説明

ボディブラシ

【課題】スポンジ部材が着脱可能であっても、使用中にスポンジ部材が棒状部から外れ難いボディブラシを提供する。
【解決手段】前端21aに取付部22が設けられ、後端21bに把持部23が設けられた棒状部21と、棒状部21の取付部22に脱着自在に取付けられるスポンジ部材25とを備えるボディブラシ20において、取付部22を、棒状部21より幅広の板状にするとともに、スポンジ部材25は、スポンジ体39及びスポンジ体39を包み込む包材40からなり、包材40には、表面に開口する差込口26と、スポンジ部材25の内部において差込口26と連通しスポンジ部材25の背面に対して略平行に広がる取付部22嵌め込み用の空隙28とが形成され、さらに取付部22及びスポンジ部材25に、棒状部21にスポンジ部材25を取付けた状態を保持する脱落防止機構22c,27,28aを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室で体を洗うために用いるボディブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、棒状部の前端にスポンジ部材が一体的に取付けられたボディブラシが知られている。
このボディブラシで用いられているスポンジ部材は、単独で使用されるスポンジ部材と同様に使用とともに劣化するので、それに伴って洗浄力も低下してくる。
一方、棒状部は通常プラスチック又は木質材からなるので、スポンジ部材に比べて耐用期間が長い。よって、スポンジ部材が劣化したときにボディブラシを廃棄することは、まだ使用できる棒状部をスポンジ部材とともに廃棄することとなるので、経済的ではない。
【0003】
そこで、図14及び図15に示すようなボディブラシ10が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭61−202298号公報
【0005】
特許文献1に記載の発明は、棒状部11の先端部に略楕円形状の枠体12が形成され、枠体12の内側にスポンジ部材15が嵌め込まれることで、スポンジ部材15が棒状部11に対して着脱自在となっている。
このボディブラシ10によると、スポンジ部材15が着脱式であるので、スポンジ部材15が劣化しても新たにスポンジ部材15だけを買い直せばよく、経済的であるという利点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ボディブラシ10の使用時にはスポンジ部材15に対して、棒状部11の前後方向のみならず、スポンジ部材15を棒状部11から取り外す方向に対しても力が加わるので、枠体12に嵌め込んだだけの構成であるボディブラシ10では、使用中にスポンジ部材15が棒状部11から外れ易いといった問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的とするところは、スポンジ部材が着脱可能であっても、使用中にスポンジ部材が棒状部から外れ難いボディブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のボディブラシ(20)は、前端(21a)に取付部(22)が設けられ、後端(21b)に把持部(23)が設けられた棒状部(21)と、前記棒状部(21)の取付部(22)に脱着自在に取付けられるスポンジ部材(25,35)とを備えるボディブラシ(20)において、前記取付部(22)を、前記棒状部(21)より幅広の板状にするとともに、前記スポンジ部材(25,35)は、スポンジ体(39)及び前記スポンジ体(39)を包み込む包材(40)からなり、前記包材(40)には、表面に開口する差込口(26)と、前記スポンジ部材(25,35)の内部において前記差込口(26)と連通し前記スポンジ部材(25,35)の背面(25b,35b)に対して略平行に広がる前記取付部(22)嵌め込み用の空隙(28,38)とが形成され、さらに前記取付部(22)及び前記スポンジ部材(25,35)のうち少なくとも一方に、前記棒状部(21)に前記スポンジ部材(25,35)を取付けた状態を保持する脱落防止機構(22c,27,28a,38)を備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載のボディブラシ(20)は、前記包材(40)に設けられた差込口(26)は、前記包材(40)の後端(40a)の端面に形成され、前記脱落防止機構は、前記差込口(26)に設けられ、前記差込口(26)の開口量を調整する面ファスナー(27)であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載のボディブラシ(20)は、前記包材(40)の外周面にヒレ片(29)を設けたