説明

ホワイトニング補助機器とこれを用いた歯のホワイトニング処理方法

【課題】口の中にポリリン酸溶液を含ませることにより歯のホワイトニング処理を行う際において、口の中に含んだポリリン酸溶液の活性を向上させ、短時間で確実に歯のホワイトニング処理を施すことを可能にするホワイトニング補助機器と、これを用いた歯のホワイトニング処理方法を提供する。
【解決手段】発熱体30と振動発生体34が内蔵され、歯と当接する部分に複数の突起14が形成されてなるマウスピース10と、発熱体30および発生振動体34に電源を供給する電源装置24と、発熱体30の発熱温度および振動発生体34の動作をそれぞれ制御する制御部26を具備する本体部20と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホワイトニング補助機器と、これを用いた歯のホワイトニング処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯を白く見せるための処理としては、歯の表面を削るための研磨剤が含まれた歯磨き用ペーストを用いた歯みがきによるものが一般的である。この他近年においては、歯に紫外線を照射することで歯を漂白処理する方法等も提案されている。
このようないわゆる歯のホワイトニング処理を行うための歯のホワイトニング用機器としては、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。
【0003】
特許文献1には、所定波長の光を歯の前面に照射する光照射部を備え、光照射部に青色発光ダイオードまたは紫外線発光ダイオードが配設されていて、マウスピースを歯に装着することで発光ダイオードからの青色光または紫外線を歯の前面に照射することにより、いわゆる歯のホワイトニングを行うためのマウスピースの構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−342072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では歯の前面に光を照射することで歯のホワイトニング処理を施しているが、このようはホワイトニング処理方法では歯の前面に対してはホワイトニング処理をすることができても、歯の噛み合わせ部分や歯の裏側部分についてはホワイトニング処理をすることができない。
近年においては、歯のホワイトニング処理を行う際に、分割ポリリン酸溶液に代表される歯のホワイトニング処理溶液を口に含み、ホワイトニング処理溶液を歯に接触させることにより歯のホワイトニング処理を行う方法が提案されている。このようにホワイトニング処理溶液を口に含んで歯のホワイトニング処理をすることにより、歯の前面以外の部分に対してもホワイトニング処理を施すことができるようになった。
【0006】
ホワイトニング溶液を用いて歯のホワイトニング処理を行う際には、口の中の状態を確認することが困難であるから、歯のホワイトニング処理の状態を確認することが困難である。このため、十分ホワイトニング処理ができたものと自己判断してホワイトニング処理溶液を口の中から吐き出してしまった後に、歯のホワイトニング処理が不十分であったことが判明した場合、新たにホワイトニング処理溶液を用いなければならず不経済であった。
また、このようなホワイトニング処理溶液の無駄使いを防ぐためには、ホワイトニング処理溶液を口に含ませる時間を長時間にしなければならず、ホワイトニング処理に要する時間がかかり、面倒であるという課題がある。
【0007】
そこで本願発明は、口の中にホワイトニング処理溶液を含ませることにより歯のホワイトニング処理を行う際において、口の中に含んだホワイトニング処理溶液の活性を向上させ、短時間で確実に歯のホワイトニング処理を施すことを可能にするホワイトニング補助機器と、これを用いた歯のホワイトニング処理方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、目的を達成させるために鋭意研究を行った結果、本願発明者は以下の構成に想到した。
すなわち、発熱体と振動発生体が内蔵され、歯と当接する部分に複数の突起が形成されてなるマウスピースと、前記発熱体および前記発生振動体に電源を供給する電源装置と、前記発熱体の発熱温度および前記振動発生体の動作をそれぞれ制御する制御部を具備する本体部と、を有することを特徴とするホワイトニング補助機器である。
【0009】
また、前記マウスピースには、前記マウスピースの形状を維持するための形状保持体が埋設されていて、当該形状保持体が前記発熱体の熱伝導体を兼ねていることを特徴とする。これにより、マウスピース全体に熱を満遍なく供給することができるため、口の中に含んだホワイトニング処理溶液を活性化させることができる点において好都合である。
【0010】
