説明

ポリシリコン砕片を配量し包装するための方法および装置ならびに配量および包装ユニット

【課題】公知先行技術における問題を解決する。
【解決手段】ポリシリコン破片を配量し包装するための方法において、ポリシリコン破片の製品流を、搬送トラフを介して搬送し、少なくとも1つの篩を用いて粗い破片と微細な破片とに分離し、配量秤量機を用いて秤量し、目標重量にまで配量し、排出トラフを介して導出し、包装ユニットへと搬送し、該包装ユニットにおいて、ポリシリコン破片を第1のプラスチックバッグに充填し、該第1のプラスチックバッグを閉鎖し、ポリシリコン破片を有する該プラスチックバッグを、成形機を用いて成形した別のプラスチックバッグ内に包装し、次いで該別のプラチックバッグを溶接し、少なくとも1つの篩と、配量秤量機とが、表面に少なくとも部分的に硬質合金を有しており、プラスチックバッグを成形する成形機が、耐摩耗性のコーティングを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリシリコン砕片を配量(計量供給)し包装するための方法および装置、ならびにポリシリコン砕片を配量し包装する装置に用いられる配量ユニットおよび包装ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリシリコン破片は、たとえばシーメンス法によりトリクロロシランから析出され、次いで、理想的には汚染なしに破砕される。自動的な粉砕のための方法および相応する装置は、欧州特許第1645333号明細書に記載されている。
【0003】
半導体産業およびソーラー産業における利用のためには、出来るだけ少ししか汚染されていないポリシリコン砕片が望まれる。したがって、この材料は、この材料が顧客に搬送される前に、少ない汚染で包装されることも望ましい。
【0004】
通常、電子産業のためのポリシリコン砕片は、+/−最大50gの重量公差を有する5kgバッグに包装される。ソーラー産業のためには、ポリシリコン砕片は、10kgの正味重量および+/−最大100gの重量公差を有するバッグが一般的である。
【0005】
シリコン破片の包装のために原理的に適しているチューブバッグ(管状袋)機は、市場で入手可能である。相応する包装機械は、たとえば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3640520号明細書に記載されている。
【0006】
ポリシリコン破片は、2500gまでの個別のシリコン破片の重量の有する、角の尖った、流動性ではないばら材である。したがって、包装時には、この材料が通常のプラスチックバッグを充填時に突き破らないように、または最悪の場合には完全に破壊しないように注意する必要がある。プラスチックバッグの突破もしくは完全な破壊を回避するために、市販の包装機械はポリシリコンの包装のために適当に変更され得る。
【0007】
市販の包装機械では、通常、ポリシリコン破片に課される純度要求を遵守することは不可能である。なぜならば、通常使用される化合物フィルムは、化学的な添加物に基づいて、ポリシリコン破片の高められた汚染をもたらし得るからである。
【0008】
欧州特許第1334907号明細書から、高純度のポリシリコン破片の、廉価な全自動の搬送、秤量、小分け、装入および包装のための装置が公知である。この装置は、ポリシリコン破片のための搬送トラフと、ホッパに結合された、ポリシリコン破片のための秤量装置と、シリコンから成る変向薄板と、高純度のプラスチックフィルムからプラスチックバッグを成形する充填装置とを有している。充填装置は、プラスチックシートの静電気帯電を防止し、ひいては粒子汚染を防止するイオン消失装置と、ポリシリコン砕片で充填されたプラスチックバッグのための溶接装置と、搬送トラフ、秤量装置、充填装置および溶接装置の上方に設けられかつポリシリコン砕片の粒子汚染を防止するフローボックスと、ポリシリコン砕片で充填され溶接されたプラスチックバッグのための、磁気誘導検出器を備えた搬送ベルトとを有している。この場合、ポリシリコン砕片と接触する全ての構成部材はシリコンで外装されているか、または高耐摩耗性のプラスチックで被覆されている。
【0009】
ポリシリコン破片を小分けするための手段は、たとえば、時間制御された搬送トラフ、貯蔵容器の充填高さ規定、またはポリシリコン破片のための秤量装置である。相応する秤量装置は、たとえば米国特許第4813205号明細書から公知である。
【0010】
欧州特許第1334907号明細書による装置は、人との接触なしに汚染の少ない包装を可能にすることが望ましい。汚染の少ない包装は、特に、構成部材のシリコンによる外装または高耐摩耗性のプラスチックにより実行されると望ましい。