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載のボディブラシ(20)は、前端(21a)に取付部(22)が設けられ、後端(21b)に把持部(23)が設けられた棒状部(21)と、前記棒状部(21)の取付部(22)に脱着自在に取付けられるスポンジ部材(25,35)とを備えるボディブラシ(20)において、前記取付部(22)を、前記棒状部(21)より幅広の板状にするとともに、前記スポンジ部材(25,35)は、スポンジ体(39)及び前記スポンジ体(39)を包み込む包材(40)、又はスポンジ体(39)単体からなり、前記スポンジ体(25,35)には、表面に開口する差込口(26)と、前記スポンジ体(25,35)の内部において前記差込口(26)と連通し前記スポンジ部材(25,35)の背面(25b,35b)に対して略平行に広がる前記取付部(22)嵌め込み用の空隙(28,38)とが形成され、さらに前記取付部(22)及び前記スポンジ部材(25,35)のうち少なくとも一方に、前記棒状部(21)に前記スポンジ部材(25,35)を取付けた状態を保持する脱落防止機構(22c,27,28a,38)を備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載のボディブラシ(20)は、前記脱落防止機構は、前記空隙(28)の前後方向における略中央部を前記差込口(26)よりも幅狭に形成した絞り部(28a)であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載のボディブラシ(20)は、前記脱落防止機構は、前記取付部(22)の表面に形成された複数の凹凸部(22c)であることを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に記載のボディブラシ(20)は、前記棒状部(21)の前端(21a)を屈曲させて前記取付部(22)の背面(22a)を連結し、しかも前記スポンジ体(35)に設けられた差込口(36)を前記スポンジ体(35)の背面(35b)に形成したことを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に記載のボディブラシ(20)は、前記取付部(22)に貫通孔(22d)を形成したことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一つに記載
【0016】
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1に記載のボディブラシによれば、スポンジ部材は、スポンジ体及びスポンジ体を包み込む包材からなり、包材には、表面に開口する差込口と、スポンジ部材の内部において差込口と連通しスポンジ部材の背面に対して略平行に広がる取付部嵌め込み用の空隙とが形成されるので、使用によりスポンジ部材が劣化した場合にスポンジ部材のみを交換することができ、経済的である。また、スポンジ部材を取付部から取外して、スポンジ部材のみで体を洗うこともできる。
また、取付部及びスポンジ部材のうち少なくとも一方に、棒状部にスポンジ部材を取付けた状態を保持する脱落防止機構を備えるので、スポンジ部材が棒状部に対して着脱自在な構造であっても、ボディブラシの使用中にスポンジ部材が棒状部から外れ難い。
【0018】
また、請求項2に記載のボディブラシによれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加え、包材に設けられた差込口は、包材の後端の端面に形成され、脱落防止機構は、差込口に設けられ、差込口の開口量を調整する面ファスナーであるので、棒状部にスポンジ部材を取付けた状態において、差込口を棒状部本体のみが貫通するだけの開口量とすることができる。取付部は棒状部本体よりも幅広であるので、取付部は開口量を小さくした差込口を通り抜けることができない。よって、ボディブラシの使用中にスポンジ部材が棒状部から外れ難い。
【0019】
また、請求項3に記載のボディブラシによれば、請求項1又は2に記載の発明の作用効果に加え、包材の外周面にヒレ片を設けたので、体を洗う際に泡がスポンジの背面に回り込み難く、大量の泡により効果的に体を洗うことができる。
【0020】
本発明の請求項4に記載のボディブラシによれば、スポンジ部材は、スポンジ体及びスポンジ体を包み込む包材、又はスポンジ体単体からなり、スポンジ体には、表面に開口する差込口と、スポンジ体の内部において差込口と連通しスポンジ部材の背面に対して略平行に広がる取付部嵌め込み用の空隙とが形成されるので、スポンジ部材がいずれの構成であっても着脱自在である。