また、前記形状保持体が、前記振動発生体からの振動伝達体を兼ねていることを特徴とする。これにより、マウスピース全体に振動を伝達することができ、歯の表面をみがく作用および口の中をマッサージすることができると共に、口の中に含んだホワイトニング処理溶液を撹拌することができ、短時間で効率的な歯のホワイトニング処理をすることができる。
【0011】
また、前記発熱体は、前記形状保持体の先端部に配設されていることを特徴とする。これにより、口の中の奥の部分におけるホワイトニング処理溶液に対する加熱効率を高めることができる。
また、前記発熱体が面状発熱体に形成されていて、前記形状保持体と一体形成されていることを特徴とする。これによりマウスピース内における温度分布を均一化することができる。
【0012】
また、上記のいずれかに記載のホワイトニング補助機器を用いた歯のホワイトニング処理方法であって、ホワイトニング処理溶液を口に含む工程と、前記マウスピースを口に装着する工程と、前記発熱体により、前記ホワイトニング処理溶液を活性化させる工程と、前記振動発生体により、歯の表面にマッサージを行うと共に、前記ホワイトニング処理溶液を口の中で撹拌する工程と、を有していることを特徴とする歯のホワイトニング処理方法の発明もある。
【0013】
また、前記発熱体により前記ホワイトニング処理溶液を活性化させる工程と、前記振動発生体により、歯の表面にマッサージを行うと共に、前記ホワイトニング処理溶液を口の中で撹拌させる工程とを、同時に行うことを特徴とすることもできる。これにより、制御部による発熱体および振動発生体の動作制御が容易になり、制御プログラムの構成が単純化され、低コストでの製造が可能になる。また、歯のホワイトニング処理に要する時間を短縮させることもきる。
また、前記ホワイトニング処理溶液には、分割ポリリン酸溶液を用いることが好適である。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかるホワイトニング補助機器およびこれを用いた歯のホワイトニング処理方法によれば、口に含んだホワイトニング処理溶液の活性を向上させることが可能になり、短時間で確実に歯のホワイトニング処理をすることができる。また、振動により、歯のマッサージを行うことによる歯みがき効果や口の中に含んだホワイトニング処理溶液の撹拌も行うことができる点においても好都合である。
さらには、ホワイトニング処理が不十分な状態でホワイトニング処理溶液を口の中から吐き出すことがなくなるのでホワイトニング処理溶液の無駄遣いの防止にも貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態におけるホワイトニング補助機器の正面図である。
【図2】ホワイトニング補助機器の斜視図である。
【図3】マウスピースの内部構造を示す正面図である。
【図4】第2実施形態にかかる歯のホワイトニング補助機器のマウスピースにおいて、シリコーン樹脂による成形前の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明にかかるホワイトニング補助機器100の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0017】
(第1実施形態)
図1および図2に示すように、実施形態におけるホワイトニング補助機器100は、マウスピース10とマウスピース10に電気的に接続された本体部20とを有している。マウスピース10と本体部20には電源コード12,22が設けられていて、電源コード12,22の端部12A,22Aは、互いの接続および分離を可能にするジャック部に形成されている。
【0018】
マウスピース10は、正面視形状が略Y字状に形成されている。マウスピース10には図3に示すように発熱体である熱電対30が複数配設されている。本実施形態においては、マウスピース10において正面両端位置に熱電対30をそれぞれ配設している。熱電対30は、本体部20の内部に配設された電源装置であるバッテリ24と電気的に接続されていて、バッテリ24から供給される電力により発熱する。本実施形態においてはバッテリ24として単4乾電池を4本使用しているが、バッテリ24はこの構成に限定されるものではない。
【0019】
熱電対30は、変形L字状に形成された形状保持体32の先端部分に取り付けられている。この形状保持体32は鋼材により構成されており、マウスピース10の下部に配設された振動発生体である偏心モータ34の側面位置に取り付けられている。形状保持体32は、偏心モータ34との取り付け部分となる平板状の取付部32Aと、取付部32Aと一体であり、円弧状に形成された湾曲部32Bとを有している。湾曲部32Bは曲折自在に形成されていて、使用者の口腔内空間の形状に合わせて適宜気湾曲状態を調整することができる。また、湾曲部32Bには、絶縁体からなる筒状体32Cが取り付けられている。筒状体32Cは湾曲部32Bの内周面側位置に取り付けられていて、筒状体32Cの内部空間には電源コード12と熱電対30との電気配線が収容されている。