【0011】
しかし、まさにシリコン破片の小分けが、欧州特許第1334907号明細書による処置において問題となることが判った。+/−100gの公差を有する、10kgのポリシリコン破片の正確な秤量は、この装置では不可能である。このことは、特に50〜130mmの大きさの破片に関する。
【0012】
さらに、装置全体は、シリコンに接触する全ての部分をシリコンまたはプラスチックにより外装することによって、機械的に安定性が乏しいことが判った。シリコンコーティングおよびプラスチックコーティングの比較的に高い摩耗は、この包装機械を極めて頻繁に整備が必要なものにしている。
【0013】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第102007027110号明細書は、多結晶シリコン破片またはポリシリコン顆粒の包装のための装置であって、円形回転装置(Rundlaeufer)、充填装置および閉鎖装置、または充填ステーションおよび閉鎖ステーションを備えた非円形に配置された装置を有しており、該装置内で、PEバッグが把持システムに懸吊されていて、ステーションからステーションへと規則的に運動させられる形式のものにおいて、充填ステーションが、汚染の少ない非金属製の材料から成る懸吊されたエネルギ吸収体を有しており、エネルギ吸収体は、PEバッグにポリシリコンを充填する前にPEバッグ内に導入され、ポリシリコンでPEバッグを充填した後にPEバッグから取り出され、充填されたPEバッグは、把持システムにより閉鎖ステーション内へさらに搬送され、該搬送ステーションにおいて閉鎖することを特徴とする、多結晶シリコン破片またはポリシリコン顆粒の包装のための装置を開示している。
【0014】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第102007027110号明細書には、多結晶シリコンを包装する方法であって、多結晶シリコンを、充填装置を用いて自由に懸吊された成形済みのバッグ内に充填し、次いで充填されたバッグを閉鎖する、多結晶シリコンを包装する方法であって、バッグが、10〜1000μmの肉厚を有する高純度のプラスチックから成ることを特徴とする方法も記載されている。多結晶シリコンを充填され、閉鎖されたプラスチックバッグを、ポリエチレン(PE)から成る、10〜1000μmの肉厚を有する別のプラスチックバッグ内に導入し、この第2のプラスチックバッグを閉鎖すると有利である。
【0015】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第102007027110号明細書によれば、ポリシリコンは、包装前にまず小分けされ、重さを量られる。この場合、ポリシリコン破片の小分けおよび秤量は、公知先行技術から公知の手動または自動的な方法によって行われる。自動的な小分けに関して、欧州特許第1334907号明細書から公知の装置が挙げられる。しかし、この装置は、上述の欠点を有している。
【0016】
半導体産業に用いられるポリシリコン破片のための、+/−1%よりも小さな、要求された高い秤量精度を達成するために、クラス100のクリーンルーム内での、清浄化されたポリシリコン破片の、作業員に負担のかかる手作業による包装が必要となる。この場合、表面にいかなる金属的な汚染も有しない清浄化されたポリシリコン破片が、高純度の手袋、たとえば高純度の繊維手袋、PU手袋もしくはPE手袋を用いて、清浄化が行われたプロセス容器から取り出され、PE二重バッグ内に導入される。しかし、手袋による接触時には、手袋の摩擦により、かつ作業者による一般的な取扱いにより、ポリシリコン破片上のプラスチック粒子および金属粒子の含有量が増加する。しかし、この手作業による方法は、電子産業のための金属表面値に関する純度要求を満たしている。
【0017】
さらに、充填され溶接されたPEバッグを後秤量することによる自動的な重量補正(Gewichtkorretur)が設けられている。過剰重量または過小重量の場合、該当するバッグを導出し、この場合、秤量誤差を有するバッグにおいて重量を手作業で補正し、ポリシリコンを場合によっては新ためて清浄化し、新しいバッグに詰め替え、溶接する。
【0018】
択一的には、空になる前および空になった後のプロセス容器の重量差を量る。この場合、+/−50gの重量差が存在すると、工程を自動的に停止し、作業員が手作業で補正を実施する。次いでPEバッグは充填される。
【0019】
