ポジショナ
【課題】
ポジショナの設置位置、及び設置方向の自由度を向上し、ポジショナの設置場所の都合による外部ケーブルの引き回しの制限の抑制及びメンテナンス等の作業スペースの制限の抑制を行うことができるポジショナを提供する。
【解決手段】
ポジショナは、回転テーブル11を支持する支持ベース10には互いに異なる方向に向いた収納室の開口部が一対設けられている。一方の開口部には、周縁部の端面を有する。外部ケーブルを接続する第1接続端子13dは、コネクタプレート13bに取り付けられており、コネクタプレート13bは、一対の開口部のうち1つの開口部の周縁部の端面に対して着脱自在に取り付けられている。
ポジショナの設置位置、及び設置方向の自由度を向上し、ポジショナの設置場所の都合による外部ケーブルの引き回しの制限の抑制及びメンテナンス等の作業スペースの制限の抑制を行うことができるポジショナを提供する。
【解決手段】
ポジショナは、回転テーブル11を支持する支持ベース10には互いに異なる方向に向いた収納室の開口部が一対設けられている。一方の開口部には、周縁部の端面を有する。外部ケーブルを接続する第1接続端子13dは、コネクタプレート13bに取り付けられており、コネクタプレート13bは、一対の開口部のうち1つの開口部の周縁部の端面に対して着脱自在に取り付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用ロボットを用いて溶接や或いは切断を行うためポジショナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、産業用の溶接ロボットに使用されているポジショナは、例えば特許文献1の「従来の技術」の欄に記載のものが公知である。このポジショナでは、溶接物を固定・回転させる回転テーブルを備え、回転テーブルの下面には、円板状の下面突出部に設けられ、その側方に集電装置を構成する集電ブラシが接触するように配置されている。そして、集電ブラシは、回転テーブルに接触固定するためのバネ部材が配置されている。
【0003】
上記のポジショナでは、集電ブラシが外部溶接用電源の負電極に接続され、円板状の下面突出部を介して回転テーブルに電気的に接続されている。そして、回転テーブルに保持されている被溶接物と、溶接ロボットのアーム先端に固定した外部溶接用電源のトーチとの間でアークを発生させて溶接を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−47796公報、従来の技術、段落0003、図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般的に、ポジショナの設置位置及び設置方向は、溶接ワークやロボットの設置位置関係により自動的に決定される。
外部溶接用電源とポジショナの集電装置を電気的に接続するため、回転テーブルを支持する支持ベースには外部ケーブルを接続するための接続端子が固定的に設けられている。このために、ポジショナが配置された場所の周囲の壁や障害物等に前記外部ケーブルが干渉し、前記外部ケーブルに無理な力が掛かる場合がある。他にも外部ケーブル周りのメンテナンスの際に十分な作業スペースが確保できないために作業しづらく作業効率が落ちるという弊害もある。
【0006】
又、ポジショナの設置方向が制限されることによって、スパッタが飛散する場所に、前記外部ケーブルを通過させる可能性がある。この場合スパッタによる外部ケーブルの損傷を防ぐためにカバーを被せるか、スパッタが飛来する恐れのない場所を通過させるように遠まわしに引き回す必要がある。
【0007】
本発明の目的は、ポジショナの設置位置、及び設置方向の自由度を向上し、ポジショナの設置場所の都合による外部ケーブルの引き回しの制限の抑制及びメンテナンス等の作業スペースの制限の抑制を行うことができるポジショナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1の発明は、導電性の回転テーブルと、前記回転テーブルを回転自在に支持する支持ベースと、前記支持ベースに装着されるとともに、前記回転テーブルと電気的に接続される集電手段と、前記支持ベース内に配置されるとともに前記集電手段に対して電気的に接続された導電手段と、前記導電手段に電気的に接続されるとともに、外部溶接用電源に接続される外部ケーブルを接続する接続端子を有するポジショナにおいて、前記接続端子は、取付部材に取り付けられており、前記支持ベースには互いに異なる方向に向いた装着面を有する装着部が複数設けられ、前記取付部材は、前記複数の装着部のうちいずれか1つの装着部の装着面に対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とするポジショナを要旨としている。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、前記支持ベースには、周縁部に装着面を備えて、互いに異なる方向に向かう開口部を少なくとも一対有する収納室が形成され、前記収納室には前記導電手段が収納され、前記取付部材は外部接続用の前記接続端子を外面に備えるコネクタプレートであり、前記コネクタプレートが、前記開口部の周縁部に設けられた装着面に対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2において、前記導電手段は、前記収納室を区画する支持ベースの側壁に設けられた導出部を貫通して、前記集電手段に接続されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3において、前記コネクタプレートは、前記支持ベースに設けられた複数の開口部の装着面のいずれにも着脱可能に設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4において、前記コネクタプレートが取り付けられていない残りの開口部の装着面には、前記開口部を覆うカバープレートが着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項5において、前記カバープレートは、前記支持ベースに設けられたいずれの開口部に対しても、着脱可能に設けられていることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項2乃至請求項6のうちいずれか1項において、前記支持ベースの前記回転テーブル側の複数の部位には、前記集電手段を装着するための取着部がそれぞれ設けられて、1つの取着部に前記集電手段が着脱自在に装着されていることを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項2乃至請求項7のうちいずれか1項において、前記コネクタプレートには、前記外部ケーブル以外のポジショナ自体の電源用及び制御用ケーブルの接続端子が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、ポジショナの設置位置、又は設置方向に応じて、取付部材を複数の装着部のうち、選択的に装着部に取り付けることができるため、ポジショナの設置位置、及び設置方向の自由度を向上し、ポジショナの設置場所の都合による外部ケーブルの引き回しの制限の抑制及びメンテナンス等の作業スペースの制限の抑制を行うことができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、周縁部に装着面を備えて、互いに異なる方向に向かう開口部を少なくとも一対有する収納室が形成され、取付部材は外部接続用の前記接続端子を外面に備えるコネクタプレートであり、前記コネクタプレートが、前記開口部の周縁部に設けられた装着面に対して着脱自在に取り付けられていることにより、収納室のいずれかの開口部の周縁部を利用してコネクタプレートを取り付けるだけで、ポジショナの設置位置、及び設置方向の自由度を向上し、ポジショナの設置場所の都合による外部ケーブルの引き回しの制限の抑制及びメンテナンス等の作業スペースの制限の抑制を行うことができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、前記収納室内に容易に導電手段を収納できる。
請求項4の発明によれば、コネクタプレートは、いずれの開口部に対しても、着脱可能に設けられているため、共通のコネクタプレートを使い回して、いずれの開口部に対して取り付けできる。
【0018】
請求項5の発明によれば、コネクタプレートが取り付けられていない残りの開口部の周縁部には、前記残りの開口部を閉塞するカバープレートが着脱自在に取り付けられていることにより、収納室内に、溶接時のスパッタが入ることがなく、収納室内に収納された部品の損傷を防止することができる。
【0019】
請求項6の発明によれば、カバープレートは、いずれの開口部に対しても、着脱可能に設けられているため、共通のカバープレートを使い回して、いずれの開口部に対して取り付けできる。
【0020】
請求項7の発明によれば、集電手段の装着を、ポジショナの設置位置、設置方向に応じて異なる取着部に取り付けることにより、集電手段の取り付け、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0021】
請求項8の発明によれば、ポジショナ自体の電源用及び制御用ケーブル類に関して、ポジショナの設置位置、及び設置方向の自由度を向上し、ポジショナの設置場所の都合による電源用及び制御用ケーブル類に関してそれらケーブル類の引き回しの制限の抑制及びメンテナンス等の作業スペースの制限の抑制を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(a)は一実施形態のポジショナの右側面図、(b)は背面図、(c)は左側面図。
【図2】(a)は溶接用ケーブルを支持ベースに収納した状態の左側面図、(b)は溶接用ケーブルを支持ベースに収納した状態の正面図。
【図3】回転テーブルと支持ベースの要部断面図。
【図4】(a)は、集電装置の断面図、(b)は、集電装置の平面図。
【図5】(a)、(b)は支持ベースの斜視図。
【図6】(a)、(b)は支持ベースの斜視図。
【図7】(a)はコネクタプレートとカバープレートの配置を図1(a)とは異ならせた場合のポジショナの右側面図、(b)は同じく背面図、(c)は同じく左側面図。
【図8】(a)は、図1とは異なる取付面に装着する場合の集電装置の断面図、(b)は、同じく集電装置の平面図。
【図9】(a)は、図1(a)とは異なる取付面に図8の集電装置を装着したポジショナの右側面図、(b)は同じく背面図、(c)は同じく左側面図。
【図10】(a)は、図1(a)とは異なる取付面に図8の集電装置を装着するとともに、コネクタプレートとカバープレートの配置を異ならしめたポジショナの右側面図、(b)は同じく背面図、(c)は同じく左側面図。
