説明

ポンプ設備

【課題】内部にサイホンを形成するサイホン配管をポンプ吐出側に接続したポンプ設備において、維持管理性、経済性及び信頼性を向上させたポンプ設備を提供する。
【解決手段】内部にサイホンを形成するサイホン配管20をポンプ18の吐出側に接続したポンプ設備において、サイホン配管20の頂部に配置される頂部配管30に設けたサイホンブレーク用配管40を頂部配管30の内部に張出させ、該サイホンブレーク用配管40の下端に空気流出部64を取付けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプの吐出側に接続されるサイホン配管内にサイホンを形成させて運転を行うポンプ設備に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ主配管に吐出弁等の弁類を設置する必要をなくして、簡素化を図ったポンプ設備として、ポンプの吐出側に接続されるサイホン配管内にサイホンを形成させて運転を行うポンプ設備(サイホン型ポンプ設備)が知られている。
【0003】
図1は、この種の従来の一般的なポンプ設備を示す。図1に示すように、ポンプ設備は、駆動機10の駆動に伴うインペラ12の回転で吸込水槽14内の水16の揚水を行うポンプ18を備えている。ポンプ18の吐出口には、サイホン配管20の一端が接続され、サイホン配管20の開口端22は、吐出水槽24の内部に位置して、吐出水槽24内に溜められた水26の中に没するようになっている。
【0004】
サイホン配管20は、垂直に立上る立上り配管28、頂部で水平に延びる頂部配管30、垂直に垂下する垂下配管32、立上り配管28と頂部配管30を繋ぐ上流側エルボ配管34、及び頂部配管30と垂下配管32とを繋ぐ下流側エルボ配管36を有しており、頂部配管30の頂部に、運転停止時にサイホン配管20の内部に空気を導入してサイホンを破壊することで、吸込水槽14側への逆流を防止するサイホンブレーカ38が設けられている。このサイホンブレーカ38は、頂部配管30に連通するサイホンブレーク用配管40と該配管40を開閉する電動弁等からなる開閉弁42とを有している。
【0005】
頂部配管30としては、図2(a)に示すように、汎用性のある横断面の円形の円管が一般に使用されているが、特に管径(=ポンプ口径)が1000mm以上の比較的大きなポンプ設備においては、管頂レベルPTLを少しでも低くして、土木建築駆体の省スペース化、低コスト化等を図るため、図2(b)に示すように、円管とほぼ同じ面積を有する扁平した矩形管を使用することも広く行われている。
【0006】
なお、この例では、設備を簡素化するため、ポンプ18の自己サイホン運転(一時的に実揚程がサイホン配管の略頂部となる運転)によってサイホン配管20内にサイホンを形成するようにしているが、真空ポンプによりサイホン配管20内に水を満たして運転する方法も行われている。また、垂下配管32の下に下方に向けて徐々に拡がる末広管44を連結し、これによって、放流損失(v/2g)を少なくして、損失水頭が少なくなるようにしているが、末広管の代わりに直管を使用する場合もある。
【0007】
このポンプ設備にあっては、吸込水槽14が所定の水位に達した時等に、駆動機10を駆動することでポンプ18のインペラ12を回転させ、吸込水槽14内の水16を、サイホン配管20を通して、吐出水槽24内に揚水する。サイホン配管20のサイホン形成時における実揚程Haは、吐出水位と吸込水位との差になる。また、サイホン配管20におけるサイホン非形成時(形成過程時)は、サイホン配管20の上部までポンプ18によって押し上げられた水が越流していくので、その時の実揚程Hbは、サイホン配管20の頂部越流水面と吸込水位との差となる。
【0008】
従来のサイホンを形成させて運転を行うポンプ設備のポンプ始動初期(=サイホン非形成時)は、実揚程の高い運転、つまり小水量運転状態にあり、管内流速が遅く、サイホン配管20内の空気を連行しにくい状態にある。そして、ポンプ始動後、頂部配管30の管内水位が上昇し、図3に示すように、管内水位レベルWLが高くなって管頂レベルPTL(図1参照)の近くに達する。このような状態においては、管内の水流表面が穏やかな流れとなり、頂部配管30内に残留した空気を水流が巻き込みにくくなる。このため、最終的に管内空気が全て排出されてサイホンを形成するまでに5〜10分程度と長い時間を要してしまう。このようにサイホン形成に長時間を要すると、急激な流入を伴う排水機場においては、サイホンが形成され、ポンプが定格(規定)の排水運転を行うまでの小水量運転時間(始動時間)により排水が間に合わず、浸水被害を及ぼす危険性があり、少しでも早いサイホン形成(=定格排水量での運転)が強く求められている。
