説明

ボディースーツ

【課題】 バスト調整部、ウエスト調製部、ガードル部、下腹部調整部、そして肩紐を有すボディースーツにおいて、特にウエスト部とヒップを引き締めることが出来るボディースーツの提供。
【解決手段】 後身頃10から前身頃8にかけて伸縮性に優れた生地で構成されるウエストパワーネット16,16を配置し、その両端を縫い付けると共に間はフリーな状態とし、さらにボディースーツ生地に比較して長さ寸法を僅かに短くし、一方、ヒップ部には概略円弧状で伸縮性に優れた生地で構成されるヒップパワーネット17,17を配置し、ウエストパワーネット16,16とヒップパワーネット17,17の重なり合う部分を互いに縫い合わせている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、女性用下着であってプロポーションを整える為のボディースーツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ボディースーツは、バスト部と、ウエスト部、ガードル部を一体化して構成した下着であり、その形態は色々ある。勿論、ボディースーツに限らず、ブラジャー、ウエストニッパー、ガードルを夫々着用することで体形を整えることが可能であるが、これら各部が一体化したボディースーツは便利であり、若い女性の大半が使用している。図3は従来の一般的なボディースーツの着用状態を示しているように、上半身を拘束して美しい体形を作り上げることが出来る。
【0003】
特開2002−129406号に係る「ボディースーツ」は、肩紐部と、バスト調整部と、ウエスト調整部、下腹部調整部、ガードル部から成るボディースーツであって、バスト調整部にはカップ形ブラジャー部が存在せず、着用者の胸肉を引き寄せ、持ち上げて前面に突出させるバスト支持帯が設けられており、ウエスト調整部には、ウエストを覆うウエスト締付け帯が設けられており、下腹部調整部には、下腹部を覆う下腹部締付け帯が設けられている。
【0004】
このボディースーツは各使用者の体形に合わせてアンダーバストから下腹部にかけてきめ細かい部位別の調整を可能としている。従って、体形に合わせた各種サイズのボディースーツを準備しなくても対応することが出来る。ここで、上記バスト支持帯、ウエスト締付け帯、下腹部締付け帯は、夫々1対の布片から成って、合わせ目には係合留め具を備えて前開き可能な形態としている。
【0005】
しかし、ボディースーツに1対の布片から成るバスト支持帯、ウエスト締付け帯、下腹部締付け帯を設けることで体形に合った調整は可能であるが、着用時の窮屈感が増大し、一方ではバスト支持帯、ウエスト締付け帯、下腹部締付け帯がボディースーツ本体と重なり合うことで体形が太く成ってしまい、ボディースーツを着用した理想の体形を具現することは出来ない。
【0006】
特開2003−82503号に係る「ボディースーツ」は、体形補整だけでなく、内面的な健康増進をも図ることが出来るものであり、バスト部と、肩紐部、ウエスト部、ガードル部から成り、少なくともウエスト部及びガードル部の人体接触側の一部に断面波形の生地が設けられている。断面波形の生地によって形成される凹凸の進行方向がウエスト部で上下方向であり、ガードル部で左右方向と成っている。
【0007】
ところで、従来のボディースーツは上半身を拘束することで美しい体形を維持すると共に、美しい体形に成るように矯正することが出来る機能を備えている。しかし、人の体形は様々であり、その為に規格化されたボディースーツでは部分的に体形に適合せず、ボディースーツとして役に立たないケースもある。特に、ウエスト部に贅肉が付き、ウエストのクビレが無くなってしまう体形が多いく、このような体形に規格化された標準ボディースーツを着用したのでは窮屈である。
【特許文献1】特開2002−129406号に係る「ボディースーツ」
【特許文献2】特開2003−82503号に係る「ボディースーツ」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、従来のボディースーツには上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこれら問題点であり、上半身全体を均等に拘束するのではなく、特にウエスト部を拘束してウエストのクビレを具現することが出来ると共に、ヒップを持ち上げるようにしたボディースーツを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るボディースーツは、肩紐部、バスト調整部、ウエスト調整部、下腹部調整部、ガードル部を有し、これら各部は連続して形成されている。そして、上記各部は所定の形状に裁断された複数枚の生地を縫い合わして構成され、又、バスト調整部のカップラインには必要に応じてワイヤーが取付けられている。ボディースーツとしての基本形態は従来と共通する。
