説明

ポイント管理システム

【課題】顧客会員が積み立てたポイントの合計ポイント数を、企業会員の何れの窓口においても簡単な操作で使用して特典を得ようとする会員顧客を特定するためのICカード読取装置等の設備を不要とする。
【解決手段】通信回線を介して1又は複数の企業会員が備えるポイント管理サーバと接続されてポイントの移動を統括管理する統括ポイント管理サーバにおいて、顧客会員が所定の企業会員において所定のポイント数を使用して所定の特典を得ようとする場合に、当該顧客が所持する携帯電話端末装置からの要求に応じて当該顧客会員が前記所定のポイント数以上のポイントを所有している場合には、当該顧客の前記携帯端末装置に対して当該特典の使用情報を当該顧客の携帯端末装置に送信し、前記顧客会員が前記所定のポイント数が使用して前記特典を得たことにより、当該顧客会員のポイント口座から当該所定のポイント数を減算処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポイント管理システムに関し、特に、ポイントを付与する1又は複数の企業会に積み立てられたポイント数を合算するポイント口座を顧客会員毎に設けると共に、前記共通ポイント口座の共通ポイントを、前記顧客会員が企業会員の何れかの店舗等において使用できるようにしたポイント管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、商品若しくはサービス(以下、「商品等」と呼称する)を販売または提供する小売店等(以下、「店舗」と呼称する)においては、販売活動等の促進、及び顧客の固定化を図るなどの目的のために商品等を購入した顧客に対して所定の購入金額毎にいわゆるポイントを提供し、次回以降の当該顧客の商品等の購入時には、当該顧客が積み立てた範囲で利用できるポイント数に応じた金額を商品等の購入額から割り引くことができるサービスを顧客に提供するサービス(ポイント)が提供されており、このようなポイント管理を、通信回線に接続された1又は複数のコンピュータ間で処理するポイント管理システムも提供されている。
【0003】
また、このようなポイントと実質的に同じものとして、上記のポイントに代えてグリンーン・スタンプ、クーポン券、またはチケットなどを提供するサービスも提供されている。
【0004】
通常、このようなポイントの提供は、チェーン店や量販店等を有する企業グループ内において盛んに行われている。なお、このようなポイントのポイント数を管理するポイント管理システムの技術としては、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されている提案がある。
【0005】
さらに、クレジットカードを利用する顧客に提供されるポイントを管理するポイント管理システムとして、例えば、特許文献3に開示されている提案がある。
【特許文献1】特開平6−295390号公報
【特許文献2】特開平10−124754号公報
【特許文献3】特開2002−150187公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このような従来のポイント管理システムにおいては、企業グループが複数の場合であっても、顧客がポイントを使用できる範囲が、それぞれの企業グループ内に留まっているため、前述の販売活動等の促進、及び顧客の固定化などの推進に限界が生じ、当初の目的が、目論見どおりに達成されないという問題点があった。
【0007】
また、複数の企業グループの各々でポイントを提供する顧客会員を登録し、この登録済の顧客会員を特定するためのIDカードが発行されるシステムの場合、積み立てたポイントを使用しようとする顧客側にとっては、複数の企業グループの各々について、それぞれ異なる複数のIDカードを使用することが、管理上の負担となっており、また、ポイント使用のために複数のIDカードを携帯しなければならないことも負担であった。
【0008】
さらに、従来のポイント管理システムは、顧客側にとって、ポイントの使用によって割り引かれる金額が、各々の企業グループ内で獲得されたポイント数の範囲に限定されているため、購買意欲に結び付く程の魅力的な割引額には容易に達しないという問題点があった。
【0009】
これらの問題点を、企業グループ側から分析すると、従来のポイント管理システムでは、他の企業グループの各々において顧客会員が獲得したポイント数が、それぞれ中途半端であるために、これらのポイント数が全て使用されることがなく、死蔵されるポイント数も多くなり、また、他グループ内で獲得されたポイント数を自グループ内で使用させることができないので、結果として経済の活性化に結び付かないという問題点が生じていた。