【0009】
ここで、開水路(大気と接触する面を有する)流れの水流表面状態は、下記のフルード数Frにより判断できる。
Fr=V/(gh)1/2
ここに、V:平均流速、g:重力加速度、h:水深(水理学的水深)
【0010】
このフルード数Frは、その値が0に近いほど穏やかな表面流れになる。このため、図3に示すように、完全サイホン形成前の頂部配管30内の水深hが大きな状態は、フルード数Frの値が小さくなって水流表面が穏やかな流れ状態となる。このため、頂部配管30内に残留した空気を水流が巻き込みにくくなる。
【0011】
また、前述のように、簡素化のため吐出弁を省略した場合、ポンプによるサイホン運転後、ポンプを停止した時に、サイホン配管に空気を注入してサイホンブレークを確実に行わなければ、吐出河川水等が吸水槽に逆流し、浸水被害をもたらす危険性があり、確実なサイホンブレークによる信頼性の確保が強く求められている。
【0012】
通常、サイホンブレーカ38のサイホンブレーク用配管40は頂部配管30に連通して設けられ、電動弁等の開閉弁42によりサイホンブレーク用配管40を開閉制御することで、ポンプ停止時にサイホン配管20内のサイホンをブレークしてポンプ停止時の逆流を防止しているが、サイホンブレーク用配管は一般に単数であり、また、サイホンブレーク用配管への塵芥の付着等の恐れがあるため信頼性に問題があった。サイホンブレーカ38を複数設置するなどの対策も取られるが、このようにサイホンブレーカ38を複数設置すると、設置費用が大きくなり、しかも維持管理機器が増えてしまうという課題があった。
【0013】
このようなサイホン運転を行うポンプ設備の課題を解決するため、吐出配管(サイホン配管)の頂部付近に位置して吐出配管内流路を二経路に仕切る仕切板を設けるとともに、吐出配管の仕切板の上流側に位置して噴流設備を設け、噴流設備の噴流による水流を仕切板で仕切られた一流路に導いて流速を上げることで、サイホン形成時間を短縮するようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。しかし、この場合、噴流設備が別途必要になるとともに、吐出管路内に仕切板を設置する必要があって、設備費(噴流設備+吐出管費用)が高価となるばかりでなく、仕切板への塵芥の絡み付きの懸念が考えられる。仕切板に塵芥が絡み付くと、吐出配管の閉塞等、ポンプの送水機能に影響を与える可能性がある。
【0014】
また、サイホン管の頂上部と下降部分に位置する管の内壁(下面)に流動抵抗機能を有する階段状の形状や突起物を設けることで、サイホン形成時間を短縮するようにしたものが提案されている(特許文献2参照)。しかし、この場合、サイホン管が特殊仕様となって高価となるばかりでなく、流動抵抗機能を有する階段状の形状や突起物に塵芥堆積したり絡み付いてしまうという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平05−288200号公報
【特許文献2】特開2001−208000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、内部にサイホンを形成するサイホン配管をポンプ吐出側に接続したポンプ設備において、維持管理性、経済性及び信頼性を向上させたポンプ設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1に記載の発明は、内部にサイホンを形成するサイホン配管をポンプ吐出側に接続したポンプ設備において、前記サイホン配管の頂部に配置される頂部配管に設けたサイホンブレーク用配管を前記頂部配管の内部に張出させ、該サイホンブレーク用配管の下端に空気流出部を取付けたことを特徴とするポンプ設備である。
【0018】
