説明

マイナスイオンを発生するヘアドライヤー

【課題】 温風で髪を乾かすとともにマイナスイオンを発生するヘアドライヤーにおいて、十分な量のマイナスイオンを広範囲に放出できるようにする。
【解決手段】 ハウジング3と、ハウジング3の吐出口1から温風を吐出させるファン5及びヒータ10と、マイナスイオンを発生するマイナスイオン発生器6と、マイナスイオン発生器6に導通し、温風の吐出方向に垂直な流路断面の中央部分をリング状に取り囲む、導電性の囲み部材7と、を備えている。この導電性の囲み部材7に、温風へマイナスイオンを放出する複数の尖端部8を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、髪に温風をあてて乾かすためのヘアドライヤーに関し、特に、マイナスイオン発生器を備えたヘアドライヤーに関する。
【背景技術】
【0002】
温風で髪を乾かすとともにマイナスイオンを発生して髪に好影響を与えるヘアドライヤーが知られている。この種のヘアドライヤーは、例えばファン及びヒータを備えた筒状ハウジング内の送風路に、イオン発生器に接続された針状のイオン電極を配置して構成されている。イオン発生器によりイオン電極に高電圧を印加してその尖端から放電を生じさせることで、空気中の酸素や水等をマイナスイオン化し、ファンから送出されて来る空気流によりマイナスイオンを髪に吹き付けることができる。マイナスイオンを髪に吹き付けると、プラスに帯電していることが多い毛髪を電気的に中和でき、さらに毛髪の内部深くまで水分を浸透させて水分率を高め、髪に好影響を与えることができるとされている。
【0003】
このようなヘアドライヤーにおいて、十分な量のマイナスイオンを髪に到達させるための工夫が種々行われている。
【0004】
例えば特開2003−79421号公報では、ファンおよびモータを収容する筒状の本体ケースと、イオン発生器で生成されたイオンを移行案内するイオン通路とを備えたヘアドライヤーであって、本体ケースの一端に設けられた吹出グリルのほぼ中央に上記イオン通路が配置され、このイオン通路の出口が吹出グリルの外面に突出したものが提案されている。
この提案は、吹出口から出た主たる空気流の中心にイオンを包み込んだ状態でイオンを髪まで送給しようとしたもので、送風経路におけるイオンの拡散、中和消滅を解消することを狙ったものである。
【0005】
また例えば特開2004−208935号公報では、温風を送風する温風流路と、温風流路の周辺に配置され冷風を送風する冷風流路と、冷風流路にマイナスイオンを放出するイオン発生部とを備えたヘアドライヤーが提案されている。
この提案は、イオン分子及びこれに含まれる水分子の温度が低くエネルギーが低い状態で毛髪に付着させることにより、毛髪に付着したイオン分子が蒸発することなく髪に残った状態とすることを狙ったものである。
【特許文献1】特開2003−79421号公報
【特許文献2】特開2004−208935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記各公報のいずれの提案によっても、髪に到達するマイナスイオンを実際に測定してみると、イオンの量及びイオンの放出範囲が必ずしも十分ではなかった。
【0007】
例えば上記特開2003−79421号公報で提案されたものを実装したヘアドライヤーでは、吐出される空気流の中心部分でのイオン量は比較的多いが、イオンが中心部分に集中しておりその周辺の空気流におけるイオン量が十分ではなかった。
【0008】
また例えば上記特開2004−208935号公報で提案されたものを実装したヘアドライヤーでは、イオンの量、範囲いずれも十分ではなかった。
【0009】
そこで本発明は、温風で髪を乾かすとともにマイナスイオンを発生するヘアドライヤーにおいて、十分な量のマイナスイオンを広範囲に放出できるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記課題を解決するため、本発明のヘアドライヤーは、
ハウジングと、
前記ハウジングの吐出口から温風を吐出させるファン及びヒータと、
マイナスイオンを発生するマイナスイオン発生器と、
前記マイナスイオン発生器に導通し、前記温風の吐出方向に垂直な流路断面の中央部分をリング状に取り囲む、導電性の囲み部材と、を備え、
前記導電性の囲み部材に、前記温風へマイナスイオンを放出する複数の尖端部が配置されたものである。
【0011】