【0010】
ところで、本発明ではウエスト部にパワーネットを配置し、同じくピップ部にもパワーネットを配置している。しかし、これらパワーネットはボディースーツを構成する生地の内側に重ね合わされているが、ウエスト部に配置されるパワーネットはその両端が縫い付けられているだけの状態で、他の部分はフリーな状態にある。
【0011】
一方のピップ部に配置されるパワーネットは概略円弧形を成し、その外周縁だけがボディースーツ生地に縫い付けられている。そして、ウエスト部パワーネットとピップ部パワーネットが互いに重なり合う部分は位置ズレしないように縫い合わされている。ところで、これらパワーネットは伸縮性に優れた生地が用いられ、しかも、該パワーネットのサイズをボディースーツ生地に比較して僅かに小さくし、ボディースーツを着用した状態ではパワーネットの伸びの方が大きく成るようにしている。
【発明の効果】
【0012】
本発明のボディースーツは内側にパワーネットを配置し、ウエスト部及びヒップ部を局部的に拘束することが出来、その為にクビレたウエストを具現することが出来ると共に、ヒップを持ち上げる効果に優れている。すなわち、パワーネットは伸縮性に優れた生地で構成され、しかもサイズがボディースーツより僅かに小さく成っている為に、該ボディースーツを着用した際には、パワーネットが伸長することでウエスト部及びヒップ部が局部的に締め付けられる。しかも、パワーネットはボディースーツ生地に完全に縫い合わされておらずに大部分はフリーな状態で配置される為に、その位置をズラせて特に気になる部分を拘束・支持することが可能と成る。
【実施例】
【0013】
図1は本発明に係るボディースーツを示す実施例で、(a)は正面図、(b)は背面図を表している。該ボディースーツは同図に示すように、1枚でバストからウエスト、及びヒップにかけての上半身をトータル的に整えることが出来るスーツであり、バスト調整部1、ウエスト調製部2、ガードル部3、下腹部調整部4、及び肩紐5から構成している。
【0014】
バスト調整部1には2個のカップ6,6が対を成して設けられ、カップラインにはワイヤー7,7が取付けられて、カップ6,6の形崩れを防止し、ひいてはバストの形を整えることが出来る。そして、バスト調整部1から縦方向に延びる前身頃8、その両側には前脇身頃9,9が縫い付けられ、背面には後身頃10が縦方向に延び、その両側は上記前脇身頃9,9に縫い付けられている。
【0015】
ガードル部3には脚が嵌る脚穴11,11が形成され、前身頃8の下側には下腹部を支持する為に脚穴11,11に沿った細長い下腹身頃12,12が設けられている。脚穴11,11の間に位置する股下身頃13は後身頃10に縫い付けられて、ボタン14,14を介して前身頃8の下端と連結している。従って、着脱する際にはボタン14,14を外して行われる。
【0016】
肩紐5はカップ6,6の外側にカップ補助身頃15,15がワイヤーラインに沿って縫い付けられ、上端には肩紐5,5が連結している。該肩紐5,5は後身頃10の上端円弧に沿って縫い付けられ、しかも、肩紐5,5の長さは調整可能と成っている。ここで、ボディースーツを構成する上記前身頃8、前脇身頃9、後身頃10などの各身頃生地の種類、形状は限定するものではない。
【0017】
図2は本発明に係るボディースーツの内側を表している。すなわち、前記図1のボディースーツを裏返しした場合であり、図1の表側を表しているボディースーツは従来のものと共通している。しかし、裏返した内側にはウエストパワーネット16,16とヒップパワーネット17,17が配置されている。該ウエストパワーネット16,16は所定幅の帯状生地であって伸縮性に優れ、その一方端は後身頃10の中心軸部18に縫い付けられ、他方端は前身頃8の外側縁となる前脇身頃9,9との境界部に縫い付けられている。
【0018】
しかも、後身頃10の中心軸部18への縫い付け位置は高く、前身頃8の両外側への縫い付け位置は低く成っている。従って、背中から下腹にかけて傾斜して配置されると共に、両端が縫い付けられているだけであり、中間部はフリーな状態と成って、ボディースーツ生地から分離している。しかも、該ウエストパワーネット16はその長さ寸法が僅かに短く成っている。ボディースーツを着用することで該ボディースーツ生地に比較して多く伸長し、該伸長に伴って身体を締め付け・矯正する働きを呈す。
【0019】