また、このようなスポンジ部材であっても、取付部及びスポンジ部材のうち少なくとも一方に、棒状部にスポンジ部材を取付けた状態を保持する脱落防止機構を備えるので、ボディブラシの使用中にスポンジ部材が棒状部から外れ難い。
【0021】
また、請求項5に記載のボディブラシによれば、請求項1乃至4に記載の発明の作用効果に加え、脱落防止機構は、空隙の前後方向における略中央部を差込口よりも幅狭に形成した絞り部であるので、空隙に取付部を嵌め込む際には、空隙を押し広げながら取付部を嵌め込むようになる。つまり空隙に取付部を圧入するので、棒状部にスポンジ部材を取付けた状態において、スポンジ部材が取付部を押圧する。よって、スポンジ部材が棒状部からより外れ難い。
【0022】
また、請求項6に記載のボディブラシによれば、請求項1乃至5に記載の発明の作用効果に加え、脱落防止機構は取付部の表面に形成された複数の凹凸部であるので、複数の凹凸部がスポンジ部材に対する引っ掛かりとなり、空隙と取付部との摩擦力が大きくなる。よって、ボディブラシの使用中にスポンジ部材が棒状部から一層外れ難い。
【0023】
また、請求項7に記載のボディブラシによれば、請求項4に記載の発明の作用効果に加え、棒状部の前端を屈曲させて取付部の背面を連結し、しかもスポンジ体に設けられた差込口をスポンジ体の背面に形成したので、スポンジ体の空隙がスポンジ体の差込口に対して略垂直に広がる。したがって、棒状部にスポンジ部材を一旦取付けたら、スポンジ部材は脱落し難い。
【0024】
また、請求項8に記載のボディブラシによれば、請求項1乃至7に記載の発明の作用効果に加え、取付部に貫通孔を形成したので、スポンジの内部において、体を洗う際に泡が貫通孔を通じて行き来することができる。つまり、スポンジの背面側と正面側が完全には分断されないので、スポンジの空隙に取付部を嵌め込んでいてもスポンジの泡立ちが悪くなり難い。
【0025】
なお、本発明のボディブラシのように、包材又はスポンジ体に形成された空隙に取付部を嵌め込むことで棒状部にスポンジ部材を取付け、その状態を保持する脱落防止機構を備える点は、上述した特許文献1には全く記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第一実施形態に係るボディブラシを示す平面図である。
【図2】図1のボディブラシを示す側面図である。
【図3】図1のボディブラシにおける取付部を示す拡大平面図である。
【図4】図3に示すボディブラシにおける取付部のA−A線断面図である。
【図5】図1のボディブラシにおけるスポンジ体を示す拡大平面図である。
【図6】図5のボディブラシにおけるスポンジ体を示す正面図である。
【図7】図6のスポンジ体に棒状部が嵌め込まれた状態を示す正面図である。
【図8】本発明の第二実施形態に係るボディブラシを示す平面図である。
【図9】図8のボディブラシを示す側面図である。
【図10】図8のボディブラシにおけるスポンジ体を示す拡大平面図である。
【図11】図8のボディブラシにおけるスポンジ体を示す要部断面図である。
【図12】図11のスポンジ体に棒状部が嵌め込まれた状態を示す要部断面図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係るボディブラシにおける取付部を示す拡大平面図である。
【図14】従来例に係るボディブラシを示す側面図である。
【図15】図14のボディブラシにおける棒状部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第一実施形態)
図1乃至図7を参照して、本発明の第一実施形態に係るボディブラシ20を説明する。
このボディブラシ20は、棒状部21と、スポンジ部材25とを備えるものである。
【0028】
棒状部21は、前端21aに取付部22が設けられるとともに、後端21bに把持部23が設けられており、背面側に緩やかな凸状となる弓状である。
取付部22は、棒状部21より幅広の板状で略矩形状である。その背面22a及び正面22bには、棒状部21にスポンジ部材25を取付けた状態を保持しスポンジ部材25が脱落することを防止する複数の凹凸部である格子状のリブ22cが形成されている。
また、リブ22cで囲まれた領域のそれぞれには、取付部22を背面22a側から正面22b側へと貫通する貫通孔22dが一つずつ形成されている。
棒状部21の後端21b、つまり把持部23の後端はボディブラシ20の保管に便利なように、フック形状になっている。また、把持部23は持ち易いように他の部分より若干太くなっており、把持部23の中央には孔23aが形成されている。
さらに、把持部23と取付部22の間には、棒状部21を短く持って使用しても滑らないように、微小凸部を複数形成した滑り止めS(蛇腹状であってもよい)を設けている。
