説明

マスク

【課題】呼気の漏れの生じにくいマスクの提供。
【解決手段】着用者の鼻及び口を含む顔面下部を覆う本体部と、前記本体部の左右に結合され、前記本体部を着用者の顔面下部に固定する固定部とを具備し、前記本体部が、主シート部と、前記主シート部の下部に設けられた着用者の下あごを収容する空間を形成する下部ポケット部と、前記主シート部の上部に設けられた着用者の鼻を収容する空間を形成する上部ポケット部とを有し、前記下部ポケット部と前記上部ポケット部と前記固定部とが、いずれも、伸縮性材料により形成されているマスク。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市販されているマスクにおいては、呼気の漏れが生ずるという問題がある。着用者がインフルエンザ等の呼吸系感染症の感染者である場合、呼気の漏れにより、インフルエンザウィルス等の病原体が外部に放出されることになる。また、着用者が眼鏡をしている場合、呼気の漏れにより、眼鏡が曇ってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、呼気の漏れの生じにくいマスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、新規構造を有するマスクを完成させた。
【0005】
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(14)を提供する。
(1)着用者の鼻及び口を含む顔面下部を覆う本体部と、前記本体部の左右に結合され、前記本体部を着用者の顔面下部に固定する固定部と
を具備し、
前記本体部が、主シート部と、前記主シート部の下部に設けられた着用者の下あごを収容する空間を形成する下部ポケット部と、前記主シート部の上部に設けられた着用者の鼻を収容する空間を形成する上部ポケット部とを有し、
前記下部ポケット部と前記上部ポケット部と前記固定部とが、いずれも、伸縮性材料により形成されているマスク。
(2)前記下部ポケット部と前記上部ポケット部と前記固定部とが、1枚の伸縮性シート部材により形成されている、上記(1)に記載のマスク。
(3)前記伸縮性シート部材が前記主シート部と重ねて設けられ、
前記伸縮性シート部材の上下の縁部が前記主シート部の上下の縁部とそれぞれ接合され、
前記伸縮性シート部材の前記主シート部と重ねられた部分にスリット又は切り欠きが設けられ、
前記伸縮性シート部材の前記スリット又は切り欠きより下側が前記下部ポケット部を構成し、
前記伸縮性シート部材の前記スリット又は切り欠きより上側が前記上部ポケット部を構成する、上記(2)に記載のマスク。
(4)前記伸縮性シート部材の前記主シート部と重ねられていない部分が、耳を掛けるためのスリット又は切り欠きを有し、前記固定部を構成している、上記(2)又は(3)に記載のマスク。
【0006】
(5)前記伸縮性シート部材が前記主シート部の下側部分と重ねて設けられ、
前記伸縮性シート部材の下の縁部が前記主シート部の下の縁部と接合され、
前記伸縮性シート部材が前記主シート部と重ねられていない左右両側でそれぞれ折り返され、その両端部が互いに重なるように前記主シート部の上の縁部と接合され、
前記伸縮性シート部材の前記主シート部の下側部分と重ねて設けられた部分が前記下部ポケット部を構成し、
前記伸縮性シート部材の前記両端部の重なった部分が前記上部ポケット部を構成し、
前記伸縮性シート部材の前記主シート部と重ねられていない部分が前記固定部を構成する、上記(2)に記載のマスク。
(6)前記伸縮性シート部材が前記主シート部の上側部分と重ねて設けられ、
前記伸縮性シート部材の上の縁部が前記主シート部の上の縁部と接合され、
前記伸縮性シート部材が前記主シート部と重ねられていない左右両側でそれぞれ折り返され、その両端部が互いに重なるように前記主シート部の下の縁部と接合され、
前記伸縮性シート部材の前記主シート部の上側部分と重ねて設けられた部分が前記上部ポケット部を構成し、
前記伸縮性シート部材の前記両端部の重なった部分が前記下部ポケット部を構成し、
前記伸縮性シート部材の前記主シート部と重ねられていない部分が前記固定部を構成する、上記(2)に記載のマスク。
【0007】
(7)前記下部ポケット部と前記上部ポケット部と前記固定部とが、2枚の伸縮性シート部材により形成されており、
前記伸縮性シート部材のうち一方が前記主シート部の下側部分と重ねて設けられ、その下の縁部が前記主シート部の下の縁部と接合され、
前記伸縮性シート部材のうち他方が前記主シート部の上側部分と重ねて設けられ、その上の縁部が前記主シート部の上の縁部と接合され、
2枚の前記伸縮性シート部材の前記主シート部と重ねられていない部分が、前記主シート部の左右両側において、それぞれ結合し、又は結合可能に構成され、
前記伸縮性シート部材の前記一方の前記主シート部の下側部分と重ねて設けられた部分が前記下部ポケット部を構成し、
前記伸縮性シート部材の前記他方の前記主シート部の上側部分と重ねて設けられた部分が前記上部ポケット部を構成し、
2枚の前記伸縮性シート部材の前記主シート部と重ねられていない部分が前記固定部を構成する、上記(1)に記載のマスク。
(8)前記伸縮性シート部材の前記一方の上の縁部と前記伸縮性シート部材の前記他方の下の縁部とが重なっている、上記(7)に記載のマスク。
(9)前記伸縮性シート部材の前記一方の上の縁部と前記伸縮性シート部材の前記他方の下の縁部とが重なっていない、上記(7)に記載のマスク。
【0008】
(10)前記主シート部が、内面シートと、病原体不活性化層と、外面シートとが着用者側からこの順で積層された積層体を有する、上記(1)〜(9)のいずれかに記載のマスク。
(11)前記病原体不活性化層が、複数枚のシート状材料から構成されている、上記(10)に記載のマスク。
(12)前記積層体の通気度が前記下部ポケット部及び前記上部ポケット部のいずれよりも大きい、上記(10)又は(11)に記載のマスク。
(13)前記下部ポケット部及び/又は前記上部ポケット部の開口縁部の左右方向の長さが、前記主シート部のそこに相当する部分の左右方向の長さよりも短い、上記(1)〜(12)のいずれかに記載のマスク。
(14)着用者の鼻と下あごと前記固定部に対応する部位とにおいて密着し、着用者の顔面に固定される、上記(1)〜(13)のいずれかに記載のマスク。
【発明の効果】
【0009】
本発明のマスクは、呼気の漏れが生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のマスクの一例を示す模式図である。
【図2】本発明のマスクの他の一例を示す模式的な斜視図である。
【図3】本発明のマスクにおける伸縮性材料の配置を示す模式的な平面図である。
【図4】本発明のマスクにおける伸縮性材料の配置を示す模式的な平面図である。
【図5】本発明のマスクにおける伸縮性材料の配置を示す模式的な平面図である。
【図6】本発明のマスクにおける伸縮性材料の配置を示す模式的な平面図である。
【図7】本発明のマスクにおける伸縮性材料の配置を示す模式的な平面図である。
【図8】本発明のマスクにおける伸縮性材料の形状を示す模式的な平面図である。
【図9】本発明のマスクにおける伸縮性材料の形状を示す模式的な平面図である。
【図10】本発明のマスクにおける伸縮性材料の形状を示す模式的な平面図である。
【図11】本発明のマスクにおける伸縮性材料の形状を示す模式図である。
【図12】本発明のマスクにおける伸縮性材料の形状を示す模式的な平面図である。
【図13】本発明のマスクにおける伸縮性材料の形状を示す模式的な平面図である。
【図14】比較例1のマスクの模式的な斜視図である。