【0010】
このため、複数の企業グループに跨がった共通のポイントを管理する統合ポイント口座を設置した広域的なポイント管理システムを構築する必要があるが、これには下記の課題があった。
(1)顧客会員を特定するためのIDカード等を、現行のものから変更して統合することには多大の導入コストや運営コストを要することになる。
(2)顧客会員を特定するためのIDカード等が統合できたとしても、該カードの記憶内容を読み取るための新たな端末装置や読取装置を設置する必要があるので、店舗毎の設備負担(ハード及びソフト)が大きくなる。
(3)企業グループ毎に設置されている現行のポイント管理システムを継続使用することも可能にしたいが、新たに統括ポイント管理システムを設置することとなると、全体として設置コストが大きくなってしまう。
【0011】
このため、本発明は、複数の企業グループの各々で発行され、顧客がそれぞれの企業グループ又は店舗等にて獲得した複数種類のポイントを合算し、企業会員の何れの店舗においても共通に極めて簡単な処理手順で使用することができるように、ポイントを使用する顧客に対して特典を実際に付与する窓口(店舗、映画館、遊園地等を含む)にて当該顧客を特定するためのICカードや磁気カード等の読取装置等の設備を不要として、ポイント処理を適正に行えるようにすることを目的とする。
【0012】
本発明の他の目的は、複数の企業グループの各々で発行され、顧客がそれぞれ積み立てたポイントの合計ポイント数を、前記複数企業グループの何れの店舗においても共通に、かつ簡単に使用することができるポイント管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記した従来のポイント管理システムの課題に鑑みてなされたものであり、複数の企業又は店舗等の企業会員から付与されたポイントを有する顧客会員が前記企業会員の何れかにおいて自己が所有するポイントを使用して何らかの特典を得られるようにしたポイント管理システムであって、通信回線を介して前記複数の企業会員が備える複数のポイント管理サーバと通接続されてポイントの移動を統括的に管理する統括ポイント管理サーバを備え、前記統括ポイント管理サーバは、前記顧客会員が前記企業会員から新たに獲得したポイント数を当該顧客会員のポイント口座に加算すると共に当該顧客会員が使用したポイント数を前記顧客会員のポイント口座の累積ポイント数残高から減算する処理を行い、前記顧客会員が所定の企業会員において所定のポイント数を使用して所定の特典を得ようとする場合に、当該顧客が所持する携帯電話端末装置からの要求に応じて当該顧客会員が前記所定のポイント数以上のポイントを所有している場合には、当該顧客の前記携帯端末装置に対して当該特典の取得を許諾し有効化させる使用情報を当該顧客の携帯端末装置に送信し、前記顧客会員が前記所定のポイント数を使用して前記特典を得たことにより、前記特典の使用情報を無効化させると共に当該顧客会員のポイント口座から当該所定のポイント数を減算処理する各処理を実行することを特徴とするポイント管理システムを提供するものである。
【0014】
ここで、前記特典の使用情報とは、例えば商品の割引情報、映画館や施設等の入力チケット等であり、これらの使用情報は、必要に応じて当該特典取得の実行可能な有効期限を付すようにし、前記統括ポイント管理サーバは、前記有効期限内に前記特典の取得が実行されなかった場合には、前記特典に係る使用情報を取り消す処理を行うようにする。
【0015】
このように構成することにより、本発明に係るポイント管理システムは、1又は複数の企業会員の各店舗等で発行され、顧客がそれぞれ積み立てたポイントの合計ポイント数を、企業会員の何れの店舗においても共通に極めて簡単な処理手順で使用することができるように、ポイントを使用する顧客に対して特典を実際に付与する窓口(店舗、映画館、遊園地等を含む)にて当該顧客を特定するためのICカードや磁気カード等の読取装置等の設備を不要としたのである。このように、本ポイント管理システムにおいては、ポイントの使用に際して必要な情報を、顧客会員の携帯電話端末装置を介して取得するので、各店舗毎の設備費負担が僅少となる(例えば、ICカード読取装置の設置負担が不要となる)。さらに、顧客会員は、複数の企業グループの各々においてそれぞれ積み立てたポイントの合計ポイント数を、前記複数の企業グループに属する何れの店舗においても共通に使用することができるので、新たな購入意欲を喚起するだけの魅力的なポイント数(多数のポイント数)を使用できることになる。