このように、サイホンブレーク用配管の下部の空気流出部を頂部配管の内部に張出させて設けることにより、頂部配管の内部に張出した空気流出部の下流に渦(カルマン渦)を発生させて表面水流を乱し、これによって、頂部配管内に残留する空気を水流に巻き込みやすくすることができる。つまり、完全サイホンを形成するまでの時間を短縮でき、排水遅れによる浸水被害を防止することが可能となって、経済性が優れ、信頼性の高いポンプ設備とすることが出来る。
【0019】
請求項2に記載の発明は、前記空気流出部を略平板状の板材で形成し、該板材を水流に対し並行に配設したことを特徴とする請求項1記載のポンプ設備である。
このように、空気流出部を略平板状の板材で形成して該板材を水流に対し並行に配設することにより、布切れ等の長物の塵芥が板体(張出し部)に巻き付いて空気流出部を閉塞することを防止して、ポンプ停止時に、確実にサイホンが切れる状態を作ることができる。これにより、サイホンブレーク失敗による逆流の恐れがない信頼性の高いポンプ設備とすることができる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、前記空気流出部を形成する板材に複数の空気流出口を設けたことを特徴とする請求項1または2記載のポンプ設備である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、内部にサイホンを形成するサイホン配管をポンプ吐出側に接続したポンプ設備において、維持管理性、経済性及び信頼性を向上させたポンプ設備を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来のポンプ設備を示す概要図である。
【図2】(a)は、図1のA−A線断面図で、(b)は、他の例の(a)相当図である。
【図3】管内水位レベルが上がった状態における図1の要部を示す図である。
【図4】他のポンプ設備を示す概要図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】更に他のポンプ設備を示す概要図である。
【図7】図6のC−C線断面図である。
【図8】更に他のポンプ設備における頂部配管の断面図である。
【図9】更に他のポンプ設備における頂部配管のそれぞれ異なる断面図である。
【図10】本発明の実施形態のポンプ設備を示す概要図である。
【図11】図10のA部拡大図である。
【図12】更に他のポンプ設備を示す概要図である。
【図13】(a)は、図12に示すポンプ設備の頂部配管の左側面面、(b)は、同じく平面図、(c)は、同じく右側面図である。
【図14】(a)は、他の頂部配管の左側面面、(b)は、同じく平面図、(c)は、同じく右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明のポンプ設備を図面を参照して説明する。なお、図1乃至図14において、同一または相当する部材には、同一符号を付して重複した説明を省略する。
【0024】
図4及び図5は、他のポンプ設備を示す。この図4及び図5に示すポンプ設備の図1乃至図3に示す例と異なる点は、サイホン配管20の頂部に水平に配置されてサイホン配管20の一部を構成する頂部配管30として、図5に示すように、角部のない横断面楕円状の楕円管50を該楕円の長軸を水平にして使用している点にある。つまり、この頂部配管30を構成する楕円管50は、上面と両側面、及び下面と両側面をそれぞれ曲率半径rの曲線で構成される曲面でそれぞれ結ぶことで、角部を無くしている。更に、立上り配管28と楕円管(頂部配管)50とを繋ぐ上流側エルボ配管34として、角部を有することなく、円管からなる立上り管28と楕円管50からなる頂部配管30とを滑らかに繋ぐ異形エルボ管52が使用されている。その他の構成は、図1乃至図3に示す例と同様である。
【0025】
この例によれば、頂部配管30として長軸を水平にした横断面楕円状の楕円管50を使用することで、頂部配管30として円管を使用した場合に比較して、フルード数Frの値を大きくし、しかも、ポンプ18のインペラ(羽根車)12を回転させて揚水する時にポンプ18からの旋回流成分が含まれる吐出水が、旋回流成分を伴ったまま楕円管(頂部配管)50内を流れるようにすることができる。これによって、管頂付近まで水位が達しても、旋回流成分により楕円管(頂部配管)50内に残留する空気を水流に巻き込んで吐出側に効率よく掃流して、完全サイホンを形成するまでに要する時間を短縮できる。