PEバッグの溶接は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第102007027110号明細書によれば、ヒートシール溶接装置により行われる。ヒートシール溶接装置では、金属製の溶接ワイヤが非金属材料、たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)により被覆されている。
【0020】
このような方法では、しばしば折り目もしくは皺を有する溶接シームが形成されることが示された。これは、特に第2のバッグにおいて、50〜130mmのサイズの破片において頻繁に起こる。したがって、確実な取扱いおよび顧客への確実な搬送は常に保証されているわけではない。
【0021】
つまり、公知先行技術ではしばしば、必要となる正味重要公差を維持することができるように、頻繁にポリシリコンの手作業による重量補正または手作業による包装が行われる。自動的な配量装置は、機械的に不安定であることが判った。第2のバッグの皺のない溶接は、公知先行技術により公知の方法では達成されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】欧州特許第1645333号明細書(特開2006−192423号公報)
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許出願公開第3640520号明細書
【特許文献3】欧州特許第1334907号明細書(特開2003−237722号公報)
【特許文献4】米国特許第4813205号明細書(特開 昭63−148130号公報)
【特許文献5】ドイツ連邦共和国特許出願公開第102007027110号明細書(特表2010ー528955号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の課題は、上記公知先行技術における問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の課題は、ポリシリコン破片を配量し包装するための方法において、ポリシリコン破片の製品流を、搬送トラフ(搬送路)を介して搬送し、少なくとも1つの篩を用いて粗い破片と微細な破片とに分離し、配量秤量機を用いて秤量し、目標重量にまで配量し、排出トラフ(排出路)を介して導出し、包装ユニットへと搬送し、該包装ユニットにおいて、ポリシリコン破片を第1のプラスチックバッグに充填し、該第1のプラスチックバッグを閉鎖し、ポリシリコン破片を有する該プラスチックバッグを、成形機を用いて成形した別のプラスチックバッグ内に包装し、次いで該別のプラチックバッグを溶接し、少なくとも1つの篩と、配量秤量機とが、表面に少なくとも部分的に硬質合金を有しており、プラスチックバッグを成形する成形機が、耐摩耗性のコーティングを有していることを特徴とする方法により解決される。
【0025】
さらに本発明の課題は、ポリシリコン破片を配量するための装置に用いられる配量ユニットであって、ポリシリコン破片の製品流を搬送するために適した搬送トラフと、前記製品流を粗いポリシリコン破片と微細なポリシリコン破片とに分離するために適した少なくとも1つの篩と、粗いポリシリコン破片のための粗配量トラフと、微細なポリシリコン破片のための微配量トラフと、配量重量を規定するための配量秤量機とが設けられており、少なくとも1つの篩と、配量秤量機とが、表面に少なくとも部分的に硬質合金を有していることを特徴とする、ポリシリコン破片を配量するための装置に用いられる配量ユニットにより解決される。
【0026】
さらに本発明の課題は、ポリシリコン破片を包装するための装置に用いられる包装ユニットであって、高純度のプラスチックフィルムからプラスチックバッグを成形するために適した成形機と、プラスチックバッグを閉鎖するための装置とが設けられており、前記プラスチックバッグを成形するための成形機が、耐摩耗性のコーティングを有していることを特徴とする包装ユニットにより解決される。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る配量ユニットは、ポリシリコン破片を配量(計量供給)し包装するための装置の一部である。
【0028】
配量ユニットは、規定されたサイズクラス(寸法等級)のポリシリコン破片を、包装の前にできるだけ正確に配量するために働く。
【0029】
たとえば、配量ユニットにより、正確に10kgのポリシリコン破片を量り、配量することが望ましい。
【0030】
製品の流れを、粗い部分と微細な部分とに分離することによって、ポリシリコンの正確な配量が可能である。
【0031】
秤量された量のポリシリコン破片は、配量後および場合によっては行われる清浄ステップの後に、少なくとも1つのフィルムバッグ内に包装される。
【0032】