【図15】比較例2のマスクの模式的な斜視図である。
【図16】比較例3のマスクの模式的な斜視図である。
【図17】各種マスクの着用状態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のマスクを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、本明細書においては、本発明のマスクを実際に着用した場合に、着用者の肌に近い側を「内」といい、遠い側を「外」という。また、本発明のマスクを実際に着用した場合に、着用者の体の上側に対応する側を「上」といい、下側に対応する側を「下」という。
【0012】
図1は、本発明のマスクの一例を示す模式図である。図1(A)は平面図であり、図1(B)は斜視図である。なお、添付した図面中の各平面図は、いずれも内側から見たものであり、図の上側にマスクの上側が位置するように図示してある。
【0013】
本発明のマスク100は、基本的に、着用者の鼻及び口を含む顔面下部を覆う本体部10と、本体部10の左右に結合され、本体部10を着用者の顔面下部に固定する固定部90とを具備する。
本体部10は、主シート部20と、主シート部20の下部に設けられた着用者の下あごを収容する空間を形成する下部ポケット部40と、主シート部20の上部に設けられた着用者の鼻を収容する空間を形成する上部ポケット部50とを有する。
【0014】
主シート部20は、内面シートと、病原体不活性化層と、外面シートとが着用者側からこの順で積層された積層体を有するのが好ましい態様の一つである。病原体不活性化層は、後述するように、複数枚のシート状材料から構成されているのが好ましい。
【0015】
内面シートは、基本的に、着用時に、着用者と接した状態となって用いられるが、本発明はこれに限定されない。
内面シートは、特に材料を限定されない。例えば、乾式不織布、湿式不織布、スパンメルト不織布、スパンレース不織布等の不織布類;化合繊製織物;ニット類を用いることができる。中でも、目付量の低いものが、通気性が優れたものになる点で好ましい。
中でも、内面シートが多孔性であるのが好ましい態様の一つである。多孔性の材料としては、具体的には、例えば、ネット状、メッシュ状又はガーゼ状の不織布;開口フィルム;化合繊フィラメントを交織し又は編織して得られるネット、メッシュ又はレース類が挙げられる。内面シートが多孔性であると、皮膚との接触面積が小さくなり、着用者の装着感が優れたものになる。
また、内面シートが表面に畝状の凹凸構造を有するのも好ましい態様の一つである。この態様においては、皮膚との接触面積が小さくなり、かつ、クッション性を有するため、いわゆる「ソフトタッチ」な感触を得ることができ、着用者の装着感が優れたものになる。
さらに、内面シートが、本発明者が特開2002−238946号公報で提案したような漏斗型の開口フィルムであるのも好ましい態様の一つである。この態様においては、排出された呼気を分配整流化する効果があり、積層体の表面の全体を効率的に利用することが容易となる。
【0016】
内面シートを構成する材料は、親水性であってもよく、疎水性であってもよい。
内面シートを構成する材料としては、防汚処理、抗菌処理、撥水処理等を施した材料を用いることもできる。
内面シートを構成する材料は、その材料が着用者の口から体内に摂取される可能性もあるので、安全性の高いものであるのが好ましい。
内面シートを構成する材料は、使用中に摩擦等によって粉塵、脱落繊維くず等を発生させないものであるのが好ましい。
内面シートを構成する材料は、着用者の口唇に接して体脂肪や口紅などの化粧品が付着したり汚れたりしにくいものであるのが好ましい。
内面シートを構成する材料は、その表面で着用者から排出された病原体や常在菌が繁殖しにくいものであるのが好ましい。
【0017】
内面シートは、積層体の全面にわたって配置することもでき、例えば、積層体のうち口唇部周辺に当接する部分のみに配置するなど、部分的に配置することもできる。
内面シートは、病原体不活性化層の上に単に積層して配置されていてもよく、内面シートの表面と病原体不活性化層の表面とは接合されて一体化されていてもよい。
内面シートと病原体不活性化層とが単に積層されている場合には、両者を分離して、内面シートを交換しうる態様とすることが容易である。この態様は、例えば、本発明のマスクを長時間継続して使用する場合に、食事、入浴等のためにマスクを取り外す際に内面シートを交換することにより、清潔な状態を保持するとともに、未使用品の優れた装着感を得ることができる。
【0018】
外面シートは、特に材料を限定されない。例えば、乾式不織布、湿式不織布、スパンメルト不織布、スパンレース不織布等の不織布類;化合繊製織物;ニット類を用いることができる。これらの中でも、緻密な組織を有し、構成繊維繊度の比較的細かいものが、着用者の呼気が外部に排出される際の飛沫等を捕捉するため、また、着用者が外気を吸い込む際の塵等を捕捉するため、好ましい。
中でも、PE、PP、PET、EVA、PE/PP複合繊維、PE/PET複合繊維等の合成繊維のスパンメルト不織布が好ましく、メルトブローンの複層体であるSMS、SMMSがより好ましい。
【0019】
外面シートを構成する材料は、親水性であってもよく、疎水性であってもよい。
外面シートを構成する材料としては、防汚処理、抗菌処理、撥水処理等を施した材料を用いることもできる。
外面シートを構成する材料は、本発明のマスクの着脱時に手で表面に触れても、表面が汚れにくいように、表面が平滑であるのが好ましい。
外面シートを構成する材料は、使用中に摩擦等によって粉塵、毛羽抜け等を発生させないものであるのが好ましい。
【0020】
外面シートは、積層体の全面にわたって配置することもでき、部分的に配置することもできる。
外面シートは、病原体不活性化層の下に単に積層して配置されていてもよく、外面シートの表面と病原体不活性化層の表面とは接合されて一体化されていてもよい。
【0021】
病原体不活性化層は、病原体を不活性化させるための層である。
本発明において、病原体とは、結核、インフルエンザ、肺炎、気管支炎、咽頭炎等の呼吸器疾患を生じさせる微生物、ウィルス等の総称である。具体的には、例えば、細菌類、カビ類、リケッチャ類、ダニ類、ウィルス類が挙げられる。
本発明において、不活性化とは、病原体の活性を無害化、無毒化、無力化等することを意味する。不活性化の具体的な手段としては、例えば、ろ過除去、吸着除去、熱変性、化学変性、抗体反応が挙げられる。
【0022】
病原体不活性化層は、病原体を不活性化させる機能を奏するものであれば、構成を特に限定されないが、1枚以上のシート状材料から構成されているのが好ましく、複数枚のシート状材料から構成されているのがより好ましい。
この場合、病原体不活性化層を構成する複数枚のシート状材料のうち少なくとも1枚が、折りたたまれているのが好ましい態様の一つである。この態様においては、折り畳まれているシート状材料の折りたたまれる前の面積を折りたたまれた状態での面積で除して得られる折りたたみ率が、1.5以上であるのが好ましく、2.0以上であるのがより好ましい。
【0023】
積層体は、その通気度が下部ポケット部40及び上部ポケット部50のいずれよりも大きいのが好ましい。この場合、呼気が積層体を通過しやすくなるため、呼気の漏れが生じにくくなる。
【0024】
下部ポケット部40は、主シート部20の下部に設けられ、着用者の下あごを収容する空間を形成する。
下部ポケット部40は、伸縮性材料により形成される。
伸縮性材料は、例えば、以下の3種の伸縮性材料が挙げられる。
【0025】
