説明

ポイントシステム

【課題】
ポイントシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】
利用者端末に対してポイントで交換可能な商品の情報を送信する商品情報提供処理手段と、利用者がどの商品と交換するのかを示す情報を受信する商品交換受付処理手段と、商品の交換に必要なポイント数の移動処理の要求を送信するポイント移動処理手段と、ポイント数に相当する金額が支払われたことの通知を受信するポイント相当金額支払通知受付手段と、ポイントで交換する商品の発注を送信する発注処理手段と、商品の相当金額の支払指示を送信する商品代金支払処理手段と、ポイント発行企業から受領した金額と商品提供企業に支払った金額の差額のうち、所定割合の金額の支払指示を金融機関システムに送信する還元処理手段と、を有するポイントシステムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポイントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗などの利用を促進するために、商品の購入者に対して、所定のポイントを発行し、そのポイントに応じて商品等と交換できるサービスが、各種企業で行われている。
【0003】
しかしこのポイントは、ポイントを発行した店舗などでしか利用できないことから、その利便性を向上させるために、下記特許文献1に記載のように、加盟店毎に異なるポイントを所定の変換比で変換することによって、他の店舗などでも利用可能にする発明が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−197333
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし上述の公報に記載の発明の場合、加盟店相互間でのポイントの変換を行うことは出来るが、ポイントの変換先の店舗ではそのままポイントによる商品の交換が行われてしまうので、変換先の店舗では当該ポイント分について、持ち出しとなってしまう。例えば利用者XがA店のポイントを1,000ポイント、B店のポイントを1,000ポイント有しており、A店とB店のポイントの変換比率がA:B=1:2の場合であって、利用者XがA店のポイントをB店のポイントに変換してB店でポイントの利用を行う場合、A店のポイントを変換することによって利用者Xは3,000ポイント(うちB店の元々のポイントが1,000ポイント、変換したポイントが2,000ポイント)を利用しうる。しかしB店にしてみれば利用者XがA店で取得したポイントなのにB店で利用されてしまうので、B店としてはB店の2,000ポイント分、持ち出しとなってしまう。つまり2,000ポイント分について、利用者XにはA店からポイントを発行されているのに、B店がその部分を費用負担しなくてはならない。これはB店にとっては非常にデメリットである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明者は、他店で発行されたポイントであっても従来と同様に利用できるとともに、ポイントを発行した店舗からポイント相当分の金員を受領し、ポイントから商品へ交換する際の所定の比率に応じた金員をポイントが利用される店舗などに渡すことによって、ポイントが利用される店舗の不利益を減らすポイントシステムを発明した。
【0007】
請求項1の発明は、利用者に対してポイントを発行する企業が利用するポイント発行企業システムとの間、ポイントで交換する商品を提供する企業が利用する商品提供企業システムとの間、金融機関が利用する金融機関システムとの間で情報の送受信が可能なポイントシステムであって、前記利用者が利用する利用者端末に対して、前記ポイントで交換可能な商品の情報を送信する商品情報提供処理手段と、前記ポイントに基づいて前記利用者がどの商品と交換するのかを示す情報を、前記利用者端末から受信する商品交換受付処理手段と、前記商品の交換に必要なポイント数の移動処理の要求を前記ポイント発行企業システムに送信するポイント移動処理手段と、前記ポイント発行企業から前記商品の交換に必要なポイント数に相当する金額が支払われたことの通知を、前記ポイント発行企業システム又は前記金融機関システムから受信するポイント相当金額支払通知受付手段と、前記ポイントで交換する商品の発注を前記商品提供企業システムに送信する発注処理手段と、前記商品の相当金額を前記商品提供企業に支払う支払指示を前記金融機関システムに送信する商品代金支払処理手段と、前記ポイント発行企業から受領した金額と前記商品提供企業に支払った金額の差額のうち、所定割合の金額を前記ポイント発行企業に支払う支払指示を前記金融機関システムに送信する還元処理手段と、を有するポイントシステムである。