有利には、配量ユニットは、粗配量トラフ内に旋回進入可能な微細成分シュートを有している。
【0033】
配量ユニットは、最初の製品流の破片を、粗配量トラフおよび微配量トラフ内へと分離するために適した少なくとも1つの篩、有利には、ロッド状の篩を有している。
【0034】
有利には、配量ユニットは2つの篩、たとえばロッド状の篩を有している。
【0035】
粗いもしくは比較的大きなポリシリコン破片は、粗配量トラフ内に搬送される。
【0036】
微細なもしくは比較的小さなポリシリコン破片は、微配量トラフ内に搬送される。
【0037】
出発製品流内のポリシリコン破片のサイズ分布は、特に、先行の粉砕プロセスに依存する。粗大な破片と微細な破片とへの分配の種類および粗大な破片もしくは微細な破片のサイズは、配量または包装されるべき所望の最終製品に依存する。典型的な破片サイズ分布は、50〜130mmのサイズの破片を有している。
【0038】
たとえば、規定されたサイズを下回る破片は、排出トラフに結合された篩によって配量ユニットから排出される。これによって、規定されたサイズクラスの破片だけを配量することを実施することができる。
【0039】
排出されたより小さな破片は、後続のプロセスにおいて改めて分級され、配量され、包装されるか、または別の用途に供給される。
【0040】
有利には、配量ユニットは、微細成分シュートを有している。この微細成分シュートは、旋回進入可能に形成されていてよい。微細成分シュートは、所望の目標製品(破片サイズ分布)に応じて使用され、これにより微細成分を篩い出し、微配量のための製品流から分離することができる。
【0041】
両配量トラフを介したポリシリコンの配量は、自動化され得る。
【0042】
本発明にとって重要なのは、篩および配量秤量機のための硬質合金エレメントの使用である。
【0043】
欧州特許第1334907号明細書とは対照的に、シリコン破片と接触する全ての部分がシリコンまたはプラスチックにより被覆されているわけではない。
【0044】
少なくとも篩および配量秤量機の表面は、少なくとも部分的に硬質合金を有している。
【0045】
硬質合金とは、焼結されたカーバイド硬質合金であると理解され得る。従来のタングステンカーバイトベースの硬質合金の他に、チタンカーバイドおよびチタンナイトライドのみを硬質材料として含む硬質合金もあり、この場合、バインダ相はニッケル、コバルトおよびモリブデンを有している。これらを使用することも、本発明に係る方法の枠内では有利である。
【0046】
篩および配量秤量機の、少なくとも機械的に負荷される、摩耗に敏感な表面領域が、硬質合金を有していると有利である。
【0047】
少なくとも1つの篩が完全に硬質合金から製造されていると有利である。
【0048】
篩および配量秤量機は、部分的にまたは全面的にコーティング備えていてよい。コーティングとし、有利には、チタンナイトライド、チタンカーバイド、アルミニウムチタンナイトライドおよびDLC(ダイヤモンドライクカーボン)から成る群から選択された材料が使用される。
【0049】
硬質合金エレメントの使用は、配量ユニットの機械的な安定性を改善することが示された。
【0050】
さらに、配量ユニットの整備インターバルが著しく拡大する。なぜならば、硬質合金エレメントは、公知先行技術で使用されているシリコン被覆およびプラスチック被覆よりも摩滅が少ないからである。
【0051】
意想外にも、硬質合金の使用によるシリコンの汚染は、シリコン外装およびプラスチック外装の使用に比べて、著しくは高められないことが示された。このことは特に、タングステンおよびコバルトによる汚染に関する。
【0052】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3640520号明細書では配量のために撹拌装置および配量スクリューコンベアを使用し、米国特許第4813205号明細書では正確な配量を、予め充填された容器の排出により達成しようとされていたのに対して、本発明に係る配量ユニットは、単純な線形駆動装置で十分である。
【0053】
本発明による装置は、1〜150mmの辺長さおよび0.1〜600gの重量を有するポリシリコン破片を、+/−90gの精度で10kgに正確に配量するために適している。
【0054】
さらに配量ユニットは、調整された旋回トラフを介して、シリコン製品流を複数の配量システムおよび包装システムに分配することを可能にし、ひいては複数の配量システムの組合せを可能にする。プラスチックバッグは、出発製品で充填され、配量および秤量後に種々異なる包装機械へと搬送される。
【0055】
配量システムは、分離機構(篩)を有している。この分離機構は、比較的小さな不都合な製品サイズを篩い分け、次いでこれらを前置されたプロセス(篩分けおよび分級)に供給する。