【図11】(a)及び(b)は、第2実施形態及び第3実施形態のポジショナの概略説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明のポジショナを具体化した一実施形態を図1〜図10を参照して説明する。
図1(a)〜(c)に示すように、ポジショナの支持ベース10に対し、回転テーブル11が回転自在に支持されている。支持ベース10は、図5(a)、(b)、図6(a)、(b)に示すように横方向に延びて左右両端に開口部12aを有する四角筒状の収納室12を備えたベース部10Aと、ベース部10A上の一側部側に立設した支持壁部14と、ベース部10Aの上面と支持壁部14間を連結して設けられて前記支持壁部14を補強する一対のリブ15を有する。なお、本実施形態では、回転テーブル11は、その回転中心線Oが水平面に含まれるように配置されており、その回転中心線Oの回転テーブル11側のワーク保持面側を前とし、反対側を後とし、回転テーブル11に向かって右側を右とし、左側を左とする。回転テーブル11の作業面には、ワークをクランプするための図示しないクランプ装置が設けられている。
【0024】
図5(a)、(b)、図6(a)、(b)に示すように、支持壁部14には貫通孔16を有する軸受部18が設けられている。図3に示すように、回転テーブル11は、金属製であって、導電性を有する円盤17と、円盤17の裏面側(後側)に設けられた図示しない減速機構を介して軸受部18に対して回転自在に支持されている。なお、図3では、説明の便宜上、モータ21は省略している。
【0025】
又、前記回転テーブル11は貫通孔16の上方において、支持壁部14に取り付けられたモータ21及び前記減速機構(図示しない)を介して回転駆動される。図3に示すように、円盤17の裏面(後面)には、円形をなす金属製の集電リング22がボルト23により固定されている。集電リング22は、回転テーブル11の回転中心線Oと同軸となるように配置されている。
【0026】
図2(b)、図5(b)、及び図6(b)に示すように、支持壁部14の左右の各側端には、回転中心線Oを通る鉛直面を境に左右対称となるように取付面19,20が形成され、又、取付面19,20の上下方向の中間部は、図1(b)に示すように、回転中心線Oを挟んだ等距離にあるとともに、本実施形態では、取付面19,20の上下方向の中間部は、回転中心線Oを含む水平面S(図1(b)参照)に含まれる位置としている。
【0027】
そして、いずれか一方の取付面に後述する集電装置30が取り付けられている。本実施形態では、支持壁部14の左側端の取付面19に集電装置30が取り付けられている。集電装置30は、集電手段に相当する。又、取付面19,20は、取着部に相当する。
【0028】
図4(a)、(b)に示すように、集電装置30は、絶縁材(例えば絶縁性合成樹脂)からなる支持体31と、支持体31に設けられた一対のバネ収納孔32に対してそれぞれ移動自在に挿通された一対のシャフト33と、同シャフト33の先端に固定された集電ブラシ34と、バネ収納孔32に収納されたシャフト33を集電ブラシ34側へ押圧付勢する付勢手段としてのバネ部材35とを備えている。
【0029】
支持体31は直方体状のブロックに形成されている。図3に示すように、支持体31において、取付面19側を向く面31aには取付板24が、面31aとは反対側の面31bからボルト孔31cに挿通されたボルト25にて取り外し可能に締め付けで取り付けられている。そして、支持体31は、取付板24において、支持体31から後方へ延出された延出部24aの上下両部に形成されたボルト孔24bに対してボルト26(図3、図4(b)参照)を挿通することにより取付面19(又は、取付面20)に対して着脱自在に取り付けられている。取付面19に対して、取り付けられた状態では、図2(a)に示すように、支持体31は、支持壁部14よりも前方に突出するように配置されている。
【0030】
図4(a)に示すように支持体31の一対のバネ収納孔32は、互いに平行に設けられている。バネ収納孔32の底部には、バネ収納孔32と同軸をなすとともにバネ収納孔32の内径よりも小径の貫通孔32aが形成されている。各バネ収納孔32内には、押圧部材としてのシャフト33が集電ブラシ34側方向及び反集電ブラシ方向に往復移動自在に挿通されている。シャフト33は前記貫通孔32aに対して摺接自在に挿通された小径部33aと、バネ収納孔32の内周面を摺動自在に形成された大径部33bとを有する。各シャフト33の基端部は図4(a)に示すように貫通孔32aから外部へ突出されている。
【0031】
シャフト33の大径部33b先端面にはバネ収納孔32から支持体31の外部へ突出されたネジ部36が導電部材としてのブスバー40を介して集電ブラシ34に対して着脱自在に螺合されている。本実施形態では、集電ブラシ34に対しシャフト33が着脱自在に螺着されているが、これは一例であって集電ブラシ34をシャフト33に対して着脱自在にする構成は、前記構成に限定されるものではない。例えば、前記ネジ部36の代わりにシャフト33の先端面に対して、集電ブラシ34の先端面側から六角穴付ボルトにより着脱自在に螺合することにより、集電ブラシ34を同六角穴付ボルトでブスバー40に対して締付け固定してもよい。集電ブラシ34の先端面、すなわち集電面は、集電リング22に対して摺接するように平坦に形成されている。
【0032】
又、シャフト33の大径部33bと、バネ収納孔32の底部との間において、小径部33aには、コイルスプリングからなるバネ部材35が巻装されるとともにその両端部が大径部33bとバネ収納孔32の底部に係止されることにより蓄勢されている。そして、バネ部材35の蓄勢されたバネ力により、シャフト33は集電リング22側に付勢されている。
【0033】
ブスバー40は、図4(a)に示すように、集電ブラシ34とシャフト33の大径部33b間に介在するとともに下方へ延出された平板状の取付部40aと、取付部40aに対して支持ベース10の下部側へ所定角度を以て折り曲げされた折曲部40bを有する。なお、折曲部40bの取付部40aに対する折り曲げ角度は、限定されるものではないが、折曲部40bは後述する導出部側を向く様に、角度が設定されている。
【0034】
折曲部40bには、接続片42が、ボルト43及びナット44により取り付けられている。接続片42は導電部材に相当するとともに接続部に相当する。接続片42は、ボルト43及びナット44を互いに緩めることにより、接続片42の先端の向きを変更可能になっている。本実施形態では、接続片42は、図2(b)に示すように、斜め下方へ向いた折曲部40bに対して、右側を向いて直交するようにして取付られている。図2(b)に示すように、接続片42の先端は、後述する溶接用ケーブル50の取付部位Aとなっている。取付部位Aは、後述するオフセット方向に延出されるように配置されている。
【0035】
なお、本実施形態では、接続片42が折曲部40bに対して分離可能になっているが、接続片42を折曲部40bと分離不能に一体に連結してもよい。
次に、本実施形態の特徴である収納室12について説明する。
【0036】
図1(a)、(b)に示すように、収納室12は、回転テーブル11の回転中心線Oとは直交する方向に延びて形成されている。又、収納室12の左端の開口部12aは、カバープレート13aにより覆われるようにして閉塞されているとともに、右端の開口部12aは取付部材としてのコネクタプレート13bにより閉塞されている。すなわち、カバープレート13a,及びコネクタプレート13bは、開口部12aの周縁部の端面12cに対して、複数のボルト13cにより、着脱自在に締め付けされている。
【0037】
なお、端面12cには、カバープレート13a,コネクタプレート13bのいずれも取付できるボルト13cが螺着される雌ねじ孔(図示しない)が設けられている。
又、カバープレート13a及びコネクタプレート13bは平板に形成されている。コネクタプレート13bの端面12cに相対する面は、図1(a)〜(c)において、外方を向いている面を、以下、説明の便宜上、第1面といい、端面12cに向く面を、以下、第2面という。本実施形態では、第1面及び第2面が外方を向く場合を「おもてめん(表面)になるといい、端面12cに向かう場合を「うらめん(裏面)」になるという。
【0038】
前記端面12cは、装着面に相当するとともに、開口部12aの周縁部は装着部に相当する。すなわち、収納室12の左端の開口部12aの端面12cは、左方を向き、収納室12の右端の開口部12aの端面12cは、右方を向いて、両端面は互いに異なる方向を向くように形成されている。
【0039】
なお、本実施形態では、カバープレート13a及びコネクタプレート13bの外形形状は、互いに同一形状の四角板に形成されており、左右の開口部12aの周縁部の端面12cに対していずれもボルト13cにより着脱自在に取付可能にされている。
【0040】
図1(b)、図2(b)、図5(b)、図6(b)に示すように収納室12の両端の開口部12aの周縁部において、回転テーブル11側の側壁上部には、溶接用ケーブル50の断面形状よりも十分に大きく、溶接用ケーブル50の内外の移動を許容する大きさを有する凹部12bが形成されている。両凹部12bは、図1(a)に示すように回転中心線Oを通る鉛直面を境に左右対称となるように配置されている。
【0041】
凹部12bは、集電装置30のブスバー40に対して図2(b)に示すように、収納室12の中心側に位置するように、本実施形態では、右側(収納室12の中間部側)に位置してオフセット量Lを有するように配置されている。このため、前記接続片42の先端の取付部位Aは、前記オフセット量L分だけ、オフセット方向を右方向にして延出されている。
【0042】
図1(a)、(b)に示すように、コネクタプレート13b外面には、外部溶接用電源に対して図示しない外部ケーブルを介して接続される外部接続用の第1接続端子13dが突出されている。又、図1(b)に示すようにコネクタプレート13bの内面には、前記第1接続端子13dに電気的に接続された内部接続用の第2接続端子13eが収納室12の内方へ向かって突出されている。第1接続端子13dは、外部溶接用電源に接続される外部ケーブルを接続する接続端子に相当する。
【0043】
第1接続端子13d及び第2接続端子13eはユニット化されて一体に連結されている。そして、第1接続端子13d及び第2接続端子13eは、両者間に取付フランジ13fが設けられている。第1接続端子13d及び第2接続端子13eは、第2接続端子13eをコネクタプレート13bの取付孔(図示しない)に対して外部から挿通した状態で図示しないビスを取付フランジ13fを介してコネクタプレート13bに対して着脱自在に締め付けすることにより、コネクタプレート13bに取り付けられている。
【0044】