【0008】
本発明のようにポイントシステムを構成することによって、ポイントにより商品を交換される店舗等は、その商品に相当する金額を、ポイントシステムの運営企業を介してポイントの発行先の企業から受領できる。これにより従来は交換された商品のポイントの分だけそのまま持ち出しとなっていたが、このような構成により、その不利益を解消することが出来る。
【0009】
またポイントの発行企業も、商品の交換によって還元が行われるので、メリットがある。
【0010】
請求項2の発明において、前記ポイントシステムは、更に、前記ポイント移動処理の前に、前記商品の交換に必要なポイント数を前記利用者が有しているかの問い合わせを前記ポイント発行企業システムに送信し、その問い合わせ結果を前記ポイント発行企業システムから受信するポイント確認処理手段、を有するポイントシステムである。
【0011】
このような確認を事前に行うことで、ポイント数が不足しているのに商品の発注を行ってしまう事態を防げる。
【0012】
請求項3の発明において、前記移動処理は、前記ポイント発行企業システムが、前記ポイント発行企業システムの記憶装置に記憶する前記利用者のポイント数から、前記商品の交換に必要なポイント数を減算し、前記商品の交換に必要なポイント数に相当する金額を前記ポイントシステムを運営する運営企業に支払う支払指示を前記金融機関システムに送信する処理である、ポイントシステムである。
【0013】
ポイントの移動処理は、本発明のように構成すると良い。
【0014】
請求項4の発明において、前記発注処理手段は、前記発注の際に、前記利用者がポイントで交換することを選択した商品の情報と、前記利用者の氏名、住所を含む属性情報を前記商品提供企業システムに送信する、ポイントシステムである。
【0015】
本発明のように発注を行うことで、商品の提供企業から利用者に対して直接、利用者が交換する商品を発送することが出来る。
【0016】
請求項5の発明において、前記ポイント発行企業は、会員IDが記載された実店舗で利用可能なメンバーズカードと、スクラッチIDが記載されたオンラインショップで利用可能なスクラッチカードとを前記利用者に配布しており、前記ポイント発行企業システムは、前記利用者に前記スクラッチカードを配布する際に、前記会員IDと前記スクラッチIDとを所定の読取装置で読み取り、前記読み取った会員IDとスクラッチIDとを対応付けて記憶し、前記オンラインショップで商品を購入する際に、前記スクラッチIDと前記スクラッチカードに記載されたスクラッチパスワードとの入力を前記利用者端末から受信し、前記スクラッチIDに対応する会員IDのポイントに、前記購入した商品のポイントを加算する、ポイントシステムである。
【0017】
従来、実店舗のメンバーズカードのIDとオンラインショップのIDとはセキュリティ等の問題から区別されていることが多い。そしてこれらのIDには対応関係が設けられていなかった。その為、実店舗での購入により発行されたポイントをオンラインショップで利用したり、逆に、オンラインショップでの購入により発行されたポイントを実店舗で利用することが出来なかった。そこで本発明のように構成することで、実店舗での購入により発行されるポイントとオンラインショップでの購入により発行されるポイントとが同一のIDで蓄積することが出来るので、相互での利用が可能となり、利用者の利便性が向上する。
【0018】
またオンラインショップでの購入の場合には、実店舗のメンバーズカードのIDをそのまま利用せずに、利用者に別途スクラッチIDとスクラッチパスワードが記載されたスクラッチカードを配布して、オンラインショップでの購入の際には、スクラッチIDとスクラッチパスワードの入力を受け付けるように構成したことで、通常、実店舗で利用するメンバーズカードに記載されたIDを用いずに済み、セキュリティを向上させることが出来る。特にスクラッチカードは実店舗では利用しないので、他人に見られることなく、自宅に保管することが出来るし、またスクラッチパスワードは塗膜により隠蔽されているので、実店舗の店員などによる盗用も防止することが出来る。