(1)ゴム糸、ポリウレタンフィラメント等の弾性糸を編み上げたり、他の合繊フィラメントや紡績糸と交織したりして得られる伸縮性を持つ編み物、織物、ポリウレタンフィラメントスパンボンド不織布である。例えば、ナイトキャップのようなネット状のもの、伸縮包帯、伸縮サポータ、パンティストッキング、靴下止めとして用いられているような組織をもったものが挙げられる。
【0026】
(2)ポリウレタンフィルム、EVAフィルム、SEBS、SBRフィルム等の伸縮性フィルム類である。
【0027】
(3)弾性フィラメントや伸縮性フィルム類と不織布との複合体シートである。弾性体をその伸張状態で接合剤により不織布と貼り合わせたり、伸縮性フィルム類の両面を不織布で挟んだりして得られる。例えば、横方向に易伸展性の不織布と伸縮性フィルムとを積層した一方向伸縮性の複合体であるコンペラ(登録商標、株式会社日本吸収体技術研究所)、Flex AireTM Elastic Laminate(米国トレドガー社製)が挙げられる。
【0028】
本発明に用いられる伸縮性材料は、低いストレス下で伸張しやすいいわゆるのびやすい性質を有するものが好ましい。具体的には、最大伸長率(非伸張時の長さに対する可逆的に伸張しうる長さの最大値の割合)が150%以上であるものが好ましい。
【0029】
下部ポケット部40は、着用者の下あごを収容する空間を形成するように、主シート部20の下部に設けられる。
具体的には、下部ポケット部40を構成する伸縮性材料と主シート部20とを結合させることにより、ポケット状の空間を形成させることができる。
結合の方法は、特に限定されず、例えば、ホットメルト、粘着剤、超音波シール、ヒートシールが挙げられる。
このように伸縮性材料を主シート部20に結合させることにより、下部ポケット部40が、常に着用者の肌に密着して顔の動きに追従する一方、主シート部20を着用者の顔に対して常に定位置に保持させることができる。
【0030】
上部ポケット部50は、主シート部20の上部に設けられ、着用者の鼻を収容する空間を形成する。
上部ポケット部50に用いられる伸縮性材料は、上述した下部ポケット部40に用いられる伸縮性材料と同様である。
【0031】
上部ポケット部50は、着用者の鼻を収容する空間を形成するように、主シート部20の上部に設けられる。空間は、着用者の鼻の鼻孔の周囲の部分を収容するものであれば、鼻の一部を収容するものであってもよく、鼻の全体を収容するものであってもよい。
具体的には、上部ポケット部50を構成する伸縮性材料と主シート部20とを結合させることにより、ポケット状の空間を形成させることができる。
結合の方法は、特に限定されず、例えば、ホットメルト、粘着剤、超音波シール、ヒートシールが挙げられる。
このように伸縮性材料を主シート部20に結合させることにより、上部ポケット部50が、常に着用者の肌に密着して顔の動きに追従する一方、主シート部20を着用者の顔に対して常に定位置に保持させることができる。
【0032】
本発明のマスク100において、本体部10は、主シート部20、下部ポケット部40及び上部ポケット部50以外の部材を有していてもよい。
【0033】
固定部90は、本体部10の左右に結合され、本体部10を着用者の顔面下部に固定する。
固定部90は、伸縮性材料により形成される。固定部90に用いられる伸縮性材料は、上述した下部ポケット部40に用いられる伸縮性材料と同様である。
【0034】
下部ポケット部40と上部ポケット部50と固定部90とを形成する伸縮性材料は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0035】
本発明のマスク100においては、上述したように、下部ポケット部40と上部ポケット部50と固定部90とが、いずれも、伸縮性材料により形成されている。これにより、呼気の漏れが生じにくくなるとともに、マスクの本体部が顔面からずれにくくなる。さらに、着用者の耳や顔面が強く圧迫されることがない。
【0036】
本発明のマスク100は、上述した各種部材を一体化(接合)させて得ることができる。一体化の方法は、特に限定されず、例えば、ミシン糸等による縫合;ホットメルト等による接着;ヒートシール、超音波シール等による溶結が挙げられる。ミシン糸による縫合の場合には、ミシン目に対して、樹脂、粘着テープ等による目止め処理を行うことができる。
本発明のマスク100は、主シート部20の四辺の周縁部において、伸縮性材料からなる伸縮性シート部材と接合されている(濃色のハッチ部。以下、他の図においても、接合部を濃色のハッチ部で示す場合がある。)。
【0037】
本発明のマスク100は、着用者の鼻と下あごと固定部90に対応する部位とにおいて密着し、着用者の顔面に固定される。着用者の鼻と下あごと固定部90に対応する部位とにおいて密着し、着用者の顔面に固定されるのは、本発明のマスクの好ましい態様である。
【0038】
本発明のマスク100は、着用時に、本体部10において、主シート部20と主シート部20の下部に設けられた下部ポケット部40との間に形成される空間に着用者の下あごを収容し、主シート部20と主シート部20の上部に設けられた上部ポケット部50との間に形成される空間に着用者の鼻を収容して用いられる。このため、主シート部20の下縁が着用者のあごの線の付近にわたって接触し、主シート部20の上縁が着用者の鼻の先端から両側のほおにわたって接触する。そして、これらの主シート部20の下縁と上縁との間に主シート部20が存在するため、着用者の口の周辺において主シート部20との間に空間が形成され、着用者の口の周辺には主シート部20が接触しにくくなっている。
【0039】
本発明のマスク100は、図1(B)に示されるように、本体部10においては、下部ポケット部40及び上部ポケット部50の開口縁部の左右方向の長さが、そこに相当する主シート部20の左右方向の長さと等しくなっているため、本体部10から固定部90にかけて平面状の構造になっているが、本発明のマスクはこれに限定されない。
【0040】
図2は、本発明のマスクの他の一例を示す模式的な斜視図である。
図2に示されるマスク106は、本体部16から固定部96にかけて平面状の構造になっていない。
本発明のマスク106は、着用時に、主シート部26が着用者の口の周辺において外側に凸となっているため、本発明のマスク100と比べて、着用者の口の周辺において主シート部との間に形成される空間がより大きく、着用者の口の周辺には主シート部がより接触しにくくなっている。
【0041】
このような主シート部が着用者の口の周囲と離間する、いわばフローティング構造とするためには、例えば、下部ポケット部及び/又は上部ポケット部の開口縁部の左右方向の長さを、主シート部のそこに相当する部分の左右方向の長さよりも短くすることにより実現することができる。
本発明のマスク106は、図2に示されるように、下部ポケット部46及び上部ポケット部56の開口縁部の左右方向の長さが、主シート部26のそこに相当する部分の左右方向の長さよりも短くなっている。
このような構造とするためには、具体的には、例えば、主シート部26に下部ポケット部46及び上部ポケット部56を設ける際に、下部ポケット部46及び上部ポケット部56を形成する伸縮性材料を左右方向に引っ張ってある程度伸張させた状態で、主シート部26と接合させ、接合後、引っ張る力を除去する方法を用いることができる。
このような構造は、さらに、主シート部26と下部ポケット部46及び上部ポケット部56とをそれぞれ着用時に折り返すかたちとなるように接合することにより(図17(D)及び図17(E)参照。)、主シート部26と着用者の顔面との離間状態の確保が容易となる。
【0042】
本発明のマスクにおいては、伸縮性材料の配置を特に限定されず、種々の配置を用いることができる。