コネクタプレート13bには、図1(a)に示すように、ポジショナが備えるモータ21に外部から電力を供給するための接続コネクタK1、及び前記モータ21が備えるロータリエンコーダ(図示しない)からの信号を外部装置に出力するため接続コネクタK2が図示しない取付孔に貫通されるとともに図示しないビスにより、コネクタプレート13bに対して着脱自在に取り付けられている。前記接続コネクタK1には、図示しない電源用ケーブルが着脱自在に接続されるとともに、接続コネクタK2には、制御用ケーブルが着脱自在に接続される。接続コネクタK1は、ポジショナ自体の電源用ケーブルの接続端子に相当するとともに、接続コネクタK2はポジショナ自体の制御ケーブルの接続端子に相当する。
【0045】
又、コネクタプレート13bには、ポジショナ内に各種ケーブル類を導入、導出するための、ホールH1,H2が設けられるとともに、両ホールH1,H2には外部に突出するフードF1,F2が基端のフランジに対して図示しないビスにより、コネクタプレート13bに対して着脱自在に取り付けられている。
【0046】
なお、本実施形態では、カバープレート13aには、第1接続端子13d,及び第2接続端子13eは設けられていない。図1(b)、図2(a)、(b)に示すように、収納室12内には、溶接用ケーブル50が収納されている。溶接用ケーブル50は導電手段に相当する。溶接用ケーブル50の第1端は、前記内部接続用の第2接続端子13eに接続されている。
【0047】
溶接用ケーブル50の第2端、すなわち、集電装置30側端部は、収納室12の左端側の凹部12bを介して外部に直線的に導出され、凹部12bよりも上方に離間して配置されている接続片42の取付部位Aに対して、ボルト45,46により取り外し可能に締め付け固定されている。本実施形態では、収納室12の左端側の凹部12bが導出部に相当する。なお、収納室の右端側の凹部12bは、溶接用ケーブル50が挿通されないため、図示しないゴム等よりなる弾性材からなるカバー部材で着脱自在に嵌合して閉塞されている。
【0048】
溶接用ケーブル50の第2端は、取付部位Aに対して連結されている状態では、図2(a)に示すように、左側の凹部12bから直線状に延びるように配置されている。又、溶接用ケーブル50は、集電装置30の集電ブラシ34が消耗して、集電リング22側への移動を制限しない長さ分を有して、収納室12内に収納されている。すなわち、溶接用ケーブル50の第1端側はコネクタプレート13bの第2接続端子13eに連結されて拘束されているが、集電装置30の集電ブラシ34が消耗した場合において、集電リング22側への移動を制限しない長さ分を有して、集電装置30側を非拘束の遊びがある状態にし、第2端側はその拘束に影響を受けないものとなっている。
【0049】
なお、取付面20に対しても取付面19に対する取付方法と同様に集電装置30を取り付け可能になっている。この場合、取付面20に取り付けられた集電装置30のブスバー40と右端の凹部12bに関するオフセット方向は、取付面19に集電装置30を取り付けした場合とは反対方向であり、そのオフセット量は同一となるようにされている。
【0050】
(実施形態の作用)
さて、上記のように構成されたポジショナの作用を説明する。
図4(a)に示すように、集電ブラシ34の集電リング22側の面が消耗すると、集電ブラシ34はバネ部材35に付勢されたシャフト33に押圧されて集電リング22側に移動する。
【0051】
このとき、ブスバー40も同方向に移動するため、図2(a)に示すように、ブスバー40に一体に連結された接続片42も同様に移動するとともに、溶接用ケーブル50の第2端も移動する。このとき、溶接用ケーブル50は、収納室12の左端の凹部12bから引き出される。この引き出し時には、溶接用ケーブル50の引き出しを拘束するものがないため、溶接用ケーブル50はスムーズに前記凹部12bから外部に引き出される。このため、溶接用ケーブル50に集電装置30の集電ブラシ34が引っ張られて集電ブラシ34の動作の阻害及び集電ブラシ34と集電リング22の接触面積が小さくなることを抑制できる。
【0052】
(コネクタプレート13b及び集電装置30の取り付けパターンについて)
コネクタプレート13b及び集電装置30の取り付けパターンについて説明する。
図1(a)〜(c)に示される取り付けパターン(以下、第1パターンという)は、ポジショナに接続される外部ケーブルの周囲の壁や障害物等に前記外部ケーブルが干渉しない適切な設置位置、設置方向に外ポジショナが設置された一例である。
【0053】
しかし、この第1パターンでは、ポジショナに接続される外部ケーブルの周囲の壁や障害物等に前記外部ケーブルが干渉し、前記外部ケーブルに無理な力が掛かる場合がある。
このような場合、第2パターン又は第3パターンで外部ケーブルを接続する。
【0054】
以下、第1パターンから、異なるパターンへの変更の仕方を説明する。
図1(a)〜(c)の、収納室12の右端の開口部12a及び左端の開口部12aにそれぞれ取り付けられているコネクタプレート13b、及びカバープレート13aをボルト13cの締め付けを解除して取り外す。そして、取り外したコネクタプレート13bの第1面から、さらに、第1接続端子13d及び第2接続端子13e、接続コネクタK1,K2、フードF1,F2を、一旦、取り外す。
【0055】
この後、コネクタプレート13bの第2面側から、第1接続端子13d及び第2接続端子13e、接続コネクタK1,K2、フードF1,F2を、それぞれの取付孔(図示しない)に装着して図示しないビスにより取り付けする。
【0056】
この状態で、図7(a)〜(c)に示すように、コネクタプレート13bを収納室12の左端の開口部12aの端面12cに対して、ボルト13cにより取り付けるとともに、カバープレート13aを収納室12の右端の開口部12aの端面12cにボルト13cにより取り付ける。
【0057】
この取り付けパターン(第2パターン)では、集電装置30は第1パターンと同じく取付面19に対して取り付けられている。
又、第2パターンでは、取付面19に対して集電装置30が取り付けられた状態において、ポジショナの設置位置、設置方向では集電装置30のメンテナンスがやりにくい場合、図4(b)に示すボルト26を緩めて集電装置30を取付面19から集電装置30を取り外す。
【0058】
次に、ボルト25を緩めて、支持体31と取付板24とを一旦分離した後、図8(b)に示すように、支持体31の面31bに取付板24を合わせた状態で、図8(a)に示す面31aからボルト孔31cにボルト25を挿通して支持体31と取付板24とを互いに締め付けして連結する。
【0059】
又、ブスバー40の折曲部40bに対する接続片42を、ボルト43、ナット44を互いに緩めて、図4(b)の取付状態から180度反対方向に回転させて図8(b)に示すようにした後、ボルト43、ナット44を互いに締め付ける。この状態で、集電装置30を取付面20に対して、ボルト26により取り付けするとともに、溶接用ケーブル50の第2端をボルト45により、取付部位Aに対して締め付け固定する。
【0060】
なお、説明は省略したが、集電装置30の取付面19からの取り外しから取付面20への取り付けの間、集電ブラシ34、シャフト33は、バネ部材35により付勢されているが、これらは図示しない治具により、付勢状態が保持されて、これらが支持体31から分離しない状態にて行われる。この結果、図9(a)〜(c)で示される取り付けパターン(第3パターン)となる。
【0061】
なお、第1パターンにおいて、コネクタプレート13bの取り付けは、このままとし、集電装置30及びその周囲のメンテナンス等の作業スペースの理由で、取付面20に集電装置30を取り付けする場合は、既に説明した手順で、取付面19から取付面20に集電装置30を取り付ければよい。図10(a)〜(c)は、開口部12aの右端にカバープレート13aが取り付けられ、取付面20に集電装置30が取り付けられたパターン(第4パターン)が示されている。
【0062】
本実施形態は、下記の特徴がある。
(1) 本実施形態のポジショナは、回転テーブル11を支持する支持ベース10には互いに異なる方向に向いた収納室12の開口部12a(装着部)が一対設けられている。開口部12aには、周縁部の端面12c(装着面)を有する。又、第1接続端子13d(外部ケーブルを接続する接続端子)は、コネクタプレート13bに取り付けられており、コネクタプレート13bは、一対の開口部12a(装着部)のうち1つの開口部12a(装着部)の周縁部の端面12c(装着面)に対して着脱自在に取り付けられている。
【0063】
このため、この一対の収納室12の開口部12a(装着部)のうち、ポジショナの設置位置、又は設置方向に応じて、1つの開口部12a(装着部)の周縁部の端面12cに対して選択的にコネクタプレート13bを取り付けることができるため、ポジショナの設置位置、及び設置方向の自由度を向上し、ポジショナの設置場所の都合による外部ケーブルの引き回しの制限の抑制及びメンテナンス等の作業スペースの制限の抑制を行うことができる。
【0064】
(2) 本実施形態のポジショナは、支持ベース10には、周縁部に端面12c(装着面)を備えて、互いに異なる方向に向かう開口部を一対有する収納室12が形成され、収納室12には集電装置30に接続される溶接用ケーブル50(導電手段)が収納されている。又、コネクタプレート13b(取付部材)は外部接続用の第1接続端子13dを外面に備えるとともに開口部12aの周縁部に設けられた端面12c(装着面)に対して着脱自在に取り付けられている。
【0065】
このため、本実施形態によれば、収納室12のいずれかの開口部12aの周縁部を利用してコネクタプレート13bを取り付けるだけで、ポジショナの設置位置、及び設置方向の自由度を向上し、ポジショナの設置場所の都合による外部ケーブルの引き回しの制限の抑制及びメンテナンス等の作業スペースの制限の抑制を行うことができる。
【0066】
(3) 本実施形態のポジショナは、溶接用ケーブル50(導電手段)は、収納室12を区画する支持ベース10の側壁に設けられた凹部12b(導出部)を貫通して、集電装置30(集電手段)に接続されている。このため、本実施形態によれば、収納室12内に容易に溶接用ケーブル50を収納できる。
【0067】
(4) 本実施形態のポジショナでは、コネクタプレート13bは、支持ベース10に設けられた一対の開口部12aの周縁部の端面12c(装着面)のいずれにも着脱可能に設けられているため、共通のコネクタプレート13bを使い回して、いずれの開口部12aに対して取り付けできる。
【0068】
(5) 本実施形態のポジショナでは、コネクタプレート13bが取り付けられていない残りの開口部12aの周縁部の端面(装着面)には、開口部12aを覆うカバープレート13aが着脱自在に取り付けられている。このため、収納室12内に、溶接時のスパッタが入ることがなく、収納室12内に収納された部品の損傷を防止することができる。
【0069】
(6) 本実施形態のポジショナでは、カバープレート13aは、支持ベース10に設けられたいずれの開口部12aに対しても、着脱可能に設けられている。このため、共通のカバープレート13aを使い回して、いずれの開口部12aに対して取り付けできる。
【0070】