【0016】
ここで、前記ポイント管理システムにおける統括ポイント管理サーバは、前記携帯電話端末装置においてポイント使用画面を呼び出すためのリンクが掲載された画面を表示させる手段と、前記リンクをクリックすることにより、前記ポイント使用画面を前記統括ポイント管理サーバから呼び出すと共に、前記ポイント使用画面に継続する画面を前記携帯電話端末装置に順次表示させる手段と、を有し、前記携帯電話端末装置は、前記ポイント情報を、前記ポイント使用画面及び前記ポイント使用画面に継続する前記画面に順次入力して前記統括ポイント管理サーバに順次送信するのである。
【0017】
また、前記ポイント管理システムにおいて、前記ポイント情報には、前記顧客会員が要求する使用ポイント数と、企業会員入力IDと、が含まれる。また、前記ポイント管理システムにおいて、前記統括ポイント管理サーバは、前記携帯電話端末装置の電話番号又はメールアドレス若しくは当該携帯電話端末装置の識別情報から、前記顧客会員及び前記顧客会員の統合ポイント口座を割り出す手段を備える。そして、前記ポイント管理システムにおいて、前記統括ポイント管理サーバは、前記顧客会員の統合ポイント口座のポイント数残高から前記使用ポイント数を減算する統合ポイント口座更新手段を備える。
【0018】
また、前記ポイント管理システムにおいて、前記統括ポイント管理サーバは、前記統合ポイント口座の前記更新結果を、前記統括ポイント管理サーバから前記携帯電話端末装置に送信する手段を備える。そして、前記ポイント管理システムにおいて、前記更新結果には、要求されたポイント数の使用を承認する通常の承認通知の他、前記顧客会員の統合ポイント口座のポイント数残高から前記使用ポイント数を減算した結果がマイナスとなる場合には、前記ポイント数残高だけのポイント数の使用が可能である旨の通知が含められる。
【0019】
また、前記ポイント管理システムにおいて、前記携帯電話端末装置は、メール機能及び/または携帯電話用のウェブページ閲覧機能を備え、前記ポイント使用画面を呼び出すためのリンクが掲載された画面及び前記ポイント使用画面以下の画面は、前記メール機能若しくは前記ウェブページ閲覧機能により呼び込まれたものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明のポイント管理システムによれば、複数の企業グループの各々で発行され、顧客会員がそれぞれ積み立てたポイントの合計ポイント数を、前記複数企業グループの何れの店舗においても共通に、且つ極めて簡単な操作で使用させると共に、特典を提供する窓口にてICカード読取装置等の設備負担を不要にすることができたのである。
【0021】
さらに、複数の企業グループの各々で発行され、顧客会員がそれぞれ積み立てたポイントの合計ポイント数を、前記複数企業グループの何れの店舗においても共通に、かつ簡単に、顧客会員が使用できるようにしたので、このような合計ポイント数の効果は、顧客会員の新たな購入意欲を喚起する程の魅力的なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明のポイント管理システムの実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るポイント管理システムの全体構成を示すものである。
【0023】
図1に示すように、本実施形態に係るポイント管理システムは、それぞれのポイントを提供する複数の企業グループ1(a乃至n)と、前記複数の企業グループを統括する統括ポイント管理サーバ2と、通信回線10と、顧客会員が携帯する携帯電話端末装置3と、携帯電話回線30と、を備えて構成されている。
【0024】
複数の企業グループ1(a乃至n)と、統括ポイント管理サーバ2は、通信回線10を介して通信可能に接続されている。
【0025】
携帯電話端末装置3は、携帯電話回線30を介して、統括ポイント管理サーバ2と通信可能に接続され得る。また、複数の企業グループ1(a乃至n)の各々は、複数の店舗12と、ポイント管理サーバ11(a乃至n)と、を有する。
【0026】