図3〜図7は、それぞれ本発明のマスクにおける伸縮性材料の配置を示す模式的な平面図である。なお、図3〜図7においては、本体部を長方形、固定部を台形で示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0043】
図3に示される本発明のマスク101においては、本体部11の下部ポケット部41と上部ポケット部51と固定部91を形成する伸縮性材料が同一である(図中、(A)で示される伸縮性材料を用いている。)。
この態様においては、伸縮性材料として、単一の材料を用いることができる。このため、原料コストを抑制することができ、また、製造も容易である。
この態様に用いられる伸縮性材料としては、上記(3)の弾性フィラメントや伸縮性フィルム類と不織布との複合体シートを用いるのが好ましい。例えば、Flex AireTM Elastic Laminate(米国トレドガー社製)が好適に挙げられる。
【0044】
図4に示される本発明のマスク102においては、本体部12の下部ポケット部42と上部ポケット部52を形成する伸縮性材料が同一であり(図中、(A)で示される伸縮性材料を用いている。)、これと固定部92を形成する伸縮性材料(図中、(B)で示される伸縮性材料)が異なっている。
この態様においては、下部ポケット部42と上部ポケット部52を形成する伸縮性材料と、固定部92を形成する伸縮性材料とをそれぞれ好適な材料とすることができる。
下部ポケット部42と上部ポケット部52を形成する伸縮性材料としては、上記(3)の弾性フィラメントや伸縮性フィルム類と不織布との複合体シートを用いるのが好ましい。例えば、Flex AireTM Elastic Laminate(米国トレドガー社製)が好適に挙げられる。
固定部92を形成する伸縮性材料としては、上記(1)の伸縮性を持つ編み物、織物、ポリウレタンフィラメントスパンボンド不織布を用いるのが好ましい。また、ゴム、ウレタン等の紐状の伸縮性材料も好適に用いられる。
【0045】
図5に示される本発明のマスク103においては、本体部13の下部ポケット部43と固定部93の下側部分を形成する伸縮性材料(下側用伸縮性材料)が同一であり(図中、(B)で示される伸縮性材料を用いている。)、本体部13の上部ポケット部53と固定部93の上側部分を形成する伸縮性材料(上側用伸縮性材料)が同一であり(図中、(A)で示される伸縮性材料を用いている。)、下側用伸縮性材料と上側用伸縮性材料とが異なっている。
この態様においては、伸縮性の大きさと強度とを要求される下部ポケット部43と、呼気の漏れを効果的に防止すべく高い密閉性を要求される上部ポケット部53との各要求特性を満たしつつ、原料コストを抑制することができ、また、製造工程も簡易にすることができる。
下側用伸縮性材料としては、上記(1)の伸縮性を持つ編み物、織物、ポリウレタンフィラメントスパンボンド不織布を用いるのが好ましい。
上側用伸縮性材料としては、上記(2)の伸縮性フィルム類又は上記(3)の弾性フィラメントや伸縮性フィルム類と不織布との複合体シートを用いるのが好ましい。
【0046】
図6に示される本発明のマスク104においては、本体部14の下部ポケット部44と上部ポケット部54と固定部94を形成する着用者に接触する部分の伸縮性材料が同一であるが(図中、(B)で示される伸縮性材料を用いている。)、下部ポケット部44の外側には、更にそれとは異なる伸縮性材料(図中、(A)で示される伸縮性材料)が重ねて設けられている。
この態様においては、図3に示される態様と同様の利点を有し、さらに、下部ポケット部44の強度を強くすることができる。
下部ポケット部44と上部ポケット部54と固定部94を形成する着用者に接触する部分の伸縮性材料としては、上記(1)の伸縮性を持つ編み物、織物、ポリウレタンフィラメントスパンボンド不織布を用いるのが好ましい。
下部ポケット部44に重ねて設けられる伸縮性材料としては、上記(2)の伸縮性フィルム類が好ましい。
【0047】
図7に示される本発明のマスク105においては、本体部15の下部ポケット部45と上部ポケット部55と固定部95を形成する着用者に接触する部分の伸縮性材料が同一であるが(図中、(A)で示される伸縮性材料を用いている。)、固定部95の端部側には、更にそれとは異なる材料(図中、(C)で示される材料)が重ねて設けられている。
この態様においては、図3に示される態様と同様の利点を有し、さらに、固定部95の強度を強くすることができる。
下部ポケット部45と上部ポケット部55と固定部95を形成する着用者に接触する部分の伸縮性材料としては、上記(3)の弾性フィラメントや伸縮性フィルム類と不織布との複合体シートを用いるのが好ましい。
固定部95に重ねて設けられる材料は、伸縮性材料であってもよく、伸縮性材料でなくてもよい。伸縮性材料でない材料としては、例えば、スパンボンド不織布が好適に挙げられる。
【0048】
本発明においては、図6に示される態様や図7に示される態様のように、下部ポケット部、上部ポケット部及び固定部のそれぞれについて、2種以上の伸縮性材料を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明においては、下部ポケット部、上部ポケット部及び固定部のそれぞれについて、伸縮性材料と伸縮性材料でない材料とを組み合わせて用いてもよい。すなわち、下部ポケット部、上部ポケット部及び固定部は、それぞれ、伸縮性材料が一部のみに用いられていてもよい。
【0049】
本発明のマスクにおいては、伸縮性材料の形状を特に限定されず、種々の形状を用いることができる。
図8は、本発明のマスクにおける伸縮性材料の形状を示す模式的な平面図である。図8(A)〜図8(C)に示されるマスクは、いずれもスリットが設けられた平面状の伸縮性材料により、下部ポケット部、上部ポケット部及び固定部が形成されている。
図8(A)に示されるマスク100aは、下部ポケット部40aと上部ポケット部50aと固定部90aとが、伸縮性材料からなる1枚の伸縮性シート部材により形成されている。
具体的には、前記伸縮性シート部材が主シート部20aと重ねて設けられ、前記伸縮性シート部材の上下の縁部が主シート部20aの上下の縁部とそれぞれ接合され、前記伸縮性シート部材の主シート部20aと重ねられた部分に直線状のスリット(図中、太線で示された部分。以下同じ。)が左右方向に設けられ、前記伸縮性シート部材の前記スリットより下側が下部ポケット部40aを構成し、前記伸縮性シート部材の前記スリットより上側が上部ポケット部50aを構成しており、また、前記伸縮性シート部材の主シート部20aと重ねられていない部分が、くの字型(左右縁側に頂点が位置する。)の耳を掛けるためのスリットを有し、固定部90aを構成している。
この態様は、伸縮性シート部材に3本のスリットを設けて主シート部20aと接合するのみで、下部ポケット部40a、上部ポケット部50a及び固定部90aを形成することができる点で、製造工程が簡易であり、製造時の伸縮性材料のロスの量が極めて少ないという利点がある。
【0050】
図8(B)に示されるマスク100bは、下部ポケット部40bと上部ポケット部50bと固定部90bとが、伸縮性材料からなる1枚の伸縮性シート部材により形成されている。
具体的には、前記伸縮性シート部材が主シート部20bと重ねて設けられ、前記伸縮性シート部材の上下の縁部が主シート部20bの上下の縁部とそれぞれ接合され、前記伸縮性シート部材の主シート部20bと重ねられた部分にくの字型(上側に頂点が位置する。)のスリットが設けられ、前記伸縮性シート部材の前記スリットより下側が下部ポケット部40bを構成し、前記伸縮性シート部材の前記スリットより上側が上部ポケット部50bを構成しており、また、前記伸縮性シート部材の主シート部20bと重ねられていない部分が、直線状の耳を掛けるためのスリットを上下方向に有し、固定部90bを構成している。