(7) 本実施形態のポジショナでは、支持ベース10の回転テーブル11側の複数の部位には、集電装置30(集電手段)を装着するための取付面19,20(取着部)がそれぞれ設けられて、1つの取付面に集電装置30が着脱自在に装着されている。
【0071】
この結果、本実施形態によれば、集電装置30の装着を、ポジショナの設置位置、設置方向に応じて異なる取付面に取り付けることにより、集電装置30の取り付け、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0072】
(8) 本実施形態のポジショナでは、コネクタプレート13bには、外部ケーブル以外のポジショナ自体の電源用及び制御用ケーブルの接続コネクタK1,K2が設けられている。このため、ポジショナ自体の電源用及び制御用ケーブル類に関して、ポジショナの設置位置、及び設置方向の自由度を向上し、ポジショナの設置場所の都合によるポジショナ自体の電源用及び制御用ケーブルの引き回しの制限の抑制及びメンテナンス等の作業スペースの制限の抑制を行うことができる。
【0073】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のポジショナを説明する。なお、第1実施形態と同一又は相当する構成については、同一符号を付して異なる構成を簡略化した図11(a)を参照して説明する。
【0074】
第2実施形態のポジショナは、支持ベース10の収納室12の左右方向の中央部であって回転テーブル11側の側壁に、導出部としての貫通孔12dが設けられている。なお、ベース部10Aは、第1実施形態のベース部よりも高く設定されている。又、本実施形態では、第1実施形態と同様に取付面19,20の上下方向の中間部は、図1(b)に示すように、回転中心線Oを含む水平面S(図1(b)参照)に含まれる位置としている。
【0075】
又、ベース部10Aの回転テーブル11側には、集電装置30を装着するための壁部が設けられるとともに同壁部には、取着部としての取付面10bが設けられている。取付面10bの高さは、回転テーブル11の裏面の最下部に相対する位置である。なお、図11(a)では、ポジショナの要部のみを平面視して見た場合の概略概念図であり、高さについては考慮されていない。
【0076】
そして、取付面10bには、集電装置30が、取付面19,20に対する取付と同様に着脱自在に取付可能である。
なお、図11(a)では、コネクタプレート13bは、実線で図示したものと2点鎖線で図示したが、コネクタプレート13bを開口部12aのいずれかに選択的に取り付けられた場合を示している。
【0077】
本実施形態では、収納室12内に収納した溶接用ケーブル50の第2端は、貫通孔12dを介して、外部に直線的に導出されて、集電装置30に対して電気的に接続される。
本実施形態のポジショナは、集電装置30の異なる部位にそれぞれ設けられた取付面に対して着脱自在に取付ることができる。この結果、本実施形態によれば、集電装置30の装着を、ポジショナの設置位置、設置方向に応じて異なる取付面に取り付けることにより、集電装置30の取り付け、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0078】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態のポジショナを図11(b)を参照して説明する。なお、第2実施形態と同一又は相当する構成については、同一符号を付して異なる構成を説明する。又、図11(b)では、ポジショナの要部のみを平面視して見た場合の概略概念図であり、高さについては考慮されていない。
【0079】
本実施形態では、第2実施形態の構成にさらに収納室12の左右方向の中央部であって、回転テーブル11とは反対側の側壁に開口部12aと同形状、同じ大きさの開口部12eが後方を向くように貫通して形成されている。開口部12eの周縁部の外面は、カバープレート13a又はコネクタプレート13bを取り付けするための、装着面12fとしている。
【0080】
なお、図11(b)では、コネクタプレート13bは、実線で図示したものと2点鎖線で図示したが、コネクタプレート13bを開口部12aのいずれかに選択的に取り付けられた場合を示している。
【0081】
上記のように開口部12e,12eが支持ベース10に異なる方向に形成されることによりいずれか1つの開口部に対してコネクタプレート13bを着脱自在に取り付けすることができる。
【0082】
このため、収納室12の3つの開口部のうち、ポジショナの設置位置、又は設置方向に応じて、1つの開口部12a(装着部)の周縁部の端面12cに対して選択的にコネクタプレート13bを取り付けることができるため、ポジショナの設置位置、及び設置方向の自由度を向上し、ポジショナの設置場所の都合による外部ケーブルの引き回しの制限の抑制及びメンテナンス等の作業スペースの制限の抑制を行うことができる。
【0083】
なお、本発明の実施形態は前記実施形態に限定されるものではなく、下記のように変更しても良い。
・ 又、前記実施形態では一軸のポジショナで構成したが、二軸のポジショナに具体化してもよい。
【0084】
・ 収納室12は、前記実施形態では四角筒状に形成したが、円筒状等の他の断面形状であってもよく限定されるものではない。又、収納室12は一方の開口部を省略して閉塞したものであってもよい。この場合は、開口部12aを有する側において、収納室12を形成している側壁に凹部12bを形成する。
【0085】
又、開口部の形状も限定されるものではない。又、カバープレート13a,コネクタプレート13bの形状は、開口部を覆う又は閉塞する大きさがあればよく、形状は限定されない。
【0086】
・ なお、前記実施形態では、凹部としたが、凹部に限定するものではなく、収納室12を形成している側壁に貫通孔を形成して、これを導出部としてもよい。
・ 前記実施形態では、カバープレート13a、コネクタプレート13bにより、それぞれ開口部12aを閉塞していたが一部を開放した形状にしてもよい。
【0087】
・ 前記実施形態では、カバープレート13a及びコネクタプレート13bの開口部12aに対する着脱自在に取り付け方法は、ボルトに限定されるものではない。例えば、開口部12aの端面に係止ピンを設けておき、カバープレート13a及びコネクタプレート13bには、その係止ピンを貫通して前記係止ピンに係止するための孔、凹部等の掛け止め部を設けてもよい。又、係止突起をカバープレート13a及びコネクタプレート13bの裏面から突出して、その係止突起を、開口部12aの装着面に設けられた凹部、穴等の係止孔に掛けるようにしてもよい。
【0088】
・ 前記実施形態では、コネクタプレート13bを、右端側の開口部12aの端面12c(装着面)から、左端側の開口部12aの端面12c(装着面)に取り付けを変更する場合、図1(a)では、第1面を「おもてめん(表面)」としていたのを、図7(c)、図10(c)では、収納室12側に向くように、すなわち、「りめん(裏面)」として取り付けする。このため、第1接続端子13d及び第2接続端子13e、接続コネクタK1,K2、フードF1,F2を、一旦、コネクタプレート13bから取り外して、新たに「おもてめん(表面)」となった第2面に対して、再び、ビスによりそれぞれ取り付けるようにした。
【0089】
この代わりに、第1接続端子13d及び第2接続端子13e、接続コネクタK1,K2、フードF1,F2の取り外ししないで、そのままの状態で、左端側の開口部12aの端面12c(装着面)に取り付けしてもよい。
【0090】
・ 第2実施形態では、集電装置30の取付面を3つとしたが、支持ベース10の大きさ、回転テーブル11の大きさに応じて、取付面の数をさらに増やすことも可能である。
・ 第3実施形態では、開口部は、3つとしたが、支持ベース10の大きさ、回転テーブル11の大きさに応じて、取付面の数をさらに増やすことも可能である。
【0091】
・ なお、本発明の趣旨ではないが、上記に説明したポジショナは、2台等の複数の溶接機或いは切断機を使用する場合、或いは、高電流で溶接を行う場合に、用意された複数の取付面のそれぞれに対して、集電装置を取り付けるとともに、溶接用ケーブルをそれぞれ前記複数の集電装置に接続し、複数の開口部にコネクタプレート13bを取り付けて使用することも可能である。
【符号の説明】
【0092】
10…支持ベース、11…回転テーブル、12…収納室、12a…開口部、
12b…凹部(導出部)、12c…周縁部の端面(装着面)、
13…ベース部、13a…カバープレート,
13b…コネクタプレート(取付部材)、
30…集電装置(集電手段)、50…溶接用ケーブル(導電手段)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用ロボットを用いて溶接や或いは切断を行うためポジショナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、産業用の溶接ロボットに使用されているポジショナは、例えば特許文献1の「従来の技術」の欄に記載のものが公知である。このポジショナでは、溶接物を固定・回転させる回転テーブルを備え、回転テーブルの下面には、円板状の下面突出部に設けられ、その側方に集電装置を構成する集電ブラシが接触するように配置されている。そして、集電ブラシは、回転テーブルに接触固定するためのバネ部材が配置されている。
【0003】
上記のポジショナでは、集電ブラシが外部溶接用電源の負電極に接続され、円板状の下面突出部を介して回転テーブルに電気的に接続されている。そして、回転テーブルに保持されている被溶接物と、溶接ロボットのアーム先端に固定した外部溶接用電源のトーチとの間でアークを発生させて溶接を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−47796公報、従来の技術、段落0003、図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般的に、ポジショナの設置位置及び設置方向は、溶接ワークやロボットの設置位置関係により自動的に決定される。
外部溶接用電源とポジショナの集電装置を電気的に接続するため、回転テーブルを支持する支持ベースには外部ケーブルを接続するための接続端子が固定的に設けられている。このために、ポジショナが配置された場所の周囲の壁や障害物等に前記外部ケーブルが干渉し、前記外部ケーブルに無理な力が掛かる場合がある。他にも外部ケーブル周りのメンテナンスの際に十分な作業スペースが確保できないために作業しづらく作業効率が落ちるという弊害もある。
【0006】
又、ポジショナの設置方向が制限されることによって、スパッタが飛散する場所に、前記外部ケーブルを通過させる可能性がある。この場合スパッタによる外部ケーブルの損傷を防ぐためにカバーを被せるか、スパッタが飛来する恐れのない場所を通過させるように遠まわしに引き回す必要がある。
【0007】