従って、ウエストパワーネット16,16が配置されるウエスト部は他の箇所に比較してその拘束力は一段と高く、クビレたウエストを具現することが出来る。又、ボディースーツ生地に縫い合わされていない為に、ウエストパワーネット16の位置を僅かにズラすことができ、ウエスト部に付いた特に気になる贅肉を拘束・支持することが出来る。
【0020】
一方、ヒップパワーネット17,17は概略円弧形状を成し、その外周縁は前身頃8の外側縁19,19に沿って縫い付けられ、また脚穴11の周縁20,20に沿って縫い付けられている。そして、一方端は後身頃10の中心軸部18に縫い付けられている。その他の内周縁はボディースーツ生地に縫い付けられることなくフリーな状態にある。
【0021】
そして、このヒップパワーネット17,17は、ウエストパワーネット16,16と同じく、伸縮性に優れた生地であると共に、寸法がボディースーツ生地に比較して僅かに小さく成っている。従って、該ボディースーツを着用するならば、ヒップパワーネット17,17の伸びは一段と大きく、その結果、伸びに伴う拘束力が向上してヒップを持ち上げる効果が大きくなる。
【0022】
同図において、斜線部分はウエストパワーネット16,16とヒップパワーネット17,17とが互いに重なり合う部分であり、この部分は互いに縫い合わされている。ただし、ボディースーツ生地には縫い合わされていないが、ウエストパワーネット16とヒップパワーネット17とが重なり合う斜線部分は特にボディーを締め付ける力が強くなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係るボディースーツで、(a)は正面図、(b)は背面図を示している。
【図2】本発明に係るボディースーツを裏返した状態で、(a)は正面図、(b)は背面図を示している。
【図3】従来のボディースーツの着用状態。
【符号の説明】
【0024】
1 バスト調整部
2 ウエスト調整部
3 ガードル部
4 下腹部調整部
5 肩紐
6 カップ
7 ワイヤー
8 前身頃
9 前脇身頃
10 後身頃
11 脚穴
12 下腹身頃
13 股下身頃
14 ボタン
15 カップ補助身頃
16 ウエストパワーネット
17 ヒップパワーネット
18 中心軸部
19 外側縁
20 周縁


















【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスト調整部、ウエスト調製部、ガードル部、下腹部調整部、そして肩紐を有すボディースーツにおいて、後身頃から前身頃にかけて伸縮性に優れた生地で構成されるウエストパワーネットを配置し、その両端を縫い付けると共に間はフリーな状態とし、さらに着用した際にはウエストパワーネットの伸びが大きくなるようにボディースーツ生地に比較して長さ寸法を僅かに短くしたことを特徴とするボディースーツ。
【請求項2】
上記ウエストパワーネットの後身頃の縫い付け位置を、前身頃との縫い付け位置に比較して高くした請求項1記載のボディースーツ。
【請求項3】
バスト調整部、ウエスト調製部、ガードル部、下腹部調整部、そして肩紐を有すボディースーツにおいて、ヒップ部には概略円弧状で伸縮性に優れた生地で構成されるヒップパワーネットを配置し、その外周縁を前身頃外側から脚穴周縁に沿って縫い付け、先端は後身頃中心軸部に縫い付けると共に内周縁はフリーな状態とし、さらに着用した際にはヒップパワーネットの伸びが大きくなるようにボディースーツ生地に比較して寸法を僅かに短くしたことを特徴とするボディースーツ。
【請求項4】
バスト調整部、ウエスト調製部、ガードル部、下腹部調整部、そして肩紐を有すボディースーツにおいて、後身頃から前身頃にかけて伸縮性に優れた生地で構成されるウエストパワーネットを配置し、その両端を縫い付けると共に間はフリーな状態とし、さらに着用した際にはウエストパワーネットの伸びが大きくなるようにボディースーツ生地に比較して長さ寸法を僅かに短くし、一方、ヒップ部には概略円弧状で伸縮性に優れた生地で構成されるヒップパワーネットを配置し、その外周縁を前身頃外側から脚穴周縁に沿って縫い付け、先端は後身頃中心軸部に縫い付けると共に内周縁はフリーな状態とし、さらに着用した際にはヒップパワーネットの伸びが大きくなるようにボディースーツ生地に比較して寸法を僅かに短くし、さらに上記ウエストパワーネットとヒップパワーネットの重なり合う部分を互いに縫い合わせたことを特徴とするボディースーツ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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