この態様は、伸縮性シート部材に3本のスリットを設けて主シート部20bと接合するのみで、下部ポケット部40b、上部ポケット部50b及び固定部90bを形成することができる点で、製造工程が簡易であり、製造時の伸縮性材料のロスの量が極めて少ないという利点がある。
【0051】
図8(C)に示されるマスク100cは、下部ポケット部40cと上部ポケット部50cと固定部90cとが、伸縮性材料からなる1枚の伸縮性シート部材により形成されている。
具体的には、前記伸縮性シート部材が主シート部20cと重ねて設けられ、前記伸縮性シート部材の上下の縁部が主シート部20cの上下の縁部とそれぞれ接合され、前記伸縮性シート部材の主シート部20cと重ねられた部分から重ねられていない部分にかけて直線状のスリットが左右方向に設けられ、重ねられた部分においては、前記伸縮性シート部材の前記スリットより下側が下部ポケット部40cを構成し、前記伸縮性シート部材の前記スリットより上側が上部ポケット部50cを構成しており、また、重ねられていない部分においては、前記スリットが耳を掛けるために用いられ、固定部90cを構成している。
この態様は、伸縮性シート部材に1本のスリットを設けて主シート部20cと接合するのみで、下部ポケット部40c、上部ポケット部50c及び固定部90cを形成することができる点で、製造工程が極めて簡易であり、製造時の伸縮性材料のロスの量が極めて少ないという利点がある。
【0052】
図9は、本発明のマスクにおける伸縮性材料の形状を示す模式的な平面図である。図9(A)及び図9(B)に示されるマスクは、いずれもスリット及び切り欠きが設けられた平面状の伸縮性材料により、下部ポケット部、上部ポケット部及び固定部が形成されている。
図9(A)に示されるマスク100dは、下部ポケット部40dと上部ポケット部50dと固定部90dとが、伸縮性材料からなる1枚の伸縮性シート部材により形成されている。
具体的には、前記伸縮性シート部材が主シート部20dと重ねて設けられ、前記伸縮性シート部材の上下の縁部が主シート部20dの上下の縁部とそれぞれ接合され、前記伸縮性シート部材の主シート部20dと重ねられた部分に横長のほぼ長方形状の切り欠きが設けられ、前記伸縮性シート部材の前記切り欠きより下側が下部ポケット部40dを構成し、前記伸縮性シート部材の前記切り欠きより上側が上部ポケット部50dを構成しており、また、前記伸縮性シート部材の主シート部20dと重ねられていない部分が、曲線状の耳を掛けるためのスリットを有し、固定部90dを構成している。
この態様は、伸縮性シート部材の切り欠き部が比較的小さい点で、製造時の伸縮性材料のロスの量が比較的小さいという利点がある。
【0053】
図9(B)に示されるマスク100eは、下部ポケット部40eと上部ポケット部50eと固定部90eとが、伸縮性材料からなる1枚の伸縮性シート部材により形成されている。
具体的には、前記伸縮性シート部材が主シート部20eと重ねて設けられ、前記伸縮性シート部材の上下の縁部が主シート部20eの上下の縁部とそれぞれ接合され、前記伸縮性シート部材の主シート部20eと重ねられた部分にくの字型(上側に頂点が位置する。)のスリットが左右方向に設けられ、前記伸縮性シート部材の前記スリットより下側が下部ポケット部40eを構成し、前記伸縮性シート部材の前記スリットより上側が上部ポケット部50eを構成しており、また、前記伸縮性シート部材の主シート部20eと重ねられていない部分が、耳を掛けるための切り欠きを有し、固定部90eを構成している。
この態様は、伸縮性シート部材の切り欠き部が比較的小さい点で、製造時の伸縮性材料のロスの量が比較的小さいという利点があり、また、固定部90eの切り欠き部に耳を掛けるため、耳を掛けやすいという利点がある。
【0054】
図10は、本発明のマスクにおける伸縮性材料の形状を示す模式的な平面図である。図10(A)及び図10(B)に示されるマスクは、いずれも切り欠きが設けられた平面状の伸縮性材料により、下部ポケット部、上部ポケット部及び固定部が形成されている。
図10(A)に示されるマスク100fは、下部ポケット部40fと上部ポケット部50fと固定部90fとが、伸縮性材料からなる1枚の伸縮性シート部材により形成されている。
具体的には、前記伸縮性シート部材が主シート部20fと重ねて設けられ、前記伸縮性シート部材の上下の縁部が主シート部20fの上下の縁部とそれぞれ接合され、前記伸縮性シート部材の主シート部20fと重ねられた部分に横長のほぼ長方形状の切り欠きが設けられ、前記伸縮性シート部材の前記切り欠きより下側が下部ポケット部40fを構成し、前記伸縮性シート部材の前記切り欠きより上側が上部ポケット部50fを構成しており、また、前記伸縮性シート部材の主シート部20fと重ねられていない部分が、耳を掛けるための切り欠きを有し、固定部90fを構成している。
この態様は、固定部90fの切り欠き部に耳を掛けるため、耳を掛けやすいという利点がある。
【0055】
図10(B)に示されるマスク100gは、下部ポケット部40gと上部ポケット部50gと固定部90gとが、伸縮性材料からなる1枚の伸縮性シート部材により形成されている。
具体的には、前記伸縮性シート部材が主シート部20gと重ねて設けられ、前記伸縮性シート部材の上下の縁部が主シート部20gの上下の縁部とそれぞれ接合され、前記伸縮性シート部材の主シート部20gと重ねられた部分に上下方向の長さが中央部において短く両側において長い切り欠きが設けられ、前記伸縮性シート部材の前記切り欠きより下側が下部ポケット部40gを構成し、前記伸縮性シート部材の前記切り欠きより上側が上部ポケット部50gを構成しており、また、前記伸縮性シート部材の主シート部20gと重ねられていない部分が、耳を掛けるための切り欠きを有し、固定部90gを構成している。
この態様は、固定部90fの切り欠き部に耳を掛けるため、耳を掛けやすいという利点があり、また、下部ポケット部40g及び上部ポケット部50gの形状が着用者の下あご及び鼻の各頂点に相当する部分が長いため、着用者の下あご及び鼻をしっかりと包み込み、着用時にずれにくいという利点がある。
【0056】
図11は、本発明のマスクにおける伸縮性材料の形状を示す模式図である。図11(A)及び図11(B)はそれぞれ平面図であり、図11(C)は外側からみた斜視図である。
図11(A)に示されるマスク100hは、下部ポケット部40hと上部ポケット部50hと固定部90hとが、2枚の伸縮性シート部材により形成されており、前記伸縮性シート部材のうち一方(図中下側のもの)が主シート部20hの下側部分と重ねて設けられ、その下の縁部が主シート部20hの下の縁部と接合され、前記伸縮性シート部材のうち他方(図中上側のもの)が主シート部20hの上側部分と重ねて設けられ、その上の縁部が主シート部20hの上の縁部と接合され、2枚の前記伸縮性シート部材の主シート部20hと重ねられていない部分が、主シート部20hの左右両側において、それぞれ結合可能に構成され、前記伸縮性シート部材の前記一方の主シート部20hの下側部分と重ねて設けられた部分が下部ポケット部40hを構成し、前記伸縮性シート部材の前記他方の主シート部20hの上側部分と重ねて設けられた部分が上部ポケット部50hを構成し、2枚の前記伸縮性シート部材の主シート部20hと重ねられていない部分が固定部90hを構成している。
固定部90hを結合可能とする方法は、特に限定されず、例えば、メカニカル結合材の雄材と雌材をそれぞれに配置させる方法が挙げられる。