本発明の目的は、ポジショナの設置位置、及び設置方向の自由度を向上し、ポジショナの設置場所の都合による外部ケーブルの引き回しの制限の抑制及びメンテナンス等の作業スペースの制限の抑制を行うことができるポジショナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1の発明は、導電性の回転テーブルと、前記回転テーブルを回転自在に支持する支持ベースと、前記支持ベースに装着されるとともに、前記回転テーブルと電気的に接続される集電手段と、前記支持ベース内に配置されるとともに前記集電手段に対して電気的に接続された導電手段と、前記導電手段に電気的に接続されるとともに、外部溶接用電源に接続される外部ケーブルを接続する接続端子を有するポジショナにおいて、前記接続端子は、取付部材に取り付けられており、前記支持ベースには互いに異なる方向に向いた装着面を有する装着部が複数設けられ、前記取付部材は、前記複数の装着部のうちいずれか1つの装着部の装着面に対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とするポジショナを要旨としている。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、前記支持ベースには、周縁部に装着面を備えて、互いに異なる方向に向かう開口部を少なくとも一対有する収納室が形成され、前記収納室には前記導電手段が収納され、前記取付部材は外部接続用の前記接続端子を外面に備えるコネクタプレートであり、前記コネクタプレートが、前記開口部の周縁部に設けられた装着面に対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2において、前記導電手段は、前記収納室を区画する支持ベースの側壁に設けられた導出部を貫通して、前記集電手段に接続されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3において、前記コネクタプレートは、前記支持ベースに設けられた複数の開口部の装着面のいずれにも着脱可能に設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4において、前記コネクタプレートが取り付けられていない残りの開口部の装着面には、前記開口部を覆うカバープレートが着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項5において、前記カバープレートは、前記支持ベースに設けられたいずれの開口部に対しても、着脱可能に設けられていることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項2乃至請求項6のうちいずれか1項において、前記支持ベースの前記回転テーブル側の複数の部位には、前記集電手段を装着するための取着部がそれぞれ設けられて、1つの取着部に前記集電手段が着脱自在に装着されていることを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項2乃至請求項7のうちいずれか1項において、前記コネクタプレートには、前記外部ケーブル以外のポジショナ自体の電源用及び制御用ケーブルの接続端子が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、ポジショナの設置位置、又は設置方向に応じて、取付部材を複数の装着部のうち、選択的に装着部に取り付けることができるため、ポジショナの設置位置、及び設置方向の自由度を向上し、ポジショナの設置場所の都合による外部ケーブルの引き回しの制限の抑制及びメンテナンス等の作業スペースの制限の抑制を行うことができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、周縁部に装着面を備えて、互いに異なる方向に向かう開口部を少なくとも一対有する収納室が形成され、取付部材は外部接続用の前記接続端子を外面に備えるコネクタプレートであり、前記コネクタプレートが、前記開口部の周縁部に設けられた装着面に対して着脱自在に取り付けられていることにより、収納室のいずれかの開口部の周縁部を利用してコネクタプレートを取り付けるだけで、ポジショナの設置位置、及び設置方向の自由度を向上し、ポジショナの設置場所の都合による外部ケーブルの引き回しの制限の抑制及びメンテナンス等の作業スペースの制限の抑制を行うことができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、前記収納室内に容易に導電手段を収納できる。
請求項4の発明によれば、コネクタプレートは、いずれの開口部に対しても、着脱可能に設けられているため、共通のコネクタプレートを使い回して、いずれの開口部に対して取り付けできる。
【0018】
請求項5の発明によれば、コネクタプレートが取り付けられていない残りの開口部の周縁部には、前記残りの開口部を閉塞するカバープレートが着脱自在に取り付けられていることにより、収納室内に、溶接時のスパッタが入ることがなく、収納室内に収納された部品の損傷を防止することができる。
【0019】
請求項6の発明によれば、カバープレートは、いずれの開口部に対しても、着脱可能に設けられているため、共通のカバープレートを使い回して、いずれの開口部に対して取り付けできる。
【0020】
請求項7の発明によれば、集電手段の装着を、ポジショナの設置位置、設置方向に応じて異なる取着部に取り付けることにより、集電手段の取り付け、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0021】
請求項8の発明によれば、ポジショナ自体の電源用及び制御用ケーブル類に関して、ポジショナの設置位置、及び設置方向の自由度を向上し、ポジショナの設置場所の都合による電源用及び制御用ケーブル類に関してそれらケーブル類の引き回しの制限の抑制及びメンテナンス等の作業スペースの制限の抑制を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(a)は一実施形態のポジショナの右側面図、(b)は背面図、(c)は左側面図。
【図2】(a)は溶接用ケーブルを支持ベースに収納した状態の左側面図、(b)は溶接用ケーブルを支持ベースに収納した状態の正面図。
【図3】回転テーブルと支持ベースの要部断面図。
【図4】(a)は、集電装置の断面図、(b)は、集電装置の平面図。
【図5】(a)、(b)は支持ベースの斜視図。
【図6】(a)、(b)は支持ベースの斜視図。
【図7】(a)はコネクタプレートとカバープレートの配置を図1(a)とは異ならせた場合のポジショナの右側面図、(b)は同じく背面図、(c)は同じく左側面図。
【図8】(a)は、図1とは異なる取付面に装着する場合の集電装置の断面図、(b)は、同じく集電装置の平面図。
【図9】(a)は、図1(a)とは異なる取付面に図8の集電装置を装着したポジショナの右側面図、(b)は同じく背面図、(c)は同じく左側面図。
【図10】(a)は、図1(a)とは異なる取付面に図8の集電装置を装着するとともに、コネクタプレートとカバープレートの配置を異ならしめたポジショナの右側面図、(b)は同じく背面図、(c)は同じく左側面図。
【図11】(a)及び(b)は、第2実施形態及び第3実施形態のポジショナの概略説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明のポジショナを具体化した一実施形態を図1〜図10を参照して説明する。
図1(a)〜(c)に示すように、ポジショナの支持ベース10に対し、回転テーブル11が回転自在に支持されている。支持ベース10は、図5(a)、(b)、図6(a)、(b)に示すように横方向に延びて左右両端に開口部12aを有する四角筒状の収納室12を備えたベース部10Aと、ベース部10A上の一側部側に立設した支持壁部14と、ベース部10Aの上面と支持壁部14間を連結して設けられて前記支持壁部14を補強する一対のリブ15を有する。なお、本実施形態では、回転テーブル11は、その回転中心線Oが水平面に含まれるように配置されており、その回転中心線Oの回転テーブル11側のワーク保持面側を前とし、反対側を後とし、回転テーブル11に向かって右側を右とし、左側を左とする。回転テーブル11の作業面には、ワークをクランプするための図示しないクランプ装置が設けられている。
【0024】
図5(a)、(b)、図6(a)、(b)に示すように、支持壁部14には貫通孔16を有する軸受部18が設けられている。図3に示すように、回転テーブル11は、金属製であって、導電性を有する円盤17と、円盤17の裏面側(後側)に設けられた図示しない減速機構を介して軸受部18に対して回転自在に支持されている。なお、図3では、説明の便宜上、モータ21は省略している。
【0025】
又、前記回転テーブル11は貫通孔16の上方において、支持壁部14に取り付けられたモータ21及び前記減速機構(図示しない)を介して回転駆動される。図3に示すように、円盤17の裏面(後面)には、円形をなす金属製の集電リング22がボルト23により固定されている。集電リング22は、回転テーブル11の回転中心線Oと同軸となるように配置されている。
【0026】
図2(b)、図5(b)、及び図6(b)に示すように、支持壁部14の左右の各側端には、回転中心線Oを通る鉛直面を境に左右対称となるように取付面19,20が形成され、又、取付面19,20の上下方向の中間部は、図1(b)に示すように、回転中心線Oを挟んだ等距離にあるとともに、本実施形態では、取付面19,20の上下方向の中間部は、回転中心線Oを含む水平面S(図1(b)参照)に含まれる位置としている。
【0027】
そして、いずれか一方の取付面に後述する集電装置30が取り付けられている。本実施形態では、支持壁部14の左側端の取付面19に集電装置30が取り付けられている。集電装置30は、集電手段に相当する。又、取付面19,20は、取着部に相当する。
【0028】
図4(a)、(b)に示すように、集電装置30は、絶縁材(例えば絶縁性合成樹脂)からなる支持体31と、支持体31に設けられた一対のバネ収納孔32に対してそれぞれ移動自在に挿通された一対のシャフト33と、同シャフト33の先端に固定された集電ブラシ34と、バネ収納孔32に収納されたシャフト33を集電ブラシ34側へ押圧付勢する付勢手段としてのバネ部材35とを備えている。
【0029】
支持体31は直方体状のブロックに形成されている。図3に示すように、支持体31において、取付面19側を向く面31aには取付板24が、面31aとは反対側の面31bからボルト孔31cに挿通されたボルト25にて取り外し可能に締め付けで取り付けられている。そして、支持体31は、取付板24において、支持体31から後方へ延出された延出部24aの上下両部に形成されたボルト孔24bに対してボルト26(図3、図4(b)参照)を挿通することにより取付面19(又は、取付面20)に対して着脱自在に取り付けられている。取付面19に対して、取り付けられた状態では、図2(a)に示すように、支持体31は、支持壁部14よりも前方に突出するように配置されている。
【0030】