【0020】
以上のようにして形成された形状保持体32は、熱電対30からの熱をマウスピース10の全体に伝達させるための熱伝導体、振動発生体である偏心モータ34の振動を伝達する振動伝達体、マウスピース10の形状を保持するための形状保持体、熱電対30とバッテリ24との配線収容体をそれぞれ兼ねている。本実施形態においては、マウスピース10内の左右のそれぞれに略L字型をなす形状保持体32が配設された形態について説明しているが、熱電対30,30の熱や偏心モータ34からの振動をマウスピース10内に伝導させることができればよいのである。例えば、単純な円弧状をなした形状保持体32を用い、形状保持体32の中央部分を偏心モータ34に接触させた状態で配設し、形状保持体32の両先端部に熱電対30,30を取り付けした形態を採用することもできる。
【0021】
マウスピース10は熱電対30および形状保持体32と、偏心モータ34をインサート成形したシリコーン樹脂により形成されている。マウスピース10は、口腔内空間の凹凸形状に倣わせた形状に形成されている。また、マウスピース10には、使用者の歯と当接する部分に複数個の突起14が設けられている。突起14は球面状に形成されており、マウスピース10を装着した使用者の歯に対して少なくとも前面側に適宜個数が配設されている。バッテリ24を動力源とする偏心モータ34により生成された振動は、突起14を介して使用者の歯に伝達され、口腔内のマッサージおよび歯みがき効果を得ることができる。
【0022】
また、歯のホワイトニング処理を行う際においては、使用者は口腔内にマウスピース10の他に歯のホワイトニング処理溶液としての分割ポリリン酸溶液を含んだ状態になる。この状態において偏心モータ34からの振動が突起14を介して分割ポリリン酸溶液に伝達されると、使用者の口腔内に含まれている分割ポリリン酸溶液の撹拌が行われ、分割ポリリン酸溶液による歯のホワイトニング処理を効率的かつ均等に行う際において好都合である。
【0023】
本体部20には、マウスピース10に内蔵された熱電対30および偏心モータ34に電源を供給するための電源装置であるバッテリ24と、熱電対30および偏心モータ34へのバッテリ24からの電源供給状態を制御する制御部である電源供給制御部26が配設されている。電源供給制御部26は図示しない記憶手段を具備し、マウスピース10の表面温度が42〜45℃程度になるように熱電対30への供給電流量および電流供給時間を制御すると共に、偏心モータ34の駆動状態が所要の状態となるように偏心モータ34への電流供給タイミングを制御する電源供給制御プログラムが記憶されている。この電源供給制御部26による熱電対30および偏心モータ34の動作制御は、各々を異なるタイミングで個別に動作制御してもよいし、両者を同時に動作制御することもできる。
【0024】
本実施形態における電源供給制御プログラムは、偏心モータ34の駆動状態(オンオフ動作または生成される振動の強弱変化)がいわゆる1/fゆらぎと称される状態となるように偏心モータ34への供給電流量および電流供給時間を制御している。このような1/fゆらぎでマウスピース10に振動を加えることで使用者に心地良い使用感を提供することができる点で好都合である。
【0025】
(第2実施形態)
図4は、本実施形態にかかる歯のホワイトニング補助機器のマウスピースにおいて、シリコーン樹脂による成形前の状態を示す説明図である。
本実施形態において第1実施形態と共通する構成部分については、同じ部材番号を付すことによりここでの詳細な説明を省略する。本実施形態にかかるホワイトニング補助機器100は、マウスピース10とマウスピース10に電気的に接続された本体部20とを有している点は第1実施形態と同様である。
【0026】
本実施形態においては、図4に示すように、板状に形成された形状保持体32に発熱体として面状発熱体31を取り付けた形態を採用している点が特徴的である。図4からも明らかなとおり、面状発熱体31と形状保持体32とは略同じ形状に形成されている。面状発熱体31を形状保持体32に積層させ、電源端子31A,31Aを電源コード12に電気的に接続させた後、シリコーン樹脂等により少なくとも面状発熱体31および形状保持体32をインサート成形することでマウスピース10が形成される。図4では、偏心モータ34が合成樹脂により既にインサート成形された状態を示しているが、偏心モータ34を面状発熱体31と形状保持体32と同時にインサート成形することでマウスピース10と一体成形してもよい。
【0027】
発熱体に面状発熱体31を採用し、形状保持体32に略同じ平面形状に形成された面状発熱体31を積層させることにより、マウスピース10内における熱分布を均一化させやすくすることができる。