なお、本発明においては、前記伸縮性シート部材のうち一方(図中下側のもの)の両端部を着用者の首の後ろで結合させ、前記伸縮性シート部材のうち他方(図中上側のもの)の両端部を着用者の頭部の後ろで結合させる態様とすることもできる。
マスク100hにおいては、前記伸縮性シート部材の前記一方の上の縁部と前記伸縮性シート部材の前記他方の下の縁部とが重なっていない。
この態様は、製造工程が極めて簡易であり、製造時の伸縮性材料の使用量及びロスが極めて少ないという利点があり、また、固定部における伸縮性シート部材の結合方法も多様な方法を採用することができるという利点がある。
【0057】
図11(B)に示されるマスク100iは、下部ポケット部40iと上部ポケット部50iと固定部90iとが、2枚の伸縮性シート部材により形成されており、前記伸縮性シート部材のうち一方(図中下側のもの)が主シート部20iの下側部分と重ねて設けられ、その下の縁部が主シート部20iの下の縁部と接合され、前記伸縮性シート部材のうち他方(図中上側のもの)が主シート部20iの上側部分と重ねて設けられ、その上の縁部が主シート部20iの上の縁部と接合され、2枚の前記伸縮性シート部材の主シート部20iと重ねられていない部分が、主シート部20iの左右両側において、それぞれ結合可能に構成され、前記伸縮性シート部材の前記一方の主シート部20iの下側部分と重ねて設けられた部分が下部ポケット部40iを構成し、前記伸縮性シート部材の前記他方の主シート部20iの上側部分と重ねて設けられた部分が上部ポケット部50iを構成し、2枚の前記伸縮性シート部材の主シート部20iと重ねられていない部分が固定部90iを構成している。
なお、本発明においては、前記伸縮性シート部材のうち一方(図中下側のもの)の両端部を着用者の首の後ろで結合させ、前記伸縮性シート部材のうち他方(図中上側のもの)の両端部を着用者の頭部の後ろで結合させる態様とすることもできる。
マスク100iにおいては、前記伸縮性シート部材の前記一方の上の縁部と前記伸縮性シート部材の前記他方の下の縁部とが重なっている。
この態様は、製造工程が極めて簡易であり、製造時の伸縮性材料のロスが極めて少ないという利点、下部ポケット部及び上部ポケット部が形成する空間がそれぞれ深くなり安定した鼻及び下あごの収容が可能となるという利点があり、また、固定部における伸縮性シート部材の結合方法も多様な方法を採用することができるという利点がある。
【0058】
図11(C)に示されるマスク100jは、下部ポケット部40jと上部ポケット部50jと固定部90jとが、2枚の伸縮性シート部材により形成されており、前記伸縮性シート部材のうち一方(図中下側のもの)が主シート部20jの下側部分と重ねて設けられ、その下の縁部が主シート部20jの下の縁部と接合され、前記伸縮性シート部材のうち他方(図中上側のもの)が主シート部20jの上側部分と重ねて設けられ、その上の縁部が主シート部20jの上の縁部と接合され、2枚の前記伸縮性シート部材の主シート部20jと重ねられていない部分が、主シート部20jの左右両側において、それぞれ結合し、前記伸縮性シート部材の前記一方の主シート部20jの下側部分と重ねて設けられた部分が下部ポケット部40jを構成し、前記伸縮性シート部材の前記他方の主シート部20jの上側部分と重ねて設けられた部分が上部ポケット部50jを構成し、2枚の前記伸縮性シート部材の主シート部20jと重ねられていない部分が固定部90jを構成している。
この態様においては、前記伸縮性シート部材のうち一方(図中下側のもの)の両端部を着用者の首の後ろで結合させ、前記伸縮性シート部材のうち他方(図中上側のもの)の両端部を着用者の頭部の後ろで結合させる。
マスク100jにおいては、前記伸縮性シート部材の前記一方の上の縁部と前記伸縮性シート部材の前記他方の下の縁部とが重なっていない。
この態様は、帽子をかぶる場合のような方法で着用するため、着用者が子どもや医療従事者である場合のように、他人が着用者に着用させたり、着用者の手が自由に使えなかったりする場合にも、容易に着用することができるという利点がある。
【0059】
図12は、本発明のマスクにおける伸縮性材料の形状を示す模式的な平面図である。
図12(A)に示されるマスク100kは、下部ポケット部40kと上部ポケット部50kと固定部90kとが、伸縮性材料からなる1枚の伸縮性シート部材により形成されている。
具体的には、前記伸縮性シート部材が主シート部20kの上側部分と重ねて設けられ、前記伸縮性シート部材の上の縁部が主シート部20kの上の縁部と接合され、前記伸縮性シート部材が主シート部20kと重ねられていない左右両側でそれぞれ折り返され、その両端部が互いに重なるように主シート部20kの下の縁部と接合され、前記伸縮性シート部材の主シート部20kの上側部分と重ねて設けられた部分が上部ポケット部50kを構成し、前記伸縮性シート部材の前記両端部の重なった部分が下部ポケット部40kを構成し、前記伸縮性シート部材の主シート部20kと重ねられていない部分が固定部90kを構成している。
伸縮性シート部材としては、容易に伸張させることができる伸縮性材料を用いた部材、例えば、伸縮性のある包帯を用いるのが好ましい態様の一つである。
この態様は、着用者が子どもや医療従事者である場合のように、他人が着用者に着用させたり、着用者の手が自由に使えなかったりする場合にも、容易に着用することができるという利点があり、また、着用時にずれにくいという利点がある。
【0060】
図12(B)に示されるマスク100lは、下部ポケット部40lと上部ポケット部50lと固定部90lとが、伸縮性材料からなる1枚の伸縮性シート部材により形成されている。
具体的には、前記伸縮性シート部材が主シート部20lの下側部分と重ねて設けられ、前記伸縮性シート部材の下の縁部が主シート部20lの下の縁部と接合され、前記伸縮性シート部材が主シート部20lと重ねられていない左右両側でそれぞれ折り返され、その両端部が互いに重なるように主シート部20lの上の縁部と接合され、前記伸縮性シート部材の主シート部20lの下側部分と重ねて設けられた部分が下部ポケット部40lを構成し、前記伸縮性シート部材の前記両端部の重なった部分が上部ポケット部50lを構成し、前記伸縮性シート部材の主シート部20lと重ねられていない部分が固定部90lを構成している。
伸縮性シート部材としては、容易に伸張させることができる伸縮性材料を用いた部材、例えば、伸縮性のある包帯を用いるのが好ましい態様の一つである。
この態様は、着用者が子どもや医療従事者である場合のように、他人が着用者に着用させたり、着用者の手が自由に使えなかったりする場合にも、容易に着用することができるという利点があり、また、着用時にずれにくいという利点がある。
【0061】
図13は、本発明のマスクにおける伸縮性材料の形状を示す模式的な平面図である。
図13(A)に示されるマスク100mは、主シート部20mに設けられた下部ポケット部40mを形成する伸縮性材料、上部ポケット部50mを形成する伸縮性材料及び固定部90mを形成する伸縮性材料がそれぞれ別個の部材となっている。
この態様は、下部ポケット部40mと上部ポケット部50mとが別個の部材であり、それぞれ左右方向に長い開口部を有するため、種々の顔面の大きさの着用者が着用することができるという利点がある。
【0062】
図13(B)に示されるマスク100nは、主シート部20nに設けられた下部ポケット部40nを形成する伸縮性材料、上部ポケット部50nを形成する伸縮性材料及び固定部90nを形成する伸縮性材料がそれぞれ別個の部材となっている点で、マスク100mと同様であるが、下部ポケット部、上部ポケット部及び固定部の形状がそれぞれ異なっている。具体的には、下部ポケット部、上部ポケット部及び固定部が、左右方向の中央部において外側に凸状となった立体構造となっている。