統括ポイント管理サーバ2は、主たる構成要素として、ポイント管理サーバ11(a乃至n)及び顧客会員(事前に顧客会員登録の申請を行って統合ポイント口座を開設した顧客)を認証するための情報を格納する認証用DB(データベース)21と、企業グループ1(a乃至n)に関する情報を集めた企業グループ情報DB22と、携帯電話端末装置3に表示させる表示画面を格納する携帯電話用表示画面DB23と、顧客会員登録時に開設され、顧客会員が積み立てたポイントを企業グループ1(a乃至n)顧客会員毎に管理するポイント口座と、前記ポイント口座を統合した統合ポイントを顧客会員毎に管理する統合ポイント口座とを記憶する統合ポイント口座DB24と、を備える。
【0027】
通信回線10は、インターネット網、LAN、公衆電話回線等で構成することができる。携帯電話回線30は、インターネット網を構成要素に含めて構成することができる。企業グループ1(a乃至n)の各々は、顧客の顧客会員登録を済ませ、これにより、ポイント管理サーバ11(a乃至n)の各々が、当該顧客会員に対応するポイント口座の開設を済ませていると共に、統括ポイント管理サーバ2は、当該企業グループー当該顧客会員に対応するポイント口座及びこれらのポイント口座を統合する統合ポイント口座の開設を済ませているものとする。
【0028】
前記顧客会員は、企業グループ1(a乃至n)の何れかの店舗を利用し、これにより、既に当該企業グループのポイント及び統合ポイントを積み立てているものとする。
【0029】
尚、以下の説明においては、企業グループ1(a乃至n)の各々が発行するポイントの価値は、全て同じであり、その交換に際しては、交換レートを用いて換算する必要がないものとしているが、各企業が発行するポイントを所定の交換レートを用いて換算するようにしても良い。
【0030】
以下、本発明の実施形態に係るポイント管理システムの動作を説明する。
【0031】
顧客会員は、企業グループ1(a乃至n)の何れかが経営する店舗12に来店した際に、もしも積み立てていた前記ポイントを使用することを要求する場合は、携帯電話端末装置3にポイント使用画面を呼び出し、このポイント使用画面(後述)を介して、使用するポイント数を指定入力することができる。但し、この入力されたポイント数を統括ポイント管理サーバ2にまで送信する仕事は、前記顧客会員ではなく、前記ポイント数が指定入力された携帯電話端末装置3を引き渡された前記店舗の店員が行い、前記店員は、この送信に際して、前記携帯電話端末装置3の企業会員認証画面(後述)に、秘密にしている引換IDや企業会員ID及びパスワードを、前記顧客会員等に知られることがないように注意深く入力し、統括ポイント管理サーバ2にまで送信する。この送信により、顧客会員を特定する情報として、前記携帯電話端末装置3の電話番号、メールアドレス及び当該携帯電話端末装置の識別情報も、統括ポイント管理サーバ2に送信されるので、統括ポイント管理サーバ2は、この顧客会員特定情報により、当該顧客会員及びそのポイント口座を特定することができる。
【0032】
統括ポイント管理サーバ2は、前記送信されたポイント情報(使用ポイント数、引換ID、企業会員ID及びパスワード、及び前記顧客会員特定情報)を受信し、認証用DB21を参照してポイント管理サーバ11(a乃至n)及び顧客会員を認証すると共に、前記ポイント情報に基づいて、統合ポイント口座DB24に格納されている当該企業グループー当該顧客会員に対応するポイント口座及び前記顧客会員に対応する統合ポイント口座を更新する(ここで、ポイント管理サーバ11(a乃至n)は前記企業会員ID及びパスワードにより認証される)。
【0033】
より具体的には、統括ポイント管理サーバ2は、統合ポイント口座DB24に格納されている当該顧客会員に対応するポイント口座のポイント数から、前記使用ポイント数を減算すると共に、同時に、前記顧客会員に対応する統合ポイント口座のポイント数から、前記使用ポイント数を減算する。
【0034】
ここで、統合ポイント口座DB24に格納されている当該企業グループー当該顧客会員に対応するポイント口座のポイント数から、前記使用ポイント数を減算した結果(差)がマイナスとなる場合は、このマイナスのポイント数を別途記憶しておく。また、前記統合ポイント口座のポイント数から、前記使用ポイント数を減算した結果(差)がマイナスとなる場合は、前記蓄積ポイント数だけの使用を可能とし、前記統合ポイント口座の蓄積ポイント数の残高を零にすると共に、前記蓄積ポイント数だけの使用が可能である旨のメッセージを携帯電話回線30を介して携帯電話端末装置3に通知する。
【0035】
統括ポイント管理サーバ2は、前記受信したポイント情報を、ポイント管理サーバ11(a乃至n)のうち、前記企業会員ID及びパスワードから割り出されたポイント管理サーバにも転送し、その処理(ポイント口座の消し込み処理)の応答を受信し、その内容を自己が管理するポイント口座と照合してチェックした後、このチェックが取れれば、前記受信したポイント情報に対する応答(企業会員承認画面または限定使用画面)を前記携帯電話端末装置3に送信する。