【発明の効果】
【0019】
本発明によって、他店で発行されたポイントが変換されてポイントの利用が行われる場合であっても、発行した店舗からポイント相当分の金員を受領し、それを利用が行われる店舗に渡すことによって、ポイントが利用される店舗の不利益を減らすことが出来る。これによって、利用者は様々な店舗で取得したポイントをその店舗に限らずに利用することが出来るメリットを維持したまま、ポイントが利用される店舗の不利益を減らすことが出来る。また本発明ではポイント発行企業に対しても還元が行われるので、店舗にとっての不利益のみならず、還元による利益が発生する場合もある。
【0020】
また従来はポイントが発行された店舗で提供する商品等としかポイントの交換が出来なかったが、本発明を利用することによって、様々な商品等と交換することが出来るようになる。これによって、ポイントの利用が促進される。またポイントがポイント発行企業から本発明のポイントシステムの運営企業等に移動処理されることによって、ポイント自体が流通し、通貨のような役割を果たし、あたかも疑似通貨のようになる。このようにポイントが利用されることによって消費が促されるので、経済の活性化に繋がることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明のポイントシステム1のシステム構成の一例を図1のシステム構成図に、ポイントシステム1を機能させるコンピュータ端末(本明細書ではサーバも含む)のハードウェア構成の一例を図2に示す。
【0022】
ポイントシステム1を実現するコンピュータ端末は、プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置と、情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置と、演算装置の処理結果や記憶装置に記憶する情報をインターネットなどのネットワークを介して送信する通信装置とを少なくとも有しており、ポイントシステム1の各機能は、その処理を実行する手段(プログラムやモジュール)が演算装置に読み込まれることで本発明の処理が行われる。各手段は、記憶装置に記憶した情報をその処理において利用する場合には、該当する情報を当該記憶装置から読み出し、読み出した情報を適宜、演算装置における処理に用いる。また当該コンピュータ端末には、更に、キーボードやマウスなどの入力装置、ディスプレイなどの表示装置を有していても良い。
【0023】
ポイントシステム1は、商品情報提供処理手段5と商品交換受付処理手段6とポイント確認処理手段7とポイント移動処理手段8とポイント相当金額支払通知受付手段9と発注処理手段10と商品代金支払処理手段11と還元処理手段12とを有している。またポイントシステム1は、利用者にポイントを発行した企業が利用するコンピュータシステムであるポイント発行企業システム2と、ポイントと交換する商品を提供する企業が利用する商品提供企業システム3と、金融機関の勘定系システム(口座の入出金等の処理を行うシステム)である金融機関システム4と、利用者が利用する利用者端末13との間で、ネットワークを介して情報の送受信が可能である。
【0024】
尚、本明細書において、「商品」との記載には、物の他にも、利用者に対して提供される役務も含まれる。また「商品」には、テレビ放送の受信料、各種の税金、電気、水道、ガスなどの公共料金等の他人の債権への支払いも含まれる。
【0025】
商品情報提供処理手段5は、利用者に対して発行されたポイントと交換可能な商品の情報を、ポイントシステム1の記憶装置から抽出して、通信装置を介して利用者端末13に送信する手段である。
【0026】
商品交換受付処理手段6は、通信装置を介して利用者端末13から、利用者がポイントをどの商品と交換するかの情報(例えば、利用者がポイントで交換することに決定した商品を識別する情報)を受信する手段である。
【0027】
ポイント確認処理手段7は、商品交換受付処理手段6で受信した、利用者が商品と交換するのに必要なポイント数が存在するかの問い合わせを、当該ポイントを発行した企業のポイント発行企業システム2に対して通信装置を介して送信し、その結果を通信装置を介して受信する手段である。
【0028】
