合物は電子供与体原子(窒素、酸素、リン又は硫黄原子等)及び電子供与体原子に対してα位の炭素又はケイ素原子に結合した除去可能な水素原子を含む。
【0090】
好適なアミン電子供与体化合物の例としては、アルキル−、アリール−、アルカリル基及びアラルキル−アミン(例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、トリエタノールアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、2,4−ジメチルアニリン、2,3−ジメチルアニリン、o−、m−及びp−トルイジン、ベンジルアミン、アミノピリジン、N,N′−ジメチルエチレンジアミン、N,N′−ジエチルエチレンジアミン、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン、N,N′−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ジエチル−2−ブテン−1,4−ジアミン、N,N′−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、ピペラジン、4,4′−トリメチレンジピペリジン、4,4′−エチレンジピペリジン、p−N,N−ジメチル−アミノフェンエタノール及びp−N−ジメチルアミノベンゾニトリル)、アミノアルデヒド(例えばp−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−N,N−ジエチルアミノベンズアルデヒド、9−ジュロリジンカルボキシアルデヒド及び4−モルホリノベンズアルデヒド)、及びアミノシラン(例えばトリメチルシリルモルホリン、トリメチルシリルピペリジン、ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルシラン、トリス(ジメチルアミノ)メチルシラン、N,N−ジエチルアミノトリメチルシラン、トリス(ジメチルアミノ)フェニルシラン、トリス(メチルシリル)アミン、トリス(ジメチルシリル)アミン、ビス(ジメチルシリル)アミン、N,N−ビス(ジメチルシリル)アニリン、N−フェニル−N−ジメチルシリルアニリン、及びN,N−ジメチル−N−ジメチルシリルアミン)など又はこれらのアミンの1種以上を含む混合物が挙げられる。好適なアミド電子供与体化合物の例としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N、N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−N−フェニルアセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド、ヘキサエチルホスホラミド、ヘキサプロピルホスホラミド、トリモルフォリノホスフィンオキシド、トリピペリジノホスフィンオキシドなど又はこれらのアミドの1種以上を含む混合物が挙げられる。ホログラフィック組成物における使用に適した電子受容体感光剤としては、一光子感光剤又は半導体ナノ粒子の電子的励起状態から電子を受容し、それによって1以上のフリーラジカル及び/又は酸を形成するものが挙げられる。かかる感光剤としては、ヨードニウム塩(例えばジアリールヨードニウム塩)、クロロメチル化トリアジン(例えば2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン及び2−アリール−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン)、ジアゾニウム塩(例えばアルキル、アルコキシ、ハロ又はニトロのような基で適宜されるフェニルジアゾニウム塩)、スルホニウム塩(例えば、アルキル又はアルコキシ基で適宜置換され、隣接アリール基を架橋する2,2′オキシ基を適宜有するトリアリールスルホニウム塩)、アジニウム塩(例えば、N−アルコキシピリジニウム塩)及びトリアリールイミダゾリルダイマー(好ましくは2,2′,4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,1′−ビイミダゾールのような4,5−トリフェニルイミダゾリルダイマー)又はこれらの電子の1種以上を含む混合物が挙げられる。
【0091】
好適なヨードニウム塩感光剤の例としては、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、フェニル−4−メチルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ(4−ヘプチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ(3−ニトロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−クロロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(ナフチル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロヒ酸塩、ジ(4−フェノキシフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、フェニル−2−チエニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、3,5−ジメチルピラゾリル−4−フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、2,2′−ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ(2,4−ジクロロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−ブロモフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−メトキシフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(3−カルボキシフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(3−メトキシカルボニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(3−メトキシスルホニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−アセトアミドフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(2−ベンゾチエニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩など又はこれらのヨードニウム塩の1種以上を含む混合物が挙げられる。