【0036】
統合ポイント口座DB24の記憶内容は、定期的に参照されて、企業グループ1(a乃至n)間でのポイント立替え金額の清算に使用される。
【0037】
このように、本ポイント管理システムを構成する統括ポイント管理サーバは、顧客会員が企業会員から新たに獲得したポイント数を当該顧客会員のポイント口座に加算すると共に当該顧客会員が使用したポイント数を前記顧客会員のポイント口座の累積ポイント数残高から減算する処理を行い、前記顧客会員が所定の企業会員において所定のポイント数を使用して所定の特典を得ようとする場合に、当該顧客が所持する携帯電話端末装置からの要求に応じて当該顧客会員が所定のポイント数以上のポイントを所有している場合には、当該顧客の携帯端末装置に対して当該特典の取得を許諾し有効化させる使用情報を当該顧客の携帯端末装置に送信し、前記顧客会員が前記所定のポイント数を使用して前記特典を得たことにより、前記特典の使用情報を無効化させると共に当該顧客会員のポイント口座から当該所定のポイント数を減算処理する各処理を実行することを特徴とするポイント管理システムを提供するものである。
【0038】
ここで、前記特典の使用情報とは、例えば商品の割引情報、映画館や施設等の入力チケット等であり、これらの使用情報は、必要に応じて当該特典取得の実行可能な有効期限を付すようにし、前記統括ポイント管理サーバは、前記有効期限内に前記特典の取得が実行されなかった場合には、前記特典に係る使用情報を取り消す処理を行うようにするのである。
【0039】
図2は、本発明の実施形態に係るポイント管理システムにおける企業グループの1構成例を示すものである。
図2では、企業グループ1aの1構成例を示しているが、他の企業グループ1(b乃至n)の構成も、企業グループ1aの構成と同じである。また、他の企業グループ1(b乃至n)の動作も、以下に説明する企業グループ1aの動作と同様である。
【0040】
図2に示すように、本実施形態に係る企業グループは、顧客会員が積み立てたポイントを使用することができる企業会員(複数の店舗12)と、前記複数の店舗12の各々を統括するポイント管理サーバ11aと、通信回線20と、を備えて構成されている。
【0041】
複数の店舗12は、顧客会員が商品等を購入した場合は、その価格を入力するためのPOS13(a乃至m)と、POS13(a乃至m)及び通信回線20と通信可能に接続された店舗端末装置14(a乃至m)と、一般的な店舗業務を実施すると共に顧客会員のポイント使用を認可する店員15(a乃至m)と、を有する。
【0042】
但し、本発明では、複数の店舗12各々の構成は、この実施形態に限定されるものではなく、例えば、POS13は必須の構成要素ではない。
【0043】
ポイント管理サーバ11aは、主たる構成要素として、顧客会員及び企業会員を認証するための情報を格納する認証用DB111と、当企業グループ内の店舗に関する情報を集めた店舗情報DB112と、当企業グループ内で発行されたポイントのポイント数を顧客会員毎に記憶するポイント管理DB113と、を備える。
【0044】
通信回線20は、インターネット網、LAN、公衆電話回線等で構成することができる。通信回線20がLANを含んで構成されている場合、このLANは、通信回線10を構成するLANと同じ通信回線であってもよい。また、携帯電話端末装置3は、メール機能を有するものとする。また、インターネット網と接続可能であり、さらに、モバイルサイトのウェブページの閲覧が可能であるものとする。
【0045】
図3は、本発明の実施形態に係るポイント管理システムにおける携帯電話端末装置のポイント使用画面の構成と、この画面を介した携帯電話端末装置の使用方法を説明する説明図である。
【0046】
以下、図1乃至3を参照して、顧客会員がポイントを使用する場合のポイント使用画面を介した携帯電話端末装置の使用方法を説明する。
【0047】
顧客会員が、来店した店舗12において、積み立てていたポイントを使用する場合、この顧客会員は、自己が記憶しているメールアドレスに携帯電話端末装置3と携帯電話回線30とを介して空メールを統括ポイント管理サーバ2に送信するか、若しくは自己が携帯電話端末装置3を用いて閲覧しているウェブページ上に掲載されているURLをクリックすることにより、ポイント使用画面への案内メール、若しくはポイント使用画面への案内を掲載したウェブページを携帯電話端末装置3に表示させる(図3(a)参照)。この案内メール若しくはウェブページ上の案内には、ポイント使用画面を呼び出すためのリンクが掲載されているので、前記顧客会員は、このリンクをクリックして携帯電話端末装置3にポイント使用画面を呼び出す。