十分な量のマイナスイオンを広範囲に放出できるようにするためには、単に大量のマイナスイオンを発生させるだけでは不十分である。例えば、上記特開2003−79421号公報で指摘されているように生成されたマイナスイオンが旋回する空気流の中に拡散し、分布密度が低下することもある。また例えば、上記特開2004−208935号公報で指摘されているように高温のマイナスイオンは高いエネルギーを持ち、空気中に蒸散しやすい状態になる。
【0012】
本発明者は、イオンを放出する尖端部の配置及び形状や、尖端部の周辺に配置される部材について、種々試行錯誤を行った。その結果、温風の吐出方向に垂直な流路断面の中央部分をリング状に取り囲む、導電性の囲み部材を備え、この囲み部材に、前記温風へマイナスイオンを放出する複数の尖端部を配置することにより、十分な量のマイナスイオンを広範囲に放出できることを見出した。
【0013】
ここで、流路断面の中央部分をリング状に取り囲む導電性の囲み部材は、リング状の1体の部材とすることが好ましいが、囲み部材の途中に複数の切れ目を設けて複数の部材としても良い。
また、導電性の囲み部材に配置された複数の尖端部は、3個又はそれ以上設けることが望ましいが、これに限られるものではない。
【0014】
導電性の囲み部材の近傍には、アース端子を設けることが望ましく、このアース端子は、囲み部材に接続することなく囲み部材の近傍に配置する。このようなアース端子を設けることにより、より安定してイオンを放出することができる。
また、導電性の囲み部材は、ハウジングの吐出口付近に設けられるのが好ましく、ハウジングの内周面付近に、この内周面に沿って設けられるのが好ましい。
【0015】
(2)また、本発明の他のヘアドライヤーは、
ハウジングと、
前記ハウジングの吐出口から温風を吐出させるファン及びヒータと、
マイナスイオンを発生するマイナスイオン発生器と、を備え、
前記マイナスイオン発生器に導通し前記温風へマイナスイオンを放出する複数の尖端部が、前記温風の吐出方向に垂直な流路断面の中央部分を少なくとも3方向から取り囲んで配置されたものである。
【0016】
この構成では、上述のようなリング状に取り囲む囲み部材はなくても良い。この構成に関する本発明者の実験によれば、上述のようなリング状に取り囲む囲み部材を備えたものほど優れた結果にはならなかったが、十分な量のマイナスイオンを広範囲に放出できることが確認できた。
【0017】
複数の尖端部の近傍には、アース端子を設けることが望ましく、このアース端子は、尖端部に接続することなく尖端部の近傍に配置する。このようなアース端子を設けることで、より安定してイオンを放出することができる。
また、複数の尖端部は、ハウジングの吐出口付近に設けられるのが好ましく、それぞれハウジングの内周面付近に設けられるのが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
このように本発明によれば、温風で髪を乾かすとともにマイナスイオンを発生するヘアドライヤーにおいて、十分な量のマイナスイオンを広範囲に放出できるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の具体例である実施形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
<1.第1実施形態>
<1−1.内部の構成及び作用>
図1は、本発明の第1実施形態に係るヘアドライヤーを側面から見た内部透視図であり、一部を切り欠いて示したものである。このヘアドライヤーは、一端を吐出口1、他端を吸込口2とした筒状のハウジング3と、ハウジング3内に配置された、モータ4及びその駆動軸に固定されたファン5、マイナスイオン発生器6並びにヒータ10と、を備えている。
【0021】
モータ4は交流電源に接続された直流モータであり、ファン5を一定方向に回転させる。これによりファン5は吐出口1に向かって空気流を発生させる。ヒータプレート11に支持されたヒータ10は同じ交流電源に接続された電熱線であり、通電時に熱を発生し、その熱により空気流を加熱する。これらファン5及びヒータ10により、ハウジング3の吐出口1から温風を吐出させる。この吐出口1には、図示しない送風フードを着脱可能に設けるようにしても良い。
【0022】
マイナスイオン発生器6も同じ交流電源に接続され、高電圧を発生してイオン電極の尖端部8から放電を生じさせることで、マイナスイオンを発生する。
本実施形態の尖端部8は、導電性の囲み部材7に配置されていることを特徴としており、この尖端部8は、囲み部材7から温風の吐出方向に突出して複数設けられている。