ポイント移動処理手段8は、ポイント確認処理手段7での問い合わせの結果、ポイントが存在するとの結果を受信した場合には、ポイント発行企業システム2に対して通信装置を介して、当該ポイント数を当該ポイント発行企業システム2に記憶する当該利用者のポイント数から減算し、且つ当該ポイント数に相当する金額をポイントシステム1の運営企業の指定する銀行口座等に支払を行うことの指示を送信する手段である。これによって、利用者が交換しようとする商品の相当するポイント数がポイント発行企業システム2から減算され、ポイント発行企業システム2からポイントシステム1を運営する企業に対して、ポイント数の相当金額が支払われる。
【0029】
ポイント相当金額支払通知受付手段9は、ポイント発行企業システム2又は金融機関システム4から通信装置を介して、利用者の利用したポイント数の相当金額を支払ったことの通知を受信する手段である。
【0030】
発注処理手段10は、ポイント相当金額支払通知受付手段9でポイント発行企業からポイント数の相当金額の支払通知を受信後、商品交換受付処理手段6で受信した、利用者がポイントで交換する商品の提供先の企業の商品提供企業システム3に対して、当該商品の発注を通信装置を介して送信する手段である。
【0031】
商品代金支払処理手段11は、発注処理手段10で発注後、当該商品の提供企業に対して当該商品の相当金額を支払う指示を、金融機関システム4に対して通信装置を介して送信する手段である。
【0032】
還元処理手段12は、ポイント発行企業から受領した金額と商品提供企業に支払った金額の差額から、ポイントシステム1の運営企業の手数料を減算した金額のうち、所定金額をポイント発行企業に対して支払う指示を、金融機関システム4に対して通信装置を介して送信する手段である。
【0033】
次に本発明のポイントシステム1の処理プロセスの一例について、図3及び図4のフローチャートを用いて説明する。尚、利用者Xはポイント発行企業Aのポイントの会員であり、本発明のポイントシステム1を利用して、ポイント発行企業システム2Aのポイントに基づいて商品提供企業Bの商品と交換する場合を説明する。また利用者が有するポイント発行企業Aの会員ID「11111」が、属性情報としてポイント発行企業システム2の記憶装置に記憶されている。この属性情報の概念図を図5に示す。
【0034】
まず利用者Xはポイント発行企業Aの店舗に来店し(S100)、所望の商品を購入する(S110)。この商品購入の際に、利用者Xは、ポイント発行企業Aの会員であることを示すメンバーズカードを提示する。このメンバーズカードには、会員IDが記録されている。またメンバーズカードの提示と併せて、利用者Xは、オンラインショップでの商品の購入を行うためのスクラッチカードの配布を要求する。スクラッチカードには、スクラッチカードを識別するスクラッチIDと、当該スクラッチIDを利用する者が正当な権限を有する者であるかを判定するためのパスワードであるスクラッチパスワードとが記載(またスクラッチIDは読み取り可能な状態に記憶されていても良い)されている。スクラッチカードは、スクラッチパスワードを印刷した後に、そのスクラッチパスワードを塗膜で隠蔽することによって、配布時にはスクラッチパスワードを隠蔽する。そして利用者がスクラッチカードを利用する段階でその塗膜を擦ることによって、塗膜を剥離させ、スクラッチパスワードを露出させる。
【0035】
スクラッチカードの配布要求を受けて店舗の店員は、利用者Xに配布するスクラッチカードを取り出して、スクラッチカードに記憶されたスクラッチIDと、利用者Xから提示されたメンバーズカードの会員IDとをバーコードリーダー等の読取装置によって読み取る(或いはこれらのIDを入力する)(S120)。
【0036】
これを読み取ることでポイント発行企業システム2は、スクラッチIDとメンバーズカードの会員IDとを受け取り(S130)、ポイント発行企業システム2の記憶装置に記憶する会員IDと、スクラッチカードに記憶されたスクラッチIDとを紐付ける処理を行う(S140)。尚、ポイント発行企業システム2の記憶装置には、利用者の属性情報の他に、スクラッチカードに記憶されるスクラッチIDと、そのスクラッチIDに対応付けられたスクラッチパスワードとの情報を記憶している。この概念図を図6に示す。利用者Xに渡されるスクラッチカードのスクラッチIDが「AAAAA」、スクラッチパスワードが「12345」であるとする。
【0037】
このようにして会員IDとスクラッチIDとを紐付けた後、スクラッチカードを店員が利用者Xに渡し(S150)、それを利用者Xは受領する(S160)。