【0048】
これにより、呼び出されたポイント使用画面には、まず、使用ポイント数の入力画面(図3(b)参照)が表示されるので、前記顧客会員は、この状態で携帯電話端末装置3を前記店舗12の店員(例えば店員15(a))に引き渡す。
【0049】
前記店員は、引き渡された携帯電話端末装置3に表示されている使用ポイント数の入力画面に、今回、前記顧客会員が使用を要求しているポイント数を入力し、入力釦を押下して、この使用ポイント数を携帯電話端末装置3と携帯電話回線30とを介して統括ポイント管理サーバ2に送信する。
【0050】
これにより、企業会員認証画面(図3(c)参照)が、統括ポイント管理サーバ2から、携帯電話回線30を介して、携帯電話端末装置3に送信され携帯電話端末装置3に表示されるので、前記店員は、引き続き、この企業会員認証画面に、「引換ID」と、「加盟店パスワード」とを入力し、OK釦を押下して、この使用ポイント数を携帯電話端末装置3と携帯電話回線30とを介して統括ポイント管理サーバ2に送信する。
【0051】
これにより、企業会員承認画面(図3(d)参照)が、統括ポイント管理サーバ2から、携帯電話回線30を介して、携帯電話端末装置3に送信されてきて携帯電話端末装置3に表示されるので、前記店員は、この企業会員承認画面を確認する。
【0052】
なお、図3では、前記使用ポイント数が、この顧客会員の統合ポイント口座から引き落とすことが可能であった場合を示しているが、もしも、前記使用ポイント数が、この顧客会員の統合ポイント口座から引き落とすことができなかった場合は、統合ポイント口座のポイント数残高が不足していたことと、引落し可能なポイント数だけを引き落とした旨の表示がなされる。
【0053】
なお、前述のウェブページは、統括ポイント管理サーバ2またはポイント管理サーバ11aの何れかによって提供することができる。
【0054】
図4は、本発明の実施形態に係るポイント管理システムにおけるポイント情報の流れを示したデータフローチャートである。
【0055】
まず、顧客会員が、携帯する携帯電話端末装置にポイント使用画面を呼び出して、店舗12の店員に、当該携帯電話端末装置3を提示する(P1)。
【0056】
次に、店舗12の店員が、前記提示された携帯電話端末装置3のポイント使用画面に、当該顧客会員が希望するポイント使用数を入力する(P2)。
【0057】
次に、店舗12の店員が、前記入力された携帯電話端末装置3のポイント使用画面の入力釦を押下して、前記入力ポイント数を含むポイント情報を統括ポイント管理サーバ2に送信する(P3)。
【0058】
次に、統括ポイント管理サーバ2は、前記ポイント情報を受信し、自己が管理するポイント口座及び統括ポイント口座から、前記ポイント情報中のポイント数を減算する処理(ポイント数の消し込み処理)を実行すると共に、前記ポイント情報を、ポイント管理サーバ11(a乃至n)のうち、前記企業会員ID又はそのパスワードから割り出したポイント管理サーバにも転送する(P4)。
【0059】
次に、前記ポイント管理サーバは、前記ポイント情報を受信し、受信した前記ポイント情報に基づいて、自己が管理するポイント口座から、前記ポイント情報中のポイント数を減算する処理(ポイント数の消し込み処理)を実行すると共に、この消し込み処理結果を、統括ポイント管理サーバ2に報告する(P5)。
【0060】
最後に、統括ポイント管理サーバ2は、前記報告を受信し、その内容を自己が管理するポイント口座と照合してチェックした後、このチェックが取れれば、前記受信したポイント情報に対する応答(企業会員承認画面または限定使用画面)を前記携帯電話端末装置3に送信する(P6)。
【0061】
なお、ポイント管理サーバ11(a乃至n)と、統括ポイント管理サーバ2とのポイント管理に必要な仕事の分担は、本実施形態に限定されるものではない。
【0062】
また、本実施形態では、携帯電話端末装置3の電話番号又はメールアドレス若しくは当該携帯電話端末装置の識別情報電話番号により前記顧客会員を識別するものとしたが、顧客会員登録時に顧客会員IDを発行し、この顧客会員IDを、携帯電話端末装置3から、ポイント管理サーバ11(a乃至n)または統括ポイント管理サーバ2に送信させて、前記顧客会員IDに依り当該顧客会員を識別する手段も可能である。