【0056】
本発明の課題は、ポリシリコン破片を包装するための装置に用いられる包装ユニットであって、高純度のプラスチックフィルムからプラスチックバッグを成形するために適した成形機と、プラスチックバッグを閉鎖するための装置とが設けられており、前記プラスチックバッグを成形するための成形機が、耐摩耗性のコーティングを有していることを特徴とする包装ユニットによっても解決される。
【0057】
成形機の、耐摩耗性のコーティングとして、有利には、チタンナイトライド、チタンカーバイド、アルミニウムチタンナイトライドおよびDLC(ダイヤモンドライクカーボン)から成る群から選択された材料が使用されると有利である。
【0058】
上記の包装ユニットの構造は、原理的には垂直形の包装機械の構造に一致する、つまりポリシリコンが上方からプラスチックバッグ内に導入されると有利である。
【0059】
有利には、本発明に係る配量ユニットを用いたポリシリコンの正確な配量後に、ポリシリコンは、成形機により成形されたプラスチックバッグ内に垂直方向に導入される。次いでプラスチックバッグは閉鎖される。
【0060】
ポリシリコンの導入およびプラスチックバッグの溶接は、欧州特許第1334907号明細書による装置と同様に行われる。しかしこの場合、欧州特許第1334907号明細書に記載された充填装置が、シリコンまたはプラスチックで被覆されているのに対して、本発明に係る包装ユニットの成形機は、耐摩耗性のコーティングを有している。
【0061】
このために適した充填装置も、ドイツ連邦共和国特許出願公開第102007027110号明細書と同様に、自由に懸吊されたエネルギ吸収器を有していてよい。エネルギ吸収器は、多結晶シリコンの装入前にプラスチックインナーバッグ内へ導入される。エネルギ吸収器を介して、多結晶シリコンは、プラスチックバッグ内に装入される。次いで自由に懸吊されたエネルギ吸収器は、ポリシリコンを充填されたプラスチックバッグから取り除かれ、プラスチックバッグは閉鎖される。
【0062】
第1のプラスチックバッグの閉鎖は、たとえば溶接、接着または形状接続、つまり形状による束縛に基づく接続により行われてよい。プラスチックバッグの閉鎖が溶接により行われると有利である。
【0063】
溶接前に、平坦な空気の少ないバッグが形成されるまで、バッグから空気が吸い出されると有利である。
【0064】
包装前に、ポリシリコンはまず小分けされ、重さを量られる。この場合、ポリシリコン破片の小分け及び秤量は、本発明に係る配量ユニットを用いて行われる。
【0065】
インナーバッグ(内袋)は、理想的には、100−500μmの厚さを有するプラスチックフィルムから成っている。
【0066】
プラスチックとして、PE−LD、PE−LLDまたはPE−HDから成るモノフィルムが使用されると有利である。インフレーション法またはキャスティング法から成る多層フィルムも同様に可能である。
【0067】
インナーバッグは、一重、二重または三重の溶接シームを、頂部、底部および長手方向のシール部に備えていてよい。
【0068】
成形機の耐摩耗性のコーティングは、バッグ内側の汚染を阻止する。
【0069】
シリコンを通常のように2つのバッグ内に包装するためには、第2の包装ユニットが必要となる。
【0070】
本発明によれば、第2のバッグによる包装は、今度は水平方向の構造を有する上記の包装ユニットで行われる。
【0071】
第2のプラスチックバッグは、搬送トラフまたは別の適当な搬送ユニットを用いて、ポリシリコンを含む既に閉鎖された第1のプラスチックバッグが、水平方向で第2のプラスチックバッグ内に導入される間に成形される。次いで、この第2のプラスチックバッグは閉じられる。
【0072】
水平方向での包装により、垂直方向の包装機械において頻繁に観察されるような摩耗と、大きなシリコン破片による突破とを回避することができる。
【0073】
チューブ前成形機、または空気吹込み部、またはフィルムスプレッダ(spreader:拡張機)を用いて、または特に有利にはこれらの組合せにより、バッグの皺のない成形が達成される。
【0074】
フィルムスプレッダの箇所では、駆動されるプラスチック小型ホイールまたは金属クランプが使用され得る。
【0075】
長手方向でシールされ、水平方向に配置された成形されたフィルムチューブは、有利には、下方および上方から配置される成形管により平坦に押圧される。
【0076】
ポリシリコンの、プラスチックバッグへの充填後に、プラスチックバッグは有利には2つの成形ジョーにより溶接される。
【0077】