また、面状発熱体31のPTC(Positive Temperature Coefficient)特性により、面状発熱体31の温度を所定の温度に維持させることができる。これによりサーモスタットに代表される発熱体の温度制御手段の配設を省略することができ、マウスピース10の構成を簡略化することが可能になる点においても好都合である。
さらにまた、面状発熱体31を採用することによりマウスピースを薄型化(小型化)することができ、子供や女性などの口が小さい使用者に対する使い勝手が向上する。
【0028】
次に、第1実施形態で説明したホワイトニング補助機器100を用いた歯のホワイトニング処理方法について説明する。
まず、使用者は、マウスピース10を必要に応じて洗浄、殺菌処理の少なくとも一方を施しておく。次に、歯のホワイトニング処理溶液として分割ポリリン酸溶液を所定量口腔内に含み、あらかじめ準備しておいたマウスピース10を口腔内に含める。分割ポリリン酸溶液とマウスピースを口腔内に含める順番は、逆の順番であってもよい。
【0029】
使用者がホワイトニング補助機器100の本体部20の側面に配設されたスイッチ28を押下すると、電源供給制御部26がパイロットランプ29を点灯させると共に、発熱体である熱電対30と振動発生手段である偏心モータ34への電源供給を開始する。熱電対30および偏心モータ34の動作制御は、熱電対30の発熱状態や偏心モータ34のオンオフ動作または振動の強弱状態がいわゆる1/fゆらぎとなるように動作制御されることが好ましい。熱電対30および偏心モータ34は、電源供給制御部26により個別または同時に動作制御される。また、電源供給制御部26は所定時間が経過すると、熱電対30および偏心モータ34への電源供給を停止する。この際、電源供給制御部26は、パイロットランプ29を消灯させると共に、偏心モータ34を所定の動作モードでオンオフ動作させる処理を実行するので、使用者はホワイトニング処理が終了したことを把握することができる。
【0030】
以上のようにして熱電対30および偏心モータ34の動作が制御され、口腔内の分割ポリリン酸溶液が口腔内で加熱および撹拌されることにより分割ポリリン酸溶液のホワイトニング処理が活性化され、単純に分割ポリリン酸溶液を口腔内に含めているよりも効率的な歯のホワイトニング処理を施すことができる。また、電源供給制御部26が分割ポリリン酸溶液による歯のホワイトニング処理の終了を使用者に知覚させることができるので、歯のホワイトニング処理が未完了のうちに分割ポリリン酸溶液を吐き出してしまうことがないので、分割ポリリン酸溶液の無駄遣いを防止することができる。
さらには、歯の表面に振動が加えられることによる歯みがき効果やマッサージ効果が得られ、使用者に爽快な使用感を提供することができる。
【0031】
以上に歯のホワイトニング補助機器100およびこれを用いた歯のホワイトニング処理方法について実施形態に基づいて詳細に説明したが、本願発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲において適宜改変を行ったとしても本願発明の技術的範囲に属する。例えば、以上の実施形態においては、マウスピース10には、使用者がマウスピース10を口に含んだ際に、使用者の歯の前面側(表面側)と当接する部分に半球状の突起14を配設した形態について説明しているが、この実施形態に限定されるものではなく、使用者の歯の構面側(裏面側)にも前面側と同様の突起14を配設してもよい。また突起14の形態を半球状にした実施形態について説明しているが、円錐台状や錐体形状等の形態に形成してもよい。このとき、使用者の歯との当接部分が可及的に小さくなるような形態の突起14を採用すれば、分割ポリリン酸溶液と歯との接触機会損失が最小限となるため好都合である。
【0032】
また、以上の実施形態においては、形状保持体32が熱電対30の熱伝導体と、偏心モータ34の振動伝達体を兼ねている形態について説明したが、形状保持体32の配設を省略することもできる。さらには、形状保持体32が熱伝導体や振動伝達体を兼ねていなくてもよい。すなわち、マウスピース10への熱伝導体および振動伝達体の配設を省略した形態を採用することもできるのである。
さらに、本実施形態で説明した電源供給制御プログラムにおいては、偏心モータ34の駆動状態を、いわゆる1/fゆらぎと称される状態としているが、所定の振動出力を所定の周期で繰り返す駆動状態にしたり、偏心モータ34の振動出力および駆動周期を所定の範囲内においてランダムな状態で作動させるようにしてもよい。
【0033】
また、以上に示した実施形態においては、マウスピース10と本体部20とは電源コード12,22により接続されているが、マウスピース10と本体部20とから電源コード12,22を省略したワイヤレス構造にすることも可能である。この場合、本体部20からマウスピース10への電源供給は、マウスピース10にボタン電池に代表されるような小型・薄型のバッテリを内蔵させる構成を採用してもよい。