図4(a)に示すように支持体31の一対のバネ収納孔32は、互いに平行に設けられている。バネ収納孔32の底部には、バネ収納孔32と同軸をなすとともにバネ収納孔32の内径よりも小径の貫通孔32aが形成されている。各バネ収納孔32内には、押圧部材としてのシャフト33が集電ブラシ34側方向及び反集電ブラシ方向に往復移動自在に挿通されている。シャフト33は前記貫通孔32aに対して摺接自在に挿通された小径部33aと、バネ収納孔32の内周面を摺動自在に形成された大径部33bとを有する。各シャフト33の基端部は図4(a)に示すように貫通孔32aから外部へ突出されている。
【0031】
シャフト33の大径部33b先端面にはバネ収納孔32から支持体31の外部へ突出されたネジ部36が導電部材としてのブスバー40を介して集電ブラシ34に対して着脱自在に螺合されている。本実施形態では、集電ブラシ34に対しシャフト33が着脱自在に螺着されているが、これは一例であって集電ブラシ34をシャフト33に対して着脱自在にする構成は、前記構成に限定されるものではない。例えば、前記ネジ部36の代わりにシャフト33の先端面に対して、集電ブラシ34の先端面側から六角穴付ボルトにより着脱自在に螺合することにより、集電ブラシ34を同六角穴付ボルトでブスバー40に対して締付け固定してもよい。集電ブラシ34の先端面、すなわち集電面は、集電リング22に対して摺接するように平坦に形成されている。
【0032】
又、シャフト33の大径部33bと、バネ収納孔32の底部との間において、小径部33aには、コイルスプリングからなるバネ部材35が巻装されるとともにその両端部が大径部33bとバネ収納孔32の底部に係止されることにより蓄勢されている。そして、バネ部材35の蓄勢されたバネ力により、シャフト33は集電リング22側に付勢されている。
【0033】
ブスバー40は、図4(a)に示すように、集電ブラシ34とシャフト33の大径部33b間に介在するとともに下方へ延出された平板状の取付部40aと、取付部40aに対して支持ベース10の下部側へ所定角度を以て折り曲げされた折曲部40bを有する。なお、折曲部40bの取付部40aに対する折り曲げ角度は、限定されるものではないが、折曲部40bは後述する導出部側を向く様に、角度が設定されている。
【0034】
折曲部40bには、接続片42が、ボルト43及びナット44により取り付けられている。接続片42は導電部材に相当するとともに接続部に相当する。接続片42は、ボルト43及びナット44を互いに緩めることにより、接続片42の先端の向きを変更可能になっている。本実施形態では、接続片42は、図2(b)に示すように、斜め下方へ向いた折曲部40bに対して、右側を向いて直交するようにして取付られている。図2(b)に示すように、接続片42の先端は、後述する溶接用ケーブル50の取付部位Aとなっている。取付部位Aは、後述するオフセット方向に延出されるように配置されている。
【0035】
なお、本実施形態では、接続片42が折曲部40bに対して分離可能になっているが、接続片42を折曲部40bと分離不能に一体に連結してもよい。
次に、本実施形態の特徴である収納室12について説明する。
【0036】
図1(a)、(b)に示すように、収納室12は、回転テーブル11の回転中心線Oとは直交する方向に延びて形成されている。又、収納室12の左端の開口部12aは、カバープレート13aにより覆われるようにして閉塞されているとともに、右端の開口部12aは取付部材としてのコネクタプレート13bにより閉塞されている。すなわち、カバープレート13a,及びコネクタプレート13bは、開口部12aの周縁部の端面12cに対して、複数のボルト13cにより、着脱自在に締め付けされている。
【0037】
なお、端面12cには、カバープレート13a,コネクタプレート13bのいずれも取付できるボルト13cが螺着される雌ねじ孔(図示しない)が設けられている。
又、カバープレート13a及びコネクタプレート13bは平板に形成されている。コネクタプレート13bの端面12cに相対する面は、図1(a)〜(c)において、外方を向いている面を、以下、説明の便宜上、第1面といい、端面12cに向く面を、以下、第2面という。本実施形態では、第1面及び第2面が外方を向く場合を「おもてめん(表面)になるといい、端面12cに向かう場合を「うらめん(裏面)」になるという。
【0038】
前記端面12cは、装着面に相当するとともに、開口部12aの周縁部は装着部に相当する。すなわち、収納室12の左端の開口部12aの端面12cは、左方を向き、収納室12の右端の開口部12aの端面12cは、右方を向いて、両端面は互いに異なる方向を向くように形成されている。
【0039】
なお、本実施形態では、カバープレート13a及びコネクタプレート13bの外形形状は、互いに同一形状の四角板に形成されており、左右の開口部12aの周縁部の端面12cに対していずれもボルト13cにより着脱自在に取付可能にされている。
【0040】
図1(b)、図2(b)、図5(b)、図6(b)に示すように収納室12の両端の開口部12aの周縁部において、回転テーブル11側の側壁上部には、溶接用ケーブル50の断面形状よりも十分に大きく、溶接用ケーブル50の内外の移動を許容する大きさを有する凹部12bが形成されている。両凹部12bは、図1(a)に示すように回転中心線Oを通る鉛直面を境に左右対称となるように配置されている。
【0041】
凹部12bは、集電装置30のブスバー40に対して図2(b)に示すように、収納室12の中心側に位置するように、本実施形態では、右側(収納室12の中間部側)に位置してオフセット量Lを有するように配置されている。このため、前記接続片42の先端の取付部位Aは、前記オフセット量L分だけ、オフセット方向を右方向にして延出されている。
【0042】
図1(a)、(b)に示すように、コネクタプレート13b外面には、外部溶接用電源に対して図示しない外部ケーブルを介して接続される外部接続用の第1接続端子13dが突出されている。又、図1(b)に示すようにコネクタプレート13bの内面には、前記第1接続端子13dに電気的に接続された内部接続用の第2接続端子13eが収納室12の内方へ向かって突出されている。第1接続端子13dは、外部溶接用電源に接続される外部ケーブルを接続する接続端子に相当する。
【0043】
第1接続端子13d及び第2接続端子13eはユニット化されて一体に連結されている。そして、第1接続端子13d及び第2接続端子13eは、両者間に取付フランジ13fが設けられている。第1接続端子13d及び第2接続端子13eは、第2接続端子13eをコネクタプレート13bの取付孔(図示しない)に対して外部から挿通した状態で図示しないビスを取付フランジ13fを介してコネクタプレート13bに対して着脱自在に締め付けすることにより、コネクタプレート13bに取り付けられている。
【0044】
コネクタプレート13bには、図1(a)に示すように、ポジショナが備えるモータ21に外部から電力を供給するための接続コネクタK1、及び前記モータ21が備えるロータリエンコーダ(図示しない)からの信号を外部装置に出力するため接続コネクタK2が図示しない取付孔に貫通されるとともに図示しないビスにより、コネクタプレート13bに対して着脱自在に取り付けられている。前記接続コネクタK1には、図示しない電源用ケーブルが着脱自在に接続されるとともに、接続コネクタK2には、制御用ケーブルが着脱自在に接続される。接続コネクタK1は、ポジショナ自体の電源用ケーブルの接続端子に相当するとともに、接続コネクタK2はポジショナ自体の制御ケーブルの接続端子に相当する。
【0045】
又、コネクタプレート13bには、ポジショナ内に各種ケーブル類を導入、導出するための、ホールH1,H2が設けられるとともに、両ホールH1,H2には外部に突出するフードF1,F2が基端のフランジに対して図示しないビスにより、コネクタプレート13bに対して着脱自在に取り付けられている。
【0046】
なお、本実施形態では、カバープレート13aには、第1接続端子13d,及び第2接続端子13eは設けられていない。図1(b)、図2(a)、(b)に示すように、収納室12内には、溶接用ケーブル50が収納されている。溶接用ケーブル50は導電手段に相当する。溶接用ケーブル50の第1端は、前記内部接続用の第2接続端子13eに接続されている。
【0047】
溶接用ケーブル50の第2端、すなわち、集電装置30側端部は、収納室12の左端側の凹部12bを介して外部に直線的に導出され、凹部12bよりも上方に離間して配置されている接続片42の取付部位Aに対して、ボルト45,46により取り外し可能に締め付け固定されている。本実施形態では、収納室12の左端側の凹部12bが導出部に相当する。なお、収納室の右端側の凹部12bは、溶接用ケーブル50が挿通されないため、図示しないゴム等よりなる弾性材からなるカバー部材で着脱自在に嵌合して閉塞されている。
【0048】
溶接用ケーブル50の第2端は、取付部位Aに対して連結されている状態では、図2(a)に示すように、左側の凹部12bから直線状に延びるように配置されている。又、溶接用ケーブル50は、集電装置30の集電ブラシ34が消耗して、集電リング22側への移動を制限しない長さ分を有して、収納室12内に収納されている。すなわち、溶接用ケーブル50の第1端側はコネクタプレート13bの第2接続端子13eに連結されて拘束されているが、集電装置30の集電ブラシ34が消耗した場合において、集電リング22側への移動を制限しない長さ分を有して、集電装置30側を非拘束の遊びがある状態にし、第2端側はその拘束に影響を受けないものとなっている。
【0049】
なお、取付面20に対しても取付面19に対する取付方法と同様に集電装置30を取り付け可能になっている。この場合、取付面20に取り付けられた集電装置30のブスバー40と右端の凹部12bに関するオフセット方向は、取付面19に集電装置30を取り付けした場合とは反対方向であり、そのオフセット量は同一となるようにされている。
【0050】
(実施形態の作用)
さて、上記のように構成されたポジショナの作用を説明する。
図4(a)に示すように、集電ブラシ34の集電リング22側の面が消耗すると、集電ブラシ34はバネ部材35に付勢されたシャフト33に押圧されて集電リング22側に移動する。
【0051】
このとき、ブスバー40も同方向に移動するため、図2(a)に示すように、ブスバー40に一体に連結された接続片42も同様に移動するとともに、溶接用ケーブル50の第2端も移動する。このとき、溶接用ケーブル50は、収納室12の左端の凹部12bから引き出される。この引き出し時には、溶接用ケーブル50の引き出しを拘束するものがないため、溶接用ケーブル50はスムーズに前記凹部12bから外部に引き出される。このため、溶接用ケーブル50に集電装置30の集電ブラシ34が引っ張られて集電ブラシ34の動作の阻害及び集電ブラシ34と集電リング22の接触面積が小さくなることを抑制できる。
【0052】
(コネクタプレート13b及び集電装置30の取り付けパターンについて)