なお、この棒状部21はプラスチック(木質材であってもよい)からなる。
【0029】
スポンジ部材25は、スポンジ体39及びスポンジ体39を包み込む包材40からなる。スポンジ体39は発泡成形された軟質の多孔質物質であり、包材40は軟質で通水性を有する細かなネット状である。
包材40には、後端40aの端面であってスポンジ部材25の背面25b側に開口する差込口26と、内部に取付部22嵌め込み用の空隙28とが形成されている。
差込口26は、幅が取付部22の幅よりもやや広い。また、差込口26の内側であって左右両側には、差込口26の開口量を調整する面ファスナー27がそれぞれ一対設けられている。この面ファスナー27は、スポンジ部材25の脱落防止のために備えられている。
【0030】
空隙28は、スポンジ部材25の内部において差込口26と連通しスポンジ部材25の背面25bに対して略平行に広がる。また、空隙28に取付部22を嵌め込むことが可能なように、空隙28は取付部22よりも若干大きい。なお、空隙28の前後方向における略中央部を差込口26及び取付部22の幅よりも幅狭に形成し、ここを絞り部28aとした。取付部22を空隙28に嵌め込む際には、絞り部28aは取付部22より幅狭なので、取付部22を空隙28に圧入することになる。軟質であるスポンジ部材25に対しての圧入であるので、取付部22を空隙28に嵌め込むことは可能である。
それに加え、スポンジ部材25の外周面も前後方向における略中央部も、スポンジ部材25の後端25aよりも幅狭とした。
また、包材40の外周面には、帯状のヒレ片29が周設されている。
このようなスポンジ部材25が、棒状部21の取付部22に脱着自在に取付けられている。
【0031】
以上のように構成されたボディブラシ20によれば、スポンジ部材25は、スポンジ体39及びスポンジ体39を包み込む包材40からなり、包材40には、表面に開口する差込口26と、スポンジ部材25の内部において差込口26と連通しスポンジ部材25の背面25bに対して略平行に広がる取付部22嵌め込み用の空隙28とが形成されるので、使用によりスポンジ部材25が劣化した場合にスポンジ部材25のみを交換することができ、経済的である。また、スポンジ部材25を取付部22から取外して、スポンジ部材25のみで体を洗うこともできる。
また、取付部22の背面22a及び正面22bには格子状のリブ22cが形成されたので、格子状のリブ22cがスポンジ部材25に対する引っ掛かりとなり、スポンジ部材25の空隙28と取付部22との摩擦力が大きくなる。よって、スポンジ部材25が棒状部21に対して着脱自在な構造であっても、ボディブラシ20の使用中にスポンジ部材25が棒状部21から外れ難い。
【0032】
さらに、包材40の差込口26には、差込口26の開口量を調整する面ファスナー27を設けたので、図7に示すように、棒状部21にスポンジ部材25を取付けた状態において、面ファスナー27同士を貼着することによって、差込口26を棒状部21本体のみが貫通するだけの開口量に調整することができる。取付部22は棒状部21本体よりも幅広であるので、取付部22は開口量が小さくなった差込口26を通り抜けることができない。よって、ボディブラシ20の使用中にスポンジ部材25が棒状部21からより外れ難い。
また、空隙28の前後方向における略中央部には取付部22の幅よりも幅狭の絞り部28aが形成されたので、取付部22が空隙28に嵌め込まれた状態においてスポンジ部材25が取付部22を押圧し、一層スポンジ部材25が棒状部21からより外れ難い。
【0033】
また、空隙28をスポンジ部材25の背面25b側に形成したので、棒状部21にスポンジ部材25を取付けた状態において、取付部22よりも正面25c側のスポンジ部材25部分が厚く、泡立ちがよい。つまり、スポンジ部材25の体を擦る部分が厚いので、効果的に体を洗うことができる。
加えて、包材40の外周面にヒレ片29を設けたので、体を洗う際に泡がスポンジ25の背面25bに回り込み難く、大量の泡により効果的に体を洗うことができる。
また、取付部22のリブ22cで囲まれた領域に貫通孔22dを形成したので、スポンジ部材25の内部において、体を洗う際に泡が貫通孔22dを通じて行き来することができる。つまり、スポンジ部材25の背面25b側と正面25c側が完全には分断されないので、スポンジ部材25の空隙28に取付部22を嵌め込んでいてもスポンジ部材25の泡立ちが悪くなり難い。
【0034】
(第二実施形態)
次に図8乃至図12を参照して、本発明の第二実施形態に係るボディブラシ20を説明する。なお、第一実施形態と同一部分には同一符号を付し、第一実施形態と異なる部分のみ、以下説明する。
【0035】
棒状部21は、図9に示すように、棒状部21の前端21aを屈曲させて取付部22の背面22a略中央を連結する。また、本実施形態では把持部23の中央の孔は形成していない。