囲み部材7は、上記温風の吐出方向に垂直な流路断面の中央部分をリング状に取り囲んでおり、ヒータプレート11に支持され、ハウジング3の吐出口1付近に配置されている。この囲み部材7が、マイナスイオン発生器6に接続されている。
【0023】
モータ4からは、アース線9が引き出されており、このアース線9は導電性の囲み部材7の近傍にまで延びている。このアース線9の先端がアース端子となっており、囲み部材7やその周辺の部材(ヒータプレート11など)に接続することなく囲み部材7の近傍に配置される。
【0024】
図2は、上記第1実施形態に係るヘアドライヤーのうちの吐出口を示す正面図である。(A)乃至(D)の各図は第1実施形態における種々の変形を示しており、図2(A)は尖端部8が3個、図2(B)は尖端部8が4個、図2(C)は尖端部8が5個、図2(D)は尖端部8が6個の場合の例を示している。尖端部8の数は、図示したように3個又はそれ以上設けることが望ましいが、これに限られるものではなく、2個でもよい。尖端部8同士の間隔は図示のようにほぼ均等とすることが望ましいが、均等でなくても良い。
【0025】
図2(A)乃至(D)のいずれの例においても、囲み部材7が流路断面の中央部分をリング状に取り囲んでおり、特に囲み部材7がリング状の一体の部材で構成されている。
図2(A)及び(B)の例では、囲み部材7は切れ目のないリング形状となっているのに対し、図2(C)及び(D)の例では、囲み部材7は切れ目が一箇所形成されている。
切れ目の数は複数でも良く、その場合は、囲み部材7は複数の部材から形成され、それぞれに対してマイナスイオン発生器6が接続されることになる。
【0026】
また、導電性の囲み部材7は、ハウジング3の内周面付近に、この内周面に沿って設けられるのが好ましい。
【0027】
<1−2.回路の構成及び作用>
図3は、上記第1実施形態に係るヘアドライヤーの回路図である。AC100V等の交流電源が接続される両端子間に、バッファ用のフィルムコンデンサCが接続されたのち、一方の端子には電源ON/OFF用のメインスイッチSW1が、他方の端子には配線ショート時などにおける電源遮断用の温度ヒューズFUSEが接続されている。そして、マイナスイオン発生器6に相当するイオン発生器ION、後述の直流モータ用整流器D1、およびヒータ10に相当するヒータHRが、上記メインスイッチSW1及び温度ヒューズFUSEを介して交流電源に並列に接続されている。
【0028】
メインスイッチSW1は、交流電源側端子からイオン発生器ION及び直流モータ用整流器D1に接続される端子(以下「ION−D1端子」という)と、ヒータHRに接続される端子(以下「HR端子」という)とに分岐する3端子構成となっている。このメインスイッチSW1は、イオン発生器ION及び整流器D1に対して交流電源を接続/遮断できるとともに、これらイオン発生器ION及び整流器D1に対して交流電源を接続した状態でのみ、交流電源をヒータHRに対して接続/遮断できるようになっている。つまり、このメインスイッチSW1は、交流電源をイオン発生器ION、直流モータ用整流器D1、およびヒータHRに接続した状態(温風)/イオン発生器IONと直流モータ用整流器D1にのみ接続した状態(冷風)/全体を遮断した状態(OFF)の3段階にスイッチングするHOT/COOL/OFFスイッチとして機能する。
【0029】
メインスイッチSW1のION−D1端子に接続された配線は、更にイオン発生器ION側と、整流器D1側とに分岐される。このうちイオン発生器ION側に分岐した配線には、イオン発生器IONが接続されるとともにイオンスイッチSW3が設けられ、イオン発生器のみを電源から遮断できるようになっている。また、イオンスイッチSW3と直列に、かつイオン発生器IONと並列に、発光ダイオードLEDが接続されている。これにより、イオン発生器IONに通電されている時、すなわちメインスイッチSW1及びイオンスイッチSW3を導通状態にした時には、発光ダイオードLEDが発光し、イオン発生中であることを表示することができる。なお、発光ダイオードLEDに直列に、電圧降下及び整流のための抵抗素子R1及びダイオードD3が接続されている。
【0030】
メインスイッチSW1のION−D1端子からイオン発生器側への配線と分かれて直流モータ用整流器D1側に分岐した配線は、電圧降下用の抵抗素子MRを介して、整流器D1の入力端子(交流端子)の一方に接続される。整流器D1は、良好な整流を得るためにブリッジ回路となっており、その出力端子間に、モータ4に相当する直流モータMが接続される。直流モータMの端子(整流器D1の出力端子)には、抵抗器R2を含む導電材料を介して、アース線9が引き出されている。特に、図示のように直流モータのマイナス側端子から、アース線9を引き出すことが望ましい。