【0092】
好適なジアゾニウム塩の例としては、1−ジアゾ−4−アニリノベンゼン、N−(4−ジアゾ−2,4−ジメトキシフェニル)ピロリジン、1−ジアゾ−2,4−ジエトキシ−4−モルホリノベンゼン、1−ジアゾ−4−ベンゾイルアミノ−2,5−ジエトキシベンゼン、4−ジアゾ−2,5−ジブトキシフェニルモルホリノ、4−ジアゾ−1−ジメチルアニリン、1−ジアゾ−N,N−ジメチルアニリン、1−ジアゾ−4−N−メチル−N−ヒドロキシエチルアニリンなど又はこれらの塩の1種以上を含む混合物が挙げられる。
【0093】
感光剤はホログラフィック組成物の全重量を基準にして約0.01〜約10重量%の量で用いる。感光剤の好ましい量はホログラフィック組成物の全重量を基準にして約5重量%である。
【0094】
記憶データの定着は物理的及び/又は化学的手段によってなすことができる。物理的手段は熱的又は電磁照射系刺激を用いる。化学的手段は一般に感光剤を失活させる定着剤と呼ばれる化学物質を用いる。失活工程を行う一方法では、熱的刺激、化学刺激又は電磁照射系刺激は、定着剤が感光剤を失活できるよう各々別々に加えることができる。失活工程を行う別の方法では、上記刺激のいかなる2種又はすべては定着剤が感光剤を失活できるよう一緒に加えることができる。失活工程を行うさらに別の方法では、第1刺激は第2刺激を誘発するために使用でき、第2刺激は感光剤の失活をもたらす。例えば、電磁照射系刺激は感光剤を失活させるラジカルを発生できる。
【0095】
感光剤を失活させるために熱的工程を用いる場合、ホログラフィック組成物又は該組成物から製造される物品の温度を感光剤が昇華、蒸発又は非反応種へと分解するまで昇温する。この方式による感光剤の昇華、蒸発又は分解は失活を促進する。
【0096】
定着に化学刺激を用いる場合、感光剤を失活させるために、組成物に用いる定着剤を感光剤と反応させる。上記で定義した定着剤は感光剤を失活させるために有効な反応物質である。定着剤は感光剤を失活させるために有効な量でも存在する。例えば、感光剤が光活性化酸化剤である場合、還元剤が定着剤として使用できる。
【0097】
電磁照射系刺激を感光剤を失活させるために用いる場合、照射は感光剤を失活できる基を遊離するのに有効な波長において行う。感光剤を失活できる基を遊離するのに有効な波長は一般にホログラフィックデータ記憶媒体にデータを書き込むために用いる波長と異なる。
【0098】
別の実施形態では、失活工程を行う別の方法では、ホログラフィック組成物は感光剤を失活させるために数種異なる波長の電磁照射で照射できる。例えば、紫外及び可視電磁エネルギーは感光剤を失活させるために同時に又は順次使用できる。かかる場合、一般に可視電磁エネルギーを先に加える。定着剤は感光剤を失活させるために感光剤と直接反応させることができる。代替的に、定着剤は感光剤を失活できるラジカルを遊離させるために光活性材料と反応できる。感光剤の失活は光活性材料内のさらなる色変化を抑制する。別の実施形態では、失活工程を行うさらに別の方法では、ホログラフィック組成物は電磁エネルギーで同時に又は順次照射しつつ熱的に加熱できる。
【0099】
失活後、次の色誘導電磁照射への曝露による色変化へのバックグラウンドの耐性は一般に照射強度と曝露時間によって決まる。ホログラフィック組成物中に得られる失活の程度は所定量の色を通常生成する予め選択した量の紫外イメージ照射に曝露することによって測定できる。達成される失活の程度は例えば、失活させる電磁照射の強度、用いる定着剤及び定着剤の刺激に用いる刺激のような多数の因子によって決まる。このように曝露した物質は「失活」又は「定着」されており、失活エリアが着色(画像化)エリアと比較するバックグラウンドとして作用する。
【0100】
書き込みと読み出しを化学線を用いて行う波長は約350nm〜約1100nmである。一実施形態では、書き込みと読み出しは波長約400nm〜約800nmで行う。別の実施形態では、書き込みと読み出しは波長約400nm〜約550nmで行う。書き込みと読み出しを行う具体的な波長は波長約405nmと約800nmである。
【0101】
一実施形態では、ホログラフィックデータ記憶媒体の製造方法では、データ記憶組成物を形成するために、光活性材料、感光剤及び適宜定着剤を混合工程において有機ポリマーに組み込むことができる。混合工程後、データ記憶組成物をホログラフィックデータ記憶媒体に射出成形する。
成形の例としては、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、真空成形等が挙げられる。
【0102】
光活性材料、感光剤及び適宜定着剤を有機ポリマーに組み込むことができる混合工程はせん断力、伸長力、圧縮力、超音波エネルギー、電磁エネルギー、熱エネルギー又はこれらの力又はエネルギーの1種以上の組合せを用い、該力を単軸スクリュ、複数軸スクリュ、噛合同方向回転又は逆方向回転スクリュ、非噛合同方向回転又は逆方向回転スクリュ、往復スクリュ、ピン付きスクリュ、スクリーン付きスクリュ、ピン付きバレル、ロール、ラム、ヘリカルロータ、バッフル又はこれらの1種以上の組合せによって生み出す設備において行う。
【0103】