さらには、マウスピース10に電磁波受信手段およびコンバータを配設し、本体部20に電磁波送信手段およびコンバータを配設させることによりマウスピース10と本体部20とをワイヤレス構造にしてもよい。
このようなマウスピース10と本体部20のワイヤレス構造について詳細する。まず、本体部20に収容されたバッテリ24の電力は、本体部20のコンバータにより電磁波に変換される。次に、本体部20のコンバータによって変換された電磁波は、本体部20の電磁波送信手段によりマウスピース10の電磁波受信手段に送信される。そして、マウスピース10の電磁波受信手段が受信した電磁波は、マウスピース10のコンバータにより電力に変換される。このようにマウスピース10と電源を収容した本体部20とがワイヤレス構造であっても、本体部20のバッテリ24の電力をマウスピース10の発熱体(熱電対30または面状発熱体31)および振動発生体(偏心モータ34)にそれぞれ供給することができる。
【0034】
また、以上の実施形態においては、歯のホワイトング処理溶液として分割ポリリン酸溶液を用いているが、歯のホワイトング処理溶液は、分割ポリリン酸溶液に限定されるものではない。歯のホワイトニング処理溶液としては、分割ポリリン酸溶液の他にいわゆる歯みがきペーストを用いることもできる。
また、第1実施形態および第2実施形態と、歯のホワイトニング処理方法の実施形態においてそれぞれ説明した構成を適宜組み合わせた構成を採用することも本願発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0035】
10 マウスピース
12,22 電源コード
12A,22A 端部
14 突起
20 本体部
24 バッテリ
26 電源供給制御部
30 熱電対
31 面状発熱体
31A 電源端子
32 形状保持体
32A 取付部
32B 湾曲部
32C 筒状体
34 偏心モータ
100 ホワイトニング補助機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体と振動発生体が内蔵され、歯と当接する部分に複数の突起が形成されてなるマウスピースと、
前記発熱体および前記発生振動体に電源を供給する電源装置と、前記発熱体の発熱温度および前記振動発生体の動作をそれぞれ制御する制御部を具備する本体部と、
を有することを特徴とするホワイトニング補助機器。
【請求項2】
前記マウスピースには、前記マウスピースの形状を維持するための形状保持体が埋設されていて、当該形状保持体が前記発熱体の熱伝導体を兼ねていることを特徴とする請求項1記載のホワイトニング補助機器。
【請求項3】
前記形状保持体が、前記振動発生体からの振動伝達体を兼ねていることを特徴とする請求項1または2記載のホワイトニング補助機器。
【請求項4】
前記発熱体は、前記形状保持体の先端部に配設されていることを特徴とする請求項2または3記載のホワイトニング補助機器。
【請求項5】
前記発熱体が面状発熱体に形成されていて、前記形状保持体と一体形成されていることを特徴とする請求項2または3記載のホワイトニング補助機器。
【請求項6】
請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のホワイトニング補助機器を用いた歯のホワイトニング処理方法であって、
ホワイトニング処理溶液を口に含む工程と、
前記マウスピースを口に装着する工程と、
前記発熱体により、前記ホワイトニング処理溶液を活性化させる工程と、
前記振動発生体により、歯の表面にマッサージを行うと共に、前記ホワイトニング処理溶液を口の中で撹拌する工程と、
を有していることを特徴とする歯のホワイトニング処理方法。
【請求項7】
前記発熱体により前記ホワイトニング処理溶液を活性化させる工程と、前記振動発生体により、歯の表面にマッサージを行うと共に、前記ホワイトニング処理溶液を口の中で撹拌させる工程とを、同時に行うことを特徴とする請求項6記載の歯のホワイトニング処理方法。
【請求項8】
前記ホワイトニング処理溶液は、分割ポリリン酸溶液であることを特徴とする請求項6または7記載の歯のホワイトニング処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−187377(P2012−187377A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112222(P2011−112222)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000112381)ファミリー・サービス・エイコー株式会社 (5)
【Fターム(参考)】