【0038】
利用者Xは、実店舗ではなく、ポイント発行企業Aのオンラインショップで商品を購入する場合、スクラッチカードの塗膜を剥離することでスクラッチパスワードを露出させ、所定の方法でオンラインショップのサイトに、スクラッチIDとスクラッチパスワードとを入力する(S170)。ここでは、利用者Xに配布したスクラッチカードには「AAAAA」がスクラッチIDとして、「12345」がスクラッチパスワードとして記載されているので、「AAAAA」と「12345」とを入力・送信する(S170、S180)。
【0039】
ポイント発行企業Aのポイント発行企業システム2では、スクラッチIDとスクラッチパスワードとを受信すると(S190)、その認証を行い(S200)、紐付けられた会員IDとスクラッチIDとに基づいて、利用者の属性情報を仮更新する(S210)。
【0040】
S210について上述の例では、会員ID「11111」とスクラッチID「AAAAA」とが紐付けられているので、ポイント発行企業システム2の記憶装置に記憶するスクラッチIDとスクラッチパスワードとが、利用者Xの属性情報のスクラッチIDとスクラッチパスワードに記憶される。この状態の属性情報の概念図を図7に示す。
【0041】
ここで仮更新とは、属性情報を記憶した後に、一度、利用者に対してその確認を求め、利用者から承諾の意志表示があった場合に正式に更新する処理である。従って、S210の仮更新を行った際に、ポイント発行企業システム2は、記憶装置に記憶する当該利用者Xの電子メールアドレスに対して、利用者の属性情報を更新して良いか、会員IDとスクラッチIDとが正しいかどうかの確認を求める確認要求を電子メールなどによって利用者端末13に送信する(S220)。
【0042】
この確認要求を利用者端末13で受信した利用者は(S230)、会員IDとスクラッチIDとが正しい場合には承諾を、正しくない場合には誤りがあることを示す通知をポイント発行企業システム2に送信する(S240)。例えば正しい場合に利用者Xが押下すべきリンクと、正しくない場合に利用者Xが押下すべきリンクとが、電子メールに記載されており、利用者Xがいずれかを押下することによって通知を送信したりする。
【0043】
S240で、正しい場合の通知を受信した場合には、ポイント発行企業システム2は、S210で仮更新とした属性情報を、そのまま正式な更新とする(S250)。また正しくない通知を受信した場合には、エラーメッセージ等の更新が出来なかった旨を通知する。
【0044】
このようにすることで、利用者は、実店舗で利用する会員IDと、オンラインショップで利用するスクラッチIDとを更新することが出来、また各IDの紐付けが出来るので、利用者Xが実店舗で商品を購入しても、オンラインショップで商品を購入しても、ポイントを同一の会員IDに対応させて蓄積することが出来る。
【0045】
このようにして蓄積したポイントを利用する際には、利用者Xは利用者端末13から所定の操作によりポイントシステム1に対してアクセスし、ポイントと交換できる商品が示された情報を商品情報提供処理手段5に要求する(S300)。商品情報提供処理手段5は、通信装置を介して当該要求を受信すると(S310)、ポイントシステム1の記憶装置に記憶している、ポイントにより交換可能な商品が記載されたサイトなどの情報を通信装置を介して利用者端末13に送信する(S320)。
【0046】
S320で送信されたサイトを利用者端末13で受信して閲覧することにより(S330)、ポイントと交換する商品を決定し、どの商品を選択したかを示す情報をポイントシステム1に送信する(S340)。
【0047】
交換する商品の情報は、ポイントシステム1の通信装置を介して、商品交換受付処理手段6が受信し(S350)、その交換に必要なポイント数を利用者Xが有しているかの問い合わせを、ポイント確認処理手段7が通信装置を介してポイント発行企業システム2に送信する(S360)。この際に、利用者Xの識別情報(例えば会員IDやスクラッチID)と必要なポイント数とを送信する。
【0048】
S360の問い合わせを受信したポイント発行企業Aのポイント発行企業システム2は(S370)、当該利用者Xの識別情報に基づいて、ポイント発行企業システム2の記憶装置に記憶するポイント数を検索し、必要なポイント数以上のポイントが蓄積されているかを確認する。そしてその結果をポイントシステム1に送信する(S380)。