混合は、単軸又は複数軸スクリュ押出機、ブスニーダ、ヘンシェル、ヘリコーン、アイリッヒミキサ、ロスミキサ、バンバリー、ロール製粉機、射出成形機、真空成形機、ブロー成形機等のような成形機械又はこれらの機械の1種以上の組合せのような機械において行うことができる。
【0104】
データ記憶媒体の成形後、第1波長を有する電磁エネルギーを媒体に照射することによってデータを媒体に記憶できる。照射は感光剤の活性化を促進し、それによって光活性材料の色変化を促進し、データを暗号化するホログラムを作成する。データを破壊又は劣化させることなく回収する(読み出す)ために、媒体に第2波長を有する電磁エネルギーを照射する。上記の通り、第1及び第2波長は400〜800nmであってもよい。一実施形態では、第1波長は第2波長と非同一である。別の実施形態では、データの記憶に用いる波長は、データの読み出しに用いる波長と同一である。かかる実施形態では、第1波長は第2波長と等しい。
【0105】
開示したホログラフィックを作成する好適なホログラフィック記憶工程の例を図1aにおいて説明する。この構成において、レーザ10からの出力はビームスプリッタ20によって2つの等しいビームに分割される。一方のビームである信号ビーム40は空間光変調器(SLM)又は変形可能鏡素子(DMD)30に入射し、記憶すべきデータを信号ビーム40に与える。この装置は入力電気信号に基づいて光を遮断又は伝送する多数の画素からなる。画素の各々は記憶すべきデータの1ビット又は1ビットの一部(1ビットはSLM又はDMD30の1以上の画素を消費し得る)を表示できる。次にSLM又はDMD30の出力は記憶媒体60上に入射する。第2ビームである干渉ビーム50は第1反射鏡70によって最小限の変形で媒体60まで伝送される。これら2ビームは記憶媒体60の同一エリアにおいて異なる角度で同期する。最終的に、2ビームは記憶媒体60内の交差点に干渉縞を作成する。干渉縞はSLM又はDMD30によって信号ビーム40に与えられたデータに固有の写像である。光活性モノマーの少なくとも一部は環化し、それによってレーザ光に曝露される領域における屈折率変化が誘導されて、干渉縞を調節し、記憶媒体60内に格子を効率的に作成する。
【0106】
データを読み出すため、図1bに示すように、記憶媒体60に作成された格子又はパターンをシャッタ80で信号ビーム40を遮断することによって信号ビーム40の非存在下、干渉ビーム50のみに曝露し、データを再生信号ビーム90内に再生する。
【0107】
物性を検査するために、回折効率の測定を用いることができる。この計測用の好適なシステムを図2aに示す。この機構はホログラフィック記憶機構と極めて類似するが、SLM又はDMDの代わりに第2鏡100がある。レーザ10は2ビーム110,120に分割され、それらビームは次に記憶媒体60中で干渉して平面波格子を作成する。図2bに示すように、2ビームの一方が消すかシャッタ80で遮断され、記憶媒体60の格子によって回折する光量を測定する。回折効率は記憶媒体60への入射の全パワーに対する回折ビーム130のパワーとしてとして測定する。より正確に測定するには、記憶媒体60における、その表面での反射及び/又はその内部での吸収による損失も考慮してもよい。
【0108】
代替的に、媒体、特に多重ホログラムの特性を検査するために、ホログラフィック平面波特性決定システムを用いてもよい。かかるシステムは所定試料にM/#を与え、それは媒体に記憶した多重ホログラムの最大数と効率によって判断される試料の究極ダイナミックレンジ又は情報記憶能力を特性決定するために用いる。これら測定用の好適なシステムを図3に示す。この構成において、第1レーザ10からの出力は、読み出し/書き込み制御用の第1シャッタ140、第1の2分の1波長板150と出力制御用の第1偏光ビームスプリッタ160との組合せを通過する。次に、光はビームサイズを調節する第1の2レンズ望遠鏡170、ビームを測定エリアに転送する第1反射鏡180、その後第2鏡を通過する。次に、光は第2の2分の1波長板200、ビームを2つに分割し該2ビームの各々のパワーを制御する第2偏光ビームスプリッタ210を通過する。次に、ビームスプリッタ210の反射ビームは第2シャッタ220を通過し、そのシャッタは第1ビームのパワーのオン/オフ独立制御を可能にする。次に、第1ビームは第3鏡230で反射し、回転ステージ240上に設けた媒体60に入射する。媒体60を透過した第1ビームは第1検出器250によって回収される。第2ビームは、第1ビームと同一方向に偏光を回転させる第3の2分の1波長板260、次に第2ビームのオン/オフ制御を与える第3シャッタ225を通過する。次に、第2ビームは第4鏡235で反射し、媒体60に入射する。曝露間の試料内のインサイツ動力学的変化を測定するため、第2レーザ270は第2の2レンズ望遠鏡175を通過し、第5鏡185、次に第6鏡195で反射し、次に第2ビームと同位置の媒体60で同期する。次に、回折ビームは第2検出器255に回収される。
【0109】
ホログラフィック記憶媒体は、データのホログラフィック記憶媒体への記憶にレーザからのある波長光を用いる一方、データの読み出しに同一又は異なる波長光を用いる方法と組合せて用いてもよい。したがって、データの書き込みに用いた波長は、使用した特定光活性材料の写像である。ホログラフィック記憶媒体はシングルビット型データ記憶用に使用できる。所定容量内に多重ホログラムを記憶する場合、記憶媒体用に用いることもできる。
【0110】
異なる分子が大きく異なる吸収プロファイル(広い、狭い等)を有するであろうことは当業者には明らかであろう。したがって、開示したホログラフィック記憶媒体の書き込みと読み出しに用いる波長は光源及び具体的な光活性材料によって決まる。
【0111】
以下の非限定の実施例によって、本発明を説明する。
【実施例】
【0112】
実施例1
この実施例では四臭化炭素感光剤の使用を説明し、感光剤を均等結合分割させて化学式(I)に示す臭化物ラジカルを発生する。この実施例では色変化形生後における感光剤の失活機構として熱的刺激の使用を説明する。
【0113】
【化21】