【0063】
以上詳しく説明したように、本発明に係るポイント管理システムにおける統括ポイント管理サーバは、通信回線を介して複数の企業会員が備える複数のポイント管理サーバと通接続されてポイントの移動を統括管理する統括ポイント管理サーバにおいて、顧客会員が所定の企業会員において所定のポイント数を使用して所定の特典を得ようとする場合に、当該顧客が所持する携帯電話端末装置からの要求に応じて当該顧客会員が前記所定のポイント数以上のポイントを所有している場合には、当該顧客の前記携帯端末装置に対して当該特典の使用情報を当該顧客の携帯端末装置に送信し、前記顧客会員が前記所定のポイント数が使用して前記特典を得たことにより、当該顧客会員のポイント口座から当該所定のポイント数を減算処理する。これにより、本ポイント管理システムにおいては、複数の企業会員で発行され、顧客会員がそれぞれ積み立てたポイントの合計ポイント数を、企業会員の何れの窓口においても簡単な操作で使用することができるようにし、ポイントの使用によって特典を得ようとする会員顧客を特定するためのICカード読取装置等の設備を不要とするのである。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、1又は複数の企業又は店舗等の企業会員から付与されたポイントを有する顧客会員が企業会員の何れかの店舗又は施設において自己が所有するポイントを使用して何らかの特典を得られるようにデータ処理を行うポイント管理システムに関するものであって、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施形態に係るポイント管理システムの全体構成を示すものである。
【図2】本発明の実施形態に係るポイント管理システムにおける企業グループの1構成例を示すものである。
【図3】本発明の実施形態に係るポイント管理システムにおける携帯電話端末装置のポイント使用画面の構成と、この画面を介した携帯電話端末装置の使用方法を説明する説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係るポイント管理システムにおけるポイント情報の流れを示したデータフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
1(a乃至n):企業グルーブ
2:統括ポイント管理サーバ
3:携帯電話端末装置
10,20:通信回線
11(a乃至n):ポイント管理サーバ
12((a−1)乃至(n−1)):店舗
13(a乃至m):POS
14(a乃至m):店舗端末装置
21:認証用DB(データベース)
22:企業グループ情報DB
23:携帯電話用表示画面DB
24:統合ポイント口座DB
30:携帯電話回線
111:認証用DB
112:店舗情報DB
113:ポイント管理DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の企業会員から付与されたポイントを有する顧客会員が自己の所有するポイントを使用することにより何らかの特典を得られるようにしたポイント管理システムであって、
通信回線を介して前記企業会員が備えるポイント管理サーバと接続されてポイントの移動を統括的に管理する統括ポイント管理サーバを備え、
前記統括ポイント管理サーバは、
前記顧客会員が前記企業会員から新たに獲得したポイント数を当該顧客会員のポイント口座に加算すると共に当該顧客会員が使用したポイント数を前記顧客会員のポイント口座の累積ポイント数残高から減算する処理を行い、
前記顧客会員が所定の企業会員において所定のポイント数を使用して所定の特典を得ようとする場合に、当該顧客が所持する携帯電話端末装置からの要求に応じて当該顧客会員が前記所定のポイント数以上のポイントを所有している場合には、当該顧客の前記携帯端末装置に対して当該特典の取得を許諾し有効化させる使用情報を当該顧客の携帯端末装置に送信し、前記顧客会員が前記所定のポイント数を使用して前記特典を得たことにより、前記特典の使用情報を無効化させると共に当該顧客会員のポイント口座から当該所定のポイント数を減算処理する、
各処理を実行することを特徴とするポイント管理システム。
【請求項2】
前記特典の使用情報は、必要に応じて当該特典取得の実行可能な有効期限が付されていることを特徴とする請求項1に記載のポイント管理システム。
【請求項3】
前記統括ポイント管理サーバは、前記有効期限内に前記特典の取得が実行されなかった場合には、前記特典に係る使用情報を取り消す処理を行うことを特徴とする請求項2に記載のポイント管理システム。