【0049】
S380の確認の結果を通信装置を介して受信したポイントシステム1のポイント確認処理手段7は(S390)、その結果が、必要なポイント数が不足していることを意味する結果の場合には、利用者端末13に対して、「必要なポイント数が不足しています」等の結果を通信装置を介して送信する。またS380の確認の結果が、必要なポイント数があることを意味する結果の場合には、ポイント移動処理手段8がポイント発行企業システム2に対して、通信装置を介して、当該ポイント数の移動要求を送信する(S400)。具体的には、当該ポイント数の減算と、当該ポイント数に相当する金額の支払依頼とを送信する。例えば1ポイントが1円に相当し、商品交換に必要なポイントが10,000ポイントの場合には、ポイント発行企業システム2に対して、利用者Xのポイントから10,000ポイントの減算と、10,000円の支払依頼とを送信することとなる。
【0050】
ポイントシステム1からポイントの移動要求を受信したポイント発行企業システム2は(S410)、ポイント発行企業システム2の記憶装置に記憶する利用者Xの蓄積しているポイントから当該ポイント数(ここでは10,000ポイント)を減算する(S420)。そして、10,000ポイントに相当する10,000円の支払依頼を金融機関システム4に対して、送信する。具体的には、10,000円をポイント発行企業Aの銀行口座からポイントシステム1の運営企業の指定された銀行口座に対して振込の指示を送信する(S430)。この振込指示の際に、振込金額とポイントシステム1の運営企業の銀行口座とが含まれている。
【0051】
この振込指示を受信した金融機関システム4は、10,000円を、ポイント発行企業Aの銀行口座から、ポイントシステム1の運営企業の指定された銀行口座に対して送金する処理を行う。
【0052】
S430のポイント発行企業Aの銀行口座からポイントシステム1の運営企業の指定された銀行口座への振り込み処理後、ポイント発行企業システム2又は金融機関システム4から、ポイントの相当金額を支払ったことを示す支払通知を通信装置を介して受信し、ポイント相当金額を受領する(S440)。
【0053】
S440において、ポイント相当金額支払通知受付手段9でポイント発行企業からポイントの相当金額の支払通知を受信後、発注処理手段10は、商品交換受付処理手段6で受信した、利用者Xがポイントで交換する商品の情報を商品交換受付処理手段6から受け取り、その商品の提供先企業の商品提供企業システム3に対して、当該商品の発注を通信装置を介して送信する。この際に、発注した商品の情報と、送付先となる利用者Xの属性情報、例えば氏名や住所、電話番号等を併せて送信すると良い。
【0054】
またその発注と併せて、商品代金支払処理手段11が、当該商品の提供企業に対して当該商品の相当金額を支払う指示を、通信装置を介して金融機関システム4に対して送信する(S450)。商品の相当金額は、ポイントシステム1の記憶装置に記憶されており、それを抽出することにより行うと良い。また商品の相当金額は、当該商品と交換するのに必要なポイントの相当金額より少ないことが好適であり、例えば80%程度であると良い。従って、上述の例の場合、商品の相当金額としては8,000円程度であると良く、商品代金支払手段は、8,000円の支払を指示することとなる。
【0055】
S450における支払指示をポイントシステム1から受信した金融機関システム4は、ポイントシステム1の銀行口座から商品提供企業システム3の銀行口座に対して、商品の相当金額を送金する処理を行う。
【0056】
S450で送信された発注は、商品提供企業システム3で受信して受け付ける(S460)。この発注を受け付けた商品提供企業システム3は、利用者Xに対して当該商品を発送し(S490)、それを利用者Xは受領する(S500)。
【0057】
またS450の処理後、ポイントシステム1の還元処理手段12は、ポイント発行企業から受領した金額と商品提供企業に支払った金額の差額から、ポイントシステム1の運営企業の手数料を減算した金額のうち、所定金額をポイント発行企業Aに対して支払う処理である還元処理の指示を金融機関システム4に送信する(S470)。
【0058】