臭素ラジカルは化学式(II)に示すようにフェニルアニリンから1電子を分離し、フェニルアニリンからラジカルカチオンを発生する。色を発生するために、フェニルアニリンを化学式(III)に示すようにカップリング反応させる。
【0114】
【化22】

色変化後、色定着とデータ記憶を行うために温度を上昇させる。温度変化によって系からCBr
が昇華する。定着によって、組成物を色誘導照射で照射したとき、さらなる色形成が起こらない。
【0115】
実施例2
この実施例では電磁照射系定着を説明する。この実施例において、感光剤としてビスイミダゾール化合物を用いる。光による照射の場合、反応式(IV)に見られるようにイミダゾールラジカルを発生する。
【0116】
【化23】

式中、Phはフェニル基を表す。イミダゾールラジカルは以下の反応式(V)に示すようにクリスタル・バイオレットを無色へと変化させるであろう。
【0117】
【化24】

定着はピレン−キノンによって吸収される波長(書き込み波長と異なる)で組成物に照射することによって行うことができ、ピレン−キノンは反応式(VI)のようにヒドロキシル−ピレンを発生する。
【0118】
【化25】

ヒドキシ−ピレンの存在下、書き込み工程間に発生するイミダゾールラジカルは奪活し、反応式(VII)に示すようにいかなるクリスタル・バイオレットも着色形態へと変化させないであろう。
【0119】
【化26】

好ましい実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明の技術的範囲内で様々な変更をなすことができ、構成要素を均等物で置換できることは当業者には明らかであろう。さらに、本発明の技術的範囲内で、特定の状況又は材料を本発明の教示内容に適合させるため多くの修正をなすことができる。したがって、本発明はその最良の実施の形態として開示した特定の実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】(a)データ書き込み及び(b)記憶データの読み取りのためのホログラフィック記憶機構の配置図。
【図2】(a)平面波ホログラムの書き込み及び(b)回折光の測定のためのホログラフィック記憶機構の配置図。
【図3】ホログラフィック平面波特定システムの配置図。
【図1A】