コネクタプレート13b及び集電装置30の取り付けパターンについて説明する。
図1(a)〜(c)に示される取り付けパターン(以下、第1パターンという)は、ポジショナに接続される外部ケーブルの周囲の壁や障害物等に前記外部ケーブルが干渉しない適切な設置位置、設置方向に外ポジショナが設置された一例である。
【0053】
しかし、この第1パターンでは、ポジショナに接続される外部ケーブルの周囲の壁や障害物等に前記外部ケーブルが干渉し、前記外部ケーブルに無理な力が掛かる場合がある。
このような場合、第2パターン又は第3パターンで外部ケーブルを接続する。
【0054】
以下、第1パターンから、異なるパターンへの変更の仕方を説明する。
図1(a)〜(c)の、収納室12の右端の開口部12a及び左端の開口部12aにそれぞれ取り付けられているコネクタプレート13b、及びカバープレート13aをボルト13cの締め付けを解除して取り外す。そして、取り外したコネクタプレート13bの第1面から、さらに、第1接続端子13d及び第2接続端子13e、接続コネクタK1,K2、フードF1,F2を、一旦、取り外す。
【0055】
この後、コネクタプレート13bの第2面側から、第1接続端子13d及び第2接続端子13e、接続コネクタK1,K2、フードF1,F2を、それぞれの取付孔(図示しない)に装着して図示しないビスにより取り付けする。
【0056】
この状態で、図7(a)〜(c)に示すように、コネクタプレート13bを収納室12の左端の開口部12aの端面12cに対して、ボルト13cにより取り付けるとともに、カバープレート13aを収納室12の右端の開口部12aの端面12cにボルト13cにより取り付ける。
【0057】
この取り付けパターン(第2パターン)では、集電装置30は第1パターンと同じく取付面19に対して取り付けられている。
又、第2パターンでは、取付面19に対して集電装置30が取り付けられた状態において、ポジショナの設置位置、設置方向では集電装置30のメンテナンスがやりにくい場合、図4(b)に示すボルト26を緩めて集電装置30を取付面19から集電装置30を取り外す。
【0058】
次に、ボルト25を緩めて、支持体31と取付板24とを一旦分離した後、図8(b)に示すように、支持体31の面31bに取付板24を合わせた状態で、図8(a)に示す面31aからボルト孔31cにボルト25を挿通して支持体31と取付板24とを互いに締め付けして連結する。
【0059】
又、ブスバー40の折曲部40bに対する接続片42を、ボルト43、ナット44を互いに緩めて、図4(b)の取付状態から180度反対方向に回転させて図8(b)に示すようにした後、ボルト43、ナット44を互いに締め付ける。この状態で、集電装置30を取付面20に対して、ボルト26により取り付けするとともに、溶接用ケーブル50の第2端をボルト45により、取付部位Aに対して締め付け固定する。
【0060】
なお、説明は省略したが、集電装置30の取付面19からの取り外しから取付面20への取り付けの間、集電ブラシ34、シャフト33は、バネ部材35により付勢されているが、これらは図示しない治具により、付勢状態が保持されて、これらが支持体31から分離しない状態にて行われる。この結果、図9(a)〜(c)で示される取り付けパターン(第3パターン)となる。
【0061】
なお、第1パターンにおいて、コネクタプレート13bの取り付けは、このままとし、集電装置30及びその周囲のメンテナンス等の作業スペースの理由で、取付面20に集電装置30を取り付けする場合は、既に説明した手順で、取付面19から取付面20に集電装置30を取り付ければよい。図10(a)〜(c)は、開口部12aの右端にカバープレート13aが取り付けられ、取付面20に集電装置30が取り付けられたパターン(第4パターン)が示されている。
【0062】
本実施形態は、下記の特徴がある。
(1) 本実施形態のポジショナは、回転テーブル11を支持する支持ベース10には互いに異なる方向に向いた収納室12の開口部12a(装着部)が一対設けられている。開口部12aには、周縁部の端面12c(装着面)を有する。又、第1接続端子13d(外部ケーブルを接続する接続端子)は、コネクタプレート13bに取り付けられており、コネクタプレート13bは、一対の開口部12a(装着部)のうち1つの開口部12a(装着部)の周縁部の端面12c(装着面)に対して着脱自在に取り付けられている。
【0063】
このため、この一対の収納室12の開口部12a(装着部)のうち、ポジショナの設置位置、又は設置方向に応じて、1つの開口部12a(装着部)の周縁部の端面12cに対して選択的にコネクタプレート13bを取り付けることができるため、ポジショナの設置位置、及び設置方向の自由度を向上し、ポジショナの設置場所の都合による外部ケーブルの引き回しの制限の抑制及びメンテナンス等の作業スペースの制限の抑制を行うことができる。
【0064】
(2) 本実施形態のポジショナは、支持ベース10には、周縁部に端面12c(装着面)を備えて、互いに異なる方向に向かう開口部を一対有する収納室12が形成され、収納室12には集電装置30に接続される溶接用ケーブル50(導電手段)が収納されている。又、コネクタプレート13b(取付部材)は外部接続用の第1接続端子13dを外面に備えるとともに開口部12aの周縁部に設けられた端面12c(装着面)に対して着脱自在に取り付けられている。
【0065】
このため、本実施形態によれば、収納室12のいずれかの開口部12aの周縁部を利用してコネクタプレート13bを取り付けるだけで、ポジショナの設置位置、及び設置方向の自由度を向上し、ポジショナの設置場所の都合による外部ケーブルの引き回しの制限の抑制及びメンテナンス等の作業スペースの制限の抑制を行うことができる。
【0066】
(3) 本実施形態のポジショナは、溶接用ケーブル50(導電手段)は、収納室12を区画する支持ベース10の側壁に設けられた凹部12b(導出部)を貫通して、集電装置30(集電手段)に接続されている。このため、本実施形態によれば、収納室12内に容易に溶接用ケーブル50を収納できる。
【0067】
(4) 本実施形態のポジショナでは、コネクタプレート13bは、支持ベース10に設けられた一対の開口部12aの周縁部の端面12c(装着面)のいずれにも着脱可能に設けられているため、共通のコネクタプレート13bを使い回して、いずれの開口部12aに対して取り付けできる。
【0068】
(5) 本実施形態のポジショナでは、コネクタプレート13bが取り付けられていない残りの開口部12aの周縁部の端面(装着面)には、開口部12aを覆うカバープレート13aが着脱自在に取り付けられている。このため、収納室12内に、溶接時のスパッタが入ることがなく、収納室12内に収納された部品の損傷を防止することができる。
【0069】
(6) 本実施形態のポジショナでは、カバープレート13aは、支持ベース10に設けられたいずれの開口部12aに対しても、着脱可能に設けられている。このため、共通のカバープレート13aを使い回して、いずれの開口部12aに対して取り付けできる。
【0070】
(7) 本実施形態のポジショナでは、支持ベース10の回転テーブル11側の複数の部位には、集電装置30(集電手段)を装着するための取付面19,20(取着部)がそれぞれ設けられて、1つの取付面に集電装置30が着脱自在に装着されている。
【0071】
この結果、本実施形態によれば、集電装置30の装着を、ポジショナの設置位置、設置方向に応じて異なる取付面に取り付けることにより、集電装置30の取り付け、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0072】
(8) 本実施形態のポジショナでは、コネクタプレート13bには、外部ケーブル以外のポジショナ自体の電源用及び制御用ケーブルの接続コネクタK1,K2が設けられている。このため、ポジショナ自体の電源用及び制御用ケーブル類に関して、ポジショナの設置位置、及び設置方向の自由度を向上し、ポジショナの設置場所の都合によるポジショナ自体の電源用及び制御用ケーブルの引き回しの制限の抑制及びメンテナンス等の作業スペースの制限の抑制を行うことができる。
【0073】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のポジショナを説明する。なお、第1実施形態と同一又は相当する構成については、同一符号を付して異なる構成を簡略化した図11(a)を参照して説明する。
【0074】
第2実施形態のポジショナは、支持ベース10の収納室12の左右方向の中央部であって回転テーブル11側の側壁に、導出部としての貫通孔12dが設けられている。なお、ベース部10Aは、第1実施形態のベース部よりも高く設定されている。又、本実施形態では、第1実施形態と同様に取付面19,20の上下方向の中間部は、図1(b)に示すように、回転中心線Oを含む水平面S(図1(b)参照)に含まれる位置としている。
【0075】
又、ベース部10Aの回転テーブル11側には、集電装置30を装着するための壁部が設けられるとともに同壁部には、取着部としての取付面10bが設けられている。取付面10bの高さは、回転テーブル11の裏面の最下部に相対する位置である。なお、図11(a)では、ポジショナの要部のみを平面視して見た場合の概略概念図であり、高さについては考慮されていない。
【0076】
そして、取付面10bには、集電装置30が、取付面19,20に対する取付と同様に着脱自在に取付可能である。
なお、図11(a)では、コネクタプレート13bは、実線で図示したものと2点鎖線で図示したが、コネクタプレート13bを開口部12aのいずれかに選択的に取り付けられた場合を示している。
【0077】
本実施形態では、収納室12内に収納した溶接用ケーブル50の第2端は、貫通孔12dを介して、外部に直線的に導出されて、集電装置30に対して電気的に接続される。
本実施形態のポジショナは、集電装置30の異なる部位にそれぞれ設けられた取付面に対して着脱自在に取付ることができる。この結果、本実施形態によれば、集電装置30の装着を、ポジショナの設置位置、設置方向に応じて異なる取付面に取り付けることにより、集電装置30の取り付け、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0078】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態のポジショナを図11(b)を参照して説明する。なお、第2実施形態と同一又は相当する構成については、同一符号を付して異なる構成を説明する。又、図11(b)では、ポジショナの要部のみを平面視して見た場合の概略概念図であり、高さについては考慮されていない。
【0079】
本実施形態では、第2実施形態の構成にさらに収納室12の左右方向の中央部であって、回転テーブル11とは反対側の側壁に開口部12aと同形状、同じ大きさの開口部12eが後方を向くように貫通して形成されている。開口部12eの周縁部の外面は、カバープレート13a又はコネクタプレート13bを取り付けするための、装着面12fとしている。