【0036】
スポンジ部材35はスポンジ体39単体からなり、スポンジ部材35には、図10に示すように、背面35bに棒状部21の径よりも前後方向の幅が狭い溝である差込口36が形成されている。
また、図11に示すように、スポンジ部材35に設けられた空隙38は、差込口36からスポンジ部材35の前後方向に向かって側面視で略く字状に傾斜している。
差込口36の前後方向の幅が狭いので、取付部22の前側又は後側を空隙38に嵌めた後、差込口36を手で広げて取付部22全体を空隙38に嵌め込むことになるが、スポンジ部材35は軟質であるから、そのように嵌め込むことは可能である。
なお、本実施形態においては、差込口36に面ファスナーは備えていない。
【0037】
以上のように構成されたボディブラシ20によれば、スポンジ部材35の空隙38がスポンジ部材35の差込口36に対して略垂直に広がり、しかも差込口36の前後方向の幅が狭いので、棒状部21にスポンジ部材35を一旦取付けたら、スポンジ部材35は脱落し難い。
また、スポンジ部材35に設けられた空隙38は、差込口36からスポンジ部材35の前後方向に向かって側面視で略く字状に傾斜しているので、空隙38に取付部22を嵌め込むと板状である取付部22に沿って空隙38及びスポンジ部材35が、図11の状態から図12の状態へと変形する。つまり、スポンジ部材35が取付部22によって反り、元の形状に戻ろうとスポンジ部材35が取付部22を着脱の方向とは異なる方向に常に押圧するので、一段とスポンジ部材35は外れ難い。
【0038】
なお、第一、第二実施形態において、スポンジ部材25,35の脱落防止のための機構22c,27,28a,38を、取付部22及びスポンジ部材25,35に設けたが、これに限られるものではなく、いずれか一つのみでもよい。
【0039】
また、取付部22の形状を略矩形状としたが、これに限られるものではなく、図13(a)に示すように取付部22を円形としてもよい。この場合、取付部22の横幅と棒状部21の幅の差が大きくなるので、よりスポンジ部材25,35が外れ難くなる。
【0040】
また、取付部22の背面22a及び正面22bにリブ22cを形成したとしたが、これに限られるものではなく、正面22bのみにリブ22cを形成するだけでもよい。使用時には取付部22の正面22bがスポンジ部材25,35に押し付けられるので、取付部22の正面22bとスポンジ部材25,35との接触面の摩擦力の大きさがスポンジ部材25,35の外れ難さに最も関係するためである。
さらには、リブ22cは形成されなくてもよい。
また、図13(b)に示すように、連続した凸部であるリブ22cとせずに、凹凸部を複数形成した滑り止めSであってもよい。滑り止めSは、取付部22の正面22bのみに形成されても、背面22a及び正面22bに形成されてもよい。図13(b)では、取付部22の形状を略矩形状に描いているが、もちろん円形としてもよい。
【0041】
また、空隙28,38をスポンジ部材25,35の背面側に形成したとしたが、これに限られるものではなく、厚さ方向の略中央に形成していればよい。
また、包材40の外周面にヒレ片29を周設したとしたが、外周の一部のみに設けてもよく、また、ヒレ片29を設けなくてもよい。さらには、スポンジ部材25,35がスポンジ体39単体からなるときであっても、スポンジ体39の一部をヒレ片29として形成してもよい。
また、スポンジ部材25,35がスポンジ体39単体からなるとき、スポンジ体39に形成された差込口36に面ファスナーが設けられていてもよい。
【0042】
また、取付部22のリブ22cで囲まれた領域に貫通孔22dを形成したとしたが、これに限られるものではない。
【0043】
また、第一実施形態において、包材40の差込口26に面ファスナー27を設けたとしたが、公知の他の手段によって差込口26の開口量を調整してもよく、また、他の機構のみで棒状部21にスポンジ部材25を取付けた状態を保持できれば、差込口26の開口量を調整する機構がなくてもよい。
【0044】
また、スポンジ部材25に設けられた空隙28の前後方向における略中央部を絞り部28aとしたが、これに限られるものではなく、他の機構で棒状部21にスポンジ25を取付けた状態を保持できれば、絞り部28aを設けなくてもよい。
また、スポンジ部材25の略中央部を幅狭としたが、空隙28にのみ絞り部28aを設け、スポンジ部材25は略中央部を幅狭とせず矩形状としてもよい。
また、棒状部21に滑り止めSを設けたとしたが、これに限られるものではない。
【0045】