閉鎖装置/閉鎖ステーションは、有利には溶接装置であり、特に有利には、加熱された溶接ワイヤをベースとするヒートシール溶接機であり、この溶接ワイヤは有利には非金属製の材料、たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で被覆されている。
【0078】
上述の手段をなくしては、大きなシリコン破片(50−130mm)の場合に、皺のない横方向シールは不可能であることが判った。
【0079】
択一的には、皺のない溶接シームは、搬送ベルトもしくは搬送ユニットを、横方向の溶接ジョーの後方で降下させることによっても達成され得る。
【0080】
このためには、横方向の溶接ジョーを閉じる直前に搬送ベルトを、インナーバッグがアウタバッグ(外袋)内で既に製造された溶接シームにまで滑動することができるほど、降下させる必要がある。
【0081】
これによって、フィルムチューブは、溶接ジョーの縁部にわたって引っ張られ、皺のない溶接シームが生じる。
【0082】
付加的には、アウタバッグを、インナーバッグの規定された位置により、上記の変化形態におけるよりも短くすることもできる。
【0083】
アウタバッグは、有利には同様に、フラットウェブ製造により上記のプラスチックフィルムの1つから成っている。
【0084】
このアウタバッグは、二次的な包装機械により成形され、同じく一重、二重または三重の溶接シームでシールされる。溶接シームにわたって、包装機械からのより容易な取出しのためのグリップ孔が打抜き加工されてもよい。
【0085】
包装機械は、対称的なフィンシーリングのためのフィルムの一致した位置調節のために、自動的な制御部を有していてよい。
【0086】
インナーバッグおよびアウタバッグ上に、製品ラベルを施与することができる。
【0087】
このラベルは、バーコードまたはデータマトリクスを印字されていてよい。
【0088】
REIDラベルの使用も同様に可能である。
【0089】
付加的には、ラベルはいわゆる摘み舌片を有していてよく、この摘み舌片によりラベルを簡単に取り除くことができる。
【0090】
本発明に係る方法では、第1には、大きなシリコン破片(50−130mm)を所望の公差内で配量することを可能にする。
【0091】
このことは、種々異なる配量モードにおいて重量および時間的な経過を介して制御される配量経路により達成され得る。
【0092】
この場合、たとえば配量秤量機において、硬質合金被覆を設けることが本発明で重要であると判った。
【0093】
特に適合された篩ジオメトリ(幾何学形状)を用いた不都合な微細な材料の分離は、特に有利である。
【0094】
本発明に係る方法は、公知先行技術による方法に比べて著しく簡単である。
【0095】
従来、正確な配量は予め充填された容器を秤量し、次いで組み合わせることにより行われてきた。これに対して本発明に係る方法は、唯1つの貯蔵容器で実施することができ、配量に関しては、材料を粗配量製品流と微配量製品流とへ分離するために役立つ。
【0096】
公知先行技術において部分的に使用されるような撹拌装置または配量スクリューは必要とならない。
【0097】
全ての篩の、製品に接触する部分は、有利には硬質合金から製造されている。
【0098】
硬質合金の有利な選択により、タングステンおよびコバルトによる表面的な製品汚染は、シリコン被覆およびプラスチック被覆の場合に比べて著しく高くなることはない。
【0099】
しかし、硬質合金部分摩耗がより少ないと有利である。
【0100】
材料分配は、有利には容量または重力的な入力パラメータを介して制御される制御部を介して行われる。
【0101】
この制御部により、製品流を一定に供給し、相応する個数の配量システムおよび包装システムに分配することが可能である。
【0102】
製造停止状態時に、相応するモジュールは作動しない。
【0103】
正確な配量を達成するための入力パラメータは、所定の制御アルゴリズムを介して予め規定されることが望ましい。
【0104】
本発明に係る方法において、高いコスト節約性を実現することができるので特に有利である。それというのは、本発明による方法でなければ、不都合な微細な材料がさらに処理され得るからである。
【0105】
本方法は、1%よりも少ない誤差率を有するポリシリコンの正確な配量を可能にする。
【0106】
使用された硬質合金の硬さにより、シリコン被覆された被覆部分の交換インターバルの省略によるさらなるコスト節減が実現され得る。
【0107】
アウタバッグは、皺なしに溶接されるので、このことはプロセス確実性を高める。
【0108】
以下に本発明を図1〜図3につき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】正確な配量およびより小さな不都合な製品サイズの分離のための装置を示す概略図である。