【0080】
なお、図11(b)では、コネクタプレート13bは、実線で図示したものと2点鎖線で図示したが、コネクタプレート13bを開口部12aのいずれかに選択的に取り付けられた場合を示している。
【0081】
上記のように開口部12e,12eが支持ベース10に異なる方向に形成されることによりいずれか1つの開口部に対してコネクタプレート13bを着脱自在に取り付けすることができる。
【0082】
このため、収納室12の3つの開口部のうち、ポジショナの設置位置、又は設置方向に応じて、1つの開口部12a(装着部)の周縁部の端面12cに対して選択的にコネクタプレート13bを取り付けることができるため、ポジショナの設置位置、及び設置方向の自由度を向上し、ポジショナの設置場所の都合による外部ケーブルの引き回しの制限の抑制及びメンテナンス等の作業スペースの制限の抑制を行うことができる。
【0083】
なお、本発明の実施形態は前記実施形態に限定されるものではなく、下記のように変更しても良い。
・ 又、前記実施形態では一軸のポジショナで構成したが、二軸のポジショナに具体化してもよい。
【0084】
・ 収納室12は、前記実施形態では四角筒状に形成したが、円筒状等の他の断面形状であってもよく限定されるものではない。又、収納室12は一方の開口部を省略して閉塞したものであってもよい。この場合は、開口部12aを有する側において、収納室12を形成している側壁に凹部12bを形成する。
【0085】
又、開口部の形状も限定されるものではない。又、カバープレート13a,コネクタプレート13bの形状は、開口部を覆う又は閉塞する大きさがあればよく、形状は限定されない。
【0086】
・ なお、前記実施形態では、凹部としたが、凹部に限定するものではなく、収納室12を形成している側壁に貫通孔を形成して、これを導出部としてもよい。
・ 前記実施形態では、カバープレート13a、コネクタプレート13bにより、それぞれ開口部12aを閉塞していたが一部を開放した形状にしてもよい。
【0087】
・ 前記実施形態では、カバープレート13a及びコネクタプレート13bの開口部12aに対する着脱自在に取り付け方法は、ボルトに限定されるものではない。例えば、開口部12aの端面に係止ピンを設けておき、カバープレート13a及びコネクタプレート13bには、その係止ピンを貫通して前記係止ピンに係止するための孔、凹部等の掛け止め部を設けてもよい。又、係止突起をカバープレート13a及びコネクタプレート13bの裏面から突出して、その係止突起を、開口部12aの装着面に設けられた凹部、穴等の係止孔に掛けるようにしてもよい。
【0088】
・ 前記実施形態では、コネクタプレート13bを、右端側の開口部12aの端面12c(装着面)から、左端側の開口部12aの端面12c(装着面)に取り付けを変更する場合、図1(a)では、第1面を「おもてめん(表面)」としていたのを、図7(c)、図10(c)では、収納室12側に向くように、すなわち、「りめん(裏面)」として取り付けする。このため、第1接続端子13d及び第2接続端子13e、接続コネクタK1,K2、フードF1,F2を、一旦、コネクタプレート13bから取り外して、新たに「おもてめん(表面)」となった第2面に対して、再び、ビスによりそれぞれ取り付けるようにした。
【0089】
この代わりに、第1接続端子13d及び第2接続端子13e、接続コネクタK1,K2、フードF1,F2の取り外ししないで、そのままの状態で、左端側の開口部12aの端面12c(装着面)に取り付けしてもよい。
【0090】
・ 第2実施形態では、集電装置30の取付面を3つとしたが、支持ベース10の大きさ、回転テーブル11の大きさに応じて、取付面の数をさらに増やすことも可能である。
・ 第3実施形態では、開口部は、3つとしたが、支持ベース10の大きさ、回転テーブル11の大きさに応じて、取付面の数をさらに増やすことも可能である。
【0091】
・ なお、本発明の趣旨ではないが、上記に説明したポジショナは、2台等の複数の溶接機或いは切断機を使用する場合、或いは、高電流で溶接を行う場合に、用意された複数の取付面のそれぞれに対して、集電装置を取り付けるとともに、溶接用ケーブルをそれぞれ前記複数の集電装置に接続し、複数の開口部にコネクタプレート13bを取り付けて使用することも可能である。
【符号の説明】
【0092】
10…支持ベース、11…回転テーブル、12…収納室、12a…開口部、
12b…凹部(導出部)、12c…周縁部の端面(装着面)、
13…ベース部、13a…カバープレート,
13b…コネクタプレート(取付部材)、
30…集電装置(集電手段)、50…溶接用ケーブル(導電手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性の回転テーブルと、前記回転テーブルを回転自在に支持する支持ベースと、前記支持ベースに装着されるとともに、前記回転テーブルと電気的に接続される集電手段と、前記支持ベース内に配置されるとともに前記集電手段に対して電気的に接続された導電手段と、前記導電手段に電気的に接続されるとともに、外部溶接用電源に接続される外部ケーブルを接続する接続端子を有するポジショナにおいて、
前記接続端子は、取付部材に取り付けられており、
前記支持ベースには互いに異なる方向に向いた装着面を有する装着部が複数設けられ、
前記取付部材は、前記複数の装着部のうちいずれか1つの装着部の装着面に対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とするポジショナ。
【請求項2】
前記支持ベースには、周縁部に装着面を備えて、互いに異なる方向に向かう開口部を少なくとも一対有する収納室が形成され、
前記収納室には前記導電手段が収納され、
前記取付部材は外部接続用の前記接続端子を外面に備えるコネクタプレートであり、
前記コネクタプレートが、前記開口部の周縁部に設けられた装着面に対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のポジショナ。
【請求項3】
前記導電手段は、前記収納室を区画する支持ベースの側壁に設けられた導出部を貫通して、前記集電手段に接続されていることを特徴とする請求項2に記載のポジショナ。
【請求項4】
前記コネクタプレートは、前記支持ベースに設けられた複数の開口部の装着面のいずれにも着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のポジショナ。
【請求項5】
前記コネクタプレートが取り付けられていない残りの開口部の装着面には、前記開口部を覆うカバープレートが着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載のポジショナ。
【請求項6】
前記カバープレートは、前記支持ベースに設けられたいずれの開口部に対しても、着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のポジショナ。
【請求項7】
前記支持ベースの前記回転テーブル側の複数の部位には、前記集電手段を装着するための取着部がそれぞれ設けられて、1つの取着部に前記集電手段が着脱自在に装着されていることを特徴とする請求項2乃至請求項6のうちいずれか1項に記載のポジショナ。
【請求項8】
前記コネクタプレートには、前記外部ケーブル以外のポジショナ自体の電源用及び制御用ケーブルの接続端子が設けられていることを特徴とする請求項2乃至請求項7のうちいずれか1項に記載のポジショナ。
【請求項1】
導電性の回転テーブルと、前記回転テーブルを回転自在に支持する支持ベースと、前記支持ベースに装着されるとともに、前記回転テーブルと電気的に接続される集電手段と、前記支持ベース内に配置されるとともに前記集電手段に対して電気的に接続された導電手段と、前記導電手段に電気的に接続されるとともに、外部溶接用電源に接続される外部ケーブルを接続する接続端子を有するポジショナにおいて、
前記接続端子は、取付部材に取り付けられており、
前記支持ベースには互いに異なる方向に向いた装着面を有する装着部が複数設けられ、
前記取付部材は、前記複数の装着部のうちいずれか1つの装着部の装着面に対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とするポジショナ。
【請求項2】
前記支持ベースには、周縁部に装着面を備えて、互いに異なる方向に向かう開口部を少なくとも一対有する収納室が形成され、
前記収納室には前記導電手段が収納され、
前記取付部材は外部接続用の前記接続端子を外面に備えるコネクタプレートであり、
前記コネクタプレートが、前記開口部の周縁部に設けられた装着面に対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のポジショナ。
【請求項3】
前記導電手段は、前記収納室を区画する支持ベースの側壁に設けられた導出部を貫通して、前記集電手段に接続されていることを特徴とする請求項2に記載のポジショナ。
【請求項4】
前記コネクタプレートは、前記支持ベースに設けられた複数の開口部の装着面のいずれにも着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のポジショナ。
【請求項5】
前記コネクタプレートが取り付けられていない残りの開口部の装着面には、前記開口部を覆うカバープレートが着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載のポジショナ。
【請求項6】
前記カバープレートは、前記支持ベースに設けられたいずれの開口部に対しても、着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のポジショナ。
【請求項7】
前記支持ベースの前記回転テーブル側の複数の部位には、前記集電手段を装着するための取着部がそれぞれ設けられて、1つの取着部に前記集電手段が着脱自在に装着されていることを特徴とする請求項2乃至請求項6のうちいずれか1項に記載のポジショナ。
【請求項8】
前記コネクタプレートには、前記外部ケーブル以外のポジショナ自体の電源用及び制御用ケーブルの接続端子が設けられていることを特徴とする請求項2乃至請求項7のうちいずれか1項に記載のポジショナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−250241(P2012−250241A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122459(P2011−122459)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【Fターム(参考)】
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