【図1B】

【図2A】

【図2B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ記憶媒体の製造方法であって、光活性材料と感光剤と有機バインダーを混合してホログラフィック組成物を形成し、光活性材料が感光剤との反応で色を変化させ、ホログラフィック組成物をホログラフィックデータ記憶媒体に成形することを含んでなる方法。
【請求項2】
前記光活性材料が感光剤と反応して色変化できる色素を含んでおり、感光剤に波長350〜1100nmの化学線を照射する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記光活性材料が、アントラノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、クロコニン及びその誘導体、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾ及びそれらの誘導体、ベンズイミダゾロン及びその誘導体、ジケトピロールピロール及びその誘導体、ジオキサジン及びその誘導体、ジアリーライド及びその誘導体、インダントロン及びその誘導体、イソインドリン及びその誘導体、イソインドリノン及びその誘導体、ナフトール及びその誘導体、ペリノン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体、アンサントロン及びその誘導体、ジベンズピレンキノン及びその誘導体、ピラントロン及びその誘導体、ビオラントロン及びその誘導体、イソビオラントロン及びその誘導体、ジフェニルメタン、及びトリフェニルメタン型顔料、シアニン及びアゾメチン型顔料、インジゴイド型顔料、ビスベンゾイミダゾール型顔料、アズレニウム塩、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、ベンゾピリリウム塩、フタロシアニン及びその誘導体、ピラントロン及びその誘導体、キアシドン及びその誘導体、キノフタロン及びその誘導体、スクアライン及びその誘導体、スクアリリウム及びその誘導体、ロイコ色素及びその誘導体、重水素化ロイコ色素及びその誘導体、ロイコ−アジン色素、アクリジン、ジ−及びトリ−アリールメタン色素、キノンアミン、o−ニトロ−置換アリーリデン色素、アリールニトロン色素、或いはこれらの1種以上を含む混合物を含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記光活性材料が次の構造(XI)の無色ロイコ染料である、請求項1記載の方法。
【化1】

式中、Rは硫黄又は酸素であり、R、R、R、R、R、R、R及びRは同一又は異なるもので独立に水素、ヒドロキシル、アルキル、アミン、−N(CH、−N(C又はこれらの置換基の1種以上を含む組合せである。
【請求項5】
前記ロイコ染料が以下の構造を有する、請求項4記載の方法。
【化2】

【化3】

【化4】

4,4′,4″−メチリジントリス−(N,N−ジメチルアニリン))、p,p′−ベンジリデンビス−(N,N−ジメチルアニリン))、次の構造(XXVI)のLeuco Atacryl Orange−LGM(Color Index Basic Orange 21)
【化5】