【0031】
メインスイッチSW1のHR端子によってヒータHR側に分岐した配線は、そのままヒータHRの一方の端子に接続される。ヒータHRに直列にサーモスタットTHが接続されており、ヒータが一定温度を超えている期間中はヒータHRへの電力供給が遮断される。
【0032】
直流モータ用整流器D1の他方の入力端子(交流端子)と、ヒータHRの他方の端子とは共通にされ、その合流点より電源側に、セレクションスイッチSW2が接続されている。セレクションスイッチSW2には、ダイオードD2が並列に接続されている。従って、セレクションスイッチSW2が導通状態にあるときは直流モータ用整流器D1及びヒータHRに大きな電流が供給される。これに対し、セレクションスイッチSW2が遮断状態にあるときは、直流モータ用整流器D1及びヒータHRに対してはダイオードD2のみを介しての電力供給となるので、直流モータ用整流器D1及びヒータHRに供給される電流が小さくなる。従って、セレクションスイッチSW2の開閉により直流モータ用整流器D1及びヒータHRの出力を増減することができる。
【0033】
セレクションスイッチSW2の交流電源側端子と、イオン発生器IONの他方の端子(メインスイッチSW1と反対側)とは共通にされ、更に交流電源側の温度ヒューズFUSEに接続される。
【0034】
なお、アース線9をモータ以外の配線部分に接続することも考え得るが、他の配線部分には交流電圧がかかっているので好ましくない。手持ち型のヘアドライヤーでは人体にアースすることも考え得るが、感電を起こすことも考えられ好ましくない。これに対し、直流モータMの端子は、交流電源から整流器D1(本実施形態では更に抵抗素子MR)を経ているため、電位の絶対値が低く安定している。例えば抵抗素子MRを100〜200Ωとした場合、直流モータの端子電圧をDC20〜35V程度とすることができる。かかるモータ端子の電位は、高電圧が印加されるイオン電極の電位に比べれば実質上無視できる。よって、直流モータMの端子からアース線9を引き出すことが有用である。
【0035】
アース線9のアース端子と直流モータMの端子との間には、抵抗器R2を介在させることが望ましい。これにより、一方から他方への急激な電流漏れを回避することができる。
【0036】
<1−3.第1実施形態の効果>
以上の第1実施形態によれば、温風の吐出方向に垂直な流路断面の中央部分をリング状に取り囲む、導電性の囲み部材7を備え、この囲み部材7に、前記温風へマイナスイオンを放出する複数の尖端部8を配置することにより、十分な量のマイナスイオンを広範囲に放出することができる。
このような効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、1つには温風の吐出方向に垂直な流路断面の周縁部分からマイナスイオンが放出されるので、適度に外気と触れることでマイナスイオンが適度に冷やされることが考えられる。
【0037】
また導電性の囲み部材7を備えることで、容易に複数の尖端部8を配置することができる。特に、複数の尖端部8を配置するための製造コストが低く、組付け作業が容易なヘアドライヤーとすることができる。また、多数の尖端部8を配置して放出範囲を一層拡大することも容易となる。
【0038】
また第1実施形態によれば、囲み部材7の近傍にアース端子9を設けることにより、囲み部材7の周辺の部材の電位を安定させることができるので、より安定してイオンを放出することができる。
【0039】
<2.第2実施形態>
図4は、本発明の第2実施形態に係るヘアドライヤーを側面から見た内部透視図であり、一部を切り欠いて示したものである。このヘアドライヤーは、マイナスイオン発生器6を筒状のハウジング3内ではなく取っ手側に設けた点で、図1に示した第1実施形態と異なる。それ以外の点は第1実施形態と同様であり、同様の効果を奏するので、詳細な説明を省略する。
なお、マイナスイオン発生器6だけでなく、例えばモータ4の位置も任意であり、ハウジング3の吐出口1から温風を吐出させる構成になっていれば良い。
【0040】
<3.第3実施形態>
図5は、本発明の第3実施形態に係るヘアドライヤーを側面から見た内部透視図であり、一部を切り欠いて示したものである。このヘアドライヤーは、図1に示した第1実施形態の囲み部材7に相当する部分を備えておらず、マイナスイオン発生器6のイオン端子から分岐して直接複数の尖端部8に接続されている点で第1実施形態と異なっている。
【0041】