また、第二実施形態において、スポンジ部材35の背面35bに差込口36を形成し、かつ空隙38を差込口36からスポンジ部材35の前後方向に向かって側面視で傾斜させて略く字状にしたが、例えば後方に向かってのみ傾斜させてもよい。つまり、前方に向かっては空隙38はスポンジ部材35の背面35bに略平行であってもよい。さらに、背面35bに差込口36を形成するだけで、空隙38は略く字状としなくても十分にスポンジ部材35の脱落を防止できる。
【0046】
また、スポンジ部材35はスポンジ体39単体からなり、スポンジ体39に差込口36と空隙38を形成したとしたが、これに限られるものではなく、スポンジ部材35がスポンジ体39と包材40とからなる場合であっても、スポンジ体39に差込口36と空隙38を形成してもよい。
【符号の説明】
【0047】
10 ボディブラシ
11 棒状部
12 枠体
15 スポンジ部材
20 ボディブラシ
21 棒状部
21a 前端
21b 後端
22 取付部
22a 背面
22b 正面
22c リブ(凹凸部、脱落防止機構)
22d 貫通孔
23 把持部
23a 孔
25 スポンジ部材
25a 後端
25b 背面
25c 正面
26 差込口
27 面ファスナー(脱落防止機構)
28 空隙
28a 絞り部(脱落防止機構)
29 ヒレ片
35 スポンジ部材
35b 背面
36 差込口
38 空隙(脱落防止機構)
39 スポンジ体
40 包材
40a 後端
S 滑り止め

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前端に取付部が設けられ、後端に把持部が設けられた棒状部と、前記棒状部の取付部に脱着自在に取付けられるスポンジ部材とを備えるボディブラシにおいて、
前記取付部を、前記棒状部より幅広の板状にするとともに、
前記スポンジ部材は、スポンジ体及び前記スポンジ体を包み込む包材からなり、前記包材には、表面に開口する差込口と、前記スポンジ部材の内部において前記差込口と連通し前記スポンジ部材の背面に対して略平行に広がる前記取付部嵌め込み用の空隙とが形成され、
さらに前記取付部及び前記スポンジ部材のうち少なくとも一方に、前記棒状部に前記スポンジ部材を取付けた状態を保持する脱落防止機構を備えることを特徴とするボディブラシ。
【請求項2】
前記包材に設けられた差込口は、前記包材の後端の端面に形成され、
前記脱落防止機構は、前記差込口に設けられ、前記差込口の開口量を調整する面ファスナーであることを特徴とする請求項1に記載のボディブラシ。
【請求項3】
前記包材の外周面にヒレ片を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のボディブラシ。
【請求項4】
前端に取付部が設けられ、後端に把持部が設けられた棒状部と、前記棒状部の取付部に脱着自在に取付けられるスポンジ部材とを備えるボディブラシにおいて、
前記取付部を、前記棒状部より幅広の板状にするとともに、
前記スポンジ部材は、スポンジ体及び前記スポンジ体を包み込む包材、又はスポンジ体単体からなり、前記スポンジ体には、表面に開口する差込口と、前記スポンジ体の内部において前記差込口と連通し前記スポンジ部材の背面に対して略平行に広がる前記取付部嵌め込み用の空隙とが形成され、
さらに前記取付部及び前記スポンジ部材のうち少なくとも一方に、前記棒状部に前記スポンジ部材を取付けた状態を保持する脱落防止機構を備えることを特徴とするボディブラシ。
【請求項5】
前記脱落防止機構は、前記空隙の前後方向における略中央部を前記差込口よりも幅狭に形成した絞り部であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載のボディブラシ。
【請求項6】
前記脱落防止機構は、前記取付部の表面に形成された複数の凹凸部であることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載のボディブラシ。
【請求項7】
前記棒状部の前端を屈曲させて前記取付部の背面を連結し、しかも前記スポンジ体に設けられた差込口を前記スポンジ体の背面に形成したことを特徴とする請求項4に記載のボディブラシ。
【請求項8】
前記取付部に貫通孔を形成したことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一つに記載のボディブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−10882(P2011−10882A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−157837(P2009−157837)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(509188207)
【Fターム(参考)】