次の構造(XXVII)のLeuco Atacryl Brilliant Red−4G
【化6】

次の構造(XXVIII)のLeuco Atacryl Yellow−R
【化7】

4,4′,4″−メチリジントリス−(N,N−ジエチルアニリン、4,4′−メチリジンビス−(N,N,−ジメチルアニリン)−4−(N−エチル−1−ナフタールアミン))及び4,4′,4″−メチリジントリス−アニリン又はこれらのロイコ色素の1種以上を含む混合物。
【請求項6】
前記重水素化ロイコ色素が、重水素化アミノトリアリールメタン、重水素化アミノキサンテン、重水素化アミノチオキサンテン、重水素化アミノ−9,10−ジヒドロアクリジン、重水素化アミノフェノキサジン、重水素化アミノフェノチアジン、重水素化アミノジヒドロフェナジン、重水素化アミノジフェニルメタン、重水素化ロイコインダミン、重水素化アミノヒドロケイ皮酸(シアノエタン、ロイコメチン)、重水素化ヒドラジン、重水素化ロイコインジゴイド色素、重水素化アミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン、重水素化テトラハロ−p,p′−ビフェノール、重水素化2(p−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、重水素化フェネチルアニリン又はこれらの重水素化ロイコ色素の1種以上を含む混合物である、請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記光活性材料がホログラフィック組成物中にホログラフィック組成物の全重量を基準にして0.1〜約50重量%の量で存在する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記ホログラフィック組成物に照射すると、感光剤が光活性材料の色変化を促進する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記色の変化によって屈折率が変化する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記感光剤が、光活性化酸化剤、一光子感光剤、二光子感光剤、三光子感光剤、多光子感光剤、酸性感光剤、塩基性感光剤、塩、染料、フリーラジカル感光剤、カチオン感光剤又はこれらの感光剤の1種以上を含む混合物である、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記感光剤がヘキサアリールビイミダゾール化合物、半導体ナノ粒子、フリーラジカルとしての第1ハロゲンの生成に有効な40kcal/モル以上の結合解離エネルギーを有するハロゲン化化合物、ハロゲン化スルホニル、Rがアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルカリル基又はアラルキルからなる群のいずれかであり、Xが塩素又は臭素であるR−SO−X、R′とX′がR及びXと同意義である式R′−S−X′のハロゲン化スルフェニル、テトラアリールヒドラジン、ベンゾチアゾリルジスルフィド、ポリメタクリルアルデヒド、アルキリデン2,5−シクロヘキサジエン−1−オン、アゾベンジル、ニトロソ、アルキル(T1)、過酸化物、ハロアミン又はこれらの感光剤の1種以上を含む混合物である、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記感光剤がアセトフェノン、ベンゾフェノン、アリールグリオキサル酸、アシルホスフィンオキシド、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、チオキサントン、クロロアルキルトリアジン、ビスイミダゾール、トリアシルイミダゾール、ピリリウム化合物、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、メルカプト化合物、キノン、アゾ化合物、有機過酸化物又はこれらの感光剤の1種以上を含む混合物である、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記感光剤がホログラフィック組成物の全重量を基準にして0.001〜10重量%の量で存在する、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記光活性材料の屈折率を変化させるために感光剤に照射することをさらに含んでなる、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記感光剤が昇華、蒸発又は分解する温度で粒子を加熱することをさらに含んでなる、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記感光剤が光活性材料の活性化を停止する温度で粒子を加熱することをさらに含んでなる、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記ホログラフィック組成物が感光剤を失活させる定着剤をさらに含んでなる、請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記成形が射出成形を含む、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記有機バインダーが光透過性有機ポリマーである、請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記有機バインダーが熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー又は熱可塑性ポリマーと熱硬化性ポリマーの混合物である、請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記有機ポリマーがポリマー前駆体、オリゴマー、ポリマー、デンドリマー、アイオノマー、共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、星型ブロック共重合体又は有機ポリマーの1種以上を含む混合物である、請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記熱可塑性ポリマーがポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリシロキサン、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル又はこれらの熱可塑性ポリマーの1種以上を含む混合物である、請求項20記載の方法。
【請求項23】
前記熱硬化性ポリマーがエポキシ、フェノール系、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート又はこれらの熱硬化性ポリマーの1種以上を含む混合物である、請求項20記載の方法。
【請求項24】
前記有機バインダーが熱硬化性ポリマーの前駆体である、請求項1記載の方法。
【請求項25】
前記有機バインダーを光活性材料及び/又は感光剤に化学的に結合させる、請求項1記載の方法。
【請求項26】
前記ホログラムを形成するために成形ホログラフィック組成物に照射することをさらに含んでなる、請求項1記載の方法。
【請求項27】
請求項1記載の方法によって製造される物品。
【請求項28】
情報を記録する方法であって、光活性材料、感光剤及び有機ポリマーを含む物品に波長約350〜約1100nmの電磁エネルギーで照射し、光活性材料が感光剤と反応して色変化でき、データをホログラフィック形に記録するために光活性材料を反応させることを含んでなる方法。
【請求項29】
前記物品を電磁照射で照射する場合、感光剤が光活性材料を活性化して該光活性材料の色変化を促進する、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記電磁照射が約350〜約1100nmの波長を有する、請求項28記載の方法。
【請求項31】
前記光活性材料に色変化が生じた後、感光剤を失活させることをさらに含んでなる、請求項28記載の方法。
【請求項32】
前記失活は物品の熱的加熱又は物品への電磁エネルギー照射によって行う、請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記感光剤が昇華、蒸発又は分解する温度で物品を加熱することをさらに含んでなる、請求項28記載の方法。
【請求項34】
前記感光剤が光活性材料の活性化を停止する温度で物品を加熱することをさらに含んでなる、請求項28記載の方法。
【請求項35】
前記感光剤と反応し感光剤を失活させる定着剤を用いることによって光活性材料を定着させることをさらに含んでなる、請求項28記載の方法。
【請求項36】
前記電磁照射によって照射して定着剤が感光剤を失活させる、請求項25記載の方法。
【請求項37】
ホログラフィック記憶媒体を用いる方法であって、光活性材料、感光剤、定着剤及び有機バインダーを含む物品に照射し、光活性材料が感光剤との反応で色を変化させ、照射を第1波長を有する電磁エネルギーで行い、第1照射で行う照射がデータの記憶を促進し、光活性材料を反応させ、データを読み取るために物品を第2波長で照射することを含んでなる方法。
【請求項38】
第1波長が第2波長と非同一である、請求項37記載の方法。
【請求項39】
第1波長が第2波長と同一である、請求項37記載の方法。
【請求項40】
前記光活性材料が照射前に構造(XI)を有し、照射後に構造(XXII)を有する、請求項37記載の方法。
【化8】

構造(XI)及び(XXII)において、Rは硫黄又は酸素であり、R、R、R、R、R、R、R及びRは同一又は異なるもので独立に水素、ヒドロキシル、アルキル、アミン、−N(CH、−N(C又はこれらの置換基の1種以上を含む混合物であってもよい。
【請求項41】
前記光活性材料が構造(XXIII)を有する、請求項37記載の方法。
【化9】