この態様は、下部ポケット部40mと上部ポケット部50mとが別個の部材であり、それぞれ左右方向に長い開口部を有し、更に、立体構造となっているため、種々の顔面の大きさの着用者が着用することができるという利点がより大きい。
【0063】
以上、本発明のマスクを図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、各部の構成は、同様の機能を発揮しうる任意の構成と置換することができる。
また、各実施形態における各部の構成を任意に組み合わせて、別の実施形態とすることもできる。
【0064】
本発明のマスクは、種々の用途に好適に用いられる。中でも、着用者から病原体が外部に放出されることを防止するためのマスクとして好適に用いられる。
【実施例】
【0065】
以下、本発明について実施例を用いてより詳細に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例に限定されない。
【0066】
1.マスクの製造
(実施例1)
以下のようにして、図1に示されるマスク100を製造した。
内面シートとなるPE製不織布(DELNET、三昌社製、目付20g/m2)と、外面シートとなるPP製のSMMS不織布(Avgol社製、目付13g/m2)との間に、病原体不活性化層となるPE/PET製エアスルー不織布(ユニチカ社製、目付40g/m2)にAg・Znイオン担持ゼオライト(富士ケミカル社製、バクテライト)を1.0g/m2塗布したシートを挟んで、主シート部20となる積層体を得た。
積層体は、左右方向の長さ(x)が160mm、上下方向の長さ(y)が110mmであった。
下部ポケット部40、上部ポケット部50及び固定部90を形成する伸縮性シート部材としては、合成ゴムフィルムの両面を不織布で挟んだ複合体であるFlex AireTM 541 Elastic Laminate(米国トレドガー社製、目付95g/m2)を用いた。
伸縮性シート部材は、左右方向の長さ(x)が340mm、上下方向の長さ(y)が110mmであり、主シート部20と重なる部分の左右方向の長さ(x)が160mmであった。伸縮性シート部材の主シート部20と重ねられる部分の中央には、下部ポケット部40の開口部の左右方向の長さ(x)が140mm、上下方向の長さ(y)が50mm、上部ポケット部50の開口部の左右方向の長さ(x)が120mm、上下方向の長さ(y)が35mmになるような切り欠きが設けられ、主シート部20と重ねられない部分には両端部から約10mm内側に、耳に掛けるための切り欠きが設けられた。
上記積層体に上記伸縮性シート部材を重ね、積層体の四辺をヒートシールして両者を接合させ、図1に示されるマスク(伸縮体シート部材切り欠き型のマスク)100を得た。
なお、上記積層体の通気性はフラジール形法で45cm3/(cm2・s)であり、上記伸縮性シート部材の通気性はフラジール形法で10cm3/(cm2・s)であった。
【0067】
(実施例2)
積層体の左右方向の長さ及び伸縮性シート部材との接合方法を変更した以外は、実施例1と同様の方法により、図2に示されるマスク106を製造した。
具体的には、実施例1の積層体の左右方向の長さを200mmとした積層体に、実施例1と同様の伸縮性シート部材を左右方向の長さが200mm(伸長率(非伸張時の長さに対する伸張時の長さの割合):125%)となるように左右方向に引っ張って伸張させた状態で重ね、積層体の四辺をヒートシールして両者を接合させ、その後、引っ張る力を除去して、図2に示されるマスク(伸縮体シート部材切り欠き型のマスク)106を得た。得られたマスク106においては、主シート部26と伸縮性シート部材との接合部の左右方向の長さは約160mmであった。
【0068】
2.マスクの評価
実施例1及び2で得られたマスクと後述する比較例1〜3のマスクについて、3名の成人被験者(女性2名、男性1名)に着用させ、以下の(1)〜(4)の項目の評価を行った。
図14は、比較例1のマスクの模式的な斜視図である。図14に示されるマスク110は、ガーゼマスクのフラット型(白十字社製、ガーゼマスク)であった。具体的には、平面状のガーゼを重ねてなる本体部の左右両側にゴム紐からなる固定部を有するガーゼマスクであった。
図15は、比較例2のマスクの模式的な斜視図である。図15に示されるマスク112は、ガーゼマスクのプリーツ型(興和社製、三次元マスク)であった。具体的には、左右方向のプリーツを複数設けた1枚のガーゼからなる本体部の左右両側にゴム紐からなる固定部を有するガーゼマスクであった。
図16は、比較例3のマスクの模式的な斜視図である。図16に示されるマスク114は、立体型マスク(ユニ・チャーム社製、超立体マスク)であった。具体的には、本体部が左右方向の中央部において外側に凸状となった立体構造となっているマスクであった。
【0069】
(1)着用時の隙間の発生状態
着用時の呼気の漏れの指標として、着用時の隙間の発生状態を評価した。具体的には、マスク着用時に、マスクの本体部の四辺において、着用者の顔面との間の隙間の発生状態を評価した。
(2)着用時のずれやすさ
マスク着用時に、着用者に口を上下に開閉させ、その際のマスクのずれやすさを評価した。
(3)着用時の口唇への接触状態
マスク着用時に、着用者に口を動かさせ、その際の口唇への接触状態を評価した。
(4)着用時の頬の部位への接触状態、圧迫感
マスク着用時に、マスクの本体部周縁と頬との接触状態や圧迫感を評価した。
【0070】
結果の概要を第1表に示す。
また、図17に、各種マスクの着用状態の模式図を示す。図17(A)は比較例1のマスク110の着用状態の模式図であり、図17(B)は比較例2のマスク112の着用状態の模式図であり、図17(C)は比較例3のマスク114の着用状態の模式図であり、図17(D)は実施例1のマスク100の着用状態の模式図であり、図17(E)は実施例2のマスク106の着用状態の模式図である。なお、図17(D)及び図17(E)に示されるように、実施例1のマスク100及び実施例2のマスク106は、伸縮性シート部材(図中、ハッチ部)により形成されている下部ポケット部及び上部ポケット部をそれぞれめくった状態で着用された。
【0071】
比較例1のマスクは、本体部の内面のほぼ全面が口の周辺に接触しているため着用感が悪く、また、女性の着用者の場合は口紅が本体部の内面に付着していた。また、口の動きに連動して本体部のずれが生じ、本体部の周縁に大きな隙間が発生した。
比較例2のマスクは、マスク中央のプリーツが上下に広がるので、ある程度着用者の鼻及び下あごを包むことが可能であり、口を開閉する上下の動きに対して、マスク本体のずれを多少抑えることができたが、本体部が前後に膨らんだりへこんだりして、へこんだ部分が着用者の口唇や頬に接触しやすくなるため、女性の着用者の場合は口紅が本体部の内面に付着していた。また、本体部の左右端では真ん中が浮き上がり、大きな隙間が発生した。
比較例3のマスクは、本体部の中央が膨らんでいるので、口唇との接触は生じず、女性の着用者の場合でも口紅の付着はみられなかったが、頬の口元に近い位置で固定部シートと結合されているため、着用中は両頬への圧迫感が多少強く感じられた。また、本体部及び中央シール部の剛性が高いために、あごの動きと共にマスクが上下にずれやすかった。
【0072】
実施例1のマスクは、本体部と顔面との接触は下部ポケット部及び上部ポケット部を形成する伸縮性シート部材の部分で生じるのみであり、主シート部は、口元から頬にかけて全体に浮き上がった状態(フローティング状態)になっているので、直接顔面に接触することはなく、女性の着用者の場合でも口紅の付着はみられなかった。