図6は、上記第3実施形態に係るヘアドライヤーのうちの吐出口を示す正面図である。(A)乃至(D)の各図は第3実施形態における種々の変形を示しており、図6(A)は尖端部8が3個、図6(B)は尖端部8が4個、図6(C)は尖端部8が5個、図6(D)は尖端部8が6個の場合の例を示している。尖端部8は、図示のように少なくとも3方向から、温風の吐出方向に垂直な流路断面の中央部分を取り囲んで配置する。尖端部8同士の間隔は図示のようにほぼ均等とすることが望ましいが、均等でなくても良い。これらの尖端部8は、ハウジング3の吐出口1付近に設けられるのが好ましく、それぞれハウジング3の内周面付近に設けられるのが好ましい。
【0042】
また、第1実施形態と同様に、複数の尖端部3の近傍には、アース線9のアース端子を配置することが望ましく、このアース端子は、尖端部8に接続することなく尖端部8の近傍に配置する。このようなアース端子を設けることにより、尖端部8の周辺の部材の電位を安定させることができるので、より安定してイオンを放出することができる。
上記以外の点は第1実施形態と同様であり、第2実施形態のような配置変更が可能である点も同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0043】
本第3実施形態のヘアドライヤーは、本発明者の実験によれば、上述のようなリング状に取り囲む囲み部材7を備えた第1実施形態ほど優れた結果にはならなかったが、十分な量のマイナスイオンを広範囲に放出することができた。
なお、第1乃至第3実施形態と異なり、導電性の囲み部材7も備えておらず、尖端部8も2つだけにして流路断面の左右2箇所にのみ配置したヘアドライヤーについても実験を行ったが、十分な量のマイナスイオンを広範囲に放出するという本発明の効果を奏することはできなかった。
【0044】
以上の各実施形態は本発明の具体例を示すものであり、特許請求の範囲に記載した発明概念の範囲内で適宜に変更・追加等を行うことができる。例えば、ヘアドライヤーの各構成部材の形状、材質、寸法、部材の数、結合方法などは上記の各実施形態に拘泥すべきものではない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施形態に係るヘアドライヤーを側面から見た内部透視図であり、一部を切り欠いて示したものである。
【図2】上記第1実施形態に係るヘアドライヤーのうちの吐出口を示す正面図である。
【図3】上記第1実施形態に係るヘアドライヤーの回路図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るヘアドライヤーを側面から見た内部透視図であり、一部を切り欠いて示したものである。
【図5】本発明の第3実施形態に係るヘアドライヤーを側面から見た内部透視図であり、一部を切り欠いて示したものである。
【図6】上記第3実施形態に係るヘアドライヤーのうちの吐出口を示す正面図である。
【符号の説明】
【0046】
1…吐出口、2…吸込口、3…ハウジング、4、M…モータ、5…ファン、6、ION…マイナスイオン発生器、7…囲み部材、8…尖端部、9…アース線、10、HR…ヒータ、11…ヒータプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの吐出口から温風を吐出させるファン及びヒータと、
マイナスイオンを発生するマイナスイオン発生器と、
前記マイナスイオン発生器に導通し、前記温風の吐出方向に垂直な流路断面の中央部分をリング状に取り囲む、導電性の囲み部材と、を備え、
前記導電性の囲み部材に、前記温風へマイナスイオンを放出する複数の尖端部が配置された、ヘアドライヤー。
【請求項2】
ハウジングと、
前記ハウジングの吐出口から温風を吐出させるファン及びヒータと、
マイナスイオンを発生するマイナスイオン発生器と、を備え、
前記マイナスイオン発生器に導通し前記温風へマイナスイオンを放出する複数の尖端部が、前記温風の吐出方向に垂直な流路断面の中央部分を少なくとも3方向から取り囲んで配置された、ヘアドライヤー。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−198045(P2006−198045A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−11146(P2005−11146)
【出願日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【出願人】(391043996)株式会社テスコム (14)
【Fターム(参考)】