式中、XはO、S及び−N−R19から選択され、RとR10は独立に水素及び炭素原子数1〜約4のアルキル基から選択され、R11、R12、R14及びR15は独立に水素及び炭素原子数1〜約4のアルキル基から選択され、R13は炭素原子数1〜約16のアルキル基、炭素原子数1〜約16のアルコキシ基及び炭素原子数約16以下のアリール基から選択され、R16は−N(R)(R10)、水素、炭素原子数1〜約4のアルキル基から選択され、R17とR18は独立に水素及び炭素原子数1〜約4のアルキル基から選択され、R19は炭素原子数1〜約4のアルキル基、炭素原子数約11以下のアリール基から選択される。
【請求項42】
光活性材料、感光剤、定着剤及び有機バインダーを含むホログラフィック組成物を含んでなる物品であって、光活性材料が感光剤と反応して色変化でき、物品がデータ記憶用である物品。
【請求項43】
前記光活性材料が感光剤と反応して色変化できる色素を含んでおり、感光剤が波長350〜1100nmの化学線によって照射される、請求項42記載の物品。
【請求項44】
前記光活性材料が、アントラノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、クロコニン及びその誘導体、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾ及びそれらの誘導体、ベンズイミダゾロン及びその誘導体、ジケトピロールピロール及びその誘導体、ジオキサジン及びその誘導体、ジアリーライド及びその誘導体、インダントロン及びその誘導体、イソインドリン及びその誘導体、イソインドリノン及びその誘導体、ナフトール及びその誘導体、ペリノン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体、アンサントロン及びその誘導体、ジベンズピレンキノン及びその誘導体、ピラントロン及びその誘導体、ビオラントロン及びその誘導体、イソビオラントロン及びその誘導体、ジフェニルメタン、及びトリフェニルメタン型顔料、シアニン及びアゾメチン型顔料、インジゴイド型顔料、ビスベンゾイミダゾール型顔料、アズレニウム塩、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、ベンゾピリリウム塩、フタロシアニン及びその誘導体、ピラントロン及びその誘導体、キアシドン及びその誘導体、キノフタロン及びその誘導体、スクアライン及びその誘導体、スクアリリウム及びその誘導体、ロイコ色素及びその誘導体、重水素化ロイコ色素及びその誘導体、ロイコ−アジン色素、アクリジン、ジ−及びトリ−アリールメタン、色素、キノンアミン、o−ニトロ−置換アリーリデン色素、アリールニトロン色素、或いはこれらの1種以上を含む混合物を含む、請求項42記載の物品。
【請求項45】
前記光活性材料が次の構造(XI)の無色ロイコ染料である、請求項44記載の物品。
【化10】

式中、Rは硫黄又は酸素であり、R、R、R、R、R、R、R及びRは同一又は異なるもので独立に水素、ヒドロキシル、アルキル、アミン、−N(CH、−N(C又はこれらの置換基の1種以上を含む混合物である。
【請求項46】
前記ロイコ染料が以下の構造を有する、請求項44記載の物品。
【化11】

【化12】

【化13】

4,4′,4″−メチリジントリス−(N,N−ジメチルアニリン))、p,p′−ベンジリデンビス−(N,N−ジメチルアニリン))、次の構造(XXVI)のLeuco Atacryl Orange−LGM(Color Index Basic Orange 21)
【化14】

次の構造(XXVII)のLeuco Atacryl Brilliant Red−4G
【化15】

次の構造(XXVIII)のLeuco Atacryl Yellow−R
【化16】

4,4′,4″−メチリジントリス−(N,N−ジエチルアニリン、4,4′−メチリジンビス−(N,N,−ジメチルアニリン)−4−(N−エチル−1−ナフタールアミン))及び4,4′,4″−メチリジントリス−アニリン又はこれらのロイコ色素の1種以上を含む混合物。
【請求項47】
前記重水素化ロイコ色素が重水素化アミノトリアリールメタン、重水素化アミノキサンテン、重水素化アミノチオキサンテン、重水素化アミノ−9,10−ジヒドロアクリジン、重水素化アミノフェノキサジン、重水素化アミノフェノチアジン、重水素化アミノジヒドロフェナジン、重水素化アミノジフェニルメタン、重水素化ロイコインダミン、重水素化アミノヒドロケイ皮酸(シアノエタン、ロイコメチン)、重水素化ヒドラジン、重水素化ロイコインジゴイド色素、重水素化アミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン、重水素化テトラハロ−p,p′−ビフェノール、重水素化2(p−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、重水素化フェネチルアニリン又はこれらの重水素化ロイコ色素の1種以上を含む混合物である、請求項44記載の物品。
【請求項48】
前記光活性材料が構造(XXIII)を有する、請求項32記載の物品。
【化17】