また、口の開閉等、顔面の動きに対しては、柔軟な伸縮シートがその動きを吸収して主シート部には伝わらなくなるので、主シート部のずれはほとんど発生しなかった。
実施例2のマスクは、実施例1のマスクの場合とほぼ同様な結果であるが、伸縮性シート部材を伸張させて主シート部と接合させているため、主シート部のフローティング状態が大きくなっていた(大きく浮き上がった状態になっていた)ため、口唇及び口の周辺からの離間距離が大きくなって、快適な着用感が得られた。女性の着用者の場合でも口紅の付着はみられなかった。
【0073】
【表1】

【符号の説明】
【0074】
10、11、12、13、14、15、16 本体部
20、20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h、20i、20j、20k、20l、20m、20n、26 主シート部
40、40a、40b、40c、40d、40e、40f、40g、40h、40i、40j、40k、40l、40m、40n、41、42、43、44、45、46 下部ポケット部
50、50a、50b、50c、50d、50e、50f、50g、50h、50i、50j、50k、50l、50m、50n、51、52、53、54、55、56 上部ポケット部
90、90a、90b、90c、90d、90e、90f、90g、90h、90i、90j、90k、90l、90m、90n、91、92、93、94、95、96 固定部
100、100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g、100h、100i、100j、100k、100l、100m、100n、101、102、103、104、105、106、110、112、114 マスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の鼻及び口を含む顔面下部を覆う本体部と、前記本体部の左右に結合され、前記本体部を着用者の顔面下部に固定する固定部と
を具備し、
前記本体部が、主シート部と、前記主シート部の下部に設けられた着用者の下あごを収容する空間を形成する下部ポケット部と、前記主シート部の上部に設けられた着用者の鼻を収容する空間を形成する上部ポケット部とを有し、
前記下部ポケット部と前記上部ポケット部と前記固定部とが、いずれも、伸縮性材料により形成されているマスク。
【請求項2】
前記下部ポケット部と前記上部ポケット部と前記固定部とが、1枚の伸縮性シート部材により形成されている、請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記伸縮性シート部材が前記主シート部と重ねて設けられ、
前記伸縮性シート部材の上下の縁部が前記主シート部の上下の縁部とそれぞれ接合され、
前記伸縮性シート部材の前記主シート部と重ねられた部分にスリット又は切り欠きが設けられ、
前記伸縮性シート部材の前記スリット又は切り欠きより下側が前記下部ポケット部を構成し、
前記伸縮性シート部材の前記スリット又は切り欠きより上側が前記上部ポケット部を構成する、請求項2に記載のマスク。
【請求項4】
前記伸縮性シート部材の前記主シート部と重ねられていない部分が、耳を掛けるためのスリット又は切り欠きを有し、前記固定部を構成している、請求項2又は3に記載のマスク。
【請求項5】
前記伸縮性シート部材が前記主シート部の下側部分と重ねて設けられ、
前記伸縮性シート部材の下の縁部が前記主シート部の下の縁部と接合され、
前記伸縮性シート部材が前記主シート部と重ねられていない左右両側でそれぞれ折り返され、その両端部が互いに重なるように前記主シート部の上の縁部と接合され、
前記伸縮性シート部材の前記主シート部の下側部分と重ねて設けられた部分が前記下部ポケット部を構成し、
前記伸縮性シート部材の前記両端部の重なった部分が前記上部ポケット部を構成し、
前記伸縮性シート部材の前記主シート部と重ねられていない部分が前記固定部を構成する、請求項2に記載のマスク。
【請求項6】
前記伸縮性シート部材が前記主シート部の上側部分と重ねて設けられ、
前記伸縮性シート部材の上の縁部が前記主シート部の上の縁部と接合され、
前記伸縮性シート部材が前記主シート部と重ねられていない左右両側でそれぞれ折り返され、その両端部が互いに重なるように前記主シート部の下の縁部と接合され、
前記伸縮性シート部材の前記主シート部の上側部分と重ねて設けられた部分が前記上部ポケット部を構成し、
前記伸縮性シート部材の前記両端部の重なった部分が前記下部ポケット部を構成し、
前記伸縮性シート部材の前記主シート部と重ねられていない部分が前記固定部を構成する、請求項2に記載のマスク。
【請求項7】
前記下部ポケット部と前記上部ポケット部と前記固定部とが、2枚の伸縮性シート部材により形成されており、
前記伸縮性シート部材のうち一方が前記主シート部の下側部分と重ねて設けられ、その下の縁部が前記主シート部の下の縁部と接合され、
前記伸縮性シート部材のうち他方が前記主シート部の上側部分と重ねて設けられ、その上の縁部が前記主シート部の上の縁部と接合され、
2枚の前記伸縮性シート部材の前記主シート部と重ねられていない部分が、前記主シート部の左右両側において、それぞれ結合し、又は結合可能に構成され、
前記伸縮性シート部材の前記一方の前記主シート部の下側部分と重ねて設けられた部分が前記下部ポケット部を構成し、
前記伸縮性シート部材の前記他方の前記主シート部の上側部分と重ねて設けられた部分が前記上部ポケット部を構成し、
2枚の前記伸縮性シート部材の前記主シート部と重ねられていない部分が前記固定部を構成する、請求項1に記載のマスク。
【請求項8】
前記伸縮性シート部材の前記一方の上の縁部と前記伸縮性シート部材の前記他方の下の縁部とが重なっている、請求項7に記載のマスク。
【請求項9】
前記伸縮性シート部材の前記一方の上の縁部と前記伸縮性シート部材の前記他方の下の縁部とが重なっていない、請求項7に記載のマスク。
【請求項10】
前記主シート部が、内面シートと、病原体不活性化層と、外面シートとが着用者側からこの順で積層された積層体を有する、請求項1〜9のいずれかに記載のマスク。
【請求項11】
前記病原体不活性化層が、複数枚のシート状材料から構成されている、請求項10に記載のマスク。
【請求項12】
前記積層体の通気度が前記下部ポケット部及び前記上部ポケット部のいずれよりも大きい、請求項10又は11に記載のマスク。
【請求項13】
前記下部ポケット部及び/又は前記上部ポケット部の開口縁部の左右方向の長さが、前記主シート部のそこに相当する部分の左右方向の長さよりも短い、請求項1〜12のいずれかに記載のマスク。
【請求項14】
着用者の鼻と下あごと前記固定部に対応する部位とにおいて密着し、着用者の顔面に固定される、請求項1〜13のいずれかに記載のマスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−160944(P2011−160944A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26166(P2010−26166)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【特許番号】特許第4635129号(P4635129)
【特許公報発行日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(592034744)株式会社日本吸収体技術研究所 (28)
【Fターム(参考)】