例えば上述の例では、ポイントシステム1の運営企業が受領した金額は10,000円であり、商品提供企業に支払った金額は8,000円である。従ってその差額の2,000円から、ポイントシステム1の運営企業の手数料として例えば5%の100円を減算した金額、即ち1,900円をポイント発行企業に対して支払う。尚、1,900円全額をポイント発行企業システム2に支払うほか、そのうちの何割かを支払うこととしても良い。
【0059】
S470の還元処理の指示を受信した金融機関システム4は、ポイントシステム1の運営企業の銀行口座からポイント発行企業Aの銀行口座に対して、S470で指定された金額(上述の例では1,900円)を送金する処理を行う。
【0060】
このようにすることでポイント発行企業Aは、ポイント相当金額のうち、一部について還元を受けることが出来る(S480)。上述の例では、1,900円の還元を受けることが出来る。一方、ポイントが利用された商品提供企業は、従来のように商品を単に利用者に渡すだけではなく、商品相当金額を受領することが出来る。
【0061】
尚、S340で利用者が選択した「商品」がテレビ放送の受信料、公共料金、各種の税金等の支払いの場合には、それを選択することによって、S350からS440までの処理が上述と同様に行われ、ポイントシステム1の運営企業がポイント提供企業から受領したポイント相当金額に基づいて、利用者に代わって支払いを行う。つまり、S450において商品の発注処理を行う代わりに、商品代金支払処理手段11が金融機関システム4に対して、各債権者の指定する銀行口座にその金額を支払う指示を、通信装置を介して送信する。尚、この際に当該利用者を識別する情報、例えば氏名やお客様番号等を併せて送信すると良い。また支払うべき金額は、「商品」の選択がされた後、或いはそれと同じタイミングで、利用者端末13から入力を受け付けると良い。これらの金額について、ネットワークを介して参照が可能な場合には、ポイントシステム1がそれらの金額を提供するシステム、例えばテレビ放送の受信料を提供するサーバ、ガス会社、水道局、電力会社等のサーバ、役所のサーバにアクセスし、ポイントシステム1が受け付けた当該利用者を識別する情報を、当該金額を提供するシステムに送信して金額を問い合わせることで、支払うべき金額の確認を行っても良い。
【0062】
このようにテレビ放送の受信料、公共料金、税金等の支払いを可能とすることによって、利用者はポイントで支払ったような気分になり、実際に金銭を出して支払うよりお得感を感じることが出来る。また支払いに対する抵抗感も少なくなるので、これらの徴収率を高めることにも繋がる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
上述の発明によって、他店で発行されたポイントが変換されてポイントの利用が行われる場合であっても、発行した店舗からポイント相当分の金員を受領し、それを利用が行われる店舗に渡すことによって、ポイントが利用される店舗の不利益を減らすことが出来る。これによって、利用者は様々な店舗で取得したポイントをその店舗に限らずに利用することが出来るメリットを維持したまま、ポイントが利用される店舗の不利益を減らすことが出来る。また本発明ではポイント発行企業に対しても還元が行われるので、店舗にとっての不利益のみならず、還元による利益が発生する場合もある。
【0064】
また従来はポイントが発行された店舗で提供する商品等としかポイントの交換が出来なかったが、本発明を利用することによって、様々な商品等と交換することが出来るようになる。これによって、ポイントの利用が促進される。またポイントがポイント発行企業から本発明のポイントシステムの運営企業等に移動処理されることによって、ポイント自体が流通し、通貨のような役割を果たし、あたかも疑似通貨のようになる。このようにポイントが利用されることによって消費が促されるので、経済の活性化に繋がることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明のシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】本発明のポイントシステム1を機能させるコンピュータ端末のハードウェア構成図の一例である。
【図3】本発明の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
【図5】属性情報の概念図の一例である。
【図6】スクラッチIDとスクラッチパスワードとを記憶する概念図の一例である。
【図7】属性情報が更新された場合の概念図の一例である。