【図2】皺のないフィルム溶接のための水平方向の包装機械を示す概略図である。
【図3】皺のないフィルム溶接のための水平方向の包装機械を示す別の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0110】
図1は、正確な配量(計量供給)と、より小さな不都合な製品サイズの分離のための装置とを概略的に示している。
【0111】
シーメンス法により製造されたシリコンロッドの破砕により得られたポリシリコン破片は、供給トラフ1内に供給される。
【0112】
ポリシリコン破片は、1〜150mmまたはそれ以上の、種々異なるサイズクラスにある。
【0113】
ロッド状篩2により、ポリシリコン破片は2つの製品流に分離される。すなわち、微配量(Feindosierung:精密な計量供給)のための、より小さな、もしくはより軽量の破片を有する製品流と、粗配量(Grobdosierung:粗い計量供給)のための、より大きな、もしくはより重い破片を有する製品流とに分離される。ロッド状篩2は、硬質合金から成っている。
【0114】
3は、硬質合金エレメントを示している。
【0115】
41は、任意の微細成分シュートを示している。この微細成分シュート41は、旋回進入可能である。所望の目標製品(破片サイズ分布)に応じて、この微細成分シュート41を使用して、微細成分を篩い出し、製品流から微配量のために分離させることができる。
【0116】
42は、製品流の、篩い出されなかった部分を粗配量トラフ51内に案内するためのエレメントである。
【0117】
51は、粗配量トラフの後側部分を示している。この後側部分では、粗配量のための製品流が運動する。
【0118】
52は、微配量トラフの後側部分を示している。
【0119】
6は、より小さな不都合な破片サイズを分離するためのロッド状篩を示している。
【0120】
7は、ロッド状の篩6によって分離されたより小さな破片サイズを搬出するための排出トラフを示している。このより小さな破片サイズは再び処理され得る。
【0121】
81は、粗配量トラフの前側部分を示している。82は、微配量トラフの前側部分を示している。
【0122】
9は、配量秤量機である。
【0123】
配量秤量機により、配量トラフにより搬送されたポリシリコン破片が秤量されて、たとえば10kgの目標重量にされる。
【0124】
図2および図3は、皺のないフィルム溶接のための水平方向の包装機械を示す2つの概略図である。
【0125】
10は、ポリシリコン破片をプラスチックフィルム内に閉じるための包装機械内の横方向溶接ジョーである。
【0126】
11は、フィルムチューブである。
【0127】
フィルムチューブは、上側のチューブ前成形機131および下側のチューブ前成形機132を用いて所望の形状にもたらされる。
【0128】
14は、フィルムスプレッダである。
【0129】
フィルムチューブは、空気吹込み部12を介して吹き広げられる。
【0130】
15は、フィルムスプレッダを戻すための戻しエレメント(たとえば、ばね)である。
【0131】
16は、包装されるべき製品を示している。
【符号の説明】
【0132】
1 装入トラフ
2 ロッド状篩
3 硬質合金エレメント
41 旋回可能な微細成分シュート(目標製品による)
42 製品流から篩い出されなかった部分を粗配量トラフに案内するためのエレメント
51 粗配量トラフ 後側
52 微配量トラフ 後側
6 より小さな不都合な製品サイズを分離するための交換可能なロッド状篩
6 前置の製造プロセスで再処理するための排出トラフ
81 粗配量トラフ 前側
82 微配量トラフ 前側
9 配量秤量機
10 横方向の溶接ジョー
11 フィルムチューブ
12 空気吹込み部
131 チューブ前成形機(上)
132 チューブ前成形機(下)
14 フィルムスプレッダ
15 戻しエレメント
16 製品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリシリコン破片を配量するための装置に用いられる配量ユニットであって、ポリシリコン破片の製品流を搬送するために適した搬送トラフと、前記製品流を粗いポリシリコン破片と微細なポリシリコン破片とに分離するために適した少なくとも1つの篩と、粗いポリシリコン破片のための粗配量トラフと、微細なポリシリコン破片のための微配量トラフと、配量重量を規定するための配量秤量機とが設けられており、少なくとも1つの篩と、配量秤量機とが、表面に少なくとも部分的に硬質合金を有していることを特徴とする、ポリシリコン破片を配量するための装置に用いられる配量ユニット。