【0026】
図6及び図7は、更に他のポンプ設備を示す。この図6及び図7に示すポンプ設備の図1乃至図3に示す例と異なる点は、サイホン配管20の頂部に水平に配置されてサイホン配管20の一部を構成する頂部配管30として、図7に示すように、横断面矩形状の矩形管54を長辺側を水平にして使用し、更にこの頂部配管30を構成する矩形管54の下流側の約半分の領域から下流側エルボ配管36の流入口付近の内部にかけて、管断面を上下に分割する平板状の分離板56を水平にかつ、管断面中心より上方に設置した点にある。その他の構成は、図1乃至図3に示す例と同様である。
【0027】
この例によれば、完全サイホンが形成される直前の管内水位が高い状態にある時に、横断面矩形状の矩形管(頂部配管)54の内部に、分割板56を下面とした開水路と分割板56を上面とした閉水路を形成することができる。これによって、残留空気が残る管上方部においては、分離板56を下面とした水深が浅い開水路が形成され、通常の管路(分割板が無い管路)に比べ、フルード数Frの値を大きくして、表面水流を乱すことが可能となり、管頂付近まで水位が達しても、矩形管(頂部配管)54内に残留する空気を水流に巻き込んで吐出側に効率よく掃流して、完全サイホンを形成するまでに要する時間を短縮できる。また、分割板56を矩形管(頂部配管)54の管断面中心より上方に設置することにより、流速が遅い下面を流れる性質を有する塵芥が絡みにくくなり、より信頼性を高くすることが可能となる。
【0028】
また、この例によれば、サイホン配管20内にサイホンが形成された後、分割板56が整流板として機能する。このため、サイホン形成後の流れを安定させ、配管損失(損失水頭)の少ないポンプ設備とすることができる。
【0029】
なお、図8に示すように、頂部配管30として、角部のない横断面楕円状の楕円管50を該楕円の長軸を水平にして使用し、この楕円管(頂部配管)50の内部に、管断面を上下に分割する平板状の分離板56を水平に設置するようにしてもよい。
【0030】
図9(a)乃至図9(c)は、頂部配管30として横断面の断面幅が管中心よりも上方で最大となる異形管を使用した、それぞれ異なる頂部配管の断面を示す。すなわち、図9(a)は、頂部配管30として、上辺の方が下辺より長い横断面台形状の異形管58を、図9(b)は、頂部配管30として、角部のない横断面逆三角形状の異形管60を、図9(c)は、頂部配管30として、上部に下部よりも幅広な幅広部62aを有する異形管62をそれぞれ使用している。
【0031】
このように、頂部配管30として横断面の断面幅が管中心よりも上方で最大となる異形管を使用することにより、頂部配管30におけるフルード数Frの値を大きくして、表面水流を乱すことが可能となり、管頂付近まで水位が達しても、頂部配管内に残留する空気を巻き込んで吐出側に効率よく掃流出来るため、完全サイホンを形成するまでに要する時間を短縮できる。
【0032】
つまり、前述のように、フィード数Frは、
Fr=V/(gh)1/2
(V:平均流速、g:重力加速度、h:水深(水理学的水深))
で表される。
【0033】
ここで、水理学的水深hは、図9(a)乃至図9(c)に示すように、高さ方向に幅の異なる流路にあっては、流水断面積(a)を自由水面幅Tで除した値(h=a/T)である。つまり、たとえ同じ流水断面積の場合でも、自由水面幅Tが大きい方が、水理学的水深hは小さくなり、結果、フルード数Frが大きくなって、乱れた表面流を形成することが可能となる。
【0034】
図10及び図11は、本発明の実施形態のポンプ設備を示す。この図10及び図11に示す実施形態のポンプ設備の図1乃至図3に示す例と異なる点は、頂部配管30に連通してサイホンブレーカ38を構成するサイホンブレーク用配管40の下端に空気流出部64を頂部配管30の内部に張出させて設けた点にある。
【0035】
このように、サイホンブレーク用配管40の下部の空気流出部64を頂部配管30の内部に張出させて設けることにより、頂部配管30の内部に張出した空気流出部の下流に渦(カルマン渦)を発生させて表面水流を乱し、これによって、頂部配管30の内部に残存する空気を水流に巻き込みやすくすることができる。
【0036】