【請求項4】
前記統括ポイント管理サーバは、
前記携帯電話端末装置においてポイント使用画面を呼び出すためのリンクが掲載された画面を表示させる手段と、
前記リンクをクリックすることにより、前記ポイント使用画面を前記統括ポイント管理サーバから呼び出すと共に、前記ポイント使用画面に継続する画面を前記携帯電話端末装置に順次表示させる手段と、を有し、
前記携帯電話端末装置は、前記ポイント情報を前記ポイント使用画面及び前記ポイント使用画面に継続する前記画面に順次入力して前記統括ポイント管理サーバに順次送信することを特徴とする請求項3に記載のポイント管理システム。
【請求項5】
前記ポイント情報には、前記顧客会員が要求する使用ポイント数と、企業会員IDとパスワードとが含まれていることを特徴とする請求項4に記載のポイント管理システム。
【請求項6】
前記統括ポイント管理サーバは、前記携帯電話端末装置の電話番号又はメールアドレス若しくは当該携帯電話端末装置の識別情報から、前記顧客会員及び前記顧客会員の統合ポイント口座を割り出す手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載のポイント管理システム。
【請求項7】
前記統括ポイント管理サーバは、前記顧客会員の統合ポイント口座のポイント数残高から前記使用ポイント数を減算する統合ポイント口座更新手段を備えたことを特徴とする請求項3乃至6の何れかの項に記載のポイント管理システム。
【請求項8】
前記統括ポイント管理サーバは、前記統合ポイント口座の前記更新結果を、前記統括ポイント管理サーバから前記携帯電話端末装置に送信する手段を備えたことを特徴とする請求項3乃至7の何れかの項に記載のポイント管理システム。
【請求項9】
前記更新結果には、要求されたポイント数の使用を承認する通常の承認通知の他、前記顧客会員の統合ポイント口座のポイント数残高から前記使用ポイント数を減算した結果がマイナスとなる場合には、前記ポイント数残高だけのポイント数の使用が可能である旨の通知が含められることを特徴とする請求項3乃至8の何れかの項に記載のポイント管理システム。
【請求項10】
前記携帯電話端末装置は、メール機能及び/または携帯電話用のウェブページ閲覧機能を備え、前記ポイント使用画面を呼び出すためのリンクが掲載された画面及び前記ポイント使用画面以下の画面は、前記メール機能若しくは前記ウェブページ閲覧機能により呼び込まれたものであることを特徴とする請求項3乃至9の何れかの項に記載のポイント管理システム。
【請求項11】
前記ポイント使用画面及び前記ポイント使用画面に継続する一連の画面は、前記統括ポイント管理サーバで用意されたものであることを特徴とする請求項3乃至10の何れかの項に記載のポイント管理システム。
【請求項12】
前記ポイント使用画面及び前記ポイント使用画面に継続する一連の画面は、前記ポイント管理サーバで用意されたものであることを特徴とする請求項3乃至11の何れかの項に記載のポイント管理システム。
【請求項13】
前記統括ポイント管理サーバは、前記携帯電話端末装置の電話番号又はメールアドレス若しくは当該携帯電話端末装置の識別情報、または顧客会員登録時に発行された顧客会員IDに基づいて前記顧客会員を識別することを特徴とする請求項3乃至12の何れかの項に記載のポイント管理システム。
【請求項14】
前記統括ポイント管理サーバは、前記企業会員の企業ID又はパスワードにより前記ポイント管理サーバを識別することを特徴とする請求項3乃至13の何れかの項に記載のポイント管理システム。
【請求項15】
前記統括ポイント管理サーバと、前記ポイント管理サーバの各々とは、通信回線を介して通信可能に接続されていることを特徴とする請求項3乃至13の何れかの項に記載のポイント管理システム。
【請求項16】
前記通信回線は、LANまたはインターネット網を含んで構成されていることを特徴とする請求項3乃至15の何れかの項に記載のポイント管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−272524(P2007−272524A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−96789(P2006−96789)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(505340526)ポイントオン株式会社 (3)
【出願人】(301026837)ジー・プラン株式会社 (3)