【請求項2】
ポリシリコン破片を配量ユニットから導出するための少なくとも1つの排出トラフが設けられている、請求項1記載の配量ユニット。
【請求項3】
ポリシリコン破片を包装するための装置に用いられる包装ユニットであって、高純度のプラスチックフィルムからプラスチックバッグを成形するために適した成形機と、プラスチックバッグを閉鎖するための装置とが設けられており、前記プラスチックバッグを成形するための成形機が、耐摩耗性のコーティングを有していることを特徴とする、ポリシリコン破片を包装するための装置に用いられる包装ユニット。
【請求項4】
成形機の耐摩耗性のコーティングが、チタンナイトライド、チタンカーバイド、アルミニウムチタンナイトライドおよびDLCから成る群から選択される、請求項3記載の包装ユニット。
【請求項5】
包装ユニットが、プラスチックバッグの皺のない成形のために、チューブ前成形機、フィルムスプレッダまたはプラスチックバッグ内に空気を吹き込むために適した装置、またはこれら3つのエレメントの組合せを有している、請求項3または4記載の包装ユニット。
【請求項6】
プラスチックバッグの閉鎖のための装置が、溶接装置である、請求項3から5までのいずれか1項記載の包装ユニット。
【請求項7】
ポリシリコン破片を配量し包装するための装置であって、請求項1または2記載の配量ユニットと、請求項3から6までのいずれか1項記載の包装ユニットとを有することを特徴とする、ポリシリコン破片を配量し包装するための装置。
【請求項8】
ポリシリコン破片を配量し包装するための方法において、ポリシリコン破片の製品流を、搬送トラフを介して搬送し、少なくとも1つの篩を用いて粗い破片と微細な破片とに分離し、配量秤量機を用いて秤量し、目標重量にまで配量し、排出トラフを介して導出し、包装ユニットへと搬送し、該包装ユニットにおいて、ポリシリコン破片を第1のプラスチックバッグに充填し、該第1のプラスチックバッグを閉鎖し、ポリシリコン破片を有する該プラスチックバッグを、成形機を用いて成形した別のプラスチックバッグ内に包装し、次いで該別のプラチックバッグを溶接し、少なくとも1つの篩と、配量秤量機とが、表面に少なくとも部分的に硬質合金を有しており、プラスチックバッグを成形する成形機が、耐摩耗性のコーティングを有していることを特徴とする、ポリシリコン破片を配量し包装するための方法。
【請求項9】
ポリシリコンを垂直方向で第1のプラスチックバッグ内に導入する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
第1のプラスチックバッグを水平方向で第2のプラスチックバッグ内に導入する、請求項8または9記載の方法。
【請求項11】
成形機の耐摩耗性のコーティングを、チタンナイトライド、チタンカーバイド、アルミニウムチタンナイトライドおよびDLCから成る群から選択する、請求項8から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
プラスチックバッグの皺のない成形のために、チューブ前成形機、フィルムスプレッダまたはプラスチックバッグ内に空気を吹き込むために適した装置、またはこれら3つのエレメントの組合せを使用する、請求項8から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
ポリシリコン破片の製品流に含まれる、包装されないことが望ましい微細な材料を、篩を用いて製品流から分離し、製造プロセス内で再処理する、請求項8から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
成形され水平方向に配置されたフィルムチューブを下方および上方から配置された成形管により平坦に押圧する、請求項10から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
第2のプラスチックバッグを、搬送ベルト上で2つの溶接ジョーを用いて溶接し、第1のプラスチックバッグが第2のプラスチックバッグ内で既に形成された溶接シームにまで滑動するまで搬送ベルトを降下させ、次いで溶接ジョーを閉じる、請求項10から14までのいずれか1項記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−168175(P2012−168175A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−25508(P2012−25508)
【出願日】平成24年2月8日(2012.2.8)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】