更に、この例では、空気流出部64を略平板状の板材66で形成し、この板材66を水流に対し並行に配設するとともに、この板材66に複数の空気流出口66aを設けている。
【0037】
このように、空気流出部64を略平板状の板材66で形成して該板材66を水流に対し並行に配設することにより、布切れ等の長物の塵芥が板体(張出し部)66に巻き付いて空気流出部64を閉塞することを防止して、ポンプ停止時に、確実にサイホンが切れる状態を作ることができる。これにより、サイホンブレーク失敗による逆流の恐れがない信頼性の高いポンプ設備とすることができる。
【0038】
しかも、板材66に複数の空気流出口66aを設けることにより、たとえシルト等の塵芥により空気流出口66aの一つが閉塞した場合でも、サイホンブレーク機能を確保することが可能となり、更に信頼性の高いポンプ設備とすることが出来る。
【0039】
図12及び図13は、更に他のポンプ設備を示す。この図12及び図13に示すポンプ設備の図1乃至図3に示す例と異なる点は、サイホン配管20の頂部に水平に配置されてサイホン配管20の一部を構成する頂部配管30として、流入口70aが円形で流出口70bが矩形の流路面積が徐々に増大する丸角管70を使用して、丸角管70からなる頂部配管30の横断面積を流体の流れ方向に沿って変化させている点にある。
【0040】
このように、頂部配管30として、横断面積を流体の流れ方向に沿って変化(増大)する丸角管70を使用することにより、丸角管(頂部配管)70に沿って流れる流体に渦流部を発生させて表面流を乱すことができる。この場合、頂部配管内に障害物(張出し部)を完全に無くすことができ、塵芥の多い場合などにおいても、ポンプ設備の信頼性を損なうことなく始動時間を短縮できる。
【0041】
なお、図14に示すように、円形状の流入部72aと流入部72aより断面積が大きな矩形状の流出部72bとの間の所定位置に丸角変更部72cを有する丸角管72を使用して、この丸角変更部72cに渦流部を発生させるようにしてもよい。
【0042】
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。例えば、ポンプが有する旋回流成分の有効利用、フルード数設計による表面水流の乱れ、張出し部または断面変化による表面水流の乱れ等、それぞれ違うアプローチの始動時間短縮効果を合わせて行うことにより、サイホン配管内の残留空気を巻き込んで連行(掃流)しやすくなり、相乗的に始動時間を短縮することが可能となる。
【符号の説明】
【0043】
10 駆動機
12 インペラ
14 吸水水槽
18 ポンプ
20 サイホン配管
22 開口端
24 吐出水槽
28 立上り配管
30 頂部配管
32 垂下配管
34 上流側エルボ配管
36 下流側エルボ配管
38 サイホンブレーカ
40 サイホンブレーク用配管
42 開閉弁
44 末広管
50 楕円管(頂部配管)
52 異形エルボ管
54 矩形管(頂部配管)
56 分割板
58〜62 異形管(頂部配管)
64 空気流出部
66 板材
66a 空気流通孔
70,72 丸角管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にサイホンを形成するサイホン配管をポンプ吐出側に接続したポンプ設備において、
前記サイホン配管の頂部に配置される頂部配管に設けたサイホンブレーク用配管を前記頂部配管の内部に張出させ、該サイホンブレーク用配管の下端に空気流出部を取付けたことを特徴とするポンプ設備。
【請求項2】
前記空気流出部を略平板状の板材で形成し、該板材を水流に対し並行に配設したことを特徴とする請求項1記載のポンプ設備。
【請求項3】
前記空気流出部を形成する板材に複数の空気流出口を設けたことを特徴とする請求項1または2記載のポンプ設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−29112(P2013−29112A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−242523(P2012−242523)
【出願日】平成24年11月2日(2012.11.2)
【分割の表示】特願2008−310437(P2008−310437)の分割
【原出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】