式中、XはO、S及び−N−R19から選択され、
とR10は独立に水素及び炭素原子数1〜約4のアルキル基から選択され、R11、R12、R14及びR15は独立に水素及び炭素原子数1〜約4のアルキル基から選択され、
13は炭素原子数1〜約16のアルキル基、炭素原子数1〜約16のアルコキシ基及び炭素原子数約16以下のアリール基から選択され、
16は−N(R)(R10)、水素、炭素原子数1〜約4のアルキル基から選択され、
17とR18は独立に水素及び炭素原子数1〜約4のアルキル基から選択され、
19は炭素原子数1〜約4のアルキル基、炭素原子数約11以下のアリール基から選択される。
【請求項49】
前記光活性材料がホログラフィック組成物中にホログラフィック組成物の全重量を基準にして0.1〜約50重量%の量で存在する、請求項42記載の物品。
【請求項50】
前記ホログラフィック組成物に照射すると、感光剤が光活性材料の色変化を促進する、請求項42記載の物品。
【請求項51】
前記色の変化によって屈折率が変化する、請求項50記載の物品。
【請求項52】
前記感光剤が光活性化酸化剤、一光子感光剤、二光子感光剤、三光子感光剤、多光子感光剤、酸性感光剤、塩基性感光剤、塩、染料、フリーラジカル感光剤、カチオン感光剤又はこれらの感光剤の1種以上を含む混合物である、請求項42記載の物品。
【請求項53】
前記感光剤がヘキサアリールビイミダゾール化合物、半導体ナノ粒子、フリーラジカルとしての第1ハロゲンの生成に有効な40kcal/モル以上の結合解離エネルギーを有するハロゲン化化合物、ハロゲン化スルホニル、Rがアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルカリル基又はアラルキルからなる群のいずれかであり、Xが塩素又は臭素であるR−SO2−X、R′とX′がR及びXと同意義である式R′−S−X′のハロゲン化スルフェニル、テトラアリールヒドラジン、ベンゾチアゾリルジスルフィド、ポリメタクリルアルデヒド、アルキリデン2,5−シクロヘキサジエン−1−オン、アゾベンジル、ニトロソ、アルキル(T1)、過酸化物、ハロアミン又はこれらの感光剤の1種以上を含む混合物である、請求項42記載の物品。
【請求項54】
前記感光剤がアセトフェノン、ベンゾフェノン、アリールグリオキサル酸、アシルホスフィンオキシド、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、チオキサントン、クロロアルキルトリアジン、ビスイミダゾール、トリアシルイミダゾール、ピリリウム化合物、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、メルカプト化合物、キノン、アゾ化合物、有機過酸化物又はこれらの感光剤の1種以上を含む混合物である、請求項42記載の物品。
【請求項55】
前記有機バインダーが光透過性有機ポリマーである、請求項42記載の物品。
【請求項56】
前記有機バインダーが熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー又は熱可塑性ポリマーと熱硬化性ポリマーの混合物である、請求項42記載の物品。
【請求項57】
前記有機ポリマーがポリマー前駆体、オリゴマー、ポリマー、デンドリマー、アイオノマー、共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、星型ブロック共重合体又は有機ポリマーの1種以上を含む混合物である、請求項42記載の物品。
【請求項58】
前記熱可塑性ポリマーがポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリシロキサン、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル又はこれらの熱可塑性ポリマーの1種以上を含む混合物である、請求項57記載の物品。
【請求項59】
前記熱硬化性ポリマーがエポキシ、フェノール系、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート又はこれらの熱硬化性ポリマーの1種以上を含む混合物である、請求項57記載の物品。
【請求項60】
前記光活性材料が有機バインダーに共有結合される、請求項42記載の物品。
【請求項61】
前記ロイコ染料又は重水素化ロイコ染料が有機バインダーに共有結合されており、有機バインダーがポリマー前駆体、オリゴマー、ポリマー、デンドリマー、アイオノマー、ランダム共重合体、グラフト共重合体、星型ブロック共重合体又はこれらの有機バインダーの1種以上を含む混合物である、請求項42記載の物品。
【請求項62】
前記物品が射出成形されている、請求項42記載の物品。
【請求項63】
前記物品が円板形状である、請求項42記載の物品。

【図3】
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【公表番号】特表2008−516293(P2008−516293A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536745(P2007−536745)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/036124
【国際公開番号】WO2006/044243
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】