【符号の説明】
【0066】
1:ポイントシステム
2:ポイント発行企業システム
3:商品提供企業システム
4:金融機関システム
5:商品情報提供処理手段
6:商品交換受付処理手段
7:ポイント確認処理手段
8:ポイント移動処理手段
9:ポイント相当金額支払通知受付手段
10:発注処理手段
11:商品代金支払処理手段
12:還元処理手段
13:利用者端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に対してポイントを発行する企業が利用するポイント発行企業システムとの間、ポイントで交換する商品を提供する企業が利用する商品提供企業システムとの間、金融機関が利用する金融機関システムとの間で情報の送受信が可能なポイントシステムであって、
前記利用者が利用する利用者端末に対して、前記ポイントで交換可能な商品の情報を送信する商品情報提供処理手段と、
前記ポイントに基づいて前記利用者がどの商品と交換するのかを示す情報を、前記利用者端末から受信する商品交換受付処理手段と、
前記商品の交換に必要なポイント数の移動処理の要求を前記ポイント発行企業システムに送信するポイント移動処理手段と、
前記ポイント発行企業から前記商品の交換に必要なポイント数に相当する金額が支払われたことの通知を、前記ポイント発行企業システム又は前記金融機関システムから受信するポイント相当金額支払通知受付手段と、
前記ポイントで交換する商品の発注を前記商品提供企業システムに送信する発注処理手段と、
前記商品の相当金額を前記商品提供企業に支払う支払指示を前記金融機関システムに送信する商品代金支払処理手段と、
前記ポイント発行企業から受領した金額と前記商品提供企業に支払った金額の差額のうち、所定割合の金額を前記ポイント発行企業に支払う支払指示を前記金融機関システムに送信する還元処理手段と、
を有することを特徴とするポイントシステム。
【請求項2】
前記ポイントシステムは、更に、
前記ポイント移動処理の前に、前記商品の交換に必要なポイント数を前記利用者が有しているかの問い合わせを前記ポイント発行企業システムに送信し、その問い合わせ結果を前記ポイント発行企業システムから受信するポイント確認処理手段、
を有することを特徴とする請求項1に記載のポイントシステム。
【請求項3】
前記移動処理は、
前記ポイント発行企業システムが、
前記ポイント発行企業システムの記憶装置に記憶する前記利用者のポイント数から、前記商品の交換に必要なポイント数を減算し、前記商品の交換に必要なポイント数に相当する金額を前記ポイントシステムを運営する運営企業に支払う支払指示を前記金融機関システムに送信する処理である、
ことを特徴とする請求項1に記載のポイントシステム。
【請求項4】
前記発注処理手段は、
前記発注の際に、前記利用者がポイントで交換することを選択した商品の情報と、前記利用者の氏名、住所を含む属性情報を前記商品提供企業システムに送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のポイントシステム。
【請求項5】
前記ポイント発行企業は、会員IDが記載された実店舗で利用可能なメンバーズカードと、スクラッチIDが記載されたオンラインショップで利用可能なスクラッチカードとを前記利用者に配布しており、
前記ポイント発行企業システムは、
前記利用者に前記スクラッチカードを配布する際に、前記会員IDと前記スクラッチIDとを所定の読取装置で読み取り、
前記読み取った会員IDとスクラッチIDとを対応付けて記憶し、
前記オンラインショップで商品を購入する際に、前記スクラッチIDと前記スクラッチカードに記載されたスクラッチパスワードとの入力を前記利用者端末から受信し、前記スクラッチIDに対応する会員IDのポイントに、前記購入した商品のポイントを加算する、
ことを特徴とする請求項1に記載のポイントシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−122344(P2007−122344A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−312776(P2005−312776)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(301065113)ユビキタスエージェントテクノロジー株式会社 (2)